(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】ディスク型の油圧アンチロックブレーキ及びブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
B60T 8/40 20060101AFI20220203BHJP
F16D 55/228 20060101ALI20220203BHJP
F16D 65/02 20060101ALI20220203BHJP
F16D 65/18 20060101ALI20220203BHJP
F16D 121/04 20120101ALN20220203BHJP
F16D 125/04 20120101ALN20220203BHJP
F16D 125/06 20120101ALN20220203BHJP
【FI】
B60T8/40 C
F16D55/228
F16D65/02 B
F16D65/02 C
F16D65/18
F16D121:04
F16D125:04
F16D125:06 Z
(21)【出願番号】P 2021517085
(86)(22)【出願日】2018-05-30
(86)【国際出願番号】 CN2018088970
(87)【国際公開番号】W WO2019227325
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】520470062
【氏名又は名称】チンタオ シュイチョウ コンストラクション マシネリー セール アンド サービス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ウー、マオティン
【審査官】土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-516047(JP,A)
【文献】中国実用新案第204025457(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0300818(US,A1)
【文献】西独国特許出願公開第2440600(DE,A1)
【文献】特開平9-2239(JP,A)
【文献】米国特許第5618086(US,A)
【文献】特表2000-515615(JP,A)
【文献】国際公開第2019/073786(WO,A1)
【文献】特開2015-215074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/40
F16D 55/228
F16D 65/02
F16D 65/18
F16D 121/04
F16D 125/04
F16D 125/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク型の油圧アンチロックブレーキであって、
第一ホール、通路、コアチューブ、前記第一ホールの開口に設けられるバッドシート、ブラケットをアクスルに取り付けるための取り付け部が設けられているブラケットであって、前記通路は第一通路、第二通路、第三通路を備え、前記第二通路は前記コアチューブに連通される前記ブラケットと、
前記第一ホール内に設けられている第一ピストンであって、前記第一ピストンと前記第一ホールの底部との間に第一チャンバーを形成し、前記第一チャンバーは第一通路、第一管路によって運転ブレーキングバルブに連通され、前記第一ピストンに第二ホールが設けられる前記第一ピストンと、
前記第二ホールにエンドキャップが設けられ、前記エンドキャップの外側は前記第一ピストンに固定的に接続され、前記エンドキャップの内側にシール部材が設けられている第二ピストンであって、側壁に通路が設けられ、前記エンドキャップを貫通して前記第二ホール内に延伸して設けられ、前記コアチューブの前記第二通路から離れる一端は前記第一ピストンを貫通して前記第二ピストン内に挿入され、前記第二ピストンと前記エンドキャップの間に第二チャンバーが形成され、前記第二チャンバーは前記通路、前記コアチューブ、前記第二通路、第二管路によってパーキングブレーキングバルブに連通される前記第二ピストンと、
前記第二ピストンと前記第二ホールの底部の間に設けられる弾性部材と、
前記バッドシートに設けられるブレーキバッドと、
カウントリングギヤと取り付け部が設けられ、ブレーキディスクの取り付け部はアクスル出力軸上に固定されるブレーキディスクと、
ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるポンプとアンロードバルブを備え、前記ポンプの液体入口は第三管路によって液体容器に連通され、前記ポンプの液体出口は前記第二通路、前記コアチューブによって前記第二チャンバーに連通され、前記アンロードバルブの液体入口は前記第二通路、前記コアチューブによって前記第二チャンバーに連通され、前記アンロードバルブの液体出口は前記第三管路によって前記液体容器に連通されるブレーキ解除システムと、
ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるカウントセンサー、ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるモーターとドレンバルブ、前記ブレーキディスクに設けられる前記カウントリングギヤを備え、前記ドレンバルブの液体出口は前記液体容器に連通され、前記ドレンバルブの液体入口は第三通路によって第一チャンバーに連通され、前記カウントセンサーによって検出された前記カウントリングギヤの回転速度が所定のカウント値に達した状態で、前記モーターは前記ドレンバルブを始動及びドライブして動作させ、前記第一チャンバーと前記第三管路、前記液体容器の油路のオン・オフを実現するアンチロックシステムと、を備え、
前記ブレーキ解除システムと前記アンチロックシステムは1つの整体に一体化されてリレーバルブとなってもよく、前記リレーバルブはブラケット及び/又は自動車フレームに設けられ、前記リレーバルブは前記第一通路、前記第二通路、前記第三通路に直接に接続されてもよく、前記リレーバルブは管路によって前記第一通路、前記第二通路、前記第三通路に接続されてもよく、
複数の前記ディスク型の油圧アンチロックブレーキを具備するブレーキシステムは1つのリレーバルブを共用してもよく、前記ブレーキシステムの個々のブレーキが独立に1つのリレーバルブを使用してもよいことを特徴とするディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【請求項2】
前記弾性部材は前記第二ピストンと前記第二ホールが囲まれて形成されたエアチャンバーであり、前記エアチャンバー内にガスが充填されているか、或いは前記弾性部材はスプリングからなることを特徴とする請求項1に記載のディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【請求項3】
前記第一ピストンは二重壁の円筒状であり、前記第一ピストンの内壁の底壁には前記コアチューブが通る貫通孔とシール部材が設けられ、前記第一ピストンの内壁と外壁との間の底壁にガスフィリング装置が設けられ、前記ガスフィリング装置は前記エアチャンバーに連通されており、
或いは、前記第一ピストンはシングルウォールカップ型の円筒状であり、前記第一ピストンのカップ底部には前記コアチューブが通る円形の孔とシール部材が設けられ、
前記第二ピストンは太い口を有する丸カップ形状であり、前記第二ピストンのカップ本体に前記通路が設けられ、前記第二ピストンの側壁にはそれぞれ前記第一ピストンに密閉的に接触するガス密閉部と液体密閉部が設けられることを特徴とする請求項2に記載のディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【請求項4】
前記ポンプはポンプ本体、ポンプ駆動装置、第三ピストンを備え、
前記ポンプ本体の上部には液体入口と第三ピストンホールが設けられ、前記液体入口は前記第三ピストンホールに連通され、前記ポンプ本体の液体入口は第三管路によって前記液体容器の回路に連通され、前記ポンプ本体の下部には液体出口が設けられて、前記ポンプ本体の液体出口は前記第二通路によって前記第二チャンバーに連通されており、前記ポンプ駆動装置の一側の支点は前記ポンプ本体に設けられ、前記ポンプ駆動装置の他方の一側の前記第三ピストンは第三ピストンホール内に取り付けられ、前記第三ピストンは前記ポンプ駆動装置に接続されることを特徴とする請求項1に記載のディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【請求項5】
