(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】糸結び器および該糸結び器を備えた糸結びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
A61B17/04
(21)【出願番号】P 2018563627
(86)(22)【出願日】2016-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2016104009
(87)【国際公開番号】W WO2017206431
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2019-10-01
(31)【優先権主張番号】201610384302.2
(32)【優先日】2016-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518033185
【氏名又は名称】北京邁迪頂峰医療科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING MED ZENITH MEDICAL SCIENTIFIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.5, 2nd Zhuyuan street, Tianzhu Free Trade Zone, Shunyi District Beijing 101312 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】孟 ▲堅▼
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 保▲キ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 志▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 志武
(72)【発明者】
【氏名】▲ドウ▼ ▲聖▼博
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲暁▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 康
(72)【発明者】
【氏名】可 大年
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-095983(JP,A)
【文献】国際公開第2004/024006(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0007986(US,A1)
【文献】米国特許第05643289(US,A)
【文献】中国実用新案第202892020(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
A61B 17/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップと、前記グリップに回転軸を介して接続される引き金と、グリップに固定されるスリーブと、引き金に接続され、前記スリーブ内に設けられ、スリーブ内を往復運動できる搬送レバーと、前記スリーブの先端に設けられ、搬送レバーに圧迫されて閉じられ圧迫作用を生じさせるように開閉できる押抜せん断ウェッジと、を含む糸結び器であって、前記搬送レバーの先端に設けられたシャー刃をさらに含み、前記シャー刃のハンドルは、弾性部材によって開かれるとともに、搬送レバーの圧迫により閉じられて縫合糸をカットすることを特徴とする糸結び器。
【請求項2】
前記ハンドルは、互いにヒンジ接続される第1のハンドル部及び第2のハンドル部を含み、前記第1のハンドル部と前記第2のハンドル部との間に前記弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の糸結び器。
【請求項3】
前記搬送レバーは、前記第1のハンドル部と前記第2のハンドル部とを向かい合って圧迫するためのU字溝を含むことを特徴とする請求項2に記載の糸結び器。
【請求項4】
前記第1のハンドル部の端部には第1の受力アームが設けられ、前記第2のハンドル部の端部には第2の受力アームが設けられ、前記第1の受力アームと前記第2の受力アームとが前記U字溝に近づく方向に沿って徐々に接近することを特徴とする請求項3に記載の糸結び器。
【請求項5】
