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特許7010840光音響、超音波及び光干渉断層撮影技術を用いた血管内装置、システム並びに方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】光音響、超音波及び光干渉断層撮影技術を用いた血管内装置、システム並びに方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20220119BHJP
   A61B 8/13 20060101ALI20220119BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220119BHJP
   A61B 1/313 20060101ALI20220119BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B8/13
A61B1/00 530
A61B1/00 526
A61B1/313 510
A61B1/045 620
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018551389
(86)(22)【出願日】2017-03-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2017057479
(87)【国際公開番号】W WO2017167842
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-26
(31)【優先権主張番号】62/315,275
(32)【優先日】2016-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】スティガル ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】サロハ プリンストン
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0098572(US,A1)
【文献】特表2015-513350(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0038824(US,A1)
【文献】国際公開第2013/145690(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0005627(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0282192(US,A1)
【文献】国際公開第2016/031700(WO,A1)
【文献】特開2015-150238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
A61B 1/00 - 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1群のレーザパルスを放出する第1レーザ光源と、
第2群のレーザパルスを放出する第2レーザ光源と、
関心領域における血管路内に配置される測定装置であって、
前記測定装置が、細長い可撓性構造体と前記可撓性構造体面上に配置されるセンサアレイとを有し、前記センサアレイは前記可撓性構造体の周りに配置された複数の光受信器と複数の超音波トランスジューサ素子とを有し、
前記第1群のレーザパルスを前記関心領域における組織に送信し、
前記第1群のレーザパルスの該組織との相互作用の結果として該組織により発生された音波を、前記センサアレイを介して受信し、
前記第2群のレーザパルスを前記関心領域における組織に送信し、
前記第2群のレーザパルスの該組織との相互作用の結果としての一群の反射されたレーザパルスを、前記センサアレイを介して受信し、
超音波信号を前記関心領域における組織に送信し、
前記超音波信号の該組織との相互作用の結果としての超音波エコー信号を、前記センサアレイを介して受信する、
ことにより前記血管路のデータを収集するための測定装置と、
前記データを交互に受信及び送信するように前記測定装置を制御し、前記測定装置と通信して、受信した前記音波、受信した前記反射されたレーザパルス及び受信した前記超音波エコー信号に基づいて前記関心領域の画像を生成する処理エンジンと、
前記処理エンジンと通信して、前記関心領域の前記画像を視覚的に表示するディスプレイと、
を有する、医療用センシングシステム。
【請求項2】
前記測定装置と通信する光検出器を更に有する、請求項1に記載の医療用センシングシステム。
【請求項3】
前記第1群のレーザパルス又は前記第2群のレーザパルスを前記測定装置に選択的に送信する電動反射器システムを更に有する、請求項1に記載の医療用センシングシステム。
【請求項4】
前記測定装置のセンサアレイが該測定装置の長軸の回りに回転する、請求項1に記載の医療用センシングシステム。
【請求項5】
前記センサアレイが前記測定装置に接続された駆動部材上に配置された、請求項4に記載の医療用センシングシステム。
【請求項6】
前記測定装置が、
前記超音波信号を送信すると共に超音波エコー信号を受信する超音波トランスジューサと、
前記第1群のレーザパルス及び前記第2群のレーザパルスのうちの少なくとも一方を送信する光エミッタと、
を有する、請求項1に記載の医療用センシングシステム。
【請求項7】
前記光エミッタが前記超音波トランスジューサの反対側に配置される、請求項6に記載の医療用センシングシステム。
【請求項8】
前記超音波トランスジューサが、更に、前記レーザパルスの前記組織との相互作用の結果として該組織により発生された前記音波を受信する、請求項6に記載の医療センシングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、広くは、光音響及び超音波方式により血管路及び周囲の組織を撮像及びマッピングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 疾病の診断及び治療の成功レベルの検証における技術革新は、外部的撮像処理から内部的診断処理へと移っている。特に、カテーテル等の可撓性測定装置又はカテーテル治療手順のために使用されるガイドワイヤの遠端に配置される超小型センサにより血管閉塞及び他の血管疾患を診断するための診断装置及び処理が開発されている。例えば、既知の医療用センシング技術は、血管造影法、血管内超音波(IVUS)、前方視IVUS(FL-IVUS)、部分冠血流予備比(FFR)測定、冠動脈血流予備比(CFR)測定、光干渉断層撮影(OCT)、経食道心エコー法、及び画像誘導治療を含む。
【0003】
[0003] 例えば、血管内超音波(IVUS)撮像法は介入心臓病学において、治療の必要性を決定し、介入治療をガイドし及び/又はその有効性を評価するために、人体内の罹患血管(動脈等)を評価するための診断ツールとして広く使用されている。今日使用されている2つの一般型の、即ち回転型及び固体型(合成開口フェーズドアレイとしても知られている)のIVUSが存在する。典型的な回転型IVUS装置の場合、関心血管内に挿入されるプラスチック製シース(鞘)内で回転する単一の超音波トランスジューサ素子が可撓性駆動軸の先端に配置される。側方視回転型装置において、当該トランスジューサ素子は超音波ビームが当該装置の長軸に対し概ね垂直に伝搬するように向けられる。前方視回転型装置において、トランスジューサ素子は、超音波ビームが一層先端に向かって伝搬する(幾つかの装置では、長軸中心線に平行に放出される)ように遠端に向かって傾斜される。流体で満たされたシースは、当該血管を回転するトランスジューサ及び駆動軸から保護する一方、超音波信号が該トランスジューサから組織へと伝搬し、戻ることを可能にする。駆動軸が回転する際に、トランスジューサは高電圧パルスにより周期的に励起され、超音波の短いバーストを放出する。次いで、同じトランスジューサが種々の組織構造から反射されて戻るエコーを聴取する。IVUS医療用センシングシステムは、当該トランスジューサの単一の回転の間に生じるパルス系列/収集サイクルから当該組織、血管、心臓構造等の二次元表示を組み立てることができる。血管の或る長さを撮像するために、トランスジューサ素子は、回転する間に当該血管を介して引き動かすことができる。
【0004】
