(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】付加製造のための改良された方法
(51)【国際特許分類】
B22F 3/105 20060101AFI20220119BHJP
B22F 3/16 20060101ALI20220119BHJP
B28B 1/30 20060101ALI20220119BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20220119BHJP
B29C 64/232 20170101ALI20220119BHJP
B29C 64/241 20170101ALI20220119BHJP
B29C 64/277 20170101ALI20220119BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20220119BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220119BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220119BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20220119BHJP
【FI】
B22F3/105
B22F3/16
B28B1/30
B29C64/153
B29C64/232
B29C64/241
B29C64/277
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
(21)【出願番号】P 2017530087
(86)(22)【出願日】2015-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2015078414
(87)【国際公開番号】W WO2016096438
(87)【国際公開日】2016-06-23
【審査請求日】2018-11-13
【審判番号】
【審判請求日】2020-07-16
(32)【優先日】2015-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2015/078215
(32)【優先日】2015-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2014-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513089497
【氏名又は名称】ア-カム アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヘレスタム カレ
【合議体】
【審判長】平塚 政宏
【審判官】池渕 立
【審判官】市川 篤
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-534543(JP,A)
【文献】C.Hauser et al.,”Transformation algorithms for image preparation in spiral growth manufacturing(SGM)”,Rapid Prototyping Journal,2008年,Vol.14, No.4, Page.188-196
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F3/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末床の箇所の継続的な溶融結合を通じて少なくとも1つの3次元物品を形成するための方法であって、それらの箇所は、前記3次元物品の継続的な部分に対応し、前記方法は、
前記3次元物品の少なくとも1つのモデルを提供するステップと、
支持構造をZ軸の周りに所定の速度で回転もさせながら前記支持構造をZ方向に所定の速度で移動させるステップと、
前記支持構造上に粉末層を塗布するステップと、
第1のエネルギービーム源からの第1のエネルギービームを前記粉末層の第1の選択された位置に、および第2のエネルギービーム源からの第2のエネルギービームを第2の選択された位置に導くステップであって、前記第1および第2のエネルギービーム源は、前記3次元物品のそれぞれの第1および第2の部分を形成するために前記モデルに従って前記粉末層を前記第1および第2の選択された位置において溶融結合させる、導くステップと、
を含み、
前記粉末層の前記第1の選択された位置は、前記粉末層の前記第2の選択された位置の溶融結合と同時に塗布され、
前記粉末層上の前記第1のエネルギービームの第1のカバーエリアは、前記粉末層上の前記第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置され、
前記第1および第2のカバーエリアは、各々が前記支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、
完全な一周回転後に、前記第1のカバーエリアの軌跡は、ワークテーブルの外側のリングをカバーしていて、前記第2のカバーエリアの軌跡は、内側の円をカバーしていて、前記外側のリングおよび前記内側の円は、前記支持構造が完全に一周回転されたときに重なり合う領域において互いに重なり合う、互いに境を接する、または互いに対して分離している、のうちの少なくとも1つである、
方法。
【請求項2】
前記第1および第2のビームのうちの少なくとも1つは、前記支持構造の回転軸に垂直なラインに沿って走査している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持構造の前記回転軸は、前記Z軸に沿い、前記少なくとも1つのビームは、X-Y面内で溶融結合させている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記支持構造は、水平プレートである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2のエネルギービームのうちの少なくとも1つは、前記支持構造の前記回転軸に対してオフアクシスに提供される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記支持構造は、前記Z軸座標方向に所定の速度で連続的に移動している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記回転軸に垂直な前記ラインは、直線または曲がりくねった線のうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記モデルの回転軸は、前記支持構造上に造形される前記3次元物品の前記回転軸と一致する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記粉末層は、前記3次元物品の形成中に前記支持構造上に連続的に設けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記支持構造は、前記3次元物品の形成中に時計回りまたは反時計回りのうちの少なくとも1つで回転している、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
エネルギービーム源は、レーザビーム源および/または電子ビーム源のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記粉末層の前記第2の選択された位置を溶融結合させるのと同時に前記粉末層の前記第1の選択された位置を設ける少なくとも前記ステップは、真空チャンバ中で生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ビーム移動は、関連する制御ユニットを介して回転移動と連係される、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2の
エネルギービームは電子ビームであって、前記第1および第2の電子ビームをそれらのうちの1つがオフであるときに他の1つがオンであり、逆も同様であるように、互いに同期してオンおよびオフにスイッチするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および第2の軌跡は、前記支持構造の全エリアをカバーしている、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記粉末層は、前記第1および第2のカバーエリアによって完全にカバーされる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のカバーエリアの前記軌跡および前記第2のカバーエリアの前記軌跡は、前記支持構造が完全に一周回転されたときに少なくとも部分的に互いに重なり合う、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記粉末層は、前記第1および第2のカバーエリアによって完全にカバーされ、
前記第1のカバーエリアの前記軌跡および前記第2のカバーエリアの前記軌跡は、前記支持構造が完全に一周回転されたときに少なくとも部分的に互いに重なり合う、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
コンピュータ上で実行されたときに、粉末床の箇所の継続的な溶融結合を通じて少なくとも1つの3次元物品を形成するための方法を実施するように構成され、配置されたプログラム要素であって、それらの箇所は、前記3次元物品の継続的な箇所に対応し、前記方法は、
前記3次元物品の少なくとも1つのモデルを提供するステップと、
支持構造をZ方向に所定の速度で移動させて前記支持構造をZ軸の周りに所定の速度で回転させるステップと、
前記支持構造上に粉末層を塗布するステップと、
第1のエネルギービーム源からの第1のエネルギービームを前記粉末層の第1の選択された位置に、および第2のエネルギービーム源からの第2のエネルギービームを第2の選択された位置に導くステップであって、前記第1および第2のエネルギービーム源は、電磁エネルギービーム源または荷電粒子ビーム源のうちの少なくとも1つであり、前記3次元物品の第1および第2の部分を形成するために前記モデルに従って前記粉末層を前記第1および第2の選択された位置において溶融結合させる、導くステップと、
を含み、
前記粉末層の前記第1の選択された位置は、前記粉末層の前記第2の選択された位置の溶融結合と同時に塗布され、
前記粉末層上の前記第1のエネルギービームの第1のカバーエリアは、前記粉末層上の前記第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置され、
前記第1および第2のカバーエリアは、各々が前記支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、
完全な一周回転後に、前記第1のカバーエリアは、ワークテーブルの外側のリングをカバーしていて、前記第2のカバーエリアは、内側の円をカバーしていて、前記外側のリングおよび前記内側の円は、前記支持構造が完全に一周回転されたときに重なり合う領域において互いに重なり合う、互いに境を接する、または互いに対して分離している、のうちの少なくとも1つである、
プログラム要素。
【請求項20】
その上に記憶された請求項19に記載のプログラム要素を有する非一時的コンピュータ
可読記憶媒体。
【請求項21】
その中に具体化されたコンピュータ可読プログラムコード部分を有する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読プログラムコード部分は、
