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特許7010645パターンを含む部材の表面を塗装するための方法及び設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】パターンを含む部材の表面を塗装するための方法及び設備
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/32 20060101AFI20220119BHJP
   B05D 1/36 20060101ALI20220119BHJP
   B05D 5/06 20060101ALI20220119BHJP
   B05C 9/06 20060101ALI20220119BHJP
   B05C 21/00 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
B05D1/32 Z
B05D1/36 Z
B05D5/06 101B
B05C9/06
B05C21/00
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017193594
(22)【出願日】2017-10-03
(65)【公開番号】P2018058064
(43)【公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-09-15
(31)【優先権主張番号】16306321.7
(32)【優先日】2016-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516299279
【氏名又は名称】エクセル インダストリー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100210686
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 直樹
(72)【発明者】
【氏名】マイク デ フィリッピ
(72)【発明者】
【氏名】シリル メダール
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ プロバンス
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン サルズ
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-500321(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0367620(US,A1)
【文献】特開2005-185923(JP,A)
【文献】特開平08-332449(JP,A)
【文献】特開平11-028418(JP,A)
【文献】米国特許第02363842(US,A)
【文献】特開平5-123637(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/175551(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/32
B05D 1/36
B05D 5/06
B05C 9/06
B05C 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンを含む部材(6)の表面(S62;S66)を塗装するための方法であって、少なくとも以下:
a)前記表面の少なくとも一部に第1コーティング用製品を適用する(1002)工程と、
b)前記表面の部分(Z62)に、マスク(12)の少なくとも1つの部分(122、124、126)を自動的に適用する(1014)工程であって、前記マスク(12)が、非噴霧化流体の少なくとも1つの層(122、124、126)の形態で少なくとも部分的に適用され、前記層が、前記マスクが適用されるべきである前記表面の部分(Z62;64)に沿って前記非噴霧化流体を運ぶアプリケータ(16)を移動(A1)させることにより得られる、工程と、
c)マスクがない前記表面の少なくとも一部に第2コーティング用製品を適用する(1018;1022)工程と、
d)前記マスクを取り除く(1030)工程と
で構成される一連の工程を含む、方法。
【請求項2】
前記マスク(12)が、少なくとも1つのリボン(122、124、126)の形態で適用される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記アプリケータが押出金型(16)であり、前記表面の前記部分(Z62;64)に対する前記アプリケータの移動(A1)速度が、前記アプリケータ(16)から出る前記リボン(122、124、126)の押出速度と同等である、請求項及びに記載の方法。
【請求項4】
前記マスク(12)が、全体として、非噴霧化流体の少なくとも1つのリボン(122、124、126)の形態で適用される、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記マスク(12)が、部分的に、前記マスクが適用されるべきである前記表面の前記部分(62、64)の第1部分(62)上に位置した硬質片又は軟質片の材料(121)の形態で適用され、かつ、部分的に、前記表面の前記部分の第2部分(64)上に位置した非噴霧化流体の少なくとも1つのリボン(122、124)の形態で適用される、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
工程b)の後かつ工程d)の前に、前記マスクを焼き付ける(1026;1016)ことで構成される少なくとも1つの追加の工程e)を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
2つの色で前記部材の表面を塗装するための方法であって、
少なくとも以下:
f)工程a)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート上に第1クリアコートを適用する(1006)工程と、
g)工程f)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート及び前記第1クリアコートを焼き付ける(1010)工程と、
