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特許7010935USP30の阻害剤としての活性を有するシアノ置換ヘテロ環
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】USP30の阻害剤としての活性を有するシアノ置換ヘテロ環
(51)【国際特許分類】
   C07D 265/30 20060101AFI20220119BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20220119BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20220119BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20220119BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20220119BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20220119BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20220119BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20220119BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220119BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220119BHJP
   A61K 31/5375 20060101ALI20220119BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20220119BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20220119BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20220119BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20220119BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20220119BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
C07D265/30 CSP
C07D413/12
C07D413/14
C07D417/14
C07D401/12
C07D401/14
C07D417/12
C07D471/04 104Z
C07D471/04 106Z
C07D471/04 106C
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P3/00
A61P25/00
A61P9/10
A61P25/02 101
A61P35/02
A61P27/02
A61P3/10
A61P13/12
A61P25/18
A61P3/02
A61P43/00 105
A61P25/28
A61P21/00
A61P1/00
A61P25/16
A61P25/14
A61P9/04
A61P3/06
A61K31/5377
A61K31/5375
A61K31/454
A61K31/4545
A61K31/506
A61K31/496
A61K31/497
A61K31/501
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019518253
(86)(22)【出願日】2017-10-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 GB2017052971
(87)【国際公開番号】W WO2018065768
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-10-02
(31)【優先権主張番号】1616907.0
(32)【優先日】2016-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1710331.8
(32)【優先日】2017-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517299582
【氏名又は名称】ミッション セラピューティクス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】マーティン リー ストックリー
(72)【発明者】
【氏名】マーク イアン ケンプ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー マディン
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-131578(JP,A)
【文献】国際公開第2016/046530(WO,A1)
【文献】米国特許第05861395(US,A)
【文献】特表2005-529090(JP,A)
【文献】特表2015-535277(JP,A)
【文献】国際公開第2015/017502(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 265/30
C07D 413/12
C07D 413/14
C07D 417/14
C07D 401/12
C07D 401/14
C07D 417/12
C07D 471/04
A61P 43/00
A61P 35/00
A61P 3/00
A61P 25/00
A61P 9/10
A61P 25/02
A61P 35/02
A61P 27/02
A61P 3/10
A61P 13/12
A61P 25/18
A61P 3/02
A61P 25/28
A61P 21/00
A61P 1/00
A61P 25/16
A61P 25/14
A61P 9/04
A61P 3/06
A61K 31/5377
A61K 31/5375
A61K 31/454
A61K 31/4545
A61K 31/506
A61K 31/496
A61K 31/497
A61K 31/501
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
その互変異性体、又は前記化合物若しくは前記互変異性体の薬学的に許容される塩(式中、
Xは、O、N(Rh)、及びC(Ri)(Rj)から選択され、
aは、水素、フルオロ、C1~C3アルキル、及びC1~C3アルコキシから選択され、
b、Rc、Rd及びReは、各々独立して、水素、及びC1~C3アルキルから選択され、
f及びRgは、各々独立して、水素、フルオロ、シアノ、C1~C3アルキル、及びC1~C3アルコキシから選択され、
XがO又はN(Rh)である場合、Ra、Rf又はRgのいずれかが、フルオロ又はC1~C3アルコキシでなく、
hは、水素、C1~C3アルキル、C(O)R’、S(O)2R’、及びフェニルから選択され、
R’は、C1~C3アルキルであり、
i及びRjは、各々独立して、水素、フルオロ、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、及びフェニルから選択され、
1は、水素及びC1~C3アルキルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール又はアリール環、及び3~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル又はシクロアルキル環から選択され
2 、置換されている場合、1~4個の同じでも又は異なってもよい-Q1(R3nで置換され、
nは、0又は1であり、
nが0である場合、Q1はQ1aを表し、
nが1である場合、Q1はQ1bを表し、
1aは、ハロ、シアノ、-C1~C6アルキル、及びC1~C6アルコキシから選択され、
1bは、共有結合であり、
3は、3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環であり、
3は、ハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、-C1~C6アルキル、-C1~C6アルコキシ、-Q2a-R11、及び-Q2a-CONR89から独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記アルキル及びアルコキシ基は、1個以上のハロで任意選択的に置換されており、
2aは、共有結合、C1~C6アルキレン又はC2~C6アルケニレンを表し、
8及びR9は、各々独立して、水素及びC1~C6アルキルから選択され、
11は、3~10員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキルであり、ここで、各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む)。
【請求項2】
2の前記環が、
窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を各々が含む、5若しくは6員の単環式ヘテロアリール又は9若しくは10員の二環式ヘテロアリール環、
フェニル、インダニル、テトラリニル及びナフチルから選択されるアリール、
窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を各々が含む、4、5、6若しくは7員の単環式ヘテロシクリル又は9若しくは10員の二環式ヘテロシクリル環、
4~7員の単環式又は8~10員の二環式シクロアルキル、
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2の前記環が、ピリジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソキノリニル、フェニル、イソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピロリジニル、ピラジニル、トリアゾリル及びオキサゾリルから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
2 、各々独立して選択される1又は2個のR3基で置換され、R 2 、ハロ、シアノ、C1~C3アルキル及びC1~C3アルコキシから各々独立して選択される1又は2個のQ1a基で任意選択的にさらに置換された、請求項1~の何れか一項に記載の化合物。
【請求項5】
2がヘテロアリール又はアリール環である場合、前記環が、ハロ、シアノ、C1~C3アルキル及びC1~C3アルコキシから各々独立して選択される1~4個のQ1a基で任意選択的に置換された、請求項1~の何れか一項に記載の化合物。
【請求項6】
各R3が、任意選択的に置換されたフェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、インダゾリル及びピラゾロピリジニル環から独立して選択される、請求項1~の何れか一項に記載の化合物。
【請求項7】
各R3が、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びCONH2から各々独立して選択される1~4個の基で任意選択的に置換された、請求項1~の何れか一項に記載の化合物。
【請求項8】
(R)-4-シアノ-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(5-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(3-プロポキシ-4-(1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)モルホリン-2-カルボキサミド
N-(6-(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(1-フェニル-1H-イミダゾール-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
N-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(3-(3-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(5-フェニル-1H-ピラゾール-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(5-フェニルピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(5-フェニルイソオキサゾール-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(4-シアノ-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
N-([1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(6-フェニルピリジン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(2’-シアノ-[4,4’-ビピリジン]-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-5-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(3-クロロフェニル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-(3-メトキシフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-(3-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-(4-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(4-クロロフェニル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(3-カルバモイルフェニル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(2-フェニルチアゾール-5-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(1H-インダゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(1H-ピラゾール-4-イル)イソキノリン-3-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(5-フェニル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-4-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-4-シアノ-N-(イソキノリン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-4-シアノ-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(3-プロポキシ-4-(1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(1-フェニル-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(5-フェニル-1H-ピラゾール-3-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(5-フェニルピリジン-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(3-フェニルイソオキサゾール-5-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(1-フェニル-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(5-フェニルイソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(5-フェニル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
N-(5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
N-(6-(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-5-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-4-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
(S)-1-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
(S)-1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-5,5-ジフルオロ-N-(1-フェニル-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
N-(6-(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-1-シアノ-5,5-ジフルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(2R,5*)-4-シアノ-N-(6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)-5-メチルモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(3-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(3-クロロフェニル)ピリダジン-3-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(5-(3-シアノフェニル)ピリダジン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(5-(3-シアノフェニル)イソオキサゾール-3-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-シアノイソキノリン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(2R)-4-シアノ-N-(1-(4-シアノピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-4-シアノ-1-メチル-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-1-メチル-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-1-フェニル-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド、
1-アセチル-4-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド、及び
4-シアノ-1-(メチルスルホニル)-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(3-(3-シアノフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(3-クロロフェニル)イソオキサゾール-3-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-3-フルオロ-N-(5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(3-(3-クロロフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-ピラゾール-1-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(1-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-インダゾール-7-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-インダゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-インダゾール-7-イル)ピラジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-インダゾール-4-イル)ピラジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(1H-インダゾール-7-イル)ピリダジン-3-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-7-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(1H-インダゾール-4-イル)ピリダジン-3-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-インダゾール-7-イル)ピリミジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
から選択される、請求項1に記載の化合物、それらの互変異性体、又は前記化合物若しくは前記互変異性体の薬学的に許容される塩
【請求項9】
S)-2-(5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボニル)モルホリン-4-カルボニトリルである化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは前記互変異性体の薬学的に許容される塩。
【請求項10】
医薬として使用するための、請求項1~の何れか一項に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩。
【請求項11】
ミトコンドリア機能不全に関する状態及び癌から選択される障害又は状態の治療に使用するための、請求項1~の何れか一項に記載の化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは互変異性体の薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項12】
ミトコンドリア機能不全に関する障害又は状態が、CNS障害;神経変性疾患;多発性硬化症;ミトコンドリア脳症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群;レーベル遺伝性視神経症;神経性薄弱;運動失調;網膜色素変性症;母性遺伝性リー症候群;ダノン病;糖尿病;糖尿病性腎症;代謝障害;心不全;心筋梗塞を引き起こす虚血性心疾患;精神疾患;統合失調症、多発性スルファターゼ欠損症;ムコリピドーシスII;ムコリピドーシスIII;ムコリピドーシスIV;GMI-ガングリオシドーシス;神経セロイドリポフスチン症;アルパーズ病;バース症候群;ベータ酸化欠損;カルニチン-アシル-カルニチン欠乏症;カルニチン欠乏症;クレアチン欠乏症候群:コエンザイムQ10欠損症:複合体I欠損症;複合体II欠損症複合体III欠損症;複合体IV欠損症;複合体V欠損症;COX欠損症;慢性進行性外眼筋麻痺症候群;CPT I欠損症;CPT II欠損症;グルタル酸尿症II型;カーンズ・セイヤー症候群;乳酸アシドーシス;長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症;リー病又は症候群;致死性小児心筋症;ルフト病;グルタル酸尿症II型:中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症;ミオクローヌスてんかん症候群・赤色ぼろ線維症候群;ミトコンドリア細胞変性;ミトコンドリア劣性運動失調症候群;ミトコンドリアDNA枯渇症候群;筋神経胃腸障害及び脳症;ピアソン症候群;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症;ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症;POLG変異;中/短鎖3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼ欠損症;極長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症;認知機能及び筋力の年齢依存性の低下から選択される、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記神経変性疾患が、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、虚血症、脳卒中、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症;α-シヌクレイン、パーキン及びPINK1の変異に関連するパーキンソン病、及びパーキンが変異している常染色体劣性若年性パーキンソン病から選択される、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記癌が、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳腫瘍、メラノーマ、骨腫瘍、組織器官の癌、血液細胞の癌、リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、大腸癌、非小細胞肺癌、アポトーシス経路が調節不全である癌、及びBCL-2ファミリーのタンパク質が変異している又は過剰発現若しくは過少発現している癌から選択される、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項1~の何れか一項に記載の式(I)の化合物、その互変異性体、又は前記化合物若しくは前記互変異性体の薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤又は担体と一緒に含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱ユビキチン化酵素、特に、ユビキチンC末端加水分解酵素30又はユビキチン特異的ペプチダーゼ30(USP30)の阻害剤としての活性を有するシアノ置換複素環類、その使用、その調製方法、及び該阻害剤を含有する組成物に関する。これらの阻害剤は、癌及びミトコンドリア機能不全を含む状態を含む様々な治療分野において有用性を有する。
【背景技術】
【0002】
ユビキチンは、細胞におけるタンパク質機能の調節に重要な76個のアミノ酸からなる小さなタンパク質である。ユビキチン化及び脱ユビキチン化は、ユビキチンが共有結され又は脱ユビキチン化酵素(DUB)によって標的タンパク質から切断される、酵素媒介プロセスであり、そのうちの約95種のDUBはヒト細胞中に存在し、配列相同性に基づいてサブファミリーに分けられる。USPファミリーは、そのDUB活性にとって重要なCys及びHis残基を含む共通のCys及びHisボックスによって特徴付けられる。ユビキチン化及び脱ユビキチン化プロセスは、細胞周期の進行、アポトーシス、細胞表面受容体の修飾、DNA転写及びDNA修復の調節を含む、多くの細胞機能の調節に関与している。したがって、ユビキチンシステムは、炎症、ウイルス感染、代謝機能不全、CNS障害及び発癌を含む多くの病状の病因に関与している。
【0003】
ユビキチンは、ミトコンドリア動態のマスターレギュレーターである。ミトコンドリアは動的オルガネラであり、その生合成、融合及び分裂事象は、ミトフシンなどの多くの重要な因子のユビキチン化を介する翻訳後調節によって調節される。パーキン(parkin)などのユビキチンリガーゼが多くのミトコンドリアタンパク質をユビキチン化することは既知であるが、最近まで、脱ユビキチン化酵素はあまり理解されていなかった。USP30は、ミトコンドリア外膜に見出される517個のアミノ酸タンパク質である(Nakamura et al.,Mol Biol 19:1903-11,2008)。それはミトコンドリアアドレッシングシグナル(addressing signal)を有する唯一の脱ユビキチン化酵素であり、多くのミトコンドリアタンパク質を脱ユビキチン化することが示されている。USP30がパーキン媒介性のマイトファジーを妨害すること、及びUSP30活性の低下によってマイトファジーにおけるパーキン媒介性の欠陥が救済され得ることが実証されている。
【0004】
ミトコンドリア機能不全は、ミトコンドリア含量の減少(マイトファジー又はミトコンドリア生物発生)として、ミトコンドリア活性及び酸化的リン酸化の減少として、さらには活性酸素種(ROS)の生成の調節として定義することができる。したがって、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症)、癌、糖尿病、代謝障害、心血管疾患、精神疾患(例えば、統合失調症)及び変形性関節症を含むがこれらに限定されない、非常に多くの老化及び病理におけるミトコンドリア機能不全において役割を有する。
【0005】
例えば、パーキンソン病は、世界中で約1000万人が罹患しており(パーキンソン病財団)、黒質のドーパミン作動性ニューロンが喪失することを特徴としている。PDの根底にある正確なメカニズムは不明であるが、ミトコンドリア機能不全は、PDにおけるドーパミン作動性ニューロン感受性の重要な決定因子としてますます認識されており、家族性及び散発性疾患の両方並びに毒素誘発性パーキンソニズムの特徴である。パーキンは、早期発症PDと関係があるとされる多くのタンパク質のうちの1つである。ほとんどのPD症例はα-シヌクレインの欠陥と関連しているが、パーキンソン症例の10%は特定の遺伝子欠陥と関連しており、そのうちの1つはユビキチンE3リガーゼパーキンにある。パーキン及びプロテインキナーゼPTEN誘導性推定キナーゼ1(PINK1)は、損傷したミトコンドリアのミトコンドリア膜タンパク質をユビキチン化するように共同して働き、マイトファジーをもたらす。マイトファジーの調節不全は酸化ストレスの増加をもたらし、これはPDの特徴として説明されている。したがって、USP30の阻害は、PDの治療のための潜在的な戦略となり得る。例えば、活性低下を引き起こすパーキン変異を有するPD患者は、USP30の阻害によって治療的に補償され得る。
【0006】
USP30の枯渇は、ミトコンドリアのマイトファジークリアランス(mitophagic clearance)を促進し、またパーキン誘導性の細胞死を促進することも報告されている。USP30はまた、パーキンの過剰発現とは独立してBAX/BAK依存性アポトーシスを調節することが示されている。USP30の枯渇は、パーキン過剰発現を必要とせずに、ABT-737などのBH-3模倣物に対して癌細胞を感作する。このようにUSP30について抗アポトーシスの役割が実証されており、したがってUSP30は抗癌治療のための潜在的な標的である。
【0007】
ユビキチン-プロテアソームシステムは、多発性骨髄腫の治療のためのプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))の認可後、癌治療のための標的として関心を集めている。ボルテゾミブによる長期治療は、それに伴う毒性及び薬剤耐性によって制限される。しかしながら、DUBなど、プロテアソーム上流におけるユビキチン-プロテアソーム経路の特定の態様を標的とする治療戦略は、より良好に許容されると予測される(Bedford et al.,Nature Rev 10:29-46,2011)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、USP30の阻害が示される症状の治療のために、USP30の阻害剤である化合物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、式(I)の化合物:
【0010】
【化1】
【0011】
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
Xは、O、N(Rh)及びC(Ri)(Rj)から選択され、
aは、水素、フルオロ、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル、及び任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシから選択されるか、又はRaは、Rb又はRjと結合して、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキル環を形成し、
b、Rc、Rd及びReは、各々独立して、水素、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル及び1個以上のスピロ環基から選択され、RbはRcと結合して又はRdはReと結合して、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキルを形成し、あるいはRbはRaと結合して又はReはRfと結合して、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキルを形成し、
f及びRgは、各々独立して、水素、フルオロ、シアノ、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル、任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシ、及び1個以上のスピロ環基から選択され、RfはRgと結合して任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキル環を形成し、あるいはRfはReと結合して又はRgはRjと結合して、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキルを形成し、
XがO又はN(Rh)である場合、Ra、Rf又はRgのいずれかは、フルオロ又は任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシではなく、
hは、水素、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル、C(O)R’、S(O)2R’、及びC0~C3アルキレンリンカーを介した3~6員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環から選択され、
R’は、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル、及び3~6員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環から選択され、
i及びRjは、各々独立して、水素、フルオロ、シアノ、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル、任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシ、3~6員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環及びスピロ環基から選択され、RiはRjと結合して又はRjはRg若しくはRaと結合して、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキルを形成し、
1は、水素及び任意選択的に置換されたC1~C3アルキルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール又はアリール環、及び3~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル又はシクロアルキル環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール環、又は4~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル環を形成し、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、置換されている場合、1個以上の同じでも又は異なってもよい-Q1(R3nで置換され、
nは、0又は1であり、
1は、Q1a又はQ1bを表し、
1aは、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR4、-NR45、-CONR45、-C0-C3-アルキレン-NR4COR5、-NR4CONR56、-COR4、-C(O)OR4、-SO24、-SO2NR45、-NR4SO25、-NR4SO2NR56、-NR4C(O)OR5、任意選択的に置換された-C1~C6アルキル、任意選択的に置換されたC1~C6アルコキシ、及び任意選択的に置換された-C2~C6アルケニルから選択され、
1bは、共有結合、酸素原子、硫黄原子、-OR7-、-SO-、-SO2-、-CO-、-C(O)O-、-C0~C3-アルキレン-C(O)NR4-C0~C3アルキレン、-C0~C3-アルキレン-NR4-C0-C3アルキレン、-C0~C3-アルキレン-NR4C(O)-C0~C3アルキレン、-NR4CONR5-、-SO2NR4-、NR4SO2-、-NR4SO2NR5-、-NR4C(O)O-、-NR4C(O)OR7-、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレン、及び任意選択的に置換された-C2~C6アルケニレンから選択され、
3は、3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環であり、
4、R5及びR6は、各々独立して、水素及び任意選択的に置換されたC1~C6アルキルから選択され、
7は、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレンであり、
