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特許7010572センサネットワークシステムおよびセンサ情報送受信機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】センサネットワークシステムおよびセンサ情報送受信機
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20220119BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20220119BHJP
   G08C 17/02 20060101ALI20220119BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220119BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20220119BHJP
【FI】
G08C15/00 D
G08C17/00 Z
G08C17/02
H04M11/00 302
G06Q50/22
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020174328
(22)【出願日】2020-10-16
(62)【分割の表示】P 2016182174の分割
【原出願日】2016-09-16
(65)【公開番号】P2021043981
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】P 2016048545
(32)【優先日】2016-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516074595
【氏名又は名称】持田 昇一
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】持田 昇一
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-271835(JP,A)
【文献】国際公開第2015/118971(WO,A1)
【文献】特開2013-092847(JP,A)
【文献】特開2002-077975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-17/06
H04M 11/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセンサ情報を外部へ発信する第1のセンサ情報発信機と、
前記第1のセンサ情報を受信可能であると共に、前記第1のセンサ情報とは異なる第2のセンサ情報を外部へ発信する第2のセンサ情報発信機と、
前記第1のセンサ情報または前記第2のセンサ情報を受信すると共に、受信したセンサ情報に基づくデータセットを所定のネットワークを介して外部に送信するセンサ情報送受信機と、
前記データセットを前記所定のネットワークを介して受信すると、受信した前記データセットに基づくセンサ情報に応じて、前記センサ情報送受信機の利用者に関連付けられたアカウントにポイントを付与するポイント付与サーバとを有し、
前記第1のセンサ情報発信機と前記センサ情報送受信機との組み合わせで前記利用者へ提供される第1のサービスの提供地域と、前記第2のセンサ情報発信機と前記センサ情報送受信機との組み合わせで前記利用者へ提供される第2のサービスの提供地域とは、少なくとも一部の地域が重なるように構成されており、
前記ポイント付与サーバは、
前記第2のセンサ情報発信機から発信された前記第2のセンサ情報が前記センサ情報送受信機からより送信されてきた場合に、その第2のセンサ情報発信機を示す識別情報に基づいて付与ポイントを計算するための係数値を算出する係数値算出部と、
前記係数値算出部で算出された係数値に基づいて前記センサ情報送受信機側で算出されたポイントの正否を判定するポイント判定部と、
ポイント判定部の判定の結果、正しい場合に、そのポイント情報を前記センサ情報送受信機へと通知するポイント通知部と、を有する、
ことを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサネットワークシステムであって、
前記第1のセンサ情報発信機は、携帯型のセンサ情報発信機であり、
前記第2のセンサ情報発信機は、固定型のセンサ情報発信機であり、
前記第2のセンサ情報発信機は、前記第1のサービスが提供される所定の地域内の複数の箇所に固定して設置されている、
ことを特徴とするセンサネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサネットワークシステムおよびセンサ情報送受信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モバイル機器または固定機器から発信されるセンサ情報に基づいて所定のサービスを提供するセンサネットワークシステムが知られている。たとえば、天候や気温などの自然現象を観測するシステム、災害発生時の状況を調査するシステム、在庫管理システム、徘徊する老人を保護するシステムなど、様々な分野においてセンサネットワークシステムが利用されている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2006/068112
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されている従来のセンサネットワークシステムでは、センサ発信機から発信されたID情報が、受信装置側で予め登録された管理対象となるセンサ情報ではない場合、受信装置はそのセンサ情報を管理サーバへ送信することができない。また、たとえ、受信装置から管理対象外のセンサ情報を管理サーバへ送信できるように変更した場合であっても、管理サーバ側では管理対象外のセンサ情報に対して適切な処理をすることができない。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、管理対象外のセンサ情報であっても適切に処理することができるセンサネットワークシステムおよびセンサ情報送受信機を提供することを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、センサネットワークシステムに関するものである。すなわち、本発明は、第1のセンサ情報を外部へ発信する第1のセンサ情報発信機と、第1のセンサ情報を受信可能であると共に、第1のセンサ情報とは異なる第2のセンサ情報を外部へ発信する第2のセンサ情報発信機と、第1のセンサ情報または第2のセンサ情報を受信すると共に、受信したセンサ情報に基づくデータセットを所定のネットワークを介して外部に送信するセンサ情報送受信機と、データセットを所定のネットワークを介して受信すると、受信したデータセットに基づくセンサ情報に応じて、センサ情報送受信機の利用者に関連付けられたアカウントにポイントを付与するポイント付与サーバとを有し、第1のセンサ情報発信機とセンサ情報送受信機との組み合わせで利用者へ提供される第1のサービスの提供地域と、第2のセンサ情報発信機とセンサ情報送受信機との組み合わせで利用者へ提供される第2のサービスの提供地域とは、少なくとも一部の地域が重なるように構成されており、ポイント付与サーバは、第2のセンサ情報発信機から発信された第2のセンサ情報がセンサ情報送受信機からより送信されてきた場合に、その第2のセンサ情報発信機を示す識別情報に基づいて付与ポイントを計算するための係数値を算出する係数値算出部と、係数値算出部で算出された係数値に基づいてセンサ情報送受信機側で算出されたポイントの正否を判定するポイント判定部と、ポイント判定部の判定の結果、正しい場合に、そのポイント情報をセンサ情報送受信機へと通知するポイント通知部と、を有することを特徴とする。
【0007】
上述したセンサネットワークシステムであって、第1のセンサ情報発信機は、携帯型のセンサ情報発信機であり、第2のセンサ情報発信機は、固定型のセンサ情報発信機であり、第2のセンサ情報発信機は、第1のサービスが提供される所定の地域内の複数の箇所に固定して設置されていることが好ましい。
【0008】