[0004] 対照的に、固体型IVUS装置は、一群のトランスジューサコントローラに接続された超音波トランスジューサのアレイを含むスキャナアセンブリを用いる。側方視及び幾つかの前方視IVUS装置において、トランスジューサは当該装置の周にわたって分散される。他の前方視IVUS装置において、トランスジューサは、遠端に配置されると共に超音波ビームが長軸中心線に対して平行に近く伝搬するように傾斜された直線アレイである。トランスジューサコントローラは、超音波パルスを送信すると共にエコー信号を受信するようにトランスジューサ群を選択する。一連の送信/受信群を介して歩進することにより、該固体型IVUS装置は、機械的にスキャンされるトランスジューサ素子の効果を、部品を移動させることなく合成することができる。回転する機械的要素が存在しないので、該センサアレイは、最小限の血管外傷のリスクで、血液及び血管組織に直に接触させて配置することができる。更に、回転する要素が存在しないので、インターフェースは簡素化される。当該固体型スキャナは、医療用センシングシステムに、簡単な電気ケーブル及び標準的な着脱可能な電気コネクタにより直に配線することができる。該スキャナアセンブリのトランスジューサは回転しないが、血管の或る長さを撮像するために、一連のラジアルスキャンを生成すべく送信/受信群を介して歩進する間に該スキャンアセンブリが血管を介して引き動かされるという点で、操作は回転型システムのものと類似している。
【0005】
[0005] 回転型及び固体型IVUSは、当該環境の狭い領域をサンプリングすると共に結果から二次元又は三次元画像を組み立てる撮像方式の幾つかの例に過ぎない。他の例は、超音波システムとの関連で使用されている光干渉断層撮影(OCT)法を含む。これらの方式を血管路内で使用する重要な課題の1つは、これらが血管壁を越えて解剖構造に関するデータを収集することが限られることである。OCTはIVUS撮像より一層高い解像度を生じるが、OCTは特に制限された侵入深度を有し、組織領域を撮像するのに一層多い時間が掛かり得る。
【0006】
[0006] 他の最近の生物医学撮像方式は、光音響撮像法である。光音響撮像装置は、組織内に短いレーザパルスを供給し、該組織からの結果的音響出力を監視する。組織を通しての変化する光吸収により、レーザパルスによるパルスエネルギは当該組織内に異なる過熱を生じさせる。この過熱及び関連する膨張は、組織の光吸収に対応する音波の生成につながる。これらの音波は検出することができ、当該組織の画像を該音波の解析により生成することができると共に、“Systems and methods for identifying vascular borders”なる名称の米国特許出願公開第2013/0046167号(参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されているように関連する血管構造を識別することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007] 従って、上記及び他の理由により、血管路及び周囲の組織のマッピングを可能にする改善されたシステム及び技術に対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008] 本開示の実施態様は、血管路内に配置されるように構成された測定装置上で光音響及びIVUS撮像システムを組み合わせるマッピングシステムを提供する、該システムは、3つのマッピング方式、即ち、超音波、光音響及びOCTの組み合わせを可能にすることができる。当該センサアレイは、上記測定装置の軸の回りに回転可能とすることができ、当該システムが血管路及び周囲の組織をマッピングすることを可能にする。
【0009】
[0009] 幾つかの実施態様においては、医療用センシングシステムが提供され、該システムは、第1群のレーザパルスを放出するように構成された第1レーザ光源と;第2群のレーザパルスを放出するように構成された第2レーザ光源と;関心領域における血管路内に配置されるよう構成された測定装置であって、前記第1群のレーザパルスを前記関心領域における組織に送信し、前記第1群のレーザパルスの前記組織との相互作用の結果として該組織により発生された音波を受信し、前記第2群のレーザパルスを前記関心領域における組織に送信し、前記第2群のレーザパルスの該組織との相互作用の結果としての一群の反射されたレーザパルスを受信し、超音波信号を前記関心領域における組織に送信し、前記超音波信号の該組織との相互作用の結果としての超音波エコー信号を受信するように構成された測定装置と;前記測定装置と通信して、前記関心領域の画像を受信した前記音波、受信した前記反射されたレーザパルス及び受信した前記超音波エコー信号に基づいて生成するよう動作する処理エンジンと;前記処理エンジンと通信して、前記関心領域の前記画像を視覚的に表示するように構成されたディスプレイと;を有する。
【0010】
[0010] 幾つかの実施態様においては、前記測定装置と通信する光検出器も設けられる。当該システムは、前記第1群のレーザパルス又は前記第2群のレーザパルスを前記測定装置に選択的に送信するように構成された電動反射器システムを含むことができる。幾つかの実施態様において、前記測定装置のセンサアレイは、該測定装置の長軸の回りに回転するように構成される。該センサアレイは、前記測定装置に接続された駆動部材上に配置することができる。
【0011】
[0011] 幾つかの実施態様において、前記測定装置は、前記超音波信号を送信すると共に超音波エコー信号を受信するように構成された超音波トランスジューサと;前記第1群のレーザパルス及び前記第2群のレーザパルスのうちの少なくとも一方を送信するように構成された光エミッタと;を含む。幾つかの実施態様において、前記光エミッタは、前記超音波トランスジューサの反対側に配置される。該超音波トランスジューサは、更に、前記レーザ(光)パルスの前記組織との相互作用の結果として該組織により発生された前記音波を受信するように構成することができる。
【0012】
[0012] 幾つかの実施態様においては、関心領域をマッピングする方法が提供され、該方法は、第1レーザ光源により第1群のレーザパルスを発生するステップと;第2レーザ光源により第2群のレーザパルスを発生するステップと;前記第1及び第2群のレーザパルスを、経路に沿って、血管路内に配置された測定装置に送信するステップと;前記第1群のレーザパルスを前記測定装置から関心領域における組織に放出するステップと;前記血管路内に配置された前記測定装置により、前記第1群のレーザパルスの前記組織との相互作用により発生された音波を受信するステップと;前記第2群のレーザパルスを前記測定装置から前記関心領域における組織に放出するステップと;前記血管路内に配置された前記測定装置により、前記第2群のレーザパルスの前記組織との相互作用により発生された反射されたレーザパルスを受信するステップと;前記血管路内に配置された前記測定装置により、超音波信号を前記関心領域における前記組織に向かって送信するステップと;前記血管路内に配置された前記測定装置により、前記送信された超音波信号の超音波エコー信号を受信するステップと;受信した前記音波、受信した前記反射されたレーザパルス及び受信した前記超音波エコー信号に基づいて前記関心領域の画像を生成するステップと;前記関心領域の前記画像をディスプレイに出力するステップと;を有する。
【0013】
[0013] 幾つかの実施態様において、当該方法は、前記センサアレイを、前記音波を受信するステップ、前記超音波信号を送信するステップ及び前記超音波エコー信号を受信するステップのうちの少なくとも1つの間において前記血管路を介して移動させるステップを更に有する。当該方法は、前記センサアレイを、前記第1群のレーザパルスを放出するステップ、前記第2群のレーザパルスを放出するステップ及び前記超音波信号を送信するステップのうちの少なくとも1つの間において回転させるステップを有することができる。前記音波を受信するステップ、前記反射されたレーザパルスを受信するステップ及び前記超音波エコー信号を受信するステップは、順次に実行することができる。幾つかの実施態様において、前記音波を受信するステップ、前記反射されたレーザパルスを受信するステップ及び前記超音波エコー信号を受信するステップのうちの少なくとも2つは同時に実行される。前記測定装置は、超音波トランスジューサ及び光音響トランスジューサを有することができる。
【0014】