h)工程c)の後かつ工程e)の前に、前記第2ベースコート上と、非噴霧化流体の前記少なくとも1つのリボン(122、124、126)で作られた前記マスクの部分上とにクリアコートを適用する(1022)工程と
で構成される工程を含み、
工程a)が、第1の色で第1ベースコートを適用する(1002)ことで構成され、
工程c)が、前記マスク(12)で被覆されない前記表面(S62;S66)の部分に、第2の色で第2ベースコートを適用する(1018)ことで構成され、
工程e)の間に、前記第2ベースコート及び前記クリアコートがまた焼き付けられ(1026)、
前記工程が、以下の順序:a)、f)、g)、b)、c)、h)、e)及びd)で実施される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
2つの色で前記部材の表面を塗装するための方法であって、
少なくとも以下:
g’)工程a)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコートを焼き付ける(1010)工程と、
h’)工程d)の後に、前記第1ベースコート及び前記第2ベースコート上にクリアコートを適用する(1034)工程と、
i)工程h’)の後に、前記第2ベースコート及び前記クリアコートを焼き付ける(1038)工程と
で構成される工程を含み、
工程a)が、第1の色で第1ベースコートを適用する(1002)ことで構成され、
工程c)が、前記マスク(12)で被覆されない前記表面(S62;S66)の部分に、第2の色で第2ベースコートを適用する(1018)ことで構成され、
工程e)の間に、前記マスク(12)のみが焼き付けられ(1016)、
前記工程が、以下の順序:a)、g’)、b)、e)、c)、d)、h’)及びi)で実施される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
2つの色で前記部材の表面を塗装するための方法であって、
少なくとも以下:
g’’)工程a)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコートを焼き付ける(1010)工程と、
h’’)工程d)の後に、前記第1ベースコート及び前記第2ベースコート上にクリアコートを適用する(1034)工程と、
i’’)工程h’’)の後に、前記クリアコートを焼き付ける(1038)工程と
で構成される工程を含み、
工程a)が、第1の色で第1ベースコートを適用する(1002)ことで構成され、
工程c)が、前記マスク(12)で被覆されない前記表面(S62;S66)の部分に、第2の色で第2ベースコートを適用する(1018)ことで構成され、
工程e)の間に、前記第2ベースコートがまた焼き付けられ(1026)、
前記工程が、以下の順序:a)、g’’)、b)、c)、e)、d)、h’’)及びi’’)で実施される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの色で前記部材の表面を塗装するための方法であって、
少なくとも以下:
f’’’)工程a)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート上に第1クリアコートを適用する(1006)工程と、
i’’’)工程f’’’)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート及び前記第1クリアコートを焼き付ける(1010)工程と
で構成される工程を含み、
工程a)が、ベースコートを適用する(1002)ことで構成され、
工程c)が、前記マスク(12)で被覆されない前記表面(S62;S66)の部分に第2クリアコートを適用する(1022)ことで構成され、この第2クリアコートが、乾燥された後、前記第1クリアコートの外観とは異なる外観を有し、
工程e)の間に、前記第2クリアコートがまた焼き付けられ(1026)、
前記工程が、以下の順序:a)、f’’’)、i’’’)、b)、c)、e)及びd)で実施される、請求項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの色で前記部材の表面を塗装するための方法であって、
少なくとも以下:
f’’’)工程a)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート上に第1クリアコートを適用する(1006)工程と、
i’’’)工程f’’’)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート及び前記第1クリアコートを焼き付ける(1010)工程と、
k)工程c)の後かつ工程e)の前に、前記第2ベースコート上に第2クリアコートを適用する工程であって、この第2クリアコートが、乾燥された後、前記第1クリアコートの外観とは異なる外観を有する工程と
で構成される工程を含み、
工程a)が、第1ベースコートを適用する(1002)ことで構成され、
工程c)が、前記マスク(12)で被覆されない前記表面(S62;S66)の部分に第2ベースコートを適用する(1022)ことで構成され、
工程e)の間に、前記第2クリアコートがまた焼き付けられ(1026)、
前記工程が、以下の順序:a)、f’’’)、i’’’)、b)、c)、k)、e)及びd)で実施される、請求項に記載の方法。
【請求項12】
工程b)の前に、
j)前記マスク(12)が適用されるべきである前記表面(S62)の前記部分(Z62)に、少なくとも1つの取り外し可能なつまみ部(18)を一時的に固定する工程
で構成される追加の工程j)を含み、
工程j)の間に、前記マスク(12)が適用されるべきである前記表面(S62)の前記部分(Z62)に、前記つまみ部の一部(182)がこの部分から突出し、かつ、前記表面と接触なくアクセス可能である構成で、前記つまみ部が一時的に取り付けられ、
工程b)の間に、前記取り外し可能部が、非噴霧化流体の層(122、124、126)で少なくとも部分的に被覆され、
工程d)の間に、前記つまみ部の前記突出部(182)がつままれ、前記表面から引き離される(A2)、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程b)の前に、
j)前記マスク(12)が適用されるべきである前記表面(S62)の前記部分(Z62)に、少なくとも1つの取り外し可能な吸着カップ(38)を一時的に固定する工程
で構成される追加の工程j)を含み、
