(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】付着されているヒータを含む物体センサ
(51)【国際特許分類】
G01S 7/40 20060101AFI20220203BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20220203BHJP
G01S 7/03 20060101ALI20220203BHJP
G01S 17/931 20200101ALI20220203BHJP
H05B 3/20 20060101ALI20220203BHJP
H05B 3/84 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
G01S7/40 143
G01S13/931
G01S7/03 246
G01S17/931
H05B3/20 392A
H05B3/20 388
H05B3/84
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019169181
(22)【出願日】2019-09-18
【審査請求日】2019-09-18
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508041611
【氏名又は名称】アンタヤ・テクノロジーズ・コープ
【氏名又は名称原語表記】ANTAYA TECHNOLOGIES CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【氏名又は名称】星野 修
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・シー・アンタヤ
(72)【発明者】
【氏名】エム・ジャロッド・シェーラー
(72)【発明者】
【氏名】クラウディア・シュルツ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・イー・ウイトン
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215242(JP,A)
【文献】特開2009-117292(JP,A)
【文献】特表2009-523084(JP,A)
【文献】特表2018-505383(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0170314(US,A1)
【文献】実開昭60-036359(JP,U)
【文献】特開2006-194639(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110635240(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00-7/42
G01S 7/48-7/51
G01S 13/00-13/95
G01S 17/00-17/95
H05B 3/20-3/38
H05B 3/84-3/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサデバイス(22)であって、前記センサデバイス(22)が、
放射線を放射するように構成されているエミッタ(30)と、
物体から反射される放射線を検出するように構成されている検出器(32)と、
カバー(34)を前記放射線が通過するのを可能にする、前記エミッタ(30)および前記検出器(32)のうちのうちの少なくとも一方を覆うカバー(34)と、
前記カバー(34)の一部分の上に付着されて硬化された導電性材料を含む流体から前記カバー(34)の前記一部分の上に形成される少なくとも1つの導体を備えるヒータ(38)と
を備えており、
前記カバー(34)が複数の層を備え、
前記層のうちの1つの層がガラスまたはポリカーボネートを含み、
前記層のうちの別の1つの層が前記層の前記1つの層に固定される薄膜基板を備え、
前記カバー(34)の前記一部分が前記薄膜基板を備えており、
前記1つの層と前記別の1つの層の間にビニル中間層を含
み、
前記ヒータ(38)が、前記エミッタ(30)からのまたは前記検出器(32)に向かう前記カバー(34)を通過する放射線に対して干渉することがない場所に位置する、
センサデバイス(22)。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサデバイス(22)において、前記ヒータ(38)が、導電性材料を備えるワイヤ状トレースを備える、センサデバイス(22)。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサデバイス(22)において、前記導電性材料が銀を含む、センサデバイス(22)。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサデバイス(22)において、
前記ヒータ(38)が少なくとも1つの導電性コネクタパッド(40)を備え、
前記少なくとも1つのコネクタパッド(40)が前記導電性材料で作られ、
前記少なくとも1つのコネクタパッド(40)の前記導電性材料が流体形態で前記カバー(34)上に付着されて硬化される、
センサデバイス(22)。
【請求項5】
請求項4に記載のセンサデバイス(22)において、前記少なくとも1つのコネクタパッド(40)にはんだ付けされる端部を有する少なくとも1つの導電性ワイヤを含む、センサデバイス(22)。
【請求項6】
請求項4に記載のセンサデバイス(22)において、
前記導電性材料が銀を含み、
前記少なくとも1つのコネクタパッド(40)が銀を含む、