前記アンロードバルブはアンロードバルブ本体、アンロードバルブスプール、アンロードバルブ駆動装置を備え、前記アンロードバルブ本体に液体入口、液体出口、スプールホールが設けられ、前記アンロードバルブ本体の液体入口は前記第二通路、前記コアチューブによって前記第二チャンバーに連通され、前記アンロードバルブ本体の液体出口は前記第三管路によって前記液体容器に連通されており、アンロードバルブスプールホールは前記アンロードバルブ本体の液体入口と液体出口の間に形成され、前記アンロードバルブスプールはアンロードバルブスプールホール内に設けられ、アンロードバルブ駆動装置はアンロードバルブスプールに接続されることを特徴とする請求項1に記載のディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【請求項6】
前記ドレンバルブにはドレンバルブ本体とドレンバルブスプールが設けられ、前記ドレンバルブ本体にドレンバルブスプールホール、液体入口、液体出口が設けられ、前記ドレンバルブ本体の液体入口は前記第三通路によって前記第一チャンバーに連通されており、前記ドレンバルブ本体の液体出口は前記第三管路によって前記液体容器に連通され、
前記ドレンバルブスプールは前記ドレンバルブスプールホールの下部に設けられ、前記ドレンバルブスプールに液体入口が設けられ、前記ドレンバルブスプールの液体入口は前記ドレンバルブ本体の液体入口に連通可能であり、前記ドレンバルブスプールにはさらに1つ以上の液体出口が設けられ、前記ドレンバルブスプールの液体出口と前記ドレンバルブ本体の液体出口がオフセットされて装着されており、
前記ドレンバルブスプールの頂部に前記モーターに接続された軸ホールが設けられ、前記モーターは前記ドレンバルブスプールホールの上部に設けられ、前記モーターのモーター軸は前記ドレンバルブスプールの軸ホールに挿入され、前記モーターは電流が通る場合ドレンバルブスプールをドライブして回動し、前記ドレンバルブ本体の液体出口と前記ドレンバルブスプールの液体出口は交替的にオン・オフされ、前記ドレンバルブの液体出口から漏れる液体は前記第三管路を経て前記液体容器に連通されることを特徴とする請求項1に記載のディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【請求項7】
前記ブラケットは左側のブラケットと右側のブラケットに分けて設けられ、前記左側のブラケットと前記右側のブラケットの間に前記ブレーキディスクを収納するチャンバーが設けられ、前記左側のブラケットは前記右側のブラケットに固定的に接続され、前記左側のブラケットの第一通路、第二通路、第三通路は前記右側のブラケットの第一通路、第二通路、第三通路に対応に連通され、
前記左側のブラケットに前記ブラケットの取り付け部が設けられ、前記ブラケットの取り付け部は自動車アクスルに固定され、前記左側のブラケット上の第一ホールは前記右側のブラケット上の第一ホールに対向に設けられることを特徴とする請求項1に記載のディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【請求項8】
前記第一ホールの数は1つ又は複数であり、個々の前記第一ホール内に何れも前記第一ピストン、前記第二ピストン、前記コアチューブが設けられることを特徴とする請求項1に記載のディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【請求項9】
ディスク型の油圧アンチロックブレーキであって、
第一ホール、第二ホール、コアチューブ、通路、前記第一ホールの開口及び第二ホールの開口に設けられるバッドシート、ブラケットをアクスルに取り付けるための取り付け部が設けられているブラケットであって、前記通路は第一通路、第二通路、第三通路を備え、前記第二通路は前記コアチューブに連通される前記ブラケットと、
前記第一ホール内に設けられている第一ピストンであって、前記第一ピストンの底部は前記の第一ホールの底部と第一チャンバーを形成し、前記第一チャンバーは前記第一通路、第一管路によって運転ブレーキングバルブに連通される前記第一ピストンと、
前記第二ホール内に設けられ、前記第二ホールにエンドキャップが形成され、第二ピストンと前記エンドキャップの間に第二チャンバーが形成され、前記第二チャンバーは前記コアチューブ、前記第二通路、第二管路によってパーキングブレーキングバルブに連通される第二ピストンと、
前記第二ピストンと前記第二ホールの底部の間に設けられるスプリングと、
カウントリングギヤと取り付け部が設けられ、前記取り付け部はアクスル出力軸に固定されるブレーキディスクと、
ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるポンプとアンロードバルブを備え、前記ポンプの液体入口は第三管路によって液体容器に連通され、前記ポンプの液体出口は前記第二通路、前記コアチューブによって前記第二チャンバーに連通されており、前記アンロードバルブの液体入口は前記第二通路、前記コアチューブによって前記第二チャンバーに連通され、前記アンロードバルブの液体出口は前記第三管路によって前記液体容器に連通されるブレーキ解除システムと、
ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるカウントセンサー、ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるモーターとドレンバルブ、前記ブレーキディスクに設けられる前記カウントリングギヤを備え、前記ドレンバルブの液体出口は前記液体容器に連通され、前記ドレンバルブの液体入口は第三通路によって第一チャンバーに連通され、前記カウントセンサーによって測定された前記カウントリングギヤの回転速度が所定のカウント値に達した状態で、前記モーターは前記ドレンバルブを始動及びドライブして動作させ、前記第一チャンバーと前記第三管路、前記液体容器の油路のオン・オフを実現するアンチロックシステムと、を備え、
前記ブレーキ解除システムと前記アンチロックシステムは1つの整体として一体化されてリレーバルブとなってもよく、前記リレーバルブはブラケット及び/又は自動車フレームに設けられ、前記リレーバルブは前記第一通路、前記第二通路、前記第三通路に直接に接続されてもよく、前記リレーバルブは管路によって前記第一通路、前記第二通路、前記第三通路に接続されてもよく、
複数の前記ディスク型の油圧アンチロックブレーキを具備するブレーキシステムは1つのリレーバルブを共用してもよく、前記ブレーキシステムの個々のブレーキは独立に1つのリレーバルブを使用してもよいことを特徴とするディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【請求項10】
ディスク型の油圧アンチロックブレーキシステムであって、
自動車両のブレーキングに適用され、液体容器、液体ポンプ、液体充填バルブ、エネルギーアキュムレータ、運転ブレーキングバルブ、パーキングブレーキングバルブ、アクスル、第一管路、第二管路、第三管路とディスク型の油圧アンチロックブレーキを備えており、
前記ディスク型の油圧アンチロックブレーキは請求項1~8のうちのいずれか1項に記載のディスク型の油圧アンチロックブレーキであり、
前記液体ポンプが動作する際に、前記液体容器内の液体は前記液体ポンプ、前記液体充填バルブの作用によって前記エネルギーアキュムレータに流入して、所定圧力で保存され、
運転者がパーキングブレーキングバルブを開く際に、前記エネルギーアキュムレータ内の高圧油は前記パーキングブレーキングバルブ、第二管路、第二通路、コアチューブ、第二ピストン上の通路を経て第二チャンバーに入り、前記第二チャンバーの圧力が所定圧力に増える際に、弾性部材が圧縮され、前記第二ピストンはリトラクトされ、ブレーキバッド上のブレーキパッドがブレーキディスクをリリースして、パーキングブレーキングは解除状態になり、
運転者が停車又は運転過程において急に停車してパーキングブレーキングバルブを閉じる際に、前記第二チャンバーの圧力液体は弾性部材の作用で前記第二ピストン上の通路、コアチューブ、第二通路、第二管路、パーキングブレーキングバルブを経て液体容器にフィードバックし、前記弾性部材の作用で、前記第二ピストンは前記ブレーキバッドをドライブして前記ブレーキディスクを押し、自動車はパーキングブレーキング状態になり、
運転者が運転ブレーキングバルブを踏む際に、前記エネルギーアキュムレータ内の高圧液体は前記運転ブレーキングバルブ、第一管路、第一通路を経て第一チャンバーに流入し、第一ピストンはブレーキバッドをトライブしてブレーキディスクを押し込み、ブレーキディスクは圧力をアクスルに伝送して、自動車が減速又は停止し、運転者が運転ブレーキングバルブをリリースする場合、前記第一チャンバー内の液体は第一通路、第一管路、運転ブレーキングバルブを経て液体容器にフィードバックし、
運転者が運転ブレーキングバルブを操作し、且つ前記カウントセンサーによって検出されたカウントリングギヤの回転速度が所定値に達した場合、モーターはドレンバルブのスプールをドライブして回動し、ドレンバルブは第三管路、液体容器と絶えずにオン・オフされ、前記カウントセンサーによって検出されたカウントリングギヤの回転速度が所定値未満の場合、モーターは回動を停止し、ドレンバルブは第三管路、液体容器とオフされ、運転ブレーキング状態に復元し、