工程j)の間に、前記吸着カップが、前記マスク(12)が適用されるべきである前記表面(S62)の前記部分(Z62)に、押圧する(A3)ことにより、一時的に固定され、
工程b)の間に、前記取り外し可能部が、非噴霧化流体の層(122、124、126)で少なくとも部分的に被覆され、
工程d)の間に、前記吸着カップの内部容積内に、かつ、場合により、非噴霧化流体の前記層(122、124、126)と前記表面(S62)との間に、ガスを注入する(A4)ことにより、前記吸着カップが前記表面から分離され、取り外し可能な前記吸着カップ(38)が、前記表面(S62)から引き離される(A2)、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
パターンを含む部材の表面を塗装するための設備であって、
前記表面上に第1コーティング用製品を適用する(1002)ための少なくとも1つの第1アプリケータ(82a)と、
前記表面上に第2コーティング用製品を適用する(1018;1022)ための少なくとも1つの第2アプリケータ(86a;86b)とを含み、
前記表面(S62;S66)上に、マスク(12)の少なくとも一部を、非噴霧化流体の少なくとも1つの層(122、124、126)の形態で、前記マスクが適用されるべきである前記表面の部分(Z62;64)に沿って前記非噴霧化流体を運ぶ自動アプリケータ(14,16)を移動させることによって、自動的に適用するための少なくとも1つの自動アプリケータ(14、16)をまた含む、設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のパターンを含む部材の表面を塗装するための方法及び設備に関する。
【0002】
本発明は、塗装の技術分野、より具体的には、自動車、航空機の機体及び住宅備品などの製造物品における塗装面のカスタマイズ及び個性化の技術分野に属する。
【背景技術】
【0003】
近年、自動車の製造業者は、彼らの顧客の希望により適合した車両、特に、例えば、車両の側部とは異なる色で塗装されたルーフを持つツートンカラーの車両を提案する傾向にある。この傾向はまた、様々な効果、例えば、光沢効果、艶消し効果又は構造化効果を有してワニス塗りされた車両を提供することである。車産業において、他の装飾部材がまた提案され、例えば、車両のボンネット上のストライプである。
【0004】
飛行機のロゴ、又は保守若しくは安全指示のようなパターンを含む商業的航空機の機体をカスタマイズすることがまた知られている。
【0005】
製造物品のカスタマイズの傾向はまた、住宅備品の分野においても見受けられる。
【0006】
ツートーン車両を実現するための最も一般的なプロセスは、主要色を有するベースコートで車体を塗装することから始まり、場合によってはクリアコートを適用して、車体を焼き付ける。その後、この主要色のままであるべきである車体の表面上にマスクを手作業で適用して、マスクで被覆されていない残りの表面を、従来の塗装アプリケータ、例えば、エアスプレー、エアミックス若しくはエアレスガン、又は回転噴霧器により別の色で塗装する。プロセスの終わりに、マスクを取り除く。そのようなマスクの取付け及び取り除き作業は手作業で行われ、異なる色の2つのコーティング間の境界が、はっきりしたもので、良好に位置取りされてなければならないため、多くの熟練した人材を要する。波状の線のような欠陥は、目視により検出されるべきではなく、第2コーティングはマスクの下に侵入してはならない。
【0007】
米国特許出願公開第2016/0001322号明細書では、中間クリアコート層なく、ベースコート層上にパターンを適用する塗装方法を開示している。そのようなアプローチでは、公知の技術によって塗装されるべき対象物上に固定されているマスクにより画定されるようにパターンが実現されるべきである領域を必要とする。これは、特に、多くの熟練した人材への必要性に関する、上で挙げた不都合を引き起こす。
【0008】
他方では、米国特許第5175018号明細書では、エアジェットノズルにより発せられたエアカーテンマスクを使用することで、マスキングテープ及びペーパーを適用することなく、コーティング手順から重ね塗りをどのように防止するかを教示している。同時に適用されたコーティングから保護されるべき領域上に、エアが連続的に流れる。このアプローチでは、噴射された領域がコーティングにより汚染されないということを保証することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、パターンを含む部材の表面を塗装するための新規の方法であって、マスクをロボットにより自動的に適用することができる方法を用いてこれらの問題を解決することを目的とし、それにより、時間を節約し、再現性を増加させ、人件費を低減することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明は、パターンを含む部材の表面を塗装するための方法に関し、この方法は、少なくとも、以下の
a)表面の少なくとも一部に第1コーティング用製品を適用する工程と、
b)表面の一部にマスクの少なくとも1つの部分を自動的に適用する工程と、
c)マスクがない表面の少なくとも一部に第2コーティング用製品を適用する工程と、
d)マスクを取り除く工程と
で構成される一連の工程を含む。
【0011】
マスクを自動的に適用することで、塗装工場において、作業者が、塗装されるべき対象物の周り、例えば自動車車体の周りで手作業により作業する必要がなくなり、それにより、高い技術を持つ人材への必要性と、人為的ミスのリスクとが低減される。
【0012】
有利であるが、必須ではない本発明の更なる態様によれば、この塗装方法は、任意の許容される組み合わせを取り、請求項2~14のうちの1つの特徴の1つ又は複数を組み込むことができる。
【0013】
特に、工程b)の間、マスクは、非噴霧化流体の少なくとも1つの層の形態で、少なくとも部分的に適用することができ、前記層は、マスクが適用されるべきである表面の一部に沿って、非噴霧化流体を運ぶアプリケータを移動させることにより得られる。本発明のこの態様のおかげで、マスクを共に形成する隣接した層と共に、マスクが適用されるべきである表面の一部を被覆するために、表面に対してアプリケータを移動させることでマスクを作り出すことができる。代替的に、自動的に適用された1つ又は複数の層を通じてマスクの境界の精度が得られるため、1つ又は複数の層はマスクの端部を形成することができ、マスクの他の部分が、特別の対処なく、塗装されるべき表面上に手作業で設置された硬質片又軟質片の材料によって作られる。
