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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】マルチメディア記憶担体の包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/57 20060101AFI20220119BHJP
   B65D 21/032 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
B65D85/57 L
B65D21/032
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020130700
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2021024647
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】201910713737.0
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514043816
【氏名又は名称】精密産品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】留国典
(72)【発明者】
【氏名】留君銘
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-210333(JP,A)
【文献】特開昭62-271271(JP,A)
【文献】登録実用新案第3071025(JP,U)
【文献】特開2005-088995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/57
B65D 21/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディア記憶担体の包装容器であって、
パネル部及び周側部を含み、
前記パネル部は前記周側部に設けられ、前記周側部の内壁とともにマルチメディア記憶担体を収容する内腔を構成し、
前記周側部にバックル部、及びバックル部の相対方向でのスロット部が設けられ、前記バックル部と前記スロット部とがマルチメディア記憶担体を前記内腔中に固定するためのものであり、
前記バックル部に、マルチメディア記憶担体の底面に当接するための受け部材が設けられ、前記受け部材が下る場合、前記バックル部はマルチメディア記憶担体と係合し、前記受け部材が上る場合、マルチメディア記憶担体と前記バックル部とを離脱させるようにし、
前記スロット部は固定具及び可動具を含み、前記固定具が前記周側部の内壁、パネル部とともに、マルチメディア記憶担体の周縁部分を収容するスロット腔を構成し、前記可動具が弾性具であり、スロット腔から外へ運動する力をマルチメディア記憶担体に印加するためのものであり、
前記固定具は前記周側部の内壁からパネル部の方向へ突出し、その前端が上下の両斜面輪郭を有することを特徴とするマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項2】
前記バックル部はさらに、マルチメディア記憶担体の周縁部分と係合するための位置決め部材、及び付勢するための押圧部材を含み、前記受け部材及び前記位置決め部材がそれぞれ前記押圧部材に接続されることを特徴とする請求項1に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項3】
前記押圧部材は、該押圧部材に設けられたアーム部材により前記パネル部に接続され、前記押圧部材は下に向かって宙に浮く状態をなしていることを特徴とする請求項2に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項4】
前記位置決め部材は少なくとも1つの位置決めアームを含み、前記位置決めアームの一端が前記押圧部材に接続され、他端に周側部の内壁に合わせた端面が設けられ、前記端面に外へ突出する位置決めブロックが設けられ、前記位置決めブロックの外端が上下の両斜面輪郭を有することを特徴とする請求項2に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項5】
前記受け部材は少なくとも1つ設けられ、前記受け部材の一端がマルチメディア記憶担体の底面に当接するためであり、他端が該受け部材に設けられた第1折り曲げり部により前記押圧部材に接続されることを特徴とする請求項4に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項6】
