(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】関節組織修復の間接的方法
(51)【国際特許分類】
A61L 17/06 20060101AFI20220119BHJP
A61F 2/08 20060101ALI20220119BHJP
A61B 17/04 20060101ALI20220119BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20220119BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20220119BHJP
A61L 17/08 20060101ALI20220119BHJP
A61L 27/14 20060101ALI20220119BHJP
A61L 27/24 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A61L17/06
A61F2/08
A61B17/04
A61B17/56
A61B17/86
A61L17/08
A61L27/14
A61L27/24
(21)【出願番号】P 2018565831
(86)(22)【出願日】2017-07-06
(86)【国際出願番号】 US2017040865
(87)【国際公開番号】W WO2018009637
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-07-06
(32)【優先日】2016-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596115687
【氏名又は名称】ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】500430718
【氏名又は名称】ロード アイランド ホスピタル
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ムライ,マルタ,エム.
(72)【発明者】
【氏名】フレミング,ブラーデン,シー.
【審査官】石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-524483(JP,A)
【文献】特表2013-539393(JP,A)
【文献】特表2008-511405(JP,A)
【文献】Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal,2008年,Vol.13,No.1,pp.15-21
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 15/00-33/18
A61F 2/08
A61B 17/04
A61B 17/56
A61B 17/86
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
別個の生分解性スキャフォールドのセット
および閉じ込みデバイスを含む靱帯または腱修復のためのデバイスであって、
スキャフォールドのセットが
、2-30のスキャフォールドを含み、
各スキャフォールドが
、1~20mmの長さ
とその長さより小さい幅を有し、
閉じ込みデバイスが、別個の生分解性スキャフォールドのセットの各スキャフォールドの長さに沿ってねじ込まれ、
スキャフォールドが
、圧縮可能で拡張可能なスキャフォールドである、
前記
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項2】
スキャフォールドがコラーゲンスポンジである、請求項1に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項3】
スキャフォールドが親水性である、請求項1に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項4】
コラーゲンスポンジがI型可溶性コラーゲンを含
む、請求項2または3に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項5】
セットにおけるスキャフォールドの各々が同じである、請求項1に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項6】
セットにおけるスキャフォールドの少なくとも1つが、セットにおける他のスキャフォールドと異なる、請求項1に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項7】
少なくとも1つの異なるスキャフォールドが、他のスキャフォールドとは異なる大きさを有する、請求項
6に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項8】
少なくとも1つの異なるスキャフォールドが、他のスキャフォールドとは異なる形状を有する、請求項
6に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項9】
少なくとも1つの異なるスキャフォールドが球またはシリンダとして成形される、請求項
7に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項10】
少なくとも1つの異なるスキャフォールドが、他のスキャフォールドとは異なる生分解性ポリマーで構成される、請求項
6に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項11】
スキャフォールドがコラーゲンで構成される、またはスキャフォールドが非コラーゲンポリマーで構成される、請求項
9に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項12】
スキャフォールドのセットが、靱帯または腱損傷を修復するために使用される単一のスキャフォールドより大きな総表面積を有する、請求項1~
11のいずれか一項に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項13】
請求項1~
12のいずれか一項に記載の
靱帯または腱修復のためのデバイスを含み、ならびに、別個の生分解性スキャフォールドのセットを収容する1以上の容器、および、
靱帯または腱修復のためのデバイスを使用した靱帯または腱の外科的修復のための指示書をさらに含む、キット。
【請求項14】
容器の1以上に収容される閉じ込みデバイスをさらに含み、任意に、閉じ込みデバイスは縫合糸であり、任意にスキャフォールドは縫合糸上へねじ込まれる、請求項
13に記載のキット。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載の靱帯または腱修復のためのデバイス、あるいは請求項13または14に記載のキットに用いるためのコラーゲンスポンジの製造方法であって、5mg/mlより大きく50mg/ml以下の濃度の可溶化コラーゲンの溶液からコラーゲンスポンジを調製することを含む、前記方法。
【請求項16】
請求項1~12のいずれか一項に記載の靱帯または腱修復のためのデバイス、あるいは請求項13または14に記載のキットに用いるためのコラーゲンスポンジの製造方法であって、50mg/mlより大きく500mg/ml以下の濃度の可溶化コラーゲンの溶液からコラーゲンスポンジを調製することを含む、前記方法。
【請求項17】
標的部位の細胞機能を調節するように構成された複数の別個の生分解性スキャフォールドのセットを含む靱帯または腱修復のためのデバイスであって、
複数の別個の生分解性スキャフォールドのセットが、
1~20mmの長さを有し、第1閉じ込みデバイスに沿って配置された第1スキャフォールド;および
1~20mmの長さを有し、第2閉じ込みデバイスに沿って配置された第2スキャフォールドを含む、
前記靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項18】
第1閉じ込みデバイスおよび第2閉じ込みデバイスが縫合糸であり、第1スキャフォールドが、第1縫合糸の長さに沿ってねじ込まれ、スライド可能であり、第2スキャフォールドが、第2縫合糸の長さに沿ってねじ込まれ、スライド可能である、請求項17に記載の靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項19】
スキャフォールドがビーズである、請求項17に記載の靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項20】
靱帯または腱修復のためのデバイスが2-30のスキャフォールドを含む、請求項17に記載の靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項21】
スキャフォールドがコラーゲンスポンジである、請求項20に記載の靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項22】
スキャフォールドが親水性である、請求項20に記載の靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項23】
少なくとも1つの異なるスキャフォールドが、他のスキャフォールドとは異なる大きさを有する、請求項20に記載の靱帯または腱修復のためのデバイス。
【請求項24】
少なくとも1つの異なるスキャフォールドが、他のスキャフォールドよりも大きい、請求項23に記載の靱帯または腱修復のためのデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
前十字靱帯(ACL)のような関節内組織は、破裂の後に治癒しない。加えて、ヒトの関節における半月板および関節の軟骨もまた、しばしば損傷の後に治癒されない。関節の外側に見られる組織は、フィブリン凝塊を形成することによって治癒し、フィブリン凝塊は、破裂した組織の端部を接続し、続いて傷跡を形成するように改造され、組織を治癒する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
滑膜関節の内側において、フィブリン凝塊は、 形成しないか、または膝の損傷の後に急速に溶解され、したがって軽度の損傷の後の関節の関節症および硬直を妨げる。関節は、滑液を含有し、滑液は、正常な関節活動の一部として、関節における凝塊形成を自然に妨げる。この線維素溶解プロセス(fibrinolytic process)は、フィブリン凝塊スキャフォールドの早期喪失および関節内または関節内組織内における組織の治癒プロセスの破壊をもたらす。
【0003】
破裂後のヒト前十字靱帯修復の現在の処置方法は、破裂した扇形の靱帯を除去すること、および、それをポイントツーポイント腱移植片(ACL再建)に置き換えることを伴う。この手順は、 ほとんどの患者において最初に全体的な安定性を回復させ得るが、より長い追跡調査は、多くの術後の患者が異常な構造物上の弛緩を有することを示し、再建が徐々に適用される生理的な力に持ちこたえていないかもしれないことを示唆している(Dye, 325 Clin. Orthop. 130-139 (1996))。前十字靱帯機能の喪失は、関節劣化と一致する早期および進行性のX線撮影の変化をもたらすことが発見され(Hefti et al., 73A(3) J. Bone Joint Surg. 373-383 (1991))、ACL再建を受ける患者の70%超は、損傷の後のわずか14年で変形性関節症を発症する(von Porat et al., Ann Rheum Dis. 63(3):269-73 (2004))。前十字靱帯破裂は、10代および20代の若いアスリートの損傷であることが最も一般的であるため、この集団における早期の変形性関節症は、困難な結果をもたらす。
【0004】
加えて、前十字靱帯再建は、現在、患者の脚のどこかから、またはドナーから採取された腱移植片の使用を必要とする。この移植片の配置は、大量の裂傷した前十字靱帯の除去を必要とし、したがって靱帯機能、すなわち膝の動的安定化にとって重要である重要な固有受容性神経線維を除去する。移植片の配置はまた、元の前十字靱帯の挿入部位内にあるように推奨され、したがって特殊組織のこれらのゾーンもまた除去され、移植片のためのトンネルを作り出す。
【0005】
靱帯の合成代替物もまた、開発されている。これらは、炭素繊維、GoreTex、および他の合成材料製の移植片を包含する。天然材料または合成材料のいずれかで作られた移植片のために、移植片の繊維は、靱帯の長軸方向である、靱帯における張力線に平行であるように配向される。これらの形成は、構築物が治療の間引っ張り荷重を支持することを可能にする。
米国特許第5756127A号は、ビーズが本質的に硫酸カルシウムおよび組織障害を治療するのに適したある量の薬物からなり、ビーズおよびビーズを結合する線の両方が生体吸収性である、移植可能なビーズの生体吸収性ストリングを記載している。
US2009/306776A1は、足場デバイスを使用して断裂した靭帯を修復するための方法とデバイスについて説明しています。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、添付の特許請求の範囲で定義されるとおりである。本発明のいくつかの側面において、外科的に配置されたときにそのいずれも靱帯の端部から靱帯の端部へ接続しない多数の小さなスキャフォールドが、負傷した靱帯および腱組織を効果的に修復するために使用され得ることが本明細書において発見された。これらの発見は、非常に驚くべきものであった。多数のスキャフォールド片は、治癒する靱帯または腱上に置かれる引っ張り荷重を支持し得るのに十分な力を提供しないであろうことが当該技術分野において予想される。損傷のエリアに置かれる2以上の控えめなスキャフォールドが、実際に靱帯または腱修復を増大させ得るとの発見は、予想外であった。
【0007】
いくつかの場合において、スキャフォールドは、縫合糸などの閉じ込みデバイスに沿って配置され、および選択的にそれに沿ってスライドするように設計される。閉じ込みデバイスは、靱帯または腱の創傷部位における所望の位置中へスキャフォールドを動かすために、および、そこでそれらを集団として保持するために、使用されてもよい。例えば、閉じ込みデバイスが縫合糸であるとき、縫合糸は、負傷した組織のいずれかの側上の骨組織に固定されてもよい。例えば前十字靱帯の修復において、縫合糸は、大腿骨および脛骨、典型的には前十字靱帯の取り付け部位の外側の部位で、取り付けられてもよい。靱帯のために、典型的には、縫合糸の一端は、1つの骨(例えば、大腿骨)に取り付けられるだろうし、他の端は、異なる骨(例えば、脛骨)に取り付けられるだろう。
