(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20220119BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220119BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20220119BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220119BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 366A
G09F9/30 365
G09F9/30 330
G02F1/1333
H05B33/14 A
H01L27/32
(21)【出願番号】P 2017185927
(22)【出願日】2017-09-27
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】10-2016-0124137
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】朴 恩 惠
(72)【発明者】
【氏名】金 香 律
(72)【発明者】
【氏名】金 亨 俊
(72)【発明者】
【氏名】李 柱 亨
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-112139(JP,A)
【文献】特開2010-026539(JP,A)
【文献】特開2013-231796(JP,A)
【文献】特開2014-112133(JP,A)
【文献】特開2012-102292(JP,A)
【文献】国際公開第2013/011678(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0049287(US,A1)
【文献】特開2013-088527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と非表示部を有する表示パネルと、
前記表示パネルを覆うように配置されたウィンドウと、
前記ウィンドウの縁部に配置され、前記非表示部と重なり合うベゼル部と、
前記表示パネルと前記ウィンドウとの間に配置された粘着層と、
前記表示パネルの縁に沿って延びるようにして、前記ベゼル部と前記粘着層との間に重なるように介在された中
間層と、を含み、
前記中
間層は、前記ベゼル部と重なる少なくとも一つのスルーホールを有
し、
前記スルーホールは、超音波検査領域である、表示装置。
【請求項2】
前記ウィンドウと前記粘着層との間に配置されたタッチパネルをさらに含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記タッチパネルは前記中
間層と電気的に連結された、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記中
間層は、前記表示部と重ならず、前記ウィンドウの縁に沿って閉曲線を形成する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記中
間層は、導電性を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記中
間層は、金属及び透明導電性酸化物(TCO)のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記スルーホールは、
平面形状が、円形、楕円形(ellipse)、卵円形(ovoid)、正方形または正五角形であり、100μm~300μmの直径を持つ、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記スルーホールは、前記ウィンドウと前記粘着層との間の空間で導電体と重ならない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記粘着層は、光硬化性を持つ材料またはその硬化物を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記粘着層の少なくとも一部は、前記スルーホール内の空間に配置される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記粘着層は、前記スルーホールを介して前記ベゼル部と接触する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルは、
第1基板と、
前記第1基板と対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置された液晶層と、を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示パネルは、
第1基板と、
前記第1基板上に配置された第1電極と、
前記第1電極上に配置された有機発光層と、
前記有機発光層上に配置された第2電極と、を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
表示部と非表示部を有する表示パネルと、
前記表示パネルを覆うように配置されたウィンドウと、
前記ウィンドウの縁部に配置され、前記非表示部と重なり合うベゼル部と、
前記表示パネルと前記ウィンドウとの間に配置された粘着層と、
前記表示パネルの縁に沿って延びるようにして、前記ベゼル部と前記粘着層との間に重なるように介在された中
間層と、を含み、
前記中
間層は、平面図での凹部を有し、前記凹部は、前記ベゼル部と重な
り、
前記凹部は、超音波検査領域である、表示装置。
【請求項15】
前記中
間層は、平面図にて前記表示部を取り囲んでいる、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記凹部は、前記表示部に向かって開いている、請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記凹部は、前記ウィンドウと前記粘着層との間の空間では導電体と重ならない、請求項14に記載の表示装置。
【請求項18】
前記ウィンドウと前記粘着層との間に配置されたタッチパネルをさらに含む、請求項14に記載の表示装置。
【請求項19】
前記凹部は、
平面図にて、窪んだ湾の形態を有し、湾の最も奥の箇所が半円形であり、この箇所にて100μm~300μmの直径を持つ、請求項14に記載の表示装置。
【請求項20】
前記中
間層は、導電性を有する、請求項14に記載の表示装置。
【請求項21】
表示部と非表示部を有する表示パネルと、
前記表示パネル上に配置されたウィンドウと、
前記ウィンドウ上に配置され、前記非表示部と重なり合うベゼル部と、
前記表示パネルと前記ウィンドウとの間に配置された粘着層と、を含み、
前記表示パネルは、
第1基板と、
前記第1基板上に配置された複数の配線を有する配線部と、を含み、
前記配線部は、互いに隣接する2つの配線によって範囲が区切られる広間隔部を有し、
前記広間隔部で前記2つの配線間の間隔は、広間隔部と隣接した領域での間隔よりも大きく、
前記広間隔部は、前記ベゼル部と重な
り、
前記広間隔部は、超音波検査領域である、表示装置。
【請求項22】
前記配線は、前記広間隔部を挟む箇所を除き、この近傍にて、前記表示装置の外縁に沿って互に並行に延びている、請求項21に記載の表示装置。
【請求項23】
前記広間隔部は、平面形状が、円形、楕円形、卵円形、または、角を丸めた正方形または正五角形であり、前記広間隔部で前記2つの配線間の
最大間隔は、100μm~300μmである、請求項21に記載の表示装置。
【請求項24】
前記広間隔部は、前記第1基板と前記粘着層との間の空間で導電体と重ならない、請求項21に記載の表示装置。
【請求項25】
前記ウィンドウと前記粘着層との間に配置されたタッチパネルをさらに含む、請求項21に記載の表示装置。
【請求項26】
前記表示パネルの縁に沿って延びるようにして、前記ベゼル部と前記粘着層との間に重なるように配置された金属層をさらに含む、請求項21に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に粘着層を有する表示装置に対するものである。
【背景技術】
【0002】
最近では、表示装置として、液晶表示装置(liquid crystal display;LCD)、有機発光表示装置(organic light emitting diode display;OLED display)、プラズマ表示装置(plasma display panel;PDP)、電気泳動表示装置(electrophoretic display)などといった平板表示装置(flat panel display)が使用されている。