3次元物品の少なくとも1つのモデルの受信の際に、支持構造上に粉末層を塗布するように構成された実行可能な部分と、
支持構造をz方向に所定の速度で移動させて前記支持構造をz軸の周りに所定の速度で回転させるように構成された実行可能な部分と、
第1のエネルギービーム源からの第1のエネルギービームを前記粉末層の第1の選択された位置に、および第2のエネルギービーム源からの第2のエネルギービームを第2の選択された位置に導くように構成された実行可能な部分であって、前記第1および第2のエネルギービーム源は、電磁エネルギービーム源または荷電粒子ビーム源のうちの少なくとも1つであり、前記3次元物品の第1および第2の部分を形成するために前記モデルに従って前記粉末層を前記第1および第2の選択された位置において溶融結合させる、実行可能な部分と、
を含み、
前記実行可能な部分のうちの少なくとも1つは、
前記粉末層の前記第1の選択された位置が前記粉末層の前記第2の選択された位置の溶融結合と同時に塗布され、
前記粉末層上の前記第1のエネルギービームの第1のカバーエリアが前記粉末層上の前記第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれと重ならずに配置され、
前記第1および第2のカバーエリアは、各々が前記支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、
完全な一周回転後に、前記第1のカバーエリアの軌跡は、ワークテーブルの外側のリングをカバーしていて、前記第2のカバーエリアの軌跡は、内側の円をカバーしていて、前記外側のリングおよび前記内側の円は、前記支持構造が完全に一周回転されたときに重なり合う領域において互いに重なり合う、互いに境を接する、または互いに対して分離している、のうちの少なくとも1つであるようにさらに構成された、
コンピュータプログラム製品。
【請求項22】
粉末床の箇所の継続的な溶融結合を通じて3次元物品を形成するための装置であって、それらの箇所は、前記3次元物品の継続的な断面に対応し、前記装置は、
その上に記憶された前記3次元物品のコンピュータモデルを有する制御ユニットと、
z方向に所定の速度で移動可能でz軸の周りに所定の速度で回転可能な支持構造と、
前記支持構造上に粉末層を塗布するための粉末層塗布器と、
前記3次元物品の第1および第2の部分を形成するために前記コンピュータモデルに従って前記粉末層をそれぞれ第1および第2の選択された位置において加熱するかまたは溶融結合させるうちの少なくとも1つのために配置された第1および第2のエネルギービーム源と、
を含み、
前記粉末層の前記第1の選択された位置は、前記粉末層の前記第2の選択された位置の溶融結合と同時に塗布され、
前記粉末層上の前記第1のエネルギービームの第1のカバーエリアは、前記粉末層上の前記第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置され、
前記第1および第2のカバーエリアは、各々が前記支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、
完全な一周回転後に、前記第1のカバーエリアの軌跡は、ワークテーブルの外側のリングをカバーしていて、前記第2のカバーエリアの軌跡は、内側の円をカバーしていて、前記外側のリングおよび前記内側の円は、前記支持構造が完全に一周回転されたときに重なり合う領域において互いに重なり合う、互いに境を接する、または互いに対して分離している、のうちの少なくとも1つである、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大きな3次元物体を付加的に製造するための改良された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自由造形(freeform fabrication)または付加製造(additive manufacturing)は、ワークプレートに塗布された粉末層の選ばれた箇所の継続的な溶融結合を通じて3次元物品を形成するための方法である。この技術による方法および装置は、特許文献1に開示される。
【0003】
この種の装置は、3次元物品がその上に形成されることになるワークプレート、粉末床の形成のために粉末の薄層をワークプレート上に敷くように配置された粉末ディスペンサ、粉末にエネルギーを送達し、それによって粉末の溶融結合を発生させるレーザビーム源、粉末床の箇所の溶融結合を通じて3次元物品の断面を形成するために粉末床にわたってレーザビーム源を制御する要素、および3次元物品の連続した断面に関する情報が記憶された制御用コンピュータを含んでもよい。3次元物品は、粉末ディスペンサによって継続的に敷かれた、粉末層の連続して形成された断面を連続して溶融結合させることを通じて形成される。
【0004】
最終物品の材料特性を改善すると同時に益々大きなサイズの3次元物品を益々速い製造速度で造形することが可能な付加製造技術に対する需要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、最終製品の材料特性を犠牲にすることなく先行技術の機械よりも大きな部品を効率的に造形することが可能な3次元部品の連続的付加製造に適した付加製造装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の様々な実施形態による第1の態様においては、粉末床の箇所の継続的な溶融結合を通じて少なくとも1つの3次元物品を形成するための方法が提供され、それらの箇所は、3次元物品の継続的な部分に対応し、本方法は、3次元物品の少なくとも1つのモデルを提供するステップと、支持構造を所定の速度で回転させながら支持構造をZ方向に所定の速度で移動させるステップと、支持構造上に粉末層を塗布するステップと、第1のエネルギービーム源からの第1のエネルギービームを粉末層の第1の選択された位置に、および第2のエネルギービーム源からの第2のエネルギービームを第2の選択された位置に導くステップであって、第1および第2のエネルギービーム源は、3次元物品の第1および第2の部分を形成するためにモデルに従って粉末層を第1および第2の選択された位置において溶融結合させる、導くステップと、粉末層の第2の部分を溶融結合させるのと同時に粉末層の第1の部分を設けるステップとを含み、粉末層上の第1のエネルギービームの、支持構造のエリアよりも小さい、第1のカバーエリアは、支持構造が完全に一周回転されたときに第1のカバーエリアの軌跡と第2のカバーエリアの軌跡とが重なり合うように、粉末層上の第2のエネルギービームの、支持構造のエリアよりも小さい、第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置される。
【0008】
少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、互いに干渉しない複数のエネルギービームを用いて付加製造を行ってもよいことである。これは、個々のエネルギービームの静的なカバーエリアの合計よりも大きな物体を作製するための付加製造プロセスの連続動作を許容する。
【0009】
本発明による様々な実施形態例において、最小の所定距離は、粉末層上の第1および/または第2のエネルギービームの最大走査長の少なくとも半分である。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、ソースとビームとの間の干渉が抑制されうるように第1および第2の電子ビーム源が互いから所定の距離に配置されることである。
【0010】
本発明の様々な実施形態例において、第1および第2のビームのうちの少なくとも1つは、支持構造の回転軸に垂直なラインに沿って走査している。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、回転軸に垂直なハッチングがいくつかの異なるハッチ・パターンおよび/または走査線シーケンスを提供すると同時に、時間効率がよいことである。
【0011】
本発明による様々な実施形態例では、支持構造の回転軸がZ軸に沿い、少なくとも1つのビームがx-y面内で溶融結合を行っている。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、支持構造がZ軸方向にのみ移動している場合に比べて3次元物品の製造時間が短縮されてもよいことである。
【0012】
本発明の様々な実施形態例において、支持構造は、水平プレートである。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、粉末材料を重力によって塗布してもよいことである。
【0013】
本発明の様々な実施形態例において、第1および/または第2のエネルギービームのうちの少なくとも1つは、支持構造の回転軸に対してオフアクシスに提供される。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、ビルドエリアが個々のビーム・カバーエリアの合計より大きくてもよいことである。
【0014】
本発明の様々な実施形態例において、支持構造は、z方向に所定の速度で連続的に移動している。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、3次元物品の製造が中断されずに行われてもよいことである。
【0015】
本発明の様々な実施形態例において、回転軸に垂直なラインは、直線または曲がりくねった線のうちの少なくとも1つである。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、任意の形状の走査線を用いてもよいことである。
【0016】
本発明の様々な実施形態例において、モデルの回転軸は、支持構造上に造形される3次元物品の回転軸と一致する。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、モデルが製造プロセスに適合されることである。
【0017】
本発明の様々な実施形態例において、粉末層は、3次元物品の形成中に支持構造上に連続的に設けられる。中断されない粉末塗布プロセスの例示的な利点は、粉末層の品質が改善されうることである。
【0018】
本発明の様々な実施形態例において、支持構造は、3次元物品の形成中に時計回りまたは反時計回りのうちの少なくとも1つで回転している。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、支持構造の回転方向がオペレータによって選ばれてもよいことである。別の利点は、回転方向が3次元物品の形成中に一回または数回変更されてもよいことである。
【0019】
本発明による様々な実施形態例において、方法は、粉末層の第3の部分を予備加熱するステップをさらに備える。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、粉末を溶融させる前に粉末層を予備加熱する、すなわち、所定の温度範囲へ加熱して維持するために最も適しているときに第1および/または第2の電子ビーム源を用いてもよいということである。第3の位置は、第1および第2の位置から横方向に分離しているが、第1の電子ビームの第1の最大ビーム走査エリアまたは第2の電子ビームの第2の最大ビーム走査エリア内にある。代わりの実施形態では、予備加熱は、粉末層を溶融結合させるために用いられないエネルギー源を用いることによって行われてもよい。
【0020】
様々な実施形態例において、粉末層の第1の部分は、粉末層の第2の部分を溶融結合させるのと同時に設けられる。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、溶融結合ステップが粉末層塗布の終了を待機する必要がなく、延いては多くの製造時間を節約するであろうということである。
【0021】