3は、ハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR8、任意選択的に置換された-C1~C6アルキル、任意選択的に置換された-C1~C6アルコキシ、任意選択的に置換された-C2~C6アルケニル、任意選択的に置換された-C2~C6アルキニル、-Q2a-R11、-Q2a-O-Q2b-R11、-Q2a-S-Q2b-R11、-Q2a-SO-Q2b-R11、-Q2a-NR8CONR910、-Q2a-NR8CONR9-Q2a-R11、-Q2a-NR89、-Q2a-NR8-Q2b-R11、-Q2a-COR8、-Q2a-CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8COR9、-Q2a-NR8CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8C(O)OR9、-Q2a-NR8C(O)O-Q2b-R11、-Q2a-SO28、-Q2a-SO2-Q2b-R11、Q2a-CONR89、-Q2a-CONR8-Q2b-R11、-Q2a-CO28、-Q2a-CO2-Q2b-R11、-Q2a-SO2NR89、-Q2a-SO2NR8-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO29、-Q2a-NR8SO2-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO2NR910及び-Q2a-NR8SO2NR9-Q2b-R11から独立して選択される1個以上の置換基で任意選択的に置換され、
2a及びQ2bは、各々独立して、共有結合、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレン又は任意選択的に置換されたC2~C6アルケニレンを表し、
8、R9及びR10は、各々独立して、水素及び任意選択的に置換されたC1~C6アルキルから選択され、
11は、任意選択的に置換された3~10員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキルである。
【0012】
特に別段の定めがない限り、置換された、という用語は、1個以上の定義された基によって置換されていることを意味する。基が2個以上の選択肢から選択してもよい場合、選択される基は同じでも又は異なってもよい。この用語は、2個以上の置換基が2個以上の可能な置換基から選択される場合、それらの置換基は同じでも又は異なってもよいことを独立して意味する。
【0013】
本明細書の文脈において、特に明記しない限り、アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、アルケニレン、若しくはアルキニル置換基(若しくはリンカー基)又は置換基中のアルキル、アルケニル部分は、直鎖状又は分枝状であってもよい。アルキル、アルキレン、アルケニル及びアルケニレン鎖はまた、酸素などの介在するヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0014】
「Cx~Cyアルキル」とは、直鎖状又は分枝状でもよい、x~y個の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素基を指す。例えば、C1~C6アルキルは、1~6個の炭素原子を含み、C-1、C2、C3、C4、C5及びC6を含む。「分枝状」とは、少なくとも1個の炭素分岐点が基の中に存在することを意味する。例えば、tert-ブチル及びイソプロピルは両方とも分枝基である。例えば、tert-ブチル及びイソプロピルは両方とも分枝状の基である。C1~C6アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル及びn-ヘキシルが含まれる。Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、R’、Ri、Rj、R1、R4、R5、R6、R8、R9、R10、Q1aの定義内及びR3の置換基の定義内のC1~C6アルキル及びC1~C3アルキルは、非置換であってもよいし、又は本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されていてもよく。したがって、置換されたC1~C6アルキルの例には、CF3、CH2CF3、CH2CN、CH2OH及びCH2CH2OHが含まれる。
【0015】
「Cx~Cyアルキレン」基又は部分は、直鎖状又は分枝状であってもよく、上記で定義したCx~yアルキルから1個少ない水素原子を有する二価炭化水素基をいう。C1~C6アルキレンは、酸素などの介在するヘテロ原子を含んでもよく、したがってアルキレンオキシ基を含む。本明細書で使用されるアルキレンオキシはまた、酸素原子(例えば、単一の酸素原子)がアルキレン鎖内に位置している実施形態にわたって及ぶ(例えば、CH2CH2OCH2又はCH2OCH2)。C1~C6アルキレン基の例には、メチレン、メチレンオキシ、エチレン、エチレンオキシ、n-プロピレン、n-プロピレンオキシ、n-ブチレン、n-ブチレンオキシ、メチルメチレン及びジメチルメチレンが含まれる。特に明記しない限り、Rh、Q1a、Q1b、R7、Q2a及びQ2bの定義内のC0~C3アルキレン、C1~C6アルキレン及びC1~C3アルキレンは、非置換であってもよいし、又は本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0016】
「C2~C6アルケニル」は、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の二重結合を含有する直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖基を意味し、C2~C4アルケニルを含む。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、1-ヘキセニル、2-メチル-1-プロペニル、1,2-ブタジエニル、1,3-ペンタジエニル、1,4-ペンタジエニル及び1-ヘキサジエニルが含まれる。特に明記しない限り、Q1aの定義内及びR3の置換基の定義内のC2~C6アルケニルは、非置換であってもよいし、又は本明細書中で定義される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0017】
「C2~C6アルケニレン」とは、上記で定義したC2~C6アルケニルから1個少ない水素原子を有する直鎖状又は分枝状炭化水素基を指す。C2~C6アルケニレンの例には、エテニレン、プロペニレン及びブテニレンが含まれる。特に明記しない限り、Q1b、Q2a及びQ2bの置換基の定義内のC2~C6アルケニレンは、非置換であってもよいし、又は本明細書中で定義される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0018】
「C2~C6アルキニル」とは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の三重結合を含有する直鎖状又は分枝状炭化水素鎖基を指す。アルケニル基の例には、エチニル、プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル及び1-ヘキシニルが含まれる。別段の定めがない限り、R3の置換基の定義内のC2~C6アルキニルは、非置換であってもよいし、又は本明細書中で定義される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0019】
「C1~C6アルコキシ」とは、上記のCx~Cyアルキルの定義に従った-O-Cx~Cyアルキル基を有する基又は基の一部を指す。C1~C6アルコキシは1~6個の炭素原子を含み、C-1、C2、C3、C4、C5及びC6を含む。C1~C6アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペントキシ及びヘキソキシが含まれる。本明細書で使用されるアルコキシはまた、酸素原子(例えば単一の酸素原子)がアルキル鎖内に位置している実施形態にわたって及ぶ(例えば、CH2CH2OCH3又はCH2OCH3)。したがって、アルコキシは炭素を介して分子の残部に結合することができ(例えば、-CH2CH2OCH3)、あるいはアルコキシは酸素を介して分子の残部に結合することができる(例えば、-OC1~6アルキル)。一例において、アルコキシは酸素を介して分子の残部と結合するが、アルコキシ基はさらなる酸素原子を含む(例えば、-OCH2CH2OCH3)。別段の定めがない限り、Ra、Rf、Rg、Ri、Rj、Q1aの定義内及びR3の置換基の定義内のC1~C6アルコキシ及びC1~C3アルコキシは、非置換であってもよいし、又は本明細書中で定義される1個以上の置換基で置換されてもよい。したがって、置換されたC1~C6アルコキシの例には、OCF3、OCHF2、OCH2CF3、CH2CH2OCH3及びCH2CH2OCH2CH3が含まれる。
【0020】
ハロという用語は、クロロ、ブロモ、フルオロ又はヨード、特に、クロロ又はフルオロを指す。ハロアルキル及びハロアルコキシ基は、1個以上のハロ置換基を含むことができる。例は、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシである。「オキソ」との用語は、=Oを意味する。「ニトロ」との用語は、NO2を意味し、SF5(ニトロの既知の模倣物)を含む。
【0021】
本明細書に開示され、かつRa、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、R’、R2、R3及びR11の定義内のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリール環は、単環式又は二環式であってもよい。二環系には、架橋、縮合及びスピロ環系が含まれる。特に、二環系は縮合環系である。置換基(存在する場合)は、炭素原子、又はヘテロアリール及びヘテロシクリル環系の場合にはヘテロ原子であり得る任意の好適な環原子に結合し得る。
【0022】
「シクロアルキル」とは、全ての環原子が炭素であり、示された数の環原子を有する、単環式飽和又は部分不飽和非芳香族環を指す。例えば、C3~C10シクロアルキルは、3~10個の炭素原子を含有する単環式又は二環式炭化水素環を指す。C3~C10シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル及びデカヒドロナフタレニルである。二環式シクロアルキル基には、ビシクロヘプタン及びビシクロオクタンなどの架橋環系が含まれる。別段の定めがない限り、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、R’、R1、R2、R3及びR11の定義内のシクロアルキルは、非置換であってもよいし、又は本明細書中で定義される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0023】
「アリール」基/部分とは、少なくとも1個の芳香族基を含み、5~10個の炭素原子の環員を有する、任意の単環式又は二環式炭化水素基を指す。アリール基の例には、フェニル及びナフチルが含まれる。二環は、両方の環が芳香族である縮合芳香族環、例えばナフタレニルであり得る。好ましいアリール基は、フェニル及びナフチル、より好ましくはフェニルである。別段の定めがない限り、Rh、Ri、Rj、R’、R2、R3及びR11の定義内のアリールは、非置換であってもよいし、又は本明細書中で定義される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0024】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」は、N、O及びSから選択される少なくとも1個から5個以下のヘテロ原子、特に1、2又は3個のヘテロ原子を含有する、多不飽和、単環式又は二環式の5~10員の芳香族部分を意味し、当業者に既知の安定な組合せでは、残りの環原子は炭素原子である。ヘテロアリール環の窒素原子及び硫黄原子は任意選択的に酸化され、窒素原子は任意選択的に四級化される。ヘテロアリール環は、単一の芳香族環又は縮合した二環であることができ、該二環系は芳香族であることができ、又は縮合環の一方が芳香族であり、他方が少なくとも部分飽和である。特定の例において、二環式ヘテロアリールは、縮合環系全体が芳香族であるものである。二環式ヘテロアリールは、縮合環のいずれかにおいて少なくとも1個のヘテロ原子を有することができる。例えば、部分飽和環に縮合した芳香族環を有する二環は、芳香族環又は部分飽和環中に少なくとも1個のヘテロ原子を含有してもよい。置換基である基への二環の結合は、ヘテロ原子を含有する環又は炭素のみを含有する環のいずれかを介することができる。置換基である基へのヘテロアリールの結合点は、炭素原子又はヘテロ原子(例えば、窒素)を介することができる。置換基である基への二環の結合は、6員のシアノコアに関して、芳香族環からである。特に、R2が、部分飽和環に縮合した芳香族環を含む二環式ヘテロアリール環である場合、R2は、その芳香族環からの6員のシアノコアに結合しているアミドの窒素に結合される。R1及びR2が一緒になってヘテロアリール環を形成する場合、アミド窒素を含有する環は芳香族であり、さらなる芳香族環又は部分飽和環に縮合してもよい。ヘテロアリール環の例には、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル,イソオキサゾリル、オキサジアゾイル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、インドリニル、イソインドリニル、ピロロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロピリドピラジニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルが含まれる。別段の定めがない限り、Rh、Ri、Rj、R’、R2、R3及びR11の定義内のヘテロアリールは、非置換であってもよいし、又は本明細書中で定義される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0025】
環の記載において本明細書で使用される「ヘテロシクリル」は、特に明記しない限り、単環式飽和若しくは部分不飽和非芳香族環又は二環式飽和若しくは部分不飽和環であって、該二環系は、例えば、3~10員、4~10員又は5~10員の非芳香族の単環若しくは二環であり、環の少なくとも1員から5員以下、特に1、2又は3員がN、O及びSから選択されるヘテロ原子であるものを意味し、当業者に既知の安定な組合せでは、残りの環原子は炭素原子である。ヘテロシクリル環の窒素原子及び硫黄原子は任意選択的に酸化され、窒素原子は任意選択的に四級化される。本明細書で使用される場合、ヘテロシクリル環は、二環を形成するために別の環系への縮合環であってもよく、すなわち、ヘテロシクリル環炭素のうちの1個又は2個はさらなる環系と共通する。ヘテロシクリルが二環である場合には、第2の環は芳香族、例えば、縮合フェニル、ピリジル、ピラゾリル又は同種のものであることができる。二環式ヘテロシクリルは、縮合環のいずれかにおいて少なくとも1個のヘテロ原子を有することができる。例えば、部分飽和環に縮合された芳香族環を有する二環は、芳香族環又は部分飽和環中に少なくとも1個のヘテロ原子を含有することができる。置換基である基への二環の結合は、ヘテロ原子を含有する環又は炭素のみを含有する環のいずれかを介することができる。置換基である基へのヘテロシクリルの結合点は、炭素原子又はヘテロ原子(例えば、窒素)を介することができる。置換基である基への二環の結合は、6員のシアノコアに関して、飽和又は部分飽和(すなわち、非芳香族)環からである。特に、R2が、芳香族環に縮合した部分飽和環を含む二環である場合、R2は、その非芳香族部分飽和環から6員のシアノコアに結合されたアミドの窒素に結合する。R1及びR2が一緒になって二環式ヘテロシクリル環を形成する場合、アミド窒素を含有する環は部分飽和であってもよく、さらなる部分飽和環又は芳香族環に縮合してもよい。あるいは、R1及びR2が一緒になって二環式ヘテロシクリル環を形成する場合、アミド窒素を含有する環は飽和であってもよく、さらなる飽和又は部分飽和環に縮合してもよい。ヘテロシクリル基の例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル,ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、イソインドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4-ジヒドロピラニル、3,6-ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H-キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、テトラヒドロイソキノリニル、ピロロピリジニル及びジヒドロピロロピリジニルが含まれる。別段の定めがない限り、Rh、Ri、Rj、R’、R2、R3及びR11の定義内のヘテロシクリルは、非置換であってもよいし、又は本明細書で定義される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0026】
任意の基に適用される「任意選択的に置換された」とは、該基が、所望する場合、1個以上の同じでも又は異なってもよい置換基(例えば1、2、3又は4個の置換基)で置換されてもよいことを意味する。
【0027】
例えば、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、R’、Ri、Rj、R1、R4、R5、R6、R8、R9、R10、Q1aの定義内及びR3の置換基の定義内の「置換された」及び「任意選択的に置換された」C1~C6アルキル(C1~C4アルキル、C1~C3アルキル、及びC1~C2アルキルを含む)、及びC1~C6アルコキシ(C1~C4アルコキシ、C1~C-3アルコキシ、及びC1~C2アルコキシを含む)、及びC2~C6アルケニル(C2~C4アルケニルを含む)、及びC2~C6アルキニル(C2~C4アルキニルを含む)、並びに例えば、Rh、Q1a、Q1b、R7、Q2a及びQ2bの定義内の「置換された」及び「任意選択的に置換された」C0~C3及びC1~C6アルキレン(C1~C3アルキレンを含む)及びC2~C6アルケニレンの好適な置換基の例には、C1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノが含まれる。
【0028】
例えば、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、R’、R2、R3及びR11の定義内の「置換された」及び「任意選択的に置換された」環、すなわち、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリール環の好適な置換基の例には、ハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、アミド、ヒドロキシ、C1~C6アルキル若しくはC1~C3アルキル、C1~C6アルコキシ若しくはC1~C3アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C3~C6シクロアルキル、C1~3アルキルアミノ、C2~6アルケニルアミノ、ジ-C1~C3アルキルアミノ、C1~C3アシルアミノ、ジ-C1~C3アシルアミノ、カルボキシ、C1~C3アルコキシカルボニル、カルボキサミジル、モノ-C1~3カルバモイル、ジ-C1~3カルバモイル又はヒドロカルビル部分がそれ自体、ハロ、特にフルオロ、ヒドロキシル、シアノ、アミノ又はニトロによって置換された上記のうちのいずれかが含まれる。ヒドロキシ及びアルコキシなどの酸素原子を含有する基において、酸素原子を硫黄で置き換えて、チオ(SH)及びチオ-アルキル(S-アルキル)などの基にすることができる。したがって、任意選択的な置換基は、S-メチルなどの基を含む。チオ-アルキル基では、硫黄原子をさらに酸化してスルホキシド又はスルホンにすることができ、したがって、任意選択的な置換基には、S(O)-アルキル及びS(O)2-アルキルなどの基が含まれる。
【0029】
「置換された」及び「任意選択的に置換された」環の好適な置換基の例には、特に、ハロ、オキソ、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリ又はアリールが含まれ、ここで、アルキル又はアルコキシは、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される1個以上(例えば、1、2又は3個)の置換基で任意選択的に置換される。特に、本明細書に開示される「置換された」及び「任意選択的に置換された」環の好適な置換基には、フルオロ、クロロ、オキソ、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシが含まれ、ここで、アルキル又はアルコキシは、C1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される1個以上(例えば、1、2又は3個)の置換基、特に1個以上フルオロで任意選択的に置換される。
【0030】
したがって、置換基には、例えばBr、Cl、F、CN、Me、Et、Pr、t-Bu、i-Bu、OMe、OEt、OPr、CH(CH32、CF3、OCF3、C(O)NHCH3、シクロプロピル、フェニルなどが含まれる。アリール基の場合、置換は、アリール環中の隣接する炭素原子由来の環形態、例えば、O-CH2-Oなどの環状アセタールであってもよい。
【0031】
本発明の好ましい一態様において、XはOを表す。
【0032】
別の好ましい態様において、Xは、N(Rh)を表し、Rhは、水素、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル、C(O)R’、S(O)2R’、又はC0~C3アルキレンリンカーを介した3~6員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル若しくはアリール環を表し、R’は、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル又は3~6員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル若しくはアリール環を表す。好ましくは、Rhは、メチル、C(O)Me、S(O)2Me及びフェニルから選択される。
【0033】
別の好ましい態様において、Xは、C(Ri)(Rj)を表し、Ri及びRjは、各々独立して、水素、フルオロ、シアノ、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル、任意選択的なC1~C3アルコキシ、又は3~6員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル若しくはアリール環、又はRiがRjと結合したスピロ環基を表す。アルキル及びアルコキシは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ又はクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びアリール環は、非置換でもよいし又は置換されてもよい。特に、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びアリールは、非置換であってもよいし、又はハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、アミド、ヒドロキシル、C1~C6アルキル若しくはC1~C3アルキル、C1~C6アルコキシ若しくはC1~C3アルコキシから選択される置換基で置換されてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは、ハロで任意選択的に置換されてもよい。好ましくは、Ri及びRjは、各々、水素を表す。
【0034】
あるいは、Rjは、Ra又はRgに結合して、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキル環を形成してもよい。シクロアルキル環は、非置換であってもよいし、又は置換されてもよい。
【0035】
Xが、O又はN(Rh)である場合、Raは、水素又は任意選択的に置換されたC1~C3アルキルを表すことができる。Raは、水素を表すことができる。Raは、C1~C3アルキルを表すことができる。Raは、メチルを表すことができる。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。好ましくは、Raは水素である。
【0036】
Xが、C(Ri)(Rj)である場合、Raは、水素、フルオロ、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル又は任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシルを表すことができる。Raは、水素を表すことができる。Raは、フルオロを表すことができる。Raは、C1~C3アルキルを表すことができる。Raは、メチルを表すことができる。Raは、C1~C3アルコキシルを表すことができる。Raは、メトキシを表すことができる。アルキル又はアルコキシルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。好ましくは、XがC(Ri)(Rj)である場合、Raは水素又はフルオロである。
【0037】
aが、フルオロ又は任意選択的に置換されたC1~C3アルキルを表す場合、Rb、Rc、Rd、Re、Rf及びRg、並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)は、各々、水素を表すことができる。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくはフルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0038】
あるいは、Xが、C(Ri)(Rj)であるとき、Raは、Rb又はRjに結合して、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキル環を形成してもよい。シクロアルキル環は、非置換でもよいし、又は置換されてもよい。特に、シクロアルキルは、非置換であってもよいし、又はハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、アミド、ヒドロキシル、C1~C6アルキル若しくはC1~C3アルキル、C1~C6アルコキシ若しくはC1~C3アルコキシから選択される置換基で置換されてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは、ハロで任意選択的に置換されてもよい。
【0039】
b、Rc、Rd及びReは、各々独立して、水素又は任意選択的に置換されたC1~C3アルキルを表すことができる。Rbは、水素又はC1~C3アルキルであってもよく、Rcは、水素であってもよい。Rdは、水素又はC1~C3アルキルであってもよく、Reは、水素であってもよい。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0040】
bは、水素を表すことができる。Rbは、C1~C3アルキルを表すことができる。Rbは、メチルを表すことができる。RbがC1~C3アルキルを表す場合、Ra、Rc、Rd、Re、Rf及びRg、Rh(存在する場合)、並びにRi及びRj(存在する場合)は、各々、水素を表す。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0041】
cは、水素を表すことができる。Rcは、C1~C3アルキルを表すことができる。Rcは、メチルを表すことができる。RcがC1~C3アルキルを表す場合、Ra、Rb、Rd、Re、Rf及びRg、Rh(存在する場合)、並びにRi及びRj(存在する場合)は、各々、水素を表すことができる。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0042】
一実施形態において、Rcが水素以外である場合、Rbは水素である。Rb及びRcのうちの1つが水素であるように、Rbが水素以外である場合、Rcは水素である。
【0043】
dは、水素を表すことができる。Rdは、C1~C3アルキルを表すことができる。Rdは、メチルを表すことができる。RdがC1~C3アルキルを表す場合、Ra、Rb、Rc、Re、Rf及びRg、Rh(存在する場合)、並びにRi及びRj(存在する場合)は、各々、水素を表すことができる。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0044】
eは、水素を表すことができる。Reは、C1~C3アルキルを表すことができる。Reは、メチルを表すことができる。ReがC1~C3アルキルを表す場合、Ra、Rb、Rc、Rd、Rf及びRg、Rh(存在する場合)、並びにRi及びRj(存在する場合)は、各々、水素を表すことができる。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0045】
一実施形態において、Reが水素以外である場合、Rdは水素である。Rd及びReのうちの1つが水素であるように、Rdが水素以外である場合、Reは水素である。
【0046】
XがO又はN(Rh)である場合、Rf及びRgは、水素、シアノ又は任意選択的に置換されたC1~C3アルキルを表すことができる。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0047】
XがO又はN(Rh)である場合、Rfは、水素を表すことができる。Rfは、シアノを表すことができる。Rfは、C1~C3アルキルを表すことができる。Rfは、メチルを表すことができる。Rfがシアノ又はC1~C3アルキルを表す場合、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRg、Rh(存在する場合)、並びにRi及びRj(存在する場合)は、各々、水素を表すことができる。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0048】
XがO又はN(Rh)である場合、Rgは、水素を表すことができる。Rgは、シアノを表すことができる。Rgは、C1~C3アルキルを表すことができる。Rgは、メチルを表すことができる。Rgがシアノ又はC1~C3アルキルを表す場合、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRf、Rh(存在する場合)、並びにRi及びRj(存在する場合)は、各々、水素を表すことができる。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0049】
XがC(Ri)(Rj)である場合、Rf及びRgは、各々独立して、水素、フルオロ、シアノ、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル又は任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシを表す。アルキル又はアルコキシは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0050】
XがC(Ri)(Rj)である場合、Rfは、水素を表すことができる。Rfは、フルオロを表すことができる。Rfは、シアノを表すことができる。Rfは、C1~C3アルキルを表すことができる。Rfは、メチルを表すことができる。Rfは、C1~C3アルコキシを表すことができる。Rfは、メトキシを表すことができる。Rfがフルオロ、シアノ、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル又は任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシを表す場合、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rg、Rh、並びにRi及びRj(存在する場合)は、各々、水素を表すことができる。アルキル又はアルコキシは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0051】
XがC(Ri)(Rj)である場合、Rgは、水素を表すことができる。Rgは、フルオロを表すことができる。Rgは、シアノを表すことができる。Rgは、C1~C3アルキルを表すことができる。Rgは、メチルを表すことができる。Rgは、C1~C3アルコキシを表すことができる。Rgは、メトキシを表すことができる。Rgが、フルオロ、シアノ、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル又は任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシを表す場合、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rh及びRi及びRj(存在する場合)は、各々、水素を表すことができる。アルキル又はアルコキシは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0052】
XがC(Ri)(Rj)である場合、特定の例において、Rf及びRgは、水素及びフルオロから独立して選択される。Rf及びRgは、各々、水素を表すことができる。Rf及びRgは、各々、フルオロを表すことができる。Rfが水素である場合、Rgはフルオロを表すことができる。Rfがフルオロである場合、Rgは水素を表すことができる。
【0053】
一実施形態において、Rgが水素以外である場合、Rfは水素である。Rf及びRgのうちの1つが水素であるように、Rfが水素以外である場合、Rgは水素である。
【0054】
あるいは、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Ri及びRjは、各々独立して、1個以上スピロ環基を表すことができる。RbはRcに結合して、スピロ環を形成してもよい。さらに又はあるいは、RdはReに結合して、スピロ環基を形成してもよい。さらに又はあるいは、RfはRgに結合して、スピロ環を形成してもよい。さらに又はあるいは、RiはRjに結合して、スピロ環を形成してもよい。スピロ環は、3、4、5又は6個の原子、特に、3又は4個の原子を含有することができる。Rb及びRcが一緒になってスピロ環を形成する場合、Ra、Rd、Re、Rf及びRg、並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)は、水素であってもよい。Rd及びReが一緒になってスピロ環を形成する場合、Ra、Rb、Rc、Rf及びRg、並びに存在する場合にはRh又はRi及びRjは、水素であってもよい。Rf及びRgが一緒になってスピロ環を形成する場合、Ra、Rb、Rc、Rd及びRe、並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)は、水素であってもよい。Ri及びRjが一緒になってスピロ環を形成する場合、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは、水素であってもよい。スピロ環は、1個の環原子を6員のシアノコアと共有する。スピロ環基は、置換されてもよいし、又は非置換でもよい。特に、スピロ環基は、非置換であってもよいし、又はハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、アミド、ヒドロキシル、C1~C6アルキル若しくはC1~C3アルキル、C1~C6アルコキシ若しくはC1~C3アルコキシから選択される置換基で置換されてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは、ハロで任意選択的に置換されてもよい。
【0055】
シアノピロリジンコアの炭素環原子に結合した隣接するR基は一緒になって、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキル環を形成してもよい。例えば、RaはRb又はRjと一緒になって、ReはRfと一緒になって、RgはRjと一緒になる。そのような場合、好ましくは1個のシクロアルキル基が存在するが、残りのR基は、各々、水素を表す。C3~C4シクロアルキル環は、非置換であってもよいし、又はハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、アミド、ヒドロキシル、C1~C6アルキル若しくはC1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ若しくはC1~C3アルコキシから選択される置換基で置換されてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは、ハロで任意選択的に置換されてもよい。
【0056】
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf又はRg並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)のうちの1個は水素以外であってもよく、残りは、各々、水素である。
【0057】
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf又はRg並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)のうちの2個は水素以外であってもよく、残りは、各々、水素である。
【0058】
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf又はRg並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)のうちの3個は水素以外であってもよく、残りは、各々、水素である。
【0059】
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf又はRg並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)のうちの4個は水素以外であってもよく、残りは、各々、水素である。