【0008】
本明細書に開示されるのは、閉じ込みデバイスを含む靱帯または腱修復のためのデバイスであって、閉じ込みデバイス上に配置される多数の別個の生分解性スキャフォールドを備える、前記デバイスである。いくつかの場合において、閉じ込みデバイスは縫合糸であり、スキャフォールドは、縫合糸の長さに沿って配置され、縫合糸に沿ってスライドすることができる。他の場合において、スキャフォールドは、ビーズである。靱帯または腱修復のためのデバイスは、いくつかの場合において、2-30、2-50、2-100、5-10、5-20、5-50、5-100、5-200、10-20、10-30、10-40、10-50、10-60、10-70、10-80、10-90、10-100、15-20、15-30、15-50、15-100、20-30、0-40、20-50、20-100、または20-200のスキャフォールドのいずれも包含してもよい。
【0009】
他の場合において、本体は、多数のスキャフォールドのための閉じ込みを提供する。一例は、遠位の大腿骨の顆間切痕(intercondylar notch)であり、その中に多数のスキャフォールドが、切痕を満たすまたは部分的に満たすように置かれ得る。いくつかの態様において、これらのスキャフォールドは、関節切開を通して置かれ得る。いくつかの態様において、これらのスキャフォールドは、関節鏡下に置かれ得る。
【0010】
また、本明細書に開示されるのは、キットである。キットは、上記のデバイスのいずれも、および デバイスを使用した靱帯または腱の外科的修復のための指示書を包含する。キットはまた、小さな切開を通してスキャフォールドを置くことを容易にするための関節鏡用器具を包含してもよい。
【0011】
いくつかの側面において、靱帯または腱修復のためのデバイスは、本発明によって提供される。デバイスは、別個の生分解性スキャフォールドのセットであり、ここでスキャフォールドのセットは、2-30のスキャフォールドを含み、およびここでスキャフォールドは、1-20mmの長さであり、スキャフォールドは、圧縮可能で拡張可能なスキャフォールドである。他の態様において、スキャフォールドは、コラーゲンスポンジである。さらに他の態様において、コラーゲンスポンジは、I型可溶性コラーゲンを含み、ここでコラーゲンスポンジは、5mg/mlより大きく50mg/ml以下 の濃度の可溶化コラーゲンの溶液から調製される。さらに他の態様において、コラーゲンスポンジは、I型可溶性コラーゲンを含み、ここでコラーゲンスポンジは、50mg/mlより大きく500mg/ml以下の濃度の可溶化コラーゲンの溶液から調製される。いくつかの態様において、溶液は、カルシウムを含有する。
【0012】
いくつかの態様において、セットにおけるスキャフォールドの各々は、同じである。他の態様において、セットにおけるスキャフォールドの少なくとも1つは、セットにおける他のスキャフォールドと異なる。いくつかの態様において、少なくとも1つの異なるスキャフォールドは、他のスキャフォールドとは異なる大きさを有する。例えば、少なくとも1つの異なるスキャフォールドは、他のスキャフォールドより大きくてもよく、または少なくとも1つの異なるスキャフォールドは、他のスキャフォールドより小さくてもよい。いくつかの態様において、少なくとも1つの異なるスキャフォールドは、他のスキャフォールドとは異なる形状を有する。さらに他の態様において、少なくとも1つの異なるスキャフォールドは、球(例えば、ビーズ)またはシリンダとして成形される。
【0013】
いくつかの態様において、少なくとも1つの異なるスキャフォールドは、他のスキャフォールドとは異なる生分解性ポリマーで構成される。例えば、スキャフォールドは、コラーゲンで構成されてもよく、またはスキャフォールドは、非コラーゲンポリマーで構成されてもよい。
【0014】
いくつかの態様において、スキャフォールドのセットは、靱帯または腱損傷を修復するために使用される単一のスキャフォールドより大きな総表面積を有する。例えば、同じ体積を配送するための、4つのより小さなシリンダに対する3000単位の体積を有する1つのシリンダの比較は、4つのシリンダが、元のスキャフォールドの表面積のほぼ2倍を有することを示す。第1シリンダは、以下の寸法を有する:20mm 直径で30mmの長さ-体積は、3000*パイmm3(パイ*100*30)である。4つの小さなシリンダは、以下の寸法を有する:各々が、直径において10mmおよび30mmの長さ-各々の体積は、750*パイmm3である。第1シリンダの表面積は、800*パイであり、4つの小さなシリンダの各々の表面積は、350*パイであり、総表面積は、1400*パイである。
【0015】
さらに他の側面において、本発明は、本明細書に記載される本発明のデバイスのいずれも、および別個の生分解性スキャフォールドのセットを収容する1以上の容器、ならびに、デバイスを使用した靱帯または腱の外科的修復のための指示書をさらに含むキットである。いくつかの態様において、キットは、閉じ込みデバイスに収容される容器の1以上をさらに包含する。いくつかの態様において、閉じ込みデバイスは縫合糸であり、およびスキャフォールドは縫合糸上へねじ込まれる。
【0016】
靱帯または腱を修復するための方法は、靱帯または腱を修復するために、負傷した靱帯または腱の部位中へ、閉じ込みデバイス上に配置される別個の生分解性スキャフォールドのセットを置くことによって、開示される。いくつかの場合において、閉じ込みデバイスは、負傷した靱帯または腱のいずれかの側上の骨に直接または間接に取り付けられる。さらに他の態様において、閉じ込みデバイスは、少なくとも2つの端を有する縫合糸である。縫合糸の一端は、第1固定化デバイスに取り付けられてもよい。いくつかの場合において、縫合糸の第2端は、第2固定化デバイスに取り付けられる。さらに他の場合において、第1固定化デバイスは、大腿骨に固定され、および第2第1固定化デバイスは、脛骨に固定される。さらに他の場合において、縫合糸の一端は、1つの骨(すなわち大腿骨)に取り付けられ、および同じ縫合糸の第2端は、第2骨(すなわち脛骨)に取り付けられる。2つの異なる骨への縫合糸の取り付けは、直接または間接でもよい。
【0017】
回旋筋腱板腱(rotator cuff tendon)の挿入部位以外の位置で上腕骨に第1固定化デバイスを取り付けること、損傷部位から離れた位置で腱に第2固定化デバイスを取り付けること、および2つの固定化デバイスに柔軟な構造物を接続することによる、損傷の回旋筋腱板腱修復のための方法が、開示される。いくつかの場合において、柔軟な構造物は、縫合糸である。いくつかの場合において、縫合糸は、吸収性であり、またいくつかの場合において、縫合糸は、吸収性ではない。いくつかの場合において、縫合糸の構成それ自体が、腱における固定化方法として使用される。いくつかの場合において、これは、ロッキング縫合糸通路である。
【0018】
いくつかの場合において、スキャフォールドは、柔軟な構造物上に置かれ、それによってスキャフォールドは、回旋筋腱板腱にスキャフォールドを機械的に取り付けることなく、回旋筋腱板腱の裂傷した端の間にある。いくつかの場合において、2以上の柔軟な構造物は、第1固定化デバイスと第2固定化デバイスとの間に置かれる。他の場合において、2以上のスキャフォールドは、柔軟な構造物上へ装填され、それによってスキャフォールドは、回旋筋腱板腱にまたは互いにスキャフォールドを機械的に取り付けることなく、回旋筋腱板腱の裂傷した端の間にある。
【0019】
靱帯の挿入部位以外の位置で大腿骨に第1固定化デバイスを取り付けること、靱帯の挿入部位から離れた位置で脛骨に第2固定化デバイスを取り付けること、および、2つの固定化デバイスに柔軟な構造物を接続することを含む、損傷の前十字靱帯修復のための方法が本明細書に開示される。
【0020】
負傷した靱帯を修復するために、別個の生分解性スキャフォールドのセットを関節内切痕中へ置くことによる損傷の前十字靱帯修復のための方法は、本明細書に開示される。スキャフォールドは互いに、負傷した靱帯に、または負傷した靱帯を囲む組織に接続されない。
【0021】
本明細書はまた、靱帯治癒を容易にする方法および生成物に関し、負傷した前十字靱帯をさらに損傷することなく、および、腱移植片を使用することなく、前十字靱帯を治癒することを包含する。したがって、いくつかの場合において、本発明は、前十字靱帯取り付け部位の外側の大腿骨に固定された2つの縫合糸の端を含む、破裂した前十字靱帯を修復するためのデバイスである。2以上のスキャフォールドは、1つは各縫合糸の端に沿って、膝の顆間切痕中へ連続して送出される。そして縫合糸の端は、脛骨に固定される。
【0022】
いくつかの態様において、スキャフォールドは、例えば合成の、生体吸収性の、または自然に生じるタンパク質などのタンパク質で作られる。他の態様において、スキャフォールドは、凍結乾燥された材料である。スキャフォールドは、拡張可能でもよい。他の態様において、スキャフォールドは、スポンジ、ゲル、固体、または半固体でもよい。スキャフォールドは、修復材料で前処理されてもよい。修復材料は、ゲル、液体、およびハイドロゲルを包含するが、これらに限られない。
【0023】
いくつかの態様において、2つより多くの縫合糸の端が使用される。いくつかの態様において、2つより多くのスキャフォールドは、使用される。多数のスキャフォールドは、同じ大きさまたは様々な大きさであり得る。いくつかの態様において、縫合糸は、2つの位置で大腿骨に取り付けられる。いくつかの態様において、縫合糸は、2つの位置で脛骨に取り付けられる。
【0024】
大腿骨の顆間切痕における2つの異なる部位で縫合糸をアンカリングすること、連続して顆間切痕中へ2以上のスキャフォールドを通すこと、そして脛骨に2つの異なる部位で縫合糸を固定化することを伴う、破裂した靱帯を修復する方法。
【0025】
大腿骨の顆間切痕における2つの異なる部位で縫合糸をアンカリングすること、連続して顆間切痕中へ2以上のスキャフォールドを通すこと、そして脛骨の1つの部位で縫合糸を固定化することを伴う、破裂した靱帯を修復する方法。いくつかの場合において、縫合糸は、膝を完全に伸ばして脛骨に固定化される。いくつかの場合において、第2骨部位で縫合糸を固定する前に、張力が縫合糸に加えられる。 いくつかの場合において、縫合糸は、大腿骨に固定され、スキャフォールドは、縫合糸に沿って通され、および縫合糸は、引っ張られて張力下で脛骨に固定される。好ましい場合において、縫合糸は、大腿骨に固定され、スキャフォールドは、切痕に置かれ、縫合糸は、脛骨トンネルを通して通され、縫合糸は、引っ張られて膝を減らし、そして縫合糸は、張力下で固定されて大腿骨の下で脛骨の減少を維持する。
【0026】
大腿骨の顆間切痕における1つの部位で縫合糸を固定すること、連続して顆間切痕中へ2以上のスキャフォールドを通すこと、そして脛骨に2つの部位で縫合糸を固定化することを伴う、破裂した靱帯を修復する方法。
【0027】
いくつかの場合において、スキャフォールドは、タンパク質から作られる。タンパク質合成の、生体吸収性の、または自然に生じるタンパク質でもよい。いくつかの場合において、スキャフォールドは、血漿、血液または他の体液を吸収することができる。
【0028】
他の場合において、スキャフォールドは、管状、半管状、円筒形、球状または正方形である。いくつかの場合において、スキャフォールドは、スポンジまたはゲルである。他の場合において 、スキャフォールドは、半固体、または代替的に、固体である。
【0029】
さらに他の場合において、スキャフォールドは、拡張可能である。それらは、修復部位を選択的に満たしてもよい。いくつかの場合において、スキャフォールドは、修復部位より大きく、および他の態様において、スキャフォールドは、修復部位を部分的に満たす。スキャフォールドは、修復部位で靱帯の周りに形成してもよい。スキャフォールドは、ゲルまたは液体などの修復材料で前処理されてもよい。いくつかの場合において、修復材料は、ハイドロゲルである。他の態様において、修復材料は、コラーゲンである。
【0030】
さらに他の場合において、スキャフォールドは、圧縮可能である。それは、修復部位を選択的に満たしてもよい。いくつかの場合において、スキャフォールドは、修復部位より大きく、および他の場合において、スキャフォールドは、修復部位を部分的に満たす。スキャフォールドは、修復部位で靱帯の周りに形成してもよい。スキャフォールドは、ゲルまたは液体などの修復材料で前処理されてもよい。いくつかの場合において、修復材料は、ハイドロゲルである。他の場合において、修復材料は、コラーゲンである。他の場合において、修復材料は、血小板を含む。他の場合において、修復材料は、全血またはその細胞成分のいずれも含む。他の場合において、修復材料は、自家血液である。他の場合において、修復材料は、白血球、赤血球、血小板または血漿で構成される。他の場合において、修復材料は、単球、好酸球、好塩基球または好中球で構成される。他の場合において、修復材料は、修復材料内の白血球の特定のタイプの存在を増加させるために患者からの除去の後に処置された自家血液で構成される。一つの場合において、血液は、修復材料における単球の存在を増加させるために処置される。他の場合において、患者は、修復材料に使用するために引かれた循環血液における白血球および/または血小板の存在を増加させるために、手術の前に処置される。
【0031】
本明細書はまた、破裂した靱帯の挿入部位に隣接した穴を穿設すること、および穴を通して骨に縫合糸を取り付けることを伴う、破裂した靱帯を修復する方法を開示する。方法は、アンカー、ステープル、ネジ、ボタンまたは類似の固定化デバイスを使用して、骨に1以上の縫合糸を取り付けることを伴う。
【0032】
2以上の縫合糸が、大腿骨に固定され、および1以上のスキャフォールドが、顆間切痕中へ縫合糸に沿ってスライドされ、および縫合糸が、脛骨に固定される、方法。一つの場合において、追加の縫合糸は、縫合糸およびスキャフォールドを置き、大腿骨および脛骨に縫合糸をアンカリングした後、裂傷したACLの脛骨のつけ根に置かれ、および、大腿骨-脛骨縫合糸に加えて大腿骨に固定される。他の場合において、追加の縫合糸は、縫合糸およびスキャフォールドを置き、大腿骨および脛骨に縫合糸をアンカリングした後、ACLの大腿骨のつけ根に置かれ、および、脛骨に固定化される。他の場合において、すべての固定化デバイスは、大腿骨および脛骨の骨端に位置づけられる。他の場合において、大腿骨の固定化デバイスは、大腿骨の骨端に位置づけられ、および、脛骨の固定化デバイスは、脛骨の骨幹端に位置づけられる。