様々な実施形態例において、本発明は、第1および第2の電子ビームをそれらのうちの1つがオフであるときに他の1つがオンであり、逆も同様であるように互いに同期してオンおよびオフにスイッチするステップをさらに備える。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、他方の電子ビーム源に影響を及ぼしうる一方の電子ビーム源からの磁界がさらに最小限に抑えられることである。別の利点は、ワークテーブル上の同時の電子ビーム間の反発力が取り除かれることである。
【0022】
本発明の様々な実施形態による第2の態様においては、コンピュータ上で実行されたときに、粉末床の箇所の継続的な溶融結合を通じて少なくとも1つの3次元物品を形成するための方法を実施するように構成され、配置されたプログラム要素が提供され、それらの箇所は、3次元物品の継続的な部分に対応し、本方法は、3次元物品の少なくとも1つのモデルを提供するステップと、支持構造をZ方向に所定の速度で移動させて支持構造をZ軸の周りに所定の速度で回転させるステップと、支持構造上に粉末層を塗布するステップと、第1のエネルギービーム源からの第1のエネルギービームを粉末層の第1の選択された位置に、および第2のエネルギービーム源からの第2のエネルギービームを第2の選択された位置に導くステップであって、第1および第2のエネルギービーム源は、電磁エネルギービーム源または荷電粒子ビーム源のうちの少なくとも1つであり、3次元物品の第1および第2の部分を形成するためにモデルに従って粉末層を第1および第2の選択された位置において溶融結合させる、導くステップと、を含み、粉末層の第1の部分は、粉末層の第2の部分の溶融結合と同時に塗布され、粉末層上の第1のエネルギービームの第1のカバーエリアは、粉末層上の第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならず配置され、第1および第2のカバーエリアは、各々が支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、第1のカバーエリアの軌跡および第2のカバーエリアの軌跡は、支持構造が完全に一周回転されたときに重なり合う、互いに境を接する、または互いに対して分離している、のうちの少なくとも1つである。
【0023】
様々な実施形態によれば、その上に記憶された上記のプログラム要素を有する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0024】
様々な実施形態のさらなる態様によれば、その中に具体化されたコンピュータ可読プログラムコード部分を有する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータ可読プログラムコード部分は、3次元物品の少なくとも1つのモデルの受信の際に、支持構造上に粉末層を塗布するように構成された実行可能な部分と、支持構造をz方向に所定の速度で移動させて支持構造をz軸の周りに所定の速度で回転させるように構成された実行可能な部分と、第1のエネルギービーム源からの第1のエネルギービームを粉末層の第1の選択された位置に、および第2のエネルギービーム源からの第2のエネルギービームを第2の選択された位置に導くように構成された実行可能な部分であって、第1および第2のエネルギービーム源は、電磁エネルギービーム源または荷電粒子ビーム源のうちの少なくとも1つであり、3次元物品の第1および第2の部分を形成するためにモデルに従って粉末層を第1および第2の選択された位置において溶融結合させる、実行可能な部分と、を含む。実行可能な部分のうちの少なくとも1つは、粉末層の第1の部分が粉末層の第2の部分の溶融結合と同時に塗布され、粉末層上の第1のエネルギービームの第1のカバーエリアが粉末層上の第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置され、第1および第2のカバーエリアは、各々が支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、第1のカバーエリアの軌跡および第2のカバーエリアの軌跡は、支持構造が完全に一周回転されたときに重なり合う、互いに境を接する、または互いに対して分離している、のうちの少なくとも1つであるようにさらに構成される。
【0025】
様々な実施形態によれば、粉末床の箇所の継続的な溶融結合を通じて3次元物品を形成するための装置も提供され、それらの箇所は、3次元物品の継続的な断面に対応し、本装置は、その上に記憶された3次元物品のコンピュータモデルを有する制御ユニットと、z方向に所定の速度で移動可能でz軸の周りに所定の速度で回転可能な支持構造と、支持構造上に粉末層を塗布するための粉末層塗布器と、3次元物品の第1および第2の部分を形成するためにモデルに従って粉末層をそれぞれ第1および第2の選択された位置において加熱するか、または溶融結合させるうちの少なくとも1つのために配置された第1および第2のエネルギービーム源と、を含み、粉末層の第1の部分は、粉末層の第2の部分の溶融結合と同時に塗布され、粉末層上の第1のエネルギービームの第1のカバーエリアは、粉末層上の第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置され、第1および第2のカバーエリアは、各々が支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、第1のカバーエリアの軌跡および第2のカバーエリアの軌跡は、支持構造が完全に一周回転されたときに重なり合う、互いに境を接する、または互いに対して分離している、のうちの少なくとも1つである。
【0026】
様々な実施形態によれば、粉末床の箇所の継続的な溶融結合を通じて少なくとも1つの3次元物品を形成するための方法も提供され、それらの箇所は、3次元物品の継続的な部分に対応する。本方法は、3次元物品の少なくとも1つのモデルを提供するステップと、支持構造をZ軸の周りに所定の速度で回転もさせながら支持構造をZ方向に所定の速度で移動させるステップと、支持構造上に粉末層を塗布するステップと、第1のエネルギービーム源からの第1のエネルギービームを粉末層の第1の選択された位置に、および第2のエネルギービーム源からの第2のエネルギービームを第2の選択された位置に導くステップであって、第1および第2のエネルギービーム源は、3次元物品のそれぞれ第1および第2の部分を形成するためにモデルに従って粉末層を第1および第2の選択された位置において溶融結合させる、導くステップと、を含み、粉末層の第1の部分は、粉末層の第2の部分の溶融結合と同時に塗布され、粉末層上の第1のエネルギービームの第1のカバーエリアは、粉末層上の第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置され、第1および第2のカバーエリアは、各々が支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、粉末層は、第1および第2のカバーエリアによって完全にカバーされ、第1のカバーエリアの軌跡および第2のカバーエリアの軌跡は、支持構造が完全に一周回転されたときに少なくとも部分的に重なり合う。
【0027】
本発明の様々な実施形態によるさらに別の態様では、コンピュータ上で実行されたときに、粉末床の箇所の継続的な溶融結合を通じて少なくとも1つの3次元物品を形成するための方法を実施するように構成され、配置されたプログラム要素が提供され、それらの箇所は、3次元物品の継続的な部分に対応し、本方法は、3次元物品の少なくとも1つのモデルを提供するステップと、支持構造をZ方向に所定の速度で移動させて支持構造をZ軸の周りに所定の速度で回転させるステップと、支持構造上に粉末層を塗布するステップと、第1のエネルギービーム源からの第1のエネルギービームを粉末層の第1の選択された位置に、および第2のエネルギービーム源からの第2のエネルギービームを第2の選択された位置に導くステップであって、第1および第2のエネルギービーム源は、電磁エネルギービーム源または荷電粒子ビーム源のうちの少なくとも1つであり、3次元物品の第1および第2の部分を形成するためにモデルに従って粉末層を第1および第2の選択された位置において溶融結合させる、導くステップと、を含み、粉末層の第1の部分は、粉末層の第2の部分の溶融結合と同時に塗布され、粉末層上の第1のエネルギービームの第1のカバーエリアは、粉末層上の第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置され、第1および第2のカバーエリアは、各々が支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、粉末層は、第1および第2のカバーエリアによって完全にカバーされ、第1のカバーエリアの軌跡および第2のカバーエリアの軌跡は、支持構造が完全に一周回転されたときに少なくとも部分的に重なり合う。
【0028】
様々な実施形態によれば、その上に記憶された上記のプログラム要素を有する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0029】
様々な実施形態のさらなる態様によれば、その中に具体化されたコンピュータ可読プログラムコード部分を有する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータ可読プログラムコード部分は、3次元物品の少なくとも1つのモデルの受信の際に、支持構造上に粉末層を塗布するように構成された実行可能な部分と、支持構造をz方向に所定の速度で移動させて支持構造をz軸の周りに所定の速度で回転させるように構成された実行可能な部分と、第1のエネルギービーム源からの第1のエネルギービームを粉末層の第1の選択された位置に、および第2のエネルギービーム源からの第2のエネルギービームを第2の選択された位置に導くように構成された実行可能な部分であって、第1および第2のエネルギービーム源は、電磁エネルギービーム源または荷電粒子ビーム源のうちの少なくとも1つであり、3次元物品の第1および第2の部分を形成するためにモデルに従って粉末層を第1および第2の選択された位置において溶融結合させる、実行可能な部分と、を含む。実行可能な部分のうちの少なくとも1つは、粉末層の第1の部分が粉末層の第2の部分の溶融結合と同時に塗布され、粉末層上の第1のエネルギービームの第1のカバーエリアが粉末層上の第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置され、第1および第2のカバーエリアは、各々が支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、粉末層は、第1および第2のカバーエリアによって完全にカバーされ、第1のカバーエリアの軌跡および第2のカバーエリアの軌跡は、支持構造が完全に一周回転されたときに少なくとも部分的に重なり合うようにさらに構成される。
【0030】
様々な実施形態によれば、粉末床の箇所の継続的な溶融結合を通じて3次元物品を形成するための装置が提供され、それらの箇所は、3次元物品の継続的な断面に対応し、本装置は、その上に記憶された3次元物品のコンピュータモデルを有する制御ユニットと、z方向に所定の速度で移動可能でz軸の周りに所定の速度で回転可能な支持構造と、支持構造上に粉末層を塗布するための粉末層塗布器と、3次元物品の第1および第2の部分を形成するためにモデルに従って粉末層をそれぞれ第1および第2の選択された位置において加熱するか、または溶融結合させるうちの少なくとも1つのために配置された第1および第2のエネルギービーム源と、を含み、粉末層の第1の部分は、粉末層の第2の部分の溶融結合と同時に塗布され、粉末層上の第1のエネルギービームの第1のカバーエリアは、粉末層上の第2のエネルギービームの第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置され、第1および第2のカバーエリアは、各々が支持構造のエリアよりもそれぞれ小さく、粉末層は、第1および第2のカバーエリアによって完全にカバーされ、第1のカバーエリアの軌跡および第2のカバーエリアの軌跡は、支持構造が完全に一周回転されたときに少なくとも部分的に重なり合う。