【0060】
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf又はRg並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)のうちの5個は水素以外であってもよく、残りは、各々、水素である。
【0061】
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf又はRg並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)のうちの6個は水素以外であってもよく、残りは、各々、水素である。
【0062】
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf又はRg並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)のうちの1、2、3、4、5又は6個は水素以外であり、他のR基は上記の定義に従う基を表す。特に、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf又はRg並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)のうちの1、2、3又は4個は水素以外であり、残りは、各々、水素を表す。より特定的には、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf又はRg並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)のうちの1又は2個は水素以外であり、残りは、各々、水素を表す。
【0063】
特に、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf又はRg並びにRh又はRi及びRj(存在する場合)は、各々、水素を表すことができる。
【0064】
本明細書で定義される式(I)において、R1は、水素又は任意選択的に置換されたC1~C3アルキルを表すことができる。R1は、水素を表すことができる。R1は、任意選択的に置換されたC1~C3アルキルを表すことができる。R1は、任意選択的に置換されたメチル又はエチルを表すことができる。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロ、特に、ハロ(好ましくは、フルオロ若しくはクロロ)、ヒドロキシル及びシアノから選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0065】
本明細書で定義される式(I)において、R2は、5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール又はアリール環を表すことができる。ヘテロアリール又はアリール環は、置換されていても、又は非置換でもよい。
【0066】
2環が二環式ヘテロアリール又はアリール環である場合、第2の環(すなわち、6員シアノコアに結合したアミドの窒素に結合していない環)は、芳香族又は部分飽和であってもよく、したがって5~10員のヘテロアリール又はアリール環中のすべての原子が芳香族系にある必要はないが、5~10個の原子内に少なくとも1個のアリール又はヘテロアリール環がなければならず、このアリール又はヘテロアリール環はアミド窒素に直接結合していなければならない。
【0067】
あるいは、R2は、3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル又はシクロアルキル環を表すことができる。R2がヘテロシクリル又はシクロアルキル環を表す場合、環は置換されていなければならない。
【0068】
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式又は二環式ヘテロアリール環を形成してもよい。ヘテロアリール環は、置換されていても又は非置換であってもよい。
【0069】
あるいは、R1及びR2は一緒になって、4~10員の単環式又は二環式ヘテロシクリル環を形成する。R1及びR2が一緒になってヘテロシクリル環を形成する場合、環は置換されていなければならない。
【0070】
1及びR2が一緒になってヘテロアリール環を形成する場合、アミド窒素を含有する環は芳香族であり、さらなる芳香族環又は部分飽和環と縮合していてもよく、したがってヘテロアリール環中の全ての原子が芳香族系にある必要はないが、5~10個の原子内に少なくとも1個の芳香族環がなければならない。
【0071】
1及びR2が一緒になってヘテロシクリル環を形成する場合、アミド窒素を含有する環は部分飽和であってもよく、さらなる部分飽和環又は芳香族環に縮合していてもよい。あるいは、R1及びR2が一緒になってヘテロシクリル環を形成する場合、アミド窒素を含有する環は飽和であってもよく、さらなる飽和又は部分飽和環に縮合していてもよい。
【0072】
2は、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール若しくはアリール環、又は3~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル若しくはシクロアルキル環を表してもよく、あるいはR1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール環、又は4~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル環を形成してもよく、置換されている場合、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3n、特に、1又は2個の-Q1(R3nで置換されてもよい。
【0073】
2は、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたアリール又はヘテロアリール環を表してもよく、置換されている場合、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3n、特に、1又は2個の-Q1(R3nで置換されてもよい。
【0074】
特に、R2は、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3nで任意選択的に置換された5又は6員のアリール又はヘテロアリール環を表してもよく、あるいはR2は、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3nで置換された5若しくは6員のヘテロシクリル又はシクロアルキル環を表すことができる。
【0075】
あるいは、R2は、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3nで任意選択的に置換されてもよい9又は10員の二環式アリール又はヘテロアリール環を表すことができるし、あるいは、R2は、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3nで任意選択的に置換されてもよい9又は10員の二環式ヘテロシクリル又はシクロアルキル環を表すことができる。
【0076】
1及びR2は、1個以上(例えば、1、2又は3個)の-Q1(R3nで任意選択的に置換されてもよい4員のヘテロシクリル環を表すことができる。
【0077】
あるいは、R1及びR2は、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3nで任意選択的に置換されてもよい5~8員の単環式ヘテロアリール環を表すことができる。あるいは、R1及びR2は、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3nで任意選択的に置換された5又は6員の単環式ヘテロアリール環を表すことができる。
【0078】
あるいは、R1及びR2は、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3nで任意選択的に置換されてもよい5~8員の単環式ヘテロシクリル環を表すことができる。あるいは、R1及びR2は、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3nで置換された5又は6員の単環式ヘテロシクリル環を表すことができる。
【0079】
あるいは、R1及びR2は、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3nで任意選択的に置換されてもよい9又は10員の二環式ヘテロアリール環を表すことができる。あるいは、R1及びR2は、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の-Q1(R3nで任意選択的に置換されてもよい9~10員の二環式ヘテロシクリル環を表すことができる。
【0080】
2又はR1がR2と一緒になって形成する環がヘテロアリール又はヘテロシクリル環である場合、環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1個以上(例えば、1、2又は3個)のヘテロ原子を含むことができる。特に、ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、少なくとも1個の窒素原子、例えば1、2又は3個の窒素原子、好ましくは1又は2個の窒素ヘテロ原子を含有する。
【0081】
2は、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリニル、インドリジニル、イソインドリル、イソインドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル,イソオキサゾリル、オキサジアゾイル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ピロロピリジニル、テトラヒドロピリドピラジニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ジヒドロピロロピリジニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、ビシクロヘプタン、ビシクロオクタン、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル,ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4-ジヒドロピラニル、3,6-ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H-キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群から選択することができる。
【0082】
特に、R2は、ピリジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソキノリニル、フェニル,イソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリダジニル及びピロリジニルから選択することができる。
【0083】
1がR2と一緒になって形成する環は、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリニル、インドリジニル、イソインドリル、イソインドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル,イソオキサゾリル、オキサジアゾイル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ピロロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロピリドピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル,ジアゼパニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H-キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群から選択することができる。
【0084】
特に、R1がR2と一緒になって形成する環は、ジヒドロピロロピリジニルであってもよい。
【0085】
2の例には、以下に示したものが含まれる:
【0086】
【表1】
【0087】
(式中、
【0088】
【化2】
【0089】
は、分子の残部、すなわち6員シアノコアに結合したアミドの窒素との結合点を表し、環A~Nは、本明細書に記載の通りに任意選択的に置換され、環Oは、本明細書に記載の通りに置換される。環窒素原子に結合した水素原子は示されていない。)。どの環窒素原子が置換に好適であるかということ、及び非置換の場合には、窒素は水素原子と結合してその原子価を完全にし得ることは当業者に理解されるであろう。
【0090】
1及びR2が一緒になって形成する環の例には、以下に示す環が含まれる:
【0091】
【化3】
【0092】
式中、
【0093】
【化4】
【0094】
は、分子の残部、すなわち6員のシアノコアに結合したカルボニルとの結合点を表し、環は、本明細書に記載の通りに任意選択的に置換される。
【0095】
置換されている場合、R2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、1個以上-Q1(R3n、特に、1又は2個の-Q1(R3nで置換することができ、各出現の-Q1(R3nは同じでも又は異なってもよく、
nは0又は1であり、
nが0である場合、Q1はQ1aを表し、
nが1である場合、Q1はQ1bを表す。
【0096】
nは0であってよい。あるいは、nは1であってもよい。
【0097】
1aは、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR4、-NR45、-CONR45、-C0-C3-アルキレン-NR4COR5、-NR4CONR56、-COR4、-C(O)OR4、-SO24、-SO2NR45、-NR4SO25、-NR4SO2NR56、-NR4C(O)OR5、任意選択的に置換された-C1~C6アルキル、任意選択的に置換されたC1~C6アルコキシ、任意選択的に置換された-C2~C6アルケニルから選択してもよい。アルキル、アルコキシ又はアルケニルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される基で置換されてもよい。
【0098】
特に、Q1aは、ハロ、シアノ、任意選択的に置換されたC1~C3アルキル、及び任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシから選択してもよい。Q1aは、ハロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ及びプロポキシから選択してもよい。Q1aは、任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシであってもよい。特定の例において、Q1aはプロポキシである。アルキル又はアルコキシは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される基で置換されてもよい。
【0099】
1bは、共有結合、酸素原子、硫黄原子、-OR7-、-SO-、-SO2-、-CO-、-C(O)O-、-C0~C3-アルキレン-C(O)NR4-C0~C3アルキレン、-C0~C3-アルキレン-NR4-C0~C3アルキレン、-C0~C3-アルキレン-NR4C(O)-C0~C3アルキレン、-NR4CONR5-、-SO2NR4-、NR4SO2-、-NR4SO2NR5-、-NR4C(O)O-、-NR4C(O)OR7-、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレン、又は任意選択的に置換された-C2~C6アルケニレンから選択される。特定の例において、Q1bは共有結合である。アルキレン又はアルケニレンは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される基で置換されてもよい。
【0100】
4、R5及びR6は、各々独立して、水素又は任意選択的に置換されたC1~C6アルキルを表す。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される基で置換されてもよい。
【0101】
7は、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレンを表す。アルキレンは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される基で置換されてもよい。
【0102】
特定の例において、R2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、さらなる環で置換され、すなわち、R2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、少なくとも1個の-Q1-(R3nで置換され、ここで、nは1である。
【0103】
nが1である場合、R3は、任意選択的に置換された3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環を表す(nが0である場合、R3は存在せず、Q1はQ1aとして存在する)。ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環は、非置換でもよいし、又は置換されてもよい。
【0104】
3は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル,イソオキサゾリル、オキサジアゾイル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ピロロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロピリドピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル,ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4-ジヒドロピラニル、3,6-ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H-キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルから選択することができる。
【0105】
3は、任意選択的に置換された3又は4員のヘテロシクリル又はシクロアルキル環を表すことができる。
【0106】
あるいは、R3は、任意選択的に置換された5又は6員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキル環を表すことができる。
【0107】
あるいは、R3は、任意選択的に置換された9又は10員の二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキル環を表すことができる。
【0108】
特に、R3は、置換又は非置換フェニル、ピラゾリル、ピリジニル及びインダゾリルから選択される。
【0109】
より特定的には、R3は、置換又は非置換フェニルである。
【0110】
本明細書の記載のすべての場合において、R3は、ハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR8、任意選択的に置換された-C1~C6アルキル、任意選択的に置換された-C1~C6アルコキシ、任意選択的に置換された-C2~C6アルケニル、任意選択的に置換された-C2~C6アルキニル、-Q2a-R11、-Q2a-O-Q2b-R11、-Q2a-S-Q2b-R11、-Q2a-SO-Q2b-R11、-Q2a-NR8CONR910、-Q2a-NR8CONR9-Q2a-R11、-Q2a-NR89、-Q2a-NR8-Q2b-R11、-Q2a-COR8、-Q2a-CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8COR9、-Q2a-NR8CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8C(O)OR9、-Q2a-NR8C(O)O-Q2b-R11、-Q2a-SO28、-Q2a-SO2-Q2b-R11、Q2a-CONR89、-Q2a-CONR8-Q2b-R11、-Q2a-CO28、-Q2a-CO2-Q2b-R11、-Q2a-SO2NR89、-Q2a-SO2NR8-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO29、-Q2a-NR8SO2-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO2NR910、及び-Q2a-NR8SO2NR9-Q2b-R11から独立して選択される1個以上の置換基で任意選択的に置換することができ、アルキル、アルコキシ、アルケニル又はアルキニルは、C1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される1個以上の置換基で任意選択的に置換される。
【0111】
2a及びQ2bは、各々独立して、共有結合、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレン又は任意選択的に置換されたC2~C6アルケニレンを表す。特に、Q2aは、共有結合を表す。特に、Q2bは、共有結合を表す。アルキレン又はアルケニレンは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される基で置換されてもよい。
【0112】
8、R9及びR10は、各々独立して、水素又は任意選択的に置換されたC1~C6アルキルを表す。特に、R8、R9及びR10は、各々、水素を表す。アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される基で置換されてもよい。
【0113】
11は、任意選択的に置換された3~10員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキル環を表す。ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキルは、非置換でもよいし、又は置換されてもよい。特に、R11は、C3~C4シクロアルキル環又は5又は6員のアリール又はヘテロアリール環を表す。より特定的には、R11は、5又は6員のヘテロアリール環を表す。より特定的には、R11は、ピラゾリルを表す。R11は、非置換であってもよいし、又はハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、アミド、ヒドロキシル、C1~C6アルキル若しくはC1~C3アルキル、C1~C6アルコキシ若しくはC1~C3アルコキシから選択される置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは、ハロで任意選択的に置換されてもよい。
【0114】
特に、R3は、ハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR8、任意選択的に置換された-C1~C6アルキル、任意選択的に置換された-C1~C6アルコキシ、任意選択的に置換された-C2~C6アルケニル、任意選択的に置換された-C2~C6アルキニル、-Q2a-NR8CONR910、-Q2a-NR89、-Q2a-COR8、-Q2a-NR8COR9、-Q2a-NR8C(O)OR9、-Q2a-SO28、-Q2a-CONR89、-Q2a-CO28、-Q2a-SO2NR89、-Q2a-NR8SO29、及び-Q2a-NR8SO2NR910から独立して選択される1個以上の置換基で任意選択的に置換することがき、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル又はアルキニルは、C1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される1個以上の置換基で任意選択的に置換される。
【0115】
2a及びQ2bは、各々独立して、共有結合、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレン又は任意選択的に置換されたC2~C6アルケニレンを表し、ここで、アルキレン又はアルケニレンは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される基で置換されてもよい。
【0116】
8、R9及びR10は、各々独立して、水素又は任意選択的に置換されたC1~C6アルキルを表し、ここで、アルキルは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される基で置換されてもよい。
【0117】
3は、ハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR8、任意選択的に置換された-C1~C6アルキル、任意選択的に置換された-C1~C6アルコキシ、任意選択的に置換された-C2~C6アルケニル、任意選択的に置換された-C2~C6アルキニル、-Q2a-R11、-Q2a-O-Q2b-R11、-Q2a-S-Q2b-R11、-Q2a-SO-Q2b-R11、-Q2a-NR8CONR910、-Q2a-NR8CONR9-Q2a-R11、-Q2a-NR89、-Q2a-NR8-Q2b-R11、-Q2a-COR8、-Q2a-CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8COR9、-Q2a-NR8CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8C(O)OR9、-Q2a-NR8C(O)O-Q2b-R11、-Q2a-SO28、-Q2a-SO2-Q2b-R11、Q2a-CONR89、-Q2a-CONR8-Q2b-R11、-Q2a-CO28、-Q2a-CO2-Q2b-R11、-Q2a-SO2NR89、-Q2a-SO2NR8-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO29、-Q2a-NR8SO2-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO2NR910、及び-Q2a-NR8SO2NR9-Q2b-R11から独立して選択される1個以上(例えば、1、2、3又は4個)、特に、1又は2個の置換基で置換することができ、Q2a及びQ2bは、各々独立して、共有結合、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレン又は任意選択的に置換されたC2~C6アルケニレンを表し、R8、R9及びR10は、各々独立して、水素又は任意選択的に置換されたC1~C6アルキルを表し、R11は、任意選択的に置換された3~10員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキルを表し、ここで、任意のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキレン又はアルケニレンは、C1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の置換基で任意選択的に置換され、任意のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキルは、非置換でもよいし、又は置換されてもよい。
【0118】
特に、R3は、ハロ(例えば、フルオロ又はクロロ)、シアノ、C1~C2アルキル(例えば、メチル)、-C1~C3アルコキシ(例えば、メトキシ又はイソプロポキシ)、-Q2a-C(O)NR89から選択される1個以上の置換基で置換することができ、ここで、Q2aは共有結合であり、R8及びR9は両方とも水素であり、ここで、アルキル及びアルコキシは、1個以上フルオロで任意選択的に置換されてもよい。
【0119】
より特定的には、R3は、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、CF3、メトキシ、イソプロポキシ及び-C(O)NH2から選択される1個以上の置換基で置換されてもよい。
【0120】
特定の例において、R3はシアノで置換される。
【0121】
3は、未置換でもよいし、一置換又は二置換でもよい。
【0122】
ある種の場合において、R3は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル,イソオキサゾリル、オキサジアゾイル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ピロロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロピリドピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル,ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4-ジヒドロピラニル、3,6-ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H-キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルから選択される3~10員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキル環を表し、これらは非置換であるか、又はハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR8、任意選択的に置換された-C1~C6アルキル、任意選択的に置換された-C1~C6アルコキシ、任意選択的に置換された-C2~C6アルケニル、任意選択的に置換された-C2~C6アルキニル、-Q2a-R11、-Q2a-O-Q2b-R11、-Q2a-S-Q2b-R11、-Q2a-SO-Q2b-R11、-Q2a-NR8CONR910、-Q2a-NR8CONR9-Q2a-R11、-Q2a-NR89、-Q2a-NR8-Q2b-R11、-Q2a-COR8、-Q2a-CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8COR9、-Q2a-NR8CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8C(O)OR9、-Q2a-NR8C(O)O-Q2b-R11、-Q2a-SO28、-Q2a-SO2-Q2b-R11、Q2a-CONR89、-Q2a-CONR8-Q2b-R11、-Q2a-CO28、-Q2a-CO2-Q2b-R11、-Q2a-SO2NR89、-Q2a-SO2NR8-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO29、-Q2a-NR8SO2-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO2NR910及び-Q2a-NR8SO2NR9-Q2b-R11から選択される1個以上(例えば、1、2又は3個)の置換基で置換されているかのいずれかであり、Q2a及びQ2bは、各々独立して、共有結合、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレン又は任意選択的に置換されたC2~C6アルケニレンを表し、R8、R9及びR10は、各々独立して、水素又は任意選択的に置換されたC1~C6アルキルを表し、R11は、任意選択的に置換された3~10員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキルを表し、ここで、任意のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキレン又はアルケニレンは、C1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の置換基で任意選択的に置換され、任意のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキルは、非置換でもよいし、又は置換されてもよい。
【0123】
3は、フェニル、ピラゾリル、ピリジニル及びインダゾリルから選択される環を表すことができ、環は、非置換であるか、又はハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR8、任意選択的に置換された-C1~C6アルキル、任意選択的に置換された-C1~C6アルコキシ、任意選択的に置換された-C2~C6アルケニル、任意選択的に置換された-C2~C6アルキニル、-Q2a-R11、-Q2a-O-Q2b-R11、-Q2a-S-Q2b-R11、-Q2a-SO-Q2b-R11、-Q2a-NR8CONR910、-Q2a-NR8CONR9-Q2a-R11、-Q2a-NR89、-Q2a-NR8-Q2b-R11、-Q2a-COR8、-Q2a-CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8COR9、-Q2a-NR8CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8C(O)OR9、-Q2a-NR8C(O)O-Q2b-R11、-Q2a-SO28、-Q2a-SO2-Q2b-R11、Q2a-CONR89、-Q2a-CONR8-Q2b-R11、-Q2a-CO28、-Q2a-CO2-Q2b-R11、-Q2a-SO2NR89、-Q2a-SO2NR8-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO29、-Q2a-NR8SO2-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO2NR910及び-Q2a-NR8SO2NR9-Q2b-R11から選択される1個以上、特に、1又は2個の置換基で置換され、Q2a及びQ2bは、各々独立して、共有結合、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレン又は任意選択的に置換されたC2~C6アルケニレンを表し、R8、R9及びR10は、各々独立して、水素又は任意選択的に置換されたC1~C6アルキルを表し、R11は、任意選択的に置換された3~10員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキルを表し、ここで、任意のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキレン又はアルケニレンは、C1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の置換基で任意選択的に置換され、任意のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキルは、非置換でもよいし、又は置換されてもよい。
【0124】
3は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル,イソオキサゾリル、オキサジアゾイル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ピロロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロピリドピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル,ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4-ジヒドロピラニル、3,6-ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H-キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルから選択される環を表すことができ、環は、非置換であるか、又はハロ(例えば、フルオロ又はクロロ)、シアノ、C1~C2アルキル(例えば、メチル)、-C1~C3アルコキシ(例えば、メトキシ又はイソプロポキシ)及び-Q2a-C(O)NR89から選択される1個以上(例えば、1、2又は3個)の置換基で置換され、Q2aは、共有結合であり、R8及びR9は両方とも、水素であり、アルキルは、1個以上フルオロで任意選択的に置換されてもよい。
【0125】
特に、R3は、フェニル、ピラゾリル、ピリジニル及びインダゾリルから選択することができ、環は、非置換であってもよいし、又はハロ(例えば、フルオロ又はクロロ)、シアノ、C1~C2アルキル(例えば、メチル)、-C1~C3アルコキシ(例えば、メトキシ又はイソプロポキシ)及び-Q2a-C(O)NR89から選択される1個以上(例えば、1、2又は3個)置換基で置換されていてもよく、Q2aは共有結合であり、R8及びR9は両方とも水素であり、アルキルは、1個以上のフルオロで任意選択的に置換されてもよい。
【0126】
本発明は、さらに、式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩に関し、式中、
Xは、O、N(Rh)又はCH2を表し、
aは、水素又はフルオロを表し、
b、Rc、Rd及びReは、各々、水素であり、
f及びRgは、各々独立して、水素又はフルオロを表し、
XがO又はN(Rh)である場合、Ra、Rf又はRgのいずれかは、フルオロを表さず、
hは、メチル、C(O)Me、S(O)2Me又はフェニルを表し、
1は、水素又は任意選択的に置換されたC1~C3アルキルを表し、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール又はアリール環、又は3~10員の単環式若しくは二環式置換されたヘテロシクリル又はシクロアルキル環を表し、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール環、又は4~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル環を形成し、置換されている場合、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環は、1、2又は3個の-Q1(R3nで置換され、各-Q1-(R3nは同じか又は異なり、
