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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】茸類栽培方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 18/62 20180101AFI20220119BHJP
   A01G 18/68 20180101ALI20220119BHJP
【FI】
A01G18/62
A01G18/68
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019149995
(22)【出願日】2019-08-19
(65)【公開番号】P2021029135
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2020-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】592122384
【氏名又は名称】有限会社新潟システム制御
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】千嵐 重治
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-094621(JP,A)
【文献】特開2011-254776(JP,A)
【文献】特開2011-072196(JP,A)
【文献】特開2000-300065(JP,A)
【文献】特開昭57-189619(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2016-0001828(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 18/62
A01G 18/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の円筒状の栽培容器を生育前期用のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納し、該複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡縮変更する配列ピッチ変更機構が設けられ、該配列ピッチ変更機構は、該複数個の栽培容器を各別に載置可能な複数個の載置板と、該複数個の載置板を平面横方向としてのX方向及び平面縦方向としてのY方向の縦横二方向に移動させて該複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡縮変更するX-Y案内移動機構とを備えてなり、該生育前期用のコンテナ内に複数個の栽培容器が収納された状態で栽培室内で茸類栽培を行い、該栽培容器内の茸類の生育に伴って該栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡大変更し、該配列ピッチが拡大された複数個の栽培容器を生育後期用のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納し、該生育後期用のコンテナ内に複数個の栽培容器が収納された状態で栽培室内で茸類栽培を行うことを特徴とする茸類栽培方法。
【請求項2】
複数個の円筒状の栽培容器を縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納可能な生育前期用のコンテナと、該生育前期用のコンテナ内に配列収納された複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチよりも拡大された配列ピッチで複数個の栽培容器を縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納可能な生育後期用のコンテナと、該生育前期用のコンテナ又は生育後期用のコンテナ内に複数個の栽培容器が収納された状態で茸類栽培を行う栽培室と、該複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡縮変更する配列ピッチ変更機構とを備えてなり、上記配列ピッチ変更機構は、該複数個の栽培容器を各別に載置可能な複数個の載置板と、該複数個の載置板を平面横方向としてのX方向及び平面縦方向としてのY方向の縦横二方向に移動させて該複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡縮変更するX-Y案内移動機構とを備えてなることを特徴とする茸類栽培装置。
【請求項3】