【0014】
本発明はまた、上で述べた方法を実施することができる設備、より具体的には、パターンを含む部材の表面を塗装するための設備に関し、この設備は、表面上に第1コーティング用製品を適用するための少なくとも1つの第1アプリケータと、表面上に第2コーティング用製品を適用するための少なくとも1つの第2アプリケータとを含む。本発明によれば、この設備はまた、表面上に、マスクの少なくとも一部を自動的に適用するための自動アプリケータを含む。
【0015】
本発明の対象を制限することなく、添付の図面に関連し、例示的な例として示される以下の説明に基づいて、本発明はより良好に理解される。添付の図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る方法を実施するための本発明に係る設備の概略的上面図である。
図2図1の設備の部分的な斜視図である。
図3図1及び2に関する設備で実施される、本発明に係る第1の方法のブロック図である。
図4】マスクが完全に適用された後の、図2で示した車両のボンネットの上面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る方法についての図4と同様のボンネットの上面図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る方法についての図2と同様の斜視図である。
図7】本発明の第4実施形態に係る方法の際に、マスクをボンネット上に適用する前の自動車のボンネットの上面図である。
図8図7の線VIII-VIIIに沿った切断図である。
図9】マスク適用された場合の図7と同様の上面図である。
図10図9の線X-Xに沿った切断図である。
図11】マスクが取り除かれた場合の図7及び9と同様の上面図である。
図12図11の線XII-XIIに沿った切断図である。
図13】本発明の第5実施形態に係る方法のブロック図である。
図14】本発明の第6実施形態に係る方法のブロック図である。
図15】本発明の第7実施形態に係る方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び2に示されている設備2は、パターンを含む塗料の層を含む車体の表面全体を塗装するための方法を実施するためのものである。より正確には、車体全体は、塗料で被覆されなければならなく、その塗料は2つの色、すなわち、表面の第1部分上の第1の色と、この表面の第2部分上の第2の色とを有している。
【0018】
図の例において、方法は、ボンネット上に中心領域を含む車両を塗装するために実施され、車両の色は、ボンネットの残りの部分とは異なっている。
【0019】
本発明の示されていない代替実施形態によれば、パターンの2つの色の分配は異なっていてもよい。
【0020】
また、パターンは、単一のベースコートと、光沢、艶消し又は構造化のような様々な効果を持つ異なるクリアコートとを使用することで得ることができる。クリアコートはまた、しばしば、ワニスとも称される。
【0021】
設備2は、搬送方向に沿って車体6を移動させるコンベヤ4を含む。
【0022】
設備2の第1ブース22において、複数の多軸ロボット82aは、車体6上に第1の色で第1ベースコートを噴霧するために使用される。多軸ロボット82aは、空気式又は回転式噴霧器、好ましくは静電噴霧器を備えている。これらの噴霧器は、エアスプレー、エアミックス又はエアレスタイプのものであることができる。
【0023】
ブース22の第2ステーションにおいて、複数の多軸ロボット82bは、車体6上にクリアコートを噴霧するために使用される。多軸ロボット82bは、多軸ロボット82aの噴霧器と同一のタイプのものであることができる噴霧器を備えている。
【0024】
第1ベースコートの適用は、本発明の方法の第1工程1002の間に行われる。クリアコートの適用は、方法の第2工程1006において行われる。
【0025】
工程1002及び1006の後、各車体は、ヒーター10で加熱されるか又は焼き付けられるオーブン24中に、コンベヤ4により搬送される。これは、本発明の方法の第3工程1010において行われる。
【0026】
焼き付けの後、各車体は、3つの連続ステーションを含む第2ブース26に向けて、コンベヤ4により搬送される。
【0027】
第1ステーションにおいて、追加の工程1014において、各車体6のボンネット62上にマスク12を適用する。この第1ステーションを部分的に示す図4で示されているように、ボンネット62の上面S62の中心領域Z62において、マスク12は、互いに隣接して位置した3つのリボン122、124及び126で形成される。これにより、マスク12により被覆されたボンネット62の中心領域Z62において第1ベースコートを維持しつつ、第1ベースコートとは異なる色を有する第2ベースコートで、ボンネット62の残りの部分を塗装することが可能となる。
【0028】
各リボンは、非噴霧化流体の層の形態で、米国特許出願公開第2015/0367620号明細書で説明されるものと同一タイプのアプリケータ16を備えた多軸ロボット14によって、自動的に適用され、その内容は参照することにより本明細書に包含される。
【0029】
アプリケータ16は、示されてないパイプにより、マスク12を作るために使用される材料及び水が供給される押出金型である。水と材料との混合物は、エマルジョンの形態で、アプリケータ16から外への圧力によって追い出される。
【0030】
実際に、この例において、適用された材料はコポリマーエマルジョンである。このエマルジョンは、製品の製造業者によりそれ自体が運ばれる。エマルジョンは現地で作られない。代替的に、エマルジョンを現地で作ることができる。
【0031】
エマルジョンを加圧するために使用される装置は、適用相の間で満たされたシリンダである。適用する際、シリンダのピストンは、加圧エア又は電気モータにより押される。アプリケータ16により適用された材料をまた、スラリー、液体又はゲルの形態で追い出すことができる。工程1002及び1006で適用されたベースコート及びクリアコートとは反対に、この追い出された材料は噴霧化されていない。
【0032】