【0033】
トンネルが、脛骨および大腿骨に穿設され、および、縫合糸が、裂傷したACLのつけ根に置かれ、脛骨のつけ根の縫合糸のために大腿骨のトンネルを通して、または大腿骨のつけ根の縫合糸のために脛骨トンネルを通して通される、方法。これは、大腿骨および脛骨にアンカリングされる縫合糸を置く前、間または後に行われてもよい。骨トンネルを通した縫合糸の通路の後に、それは、アンカー、ステープル、ネジ、ボタンまたは他の類似の固定化デバイスを使用して骨に固定される。他の場合において、ACLのつけ根に置かれる縫合糸は、アンカー、ステープル、ネジまたはボタンなどの固定化デバイスを使用して、脛骨のつけ根のために大腿骨、または大腿骨のつけ根のために脛骨にアンカリングされる。これは、大腿骨および脛骨にアンカリングされる縫合糸を置く前、間または後に行われてもよい。
【0034】
いくつかの場合において、固定化デバイスは、生体吸収性、金属、プラスチックなどである。他の態様において、固定化デバイスは、ネジである。ある場合において、固定化デバイスは、それに直接、または固定化デバイスに穿設される穴を通して取り付けられる縫合糸を有する。いくつかの場合において、縫合糸は、生体吸収性、合成などである。他の態様において、縫合糸は、ポリグラクチン910である。
【0035】
いくつかの場合において、スキャフォールドは、合成の、生体吸収性の、または自然に生じるタンパク質である。ある場合において、スキャフォールドは、血漿、血液または他の体液を吸収することができる。他の態様において、スキャフォールドは、管状、半管状、円筒形、または正方形である。ある場合において、スキャフォールドは、修復材料で前処理される。いくつかの態様において、修復材料は、ゲルまたは液体である。他の場合において、修復材料は、ハイドロゲルである。いくつかの態様において、修復材料は、コラーゲンである。
いくつかの場合において、スキャフォールドは、スポンジである。ある態様において、スキャフォールドは、ゲルである。他の態様において、スキャフォールドは、半固体である。いくつかの態様において、スキャフォールドは、固体である。
【0036】
いくつかの場合において、スキャフォールドは、縫合糸材料上で自由に可動である。スキャフォールドは、互いに接続されて分離してもよい。それらは、関節中へ入る間に、または創傷部位において一度、分離されてもよく、または一緒に動かされてもよい。
【0037】
いくつかの場合において、スキャフォールドは、シリンダの形状であり、その寸法は、1mm直径から25mm直径までの範囲、および、0.1mmから100mmまでの長さの範囲でもよい。好ましい場合は、スキャフォールドが直径で4mmから8mmの範囲、および、長さ10mmから20mmの範囲である。他の場合において、スキャフォールドは、球状である。球の半径は、0.1mmから50mmまでの範囲であり得、好ましい態様は、2mmから4mmの半径を有する。1mlから100mlまでの範囲の体積を備える他の形状もまた、想定される。
【0038】
いくつかの場合において、スキャフォールドは、縫合糸に沿って既に置かれたスキャフォールドとともに縫合糸を含有するデバイスとして供給される。他の場合において、スキャフォールドは、2以上の縫合糸に沿って置かれる。好ましい場合において、縫合糸は、固定化デバイスを通して輪にされ、および、ビーズは、縫合糸の2つの自由端上に置かれる。好ましい場合において、スキャフォールドは、縫合糸材料上を自由にスライドすることができる。
【0039】
本発明の限定の各々は、本発明の様々な態様を網羅し得る。したがって、1つの要素または要素の組み合わせを伴う本発明の限定の各々は、本発明の各側面に包含され得ることが予期される。本発明は、その適用において、以下の説明に記載され、または図面に図示される構成要素の構築および配置の詳細に限定されない。本発明は、他の態様が可能であり、および、様々な方法において実践され、または実行されることが可能である。また、本明細書で使用される表現法および用語法は、説明の目的のためであり、限定するものとみなされるべきではない。「を包含すること」、「を含むこと」、または「を有すること」、「を含有すること」、「を伴うこと」、および本明細書におけるその変形の使用は、その後に列挙される項目およびその等価物ならびに追加項目を網羅することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、遠位の大腿骨、近位の脛骨および顆間切痕の位置を示す、膝の基本的な解剖学を図示する概略図である。
【0041】
【
図2A-2B】
図2A-2Bは、間接的な靱帯修復のための2つの縫合糸の端を提供するために、1つの縫合糸がどのように、固定化ボタンの2つの穴を通して通され得るかを図示する概略図である。縫合糸は、ボタンの1つの穴を通して通され、および、縫合糸をアンカリングするために第2穴を通して通されて、靱帯挿入部位から別個の位置で関節中へ骨を出得る、縫合糸の2つの自由端を残す。
図2Aは、ボタン正面図を示す。
図2Bは、ボタンの側面図を示す。
【0042】
【
図3A-3D】
図3A-3Dは、大腿骨および脛骨に縫合糸を取り付ける間接的方法を伴う、ビーズ靱帯修復の1つの方法を図示する概略図である。
図3Aは、ボタンおよび大腿骨ドリル穴を通して通されるボタン縫合糸を示す。
図3Bは、縫合糸に沿って切痕中へ通された第1スキャフォールドを示す。
図3Cは、第2縫合糸に沿って通された第2スキャフォールドを示す。
図3Dは、脛骨を通して通され、および第2ボタンの上方で脛骨に固定された縫合糸を示す。
【0043】
【
図4A-4D】
図4A-4Dは、間接的な靱帯修復の1つの他の方法を図示する概略図である。
図4Aは、縫合糸が取り付けられるアンカーを示す。アンカーは、大腿骨の骨に置かれる。
図4Bは、縫合糸に沿って通された第1スキャフォールドを示す。
図4Cは、第2縫合糸に沿って通された第2スキャフォールドを示す。
図4Dは、ボタンまたは他で脛骨に固定された縫合糸固定化デバイスを示す。
【0044】
【
図5】
図5は、間接的な組織修復の他の例示的な方法を図示する概略図である。まず、縫合糸の2つより多くの自由端を備えるアンカーは、これが大腿骨上の前十字靱帯挿入部位または靱帯それ自体を損傷させないように注意しながら、大腿骨に置かれる。そして第1スキャフォールドは、縫合糸の端の1つに沿って、顆間切痕中へと上に通される。そして第2スキャフォールドは、第2縫合糸に沿って切痕中へと上に通される。追加のスキャフォールドは、追加の縫合糸に沿って置かれる。 そして縫合糸の端は、脛骨トンネルを通してもたらされ、ボタンに端部をかけること、または他の固定化デバイスを使用することによって脛骨に固定化される。
【0045】
【
図6】
図6は、間接的な靱帯修復の1つの他の方法を図示する概略図である。まず、各々が縫合糸の2つの自由端を備える2つのアンカーは、これらが大腿骨上の前十字靱帯挿入部位または靱帯それ自体を損傷させないように注意しながら、大腿骨に置かれる。そして第1スキャフォールドは、縫合糸の端の1つに沿って、顆間切痕中へと上に通される。そして第2スキャフォールドは、第2縫合糸に沿って切痕中へと上に通される。追加のスキャフォールドは、追加の縫合糸に沿って置かれる。そして縫合糸の端は、脛骨トンネルを通してもたらされ、ボタンに端部をかけること、または他の固定化デバイスを使用することによって脛骨に固定化される。2以上の脛骨トンネルまたは固定化デバイスもまた、使用されてもよい。2以上の大腿骨のトンネルまたは固定化デバイスもまた、使用されてもよい。
【0046】
【
図7A-7B】
図7A-
図7Kは、単一のスキャフォールドを使用し、脛骨のACLつけ根にスティッチを組み込む間接的な修復技術の使用を図示する写真のセットである。
【
図7C-7D】
図7A-
図7Kは、単一のスキャフォールドを使用し、脛骨のACLつけ根にスティッチを組み込む間接的な修復技術の使用を図示する写真のセットである。
【
図7E-7F】
図7A-
図7Kは、単一のスキャフォールドを使用し、脛骨のACLつけ根にスティッチを組み込む間接的な修復技術の使用を図示する写真のセットである。
【
図7G-7H】
図7A-
図7Kは、単一のスキャフォールドを使用し、脛骨のACLつけ根にスティッチを組み込む間接的な修復技術の使用を図示する写真のセットである。
【
図7I-7J】
図7A-
図7Kは、単一のスキャフォールドを使用し、脛骨のACLつけ根にスティッチを組み込む間接的な修復技術の使用を図示する写真のセットである。
【
図7K】
図7A-
図7Kは、単一のスキャフォールドを使用し、脛骨のACLつけ根にスティッチを組み込む間接的な修復技術の使用を図示する写真のセットである。
【0047】
【
図8A-8D】
図8A-8Dは、切痕において多数の片で送出されるスキャフォールドを有する患者からの術後のMRIである。患者は、ACLの治癒の証拠を有した。
図8Aにおいて、裂傷したACLは、視覚化される。
図8B、
図8C、および
図8Dは、3ヶ月、6ヶ月および12ヶ月でのそれぞれのACLの治癒の外観を示す。
【0048】
【
図9】
図9は、3ヶ月でのラックマン試験の結果を描写するグラフである。
【0049】
【
図10】
図10は、3ヶ月および6ヶ月でのハムストリング力の結果を描写するグラフである。
【0050】
【
図11A-11C】
図11Aは、多数のスキャフォールドを使用してACLを修復するための例示的な方法を図示する概略図である。
図11Aは、脛骨と大腿骨との間にねじ込まれた縫合糸の2つのエリア上の、ビーズの形状におけるスキャフォールドを描写する。
図11Bは、骨の1つのエリアの間にねじ込まれた縫合糸の多数のエリア上であり、および骨の第2エリア中へ負傷した靱帯を通した、ビーズの形状におけるスキャフォールドを描写する。
図11Cは、骨の1つのエリアの間にねじ込まれた縫合糸の多数のエリア上であり、および骨の第2エリア中へ負傷した靱帯を通した、ビーズの形状におけるスキャフォールドを描写し、ビーズは、骨と負傷した靱帯との間の隙間中へきつく引かれる。
【0051】
【
図12A-12B】
図12A-
図12Bは、標準的な靱帯置換スキャフォールド(12A)、および、別個の生分解性スキャフォールドのセット(12B)を図示する概略図である。
【0052】
【
図13】
図13は、多数のスキャフォールドを使用したACL修復の臨床試験における6ヶ月での靱帯の強さ上の単球の数の効果を描写するグラフである。
【0053】
【
図14】
図14は、多数のスキャフォールドを使用したACL修復の臨床試験における6ヶ月での靱帯の強さ上の好塩基球の数の効果を描写するグラフである。
【0054】
【
図15】
図15は、多数のスキャフォールドを使用したACL修復の臨床試験における6ヶ月での靱帯の強さ上の顆粒球の数の効果を描写するグラフである。
【0055】
【
図16】
図16は、多数のスキャフォールドを使用したACL修復の臨床試験における治癒量に基づいた好酸球を描写するグラフである。
【0056】
発明の詳細な説明
本発明の側面は、負傷した関節組織を修復するためのデバイスに関する。いくつかの側面において、デバイスは、関節組織の修復のためのスキャフォールドのセットである。本発明の前に、単一のスキャフォールドまたは他の修復材料は、負傷した組織の修復において治癒の促進のために重要であると信じられていた。修復材料が裂傷したり損傷したりした場合、それは治癒プロセスを妨げるであろうことが予想された。それは治癒を促進する力を欠くことになり、および、材料の曝露した表面積がより大きくなるからだ。非常に予想外なことに、先行技術における理解とは対照的に、多数の別個のスキャフォールドの使用は、損傷した関節組織の治癒を強化することが発見された。
【0057】
本明細書はまた、別個の生分解性スキャフォールドのセットを使用して負傷した関節組織を修復するための方法を開示する。別個のスキャフォールドのセットは、本明細書で使用される場合、2以上のスキャフォールドを意味する。セット内のスキャフォールドは、互いに同一でもよく、または異なる特性を有してもよい。例えば、スキャフォールドの1以上は、セットにおける他のスキャフォールドとは異なる大きさまたは形状を有してもよい。スキャフォールドの1以上は、異なる材料で構成されてもよく、または異なる濃度(例えばコラーゲンの濃度)を有してもよく、または異なる多孔性もしくは他のいずれの特性を有してもよい。セットにおけるスキャフォールドの各々は、互いに異なってもよい。代替的に、セット内のこれらのスキャフォールドのいずれの数も、互いに異なってよい。
【0058】
セット内のスキャフォールドの数は、変化してもよい。例えば、スキャフォールドのセットは、2-100のスキャフォールドでもよい。スキャフォールドがより小さければ、数はより多くてもよい。セットは、例えば、2-90、2-80、2-70、2-60、2-50、2-40、2-30、2-20、2-10、2-5、3-90、3-80、3-70、3-60、3-50、3-40、3-30、3-20、3-10、3-5、4-90、4-80、4-70、4-60、4-50、4-40、4-30、4-20、4-10、4-5、5-90、5-80、5-70、5-60、5-50、5-40、5-30、5-20、5-10、5-100、10-90、10-80、10-70、10-60、10-50、10-40、10-30、10-20、10-100、15-90、15-80、15-70、15-60、15-50、15-40、15-30、15-20、15-100、20-90、20-80、270、15-60、15-50、15-40、15-30、15-20、15-100、2-200、3-200、4-200、5-200、20-200、100-200、2-500、3-500、4-500、5-500、20-500、100-500、2-1,000、3-1,000、4-1,000、5-1,100、20-1,000、100-1,000または500-1,000を包含してもよい。
【0059】