ブレーキに故障が発生して車両の運転を影響し或いは救援を求めてパーキングブレーキング装置を解除する必要がある場合、ポンプの駆動装置を駆動して、液体容器、第三管路内の液体を前記ポンプ、第二通路、コアチューブ、第二ピストンの通路を経て第二チャンバーに圧入し、弾性部材は圧縮され、第二ピストンはリトラクトされ、ブレーキバッド上のブレーキパッドとブレーキディスクがリリースされ、パーキングブレーキングは解除され、
ブレーキがリペアされてパーキングブレーキング機能を復元する必要がある際に、アンロードバルブの駆動装置を駆動して、前記アンロードバルブは第三管路、前記液体容器に連通され、第二チャンバーの圧力液体が流出され、アンロードバルブと第三管路、前記液体容器との通路を閉じると、弾性部材の弾力が釈放され、パーキングブレーキング機能が復元されることを特徴とするディスク型の油圧アンチロックブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブレーキング分野に関し、具体的に、ホイールなどの回転運動を含むデバイスに用いられるディスク型の油圧アンチロックブレーキ及びブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な車両、機械などのデバイスの所有量が増えるに従って、安全及び車両、機械などのデバイスへの省エネルギー化に対する要求がますます高まり、ブレーキングの性能が良いか悪いかは車両、機械が安全に運行する重要な基礎となっている。特に、車両のスピードが速く、自己重量が大きい場合、ブレーキングの慣性による安全運転への影響が大きくなりつつあり、如何にブレーキングの慣性による車両、機械(例えば、ウインチ)を含むデバイスブレーキングへの影響を減少、最適化するかは当業者にとって頑張って解決すべく課題とされている。
【0003】
現在、市場で販売されている既存の車両はドラムブレーキングとディスクブレーキングがあり、ディスクブレーキングは殆ど小型車に用いられ、商用車は殆どドラムブレーキングが採用され、且つ殆どがエアコントロールされており、極少ない部分の低速の車両に油圧制御が採用されており、さらに油圧とエアによるハイブリッドブレーキングも採用されている。これらはいずれもブレーキングを実現でき、車両を減速、停車可能できえる代わりに、大きい空間を占めることから、配置し難く、ブレーキングの性能が悪いとともに、放熱効果が低く、ブレーキシステムの構造が複雑で、効果が悪く、コストが高く、操作が不便であるなどの多くのデメリットが存在する。
【0004】
現在、市場で販売されている既存のABS(Ant-ilock Brake System、アンチロックブレーキシステム)は、ブレーキングの慣性による自動車のブレーキングへの影響を減少或いは最適化できるけれども、既存のABSはその構造が複雑で、安全性が低く、コストが高いため、既存のABSは広く適用されないのが実情である。
【0005】
発明者は、2014年8月19日に出願番号が2014104098460で、発明の名称が油圧アンチロックブレーキホイールシリンダー及びアクスルブレーキシステムの中国発明特許を出願した。該発明によれば、前記問題を解決できるけれども、加工が難しく、実現し難い問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は運転ブレーキングだけでなく、パーキングブレーキングも実現可能であり、さらにアンチロックも実現可能なディスク型の油圧アンチロックブレーキ及びブレーキシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による上述目的は下記の技術手段によって実現される。
【0008】
本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキであって、
第一ホール、通路、コアチューブ、前記第一ホールの開口に設けられるバッドシート、前記ブラケットをアクスルに取り付けるための取り付け部が設けられているブラケットであって、前記通路は第一通路、第二通路、第三通路を備え、前記第二通路は前記コアチューブに連通される前記ブラケットと、
前記第一ホール内に設けられ、第二ホールが設けられている第一ピストンであって、前記第一ピストンと前記第一ホールの底部との間に第一チャンバーを形成し、前記第一チャンバーは第一通路、及び第一管路によって運転ブレーキングバルブ(即ち、フットブレーキバルブ)に連通される前記第一ピストンと、
前記第二ホールにエンドキャップが設けられ、前記エンドキャップの外側は前記第一ピストンに固定的に接続され、前記エンドキャップの内側にシール部材が設けられており、前記エンドキャップの頂部に締め付け装置が設けられている第二ピストンであって、第二ピストンの側壁に通路が設けられ、前記第二ピストンは前記エンドキャップを貫通して前記第二ホール内に延伸して設けられ、前記コアチューブの前記第二通路から離れる一端は前記第一ピストンを貫通して前記第二ピストン内に挿入され、前記第二ピストンと前記エンドキャップの間に第二チャンバーが形成され、前記第二チャンバーは前記通路、前記コアチューブ、前記第二通路及び第二管路によってパーキングブレーキングバルブ(即ち、ハンドブレーキバルブ)に連通される前記第二ピストンと、
前記第二ピストンと前記第二ホールの底部の間に設けられる弾性部材(前記弾性部材はスプリング、ガスであってよいが、本発明ではガスであるのが望ましい)と、
前記バッドシートに設けられるブレーキバッドと、
カウントリングギヤと取り付け部が設けられ、前記ブレーキディスクの取り付け部はアクスル出力軸上に固定されるブレーキディスクと、
ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるポンプとアンロードバルブを備え、前記ポンプの液体入口は第三管路によって液体容器に連通され、前記ポンプの液体出口は前記第二通路、前記コアチューブによって前記第二チャンバーに連通され、前記アンロードバルブの液体入口は前記第二通路、前記コアチューブによって前記第二チャンバーに連通され、前記アンロードバルブの液体出口は前記第三管路によって前記液体容器に連通されるブレーキ解除システムと、
ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるカウントセンサー、ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるモーターとドレンバルブ、前記ブレーキディスクに設けられる前記カウントリングギヤを備え、前記ドレンバルブ液体出口は前記液体容器に連通され、前記ドレンバルブ液体入口は第三通路によって第一チャンバーに連通され、前記カウントセンサーによって検出された前記カウントリングギヤの回転速度が所定のカウント値に達した状態で、前記モーターは前記ドレンバルブを始動及びドライブして動作させ、前記第一チャンバーと前記第三管路、前記液体容器の油路をオン・オフすることを実現し、第一ピストンがブレーキディスクを絞る圧力を交替的に増加、減少させて、アンチロックの目的を達成するアンチロックシステムと、を備え、
前記ブレーキ解除システムと前記アンチロックシステムは1つの整体に一体化されてリレーバルブとなってもよく、前記リレーバルブはブラケット及び/又は自動車フレームに設けられ、前記リレーバルブは前記第一通路、前記第二通路、前記第三通路に直接に接続され、管路によって前記第一通路、前記第二通路、前記第三通路に接続されてもよく、
複数の前記ディスク型の油圧アンチロックブレーキを具備するブレーキシステムは1つのリレーバルブを共用してもよく、前記ブレーキシステムの個々のブレーキが独立に1つのリレーバルブを使用してもよいことを特徴とするディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【0009】
本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキであって、
第一ホール、第二ホール、コアチューブ、通路、前記第一ホールの開口及び第二ホールの開口に設けられるバッドシートと前記ブラケットをアクスルに取り付けるための取り付け部が設けられているブラケットであって、前記通路は第一通路、第二通路、第三通路を備え、前記第二通路は前記コアチューブに連通される前記ブラケットと、
前記第一ホール内に設けられる第一ピストンであって、前記第一ピストンの底部は前記の第一ホールの底部と第一チャンバーを形成し、前記第一チャンバーは前記第一通路、及び第一管路によって運転ブレーキングバルブ(即ち、フットブレーキバルブ)に連通される前記第一ピストンと、