nは、0又は1であり、
1及びR3は、本明細書で定義する通りである。
【0127】
特に、Q1は、Q1a又はQ1bを表す。Q1a置換基は、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR4、-NR45、-CONR45、-C0-C3-アルキレン-NR4COR5、-NR4CONR56、-COR4、-C(O)OR4、-SO24、-SO2NR45、-NR4SO25、-NR4SO2NR56、-NR4C(O)OR5、任意選択的に置換された-C1~C6アルキル、任意選択的に置換されたC1~C6アルコキシ、及び任意選択的に置換された-C2~C6アルケニルから独立して選択され、Q1b置換基は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、-OR7-、-SO-、-SO2-、-CO-、-C(O)O-、-C0-C3-アルキレン-C(O)NR4-C0-C3アルキレン、-C0-C3-アルキレン-NR4-C0-C3アルキレン、-C0-C3-アルキレン-NR4C(O)-C0-C3アルキレン、-NR4CONR5-、-SO2NR4-、NR4SO2-、-NR4SO2NR5-、-NR4C(O)O-、-NR4C(O)OR7-、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレン、及び任意選択的に置換された-C2~C6アルケニレンから独立して選択される。
【0128】
アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキレン又はアルケニレンは、非置換であってもよいし、又はC1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、R4、R5、R6及びR7は、本明細書で定義する通りであり、R3は、ハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR8、任意選択的に置換された-C1~C6アルキル、任意選択的に置換された-C1~C6アルコキシ、任意選択的に置換された-C2~C6アルケニル、任意選択的に置換された-C2~C6アルキニル、-Q2a-R11、-Q2a-O-Q2b-R11、-Q2a-S-Q2b-R11、-Q2a-SO-Q2b-R11、-Q2a-NR8CONR910、-Q2a-NR8CONR9-Q2a-R11、-Q2a-NR89、-Q2a-NR8-Q2b-R11、-Q2a-COR8、-Q2a-CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8COR9、-Q2a-NR8CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8C(O)OR9、-Q2a-NR8C(O)O-Q2b-R11、-Q2a-SO28、-Q2a-SO2-Q2b-R11、Q2a-CONR89、-Q2a-CONR8-Q2b-R11、-Q2a-CO28、-Q2a-CO2-Q2b-R11、-Q2a-SO2NR89、-Q2a-SO2NR8-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO29、-Q2a-NR8SO2-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO2NR910、及び-Q2a-NR8SO2NR9-Q2b-R11から独立して選択される1又は2個の置換基で任意選択的に置換された5又は6員のヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル又はアリール環であり、Q2a及びQ2bは、各々独立して、共有結合、任意選択的に置換されたC1~C6アルキレン又は任意選択的に置換されたC2~C6アルケニレンを表し、R8、R9及びR10は、各々独立して、水素又は任意選択的に置換されたC1~C6アルキルを表し、R11は、任意選択的に置換されたC3~C4ヘテロシクリルを表し、ここで、任意のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキレン又はアルケニレンは、C1~C6アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ及びニトロから選択される1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の置換基で任意選択的に置換され、C3~C4ヘテロシクリルは、非置換であってもよいし、又はC1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、ハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、アミド、ヒドロキシル、ニトロ、C1~C6アルキル又はC1~C3アルキル、C1~C6アルコキシ又はC1~C3アルコキシから選択される置換基で置換されてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは、ハロで任意選択的に置換されてもよい。
【0129】
本発明はさらに、式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩に関し、式中、
Xは、O、N(Rh)又はCH2を表し、
a、Rf及びRgは、各々独立して、水素又はフルオロを表し、
b、Rc、Rd及びReは、各々、水素であり、
XがO又はN(Rh)である場合、Ra、Rf又はRgのいずれかは、フルオロを表さず、
hは、メチル、C(O)Me、S(O)2Me又はフェニルを表し、
1は、水素又は任意選択的に置換されたC1~C3アルキルを表し、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール又はアリール環、又は3~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル又はシクロアルキル環を表し、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール環、又は4~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル環を形成し、置換されている場合、1、2又は3個の-Q1(R3nで置換することができ、各-Q1-(R3nは同じか又は異なり;
nは、0又は1であり、
1は、Q1a又はQ1bを表し、
1aは、任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシであり、
1bは、共有結合であり、
3は、置換又は非置換フェニル、ピラゾリル、ピリジニル又はインダゾリルを表す。
【0130】
本発明の好ましい実施形態において、式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
Xは、O、N(Rh)及びC(Ri)(Rj)から選択され、
aは、水素、フルオロ、C1~C3アルキル及びC1~C3アルコキシから選択され、あるいはRaはRb又はRjと結合して、C3~C4シクロアルキル環を形成し、
b、Rc、Rd及びReは、各々、水素、C1~C3アルキル及び1個以上のスピロ環基から独立して選択され、RbはRcと結合して又はRdはReと結合して、C3~C4シクロアルキルを形成し、あるいはRbはRaと結合して又はReはRfと結合して、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキルを形成し、
f及びRgは、各々独立して、水素、フルオロ、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ及び1個以上のスピロ環基から選択され、RfはRgと結合してC3~C4シクロアルキル環を形成し、あるいはRfはReと結合して又はRgはRjと結合して、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキルを形成し、
XがO又はN(Rh)である場合、Ra、Rf又はRgのいずれかは、フルオロ又は任意選択的に置換されたC1~C3アルコキシではなく、
hは、水素、C1~C3アルキル、C(O)R’、S(O)2R’及びC0~C3アルキレンリンカーを介した3~6員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環から選択され、
R’は、C1~C3アルキル及び3~6員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環から選択され、
i及びRjは、各々独立して、水素、フルオロ、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、3~6員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環及びスピロ環基から選択され、RiはRjと結合して又はRjはRg又はRaと結合して、任意選択的に置換されたC3~C4シクロアルキルを形成し、
1は、水素及びC1~C3アルキルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール又はアリール環、及び3~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル又はシクロアルキル環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール環、又は4~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル環を形成し、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、置換されている場合、1個以上の同じでも又は異なってもよい-Q1(R3nで置換され、
nは、0又は1であり、
1は、Q1a又はQ1bを表し、
1aは、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR4、-NR45、-CONR45、-C0-C3-アルキレン-NR4COR5、-NR4CONR56、-COR4、-C(O)OR4、-SO24、-SO2NR45、-NR4SO25、-NR4SO2NR56、-NR4C(O)OR5、-C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ及び-C2-C6アルケニルから選択され、
1bは、共有結合、酸素原子、硫黄原子、-OR7-、-SO-、-SO2-、-CO-、-C(O)O-、-C0-C3-アルキレン-C(O)NR4-C0-C3アルキレン、-C0-C3-アルキレン-NR4-C0-C3アルキレン、-C0-C3-アルキレン-NR4C(O)-C0-C3アルキレン、-NR4CONR5-、-SO2NR4-、NR4SO2-、-NR4SO2NR5-、-NR4C(O)O-、-NR4C(O)OR7-、C1-C6アルキレン及び-C2~C6アルケニレンから選択され、
3は、3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環であり、
4、R5及びR6は、各々独立して、水素及びC1~C6アルキルから選択され、
7は、C1~C6アルキレンであり、
3は、ハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、-SR8、-C1-C6アルキル、-C1-C6アルコキシ、-C2-C6アルケニル、-C2-C6アルキニル、-Q2a-R11、-Q2a-O-Q2b-R11、-Q2a-S-Q2b-R11、-Q2a-SO-Q2b-R11、-Q2a-NR8CONR910、-Q2a-NR8CONR9-Q2a-R11、-Q2a-NR89、-Q2a-NR8-Q2b-R11、-Q2a-COR8、-Q2a-CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8COR9、-Q2a-NR8CO-Q2b-R11、-Q2a-NR8C(O)OR9、-Q2a-NR8C(O)O-Q2b-R11、-Q2a-SO28、-Q2a-SO2-Q2b-R11、Q2a-CONR89、-Q2a-CONR8-Q2b-R11、-Q2a-CO28、-Q2a-CO2-Q2b-R11、-Q2a-SO2NR89、-Q2a-SO2NR8-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO29、-Q2a-NR8SO2-Q2b-R11、-Q2a-NR8SO2NR910、及び-Q2a-NR8SO2NR9-Q2b-R11から独立して選択される1個以上の置換基で任意選択的に置換され、
2a及びQ2bは、各々独立して、共有結合、C1~C6アルキレン又はC2~C6アルケニレンを表し、
8、R9及びR10は、各々独立して、水素及びC1~C6アルキルから選択され、
11は、3~10員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール又はシクロアルキルであり、
各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~5個、好ましくは1~3個のヘテロ原子を含む。
【0131】
好ましくは、Raは、水素、フルオロ、C1~C3アルキル及びC1~C3アルコキシから選択される。
【0132】
好ましくは、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立して、水素及びC1~C3アルキルから選択される。
【0133】
好ましくは、Rf及びRgは、各々、水素、フルオロ、シアノ、C1~C3アルキル及びC1~C3アルコキシから独立して選択される。
【0134】
好ましくは、Rhは、水素、C1~C3アルキル、C(O)R’、S(O)2R’及びフェニルから選択される。
【0135】
好ましくは、R’は、C1~C3アルキルである。
【0136】
好ましくは、Ri及びRjは、各々独立して、水素、フルオロ、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ及びフェニルから選択される。
【0137】
Xが酸素を表す、本発明の好ましい態様の好ましい実施形態において、本発明は、式(IA)の化合物である式(I)の化合物:
【0138】
【化5】
【0139】
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf及びRgは、各々独立して、水素及びC1~C3アルキルから選択され、好ましくは、各々独立して、水素及びメチルから選択され、
1は、水素及びC1~C3アルキルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール又はアリール環、及び3~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル又はシクロアルキル環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール環、又は4~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル環形成し、
各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、置換されている場合、1個以上の同じでも又は異なってもよい-Q1(R3nで置換され、
1、R3及びnは、本明細書に定義する通りである。
【0140】
XがN(Rh)を表す、本発明の好ましい態様の好ましい実施形態において、本発明は、式(IB)の化合物である式(I)の化合物:
【0141】
【化6】
【0142】
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf及びRgは、各々独立して、水素及びC1~C3アルキルから選択され、好ましくは、各々独立して、水素及びメチルから選択され、
hは、水素、C1~C3アルキル、C(O)(C1~C3)アルキル、S(O)2(C1~C3)アルキル及びフェニルから選択され、
1は、水素及びC1~C3アルキルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール又はアリール環及び3~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル又はシクロアルキル環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール環、又は4~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル環を形成し、
各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、置換されている場合、1個以上の同じでも又は異なってもよい-Q1(R3nで置換され、
1、R3及びnは、本明細書に定義する通りである。
【0143】
XがC(Ri)(Rj)を表す、本発明の好ましい態様の好ましい実施形態において、本発明は、式(IC)の化合物である式(I)の化合物:
【0144】
【化7】
【0145】
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
aは、水素、フルオロ、C1~C3アルキル及びC1~C3アルコキシから選択され、
b、Rc、Rd及びReは、各々独立して、水素及びC1~C3アルキルから選択され、好ましくは、各々独立して、水素及びメチルから選択され、
f、Rg、Ri及びRjは、各々独立して、水素、フルオロ、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ及びフェニルから選択され、
1は、水素及びC1~C3アルキルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール又はアリール環、及び3~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル又はシクロアルキル環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式の任意選択的に置換されたヘテロアリール環、又は4~10員の単環式若しくは二環式の置換ヘテロシクリル環を形成し、
各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、置換されている場合、1個以上の同じでも又は異なってもよい-Q1(R3nで置換され、
1、R3及びnは、本明細書に定義する通りである。
【0146】
式(IA)、(IB)及び(IC)の化合物を含む、本発明の好ましい態様である本発明の第一の態様に関して本明細書で定義される式(I)の化合物の好ましい実施形態、及び置換基X、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf及びRgに関するその好ましい実施形態は、さらに、上記で定義されたR1及びR2を優先的に含むことができる。
【0147】
本発明の式(I)の化合物の好ましい態様、特に、(IA)、(IB)及び(IC)において、
1は、水素及びC1~C3アルキルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール又はアリール環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール環を形成し、
各ヘテロアリール環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、各々独立して、ハロ、シアノ、C1~C3アルキル及びC1~C3アルコキシから選択される1~4個、好ましくは1又は2個のQ1a基で任意選択的に置換される。より好ましくは、Q1aは、ハロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ及びプロポキシから選択される。最も好ましくは、Q1aはn-プロポキシである。
【0148】
式(I)の化合物の別の好ましい態様、特に、(IA)、(IB)及び(IC)において、
1は、水素及びC1~C3アルキルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール又はアリール環、及び3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル又はシクロアルキル環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール環を形成し、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、各々独立して選択される1~4個、好ましくは1又は2個のR3基で置換され、
3は、本明細書で定義する通りであり、
各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、ハロ、シアノ、C1~C3アルキル及びC1~C3アルコキシから各々独立して選択される1~4個、好ましくは1又は2個のQ1a基で任意選択的に置換される。より好ましくは、Q1aは、ハロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ及びプロポキシから選択される。最も好ましくは、Q1aはn-プロポキシである。
【0149】
本発明の上記の態様に関して本明細書で定義される式(I)の化合物の好ましい実施形態、特に(IA)、(IB)及び(IC)の好ましい態様は、以下に定義されるR2及びR3の好ましい実施形態を含むことができる。
【0150】
好ましくは、R2のヘテロアリール環は、それぞれ、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~5個、好ましくは1~3個のヘテロ原子を含む、5若しくは6員の単環式ヘテロアリール又は9若しくは10員の二環式ヘテロアリール環である。例えば、環は1個の酸素原子を含むことができる。あるいは、環は、1個の硫黄原子を含むことができる。あるいは、環は、1、2、3又は4個の窒素原子を含むことができる。あるいは、環は、1個又は2個の窒素原子及び酸素原子を含むことができる。あるいは、環は、1個又は2個の窒素原子及び硫黄原子を含むことができる。
【0151】
好ましくは、R2のヘテロシクリル環は、それぞれ、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~5個、好ましくは1~3個のヘテロ原子を含む、4~8員の単環式ヘテロシクリル又は8~10員の二環式ヘテロシクリル環である。より好ましくは、R2のヘテロシクリル環は、それぞれ、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む、4、5、6若しくは7員の単環式ヘテロシクリル又は9若しくは10員の二環式ヘテロシクリル環である。例えば、環は1又は2個の酸素原子を含むことができる。あるいは、環は、1個又は2個の硫黄原子を含むことができる。あるいは、環は、1又は2個の窒素原子を含むことができる。あるいは、環は、1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含むことができる。あるいは、環は、1個の窒素原子及び1個の硫黄原子を含むことができる。あるいは、環は、1個の酸素原子及び1個の硫黄原子を含むことができる。
【0152】
好ましくは、R2のアリール環は、フェニル又は8~10員のアリールである。より好ましくは、R2のアリール環は、フェニル、インダニル、テトラリニル及びナフチルから選択される。最も好ましくは、アリール環はフェニルである。
【0153】
好ましくは、R2のシクロアルキル環は、4~7員の単環式8~10員の二環式シクロアルキルである。より好ましくは、R2のシクロアルキル環は、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びデカリンから選択される。
【0154】
より好ましくは、R2のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びアリール環は、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリニル、インドリジニル、イソインドリル、イソインドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル,イソオキサゾリル、オキサジアゾイル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ピロロピリジニル、テトラヒドロピリドピラジニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ジヒドロピロロピリジニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、ビシクロヘプタン、ビシクロオクタン、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル,ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4-ジヒドロピラニル、3,6-ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H-キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルから選択される。
【0155】
より好ましくは、R2のヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びアリール環は、ピリジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソキノリニル、フェニル,イソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピロリジニル、ピラジニル及びオキサゾリルから選択される。
【0156】
好ましくは、R1がR2と一緒になって形成するヘテロアリール環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~5個、好ましくは1~3個のヘテロ原子を各々が含む(その少なくとも1個が窒素である)、5若しくは6員の単環式ヘテロアリール又は9若しくは10員の二環式ヘテロアリール環である。例えば、環は、1、2、3又は4個の窒素原子を含むことができる。あるいは、環は、1又は2個の窒素原子及び1個の酸素原子を含むことができる。あるいは、環は、1又は2個の窒素原子及び1個の硫黄原子を含むことができる。
【0157】
好ましくは、R1がR2と一緒になって形成するヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~5個、好ましくは1~3個のヘテロ原子を各々が含み、そのうちの少なくとも1個が窒素である、4~8員の単環式ヘテロシクリル又は8~10員の二環式ヘテロシクリル環である。より好ましくは、R2のヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を各々が含み、そのうちの少なくとも1個が窒素である、4、5、6若しくは7員の単環式ヘテロシクリル又は9若しくは10員の二環式ヘテロシクリル環である。例えば、環は、1又は2個の窒素原子を含むことができる。あるいは、環は、1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含むことができる。あるいは、環は、1個の窒素原子及び1個の硫黄原子を含むことができる。
【0158】
好ましくは、R1がR2と一緒になって形成する環は、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリニル、インドリジニル、イソインドリル、イソインドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル,イソオキサゾリル、オキサジアゾイル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ピロロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロピリドピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル,ジアゼパニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H-キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルからなる群から選択される。
【0159】
より好ましくは、R1がR2と一緒になって形成する環は、ジヒドロピロロピリジニル(例えば、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン)である。
【0160】
好ましくは、各R3は、3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環から独立して選択され、
各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、
該環は、ハロ、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ及びCONR89から各々独立して選択される1~4個、好ましくは1又は2個の基で任意選択的に置換され、
8及びR9は、各々独立して、水素及びC1~C3アルキルから選択され、好ましくは、各々、水素であり、
該アルキル及びアルコキシ基は、1個以上のハロ基、好ましくは1個以上のフルオロによって任意選択的に置換される。
【0161】
より好ましくは、各R3は、3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環から独立して選択され、
各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、
該環は、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びCONH2から各々独立して選択される1~4個、好ましくは1又は2個の基で任意選択的に置換される。
【0162】
好ましくは、R3のヘテロアリール環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~5個、好ましくは1~3個のヘテロ原子を各々が含む、5又は6員の単環式ヘテロアリール又は9若しくは10員の二環式ヘテロアリール環である。例えば、環は、1個の酸素原子を含むことができる。あるいは、環は、1個の硫黄原子を含むことができる。あるいは、環は、1、2、3又は4個の窒素原子を含むことができる。あるいは、環は、1又は2個の窒素原子及び1個の酸素原子を含むことができる。あるいは、環は、1又は2個の窒素原子及び1個の硫黄原子を含むことができる。
【0163】
好ましくは、R3のヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~5個、好ましくは1~3個のヘテロ原子を各々が含む、4~8員の単環式ヘテロシクリル、又は8~10員の二環式ヘテロシクリル環である。より好ましくは、R3のヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を各々が含む、4、5、6若しくは7員の単環式ヘテロシクリル、又は9若しくは10員の二環式ヘテロシクリル環である。例えば、環は、1又は2個の酸素原子を含むことができる。あるいは、環は、1又は2個の硫黄原子を含むことができる。あるいは、環は、1又は2個の窒素原子を含むことができる。あるいは、環は、1窒素原子及び1個の酸素原子を含むことができる。あるいは、環は、1個の窒素原子及び1個の硫黄原子を含むことができる。あるいは、環は、1個の酸素原子及び1個の硫黄原子を含むことができる。
【0164】
好ましくは、R3のアリール環は、フェニル又は8~10員のアリールである。例えば、R3のアリール環は、フェニル、インダニル、テトラリニル及びナフチルから選択される。最も好ましくは、アリール環はフェニルである。
【0165】
好ましくは、R3のシクロアルキル環は、4~7員の単環式又は8~10員の二環式シクロアルキルである。例えば、R3のシクロアルキル環は、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びデカリンから選択される。
【0166】
好ましくは、R3の各ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びアリール環は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル,イソオキサゾリル、オキサジアゾイル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ピロロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロピリドピラジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル,ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3-ジヒドロフラニル、2,5-ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4-ジヒドロピラニル、3,6-ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H-キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロイソキノリニルから独立して選択される。
【0167】
より好ましくは、R3の各ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びアリール環は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、インダゾリル及びピラゾロピリジニル(例えば、ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル及びピラゾロ[4,3-d]ピリジニル)から独立して選択される。
【0168】
Xが酸素を表す、本発明の特に好ましい一態様において、式(IA)の化合物:
【0169】
【化8】
【0170】
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf及びRgは、各々独立して、水素及びメチルから選択され、
1は、水素及びメチルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール又はアリール環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール環を形成し、
各ヘテロアリール環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、ハロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ及びプロポキシから独立して選択される1~4個、好ましくは1又は2個の基で任意選択的に置換される。
【0171】
Xが酸素を表す、本発明の別の特に好ましい態様において、式(IA)の化合物:
【0172】
【化9】
【0173】
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf及びRgは、各々独立して、水素及びメチルから選択され、
1は、水素及びメチルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール又はアリール環、及び3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル又はシクロアルキル環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール環を形成し、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、1~4個、好ましくは1又は2個のR3基で置換され、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びCONH2から各々独立して選択される1~4個、好ましくは1又は2個の基で任意選択的にさらに置換され、
各R3は、3~10員の単環式若しくは二環式、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環から独立して選択され、
1、R2及びR3の各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む。
【0174】
XがN(Rh)を表す、本発明の特に好ましい一態様において、式(IB)の化合物:
【0175】
【化10】
【0176】
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf及びRgは、各々独立して、水素及びメチルから選択され、
1は、水素及びメチルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール又はアリール環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール環を形成し、
各ヘテロアリール環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、ハロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ及びプロポキシから独立して選択される1~4個、好ましくは1又は2個の基で任意選択的に置換される。
【0177】
XがN(Rh)を表す、本発明の別の特に好ましい態様において、式(IB)の化合物:
【0178】
【化11】
【0179】
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf及びRgは、各々独立して、水素及びメチルから選択され、