上記X-Y案内移動機構は、上記複数個の載置板をX方向に案内移動可能なX案内移動機構、及び、該複数個の載置板をY方向に案内移動可能なY案内移動機構からなり、該X案内移動機構は該複数個の載置板をX方向に案内するX案内機構と該複数個の載置板をX方向に移動させるX移動機構とからなり、該Y案内移動機構は該複数個の載置板をY方向に案内するY案内機構と該複数個の載置板をY方向に移動させるY移動機構とからなることを特徴とする請求項記載の茸類栽培装置。
【請求項4】
上記X-Y案内移動機構のX移動機構及びY移動機構はシリンダ機構が用いられていることを特徴とする請求項記載の茸類栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば榎茸やなめこ、しめじ等の茸類を人工栽培する際に用いられる茸類栽培方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の茸類栽培方法及びその装置として、複数個の円筒状の栽培容器をコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納し、該コンテナ内に複数個の栽培容器が収納された状態で栽培室内の棚等に配置して茸類栽培を行う方法及び装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4224828号
【文献】特許第6369491号
【文献】特許第6148694号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこれら従来の茸類栽培方法及び装置の場合、コンテナ内に複数個の栽培容器が収納された状態で発芽生育から収穫までの栽培を行うことから、隣り合う栽培容器から生育している子実体の頭部の笠部や柄部が接触したり、絡み合いによる折損が生じたりすることがあり、子実体の変形による商品価値の低下や茸類の収量に影響を及ぼすことがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の方法の発明は、複数個の円筒状の栽培容器を生育前期用のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納し、該複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡縮変更する配列ピッチ変更機構が設けられ、該配列ピッチ変更機構は、該複数個の栽培容器を各別に載置可能な複数個の載置板と、該複数個の載置板を平面横方向としてのX方向及び平面縦方向としてのY方向の縦横二方向に移動させて該複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡縮変更するX-Y案内移動機構とを備えてなり、該生育前期用のコンテナ内に複数個の栽培容器が収納された状態で栽培室内で茸類栽培を行い、該栽培容器内の茸類の生育に伴って該栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡大変更し、該配列ピッチが拡大された複数個の栽培容器を生育後期用のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納し、該生育後期用のコンテナ内に複数個の栽培容器が収納された状態で栽培室内で茸類栽培を行うことを特徴とする茸類栽培方法にある。
【0006】
又、請求項2記載の装置の発明は、複数個の円筒状の栽培容器を縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納可能な生育前期用のコンテナと、該生育前期用のコンテナ内に配列収納された複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチよりも拡大された配列ピッチで複数個の栽培容器を縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納可能な生育後期用のコンテナと、該生育前期用のコンテナ又は生育後期用のコンテナ内に複数個の栽培容器が収納された状態で茸類栽培を行う栽培室と、該複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡縮変更する配列ピッチ変更機構とを備えてなり、上記配列ピッチ変更機構は、該複数個の栽培容器を各別に載置可能な複数個の載置板と、該複数個の載置板を平面横方向としてのX方向及び平面縦方向としてのY方向の縦横二方向に移動させて該複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡縮変更するX-Y案内移動機構とを備えてなることを特徴とする茸類栽培装置にある。
【0007】