いくつかの態様において、スキャフォールドの1以上は、セットにおける他のスキャフォールドとは大きさまたは形状などの異なる特性を有してもよく、異なる材料で構成され、異なる濃度(例えばコラーゲンの濃度)で構成され、または異なる多孔性で構成されてもよい。いくつかの態様において、スキャフォールドの1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%または95%が、セットにおける他のスキャフォールドとは異なる特性を有する。他の態様において、セットにおけるスキャフォールドは、少なくとも2つの異なる特性を含む。他の態様において、それらは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、または10の異なる特性を含む。
【0060】
いくつかの側面において、破裂した靱帯の修復のための本発明のデバイスは、破裂した靱帯の修復のために構成されたスキャフォールド、固定化デバイスおよび少なくとも1つの縫合糸を包含する。スキャフォールドは、被験者の体が毛細血管、動脈、および静脈のネットワークを発達させることを可能にする。十分に血管新生した結合組織は、スキャフォールド中への線維芽細胞の移動の結果として治癒する。本発明のデバイスは、破裂した靱帯の間の接続を提供し、または、裂傷した靱帯の周りで形成し、ならびに、靱帯の統合性および構造を維持する一方で、靱帯中へ損傷させる縫合糸を置くことを要すること、または、ACLの挿入部位においてドリル穴で靱帯挿入部位を損傷させることなく、破裂したまたは裂傷した靱帯の修復を促進する。むしろ、本発明のこれらの態様において使用されるいずれの縫合糸または他の閉じ込みデバイスも、靭帯以外の表面、または骨への靱帯の取り付けの部位に取り付けられる。
【0061】
閉じ込みデバイスは、本明細書で使用される場合、一定期間あるエリアにおいてスキャフォールドを保持するために使用されるいずれの材料も意味する。例えば、縫合糸は、損傷の部位で適所にスキャフォールドをねじ込み、および保持するために使用されてもよい。代替的に、メッシュやバッグなどの生分解性材料は、損傷の部位で適所にスキャフォールドを保持するために使用されてもよい。いくつかの場合において、閉じ込みデバイスは、スキャフォールドまたは粉末が入っている管またはシリンジである。例えば、管は、管の後ろに置かれるプランジャでスキャフォールドを送出するために使用されてもよい。
【0062】
これらの態様のデバイスは、破裂したまたは裂傷した前十字靱帯を修復するための縫合糸および少なくとも1つの三次元スキャフォールド構築物を提供する。スキャフォールドは、靱帯の破裂した端と繊維との間の接続を提供し、または損傷の後に、裂傷した靱帯の周りで形成し、および、スキャフォールドにおいて傷跡および新しい組織を形成するための適切な治癒細胞の移動を促す。
【0063】
本発明のデバイスおよび本明細書に開示される方法は、被験者における関節内または関節外のいずれかの損傷を処置するために使用されてもよい。関節内損傷は、半月板裂傷、靱帯裂傷、腱裂傷および軟骨病変を包含するが、これらに限られない。関節外損傷は、靱帯、腱または筋肉を包含するが、これらに限られない。したがって、本明細書に開示される方法は、前十字靱帯、半月板、関節唇、回旋筋腱板腱、関節窩唇および寛骨臼唇、軟骨、および他の損傷の後に滑液に曝露した組織に対する損傷を処置するために使用されてもよい。
【0064】
損傷は、裂傷したまたは破裂した靱帯でもよい。 裂傷した 靱帯は、靱帯が接続されたままであるが、損傷して靱帯における裂傷を引き起こすものである。裂傷は、いずれの長さまたは形状でもよい。破裂した靱帯は、靱帯が完全に切断されて、靱帯の2つの分離した端を提供するものである。破裂した靱帯は、類似のまたは異なる長さの靱帯の2つの端部を提供してもよい。破裂は、靱帯のつけ根が一端で形成されるようなものでもよい。
【0065】
破裂した前十字靱帯の修復部位(26)の一例は、
図1において描写される遠位の大腿骨、および近位の脛骨を示す、膝の基本的な解剖学を図示する概略図において見られ得る。前十字靱帯(ACL)は、膝関節の骨を接続する4つの強力な靭帯の1つである。ACLの機能は、膝に安定性を提供し、膝関節のいたる所で応力を最小化することである。それは、太腿の骨、大腿骨(4)との関係において下腿骨、脛骨(6)の過剰な前進運動を抑え、および、膝の回転運動を限定する。前十字靱帯は、顆間領域(8)における大腿骨の骨(4)と脛骨の骨(6)との間の接続をもはや形成しないように破裂する。破裂したACLの結果として得られる端は、いずれの長さでもよい。端は、類似の長さでもよく、または一端は、他よりも長くてもよい。
【0066】
本発明のデバイスのスキャフォールドは、被験者中への移植に有用ないずれの形状でもあり得る。スキャフォールドは、空洞、液体、修復スペースのそれに適合するアモルファス形状、「チャイニーズフィンガートラップ(Chinese finger trap)」設計、トラフ形状、または正方形または球(ビーズ)を定義するように、例えば、管状、半管状、円筒形であり得、固体シリンダまたは空洞、管、管中へ圧延された平らなシートを有するシリンダを包含する。当業者に知られているデバイスのスキャフォールドに適した他の形状もまた、本発明において考慮される。
【0067】
膝の基本的な解剖学を図示する概略図が、
図1に示される。
本明細書に開示される有用なデバイスおよびシステムの例は、
図2-
図6において描写される。例示的な外科的方法もまた、
図7において図で示される。縫合糸(12)は、縫合糸をアンカリングするためにボタン(14)の1つの穴を通して通され、第2穴を通して戻されてもよく、靱帯挿入部位から別個の位置で関節中へ骨を出得る縫合糸の2つの自由端を残す(
図2A-
図2B)。
図2Aは、ボタン正面図を示す。
図2Bは、ボタンの側面図を示す。
【0068】
図3-
図6は、多数のスキャフォールドで行われる外科的方法の例を示す。例えば、
図3A-
図3Dは、多数のスキャフォールド靱帯修復の1つの方法を示す。まず、ドリル穴(16)は、これらが各骨上の前十字靱帯挿入部位または靱帯それ自体を損傷させないように注意しながら、大腿骨(4)および脛骨(6)に作り出される。そして縫合糸(12)は、
図2に図示されるとおりボタン(14)の上に置かれ、および、ボタンは、大腿骨のトンネルを通して上に通され、および、大腿骨上に2つの縫合糸の端をアンカリングするためにひっくり返される。そして第1スキャフォールド(18)は、縫合糸の端の1つに沿って、顆間切痕中へと上に通される。そして第2スキャフォールド(20)は、第2縫合糸に沿って切痕中へと上に通される。そして縫合糸の端は、脛骨トンネルを通してもたらされ、ボタンに端部をかけること、または他の固定化デバイスを使用することによって、脛骨に固定化される。
【0069】
間接的な靱帯修復の他の方法は、
図4A-
図4Dに示される。まず、縫合糸の2つの自由端を備えるアンカー(22)は、これが大腿骨上の前十字靱帯挿入部位または靱帯それ自体を損傷させないように注意しながら、大腿骨に置かれる。そして第1スキャフォールドは、縫合糸の端の1つに沿って、顆間切痕中へと上に通される。そして第2スキャフォールドは、第2縫合糸に沿って切痕中へと上に通される。そして縫合糸の端は、脛骨トンネルを通してもたらされ、ボタンに端部をかけること、または他の固定化デバイスを使用することによって、脛骨に固定化される。
【0070】
図5は、間接的な組織修復の他の例示的な方法を示す。まず、縫合糸の2つより多くの自由端を備えるアンカー(22)は、これが大腿骨上の前十字靱帯挿入部位または靱帯それ自体を損傷させないように注意しながら、大腿骨に置かれる。そして第1スキャフォールド(18)は、縫合糸の端の1つに沿って、顆間切痕中へと上に通される。そして第2スキャフォールド(22)は、第2縫合糸に沿って切痕中へと上に通される。追加のスキャフォールドは、追加の縫合糸に沿って置かれる。そして縫合糸の端は、脛骨トンネルを通してもたらされ、ボタン(14)に端部をかけること、または他の固定化デバイスを使用することによって、脛骨に固定化される。
【0071】
間接的な靱帯修復の方法はまた、
図6に示される。まず、それぞれが2つの自由な縫合糸(12)端を備える2つのアンカー(22)は、これらが大腿骨上の前十字靱帯挿入部位または靱帯それ自体を損傷させないように注意しながら、大腿骨(4)に置かれる。そして第1スキャフォールドは、縫合糸の端の1つに沿って、顆間切痕中へと上に通される。そして第2スキャフォールドは、第2縫合糸に沿って切痕中へと上に通される。追加のスキャフォールドは、追加の縫合糸に沿って置かれる。そして縫合糸の端は、脛骨トンネルを通してもたらされ、ボタンに端部をかけること、または他の固定化デバイスを使用することによって、脛骨に固定化される。2以上の脛骨トンネルまたは固定化デバイスもまた、使用されてもよい。
【0072】
図11A、
図11Bおよび
図11Cは、多数のスキャフォールド(24)を使用してACLを修復するための例示的な方法を図示する。脛骨と大腿骨との間にねじ込まれた縫合糸の2つのエリア上の、ビーズの形状におけるスキャフォールド(24)は、
図11Aに示される。縫合糸(12)は、トンネル(16)を通して大腿骨および脛骨にねじ込まれる間、緩んでいる。縫合糸は、きつく引かれ、アンカー(22)または他のデバイスによって固定化されてもよい。
図11Bは、代替的な態様を描写し、それにおいて縫合糸(12)の多数のエリア上の、ビーズの形状におけるスキャフォールド(24)は、骨(大腿骨または脛骨)の1つのエリアの間に、および負傷した靱帯(28)を通して骨の第2エリアまたは他の骨中へ、ねじ込まれる。
図11Cにおいて、縫合糸上のビーズの形状におけるスキャフォールドは、スキャフォールドが骨と負傷した靱帯(28)との間の隙間を満たすように、骨の1つのエリアの間で、および負傷した靱帯を通してきつくねじ込まれるものとして描写される。
【0073】
様々なスキャフォールド構成の表示が、
図12Aおよび
図12Bにおいて描写される。標準的な靱帯置換スキャフォールド(18)は、
図12Aにおいて縫合糸(12)上にねじ込まれて示される。別個の生分解性スキャフォールド(24)のセットは、
図12Bにおいて縫合糸(12)上にねじ込まれて示される。
【0074】
図7A-
図7Kは、単一のスキャフォールドを使用し、脛骨のACLつけ根にスティッチを組み込む間接的な修復技術の使用を図示する写真のセットである。方法はまた、多数のスキャフォールドに適用され得、例えば、縫合糸に沿ってねじ込まれてもよい。
【0075】
図7Aは、外科技術において使用される装置を示す写真である。これは、2つのエンドボタン(2 Endbutton)、2.4mmドリルピン(2.4 mm Drill Pin)、エンドボタンドリル(Endbutton Drill)、脛骨エイマー(Tibial Aimer)、縫合糸パッサー(Suture Passer)、キース針(Keith Needle)、メイヨー針(Mayo Needle)、フットキット(Foot Kit)、およびスキャフォールド(Scaffold)を包含する。
【0076】
半月板の、他の病理のための関節鏡検査は、
図7Bに示されるとおり行われてもよい。内側のミニ-関節切開が行われ、および、ホイップスティッチは、脛骨のつけ根に置かれる。
図7Cにおいて、脛骨トンネル(Tibial Tunnel)は、穿設される。脛骨ピン(Tibial Pin)は、照準デバイスを使用してACLつけ根に隣接して置かれ、および、トンネルを通した縫合糸通路を可能にするのに十分な直径を有するリーマでオーバードリル(overdrill)される。
図7Dにおいて、ガイドピンは、ACLの大腿骨の挿入部位に置かれ、および、近位皮質は、穿孔され、続いてトンネルを通したボタン通路を可能にするのに十分な直径を有するリーマでオーバードリルする。
図7Eにおいて、近位皮質のボタンは、縫合糸で組み立てられる。輪を通るVicrylは、外穴を通して置かれ、および、非吸収性のコア縫合糸は、内穴を通して置かれる。ACL組織に取り付けられた縫合糸は、中心穴を通して通される。
図7Fにおいて、皮質のボタンは、大腿骨のトンネルを通して通され、および、近位皮質に係合される。縫合糸を通すVicrylは、外穴に置かれ、縫合糸は、ACLホイップスティッチに置かれる。
図7Gにおいて、真っ直ぐな針は、コア縫合糸上へスキャフォールドをねじ込むために使用される。コア縫合糸の自由端は、脛骨トンネルを通して通された。
図7Hにおいて、スキャフォールドは、コア縫合糸に沿って切痕中へ上に通される。脛骨のつけ根は、スキャフォールドの前方に維持される。自家血液(10cc)は、スキャフォールドに加えられる。
図7Iにおいて、膝は伸ばされ、および、コア縫合糸は、引き下ろされて、第2皮質のボタン上に結ばれた。ACLの脛骨のつけ根は、スキャフォールドの前方のままである。
図7Jにおいて、ACLつけ根の縫合糸は、スキャフォールド中へACLを引くために近位に引かれた。縫合糸は、ACLを適所に固定化するために、近位大腿骨上への関節鏡下ロッキング結び目を使用して結ばれた。
【0077】
これらの例において、破裂したまたは裂傷した靱帯を修復するためのデバイスは、少なくとも2つのスキャフォールド、1つの縫合糸および2つのアンカーを包含し、それによって修復のために構成されるスキャフォールドの組み合わせが、示される。修復のために構成されるスキャフォールドは、修復を要するあるエリア中への挿入が可能であり、および靱帯の再生を促進するものである。本発明のスキャフォールドは、修復部位中への挿入、および、破裂した靱帯の端の間の接続を形成すること、または裂傷した靱帯の周りで形成することのいずれかが可能であり、いずれにしても、靱帯の統合性および構造は、維持される。再生は、複雑な挿入部位および靱帯の扇形の維持、および靱帯物質内の残りの固有受容性線維の保存を包含する、靱帯修復において以前に使用された再建を上回るいくつかの利点を提供する。
【0078】
スキャフォールド(14)は、細胞機能の不溶性または生分解性調節因子として、または単に細胞移動または合成のための構造を支持するデリバリー担体としてのいずれかで機能してもよい。天然成分または合成成分のいずれかで作られる多数のマトリックスは、靱帯修復および再建における使用のために調査されてきた。天然マトリックスは、処理されまたは再構成された組織成分(コラーゲンおよびGAGなど)から作られる。天然マトリックス は、細胞とその環境との間の相互作用に通常関与する構造を模倣するため、最小限の修正を備える細胞調節因子として作用し、再生のための前提条件である移植された材料を改造する能力を細胞に与える。
【0079】