前記第二ホール内に設けられる第二ピストンであって、前記第二ホールにエンドキャップが形成され、前記第二ピストンと前記エンドキャップの間に第二チャンバーが形成され、前記第二チャンバーは前記コアチューブ、前記第二通路及び第二管路によってパーキングブレーキングバルブ(即ち、ハンドブレーキバルブ)に連通される前記第二ピストンと、
前記第二ピストンと前記第二ホール底部の間に設けられるスプリングと、
カウントリングギヤと取り付け部が設けられるブレーキディスクであって、前記取り付け部はアクスル出力軸に固定される前記ブレーキディスクと、
ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるポンプとアンロードバルブを備え、前記ポンプの液体入口は第三管路によって液体容器に連通され、前記ポンプの液体出口は前記第二通路、前記コアチューブによって前記第二チャンバーに連通されており、前記アンロードバルブの液体入口は前記第二通路、前記コアチューブによって前記第二チャンバーに連通され、前記アンロードバルブの液体出口は前記第三管路によって前記液体容器に連通されるブレーキ解除システムと、
ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるカウントセンサー、ブラケット及び/又は自動車フレームに設けられるモーターとドレンバルブ、前記ブレーキディスクに設けられる前記カウントリングギヤを備え、前記ドレンバルブ液体出口は前記液体容器に連通され、前記ドレンバルブ液体入口は第三通路によって第一チャンバーに連通され、前記カウントセンサーによって測定された前記カウントリングギヤの回転速度が所定のカウント値に達した状態で、前記モーターは前記ドレンバルブを始動及びドライブして動作させ、前記第一チャンバーと前記第三管路、前記液体容器の油路のオン・オフを実現して、第一ピストンがブレーキディスクを絞る圧力を交替的に増加、減少させてアンチロックの目的を達成するアンチロックシステムと、を備え、
前記ブレーキ解除システムと前記アンチロックシステムは1つの整体として一体化されてリレーバルブとなってもよく、前記リレーバルブはブラケット及び/又は自動車フレームに設けられ、前記リレーバルブは前記第一通路、前記第二通路、前記第三通路に直接に接続されてもよく、管路によって前記第一通路、前記第二通路、前記第三通路に接続されてもよく、
複数の前記ディスク型の油圧アンチロックブレーキを具備するブレーキシステムは1つのリレーバルブを共用してもよく、前記ブレーキシステムの個々のブレーキは独立に1つのリレーバルブを用いてもよいことを特徴とするディスク型の油圧アンチロックブレーキ。
【0010】
本発明による自動車両のブレーキングに適用されるディスク型の油圧アンチロックブレーキシステムであって、液体容器、液体ポンプ、液体充填バルブ、エネルギーアキュムレータ、運転ブレーキングバルブ、パーキングブレーキングバルブ、アクスル、第一管路、第二管路、第三管路とディスク型の油圧アンチロックブレーキを備えており、前記ディスク型の油圧アンチロックブレーキは前記のディスク型の油圧アンチロックブレーキであり、
前記液体ポンプが動作する際に、前記液体容器内の液体は前記液体ポンプ、前記液体充填バルブの作用で前記エネルギーアキュムレータに流入して、所定圧力で保存され、
運転者がパーキングブレーキングバルブを開く際に、前記エネルギーアキュムレータ内の高圧油は前記パーキングブレーキングバルブ、第二管路、第二通路、コアチューブ、第二ピストン上の通路を経て第二チャンバーに入り、前記第二チャンバーの圧力が所定圧力に増える際に、弾性部材が圧縮され、前記第二ピストンはリトラクトされ、ブレーキバッド上のブレーキパッドがブレーキディスクをリリースして、パーキングブレーキングは解除状態になり、
運転者が停車又は運転過程において急に停車してパーキングブレーキングバルブを閉じる際に、前記第二チャンバーの圧力液体は弾性部材の作用で前記第二ピストン上の通路、コアチューブ、第二通路、第二管路、パーキングブレーキングバルブを経て液体容器にフィードバックし、第二チャンバーの圧力が消えて、前記弾性部材の作用で、前記第二ピストンは前記ブレーキバッドをドライブして前記ブレーキディスクを押し、自動車はパーキングブレーキング状態になり、
運転者が運転ブレーキングバルブを踏む際に、前記エネルギーアキュムレータ内の高圧液体は前記運転ブレーキングバルブ、第一管路、第一通路を経て第一チャンバーに流入し、第一ピストンはブレーキバッドをトライブしてブレーキディスクを押し込み、ブレーキディスクは圧力をアクスルに伝送して、自動車が減速又は停止し、運転者が運転ブレーキングバルブをリリースする場合、前記第一チャンバー内の液体は第一通路、第一管路、運転ブレーキングバルブを経て液体容器にフィードバックし、第一チャンバーの圧力が消えて、ブレーキバッドによってブレーキディスクに作用する圧力が消えて、運転ブレーキングが解除され、
運転者が運転ブレーキングバルブを踏み、且つ前記カウントセンサーによって検出されたカウントリングギヤの回転速度が所定値に達した場合、モーターはドレンバルブのスプールをドライブして回動し、ドレンバルブは第三管路、液体容器と絶えずにオン・オフされ、前記カウントセンサーによって検出されたカウントリングギヤの回転速度が所定値未満の場合、モーターは回動を停止し、ドレンバルブは第三管路、液体容器とオフされ、運転ブレーキング状態に復元し、
ブレーキに故障が発生して車両の運転を影響する或いは救援を求めてパーキングブレーキング装置を解除する必要がある場合、ポンプの駆動装置を駆動して、液体容器、第三管路内の液体を前記ポンプ、第二通路、コアチューブ、第二ピストンの通路を経て第二チャンバーに圧入し、弾性部材は圧縮され、第二ピストンはリトラクトされ、ブレーキバッド上のブレーキパッドとブレーキディスクがリリースされ、パーキングブレーキングは解除され、
ブレーキがリペアされてパーキングブレーキング機能を復元する必要がある際に、アンロードバルブの駆動装置を駆動して、前記アンロードバルブは第三管路、前記液体容器に連通され、第二チャンバーの圧力液体が流出され、アンロードバルブと第三管路、前記液体容器との通路を閉じると、弾性部材の弾力が釈放され、パーキングブレーキング機能が復元されることを特徴とするディスク型の油圧アンチロックブレーキシステム。
【0011】
本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキ及びブレーキシステムは運転ブレーキング、パーキングブレーキングだけでなく、アンチロックブレーキングも実現可能であり、且つ実現し易い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキの構造概略図である。
【
図2】
図2は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキをアクスルに装着した場合の構造概略図である。
【
図3】
図3は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキのブラケットの斜視構造概略図である。
【
図4】
図4は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキのブラケットの斜視分解構造概略図である。
【
図5】
図5は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキのブラケットの正面構造概略図である。
【
図6】
図6は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキのブラケットの断面構造概略図。
【
図7】
図7は本発明による第一ピストンと第二ピストンの斜視構造概略図である。
【
図8】
図8は本発明による第一ピストンと第二ピストンの第一実施例の断面構造概略図である。
【
図9】
図9は本発明による第一ピストンと第二ピストンの第二実施例の断面構造概略図である。
【
図10】
図10は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキのブラケットの他方の実施例の構造概略図である。
【
図13】
図13は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキのリレーバルブの斜視構造概略図である。
【
図14】
図14は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキのリレーバルブの正面構造概略図である。
【
図20】
図20は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキのアンロードバルブの構造概略図である。
【
図21】
図21は本発明によるディスク型の油圧アンチロックブレーキシステムの構造概略図である。