【0003】
表示装置は、順次に積層された複数の層を含む。これらの複数の層が相互に固定されるようにするために、隣接する2つの層の間に粘着層が配置される。例えば、表示パネルの表示面に、タッチパネル、透明保護板(ウィンドウ)または光学シートが、透明の粘着層(Optically Clear Adhesive layer)を介して貼り付けられる。
【0004】
粘着層として、例えば、硬化によって安定した接着力を有する光硬化性粘着層が使用され得る。これらの光硬化性粘着層は、十分に硬化されていない場合、弱い接着力を持ち、時間が経つにつれて接着力が弱くなりうる。従って、光硬化性粘着層が十分に硬化されたか否かを確認する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施例は、粘着層が硬化したか否かを容易に確認できる表示装置を提供しようとする。
【0006】
また、本発明の他の一実施例は、超音波透過領域を持つ表示装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明の一実施例は、表示部と非表示部を有する表示パネルと、前記表示パネル上に配置されたウィンドウと、前記ウィンドウに配置され、前記非表示部と重なるベゼル部と、前記表示パネルと前記ウィンドウとの間に配置された粘着層と、前記ベゼル部と前記粘着層との間に重なるように介在された中問層(interlayer)と、を含み、前記中問層は、前記ベゼル部と重なる少なくとも一つのスルーホールを有する表示装置を提供する。
【0008】
前記表示装置は、前記ウィンドウと前記粘着層との間に配置されたタッチパネルをさらに含む。
【0009】
前記タッチパネルは、前記中問層と連結される。
【0010】
前記中問層は、前記表示部と重ならず、前記ウィンドウの縁に沿って閉曲線を形成する。
【0011】
前記中問層は、導電性を有する。
【0012】
前記中問層は、金属及び透明導電性酸化物(TCO)のうちの少なくとも一つを含む。
【0013】
前記スルーホールは、100μm~300μmの直径を持つ。
【0014】
前記スルーホールは、前記ウィンドウと前記粘着層との間の空間で導電体と重ならない。
【0015】
前記粘着層は、光硬化性を持つ。
【0016】
前記粘着層の少なくとも一部は、前記スルーホールによって定義される空間に配置される。
【0017】
前記粘着層は、前記スルーホールを介して前記ベゼル部と接触する。
【0018】
前記表示パネルは、第1基板と、前記第1基板と対向配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置された液晶層と、を含む。
【0019】
前記表示パネルは、第1基板と、前記第1基板上に配置された第1電極と、前記第1電極上に配置された有機発光層と、前記有機発光層上に配置された第2電極と、を含む。
【0020】
本発明の他の一実施例は、表示部と非表示部を有する表示パネルと、前記表示パネル上に配置されたウィンドウと、前記ウィンドウに配置され、前記非表示部と重なり合うベゼル部と、前記表示パネルと前記ウィンドウとの間に配置された粘着層と、前記ベゼル部と前記粘着層との間に重なるように介在された中問層と、を含み、前記中問層は、平面図で見た場合の凹部を有し、前記凹部は、前記ベゼル部と重畳する表示装置を提供する。
【0021】
前記中問層は、平面図で見て前記表示部を取り囲んでいる。
【0022】
前記凹部は、前記表示部に向かって開いている。
【0023】
前記凹部は、前記ウィンドウと前記粘着層との間の空間で導電体と重ならない。
【0024】
前記表示装置は、前記ウィンドウと前記粘着層との間に配置されたタッチパネルをさらに含む。
【0025】
前記凹部は、100μm~300μmの直径を持つ。
【0026】
前記中問層は、導電性を有する。
【0027】
本発明のまた他の一実施例は、表示部と非表示部を有する表示パネルと、前記表示パネル上に配置されたウィンドウと、前記ウィンドウ上に配置され、前記非表示部と重なり合うベゼル部と、前記表示パネルと前記ウィンドウとの間に配置された粘着層と、を含み、前記表示パネルは、第1基板と、前記第1基板上に配置された複数の配線を有する配線部と、を含み、前記配線部は、互いに隣接する2つの配線によって範囲が区切られる広間隔部を有し、前記広間隔部で前記2つの配線間の間隔は、広間隔部と隣接した領域での間隔よりも大きく、前記広間隔部は、前記ベゼル部と重畳する表示装置を提供する。
【0028】
前記広間隔部は、超音波検査領域である。
【0029】
前記広間隔部で前記2つの配線間の間隔は、100μm~300μmである。
【0030】
前記広間隔部は、前記第1基板と前記粘着層との間の空間で導電体と重ならない。
【0031】
前記表示装置は、前記ウィンドウと前記粘着層との間に配置されたタッチパネルをさらに含む。
【0032】
前記表示装置は、前記ベゼル部と前記粘着層との間に配置された金属層をさらに含む。
【発明の効果】
【0033】
本発明の一実施例による表示装置は、粘着層が硬化したか否かを確認できる超音波透過領域を持つ。これらの超音波透過領域を介して超音波を照射して粘着層が硬化したか否かを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施例による表示装置の斜視図である。
【
図2】
図1のI-I’に沿って切った断面図である。
【
図3】ウィンドウと中問層の配置に対する平面図である。
【
図4】
図3のII-II’に沿って切った断面図である。
【
図5】光照射及び超音波照射を説明する断面図である。
【
図6】本発明の他の一実施例による表示装置の部分断面図である。
【
図7】本発明のまた他の一実施例によるウィンドウと中問層の配置に対する平面図である。
【
図8】
図7のIII-III’に沿って切った断面図である。
【
図9】本発明のまた他の一実施例による表示装置の平面図である。
【
図12】本発明のまた他の一実施例による表示パネルの画素配置に対する平面図である。
【
図14】本発明のまた他の一実施例による表示パネルの画素配置に対する平面図である。
【
図16】本発明のまた他の一実施例による表示パネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0036】
本発明は、様々な変更が可能であり、様々な形態で実施され得るところ、特定の実施例のみが図面に例示され、これを中心に、本発明が説明される。だからと言って、本発明の範囲がこれらの特定の実施例に限定されるものではない。本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物は、本発明の範囲に含まれるものと理解されるべきである。
【0037】
図面で各構成要素とその形状などが簡略に描かれたり、または誇張されて描かれたりし、実際製品にある構成要素が表現されず、省略されることもある。したがって、図面は、発明の理解を助けるためのものと解釈されるべきである。また、同一の機能をする構成要素は、同一の符号で表示される。
【0038】
ある層や構成要素が異なる層や構成要素の‘上’にあると記載されのは、ある層や構成要素が異なる層や構成要素と直接接触して配置された場合だけでなく、その間に第3の層が介在されて配置された場合まですべて含む意味である。
【0039】
ある部分が他の部分と連結されているとするとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を置いて電気的に連結されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を含むとするとき、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除去するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0040】
本明細書において、第1、第2、第3などの用語は、様々な構成要素などを説明するのに使用されるが、構成要素などがこれらの用語によって限定されるものではない。前記用語などは、一つの構成要素を他の構成要素などから区別する目的で使用される。例えば、本発明の権利範囲から逸脱せずに、第1構成要素が、第2または第3構成要素などと命名されることができ、同様に、第2または第3構成要素も交互的に命名され得る。例えば、“A”という構成要素は、“第1A”、“第2A”または“第3A”と表現され得る。