[0014] 本開示の更なる態様、フィーチャ及び利点は後述する詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0015】
[0015] 本開示の解説的実施態様は、添付図面を参照して説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A図1Aは、本開示の幾つかの実施態様による医療用センシングシステムの図式的概略図である。
図1B図1Bは、本開示の幾つかの実施態様による医療用センシングシステムの図式的概略図である。
図1C図1Cは、本開示の幾つかの実施態様による例示的センサアレイを備えた医療用センシングシステムの図式的概略図である。
図1D図1Dは、本開示の幾つかの実施態様による他の例示的センサアレイを備えた医療用センシングシステムの図式的概略図である。
図2A図2Aは、本開示の一実施態様によるセンサアレイを備えた医療用センシングシステムの図式的概略図である。
図2B図2Bは、本開示の他の実施態様によるセンサアレイを備えた医療用センシングシステムの図式的概略図である。
図2C図2Cは、本開示の他の実施態様によるセンサアレイを備えた医療用センシングシステムの図式的概略図である。
図2D図2Dは、本開示の他の実施態様によるセンサアレイを備えた医療用センシングシステムの図式的概略図である。
図2E図2Eは、本開示の他の実施態様によるセンサアレイを備えた医療用センシングシステムの図式的概略図である。
図3図3は、本開示の一実施態様による血管路内に器具が配置された血管路及び周囲の組織の概略斜視図である。
図4図4は、本開示の幾つかの実施態様によるセンサアレイを用いた血管路をマッピングする方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0027] 本開示の原理の理解を促進するために、図面に示された実施態様を参照すると共に、同実施態様を説明するために固有の文言が使用されるであろう。それにも拘わらず、本開示の範囲に対する如何なる限定も意図されるものではないと理解される。説明される装置、システム及び方法に対する如何なる代替案及び更なる変更例並びに本開示の原理の如何なる他の応用例も、本開示が関係する当業者により普通に思い付くように、本開示内において完全に意図され且つ含まれるものである。例えば、当該血管内センシングシステムは心臓血管撮像に関して説明されているが、これは、この応用例に限定しようとするものではないと理解される。当該システムは、等しく、限定された空洞内での撮像を必要とする如何なる応用にも好適である。特に、一実施態様に関して説明されるフィーチャ、構成要素及び/又はステップは、本開示の他の実施態様に関して説明されるフィーチャ、構成要素及び/又はステップと組み合わせることができることは十分に意図されているものである。しかしながら、簡潔さのために、これらの組み合わせの数々の繰り返しは、別途記載されるものではない。
【0018】
[0028] 図1Aは、本開示の幾つかの実施態様による医療用センシングシステム100の図式的概略図である。該医療用センシングシステム100は、測定装置102(カテーテル、ガイドワイヤ又はガイドカテーテル等)を含んでいる。ここで使用される場合、“測定装置”又は“可撓性測定装置”は、患者の脈管構造に挿入することができる少なくとも如何なる細く長い可撓性構造体をも含む。本開示の“測定装置”の図示された実施態様は、該可撓性測定装置102の外径を定める円形断面輪郭を備えた円筒状輪郭を有しているが、他の事例において、該可撓性測定装置102の全て又は一部は他の幾何学的断面輪郭(例えば、卵形、長方形、正方形、楕円形等)又は非幾何学的断面輪郭を有することができる。可撓性測定装置102は、例えば、ガイドワイヤ、カテーテル及びガイドカテーテルを含むことができる。この点に関し、カテーテルは、他の器具を受け入れ及び/又は案内するために自身の長さの全て又は一部に沿って延びる管腔(ルーメン)を含んでもよく、含まなくてもよい。当該カテーテルが管腔を含む場合、該管腔は当該装置の断面輪郭に対して中心を合わせ又はオフセットさせることができる。
【0019】
[0029] 医療用センシングシステム100は、種々の用途に使用することができ、生体内の血管及び構造体に接近するために用いることができる。そのようにするために、測定装置102は血管104内へと進められる。血管104は、生体内の流体で満たされた又は取り囲まれた構造体(自然及び人工の両方の)を表し、これらは撮像することができると共に、限定無しで、例えば、肝臓、心臓、腎臓及び身体の血管系又は他の系内の弁を含む臓器等の構造体を含むことができる。自然構造体を撮像することに加えて、当該画像は、限定無しで、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ及び体内に配置される他の装置等の人口構造体を含むことができる。測定装置102は、血管104に関する診断データを収集するために装置102の長さに沿って配置された1以上のセンサ106を含む。種々の実施態様において、該1以上のセンサ106は、IVUS撮像、圧力、流量、OCT撮像、経食道心エコー検査、温度、他の好適な方式、及び/又はこれらの組み合わせ等のセンシング方式に対応する。
【0020】
[0030] 図1Aの例示的実施態様において、測定装置102は固体型IVUS装置を含み、センサ106は1以上のIVUS超音波トランスジューサ及び/又は光音響トランスジューサ並びに関連する制御部を含む。ここで使用される場合、“光音響トランスジューサ”は、光パルスの組織との相互作用の結果として発生される光音響波を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを含む。一実施態様において、光音響トランスジューサは、IVUS超音波トランスジューサと同様の超音波検出メカニズムを利用する。幾つかの実施態様においては、単一のトランスジューサが、IVUSトランスジューサ及び光音響トランスジューサの両方として働くことができる。他の実施態様において、光音響トランスジューサは、IVUS超音波トランスジューサのものとは異なる専用の光音響波検出メカニズムを用いる。図1Aのシステムは、Volcano Corporationから入手可能なEagle Eye(登録商標)プラチナカテーテルに関連するフェーズドアレイIVUS装置、システム及び方法の態様、並びに米国特許第7,846,101号及び/又は2015年7月29日に出願された米国特許出願第14/812,792号(これら文献の各々は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されたものを含むことができる。
【0021】
[0031] 他の実施態様において、前記光音響トランスジューサは、IVUS超音波送受信器のものとは異なる専用の光音響波検出メカニズムを使用する。ここで使用される場合、“光エミッタ”は、レーザ発光器等の光源、並びにレンズ、ファイバ及び光ポート等の光信号を伝送するために使用される光学装置を含むことができる。ここで使用される場合、“光送受信器”は、光検出器及び電荷結合装置(CCD)等の光信号を受信及び測定するために使用される任意の装置とすることができる。
【0022】
[0032] センサ106は、血管104及び周囲の(取り囲む)生体構造の断面表現を取得するために測定装置102の周に沿って配置されると共に超音波エネルギを放射方向(110)に放出するように位置決めされ得る。センサ106が撮像されるべき領域の近くに位置決めされた場合、制御回路は1以上のIVUSトランスジューサを選択して超音波パルスを送信し、該超音波パルスは血管104及び周囲の構造により反射される。該制御回路は、超音波エコー信号を受信するために1以上のトランスジューサも選択する。送信/受信群の系列を介して歩進することにより、当該医療用センシングシステム100は、部品を移動させずに、機械的にスキャンされるトランスジューサ素子の効果を合成することができる。
【0023】
[0033] 一実施態様において、センサ106は測定装置102の遠端部の周に沿って周方向に配置される。他の実施態様において、センサ106は測定装置102の本体内に収容される。他の実施態様において、センサ106は、測定装置102に接続された可動駆動部材上において又は測定装置102に接続された1以上の平面アレイ上において、該測定装置102を横切って放射方向に配置される。センサ配置の更なる例は、図1C図1D及び図2A図2Eに示されている。
【0024】