前記可動具はアーチ型シート状構造であり、前記可動具の一端が周側部に接続され、他端が下へ延びており、前記可動具は前記固定具に挿入されるように設置されており、下へ延びる一端が宙に浮く状態をなしていることを特徴とする請求項に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項7】
前記可動具はV字状構造であり、前記可動具の開口が上に向かい、底部がアーチ型構造を有し、前記可動具の一端が前記周側部に接続され、他端が宙に浮く状態をなしていることを特徴とする請求項に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項8】
前記可動具は該可動具に設けられた第2折り曲げり部により前記周側部に接続され、前記第2折り曲げり部が略S形の両弧度構造であることを特徴とする請求項またはに記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項9】
前記スロット部は少なくとも2つ設けられ、前記バックル部の相対方向の周側部に対称に設けられることを特徴とする請求項1に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項10】
前記スロット部は2つ設けられ、前記スロット部と前記パネル部の中心とのなす角度が0度より大きく、270度以下であることを特徴とする請求項に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項11】
前記周側部に、ユーザがマルチメディア記憶担体の周縁部分を把持しやすくするように、少なくとも1つの指状凹部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項12】
前記周側部に少なくとも1つのリンク状構造の凸部が設けられ、前記凸部と前記周側部の外縁とが段階溝を形成することで、隣り合う包装容器の周側部の外壁を置くことを特徴とする請求項1に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項13】
前記パネル部と前記周側部との接続箇所に、マルチメディア記憶担体の周縁部分を支持するための段階部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【請求項14】
前記パネル部の中心に、マルチメディア記憶担体中心孔と結合するための心柱部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のマルチメディア記憶担体の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はマルチメディア記憶担体の包装という技術分野に関わり、特にマルチメディア記憶担体の包装容器に関わる。
【背景技術】
【0002】
通用するマルチメディア記憶担体は一般的に、中央の円形位置決め孔及びリンク状周縁部分を含み、中央の円形位置決め孔とリンク状周縁部分との間はデータ記憶領域であり、このようなマルチメディア記憶担体を保存する保護容器はいずれも、マルチメディア記憶担体の両側のいずれ側のデータ保存領域に接触することなく中心位置決め孔と結合することによってマルチメディア記憶担体を支持してクランプする中心受台を1つ有し、マルチメディア記憶担体をポストに下げると同時に相対する周縁部分をクランプすることでそれを容器に装入し、そして、指で中心孔箇所に近いマルチメディア記憶担体を押圧することで、マルチメディア記憶担体と中央ポストとを結合させ、取り外す場合、指で中央ポストを押し付けると同時に周縁部分箇所で上げることによって実現する。このような中央ポストにより固定する保護容器は、入れるか、それとも出すかについて、ともにスムーズではなく、特に不正に利用する場合に、マルチメディア記憶担体を損害し、その中に保存されたデータを破壊することになる。なお、あるサイズが大きなマルチメディア記憶担体、例えば、ロングプレイングレコード(LP)について、片手で中央ポストを押し付けながら周縁部分をクランプして上げる操作を実現できないので、このような保護容器を利用すると、マルチメディア記憶担体を出し入れることは非常に不便である。
【0003】
従来技術には、カバーなしの保護トレイがさらに提供され、同様に中央ポストによりデータディスクを固定し、このようなタイプの保護トレイはスタックの方式で保管され、最近、このようなタイプのトレイが移動する場合、上部のトレイは下部のトレイ中のマルチメディア記憶担体を傷して、その中に保存されたデータを破壊することを発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、マルチメディア記憶担体、例えば、ロングプレイングレコード(LP)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)等の包装装置を提供することで、従来技術において中央ポストによりディスクを固定する必要があってディスクの脱着がスムーズではなくて便利ではない課題、及びトレイがスタックで保管される場合、トレイが移動するとその中のマルチメディア記憶担体を傷することになる課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これに鑑み、本出願は、パネル部及び周側部を含むマルチメディア記憶担体の包装容器であって、