また、本発明の一側面はセンサ情報送受信機に関するものである。すなわち、本発明のセンサ情報送受信機は、第1センサ情報を発信する第1のセンサ情報発信機から第1センサ情報を受信する第1センサ情報受信部と、第1センサ情報受信部で受信した第1センサ情報を所定のネットワークを介して、所定のサービスを提供するサービスサーバへと転送する第1センサ情報転送部と、第1センサ情報とは異なる第2のセンサ情報を記録する第2センサ情報記録部と、第2センサ情報記録部に記録された第2のセンサ情報を外部に発信する第2センサ情報発信部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、管理対象外のセンサ情報であっても適切に処理することができるセンサネットワークシステムおよびセンサ情報送受信機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサネットワーク中継システムの概念を示す図である。
図2図2は、図1に示すセンサ情報発信装置の機能的構成の一例を示す図である。
図3図3は、図1に示すスマートフォンの機能的構成の一例を示す図である。
図4図4は、図1に示すサービスサーバの機能的構成の一例を示す図である。
図5図5は、図1に示す管理サーバの機能構成の一例を示す図である。
図6図6は、図5に示す管理テーブルに記録されているデータの一例を示す図である。
図7図7は、図1に示すセンサ情報発信機、スマートフォン,サービスサーバ,管理サーバ,サービスサーバが各々で実行される処理のフローチャートを示す図である。
図8図8は、図7のステップS1~S4に示すセンサ情報発信機とスマートフォンとの間の詳細な処理を示したフローチャートである。
図9図9は、図7のステップS4~S7に示すスマートフォンとサービスサーバとの間の詳細な処理を示したフローチャートである。
図10図10は、図7のステップS7~S10に示すサービスサーバと管理サーバと間の詳細な処理を示したフローチャートである。
図11図11は、図7のステップS10~S13に示す管理サーバとサービスサーバとの間の詳細な処理を示したフローチャートである。
図12図12は、本発明の第2実施形態に係るセンサネットワーク中継システムにおける管理サーバの機能的構成の一例を示す図である。
図13図13は、図12に示す管理サーバとサービスサーバとの間の処理を示すフローチャートである。
図14図14は、本発明の第3実施形態に係るセンサネットワーク中継システムの構成を示す図である。
図15図15は、図14に示す各装置の機能的構成および各装置間の関係概略を説明するための図である。
図16図16は、スタンプサーバのメモリに記録されているデータベース内の情報の一例を示す図である。
図17図17は、図14に示すセンサネットワーク中継システムにおいてスタンプユニットがない場合に発生する問題を説明するための図である。
図18図18は、ユーザの周囲の所定の範囲にスタンプユニットを複数導入して、ユーザの密集度を高める工夫をした状態を示す図である。
図19図19は、管理テーブルにて記録されている位置情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明のセンサネットワークシステムの第1実施形態に係るセンサネットワーク中継システム1Aの概念を示す図である。図1に示すように、センサネットワーク中継システム1Aは、Aサービス用センサネットワークシステムとBサービス用センサネットワークシステムとを含んでいる。各センサネットワークシステムにおいて、それぞれのシステムが有しているセンサ情報を検出できる無線通信装置は、管理対象外のセンサ情報を受信した場合であっても、管理サーバ5を介してその受信したセンサ情報を本来必要とする他のサービスセンサネットワークシステムへと転送することができる。
【0012】
なお、本実施例におけるAサービス用センサネットワークシステムとBサービス用センサネットワークシステムとは、たとえば、徘徊老人を所定の地域内で見守ることができるサービスであり、これらのサービスはそれぞれ異なる運営事業者が運営していることを前提として説明する。しかし、これらのサービスは、お互いに異なる種類、異なる分野のサービスを提供しているもの同士であってもよい。また、図1では、2つのサービスについてのセンサネットワークシステムを例示しているが、3以上のセンサネットワークシステムが含まれていてもよい。
【0013】
センサネットワーク中継システム1Aは、センサ情報発信機2と、スマートフォン3A,3Bと、サービスサーバ4A,4Bと、管理サーバ5と、利用者端末6A,6Bとを有している。
【0014】
センサ情報発信機2は、請求項のセンサ情報発信機の一例であり、各システムにおいて、センサ情報を周囲に発信する装置である。なお、図1に示す例では、Bサービス用センサネットワークシステムのユーザU1が所持しているセンサ情報発信機2を1つのみ示しているが、各センサネットワークシステムの利用者がそれぞれ保持しているものである。このセンサ情報発信機2は、近距離(たとえば、数m~100m程度)の範囲において、自装置または自装置が属しているセンサネットワークシステムを一意に識別するID情報を発信することができる装置である。このID情報は各センサネットワークシステムによって、UUID(Universally Unique Identifier)の枝番で表示されるため、以下、ID情報を「UUID情報」という。
【0015】
センサ情報発信機2は、たとえば、従来のセンサネットワークシステムにおいては、ノード端末と呼ばれることもある。センサ情報発信機2は、たとえばBluetooth(登録商標)などのアンテナおよびICチップを内蔵した無線通信モジュールを備えた簡易な構成の発信装置などで構成される。本実施形態では無線通信方式の例としてBluetooth(登録商標)を採用しているが、後述するスマートフォン3との間で近距離(たとえば、数m~100m程度)の無線通信が可能であれば、他の無線通信方式を採用してもよい。スマートフォン3との間で採用可能であれば、他の無線通信方式としては、たとえば、RFID(Radio Frequency IDentification),DSRC(Dedicated Short Range Communications),iBeacon (登録商標)、ZigBeeなどが挙げられるが、これら以外の無線通信方式に基づくものであってもよい。
【0016】
スマートフォン3A,3Bは、請求項のセンサ情報送受信機の一例であり、センサ情報発信機2から発信されたセンサ情報を後述のサービスサーバ4A,4Bへと転送する装置である。スマートフォン3A,3Bは、センサ情報発信機2と所定の近距離(たとえば、0~10m程度)の範囲内となると、センサ情報発信機2からUUID情報を受信することができる。なお、図1に示す例では、ユーザU2またはユーザU3が所持しているスマートフォンであるが、本発明のセンサ情報送受信機は、据置型の無線基地局などであってもよい。
【0017】
スマートフォン3A,3Bは、このUUID情報を含む自己の位置情報などをサービスサーバ4A,4Bに対して送信することができる。スマートフォン3Aは、Aサービス用センサネットワークシステムにより提供されるサービス(以下、Aサービスという。)を利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされた端末である。スマートフォン3Bは、Bサービス用センサネットワークシステムにより提供されるサービス(以下、Bサービスという。)を利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされた端末である。なお、以下の説明において、スマートフォン3A,3Bを特に区別する必要がない場合には、単にスマートフォン3とする場合がある。
【0018】
サービスサーバ4A,4Bは、請求項の第1のサーバ,第2のサーバ, 情報処理装置の一例であり、スマートフォン3が受信したセンサ情報発信機2のセンサ情報に基づいて所定のサービスを行う装置である。サービスサーバ4A,4Bは、携帯電話網などのネットワークA1,B1を介してスマートフォン3A,3Bと通信をすることができる。また、サービスサーバ4A,4Bは、後述する管理サーバ5と、ネットワークA2,B2を介して通信をすることができる。なお、以下の説明において、サービスサーバ4A,4Bを特に区別する必要がない場合には、単にサービスサーバ4とする場合がある。
【0019】
管理サーバ5は、請求項の管理サーバ,情報処理装置の一例であり、サービスサーバ4A,4BとネットワークA3,B3を介して通信をすることができ、各センサネットワークで受信した管理対象外のセンサ情報を、所望のサービスサーバへと転送させるための装置である。
【0020】