合成マトリックスは、主にポリマー材料で作られる。合成マトリックスは、注意深く定義された化学組成および構造物上の配置の範囲の利点を提供する。ある合成マトリックスは、分解可能でない。非分解性マトリックスは、修復において助けになるかもしれないが、非分解性マトリックスは、改造によって置換されず、したがって靱帯を完全に再生するためには使用できない 。関節に異物を永久的に残すこともまた、摩耗粒子の発生に関連した問題のために望ましくなく、したがって、分解可能な材料は、再生における作業のために好ましい。分解可能な合成スキャフォールドは、分解速度を制御するために改変され得る。
【0080】
スキャフォールドは、好ましくは滑液による分解に対していくらかの耐性を有する圧縮可能で弾力性のある材料で作られる。正常な関節活動の一部としての滑液は、凝塊形成を自然に妨げる。この線維素溶解プロセスは、スキャフォールドの早期分解をもたらし、靱帯の治癒プロセスを破壊するだろう。材料は、ポリマーおよびコポリマーなどの永久または生分解性の材料のいずれかであってもよい。スキャフォールドは、例えば、コラーゲン繊維、コラーゲンゲル、発泡ゴム、天然材料、ゴムなどの合成材料、シリコーンおよびプラスチック、粉砕および圧縮された材料、有孔材料、または圧縮可能な固体材料で構成され得る。
【0081】
スキャフォールドは、その形状が維持されるような固体材料、またはその形状および/または大きさを変更することが可能な半固体材料でもよい。スキャフォールドは、それが必要に応じて収縮または拡張することを可能にする拡張可能な材料で作られてもよい。材料は、スキャフォールドが接触するか、またはスキャフォールドに加えられるかのいずれかの血漿、血液、他の体液、液体、ハイドロゲルまたは他の材料を吸収することが可能であり得る。
【0082】
三次元形状のインプラントは、形状記憶を有してもよい。形状記憶は、インプラントが一時的に変形することを可能にし、最小限の侵襲的方法によって送出され、および関節組織の近傍に置かれるとその予め形成された三次元形状に戻る。
【0083】
スキャフォールドは、形状および大きさにおいて変化してもよい。形状は、ビーズ、球、シリンダ、正方形、長方形、三角形、楕円形、半球、半楕円形、ドームまたは 類似の種類の形状を包含するが、これらに限られない。スキャフォールドの大きさは、様々であり、例えば0.5mm~50mm、0.5mm~30mm、0.5mm~20mm、1mm~50mm、1mm~30mm、1mm~10mm、2mm~50mm、2mm~30mm、2mm~10mm、5mm~50mm、5mm~40mm、5mm~30mm、5mm~20mm、5mm~10mm、10mm~100mm、10mm~50mm、10mm~30mm、10mm~10mm、10mm~20mm、10mm~40mm、または10mm~15 mmの幅の範囲にある。
【0084】
スキャフォールド材料は、タンパク質、凍結乾燥された材料、または他のいずれの好適な材料でもあり得る。タンパク質は、合成の、生体吸収性の、または自然に生じるタンパク質であり得る。タンパク質は、フィブリン、ヒアルロン酸、エラスチン、細胞外マトリックスタンパク質、またはコラーゲンを包含するが、それらに限定されない。スキャフォールド材料は、プラスチックまたは自己組織化ペプチドでもよい。スキャフォールド材料は、治療目的のためのホルモン、サイトカイン、成長因子、凝固因子、抗プロテアーゼタンパク質(例えば、アルファ1-抗トリプシン)、血管新生タンパク質(例えば、血管内皮成長因子、線維芽細胞成長因子)、抗血管新生タンパク質(例えば、エンドスタチン、アンギオスタチン)、および血液に存在する他のタンパク質、骨形成タンパク質(BMP)、骨誘導性因子(IFO)、フィブロネクチン(FN)、内皮細胞成長因子(ECGF)、セメント質付着物(CAE)、ケタンセリン、ヒト成長ホルモン(HGH)、動物成長ホルモン、上皮成長因子(EGF)、インターロイキン-1(IL-1)、ヒトアルファトロンビン、形質転換成長因子(TGF-ベータ)、インスリン様成長因子(IGF-1)、血小板由来成長因子(PDGF)、線維芽細胞成長因子(FGF、bFGF、など)、および歯根膜走化性因子(PDLGF)を包含するが、これに限定されない治療用タンパク質を取り込んでもよい。凍結乾燥された材料は、液体、ゲルまたは他の流体がそれに加えられ、または接触するときに膨張することが可能である。
【0085】
多くの生物学的材料が、スキャフォールドを作るために利用可能であり、コラーゲン組成物(コラーゲン繊維またはコラーゲンゲルのいずれか)、グリコサミノグリカン(GAG)、ヒアルラン組成物、および様々な合成組成物を含有する組成物を包含する。コラーゲン-グリコサミノグリカン(CG)コポリマーは、真皮および末梢神経の再生において成功裏に使用されてきた。スポンジ様および繊維状スキャフォールドとして製造される多孔性天然ポリマーは、靱帯を包含する選択された筋骨格組織の再生を容易にするために、インプラントとして調査されてきた。スポンジスキャフォールドなどのスキャフォールドはまた、腱(異種移植、同種移植、自家移植)または靱帯または皮膚または他の天然状態にあり得る、または細胞の内植または他の 生物学的な特徴を容易にするために処理された結合組織から作られてもよい。
【0086】
本発明の側面において、スキャフォールドは、スポンジまたはスポンジ様材料で構成される。スポンジスキャフォールドは、吸収性または非吸収性でもよい。スポンジスキャフォールドは、コラーゲン、エラスチン、細胞外マトリックスタンパク質、プラスチック、または自己組織化ペプチドでもよい。スポンジスキャフォールドは、親水性でもよい。スポンジスキャフォールドは、所望のとおり圧縮および拡張が可能である。例えば、スポンジスキャフォールドは、修復部位中への移植の前またはその間に圧縮されてもよい。圧縮されたスポンジスキャフォールドは、スポンジスキャフォールドが修復部位内に拡張することを可能にする。スポンジは、修復部位に置かれたときに、および適所に拡張したときに凍結乾燥され、および/または圧縮されてもよい。スポンジスキャフォールドの拡張は、修復部位における血液または他の流体との接触後に生じてもよく、または修復部位に加えられてもよい。スポンジスキャフォールドは、多孔性でもよい。スポンジスキャフォールドは、修復部位中への移植の前に液体、ゲル、またはハイドロゲル修復材料で飽和され、またはコートされてもよい。スポンジスキャフォールドのコーティングまたは飽和は、相対的に未定義の欠陥エリア中への移植を容易にし、ならびに特に大きな欠陥エリアを満たすのを助けてもよい。スポンジスキャフォールドは、コラーゲンで構成されてもよい。好ましい態様において、スポンジスキャフォールドは、ハイドロゲルで処置される。
【0087】
天然マトリックスの重要なサブセットは、靱帯における主要な構造物上の成分であるコラーゲンから主に作られるものである。コラーゲンは、可溶性または不溶性型であり得る。好ましくは、コラーゲンは、可溶性であり、例えば 酸性または塩基性である。例えば、コラーゲンは、I型、II型、III型、IV型、V型、IX型またはX型であり得る。好ましくは、コラーゲンは、I型である。より好ましくは、コラーゲンは、可溶性I型コラーゲンである。I型コラーゲンは、ヒト前十字靱帯のための細胞外マトリックスの主成分であり、および生体工学的スキャフォールドの基礎のための選択肢の一例を提供する。コラーゲンは、主に繊維状の形態において生じ、コラーゲンの体積分率、繊維配向、および架橋度を変更することによって、非常に異なる機械的特性を備えた材料の設計を可能にする。細胞浸潤速度およびスキャフォールド分解の生物学的な特性はまた、細孔の大きさ、架橋度、ならびにグリコサミノグリカン、成長因子、およびサイトカインなどの追加のタンパク質の使用を変えることによって変更される。加えて、コラーゲンベースの生体材料は、患者自身の皮膚から製造され得、したがって、インプラントの抗原性を最小化する(Ford et al., 105 Laryngoscope 944-948(1995))。
【0088】
コラーゲンは、合成または天然由来である。コラーゲンの天然源は、動物またはヒト源から入手されてもよい 。例えばそれは、ラット、ブタ、ウシ、もしくはヒト組織またはいずれの他の種からの組織由来でもよい。腱、靱帯、筋肉、筋膜、皮膚、軟骨、尾、またはいずれのコラーゲン性組織源も、有用である。そして材料は、同じまたは異なる種の被験者中へ移植される。「異種」および「異種移植」という用語は、レシピエント以外の種に起源があり、またはそれに由来する細胞または組織を意味する。代替的に、コラーゲンは、自家細胞から入手されてもよい。例えば、コラーゲンは、患者の培養された線維芽細胞由来でもよい。そしてコラーゲンは、その組織または細胞に使用されてもよい。「自家」および「自家移植」という用語は、レシピエントに起源があり、またはそれ由来の組織または細胞を意味する一方、「同種異系」および「同種移植」という用語は、レシピエントと同種のドナーに起源があり、またはそれ由来の細胞および組織を意味する。コラーゲンは、手術前にいつでも単離されてもよい。
【0089】
可溶化コラーゲンは、溶液において1-50mg/mlの濃度でもよい。いくつかの態様において、可溶化コラーゲンの濃度は、5 mg/mlより大きく50 mg/ml以下である。いくつかの態様において、可溶化コラーゲンの濃度は、50 mg/mlより大きく500 mg/ml以下である。コラーゲンの濃度は、例えば、10、15、20、25、30、35、または40mg/mlでもよい。かかる高濃度のコラーゲンは、本明細書の方法にとって望ましい粘度レベルを生成するのに有用である。ほとんどの市販のコラーゲン溶液は、より低濃度である。より高濃度は、例えば、本明細書に記載される方法を使用して作られ得る。他の態様において、可溶化コラーゲン溶液は、1mg/mlから5 mg/ml未満の濃度を有する。かかるより低濃度のコラーゲンが使用されるとき、追加の成分またはステップは、本明細書の方法によると有用であるように、材料の粘度を増加させるために用いられる。粘度誘導方法または成分の例が、本明細書に記載される。
【0090】
溶液は、最終化組成物の所望の流動特性を提供するために、コラーゲン含量および他の成分を変えることによって調製されべきである。いくつかの態様において、溶液は、1,000から200,000センチポアズのコラーゲン粘度を有する。
【0091】
コラーゲン溶液は、in vivoでの使用のために無菌である。溶液は、滅菌されてもよく、および/または、溶液の成分は、無菌組成物を生成するための無菌技術を使用して無菌条件下で単離されてもよい。いくつかの滅菌技術は、粘度などの特性に影響を与えるかもしれないため、組成物の最終的な所望の特性は、溶液がどのように滅菌されるかを決定づけてもよい。溶液のある成分が滅菌されていない場合、すなわち、コラーゲンが天然源から単離される場合、残りの成分は、コラーゲンの添加前に組み合わされ、および滅菌され得、または、各成分は、分離して滅菌され得る。そして溶液は、無菌条件下で無菌技術を使用して単離されたコラーゲンと滅菌された成分の各々を混合することによって作られ得る。滅菌は、例えば、約115℃から約130℃、好ましくは約120℃から約125℃のオーダーの温度での約30分間から約1時間のオートクレーブ処理によって達成されてもよい。ガンマ線は、成分を滅菌するための他の方法である。エチレンオキシドによる滅菌の場合、濾過もまた可能である。
【0092】
いくつかの態様において、スキャフォールドは、親水性である。スキャフォールドの親水性は、例えば、スキャフォールドが水または血液などの液体におけるその重量より大きい量を吸収する能力によって評価され得る。いくつかの態様において、スキャフォールドは、親水性を有し、それによって血液または他の流体におけるその重量の少なくとも2倍を吸収し得る。他の態様において、それは、血液または他の流体におけるその重量の少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも15倍を吸収し得る。例えば例に記載されるスキャフォールドは、その重量の5倍を吸収する。血液または他の修復材料の少なくとも5mlは、例2に記載されるスキャフォールド1gに加えられる。
【0093】
可溶化コラーゲン溶液は、不溶性コラーゲン、プロテオグリカンおよびグリコサミノグリカンなどの他の細胞外マトリックスタンパク質(ECM)、フィブロネクチン、ラミニン、エンテクチン、デコリン、リシルオキシダーゼ、架橋前駆体(還元性および非還元性)、エラスチン、エラスチン架橋前駆体、細胞膜タンパク質、ミトコンドリアタンパク質、核タンパク質、サイトゾルタンパク質、および細胞表面受容体などの細胞成分、PDGF、TGF、EGF、およびVEGFなどの成長因子、およびヒドロキシプロリンなどの追加成分を含有してもよい。いくつかの態様において、ヒドロキシプロリンは、1~3.0μg/mlの濃度における溶液に存在してもよく、それはコラーゲン溶液の合計タンパク質の8~9%でもよい。いくつかの態様において、ヒドロキシプロリンは、いずれの緩衝液の添加の前にコラーゲン溶液において0.5~4.0μg/mlの濃度で存在する。いくつかの態様において、コラーゲン溶液は、トロンビンを含まない。「トロンビンを含まない」は、本明細書で使用される場合、1%未満のトロンビンを有する組成物を意味する。いくつかの態様において、トロンビンを含まないは、検出不可能なレベルを意味する。他の態様において、それは0%のトロンビンを意味する。
【0094】
本発明のデバイスはまた、1以上の固定化デバイスを包含してもよい。アンカーは、骨中へ挿入可能なデバイスであり、それによって骨への安定した取り付けを形成する。ある場合において、固定化デバイスは、所望の場合に骨から除去可能である。固定化デバイスは、アンカー、ステープル(12)、ボタン(14)、または結び目(骨橋上に縫合糸を結ぶこと)を包含するが、これらに限られない。アンカーは、一端に鋭利な先端および長手方向軸を有する本体を有する円錐形状でもよい。アンカーの本体は、その長手方向軸に沿って直径が増加してもよい。アンカーの本体は、アンカーを所定の位置中にねじ込むのに適した溝を包含してもよい。例えば、アンカーは、大腿骨中へねじ込まれてもよい。アンカーは、アンカー本体の基部に、それを通して1以上の縫合糸が通されてもよいアイレットを包含してもよい。アイレットは、楕円形または円形でもよく、および、1以上の縫合糸が通過し、アイレット内に保持されることを可能にするのに好適ないずれの大きさでもよい。
【0095】