【0031】
本明細書においておよび全体にわたって、例示的な実施形態が記載されるか、またはその利点が特定されるところでは、開示される発明概念の範囲および特質が別様に限定または制約されないように、かかる実施形態または利点は、本質的に例示的かつ非限定的であると見なされ、そのように意図される。
【0032】
以下では添付図面を参照して本発明が非限定的な方法でさらに記載される。図面のいくつかの図にわたって対応する同様の箇所を示すために同じ参照文字が採用される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の様々な実施形態による装置を提示する。
【
図2】2つの電子ビームのための最大ビーム走査エリアを説明した本発明の様々な実施形態における回転ワークテーブル210のフリーズ上面図を示す。
【
図3A】第1および第2のビーム走査エリアの軌跡がワークテーブルの完全な一周回転に対して示された本発明の様々な実施形態におけるワークテーブルのそれぞれの上面図を示す。
【
図3B】第1および第2のビーム走査エリアの軌跡がワークテーブルの完全な一周回転に対して示された本発明の様々な実施形態におけるワークテーブルのそれぞれの上面図を示す。
【
図3C】第1および第2のビーム走査エリアの軌跡がワークテーブルの完全な一周回転に対して示された本発明の様々な実施形態におけるワークテーブルのそれぞれの上面図を示す。
【
図4】本発明の様々な実施形態による概略的なフローチャートを示す。
【
図5】様々な実施形態による例示的なシステム1020のブロック図である。
【
図6A】様々な実施形態によるサーバ1200の概略的なブロック図である。
【
図6B】様々な実施形態による例示的なモバイルデバイス1300の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、本発明のすべてではないがいくつかの実施形態が示された添付図面を参照して、本発明の様々な実施形態例が以下により十分に記載される。実際、本発明の実施形態は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に提示された実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすことになるように提供される。別に定義されない限り、本明細書に用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって一般に知られ、理解されるものと同じ意味を有する。用語「または(or)」は、別に示されない限り、本明細書では択一的および結合的の両方の意味で用いられる。同様の番号は、全体を通じて同様の要素を指す。
【0035】
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語が以下に定義される。本明細書において定義される用語は、本発明が関連する分野の当業者によって一般に理解される意味を有する。「1つの(a)」、「1つの(an)」および「該(前記)(the)」のような用語は、単数形の実体のみを指すのではなく、説明のためにその具体例が用いられてもよい一般的な部類を含むことが意図される。本明細書における用語法は、本発明の具体的な実施形態を記載するために用いられるが、それらの使用法は、特許請求の範囲に要約される以外、本発明の範囲を限定しない。
【0036】
本明細書に用いられる用語「3次元構造」などは、意図されるかまたは実際に製作された、特定の目的に用いることが意図された(例えば、構造材料(単数または複数)の)3次元構成を一般に指す。かかる構造などは、例えば、3次元CADシステムの助けを借りて設計されてもよい。
【0037】
本明細書に用いられる用語「2次元構造」などは、全体として捉えたときに先に定義された「3次元構造」を定義するかまたは別様に形成する、それぞれの「層」と見做しうる実質的に平面状の構造を一般に指す。「2次元構造」と呼ばれるが、理解すべきは、これらの構造が、本来、実質的に2次元のままであるにも係わらず、各々が第3次元に付随する厚さを含むことである。非限定の例として、先に定義され、本明細書の他のところに記載される「3次元構造」に匹敵する厚さを達成するためには、複数の2次元構造を相互に積み重ねることが必要であろう。
【0038】
本明細書において様々な実施形態に用いられる用語「電子ビーム」は、任意の荷電粒子ビームを指す。荷電粒子ビーム源は、電子銃、線形加速器などを含むことができる。
【0039】
本発明の様々な実施形態は、粉末付加製造、例として電子ビーム溶融(EBM:electron beam melting)および/または選択的レーザ焼結SLS(SLS:selective laser sintering)もしくは選択的レーザ溶融SLM(SLM:selective laser melting)によって3次元物品を作製するための方法に関する。様々な実施形態例において、物体は、電子ビーム源からのビーム走査エリア(カバーエリア)の合計より広くてもよい。
【0040】
図1は、本発明の様々な実施形態による装置の実施形態例を提示する。
【0041】
第1の電子ビーム2および第2の電子ビーム22がレーキ7によって平らにされた金属粉末材料3の薄床に2Dパターンを画定するように、第1の電子ビーム源1および第2の電子ビーム源21が用いられてもよい。レーキ7は、移動可能であるか、または静止していてもよい。粉末貯蔵部6は、ワークプレート5上へ金属粉末材料3を提供している。ある実施形態例では、粉末貯蔵部6は、ワークプレートまたは前に塗布された粉末層の上方の所定の距離に静止して設けられる。粉末貯蔵部6の底にはスリットが設けられてもよく、それを通して粉末がワークテーブルまたは前に塗布された粉末層上へ供給される。粉末床4は、ある実施形態例では平面図内で直径1500mmの寸法であってもよく、昇降機構8によってワークプレート5を200~1000mm下降できる。このように、この種の装置ではΦ1500×1000mmまでの部品を製造できる。しかしながら、理解すべきは、これらが基本的限界ではないことである。2つよりも多い電子ビーム源を用いると直径がN×750mmのインクリメントで増加されてもよく、ここでNは、電子ビーム源の数である。幾何学的形状および/または利用可能な電子ビーム出力に依存するため、750mmが絶対的な値というわけではない。
【0042】
スライスされたファイルは、付加製造用途に広く用いられ、デジタルデータ、例えば、任意の適切な立体コンピュータ支援設計(「CAD:computer aided design」)モデルを用いて生成できる。スライスされたレイヤは、昇順にZ方向の間隔が取られ、各スライスがXY面に平行に取られた継続的な断面からなってもよい。
【0043】
付加製造が連続的に行われることを許容するために、3D物体の連続的なコンピュータ記述が用いられてもよい。かかる連続的な記述は、1次元を削除してもよく、従って、角度位置を半径ラインに沿った物体の境界と関連付けることを許容する。
【0044】
本発明の可能な用途は、3D物体をこの数学的表現で記述された1Dセグメント間で溶融させるために、プリンタヘッド-またはビームスポット-の位置を半径ラインに沿って動的に調整することであってもよい。然るべきシステム座標変更を用いると、固体材料からの各内部および外部境界ポリラインを次のように2次元座標系(r,α)で有利に記述でき、
【0045】
【0046】
ここで(x,y,z)はデカルト座標であり、rは動径座標(Z軸への距離)であり、αは角座標[rad]である。αは、正の高さをもつ任意の点から見て反時計方向に測定される場合に正である。Hは、造形されることになる3次元物品の高さである。
【0047】
本発明は、粉末層を半径ラインに沿って溶融結合させるか、または予備加熱することには限定されない。粉末層の予備加熱および溶融は、それぞれの電子ビームの最大ビーム走査エリア内で任意の方向に行われてもよい。
【0048】
ある実施形態例によれば、数学的モデルは、3次元物品のらせん状の切断から生成されてもよい。このスライス方法は、
図1中に15で示される、例としてZ(縦方向)に沿った回転軸と元の角度位置とを定義することを必要とする。
【0049】
必要とされる精度に従って選ばれたステップ・サイズを用いて、(軸の周りに一様に回転するラインと交差する)すべてのr座標を含んだファイルを角座標αごとに生成できる。
【0050】
図1は、簡単のために2つだけの電子ビーム源1、21を開示する。もちろん、任意の数のビーム源が用いられてもよい。
【0051】
図1に示される本発明の実施形態では、ワークプレート5をプロセスチャンバ14中で移動させることができる。造形すべき物品の連続的な切断モデル(連続的なスライシング)が制御ユニット10中で生成されて、記憶されてもよい。ワークプレート5は、随意的に、十分な開始温度まで予備加熱されてもよく、予備加熱中のワークプレート5へのエネルギー付与は、ワークプレート5のインクリメンタルまたは連続的な移動中のいずれかに行われてもよい。規則的かつ実質的に一様な厚さをもつ粉末の層を形成するために、移動するフィーディング部材が溶融チャンバ中である量の粉末を堆積させており、この堆積は、非限定の例として、ワークプレート5が移動している間に固定された粉末層化デバイスによって行われてもよい。
【0052】
粉末層の粉末の融点未満の温度への随意的な予備加熱が行われてもよく、それによってワークプレート5のインクリメンタルまたは連続的な移動中のいずれかに粉末へエネルギーが送られてもよく、留意すべきは、一回転の間の温度損失の関数として、再加熱エリアを粉末がビーム走査エリアへ再び来る前に配置できることである。
【0053】
制御ユニット10に記憶されたモデルに従って物品の連続的な切断の一部分に対応するエリアにおいて集束ビームを用いて走査することによって溶融を行う。
【0054】
開始プレートの随意的な予備加熱、粉末塗布、粉末層の随意的な予備加熱、粉末層の溶融結合/溶融は、ワークプレート5が連続的かまたは段階的のいずれかで回転するにつれて物品の確定最上部に到達するまで生じる。ワークプレート5は、造形が進むにつれて、回転ごとに完成された層の厚さに等しい、例として、20~200μmの間の範囲の距離を下降される。
【0055】
真空チャンバは、真空システムによるかまたはそれを経由して真空環境を維持するように構成され、真空システムは、当業者によく知られ、それゆえにこの文脈ではさらなる説明を必要としないターボ分子ポンプ、スクロールポンプ、イオンポンプ、および1つ以上のバルブを含んでもよい。真空システムは、制御ユニット10によって制御されてもよい。別の実施形態では、ワークプレートが周囲空気および大気圧が与えられた包囲可能なチャンバ中に設けられてもよい。さらに別の実施形態例では、ワークプレートがオープンエア中に設けられてもよい。
【0056】
本発明の様々な実施形態は、エネルギービームの中心線とアラインされるかまたはアラインされないワークプレート5に対する回転軸の用意に関する。本発明のある実施形態例では、回転の軸15が垂直であってもよく、ワークプレート5が環状であってもよい。この回転は、造形が進むにつれてワークプレート5が連続的に下降するとともに断続的または連続的に行うことができる。
【0057】