前記パネル部は前記周側部に設けられ、前記周側部の内壁とともにマルチメディア記憶担体を収容する内腔を構成し、
前記周側部にバックル部、及びバックル部の相対方向でのスロット部が設けられ、前記バックル部と前記スロット部とがマルチメディア記憶担体を前記内腔中に固定するためのものであり、
前記バックル部に、マルチメディア記憶担体の底面に当接する受け部材が設けられ、前記受け部材がマルチメディア記憶担体を受けるためのものであり、前記受け部材が下る場合、バックル部はマルチメディア記憶担体と結合し、前記受け部材が上る場合、マルチメディア記憶担体と前記バックル部とは離脱するマルチメディア記憶担体の包装容器を提供する。
【0006】
好ましくは、前記バックル部はさらに、マルチメディア記憶担体の周縁部分と係合するための位置決め部材、及び付勢するための押圧部材を含み、前記受け部材及び前記位置決め部材がそれぞれ前記押圧部材に接続される。
【0007】
好ましくは、前記押圧部材は、それに設けられたアーム部材により前記パネル部に接続され、前記押圧部材は下に向かって宙に浮く状態をなしている。
【0008】
好ましくは、前記位置決め部材は少なくとも1つの位置決めアームを含み、前記位置決めアームの一端が前記押圧部材に接続され、他端に周側部の内壁に合わせた端面が設けられ、前記端面に外へ突出する位置決めブロックが設けられ、前記位置決めブロックの外端が上下の両斜面輪郭を有する。
【0009】
好ましくは、前記受け部材は少なくとも1つ設けられ、前記受け部材の一端がマルチメディア記憶担体の底面に当接するためであり、他端がそれに設けられた第1折り曲げり部により前記押圧部材に接続される。
【0010】
好ましくは、前記スロット部は固定具及び可動具を含み、前記固定具が前記周側部の内壁、パネル部とともに、マルチメディア記憶担体の周縁部分を収容するスロット腔を構成し、前記可動具が弾性具であり、スロット腔内から外へ運動する力をマルチメディア記憶担体に印加するためのものである。
【0011】
好ましくは、前記固定具は前記周側部の内壁からパネル部の方向へ突出し、その前端が上下の両斜面輪郭を有する。
【0012】
好ましくは、前記可動具はアーチ型シート状構造であり、前記可動具の一端が周側部に接続され、他端が下へ延びており、前記可動具は挿入するように前記固定具に設置されており、下へ延びる一端が宙に浮く状態をなしている。
【0013】
好ましくは、前記可動具はV字状構造であり、前記可動具の開口が上に向かい、底部がアーチ型構造を有し、前記可動具の一端が前記周側部に接続され、他端が宙に浮く状態をなしている。
【0014】
好ましくは、前記可動具はそれに設けられた第2折り曲げり部により前記周側部に接続され、前記第2折り曲げり部が略S形の両弧度構造である。
【0015】
好ましくは、前記スロット部は少なくとも2つ設けられ、前記バックル部の相対方向の周側部に対称に設けられる。好ましくは、前記スロット部は2つ設けられ、前記スロット部と前記パネル部の中心とのなす角度が0度~270度の間にある。
【0016】
好ましくは、前記周側部は、ユーザがマルチメディア記憶担体の周縁部分を把持しやすくするように、少なくとも1つの指状凹部が設けられる。
【0017】
好ましくは、前記周側部に少なくとも1つのリンク状構造の凸部が設けられ、前記凸部と前記周側部の外縁とが段階溝を形成することで、隣り合う包装容器の周側部の外壁を置く。
【0018】
好ましくは、前記パネル部と前記周側部との接続箇所に、マルチメディア記憶担体の周縁部分を支持するための段階部が設けられる。
【0019】
好ましくは、前記パネル部の中心に、マルチメディア記憶担体中心孔と結合するための心柱部が設けられる。
【0020】
従来技術と比較すると、本出願の利点は以下のことにある。
【0021】