センサデバイス(22)。
【請求項7】
センサデバイス(22)であって、前記センサデバイス(22)が、
放射線を放射するように構成されているエミッタ(30)と、
物体から反射される放射線を検出するように構成されている検出器(32)と、
カバー(34)を前記放射線が通過するのを可能にする、前記エミッタ(30)および前記検出器(32)のうちのうちの少なくとも一方を覆うカバー(34)と、
前記カバー(34)の一部分の上に付着されて硬化された導電性材料を含む流体から前記カバー(34)の前記一部分の上に形成される少なくとも1つの導体を備えるヒータ(38)と
を備えており、
前記カバー(34)が複数の層を備え、
前記複数の層が、ガラスまたはポリカーボネートを含む2つの層を備え、
前記ヒータ(38)が、前記2つの層のうちの別の1つの層の方を向く前記2つの層のうちの1つの層の一表面上にあり、
前記2つの層が一体に積層され、
前記ヒータ(38)が前記2つの層の間に位置しており、
前記2つの層の間にビニル中間層を
含み、
前記ヒータ(38)が、前記エミッタ(30)からのまたは前記検出器(32)に向かう前記カバー(34)を通過する放射線に対して干渉することがない場所に位置する、
センサデバイス(22)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]エレクトロニクスおよびテクノロジの進歩が自動車の多様な進歩した機能を組み込むことを可能にした。車両の近傍または経路内の物体を検出するための多様な感知テクノロジが進化している。このようなシステムは、例えば、駐車補助機能およびクルーズコントロール調整機能のために車両の経路または近傍内の物体を検出するのに有用である。
【背景技術】
【0002】
[0002]より最近では、自動車の機能が自動車両制御または半自動車両制御を可能にすることが可能となっている。例えば、クルーズコントロールシステムが、車両の経路内の物体または別の車両を検出するためのRADARまたはライト検出・測距(LIDAR)を組み込むことができる。接近速度に応じて、クルーズコントロールの設定が、車両の経路内の別の車両を検出することに基づいて車両の速度を低下させるために自動で調整され得る。
【0003】
[0003]RADARおよびLIDARシステムは有用であることが証明されているが、これらを車両上に有することには課題がないわけではない。いくつかの環境条件が、デバイスから高い信頼性の読取値を得るための能力に干渉する可能性がある。例えば、氷または雪が蓄積する可能性があり、または結露が、それ以外の場合では検出器から放射される放射線または検出器に向かって戻るように反射される放射線を減少させるまたは阻害するような量でカバー上に形成される可能性がある。小さいサイズの検出器および薄いカバー材料には、氷、雪、または結露を減少させるかまたは除去するためのヒータを含むことを困難にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]エミッタおよび検出器のうちの少なくとも一方を覆うカバーを含むセンサデバイスを作る説明的な例示の方法が、カバーの一部分上に導電性材料を含む流体を付着(deposit)させることによりカバー上にヒータを設置することと、付着させた導電性材料を硬化させることとを含む。
【0005】
[0005]上記パラグラフの方法の1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、カバーが、エミッタおよび検出器のうちの少なくとも一方の方を向く内部表面を有し、本方法が、導電性材料を含む流体を内部表面上に付着させることを含む。
【0006】
[0006]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフの方法の1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、付着させることがスクリーン印刷を含む。
[0007]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフの方法の1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、付着させることが、流体の流れおよびカバーの一部分上の流体のパターンをロボット制御することを含む。
【0007】
[0008]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフの方法の1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、カバーが複数の層を備え、カバーの一部分が層のうちの1つの層を備える。
【0008】
[0009]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフの方法の1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、層のうちの1つの層がガラスまたはポリカーボネートを含み、層のうちの別の1つの層が薄膜基板を含み、本方法が、薄膜基板上に流体を付着させることと、層のうちの上記1つの層に薄膜基板を接着的に固定することとを含む。
【0009】
[00010]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフの方法の1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、複数の層が、ガラスまたはポリカーボネートを含む2つの層を備え、本方法が、2つの層のうちの1つの層の表面上に流体を付着させることと、2つの層のうちの上記1つの層の表面を2つの層のうちの別の層の方に向かせるように配置することと、2つの層の間にヒータを備えるような形で2つの層を一体に積層することと、を含む。