前記第1のハンドル部と前記第2のハンドル部との間は、リベットを介してヒンジ接続され、前記リベットの一端が前記押抜せん断ウェッジに固定挿入されることを特徴とする請求項2に記載の糸結び器。
【請求項6】
前記弾性部材は圧縮ばねであることを特徴とする請求項1に記載の糸結び器。
【請求項7】
前記押抜せん断ウェッジは、開閉可能な金属クランプであり、付根部で繋がる両翼からなり、一翼に第1の圧迫面を有し、他翼に第2の圧迫面を有し、前記第2の圧迫面を有する他翼と前記スリーブの内壁とが接触し、且つ前記第1の圧迫面と前記第2の圧迫面との間にガイドスレッドリングの閉じネイルが挟持されていることを特徴とする請求項1~6のうち何れか一項に記載の糸結び器。
【請求項8】
請求項1~
6のうち何れか一項に記載の糸結び器を備え、ガイドスレッドリングをさらに備え、前記ガイドスレッドリングは、ガイドスレッドホルダと、閉じネイルと、牽引フックと、ガイドスレッドとを含み、前記ガイドスレッドは前記ガイドスレッドホルダに巻回され、前記閉じネイルを貫いた後、前記牽引フックに接続され、前記閉じネイルは前記押抜せん断ウェッジにより圧迫固定され、前記牽引フック、前記ガイドスレッドは、前記シャー刃のヘッドの隙間を貫くことを特徴とする低侵襲型糸結びシステム。
【請求項9】
前記糸結び器の前記押抜せん断ウェッジは、開閉可能な金属クランプであり、付根部で繋がる両翼からなり、一翼に第1の圧迫面を有し、他翼に第2の圧迫面を有し、前記第2の圧迫面を有する他翼と前記糸結び器の前記スリーブの内壁とが接触し、且つ前記第1の圧迫面と前記第2の圧迫面との間に前記ガイドスレッドリングの前記閉じネイルが挟持されていることを特徴とする請求項8に記載の低侵襲型糸結びシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年6月1日にて提出した、出願番号が201610384302.2である中国特許出願の優先権を主張し、その開示された内容を全て参照により本願に組み込むものとする。
【0002】
本発明は、手術器具の技術分野に関し、特に、糸結び器および該糸結び器を備えた糸結びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来のように手で糸を巻くことで深い部位での糸結びを完成する際に、様々な欠点がある。例えば、手間と時間がかかり、人が複数回にわたって糸を鋏でせん断しなければならず、かつ糸結び効果及び成功率が操作者の熟練度等に過度に頼る。
【0004】
上記問題を解決するために、中国実用新案第202892020号明細書(特許文献1)には、低侵襲型糸結びシステムが開示され、低侵襲な環境下で縫合や糸結びを行うことができ、主として、低侵襲な心臓弁の置換および全ての胸腔内軟部組織の修復後の深い縫合に適合する。該低侵襲型糸結びシステムは、操作が簡単であり、1回の糸結び操作をすれば、糸の切断操作を同時に完成することができ、糸結びの成功率が高く、糸結びを確実にしっかりと行い、糸結び環境がより広く、如何なる低侵襲な環境でも糸結びを行うことができ、術者のために便利かつ高効率で、より確実な糸結び工具を提供する。
【0005】
上記の特許文献1の低侵襲型糸結びシステムは、
図1に示す糸結び器と
図2に示すガイドスレッドリングとを備える。糸結び器は、
グリップ、引き金1、搬送レバー6、スリーブ7、カッター8、押抜せん断ウェッジ12を含む。
グリップと引き金1とは、第1のヒンジ接続部材4を介して引張りばね3に接続され、搬送レバー6の末端と引き金1とは、第2のヒンジ接続部材5を介して接続される。また、ガイドスレッドリングは、牽引フック14、閉じネイル15及びガイドスレッド16を含む。
【0006】
作業中、ガイドスレッドリングを用いて、縫合糸の両端を第1の糸通し穴9から導入し、第2の糸通し穴10から引き出し、閉じネイル15を第1の糸通し穴9内に置く。これに基づいて、引き金1を引いて、搬送レバー6を往動させる。搬送レバー6の往動に伴って、搬送レバー6上のプレスタング11が押抜せん断ウェッジ12に作用し、さらに閉じネイル15に作用し、縫合糸の糸結びを完成するとともに、カッター8が往動し、縫合糸の切断を完成する。カッター8がカッター係止溝13内に固定される。
【0007】
カッター8の切断原理について、さらに