ビルドタンクは、常に回転していてもよい。ワークプレートのzレベルは、雄ねじをもつロッドで位置決めされてもよく、この雄ねじは、雌ねじ内で回転することによって位置決めされてもよい。雌ねじは、ビルドタンクの回転に連動される。このように、ねじ山のピッチを同じにすることができて、層の高さ(ビルドタンクのフルラプスごとに下降すべきzレベル)が歯車機構によって調整される(例えば、雌ねじがビルドタンクと関係する速度で回転する)。歯車機構が任意の移動(上へ、下へまたは静止)を許容してもよい。
【0058】
ビルドタンクの回転がその外側から加えられてもよい。タンクがボールベアリングによって安定化されてもよく、その慣性が大きいので加えられる回転力は小さい。
【0059】
ビルドタンクおよびビルドプラットフォームが連続的に測定されて、リアルタイムで、ビーム制御ユニットへフィードバックされてもよく、ビルドプラットフォームの小さなずれを調整するためにビーム制御ユニットがビームを並進させてもよい。
【0060】
このようにして、各々が回転軸15とアラインされない複数のエネルギービームのケースでは、ビルドエンベロープを粉末床の平面におけるビーム走査エリアの合計よりはるかに広くすることができる。ワークプレート5の下降範囲は、標準装置と同じままであることが明らかである。もっぱら考えられるのは、最大ビルド高さをおよそ1000mmまで延長するように、垂直方向のビルドエンベロープが設計されるであろうということである。
【0061】
図1に示されるように、3次元物品11は、軸15の周りに回転移動しており、第1の最大ビーム走査エリア30を有する第1の電子ビーム2および最大ビーム走査エリア40を有する第2の電子ビーム22によって溶融される。ビーム移動は、制御ユニット10によって回転移動と連係される。ある実施形態では、溶融方策がワークプレート5の回転中の回転速度の変更を許容してもよい。粉末層の溶融結合中に揺動のような擾乱がモニタされて、補償されてもよい。
【0062】
本プロセスは、主として大型の部品、限定はされないが、中心孔をもつタービンケースまたは大型の航空宇宙用構造フレームを作製するために適用するのに適しうる。本発明は、ビーム走査エリアより広い1つの連続物体を製造するために用いられてもよく、理解すべきは、ビルドエンベロープ中に含まれるいくつかの物体の作製に本発明の原理を同様に適用できることである。
【0063】
理解すべきは、本発明が、非金属材料を含めて、任意のタイプの層ごとのラピッドプロトタイピングおよび付加製造機械に、および積層製作技術を用いた他の機械に潜在的に適用可能なことである。
【0064】
電子ビーム2、22を生成する電子ビーム源1、21は、ワークプレート5上に提供された粉末材料3を一緒に溶融するか、または溶融結合させるために用いられる。制御ユニット10は、電子ビーム源1、21から放出された電子ビーム2、22を制御および管理するために用いられてもよい。電子ビーム2、22がその第1の極限位置とその第2の極限位置との間で偏向されてもよい。第1の電子ビーム源が第1の距離で分離した第1および第2の極限位置を有してもよく、第2の電子ビーム源が第2の距離で分離した第1および第2の極限位置を有してもよい。第1および第2の距離は、等しくてもまたは互いに異なってもよい。第1および第2の距離は、重なり合わない。
【0065】
少なくとも1つの集束コイル(図示されない)、少なくとも1つの偏向コイル(図示されない)および電子ビーム電源(図示されない)が制御ユニット10に電気的に接続されてもよい。ビーム偏向ユニット(図示されない)が少なくとも1つの集束コイル、少なくとも1つの偏向コイルおよび随意的に少なくとも1つの非点収差コイルを含んでもよい。本発明のある実施形態例において、電子ビーム源1、21は、加速電圧が約60kVおよびビーム出力が0~3kWの範囲内の集束可能な電子ビームを生成してもよい。第1および第2の電子ビームは、等しい出力または異なる出力を有してもよい。エネルギービーム源1を用いて層ごとに粉末を溶融結合させることによって3次元物品を造形しているときに、真空チャンバ中の圧力は、1×10-3~1×10-6mBarの範囲内にあってもよい。
【0066】
粉末貯蔵部6は、ワークプレート5に提供されることになる金属粉末材料3を含んでもよい。金属粉末材料は、例として純金属または金属合金、例えば、チタニウム、チタニウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、Co-Cr-W合金、Niベース合金、チタンアルミナイド、ニオビウム、窒化シリコン、二酸化モリブデンなどであってもよい。
【0067】
粉末分配器または粉末フィーディング部材7は、ワークプレート5上に粉末材料の薄層を敷くように配置されてもよい。3次元物品の製造中に、ワークプレート5は、連続的に下降されてエネルギービーム源1、21に対して回転されるであろう。この移動を可能にするために、本発明の一実施形態ではワークプレート5が垂直方向に、すなわち、矢印Pで示される方向に移動できるように配置されてもよい。これが意味するのは、ワークプレート5が初期位置で出発して、連続的に軸15の周りに回転して軸15に沿って垂直に移動してもよいということである。ワークプレート5は、3次元物品の新しい断面部分の形成のために新しい粉末材料を同時に提供しながら連続的に下降され、回転されてもよい。ワークプレート5を下降させるための手段は、例として、歯車、調整ねじなどを装備したサーボエンジンによってもよい。回転は、電気モータを用いて行われてもよい。
【0068】
図2は、2つのエネルギービームのための最大ビーム走査エリアまたはカバーエリアを示す本発明における回転ワークテーブル210のフリーズ上面図を示す。ワークテーブル210の回転が矢印250で示される。第1のエネルギービーム2のための第1の最大ビーム走査エリア220は、第2のエネルギービーム22のための第2の最大ビーム走査エリア230から距離Dで分離している。
【0069】
図3Aは、ワークテーブル310の完全な一周回転に対する2つの電子ビームのための最大ビーム走査エリアの軌跡を示す本発明の様々な実施形態における回転ワークテーブル310の上面図である。
図3Aではワークテーブル310の回転が矢印350で示される。第1のカバーエリアの軌跡および第2のカバーエリアの軌跡は、支持構造が完全に一周回転したときに重なり合っており、すなわち、外側のリング322は、ワークテーブルの完全な一周後の第1の最大ビーム走査エリア220の軌跡を表し、内側の円332は、ワークテーブルの完全な一周後の第2の最大ビーム走査エリア230の軌跡を表す。
【0070】
ワークテーブル310の完全な一周回転後に、第1および第2の最大ビーム走査エリアは、全ワークテーブルをカバーしていてもよい。完全な一周回転後に、第1の最大ビーム走査エリア220は、ワークテーブルの外側のリング322をカバーしており、第2の最大ビーム走査エリア230は、内側の円332をカバーしている。外側のリングおよび内側の円は、重なり領域342において重なり合っていてもよい。重なり領域342は、溶融結合されることになる材料、どの層が溶融結合されることになるか、第1および第2の電子ビーム源の出力および/またはワークテーブルのサイズに依存して変化するように選ばれてもよい。重なりは、単一の3次元物品内で層ごとに変化してもよい。重なり領域の位置は、1つの電子ビームのためのビーム走査エリアを増加させて別の電子ビームのためのビーム走査エリアを減少させることによって層ごとにずらされてもよい。代わりに、重なりは、電子ビーム源の物理的位置および/または電子ビーム・フィラメントの位置をずらすことによってずらされてもよい。一方の電子ビームまたは電子ビーム源の他方の電子ビームまたは電子ビーム源に対する影響を最小限に抑えるために、第1および第2の最大ビーム走査エリア間の距離Dができるだけ大きいように設定されてもよい。
【0071】
図3Cに示される別の実施形態例では、内側の円332および外側のリング322が重ならない領域がある。この実施形態では、内側の円332および外側のリング322の間に空いた領域390がある。この空いた領域390では、溶融結合が発生しない。
【0072】
図3Bに示されるさらに別の実施形態例では、内側の円332および外側のリングは、ワークテーブルの完全な一周回転にわたって重なり合わずに境を接している。
【0073】
ある実施形態例では、内側の円332および外側のリング322がワークテーブルの全部かまたは一部分だけをカバーしてもよい。外側のリング322は、ワークテーブルの半径よりも小さい外半径を有してもよい
【0074】
ある実施形態例において、第1および第2の電子ビーム源は、第1の電子ビームがオンであるときに第2の電子ビームがオフであり、逆もまた同様であるように、互いに同期してオンおよびオフにスイッチされる。ビーム・フラッシュの継続時間は、μs以下の範囲内にあってもよい。第1の電子ビームの走査方向は、第2の電子ビームの走査方向と異なってもよい。走査方向は、個々の電子ビームに対して層ごとに変化してもよい。走査方向は、さらに、1つおよび/または第2の電子ビームに対して3次元物品の単一の層内で位置ごとに変化してもよい。2つよりも多い電子ビームを有する実施形態では、電子ビームが互いにいかに離れているかに依存して、それらの1つ以上をオン状態に、残りをオフ状態に設定するように選んでもよい。これが意味するのは、3次元物品の単一の層内で瞬間ごとに異なる数の電子ビームをオン状態に設定してもよいことである。個々の電子ビームが他の電子ビームに可能な限り少ない影響しか与えないことがわかるように、オンおよびオフ・スイッチング方式が予め決定されてもよい。
【0075】
図4では、本発明によるある方法の実施形態例のフローチャートが示される。
【0076】
本方法は、3次元物品の少なくとも1つのモデルを提供する第1のステップ410を含む。これらのモデルは、CAD(コンピュータ支援設計)ツールを用いて生成されたコンピュータモデルであってもよい。造形されることになる複数の3次元物品は、互いに等しいかまたは異なってもよい。
【0077】
第2のステップ420では、ワークプレート5のような支持構造を所定の速度で回転させながら支持構造がz方向に所定の速度で移動される。ワークプレートのこの同時のz移動および回転は、らせん状の移動をもたらすであろう。z移動および/または回転移動は、連続的または段階的な移動であってもよい。
【0078】
第3のステップ430では、支持構造上に第1の粉末層が塗布される。支持構造は、ワークプレート5であってもよい。ワークプレート5は、取り外し可能かまたは固定されたビルドプラットフォーム、粉末床、部分的に溶融結合された粉末床、または予め製造された部品であってもよい。粉末は、いくつかの方法に従ってワークプレート5上に均一に分配されてもよい。粉末3を分配するための一方法は、粉末供給部6中の粉末材料3をワークプレート5上へ降らせることである。粉末供給部は、ワークプレート5に面したその底部に開口を有してもよく、それを通して粉末がワークプレート5へ降ってもよい。フィーディング部材またはレーキ7は、粉末材料が確実にワークプレート上へ一様に提供されて本質的に平坦な表面になるようにしてもよい。レーキは、静止しているか、または移動可能なように配置されてもよい。
【0079】
レーキ7の下部とワークプレート5または前の粉末層の上部との間の距離がワークプレート5上に分配される粉末の厚さを決定してもよい。レーキの下部と前の層またはワークプレート5との間の距離を調整することによって粉末層の厚さを容易に調整できる。
【0080】
第4のステップ440では、第1の電子ビーム源からの第1の電子ビームを粉末層の第1の選択された位置に、および第2の電子ビーム源からの第2の電子ビームを第2の選択された位置に導き、第1および第2の電子ビーム源は、3次元物品の第1および第2の部分を形成するためにモデルに従って粉末層を第1および第2の選択された位置において溶融結合させる。
【0081】