なお、サービスサーバ4、管理サーバ5は、いわゆるサーバコンピュータであり、たとえばCPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory),HDD(Hard Disk Drive)、通信インタフェースなどを有すると共に、CPUがROM,HDDなどに格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、後述する各サーバが有する機能を実現することができる。なお、サービスサーバ4、管理サーバ5のハードウェア構成は、上述の構成に限定されず、適宜変更することができる。たとえば、HDDに代えて、あるいはHDDに加えてSSD(Flash Solid State Drive)を有する構成としてもよい。また、サービスサーバ4、管理サーバ5のハードウェア構成としては、上述した構成に加えて、ディスプレイ、スピーカなどの出力手段やマウス、キーボードなどの入力手段を有していてもよい。
【0021】
利用者端末6A,6Bは、図1に示すユーザU4またはユーザU5が自宅や自宅以外の会社や喫茶店などで使用しているパーソナルコンピュータである。なお、利用者端末6A,6Bは、たとえばノートパソコン、スマートフォン、携帯端末、携帯電話、デスクトップパソコンなどであり、たとえばCPU,RAM,ROM,HDDなどを有すると共に、CPUがROM,HDDなどに格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、各機能を実現することができる。なお、上述の利用者端末6のハードウェア構成は、上述の構成に限定されず、適宜変更することができる。たとえば、HDDに代えて、あるいはHDDに加えてSSD(Flash Solid State Drive)を有する構成としてもよい。また、利用者端末6がデスクトップパソコンやノートパソコンで実現される場合のハードウェア構成としては、上述した構成に加えてディスプレイ、スピーカなどの出力手段やマウス、キーボードなどの入力手段を有していてもよい。なお、以下の説明において、利用者端末6A,6Bを特に区別する必要がない場合には、単に利用者端末6とする場合がある。
【0022】
図2は、図1に示すセンサ情報発信機2の機能的構成の一例を示す図である。センサ情報発信機2は、UUID発信部21とメモリ22を有している。なお、センサ情報発信機2は、省電力化を図るために送信機能のみを有する構成となっているが、省電力であれば他の機能(受信機能)を備える装置であってもよい。UUID発信部21は、たとえば、Bluetooth(登録商標)などのアンテナおよびICチップを内蔵した無線通信モジュールである。メモリ22にはUUID情報22Aが格納されている。UUID情報22Aは、上述したUUID情報の一例であり、このセンサ情報発信機2を識別するための識別子、あるいはセンサネットワークシステムを識別するための識別子である。
【0023】
図3は、図1に示すスマートフォン3の機能的構成の一例を示す図である。スマートフォン3は、センサ情報受信部31と、データセット生成処理部32と、位置情報取得部33と、データセット送信部34と、メモリ35とを有している。
【0024】
センサ情報受信部31は、センサ情報発信機2側の通信インタフェースと互換性のある通信インタフェースであり、たとえば、Bluetooth(登録商標)などのアンテナおよびICチップを内蔵した無線通信モジュールである。
【0025】
データセット生成処理部32は、センサ情報受信部31を介してセンサ情報発信機2から発信されるUUID情報22Aを受信すると、後述するサービスサーバ4にて必要となるデータセットの作成処理を開始する。このデータセット生成処理部32により生成されるデータセットに含まれる情報は、たとえば、センサ情報発信機2から受信したUUID情報22A、後述の位置情報取得部33にて取得する位置情報、電波強度などから推測されるスマートフォン3とセンサ情報発信機2との距離情報、センサ情報発信機2からUUID情報22Aを受信した時刻情報などである。なお、データセットに含まれる情報は、これらの情報に限らず、サービスサーバ4側で必要となる情報に応じて適宜変更することが可能である。
【0026】
位置情報取得部33は、スマートフォン3の位置情報を取得する。位置情報は、スマートフォン3のGPS機能により得られた位置情報やジャイロセンサなどを用いて得られた方向情報、方角情報などを取得すればよい。なお、スマートフォン3のユーザU2やユーザU3が屋内や地下に位置しており、GPSによる位置特定がうまく機能しない場合には直近の位置情報を利用するようにしてもよい。
【0027】
データセット送信部34は、請求項の管理外センサ情報送信部の一例であり、データセット生成処理部32により生成されたデータセットをサービスサーバ4へ送信する。データセット送信部34は、仮にセンサ情報発信機2から受信したUUID情報22Aが自己の管理対象外のUUID情報(管理外センサ情報)であったとしてもサービスサーバ4へ送信することができる。
【0028】
メモリ35には、管理対象となるUUID情報35Aと、アプリケーションプログラム35Bとが少なくとも記憶されている。UUID情報35Aは、センサ情報発信機2から受信したUUID情報22Aが自己の管理対象となっているセンサ情報であるか否かを判断するための情報である。アプリケーションプログラム35Bは、本システムにおいてスマートフォン3が実行する各種処理を行うためのプログラムである。なお、メモリ35にデータセット生成処理部32が生成したデータセットを一時的に記録、または蓄積して記録するようにしてもよい。
【0029】
図4は、図1に示すサービスサーバ4の機能的構成の一例を示す図である。サービスサーバ4は、センサ情報受信部41と、センサ情報比較部42と、メモリ43と、サービス実行処理部44と、送信処理部45とを有している。
【0030】
センサ情報受信部41は、ネットワークA1を介して、スマートフォン3のデータセット送信部34が送信したデータセットを受信する。
【0031】
センサ情報比較部42は、請求項の第2のサーバの判定部の一例であり、センサ情報受信部41にて受信したデータセットに含まれるUUID情報22Aと、後述するメモリ43に記憶されているUUID情報43Aとを比較する。センサ情報比較部42の比較結果は、サービス実行処理部44へと供給される。
【0032】
メモリ43は、サービスサーバ4において管理対象となるUUID情報43Aと、アプリケーションプログラム43Bとが少なくとも記憶されている。UUID情報43Aは、サービスサーバ4が提供するサービスに対応したUUID情報である。アプリケーションプログラム43Bは、サービスサーバ4が実行する各種処理を行うためのプログラムである。なお、メモリ43に、スマートフォン3から送信されてきたデータセットを一時的に記録、または蓄積して記録するようにしてもよい。
【0033】
サービス実行処理部44は、センサ情報比較部42の比較結果に応じて、所定の処理を実行する。ここでいう所定の処理とは、たとえば、サービス実行処理部44は、センサ情報比較部42の比較によりUUID情報が同じ場合には、そのUUID情報を含むデータセットから判明する位置情報などを利用者端末6に対して送信する処理を実行する。一方、サービス実行処理部44は、センサ情報比較部42の比較によりUUID情報が異なる場合には、後述する管理サーバ5へ、その異なるUUID情報の転送処理を実行する。
【0034】
送信処理部45は、請求項の第1のサーバの管理外センサ情報送信部、第2のサーバの送信部の一例であり、サービス実行処理部44の処理に基づいて、UUID情報22Aを含むデータセットから判明する位置情報、または、UUID情報22Aの送信を実行する。
【0035】
図5は、図1に示す管理サーバ5の機能的構成の一例を示す図である。管理サーバ5は、請求項の管理サーバの一例である。管理サーバ5は、センサ情報受信部51と、転送先検索部52と、メモリ53と、問い合わせ部54と、センサ情報中継処理部55とを有している。
【0036】
センサ情報受信部51は、ネットワークA3を介して送信処理部45が送信したUUID情報22Aを含むデータセットを受信する。
【0037】
転送先検索部52は、センサ情報受信部51が受信したUUID情報22Aに基づいて後述のメモリ53に記録された管理テーブル53Aを参照して転送先となるサービスサーバを検索する。
【0038】
メモリ53は、管理テーブル53Aと、ログデータ53Bと、アプリケーションプログラム53Cとが少なくとも記憶されている。
【0039】