【0041】
空間的に相対的な用語である“下(below)”、“下(beneath)”、“下部(lower)”、“上(above)”、“上部(upper)”などは、図面に示されているように、一つの素子または構成要素などと異なる素子または構成要素などとの相関関係を容易に記述するために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて使用時または動作時、素子の互いに異なる方向を含むものと理解されるべきである。例えば、図面に示されている素子を裏返す場合、他の素子の“下(below、beneath)”に配置されたものとして記述された素子は、他の素子の“上(above)”に置かれることとなりうる。したがって、例示的な用語である“下”は、下と上の方向の両方を含むことができる。素子は、他の方向を向くように配置することもでき、これにより、空間的に相対的な用語は、素子の配置方向にしたがって解釈され得る。なお、本願において「重なる」とは、平面表示装置または表示パネルなどの「平面図で見た場合」に、互いに重なっていることを意味するものとする。
【0042】
他の定義がなければ、本明細書で使用されるすべての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に共通的に理解され得る意味で使用され得るだろう。また、一般的に使用される事前に定義されている用語は、明白に特別に定義されていない限り、過度に解釈されない。
【0043】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は、省略されており、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素については、同一の参照符号が付けられる。
【0044】
以下、
図1~
図5を参照して本発明の一実施例を説明する。
【0045】
図1は、本発明の一実施例による表示装置101の斜視図であり、
図2は、
図1のI-I’に沿って切った断面図である。
【0046】
図1及び
図2に示された表示装置101は、平板状のウィンドウ510と、ウィンドウ510と結合されて収納空間を形成するトレイ状のケース530と、ウィンドウ510とケース530によって作られた平板状の空間に配置された表示パネル110と、を含む。ここで、ウィンドウ510は、表示パネル110における、少なくとも表示領域の全体を覆う、透明材料からなる保護板である。
【0047】
表示パネル110は、支持部540と共にケース530に装着される。支持部540は、例えば、クッション部材であり得るが、これに限定されるものではない。支持部540に、表示パネル110の駆動のための素材などを配置することもでき、例えば、バッテリーなどを配置することもできる。
【0048】
表示パネル110は、表示部DAと非表示部NDAを有する。表示部DAは、画像が表示される部分である。非表示部NDAは、例えば、表示部DAを囲む形態を有することができる。表示パネル110としては、例えば、液晶表示パネル、有機発光表示パネルなどがある。表示パネル110の詳細な構造は後述する。
【0049】
表示パネル110上に配置されたウィンドウ510は、ガラス、プラスチックなどの光透過性部材で作られうる。
【0050】
ウィンドウ510は、一実施形態において、ガラス材で形成されるカバーガラス(ガラスフィルム)であり、具体例によると、アルミノシリケートガラス(aluminosilicate glass)、ソーダライムガラス(soda‐lime glass)などからなる厚さ0.15~0.4mmのガラス板に、これより厚みの小さい、樹脂フィルム(resin film)、コーティング層(coating layer)などが、適宜に積層されたものである。ウィンドウ510は、他の一実施形態において、アクリレート、ポリカーボネートなどからなるプラスチック板に、コーティング層(coating layer)、透明粘着剤層(Optically Clear Adhesive layer)などが、適宜に積層されたものである。
【0051】
ベゼル部520は、ウィンドウ510に備え付けられるように配置され、表示パネル110の非表示部NDAと重なり合う。
図1及び
図2を参照すると、ウィンドウ510の縁部の全体にわたってベゼル部520が配置される。例えば、ウィンドウ510の縁部に不透明コーティング層を形成することによってベゼル部520が作られるうる。ベゼル部520は、ウィンドウ510の表面から突出することもできる。
【0052】
これと異なり、ウィンドウ510の縁に沿って延びる凹陥部を形成した後、この凹陥部に不透明コーティング層を充填することによっても、ベゼル部520が作られうる。この場合、ベゼル部520は、ウィンドウ510の表面から突出しないのでありうる。
【0053】
ベゼル部520は、特には、ウィンドウ510の縁部の下面に配置することができる。すなわち、ウィンドウ510の縁部と、表示パネル110の周縁の非表示部NDAとの間に配置することができる。ベゼル部520は、外見上、表示装置の表側に取り付けられる枠縁状の金属フレーム(ベゼル)のように見える部分であって、表示装置の外観デザインまたは遮光などの目的で設けられるのでありうる。そのため、ベゼル部520は、
図1及び
図3に示すように、表示パネル110がなす長方形の一方の短辺に沿った箇所では、駆動回路部を覆うように他の部分より幅広でありうる。
【0054】
ベゼル部520は、顔料などの着色料を含有するコーティング層に代えて、長方形リング状に打ち抜いた不透明フィルムを貼り付けることで設けることもできる。ベゼル部520は、ウィンドウ510の表面から突出する場合の突出寸法が、例えば0.1~0.2mmであり、タッチパネル560の厚みが例えば1~2mmであるのに比べて、通常、かなり小さい。
【0055】
表示パネル110とウィンドウ510との間に粘着層570が配置される。また、ベゼル部520と粘着層570との間に中問層(interlayer)550が介在される。
図2を参照すると、ウィンドウ510と粘着層570との間にタッチパネル560が配置される。粘着層570によってタッチパネル560は、表示パネル110に取り付けられる。
【0056】
タッチパネル560は、タッチを認識して情報を入力する手段である。タッチパネル560は、タッチを認識するための複数のセンサー電極を含むことができる。タッチパネル560の種類が、特に限定されるものではない。
【0057】
タッチパネル560は、中問層550と連結され得る。本発明の一実施例によると、中問層550は、導電性を有することができる。導電性を有する中問層550は、例えば、接地部(ground)の役割をすることができる。これらの中問層550は、タッチパネル560における静電気の発生を防止することができる。また、中問層550は、タッチパネル560を他の端子または装置と連結する配線の役割をすることもできる。中問層550の役割は、中問層550の材料または設計などによって変わることができる。
【0058】
中問層550は、金属を含むことができる。中問層550は、金属以外の他の元素をさらに含むこともでき、含まないこともできる。例えば、中問層550は、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)及びチタン(Ti)のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0059】
中問層550は、単一層で作られることもでき、複数個の層が積層された積層構造を持つこともできる。中問層550は、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などの金属で作られた金属層を含むことができる。また、中問層550は、ITO、IZO、AZO、IGZOなどといった透明導電性酸化物(TCO)でも作られうる。すなわち、中問層550は、金属層及び透明導電性酸化物(TCO)層のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0060】
中問層550は、具体的な一実施形態において、金属シート、金属層及び樹脂層からなる積層シート、または、金属メッシュを樹脂中に埋め込んだシートを、角を丸めた長方形リング状に打ち抜いた形の導電部材でありうる。この中問層550としての部材は、例えば、タッチパネル560に嵌め合わせておき、タッチパネル560とともに、光硬化前の粘着層570を介して、表示パネル110に貼り付けることができる。中問層550の厚みは、タッチパネル560の厚みと実質的に同一とすることができる。