【
図22】
図22は本発明によるドレンバルブのドレンバルブスプールの断面構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して、本発明についてさらに詳しく説明する。
【0014】
実施形態一
【0015】
図1~
図9、
図13~
図21に示すように、本発明はブラケット400、第一ピストン501、第二ピストン506、弾性部材505、ブレーキバッド800、ブレーキディスク900、ブレーキ解除システムとアンチロックブレーキシステムを備えるディスク型の油圧アンチロックブレーキを提供する。ここで、第一ピストン501はブラケット400の第一ホール415内に収納され、第一ピストン501は第一ホール415内で軸方向に運動可能であり、第二ピストン506は第一ピストン501の第二ホール504内に収納され、且つ第二ピストン506は第二ホール504内で軸方向に運動可能であり、エンドキャップ509は第二ホール504の開口にカバーされ、第二ホール504に固定的に接続されることで、第一ピストン501と第二ピストン506の極端運動ストロークを制限し、弾性部材505は第二ピストン506と第二ホール504の底部との間に設けられ、第一ピストン501と第二ピストン506に圧力を施し、ブレーキバッド800はブラケット400のバッドシートに固定的に設けられ、第一ピストン501又は第二ピストン506の当接力によって移動し、ブレーキバッド800にはブレーキパッドが設けられ、ブレーキディスク900は取り付け部によってアクスル102に固定的に設けられ、ブレーキバッド800に施した摩擦力を受けてアクスル102をドライブして減速するか、或いは回動を停止し、さらに自動車の減速又は停車を実現する。ブレーキ解除システムは第二チャンバー508内に油圧オイルを注入又は排出し、第二ピストン506によってブレーキバッド800をドライブしてブレーキディスク900と接触又は分離させ、さらにブレーキングを解除又は復元するために用いられ、アンチロックシステムは第一ピストン501によってブレーキバッド800をドライブしてブレーキディスク900を加圧する圧力を変更して、アンチロックの目的を実現するために用いられる。
【0016】
具体的に、
図1~
図9、
図13~
図20に示すように、ブラケット400には第一ホール415、通路、コアチューブ502、第一ホール415に設けられた開口におけるバッドシートとブラケット400をアクスル102に取り付けるための取り付け部418が設けられ、通路は第一通路406(即ち、運転ブレーキング油路)、第二通路412(即ち、パーキングブレーキング油路)と第三通路409(即ち、オイルフィードバック油路)を備え、第二通路412はコアチューブ502に連通される。第一ピストン501は第一ホール415内に設けられ、第一ピストン501と第一ホール415の底部の間に第一チャンバーが形成され、第一チャンバーは第一通路406、及び第一管路201(即ち、運転ブレーキング管路)によって運転ブレーキングバルブに連通され、第一ピストン501には第二ホール504が設けられる。第二ホール504にはエンドキャップ509(即ち、第二ホールはエンドキャップに固定的に接続される)が設けられ、エンドキャップ509の外側は第一ピストン501に固定的に接続され、エンドキャップ509の内側にはシール部材が設けられ、エンドキャップ509の頂部にはねじ込み装置が設けられ、第二ピストン506の側壁には通路511が設けられ、第二ピストン506は密閉的にエンドキャップ509の内側を貫通して第二ホール504内に延伸して設けられ、コアチューブ502は第二通路412から離れる一端が第一ピストン501を貫通して第二ピストン506内に挿入され、第二ピストン506とエンドキャップ509との間に第二チャンバー508が形成され、第二チャンバー508は通路511、コアチューブ502、第二通路412及び第二管路202(即ち、パーキングブレーキング管路)によってパーキングブレーキングバルブに連通される。弾性部材505は第二ピストン506と第二ホール504の底部との間に設けられる。ブレーキバッド800はバッドシートに設けられる。ブレーキディスク900はカウントリングギヤ901と取り付け部が設けられ、ブレーキディスク900の取り付け部はアクスル102の出力軸に固定される。ブレーキ解除システムはブラケット400及び/又は自動車フレームに設けられたポンプ315とアンロードバルブ322を備え、ポンプ315の液体入口は第三管路203(即ち、オイルフィードバック管路)によって液体容器103に連通され、ポンプ315の液体出口は第二通路412、コアチューブ502によって第二チャンバー508に連通される。アンロードバルブ322の液体入口は第二通路412、コアチューブ502によって第二チャンバー508に連通され、アンロードバルブ322の液体出口は第三管路203によって液体容器103に連通される。アンチロックシステムは、ブラケット400及び/又は自動車フレームに設けられたカウントセンサー(ブラケット400及び/又はフレームにカウントセンサーシート419が設けられて、カウントセンサーを固定する)、ブラケット400及び/又は自動車フレームに設けられたモーター309とドレンバルブ310、ブレーキディスク900に設けられたカウントリングギヤを備え、ドレンバルブ310の液体出口は液体容器103に連通され、ドレンバルブ310の液体入口は第三通路409によって第一チャンバーに連通されており、カウントセンサーによって測定されたカウントリングギヤの回転速度が所定のカウント値に達した状態で、モーター309はドレンバルブ310を始動及びドライブして動作させ、第一チャンバーと第三管路203、液体容器103の油路とのオン・オフ(即ち、第一チャンバーと液体容器103の交替的なオン・オフを実現する)を実現し、第一ピストンがブレーキディスクを絞る圧力をますます増加させるか減少させて、アンチロックを実現する。
【0017】
ここで、
図13、
図18、
図19と
図20に示すように、ブレーキ解除システムとアンチロックシステムは1つの整体として一体化されて、リレーバルブ300と称することもでき、リレーバルブ300はブラケット400及び/又は自動車フレームに設けられ、リレーバルブ300は第一通路406、第二通路412、第三通路409に直接に接続されてもよく、管路によって第一通路406、第二通路412、第三通路409に接続されてもよい。複数のディスク型の油圧アンチロックブレーキを備えるブレーキシステムは1つのリレーバルブ300を共用してもよく、ブレーキシステムの個々のブレーキは独立に1つのリレーバルブ300を用いてもよい。具体的に、リレーバルブ300はブラケット400或フレームに設けられ、ケース301を備え、その一側には上方から下方に行くに従ってそれぞれ上部インターフェース302、中部インターフェース306と下部インターフェース311が設けられ、その他方の一側には上方から下方に行くに従ってそれぞれ2つの上部ブランチインターフェイス304、2つの中部ブランチインターフェイス308と2つの下部ブランチインターフェイス313が設けられており、上部インターフェース302と2つの上部ブランチインターフェイス304との間には上部油路303が形成され、上部油路303の上部インターフェース302は第一管路201に接続され、上部油路303の2つの上部ブランチインターフェイス304はそれぞれ第一通路406の両端に接続され、中部インターフェース306と2つの中部ブランチインターフェイス308との間には中部油路307が形成され、中部油路307の中部インターフェース306は第三管路203に接続され、中部油路307の2つの中部ブランチインターフェイス308はそれぞれ第三通路409の両端に接続されており、下部インターフェース311と2つの下部ブランチインターフェイス313との間に下部油路312が形成され、下部油路312の下部インターフェース311は第二管路202に接続され、下部油路312の2つの下部ブランチインターフェイス313はそれぞれ第二通路412の両端に接続される。
【0018】
さらに、リレーバルブ300のケース301には圧力センサー314が設けられ、圧力センサー314は下部油路312に設けられて、下部油路312内の圧力(即ち、パーキングブレーキングと解除パーキングブレーキング過程における圧力)をモニターして車両制御機構と運転室の運転者にフィードバックする。リレーバルブ300のケース301内の上部油路303に圧力を検出可能な圧力スイッチ305が設けられ、圧力スイッチ305はモーター309に電機的に接続され、圧力スイッチ305はモニターされた上部油路303内の圧力をリアルタイムに車両制御機構にフィードバックし、ブラケット400の第一通路406内の圧力又は上部油路303内の圧力が所定の圧力値を超える際に、アンチロック状態に入り、圧力スイッチ305によってモーター309を始動させて、モーター309はドレンバルブ310をドライブして動作させる。