1は、水素及びメチルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール又はアリール環、及び3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル又はシクロアルキル環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール環を形成し、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、1~4個、好ましくは1又は2個のR3基で置換され、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びCONH2から各々独立して選択される、1~4個、好ましくは1又は2個の基で任意選択的にさらに置換され、
各R3は、3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環から独立して選択され、
1、R2及びR3の各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む。
【0180】
XがC(Ri)(Rj)を表す、本発明の特に好ましい一態様において、式(IC)の化合物:
【0181】
【化12】
【0182】
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
aは、水素、フルオロ及びメチルから選択され、
b、Rc、Rd及びReは、各々独立して、水素及びメチルから選択され、
f、Rg、Ri及びRjは、各々独立して、水素、フルオロ及びメチルから選択され、
1は、水素及びメチルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール又はアリール環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール環を形成し、
各ヘテロアリール環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含み、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、ハロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ及びプロポキシから独立して選択される1~4個、好ましくは1又は2個の基で任意選択的に置換されている。
【0183】
XがC(Ri)(Rj)を表す、本発明の別の特に好ましい態様において、式(IC)の化合物:
【0184】
【化13】
【0185】
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供し、式中、
aは、水素、フルオロ及びメチルから選択され、
b、Rc、Rd及びReは、各々独立して、水素及びメチルから選択され、
f、Rg、Ri及びRjは、各々独立して、水素、フルオロ及びメチルから選択され、
1は、水素及びメチルから選択され、
2は、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール又はアリール環、及び3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル又はシクロアルキル環から選択され、あるいは
1及びR2は一緒になって、5~10員の単環式若しくは二環式のヘテロアリール環を形成し、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、1~4個、好ましくは1又は2個のR3基で置換され、
2又はR1がR2と一緒になって形成する環は、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びCONH2から各々独立して選択される1~4個、好ましくは1又は2個の基で任意選択的にさらに置換され、
各R3は、3~10員の単環式若しくは二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール環から独立して選択され、
1、R2及びR3の各ヘテロアリール又はヘテロシクリル環は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む。
【0186】
本発明における使用のための好ましい式(I)の化合物は、
(R)-4-シアノ-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(5-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(3-プロポキシ-4-(1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-2-(5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボニル)モルホリン-4-カルボニトリル、
N-(6-(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(1-フェニル-1H-イミダゾール-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
N-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(3-(3-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(5-フェニル-1H-ピラゾール-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(5-フェニルピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(5-フェニルイソオキサゾール-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(4-シアノ-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
N-([1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(6-フェニルピリジン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(2’-シアノ-[4,4’-ビピリジン]-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-N-(3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-5-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(3-クロロフェニル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-(3-メトキシフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-(3-イソプロポキシフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-(3-シアノ-5-フルオロフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-(4-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(4-クロロフェニル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(3-カルバモイルフェニル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(2-フェニルチアゾール-5-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(1H-インダゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(1H-ピラゾール-4-イル)イソキノリン-3-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(5-フェニル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-4-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-4-シアノ-N-(イソキノリン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-4-シアノ-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(3-プロポキシ-4-(1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(1-フェニル-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(5-フェニル-1H-ピラゾール-3-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(5-フェニルピリジン-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(3-フェニルイソオキサゾール-5-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(1-フェニル-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(5-フェニルイソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(5-フェニル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
N-(5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
N-(6-(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-5-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-4-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
(S)-1-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
(S)-1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-5,5-ジフルオロ-N-(1-フェニル-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
N-(6-(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-1-シアノ-5,5-ジフルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(2R,5*)-4-シアノ-N-(6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)-5-メチルモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(3-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(3-クロロフェニル)ピリダジン-3-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(5-(3-シアノフェニル)ピリダジン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(5-(3-シアノフェニル)イソオキサゾール-3-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-N-(6-シアノイソキノリン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(2R)-4-シアノ-N-(1-(4-シアノピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド、
(S)-4-シアノ-1-メチル-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド、
(R)-4-シアノ-1-メチル-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド、
4-シアノ-1-フェニル-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド、
1-アセチル-4-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド、及び
4-シアノ-1-(メチルスルホニル)-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-N-(3-(3-シアノフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(3-クロロフェニル)イソオキサゾール-3-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-3-フルオロ-N-(5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(3-(3-クロロフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-ピラゾール-1-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
1-シアノ-3-フルオロ-N-(1-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-1-シアノ-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-インダゾール-7-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-インダゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-インダゾール-7-イル)ピラジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-インダゾール-4-イル)ピラジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(1H-インダゾール-7-イル)ピリダジン-3-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-7-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(6-(1H-インダゾール-4-イル)ピリダジン-3-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
(R)-N-(5-(1H-インダゾール-7-イル)ピリミジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド、
その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩から選択される。
【0187】
上に列挙した化合物の各々は、本発明の特定の独立した態様を表すことに留意されたい。
【0188】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、その酸付加塩及び塩基塩(二塩を含む)を含む。
【0189】
適切な酸付加塩は、無毒性の塩を形成する酸から形成される。
【0190】
例には、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプ酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、リン酸水素塩、イセチオン酸塩、D-及びL-乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、パーム酸塩(palmate)、リン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、D-及びL-酒石酸塩及びトシル酸塩が含まれる。
【0191】
好適な塩基塩は、無毒性の塩を形成する塩基から形成される。例には、アルミニウム、アンモニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン及び亜鉛の塩が含まれる。
【0192】
好適な塩にはまた、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、システイン、メチオニン及びプロリンなどのアミノ酸の塩が含まれる。さらなる薬学的に許容される塩には、本発明の化合物の四級アンモニウム塩が含まれる。
【0193】
好適な塩についての概説については、Stahl and Wermuth,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection, and Use,Wiley-VCH,Weinheim,Germany(2002)を参照されたい。
【0194】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、必要に応じて、式(I)の化合物と所望の酸又は塩基の溶液とを一緒に混合することによって容易に調製することができる。塩は溶液から沈殿し、濾過により回収することができ、又は溶媒を蒸発させることにより回収することができる。塩はまた、例えば好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製することができる。
【0195】
本発明による薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位体置換されてもよい水和物及び溶媒和物、例えば、D2O、アセトン-d6、DMSO-d6が含まれる。
【0196】
包摂化合物、薬物-ホスト包接錯体はまた、本発明の範囲内であり、前述の溶媒和物とは対照的に、薬物及びホストは非化学量論量で存在する。そのような錯体の概説についてはJ.Pharm Sci,64(8),1269-1288 by Haleblian(August 1975)を参照のこと。
【0197】
以下、式(I)の化合物についての全ての言及は、式(I)の化合物の塩、並びに式(I)の化合物及びその塩の溶媒和物及び包摂化合物への言及を含む。
【0198】
本発明は、上記で定義した式(I)の化合物の全ての多形体を包む。
【0199】
式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」はまた、本発明の範囲内である。したがって、薬理活性をそれ自体はほとんど又は全く持たない式(I)の化合物のある種の誘導体は、体内又は体表面に投与されて代謝されると、所望の活性を有する式(I)の化合物を生じることができる。そのような誘導体は「プロドラッグ」と呼ばれる。
【0200】
本発明によるプロドラッグは、例えば、式(I)の化合物中に存在する適切な官能基を、例えば“Design of Prodrugs” by H Bundgaard (Elsevier,1985)に記載される「プロ部分」として当業者に知られるある種の部分で置き換えることによって作製することができる。そして、ある種の式(I)の化合物はそれ自体、他の式(I)の化合物のプロドラッグとして作用することができる。
【0201】
窒素原子を含有する式(I)の化合物のある種の誘導体はまた、対応するN-オキシドを形成することができ、そのような化合物はまた本発明の範囲内である。
【0202】
1個以上の不斉炭素原子を含有する式(I)の化合物は、2つ以上の光学異性体として存在することができる。式(I)の化合物がアルケニル又はアルケニレン基を含有する場合、シス/トランス(又はZ/E)幾何異性体が可能であり、化合物が例えばケト又はオキシム基を含む場合、互変異性(tautomeric isomerism)(「互変異性(tautomerism)」)が生じ得る。したがって、単一の化合物が2種以上の異性を示し得る。
【0203】
2種以上の異性を示す化合物を含む、式の化合物の全ての光学異性体、幾何異性体及び互変異性体、並びにそれらの1つ以上の混合物が本発明の範囲内に含まれる。シス/トランス異性体は、当業者に周知の従来の技術、例えば分別結晶法及びクロマトグラフィーによって分離することができる。
【0204】
個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技術には、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、又は例えばキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いるラセミ体(又は塩若しくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。あるいは、ラセミ体(又はラセミ前駆体)を好適な光学活性化合物、例えばアルコール、又は式(I)の化合物が酸性若しくは塩基性部分を含む場合は1-フェニルエチルアミン又は酒石酸などの塩基若しくは酸と反応させることができる。得られたジアステレオマー混合物を、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶により分離し、ジアステレオ異性体の一方又は両方を、当業者に周知の手段により、対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。本発明のキラル化合物(及びそのキラル前駆体)は、イソプロパノールの0~50体積%、典型的には2~20体積%、及びアルキルアミンの0~5体積%、典型的には0.1%ジエチルアミンを含有する、炭化水素、典型的にはヘプタン又はヘキサンからなる移動相を有する不斉樹脂上でのクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用いて、鏡像異性的に濃縮された形態で得ることができる。溶出液を濃縮することにより、濃縮混合物が得られる。本発明は、ラセミ体及びそのラセミ混合物(コングロメレート)を含む式(I)の化合物のすべての結晶形を含む。立体異性体のコングロメレートは、当業者に既知の従来の技術によって分離することができる(例えば、“Stereochemistry of Organic Compounds” by E.L.Eliel and S.H.Wilen(Wiley,New York,1994)を参照のこと)。
【0205】
特に、式(I)の化合物は、Raによって置換された環の炭素原子にキラル中心を含有し、したがって、該立体中心は(R)又は(S)配置のいずれかで存在し得る。IUPAC命名法による立体異性体についての絶対配置(R)及び(S)の指定は、置換基の性質及び配列規則手順の適用に依存する。したがって、式(I)の化合物は、以下の鏡像異性体配置のいずれかで存在し得る。
【0206】
【化14】
【0207】
好ましい態様において、式(I)の化合物は絶対立体化学配置:
【0208】
【化15】
【0209】
を有する。別の好ましい態様において、式(I)の化合物は絶対立体化学配置:
【0210】
【化16】
【0211】
を有する。個々の形態における式(I)の化合物のこれらの(R)及び(S)立体異性体の各々又はそれらの混合物が、本発明の範囲内に含まれる。式(I)の化合物が単一の立体異性体として単離される場合、該化合物は少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、例えば96%、96%、98%、99%又は100%の鏡像体過剰率で存在し得る。
【0212】
本発明はまた、式(I)の化合物の全ての薬学的に許容される同位体バリエーションを含む。同位体バリエーションは、少なくとも1個の原子が同じ原子番号を有するが天然に通常見出される原子質量とは異なる原子質量を有する原子によって置き換えられるバリエーションとして定義される。
【0213】
本発明の化合物に含めるのに好適な同位体の例には、2H及び3Hなどの水素の同位体、13C及び14Cなどの炭素の同位体、15Nなどの窒素の同位体、17O及び18Oなどの酸素の同位体、32Pなどのリンの同位体、35Sなどの硫黄の同位体、18Fなどのフッ素の同位体及び36CIなどの塩素の同位体が含まれる。
【0214】
同位体は、放射性でも又は非放射性でもよい。一実施形態において、化合物は、放射性同位体を含まない。そのような化合物は治療的使用に好ましい。しかしながら、別の実施形態において、化合物は1つ以上の放射性同位体を含有してもよい。そのような放射性同位体を含有する化合物は、診断の関係で有用であり得る。
【0215】
ある種の同位体標識された式(I)の化合物、例えば放射性同位体を組み込んだ化合物は、薬物及び/又は基質の組織分布の研究に有用である。放射性同位元素、すなわち3H及び14Cは、その組み込みの容易さ及び迅速な検出手段の観点から、この目的に特に有用である。より重い同位体、すなわち2Hでの置換は、より大きな代謝安定性、例えばインビボ半減期の増加又は投与量要件の低減からもたらされるある種の治療上の利点を与えることがあり、したがっていくつかの状況では好ましいものとなり得る。11C、18F、15O及び13Nなどの陽電子放出同位体での置換は、受容体占有率を調べるための陽電子放射断層撮影法(PET)研究に有用であり得る。式(I)の同位体標識化合物は、概して、当業者に既知の従来の技術によって、又はこれまで使用されている非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いた付随する実施例及び調製例に記載されているものと同様の方法によって調製することができる。
【0216】
式(I)の化合物は結晶形態又は非晶質形態で存在することができ、結晶形態のいくつかは多形体として存在することができ、これらは本発明の範囲内に含まれる。式(I)の化合物の多形形態は、赤外線スペクトル、ラマンスペクトル、X線粉末回折、示差走査熱量測定、熱重量分析及び固体核磁気共鳴を含むがこれらに限定されない、多くの従来の分析技術を使用して特徴付けし、区別することができる。
【0217】
したがって、さらなる実施形態において、本発明は、任意の記載された実施形態による結晶形態の化合物を提供する。化合物は、50%~100%の結晶性、より特定的には少なくとも50%の結晶性、若しくは少なくとも60%の結晶性、若しくは少なくとも70%の結晶性、若しくは少なくとも80%の結晶性、若しくは少なくとも90%の結晶性、若しくは少なくとも95%の結晶性、若しくは少なくとも98%結晶、若しくは少なくとも99%の結晶性、若しくは少なくとも99.5%の結晶性、又は少なくとも99.9%の結晶性、例えば100%の結晶性であってもよい。あるいは、化合物は非晶質形態であってもよい。
【0218】
本明細書に記載される本発明は、そのように調製されたいずれかの開示化合物の全ての結晶形態、溶媒和物及び水和物に関する。本明細書に開示されたいずれかの化合物がカルボン酸塩又はアミノ基などの酸性又は塩基性中心を有する限りにおいて、該化合物のすべての塩形態が本明細書に含まれる。薬学的用途の場合、塩は薬学的に許容される塩であると解すべきである。
【0219】
本発明は、化合物及びその塩の任意の溶媒和物に関する。好ましい溶媒和物は、無毒性の薬学的に許容される溶媒(以下、溶媒和溶媒と称する)の分子が本発明化合物の固体状態構造(例えば結晶構造)に取り込まれることによって形成される溶媒和物である。そのような溶媒の例には、水、アルコール(エタノール、イソプロパノール及びブタノールなど)及びジメチルスルホキシドが含まれる。溶媒和物は、溶媒和溶媒を含む溶媒又は溶媒混合物とともに、本発明の化合物を再結晶することによって調製することができる。任意の所与の例において溶媒和物が形成されたか否かは、熱重量分析(TGE)、示差走査熱量測定(DSC)及びX線結晶学などの周知の標準的な技術を用いて、化合物の結晶を分析にかけることによって決定することができる。
【0220】
溶媒和物は、化学量論的又は非化学量論的溶媒和物であることができる。特定の溶媒和物は水和物であってもよく、水和物の例には半水和物、一水和物及び二水和物が含まれる。溶媒和物及びその製造及び特徴付けのために使用される方法のより詳細な考察については、Bryn et al.,Solid-State Chemistry of Drugs,Second Edition,published by SSCI,Inc of West Lafayette,IN,USA,1999,ISBN 0-967-06710-3を参照のこと。
【0221】
本発明の化合物は、インビボで代謝され得る。式(I)の化合物の代謝産物はまた、本発明の範囲内である。「代謝産物」という用語は、細胞又は生物、好ましくは哺乳動物において、本発明による化合物のいずれかから得られるすべての分子を指す。この用語は、生理学的条件下で任意のそのような細胞又は生物に存在する任意の分子とは異なる分子に関することが好ましい。
【0222】
本明細書で定義される治療は、唯一の療法として適用してもよいし、又は本発明の化合物に加えて、従来の手術又は放射線療法又は化学療法を伴ってもよい。さらに、式(I)の化合物はまた、小分子治療薬又は抗体ベースの治療薬を含む、癌に関連する状態の治療のための既存の治療剤と組み合わせて使用してもよい。
【0223】
さらなる態様によれば、本発明は、本明細書で定義される式(I)の化合物又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を薬学的に許容される希釈剤又は担体と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0224】
本発明の医薬組成物は、任意の薬学的に許容される担体、アジュバント又はビヒクルと組み合わせた、本発明の化合物のいずれかを含む。薬学的に許容される担体の例は当業者に知られており、投与様式及び剤形の性質に応じて、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤及び分散剤が含まれるが、これらに限定されない。組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、ロゼンジ剤、坐剤、シロップ剤、並びに懸濁剤及び液剤を含む液体製剤の形態であり得る。本発明の文脈における「医薬組成物」という用語は、活性剤を含み、さらに1つ以上の薬学的に許容される担体を含む組成物を意味する。組成物は、投与方法及び剤形の性質に応じて、例えば、希釈剤、アジュバント、賦形剤、ビヒクル、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤及び分散剤から選択される成分をさらに含有することができる。
【0225】
式(I)の化合物は、脱ユビキチン化酵素USP30の阻害剤である。
【0226】
さらなる態様によれば、本発明は、医薬として使用するための、本明細書に定義する式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を提供する。
【0227】
さらなる態様によれば、本発明は、哺乳動物においてUSP30の阻害により有益な効果が生ずることが既知である又は示され得る障害又は状態の治療方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の、本明細書中で定義される式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0228】
さらなる態様によれば、本発明は、USP30の阻害により有益な効果が生ずることが既知である又は示され得る障害又は状態を治療するための医薬の調製における、本明細書で定義される式(I)の化合物、その互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の薬学的に許容される塩の医薬としての使用を提供する。
【0229】
「治療する(treat)」又は「治療すること(treating)」又は「治療)(treatment)」という用語は、予防を含み、一時的又は恒久的のいずれかで症状を改善し、軽減し、症状の原因を排除するため、又は指定された障害又は状態の発症(appearance)を予防若しくは遅らせるための手段を含む。本発明の化合物は、ヒト及び非ヒト動物の治療に有用である。
【0230】
化合物の用量は、障害の症状の発生を防ぐため、又は患者が罹患している障害のいくつかの症状を治療するために有効な量である。「有効量」又は「治療有効量」又は「有効用量」とは、所望の薬理学的又は治療的効果を生じさせ、したがって障害の有効な予防又は治療をもたらすのに充分な量を意味する。障害の予防は、医学的に有意な程度まで障害の症状の発症を遅らせることによって明らかになる。障害の治療は、障害に関連する症状の減弱又は障害の症状再発の改善によって明らかになる。
【0231】
USP30活性から利益を得る障害又は状態は、ミトコンドリア機能不全を伴う状態及び癌から選択される。
【0232】
本発明のすべての態様の好ましい一実施形態において、USP30活性から利益を得る障害又は状態は、ミトコンドリア機能不全を伴う状態である。
【0233】
ミトコンドリア機能不全は、赤血球を除く身体のあらゆる細胞に存在する特殊な区画であるミトコンドリアの欠陥に起因する。ミトコンドリアが機能しなくなると、細胞内で生成されるエネルギーが次第に少なくなり、その後に細胞傷害又は細胞死さえ起こる。この過程が身体全体にわたって繰り返されると、このことが起こっている対象の生命はひどく損なわれる。ミトコンドリア疾患は、脳、心臓、肝臓、骨格筋、腎臓、並びに内分泌系及び呼吸器系など、エネルギーを非常に必要とする臓器に最も頻繁に現れる。
【0234】
ミトコンドリア機能不全を伴う状態は、マイトファジー欠陥を伴う状態、ミトコンドリアDNAの突然変異を伴う状態、ミトコンドリア酸化ストレスを伴う状態、ミトコンドリア膜電位の欠陥を伴う状態、ミトコンドリア生合成、ミトコンドリア形状又はモルフォロジーの欠陥を伴う状態及びリソソーム蓄積欠陥を伴う状態から選択され得る。
【0235】
特に、ミトコンドリア機能不全を伴う状態は、神経変性疾患;多発性硬化症(MS);ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作(mitochondrial myopathy;encephalopathy;lactic acidosis; stroke-like episodes)(MELAS)症候群;レーベル遺伝性視神経症(LHON);癌(例えば、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳腫瘍、メラノーマ、骨腫瘍又は組織器官の他の癌、及びリンパ腫及び白血病などの血液細胞の癌、多発性骨髄腫、大腸癌、並びに非小細胞肺癌);神経性薄弱・運動失調・網膜色素変性症・母性遺伝性リー症候群(NARP-MILS);ダノン病;糖尿病;糖尿病性腎症;代謝障害;心不全;心筋梗塞を引き起こす虚血性心疾患;精神疾患、例えば、統合失調症、多発性スルファターゼ欠損症(MSD);ムコリピドーシスII(ML II);ムコリピドーシスIII(ML III);ムコリピドーシスIV(ML IV);GMI-ガングリオシドーシス(GM1);神経セロイドリポフスチン症(NCL1);アルパーズ病;バース症候群;ベータ酸化欠損;カルニチン-アシル-カルニチン欠乏症;カルニチン欠乏症;クレアチン欠乏症候群:コエンザイムQ10欠損症:複合体I欠損症;複合体II欠損症複合体III欠損症;複合体IV欠損症;複合体V欠損症;COX欠損症;慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO);CPT I欠損症;CPT II欠損症;グルタル酸尿症II型;カーンズ・セイヤー症候群;乳酸アシドーシス;長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症(LCHAD);リー病又は症候群;致死性小児心筋症(lethal infantile cardiomyopathy)(LIC);ルフト病;グルタル酸尿症II型:中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症(MCAD;ミオクローヌスてんかん症候群・赤色ぼろ線維(MERRF)症候群;ミトコンドリア細胞変性(mitochondrial cytopathy);ミトコンドリア劣性運動失調症候群;ミトコンドリアDNA枯渇症候群;筋神経胃腸障害及び脳症(myoneurogastointestinal disorder and encephalopathy);ピアソン症候群;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症;ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症;POLG変異;中/短鎖3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(M/SCHAD)欠損症;極長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(VLCAD)欠損症;認知機能及び筋力の年齢依存性の低下から選択することができる。
【0236】
ミトコンドリア機能不全を伴う状態は、CNS障害、例えば、神経変性疾患であり得る。
【0237】
神経変性疾患には、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症及び前頭側頭型認知症が含まれるが、これらに限定されない。
【0238】
特に、本発明の化合物は、α-シヌクレイン、パーキン及びPINK1の変異に関連するPD、パーキンが変異している常染色体劣性若年性パーキンソン病(AR-JP)を含むがこれらに限定されない、パーキンソン病の治療に有用であり得る。
【0239】
本明細書に記載の本発明の化合物又はその医薬組成物は、ミトコンドリア機能不全を伴う状態の治療に使用される場合、1つ以上の追加の剤と組み合わせることができる。該化合物は、レボドパ、ドーパミン作動薬、モノアミノオキシゲナーゼ(MAO)B阻害薬、カテコールO-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬、抗コリン薬、リルゾール、アマンタジン、コリンエステラーゼ阻害薬、メマンチン、テトラベナジン、抗精神病薬、ジアゼパム、クロナゼパム、抗鬱薬及び抗てんかん薬から選択される1つ以上の追加の剤と組み合わせることができる。