[0034] 幾つかの実施態様において、コンソール116に含めることができる処理エンジン134は、IVUS方式及び光音響方式の両方から取得された撮像データを単一の視覚化情報に組み合わせる。このIVUS及び光音響の両方式の使用は、単一の方式を用いる伝統的システムを超える数々の利点を提供する。第1に、光音響センサの追加は、伝統的IVUS方式単独よりも高い解像度のマッピングを可能にし得る。第2に、IVUS及び光音響方式の組み合わせは、OCT撮像法又は他の方法よりも速い撮像速度を可能にする。第3に、該組み合わせは血管路を取り囲む組織の二次元及び/又は三次元撮像を可能にする。第4に、光音響撮像の使用は、IVUSマッピング手順の診断範囲を周囲の組織の一層多くを含めることにより拡大することができる。特に、組み合わされたIVUS及び光音響マッピングは、特定のタイプの癌、組織障害の検出を可能にすると共に、プラーク、狭窄及び他の形態の血管疾患を検出する際の超音波法の信頼性を犠牲にすることなく複数の血管路のマッピングを可能にすることができる。第5に、これら2つの方式を組み合わせることは、既存のIVUSシステムを、両方式を用いるマッピングシステムに適合させることができるので、大幅な費用節約を可能にする。第6に、光パルスの組織との相互作用及び該組織からの光音響波の全方向的放射により、光パルスはトランスジューサと同一の軸に沿って放出される必要はない。このことは、組み合わされた光音響及びIVUS手順を実行する際の一層大きな柔軟性を可能にすると共に、深い又は入り組んだ血管路に沿ってさえ、正確なマッピング手順を可能にする。第7に、本開示のマッピング能力は幾つかの形態のレーザ治療と統合することができる。例えば、組織内の疾患の診断を、前記光エミッタを診断モードにおいて使用して達成することができる。診断の後、該光エミッタは治療モードに切り換えることができる。この点に関し、当該血管及び周囲の組織のマップを当該治療の適用を誘導するために使用することができる。光治療が完了した後、該光エミッタは当該罹患組織部分の治療を確認するために診断モードに戻すことができる。
【0025】
[0035] センサデータはケーブル112を介して患者インターフェースモジュール(PIM)114及びコンソール116へ、並びに該コンソール116内に配置することができる処理エンジン134へ伝送することができる。前記1以上のセンサ106からのセンサデータは、コンソール116の処理エンジン134により受信され得る。他の実施態様において、処理エンジン134は測定装置102から物理的に分離されるが、該測定装置と通信する(例えば、無線通信を介して)。幾つかの実施態様において、処理エンジン134はセンサ106を制御するように構成される。信号の送信及び受信の正確なタイミングは、IVUS及び光音響の両方式を用いる手順において血管路をマッピングするために使用することができる。特に、幾つかの手順は、信号を交互に送信及び受信するためのセンサ106の駆動を含み得る。光音響及び超音波の両信号を受信するように構成された1以上のIVUSトランスジューサを用いるシステムにおいて、処理エンジン134は、血管路及び周囲の組織のマッピングの間において1以上のトランスジューサの状態(例えば、送信/受信)を制御するように構成することができる。
【0026】
[0036] 更に、幾つかの実施態様において、処理エンジン134、PIM114及びコンソール116は、併置され、及び/又は同一のシステム、ユニット、シャーシ又はモジュールの一部とされる。処理エンジン134、PIM114及び/又はコンソール116は、一緒になって、前記センサデータを組み立て、処理し及びディスプレイ118上における画像としての表示のためにレンダリングする。例えば、種々の実施態様において、処理エンジン134、PIM114及び/又はコンソール116は、センサ106を構成するための制御信号を発生し、センサ106を駆動するための信号を発生し、センサデータの増幅、フィルタ処理及び/又は集計を実行し、並びにセンサデータを表示のための画像としてフォーマットする。これらのタスク及び他のものの割り当ては、処理エンジン134、PIM114及びコンソール116の間において種々のやり方で分散させることができる。
【0027】
[0037] 図1Aを依然として参照すると、測定装置102には引き戻し装置(プルバック装置)138を接続することができる。幾つかの実施態様において、プルバック装置138は血管路104を介して測定装置102を引き動かすように構成される。プルバック装置138は、当該測定装置を1以上の一定の速度で及び/又は一定の距離で引き動かすように構成することができる。他の事例において、プルバック装置138は当該測定装置を可変速度で及び/又は可変距離で引き動かすように構成することができる。プルバック装置138は測定装置102に対して、雄雌プラグ相互作用、機械的結合、ファスナ及び/又はこれらの組み合わせ等の機械的接続により選択的に接続することができる。更に、幾つかの事例において、プルバック装置138はPIM114に対して機械的に結合し及び/又は統合することができる。このような事例において、PIM114に対する測定装置102の接続は、プルバック装置138を測定装置102に結合し得る。プルバック装置138は、ケーブル、トラック、ワイヤ又はリボンに沿って滑らすことができる。幾つかの実施態様において、プルバック装置138は、処理エンジン134、PIM114又はコンソール116と通信する。更に、プルバック装置138は、処理エンジン134、PIM114又はコンソール116を介して伝送される信号により制御することができる。また、プルバック装置138は、外部の光エミッタを駆動するためのアクチュエータ等の他の動力装置と通信状態に置くこともできる。幾つかの実施態様において、外部光エミッタ及び測定装置102を同期して移動させるために、アクチュエータをプルバック装置138に同期させることができる。
【0028】
[0038] 種々のセンサ106に加えて、測定装置102は図1Aに示されるようにガイドワイヤ出口ポート120を含むことができる。ガイドワイヤ出口ポート120は、血管構造(即ち、血管)104を介して当該部材102を導くため、ガイドワイヤ122が遠端に向かって挿入されることを可能にする。従って、幾つかの事例において、測定装置102は迅速交換カテーテルである。加えて又は代わりに、測定装置102はガイドカテーテル124内で血管104を経て進めることができる。一実施態様において、測定装置102は遠端の近傍に膨張可能なバルーン部126を含む。バルーン部126は、当該IVUS装置の長さに沿って進む管腔に対して開口すると共に膨張ポート(図示略)で終端する。バルーン126は、該膨張ポートを介して選択的に膨張され又は収縮され得る。他の実施態様において、測定装置102はバルーン部126を含まない。
【0029】
[0039] 図1Bは、本開示の幾つかの実施態様による代替測定装置102を含んだシステムの概略図である。図1Bの測定装置102は回転型IVUS超音波システム等の典型的な回転型装置であり、1以上のセンサ106は放射方向110に超音波エネルギを放出するように構成された1以上のIVUSトランスジューサ及び1以上の光音響トランスジューサを含む。ここでも、単一のトランスジューサは、IVUSトランスジューサ及び光音響トランスジューサの両方として働くことができる。このような実施態様において、当該1以上のセンサ106は、血管104の断面的表現を得るために測定装置102の長軸の回りで機械的に回転することができる。図1Bのシステムは、Volcano Corporationから入手可能なRevolution(登録商標)カテーテルに関連する回転型IVUS装置、システム及び方法の態様、並びに米国特許第5,243,988号、第5,546,948号及び第8,104,479号並びに/又は2015年8月27日に出願された米国特許出願第14/837,829号(これら文献の各々は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されたものを含むことができる。
【0030】
[0040] 幾つかの実施態様において、センサ106はOCT送受信器又は血管路内から光パルスを放出するよう構成された光エミッタを含む。光エミッタは、測定装置102の回りに回転するよう構成することができる。他の実施態様は、センサの他の組み合わせを組み込む。如何なる特定の実施態様に対しても、特定のセンサ又はセンサの組み合わせが必要とされることはない。
【0031】