【0010】
[00011]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフの方法の1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、硬化させることが、導電性材料を加熱することを含む。
[00012]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフの方法の1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、カバーがガラスを含み、加熱することが、焼成炉内でカバーおよび導電性材料を加熱することを含む。
【0011】
[00013]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフの方法の1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態が、導電性材料を含む流体の一部をパッド構成となるようにカバー上に付着させることにより、カバー上に少なくとも1つの導電性コネクタパッドを形成することを含む。
【0012】
[00014]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフの方法の1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態が、ヒータを設置することと、同時に少なくとも1つのコネクタパッドを形成することとを含む。
【0013】
[00015]センサデバイスの説明的な例示の実施形態が、放射線を放射するように構成されているエミッタを含む。検出器が、物体から反射される放射線を検出するように構成されている。カバーがエミッタおよび検出器のうちの少なくとも一方を覆い、カバーを放射線が通過するのを可能にする。ヒータが、カバーの一部分の上に付着されて硬化された導電性材料を含む流体からカバーの上記一部分の上に形成される少なくとも1つの導体を備える。
【0014】
[00016]上記パラグラフのセンサデバイスの1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、カバーが、エミッタおよび検出器のうちの少なくとも一方の方を向く内部表面を有し、ヒータを含むカバーの上記一部分が内部表面上にある。
【0015】
[00017]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフのセンサデバイスの1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、ヒータが、導電性材料を備えるワイヤ状トレースを備える。
【0016】
[00018]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフのセンサデバイスの1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、導電性材料が銀を含む。
[00019]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフのセンサデバイスの1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、ヒータが少なくとも1つの導電性コネクタパッドを備え、少なくとも1つのコネクタパッドが導電性材料で作られ、少なくとも1つのコネクタパッドの導電性材料が流体形態でカバー上に付着されて硬化されたものである。
【0017】
[00020]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフのセンサデバイスの1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態が、少なくとも1つのコネクタパッドにはんだ付けされる端部を有する少なくとも1つの導電性ワイヤを含む。
【0018】
[00021]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフのセンサデバイスの1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、導電性材料が銀を含み、少なくとも1つのコネクタパッドが銀を含む。
【0019】
[00022]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフのセンサデバイスの1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、カバーが複数の層を備え、層のうちの1つの層がガラスおよびポリカーボネートのうちの少なくとも一方を含み、層のうちの別の1つの層が層のうちの上記1つの層に固定される薄膜基板を備え、カバーの上記一部分が薄膜基板を備える。
【0020】
[00023]上記パラグラフのうちのいずれかのパラグラフのセンサデバイスの1つまたは複数の特徴を有する例示の実施形態で、カバーが複数の層を備え、複数の層が、ガラスまたはポリカーボネートを含む2つの層を備え、ヒータが、2つの層のうちの別の1つの層の方を向く2つの層のうちの1つの層の一表面上にあり、2つの層が一体に積層され、ここではヒータが2つの層の間に位置する。