【0019】
さらに、
図9による第一ピストンと第二ピストンの第二実施例の断面構造概略図に示すように、望ましくは、弾性部材505は第二ピストン506と第二ホール504が囲まれて形成されたエアチャンバーであり、エアチャンバー内でガススプリングは所定値までガスが充填されており、ガススプリングの弾力によって第一ピストン501又は第二ピストン506に作用し、或いは、
図8による第一ピストンと第二ピストンの第一実施例の断面構造概略図に示すように、弾性部材505はスプリングであり、スプリングの弾力によって第一ピストン501又は第二ピストン506に作用し、ここで、スプリングは金属スプリング又はラバースプリング又はその他の形式のスプリングである。
【0020】
一実施例において、
図8に示すように、第一ピストン501はシングルウォールカップ型の円筒状であり、第一ピストン501のカップ底部にコアチューブ502が通る円形の孔とシール部材が設けられ、第一ピストン501のブレーキバッド800に近い一端(即ち、第一ピストン501の頂部)には第二ホール504が凹んで設けられ、第二ホール504は大体円筒状に形成され、第二ピストン506を収納し、第一ピストン501のブレーキバッド800に近い一端には固定ナット503がセットアップされてブラケット400に固定されており、第一ピストン501と第一ホール415の内壁面との間はシール部材によって密閉的に接触されることにより、第一ピストン501と第一ホール415の底面との間に第一チャンバーが形成され、第一ピストン501の第二ホール504の底面と第二ピストン506との間に弾性部材505が設けられて第一ピストン501と第二ピストン506に作用力を提供し、第一ピストン501の開口と第二ピストン506の外壁との間にエンドキャップ509が固定的に設けられ、第二ピストン506は移動可能に貫通されたエンドキャップ509を密閉可能であり、エンドキャップ509、第二ピストン506の外壁面と第二ホール504の内壁面との間に第二チャンバー508が形成され、第二ピストン506の内部に内側チャンバーが設けられ、コアチューブ502の一端は第二ピストン506の内側チャンバーに入り、第二ピストン506に設けられたオイルホール507或通路511によって第二チャンバー508に連通される。
【0021】
他方の実施例において、
図9に示すように、第一ピストン501は二重壁の円筒状であって、内壁と外壁を備え、第一ピストン501の内壁の底壁にコアチューブ502が通る貫通孔とシール部材が設けられる。第一ピストン501の内壁と外壁との間の底壁にはガスフィリング装置が設けられ、ガスフィリング装置はエアチャンバーに連通され、エアチャンバー内に圧縮性ガスを充填可能にし、ここで、ガスフィリング装置はバルブコア510であってよい。第一ピストン501の底壁において、第二ホール504内にパイプストリングが突起され、パイプストリングは第一ピストン501の内壁を形成し、パイプストリング内の貫通孔はコアチューブ502を貫通させ、第一ピストン501の内壁と外壁との間に第二ホール504が形成されており、第二ピストン506は第二ホール504内に挿入され、第一ピストン501の開口と第二ピストン506の外壁との間にエンドキャップ509が固定的に設けられ、第二ピストン506は移動可能に貫通するエンドキャップ509を密閉可能であり、エンドキャップ509、第二ピストン506の外壁面と第二ホール504の内壁面との間に第二チャンバー508が形成され、第一ピストン501のコアチューブ502を貫通して第二ピストン506内に延び、第二ピストン506のオイルホール507或通路511によって第二ピストン506の第二チャンバー508に連通され、一方、第一ピストン501の底壁には円周方向に沿って同じ間隔に複数の凹部が設けられ、凹部はエアチャンバーに連通され、第二ピストン506が第一ピストン501の底壁へ移動する時に、ガスが安全な収納空間を具備するように保つ。
【0022】
さらに、
図9に示すように、第二ピストン506は太い口を有する丸カップ形状であり、第二ピストン506のカップ本体には通路511が設けられ、通路511は大体Z字形を為し、第二チャンバー508は該通路511によってコアチューブ502に連通され、第二ピストン506の側壁にはそれぞれ第一ピストン501に密閉的に接触のガス密閉部512と液体密閉部513が設けられ、ガス密閉部512の両端はそれぞれ第一ピストン501の内壁と外壁に密閉的に接触され、エアチャンバーの密閉性を保証し、ガスがエアチャンバーから漏れるのを免れ、液体密閉部513はガス密閉部512と間隔を置いて設けられ、且つ液体密閉部513の両端はそれぞれ第一ピストン501の内壁、外壁に密閉的に接触され、第二チャンバー508の密閉性を保証して、液体が漏れるのを免れる。
【0023】
さらに、
図18に示すように、ポンプ315はポンプ本体、ポンプ駆動装置、第三ピストン318を備え、ポンプ本体の上部には液体入口と第三ピストンホール320が設けられ、液体入口と第三ピストンホール320は連通され、ポンプ本体の液体入口は第三管路203によって液体容器103の回路に連通され、ポンプ本体の下部には液体出口が設けられ、ポンプ本体の液体出口は第二通路412によって第二チャンバー508に連通され、ポンプ駆動装置の一側(即ち、固定端316)の支点はポンプ本体に設けられ、ポンプ駆動装置の他方の一側(即ち、活動端317)の第三ピストン318は第三ピストンホール320内に取り付けられ、第三ピストン318はポンプ駆動装置に接続され、具体的に、ブレーキ解除システムのポンプ315のポンプ本体はリレーバルブ300のケース301に固定的に設けられ、ポンプ315の一端は固定端316であり、動作時に支点となり、ポンプ315の他端は活動端317であって、活動端317に接続された第三ピストン318を駆動して第三ピストンホール320内で上下方向に往復運動させ、ポンプ315の固定端316と活動端317の間の円筒状はポンプ駆動装置で、手動的にポンプの動作を駆動し、ポンプ本体の液体入口は中部油路307に連通され、液体出口は下部油路312に導通されて、リレーバルブ300の中部油路307、中部インターフェース306と第三管路203を経て液体容器103に連通されることになり、リレーバルブ300の下部油路312、下部ブランチインターフェイス313とブラケット400の第二通路412を経て第二チャンバー508に連通され、且つポンプ本体の液体入口と液体出口の間にアンブロック油路319が形成され、アンブロック油路319内に逆止め弁321が設けられることにより、アンブロック油路319のみによって液体容器103から第二チャンバー508内へ液体を供給可能になり、圧縮弾性部材505は第二ピストン506によってブレーキバッド800をドライブしてブレーキディスク900から離れるようにして、パーキングブレーキングを解除する。
【0024】
さらに、
図20に示すように、アンロードバルブ322はアンロードバルブ本体、アンロードバルブスプール324、アンロードバルブ駆動装置323が設けられ、アンロードバルブ本体には液体入口、液体出口とスプールホールが設けられ、アンロードバルブ本体の液体入口は第二通路412、コアチューブ502によって第二チャンバー508に連通され、アンロードバルブ本体の液体出口は第三管路203によって液体容器103に連通され、アンロードバルブスプールホールはアンロードバルブ本体の液体入口と液体出口の間に設けられ、アンロードバルブスプール324はアンロードバルブスプールホール内に設けられ、アンロードバルブ駆動装置323はアンロードバルブスプール324に接続され、具体的に、ブレーキ解除システムのアンロードバルブ322はリレーバルブ300のケース301内に設けられ、アンロードバルブ本体はケース301外の一端にアンロードバルブ駆動装置323が設けられ、アンロードバルブ駆動装置323は六角穴付ボルトであり、アンロードバルブ本体はケース301内の一端即ちスプールホールに位置して、アンロードバルブスプール324を収納し、アンロードバルブ本体はスプールホールからそれぞれ上方と下方へ延びて液体入口と液体出口を形成し、液体入口と液体出口は何れもリレーバルブ300の下部油路312に導通されることにより、下部ブランチインターフェイス313、第二通路412、コアチューブ502を経て第二チャンバー508に連通され、下部インターフェース311、第三管路203を経て液体容器103に連通されることで、第二チャンバー508内の液体を液体容器103へフィードバックさせ、弾性部材505をフリードさせ、第二ピストン506が弾性部材505の作用でブレーキバッド800をドライブしてブレーキディスク900に接触させ、パーキングブレーキングを復元する。
【0025】
さらに、
図16、
図19と