アプリケータ16は、非噴霧化流体の層の形態で、各リボン122、124又は126を適用することができる。特に、この流体は、アクリル系コポリマーのエマルジョン又は酢酸ポリビニルの水性溶液であることができる。有利には、適用された流体中の水に対するポリマーの比は約50/50である。しかしながら、それは、用途に応じて変えることができる。
【0033】
図2においては、マスク12が適用されている最中である。リボン122が既に適用され、リボン124が部分的に適用され、リボン126が領域Z62上にまだ適用されていない。
【0034】
リボン122、124及び126は、2つの隣接したリボンの間でわずかな重複部128を持ちながら互いに隣にあり、それにより、マスク12により被覆されたボンネット62の領域Z62を汚染するリスクを防止する。重複部は、被覆されるべき領域の形状に応じて、多かれ少なかれ重要である場合がある。リボンの2つの外側端部から少なくとも1つのはっきりとした端部を得ることが有利である。
【0035】
アプリケータ16への流体の流量は、200μmの範囲内の均一な又は略均一な厚さと、約95mmの幅とのリボンを作り出すように選択される。実際に、適用されたリボンの断面は、一般的に、「長方形」であり、リボンの端部と中央部との間で極めて微小な厚さの差が存在する。通常、押出材料を用いた場合は、端部は中央部より厚くなり、それはいわゆる「ホーン効果」と一致する。本発明で使用される、米国特許出願公開第2015/0367620号明細書の金型は、この問題を防止する。
【0036】
アプリケータ16の出口と上面S62の領域Z62との間の距離である適用距離は、3~10mmで選択され、好ましくは約6mmであり、それは、アプリケータ16を出た材料が実質的に一定の幅を有する距離と一致している。この適用距離は、上面S62と垂直に測定される。ボンネットが3D形状を持つ場合、金型のスロットの各点と、上面S62との間で完全に一定の距離を有することは可能ではない。しかしながら、2つの塗料の間のラインの質を規定するため、金型の正しい距離で非重複端部を有することが重要である。
【0037】
上面S62と実質的に平行である、図2の矢印A1で示される移動方向におけるアプリケータ16の移動速度は、均一な厚さを得るため、かつ、マスク12上で波状の端部を防止するために、アプリケータ16に出たリボンの押出速度と適合する。実際に、矢印A1の方向のアプリケータの移動速度は、リボンの押出速度と同等であり、それは、±5%の範囲で押出速度と等しい。
【0038】
非噴霧化流体のリボンの形態でのマスク12の適用のおかげで、多軸ロボット14のようなロボットで自動的にマスク12を適用することが可能である。これは、マスク12の素早く、再現可能な、そして正確な適用を可能とする。さらに、リボン122、124及び126の構造のため、ボンネット62上に後で適用される塗料がマスク12の下に侵入するリスクが存在しない。
【0039】
実際に、リボンが工程1014で液体又は準液体の形態で適用されるため、マスク12を、液体適用マスク(Liquid Applied Mask)について「LAM」と呼ぶことができる。
【0040】
上で説明したように、工程1014においてマスク12が適用された後、コンベヤ4が、各車体を、ブース22と同一の方法で、多軸ロボット86aにより第2ベースコートが表面S62上に適用され、多軸ロボット86bによりクリアコートが適用される、ブース26の第2及び第3ステーションに向けて移動させる。これは、本発明の方法の2つの連続工程、すなわち、第2の色で第2ベースコートを適用する工程1018と、工程1006で使用されたのと同一のものか又は異なるものであることができるクリアコートを適用する工程1022とが行われる。多軸ロボット86a及び86bはまた、多軸ロボット82a及び/又は82bと同一のものであることができる噴霧器を備えている。
【0041】
その後、コンベヤ4は、LAM12、第2ベースコート及びクリアコートを加熱又は焼き付けることができるヒーター11を備えた第2オーブン28に向けて各車体を搬送する。これは、方法の追加の工程1026で行われる。
【0042】
その後、追加の工程1030において、図1の矢印A2で示されるように、マスク12をボンネット62から取り除く。これは、コンベヤ4に沿ってオーブン28の下流に位置した設備2のステーション29で行われる。
【0043】
工程1030が容易に実施されるように、すなわち、マスク12が単一片で除去されるように、マスク12はこの段階であまり弾性的でないべきである。こういうわけで、工程1026の間、焼き付けは、100~160℃、好ましくは120~140℃に含まれる温度で行われるべきである。実際に、容易に取り除くことができる比較的強度のある単一片のマスク12を形成するために、130℃の温度が、リボンを硬化するのに十分であると証明されている。工程1026の焼き付けが十分であるために、それは、10~30mmに含まれる期間内で発生するべきである。20mmの期間が十分と証明されている。
【0044】
液体適用マスク材料は、標準的な塗料硬化プロセスに適合するように選択される。塗料を焼き付けるために使用される硬化パラメータを変えることなく、ベースコート及びクリアコートの層と共に硬化される場合、それは、極めて限定的な弾性を持って乾燥する。
【0045】
工程1030で、マスク12を取り除くのを簡単にするために、有利であるが必須ではない本発明の態様によれば、つまみ部18が、ボンネット62の中央領域Z62上に一時的に固定される。図2に示されるように、LAM12の適用の前にボンネット62を取り付けるために、コーティングされるべき表面及びつまみ部を被覆する片面粘着テープ、両面粘着テープ、又は除去可能なのりを用いて、つまみ部18を部分的に被覆することができる。
【0046】
図2及び4で示されるように、つまみ部18の先端182がボンネット62の上面S62から突出しており、つまみ部18の部分184が領域Z62にある構成において、つまみ部18は、ボンネット62の中心領域Z62に取り付けられる。全ての3つのリボン122~126がボンネット12上に適用された後、部分184はマスク12のリボン124により被覆される。
【0047】
これは、図4の矢印A2で示されるように、先端182をつまみ、それを中心領域62から引っ張ることでマスク12を取り除くことが可能となる。つまみ部18の移動は、マスク12に伝達される。マスク12を取り除くのは、つまみ部18を引っ張るロボット又は人間の作業者が行うことができる。
【0048】