【0021】
[00024]以下の詳細な説明から、少なくとも1つの開示される例示の実施形態の種々の特徴および利点が当業者には明らかとなろう。詳細な説明に添付される図面が以下で簡単に説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】[00025]本発明の実施形態に従って設計されているセンサデバイスを含む車両を示す概略図である。
【
図2】[00026]本発明の実施形態に従って設計されているセンサデバイスの選択される特徴を示す概略図である。
【
図3】[00027]本発明の実施形態に従って設計されている例示のカバー上の例示のヒータ構成を示す概略図である。
【
図4】[00028]本発明の実施形態による例示の方法をまとめるフローチャート図である。
【
図5】[00029]別の例示の方法をまとめるフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[00030]
図1が、車両20の近傍内の物体を検出するのに有用であるセンサデバイス22を含む車両20を概略的に示す。センサデバイス22が、それぞれ、検出される物体までの距離、および物体に対して車両が接近しているときの速度などの物体と車両20との間の関係を選択的に決定または概算するのを可能にするための、24のところに示される検出フィールドを有する。いくつかの実施形態では、センサデバイス22がRADARデバイスである。他の実施形態では、センサデバイス22がLIDARデバイスである。
【0024】
[00031]
図2が、センサデバイス22の選択される特徴を概略的に示す。少なくとも1つのエミッタ30が対応する検出フィールド24の中に放射線を放射する。少なくとも1つの検出器32が、対応する検出フィールド24内の物体から反射される放射線を検出する。単一のエミッタ30および単一の検出器32が考察を目的として示される。例示の実施形態が、センサデバイス22内に、複数のエミッタおよび複数の検出器を含む。
【0025】
[00032]カバー34がこの実施例ではエミッタ30および検出器32を覆う。カバー34が、エミッタ30および検出器32の方を向く内部表面36を有する。カバー34が物体を検出するために使用される放射線に対して透明であり、その結果、カバー34が、エミッタ30によって放射される放射線または物体から反射されて検出器32の方に戻るように移動する放射線に干渉しない。
【0026】
[00033]カバー34の上に、氷、雪、または結露が蓄積または形成されるのを可能にし得るような状況または条件のために、ヒータ38がカバー34の一部分の上に設けられる。この実施形態では、ヒータ38がカバー34の内部表面36上に位置する。内部表面上にヒータ38を設けることにより、それ以外の場合においてヒータ38の動作または有効性を損なう可能性がある環境条件からヒータ38を保護することになる。ヒータ38を内部表面36上に有することの別の特徴は、カバー34の外側部分が、個人が触れるには過度に高温であるような温度に達することなく所望時に加熱され得る、ことである。これは、例えば、可能性のある接触に対してカバーが露出されている場所にカバー34が位置するような場合に、有用である。
【0027】
[00034]ヒータ38が、エミッタ30からのまたは検出器32に向かうカバー34を通過する放射線に対してヒータ38が干渉することがない場所である内部表面36上に位置する。
図3に示されるように、ヒータ38が、カバー34の内部表面36上に導電性材料のワイヤ状トレースを備える。ヒータ38の位置および構成が、カバー34を十分に加熱するのに十分である面接触を実現し、この間、エミッタ30および検出器32の適切な動作のために通過しなければならない放射線が通るところのエリアを阻害しない。
【0028】
[00035]ヒータ38の導電性材料を含む流体がカバー34の内部表面36上に付着され、硬化されてそれにより導電性材料を凝固させ、ヒータ38をカバー34に固定する。
[00036]例示の導電性材料が銀を含む。銀はスクリーン印刷および他の流体付着(fluid deposition)テクニックを受け入れる材料特性を有する。また、銀は、経時的なヒータ性能を高信頼性にするのを実現する特性を有する。カバー34が多くの実施形態ではガラスまたはポリカーボネートを含み、銀が、カバー34上に対しての付着時にこれらの各々に対して適合性を有する。
【0029】
[00037]例示のヒータ38が、この実施形態ではやはり銀を含む導電性コネクタパッド40を含む。コネクタパッド40が、この実施例では、カバー34の内部表面36上にスクリーン印刷されるかまたは他の形で付着される。コネクタパッド40が、いくつかの実施形態では、ヒータ38を形成または設置するのと同時に形成される。予め溶けていてよい銀のコネクタパッド40が、ワイヤなどの導体42の端部またはリード線をコネクタパッド40にはんだ付けするのを可能にする。いくつかの実施形態では、コネクタパッド40に固定されるリード線または端子が予め溶けており、パッド40に取り付けられる。導体42が、必要時にヒータ38を動作させるための必要な電力を提供する。
【0030】
[00038]示される実施形態の1つの特徴は、ヒータ38が、リアデフロスタなどの車両の窓上に設けられる加熱要素と比較して高い単位サイズ当たりの電力を有する、ことである。ヒータ38がカバー34を迅速に温めることができ、それによりセンサデバイス22の高い信頼性の動作を保証する。その加熱容量に対応するヒータ38の電気抵抗が、例えば、異なる導電性材料を選択することにより制御され得る。
【0031】