固定化デバイスは、当業者に知られている物理的または機械的方法によって骨に取り付けられてもよい。アンカーは、ネジ、バーブ、ヘリカルアンカー、ステープル、クリップ、スナップ、リベット、またはクリンプ型アンカーを包含するが、それらに限定されない。アンカーの本体は、長さが変化してもよい。アンカーの例は、IN-FAST?(登録商標) Bone Screw System(Influence, Inc., カリフォルニア州サンフランシスコ)、IN-TAC(登録商標) Bone Anchor System(Influence, Inc., カリフォルニア州サンフランシスコ)、Model 3000 AXYALOOP?(登録商標) Titanimu Bone Anchor(Axya Medical Inc., マサチューセッツ州ビバリー)、OPUS MAGNUM(登録商標)Anchor with Inserter(Opus Medical, Inc., カリフォルニア州サンファンカピストラーノ)、ANCHRON?(登録商標)、HEXALON?(登録商標) TRINION?(登録商標)(Inion Inc., オクラホマ州オクラホマシティからすべて利用可能)およびTwinFix AB吸収性縫合糸アンカー(Smith & Nephew, Inc., マサチューセッツ州アンドーバー)を包含するが、これらに限られない。アンカーは、 Influence, Inc.、カリフォルニア州サンフランシスコ、Axya Medical , Inc.、マサチューセッツ州ビバリー、Opus Medical, Inc.、カリフォルニア州サンファンカピストラーノ、Inion , Inc.、オクラホマ州オクラホマシティ、Arthrex(Naples FL)、およびSmith & Nephew, Inc.、マサチューセッツ州アンドーバーなどの製造業者から市販されている。
【0096】
固定化デバイスは、例えばチタン316LVMステンレス鋼、CoCrMo合金、またはニチノール合金などの金属またはプラスチックなどの非分解性材料で構成されてもよい。骨固定化デバイスは、好ましくは生体吸収性であり、それによって被験者は、アンカーを分解および吸収することができる。生体吸収性材料の例は、MONOCRYL(ポリグレカプロン25)、PDS II(ポリジオキサノン)、外科腸縫合糸(SGS)、腸管、コートされたVICRYL(ポリグラクチン910、ポリグラクチン910編組)、移植腱材料、コラーゲン繊維、POLYSORB、ポリ-L-乳酸(PLLA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリスルホン、ポリラクチド(Pla)、ポリラクチドのラセミ体(D,L-Pla)、ポリ(L-ラクチド-co-D,L-ラクチド)、70/30ポリ(L-ラクチド-co-D,L-ラクチド)、ポリグリコリド(PGa)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシ酸、および再吸収性プレート材料を包含するが、これらに限られない(例えばOrthopedics, October 2002, Vol. 25, No. 10/Supp.を参照)。アンカーは、日、週、月または年を包含するが、それらに限定されない期間に渡って生体吸収されてもよい。
【0097】
縫合糸(12)は、好ましくは生体吸収性であり、それによって被験者は、縫合糸を分解および吸収することが可能であり、および、合成であり、それによって縫合糸は、天然源に由来しなくてもよい。縫合糸(12)は、永久的でもよく、それによって被験者は、縫合糸を分解することができず、縫合糸は、被験者に残る。縫合糸(12)は、剛性あるいは硬くてもよく、または伸縮性あるいは可撓性でもよい。縫合糸(12)は、形状において円形でもよく、平坦な断面を有してもよい。縫合糸の例は、VICRYL(登録商標) ポリグラクチン910、PANACRYL
?(登録商標) 吸収性縫合糸、ETHIBOND(登録商標)EXCELポリエステル縫合糸、PDS(登録商標)ポリジオキサノン縫合糸およびPROLENE(登録商標)ポリプロピレン縫合糸を包含するが、これらに限られない。縫合糸は、ETHICON, INC.、マサチューセッツ州ウェストウッドのMITEK PRODUCTS部門などの製造業者から市販されている。縫合糸は、ACLと同じ長さまたはそれより長くてもよい。1つの態様において、縫合糸の長さは、30’’より長い。いくつかの態様において、縫合糸は、2つに重ねられ、および両端が大腿骨および脛骨を横切ることができるのに十分な長さであり、縫合糸が膝の外側に輪を有することを可能にするのに十分に余分な長さを備え、そこでスキャフォールドは、縫合糸がきつく引かれるまで維持される(例えば、
図3-
図6を参照)。
【0098】
ステープルは、骨中への挿入が可能な2つのアームを有するアンカーの型である。ある場合において、ステープルのアームは、骨に取り付けられるときに、または、ある場合において他の組織に取り付けられるときに、それら自体で折り畳まれる。ステープルは、例えばチタンまたはステンレス鋼などの金属、プラスチック、またはいずれの生分解性材料で構成されてもよい。ステープルは、線形ステープル、円形ステープル、湾曲ステープルまたは直線ステープルを包含するが、それらに限定されない。ステープルは、Johnson & Johnson Health Care Systems, Inc.、ニュージャージー州ピスカタウェイ、およびEthicon, Inc.、ニュージャージー州サマービルなどの製造業者から市販されている。ステープルは、 当業者に知られているいずれのステープル デバイス、例えば ハンマーおよびステープルセッター(ステープルホルダ)を使用して、取り付けられてもよい。いくつかの態様において、ステープルは、所定の位置にしっかりと縫合糸を保持するために使用されてもよい。
【0099】
修復部位(26)は、破裂したまたは裂傷した靱帯(2)の周りのエリアであり、その中へ本発明のデバイスは、挿入されてもよい。本発明のデバイスは、当業者に知られている技術を使用して、手術中に修復部位(26)エリアに置かれてもよい。本発明のスキャフォールド(14)は、修復部位(26)を満たし得るか、または修復部位(26)を部分的に満たし得る。スキャフォールド(18)は、血液、血漿または修復部位(26)内に存在するか、または修復部位(26)中へ加えられるいずれかの他の流体の存在において修復部位(26)を満たすために挿入され、および拡張するとき、修復部位(26)を部分的に満たし得る。
【0100】
デバイスのスキャフォールドは、被験者中への移植の前に修復材料で前処理され得る。スキャフォールドは、修復部位中への移植の前またはその間に、修復材料に浸漬されてもよい。修復材料は、移植の前またはその間に、スキャフォールド中へ直接注入されてもよい。修復材料は、修復のときに管状スキャフォールド内に注入されてもよい。修復材料は、ゲル、例えばハイドロゲル、液体、またはコラーゲンを包含するが、それらに限定されない。液体は、水性材料、懸濁液または溶液を形成するのが可能ないずれの材料も包含する。修復材料は、成長因子、抗生物質、不溶性または可溶性コラーゲン(繊維状、ゲル状、スポンジ状またはビーズ状)、架橋剤、トロンビン、幹細胞、遺伝的に改変された線維芽細胞、血小板、水、血漿、細胞外タンパク質および細胞培地補充物などの追加材料を包含してもよい。追加の修復材料は、細胞増殖、細胞外マトリックス産生、コンシステンシー、疾患または感染の阻害、等張性、栄養経路が形成されるまでの細胞栄養、および修復材料のpHに影響を与えるために加えられてもよい。これらの追加材料のすべてまたは一部は、移植前または移植中に修復材料と混合されてもよく、または代替的に、追加材料は、修復材料が適所にきた後に欠陥エリアに近接して移植されてもよい。
【0101】
ある態様において、修復材料は、コラーゲンおよび1以上の血液細胞、すなわち白血球(WBC)、血小板、または全血を包含してもよい。いくつかの態様において、WBC、血小板、または全血は、処置される被験者由来である。他の態様において、WBC、血小板、または全血は、被験者と同種異系であるドナー由来である。ある態様において、WBC、血小板、または全血は、血小板が豊富な血漿(PRP)として入手されてもよい。非限定的な例において、WBC、血小板、または全血は、当業者に知られている技術を使用して被験者の血液から単離されてもよい。一例として、血液サンプルは、20分間700rpmで遠心分離されてもよく、血小板が豊富な血漿の上層が除去される。血小板密度は、当業者に知られている細胞計数を使用して決定されてもよい。WBCまたは全血は、当業者に知られている類似の技術を使用して入手されてもよい。血小板が豊富な血漿は、コラーゲンと混合されてもよく、および、スキャフォールドとして使用されてもよい。血小板が豊富な血漿は、本発明のいずれの1以上のスキャフォールド材料と混合されてもよい。
【0102】
他の態様において、修復材料は、自家血液である。他の態様において、修復材料は、白血球、赤血球、血小板または血漿で構成される。他の態様において、修復材料は、単球、好酸球、好塩基球または好中球で構成される。他の態様において、修復材料は、修復材料内の白血球の特定のタイプの存在を増加させるために患者からの除去の後に処置された自家血液で構成される。一態様において、血液は、修復材料における単球の存在を増加させるために処置される。他の態様において、患者は、修復材料に使用するために引かれた循環血液における白血球および/または血小板の存在を増加させるために、手術の前に処置される。
【0103】
ゲルの一例は、ハイドロゲルである。ハイドロゲルは、有機ポリマー(天然または合成)が共有結合、イオン結合、または水素結合を介して架橋され、ゲルを形成するために水分子を捕捉する三次元の開格子構造を作り出すときに形成される物質である。ポリマーは、被験者中への移植の前または後のいずれかでハイドロゲルを形成するために架橋されてもよい。例えば、ハイドロゲルは、その場で、例えば修復部位で形成されてもよい。ある態様において、ポリマーは、架橋剤と接触して修復部位内にハイドロゲルを形成する。ポリマー、ポリマー混合物およびコポリマーを形成する天然および合成ハイドロゲルは、ハイドロゲル前駆体として利用されてもよい。例えば、米国特許第5,709,854号を参照。ある態様において、ハイドロゲルは、ゲルであり、混合物上ですぐに硬化を開始し、および、欠陥および手術エリアの閉鎖前に十分に硬化するまでにおよそ5分かかる。硬化時間は、使用されるゲルの混合物および環境因子に応じて変化してもよい。
【0104】
例えば、可鍛性のイオン性ハイドロゲルを形成し得るあるポリマーは、ハイドロゲルを形成するために使用されてもよい。例えば、ハイドロゲルは、海藻から単離される炭水化物ポリマーであるアルギン酸のアニオン性塩をカルシウムカチオンに架橋することによって生成され得、カルシウムイオンまたはアルギネートのいずれかの濃度を増加させることでその力が増加する。例えば、ハイドロゲルを形成するための改良された能力を有するか、または疎水性の水不安定鎖、例えば.エプシロン.-カプロラクトンのオリゴマーで誘導体化された、修飾されたアルギネート誘導体が合成されてもよい。加えて、ゲランガムなどの細菌性多糖類、および カラギーナンなどの植物性多糖類を包含する、一価カチオンへの曝露によってゲル化する多糖類が、ハイドロゲルを形成するために架橋されてもよい。ハイドロゲルを形成するために使用され得る材料の追加の例は、それぞれ、イオン結合により架橋されるポリホスファゼンおよびポリアクリレート、またはPLURONICS?(登録商標)(ポリオキシアルキレンエーテル)もしくは TETRONICS?(登録商標)(非イオン性重合アルキレンオキシド)などのブロックコポリマー、温度またはpHによって架橋されるポリエチレンオキシド-ポリプロピレングリコールブロックコポリマーを包含する。他の材料は、フィブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドンなどのポリマー、ヒアルロン酸および非常に粘性の液体であるかチキソトロープ性の多糖類などのコラーゲンポリマーを包含し、および、構造の緩徐な進化によって徐々にゲルを形成し、また有用である。
【0105】
ゲルの他の例は、ヒアルロン酸である。毛髪ゲルのようなコンシステンシーを備える注入可能なゲルを形成するヒアルロン酸が、利用されてもよい。修飾されるヒアルロン酸誘導体は、特に有用である。ヒアルロン酸は、線形多糖である。その生物学的作用の多くは、水に結合する能力の結果であり、それにおいて500mlまでの水が、1グラムのヒアルロン酸と会合してもよい。非荷電有機部分を備えるヒアルロン酸のエステル化は、水溶性を減らす。ベンジルなどの有機アルコールでの完全なエステル化は、 ヒアルロン酸誘導体を事実上水において不溶性にし、そしてこれらの化合物は、ある非プロトン性溶媒においてのみ可溶性である。ヒアルロン酸のフィルムが作られるとき、フィルムは、本質的に水の存在において水和し、および拡張するゲルである。
【0106】
ゲルは、生理食塩水またはリン酸緩衝液生理食塩水などの当業者に知られている、薬学的に許容される担体において提供されてもよい。かかる担体は、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、防腐剤、適合性担体、アジュバントおよびサイトカインなどの補助免疫増強剤、ならびに選択的に他の治療剤を定常的に含有してもよい。
【0107】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、スキャフォールド材料または修復材料の生物学的活性の有効性を妨げない、非毒性材料を意味する。「生理学的に許容される」という用語は、細胞、細胞培養物、組織、または有機体などの生物学的システムに適合な非毒性材料を意味する。担体の特徴は、投与経路に依存するだろう。生理学的および薬学的に許容される担体は、希釈剤、充填剤、塩、緩衝液、安定化剤、可溶化剤、および当該技術分野において周知の他の材料を包含する。「担体」という用語は、天然または合成の有機または無機成分を指し、それでスキャフォールド材料は、適用を容易にするために組み合わされる。医薬組成物の成分はまた、それによって所望の薬効を実質的に損なうであろう相互作用がない方法において、本発明のデバイスと、および互いに、混ざり合うことが可能である。
【0108】