【0061】
図3は、ウィンドウ510と中問層550の配置に対する平面図であり、
図4は、
図3のII-II’に沿って切った断面図である。
【0062】
図3及び
図4を参照すると、中問層550は、ベゼル部520上に配置される。中問層550は、表示パネル110の表示部DAと重らないようにして、ウィンドウ510の縁に沿って閉曲線を形成する。
【0063】
また、中問層550は、ベゼル部520と重なるように配置される少なくとも一つのスルーホール552を有する。例えば、中問層550は、基材部551及び基材部551の一部が除去されて形成されたスルーホール552を有することができる。ここで、基材部551は、例えば、導電性物質で作られうる。
【0064】
スルーホール552は、超音波を通過させる。超音波を利用して粘着層570が硬化したか否かを確認する超音波検査過程において、スルーホール552は、超音波検査領域になる。本発明の一実施例において、超音波検査領域は、超音波を通過させて超音波検査が行われるようにする領域を意味する。したがって、超音波検査領域は、超音波通過領域ともいえる。
【0065】
このように、スルーホール552によって範囲が決められる超音波検査領域が確保される場合、円滑な超音波検査が行われることができる。それに応じて、粘着層570が硬化したか否かまたは未硬化不良か否かを確認することができる。
【0066】
超音波を通過させることができさえすれば、スルーホール552の大きさに制限があるわけではない。スルーホール552の大きさが小さければ、超音波通過に困難がありうるのであり、スルーホール552の大きさが不必要に大きな場合、スルーホール552が過度な面積を占めて、それに応じて、ベゼル部520の面積の大きくなる問題点がある。スルーホール552の大きさは、スルーホール552の直径で表示され得る。
【0067】
超音波発生器の大きさまたは超音波検査用プローブの大きさを考慮するとき、スルーホールは、例えば、100μm~300μmの直径を持つことができる。
【0068】
スルーホール552の形状に特別な制限があるわけではない。スルーホール552は、円形、楕円形(ellipse)、卵円形(ovoid)、半円形、多角形などの平面形状を有することができる。例えば、スルーホール552は、四角形または五角形の平面形状、特には正方形または正五角形の平面形状を有することもできる。
【0069】
超音波は、互いに異なる材質からなる層同士の間の界面で伝播速度が変わりうるのであり、反射が起こりうる。例えば、超音波の通過領域に中問層550が介在される場合、中問層550と他の層との間の界面で、超音波の進行速度が変わりうるのであり、超音波が反射しうる。したがって、超音波の通過領域に層間の界面が複数存在する場合、超音波検査の速度及び正確度が低下しうる。
【0070】
特に、超音波の通過領域に金属といった導電体が存在する場合、正確な超音波検査が行われないことがありうる。超音波通過領域に金属のような導電体が存在する場合、超音波の進行速度または超音波の反射特性が変わりうるのであり、それに伴い超音波検査の過程で信号の撹乱が起こりうる。
【0071】
本発明の一実施例によると、スルーホール552は、ウィンドウ510の縁部と、粘着層570の縁部との間の空間で、導電体と重ならない。この空間は、特には、タッチパネル560を囲む長方形リング状の空間である。すなわち、ウィンドウ510と粘着層570との間のスルーホール552の領域には導電体が配置されない。それに伴い、より正確な超音波測定が可能となっている。
【0072】
図5は、光照射及び超音波照射を説明する断面図である。
【0073】
粘着層570は、表示パネル110とタッチパネル560とを互いに取り付けるために使用される。表示パネル110とタッチパネル560との間に粘着剤組成物を配置して粘着層570を形成した後、粘着層570に光を照射して粘着層570を硬化させることにより、粘着層570が安定した接着力を持つようにすることができる。このように、光硬化によって安定した接着力を持つ粘着層570は、光硬化性粘着層とも呼ばれている。
【0074】
図5を参照すると、ウィンドウ510を介して光L1が照射されて、粘着層570が硬化され得る。このとき、光L1として、紫外線UVが照射され得る。
【0075】
ところが、ベゼル部520の下部には、光L1が遮断され、ベゼル部の下部に位置する粘着層570は、十分に硬化されないこともありうる。ベゼル部520の下部における未硬化を防止するために、粘着層570の側面から光L2、例えば紫外線が照射されることもある。側面から照射される光L2の透過率には限界があるので、ベゼル部520の下部、例えば、
図5の“A”領域に位置する粘着層570が十分に硬化されないこともありうる。粘着層570が十分に硬化されない場合、粘着層570が強い接着力を持たないのでありえ、時間が経つにつれて粘着層570の接着力が弱くなるのでありうる。
【0076】
したがって、ベゼル部520下部の粘着層570が十分に硬化されたことを確認するために、超音波検査が実施され得る。超音波検査のために、ベゼル部520の下部に超音波SSが照射される。超音波SSは、スルーホール552を介して粘着層570まで照射される。ウィンドウ510と粘着層570との間のスルーホール552に中問層550が存在しない場合、特には金属などの導電体が存在しない場合、安定した超音波検査が可能である。このために、ウィンドウ510と粘着層570との間の空間でスルーホール552が中問層550または導電体と重らないようにすることができる。
【0077】
スルーホール552の大きさと間隔は、表示装置101の大きさに応じて変わりうる。また、中問層550の一端からスルーホール552までの距離は、中問層550の幅に応じて変わりうる。例えば、中問層550の一端からスルーホール552の中心までの距離は、150μm~300μm程度であり得る。
【0078】
なお、粘着層570には、「Optically Clear Adhesive」として市販されている各種の粘着シート製品や、「Liquid optically clear adhesive」として市販されている各種の液状製品を用いることができる。粘着層570は、例えば、WO2013/088889に記載されたように、(メタ)アクリル基含有ポリオレフィン化合物と、(メタ)アクリル系モノマーと、光重合開始剤とを含むものを用いることができる。
【0079】
図6は、本発明の他の一実施例による表示装置102の部分断面図である。
図6を参照すると、粘着層570の少なくとも一部は、スルーホール552によって区切られる空間、すなわちスルーホール552の内部の空間に配置され得る。例えば、粘着層570の形成のための粘着剤組成物がスルーホール552に充填された後、硬化が行われ、粘着層570の少なくとも一部がスルーホール552を充填する構造が作られうる。
【0080】
また、
図6を参照すると、粘着層570は、スルーホール552を介してベゼル部520と接触することができる。
【0081】
図7は、本発明のさらに他の一実施例によるウィンドウ510と中問層550の配置に対する平面図であり、
図8は、
図7のIII-III’に沿って切った断面図である。
【0082】
図7を参照すると、中問層550は、上記のスルーホール552に代えて、平面図で見た場合の凹部553を有し、凹部553は、厚み方向に貫通しており、ベゼル部520と重なる。平面図を基準に、凹部553は、窪んだ湾(bay)の形態を有する。例えば、凹部553は、中問層550を構成する基材部551の一部が除去されて作られうる。すなわち、凹部553は、基材部551の曲線型の境界を輪郭とするものであり得る。
【0083】
図7及び
図8を参照すると、中問層550は、表示部DAを囲んでいる。中問層550は、ウィンドウ510の縁に沿って延びる閉曲線を形成する。
図7によると、凹部553は、表示部DAに向かって開いている。
【0084】
凹部553は、ウィンドウ510と粘着層570との間の空間にて金属などの導電体と重ならない。
【0085】
図8を参照すると、ウィンドウ510と粘着層570との間にタッチパネル560が配置される。この場合、凹部553は、その開口が、タッチパネル560の周面によって塞(ふさ)がれるのでありうる。
【0086】
しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるものではない。凹部553は、表示部DAの反対方向に向かって開いたものとすることもできる。
【0087】
凹部553の大きさは、直径で表示され得る。凹部553は、100μm~300μmの直径を持つことができる。凹部553は、超音波を通過させて、円滑な超音波検査が行われるようにする。