本出願は、伝統的なマルチメディア記憶担体保護容器が中心ポストによりマルチメディア記憶担体を固定する必要がある束縛から解放され、スロット部とバックル部の配合、バックル部の受け部材及び位置決め部材の巧妙な設計により、マルチメディア記憶担体の快速固定及び開放を実現でき、同時に、スロット部は弾性を有する可動具が設けられることで、マルチメディア記憶担体をしっかりとスロット部とバックル部との間に固定でき、他方、取り出す場合、可動具はマルチメディア記憶担体を自動的にスロット部から弾き出すことができ、取り出す操作を便利にさせ、本出願は、マルチメディア記憶担体を取り出すか、それともマルチメディア記憶担体を置くかについて、中央ポスト型包装容器と比較すると、いずれもよりスムーズであり、中央ポストのマルチメディア記憶担体への損傷を回避することができ、特にサイズが大きなマルチメディア記憶担体、例えば、ロングプレイングレコード(LP)等について、本出願が提供する包装容器は、片手で中央ポストを押し付けながら周縁部分をクランプする必要がなく、出し入れることがより便利である。なお、本出願はさらに周側部に突出部が設けられ、同型の他の包装容器を置く段階溝を提供して本出願がスタックで保管される場合により安定的にさせるだけではなく、より重要なのは、突出部を設けることによって、上の包装容器が移動する場合、下の包装容器中のマルチメディア記憶担体と一定の空間距離を有することになり、下のマルチメディア記憶担体を傷することがなく、その中のデータの損害を回避することになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本出願の具体的な実施態様または従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下は具体的な実施態様または従来技術の記載において使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載における図面は本出願のある実施態様であり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、さらにこれらの図面に応じて他の図面を取得することができる。
【0023】
図1図1は本出願の実施例1の構造模式図である。
図2図2は本出願の実施例1の断面模式図である。
図3a図3aは本出願の実施例1の複数の包装容器が積み上げる模式図である。
図3b図3bは本出願の実施例1の複数の包装容器が積み上げる断面模式図である。
図4a図4aは本出願の実施例1のバックル部の構造模式図である。
図4b図4bは本出願の実施例1のバックル部の断面模式図である。
図5a図5aは本出願の実施例1のスロット部の構造模式図である。
図5b図5bは本出願の実施例1のスロット部の断面模式図である。
図6図6は本出願の実施例1の周側部の断面拡大図である。
図7a図7aは本出願の実施例1のマルチメディア記憶担体を保管する場合のバックル部の状態模式図である。
図7b図7bは本出願の実施例1のマルチメディア記憶担体を保管する場合のスロット部の状態模式図である。
図8a図8aは本出願の実施例1のマルチメディア記憶担体を取り出す場合の模式図一である。
図8b図8bは本出願の実施例1のマルチメディア記憶担体を取り出す場合の模式図である。
図8c図8cは本出願の実施例1のマルチメディア記憶担体を取り出す場合のバックル部の状態模式図である。
図8d図8dは本出願の実施例1のマルチメディア記憶担体を取り出す場合のスロット部の状態模式図である。
図8e図8eは本出願の実施例1のマルチメディア記憶担体を取り出す場合のバックル部の部分拡大図である。
図9a図9aは本出願の実施例1の複数の包装容器が積み上げる場合の移動状態模式図である。
図9b図9bは本出願の実施例1の複数の包装容器が積み上げる場合の移動状態断面模式図である。
図10a図10aは本出願の実施例2のバックル部の構造模式図である。
図10b図10bは本出願の実施例2のバックル部の断面模式図である。
図11a図11aは本出願の実施例2のスロット部の構造模式図である。
図11b図11bは本出願の実施例2のスロット部の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を結合し、本出願の技術案を明らかに、完全に記載し、明らかに、記載された実施例は全ての実施例ではなく、本出願の一部の実施例である。本出願の実施例に基づき、当業者は進歩性に値する労働をしない前提で取得した全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に該当すべきである。
【0025】
本出願の記載では、説明する必要があるのは、用語である「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「直立」、「水平」、「内」、「外」等が指示する方位または位置関係は、図面に基づいて示す方位または位置関係であり、単に本出願の記載を便利にさせて記載を簡単化するためであり、指摘された装置または素子が必ず特定の方位を有して特定の方位で構造し操作することを指示、または示唆することではないので、本出願への制限と理解できない。なお、用語である「第1」、「第2」、「第3」はただ目的を述べるためであり、相対的重要性を指示、または示唆すると理解できない。