図22に示すように、ドレンバルブ310にドレンバルブ本体とドレンバルブスプールが設けられ、ドレンバルブ本体にはドレンバルブスプールホール、液体入口と液体出口が設けられ、ドレンバルブ本体の液体入口は第三通路409によって第一チャンバーに連通され、ドレンバルブ本体の液体出口は第三管路203によって液体容器103に連通される。ドレンバルブスプールはドレンバルブスプールホールの下部に取り付けられ、ドレンバルブスプールには液体入口が設けられ、ドレンバルブスプールの液体入口はバルブ本体の液体入口に連通されており、ドレンバルブスプールにはさらに1つ以上の液体出口が取り付けられ、ドレンバルブスプールの液体出口とドレンバルブ本体の液体出口はオフセットに装着される。ドレンバルブスプールの頂部にはモーター309に接続された軸ホールが設けられ、モーター309はドレンバルブスプールホールの上部に取り付けられ、モーター309のモーター軸はドレンバルブスプールの軸ホールに挿入され、モーター309は電流が通った後にドレンバルブスプールをドライブして回動し、ドレンバルブ本体の液体出口とドレンバルブスプールの液体出口は交替的にオン・オフ(即ち、絶えずにオン・オフ)され、第一ピストンがブレーキディスクを絞る圧力をますます増加、減少させて、アンチロックの目的を達成し、ドレンバルブ310の液体出口から排出の液体は第三管路203を経て液体容器103に連通され、具体的に、アンチロックシステムのモーター309はリレーバルブ300内に設けられ、アンチロックシステムのドレンバルブ310はリレーバルブ300の中部油路307内に設けられ、中部ブランチインターフェイス308を経て第三通路409、第一チャンバーに連通され、中部インターフェース306を経て第三管路203に連通され、モーター309によってドレンバルブスプールをドライブして運転させて、油路のオンとオフを実現し、ここでドレンバルブ310の1つの液体入口はドレンバルブ本体の下端に設けられ、1つ以上の液体出口はドレンバルブ本体の周囲壁に設けられ、望ましくは、液体出口は三つに形成されるか、或いはドレンバルブの1つの液体入口と1つ以上の液体出口は間隔を置いてドレンバルブ本体の周囲壁に設けられ、油路の交替的な連通を実現すればよい。
【0026】
さらに、
図3~
図6に示すように、ブラケット400は左側のブラケット401と右側のブラケット402に分けて設けられ、左側のブラケット401と右側のブラケット402との間にブレーキディスク900を収納する收容チャンバー414が形成され、左側のブラケット401と右側のブラケット402は固定的に接続され、左側のブラケット401の第一通路406、第二通路412、第三通路409と右側のブラケット402の第一通路406、第二通路412、第三通路409は対応に連通される。左側のブラケット401にはブラケット400の取り付け部が設けられ、ブラケット400の取り付け部は自動車アクスル102上に固定され、左側のブラケット401上の第一ホール415と右側のブラケット402上の第一ホール415は対向に設けられ、ここで、左側のブラケット401と右側のブラケット402は対向に設けられ、且つ何れも大体半円弧状に形成されており、左側のブラケット401の内側面に凹んで設けられた第一ホール415は同じ間隔で設けられ、且つ右側のブラケット402の内側面に凹んで設けられた第一ホール415と一々対向し、左側のブラケット401の外側面に設けられた第一通路406、第二通路412、第三通路409は何れもアーク状を為し、第一通路406と第三通路409はそれぞれ第二通路412の両側に位置し、左側のブラケット401の両端と右側のブラケット402の両端はそれぞれ接続コラム403によって接続され、接続コラム403内には三つの隠しチューブ404が設けられ、左側のブラケット401の第一通路406、第二通路412と第三通路409はそれぞれ隠しチューブ404によって右側のブラケット402の第一通路406、第二通路412と第三通路409に連通されており、ブラケット400の強度を保つために、左側のブラケット401と右側のブラケット402の間は複数の中間補強コラムによって接続され、補強コラムには接続ボルト420が貫通され、左側のブラケット401と右側のブラケット402を締めて接続する。
【0027】
さらに、
図3と
図5に示すように、第一通路406の両端にそれぞれ運転ブレーキングコネクタ405が設けられ、第二通路412の両端にはそれぞれパーキングブレーキングコネクタ411が設けられ、第三通路409の両端にはそれぞれオイルフィードバックコネクタ408が設けられて、管路の装着及び接続を容易に行い、第一通路406内には複数の運転ブレーキングオイルホール407が設けられて第一チャンバーに連通され、第二通路412内には複数のパーキングブレーキングオイルホール413が設けられ、コアチューブ502に連通され、第三通路409内には複数のオイルフィードバックホール410が設けられて第一チャンバーに連通される。
【0028】
さらに、第一ホール415の数は1つ又は複数に形成され、個々の第一ホール415内には何れも第一ピストン501、第二ピストン506とコアチューブ502が設けられ、望ましくは、左側のブラケット401と右側のブラケット402にそれぞれ六つ、四つ、又は二つの第一ホール415が設けられ、ブレーキバッド800が均一に力を受けるようにする。
【0029】
実施形態二
【0030】
図10~
図12に示すように、本発明はさらにディスク型の油圧アンチロックブレーキを提供し、実施形態一との区別は、ブラケット400に設けられた第一ホール416は第一ピストン601を収納し、ブラケット400に設けられた第二ホール417は第二ピストン701を収納し、第一ホール416と第二ホール417はオフセットに設けられ、該構造の変化に基づき、第一ピストン601、第二ピストン701などの構造について適応的な変化を行ったものである。
【0031】
具体的に、ディスク型の油圧アンチロックブレーキは、第一ホール416、第二ホール417、コアチューブ704、通路及び第一ホール416の開口及び第二ホール417開口に設けられたバッドシートと前記ブラケットをアクスルに取り付けるための取り付け部を備え、通路は第一通路406、第二通路412と第三通路409を備え、第二通路412はコアチューブ704に連通されるブラケット400と、第一ホール416内に設けられ、底部は第一ホール416の底部と第一チャンバー602を形成し、第一チャンバー602が第一通路406及び第一管路201によって運転ブレーキングバルブに連通される第一ピストン601と、第二ホール417内に設けられ、第二ホール417にはエンドキャップ705が設けられ、エンドキャップ705との間に第二チャンバー702が形成され、第二チャンバー702はコアチューブ704、第二通路412及び第二管路202によってパーキングブレーキングバルブに連通される第二ピストン701と、第二ピストン701と第二ホール417の底部の間に設けられたスプリング703と、カウントリングギヤと取り付け部が設けられ、取り付け部がアクスル102の出力軸に固定されたブレーキディスク900と、ブラケット400及び/又は自動車フレームに設けられたポンプ315とアンロードバルブ322を備え、ポンプ315の液体入口は第三管路203によって液体容器103に連通され、ポンプ315の液体出口は第二通路412、コアチューブ704によって第二チャンバー702に連通され、アンロードバルブ322の液体入口は第二通路412、コアチューブ704によって第二チャンバー702に連通され、アンロードバルブ322の液体出口は第三管路203によって液体容器103に連通されるブレーキ解除システムと、ブラケット400及び/又は自動車フレームに設けられたカウントセンサー、ブラケット400及び/又は自動車フレームに設けられたモーター309とドレンバルブ310、ブレーキディスク900に設けられたカウントリングギヤを備え、ドレンバルブ310の液体出口は液体容器103に連通され、ドレンバルブ310の液体入口は第三通路409によって第一チャンバー602に連通され、カウントセンサーによって測定されたカウントリングギヤの回転速度が所定のカウント値に達成した状態で、モーター309はドレンバルブ310を始動且つドライブして動作させ、第一チャンバー602と第三管路203と液体容器103の油路のオン・オフ(即ち、第一チャンバー602と液体容器103の交替的なオン・オフを実現)を実現し、第一ピストンがブレーキディスク900を絞る圧力をますます増加、減少させて、アンチロックの目的を達成し、ブレーキ解除システムとアンチロックシステムは1つの整体として一体化され、リレーバルブ300と称することができ、リレーバルブ300はブラケット400及び/又は自動車フレームに設けられ、リレーバルブ300は第一通路406、第二通路412、第三通路409に直接に接続されてもよく、管路によって第一通路406、第二通路412、第三通路409に接続されてもよく、複数のディスク型の油圧アンチロックブレーキを具備するブレーキシステムは1つのリレーバルブ300を共用してもよく、ブレーキシステムの個々のブレーキは独立に1つのリレーバルブ300を使用してもよい。