又、請求項記載の装置の発明は、上記X-Y案内移動機構は、上記複数個の載置板をX方向に案内移動可能なX案内移動機構、及び、該複数個の載置板をY方向に案内移動可能なY案内移動機構からなり、該X案内移動機構は該複数個の載置板をX方向に案内するX案内機構と該複数個の載置板をX方向に移動させるX移動機構とからなり、該Y案内移動機構は該複数個の載置板をY方向に案内するY案内機構と該複数個の載置板をY方向に移動させるY移動機構とからなることを特徴とするものであり、又、請求項記載の装置の発明は、上記X-Y案内移動機構のX移動機構及びY移動機構はシリンダ機構が用いられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如く、請求項1又は請求項2記載の発明にあっては、複数個の円筒状の栽培容器は生育前期用のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納され、生育前期用のコンテナ内に複数個の栽培容器が収納された状態で栽培室内で茸類栽培が行われ、栽培容器内の茸類の生育に伴って栽培容器の縦及び横の配列ピッチを人為的又は配列ピッチ変更機構により自動的に拡大変更し、配列ピッチが拡大された複数個の栽培容器を生育後期用のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納し、生育後期用のコンテナ内に複数個の栽培容器が収納された状態で栽培室内で茸類栽培を行うことができ、したがって、発芽生育から収穫まで単一のコンテナで栽培を行わず、生育前期においては、生育前期用のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納して茸類栽培を行い、隣り合う栽培容器内の茸類の生育に伴って子実体の頭部の笠部や柄部が接触するに至る段階で配列ピッチ変更機構により配列ピッチを拡大変更し、配列ピッチが拡大された複数個の栽培容器を生育後期用のコンテナ内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納して栽培室内で茸類栽培を行うことができ、生育に伴って隣り合う栽培容器内の茸類の絡み合いが生じたりすることを防ぐことができ、茸類の子実体の変形による商品価値の低下を防ぐことができ、茸類の収量に対する影響を回避することができ、榎茸やなめこ、しめじ等の茸類栽培を良好に行うことができ、しかも、配列ピッチ変更機構により自動的に配列ピッチを拡縮変更することができ、茸類栽培の作業性を向上することができ、上記配列ピッチ変更機構は、複数個の栽培容器を各別に載置可能な複数個の載置板と、複数個の載置板を平面横方向としてのX方向及び平面縦方向としてのY方向の縦横二方向に移動させて複数個の栽培容器の縦及び横の配列ピッチを拡縮変更するX-Y案内移動機構とを備えてなるから、X-Y案内移動機構により複数個の載置板をX方向及びY方向の二方向に移動させることで自動的に配列ピッチを拡縮変更することができ、配列ピッチ変更機構の構造を簡素化することができる。
【0009】
又、請求項記載の発明にあっては、上記X-Y案内移動機構は、上記複数個の載置板をX方向に案内移動可能なX案内移動機構、及び、複数個の載置板をY方向に案内移動可能なY案内移動機構からなり、X案内移動機構は複数個の載置板をX方向に案内するX案内機構と複数個の載置板をX方向に移動させるX移動機構とからなり、Y案内移動機構は複数個の載置板をY方向に案内するY案内機構と複数個の載置板をY方向に移動させるY移動機構とからなるので、上記複数個の載置板をX方向及びY方向の二方向に確実かつ円滑に移動させることができ、複数個の栽培容器の配列ピッチを確実に拡縮変更することができ、茸類の栽培作業性を向上することができ、又、請求項記載の発明にあっては、上記X-Y案内移動機構のX移動機構及びY移動機構はシリンダ機構が用いられているから、上記X-Y案内移動機構の構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態例の説明平面図である。
図2】本発明の実施の形態例の説明側面図である。
図3】本発明の実施の形態例の正断面図である。
図4】本発明の実施の形態例の平面図である。
図5】本発明の実施の形態例の正断面図である。
図6】本発明の実施の形態例の平面図である。
図7】本発明の実施の形態例の平面図である。
図8】本発明の実施の形態例の平断面図である。
図9】本発明の実施の形態例の側断面図である。
図10】本発明の実施の形態例の正断面図である。
図11】本発明の実施の形態例の正断面図である。
図12】本発明の実施の形態例の平面図である。
図13】本発明の実施の形態例の側断面図である。
図14】本発明の実施の形態例の正断面図である。
図15】本発明の実施の形態例の正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図15は本発明の実施の形態例を示し、Wは栽培容器であって、合成樹脂製の円筒容器状に形成され、この場合、栽培容器Wには栽培床が詰入され、栽培床に榎茸やなめこ、しめじ等の茸類Mが生育している状態となっている。
【0012】