管理テーブル53Aは、請求項の管理テーブルの一例であり、複数のUUID情報(センサ情報)とサービスサーバに関する情報との組み合わせを複数記憶しているテーブルである。図6は、図5に示す管理テーブル53Aに記録されているデータの一例を示す図である。たとえば、図6に示すように、管理テーブル53Aには、各センサネットワークシステムを一意に識別するためのID,センサネットワーク名、UUID情報、UUID情報を管理しているサービスサーバ4を特定するための情報であるIPアドレス情報などが関連付けて記録されている。なお、UUID情報を管理しているサービスサーバ4を特定することができるのであれば、IPアドレス情報以外の情報(たとえばサービスサーバ4のURLなど)であってもよい。
【0040】
ログデータ53Bは、サービスサーバ4から転送されてきたUUID情報22Aを含むデータセットの履歴を示す情報である。アプリケーションプログラム53Cは、管理サーバ5が実行する各種処理を行うためのプログラムである。
【0041】
問い合わせ部54は、請求項の転送要否問い合わせ部の一例であり、転送先検索部52にて検索されたサービスサーバ4に対してUUID情報22Aの要否を問い合わせる。
【0042】
センサ情報中継処理部55は、請求項のセンサ情報中継部の一例であり、問い合わせ部54から転送要否を問い合わせたサービスサーバ4BからUUID情報22Aの送信要求を受信した場合に、そのUUID情報22Aを含むデータセットを送信する。
【0043】
図7は、図1に示すセンサ情報発信機2、スマートフォン3A,サービスサーバ4A,管理サーバ5,サービスサーバ4Bが各々で実行される処理のフローチャートを示す図である。
【0044】
センサ情報発信機2がUUID情報22Aを発信し(ステップS1)、スマートフォン3AがUUID情報22Aを受信する(ステップS2)。すると、スマートフォン3AがUUID情報22Aについて管理対象のUUID情報35Aと同一であるか否かを判定し(ステップS3)、管理対象のUUID情報35Aと同一でないときはスマートフォン3Aが、そのUUID情報22Aを含むデータセットをサービスサーバ4Aへ転送する(ステップS4)。その後、サービスサーバ4AがUUID情報22Aを含むデータセットを受信する(ステップS5)と、その受信したデータセットに含まれるUUID情報22Aが自己のサービスを提供する対象となるUUID情報35Aと同一であるか否かを判定する(ステップS6)。サービスサーバ4Aは、自己のサービスを提供する対象ではない場合、そのUUID情報22Aを含むデータセットは管理サーバ5へと転送される(ステップS7)。管理サーバ5では、UUID情報22Aを含むデータセットを受信すると(ステップS8)、UUID情報22Aの宛先となるサーバの検索を実行する(ステップS9)。管理サーバ5は、宛先となるサーバが特定されると、そのサーバに対してUUID情報22Aの要否を問い合わせる(ステップS10)。なお、ここではUUID情報22Aからサービスサーバ4Aが宛先であると判明したものとする。サービスサーバ4Bは、管理サーバ5から要否の問い合わせを受信すると(ステップS11)、その要否の問い合わせに対してUUID情報22Aの要否を判定する(ステップS12)。サービスサーバ4Bは、その判定結果を管理サーバ5へ送信する(ステップS13)。管理サーバ5が、サービスサーバ4Bから送信されてきた判定結果を受信すると(ステップS14)、UUID情報22Aの要否の判定し(ステップS15)、その要否判定の結果、送信が必要である場合には、UUID情報22Aを含むデータセットを送信する(ステップS16)。サービスサーバ4Bは、管理サーバ5から送信されたUUID情報22Aを含むデータセットを受信し(ステップS17)、自己のサービスにそのUUID情報22Aを含むデータセットを利用して所定の処理を実行する(END)。以下、これらの処理の詳細について説明を更に行う。
【0045】
図8は、図7のステップS1~S4に示すセンサ情報発信機2とスマートフォン3Aとの間の詳細な処理を示したフローチャートである。センサ情報発信機2は、UUID情報22Aを発信する(ステップS21)。スマートフォン3Aは、センサ情報発信機2と所定の範囲内に接近すると、UUID情報22Aを受信する(ステップS22)。スマートフォン3Aは、ステップS22で受信したUUID情報22Aが管理対象のUUID情報35Aと同一であるか否かを判定する(ステップS23)。スマートフォン3Aは、管理対象のUUID情報35Aと同一であると判定した場合には所定の処理を実行する(ステップS24)。なお、ここでいう所定の処理とはたとえば、サービスサーバ4Aに対して、このUUID情報22Aを含むデータセットを生成して、利用者端末6Aへ送信するなどである。スマートフォン3Aは、管理対象のUUID情報35Aと同一ではない場合(ステップS23でNO)、サービスサーバ4AへそのUUID情報22Aと、管理対象外であることを識別できるタグを含むデータセットを転送する(ステップS25)。
【0046】
図9は、図7のステップS4~S7に示すスマートフォン3Aとサービスサーバ4Aとの間の詳細な処理を示したフローチャートである。ステップS25にてスマートフォン3Aがサービスサーバ4AにUUID情報22Aを含むデータセットを転送すると、サービスサーバ4Aは、それを受信し(ステップS26)、管理対象のUUID情報35Aと同一であるか否かを判定する(ステップS27)。なお、図8のステップS23の判定結果をそのまま活用して、サービスサーバ4A側で判定しなくてもよい。管理対象のUUID情報35Aと同一である場合には、サービスサーバ4Aは、所定の処理を実行する(ステップS28)。一方、サービスサーバ4Aは、管理対象のUUID情報35Aと同一ではない場合には管理サーバ5へUUID情報22Aを含むデータセットの転送を行う(ステップS29)。
【0047】
図10は、図7のステップS7~S10に示すサービスサーバ4Aと管理サーバ5と間の詳細な処理を示したフローチャートである。サービスサーバ4Aが管理サーバ5へUUID情報22Aを含むデータセットの転送を行うと(ステップS29)、管理サーバ5がそれを受信し(ステップS30)、転送先となるサービスサーバの検索処理を実行する(ステップS31)。そして、検索の結果、UUID情報22Aの管理はサービスサーバ4Bであることが判明すると、サービスサーバ4Bに対してUUID情報22Aを含むデータセットの要否について問い合わせ処理を実行する(ステップS32)。
【0048】
図11は、図7のステップS10~S13に示す管理サーバ5とサービスサーバ4Bとの間の詳細な処理を示したフローチャートである。管理サーバ5が、UUID情報22Aの要否についてサービスサーバ4Bへ問い合わせ処理を実行すると(ステップS32)、サービスサーバ4Bは、UUID情報22Aの要否の問い合わせを受信し(ステップS33)、問い合わせのあったUUID情報22Aについての要否を判定する。なお、ここでのサービスサーバ4Bの要否としては、たとえば、自己の管理対象となるUUID情報である場合には、常に受信するという判定基準を有していてもよいし、要否は個別に判断するという判定基準として、サービスサーバ4Bの管理者、運営者、あるいは利用者が設定した独自のルール設定に基づいて決定するようにしてもよい。
【0049】
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態に係るセンサネットワークシステムについて説明する。図12は、本発明の第2実施形態に係るセンサネットワーク中継システムにおける管理サーバ5Aの機能的構成の一例を示す図である。なお、管理サーバ5A以外の構成は、図1に示した第1実施形態に係るセンサネットワーク中継システム1Aと同一であるため、各装置の機能および図示を省略する。管理サーバ5Aは、たとえば、サービスサーバ4Aからサービスサーバ4BへUUID情報22Aを転送した場合、転送先のサービスサーバ4Bへ独自のポイントを課金したり、転送元のサービスサーバ4Aに独自のポイントを付与したりすることができるように構成されている。
【0050】
図12に示す管理サーバ5Aは、センサ情報受信部51と、転送先検索部52と、メモリ53と、問い合わせ部54と、センサ情報中継処理部55と、ポイント管理部56とを有している。なお、センサ情報受信部51と、転送先検索部52と、問い合わせ部54と、センサ情報中継処理部55とは図5で説明した管理サーバ5と同様の機能であるため、同一の符号を用いることとし、これらの説明を省略する。
【0051】
ポイント管理部56は、ポイント課金部56Aと、ポイント付与部56Bとを有している。ポイント課金部56Aは、サービスサーバ4BがUUID情報22Aの送信要求を受信した場合、サービスサーバ4Bに対して所定のポイントを課金する。ポイント付与部56Bは、ポイント課金部56Aによりサービスサーバ4Bに課金されたポイントに応じて、サービスサーバ4Aに対して所定のポイントを付与する。
【0052】