【0026】
明確な規定及び限定がない限り、用語である「実装」、「連なる」、「接続」は、広義に解されるべきであり、例えば、固定し接続してもよいし、取り外し可能に接続、あるいは、一体に接続してもよく、機械的接続してもよいし、電気的に接続してもよく、直接に連なってもよいし、中間媒介により間接的に連なってもよく、2つの素子内部の連通でもよい。当業者にとって、上記用語の本出願における具体的な意味を具体的な状況に応じて理解できる。
【0027】
実施例1
図1及び図2を参照し、本実施例は、一体に射出成形されたパネル部20及び周側部30を含むマルチメディア記憶担体の包装容器を提供し、パネル部20は包装容器でのマルチメディア記憶担体の垂直投影に合わせた領域であり、即ち、マルチメディア記憶担体を保管する場合、マルチメディア記憶担体はパネル部20の上方を覆い、周側部30は包装容器でのパネル部20を除く領域であり、パネル部20は周側部30に沈み込んで設けられ、即ち、周側部30は、パネル部20を取り囲む1つの平面、1つの環状内壁、および周側部30の最外縁を取り囲む外壁からなり、パネル部20の平面が周側部30の平面の下にあり、パネル部20及び周側部30の内壁は、マルチメディア記憶担体を収容する内腔を構成し、パネル部20は内腔の底面とし、周側部30の内壁は内腔の四周とする。勿論、必要に応じて、パネル部は周側部に沈み込んで設けられることを採用しなくてもよく、即ち、パネル部及び周側部は同一平面にあり、周側部とパネル部とが結合する位置に1つのリンク状の凸の壁が設けられてパネル部の四周を周り、該リンク状の凸の壁及びパネル部は、マルチメディア記憶担体を収容する内腔を形成する。
【0028】
周側部30の平面と内壁との結合位置にバックル部40、及びバックル部40の相対方向での一対のスロット部50が設けられ、本実施例は、バックル部40及び2つのスロット部50の3点位置決めの方式により、パネル部20、周側部30によって形成された内腔にマルチメディア記憶担体を固定することができ、よい固定効果に達成するために、2つのスロット部50とパネル部20の中心とのなす角度が60度であり、周側部30に4つの指状凹部60が均一的に設けられ、これでユーザがマルチメディア記憶担体を出す場合、指状凹部60でマルチメディア記憶担体の周縁部分を掴むことができ、周縁部分を上げてマルチメディア記憶担体を取り出すことを便利にさせる。パネル部20の中心に、マルチメディア記憶担体の中心孔と結合する心柱部80が設けられ、マルチメディア記憶担体を包装容器の内腔に置く場合、心柱部80はマルチメディア記憶担体の中心孔に進入でき、心柱部80の直径が中心孔の内径に合わせるので、位置決めの支援作用を奏することができる。パネル部20と周側部30の内壁との接続箇所にリンク状の段階部90が設けられ、マルチメディア記憶担体を保管する場合、マルチメディア記憶担体の周縁部分は段階部90に突き当たり、これでマルチメディア記憶担体とパネル部20との間に一定の空間距離を有し、マルチメディア記憶担体がパネル部20によって傷されることを回避できる。
【0029】
図3a及び図3bを参照し、本実施例が提供するマルチメディア記憶担体の包装容器はトレイ状構造であり、並べる場合、上下にスタックすることで保管でき、複数の包装容器は積み重ねるので、美しく省スペースできる。
【0030】
図1図4a及び図4bを参照し、本実施例が提供するマルチメディア包装容器のバックル部40はそのうちの1つの指状凹部60内に設けられており、一体成型されて付勢するための押圧部材41、メディア記憶担体の周縁部分と係合するための位置決め部材42、及びマルチメディア記憶担体の底面に当接する受け部材43を含み、押圧部材41は1つの半円形シート状構造であり、下に向かって宙に浮く状態をなしており、一対のアーム部材44によりパネル部20に接続されることで、押圧部材41は可撓性歪みを有し、弛み状態にある場合、周側部30と同一平面にあり、力を受ける状態にある場合、周側部30の平面の下にある。位置決め部材42は、押圧部件41の2つのアーム部材44の間に設けられた一対の位置決めアーム45を含み、位置決めアーム45の一端が押圧部材41に接続され、他端がパネル部20の方向へ延びて周側部30の内壁に合わせた端面が設けられ、端面に外に突き出る位置決めブロック46が設けられ、位置決めブロック46の外端は斜面輪郭を有し、押圧部材41が弛みにある場合、位置決めブロック46は、マルチメディア記憶担体の運動を制限してマルチメディア記憶担体を固定することができ、押圧部材41が力を受ける場合、位置決めブロック46はマルチメディア記憶担体から分離する。受け部材43は2つの位置決めアーム45の間に設けられ、受け部材43の一端が使用する場合にマルチメディア記憶担体の底面に当接し、他端がそれに設けられた第1折り曲げり部47により押圧部材41に接続され、押圧部材41が弛み状態にある場合、受け部材43の前端の下面がパネル部20に当り、受け部材43の前端の上面がマルチメディア記憶担体に当り、押圧部材41が力を受ける場合、受け部材43は上ることでマルチメディア記憶担体と位置決めブロック46とを分離させる。