この場合、大別して、上記複数個の円筒状の栽培容器W・・を縦複数列及び横複数列の矩形状、この場合、縦4列及び横4列の矩形状に配列収納可能な生育前期用のコンテナHFと、生育前期用のコンテナHF内に配列収納された複数個の栽培容器W・・の縦及び横の配列ピッチPよりも拡大された配列ピッチPで複数個の栽培容器W・・を縦複数列及び横複数列の矩形状、この場合、縦4列及び横4列の矩形状に配列収納可能な生育後期用のコンテナHBと、生育前期用のコンテナHF又は生育後期用のコンテナHBに複数個の栽培容器W・・が収納された状態で茸類栽培を行う栽培室Sと、複数個の栽培容器W・・の縦及び横の配列ピッチPを配列ピッチP、または、配列ピッチPを配列ピッチPに拡縮変更する配列ピッチ変更機構1とを備えて構成している。
【0013】
この生育前期用のコンテナHFは、図3図4の如く、底面板HFに周囲壁板HFが囲繞立設され、生育前期用のコンテナHF内に上記複数個の円筒状の栽培容器W・・を縦複数列及び横複数列の矩形状、この場合、縦4列及び横4列の矩形状に栽培容器Wが互いに密着する状態の配列ピッチPで配列収納可能に形成され、また、生育後期用のコンテナHBは、図5図6の如く、底面板HBに周囲壁板HBが囲繞立設され、底面板HBに仕切壁部HBが隆起形成され、生育後期用のコンテナHB内に上記複数個の円筒状の栽培容器W・・を縦複数列及び横複数列の矩形状、この場合、縦4列及び横4列の矩形状に栽培容器Wが離反する状態の配列ピッチPで配列収納可能に形成されている。
【0014】
この場合、図7の如く、上記配列ピッチ変更機構1は、複数個の栽培容器W・・を各別に載置可能な複数個、この場合、16個の載置板2・・と、この複数個の載置板2・・を平面横方向としてのX方向及び平面縦方向としてのY方向の縦横二方向に移動させて複数個の栽培容器W・・の縦及び横の配列ピッチPを配列ピッチP、または、配列ピッチPを配列ピッチPに拡縮変更するX-Y案内移動機構3とを備えて構成している。
【0015】
かつ、この場合、図7図8図9図10図11の如く、上記X-Y案内移動機構3は、上記複数個の載置板2・・をX方向に案内移動可能なX案内移動機構4、及び、複数個の載置板2・・をY方向に案内移動可能なY案内移動機構5からなり、X案内移動機構4は複数個の載置板2・・をX方向に案内するX案内機構4Aと複数個の載置板2・・をX方向に移動させるX移動機構4Bとからなり、Y案内移動機構5は複数個の載置板2・・をY方向に案内するY案内機構5Aと複数個の載置板2・・をY方向に移動させるY移動機構5Bとから構成され、さらに、上記X-Y案内移動機構3のX移動機構4B及びY移動機構5Bはシリンダ機構6が用いられている。
【0016】
この場合、図7図8図9の如く、上記配列ピッチ変更機構1に四角枠状の機枠7が配置され、上記Y案内機構5Aとして、機枠7に4個のY案内台5Aが機枠7のY方向周壁7aと案内ロール5AとによりY方向に摺動自在に設けられ、Y移動機構5Bとして、カム板部材5Bが機枠7に架設された2個のガイド軸5B・5BによりX方向に移動自在に設けられ、機枠7に上記シリンダ機構6であるY移動用シリンダ5Bが取り付けられ、Y移動用シリンダ5Bのロッドはカム板部材5Bに連結され、Y移動用シリンダ5Bによりカム板部材5BはY方向に移動され、図8の如く、カム板部材5Bに上記4個のY案内台5Aの内のY方向の各々外側2個のY案内台5AO用の2個宛計4個のカム溝5CとY方向の各々内側2個のY案内台5AI用の2個宛計4個のカム溝5Cが形成され、外側2個のY案内台5AOに2個宛計4個のカムピンCMを垂設し、カム溝5CにカムピンCMを摺動自在に嵌合し、内側2個のY案内台5AIに2個宛計4個のカムピンCMを垂設し、カム溝5CにカムピンCMを摺動自在に嵌合し、しかして、Y移動用シリンダ5Bによりカム板部材5BをY方向に移動し、カム板部材5Bの移動によりカム溝5CとカムピンCM及びカム溝5CとカムピンCMとの摺動カム作用をもって外側2個及び内側2個の計4個のY案内台5A・・を外側2個のY案内台5AOの移動距離は長く、内側2個のY案内台5AIの移動距離は短くしてY方向に移動させるように構成している。
【0017】
また、この場合、図7図9図10図11の如く、上記X案内機構4Aとして、上記4個のY案内台5Aの内の各々外側2個のY案内台5AO及び各々内側2個のY案内台5AIに各々2個計4個の摺動レール4A・・をそれぞれ配設し、これら摺動レール4A・・に摺動部材4A・・を摺動自在に嵌合し、摺動部材4A・・に上記複数個、この場合、16個の載置板2・・を取付け、又、上記X移動機構4Bとして、X方向の各々外側4個宛計8個の載置板2・・及びX方向の各々内側4個宛計8個の載置板2・・をX方向に移動させるシリンダ機構6であるX移動用シリンダ4BをそれぞれY案内台5AO及びY案内台5AIに取付け、X方向の各々外側4個宛計8個の載置板2・・の移動距離は長く、Y方向の各々内側4個宛計8個の載置板2・・の移動距離は短くしてX方向に移動させるように構成している。