[0041] 本開示のシステムは、Attorney Docket No. IVI-0082-PRO /
44755.1586PV01, No. IVI-0083-PRO / 44755.1587PV01, No. IVI-0087-PRO / 44755.1590PV01及び/又はNo. IVI-0086-PRO / 44755.1592PV01による米国予備特許出願(これら文献の各々は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載された1以上のフィーチャを含むことができる。
【0032】
[0042] 図1C及び図1Dは、本開示により想定される測定装置102の他の例を示す。特に、センサ106の構成及び配置を、測定装置102上で変化させることができる。例えば、図1Cは固体型センサ(フェーズドアレイセンサとしても知られている)106a及び回転型センサ106bを含む測定装置102を示す。図1Cにおいて、回転型センサ106bは、測定装置102に取り付けられた駆動部材140上に配置されている。センサ106は、IVUSトランスジューサ、IVUSエミッタ、光音響トランスジューサ及び光エミッタを含むことができる。回転型センサ106bは光エミッタ又は超音波トランスジューサを含むことができる。幾つかの実施態様において、駆動部材140は測定装置102に駆動軸又は可動ヒンジにより取り付けられる。駆動部材140は、測定装置102の長軸に対して回転するように構成することができる。幾つかの場合において、固体型センサ106aは、測定装置102に直に取り付けられ、回転する駆動部材140に対して相対的に静止状態に留まる。幾つかの実施態様において、固体型センサ106aは測定装置102の周に沿って周方向に配置される。回転型センサ106bは測定装置102の回りに完全な360°の弧にわたり回転するよう構成することができる。代わりに又は加えて、該回転型センサは270°、180°、90°又は種々の他の測定の弧にわたって回転するよう構成される。回転型センサ106bの回転方向は、血管路の長さに沿って変化することができる。
【0033】
[0043] 図1Dは、センサアレイ128を含む測定装置102を示す。図1Dの例において、センサアレイ128は測定装置102の長軸に対して回転するように構成することができる。特に、センサアレイ128は、IVUSトランスジューサ、IVUSエミッタ、光音響トランスジューサ及び光エミッタを含むエミッタ及びセンサを含むことができる。幾つかの実施態様において、センサアレイ128は少なくとも2つの異なるタイプ又は方式のセンサを含む。例えば、センサアレイ128は、1以上の回転型センサ106b並びに第1タイプ130のセンサ及び第2タイプ132のセンサを含むことができる。図1Dの例において、第1及び第2タイプ130,132のセンサは、アレイ128上に交互の態様で配置される。幾つかの実施態様(図示略)において、第1及び第2タイプ130,132のセンサは、アレイ128上に市松模様構成で配置され、第1タイプ130の個々のセンサが互いに隣接しないようにする。更に、第1及び第2タイプ130,132のセンサは、アレイ128の面積の大凡等しい割合を占めることができる。図1Dの例では正方形又は長方形に見えるが、第1及び第2タイプ130,132のセンサは円形、楕円形、多角形又は他の形状を有することができる。第1及び第2タイプ130,132のセンサは測定装置102にわたって離隔することができ、又は互いに接して配置することもできる。幾つかの実施態様において、センサの各タイプは、他のセンサタイプに対して、アレイ128の面積の大凡等しい割合を占めることができる。他の実施態様において、センサアレイ128上における2以上のセンサタイプの表面積の比は、各々、20%及び80%、30%及び70%、又は40%及び60%である。
【0034】
[0044] 図1Dの例において、センサアレイ128は交互の行に配置された2以上の異なるタイプ130,132のセンサを備えて図示されている。これらの行は放射状に配置され、測定装置102の周りに部分的に又は完全に延在することができる。幾つかの実施態様において、センサの行は千鳥状に配置され、個々の行の端部が隣接しないようにする。幾つかの実施態様において、センサの行は、間に空間を伴わないように互いに隣接して配置される。他の例として、センサの行は、測定装置102にわたって、間に空間を伴って隔てられる。幾つかの場合において、測定装置102上には、2、3、4又は5行の交互のセンサが配置される。前述したように、アレイ128は測定装置102の軸の回りに回転するように構成することができる。
【0035】
[0045] 測定装置102が血管路104に沿って移動されるにつれて、回転型センサ106b及び第1及び第2タイプ130,132のセンサは該血管路の内部の異なる断面を撮像及び/又はマッピングするよう動作することができる。幾つかの実施態様において、測定装置102は、センサアレイ128の反対側の各センサが血管路104全体を個々にマッピングして該血管路104の多方式マップを生成することができるように、低速で移動される。
【0036】
[0046] センサアレイ128は、図1Cに示されたように、測定装置102と接触する別の器具上に配置することもできる。例えば、センサアレイ128は、測定装置102と接触すると共に該測定装置102の長軸の回りに回転する駆動部材140上において周方向に配置することができる。
【0037】
[0047] 図2A図2Eは、本開示の幾つかの実施態様による測定装置102に関連して使用することができるセンサアレイ128の例を示す。図2A図2Eには、測定装置102の一部のみが示されている。幾つかの実施態様において、図2A図2Eには図示されていない他の構成部品は、センサアレイ128の遠端又は近端側に配置される。幾つかの実施態様において、センサアレイ128は、図1A及び図1Bのセンサ106と同様の位置に配置される。センサアレイ128は、超音波トランスジューサ、光音響トランスジューサ、光エミッタ及び/又は受光器を含む1以上のエミッタ及びセンサを含むことができる。図2A図2Dの例において、センサアレイ128は測定装置102の周に沿って配置される一方、図2Eにおいて、センサアレイ128の各部分は測定装置102の本体内に配置されている。図示されていないが、センサアレイ128は、当該測定装置の遠端部上に、又は該測定装置とは別の駆動部材若しくは他の装置上に配置することもできる。
【0038】
[0048] 図2Aの例においては、第1タイプ130のセンサ及び第2タイプ132のセンサがセンサアレイ128に含まれている。第1及び第2タイプ130,132のセンサは交互の行に配置することができる。これらの行は、半径方向に配置することができ、測定装置102の周りに部分的に又は完全に延在することができる。幾つかの実施態様において、センサの行は千鳥状に配置され、個々の行の端部が隣接しないようにする。幾つかの実施態様において、センサの行は、間に空間を備えずに互いに隣接して配置される。他の例として、センサの行は、間に空間を伴って測定装置102にわたり隔てられる。幾つかの場合においては、2、3、4又は5行の交互のセンサが測定装置102上に配置される。前述したように、アレイ128は測定装置102の軸の回りに回転するように構成することができる。
【0039】
[0049] 図2Bの例において、センサアレイ128は交互の列として配置された第1タイプ及び第2タイプ130,132のセンサを備えて図示されている。これらのセンサ列は、当該測定装置の全周にわたって配置することができるか、又は、代わりに、周の一部に沿ってのみ配置することができる。幾つかの実施態様において、センサの列は間に空間を伴わずに互いに隣接して配置される。他の例として、これらの列は間に空間を伴って測定装置102の周にわたり隔てて配置される。
【0040】
[0050] 図2Cの例において、第1及び第2タイプ130,132のセンサはアレイ128上に交互の態様で配置される。幾つかの実施態様において、第1タイプ及び第2タイプ130,132のセンサはアレイ128上に市松模様の構成で配置され、第1タイプ130の各センサが互いに隣接しないようにする。更に、第1タイプ及び第2タイプ130,132のセンサは、アレイ128の面積の略等しい割合を占めることができる。図2Cの例では正方形又は長方形として見えるが、第1タイプ及び第2タイプ130,132のセンサは、円形、楕円形、多角形又は他の形状を有することができる。第1タイプ及び第2タイプ130,132のセンサは、測定装置102にわたって離隔することができるか、又は互いに接して配置することができる。