【0240】
本発明のすべての態様の別の好ましい実施形態において、USP30活性から利益を得る障害又は状態は癌である。癌は、ミトコンドリア機能不全に関連している可能性がある。好ましい癌には、例えば、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳腫瘍、メラノーマ、骨腫瘍又は他の組織器官の癌、並びに血液細胞の癌、例えばリンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、大腸癌及び非小細胞肺癌が含まれる。
【0241】
特に、本発明の化合物は、アポトーシス経路が調節不全である、より特定的には、BCL-2ファミリーのタンパク質が変異している又は過剰発現若しくは過少発現している癌の治療に有用であり得る。
【0242】
「治療」への言及は、治癒、緩和及び予防を含み、一時的又は恒久的のいずれかで症状を改善し、軽減し、症状の原因を排除するため、又は指定された障害又は状態の発症を予防若しくは遅らせるための手段を含む。本発明の化合物は、ヒト及び他の哺乳動物の治療に有用である。
【0243】
本明細書に記載の本発明の化合物又はその医薬組成物は、単独で又は1つ以上の追加の薬剤と組み合わせて使用することができる。該化合物は、追加の抗腫瘍治療剤、例えば、化学療法薬又は他の調節タンパク質の阻害剤と組み合わせることができる。一実施形態において、追加の抗腫瘍治療薬はBH-3模倣薬である。さらなる実施形態において、BH-3模倣薬は、ABT-737、ABT-199、ABT-263及びオバトクラックスのうちの1つ以上から選択することができるが、これらに限定されない。さらなる実施形態において、追加の抗腫瘍剤は化学療法剤である。化学療法剤は、オラパリブ、マイトマイシンC、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、電離放射線(IR)、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、テモゾロミド、タキサン、5-フルオロピリミジン、ゲムシタビン及びドキソルビシンから選択することができるが、これらに限定されない。
【0244】
本発明の医薬組成物は、経口、非経口、局所、吸入、鼻腔内、直腸内、膣内、眼内及び耳内(andial)などの任意の好適に有効な方法で投与することができる。本発明の化合物の送達に好適な医薬組成物及びその調製方法は当業者には容易に明らかになるであろう。そのような組成物及びその調製方法は、例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”,19th Edition(Mack Publishing Company,1995)に見出すことができる。
【0245】
経口投与
本発明の化合物は経口投与することができる。経口投与は、化合物が胃腸管に入るように飲み込むことを伴ってもよく、又は化合物が口から直接血流に入る口腔内又は舌下投与を用いてもよい。
【0246】
経口投与に好適な製剤には、錠剤などの固体製剤、粒子、液体又は粉末を含有するカプセル剤、ロゼンジ剤(液体充填を含む)、咀嚼剤(chews)、多粒子及びナノ粒子剤(multi-and nano-particulates)、ゲル剤、フィルム剤(粘膜付着剤を含む)、オビュール剤(ovules)、スプレー剤並びに液体製剤が含まれる。
【0247】
液体製剤には、懸濁剤、液剤、シロップ剤及びエリキシル剤が含まれる。そのような製剤は、軟カプセル剤又は硬カプセル剤の充填剤として用いることができ、典型的には担体、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は好適な油、並びに1つ以上の乳化剤及び/又は懸濁化剤を含む。液体製剤はまた、固体、例えばサシェからの再構成によって調製することができる。
【0248】
本発明の化合物はまた、Expert Opinion in Therapeutic Patents,11 (6),981-986 by Liang and Chen(2001)に記載されているものなどの速溶解性及び速崩壊性剤形に使用できる。
【0249】
典型的な錠剤は、製剤化学者に既知の標準的な方法を用いて、例えば直接圧縮、造粒(乾式、湿式又は溶融)、溶融凝固又は押出しによって調製することができる。錠剤製剤は、1つ以上の層を含んでもよく、コーティングされていても又はコーティングされていなくてもよい。
【0250】
経口投与に好適な賦形剤の例には、担体、例えば、セルロース、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、マンニトール及びクエン酸ナトリウム、造粒結合剤、例えば、ポリビニルピロリジン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びゼラチン、崩壊剤、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、ケイ酸塩、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸、湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、保存剤、酸化防止剤、風味剤、並びに着色剤などが含まれる。
【0251】
経口投与のための固体製剤は、即時放出及び/又は調節放出となるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、二重制御放出、ターゲット放出及びプログラム放出が含まれる。高エネルギー分散液、浸透性コーティング粒子などの好適な調節放出技術の詳細は、Verma et al, Pharmaceutical Technology On-line,25(2),1-14(2001)に見出される。他の調節放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。
【0252】
非経口投与
本発明の化合物はまた、血流中、筋肉中又は内臓中に直接投与することができる。非経口投与に好適な手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内及び皮下が含まれる。非経口投与に適したデバイスには、針(マイクロニードルを含む)注射器、無針注射器及び注入技術を含む。
【0253】
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物及び緩衝剤(好ましくはpH3~9にする)などの賦形剤を含有することができる水溶液であるが、いくつかの用途では、滅菌非水溶液として、又は発熱物質不含の滅菌水などの好適なビヒクルと組み合わせて使用するための乾燥形態として、より好適に製剤化することができる。
【0254】
例えば滅菌条件下での凍結乾燥による非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な製薬技術を使用して容易に達成することができる。
【0255】
非経口液剤の調製に使用される式(I)の化合物の溶解度は、好適な処理加工、例えば高エネルギー噴霧乾燥分散液の使用(国際公開第01/47495号パンフレットを参照のこと)により、及び/又は溶解度向上剤の使用などの適切な製剤化技術の使用により増加させることができる。
【0256】
非経口投与用の製剤は、即時放出及び/又は調節放出となるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、二重制御放出、ターゲット放出及びプログラム放出が含まれる。
【0257】
本発明の医薬組成物はまた、血液脳関門をバイパスするための当技術分野において既知の組成物及び方法を含み、又は脳に直接注入することができる。注入に好適な領域には、大脳皮質、小脳、中脳、脳幹、視床下部、脊髄及び心室組織、並びに頚動脈小体及び副腎髄質を含むPNS領域が含まれる。
【0258】
用量
化合物の有効用量の大きさは、当然ながら、治療される状態の重症度の性質及び投与経路によって異なるであろう。適切な投与量の選択は、医師の職務範囲内である。1日用量の範囲は、ヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約10μg~約100mgであり、一般的に、1回用量あたり体重1kgあたり約10μg~30mgであり得る。該用量を1日に1~3回与えることができる。
【0259】
例えば、経口投与は、5~500mgなどの5mg~1000mgの1日の総用量を必要とし得るが、静脈内投与は、体重あたり0.1~10mg/kg,より好ましくは0.1~1mg/kgなどの体重あたり0.01~30mg/kgのみを必要とし得る。1日の総用量は、単回投与又は分割投与で投与することができる。
【0260】
当業者はまた、ある種の状態の治療において、本発明の化合物を「必要に応じて」(すなわち必要に際し又は所望に応じて)単回用量として摂取することができることを理解するであろう。
【0261】
合成方法論
式(I)の化合物は、以下の一般的反応スキーム及び代表的な実施例に記載されるような方法を使用して調製することができる。適切な場合には、スキーム内の個々の変換は異なる順序で完了することができる。
【0262】
さらなる態様によれば、本発明は、本明細書に定義する式(I)の化合物の調製方法であって、式(IV)の化合物(式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg及びXは本明細書に定義する通りであり、PGはBOC又はCBZなどの保護基である)を式NHR12のアミン(R1及びR2は本明細書に定義する通りである)とを反応させて、式(III)のアミドを得ること(スキーム1)を含む、方法を提供する。アミドカップリング反応は、標準的な方法を用いて、例えば、DCC、HATU、HBTU、EDCなどのカップリング試薬を用いた反応により又は混合無水物により行うことができる。あるいは、酸(II)をSOCl2、PCl3又はPCl5を用いて酸塩化物に変換することができ、次いでこれを、好ましくは好適な溶媒中で好適な塩基の存在下で式NHR12のアミンと反応させることができる。
【0263】
さらに、式(III)の一化合物を、例えば、ブロモ-アリール又はブロモ-ヘテロアリール基のSuzukiカップリングにより、式(III)の別の化合物に変換することができる。式(III)の化合物を標準的な方法を用いて脱保護して、アミン(II)を得て、次いでこれを臭化シアンと反応させて、式(I)の化合物を得ることができる。
【0264】
【化17】
【0265】
さらなる態様において、本発明は、式(II)及び(III)から選択される化合物:
【0266】
【化18】
【0267】
(式中、PGは、保護基、好ましくはBOC又はCBZであり、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、X、R1及びR2は、本明細書で定義する通りである)、それらの互変異性体、又は該化合物若しくは該互変異性体の塩を提供する。
【0268】
さらなる態様において、本明細書の記載の本発明は、式(I)の化合物に対応する絶対立体化学配置の式(II)及び(III)から選択される化合物及びそれらの好ましい実施形態を提供する。
【0269】
追加の代表的化合物並びにその立体異性体、ラセミ混合物、ジアステレオマー及び鏡像異性体は、一般的スキームに従って調製される中間体並びに当業者に既知の他の材料、化合物及び試薬を使用して調製することができる。鏡像異性体は、例えばカラムCHIRALART SA(250×4.6mm 5 μm)を使用してキラルHPLCなどの標準的技術を使用して分離することができる。
【0270】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって例示され、該実施例では以下の略記及び定義を使用する。
【0271】
全ての化合物を液体クロマトグラフィー-質量分析(LCMS)若しくは1H NMR又はその両方によって特徴付けした。
【0272】
合成スキーム
略記:
BOC tert-ブチルオキシカルボニル
d 二重項(NMRシグナル)
dba ジベンジリデンアセトン
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA ジメチルアセトアミド
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
ES エレクトロスプレー
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IPA イソプロピルアルコール
m 多重項(NMRシグナル)
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
MTBE メチルtert-ブチルエーテル
NMP N-メチルピロリジン
rt 室温
RT 保持時間
s 一重項(NMRシグナル)
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
t 三重項(NMRシグナル)
T3P 2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシド
TBTU N,N,N′,N′-テトラメチル-O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムテトラフルオロボレート
TEA トリエチルアミン
TEMPO 2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルラジカル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0273】
分析方法:
【0274】
【表2】
【0275】
【表3】
【0276】
【表4】
【0277】
【表5】
【0278】
【表6】
【0279】
【表7】
【0280】
分析用キラルSFC法をWatersSFC investigator及びPDA検出器で実施した。
【0281】
【表8】
【0282】
【表9】
【0283】
【表10】
【0284】
一般的方法A
【0285】
【化19】
【0286】
典型的な合成手順において、アミンをカルボン酸で置換されたBOC保護環状アミンと反応させて、アミドを形成する。HATU、TBTU、T3Pなどのアミドカップリング試薬を使用することができ、又はPOCl3などの試薬及びその後のアミンとの反応を使用して、酸を対応する塩化アシルに変換することができる。第2工程において、BOC保護基を、典型的にはHCl又はTFAなどの強酸で処理することによって除去する。最終工程において、アミンを塩基性条件下で臭化シアンと反応させて、所望の生成物を得る。
【0287】
一般的方法B
【0288】
【化20】
【0289】
さらなる典型的な合成手順において、アミンをハロゲン、典型的にはCl、Br又はIで置換された芳香族環に結合する。アミドカップリング反応後、典型的にはSukukiカップリング反応により、金属触媒によるC-C結合形成反応を行い、第2の芳香族環を導入する。最後の2つの工程は、一般的方法Aに記載されるようにして行う。
【0290】
一般的方法C
【0291】
【化21】
【0292】
さらなる典型的な合成手順において、アミンを、ハロゲン、典型的にはCl、Br又はIで置換された芳香族環に結合する。アミドカップリング反応前に、典型的にはSukukiカップリング反応により、金属触媒によるC-C結合形成反応を行い、第2の芳香族環を導入する。最後の3つの工程は、一般的方法Aに記載されているようにして行う。
【0293】
一般的方法D
【0294】
【化22】
【0295】
好ましい実施形態において、一般的方法A~Cで使用されるカルボン酸で置換されたBOC保護環状アミンは、3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸である。フッ素原子は、カルボン酸エステルで置換されたピペリジンをリチウムジイソプロピルアミド(LDA)又はリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiHMDS)などの強塩基を用いて脱プロトン化し、続いてN-フルオロ-o-ベンゼンジスルホンイミド(NFOBS)、N-フルオロベンゼンスルホンイミド(NFSI)又はSelectfluorなどの求電子フッ素試薬と反応させることによって導入できる。第2工程において、エステルを、水の存在下、THF又はMeOHなどの溶媒中でLiOH又はNaOHで処理することによって加水分解することができる。
【0296】
中間体A (2R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-5-メチルモルホリン-2-カルボン酸
【0297】
【化23】
【0298】
工程a.MeOH(30ml)中の2-アミノプロパン-1-オール(CAS番号6168-72-5;3.030g、40.4mmol)及び4-メトキシベンズアルデヒド(5.000g、36.7mmol)の溶液に、NaHCO3(6.170g、73.4mmol)を室温で添加した。反応混合物を80℃で16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、1時間撹拌した。次いで、得られた混合物を0℃に冷却し、NaBH4(1.380g、36.7mmol)で数回に分けて(portion-wise)処理した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、2M HCl(250ml)に注いだ。NaHCO3(20g)を数回に分けて添加することによって混合物を中和し、次いでEtOAc(3×300ml)、続いて10%IPA:クロロホルム混合物(6×100ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、2-((4-メトキシベンジル)アミノ)プロパン-1-オール(7.40g、37.9mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に使用した。LCMS:方法C、1.285分、MS:ES+196.33。
【0299】
工程b.トルエン(30ml)中の2-((4-メトキシベンジル)アミノ)プロパン-1-オール(7.40g、37.9mmol)及び(S)-2-(クロロメチル)オキシラン(CAS番号67843-74-7;3.510g、37.9mmol)の溶液に、過塩素酸リチウム((4.84g、45.5mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。ナトリウムメトキシド(MeOH中30%溶液;37ml)を0℃で反応混合物に添加した。反応混合物を室温に温め、3日間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、NH4Cl溶液(150ml)に注ぎ、EtOAc(5×150ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中35%EtOAc)により精製して、((2R)-4-(4-メトキシベンジル)-5-メチルモルホリン-2-イル)メタノール(4.95g、19.71mmol)を得た。LCMS:方法C、1.285分、MS:ES+196.33。
【0300】
工程c.EtOH(40ml)中の((2R)-4-(4-メトキシベンジル)-5-メチルモルホリン-2-イル)メタノール(3.720g、14.8mmol)の溶液に、ポリ(メチルヒドロキシシロキサン)(3.72g、w/w)を0℃で添加した。反応混合物を15分間撹拌した後、Pd(OH)2(20%、50%水分;1.86g、50%w/w)を添加した。反応混合物を0℃でさらに15分間撹拌し、次いでEtOH(10ml)中のジ-tert-ブチルジカーボネート(6.450g、29.6mmol)の溶液で処理した。反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した。得られた混合物をhyflowを通して濾過し、MeOH(30ml)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中3.5%MeOH)により精製して、tert-ブチル(2R)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-モルホリン-4-カルボキシレート(2.60g、11.25mmol)を得た。LCMS:方法A、3.166、3.623分、MS:ES+232.1、232.1。
【0301】
工程d.DCM(50ml)中のtert-ブチル(2R)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルモルホリン-4-カルボキシレート(2.60g、11.25mmol)の溶液に、TEMPO(0.351g、2.249mmol)を0℃で添加した。ヨードベンゼンジアセテート(7.246g、22.5mmol)を添加し、反応混合物を室温で48時間撹拌した。得られた混合物をMeOH(5ml)でクエンチし、室温で15分間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NaHCO3溶液(50ml)で塩基性化し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。水層を分離し、0.1M HCl(30ml)で酸性化した。得られた混合物をEtOAc(4×100ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、(2R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-5-メチルモルホリン-2-カルボン酸(2.200g、8.97mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に使用した。LCMS:方法E、25.864、26.170分、MS:ES- 244.1、244.1。
【0302】
中間体B Tert-ブチル4-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート
【0303】
【化24】
【0304】
工程a.1,4-ジオキサン(15ml)中の4-(3-ブロモフェニル)-1H-ピラゾール(CAS番号916792-28-4;0.400g、1.79mmol)の撹拌溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.680g、2.69mmol)及び酢酸カリウム(0.439g、4.48mmol)を室温で添加した。反応混合物を5分間脱気した後、Pd(dppf)Cl2(0.131g、0.179mmol)を添加した。反応混合物を100℃で3時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(200ml)で希釈し、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%EtOAc)により精製して、4-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-ピラゾール(0.420g、1.555mmol)を得た。LCMS:方法C、2.036分、MS:ES+271.50。
【0305】
工程b.THF(12ml)中の4-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-ピラゾール(0.420g、1.55mmol)の溶液に、TEA(0.650ml、4.66mmol)及びジ-tert-ブチルジカーボネート(0.406g、1.86mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた混合物を水(150ml)で希釈し、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を塩水溶液(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5%EtOAc)により精製して、tert-ブチル4-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(0.500g、1.35mmol)を得た。LCMS:方法C、2.669分、MS:ES+315.40[M-56]。
【0306】
中間体C 5-クロロピリダジン-3-アミン
【0307】
【化25】
【0308】
工程a.DMF(10ml)中の3,5-ジクロロピリダジン(CAS番号1837-55-4;1.500g、10.1mmol)及び(4-メトキシフェニル)メタンアミン(CAS番号2393-23-9;1.650g、12.1mmol)の撹拌溶液に、K2CO3(2.780g、20.1mmol)及びKl(3.340g、20.13mmol)に室温で添加した。反応混合物を120℃で16時間加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、氷冷水(100ml)で希釈し、EtOAc(4×25ml)で抽出した。合わせた有機相を塩水溶液(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中53%EtOAc)により精製して、5-クロロ-N-(4-メトキシ-ベンジル)ピリダジン-3-アミン(3.100g、定量的)を得た。LCMS:方法C、1.646分、MS:ES+250.38。
【0309】
工程b.TFA(20ml)中の5-クロロ-N-(4-メトキシベンジル)ピリダジン-3-アミン(2.000g、8.00mmol)の溶液を80℃で16時間加熱した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をMTBE(20ml)を用いて粉砕し、真空下で乾燥して、5-クロロピリダジン-3-アミン(1.800g、定量的)を得た。MS:ES+130.18。
【0310】
中間体D (R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸
【0311】
【化26】
【0312】
手順a.MeCN(1.5%の水を含有する1.4L)中の1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸(CAS番号934342-39-9;285.3g、1.15mol)の溶液に、MeCN(1.5%の水を含有する1.4L)中のD-バリノール(107.1g、1.04mol)の溶液を添加した。固形物が沈殿し、固形物が完全に溶解するまで混合物を還流温度で撹拌した後、室温で16時間撹拌を続けた。得られた固体を濾過除去し、MeCN(500ml)で洗浄した。結晶性物質の試料の絶対立体化学は、単結晶X線回折により、(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸の(R)-2-アミノ-3-メチルブタン-1-オール(D-バリノール)塩として決定された。
【0313】
工程b.集めた固体をDCMに懸濁し、0.5M塩酸溶液で処理した。有機相を0.5M塩酸溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、110gの表題生成物(収率37%)を98%eeで得た(試料をアニリンで誘導体化することによって、この物質の鏡像異性体過剰率を調べた)。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ ppm:4.14(bs、1H)、3.98-4.02(d、1H)、3.30-3.50(m、1H)、2.91(bs、1H)、1.95-2.08(m、2H)、1.59-1.80(m、2H)、1.45(s、9H)。
【0314】
実施例 1(R)-4-シアノ-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド
(一般的方法Aに従って調製)
【0315】
【化27】
【0316】
工程a.DMF(15ml)中の(R)-4-BOC-2-モルホリンカルボン酸(CAS番号884512-77-0;0.250g、1.08mmol)の溶液に、HATU(0.617g、1.62mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。4-フェニルピリジン-2-イルアミン(CAS番号60781-83-1;0.184g、1.08mmol)及びTEA(0.46ml、3.246mmol)を添加し、反応混合物を室温で72時間撹拌した。得られた反応混合物を水(25ml)に注ぎ、EtOAc(3×25ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中4%MeOH)によって精製して、tert-ブチル(R)-2-((4-フェニルピリジン-2-イル)カルバモイル)モルホリン-4-カルボキシレート(0.115g、0.300mmol)を得た。LCMS:方法C、2.423、MS:ES+384.38;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:9.86(s、1H)、8.41(d、J=5.2Hz、1H)、8.36(s、1H)、7.74(d、J=6.8Hz、2H)、7.48-7.57(m、4H)、4.17-4.20(m、1H)、4.01-4.03(m、2H)、3.71-3.74(m、1H)、3.53-3.58(m、1H)、2.89-3.01(m、2H)、1.42(s、9H)。
【0317】
工程b.DCM(5ml)中のtert-ブチル(R)-2-((4-フェニルピリジン-2-イル)カルバモイル)モルホリン-4-カルボキシレート(0.110g、0.287mmol)の溶液に、TFA(0.5ml)を室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下で蒸発させて、(R)-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミドTFA塩(0.105g、定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.592分、MS:ES+284.28。
【0318】
工程c.THF(10ml)中の(R)-N-(4-フェニルピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミドTFA塩(0.100g、0.251mmol)の溶液に、K2CO3(0.173g、1.259mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌した。臭化シアン(0.040g、0.377mmol)を添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌した。得られた反応混合物をセライトベッドを通して濾過し、DCM(2×5ml)で洗浄し、合わせた濾液を水(2×2ml)で洗浄した。得られた混合物を水(30ml)に注ぎ、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(100%DCM)により精製して、表題化合物(0.053g、0.17mmol)を得た。LCMS:方法C、2.136、MS:ES+309.03;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.13(s、1H)、8.41(d、J=5.2Hz、1H)、8.34(s、1H)、7.74(d、J=6.8Hz、2H)、7.48-7.57(m、4H)、4.38-4.41(m、1H)、3.97-4.01(m、1H)、3.68-3.74(m、1H)、3.57-3.60(m、1H)、3.23-3.32(m、3H)。
【0319】
実施例2 4-シアノ-N-(5-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド(一般的方法Bに従って調製)
【0320】
【化28】
【0321】
手順a.THF(10ml)中の5-ブロモチアゾール-2-アミン臭化水素酸塩(CAS番号61296-22-8;0.500g、1.92mmol)の溶液に、N-BOC-2-モルホリンカルボン酸(CAS番号189321-66-2;0.533g、2.30mmol)を0℃で添加した。T3P(EtOAc中50%)(1.80ml、2.88mmol)及びDIPEA(1.00ml、5.76mmol)を反応混合物に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合物を水(50ml)で希釈し、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を塩水溶液(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中1%MeOH)により精製して、tert-ブチル2-((5-ブロモチアゾール-2-イル)カルバモイル)モルホリン-4-カルボキシレート(0.260g、0.66mmol)を得た。LCMS:方法C、2.318分、MS:ES+336.10、338.1[M-56]。
【0322】
工程b.1,4-ジオキサン:水(9:1,10ml)中のtert-ブチル2-((5-ブロモチアゾール-2-イル)カルバモイル)モルホリン-4-カルボキシレート(0.400g、1.02mmol)の溶液に、K2CO3(0.704g、5.10mmol)及び(4-フルオロフェニル)ボロン酸(CAS番号1765-93-1;0.280g、2.04mmol)を室温で添加した。反応混合物を15分間脱気した後、Pd(PPh34(0.058g、0.051mmol)を添加した。反応混合物を80℃で8時間加熱し、次いで室温に冷却し、水(50ml)で希釈し、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を塩水溶液(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中35%EtOAc)により精製して、tert-ブチル2-((5-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)-カルバモイル)モルホリン-4-カルボキシレート(0.346g、0.85mmol)を得た。LCMS:方法C、2.497分、MS:ES+408.35。
【0323】
工程c及びd.実施例1の工程b及びcについて記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法B、3.868分、MS:ES+333.23;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.37(s、1H)、7.89(s、1H)、7.60-7.67(m、2H)、7.25-7.29(m、2H)、4.42-4.45(m、1H)、3.93-3.96(m、1H)、3.68-3.71(m、1H)、3.50-3.68(m、1H)、3.23-3.32(m、3H)。
【0324】
実施例3 4-シアノ-N-(3-プロポキシ-4-(1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)モルホリン-2-カルボキサミド
(一般的方法Bに従って調製)
【0325】
【化29】
【0326】
工程a.DMF(10ml)中の2-ブロモ-5-ニトロフェノール(CAS番号52427-05-1;0.8g、3.67mmol)の溶液に、鉱油中の60%NaH(0.220g、9.17mmol)を0℃で何回かに分けて添加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、次いでヨウ化n-プロピル(1.56g、9.17mmol)で一滴ずつ処理した。反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応物を冷水(60ml)でクエンチし、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を塩水(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、1-ブロモ-4-ニトロ-2-プロポキシベンゼン(0.77g、2.960mmol)を得た。1HNMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:7.90(d、J=8.8Hz、1H)、7.81(d、J=2.4Hz、1H)、7.75(dd、J=8.8、2.8Hz、1H)、4.17(t、J=6.4Hz、2H)、1.75-1.83(m、2H)、1.28(t、J=7.2Hz、3H)。
【0327】
工程b.THF:水(1:1、10ml)中の1-ブロモ-4-ニトロ-2-プロポキシベンゼン(0.750g、2.88mmol)の撹拌溶液に、鉄粉(0.805g、14.4mmol)を添加し、続いてNH4Cl(0.771g、14.4mmol)を室温で添加した。得られた反応混合物を60℃で18時間加熱した。反応物を室温に冷却し、Celite hyflowを通して濾過した。セライトベッドをEtOAc(50ml)及び水(20ml)で洗浄した。濾液をEtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を塩水溶液(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して4-ブロモ-3-プロポキシアニリン(0.61g、2.65mmol)を得た。LCMS:方法C、1.185分、MS:ES+230.30。
【0328】
工程c.THF(5ml)中のN-BOC-モルホリン-2-カルボン酸(CAS番号189321-66-2;0.451g、1.96mmol)の溶液に、DIPEA(0.70ml、3.91mmol)及びHATU(0.991g、2.61mmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。THF(1ml)中の4-ブロモ-3-プロポキシアニリン(0.300g、1.30mmol)の溶液を反応混合物に0℃で滴加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応物を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中40%EtOA)により精製して、(tert-ブチル2-((4-ブロモ-3-プロポキシフェニル)カルバモイル)モルホリン-4-カルボキシレート)(0.450g、1.01mmol)を得た。LCMS:方法C、2.527分、MS:ES+443.54、445.00.