【0031】
図1図5a及び図5bを参照し、本実施例が提供する包装容器のスロット部50は固定具52及び可動具51を含み、固定具52は周側部30の内壁からパネル部20の方向へ突出し、周側部30の内壁、パネル部20とともにマルチメディア記憶担体の周縁部分を収容するスロット腔を構成し、固定具52の前端が上下の両斜面輪郭を有し、可動具51は弾性を有するアーチ型シート状構造であり、その一端が周側部30に接続され、他端がパネル部20と交差する方向へ延びており、可動具51は挿入するように固定具52に設置され、周側部30の方向へ宙に浮く状態をなしており、マルチメディア記憶担体を置く場合、マルチメディア記憶担体の周縁部分がスロット腔に進入するとともに、可動具51に当り、可動具51を周側部30の方向へ押し出すことで、可動具51に可撓性歪みが発生し、パネル部20の方向への力をマルチメディア記憶担体に印加することによって、マルチメディア記憶担体をしっかりとスロット部50とバックル部40との間に挟むことができ、そして、バックル部40とマルチメディア記憶担体の周縁部分とは分離する場合、可動具51はマルチメディア記憶担体をスロット腔内から弾き出すことができ、これでマルチメディア記憶担体の取り出すことを便利にさせる。
【0032】
図1図2及び図6を参照し、本実施例が提供する包装容器の周側部30に1つの凸部70が設けられ、凸部70と周側部30の外縁とにより段階溝71が形成され、これで上の包装容器の周側部の外壁を置くことができる。
【0033】
本実施例が提供するマルチメディア記憶担体の包装容器の平面は正方形であり、辺長が315.12mmであり、その厚さが6mmであり、ロングプレイングレコード(LP)の保管に適用され、勿論、要求に応じて、本実施例を、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)の大きさに合致するサイズに制作してもよく、本実施例を、SDカード、クレジットカード等を保管するために、SDカードやクレジットカードのサイズ及び外形に応じて設計してもよい。
【0034】
本実施例が提供するマルチメディア記憶担体の包装容器の使用プロセスは以下のようにする。
【0035】
図7a及び図7bを参照し、マルチメディア記憶担体10を置く場合、マルチメディア記憶担体10の周縁部分の中の一部がスロット腔内に置かられるとともに、スロット部50の可動具51に当接され、可動具51を押し出して周側部30の方向へ移動させ、周縁部分の中の他部がバックル部40の位置決めアーム45の立面に当接されるとともに、受け部材43をパネル部20に押し、スロット部50の可動具51及びバックル部40の位置決めアーム45の立面は、マルチメディア記憶担体10の水平方向での運動を制限し、スロット部50の固定具52及びバックル部40の位置決め部材42の位置決めブロック46は、マルチメディア記憶担体10の垂直方向での運動を制限し、これにより、マルチメディア記憶担体10を本実施例の包装容器内に固定する。
【0036】
図8a、図8b、図8c及び図8dを参照し、マルチメディア記憶担体10を取り出す必要がある場合、下への力を押圧部材41に印加して押圧部材41が下へ運動し、受け部材43及び位置決めアーム45は上へ運動し、受け部材43がマルチメディア記憶担体10の底面に当るので、マルチメディア記憶担体10も上へ運動し、位置決めアーム45の垂直方向での運動軌跡はアーチ型のものであり、マルチメディア記憶担体の周縁部分は位置決めブロック46の下斜面に沿って運動できるので、位置決めアーム45がある程度まで運動する場合、マルチメディア記憶担体10と位置決めブロック46とは離脱し、位置決めブロック46はマルチメディア記憶担体10の運動を制限できず、マルチメディア記憶担体10と位置決めアーム45との離脱の瞬間に、スロット部50の可動具51はマルチメディア記憶担体10をスロット腔内から弾き出し、同時に、図8eを参照し、可動具52の弾性作用により、バックル部40におけるマルチメディア記憶担体の周縁部分が依然として位置決めアーム45の立面に当接され、これでマルチメディア記憶担体と位置決めブロック46との分離の瞬間に、マルチメディア記憶担体はジャンプしなくて位置決めアーム45の立面に安定し当接され、使用者は指状凹部60でマルチメディア記憶担体10の周縁部分を掴むことでそれを取り出すことができる。
【0037】
