(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】浴槽支持台及び浴槽支持装置
(51)【国際特許分類】
A47K 3/162 20060101AFI20220119BHJP
A47K 3/17 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A47K3/162
A47K3/17
(21)【出願番号】P 2019145612
(22)【出願日】2019-08-07
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】10-2018-0095412
(32)【優先日】2018-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519289109
【氏名又は名称】ハ、スンス
【氏名又は名称原語表記】HA SeungSoo
【住所又は居所原語表記】Korea , Busan-si , Yeonje-gu , bubwonbuk-ro 16 , 210-2302 (Geoje-dong)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ハ、スンス
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-006846(JP,A)
【文献】特開2010-104627(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0234622(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/16
A47K 3/162
A47K 3/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面の前後側にボルト孔が形成され、前面には嵌合孔が形成され、
前背面には係合孔が多数形成されて浴槽を受け止める支持板と、前記支持板の前面に形成された嵌合孔に沿って引き込まれ、前側に浴槽カバーを支持可能な支持面が形成され、一方の面には鋸歯部が形成される支持棒と、前記支持板の内部において結合される支持棒の鋸歯部に接続するが、前記支持棒が無断で引き込まれることを防止するストッパー及び前記支持板のボルト孔にボルト係合して回転作動により
水平になるように構成された調節足踏み板により構成されて所定の距離だけ離れて隔設される一対の浴槽支持台と;
前記一対の浴槽支持台を繋ぎ合わせるために、前背面にそれぞれ配設される結合バーと、前記結合バーを前記支持板の前背面にそれぞれ固定するために前記結合バーを密着しながら前記係合孔に係合する係合突起が形成されたブラケットと、からなる連結部材と;
を備えてなることを特徴とする浴槽支持装置。
【請求項2】
前記結合バーの長手方向の両端部寄りには、各浴槽支持台の支持棒を収容するレール孔が形成されていて、前記支持棒に干渉されずに一対の浴槽支持台間の距離が調節可能であるが、間隔の調節が手軽に行えるように
前記結合バーにおける前記レール孔の中心部を基準として
前記レール孔の上下の両側に目盛り若しくは数字が表示されることを特徴とする請求項1に記載の浴槽支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽を設置するための浴槽支持台及び浴槽支持装置に係り、さらに詳しくは、浴槽の設置が簡単且つ手軽に行えるようにするが、高低の調節により浴槽の水平を容易に合わせることができ、さらに、浴槽カバーもまた支持することができて設置後に全般的な安定感を大幅に向上させるようにした浴槽支持台及び浴槽支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、浴槽を設置するためには、煉瓦とセメントなどで床面を水平に形成した後、その上に浴槽を設置して固定するなど複雑な施工方法が求められて、施工コストの高騰をきたすことはもとより、それにも拘わらず、煉瓦を積み重ねる過程において安定感が低下してしまうという欠点があった。
【0003】
これを解消するために、近年、水平に高低を合わせられるような構成を有する浴槽支持台を用いている。例えば、韓国実用新案登録番号第20-0343798号(2004年3月9日付け公告)が提案されている。
【0004】
同公報を参照すると、支持台にボルト結合された支持脚を備えて支持脚を回しながら浴槽の水平を合わせられるようにして簡単な施工を提案している。しかしながら、浴槽の荷重とともに、ボルト棒タイプに構成された支持脚を回転させながら微細な水平を調節するためにはかなりの不便さがあり、浴槽のカバーを支持したり受け止めたりする構成要素がないため、その後、カバーが押されてしまうという現象が頻繁に生じ、何よりも浴槽の下面の両側に配備される支持台の位置が互いにずれてしまうという現象も生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国実用新案登録番号第20-0343798号(2004年3月9日付け公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題を解消するために案出されたものであり、浴槽の設置が簡単且つ手軽に行えるようにするが、高低の調節により浴槽の水平を容易に合わせることができ、さらに、浴槽カバーもまた支持することができて設置後に全般的な安定感を大幅に向上させるようにした浴槽支持台及び浴槽支持装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明は、下面の前後側にボルト孔が形成され、前面には嵌合孔が形成され、前背面の一方の側には係合孔が多数形成されて浴槽を受け止める支持板と、前記支持板の前面に形成された嵌合孔に沿って引き込まれ、前側に浴槽カバーを支持可能な支持面が形成され、一方の面には鋸歯部が形成される支持棒と、前記支持板の内部において結合される支持棒の鋸歯部に接続するが、前記支持棒が無断で引き込まれることを防止するストッパー及び前記支持板のボルト孔にボルト係合して回転作動により水平を合わせられるように構成された調節足踏み板により構成されて所定の距離だけ離れて隔設される一対の浴槽支持台と;前記一対の浴槽支持台を繋ぎ合わせるために、前背面にそれぞれ配設される結合バーと、前記結合バーを前記支持板の前背面にそれぞれ固定するために前記結合バーを密着しながら前記係合孔に係合する係合突起が形成されたブラケットと、からなる連結部材と;を備えてなる。