第1および第2の電子ビームは、ワークプレート5の回転の軸に垂直な方向に延びる溶融結合ゾーンを形成するために平行な走査線を用いて3次元物品を溶融結合させてもよい。
【0082】
第1および第2の電子ビームは、制御ユニット10によって与えられた命令からワークプレート5上に導かれてもよい。制御ユニット10には、第1および第2の電子ビーム源1、21を3次元物品の部分ごとにいかに制御するかに関する命令が記憶されてもよい。
【0083】
複数のビーム源を用いることによって、3次元ビルドのビルド温度が1つだけのビーム源を用いた場合に比べてより容易に維持されてもよい。この理由は、2つのビームが1つだけのビームよりも同時により多くの位置にありうるということである。ビーム源の数を増加させると、ビルド温度の制御がさらに容易になるであろう。複数のエネルギービーム源を用いることによって、第1のエネルギービーム源は、粉末材料を溶融するために用いられてもよく、第2のエネルギービーム源は、ビルド温度を所定の温度範囲内に維持すべく粉末材料を加熱するために用いられてもよい。
【0084】
第5のステップ450では、粉末層の第2の部分の溶融結合と同時に粉末層の第1の部分を提供し、粉末層上の第1の電子ビームの、支持構造のエリアよりも小さい、第1のカバーエリアは、第1のカバーエリアの軌跡および第2のカバーエリアの軌跡が、支持構造が完全に一周回転されたときに重なり合う、互いに境を接する、または互いに分離しているのうちの少なくとも1つであるように、粉末層上の第2の電子ビームの、支持構造のエリアよりも小さい、第2のカバーエリアから所定の最小距離においてそれとは重ならずに配置される。
【0085】
本発明によれば、粉末塗布および溶融結合が同時に発生する。ワークテーブル5の第2の部分上で溶融結合が発生する間にワークテーブル5の第1の部分では粉末が塗布される。溶融結合は、様々な実施形態例では、ワークプレート5の回転軸に垂直なラインに沿って発生してもよい。本発明に従って製造される3次元物品の一実施形態例は、溶融結合が回転軸に垂直なラインに沿って発生する。
【0086】
本発明の別の態様では、コンピュータ上で実行されたときに、粉末床の箇所の継続的な溶融結合を通じて少なくとも1つの3次元物品を形成するための方法を実施するように構成され、配置されたプログラム要素が提供され、それらの箇所は、3次元物品の継続的な部分に対応する。プログラム要素は、コンピュータ可読記憶媒体にインストールされてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、望ましいような、制御ユニット10または別の分離した制御ユニットであってもよい。その中に具体化されたコンピュータ可読プログラムコード部分を含みうるコンピュータ可読記憶媒体およびプログラム要素が非一時的コンピュータプログラム製品中にさらに含まれてもよい。以下では、これらの特徴および構成に関するさらなる詳細が順次に提供される。
【0087】
上述のように、本発明の様々な実施形態は、非一時的コンピュータプログラム製品としてを含めて、様々な方法で実施されてもよい。コンピュータプログラム製品は、アプリケーション、プログラム、プログラムモジュール、スクリプト、ソースコード、プログラムコード、オブジェクトコード、バイトコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、機械語、実行可能な命令、および/または(本明細書において実行可能な命令、実行のための命令、プログラムコードとも呼ばれ、および/または本明細書において同義で用いられる同様の用語でも呼ばれる)同様のものを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。かかる非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、(揮発性および不揮発性媒体を含めて)すべてのコンピュータ可読媒体を含む。
【0088】
一実施形態において、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、フロッピーディスク、フレーキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートストレージ(SSS:solid-state storage)(例えば、ソリッドステートドライブ(SSD:solid state drive)、ソリッドステートカード(SSC:solid state card)、ソリッドステートモジュール(SSM:solid state module))、エンタープライズフラッシュドライブ、磁気テープ、または任意の他の非一時的磁気媒体などを含んでもよい。不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、パンチカード、紙テープ、光学式マークシート(または孔もしくは他の光学的に認識可能なしるしをもつ任意の他の物理媒体)、コンパクトディスク・リードオンリメモリ(CD-ROM:compact disc read only memory)、書き換え可能コンパクトディスク(CD-RW:compact disc-rewritable)(compact disc compact disc-rewritable)、デジタルバーサタイルディスク(DVD:digital versatile disc)、ブルーレイディスク(BD:Blu-ray disc)、任意の他の非一時的光媒体なども含んでもよい。かかる不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、リードオンリメモリ(ROM:read-only memory)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM:programmable ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM:erasable PROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM:electrically erasable PROM)、フラッシュメモリ(例えば、シリアル、NAND、NORなど)、マルチメディアメモリカード(MMC:multimedia memory card)、セキュアデジタル(SD:secure digital)メモリカード、スマートメディアカード、コンパクトフラッシュ(CF:CompactFlash)カード、メモリスティックなども含んでもよい。さらにまた、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、導電性ブリッジング・ランダムアクセスメモリ(CBRAM:conductive bridging RAM)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM:phase-change RAM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FeRAM:ferroelectric RAM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM:non-volatile RAM)、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM:magnetoresistive RAM)、抵抗変化型ランダムアクセスメモリ(RRAM:resistive RAM)、シリコン-酸化物-窒化物-酸化物-シリコン・メモリ(SONOS:Silicon-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon memory)、浮遊接合ゲートランダムアクセスメモリ(FJG RAM:floating junction gate RAM)、ミリピードメモリ、レーストラックメモリなども含んでもよい。
【0089】
一実施形態において、揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static RAM)、高速ページモード・ダイナミックランダムアクセスメモリ(FPM DRAM:fast page mode DRAM)、拡張データ出力ダイナミックランダムアクセスメモリ(EDO DRAM:extended data-out DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM:synchronous DRAM)、ダブルデータレート・シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR SDRAM:double data rate SDRAM)、ダブルデータレート・タイプ2・シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR2 SDRAM:double data rate type two SDRAM)、ダブルデータレート・タイプ3・シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR3 SDRAM:double data rate type three SDRAM)、Rambusダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM:Rambus DRAM)、ツインセルトランジスタRAM(TTRAM:Twin Transistor RAM)、サイリスタRAM(T-RAM:Thyristor RAM)、ゼロキャパシタ(Z-RAM)、Rambusインライン・メモリモジュール(RIMM:Rambus in-line memory module)、デュアルインライン・メモリモジュール(DIMM:dual in-line memory module)、シングルインライン・メモリモジュール(SIMM:single in-line memory module)、ビデオランダムアクセスメモリVRAM、(様々なレベルを含む)キャッシュメモリ、フラッシュメモリ、レジスタメモリなどを含んでもよい。実施形態がコンピュータ可読記憶媒体を用いるように記載されるところでは、他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体が上記のコンピュータ可読記憶媒体に置き換えられるか、またはそれに加えて用いられてもよいことが理解されよう。
【0090】
当然のことながら、本明細書の他のところに記載されたように、本発明の様々な実施形態は、方法、装置、システム、コンピューティングデバイス、コンピューティングエンティティなどとしても実施されてもよい。そのように、本発明の実施形態は、いくつかのステップまたは動作を行うためにコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された命令を実行する装置、システム、コンピューティングデバイス、コンピューティングエンティティなどの形をとってもよい。しかしながら、本発明の実施形態は、いくつかのステップまたは動作を行う完全にハードウェアの実施形態の形もとってもよい。
【0091】
装置、方法、システムおよびコンピュータプログラム製品のブロック図およびフローチャート説明図を参照して様々な実施形態が以下に記載される。理解すべきは、いずれのブロック図およびフローチャート説明図の各ブロックも、それぞれ、コンピュータプログラム命令によって、例えば、コンピューティングシステムにおいてプロセッサ上で実行する論理ステップまたは動作として部分的に実施されてもよいことである。コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行する命令がフローチャートのブロック(単数または複数)で指定された機能を実施するような特別に構成された機械を作り出すために、これらのコンピュータプログラム命令がコンピュータ、例えば、専用コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上へロードされてもよい。