【0032】
図11に示すように、第一ピストン601はブラケット400の第一ホール416内に収納され、その内部で軸方向に移動可能であり、第一ピストン601は大体柱状を為し、第一ピストン601のブレーキバッド800に近い一端の直径は第一ホール416の内径より小さく、第一ホール416の内壁との間にエンドキャップ603を設け、第一ピストン601のブレーキバッド800から離れる一端の直径は殆ど第一ホール416の内径に等しく形成されることで、第一ホール416に密閉的に接触され、且つ第一ピストン601の底端と第一ホール416の底壁との間に液体を収納可能な第一チャンバー602が形成され、第一ピストン601の大径端とエンドキャップとの間に第一スプリング604が収納されて、第一ピストン601に作動力を施し、
図12に示すように、第二ピストン701はブラケット400の第二ホール417内に収納され、その内部で軸方向に移動可能であり、第二ピストン701は大体太い口を有するカップ状に形成され、第二ピストン701の開口と第二ホール417の底壁との間にスプリング703が設けられ、第二ピストン701の底部と第二ホール417の側壁との間にエンドキャップ705が設けられており、第二ピストン701の開口とエンドキャップ705との間に液体を収納可能な第二チャンバー702が形成され、第二ピストン701のカップ本体に第二チャンバー702と連通の通路が設けられて、第二ピストン701内を貫通するコアチューブ704によって第二チャンバー702と第二通路412の連通を実現する。
【0033】
望ましくは、ブラケット400にオフセットに設けられた第一ホール416と第二ホール417はそれぞれ3つ、2つ又は1つであり、ブラケット400が2つの場合、左側のブラケット401上の第一ホール416、第二ホール417の位置と数量は右側のブラケット402上の位置と数量に一致且つ対応し、且つ何れもブラケット400の弧形延伸方向に沿って均一に分布され、ブレーキバッド800が均一に力を受けるようにする。
【0034】
実施形態三
【0035】
図1、
図2と
図21に示すように、本発明はさらに自動車両のブレーキングに適用されるディスク型の油圧アンチロックブレーキシステムを提供し、もちろん、自動車に限られず、非自動車類のブレーキング、例えば高速レールのブレーキシステムにも適用でき、該ディスク型の油圧アンチロックブレーキシステムは、液体容器103、液体ポンプ、液体充填バルブ、エネルギーアキュムレータ、運転ブレーキングバルブ、パーキングブレーキングバルブ、アクスル102、第一管路201、第二管路202、第三管路203とディスク型の油圧アンチロックブレーキを備え、前記ディスク型の油圧アンチロックブレーキは実施形態一に記載のディスク型の油圧アンチロックブレーキとその構造及び動作原理が同じであるため、ここでは重なる説明を省略する。
【0036】
液体ポンプが動作する時、液体容器103内の液体は液体ポンプ、液体充填バルブの作用によってエネルギーアキュムレータに流入し、所定の圧力で保存される。
【0037】
運転者がパーキングブレーキングバルブ(即ち、ハンドブレーキングバルブ)を開く場合、エネルギーアキュムレータ内の高圧油はパーキングブレーキングバルブ、第二管路202、第二通路412、コアチューブ502、第二ピストン506上の通路511を経て第二チャンバー508に入り、第二チャンバー508内の圧力が所定圧力まで増える際に、弾性部材505が圧縮され、第二ピストン506はリトラクトされ(即ち、第二ピストン506は第二ホール504の底部に向けて弾性部材505を圧縮する)、ブレーキバッド800上のブレーキパッドはブレーキディスク900をリリースし、パーキングブレーキングは解除状態になり、車両が運転又は移動し始まる。ここで、車両がパーキングブレーキング状態の場合、ブラケット400内の第二ピストン506は弾性部材505の圧力によってブレーキバッド800をドライブしてブレーキディスク900に緊密に接触させる。
【0038】
運転者が停車又は運転過程において急に停車してパーキングブレーキングバルブ(即ち、ハンドブレーキングバルブ)を閉じる際に、第二チャンバー508の圧力液体は弾性部材505の作用で第二ピストン506上の通路511、コアチューブ502、第二通路412、第二管路202、パーキングブレーキングバルブを経て液体容器103にフィードバックされ、第二チャンバー508の圧力が消えることになり、弾性部材505の作用で、第二ピストン506はブレーキバッド800をドライブしてブレーキディスク900に圧力を加え、自動車はパーキングブレーキング状態になる。
【0039】
運転者が運転ブレーキングバルブ(即ち、フットバルブ)踏む場合、エネルギーアキュムレータ内の高圧液体は運転ブレーキングバルブ、第一管路201、第一通路406を経て第一チャンバーに入り、第一ピストン501はブレーキバッド800をドライブしてブレーキディスク900を絞り、この間第一ピストン501は弾性部材505を圧縮し、ブレーキディスク900は圧力をアクスル102に伝送し、自動車は減速するか、或いは停車する。運転者が運転ブレーキングバルブをリリースの場合、第一チャンバー内の液体は第一通路406、第一管路201、運転ブレーキングバルブを経て液体容器103にフィードバックし、この間第一ピストン501は弾性部材505をフリードし、第一チャンバーの圧力が消え、ブレーキバッド800によるブレーキディスク900への圧力が消え、運転ブレーキングが解除され、正常な運転状態を復元する。
【0040】
運転者が運転ブレーキングバルブ(即ち、フットバルブ)を踏む場合、カウントセンサーによって検出されたカウントリングギヤの回転速度が所定値に達した際に、モーター309はドレンバルブ310のスプールをドライブして回動し、ドレンバルブ310は第三管路203、液体容器103と絶えずにオン・オフされ、ブレーキバッド800とブレーキディスク900との間の圧力をますます増加、減少させることで、第一チャンバー内の液体をドレンバルブ310によって間欠的に液体容器103に漏れ、ブレーキング機能を実現すると共にアンロックを実現できる。カウントセンサーによって検出のカウントリングギヤの回転速度が所定値未満の場合、モーター309は回動を停止し、ドレンバルブ310は第三管路203、液体容器103とオフされ、運転ブレーキング状態を復元する。
【0041】
ブレーキに故障が発生して車両の運転を影響するか、或いは救援を求めてパーキングブレーキング装置を解除する必要がある場合、ポンプ315の駆動装置(即ち、円筒状ハンドル)を駆動して、液体容器103、第三管路203内の液体をポンプ315、第二通路412、コアチューブ502、第二ピストン506の通路511を経て第二チャンバー508に圧入し、第二チャンバー508内の圧力を増加して、弾性部材505を圧縮させ、第二ピストン506をリトラクトさせ(即ち、第二ピストン506は第二ホール504の底部に弾性部材505を圧縮)、第二ピストン506とブレーキバッド800上のブレーキパッドがブレーキディスク900と一緒にリリースされることにより、パーキングブレーキングが解除され、車両の移動を実現する。
【0042】
ブレーキをリペアした後パーキングブレーキング機能を復元する際に、アンロードバルブ322の駆動装置を駆動し、アンロードバルブ322は第三管路203、液体容器103に連通し、第二チャンバー508の圧力液体が流出され、アンロードバルブ322と第三管路203、液体容器103の通路を閉じて、弾性部材505の弾力をフリードし、パーキングブレーキング機能が復元される。
【0043】
ここで、アクスル102の両端はそれぞれタイヤ101を取り付けるためのリムがセットアップされ、ディスク型の油圧アンチロックブレーキはリム内に位置してアクスル102上に固定され、アクスル102の両端にはそれぞれブレーキディスク900がセットアップされ、個々のブレーキディスク900は二組のブレーキバッド800の間に位置し、ブレーキディスク900はブレーキバッド800と互いに接触又は分離して、ブレーキングするか、或いはブレーキングを解除する。一方、第一管路201、第二管路202と第三管路203は大体フレームの下方に平行に設けられ、フレーム下方の配線によって合理的に設けられ、且つ運転ブレーキングの頻度が大きくて、第一管路201は二条となり、それぞれ第二管路202と第三管路203の両側に位置され、個々の第一管路201がフレーム側の複数のディスク型の油圧アンチロックブレーキに働くことで、ブレーキングの質を保証できる。
【0044】
以上、本発明の具体的な実施形態について概略的に説明したが、本発明の範囲はこれに限られない。本発明の原則と構想を脱離しない前提で当業者によって行う同等な変化及び補正は何れも本発明の範囲に属すると理解されるべきである。