本発明に係る第2の方法について図5で示されるように、つまみ部18の幅W18は、マスク12の幅W12と実質的に等しいことができる。特に、つまみ部18は、マスク12の全てのリボンの下に位置するのに十分な大きさの幅で設計することができ、それにより、矢印A2で示されるように、工程1030においてつまみ部18上で引っ張ることによりつまみ部18を取り除く場合に、重複部128の位置でマスク12が剥がれるリスクが低減される。
【0049】
本発明の最初の2つの方法において、つまみ部18の先端182は、表面S62に接触することなく、ロボット又は作業者がアクセス可能である。
【0050】
上で述べた第1及び第2の方法を用いた場合、マスク12が除去された際、第2の色が塗装された表面S62の位置の端部は、工程1018において適用された第2ベースコートの厚さと、工程1022において適用されたクリアコートの厚さとを累積するため、比較的高くなっている。ボンネット62上で2つの色付け領域の間の移行領域で崖部が作られ、この崖部はまた、マスク12の厚さに依存している。この移行領域はなめからではない。
【0051】
以下で説明する本発明の代替方法に関して、設備2の同一部品及び各方法の同一工程が同一の参照番号である。以下、第1の方法に対する差異のみ説明する。
【0052】
図6に示されるように、本発明の第3の方法によれば、マスク12を2つの部分、すなわち、車体6のフロント部分上に位置したプラスチック材料又はペーパーの可撓性筐体121と、フロントガラスの各側部上の車体6の2つのフロント柱部64上に多軸ロボット14及びアプリケータ16により適用された2つのリボン122及び124で形成されたLAMと、で形成することができる。図6を明確にするために、筐体121は半透明で表現されており、それは必須ではない。筐体121は、車体6上で異なる色の2つの領域間の境界の画定に寄与しないため、筐体121は車体6上で正確に固定される必要はない。同様のアプローチを車体6のリヤ柱部上で使用することができ、それにより、方法の工程1018及び1022において、残りの部分とは異なる色で車体6のルーフ66の上面S66全体を塗装することが可能となる。繰り返しになるが、リボン122及び124が自動的に、正確に、及び再現可能に多軸ロボット14により適用されるため、塗装された車上の2つの色の間の境界領域を正確に画定することができる。
【0053】
可撓性筐体121の代わりに、車体6のフロント部及び/又はリヤ部を被覆するために、硬質部品を使用することができる。
【0054】
図7~12に示される本発明の第4の方法によれば、図7及び8に示されるように、工程1014の前に、ボンネット62の中央領域Z62上に設置された吸着カップ38を使用することで、マスクの取り除きを改善することができる。図8の矢印A3で示されるように、吸着カップがボンネット62上に設置される場合、管40を通じてエアがそこから取り除かれる。これにより、吸着カップ38がボンネット62上の位置で留まることが保証される。
【0055】
その後、以下で説明するように、管40を取り除き、マスク12を工程1014で適用する。図9及び10で示されるように、マスク12は吸着カップ38を被覆する。
【0056】
工程1030において、図12の矢印A4で示されるように、再設置された管40を通じて幾らかのエアが吸着カップ38に注入される。このエアがボンネット62とマスク12の間で伝播し、それにより、図11の矢印A2で示されるように、このマスク及び場合により管40を引くことで、マスク12を取り除くのが容易になる。
【0057】
代替的に、エアと異なるガスを吸着カップ38に注入することができる。
【0058】
代替的に、工程1030においてエアが吸着カップ38にのみ注入される。これにより、管40を引くことで表面S62からそれを分離することが可能となる。
【0059】
車体6上の異なる色の2つの領域間で高い崖部を避けるために、図13で示される本発明の第5の方法において、方法の工程の順序が変更される。
【0060】
この第5の実施形態において、工程1002において第1の色で第1ベースが適用される。次いで、工程1010において第1ベースコートが焼き付けられる。
【0061】
その後、工程1014においてLAMマスク12が適用され、工程1016においてのみこのマスクが焼き付けられる。
【0062】
その後、工程1018において、第2の色で第2ベースコートが適用される。
【0063】
第2ベースコートがまだウェットである場合、工程1030においてマスク12が取り除かれる。
【0064】
その後、工程1034においてクリアコートが適用され、工程1038において、それが、第2ベースコートと共に焼き付けられる。
【0065】
この方法により、表面全体上にクリアコートの1つの層のみが存在しているため、異なる色の異なる領域間での移行に関して良好な結果がもたらされる。2つの色の領域間の端部は、接触により検出することは困難である。この方法において、第2ベースコートは工程1030においてまだウェットであるため、マスク12を極めて注意深く取り除かなければならない。本発明の第1の方法と比較して、この第5の方法は、3つの焼き付け工程、すなわち工程1010、1016及び1038を含むため、設備2において追加のオーブンを要する。
【0066】
図14に示される本発明の第6の方法に従って、別のアプローチが可能である。この方法の最初の3つの工程1002、1010及び1014は、図13の第5の方法と同一である。
【0067】
第4工程1018において、焼き付けられた第1ベースコート及びウェットマスク12上に第2ベースコートが適用される。
【0068】
その後、マスク12及び第2ベースコートが工程1026において焼き付けられる。
【0069】
工程1026の後、工程1030、1034及び1038は、図13の方法のように実施される。
【0070】
本発明に係るこの第6の方法によりまた、表面全体上にクリアコートの1つの層のみが存在している限りは、移行に関して良好な結果がもたらされる。それはまた、図13の方法のように3つのオーブンを必要とする。図13の方法に対して、図14の方法の利点は、マスク12の取り除きの前に第2ベースコートが焼き付けられていることである。
【0071】
この方法において、第2ベースコートが、車体6の比較的小さい部分、例えばルーフに適用される場合、工程1026は、車体2を局所的に加熱することで行うことができ、したがって、工程1026について完全なオーブンの使用を回避する。