【0092】
コンピュータ可読メモリに記憶された命令がフローチャートのブロック(単数または複数)で指定された機能性を実施するためのコンピュータ可読命令を含んだ製造品を作り出すような特定の仕方で機能するように、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に命令できるこれらのコンピュータプログラム命令がコンピュータ可読メモリにさらに記憶されてもよい。コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行する命令がフローチャートのブロック(単数または複数)で指定された機能を実施するための動作を提供するようなコンピュータ実施プロセスを作り出すために、一連の動作ステップがコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で行われるようにコンピュータプログラム命令がコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上へさらにロードされてもよい。
【0093】
それに応じて、ブロック図およびフローチャート説明図のブロックは、指定された機能を行うための様々な組み合わせ、指定された機能を行うための動作と指定された機能を行うためのプログラム命令との組み合わせをサポートする。同様に理解すべきは、指定された機能もしくは動作を行う専用ハードウェアベース・コンピュータシステム、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって、ブロック図およびフローチャート説明図の各ブロック、ならびにブロック図およびフローチャート説明図中のブロックの組み合わせを実施できるであろうということである。
【0094】
図5は、本発明の様々な実施形態と併せて用いることができる例示的なシステム1020のブロック図である。少なくとも示された実施形態において、システム1020は、すべてが1つ以上のネットワーク1130を経由して中央サーバ1200(または制御ユニット)と通信を行うように構成された、1つ以上の中央コンピューティングデバイス1110、1つ以上の分散したコンピューティングデバイス1120、および1つ以上の分散したハンドヘルドもしくはモバイルデバイス1300を含んでもよい。
図5は、様々なシステム・エンティティを分離したスタンドアローン・エンティティとして示すが、様々な実施形態は、この特定のアーキテクチャには限定されない。
【0095】
本発明の様々な実施形態によれば、1つ以上のネットワーク1130は、いくつかの第2世代(2G)、2.5G、第3世代(3G)および/または第4世代(4G)移動通信プロトコルなどのうちの任意の1つ以上に従って通信をサポートすることが可能であってもよい。より詳しくは、1つ以上のネットワーク1130は、2G無線通信プロトコルIS-136(TDMA)、GSM、およびIS-95(CDMA)に従って通信をサポートすることが可能であってもよい。さらに、例えば、1つ以上のネットワーク1130は、2.5G無線通信プロトコルGPRS、エンハンストデータGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM Environment)などに従って通信をサポートすることが可能であってもよい。加えて、例えば、1つ以上のネットワーク1130は、3G無線通信プロトコル、例えば、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)無線アクセス技術を採用したユニバーサル移動電話システム(UMTS:Universal Mobile Telephone System)ネットワークに従って通信をサポートすることが可能であってもよい。いくつかの狭帯域AMPS(NAMPS:narrow-band AMPS)、ならびにTACSネットワーク(単数または複数)も、デュアルおよびより高次モードの移動局(例えば、デジタル/アナログまたはTDMA/CDMA/アナログ電話)と同様に、本発明の実施形態から利益を享受しうる。さらに別の例として、システム1020の各々の構成要素は、例えば、無線周波数(RF:radio frequency)、Bluetooth(商標)、赤外線(IrDA)、または有線もしく無線パーソナルエリアネットワーク(「PAN:Personal Area Network」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN:Local Area Network」)、メトロポリタンエリアネットワーク(「MAN:Metropolitan Area Network」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN:Wide Area Network」)などを含めて、いくつかの異なる有線または無線ネットワーク技術などの技術に従って互いに通信するように構成されてもよい。
【0096】
図5ではデバイス(単数または複数)1110~1300が同じネットワーク1130を介して互いに通信することが示されるが、これらのデバイスは、複数の別々のネットワークを介して同様に通信してもよい。
【0097】
一実施形態によれば、サーバ1200からデータを受信するのに加えて、分散したデバイス1110、1120、および/または1300は、それら自体でデータを収集して送信するようにさらに構成されてもよい。様々な実施形態において、デバイス1110、1120、および/または1300は、1つ以上の入力ユニットもしくはデバイス、例えば、キーパッド、タッチパッド、バーコードスキャナ、無線自動識別(RFID:radio frequency identification)リーダ、インターフェースカード(例えば、モデムなど)または受信機を用いてデータを受信することが可能であってもよい。デバイス1110、1120、および/または1300は、1つ以上の揮発性または不揮発性メモリモジュールへデータを記憶すること、および1つ以上の出力ユニットもしくはデバイスを用いて、例えば、デバイスを操作しているユーザへデータを表示することによって、または例えば、1つ以上のネットワーク1130を介してデータを送信することによってデータを出力することがさらに可能であってもよい。
【0098】
様々な実施形態において、サーバ1200は、本明細書により詳しく示され、記載されたものを含めて、本発明の様々な実施形態に従って1つ以上の機能を行うための様々なシステムを含む。しかしながら、理解すべきは、サーバ1200が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、1つ以上の同様の機能を行うための様々な代わりのデバイスを含みうることである。例えば、特定の用途に望ましいように、サーバ1200の少なくとも一部分は、いくつかの実施形態では、分散したデバイス(単数または複数)1110、1120、および/またはハンドヘルドもしくはモバイルデバイス(単数または複数)1300上に位置してもよい。以下にさらに詳細に記載されるように、少なくとも1つの実施形態では、ハンドヘルドもしくはモバイルデバイス(単数または複数)1300が1つ以上のモバイルアプリケーション1330を含んでもよく、モバイルアプリケーション1330は、すべてが以下にさらに詳細に同様に記載されるような、サーバ1200との通信のためのユーザインターフェースを提供するように構成されてもよい。
【0099】
図6Aは、様々な実施形態によるサーバ1200の概略図である。サーバ1200は、システムインターフェースまたはバス1235を経由してサーバ内の他の要素と通信するプロセッサ1230を含む。サーバ1200にはデータを受信して表示するための表示/入力デバイス1250も含まれる。この表示/入力デバイス1250は、例えば、モニタとの通信に用いられるキーボードまたはポインティングデバイスであってもよい。サーバ1200は、典型的にリードオンリメモリ(ROM)1226およびランダムアクセスメモリ(RAM)1222の両方を含むメモリ1220をさらに含む。サーバのROM1226は、サーバ1200内の要素間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを含んだベーシック・インプット/アウトプット・システム1224(BIOS:basic input/output system)を記憶するために用いられる。本明細書では様々なROMおよびRAM構成が先述された。
【0100】
加えて、サーバ1200は、様々なコンピュータ可読媒体、例えば、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、またはCD-ROMディスク上に情報を記憶するために、少なくとも1つの記憶デバイスまたはプログラム記憶装置210、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD Romドライブ、または光ディスクドライブを含む。当業者には理解されるように、これらの記憶デバイス1210の各々は、然るべきインターフェースによってシステムバス1235に接続される。記憶デバイス1210およびそれらの関連するコンピュータ可読媒体がパーソナルコンピュータのために不揮発性記憶装置を提供する。当業者には理解されるように、上記のコンピュータ可読媒体を当技術分野で知られた任意の他のタイプのコンピュータ可読媒体に置き換えることができるであろう。かかる媒体は、例えば、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスクおよびベルヌーイ・カートリッジを含む。
【0101】
示されないが、ある実施形態によれば、サーバ1200の記憶デバイス1210および/またはメモリは、サーバ1200によってアクセスされてもよい過去および/または現在の配信データならびに配信条件を記憶しうるデータ記憶デバイスの機能をさらに提供してもよい。この点に関して、記憶デバイス1210は、1つ以上のデータベースを含んでもよい。用語「データベース」は、例えば、リレーショナルデータベース、階層型データベース、またはネットワーク・データベースを経由してコンピュータシステムに記憶され、かつそのように限定的な仕方で解釈されるべきではない、記録またはデータの構造化されたコレクションを指す。
【0102】
例えば、プロセッサ1230によって実行可能な1つ以上のコンピュータ可読プログラムコード部分を含むいくつかのプログラムモジュール(例えば、例示的なモジュール1400~1700)が様々な記憶デバイス1210によって、およびRAM1222内に記憶されてもよい。かかるプログラムモジュールは、オペレーティングシステム1280も含んでもよい。これらおよび他の実施形態では、様々なモジュール1400、1500、1600、1700がプロセッサ1230およびオペレーティングシステム1280の支援を得てサーバ1200の動作のいくつかの態様を制御する。さらに他の実施形態では、理解すべきは、本発明の範囲および特質から逸脱することなく、1つ以上の追加および/または代わりのモジュールがさらに提供されてもよいことである。
【0103】