【0088】
図8に、凹部533によって範囲が区切られる空間が粘着層570で満たされないことが示されている。しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるものではなく、凹部533内の空間が粘着層570で充填されるのでもありうる。
【0089】
すなわち、粘着層570の少なくとも一部は、凹部533によって範囲が区切られる空間に配置され得る。例えば、粘着層570の形成のための粘着剤組成物が凹部533に充填された後、硬化が行われて、粘着層570の少なくとも一部が、凹部533を充填する構造が作られるのでありうる。
【0090】
以上に説明した実施形態において、中間層550に設けられるスルーホール552や凹部533は、厚み方向に貫通しているものとして説明した。しかし、例えば、中間層が金属層または金属メッシュと、エラストマー樹脂層との積層シートからなるならば、場合によっては、金属層または金属メッシュが省かれ、エラストマー樹脂層が残るものでも良い。
【0091】
図9は、本発明のさらに他の一実施例による表示装置104の平面図である。
図10は、
図9の一部分についての詳細な平面図であり、
図11は、
図10のIV-IV’に沿って切った断面図である。
【0092】
図9、
図10及び
図11を参照すると、本発明のさらに他の一実施例による表示装置104は、表示部DAと非表示部NDAを有する表示パネル110と、表示パネル110上に配置されたウィンドウ510と、ウィンドウ510上に配置され、非表示部NDAと重なるベゼル部520と、表示パネル110とウィンドウ510との間に配置された粘着層570と、を含む。表示装置104は、ベゼル部520と粘着層570との間に配置された中問層550をさらに含むことができる。中問層550は、導電性を有することができる。中問層550は、例えば、金属を含む。
【0093】
表示パネル110は、第1基板111及び配線部130を含む。配線部130は、第1基板111上に配置された複数の配線を有する。また、配線部130は、互いに隣接する2つの配線w1、w2によって挟まれる広間隔部135を有する。広間隔部135において2つの配線w1、w2間の間隔は、広間隔部と隣接した領域における間隔よりも大きい。広間隔部135は、ベゼル部520と重なる。
【0094】
図9に示された表示装置104は、液晶表示装置である。しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるものではなく、
図9に示された構造は、有機発光表示装置にも適用され得る。
【0095】
図9に示された表示装置104は、映像を表示する表示パネル110、及び、表示パネル110にデータ電圧を供給するデータ駆動部340を含む。ここでの表示パネル110は、液晶表示パネルである。
【0096】
表示パネル110は、第1基板111と、第1基板111と向き合う第2基板112と、第1基板111と第2基板112との間に介在された液晶層LCを含む。また、表示パネル110は、映像を表示する表示部DAと映像を表示しない非表示部NDAを含む。
【0097】
配線部130は、第1基板111上に配置される。配線部は、複数のゲートラインGL、複数のデータラインDL及び他の信号ラインなどを含み、複数の薄膜トランジスタTFTを含む。ゲートラインGL、データラインDL、他の信号ライン及び電源ラインなどを含む導電性ラインを区別せずに配線とする。
【0098】
具体的に、複数のゲートラインGL、及び、複数のゲートラインGLと絶縁されて交差する複数のデータラインDLが表示部DAに配置される。また、ゲートラインGL及びデータラインDLと連結されて画像を表示する画素PXが、表示部DAに配置される。
【0099】
ゲート駆動部120は、複数のゲートラインGLと連結されて非表示部NDAに配置される。ゲート駆動部120は、複数のゲートラインGLと電気的に連結されて、ゲート電圧を複数のゲートラインGLに順次に印加する。
【0100】
データ駆動部340は、複数のデータラインDLと連結されて非表示部NDAに配置される。データ駆動部340は、複数の駆動回路基板320a、320b、320c、320d、320eを含む。例えば、複数の駆動回路基板320a、320b、320c、320d、320eは、テープキャリアパッケージ(tape carrier package;TCP)またはチップオンフィルム(chip on film;COF)と呼ばれるものであり得る。複数の駆動回路基板320a、320b、320c、320d、320eに、複数のデータ駆動集積回路321a、321b、321c、321d、321eがそれぞれ実装される。複数のデータ駆動集積回路321a、321b、321c、321d、321eは、複数のデータラインDLに電気的に連結されて、複数のデータラインDLにデータ電圧を供給する。
【0101】
表示装置104は、ゲート駆動部120と複数のデータ駆動集積回路321a、321b、321c、321d、321eの駆動を制御するためのコントロール印刷回路基板330をさらに含む。コントロール印刷回路基板330は、複数のデータ駆動集積回路321a、321b、321c、321d、321eの駆動を制御するデータ制御信号と映像データを出力し、ゲート駆動部120の駆動を制御するゲート制御信号を出力する。
【0102】
コントロール印刷回路基板330は、外部から映像データの入力受けて、データ制御信号とゲート制御信号を生成するタイミングコントローラ331、及びゲート制御信号を生成するゲート制御回路332を含むことができる。しかし、本発明の一実施例がこのような構造に限定されるものではない。
【0103】
タイミングコントローラ331は、複数のデータ駆動集積回路321a、321b、321c、321d、321eとゲート駆動部120の駆動を制御する。ゲート制御回路332は、ゲート駆動部120の駆動のためのクロック信号、ゲート信号の開始を知らせる開始信号などを生成する。
【0104】
コントロール印刷回路基板330は、データ制御信号と映像データを複数の駆動回路基板320a、320b、320c、320d、320eを介して複数のデータ駆動集積回路321a、321b、321c、321d、321eに印加する。また、コントロール印刷回路基板330は、ゲート駆動部120に隣接する駆動回路基板320aを介してゲート制御信号をゲート駆動部120に印加する。
【0105】
しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるものではなく、複数のデータ駆動集積回路321a、321b、321c、321d、321eは、表示パネル110に直接装着されるとか、可撓性印刷回路膜(flexible printed circuit film)(図示せず)上に装着されて表示パネル110に取り付けられるとか、別の印刷回路基板(printed circuit board)(図示せず)上に装着されることもできる。また、複数のデータ駆動集積回路321a、321b、321c、321d、321eは、ゲートラインGL及び薄膜トランジスタと共に表示パネル110に集積されることもできる。また、複数のデータ駆動集積回路321a、321b、321c、321d、321e、タイミングコントローラ331、及びゲート制御回路332は、単一のチップで集積されることもできる。
【0106】
図10及び
図11を参照すると、第1基板111上に複数のゲートラインGL、複数のデータラインDL及び複数の画素PXが配置される。
【0107】
また、第1基板111上の非表示部NDAにデータリンク配線114a、共通電圧配線部115a、ゲートリンク部116a、及びゲート駆動部120が配置される。ゲート駆動部120は、複数のステージSTを含む。第1基板111上の表示部DAには、画素電極PEが配置される。第2基板121上には、遮光部BM、カラーフィルタCF、共通電極CEなどが配置される。
【0108】
データリンク配線114aは、データラインDLから延長されて、データ駆動部340とデータラインDLを電気的に接続させる。
【0109】
共通電圧配線部115aは、一定の間隔を有するように配置された複数の共通電圧配線115を含む。複数の共通電圧配線115の一方の端部は、一つの共通電圧延長配線115bを経て共通電圧生成部(図示せず)と接続する。
【0110】
複数の共通電圧配線115は、共通電極CEに電気的に連結される。
【0111】