図3を参照する。このような切断方式は、以下の欠点がある。一般の切れ味のカッターは、通常、縫合糸を切断することができず、カッターは高い切れ味が要求され、従来の生産技術にとって実現しにくく、コストが非常に高い。そして、カッターは縫合糸を突き合って切断するため、一般の材質のカッターの刃先は破損しやすく、縫合糸を切断することができず、その結果、手術を時間通りに完成することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、糸結び器および該糸結び器を備えた低侵襲型糸結びシステムを提供し、従来の糸結び器において、カッターの切れ味への要求が高すぎ、かつカッターの刃先が破損すると、手術器具の不具合さらには失効を引き起こし、手術が遅れてしまうという問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、糸結び器を提供し、グリップと、前記グリップに回転軸を介して接続される引き金と、グリップに固定されるスリーブと、引き金に接続され、前記スリーブ内に設けられ、スリーブ内を往復運動する搬送レバーと、前記スリーブの先端に設けられ、搬送レバーに圧迫されて閉じられ圧迫作用を生じさせるように開閉できる押抜せん断ウェッジと、を含み、前記搬送レバーの先端に設けられたシャー刃をさらに含み、前記シャー刃のハンドルは、弾性部材によって開かれるとともに、搬送レバーの圧迫により閉じられて縫合糸をカットする。
【0011】
前記ハンドルは、互いにヒンジ接続される第1のハンドル部及び第2のハンドル部を含み、前記第1のハンドル部と前記第2のハンドル部との間に前記弾性部材が設けられていることが好ましい。
【0012】
前記搬送レバーは、前記第1のハンドル部と前記第2のハンドル部とを向かい合って圧迫するためのU字溝を含むことが好ましい。
【0013】
前記第1のハンドル部の端部には第1の受力アームが設けられ、前記第2のハンドル部の端部には第2の受力アームが設けられ、前記第1の受力アームと前記第2の受力アームとが前記U字溝に近づく方向に沿って徐々に接近することが好ましい。
【0014】
前記第1のハンドル部と前記第2のハンドル部との間は、リベットを介してヒンジ接続され、前記リベットの一端が前記押抜せん断ウェッジに固定挿入されることが好ましい。
【0015】
前記弾性部材は圧縮ばねであることが好ましい。
【0016】
前記押抜せん断ウェッジは、開閉可能な金属クランプであり、付根部で繋がる両翼からなり、一翼が打抜き面であり、他翼がカット面であり、前記カット面を含む一翼と前記スリーブの内壁とが接触することが好ましい。
【0017】
本発明は、低侵襲型糸結びシステムをさらに提供し、上述した糸結び器を備え、ガイドスレッドリングをさらに備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の構成は、以下の有益な効果を有する。本発明の糸結び器は、グリップと、前記グリップに回転軸を介して接続される引き金と、グリップに固定されるスリーブと、引き金に接続され、前記スリーブ内に設けられ、スリーブ内を往復運動できる搬送レバーと、前記スリーブの先端に設けられ、搬送レバーに圧迫されて閉じられ圧迫作用を生じさせるように開閉できる押抜せん断ウェッジと、を含み、前記搬送レバーの先端に設けられたシャー刃をさらに含み、前記シャー刃のハンドルは、弾性部材によって開かれるとともに、搬送レバーの圧迫により閉じられて縫合糸をカットする。該構成の糸結び器は、従来のカッターの代わりにシャー刃を用いるとともに、搬送レバーによって、シャー刃が閉じられるように駆動してせん断機能を実現する。もちろん、シャー刃で縫合糸をせん断する際に、刃先の切れ味への要求が大幅に低減され、通常の加工方法でも実現することができ、これにより、信頼性を保証すると同時に、コストを大きく低減する。そして、このような構成では、縫合糸による刃先の磨耗が低下するため、製品の使用寿命が格段に長くなり、糸を結んだ後のカット機能をより速くてよりよく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施例又は従来技術における技術的構成をより明瞭に説明するために、以下、実施例又は従来技術の記述に必要な図面を簡単に紹介する。以下に記述される図面は本発明の実施例の一部に過ぎないことは、言うまでもないことである。当業者は、創造的な労働無しに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0020】
【
図1】背景技術の糸結び器の構造を示す模式図である。
【
図2】背景技術のガイドスレッドリングの構造を示す模式図である。
【
図3】背景技術の糸結び器における縫合糸のせん断原理を示す模式図である。