【0041】
[0051] 図2Dの例において、センサアレイ128は第1タイプ130のセンサが第2タイプ132のセンサにより取り囲まれるように図示されている。幾つかの実施態様において、センサアレイ128上での第1及び第2タイプ130,132のセンサの表面積の比は、各々、20%及び80%、30%及び70%、又は40%及び60%である。一実施態様において、第1及び第2タイプ130,132のセンサは、同一の層上に配置され、センサアレイ128の表面にわたり面一である。他の実施態様において、第1及び第2タイプ130,132の幾つかのセンサは、他のセンサに対して高くされる。例えば、第1及び第2タイプ130,132のセンサは、センサアレイ128の基部から0.25mm、0.5mm又は1mmの距離にわたり延在することができる。
【0042】
[0052] 図2Eの例において、センサアレイ128は同心的層136のセンサを備えて図示されている。幾つかの実施態様において、これらのセンサ層136は測定装置102に対して同軸的に配置される。更に、前記第1及び第2タイプ130,132のセンサが、該センサアレイ128において交互の層136を形成することができる。例えば、超音波トランスジューサを有するセンサ層136が、他の超音波トランスジューサ層上に位置する光音響トランスジューサの層の上に位置することができる。この配置は、広範囲の血管内で使用するのに適した一層コンパクトな測定装置を可能にする。図2A図2Eに示されたもの以外に、他の例示的センサアレイ128及びセンサの組み合わせも考えられる。例えば、センサアレイ128は、積層された交互のセンサアレイ128を形成するために、図2Eの層を図2Cの市松模様の配置と組み合わせることができる。
【0043】
[0053] 図3は、医療用マッピングシステム200並びに血管路104及び周囲の組織210の概略斜視図である。幾つかの実施態様において、医療用マッピングシステム200は、血管路104内に配置された測定装置102を含む。測定装置102は、図1A図1Dに図示された測定装置102と類似のものとすることができる。幾つかの実施態様において、測定装置102は、図1A及び図1Bに示されたプルバック装置のようなプルバック装置138に接続され、該プルバック装置により血管路104を介して移動させることができる。センサアレイ128は、測定装置102の周に配置することができる。センサアレイ128は、図2A図2Eに図示されたものの何れかとすることができる。幾つかの実施態様において、センサアレイ128は、超音波信号402を血管路104の壁の一部に向かって放射方向に放出する複数の超音波トランスジューサを含む。超音波信号402は、血管路の壁で反射され、測定装置102に向かって超音波エコー信号404として戻る。これらの超音波エコー信号404は、センサアレイ128上の超音波トランスジューサにより受信され得る。幾つかの場合においては、通信システム250が、超音波信号402を送信すると共に超音波エコー信号404を受信するためにセンサアレイ128のトランスジューサを制御する。幾つかの実施態様において、当該医療用センシングシステム200は、測定装置102が血管路104を介して方向400に進められる際に当該該血管路壁の断面をマッピングすることにより血管路104をマッピングするよう動作する。
【0044】
[0054] 幾つかの実施態様において、センサアレイ128は測定装置102の長軸の回りに回転するように構成することができる。図3の例において、測定装置102のセンサアレイ128を備える上部は、方向400に回転される。該回転の速度、軸及び方向は、医療手順を通して変化し得る。例えば、回転方向は、当該測定装置が或る領域を何回か撮像するために又は関心領域についての追加の診断データを得るために何回か変更することができる。幾つかの実施態様において、測定装置102の部分は、該測定装置102及び/又は血管路104を保護するために、図1Bに示されたもののようなシース124内に配置される。幾つかの実施態様において、センサアレイ128のセンサの幾つかは、測定装置102の軸の回りに回転可能である一方、他のセンサは回転されない。例えば、第1及び第2群の光パルス230,252を放出するように図示されたもの等の光素子260は回転され得る一方、該測定装置の固体部分は相対的に静止状態に留まる。幾つかの場合においては、センサアレイ128の異なる層が回転される一方、他のものは静止状態に留まる。
【0045】
[0055] 幾つかのケースにおいて、操作者は、血管路104をマッピングする処理の間において、該血管路104を介して測定装置102を移動させることができる。幾つかのケースにおいて、センサアレイ128は異なる方式とは独立に血管路104をマッピングするように構成される。例えば、当該血管路は、光音響又はOCT方式を用いる手順とは独立に、超音波手順によりマッピングすることができる。幾つかの実施態様において、センサアレイ128は、手順の所望の結果に依存して、異なる方式の組み合わせでマッピングするよう動作することができる。
【0046】
[0056] 図3には、第1光エミッタ220及び第2光エミッタ222も示されている。幾つかの実施態様において、第1光エミッタ220及び第2光エミッタ222は、患者の組織210内の関心領域に向かって短いレーザパルスを放出するように構成されたレーザ光源である。幾つかの実施態様において、上記関心領域は血管路104の一部及び隣接する組織を含む。図3の例において、第1及び第2光エミッタ220,222は外部に配置され、これら光エミッタ220,222からの光パルスは或る経路を介して測定装置102に伝送される。しかしながら、他の実施態様においては、1以上の光エミッタを血管路内に配置することもできる。例えば、光エミッタ又は光学要素260は、測定装置102上に直に配置することができ、センサアレイ128の一部を形成することができる。
【0047】
[0057] 第1光エミッタ220は第1群の光パルス230を放出するように構成することができ、これら光パルスは或る経路上を測定装置102まで進行し、最終的に前記関心領域内の焦点242上で収束される。該第1群の光パルス230は焦点242において組織210と作用し合うことができ、該組織210及び血管路104を介して伝搬する一連の光音響波240を発生する。該光音響波240は、センサアレイ128内のセンサにより受信され得る。幾つかの実施態様において、センサアレイ128は、測定装置102上に配置される。他の実施態様において、センサアレイ128は当該測定装置と接触する別の装置上に配置される。センサアレイ128は、血管路をマッピングするための信号を送信及び受信するよう構成することができる。
【0048】
[0058] 幾つかの実施態様において、第1及び第2群の光パルス230,252は、当該測定装置と第1及び第2光エミッタ220,222との間に配置された1以上の光ファイバを経由される。幾つかのケースにおいて、光ファイバは、第1及び第2光エミッタ220,222と接合部224との間、該接合部224とスイッチ226との間、該スイッチ226と光検出器228との間、及びスイッチ226と測定装置との間を通る。更に、レンズ、ミラー及び他の反射器を含む他の光学部品が、前記第1及び第2群の光パルス230,252が進行する経路の種々の部分を形成する。
【0049】
[0059] 第2光エミッタ222は、OCTエミッタとして構成することができる。特に、第2光エミッタ222は第2群の光パルス252を放出することができ、これら光パルスは或る経路上を測定装置102まで進行し、最終的に当該関心領域内へと放出される。該第2群の光パルス252は組織210と作用し合うことができ、一群の散乱又は反射されたパルス254が測定装置102に向かって戻り得る。幾つかのケースにおいて、この群の反射パルスは測定されて、前記第2群の光パルス252と比較され、当該関心領域のマッピングを可能にする。幾つかの実施態様において、第2光エミッタ222は、前記第1光エミッタ220と同様の機能で構成されて、光パルスの群を放出することができ、これらパルスは当該システムにより関心領域をマッピングするために受信される光音響波を生成する。この2エミッタ方法は、当該医療用マッピングシステム200が一層高い測定頻度、種々の侵入深度、及び/又は改善された撮像コントラストを達成することを可能にし得る。幾つかの実施態様において、第2光エミッタ222の機能は、当該手順の所望の結果に依存して、光音響機能からOCT機能へ変更することができる。例えば、当該医療用マッピングシステム200は、先ず、第1光エミッタ220が光音響機能を有すると共に第2光エミッタ222がOCT機能を有する予備マッピング手順を実行するために使用することができる。該予備マッピング手順により障害領域として識別された組織は、第1光エミッタ220及び第2光エミッタ222が共に光音響機能を有する一層高い解像度及び別の深度において再マッピングすることができる。幾つかの実施態様において、第1及び第2光エミッタ220,222は、単一のユニットに組み合わせることができる。光エミッタ220,222は、電源を共有することができると共に、同時に又は独立に動作させることができる。