本発明のデバイスは、手術において使用されてもよい。以下は、本発明のデバイスおよび本明細書の方法を使用して行われてもよい手術の一例である。影響を受けた先端は、標準的な滅菌方法において調製され、およびドレープされる。指定される場合、止血帯が、使用されてもよい。標準的な関節鏡検査装置は、使用されてもよい。診断的関節鏡検査が行われ、および関節内病変が同定され、定義された後、2つの縫合糸は、前十字靱帯の本来の挿入部位にない顆間切痕における位置で大腿骨に固定される。裂傷した前十字靱帯組織は、その場に留まり、それを通して穿設し、およびそれ中へ縫合糸を置くことによって損傷しない。そして2以上のスキャフォールドは、顆間切痕中へ連続して導入される。そして縫合糸は、膝を安定化させ、および裂傷したACLの近傍に2つのスキャフォールドを保持するために、脛骨に両方ともアンカリングされる。関節鏡用ポータルは、閉じられ得、および無菌包帯は、置かれ得る。術後のリハビリテーションは、影響を受けた関節、処置される病変の型および大きさ、ならびに関連する組織による。
【0109】
本発明のデバイスは、関節鏡用装置で使用されてもよい。本発明のデバイスは、開いた切開を通した挿入によって使用されてもよい。スキャフォールドは、関節鏡用ポータル、切開および装置を通した導入を可能にするために、圧縮可能である。スキャフォールドはまた、移植の前に抗生物質溶液において前処理され得る。
【0110】
被験者は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマまたはウシなどのいずれの哺乳動物を包含するが、それらに限定されない。ある態様において、被験者は、ヒトである。
【0111】
いくつかの側面において、本発明はまた、靱帯などの破裂したまたは裂傷した関節組織の修復のためのキットを包含する。キットは、本発明の2以上のスキャフォールドならびに選択的に、1以上の縫合糸、ならびに大腿骨および脛骨のための骨固定化デバイスを包含してもよい。1以上の骨固定化デバイスは、キットにおける縫合糸(単数または複数)に取り付けられてもよい。キットは、本明細書に記載される修復材料を含有する容器をさらに包含してもよい。
【0112】
キットは、本発明の構成要素を収容する、および/または、血液または細胞および使用のための指示書を収集し、または保存するための、1以上の容器を包含してもよい。キットは、外科医による本明細書に記載される方法の使用を容易にするために設計されてもよく、および、多くの形態を取り得る。キットの組成物の各々は、適用可能であれば、液体形態(例えば、溶液において)、または固体形態(例えば、乾燥粉末)において提供されてもよい。ある場合において、組成物のいくつかは、構成可能でもよく、または例えば、好適な溶媒または他の種(例えば、水または細胞培養物培地)の添加による、他の方法で処理可能(例えば、活性形態で)でもよく、それはキットで提供されてもされなくてもよい。本明細書で使用される場合、「指示書」は、指示書および/またはプロモーションの構成要素を定義し得、および、本発明の包装について、またはそれに関連した書面の指示書を典型的に伴う。指示書はまた、いずれの仕方においても提供されるいずれの口頭または電気的指示書を包含し得、それによってユーザーは、例えばオーディオビジュアル(例えば、ビデオテープ、DVD、など)、インターネット、および/またはウェブベースの通信など、指示書がキットに関連していることを明らかに認識するであろう。書面の指示書は、医薬品または生物学的製剤の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定される形態でもよく、その指示書はまた、ヒトへの投与のための製造、使用または販売の機関による承認を反映し得る。
【0113】
キットは、1以上の容器において本明細書に記載されるいずれの1以上の成分を含有してもよい。一例として、一態様において、キットは、コラーゲンを収容する容器を包含してもよい。コラーゲンは、液体、ゲルまたは固体(粉末)の形状でもよい 。コラーゲンは、無菌で調製されてもよく、および、多数のスキャフォールドの形状において包装されて輸送されてもよい。代替的に、それは、使用の前または使用時に多数のスキャフォールド中へ分離され得る単一のスキャフォールドとして輸送されてもよい。第2容器は、無菌に調製され、または塩の形状における、予め混合された緩衝液を有してもよい。代替的に、キットは、1以上の 閉じ込みデバイスを包含してもよい。キットはまた、キットの1以上の成分を混合するための、および/または、サンプル(例えば、被験者から採取された血液)を単離して混合し、被験者に適用するための指示書を包含してもよい。
【0114】
キットは、患者から血液を引き、修復材料を作るためにサンプルを血小板濃縮物またはWBC中へ処理し、および手術部位へ修復材料を送出するために必要とされる1以上またはすべての構成要素を有してもよい。 例えば、患者から血液を抜き取るためのキットは、かかる手順のために必要とされる1以上の項目を包含してもよい。例えば、典型的には注入が行われるとき、患者の皮膚は、アルコールワイプなどの消毒剤で洗浄される;そしてヨウ素またはベタジンなどの第2消毒剤は、皮膚に適用されてもよい;エリアは、普通、動脈または静脈内の血流を制限するために、止血帯で単離され、針が挿入される前に血管がより目に見えるようにし、真空採血管などの収集デバイスに取り付けられる針は、患者の皮膚を通して注入されて、血液を抜き取る;そして針は、除去されて、きれいにふき取られる;および、穿刺部位は、止血後まで吸収パッドで覆われる。
【0115】
キットはまた、修復材料としての使用のために採血前の患者への投与のために設計される物質を含有してもよい。例えば、キットは、循環単球濃度を増加させるものとして知られている特定の用量の成長因子を含有してもよく、それで外科的修復のときに引かれる血液は、負傷した組織の再生のためにより好ましい。
【0116】
包含される付属品は、施術者が患者から血液を抜き取ることを可能にするために、特に設計されてもよい。例えば、付属品は、以下の止血帯、皮膚貫通器具、血液を収容するためのデバイス、収集管、消毒剤または注入後出血パッチの1以上を包含してもよい。
【0117】
血流の開始のための皮膚貫通器具は、針などの従来のデバイスでもよい。針は、単一または二重の端を有してよく、いずれのゲージ、好ましくは21または23ゲージでもよい。それは、選択的に安全スリーブを有する、針ハブに取り付けられてもよく、および好ましくは従来の管ホルダで使用される。針はまた、バレルおよびプランジャを包含する従来のシリンジアセンブリの部分でもよい。針は、従来の採血セットの部分でもよく、それにおいてウイングなどの把持手段を有する貫通針は、真空管の中隔の穿刺のための送出針へのハブおよび管を介して接続される。
【0118】
血液を収容するためのデバイスは、例えばシリンジバレルなどの、血液サンプルを受け入れるための容器のいずれの型でもよく、または、それは、収集に続いて血液サンプルが移送されるデバイス、例えば管でもよい。血液を収容するための好ましいデバイスは、閉鎖端および開放端を有する従来の管またはバイアルである。かかる管は、100μl~100mlの内部体積を有してもよい。血液を収集した後に収容するためのデバイスは、例えば、バイアル、遠心分離管、ボルテックス管または他のいずれの型の容器も包含する。血液を受け入れるためのデバイスは、真空管でもよく、それにおいて開放端は、真空採血管などの穿刺可能な中隔またはストッパによって覆われる。真空管は、一般に従来の管ホルダおよび多数のより大きな血液サンプルの収集のための採血セットで使用され、および、抗凝固剤などの様々な従来の血液分析添加物のいずれも含有してよい。好ましい抗凝固剤は、クエン酸およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)である。
【0119】
血小板を含有する血漿は、血液の他の成分と一緒に使用されてもよく、または全血から分離されてもよい。いずれの分離技術、例えば沈降、遠心分離または濾過なども利用され得る。遠心分離は、血小板を入手するために約20分間、約500gで実行され得る。血漿を含有する上清は、標準的な技術によって除去され得る。濾過は、血漿から血液細胞を分離する好適なフィルタを通して全血を通すことによって実行され得る。
【0120】
選択的にキットは、消毒剤および注入後出血パッチを包含してもよい。消毒剤などの、意図される穿刺のエリアにおける患者の皮膚を滅菌するための手段が、提供されてもよい。典型的かつ従来の消毒剤は、消毒剤と組み合わされた、一般的にガーゼと呼ばれる布片である。いくつかの典型的な消毒剤は、擦りアルコール、抗菌剤、ヨウ素、およびベタジンを包含し、個々に密封されたパケットに適用パッドを備えて提供されてもされなくてもよい。注入後出血パッチはまた、相対的に単純なガーゼパッドと粘着ストリップから包帯まで変わり得る。
【0121】
採血が行われるとき、施術者は、密封されたキットを開けてもよい;領域内の血流を制限するために止血帯で下腕などの患者の体の選択された領域を単離し、および、血管をより目に見えるようにしてもよい;1以上の滅菌剤で注入部位を洗浄してもよい;収集管に針を取り付けてもよい;患者の血管中へ針を注入し、管において血液サンプルを収集してもよい;皮膚から針を抜き取ってもよい;および、吸収パッドで穿刺部位を覆ってもよい。そして血液は、血小板または白血球の濃縮物を生成するために処理されてもよい。
【0122】
キットは、ブリスターパウチ、シュリンク包装パウチ、真空密閉可能パウチ、密閉可能な熱成形トレイ、または類似のパウチまたはトレイ形態などの様々な形態を有してもよく、付属品は、パウチ内に緩く詰め込まれ、1以上の管、容器、箱またはバッグである。
【0123】
キットは、付属品が加えられた後に滅菌されてもよく、それによって容器における個々の付属品が他の方法で開封されることを可能にする。キットは、放射線滅菌、熱滅菌、または当該技術分野において知られる他の滅菌方法などのいずれの適切な滅菌技術も使用して滅菌され得る。
【0124】
キットはまた、キットの意図される目的のために必要とされるいずれの他の構成要素も含有してもよい。したがって、他の構成要素は、滅菌ステップの後に消毒剤を除去するための、またはサンプルが引かれた後に穿刺傷を覆うための、ガーゼなどの布地でもよい。キットの他の選択的な構成要素は、使い捨て手袋、サンプルが採取された後に血液を保持するためのデバイスのための支持体、接着剤または穿刺傷に渡って布地を適所に維持するための他のデバイスである。
【0125】
キットは、使い捨ての包装に無菌で供給される使い捨ての構成要素を包含してもよい。キットはまた、例えば容器、細胞培地、塩、緩衝液、試薬、シリンジ、針など、特定の適用に応じた他の構成要素を包含してもよい。
【0126】
例
例1:靱帯修復上の多数の控えめなスキャフォールド対単一のそのまま(intact)のスキャフォールドの効果の比較。
方法
研究設計
IACUC承認は、研究を開始する前に入手された。16匹の後期若年性ユカタンミニブタがACL切断を受け、そして生物活性スキャフォールド(単数および複数)を使用してBPTB同種移植を備える生物強化ACL再建および同じ生物活性親水性スキャフォールド(単数および複数)を使用した生物強化ACL修復にランダム化された。各処置集団内の動物は、それぞれ12ヶ月間治癒が可能とされて、その時点で後肢が採取された。
【0127】
細胞外マトリックススキャフォールドの調製
生物活性親水性スキャフォールド(MIACH、Boston Children’s Hospital、マサチューセッツ州ボストン)は、上記のとおり製造された28。細胞外マトリックスタンパク質のスラリーは、ウシ結合組織を可溶化することによって生成された。コラーゲン濃度は、最小限の10mg/mlに調整され、凍結乾燥された。生物強化ACL再建集団では、スキャフォールドは、外径22mm、内径10mm、および長さ30mmの多孔性中空シリンダであった28。生物強化ACL修復集団では、スキャフォールドは、直径22mmおよび長さ30mmの多孔性シリンダであった15。すべてのスポンジは、手術の日まで-20℃で保存された。手術のときに、スキャフォールドは、そのままのシリンダとして、またはシリンダの多数の片としてのいずれかで移植された。関節に移植されるとき、生物活性スキャフォールド、血小板は、修復材料として加えられた。
【0128】
外科技術:ACL切断
内側関節切開が作り出され、および脂肪パッドは、部分的に切除されてACLを露出させた。ACLは、メスで、靱帯の近位と中間部の3分の1との間で切断された。ラックマン試験は、ACL切断を確認するために行われた。そして膝は、500ccの正常な生理食塩水で灌注された。処置を受けないように割り当てられ動物では、切開は、上記のとおり層状に閉じられた38。
【0129】
外科技術:生物強化ACL再建
ACL切断に続いて、ACL再建手順は、上記のとおり年齢、体重、および性別一致のドナー動物から採取された新鮮な凍結骨-膝腱-骨同種移植片を使用して行われた15。膝腱全体(~10mm幅)は、骨プラグが7mm直径にトリミングされる一方で、移植片の柔組織部分のために使用された。大腿骨移植片固定化は、6×20mmの生体吸収性の干渉ネジ(Biosure;Smith & Nephew、マサチューセッツ州アンドーバー)で達成された。そして移植片は、20回張力において手動で予め条件付けられた。円筒形細胞外マトリックスベースのスキャフォールドは、移植片上へねじ込まれ、および、関節内柔組織部分を覆うために配置され、および、スキャフォールドがそのままの形態で送出されたか、または多数のセクションで送出されたかが記録された。そして遠位骨プラグは、脛骨トンネル中へ逆行して据え付けられ、第2の6mm干渉ネジおよび皮質外脛骨ボタンを使用して脛骨に固定された。血小板を含有する3ccの自家血液は、その場でスキャフォールドを飽和させるために使用された。切開は、10分後に層状に閉じられた。
【0130】
外科技術:生物強化ACL修復
生物強化ACL修復は、上記のとおり行われた28。簡潔にいえば、3つの輪状の縫合糸を運ぶエンドボタンは、4mmの大腿骨のトンネルを通して通され、およびひっくり返された。縫合糸の2つは、スキャフォールドを通してねじ込まれた。縫合糸が、予め穿設された脛骨トンネルに置かれた一方で、スキャフォールドは、膝の外側に維持された。そして円筒形スキャフォールドは、切痕中へ縫合糸に沿ってスライドされ、および、スキャフォールドが送出時にそのままであった場合、または多数の横断セクションとして送出された場合、注意が払われた。縫合糸は、きつく引かれて、膝が最大伸展(30度)においてボタンを使用して、脛骨に渡って皮質外に固定された。残りの縫合糸は、脛骨のACLのつけ根に置かれた#1Vicryl(Ethicon、ニュージャージー州サマービル)のKessler縫合糸に結び付けられた。血小板を含有する自家血液の3ccは、その場でスキャフォールドを飽和させるために使用された。切開は、10分後に層状に閉じられた。