【0329】
工程d.DMF:水(8:2、5ml)中の(tert-ブチル2-((4-ブロモ-3-プロポキシフェニル)カルバモイル)モルホリン-4-カルボキシレート)(0.400g、0.902mmol)及び1H-ピラゾール-3-ボロン酸(CAS番号376584-63-3;0.151g、1.35mmol)の溶液に、Na2CO3(0.287g、2.71mmol)を室温で添加した。反応混合物を15分間脱気した後、PdCl2(dppf)(0.066g、0.090mmol)を添加した。反応混合物をマイクロ波照射下で130℃で1時間加熱した。得られた反応混合物を室温に冷却し、セライト上で濾過した。濾液を水(50ml)で希釈し、EtOAc(2×40ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中50%EtOAc)により精製して、(tert-ブチル2-((3-プロポキシ-4-(1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)カルバモイル)-モルホリン-4-カルボキシレート(0.317g、0.735mmol)を得た。LCMS:方法C、2.104分、MS:ES+431.00。
【0330】
工程e及びf.実施例1の工程b及びcについて記載したものと同様の手順を用いて、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.765分、MS:ES+356.16;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.59(s、1H)、9.65(s、1H)、7.66-7.78(m、2H)、7.50(s、1H)、7.32(d、J=7.6Hz、1H)、6.68(s、1H)、4.28-4.31(m、1H)、3.98-4.07(m、3H)、3.74-3.80(m、1H)、3.45-3.58(m、1H)、3.23-3.35(m、3H)、1.79-1.87(m、2H)、1.00-1.10(m、3H)。
【0331】
実施例4 (R)-4-シアノ-N-(6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド
(一般的方法Bに従って調製)
【0332】
【化30】
【0333】
工程a.ピリジン(4.06ml)中の4-アミノ-6-クロロピリミジン(CAS番号5305-59-9;0.145g、1.12mmol)の溶液に、(R)-N-BOC-モルホリン-2-カルボン酸(CAS番号884512-77-0;0.310g、1.34mmol)を0℃で添加した。POCl3(0.514g、3.36mmol)を反応混合物に0℃で滴加した。反応混合物を10分間0℃で攪拌した。反応物を水(40ml)で希釈し、EtOAc(2×30ml)で抽出した。合わせた有機相を飽和クエン酸溶液(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中32%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(R)-2-((6-クロロピリミジン-4-イル)カルバモイル)モルホリン-4-カルボキシレート(0.340g、0.99mmol)を得た。LCMS:方法C、1.992分、MS:ES+287.35(M-56)。
【0334】
工程b~d.実施例3の工程d~fについて記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法B、3.616分、MS:ES+335.48;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.85(s、1H)、9.05(s、1H)、8.56(s、1H)、8.49(s、1H)、8.39(d、J=8.0Hz、1H)、8.04(d、J=7.6Hz、1H)、7.78(t、J=8.0Hz、1H)、4.42-4.45(m、1H)、3.96-3.99(m、1H)、3.67-3.74(m、1H)、3.58-3.62(m、1H)、3.23-3.30(m、3H)。
【0335】
実施例5 4-シアノ-N-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)モルホリン-2-カルボキサミド
(一般的方法C)
【0336】
【化31】
【0337】
工程a.DMF:水(9:1、10ml)中の4-ブロモアニリン(1.000g、5.81mmol)及び1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(CAS番号761446-44-0;1.200g、5.81mmol)の溶液に、Na2CO3(1.230g、11.6mmol)を室温で添加した。得られた反応混合物を15分間脱気した後、PdCl2(dppf)(0.424g、0.581mmol)を添加した。反応混合物を110℃で1時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(150ml)で希釈し、EtOAc(2×150ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中50%EtOA)により精製して、4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アニリン(0.52g、3.005mmol)を得た。LCMS:方法C、0.859分、MS:ES+174.05。
【0338】
工程b.DCM(10ml)中の4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アニリン(0.150g、0.867mmol)の溶液に、4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸(CAS番号189321-66-2;0.200g、0.865mmol)及びピリジン(0.69ml、8.65mmol)を0℃で添加した。POCl3(0.88ml、9.51mmol)を反応混合物に0℃で滴加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。得られた混合物をNaHCO3溶液(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×150ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル2-((4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)カルバモイル)モルホリン-4-カルボキシレート(0.300g、定量的)を得た。LCMS:方法C、2.041分、MS:ES+387.40。
【0339】
工程c及びd.実施例1の工程b及びcについて記載したものと同様の手順を用いて、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.239分、MS:ES+312.05;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:9.87(s、1H)、8.07(s、1H)、7.81(s、1H)、7.65(d、J=8.4Hz、2H)、7.50(d、J=8.4Hz、2H)、4.27-4.30(m、1H)、3.96-3.99(m、1H)、3.85(s、3H)、3.70-3.76(m、1H)、3.54-3.57(m、1H)、3.23-3.32(m、3H)。
【0340】
実施例6 (S)-2-(5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボニル)モルホリン-4-カルボニトリル
(一般的方法Cに従って調製)
【0341】
【化32】
【0342】
工程a.1,4-ジオキサン:水(1:1、8ml)中の5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ(2,3-b)ピリジン(CAS番号115170-40-6;0.300g、1.507mmol)の溶液に、(1:1、8ml)にフェニルボロン酸(0.294g、2.412mmol)及びK2CO3(0.624g、4.52mmol)を室温で添加した。反応混合物を30分間脱気した後、Pd(PPh34(0.087g、0.075mmol)を添加し、次いで80℃で1時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(100ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(0.440g、2.24mmol)を得た。MS:ES+197.1。
【0343】
工程b.THF(6ml)中の(S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸(CAS番号868689-63-8;0.100g、0.432mmol)の溶液に、HATU(0.197g、0.518)及びDIPEA(0.15ml、0.86mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で20分間撹拌した後、5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(0.067g、0.345mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで飽和NaHCO3溶液(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-2-(5-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボニル)-モルホリン-4-カルボキシレート(0.080g、0.195mmol)を得た。LCMS:方法C、2.374分、MS:ES+410.38.
【0344】
工程c及びd.実施例1の工程b及びcについて記載したものと同様の手順を用いて、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、5.813分、MS:ES+335.15;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:8.46(s、1H)、8.00(s、1H)、7.69-7.71(m、2H)、7.47-7.50(m、2H)、7.38-7.41(m、1H)、5.80-5.86(m、1H)、3.92-4.07(m、3H)、3.72-3.77(m、1H)、3.58-3.61(m、1H)、3.22-3.30(m、3H)、3.12-3.15(m、2H)。
【0345】
実施例7 N-(6-(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド
(一般的方法Cに従って調製)
【0346】
【化33】
【0347】
工程a.DMF:水(9:1、10ml)中6-ブロモベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(CAS番号15864-32-1;0.300g、1.31mmol)及び4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(CAS番号269410-08-4;0.635g、3.27mmol)の溶液に、CsF(0.636g、4.19mmol)を室温で添加した。反応混合物を15分間脱気した後、Pd(PPh32Cl2(0.138g、0.196mmol)を添加した。反応混合物をマイクロ波中140℃で2時間加熱し、次いで室温に冷却し、水(50ml)で希釈し、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を塩水溶液(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中5%MeOH)により精製して、6-(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(0.400g、1.851mmol)を得た。LCMS:方法C、1.388分、MS:ES+217.14。
【0348】
工程b~d.実施例5について記載されたものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、2.150分、MS:ES+354.96;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.97(s、1H)、12.46(s、1H)、8.24(s、1H)、8.15-8.08(m、2H)、7.70-7.75(m、2H)、4.45-4.48(m、1H)、3.94-3.97(m、1H)、3.60-3.73(m、2H)、3.40-3.47(m、1H)、3.22-3.32(m、2H)。
【0349】
実施例8 4-シアノ-N-(1-フェニル-1H-イミダゾール-4-イル)モルホリン-2-カルボキサミド
(一般的方法Aに従って調製)
【0350】
【化34】
【0351】
工程a.MeOH(40ml)中の4-ニトロイミダゾール(5.00g、44.2mmol)の溶液に、フェニルボロン酸(8.77g、71.7mmol)、CuCl2(0.710g、5.30mmol)及びNaOH(1.760g、44.2mmol)を室温で添加した。反応時間中通してO2ガスでゆっくりパージしながら、反応混合物を80℃で16時間撹拌した。得られた混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を水(500ml)に注ぎ、EtOAc(3×150ml)で抽出した。合わせた有機相をNaHCO3溶液(200ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、4-ニトロ-1-フェニル-1H-イミダゾール(1.500g、7.93mmol)を得た。LCMS:方法C、1.760分、MS:ES+191.09。
【0352】
工程b.THF(5ml)中の4-ニトロ-1-フェニル-1H-イミダゾール(0.17g、0.89mmol)の溶液に、10%Pd/C(0.1g)を室温で添加した。反応混合物を室温で2時間H2ガスでパージした。得られた反応混合物をCelite hyflowを通して注意深く濾過し、減圧下で濃縮して、1-フェニル-1H-イミダゾール-4-アミンを得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、2.858分、MS:ES+159.93。
【0353】
工程c~e.実施例1について記載されたものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.433分、MS:ES+297.98;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.28(s、1H)、8.15(d、J=1.6Hz、1H)、7.71(d、J=1.6Hz、1H)、7.63-7.65(m、2H)、7.50-7.53(m、2H)、7.35-7.38(m、1H)、4.29-4.32(m、1H)、3.93-3.96(m、1H)、3.65-3.71(m、1H)、3.51-3.55(m、1H)、3.21-3.30(m、3H)。
【0354】
表1の化合物は、4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸(CAS番号189321-66-2)を使用して、実施例1~8により例示される一般的方法A~C(合成方法)により合成した。
【0355】
【化35】
【0356】
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
【0357】
表2の化合物は、(R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸(CAS番号884512-77-0)を使用して、実施例1~8により例示される一般的方法A~C(合成方法)により合成した。
【0358】
【化36】
【0359】
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【表12-4】
【0360】
表3の化合物は、(S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸(CAS番号884512-77-0)を使用して、実施例1~8により例示される一般的方法A~C(合成方法)により合成した。
【0361】
【化37】
【0362】
【表13】
【0363】
表4の化合物は、1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-3-カルボン酸(CAS番号84358-12-3)を使用して、実施例1~8により例示される一般的方法A~C(合成方法)により合成した。
【0364】
【化38】
【0365】
【表14-1】
【表14-2】
【0366】
表5の化合物は、1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸(CAS番号934342-39-9)を使用して、実施例1~8により例示される一般的方法A~C(合成方法)により合成した。
【0367】
【化39】
【0368】
【表15-1】
【表15-2】
【表15-3】
【0369】
実施例51 (R)-4-シアノ-N-(3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-5-イル)モルホリン-2-カルボキサミド
【0370】
【化40】
【0371】
キラルSFCによる実施例19のラセミ体の分離により、以下の条件下で、第1の溶出異性体として表題化合物を得た:Waters PSFC200及びUV検出器、Chiralcel OJ-H(250×21mm、5μM)を使用した、カラム流量を70.0ml/分とした、移動相:(A)液体二酸化炭素及び(B)IPA、15分間にわたる10%Bのアイソクラティック勾配。CMS:方法A、4.166分、MS:ES+366.94;キラルSFC:方法Y、9.08分;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:11.93(s、1H)、8.20(s、2H)、7.87-7.89(m、1H)、7.73-7.77(m、1H)、6.99(s、1H)、4.39-4.42(m、1H)、3.93-3.96(m、1H)、3.69-3.75(m、1H)、3.56-3.60(m、1H)、3.22-3.32(m、3H)。
【0372】
実施例52 (R)-1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0373】
【化41】
【0374】
キラルSFCによる実施例47のラセミ体の分離により、以下の条件下で、第1の溶出異性体として表題化合物を得た:Waters PSFC200及びUV検出器、Chiralpak AD-H(250×21mm、5μM)を使用した、カラム流量を80.0ml/分とした、移動相:(A)液体二酸化炭素及び(B)IPA:MeCN(50:50)、25分間にわたる15%Bのアイソクラティック勾配。LCMS:方法A、3.815分、MS:ES+349.98;キラルSFC:方法Z、5.90分;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.49(s、1H)、8.51(d、J=5.2Hz、1H)、8.29(s、1H)、8.25(s、1H)、8.08(d、J=8.0Hz、1H)、7.98(d、J=7.6Hz、1H)、7.76(t、J=8.0Hz、1H)、7.62(dd、J=5.2、1.2Hz、1H)、3.70-3.77(m、1H)、3.53-3.65(m、1H)、3.36-3.43(m、1H)、3.17-3.23(m、1H)、2.12-2.16(m、1H)、1.98-2.09(m、1H)、1.82-1.91(m、1H)、1.68-1.71(m、1H)。
【0375】
実施例53 (R)-4-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド
実施例54 (S)-4-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)モルホリン-2-カルボキサミド
【0376】
【化42】
【0377】
実施例4について記載したものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。キラルSFCによるラセミ体の分離により、以下の条件下で第1の溶出異性体として実施例53が得られ、第2の溶出異性体として実施例54が得られた:Waters SFC200及びUV検出器、Chiralpak AD-H(250×21mm、5μM)を使用した、カラム流量を80.0ml/分とした、移動相:(A)液体二酸化炭素及び(B)IPA:MeCN(50:50)、18分間にわたる25%Bのアイソクラティック勾配。実施例53 LCMS:方法B、3.700分、MS:ES+334.58;キラルSFC:方法X、2.09分;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.20(s、1H)、8.46(d、J=5.2Hz、1H)、8.34(s、1H)、8.23(s、1H)、8.06(d、J=8.0Hz、1H)、7.97(d、J=6.4Hz、1H)、7.75(t、J=8.0Hz、1H)、7.57(dd、J=5.2、1.6Hz、1H)、4.39-4.42(m、1H)、3.97-4.00(m、1H)、3.69-3.75(m、1H)、3.56-3.60(m、1H)、3.22-3.32(m、3H)。実施例54 LCMS:方法B、3.707分、MS:ES+334.53;キラルSFC:方法X、3.46分;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.20(s、1H)、8.46(d、J=5.2Hz、1H)、8.34(s、1H)、8.23(s、1H)、8.06(d、J=8.0Hz、1H)、7.97(d、J=6.4Hz、1H)、7.75(t、J=8.0Hz、1H)、7.57(dd、J=5.2、1.6Hz、1H)、4.39-4.42(m、1H)、3.97-4.00(m、1H)、3.69-3.75(m、1H)、3.56-3.60(m、1H)、3.22-3.32(m、3H)。
【0378】
実施例55 (R)-1-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド
【0379】
【化43】
【0380】
実施例1について記載したものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法B、3.919分、MS:ES+313.18;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.31(s、1H)、7.89(s、1H)、7.60-7.62(m、2H)、7.40-7.44(m、2H)、7.29-7.32(m、1H)、3.54-3.59(m、1H)、3.30-3.33(m、1H)、3.14-3.20(m、1H)、3.03-3.08(m、1H)、2.82-2.88(m、1H)、1.96-1.99(m、1H)、1.72-1.74(m、1H)、1.54-1.62(m、2H)。
【0381】
実施例56 (S)-1-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド
【0382】
【化44】
【0383】
実施例1について記載したものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.626分、MS:ES+312.90;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.31(s、1H)、7.89(s、1H)、7.60-7.62(m、2H)、7.40-7.44(m、2H)、7.29-7.32(m、1H)、3.54-3.59(m、1H)、3.30-3.33(m、1H)、3.14-3.20(m、1H)、3.03-3.08(m、1H)、2.82-2.88(m、1H)、1.96-1.99(m、1H)、1.72-1.74(m、1H)、1.54-1.62(m、2H)。
【0384】
実施例57 (S)-1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド
【0385】
【化45】
【0386】
実施例4について記載したものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法A、4.347分、MS:ES+331.95;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.77(s、1H)、8.38-8.43(m、2H)、8.20(s、1H)、7.94-8.05(m、2H)、7.74-7.64(m、1H)、7.51(s、1H)、3.51-3.54(m、1H)、3.30-3.32(m、1H)、3.10-3.16(m、1H)、3.02-3.06(m、1H)、2.82-2.88(m、1H)、1.97-1.99(m、1H)、1.72-1.74(m、1H)、1.52-1.62(m、2H)。
【0387】
実施例58 1-シアノ-5,5-ジフルオロ-N-(1-フェニル-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド
【0388】
【化46】
【0389】
1-(tert-ブトキシカルボニル)-5,5-ジフルオロピペリジン-3-カルボン酸(CAS番号1255666-86-4)を使用し、実施例8について記載したものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法B、3.538分、MS:ES+332.30;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.85(s、1H)、8.13(d、J=1.2Hz、1H)、7.68(d、J=1.2Hz、1H)、7.61-7.63(m、2H)、7.49-7.53(m、2H)、7.34-7.37(m、1H)、3.69-3.75(m、1H)、3.57-3.65(m、1H)、3.39-3.53(m、1H)、3.14-3.29(m、2H)、2.36-2.39(m、1H)、2.10-2.25(m、1H)。
【0390】
実施例59 N-(6-(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-1-シアノ-5,5-ジフルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0391】
【化47】
【0392】
1-(tert-ブトキシカルボニル)-5,5-ジフルオロピペリジン-3-カルボン酸(CAS番号1255666-86-4)を使用し、実施例5について記載したものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法D、5.735分、MS:ES+389.15;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.96(s、1H)、12.63(s、1H)、8.22(s、2H)、8.02(brs、1H)、7.63-7.74(m、2H)、3.75-3.78(m、2H)、3.50-3.61(m、1H)、3.27-3.29(m、2H)、2.20-2.31(m、2H)。
【0393】
実施例60 (2R,5*)-4-シアノ-N-(6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)-5-メチルモルホリン-2-カルボキサミド(単一の立体異性体、5-メチルの絶対立体化学は不明)
【0394】
【化48】
【0395】
工程a.1,4-ジオキサン:水(4:1、18.5ml)中の6-クロロピリミジン-4-アミン(CAS番号5305-59-9;0.500g、3.86mmol)及び(3-シアノフェニル)ボロン酸(CAS番号150255-96-2;0.681g、4.63mmol)の溶液に、Cs2CO3(3.77g、11.58mmol)を室温で添加した。反応混合物を30分間脱気した後、PdCl2(dppf)(0.141g、0.193mmol)を添加した。反応混合物を80℃で3時間加熱した。得られた反応混合物を室温に冷却し、水(70ml)に注いだ。混合物をEtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中65%EtOAc)により精製して、3-(6-アミノピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(0.437g、2.23mmol)を得た。LCMS:方法C、1.336分、MS:ES+197.33。
【0396】
工程b.0℃のピリジン(7ml)中の3-(6-アミノピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル(0.360g、1.836mmol)及び(2R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-5-メチルモルホリン-2-カルボン酸(中間体A、0.500g、2.038mmol)の溶液に。POCl3(0.56ml、6.12mmol)を反応混合物に0℃で滴加した。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、得られた混合物を水(50ml)に注ぎ、固体のNaHCO3を何回かに分けて添加しることによって塩基性にした。得られた混合物をEtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中24%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(2R)-2-((6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)カルバモイル)-5-メチル-モルホリン-4-カルボキシレート立体異性体-1(0.365g、0.861mmol)(LCMS:方法C、2.297分、MS:ES+424.63)及びtert-ブチル(2R)-2-((6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)カルバモイル)-5-メチルモルホリン-4-カルボキシレート立体異性体-2(0.170g、0.401mmol)(LCMS:方法C、2.117分、MS:ES+424.68)を得た。
【0397】
工程c.(2R)-2-((6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)カルバモイル)-5-メチルモルホリン-4-カルボキシレート立体異性体-1(0.335g、0.791mmol)の溶液に、TFA(1.68ml)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、DCM(2×15ml)を用いて共沸蒸留した。得られた物質を真空乾燥して、(2R)-N-(6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)-5-メチルモルホリン-2-カルボキサミドTFA塩(0.33g、定量的)を得た。
【0398】
工程d.THF(15ml)中の(2R)-N-(6-(3-シアノフェニル)ピリミジン-4-イル)-5-メチルモルホリン-2-カルボキサミドTFA塩(0.33g、0.755mmol)の溶液に、K2CO3(0.417g、3.02mmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで臭化シアン(0.096g、0.91mmol)で処理した。反応混合物を室温に温め、30分間撹拌した。得られた混合物を水(30ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中50%EtOAc)により精製して、表題化合物(0.210g、0.602mmol)を得た。LCMS:方法A、3.814分、MS:ES+348.98;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.90(s、1H)、9.05(s、1H)、8.60(s、1H)、8.51(s、1H)、8.41(d、J=10.4Hz、1H)、8.05(d、J=10.4Hz、1H)、7.79(t、J=8Hz、1H)、4.49-4.51(m、1H)、3.78-3.81(m、1H)、3.62-3.72(m、2H)、3.44-3.53(m、2H)、1.22(d、J=6.8Hz、3H)。
【0399】
実施例61 (R)-N-(6-(3-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)ピリミジン-4-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド
【0400】
【化49】
【0401】
4-アミノ-6-クロロピリミジン(CAS番号5305-59-9)及び中間体Bを使用し、実施例2に記載されているものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法D、4.790分、MS:ES+376.15;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.01(s、1H)、10.69(s、1H)、8.99(s、1H)、8.50(s、1H)、8.28(brs、1H)、8.23(s、1H)、7.97(brs、1H)、7.77-7.83(m、2H)、7.52(t、J=8.0Hz、1H)、4.39-4.75(m、1H)、3.95-3.98(m、1H)、3.66-3.71(m、1H)、3.57-3.60(m、1H)、3.20-3.29(m、3H)。
【0402】
実施例62 (R)-N-(5-(3-クロロフェニル)ピリダジン-3-イル)-4-シアノモルホリン-2-カルボキサミド
【0403】
【化50】
【0404】
3-クロロフェニルボロン酸(CAS番号63503-60-6)及び中間体Cを使用し、実施例5に記載されているものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法A、2.917分、MS:ES+343.92;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:9.12(d、J=2.8Hz、1H)、8.49-8.50(m、2H)、8.12(s、1H)、7.97-7.99(m、1H)、7.46-7.52(m、2H)、4.34-4.38(m、1H)、4.17-4.20(m、1H)、3.94-3.98(m、1H)、3.85-3.89(m、1H)、3.34-3.37(m、2H)、3.18-3.23(m、1H)。
【0405】
実施例63 (R)-4-シアノ-N-(5-(3-シアノフェニル)ピリダジン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド
【0406】
【化51】
【0407】
3-シアノフェニルボロン酸(CAS番号150255-96-2)及び中間体Cを使用し、実施例5に記載されているものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.281分、MS:ES+335.01;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.70(s、1H)、9.53(d、J=2.4Hz、1H)、8.55(d、J=2.4Hz、1H)、8.46(s、1H)、8.37(d、J=8.0Hz、1H)、8.03(d、J=7.6Hz、1H)、7.80(t、J=8.0Hz、1H)、4.45-4.48(m、1H)、3.99-4.03(m、1H)、3.77-3.82(m、1H)、3.59-3.63(m、1H)、3.24-3.32(m、3H)。
【0408】
実施例64 1-シアノ-N-(5-(3-シアノフェニル)イソオキサゾール-3-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0409】
【化52】
【0410】
工程a.EtOH:水(1:1、20ml)中の3-(3-ブロモフェニル)-3-オキソプロパンニトリル(CAS番号70591-86-5;1.000g、4.46mmol)の攪拌溶液に、NaOH(0.196g、4.91mmol)、続いてNH2OH.HCl(0.340g、4.91mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を80℃で16時間加熱した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水(30ml)で希釈した。得られた混合物をNaOH希薄溶液で塩基性化し、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中26%EtOAc)により精製して、5-(3-ブロモフェニル)イソオキサゾール-3-アミン(0.100g、定量的)を得た。LCMS:方法C、1.787分、MS:ES+239.20、241.20。
【0411】
工程b.DCM(2ml)中の5-(3-ブロモフェニル)イソオキサゾール-3-アミン(0.200g、0.836mmol)及び1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸(CAS番号934342-39-9;0.206g、0.836mmol)の溶液に、ピリジン(2ml)、続いてPOCl3(0.77ml、8.37mmol)を0℃で滴下した添加した。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次いで氷冷飽和NaHCO3溶液(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×60ml)で抽出した。合わせた有機層を飽和クエン酸溶液(3×60ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中15%EtOAc)により精製して、tert-ブチル3-((5-(3-ブロモフェニル)イソオキサゾール-3-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.230g、0.491mmol)を得た。LCMS方法C:2.572分、MS:ES+468.50、470.50。
【0412】