ゲートリンク部116aは、共通電圧配線部115aとゲート駆動部120との間に配置された複数の信号ライン116を含む。ゲートリンク部116aは、様々な配線などを含み、例えば、ゲートスタート信号ライン、複数のクロック信号ライン、正方向信号ライン、逆方向信号ライン、リセット信号ライン、基底電圧ラインなどを含む。ゲートリンク部116aの各信号ライン116の一端は、タイミングコントローラ331またはゲート制御回路332と連結される。また、ゲートリンク部116aの各信号ライン116の他端は、信号連結配線116bを介してゲート駆動部120に選択的に連結される。
【0112】
ゲート駆動部120は、画素PXの薄膜トランジスタTFTと共に形成される。このように、ゲート駆動部120が画素PXの薄膜トランジスタTFTと同一の基板上に形成された構造は、アモルファスシリコンゲート(amorphous silicon gate;ASG)構造とも呼ばれている。
【0113】
ゲート駆動部120は、ゲートリンク部116aから供給されるゲートスタート信号ライン、複数のクロック信号ライン、正方向信号ライン、逆方向信号ライン、リセット信号ライン、及び基底電圧ラインによってゲート信号を生成してゲートラインGLに供給する。このために、ゲート駆動部120は、ゲートラインGLとそれぞれ接続された複数のステージSTを含む。複数のステージSTは、それぞれゲートラインGLにゲート信号を印加する。また、隣接したステージSTなどは、キャリー信号を伝達するキャリーラインCLによって互いに連結される。
【0114】
例えば、複数のステージSTのそれぞれは、ゲートスタート信号ライン、または、以前段ステージから供給されるゲートスタート信号に応答して、複数のクロック信号ラインのうちのいずれか一つから供給されるクロック信号であるゲート信号をゲートラインGLに供給する。ゲートラインGLは、ゲート駆動部120に連結されてゲート信号を画素PXに印加する。
【0115】
ステージSTと画素PXなどとの間にデータラインDLなどが配置される。
図10を参照すると、ステージSTと、画素PXの配列部との間でデータラインDLは、階段状に延長される。しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるものではなく、ステージSTと、画素PXの配列部との間でデータラインDLは、斜線または曲線状に延長されるのでもありうる。
【0116】
図11を参照すると、表示装置104は、第1基板111と題2基板112を密封するシール部140を含む。シール部140は、遮光部BMと重なり合うように配置され、ゲート駆動部120のステージSTの一部とも重なるように配置される。シール部140は、当業界で通常的に使用される材料を利用した通常の方法で作られうる。
【0117】
図11を参照すると、第1基板111上に共通電圧配線部115aとゲートリンク部116aが配置され、その上にゲート絶縁膜131、層間絶縁膜169及び保護層132が配置される。また、ステージSTを互いに連結するキャリーラインCLも、共通電圧配線部115a及びゲートリンク部116aと、同一の層に配置される。
【0118】
図10及び
図11を参照すると、ゲートリンク部116aを構成する複数の信号ライン116の間に広間隔部135が形成される。このように、広間隔部135は、複数の配線によって囲まれるようにして範囲が区切られるのであり得る。
【0119】
具体的に、広間隔部135は、広間隔部135を挟んで対向する2つの配線W1、W2によって囲まれた領域であり得る。
図10を参照すると、広間隔部135を囲む2つの配線W1、W2は、ゲートリンク部116aの複数の信号ライン116である。
図10において、ゲートリンク部116aの一群の信号ライン116のうちの少なくとも2つの信号ラインが広間隔部135を定義する。
【0120】
広間隔部135において、2つの配線W1、W2間の間隔は、広間隔部と隣接した領域での間隔よりも大きい。
【0121】
広間隔部135は、複数のデータリンク配線114aの間にも、また、複数の共通電圧配線部115aの間にも形成され得る(図示せず)。
【0122】
広間隔部135の形状に特別な制限があるわけではない。広間隔部135は、円形、楕円形、卵円形、半円形、多角形の平面形状を有することができる。例えば、広間隔部135は、四角形または五角形の平面形状、特には、角を丸めた正方形または正五角形の平面形状を有することもできる。
【0123】
広間隔部135を介して超音波が通過されて、超音波検査が行われうる。したがって、広間隔部135は、超音波検査領域になる。超音波検査によって、広間隔部135の上部に位置する粘着層570が硬化したか否かまたは硬化の程度が確認され得る。
【0124】
ベゼル部520の下部に中問層550が配置されているため、ウィンドウ510を介して超音波照射が円滑ではない場合、第1基板111の下部から超音波が照射されて、超音波検査が行われうる。この際、第1基板111上の複数の配線の間に形成された広間隔部135を介して超音波SSが照射され得る。なお、この超音波検査は、表示パネル110とウィンドウ510とを含む積層体を形成して紫外線などの光を照射した後であって、トレイ状のケース530を組み付ける前に行うことができる。
【0125】
広間隔部135の大きさは、広間隔部135を挟んで囲む2つの配線W1、W2間の最大間隔で定義され得る。広間隔部135において2つの配線W1、W2間の最大間隔は、100μm~300μmである。
【0126】
金属などの導電体による超音波信号の撹乱を防止するために、広間隔部135は、第1基板111と粘着層570との間で導電体と重らないのでありうる。
【0127】
図11を参照すると、表示装置104は、ウィンドウ510と粘着層570との間に配置されたタッチパネル560を含む。タッチパネル560は、中問層550と連結され得る。
【0128】
図12は、本発明のまた他の一実施例による表示パネルの画素配置に対する平面図であり、
図13は、
図12のV-V′に沿って切った断面図である。
【0129】
【0130】
図12と
図13の液晶表示パネルは、表示基板ASと、対向基板USと、表示基板ASと対向基板USとの間に配置された液晶層LCと、を含む。
【0131】
表示基板ASは、第1基板111と、薄膜トランジスタTFTと、画素電極PEと、ゲート絶縁膜131と、保護層132と、を含む。薄膜トランジスタTFTは、半導体層SMと、抵抗性接触層OCと、ゲート電極GEと、ソース電極SEと、ドレイン電極DEと、を含む。
【0132】
第1基板111は、透明なガラスまたはプラスチックなどからなる。
【0133】
第1基板111上に複数のゲートラインGL及びゲート電極GEが配置される。ゲート電極GEは、ゲートラインGLと一体に構成される。ゲートラインGL及びゲート電極GEは、アルミニウムAlやアルミニウム合金といったアルミニウム系列の金属、銀(Ag)や銀合金といった銀系列の金属、銅(Cu)や銅合金といった銅系列の金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金といったモリブデン系列の金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)及びチタン(Ti)のうちのいずれか一つで作られうる。ゲートラインGL及びゲート電極GEのうちの少なくとも一つは、物理的性質が異なる少なくとも2つの導電膜を含む多重膜構造を持つこともできる。
【0134】
ゲート絶縁膜131は、ゲートラインGL及びゲート電極GEを含んだ第1基板111の全面に配置される。ゲート絶縁膜131は、窒化ケイ素SiNxまたは酸化ケイ素SiOxなどで作られることができる。または、ゲート絶縁膜131は、物理的性質が異なる少なくとも2つの絶縁層などを含む多重膜構造を持つことができる。
【0135】
半導体層SMは、ゲート絶縁膜131上に配置される。このとき、半導体層SMは、ゲート絶縁膜131の下部に位置したゲート電極GEと重なる。半導体層SMは、非晶質ケイ素または多結晶ケイ素などで作られることができる。半導体層SMは、酸化物半導体からなるのでありうる。
【0136】
抵抗性接触層OCは、半導体層SM上に配置される。例えば、抵抗性接触層OCは、チャンネル部分以外の半導体層SM上に配置される。
【0137】
また、ゲート絶縁膜131上に複数のデータラインDLが配置される。データラインDLは、ゲートラインGLと交差する。ソース電極SEは、データラインDLと一体に構成される。ソース電極SEは、抵抗性接触層OC上に配置される。ドレイン電極DEは、抵抗性接触層OC上に配置され、画素電極PEに連結される。
【0138】