【0072】
単一のベースコートへの異なる影響を有する2つのクリアコート又はワニスを使用することで、パターンをまた車両上で得ることができる。これは、図15に示される本発明の第7の方法に該当する。
【0073】
この方法において、工程1002においてベースコートが適用され、追加の工程1006において第1クリアコートが適用される。
【0074】
その後、工程1010において、ベースコート及び第1クリアコートの焼き付けが行われ、工程1014においてLAM12が適用される。これらの4つの工程は、図3で示した第1の方法のものと同一である。
【0075】
工程1014の後、工程1022において第2クリアコートが適用され、それは、工程1026においてマスク12と共に焼き付けられる。
【0076】
その後、工程1030においてマスク12が取り除かれる。
【0077】
図15の方法は、第1クリアコート及び第2クリアコートが異なる効果、例えば、光沢、艶消し、又は構造上の効果を有する場合に、パターンを得ることができる。
【0078】
異なる色の2つ以上のベースコートを使用するために、図15の方法を変更することができる。
【0079】
本発明は、2つのベースコートを使用する場合において、図1~14に関連して上で説明されてきた。しかしながら、本発明は、方法の工程が適合する場合は、3つ以上のベースコートを用いて使用することができる。
【0080】
多軸ロボット14の代わりに、LAM12を適用するために、任意のタイプのロボットを使用することができる。
【0081】
代替的に、リボン122、124及び126は重複しない。
【0082】
多軸ロボット82a、82b、86a、86bの数は2とは異なることができる。同様に、適用されるべきLAM12の表面領域に応じて、2つ以上のロボット14及び2つ以上のアプリケータ16を使用することができる。
【0083】
本発明の示されていない実施形態によれば、リボンの幅を有する塗装ストライプで表面を装飾するために、マスク12を非噴霧化流体の単一リボンで作ることができる。
【0084】
第2~6の方法の1つを実施する場合、図1に示される設備2が採用される。
【0085】
本発明を、車塗装の分野における例を参照して上で説明してきた。しかしながら、他の用途が可能であり、それは例えば、航空機の機体、住宅備品、オートバイ、農業機械などを塗装するためである。
【0086】
上で説明した実施形態及び変形形態の特徴を組み合わせることで、本発明の更なる実施形態を得ることができる。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)
パターンを含む部材(6)の表面(S62;S66)を塗装するための方法であって、少なくとも以下:
a)前記表面の少なくとも一部に第1コーティング用製品を適用する(1002)工程と、
b)前記表面の部分(Z62)に、マスク(12)の少なくとも1つの部分(122、124、126)を自動的に適用する(1014)工程と、
c)マスクがない前記表面の少なくとも一部に第2コーティング用製品を適用する(1018;1022)工程と、
d)前記マスクを取り除く(1030)工程と
で構成される一連の工程を含む、方法。
(付記2)
工程b)の間に、前記マスク(12)が、非噴霧化流体の少なくとも1つの層(122、124、126)の形態で少なくとも部分的に適用され、前記層が、前記マスクが適用されるべきである前記表面の部分(Z62;64)に沿って前記非噴霧化流体を運ぶアプリケータ(16)を移動(A1)させることにより得られる、(付記1)に記載の方法。
(付記3)
前記マスク(12)が、少なくとも1つのリボン(122、124、126)の形態で適用される、(付記1)又は(付記2)に記載の方法。
(付記4)
前記アプリケータが押出金型(16)であり、前記表面の前記部分(Z62;64)に対する前記アプリケータの移動(A1)速度が、前記アプリケータ(16)から出る前記リボン(122、124、126)の押出速度と同等である、(付記2)及び(付記3)に記載の方法。
(付記5)
前記マスク(12)が、全体として、非噴霧化流体の少なくとも1つのリボン(122、124、126)の形態で適用される、(付記1)~(付記4)のいずれか1つに記載の方法。
(付記6)
前記マスク(12)が、部分的に、前記マスクが適用されるべきである前記表面の前記部分(62、64)の第1部分(62)上に位置した硬質片又は軟質片の材料(121)の形態で適用され、かつ、部分的に、前記表面の前記部分の第2部分(64)上に位置した非噴霧化流体の少なくとも1つのリボン(122、124)の形態で適用される、(付記1)~(付記4)のいずれか1つに記載の方法。
(付記7)
工程b)の後かつ工程d)の前に、前記マスクを焼き付ける(1026;1016)ことで構成される少なくとも1つの追加の工程e)を含む、(付記1)~(付記6)のいずれか1つに記載の方法。
(付記8)
2つの色で前記部材の表面を塗装するための方法であって、
少なくとも以下:
f)工程a)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート上に第1クリアコートを適用する(1006)工程と、
g)工程f)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート及び前記第1クリアコートを焼き付ける(1010)工程と、
h)工程c)の後かつ工程e)の前に、前記第2ベースコート上と、非噴霧化流体の前記少なくとも1つのリボン(122、124、126)で作られた前記マスクの部分上とにクリアコートを適用する(1022)工程と
で構成される工程を含み、
工程a)が、第1の色で第1ベースコートを適用する(1002)ことで構成され、
工程c)が、前記マスク(12)で被覆されない前記表面(S62;S66)の部分に、第2の色で第2ベースコートを適用する(1018)ことで構成され、
工程e)の間に、前記第2ベースコート及び前記クリアコートがまた焼き付けられ(1026)、
前記工程が、以下の順序:a)、f)、g)、b)、c)、h)、e)及びd)で実施される、(付記7)に記載の方法。
(付記9)
2つの色で前記部材の表面を塗装するための方法であって、
少なくとも以下:
g’)工程a)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコートを焼き付ける(1010)工程と、