様々な実施形態では、プログラムモジュール1400、1500、1600、1700がサーバ1200によって実行されて、すべてがシステム1020の様々なユーザにアクセス可能かおよび/または送信可能な、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース、レポート、命令、および/または通知/警告を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース、レポート、命令、および/または通知/警告が、先に考察されたように、インターネットまたは他の実行可能な通信ネットワークを含みうる1つ以上のネットワーク1130を経由してアクセス可能であってもよい。
【0104】
様々な実施形態において、同様に理解すべきは、モジュール1400、1500、1600、1700のうちの1つ以上が代わりにおよび/または追加的に(例えば、2通りに)デバイス1110、1120および/または1300のうちの1つ以上に局所的に記憶されてもよく、それらの1つ以上のプロセッサによって実行されてもよいことである。様々な実施形態によれば、モジュール1400、1500、1600、1700は、1つ以上の分離した、リンクされるかおよび/またはネットワーク化されたデータベースからなってもよい1つ以上のデータベースへデータを送信し、それらからデータを受信して、それらに含まれるデータを活用してもよい。
【0105】
同様にサーバ1200内に位置するのは、1つ以上のネットワーク1130の他の要素とインターフェースして通信するためのネットワークインターフェース1260である。サーバ1200の構成要素のうちの1つ以上が他のサーバの構成要素から地理的に離れて位置してもよいことが当業者には理解されよう。そのうえ、サーバ1200の構成要素のうちの1つ以上が組み合わされてもよく、および/または本明細書に記載される機能を行う追加の構成要素がサーバにさらに含まれてもよい。
【0106】
以上は単一のプロセッサ1230を記載するが、当業者にはわかるように、サーバ1200は、本明細書に記載される機能を行うために互いに連携して動作する複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ1220に加えて、プロセッサ1230も、データ、コンテンツなどを表示し、送信および/または受信するための少なくとも1つのインターフェースもしくは他の手段に接続されることができる。この点に関して、インターフェース(単数または複数)は、以下にさらに詳細に記載されるように、データ、コンテンツなどを送信および/または受信するための少なくとも1つの通信インターフェースもしくは他の手段、ならびに表示および/またはユーザ入力インターフェースを含みうる少なくとも1つのユーザインターフェースを含むことができる。ユーザ入力インターフェースは、エンティティがユーザ、例えば、キーパッド、タッチディスプレイ、ジョイスティックまたは他の入力デバイスからデータを受信することを許容するいくつかのデバイスのいずれかを順次備えることができる。
【0107】
なおさらに、「サーバ」1200が言及されるが、当業者にはわかるように、本発明の実施形態は、従来から定義されたサーバ・アーキテクチャには限定されない。なおさらに、本発明の実施形態のシステムは、単一のサーバ、もしくは同様のネットワーク・エンティティまたはメインフレーム・コンピュータシステムには限定されない。本明細書に記載される機能性を提供するために互いに連携して動作する1つ以上のネットワーク・エンティティを含んだ他の同様のアーキテクチャが本発明の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく同様に用いられてもよい。例えば、サーバ1200と関連して本明細書に記載される機能性を提供するために互いに協力する2つ以上のパーソナルコンピュータ(PC)、同様の電子デバイス、またはハンドヘルドポータブルデバイスのメッシュネットワークが本発明の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく同様に用いられてもよい。
【0108】
様々な実施形態によれば、多くの個別プロセス・ステップが本明細書に記載されるコンピュータシステムおよび/またはサーバを利用して実施されても、されなくてもよく、コンピュータ実施の度合いは、1つ以上の特定の用途に望ましいかおよび/または有益なように変化してもよい。
【0109】
図6Bは、本発明の様々な実施形態と併せて用いることができるモバイルデバイス1300を表す例示的な概略図を示す。モバイルデバイス1300は、様々な当事者によって動作させることができる。
図6Bに示されるように、モバイルデバイス1300は、アンテナ1312、送信機1304(例えば、無線)、受信機1306(例えば、無線)、およびそれぞれ、送信機1304へ信号を提供し、受信機1306から信号を受け取る処理要素1308を含んでもよい。
【0110】
それぞれ、送信機1304へ提供され、受信機1306から受け取られる信号は、様々なエンティティ、例えば、サーバ1200、分散したデバイス1110、1120などと通信するために適用可能な無線システムのエアインターフェース規格に準拠したシグナリング・データを含んでもよい。この点に関して、モバイルデバイス1300は、1つ以上のエアインターフェース規格、通信プロトコル、変調型、およびアクセス型を用いて動作することが可能であってもよい。より詳しくは、モバイルデバイス1300は、いくつかの無線通信規格およびプロトコルのうちのいずれかに従って動作してもよい。特定の実施形態では、モバイルデバイス1300は、複数の無線通信規格およびプロトコル、例えば、GPRS、UMTS、CDMA2000、1xRTT、WCDMA、TD-SCDMA、LTE、E-UTRAN、EVDO、HSPA、HSDPA、Wi-Fi、WiMAX、UWB、IRプロトコル、Bluetoothプロトコル、USBプロトコル、および/または任意の他の無線プロトコルに従って動作してもよい。
【0111】
これらの通信規格およびプロトコルを用いて、モバイルデバイス1300は、様々な実施形態によれば、アンストラクチャード・サプリメンタリ・サービス・データ(USSD:Unstructured Supplementary Service data)、ショート・メッセージ・サービス(SMS:Short Message Service)、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS:Multimedia Messaging Service)、デュアルトーン多重周波数シグナリング(DTMF:Dual-Tone Multi-Frequency Signaling)、および/またはサブスクライバ・アイデンティティ・モジュール・ダイアラ(SIM dialer:Subscriber Identity Module Dialer)などのコンセプトを用いて様々な他のエンティティと通信してもよい。モバイルデバイス1300は、例として、そのファームウェア、(例えば、実行可能な命令、アプリケーション、プログラムモジュールを含めて)ソフトウェア、およびオペレーティングシステムに対する変更、アドオン、ならびにアップデートをダウンロードすることもできる。
【0112】
一実施形態によれば、モバイルデバイス1300は、位置決定デバイスおよび/または機能性を含んでもよい。例えば、モバイルデバイス1300は、例えば、緯度、経度、高度、ジオコード、コース、および/または速度データを取得するようになっているGPSモジュールを含んでもよい。一実施形態において、GPSモジュールは、視野内の衛星の数およびそれらの衛星の相対的位置を特定することによって、時には天体位置表データとして知られる、データを取得する。
【0113】
モバイルデバイス1300は、(処理要素1308に連結された表示1316を含みうる)ユーザインターフェースおよび/または(処理要素308に連結された)ユーザ入力インターフェースも備えてもよい。ユーザ入力インターフェースは、モバイルデバイス1300がデータを受け取ることを許容するいくつかのデバイス、例えば、キーパッド1318(ハードまたはソフト)、タッチディスプイ、音声もしくはモーション・インターフェース、または他の入力デバイスのいずれかを含むことができる。キーパッド1318を含んだ実施形態では、キーパッドは、従来の数字(0~9)および関連するキー(#、*)、ならびにモバイルデバイス1300を動作させるために用いられる他のキーを含む(それらの表示を生じさせる)ことができ、かつ英文字キーの完全なセットか、または英数字キーの完全なセットを提供するためにアクティブ化されるとよいキーのセットを含んでもよい。入力を提供するのに加えて、例えば、スクリーンセーバおよび/またはスリープモードのような、いくつかの機能をアクティブ化または非アクティブ化するために、ユーザ入力インターフェースを用いることができる。
【0114】
モバイルデバイス1300は、埋め込み型にできるかおよび/またはリムーバブルであってもよい、揮発性記憶装置もしくはメモリ1322および/または不揮発性記憶装置もしくはメモリ1324も含むことができる。例えば、不揮発性メモリは、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、MMC、SDメモリカード、メモリスティック、CBRAM、PRAM、FeRAM、RRAM、SONOS、レーストラックメモリなどであってもよい。揮発性メモリは、RAM、DRAM、SRAM、FPM DRAM、EDO DRAM、SDRAM、DDR SDRAM、DDR2 SDRAM、DDR3 SDRAM、RDRAM、RIMM、DIMM、SIMM、VRAM、キャッシュメモリ、レジスタメモリなどであってもよい。揮発性および不揮発性記憶装置もしくはメモリは、モバイルデバイス1300の機能を実施するために、データベース、データベース・インスタンス、データベース・マッピングシステム、データ、アプリケーション、プログラム、プログラムモジュール、スクリプト、ソースコード、オブジェクトコード、バイトコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、機械語、実行可能な命令などを記憶することができる。
【0115】
モバイルデバイス1300は、カメラ1326およびモバイルアプリケーション1330のうちの1つ以上も含むことができる。カメラ1326は、様々な実施形態によれば、追加および/または代わりのデータ収集機能として構成されてもよく、それにより1つ以上の項目がモバイルデバイス1300によってカメラを用いて読み出し、記憶および/または送信されてもよい。モバイルアプリケーション1330は、それを用いて様々なタスクがモバイルデバイス1300によって行われてもよい機能をさらに提供してもよい。モバイルデバイス1300およびシステム1020の1人以上のユーザに全体として望ましいように、様々な構成が提供されてもよい。
【0116】
上記のシステムおよび方法の多くのバリエーションが可能であること、および上記の実施形態からの逸脱が可能であるが依然として請求項の範囲内にあることが理解されよう。先の記載および関連する図面に提示された教示の利益を享受する、これらの発明に関係する当業者には、本明細書に述べられた本発明の多くの修正および他の実施形態が想起されるであろう。かかる修正は、例えば、例示された2つのエネルギービーム源とは異なる数のエネルギービーム源を用いることを含んでもよい。異なる種類のエネルギービーム源、例えば、レーザビーム源と電子ビーム源との間の混合があってもよい。様々な実施形態例では、複数のレーザビーム源のみが用いられる。純金属粉末以外の導電性材料、例えば、導電性ポリマ粉末および導電性セラミックス粉末が用いられてもよい。それゆえに、理解すべきは、本発明が開示された特定の実施形態には制限されないこと、ならびに修正および他の実施形態が添付された請求項の範囲内に含まれることが意図されることである。本明細書において特定の用語が採用されるが、それらの用語は、一般的かつ説明的な意味で用いられるに過ぎず、限定を目的とするものではない。