[00039]本発明の実施形態は、問題の多い可能性のあるような、カバー34の基板の中にワイヤを埋設することの必要性を回避する。例えば、定位置にヒータ38をスクリーン印刷することで、ワイヤを埋設するプロセスと比較して、カバー34上のヒータ38の位置、サイズ、および構成をより優れた形で制御するのを実現する。加えて、付着されているヒータ38をカバー34の上に組み込むときに、カバーが歪んだり外観に問題が発生したりすることがない。カバー34は、通常、突出部を作らないように、またはカバーの形状および見た目に歪めたりすることなく、ワイヤを埋設するには薄すぎる。加えて、ワイヤが埋設されると、導電接続を形成することが困難となる。付着されているコネクタパッド40とのはんだ付け接続は実施が容易であり、歪みおよび見た目の問題を一切出さない。
【0032】
[00040]
図4は、ヒータ38をカバー34に設置する例示の手法をフローチャート50内にまとめている。52で、導電性材料を含む流体が、カバー34の選択される部分の上に付着される。52で導電性材料を付着させる間、さらに少なくとも1つの導電性コネクタパッド40が形成される。この実施例では、流体がカバー34の内部表面36上に直接に付着される。54で、カバー34上でのヒータの所望の構成および配置を達成するために、流体の流れおよびパターンが制御される。いくつかの例示の実施形態では、流体がカバー34上にスクリーン印刷される。他の実施形態では、流体がカバー34上に付着されるとき、流体流れおよびパターンがロボット制御される。56で、導電性材料が硬化され、それによりヒータ38をカバー34に固定する。カバー34の材料としてガラスを含む実施例などのいくつかの実施例では、カバーおよび付着されている導電材料が焼成炉内で加熱され、それによりヒータ38をカバー34に固定する。ポリカーボネートなどの他のカバー材料を含む他の実施形態では、硬化が低温で起こり、それによりカバー材料にダメージが与えられることまたはカバー材料が歪むことが回避される。
【0033】
[00041]別の実施形態が、2つのカバー層を一体に積層することを含む。層の各々がガラスまたはポリカーボネートを含む。導電性材料を含む流体が、2つの層のうちのもう一方の方を向くように配置されている層のうちの一方の層の表面上に付着される。層が一体に積層され、ここではヒータが層の間にある。いくつかの積層の実施形態が、ガラスまたはポリカーボネートを含む2つのカバー層の間にビニル中間層を含む。
【0034】
[00042]
図5が、別の例示の手法をまとめているフローチャート60を含む。この事例では、カバー34が複数の層を備える。62で、導電性材料を含む流体が薄膜基板上に付着される。付着プロセスがスクリーン印刷またはロボット制御式付着(robotic deposition)を含むことができる。ヒータ38およびコネクタパッド40の形態で付着された導電材料の硬化が、64で起こる。この実施例では、基板がカバー34の層のうちの1つの層となる。
【0035】
[00043]次いで、ヒータ38を支持する基板が、66で、カバー34の少なくとも1つの層に固定される。68のところに示されるように、カバー層に対して基板を固定することが、カバー層に対して基板を接着的に固定することによって達成される。いくつかの実施形態では、接着剤が基板の一部分であり、他では、基板とカバー層との間に適用される別個の接着剤が基板およびヒータ38を定位置で固定する。
【0036】
[00044]70のところに示されるように、いくつかの実施形態が、カバー材料の2つの層を一体に積層することを含み、ここではこれらの層の間に基板を備える。この手法はカバー34の材料の中でヒータ38を効果的に包囲する。68のところの接着ベースの手法と比較する場合の、70のところの積層手法の1つの特徴は、層を一体に積層することが、ヒータ38とカバー34の材料との間での熱伝導率を向上させるのを実現する。
【0037】
[00045]例示の積層の実施形態のいずれかの実施形態で、ヒータ38に電力供給するかまたはヒータ38を制御するための接続が、ラミネートの中に挿入される導電箔によって形成され得る。別のオプションは、積層されている層のうちの1つの層の中に切欠部を含むことであり、ここではコネクタパッド40が切欠部によって少なくとも部分的に露出される。
【0038】
[00046]上述の実施例は、RADARまたはLIDARのために使用される構成などの、センサカバーまたは検出器カバーのための改善されたヒータ構成を提供する。流体形態で導電性材料を適用することで、カバー上にワイヤを埋設することを試みる場合には付随するような困難を回避しながら、所望のヒータ構成および性能を達成するのを可能にする。
【0039】
[00047]上記の説明は例示であり、本質的に限定的ではない。本発明の本質から必ずしも逸脱するわけではない、開示される実施例の変形形態および修正形態が当業者には明らかとなり得よう。本発明に与えられる法的保護の範囲は以下の特許請求の範囲を詳しく調べることによってのみ決定され得る。
【符号の説明】
【0040】
20 車両
22 センサデバイス
24 検出フィールド
30 エミッタ
32 検出器
34 カバー
36 内部表面
38 ヒータ
40 導電性コネクタパッド
42 導体
50 フローチャート
52 導電性材料を含む流体をカバー上に付着させる
54 付着されている流体の流れおよびパターンを制御する
56 導電性材料を硬化させる
60 フローチャート
62 導電性材料を含む流体を薄膜基板上に付着させる
64 導電性材料を硬化させる
66 基板をカバー層に固定する
68 基板を接着的に固定する
70 カバー層および基板を一体に積層する