【0050】
[0060] 幾つかの実施態様において、第1及び第2光エミッタ220,222により放出された光パルスは接合部224を通過する。この接合部224は、調整可能であり、幾つかのケースでは前記第1及び第2群のレーザパルス230,252の経路を短縮又は延長するために使用することができる。該接合部は、通信システム250、処理エンジン134、PIM114又はコンソール116(図1に示されたもの等の)により制御可能なものとすることができる。幾つかの実施態様において、接合部224は電動反射器である。接合部224は、第1及び第2光エミッタ220,222と共に単一のハウジング内に含めることもできる。
【0051】
[0061] 第1及び第2光エミッタ220,222により放出された各群の光パルス230,252は、スイッチ226も通過することができる。スイッチ226は、1以上の光ファイバ、1以上の反射器、1以上のレンズ及び/又は他の光学デバイスを含むことができる。スイッチ226は、上記光パルスを異なる方向に経路決めするために使用することができる。例えば、第1又は第2光エミッタ220,222から進行する光パルスは、該スイッチにより光検出器228へと経路決めすることができる。このことは、OCT撮像及び/又はマッピング手順におけるように、反射され又は偏向されたパルスの分析を可能にすることができる。幾つかの実施態様において、スイッチ226は、通信システム250、処理エンジン134、PIM114又はコンソール116(図1に図示されたもの等の)により制御可能である。
【0052】
[0062] 図3の例において、第1及び第2光エミッタ220,222は接続部236を介して通信システム250と通信する。幾つかの実施態様において、通信システム250は図1の処理エンジン134、PIM114又はコンソール116である。通信システム250は、接続部232を介して測定装置102に接続することもできる。更に、測定装置102は接続部234を介して光エミッタ220と直接通信することができる。幾つかの実施態様において、接続部232、234及び236は電気又は光信号を伝送するように動作するケーブルである。更に、接続部232はマイクロケーブルとすることができ、接続部234は光ファイバとすることができ、接続部236はブルートゥース(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)接続等の無線接続とすることができる。更に、光エミッタ220は無線信号受信器を含むことができる。接続部232は、センサアレイ128を含む測定装置102に給電するよう動作することもできる。
【0053】
[0063] 通信システム250は、第1及び第2光エミッタ220,222、接合部224、スイッチ226、光検出器228、センサアレイ128及び測定装置102等の種々の要素の動作を協調させることができる。例えば、幾つかの接続部232、234、236は、種々の要素の間の通信を可能にすることができる。幾つかの実施態様において、通信システム250は、図1Aの処理エンジン134、PIM114及びコンソール116のうちの1以上を含む。通信システム250は、第1及び第2光エミッタ220,222並びにセンサアレイ128におけるセンサの動作を、光パルス230,252の放出及びセンサアレイ128による光音響信号の受信を同期させる信号を送信することにより協調させることができる。幾つかのケースにおいて、通信システム250はセンサアレイ128上の異なるセンサタイプの動作を協調させる。特に、通信システム250は、センサアレイ128における超音波、光及び光音響機能の間を切り換えることができる。一時における1つのタイプのセンサのみの動作は、ノイズを除去し、血管路の一層正確なマッピングを生じさせることができる。
【0054】
[0064] 図4は、光音響、超音波及びOCT方式を用いて関心領域をマッピングする方法400を示すフローチャートである。方法400の前、間及び後に追加のステップを設けることができ、記載されるステップの幾つかは本方法の他の実施態様に対しては置換し又は削除することができると理解される。特に、ステップ408、410、412、414、416及び418は同時に又は後に説明するように種々の順序で実行することができる。
【0055】
[0065] ステップ402において、方法400は第1及び第2レーザ光源を駆動するステップを含むことができる。これらのレーザ光源は、図3に示された第1及び第2光エミッタ220,222であり得る。幾つかの実施態様において、第1及び第2レーザ光源は、外部に配置され、測定装置と通信する。幾つかの実施態様において、該測定装置は、図1A図1B図1C図1D図2A図2E、及び図3に図示された測定装置102である。
【0056】
[0066] 前記第1及び第2レーザ光源は、レーザパルスを光ファイバ等の通信装置を介して前記測定装置に伝送することができる。他の実施態様において、該第1及び第2レーザ光源は当該測定装置上又は内に配置される。例えば、第1及び第2レーザ光源は、当該測定装置上又は内に配置されたセンサアレイに含めることができる。幾つかの実施態様において、該センサアレイは、図1A図1B図1C図1D及び図2A図2Eに図示されたセンサアレイ128である。該センサアレイは、IVUSトランスジューサ、IVUSエミッタ、OCTトランスジューサ、光音響送受信器及び光エミッタを含む1以上のセンサ及びエミッタを含むことができる。2以上のトランスジューサ素子は、図1A図1D及び図2A図2Eに図示された例の何れかにおけるように配置することができる。幾つかのケースにおいて、前記第1及び第2レーザ光源は通信システムによって電気又は光信号により駆動される。この信号は無線で送信することができ、第1及び第2レーザ光源は無線信号受信器を備えることができる。
【0057】
[0067] ステップ404において、当該方法400は第1及び第2群のレーザパルスを発生するステップを含むことができる。幾つかの実施態様において、第1及び第2群のレーザパルスは同時に発生される。他の実施態様において、第1及び第2群のレーザパルスの発生は、異なる時点で生じる。このことは、レーザパルスが、これらパルスの間の干渉を生じることなく異なる方式で機能することを可能にし得る。例えば、第1群のレーザパルスは光音響波を生成するように構成することができる一方、第2群のレーザパルスはOCT撮像及び/又はマッピングを実行するように構成することができる。
【0058】
[0068] ステップ406において、当該方法400は、第1及び第2群のレーザパルスを経路に沿って測定装置及びセンサアレイに送信するステップを含むことができる。幾つかの実施態様において、当該センサアレイは、血管路104を介して進む間に回転しない固体アレイ又はフェーズドアレイである。他の実施態様において、該センサアレイは回転アレイである。幾つかの実施態様において、該センサアレイは当該測定装置の回転する部分上に配置される。幾つかの実施態様において、該センサアレイは当該測定装置の周に沿って配置される。該センサアレイは、当該測定装置上に配置することができるか、又は代わりに当該測定装置に接続される別の装置上に配置することができる。
【0059】
[0069] 前記第1及び第2群のレーザパルスは、光ファイバ、反射器、ミラー等の1以上の光学デバイスを介して当該測定装置まで進むことができる。幾つかのケースにおいて、該第1及び第2群のレーザパルスは1以上の接合部及びスイッチを経て進行する。このことは、操作者が当該第1及び第2群のレーザパルスの経路を制御することを可能にし得る。
【0060】