なお、本実施形態におけるサービスサーバ4Bは、図4で説明した構成と同一であるが、センサ情報受信部41が、請求項の問い合わせ受付部として機能し、センサ情報比較部42が、請求項の要否判定部として機能する。
【0053】
図13は、図12に示す管理サーバ5Aとサービスサーバ4Bとの間の処理を示すフローチャートである。管理サーバ5Aは、UUID情報22Aの要否をサービスサーバ4Bに問い合わせる(ステップS32)。サービスサーバ4Bは、管理サーバ5AからUUID情報22Aの要否の問い合わせを受信すると(ステップS33)、受信要否の判定を行う(ステップS34)。そして、サービスサーバ4Bは、ステップS34の判定結果を管理サーバ5Aへと送信する(ステップS35)。管理サーバ5Bは、判定結果を受信すると(ステップS36)、サービスサーバ4BのUUID情報22Aの要否について判定し(ステップS37)、必要であると判定した場合には、UUID情報22Aを含むデータセットを送信し(ステップS38)、不要である場合には、処理を終了する(END)。一方、サービスサーバ4Bは、ステップS38で送信されてきたUUID情報22Aを受信すると(ステップS39)、UUID情報22Aに応じた所定の処理を実行し(ステップS40)、処理を終了する。なお、ここでの所定の処理とは、たとえば、UUID情報22Aを含むデータセットから判明する位置情報などを利用者端末6に対して送信する処理などである。
【0054】
なお、図13の例では、UUID情報22Aの転送処理毎にポイント課金とポイント付与を行うようにしているが、たとえば一定期間に両者の間で転送したUUID情報22Aの差分により、サービスサーバ4Aとサービスサーバ4Bとの間でポイント課金の調整を行ってから処理するようにしてもよい。
【0055】
以上で説明したように、第1実施形態のセンサネットワーク中継システム1Aおよび第2実施形態のセンサネットワーク中継システムでは、UUID情報22A(センサ情報)を外部へ発信するセンサ情報発信機2、センサ情報発信機2から発信されたUUID情報22Aを受信して自己の管理対象となるUUID情報35Aと同一のセンサ情報である場合には、予め送信先として設定されたサービスサーバ4A(第1のサーバ)へUUID情報35Aを送信するスマートフォン3A(センサ情報送受信機)とを有するシステムであって、スマートフォン3Aは、UUID情報22Aが自己の管理対象外のセンサ情報の場合であっても、サービスサーバ4AへUUID情報22Aを送信するデータセット送信部34(管理外センサ情報送信部)を有し、サービスサーバ4Aは、複数のセンサ情報の転送先を管理する管理サーバ5へUUID情報22Aを転送する送信処理部45(管理外センサ情報転送部)を有し、管理サーバ5,5Aは、複数のセンサ情報と、サーバ情報との組み合わせを複数記憶している管理テーブル53Aと、管理テーブル53Aを参照して、サービスサーバ4Aから転送されてきたUUID情報22A(管理外センサ情報)から、転送すべきサービスサーバ4B(第2のサーバ)を検索する転送先検索部52と、転送先検索部52により検索されたサービスサーバ4Bに対して、UUID情報22Aの要否を問い合わせる問い合わせ部54(転送要否問い合わせ部)と、問い合わせ部54の問い合わせの結果として、サービスサーバ4BからUUID情報22Aの送信要求を受信した場合には、UUID情報22Aをサービスサーバ4Bへ送信するセンサ情報中継処理部55とを有し、サービスサーバ4Bは、管理サーバ5,5Aからの問い合わせ要求を受信した場合に、UUID情報22Aを含む信号の受信要否を判定するセンサ情報比較部42(判定部)と、センサ情報比較部42の比較結果により受信することが必要である場合には、受信要求を管理サーバ5,5Aに対して送信する送信処理部45(送信部)とを有するので、UUIDが異なるセンサネットワークサービス間であってもUUID情報のやり取りが可能になるため、管理対象外のセンサ情報が検出された場合であっても、必要とされるサービスサーバへと適切に送信されて処理することができるようになる。
【0056】
また、第2実施形態のセンサネットワーク中継システムにおける管理サーバ5Aでは、サービスサーバ4Bよりセンサ情報を含む信号の送信要求があった場合に、サービスサーバ4Bに対して所定のポイントを課金するポイント課金部56Aと、ポイント課金部56Aにより課金されたポイントに応じて、サービスサーバ4Aに対して所定のポイントを付与するポイント付与部56Bとを有しているので、これにより、各センサネットワークシステムでの他のセンサネットワークシステムへの貢献度に応じて課金ポイントの調整を行うことが可能であり、獲得したポイントをそのネットワーク内の電子通貨のような役割として各センサネットワークシステムに提供できる。その結果、サービス提供地域の更なる拡大、センサネットワークシステムへの設備投資の資金としても活用することができ、規模を更に広げることが可能となる。
【0057】
また、所定のサービスを提供するサービスサーバ4A(第1のサーバ)と、サービスサーバ4Aとは提供するサービスが異なる、もしくはサーバの運営事業者が異なるサービスサーバ4B(第2のサーバ)とのいずれとも通信可能な管理サーバ5(情報処理装置)であって、サービスサーバ4A側から送信されてきたセンサ情報を受信するセンサ情報受信部51と、センサ情報と、そのセンサ情報を管理するサービスサーバ4のIPアドレス情報(サービスサーバ4を特定する情報)とが関連付けて記憶されている管理テーブル53Aと、管理テーブル53Aを参照してサービスサーバに対して、センサ情報の要否を問い合わせる問い合わせ部54と、問い合わせ部54の問い合わせの結果として、サービスサーバ4からセンサ情報の送信要求があった場合に、そのセンサ情報をサービスサーバ4へ送信するセンサ情報中継処理部55(送信部)とを有するので、管理対象外のセンサ情報が検出された場合であっても、必要とされるサービスサーバ4へと管理サーバ5により適切に送信されて処理することができる。
【0058】
また、管理サーバ5Aは、サービスサーバ4BがUUID情報22Aの送信要求を受信した場合、サービスサーバ4Bに対して所定のポイントを課金するポイント課金部56Aと、ポイント課金部56Aにより課金されたポイントに応じて、サービスサーバ4Aに対して所定のポイントを付与するポイント付与部56Bとを有しているので、これにより、各センサネットワークシステムでの他のセンサネットワークシステムへの貢献度に応じて課金ポイントの調整を行うことが可能であり、獲得したポイントをそのネットワーク内の電子通貨のような役割として各センサネットワークシステムに提供できる。その結果、サービス提供地域の更なる拡大、センサネットワークシステムへの設備投資の資金としても活用することができ、規模を更に広げることが可能となる。
【0059】
なお、上述した管理サーバ5の動作(情報処理方法)においても、管理サーバ5と同様の効果を奏することができる。
【0060】
また、上述したサービスサーバ4は、センサ情報発信機2から送信されてきたセンサ情報発信機2のUUID情報22A(センサ情報)と、サービスサーバ4自身が提供するサービスを示すUUID情報35Aとを比較するセンサ情報比較部42と、センサ情報比較部42の比較により、同一のセンサ情報である場合には、所定のサービスを提供するための処理を実行するサービス実行処理部44と、センサ情報比較部42の比較により、異なるセンサ情報である場合には、外部にセンサ情報を含む信号を送信する送信処理部45とを有しているので、従来のように自己の管理外のセンサ情報であっても適切に処理できないということがなく、外部へと転送することができるようになる。
【0061】
また、サービスサーバ4Bは、サービスサーバ4AからUUID情報22A(サービスを示すセンサ情報)の要否についての問い合わせ要求を受け付けるセンサ情報受信部41(問い合わせ受付部)と、センサ情報受信部41で受け付けたUUID情報22Aの要否を判定するセンサ情報比較部42(要否判定部)と、センサ情報比較部42の判定に応じてUUID情報22Aの要否を送信する送信処理部45とを有するので、自分のセンサネットワーク以外で検出されたセンサ情報について要否を判断した上で受信することができるようになる。
【0062】
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態に係るセンサネットワーク中継システム1Cについて説明する。図14は、本発明の第3実施形態に係るセンサネットワーク中継システム1Cの構成を示す図である。図15は、図14に示す各装置の機能的構成および各装置間の関係概略を説明するための図である。図16は、スタンプサーバ4Cのメモリ187に記録されているデータベース内の情報の一例を示す図である。