【
図4】本実施例の糸結び器の構造を示す模式図である。
【
図6】本実施例の糸結び器における縫合糸のせん断原理を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面及び実施例を結合して本発明の実施形態についてさらに詳しく記述する。以下の実施例は、本発明を説明するためのものであるが、本発明の範囲を制限することを意図していない。
【0022】
本発明の記述において、用語である「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後ろ」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等で示される方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、本発明の説明をやすくし、簡略化するために過ぎず、示される装置又は素子は、特定した方位を有し、特定した方位で構造され操作されなければならないことを指示又は暗示していないため、本発明を制限していると理解してはならない。また、用語である「第1」、「第2」、「第3」は、あくまでも説明のためのものであり、相対的な重要性を指示又は暗示していると理解してはならない。
【0023】
本発明の記述において、他に明確な規定又は限定がない限り、用語である「繋がる」、「接続」を広義に理解すべきであり、例えば、固定接続してもよいし、着脱可能に接続するか、一体となるように接続してもよい。また、機械的に接続してもよいし、電気的に接続してもよい。さらに、直接繋がってもよいし、中間媒体を介して間接的に繋がってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0024】
一般性を失うことなく、本実施例では、低侵襲型糸結びの分野を例として説明する。なお、低侵襲技術分野以外に、本実施例の糸結び器および糸結びシステムは、糸結びが必要とされる如何なる分野にも適用されることができる。
【0025】
図4を参照し、本実施例の糸結び器は、
グリップと、前記
グリップに回転軸を介して接続される引き金1と、
グリップに固定されるスリーブ7と、引き金1に接続され、前記スリーブ7内に設けられ、スリーブ7内を往復運動できる搬送レバー6と、前記スリーブ7の先端に設けられ、搬送レバー6に圧迫されて閉じられ圧迫作用を生じさせるように開閉できる押抜せん断ウェッジ(未図示)と、を含む。これによって、本実施例と従来技術における糸結び器は、縫合糸のせん断構造、即ち、
図4におけるI部分が異なる。
【0026】
図5から分かるように、本実施例の糸結び器は、前記搬送レバー6の先端に設けられたシャー刃18をさらに含む。シャー刃18のハンドルは弾性部材によって開かれ、これにより、シャー刃18のヘッド部分が開いたままにされ、糸引き作業の正常な展開を保証する。搬送レバー6の往動に伴って、ハンドルは、搬送レバー6の圧迫により閉じられ、さらに縫合糸をせん断する。
【0027】
本実施例の糸結び器は、従来技術のカッター8の代わりにシャー刃18を用いるとともに、搬送レバー6によって、シャー刃18が閉じられるように駆動することで、せん断機能を実現する。明らかに、シャー刃で縫合糸をせん断する際に、刃先の切れ味への要求が大幅に低減され、通常の加工方法でも実現することができ、信頼性を保証するとともに、コストを大きく低減する。そして、このような構成では、縫合糸による刃先の磨耗が低下するため、製品の使用寿命が格段に長くなり、糸を結んだ後のカット機能をより速くてよりよく実現することができる。
【0028】
図6を参照し、本実施例のシャー刃18は、ヒンジ接続される第1の鋏体及び第2の鋏体を含み、第1の鋏体及び第2の鋏体は、それぞれ、ヘッド部分とハンドル部分とを含む。第1の鋏体は第1のハンドル部を含み、第2の鋏体は第2のハンドル部を含み、第1のハンドル部と第2のハンドル部とを組み合わせてシャー刃18のハンドルが形成される。本実施例の弾性部材は、第1のハンドル部と第2のハンドル部との間に設けられ、これにより、シャー刃18が開いた状態にあることを保証し、牽引フック14、ガイドスレッド16および縫合糸がシャー刃18のヘッドの隙間をスムーズに貫くことを保証する。
【0029】
本実施例において、弾性部材は、圧縮ばね19を用いることができる。もちろん、従来技術に公開された他の任意の弾性部材は、搬送レバー6が往動したり復動したりする際にハンドルの開閉機能を実現できれば、本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【0030】