[0070] ステップ408において、当該方法400は前記第1群のレーザパルスを前記センサアレイから放出するステップを含むことができる。幾つかの実施態様において、第1群のレーザパルスは、光ワイヤ又はポート等のセンサアレイ上の光部品から放出される。第1群のレーザパルスは、関心領域内の組織に収束することができる。幾つかの実施態様において、該関心領域は少なくとも1つの血管路104の一部を含む組織の部分を含み、当該測定装置は該血管路104内に配置することができる。該関心領域は、当該組織における疑わしい又は診断された障害に基づいて、又は血管路104内の障害に対する組織領域の近さに基づいて選択することができる。他の実施態様において、関心領域は、より一般的なマッピング計画の一部である。例えば、血管路104の断面に関するマッピング計画は、血管路104を取り囲む組織の該血管路の長さに沿うマッピングを含むことができる。幾つかの実施態様において、当該レーザパルスは、血管路内に配置された測定装置から外側に向かって放出される。第1群のレーザパルスは組織と作用し合うことができ、当該組織及び血管路104を介して進行する一群の音波を生成する。
【0061】
[0071] ステップ410において、当該方法400は、第1群のレーザパルス及び組織の相互作用により発生された音波を受信するステップを含むことができる。幾つかのケースにおいて、当該センサアレイは光音響センサを含み、該光音響センサは伝統的なIVUS機能で以って機能すると共に超音波を受信することもできる。当該光音響センサは、超音波トランスジューサとすることができる。他のケースにおいて、該光音響センサは光音響波のみを受信するように構成される。幾つかの実施態様において、光音響センサを含むセンサ要素は、図3の通信システム250に類似した通信システムにより制御される。他の実施態様においては、処理エンジン134又はPIM114がセンサアレイ128におけるセンサの動作を制御する。信号を、処理エンジン134又はPIM114からコネクタ234を介して当該センサアレイにおけるセンサに送信することができ、これらセンサが診断情報を受信するようにさせる。
【0062】
[0072] ステップ412において、当該方法400は前記センサアレイから第2群のレーザパルスを放出するステップを含むことができる。幾つかの実施態様において、該第2群のレーザパルスは組織領域に収束することができる。これらレーザパルスの一部は、該レーザパルスの組織との相互作用により散乱又は反射され得、これらの反射されたパルスの幾つかは当該センサアレイに向かって戻り得る。
【0063】
[0073] ステップ414において、当該方法400は、第2群のレーザパルス及び組織の相互作用により発生された反射されたレーザパルスを受信するステップを含むことができる。幾つかのケースにおいて、これらパルスは当該センサアレイ上の1以上の光受信器により受信される。特に、これら光受信器は、上記反射されたレーザパルスを受信することができ、前記第2群のレーザパルスと比較されるべき該反射されたパルスに関するデータを送信することができる。このことは、当該組織の一部が、例えば、OCT方式で撮像されることを可能にする。
【0064】
[0074] ステップ416において、当該方法400は超音波信号を血管路104内に送信するステップを含むことができる。幾つかの実施態様において、ステップ416のセンサアレイは、超音波信号を血管路104の壁に向かって放出することができる1以上の超音波トランスジューサを含む。送信された超音波信号は、血管路104の壁により偏向され得、該血管路104を介して超音波エコー信号として伝搬することができる。
【0065】
[0075] ステップ418において、当該方法400は、送信された超音波信号からの超音波エコー信号を受信するステップを含むことができる。幾つかの実施態様においては、超音波トランスジューサが超音波エコー信号を受信する。ステップ410、416及び418の超音波トランスジューサは、単一のエレメントに組み合わせることができる。この場合、当該トランスジューサは音波及び超音波信号の両方を受信することができ得る。他の実施態様において、当該トランスジューサエレメントは別個のエレメントである。
【0066】
[0076] ステップ404、406、408、410、412、414、416及び418は、当該方法400において種々の組み合わせ及び順序で協調させることができる。幾つかのケースにおいて、方法400のステップの順序は、医療手順の所望の結果に基づいて決定することができる。例えば、超音波信号の送信及び超音波エコー信号の受信は当該方法400を通して規則的な間隔で生じることができる一方、光音響波及び反射されたレーザパルスの受信は散発的に生じ得る。このことは、血管路104及び該血管路104の断面を囲む組織の抽出検査障害領域をマッピングする医療手順に当てはまり得る。他の例として、ステップ408、410、412、414、416及び418は順次実行される。ステップ408、410及び416の各々は、信号ノイズを防止すると共に適切な信号処理を可能にするために、個々に次のステップに進む前に実行することができる。このことは、光音響センサ、光トランスジューサ及び超音波トランスジューサが、各々、センサアレイに含まれるようなシステムとの関連で使用される場合に、当該方法400が当てはまり得る。更に、当該方法400のステップは種々の順序でインターリーブすることができる。
【0067】
[0077] 当該測定装置及びセンサアレイはステップ406、408、410、412、414、416及び418の間に移動させることができることも注記される。例えば、当該方法400はセンサアレイを測定装置の長軸の回りに回転させるステップを含むことができる。幾つかの実施態様において、センサアレイは、測定装置が血管路を介して引き動かされる間に該血管路を連続してマッピングする場合におけるように、ステップ408、410、412、414、416及び418全体を通して回転される。他の実施態様において、当該センサアレイは種々のステップの間において静止状態に維持される。当該センサアレイの回転は、当該測定装置に接続された駆動部材の使用により達成することができる。図1Cの例等の幾つかの実施態様において、当該センサアレイの一部は当該測定装置の長軸の回りに回転される一方、該センサアレイの他の部分は回転されない。センサアレイの回転は、回転の方向及び速度を変化させることができる。例えば、センサアレイは、時計方向に180°回転させることができ、及び/又は反時計方向に180°回転させることができる。90°、270°、360°及び他の角度での各方向の回転も考えられる。
【0068】
[0078] ステップ420において、当該方法400は、血管路104及び周囲の組織を含む関心領域の画像を、前記音波、反射されたレーザパルス及び超音波エコー信号に基づいて生成するステップを含むことができる。幾つかの実施態様においては、前記センサアレイと通信する処理エンジン134が関心領域の画像を生成する。この画像は、受信されたセンサデータに基づく二次元及び三次元の両方の画像を含むことができる。幾つかのケースにおいて、当該画像は血管路104及び周囲の組織の複数の二次元断面図を含む。
【0069】
[0079] ステップ422において、当該方法400は上記関心領域の画像をディスプレイに出力するステップを含むことができる。該ディスプレイ118は、コンピュータモニタ、患者インターフェースモジュール(PIM)114若しくはコンソール116上のスクリーン、又は画像を受信及び表示するための他の好適な装置を含むことができる。
【0070】
[0080] 本開示の範囲内の例示的実施態様において、当該方法400は、ステップ422の後に該方法がステップ404に戻って再び開始するように反復する。方法400の反復は、血管路及び周囲の組織をマッピングするために利用することができる。
【0071】
[0081] 当業者であれば、上述した装置、システム及び方法を種々の態様で変更することができることを認識するであろう。従って、当業者は、本開示により含まれる実施態様が上述した特定の例示的実施態様に限定されるものでないことを理解するであろう。この点に関し、例示的実施態様は図示及び記載してはいないが、広範囲の修正、変更及び置換が上述した開示において想定される。このような変形は本開示の範囲から逸脱することなく上述したものに対して実施することができるものである。従って、添付請求項は広く且つ本開示と一貫した態様で理解されるべきであることが適切である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4