【0063】
図14に示すセンサネットワーク中継システム1Cは、図1に示したセンサネットワーク中継システム1Aの構成に、複数のスタンプユニット2Bおよびスタンプサーバ4Cが新たに追加された構成となっている。複数のスタンプユニット2Bは、Aサービス用センサネットワークシステムにて提供されるサービス地域またはBサービス用センサネットワークシステムにて提供されるサービス地域の一部の地域と重複する一定の地域の範囲内にそれぞれが設置されている。たとえば、複数のスタンプユニット2Bは、Bサービス用センサネットワークシステムの利用者であるユーザU145が見守る対象であるユーザU141の移動経路の近辺に設置されており、スマートフォン3Cを所持したユーザU142、U143がスタンプユニット2Bの設置場所付近へ移動すると所定のポイントを獲得することができる仕組みとなっている。なお、センサネットワーク中継システム1Cにおけるサービスサーバ4A,4Bおよび管理サーバ5は、センサネットワーク中継システム1Aにおけるサービスサーバ4A,4Bおよび管理サーバ5と同一の役割、機能であるため、同一の符号を付してこれらの説明を省略する。
【0064】
センサ情報発信機2Aは、請求項の第1のセンサ情報発信機の一例であり、センサ情報を周囲に発信する装置である。なお、図14に示す例では、Bサービス用センサネットワークシステムのユーザU1が所持しているセンサ情報発信機2Aを1つのみ示しているが、各センサネットワークシステムの利用者がそれぞれ保持しているものである。このセンサ情報発信機2Aは、近距離(たとえば、数m~100m程度)の範囲において、自装置または自装置が属しているセンサネットワークシステムを一意に識別するID情報を発信することができる装置である。このID情報は各センサネットワークシステムによって、UUID(Universally Unique Identifier)の枝番で表示されるため、以下、ID情報および上述したセンサ情報を「UUID情報」という。
【0065】
図15に示すように、センサ情報発信機2Aは、センサ情報発信機2と同様の機能、構成であり、UUID発信部151とメモリ152を有している。メモリ152にはUUID情報152Aが記録されている。
【0066】
UUID発信部151は、装置外部にUUID情報152Aを発信する。メモリ152のUUID情報152Aは、このセンサ情報発信機2A毎または、センサネットワークシステム毎に設定されたUUID情報である。
【0067】
スタンプユニット2Bは、請求項のセンサ情報発信機の一例、第2のセンサ情報発信機、センサ情報送受信機の一例である。スタンプユニット2Bは、スタンプ情報(図15に示すスタンプ情報164A)を外部に発信する機能を備えた固定型(据付型)の機器である。また、スタンプユニット2Bは、センサ情報発信機2Aが外部に発信しているUUID情報(図15に示すUUID情報152A)を受信して、サービスサーバ4Aまたはサービスサーバ4Bへと転送することができる。
【0068】
図15に示すように、スタンプユニット2Bは、UUID受信部161と、UUID転送部162と、スタンプ発信部163と、メモリ164とを有している。メモリ164には、スタンプ情報164Aが記録されている。なお、スタンプユニット2Bは、スタンプ情報を外部に発信する機能、UUID情報を受信する機能以外にも、920MHz帯のマルチホップ通信をするためのインタフェース(不図示)を備えていてもよい。この通信インタフェースにより、スタンプユニット2Bは、半径500m以内にある他の装置と直接通信が可能となるので、これらの通信機能が使用できない環境下(たとえば山岳部)においてもスタンプ情報の発信およびUUID情報の受信を実行することができる。
【0069】
UUID受信部161は、請求項の第1センサ情報受信部の一例である。UUID受信部161は、センサ情報発信機2Aが外部に発信するUUID情報152Aを受信することができる。UUID転送部162は、請求項の第1センサ情報転送部の一例である。UUID転送部162は、UUID受信部161で受信したUUID情報152Aをサービスサーバ4Aまたは4Bに転送処理をする。スタンプ発信部163は、メモリ164に記録されたスタンプ情報164Aを外部に発信する。スタンプ情報164Aは、UUID情報ではあるが、センサ情報発信機2Aに記録されているUUID情報152Aとは異なるUUID情報である。
【0070】
スマートフォン3Cは、図1に示すスマートフォン3A,3Bと同様に、請求項のセンサ情報送受信機の一例である。スマートフォン3Cは、図1に示すスマートフォン3A,3Bの有する機能に加えて、スタンプユニット2Bと所定の近距離(たとえば、0~10m程度)の範囲内となると、スタンプユニット2Bから発信されたセンサ情報(スタンプ情報164A)を受信して、このセンサ情報を含むデータセットをスタンプサーバ4Cへと送信することができる装置である。
【0071】
図15に示すように、スマートフォン3Cは、スタンプ情報受信部171と、データセット送信処理部172と、ポイント算出部173と、ポイント情報送信処理部174と、データベース同期処理部175と、メモリ176とを有する。メモリ176には、アプリケーションプログラム176AとローカルポイントDB176Bとが記録されている。なお、スマートフォン3Aおよび3Bにて説明した機能については同様であるため、以下ではそれらの説明を省略する。
【0072】
スタンプ情報受信部171は、スタンプユニット2Bからスタンプ情報164Aを受信する。データセット送信処理部172は、スタンプ情報受信部171が受信したスタンプ情報などを含むデータセットをネットワークC1またはネットワークC2を介してスタンプサーバ4Cへと送信する。ここでいうデータセットにはそれまでに受信したスタンプユニット2Bのスタンプ情報、スタンプ情報の受信した順番を示す情報、自己のユーザID情報などが含まれる。ポイント算出部173は、後述するスタンプサーバ4Cから提供された係数値に基づいて、自己のポイントを算出する。ポイント情報送信処理部174は、ポイント算出部173にて算出した自己のポイント情報をスタンプサーバ4Cへ送信する。データベース同期処理部175は、スタンプサーバ4Cから通知されてきたポイント情報に基づいて、後述するローカルポイントDBにポイントを書き込むことによって、後述するスタンプサーバ4Cに記録されているポイント情報と同期をとる。
【0073】
アプリケーションプログラム176Aは、スマートフォン3Cの各機能(スタンプ情報受信部171と、データセット送信処理部172と、ポイント算出部173と、ポイント情報送信処理部174と、データベース同期処理部175)を実現するためのプログラムである。また、アプリケーションプログラム176Aは、スタンプラリー機能を実現する。ここでいうスタンプラリー機能とは、スタンプユニット2Bに関する情報の管理、歩数情報の管理、ポイント計算の管理、ポイント履歴の管理などの各機能が含まれている。スタンプユニット情報の管理では、スタンプ情報164Aに応じたスタンプユニット値(たとえば、0~10、以下、スタンプIDとする)を保持しており、このスタンプIDに基づいて受信したスタンプ情報164Aがどのスタンプユニット2Bに該当するかなどを把握できるようにしている。歩数情報の管理では、たとえば、スマートフォン3Cが有するセンサ(不図示)などで検出した振動情報などから歩数情報を算出する。ポイント計算の管理では、たとえば、受信しているスタンプIDが所定のポイント付与条件(特定の複数のスタンプIDをすべて受信しているか否かなど)を満たしているか否かを判定する共に、満たしている場合には、複数のスタンプユニット2B間での歩数情報に一定の係数値を乗じてポイントを算出することができる。なお、ここの係数値に関する情報は、スタンプサーバ4Cより取得する。ポイント履歴の管理では、たとえば、算出されたポイントを記憶して、過去のポイント履歴としてローカルポイントDB176Bに保存する。
【0074】
ローカルポイントDB176Bは、自己の保有するポイント情報が記録されている。ローカルポイントDB176Bには、現在の自己のポイント情報や、過去のポイント履歴情報などが記録されている。なお、このローカルポイントDB176Bに記録されているポイント情報は、後述のスタンプサーバ4Cにて管理されているポイント情報と同期をとる構成となっている。
【0075】