また、ハンドルを閉じて縫合糸のせん断を最終に完成させるために、本実施例の搬送レバー6は、U字溝21を含む。U字溝21が鋏のハンドルに向かって運動する際に、U字溝21は、前記シャー刃18の第1のハンドル部と第2のハンドル部とを向かい合って圧迫することができる。
【0031】
そして、さらに
図6を参照し、第1のハンドル部の端部には第1の受力アーム181が設けられ、前記第2のハンドル部の端部には第2の受力アーム182が設けられ、前記第1の受力アーム181と第2の受力アーム182とが前記U字溝21に近づく方向に沿って徐々に接近する。U字溝21がハンドルのある方向に向かって運動する際に、シャー刃の第1のハンドル部及び第2のハンドル部がU字溝21に入って側壁に圧迫されるにつれ、圧縮ばね19が圧縮され、第1の受力アーム181と第2の受力アーム182とが向かい合って接近するように動かし、これにより、閉じて糸をせん断する効果を実現する。
【0032】
もちろん、搬送レバー6及びハンドルの構造は、図面に制限されず、搬送レバー6は、ハンドルが閉じられるように動かし、縫合糸のせん断を実現すればよい。
【0033】
第1の鋏体と第2の鋏体とがヒンジ接続されているため、第1のハンドル部と第2のハンドル部とがヒンジ接続され、ヒンジ接続部材は、
図6を参照し、リベット20であることが好ましいが、必ずしもそうとは限らない。また、
図5を結合して分かるように、リベット20の一端が前記押抜せん断ウェッジ12に固定挿入され、これにより、シャー刃18を強固に位置決めすることを保証する。
【0034】
さらに、押抜せん断ウェッジ12は、開閉可能な金属クランプであり、付根部で繋がる両翼からなり、一翼が打抜き面であり、他翼がカット面である。本実施例において、スリーブにおける押抜せん断ウェッジ12の固定を保証するために、さらに
図5を参照し、押抜せん断ウェッジ12のカット面を含む一翼とスリーブの内壁とが接触するようにすることができ、つまり、
図5における下翼とスリーブの内壁とが接触するようにする。
【0035】
上記に基づいて、本実施例は、低侵襲型糸結びシステムをさらに提供し、上述した糸結び器を備え、ガイドスレッドリングをさらに備える。
以上の実施形態は、あくまでも本発明を説明するためのものであり、本発明を制限していない。実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、本発明の技術的構成の様々な組み合わせ、修正又は均等の置き換えは、本発明の技術的構成の思想及び範囲から逸脱しない限り、すべて本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきであると、当業者が理解するべきである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、手術器具の技術分野に関し、糸結び器および該糸結び器を備えた糸結びシステムを提供する。糸結び器は、前記搬送レバーの先端に設けられたシャー刃を含み、前記シャー刃のハンドルは弾性部材によって開かれ、かつ前記ハンドルは搬送レバーの圧迫により閉じられて縫合糸をカットする。該構成の糸結び器は、従来技術のカッターの代わりにシャー刃を用いるとともに、搬送レバーによって、シャー刃が閉じられるように駆動してせん断機能を実現する。もちろん、シャー刃で縫合糸をせん断する際に、刃先の切れ味への要求が大幅に低減され、通常の加工方法でも実現することができ、これにより、信頼性を保証すると同時に、コストを大きく低減する。そして、このような構成では、縫合糸による刃先の磨耗が低下するため、製品の使用寿命が格段に長くなり、糸を結んだ後のカット機能をより速くてよりよく実現することができる。該糸結び器および該糸結び器を備えた糸結びシステムは、低コストであり、使用寿命が長く、糸結び効率が高く、普及しやすいため、極めて強い実用性を有する。
【符号の説明】
【0037】
1 引き金
2 グリップ
3 引張りばね
4 第1のヒンジ接続部材
5 第2のヒンジ接続部材
6 搬送レバー
7 スリーブ
8 カッター
9 第1の糸通し穴
10 第2の糸通し穴
11 プレスタング
12 押抜せん断ウェッジ
13 カッター係止溝
14 牽引フック
15 閉じネイル
16 ガイドスレッド
17 ガイドスレッドホルダ
18 シャー刃
181 第1の受力アーム
182 第2の受力アーム
19 圧縮ばね
20 リベット
21 U字溝