h’)工程d)の後に、前記第1ベースコート及び前記第2ベースコート上にクリアコートを適用する(1034)工程と、
i)工程h’)の後に、前記第2ベースコート及び前記クリアコートを焼き付ける(1038)工程と
で構成される工程を含み、
工程a)が、第1の色で第1ベースコートを適用する(1002)ことで構成され、
工程c)が、前記マスク(12)で被覆されない前記表面(S62;S66)の部分に、第2の色で第2ベースコートを適用する(1018)ことで構成され、
工程e)の間に、前記マスク(12)のみが焼き付けられ(1016)、
前記工程が、以下の順序:a)、g’)、b)、e)、c)、d)、h’)及びi)で実施される、(付記7)に記載の方法。
(付記10)
2つの色で前記部材の表面を塗装するための方法であって、
少なくとも以下:
g’’)工程a)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコートを焼き付ける(1010)工程と、
h’’)工程d)の後に、前記第1ベースコート及び前記第2ベースコート上にクリアコートを適用する(1034)工程と、
i’’)工程h’’)の後に、前記クリアコートを焼き付ける(1038)工程と
で構成される工程を含み、
工程a)が、第1の色で第1ベースコートを適用する(1002)ことで構成され、
工程c)が、前記マスク(12)で被覆されない前記表面(S62;S66)の部分に、第2の色で第2ベースコートを適用する(1018)ことで構成され、
工程e)の間に、前記第2ベースコートがまた焼き付けられ(1026)、
前記工程が、以下の順序:a)、g’’)、b)、c)、e)、d)、h’’)及びi’’)で実施される、(付記7)に記載の方法。
(付記11)
少なくとも1つの色で前記部材の表面を塗装するための方法であって、
少なくとも以下:
f’’’)工程a)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート上に第1クリアコートを適用する(1006)工程と、
i’’’)工程f’’’)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート及び前記第1クリアコートを焼き付ける(1010)工程と
で構成される工程を含み、
工程a)が、ベースコートを適用する(1002)ことで構成され、
工程c)が、前記マスク(12)で被覆されない前記表面(S62;S66)の部分に第2クリアコートを適用する(1022)ことで構成され、この第2クリアコートが、乾燥された後、前記第1クリアコートの外観とは異なる外観を有し、
工程e)の間に、前記第2クリアコートがまた焼き付けられ(1026)、
前記工程が、以下の順序:a)、f’’’)、i’’’)、b)、c)、e)及びd)で実施される、(付記7)に記載の方法。
(付記12)
少なくとも1つの色で前記部材の表面を塗装するための方法であって、
少なくとも以下:
f’’’)工程a)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート上に第1クリアコートを適用する(1006)工程と、
i’’’)工程f’’’)の後かつ工程b)の前に、前記第1ベースコート及び前記第1クリアコートを焼き付ける(1010)工程と、
k)工程c)の後かつ工程e)の前に、前記第2ベースコート上に第2クリアコートを適用する工程であって、この第2クリアコートが、乾燥された後、前記第1クリアコートの外観とは異なる外観を有する工程と
で構成される工程を含み、
工程a)が、第1ベースコートを適用する(1002)ことで構成され、
工程c)が、前記マスク(12)で被覆されない前記表面(S62;S66)の部分に第2ベースコートを適用する(1022)ことで構成され、
工程e)の間に、前記第2クリアコートがまた焼き付けられ(1026)、
前記工程が、以下の順序:a)、f’’’)、i’’’)、b)、c)、k)、e)及びd)で実施される、(付記7)に記載の方法。
(付記13)
工程b)の前に、
j)前記マスク(12)が適用されるべきである前記表面(S62)の前記部分(Z62)に、少なくとも1つの取り外し可能なつまみ部(18)を一時的に固定する工程
で構成される追加の工程j)を含み、
工程j)の間に、前記マスク(12)が適用されるべきである前記表面(S62)の前記部分(Z62)に、前記つまみ部の一部(182)がこの部分から突出し、かつ、前記表面と接触なくアクセス可能である構成で、前記つまみ部が一時的に取り付けられ、
工程b)の間に、前記取り外し可能部が、非噴霧化流体の層(122、124、126)で少なくとも部分的に被覆され、
工程d)の間に、前記つまみ部の前記突出部(182)がつままれ、前記表面から引き離される(A2)、(付記1)~(付記12)のいずれか1つに記載の方法。
(付記14)
工程b)の前に、
j)前記マスク(12)が適用されるべきである前記表面(S62)の前記部分(Z62)に、少なくとも1つの取り外し可能な吸着カップ(38)を一時的に固定する工程
で構成される追加の工程j)を含み、
工程j)の間に、前記吸着カップが、前記マスク(12)が適用されるべきである前記表面(S62)の前記部分(Z62)に、押圧する(A3)ことにより、一時的に固定され、
工程b)の間に、前記取り外し可能部が、非噴霧化流体の層(122、124、126)で少なくとも部分的に被覆され、
工程d)の間に、前記吸着カップの内部容積内に、かつ、場合により、非噴霧化流体の前記層(122、124、126)と前記表面(S62)との間に、ガスを注入する(A4)ことにより、前記吸着カップが前記表面から分離され、取り外し可能な前記吸着カップ(38)が、前記表面(S62)から引き離される(A2)、(付記1)~(付記13)のいずれか1つに記載の方法。
(付記15)
パターンを含む部材の表面を塗装するための設備であって、
前記表面上に第1コーティング用製品を適用する(1002)ための少なくとも1つの第1アプリケータ(82a)と、
前記表面上に第2コーティング用製品を適用する(1018;1022)ための少なくとも1つの第2アプリケータ(86a;86b)とを含み、
前記表面(S62;S66)上に、マスク(12)の少なくとも一部を自動的に適用するための少なくとも1つの自動アプリケータ(14、16)をまた含む、設備。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15