【0008】
好ましくは、前記結合バーの両側には、各浴槽支持台の支持棒を収容するレール孔が形成されていて、前記支持棒に干渉されずに一対の浴槽支持台間の距離が調節可能であるが、間隔の調節が手軽に行えるように中心部を基準として両側に目盛り若しくは数字が表示されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、浴槽の設置が簡単且つ手軽に行えるようにするが、足踏み板の高低の調節により浴槽の水平を容易に合わせることができ、さらに、支持棒を介して浴槽カバーもまた支持できるようにした改善された構造により設置後に全般的な安定感を大幅に向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の好適な一実施形態に係る浴槽支持台を示す分解斜視図である。
【
図2】本発明の好適な一実施形態に係る浴槽支持台を示す分解横断面図である。
【
図3】本発明の好適な一実施形態に係る浴槽支持台の結合関係を示す横断面図である。
【
図4】「イ」は、本発明の好適な一実施形態に係る浴槽支持台の使用状態を示す概略正面図であり、「ロ」は、概略側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る浴槽支持装置を示す分解斜視図である。
【
図6】本発明の好適な一実施形態に係る連結部材を示す斜視図である。
【
図7】本発明の好適な一実施形態に係る連結部材の結合関係を示す斜視図である。
【
図8】本発明の好適な一実施形態に係る浴槽支持装置の使用状態を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面に基づき、本発明の浴槽支持台及び浴槽支持装置についてより詳しく説明する。
【0012】
本発明を説明するに先立って、本明細書及び特許請求範囲において用いられた用語や単語は、通常的若しくは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜に定義することができるという原則を踏まえて、本発明の技術的思想に見合う意味と概念を有するように解釈しなければならない。
【0013】
よって、本明細書に記載の一実施形態と図示の構成は、本発明の最適な一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想をいずれも代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代え得る種々の均等物と変形例があり得るということを理解しなければならない。
【0014】
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る浴槽支持台を示す分解斜視図であり、
図2は、本発明の好適な一実施形態に係る浴槽支持台を示す分解横断面図であり、
図3は、本発明の好適な一実施形態に係る浴槽支持台の結合関係を示す横断面図であり、
図4は、「イ」は、本発明の好適な一実施形態に係る浴槽支持台の使用状態を示す概略正面図であり、「ロ」は、概略側面図である。
【0015】
まず、
図1及び
図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る浴槽支持台10は、大きく、支持板20、支持棒30、ストッパー40及び調節足踏み板50を備えてなる。
【0016】
前記支持板20は、下面の前後側にボルト孔22が形成され、前面には嵌合孔24が形成されている。このような支持板20は、浴槽の下面を受け止めるものであり、略矩形状に形成される。
【0017】
次いで、前記支持棒30は、前記支持板20の前面に形成された嵌合孔24に沿って内部に引き込まれ、前側に浴槽カバーを支持可能な支持面32が形成され、一方の面には鋸歯部34が形成されている。
【0018】
次いで、前記ストッパー40は、前記支持板20の内部に配設されるが、前記支持棒30の鋸歯部34に接続するように配備されて前記支持棒30が無断で引き込まれることを防止することになる。すなわち、
図3に示すように、前記ストッパー40を外側に反らして支持棒30の鋸歯部34から離脱させなければ、前記支持棒30が支持板20の内部に引き込まれることは遮断することになり、逆に、支持棒30を支持板20の外部に引き出す動作には何らの干渉をしなくなるという構成であることが判る。
【0019】
最後に、前記調節足踏み板50は、前記支持板20のボルト孔22にボルト係合するボルト棒52及び前記ボルト棒52の下面に結合されて地面に密着される足踏み板54からなって、回転動作により水平を合わせられるように構成され、回転作動が手軽に行えるように前記ボルト棒52には十字状の取っ手56が配備されて別途の工具なしにも作業者が手軽に回転させられるように構成することが好ましい。
【0020】
上記のような構成を有する本発明の浴槽支持台10は、
図4の「イ」に示すように、浴槽Bの下面の両側にそれぞれ配備されて浴槽Bを受け止めており、調節足踏み板54の高低の調節により浴槽Bの水平を合わせることができて施工が手軽に行えるが、特に、取っ手56を用いて手軽に回転させることができるというメリットがある。
【0021】