スタンプサーバ4Cは、請求項のポイント付与サーバの一例であり、スマートフォン3Cにインストールされたアプリケーションプログラム176Aと連携して、利用者に付与されるポイント管理を行っている。スタンプサーバ4Cは、携帯電話網などのネットワークC1,C2を介してスマートフォン3Cと通信をすることができる。また、スタンプサーバ4Cは、管理サーバ5と、ネットワークC3を介して通信をすることができる。なお、図14に示すネットワークC1,C2,C3は、装置間に位置するネットワークを示しているが、これらの装置が、必ずしも同一のネットワークを利用して通信を行わなければならないことを意図しているものではなく、便宜上まとめて図示している。したがって、たとえば、スタンプサーバ4Cとスタンプユニット2B間の通信と、スタンプサーバ4Cとスマートフォン3C間の通信は必ずしも同一のネットワークを利用して通信しなければならない訳ではなく、それぞれ異なるネットワークを利用してもよい。
【0076】
図15に示すようにスタンプサーバ4Cは、データセット受信部181と、係数値算出部182と、係数値情報送信処理部183と、ポイント判定部184と、ポイント通知部185とメモリ187とを有している。メモリ187には、UUID/スタンプDB187Aと、ユーザID/ポイントDB187Bと、ログデータ187Cと、アプリケーションプログラム187Dとが記録されている。なお、スタンプサーバ4Cがスマートフォン3Cの利用者のアカウントへ付与するポイントは、第1実施形態、第2実施形態にて説明した、管理サーバ5がサービスサーバ4に対して付与するポイントとは異なるものである。
【0077】
データセット受信部181は、スマートフォン3Cから送信されてきたデータセットを受信する。データセットにはそれまでに受信したスタンプユニット2Bのスタンプ情報、スタンプ情報の受信した順番を示す情報、ユーザID情報などが含まれる。係数値算出部182は、データセット受信部181で受信したデータセットに基づいて、ポイント算出のための係数値を算出する。なお、この係数は、データセットに含まれるスタンプIDの個数、順番、UUID/スタンプDB187Aにて設定されている重み付け等により算出される。係数値情報送信処理部183は、係数値算出部182にて算出された係数値をスマートフォン3Cへと送信する。ポイント判定部184は、スマートフォン3Cから送信されてきたポイント情報と、サーバ側で算出したポイント情報とを照合し、算出結果が一致していれば、正しいポイント情報と判定し、異なっていれば間違ったポイント情報であると判定する。なお、正しいポイント情報の場合には、ユーザID/ポイントDB187Bにそのポイント情報を書き込むと共に、ポイント通知部185に対して、そのポイント情報を供給する。一方、間違っている場合には、ポイント判定部184は、ユーザID/ポイントDB187Bには書き込まずに、エラー情報をポイント通知部185へと供給する。ポイント通知部185は、ポイント判定部184から供給された判定結果情報をスマートフォン3Cに通知する。
【0078】
UUID/スタンプDB187Aには、スタンプID(スタンプユニット2Bを識別する情報)とUUID情報とが関連づけられて記録されている。また、UUID/スタンプDB187Aには、スタンプIDの取得順番(スタンプラリーの移動順)などに基づくスタンプID毎の重み付情報(重み値)などが記録されている。この重み値は、ユーザが移動して受信したUUID情報に基づいて、加算され、その加算された値の総計を係数値とする。そして、この係数値と歩数情報とを乗じることで付与するポイントが決定される。ユーザID/ポイントDB187Bは、各ユーザのポイント情報が記録されている。
【0079】
ユーザID/ポイントDB187Bには、スマートフォン3Cを利用しているユーザIDと、ポイント判定部184で正しいと判定されたユーザID毎のポイント情報とが関連付けられて記録されている。
【0080】
ログデータ187Cは、ポイントに増減がある場合に、その変更前後のポイントデータの履歴である。
【0081】
アプリケーションプログラム187Dは、スタンプサーバ4Cが、上述した各部(データセット受信部181と、係数値算出部182と、係数値情報送信処理部183と、ポイント判定部184と、ポイント通知部185)として機能させるためのプログラムである。
【0082】
以上で説明したように、この本発明の第3実施形態に係るセンサネットワーク中継システム1Cにおいては、UUID情報152A(第1のセンサ情報)を外部へ発信するセンサ情報発信機2A(第1のセンサ情報発信機)と、UUID情報152Aとは異なるスタンプ情報162A(第2のセンサ情報)を外部へ発信するスタンプユニット2B(第2のセンサ情報発信機)と、UUID情報152Aまたはスタンプ情報162Aを受信すると共に、受信したセンサ情報に基づくデータセットをネットワークC1,C2(所定のネットワーク)を介して外部に送信するスマートフォン3C(センサ情報送受信機)と、ネットワークC1,C2を介してデータセットを受信すると、その受信したデータセットに基づくセンサ情報に応じて、スマートフォン3Cの利用者に関連付けられたユーザID(アカウント)にポイントを付与するスタンプサーバ4C(ポイント付与サーバ)とを有し、センサ情報発信機2Aとスマートフォン3Cとの組み合わせで利用者へ提供される見守りサービス(第1のサービス)の提供地域と、スタンプユニット2Bとスマートフォン3Cとの組み合わせで利用者へ提供されるスタンプラリーサービス(第2のサービス)の提供地域とは、少なくとも一部の地域が重なるように構成されており、スタンプサーバ4Cは、スタンプユニット2Bから発信されたスタンプ情報162Aがスマートフォン3Cから送信されてきた場合に、そのスタンプユニット2Bを示すスタンプ情報162Aに基づいて付与ポイントを計算するための係数値を算出する係数値算出部182と、係数値算出部182で算出された係数値に基づいてスマートフォン3C側で算出されたポイントの正否を判定するポイント判定部184と、ポイント判定部184の判定の結果、正しい場合に、そのポイント情報をスマートフォン3Cへと通知するポイント通知部185と、を有するため、スタンプユニット2Bの設置場所付近へスマートフォン3Cの利用者が移動することの動機づけとなり、センサ情報発信機2Aの周囲のユーザの密集度を高めることができる。これによりセンサ情報発信機2Aの位置情報の取得頻度の向上、位置情報の精度が向上して、これらの向上によりセンサネットワークを利用した他のサービスとの連携やサービス品質の向上などを図ることができる。
【0083】
また、センサ情報発信機2Aは、携帯型のセンサ情報発信機であり、スタンプユニット2Bは、固定型のセンサ情報発信機であり、スタンプユニット2Bは、見守りサービス(第1のサービス)が提供される所定の地域内の複数の箇所に固定して設置されているため、スタンプユニット2Bの周辺にユーザが集まってくることにより、センサ情報発信機2Aの位置情報を取得しやすい状況を意図的に作り出すことができる。
【0084】
また、スタンプユニット2Bは、UUID情報152A(第1センサ情報)を発信するセンサ情報発信機2A(第1のセンサ情報発信機)からUUID情報152Aを受信するUUID受信部161(第1センサ情報受信部)と、UUID受信部161で受信したUUID情報152AをネットワークC1,C2(所定のネットワーク)を介して、所定のサービスを提供するサービスサーバ4A,4Bへと転送するUUID転送部162(第1センサ情報転送部)と、UUID情報152Aとは異なるスタンプ情報164A(第2のセンサ情報)を記録するメモリ164(第2センサ情報記録部)と、メモリ164に記録されたスタンプ情報164Aを外部に発信するスタンプ発信部163(第2センサ情報発信部)とを有しているので、自装置のセンサ情報を外部に発信することができると共に、他のセンサ情報発信機2Aから外部に発信されているセンサ情報をサービスサーバ4A,4Bへ転送することができる。
【0085】
(スタンプユニット2Bを設置することによるメリットについて)
続いて、スタンプユニット2Bを設置することによるメリットについて更に説明する。図17は、図14に示すセンサネットワーク中継システム1Cにおいてスタンプユニット2Bがない場合に発生する問題を説明するための図である。図18は、ユーザU1の周囲の所定の範囲にスタンプユニット2Bを複数導入して、ユーザの密集度を高める工夫をした状態を示す図である。
【0086】
スタンプユニット2Bは、スタンプラリーサービスを提供する目的のほかに、サービスサーバ4A,4Bなどで提供される所定のサービスの利用率の向上およびセンサ情報発信機2Aの位置情報の取得頻度および精度を向上させるための装置でもある。以下、スタンプユニット2Bを用いることによって生じる効果について説明する。
【0087】