データラインDL、ソース電極SE及びドレイン電極DEのうちの少なくとも一つは、モリブデン、クロム、タンタル及びチタンなどの耐火性金属(refractory metal)またはこれらの合金で作られうる。または、データラインDL、ソース電極SE及びドレイン電極DEのうちの少なくとも一つは、耐火性金属膜と低抵抗導電膜を含む積層膜構造を持つことができる。
【0139】
ゲート絶縁膜131、半導体層SM、データラインDL、ソース電極SE及びドレイン電極DEを含んだ第1基板111の全面に層間絶縁膜169が配置される。層間絶縁膜169は、絶縁性材料から作られうるのであり、特に、半導体層SMの露出部位であるチャンネル領域を保護する。
【0140】
本発明の一実施例において、第1基板111の表面から層間絶縁膜169との間の部分を配線部130といえる。
【0141】
層間絶縁膜169上に保護層132が配置される。保護層132は、配線部130の上部を平坦化する役割をする。したがって、保護層132は、平坦化膜とも呼ばれる。
【0142】
保護層132は、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)のような無機絶縁物で作られることができる。これと異なり、保護層132は、有機膜で作られることもできる。保護層132は、下部無機膜と上部有機膜からなる二層膜構造を持つこともできる。
【0143】
画素電極PEは、保護層132上に配置される。このとき、画素電極PEは、保護層132及び層間絶縁膜169を貫通して形成されたコンタクトホールCHを介してドレイン電極DEと連結される。画素電極PEは、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)などの透明な導電性物質で作られることができる。
【0144】
対向基板USは、第2基板121、カラーフィルタ層170及び共通電極CEを含む。
図13を参照すると、対向基板USは、遮光部BM及びパッシベーション膜150をさらに含む。パッシベーション膜150は、カラーフィルタ層170と共通電極CEとの間に配置され得る。パッシベーション層150は、省略され得る。
【0145】
第2基板121は、透明なガラスまたはプラスチックなどからなる。
【0146】
第2基板121上に遮光部BMが配置される。遮光部BMは、複数の開口部などを有する。開口部は、第1、第2及び第3画素PX1、PX2、PX3の各画素電極PEに対応して配置される。遮光部BMは、開口部などを除いた部分での光を遮断する。例えば、遮光部BMは、薄膜トランジスタTFT、ゲートラインGL及びデータラインDL上に位置して、これらを通過した光が外部に放出されることを遮断する。遮光部BMは、必ずしも必要なものではなく、省略されうる。
【0147】
カラーフィルタ層170は、第2基板121上に配置され、バックライト部(図示せず)から入射された光の波長を選択的に遮断する。
【0148】
カラーフィルタ層170は、カラーフィルタCFを含む。より具体的に、カラーフィルタ層170は、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2及び第3カラーフィルタCF3を含むことができる。
【0149】
第1、第2及び第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3は、遮光部BMによって互いに区分され得る。各カラーフィルタCF1、CF2、CF3は、画素PX1、PX2、PX3と重なり合うように配置される。例えば、各カラーフィルタCF1、CF2、CF3は、画素電極PEに対応して遮光部BMの開口部に位置することができる。
【0150】
カラーフィルタCF1、CF2、CF3は、少なくとも一部が互いに重なるように配置され得る。
【0151】
図13を参照すると、第1カラーフィルタCF1は、赤色画素PX1に対応され、第2カラーフィルタCF2は、緑色画素PX2に対応され、第3カラーフィルタCF3は、青色画素PX3に対応され得る。カラーフィルタ層170は、白色カラーフィルタ(図示せず)を含むこともでき、赤色、緑色、青色以外の他の色を有するカラーフィルタを含むこともできる。
【0152】
カラーフィルタ層170上にパッシベーション膜150が配置される。
【0153】
共通電極CEは、パッシベーション膜150上に配置される。例えば、共通電極CEは、第2基板121の全面に位置することができる。共通電極CEは、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなることができる。
【0154】
共通電極CEは、画素電極PEと共に液晶層LCに電界を印加する。これにより、共通電極CEと画素電極PEとの間の液晶層LCに電界が形成される。
【0155】
図示されなかったが、画素電極PE上に下部配向膜が配置され得る。下部配向膜は、垂直配向膜であり得、光反応物質を含むことができる。同様に図示されなかったが、共通電極CE上に上部配向膜が配置され得る。上部配向膜は、下部配向膜と同一の物質で作られうる。
【0156】
第1基板111と第2基板112との間の対向面(液晶層と接する内側の面)をそれぞれの基板の上部面と定義し、その上部面の反対側に位置した面(外側の面)をそれぞれの基板の下部面と定義するとき、第1基板111の下部面(外側の面)と第2基板112の下部面(外側の面)にそれぞれ偏光板が配置され得る。
【0157】
図14は、本発明のさらに他の一実施例による表示パネルの画素配置に対する平面図であり、
図15は、
図14のVI-VI’に沿って切った断面図である。
【0158】
具体的に、
図14及び
図15に示された表示パネルは、有機発光表示パネル105である。有機発光表示パネル105は、第1基板211、駆動回路部230及び有機発光素子310を含む。
【0159】
第1基板211は、ガラス、石英、セラミックス、及びプラスチックなどからなる群から選択された絶縁性材料で作られることができる。第1基板211として、高分子フィルムが使用されうる。
【0160】
第1基板211上にバッファー層220が配置される。バッファー層220は、種々の無機膜及び種々の有機膜のうちから選択された一つ以上の膜を含むことができる。バッファー層220は、省略することもできる。
【0161】
駆動回路部230は、バッファー層220上に配置される。駆動回路部230は、複数の薄膜トランジスタ10、20を含み、有機発光素子310を駆動する。すなわち、有機発光素子310は、駆動回路部230から伝達を受けた駆動信号に応じて、光を放出して画像を表示する。
【0162】
図14及び
図15には、一つの画素に、2つの薄膜トランジスタTFT10、20と、一つの蓄電素子(capacitor)80が備えられた2Tr-1Cap構造の能動駆動(active matrix;AM)型有機発光表示パネル105が示されている。しかし、本発明の一実施例がこのような構造に限定されるものではない。例えば、有機発光表示パネル105は、一つの画素に3つ以上の薄膜トランジスタと2つ以上の蓄電素子を含むことができ、別の配線をさらに含むことができる。ここで、画素は、画像を表示する最小単位をいい、有機発光表示パネル105は、複数の画素を通じて画像を表示する。
【0163】
一つの画素は、スイッチング薄膜トランジスタ10と、駆動薄膜トランジスタ20と、蓄電素子80と、有機発光素子(organic light emitting diode;OLED)310と、を含む。また、一方向に沿って延長されるゲートライン251、及び、ゲートライン251と絶縁されて交差されるデータライン271及び共通電源ライン272も、駆動回路部230に配置される。一つの画素は、ゲートライン251、データライン271及び共通電源ライン272を境界として範囲を区切られ得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。画素定義膜(画素区画用のバンプ)290またはブラックマトリックスによって各画素の範囲が区切られることもありうる。
【0164】
有機発光素子310は、第1電極311と、第1電極311上に配置された有機発光層312と、有機発光層312上に配置された第2電極313と、を含む。有機発光層312は、低分子有機物または高分子有機物からなる。第1電極311及び第2電極313からそれぞれ正孔と電子が有機発光層312内部に注入され、このように注入された正孔と電子が結合されて形成されたエキシトン(exiton)が励起状態から基底状態に落ちるとき、発光が行われる。
【0165】
蓄電素子80は、層間絶縁膜260を挟んで配置された一対の蓄電板258、278を含む。ここで、層間絶縁膜260は、誘電体となる。蓄電素子80で蓄電された電荷と両蓄電板258、278との間の電圧によって蓄電容量が決定される。