【0018】
しかして、図7図8図9図10図11の状態から上記X移動用シリンダ4B及びY移動用シリンダ5Bの作動により、それぞれ図12図13図14図15の状態へと変位し、上記載置板2・・上の複数個の栽培容器W・・は配列ピッチPと配列ピッチPとの間でに拡縮変更されることになる。
【0019】
この実施の形態例は上記構成であるから、図1図2図3図4の如く、複数個の円筒状の栽培容器W・・は生育前期用のコンテナHF内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納され、生育前期用のコンテナHF内に複数個の栽培容器W・・が収納された状態で栽培室S内で茸類栽培が行われ、栽培容器W・・内の茸類Mの生育に伴って栽培容器W・・の縦及び横の配列ピッチPを人為的又は配列ピッチ変更機構1により自動的に配列ピッチPから配列ピッチPに拡大変更し、図1図2図5図6の如く、配列ピッチPが配列ピッチPに拡大された複数個の栽培容器W・・を生育後期用のコンテナHB内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納し、生育後期用のコンテナHB内に複数個の栽培容器W・・が収納された状態で栽培室S内で茸類栽培を行うことができ、したがって、発芽生育から収穫まで単一のコンテナで栽培を行わず、生育前期においては、生育前期用のコンテナHF内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納して茸類栽培を行い、隣り合う栽培容器W内の茸類Mの生育に伴って子実体の頭部の笠部や柄部が接触するに至る段階で配列ピッチ変更機構1により配列ピッチPを拡大変更し、配列ピッチPが配列ピッチPに拡大された複数個の栽培容器W・・を生育後期用のコンテナHB内に縦複数列及び横複数列の矩形状に配列収納して栽培室S内で茸類栽培を行うことができ、生育に伴って隣り合う栽培容器W内の茸類Mが絡み合いが生じたりすることを防ぐことができ、茸類Mの子実体の変形による商品価値の低下を防ぐことができ、茸類Mの収量に対する影響を回避することができ、榎茸やなめこ、しめじ等の茸類栽培を良好に行うことができ、しかも、配列ピッチ変更機構1により自動的に配列ピッチP・Pを拡縮変更することができ、茸類栽培の作業性を向上することができる。
【0020】
この場合、上記配列ピッチ変更機構1は、複数個の栽培容器W・・を各別に載置可能な複数個の載置板2・・と、複数個の載置板2・・を平面横方向としてのX方向及び平面縦方向としてのY方向の縦横二方向に移動させて複数個の栽培容器W・・の縦及び横の配列ピッチP・Pを拡縮変更するX-Y案内移動機構3とを備えてなるから、X-Y案内移動機構3により複数個の載置板2・・をX方向及びY方向の二方向に移動させることで自動的に配列ピッチPから配列ピッチPに拡大変更することができ、配列ピッチ変更機構1の構造を簡素化することができ、又、この場合、上記X-Y案内移動機構3は、上記複数個の載置板2・・をX方向に案内移動可能なX案内移動機構4、及び、複数個の載置板2・・をY方向に案内移動可能なY案内移動機構5からなり、X案内移動機構4は複数個の載置板2・・をX方向に案内するX案内機構4Aと複数個の載置板2・・をX方向に移動させるX移動機構4Bとからなり、Y案内移動機構5は複数個の載置板2・・をY方向に案内するY案内機構5Aと複数個の載置板2・・をY方向に移動させるY移動機構5Bとからなるので、上記複数個の載置板2・・をX方向及びY方向の二方向に確実かつ円滑に移動させることができ、複数個の栽培容器W・・の配列ピッチP・Pを確実に拡縮変更することができ、茸類Mの栽培作業性を向上することができ、又、この場合、上記X-Y案内移動機構3のX移動機構4B及びY移動機構5Bはシリンダ機構6が用いられているから、上記X-Y案内移動機構3の構造を簡素化することができる。
【0021】
尚、本発明は上記の形態例に限られるものではなく、生育前期用のコンテナHF、生育後期用のコンテナHB、栽培室S、配列ピッチ変更機構1、載置板2、X-Y案内移動機構3、X案内移動機構4、X案内機構4A、X移動機構4B、Y案内移動機構5、Y案内機構5A、Y移動機構5B、シリンダ機構6等の構造は適宜変更して設計されるものである。
【0022】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0023】
W 栽培容器
M 茸類
HF 生育前期用のコンテナ
HB 生育後期用のコンテナ
配列ピッチ
配列ピッチ
S 栽培室
1 配列ピッチ変更機構
2 載置板
3 X-Y案内移動機構
4 X案内移動機構
4A X案内機構
4B X移動機構
5 Y案内移動機構
5A Y案内機構
5B Y移動機構
6 シリンダ機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15