一方、「ロ」に示すように、支持板20の内部に配備されているストッパー40を反らして支持棒30の鋸歯部34に対する干渉を解除し、支持板20の内外部に摺動させる作動を通じて浴槽カバーCを支持面32が支持するようにした後、ストッパー40が鋸歯部34を支持するようにすれば、無断で前記支持棒30が引き込まれることがないので、カバーCが押されてしまうという現象を源泉的に防止することができて、施工の安全性を大幅に向上させることが可能になるのである。
【0022】
図5は、本発明の一実施形態に係る浴槽支持装置を示す分解斜視図であり、
図6は、本発明の好適な一実施形態に係る連結部材を示す斜視図であり、
図7は、本発明の好適な一実施形態に係る連結部材の結合関係を示す斜視図であり、
図8は、本発明の好適な一実施形態に係る浴槽支持装置の使用状態を示す概略正面図である。
【0023】
図5から
図7を参照すると、本発明の一実施形態に係る浴槽支持装置100は、大きく、所定の距離だけ離れて隔設される一対の浴槽支持台10及び前記一対の浴槽支持台10を繋ぎ合わせるために配備される連結部材110を備えてなる。
【0024】
まず、前記浴槽支持台10は、上述したように、支持板20、支持棒30、ストッパー40及び調節足踏み板50を備えて、上述と同じ構成及び作動関係を有する。そのため、同じ構成要素に対しては同じ符号を付し、別途の詳述は省略する。但し、前記支持板20の前背面に係合孔26が多数形成される点において相違点があり、このような浴槽支持台10が一対に構成されて所定の距離だけ離れて隔設されるのである。
【0025】
次いで、前記連結部材110は、前記一対の浴槽支持台10の前背面にそれぞれ取り付けられて一対の浴槽支持台10を繋ぎ合わせて一体化させるために配備されるものであり、前記一対の浴槽支持台10の前背面にそれぞれ配設される結合バー120及び前記結合バー120を前記支持板20にそれぞれ固定するために前記結合バー120を密着しながら前記係合孔26に係合する係合突起134が形成されたブラケット130を備えてなる。
【0026】
前記結合バー120の両側には、前記支持板20の前面に配備される支持棒30の結合及び摺動動作に干渉をしないことはもとより、一対の浴槽支持台10の幅の調節の際に支持棒30に干渉されないようにするために前記支持棒30を収容するレール孔122が形成され、前記レール孔122の上下側には、ピン孔124が一定の間隔を隔てて多数形成されている。なお、前記結合バー120を中心部を基準として両側に一定の間隔をあけて目盛り及び数字が表示されているが、これは、一対の浴槽支持台10間の間隔を調節するときに精度よく調節できるようにするために配備されるものである。
【0027】
一方、前記レール孔122の上下側にピン孔124が多数形成されることは、後述するブラケット130に締結されるためであるが、これは、結合バー120が遊動することなく強固に結束されるために配備されるものである。
【0028】
前記ブラケット130は、背面に前記結合バー120に形成されたピン孔124に係合するためのピン132が多数形成され、前記レール孔122を貫通して支持板20の前背面に形成された係合孔26に係合する係合突起134が多数形成される。すなわち、前記結合バー120の両端において前記ブラケット130のピン132がピン孔124に係合するようにするとともに、係合突起134が支持板20に形成された係合孔26に係合するように締結すれば、前記結合バー120は、一対の浴槽支持台10を繋ぎ合わせて一体化させることにより、矩形状の枠状を呈することになる。
【0029】
このようにして結合された状態で、ブラケット130を取り外すと、一対の浴槽支持台10は、浴槽の大きさ若しくは設置与件に応じて、間隔を調節することが可能になるが、結合バー120に表示された目盛り若しくは数字を介して正確な位置に調節することが可能になるということはいうまでもない。調節し終えると、再びブラケット130を支持板20に締結すれば、固定されるのである。
【0030】
こうなると、
図8に示すように、一つの矩形状の枠状を呈する本発明の浴槽支持装置100が浴槽Bの下面を受け止めることになって、さらに安定的な施工状態を実現することが可能になり、ここでは、図示が省略されているが、上述したように、浴槽支持台10の支持板20に配備された調節足踏み板50の高低を調節することで、水平の調節が手軽に行えるようにし、支持棒30を引き込んだり引き出したりして浴槽カバーCを支持するようにすることにより、さらに強固に且つ手軽に浴槽を施工することが可能になるのである。
【0031】
前述した内容においては、後述する発明の特許請求範囲をより上手く理解できるように本発明の特徴と技術的な長所をやや幅広く概説した。本発明の特許請求範囲を構成する付加的な特徴と長所が以下において詳述される。開示された本発明の概念と特定の実施形態は、本発明と略同じ目的を行うための別の構造の設計や修正の基本であって、直ちに使用可能であるということが当該技術分野における熟練された者により認識されるべきである。
【0032】
また、本発明において開示された発明の概念および実施形態が本発明の同じ目的を行うために別の構造に修正したり設計したりするための基礎であって、当該技術分野における熟練された者によるそのような修正または変更された等価構造は、特許請求範囲において記述した発明の思想や範囲を逸脱しない範囲内において種々の変化、置換及び変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0033】
10 浴槽支持台
20 支持板
22 ボルト孔
24 嵌合孔
26 係合孔
30 支持棒
32 支持面
34 鋸歯部
40 ストッパー
50 調節足踏み板
52 ボルト棒
54 足踏み板
56 取っ手
100 浴槽支持装置
110 連結部材
120 結合バー
122 レール孔
124 ピン孔
130 ブラケット
132 ピン
134 係合突起
B 浴槽
C カバー