【0166】
スイッチング薄膜トランジスタ10は、スイッチング半導体層231と、スイッチングゲート電極252と、スイッチングソース電極273と、スイッチングドレイン電極274と、を含む。駆動薄膜トランジスタ20は、駆動半導体層232と、駆動ゲート電極255と、駆動ソース電極276と、駆動ドレイン電極277と、を含む。半導体層231、232とゲート電極252、255は、ゲート絶縁膜240によって絶縁される。
【0167】
スイッチング薄膜トランジスタ10は、発光させようとする画素を選択するスイッチング素子として使用される。スイッチングゲート電極252は、ゲートライン251に連結される。スイッチングソース電極273は、データライン271に連結される。スイッチングドレイン電極274は、スイッチングソース電極273から離隔配置され、いずれか一つの蓄電板258と連結される。
【0168】
駆動薄膜トランジスタ20は、選択された画素内の有機発光素子310の有機発光層312を発光させるための駆動電源を画素電極である第1電極311に印加する。駆動ゲート電極255は、スイッチングドレイン電極274と連結された蓄電板258と連結される。駆動ソース電極276及び他の一つの蓄電板278は、それぞれ共通電源ライン272と連結される。駆動ドレイン電極277は、平坦化膜265に備えられたコンタクトホール(contact hole)を介して有機発光素子310の第1電極311と連結される。
【0169】
このような構造によって、スイッチング薄膜トランジスタ10は、ゲートライン251に印加されるゲート電圧によって作動されて、データライン271に印加されるデータ電圧を駆動薄膜トランジスタ20に伝達する役割をする。共通電源ライン272から駆動薄膜トランジスタ20に印加される共通電圧とスイッチング薄膜トランジスタ10から伝達されたデータ電圧の差に該当する電圧が蓄電素子80に貯蔵され、蓄電素子80に貯蔵された電圧に対応する電流が駆動薄膜トランジスタ20を介して有機発光素子310に流れて有機発光素子310が発光する。
【0170】
第1電極311は、光透過性を有する透光性電極であることもでき、光反射性を有する反射電極であることもできる。第2電極313は、半透過膜で形成されることもありえ、反射漠で形成されることもありうる。
【0171】
図15を参照すると、第1電極311は、反射電極であり、第2電極313は、半透過電極である。有機発光層312から発生された光は、第2電極313を通過して放出される。しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるものではない。例えば、第1電極311は、光透過性電極であり、第2電極313は、反射電極であり、有機発光層312から発生された光は、第1電極311を通過して放出されうる。
【0172】
第1電極311と有機発光層312との間に正孔注入層(hole injection layer;HIL)及び正孔輸送層(hole transporting layer;HTL)のうちの少なくとも一つがさらにと配置されることができ、有機発光層312と第2電極313との間に電子輸送層(electron transporting layer;ETL)及び電子注入層(electron injection layer;EIL)のうちの少なくとも一つがさらに配置され得る。有機発光層312、正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、電子輸送層ETL、及び電子注入層EILは、有機物質で作られうるので、これらを有機層ともいう。
【0173】
画素定義膜290は、開口部を有する。画素定義膜290の開口部は、第1電極311の一部を露出させる。画素定義膜290の開口部にて、第1電極311上に、有機発光層312及び第2電極313が順に積層される。ここで、前記第2電極313は、有機発光層312だけでなく、画素定義膜290上にも形成される。一方、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、画素定義膜290と第2電極313との間にも配置され得る。有機発光素子310は、画素定義膜290の開口部内に位置した有機発光層312から、光を発生させる。このように、画素定義膜290は、発光領域の範囲を区切ることもできる。
【0174】
外部環境から有機発光素子310を保護するために、第2電極313上にキャッピング層(図示せず)が配置されうる。
【0175】
第2電極313上に第2基板212が配置される。第2基板212は、第1基板211と共に有機発光素子310を密封する役割をする。第2基板212は、第1基板211と同様に、ガラス、石英、セラミックス、及びプラスチックなどからなる群から選択された絶縁性材料で作られうる。
【0176】
図16は、本発明のまた他の一実施例による表示パネル断面図である。具体的に、
図16の表示パネルは、有機発光表示パネル106である。
【0177】
図16に示された有機発光表示パネル106は、第2電極313上に配置されて、有機発光素子310を保護する薄膜封止層350を含む。
【0178】
薄膜封止層350は、一つ以上の無機膜351、353、及び一つ以上の有機膜352を含み、水分や酸素といった外気が有機発光素子310に浸透することを防止する。
【0179】
薄膜封止層350は、無機膜351、353と有機膜352が交互的に積層された構造を有する。
図16に示された薄膜封止層350は、2つの無機膜351、353と1つの有機膜352を含めているが、薄膜封止層350の構造がこれに限定されるものではない。
【0180】
無機膜351、353は、Al2O3、TiO2、ZrO、SiO2、AlON、AlN、SiON、Si3N4、ZnO、及びTa2O5のうちの一つ以上の無機物を含む。無機膜351、353は、化学蒸着法(chemical vapor deposition;CVD)または原子層蒸着法(atomic layer deposition;ALD)を介して形成される。無機膜351、353は、該当技術分野の従事者に公知された様々な方法を介して形成され得る。
【0181】
有機膜352は、高分子(polymer)系の素材(高分子を主体とする素材)で作られる。ここで、高分子系の素材は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド、及びポリエチレンなどを含む。また、有機膜352は、熱蒸着(蒸着重合)の工程を通じて形成される。有機膜352を形成するための熱蒸着工程は、有機発光素子310を損傷させない温度範囲内で行われる。有機膜352は、該当技術分野の従事者に公知された様々な方法を介して形成され得る。
【0182】
薄膜の密度が緻密に形成された無機膜351、353が、主に水分または酸素の浸透を抑制する。ほとんどの水分及び酸素は、無機膜351、353によって有機発光素子310への浸透が遮断される。
【0183】
無機膜351、353を通過した水分及び酸素は、有機膜352によって再び遮断される。有機膜352は、無機膜351、353に比べて相対的に透湿防止效果は少ない。しかし、有機膜352は、透湿抑制のほかに、無機膜351、353などの間で各層などの間の応力を低減する緩衝層の役割も果たす。また、有機膜352は、平坦化特性を有するので、薄膜封止層350の最上部の面が平坦になりうる。
【0184】
薄膜封止層350は、10μm以下の薄い厚さを持つことができる。したがって、有機発光表示パネル106も薄い厚さを持つことができる。これらの薄膜封止層350が適用されることによって、有機発光表示パネル106がフレキシブル特性を持つことができる。
【0185】
第2基板212が使用されず、第1基板として可撓性基板が使用される場合、有機発光表示パネル106は、フレキシブル表示装置に使用され得る。
【0186】
以上で説明した本発明は、前述した実施例及び添付された図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であることは、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【符号の説明】
【0187】
DA 表示部
NDA 非表示部
ST ステージ
PX 画素
GL ゲートライン
DL データライン
SM 半導体層
TFT 薄膜トランジスタ
111 第1基板
112 第2基板
114a データリンク配線
115a 共通電圧配線部
116a ゲートリンク部
210 ゲート駆動部
510 ウィンドウ
520 ベゼル部
530 ケース
540 支持部
550 中問層
560 タッチパネル
570 粘着層