【0131】
手術に続いて、すべての動物は、個別のペンに4週間収容され、そして長期のブタケア(Coyote Consulting Corporation Inc、マサチューセッツ州ダグラス)のために農場に輸送された。治癒の6ヶ月および12ヶ月後、動物は、安楽死され、手足が採取された。膝は、機械的試験まで-20℃ですぐに凍結された。
【0132】
生体力学的試験
膝は、上記のとおり生体力学的試験のために調製された15。生体力学的試験手順(すなわち、AP膝弛緩、構造物上の特性)は、サーボ油圧式ロードフレームおよびカスタムフィクスチャー(MTS Systems Corporation、ミネソタ州エデンプレーリー)を使用して行われた?15。すべての調査者は、標本調製および生体力学的試験の間、処置集団に盲検された。AP膝弛緩は、各膝角度で12サイクルの間、0.0833(1/12)Hzで±40Nの、完全に逆転した正弦波の前後方向のせん断荷重を適用することによって、膝屈曲の30°、60°、および90°で計測された13。 靱帯および移植片の構造物上の特性は、標準化された失敗試験プロトコルを使用して決定された18。引張試験を開始する前に、大腿骨は、関節表面のいたる所での荷重が+5Nの圧縮になるまで低くされた。20mm/分での傾斜が開始し、荷重-変位データは、100Hzで記録された21。降伏荷重、破壊荷重、線形剛性、5Nへの変位(「緩み」パラメータ)および破壊までのエネルギーは、MTS荷重-変位データから決定された。
【0133】
結果
すべての動物は、手術後1年の時点まで生き残った。関節炎線維症の感染または発症はなかった。そのままの長手方向スキャフォールドを使用して生物強化修復で処置された集団の平均の降伏荷重は、133Nであったが、いくつかの大きなセクションに送出されスキャフォールドを使用したものは、517Nであり、スキャフォールドが多数の小さなセクションで送出されたときの降伏荷重は、880Nであった。平均最大荷重は、3つの集団でそれぞれ155N、673Nおよび956Nであった。線形剛性は、3つの集団(そのまま、少しのセクション、多くのセクション)でそれぞれ35N、142Nおよび185Nであった。
【0134】
結論
この研究は、骨または靱帯の端部の間の全距離を取られるそのままの長手方向構造としてよりもむしろ、多数の片においてスキャフォールドを送出することによって行われるとき、生物強化ACL修復のために使用されたスキャフォールドの送出は、より効果的だということを示した。
【0135】
例2 臨床研究
方法
完全なACL裂傷を伴う18~35歳の患者で、損傷から1月未満であり、かつ、術前MRIで脛骨に取り付けられるACLの長さの少なくとも50%を有する者は、BEAR集団に登録する資格があった。損傷の3ヶ月以内の完全なACL裂傷を備える患者は、ACL再建集団に登録する資格があった。自家移植のハムストリング腱移植での外科的介入から利益を受けると決定された患者のみがこの研究のために考慮された。患者は、膝の以前の手術歴、膝における以前の感染歴、または治癒に悪影響を与える危険因子(ニコチン/タバコ使用、過去6ヶ月におけるコルチコステロイド、化学療法、糖尿病、炎症性関節炎)を有する場合、いずれの集団からも除外された。患者は、修復を要する半月板内側の変位バケツ柄状裂傷を有する場合、除外された;すべての他の半月板の損傷が、包含された。患者はまた、全厚軟骨損傷、グレードIII MCL損傷、膝蓋全置換術、または手術後外隅部損傷を有する場合、除外された。ACL損傷を呈している242人の患者は、この研究における参加のためにスクリーニングされた。患者は、新しい膝損傷でスポーツ医学科(Sports Medicine Division)における予約をスケジュール化し、ACL裂傷を確認するMRIを有した場合、 または、研究について聞いた後にリサーチコーディネータに連絡をした場合、可能性のある候補者として同定された。スクリーニングされた242人の患者のうち、22人は、研究において登録され、そのうち2人が手術前に除外された。
【0136】
外科技術
全身麻酔の導入後、負傷した側上での正ピボットシフトを確認し、および、ラックマン、運動範囲および両膝のピボットシフト試験結果を記録するために、検査が行われた。膝関節鏡検査が行われ、および半月板の損傷があれば処置された。脛骨エイマー(ACUFEX Director Drill Guide、Smith and Nephew、マサチューセッツ州アンドーバー)は、ある患者においてACLの脛骨フットプリントにおける脛骨を通して上に2.4mmガイドピンを置くために使用され(ある患者において、穴は、フットプリントの近くだがその中ではないところに穿設された。この違いは、結果に影響を与えなかった。)、そしてピンは、4.5mmリーマ(4.5mm Endoscopic Drill、Smith and Nephew、マサチューセッツ州アンドーバー)でオーバードリルされた。ガイドピンは、大腿骨ACLフットプリントに置かれ、大腿骨を通して上に穿設され、そして4.5mmリーマでオーバードリルされた。2インチの関節切開は、膝腱の内側の境で作られ、および#2Vicrylのホイップスティッチは、裂傷したACLの脛骨のつけ根に置かれた。2つの#2Ethibond縫合糸は、皮質のボタンの2つの中心穴を通して輪にされた(エンドボタン、Smith & Nephew、マサチューセッツ州アンドーバー)。脛骨のつけ根からの#2Vicryl縫合糸は、自由端が皮質のボタンを通して通され、ならびにEthibondおよびVicryl縫合糸を運ぶボタンが、大腿骨のトンネルを通して通され、および横方向大腿骨の皮質に係合された。#2Ethibond(4つの適合端)の輪状の縫合糸の両方が、スキャフォールドを通して通されて、スキャフォールドを関節から離しながら、長いEthibond縫合糸は、脛骨トンネルを通して通されて締め付けられた。そして親水性スキャフォールドは、大腿骨の切痕中へ縫合糸に沿って上に通されて、スキャフォールドがそのままか、または多数のセクションにおいて到着したかの記録を伴った。前胸静脈から入手される自家血液の10ccは、親水性スキャフォールドに加えられた。Ethibond縫合糸の自由端は、きつく引かれ、前脛骨皮質上の第2皮質のボタン上に結ばれ、膝を完全に伸ばした。大腿骨を通した縫合糸の端の残りの対は、大腿骨の皮質のボタン上に結ばれて、関節鏡用の外科医の結び目および結び目推進器を使用してスキャフォールド中へACLつけ根をもたらした。関節切開は、層状に閉じられた。
【0137】
結果:
すべての患者において、スキャフォールドは、切痕に置かれた後に多数の片にあった。これらの患者は、術後のMRIで指摘されるとおり、これにもかかわらずACLの治癒の証拠を有した(
図8に示される)。
図8Aにおいて、裂傷したACLは、視覚化される。
図8Bは、3ヶ月でのACLの治癒の外観を示す。
図8Cにおいて手術に続いて6ヶ月での、および
図8Dにおいて12ヶ月での治癒の程度が、示される。結果は、当該技術分野における予想とは対照的に、スキャフォールドが多数のセクションにおいて送出されるとき、ACLの良好な治癒を示す。研究におけるすべての膝は、術後6ヶ月の時点で安定し、負傷したACLの効果的な治癒を示した。ラックマン試験の結果は、
図9および
図10に示される。
【0138】
例3 ACL移植片の周りに多数のスキャフォールドを置くことの効能を示す大きな動物モデル
方法:
21匹のユカタンミニブタは、ACL切断および骨-膝腱-骨同種移植での再建を受けた。7匹は、 置かれた移植片の増大はなく、7匹は、ACL移植片の全体の長さに沿って連続的な円筒形移植片を有し、および7匹は、移植片の前に詰め込まれた多数のスキャフォールドのセットを有した。すべての動物は、12週間生き残った。ACL力の生体力学的試験は、その時点で行われた。
【0139】
結果:
移植片の前に詰め込まれた多数のスキャフォールドのセットで処置される膝のAP弛緩値は、処置されないACLおよび連続的なスキャフォールドで処置されるACLのそれらよりも低かった(30度で、値は、それぞれ3.3+/-1.7mm、8.1+/-3mmおよび7+/-3mmであり、60度で、値は、それぞれ9+/-1mm、13+/-2.4mmおよび11+/-3mmであり、ならびに90度で、値は、それぞれ8.4+/-1mm、13.2+/-2.6mmおよび13.0+/-3mmであった)。断片化された集団に対する標準的なACL再建の比較のためのP値は、試験されたすべての3つの角度でp=0.00、および、連続的なスキャフォールドに対しては、30度での試験でp=0.01、60度でp= 0.07および90度でp= 0.00であった。
【0140】
機械的試験上の5Nへの変位はまた、ACL再建(p=0.00)および連続的なスキャフォールド再建(p=0.06)に対して試験したとき、多数のスキャフォールド集団のセットにおいて有意に良かった。
【0141】
したがって、多数のスキャフォールドのセットの使用は、非常に驚くべきことに、単一のスキャフォールドとは対照的に、ACL手術を強化するために使用されるとき、異常な膝弛緩の緩和およびより良い治癒という結果になった。
【0142】
例4:血液細胞でのスキャフォールド-強化修復の臨床研究
完全なACL裂傷を伴う13~35歳の患者で、損傷から1月未満であり、術前MRI上で脛骨に取り付けられるACLの長さの少なくとも50%を有する者は、創傷閉鎖の前に大腿骨および脛骨への縫合糸の間接的な固定化および多数のスキャフォールド(多数の片にあると注記されたスキャフォールドから)のセットを使用するACL修復のランダム化対照試験のために募集された。
【0143】
外科技術
全身麻酔の導入後、負傷した側上での正ピボットシフトを確認し、および、ラックマン、運動範囲および両膝のピボットシフト試験結果を記録するために、検査が行われた。膝関節鏡検査が行われ、および半月板の損傷があれば処置された。脛骨エイマー(ACUFEX Director Drill Guide、Smith and Nephew、マサチューセッツ州アンドーバー)は、ある患者においてACLの脛骨フットプリントにおける脛骨を通して上に2.4mmガイドピンを置くために使用され(ある患者において、穴は、フットプリントの近くだがその中ではないところに穿設された。この違いは、結果に影響を与えなかった。)、そしてピンは、4.5mmリーマ(4.5mm Endoscopic Drill、Smith and Nephew、マサチューセッツ州アンドーバー)でオーバードリルされた。ガイドピンは、大腿骨ACLフットプリントに置かれ、大腿骨を通して上に穿設され、そして4.5mmリーマでオーバードリルされた。2インチの関節切開は、膝腱の内側の境で作られ、および#2Vicrylのホイップスティッチは、裂傷したACLの脛骨のつけ根に置かれた。2つの#2Ethibond縫合糸は、皮質のボタンの2つの中心穴を通して輪にされた(エンドボタン、Smith & Nephew、マサチューセッツ州アンドーバー)。脛骨のつけ根からの#2Vicryl縫合糸は、自由端が皮質のボタンを通して通され、ならびにEthibondおよびVicryl縫合糸を運ぶボタンが、大腿骨のトンネルを通して通され、および横方向大腿骨の皮質に係合された。#2Ethibond(4つの適合端)の輪状の縫合糸の両方が、スキャフォールドを通して通されて、スキャフォールドを関節から離しながら、長いEthibond縫合糸は、脛骨トンネルを通して通されて締め付けられた。そしてスキャフォールドは、大腿骨の切痕中へ縫合糸に沿って上に通され、スキャフォールドがそのままか、または多数のセクションにおいて到着したかの記録を伴った。前胸静脈から入手される自家血液の10ccは、スキャフォールドに加えられた。Ethibond縫合糸の自由端は、きつく引かれ、前脛骨皮質上の第2皮質のボタン上に結ばれ、膝を完全に伸ばした。大腿骨を通した縫合糸の端の残りの対は、大腿骨の皮質のボタン上に結ばれて、関節鏡用の外科医の結び目および結び目推進器を使用してスキャフォールド中へACLつけ根をもたらした。関節切開は、層状に閉じられた。完全な血球数は、手術においてスキャフォールドに加えられた自家血液から入手された。
【0144】
結果:
すべての患者において、スキャフォールドは、切痕に置かれた後に多数の片にあった。結果は、当該技術分野における予想とは対照的に、スキャフォールドが多数のセクションにおいて送出されるとき、ACLの良好な治癒を示す。研究におけるすべての膝は、術後6ヶ月の時点で安定し、負傷したACLの効果的な治癒を示した。靱帯力の非侵襲的な測定が、行われた。断片化されたスキャフォールドに加えられた修復材料における単球の数は、好塩基球の数(
図14)と同様に、修復の予測強度(
図13)を有意に改良した。しかしながら、より多くの数の顆粒球(
図15)は、靱帯における治癒力がより低いという結果になった。修復材料におけるより多くの好酸球(
図16)は、靱帯体積のより大きな治癒に関連した。
【0145】
等価物
本明細書に開示される全ての参考文献、特許および特許出願は、それぞれが引用されている主題に関して参照により組み込まれ、ある場合には、この文書の全体を網羅してもよい。
【0146】
本明細書および特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」および「an」は、明確に反対の指定がない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解すべきである。
【0147】
それとは逆に明確に指定されていない限り、複数のステップまたは動作を包含する本明細書で請求されるいずれの方法においても、方法のステップまたは動作の順序は、必ずしも方法のステップまたは動作が列挙される順序に限定されないことを理解すべきである。
【0148】
特許請求の範囲および上記の明細書において、「を含むこと」、「を包含すること」、「を運ぶこと」、「を有すること」、「を含有すること」、「を伴うこと」、「を保持すること」、「で構成される」のようなものなどのすべての移行句は、開いた端である、すなわち、これを包含するがそれに限定されないと理解されるべきである。移行句「からなること」、および「から本質的になること」は、それぞれ閉鎖または半閉鎖移行句であるものとする。