図9a及び図9bを参照し、本実施例が提供するマルチメディア記憶担体の包装容器は通常、スタックで保管され、周側部30に凸部70が設けられ、凸部70と周側部30の外縁とはちょうど1つの段階溝71を形成し、上の包装容器の周側部30の外壁はちょうど下の包装容器の段階溝71内に置くことができ、これで包装容器はスタックで置かれる場合に比較的に安定し、随意に移動しなく、包装容器を移動する場合、上の包装容器の底面は下の包装容器の周側部30の突出部70に接触し、上の包装容器の底面と下の包装容器中のマルチメディア記憶担体とは一定の空間距離を有することになり、よって、マルチメディア記憶担体を傷するのを防止する作用を奏することができる。
【0038】
上述のように、本実施例は、伝統的なマルチメディア記憶担体保護容器が中心ポストによりマルチメディア記憶担体を固定する必要がある束縛から解放され、スロット部とバックル部の配合、バックル部の受け部材及び位置決め部材の巧妙な設計により、マルチメディア記憶担体の快速固定及び開放を実現でき、同時に、スロット部は弾性を有する可動具が設けられることで、マルチメディア記憶担体をしっかりとスロット部とバックル部との間に固定でき、他方、取り出す場合、可動具はマルチメディア記憶担体を自動的にスロット部から弾き出すことができ、ディスクの取り出す操作を便利にさせ、本実施例は、マルチメディア記憶担体を取り出すか、それともマルチメディア記憶担体を置くかについて、中央ポスト型包装容器と比較すると、いずれもよりスムーズであり、中央ポストのマルチメディア記憶担体への損傷を回避することができ、特にサイズが大きなマルチメディア記憶担体、例えば、ロングプレイングレコード(LP)等について、本実施例が提供する包装容器は、片手で中央ポストを押し付けながら周縁部分をクランプする必要がなく、出し入れることがより便利である。なお、本実施例はさらに周側部に突出部が設けられ、同型の他の包装容器を置く段階溝を提供して本実施例がスタックで保管される場合により安定的にさせるだけではなく、より重要なのは、突出部を設けることによって、上の包装容器が移動する場合、下の包装容器中のマルチメディア記憶担体と一定の空間距離を有することになり、下のマルチメディア記憶担体を傷することがなく、その中のデータの損害を回避することになる。
【0039】
実施例2
本実施例と実施例1との相違点は以下のことにある。
【0040】
図10a及び図10bを参照し、本実施例のバックル部40は1つの位置決めアーム45及び2つの受け部材43を含み、位置決めアーム45は2つの受け部材43の間に設けられ、実施例1と比較すると、本実施例は1つの位置決めアーム45及び2つの受け部材43の組み合わせであり、マルチメディア記憶担体を取り出す場合によりスムーズになり、ユーザもより楽になり、勿論、異なるサイズ及び異なるタイプのマルチメディア記憶担体に応じて、位置決めアーム及び受け部材は他の組み合わせとして設けてもよく、例えば、1つの位置決めアーム及び1つの受け部材の組み合わせであってもよい。
【0041】
図11a及び図11bを参照し、本実施例のスロット部50の可動具51はV字状構造であり、その開口が上に向かい、V字状構造の底部がアーチ型であり、可動具51の一方のアームがそれに設けられた第2折り曲げり部53により周側部30に接続され、他方のアームがマルチメディア記憶担体に当接するためのものであり、付勢部として、第2折り曲げり部53はS形の両弧度構造であり、実施例1と比較すると、本実施例は、可動具51をV字状構造として設けることだけではなく、さらに1つのS形構造の第2折り曲げり部53により周側部30に接続され、これで本実施例の可動具51の伸縮回弾性能がよりよくなり、マルチメディア記憶担体の取り出すことがよりスムーズになる。
【0042】
最後に説明すべきであるように、以上の各実施例は、ただ本出願の技術案を説明するためであり、技術案への制限ではない。前記各実施例を参照して本出願を詳しく説明したが、当業者は理解すべきであるように、依然として前記各実施例に記載の技術案を補正する、あるいは、そのうちの一部または全ての技術的特徴に対して同等の差し替えを行うことができる。これらの補正や差し替えにより、相応する技術案の本質が本出願の各実施例の技術案の範囲を逸脱しない。
【符号の説明】
【0043】
10 ・・・マルチメディア記憶担体
20 ・・・パネル部
30 ・・・周側部
40 ・・・バックル部
41 ・・・押圧部材
42 ・・・位置決め部材
43 ・・・受け部材
44 ・・・アーム部材
45 ・・・位置決めアーム
46 ・・・位置決めブロック
47 ・・・第1折り曲げり部
50 ・・・スロット部
51 ・・・可動具
52 ・・・固定具
53 ・・・第2折り曲げり部
60 ・・・指状凹部
70 ・・・凸部
71 ・・・段階溝
80 ・・・心柱部
90 ・・・段階部
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b