ユーザU1は、図1で示したセンサ情報発信機2と同様の機能をもつセンサ情報発信機2Aを所持している。センサ情報発信機2Aは、UUID情報を外部に発信している。センサ情報発信機2Aを所持したユーザU1は、X0の地点から移動して所定の方向(図17のX1,X2,X3,X4,X5)に自由に向かうことができる状態である。このような状態からユーザU1は、仮にX1の方向に移動したとする。その場合、移動した先には、ユーザU1のいる方向へ移動してくるユーザU141がいるため、センサ情報発信機2Aとスマートフォン3Cとの距離は近くなることが予想される。そのため、ユーザU141が所持するスマートフォン3CによってユーザU1の位置情報がスタンプサーバ4Cに送信されることが推測される。
【0088】
一方、ユーザU1が仮にX2方向、またはX3方向に移動したとする。この場合、移動した先の付近にはユーザU142がいるが、ユーザU142は、ユーザU1の進行方向と同一の方向に移動しようとしている。そのため、ユーザU153の位置とユーザU1の位置との距離によっては、スマートフォン3Cがセンサ情報発信機2Aから発信されるUUID情報を受信することができない場合がある。
【0089】
次に、ユーザU1が仮にX4方向またはX5方向に移動したとする。この場合、X4方向の移動先にはコンビニエンスストアCS、X5方向の移動先には自動販売機VMがあり、ユーザU143,ユーザU144,ユーザU145,ユーザU146がいる。しかしながら、これらのユーザはコンビニエンスストアCSや自動販売機VMで用事を済ませるとそれぞれユーザU1がいる方向とは違う方向へ移動してしまう可能性がある。そのため、ユーザU143~ユーザU145の位置とユーザU1との位置との距離によっては、スマートフォン3Cがセンサ情報発信機2Aから発信されるUUID情報を受信することができない場合が考えられる。
【0090】
すなわち、図17で示したように、ユーザU143~U146は、スマートフォン3Cを所持しているとはいえ、ユーザU1との距離を意識して行動しているわけではなく、各々の都合により移動している。そのため、ユーザU1が所持するセンサ情報発信機2Aから発信されるUUID情報を取得しやすい状況を作り出すためには、スマートフォン3Cを所持したユーザの密集度を高める必要がある。
【0091】
そこで、図18に示すように、所定の範囲内に、スタンプユニット2Bを複数設置する。このスタンプユニット2Bは、ユーザU1が所持するセンサ情報発信機2Aと同様に外部にUUID情報(スタンプ情報)を発信することができる。しかしながら、スタンプユニット2Bが発信するUUID情報(スタンプ情報)は、センサ情報発信機2Aが外部に発信するUUID情報とは異なる情報である。スマートフォン3Cがスタンプユニット2Bから発信されたUUID情報を受信すると、スタンプサーバ4Cから所定のポイントを取得することができるように構成されている。このような構成とすることにより、スマートフォン3Cを所持するユーザが、所定のポイントを取得したいという動機づけにより、スタンプユニット2Bへ集まってくるので、所定の範囲内のユーザの密集度を高めることが可能となる。
【0092】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
たとえば、スマートフォン3は、自己の管理対象外のセンサ情報を受信した場合であっても自己のセンサ情報を管理しているサービスサーバ4(4A,4B)へと転送するようにしているが、たとえば、管理サーバ5へセンサ情報を直接転送するようにしてもよい。
【0093】
また、サービスサーバ4Aは、管理対象外であるUUID情報22Aを受信した場合、管理サーバ5に対してUUID情報22Aを含むデータセットを転送するようにしているが(図9図10のS29)、UUID情報22Aのみを管理サーバ5へ送信し、管理サーバ5側でサービスサーバ4Bへ要否を問い合わせ、サービスサーバ4BよりUUID情報22Aの送信要求を受信した場合にUUID情報22Aを含むデータセットを転送するようにしてもよい。
【0094】
また、図6で説明した管理テーブル53Aにおいて、センサネットワーク名が提供される場所や地域を示す位置情報も含めて管理するようにしてもよい。この位置情報は、たとえば、郵便番号情報、緯度経度情報、GIS(Geographic Information System)情報などが好ましい。図19は、管理テーブルにて記録されている位置情報の一例を示す図である。図19で示すように、センサネットワーク名、UUID情報、IPアドレスに加えて、センサネットワーク毎に郵便番号情報が位置情報として記録されている。なお、この図19で示した管理テーブルは管理サーバ5におけるものであるが、この管理テーブルの一部または全部の情報をサービスサーバ4A,4B,スタンプサーバ4C側で保持するようにしてもよい。これにより、管理サーバ5に対するUUID情報の問い合わせをする前に、サービスサーバ4A,4B,スタンプサーバ4C側で転送先となるUUID情報を把握することが可能となるので、管理サーバ5への問い合わせ処理を低減させることができる。更には、この図19に示す管理テーブルの一部または全部をスマートフォン3A,3B,3Cにおいても保持させるようにしてもよい。これにより、サービスサーバ4A,4B,スタンプサーバ4Cへ問い合わせをする前にスマートフォン3A,3B,3C側で転送先となるUUID情報を把握することが可能となるので、サービスサーバ4A,4B,スタンプサーバ4Cへ問い合わせ処理を低減させることができる。なお、管理テーブルの一部をサービスサーバ4A,4B,スタンプサーバ4C側もしくはスマートフォン3A,3B,3C側に設定する方法としては、たとえば、お互いの郵便番号などの位置情報から判断して、所定の距離の範囲内もしくは同一都道府県内などの所定の地域内の単位でそれぞれに設定することが好ましい。しかしながら、管理テーブルの一部を設定する方法は、位置情報だけに限定されるものではない。たとえば、過去のUUID情報の問い合わせ履歴などを記録しておき、それらの履歴からサービスサーバ4A,4B,スタンプサーバ4C側の管理テーブル、もしくはスマートフォン3A,3B,3C側の管理テーブルにUUID情報を追加するような方法であってもよい。このようにした場合には、実際の問い合わせ状況の頻度に即して管理テーブルに記録させておくべきUUID情報を決定することができる。
【0095】
また、スマートフォン3Cは、スタンプユニット2Bの位置または方向を示す情報を出力するように構成してもよい。これにより、スマートフォン3Cを携帯しているユーザは、どの方向、どの場所へ移動すれば、ポイントを取得できるのかを容易に把握することができるようになる。
【0096】
また、図15で説明したスマートフォン3Cが他のセンサネットワークでのUUID情報を受信するように構成した場合には、スタンプサーバ4C側でも、スマートフォン3Cから送信されてきたUUID情報を含むデータセットから判明する位置情報、または、UUID情報そのものを管理サーバ5へと送信するようにしてもよい。
【0097】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0098】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【符号の説明】
【0099】
1A,1C:センサネットワーク中継システム(センサネットワークシステムの一例)、2,2A:センサ情報発信機(第1のセンサ情報発信機の一例)、2B:スタンプユニット(第2のセンサ情報発信機の一例)、3,3A,3B,3C:スマートフォン(センサ情報送受信機の一例)、4,4A,4B:サービスサーバ、4C:スタンプサーバ(サービスサーバ、ポイント付与サーバの一例)、5,5A,5B:管理サーバ、6,6A,6B:利用者端末、21:UUID発信部、22:メモリ,22A:UUID情報,31:センサ情報受信部,32:データセット生成処理部,33:位置情報取得部、34:データセット送信部,35:メモリ,35A:UUID情報,35B:アプリケーションプログラム,41:センサ情報受信部,42:センサ情報比較部,43:メモリ,43A:UUID情報,43B:アプリケーションプログラム,44:サービス実行処理部、45:送信処理部,51:センサ情報受信部,52:転送先検索部、53:メモリ,53A:管理テーブル,53B:ログデータ,53C:アプリケーションプログラム、54:問い合わせ部、55:センサ情報中継処理部,56:ポイント管理部,56A:ポイント課金部,56B:ポイント付与部、182:係数値算出部、184:ポイント判定部、185:ポイント通知部
図1
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