工程c.DMF(2ml)中のtert-ブチル3-((5-(3-ブロモフェニル)イソオキサゾール-3-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.205g、0.438mmol)の溶液を20分間脱気した後、Zn(CN)2(0.128g、1.09mmol)及び亜鉛末(0.013g、0.22mmol)、続いてPd2(dba)3(0.080g、0.087mmol)及びdppf(0.048g、0.087mmol)を添加した。反応混合物を150℃で4時間加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、セライトを通して濾過した。濾液を水(50ml)で希釈し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中26%EtOAc)により精製して、tert-ブチル3-((5-(3-シアノフェニル)イソオキサゾール-3-イル)カルバモイル)-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート(0.085g、0.20mmol)を得た。LCMS:方法C、2.253分、MS:ES+415.60。
【0413】
工程d及びe.実施例1の工程b及びcについて記載したものと同様の手順を用いて、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法B、3.837分、MS:ES+340.43;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:11.47(s、1H)、8.46(s、1H)、8.23(d、J=8.0Hz、1H)、8.23(d、J=7.6Hz、1H)、7.75(t、J=8.0Hz、1H)、7.54(s、1H)、3.68-3.74(m、1H)、3.51-3.63(m、1H)、3.39-3.43(m、1H)、3.18-3.23(m、1H)、2.10-2.13(m、1H)、1.99-2.05(m、1H)、1.84-1.87(m、1H)、1.67-1.70(m、1H)。
【0414】
実施例65 (R)-4-シアノ-N-(6-シアノイソキノリン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド
【0415】
【化53】
【0416】
工程a.DMA(5ml)中の6-ブロモイソキノリン-3-アミン(CAS番号891785-28-7;0.500g、2.24mmol)の撹拌溶液に、Zn(CN)2(1.316g、11.21mmol)を室温で添加した。反応混合物を20分間脱気した後、Pd(PPh34(0.776g、0.672mmol)を添加した。反応混合物を90℃で1時間加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、水(100ml)で希釈し、EtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)で精製し、3-アミノイソキノリン-6-カルボニトリル(0.640g、定量的)を得た。LCMS:方法C、1.460分、MS:ES+170.33。
【0417】
工程b~d.実施例1について記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.844分、MS:ES+308.01;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.35(s、1H)、9.33(s、1H)、8.66(s、1H)、8.55(s、1H)、8.27(d、J=8.4Hz、1H)、7.84(d、J=7.6Hz、1H)、4.42-4.45(m、1H)、3.98-4.01(m、1H)、3.70-3.75(m、1H)、3.59-3.62(m、1H)、3.24-3.32(m、3H)。
【0418】
実施例66 (2R)-4-シアノ-N-(1-(4-シアノピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)モルホリン-2-カルボキサミド
【0419】
【化54】
【0420】
工程a.DMF(10ml)中の2-ブロモ-4-シアノピリジン(CAS番号10386-27-3;0.500g、2.73mmol)及びtert-ブチルピロリジン-3-イルカルバメート(CAS番号99724-19-3;0.509g、2.73mmol)の撹拌溶液に、Na2CO3(0.578g、5.46mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた混合物を水(50ml)で希釈し、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を塩水溶液(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中18%EtOAc)により精製して、tert-ブチル(1-(4-シアノピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)カルバメート(0.480g、1.67mmol)を得た。LCMS:方法C、1.871分、MS:ES+289.48。
【0421】
工程b.DCM(10ml)中のtert-ブチル(1-(4-シアノピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)カルバメート(0.450g、1.56mmol)の溶液に、TFA(2.25ml)を室温で添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をDCM(20ml)、続いてジエチルエーテル(25ml)を用いて共沸蒸留した。得られた物質を真空下で乾燥して、2-(3-アミノピロリジン-1-イル)イソニコチノニトリル(0.280g、1.49mmol)を得た。MS:ES+189.10。
【0422】
工程c~e.実施例1について記載されたものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法F、16.993、17.578分、MS:ES+327.20;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:8.20-8.35(m、2H)、6.84-6.86(m、2H)、4.38-4.39(m、1H)、4.04-4.09(m、1H)、3.84-3.87(m、1H)、3.58-3.64(m、2H)、3.41-3.48(m、4H)、3.24-3.27(m、1H)、3.07-3.18(m、2H)、2.10-2.14(m、1H)、1.93-1.98(m、1H)。
【0423】
実施例67 (S)-4-シアノ-1-メチル-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド
【0424】
【化55】
【0425】
工程a.MeOH(15ml)中の(S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-2-カルボン酸(CAS番号848482-93-9;0.540g、2.35mmol)の撹拌溶液に、37%ホルムアルデヒド水溶液(0.2ml)及び触媒量の酢酸、続いて10%乾燥Pd/C(0.100g)を窒素雰囲気下で室温で添加した。反応混合物をH2ガスで室温で2時間パージした。得られた反応混合物をCelite hyflowを通して注意深く濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をn-ペンタン(5ml)で粉砕して固体物質を得て、これを高真空下で乾燥して(S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-1-メチルピペラジン-2-カルボン酸(0.300g、1.23mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.560分、MS:ES+245.33。
【0426】
工程b~d.実施例1について記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法B、3.252分、MS:ES+328.48;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.42(s、1H)、7.92(s、1H)、7.62-7.64(m、2H)、7.40-7.44(m、2H)、7.30-7.33(m、1H)、3.51-3.54(m、1H)、3.30-3.32(m、1H)、3.21-3.29(m、3H)、2.94-2.97(m、1H)、2.28-2.34(m、1H)、2.23(s、3H)。
【0427】
実施例68 (R)-1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド
【0428】
【化56】
【0429】
(R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-2-カルボン酸(CAS番号192330-11-3)を使用し、実施例67に記載されているものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法B、3.253分、MS:ES+328.48;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.42(s、1H)、7.92(s、1H)、7.62-7.64(m、2H)、7.40-7.44(m、2H)、7.30-7.33(m、1H)、3.51-3.54(m、1H)、3.30-3.32(m、1H)、3.21-3.29(m、3H)、2.94-2.97(m、1H)、2.28-2.34(m、1H)、2.23(s、3H)。
【0430】
実施例69 4-シアノ-1-フェニル-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド
【0431】
【化57】
【0432】
工程a.DCM(5ml)中の1-(tert-ブチル)3-メチルピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(CAS番号129799-08-2;0.500g、2.05mmol)の攪拌溶液に、フェニルボロン酸(0.347g、3.07mmol)及び酢酸銅(0.111g、0.614mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合物を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(2×25ml)で抽出した。合わせた有機相を回収し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中10%MeOH)により精製して、1-(tert-ブチル)3-メチル4-フェニルピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(0.200g、0.625mmol)を得た。LCMS:方法C、2.385分、MS:ES+321.53。
【0433】
工程b.THF:水(9:1、5.5ml)中の1-(tert-ブチル)3-メチル4-フェニルピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(0.200g、0.625mmol)の撹拌溶液に、LiOH(0.105g、2.051mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合物を水(5ml)で希釈し、EtOAc(2×10ml)で抽出した。水層をクエン酸水溶液を用いて酸性化し、DCM(3×10ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、1-(tert-ブチル)3-メチル4-フェニルピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(0.08g、0.261mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、2.137分、MS:ES+307.82。
【0434】
工程c~e.実施例1について記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法C、2.234分、MS:ES+390.58;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.42(s、1H)、7.89(s、1H)、7.58-7.60(m、2H)、7.38-7.42(m、2H)、7.21-7.31(m、3H)、6.91-6.93(m、2H)、6.78-6.82(m、1H)、4.74-4.76(m、1H)、3.92-3.96(m、1H)、3.64-3.75(m、2H)、3.55-3.58(m、2H)、3.34-3.37(m、1H)。
【0435】
実施例70 1-アセチル-4-シアノ-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド
【0436】
【化58】
【0437】
工程a.DMF(10ml)中の1-(tert-ブチル)3-メチルピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(CAS番号129799-08-2;0.500g、2.049mmol)の撹拌溶液に、TEA(0.500ml、3.590mmol)を0℃で添加した。反応混合物を10分間撹拌した後、塩化アセチル(0.200ml、2.67mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた混合物を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(2×25ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中2%MeOH)により精製して、1-(tert-ブチル)3-メチル4-アセチルピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(0.400g、1.40mmol)を得た。LCMS:方法C、1.779分、MS:ES+287.48。
【0438】
工程b.EtOH(2ml)中の1-(tert-ブチル)3-メチル4-アセチルピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(0.400g、1.40mmol)の撹拌溶液に、10%NaOH水溶液(2ml)を室温で滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合物を2M HClを用いて酸性化し、EtOAc(2×25ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、1-アセチル-4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-2-カルボン酸(0.300g、1.10mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.616分、MS:ES-271.53。
【0439】
工程c~e.実施例1について記載されたものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、2.704分、MS:ES+356.02;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.53(s、1H)、7.93(s、1H)、7.62-7.64(m、2H)、7.41-7.44(m、2H)、7.30-7.33(m、1H)、5.21-5.23(m、1H)、4.10-4.30(m、2H)、3.82-3.94(m、1H)、3.37-3.64(m、2H)、3.19-3.26(m、1H)、2.12(s、3H)。
【0440】
実施例71 4-シアノ-1-(メチルスルホニル)-N-(5-フェニルチアゾール-2-イル)ピペラジン-2-カルボキサミド
【0441】
【化59】
【0442】
工程a.DMF(10ml)中の1-(tert-ブチル)3-メチルピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(CAS番号129799-08-2;0.500g、2.05mmol)の撹拌溶液に、TEA(0.300ml、2.670mmol)を0℃で添加した。塩化メタンスルホニル(0.300g、2.67mmol)を0℃で反応混合物に滴加し、室温に温め、4時間撹拌した。得られた反応混合物を水(40ml)に注ぎ、EtOAc(2×30ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、1-(tert-ブチル)3-メチル4-(メチルスルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(0.120g、0.372mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.900分、MS:ES+267.30[M-56]。
【0443】
工程b.EtOH(2ml)中の1-(tert-ブチル)3-メチル4-(メチルスルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボキシレート(0.120g、0.372mmol)の撹拌溶液に、10%NaOH水溶液(1ml)を室温で滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(10ml)で希釈し、2M HClを用いて酸性化した。得られた混合物をEtOAc(2×25ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、4-(tert-ブトキシカルボニル)-1-(メチルスルホニル)ピペラジン-2-カルボン酸(0.100g、0.324mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.680分、MS:ES-307.48。
【0444】
工程c~e.実施例1について記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成したLCMS:方法A、2.663分、MS:ES+391.92;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.64(s、1H)、7.95(s、1H)、7.63-7.65(m、2H)、7.41-7.44(m、2H)、7.30-7.34(m、1H)、4.71-4.72(m、1H)、4.10-4.30(m、2H)、3.94-3.98(m、1H)、3.49-3.76(m、2H)、3.19-3.25(m、1H)、3.06(s、3H)。
【0445】
実施例72 (R)-N-(5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0446】
【化60】
【0447】
キラルSFCによる実施例49のラセミ体の分離により、以下の条件下で、第1の溶出異性体として表題化合物を得た:Waters SFC200及びUV検出器、Chiralcel OX-H(250×21mm、5μM)を使用した、カラム流量を80.0ml/分とした、移動相:(A)液体二酸化炭素及び(B)IPA、9分間にわたる25%Bのアイソクラティック勾配。LCMS:方法A、2.645分、MS:ES+315.10;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.04(s、1H)、10.36(s、1H)、8.82-8.83(d、J=1.6Hz、1H)、8.22-8.24(d、J=7.6Hz、1H)、8.03-8.05(d、J=8.4Hz、1H)、7.82(brs、1H)、6.80-6.81(d、J=2.0Hz、1H)、3.71-3.77(m、1H)、3.53-3.65(m、1H)、3.40-3.43(m、1H)、3.17-3.23(m、1H)、2.11-2.14(m、1H)、1.98-2.08(m、1H)、1.81-1.90(m、1H)、1.66-1.70(m、1H)。
【0448】
実施例73 1-シアノ-N-(3-(3-シアノフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0449】
【化61】
【0450】
工程a.NMP(10ml)中の3-(3-ブロモフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(CAS番号119162-52-6;0.250g、1.05mmol)の溶液を室温で15分間脱気した。亜鉛末(0.034g、0.52mmol)、シアン化亜鉛(0.30g、2.62mmol)Pd2(dba)3(0.190g、0.21mmol)及びトリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(CAS番号131274-22-1;0.060g、0.21mmol)を反応混合物に順次添加した。反応混合物をマイクロ波照射下160℃で4時間加熱した。得られた混合物を水(70ml)に注ぎ、EtOAc(2×50ml)で抽出した。集めた有機抽出物を塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中30%EtOAcで溶出した)で精製し、3-(5-アミノイソオキサゾール-3-イル)ベンゾニトリル(0.150g、0.81mmol)を得た。LCMS:方法C、1.770分、MS:ES+186.1。
【0451】
工程b~d.実施例60の工程b~dについて記載されたものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法C、2.663分、MS:ES-338.6;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.21(s、1H)、8.39(s、1H)、8.22-8.24(d、J=8.0Hz、1H)、7.98-8.00(d、J=8.0Hz、1H)、7.73(t、J=8.0Hz、1H)、7.034(s、1H)、3.71-3.77(m、1H)、3.51-3.63(m、1H)、3.40-3.43(m、1H)、3.19-3.24(m、1H)、1.96-2.13(m、2H)、1.84-1.90(m、1H)、1.67-1.71(m、1H)。
【0452】
実施例74 (R)-N-(5-(3-クロロフェニル)イソオキサゾール-3-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0453】
【化62】
【0454】
工程a.トルエン(10ml)中の3-クロロアセトフェノン(CAS番号99-02-5;1.00g、6.47mmol)の撹拌溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(2.40g、25.0mmol)を0℃で添加した。30分間攪拌した後、二硫化炭素(0.7ml、11.6mmol)を反応混合物に滴加した。0℃で1時間撹拌をさらに続け、続いてMeOH(15ml)及びヨウ化メチル(1.2ml、19.3mmol)を添加した。得られた混合物を70℃で30分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸留して除去し、残渣を水(60ml)とEtOAc(3×20ml)との間で分配した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中15%EtOAcで溶出した)により精製して、1-(3-クロロフェニル)-3,3-ビス(メチルチオ)プロプ-2-エン-1-オン(1.05g、3.86mmol)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ ppm 7.88-7.88(m、1H)、7.82-7.79(m、1H)、7.50-7.47(m、1H)、7.42-7.38(m、1H)、6.70(s、1H)、2.60-2.35(m、6H)。
【0455】
工程b.EtOH(25ml)中の1-(3-クロロフェニル)-3,3-ビス(メチルチオ)プロプ-2-エン-1-オン(1.00g、3.88mmol)の撹拌溶液に、4-メトキシベンジルアミン(1.06g、7.75mmol)を室温で添加し、得られた混合物を80℃に24時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中12%EtOAcで溶出した)により精製して、1-(3-クロロフェニル)-3-((4-メトキシベンジル)アミノ)-3-(メチルチオ)プロプ-2-エン-1-オン(0.945g、2.72mmol)を得た。LCMS:方法C、2.522分、MS:ES+348.3。
【0456】
工程c.EtOH(20ml)中の1-(3-クロロフェニル)-3-((4-メトキシベンジル)アミノ)-3-(メチルチオ)-プロプ-2-エン-1-オン(0.940g、2.71mmol)の撹拌溶液に、NH2OH.HCl(0.752g、10.8mmol)、KOH(0.608g、10.83mmol)及び水(6ml)を室温で添加し、得られた混合物を90℃で6時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、冷水(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中16%EtOAcで溶出した)により精製して、5-(3-クロロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)イソオキサゾール-3-アミン(0.650g、2.07mmol)を得た。LCMS:方法C、2.255分、MS:ES+315.38.
【0457】
工程d.TFA(6ml)中の5-(3-クロロフェニル)-N-(4-メトキシベンジル)イソオキサゾール-3-アミン(0.600g、1.91mmol)の溶液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(80ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中20%EtOAcで溶出した)により精製して、5-(3-クロロフェニル)イソオキサゾール-3-アミン(0.210g、1.08mmol)を得た。LCMS:方法C、1.738分、MS:ES+195.33. 1H NMR(400MHz、CDCl3)δ ppm:7.72(s、1H)、7.60-7.63(m、1H)、7.38-7.44(m、2H)、6.13(s、1H)、4.05(brs、2H)。
【0458】
工程e~g.実施例60の工程b~dについて記載されたものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。キラルSFCによるラセミ体の分離により、以下の条件下で、第1の溶出異性体として表題化合物を得た:Waters SFC200及びUV検出器、Chiralcel OX-H(250×21mm、5μM)を使用した、カラム流量を75.0ml/分とした、移動相:(A)液体二酸化炭素及び(B)IPA、11分間にわたる25%Bのアイソクラティック勾配。LCMS:方法B、4.216分、MS:ES+349.5;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:11.43(s、1H)、8.01(brs、1H)、7.87-7.89(m、1H)、7.55-7.60(m、2H)、7.46(s、1H)、3.67-3.73(m、1H)、3.50-3.62(m、1H)、3.37-3.43(m、1H)、3.17-3.23(m、1H)、1.98-2.12(m、2H)、1.84-1.90(m、1H)、1.66-1.70(m、1H)。
【0459】
実施例75 (R)-1-シアノ-3-フルオロ-N-(5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-3-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド
【0460】
【化63】
【0461】
1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エタン-1-オン(CAS番号349-76-8)を使用し、実施例74に記載されているものと同様の手順を使用して、表題の化合物を合成した。LCMS:方法C、2.151分、MS:ES-381.5;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:11.47(brs、1H)、8.26(s、1H)、8.21-8.23(d、J=8.0Hz、1H)、7.88-7.90(d、J=7.6Hz、1H)、7.78(t、J=8.0Hz、1H)、7.58(s、1H)、3.67-3.73(m、1H)、3.50-3.63(m、1H)、3.39-3.42(m、1H)、3.17-3.23(m、1H)、1.98-2.12(m、2H)、1.83-1.89(m、1H)、1.66-1.70(m、1H)。
【0462】
実施例76 (R)-N-(3-(3-クロロフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0463】
【化64】
【0464】
工程a.水(75ml)中の3-(3-クロロフェニル)-3-オキソプロパンニトリル(CAS番号21667-62-9;5.00g、27.9mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(2.32g、33.5mmol)の撹拌溶液に、NaOH(2.23g、55.9mmol)を0℃で添加し、得られた混合物を100℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(300ml)に注ぎ、EtOAc(4×200ml)中に抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を手動カラム精製(化合物をn-ヘキサン中28%EtOAcで溶出した)により精製して、3-(3-クロロフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(2.90g、14.94mmol)を得た。LCMS:方法C、1.803分、MS:ES+195.28。
【0465】
工程b~d.実施例60の工程b~dについて記載されたものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。キラルSFCによるラセミ体の分離により、以下の条件下で、第1の溶出異性体として表題化合物を得た:Waters SFC200及びUV検出器、Chiralcel OX-H(250×21mm、5μM)を使用した、カラム流量を75.0ml/分とした、移動相:(A)液体二酸化炭素及び(B)IPA、15分間にわたる30%Bのアイソクラティック勾配。LCMS:方法A、3.962分、MS:ES-347;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:12.17(s、1H)、7.94(brs、1H)、7.85-7.86(d、J=7.2Hz、1H)、7.52-7.59(m、2H)、6.93(s、1H)、3.69-3.75(m、1H)、3.50-3.62(m、1H)、3.40-3.43(m、1H)、3.18-3.24(m、1H)、1.95-2.12(m、2H)、1.81-1.90(m、1H)、1.67-1.70(m、1H)。
【0466】
実施例77 (R)-N-(5-(1H-ピラゾール-1-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0467】
【化65】
【0468】
工程a.DMF(5ml)中の5-ブロモピリジン-2-アミン(CAS番号1072-97-5;0.50g、1.44mmol)及び1H-ピラゾール(0.60g、6.33mmol)の攪拌溶液に、K2CO3(0.60g、6.33mmol)及びCuI(0.05g、0.29mmol)を0℃で添加し、得られた混合物を100℃で16時間加熱した。反応混合物を水(70ml)に注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中40%EtOAcで溶出した)により精製して、5-(1H-ピラゾール-1-イル)ピリジン-2-アミン(0.200g、1.25mmol)を得た。LCMS:方法C、0.274分、MS:ES+161.32。
【0469】
工程b~d.実施例60の工程b~dについて記載されたものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。キラルSFCによるラセミ体の分離により、以下の条件下で、第2の溶出異性体として表題化合物を得た:Waters SFC200及びUV検出器、Chiralpak AD-H(250×21mm、5μM)を使用した、カラム流量を80.0ml/分とした、移動相:(A)液体二酸化炭素及び(B)IPA:MeCN(50:50)中0.1%DEA、9分間にわたる20%Bのアイソクラティック勾配。LCMS:方法A、3.120分、MS:ES+315;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.52(s、1H)、8.91-8.91(d、J=2.8Hz、1H)、8.57-8.58(d、J=2.4Hz、1H)、8.30-8.33(dd、J=2.8Hz、J2=9.2Hz、1H)、8.11-8.13(d、J=8.8Hz、1H)、7.81-7.81(d、J=1.2Hz、1H)、6.61(d、J=2.0Hz、1H)、3.71-3.77(m、1H)、3.54-3.66(m、1H)、3.39-3.43(m、1H)、3.17-3.23(m、1H)、2.12-2.15(m、1H)、2.02-2.05(m、1H)、1.85-1.88(m、1H)、1.67-1.70(m、1H)。
【0470】
実施例78 (R)-1-シアノ-N-(4-(3-シアノフェニル)オキサゾール-2-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0471】
【化66】
【0472】
工程a.MeCN(7ml)中の3-(2-ブロモアセチル)ベンゾニトリル(CAS番号50916-55-7;0.350g、1.56mmol)の撹拌溶液に、尿素(0.937g、15.62mmol)を室温で添加し、反応混合物を80℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(30ml)に注ぎ、EtOAc(2×30ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、3-(2-アミノオキサゾール-4-イル)ベンゾニトリル(0.280g、粗製物)を得た。粗物質を次の工程に直接使用した。LCMS:方法C、1.367分、MS:ES+186.18.
【0473】
工程b~d.実施例60の工程b~dについて記載されたものと同様の手順を使用し、工程bの(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸(中間体D)を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、2.814分、MS:ES+340.0;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:8.63(s、1H)、8.19(s、1H)、8.06-8.08(d、J=7.6Hz、1H)、7.80-7.82(d、J=7.6Hz、1H)、7.67(t、J=7.6Hz、1H)、3.70(m、1H)、3.49-3.68(m、1H)、3.39-3.42(m、1H)、3.20(m、1H)、2.08-2.11(m、1H)、1.91-2.07(m、1H)、1.80-1.89(m、1H)、1.66-1.70(m、1H)。
【0474】
実施例79 (R)-1-シアノ-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0475】
【化67】
【0476】
工程a.DMSO(150ml)中のメチル4-ニトロ-1H-イミダゾール(CAS番号3034-38-6;15.0g、133mmol)及び3-ブロモベンゾニトリル(29.0g、159mmol)の撹拌溶液に、CuI(5.04g、26.54mmol)、K2CO3(36.6g、265mmol)及びL-プロリン(3.0g、26.5mmol)を室温で順次添加した。溶液を90℃で16時間加熱した。別の2つのバッチの反応を同じ方法により同じ規模で並行して実施した。反応物の3つ全てのバッチを室温で合わせ、氷冷水(3000ml)に注いだ。得られた混合物をブフナー漏斗を通して濾過し、固体物質をトルエンと共沸し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中50%EtOAcで溶出した)により精製して、3-(4-ニトロ-1H-イミダゾール-1-イル)ベンゾニトリル(24.5g、114.38mmol)を得た。LCMS:方法C、1.453分、MS:ES+215.18。
【0477】
工程b.炭酸アンモニウム(29.2g、304mmol)及び亜鉛末(38.9g、607mmol)を、THF(1300ml)及び2MHCl(300ml)中の3-(4-ニトロ-1H-イミダゾール-1-イル)ベンゾニトリル(13.0g、60.7mmol)の撹拌溶液に順次添加し、得られた反応混合物を50℃で10分間加熱した。反応混合物を塩水(1300ml)に注ぎ、同じ方法により同じ規模で調製した他の2つのバッチと合わせ、EtOAc(3×1500ml)で一緒に抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、3-(4-アミノ-1H-イミダゾール-1-イル)ベンゾニトリル(23.0g、125.0mmol、粗製物)を得た。LCMS:方法C、1.202分、MS:ES+185.17。
【0478】
工程c.THF(1000mL)中の3-(4-アミノ-1H-イミダゾール-1-イル)ベンゾニトリル(22.0g、119.5mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(30.8g、239mmol)、続いてTBTU(57.5g、179.2mmol)を0℃で添加した。30分間撹拌した後、THF(200ml)中の(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロ-ピペリジン-3-カルボン酸(中間体D、29.5g、119.5mmol)の溶液を添加して添加し、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(3000ml)に注ぎ、EtOAc(2×2000ml)で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO3水溶液(3×2000ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラム精製(化合物をn-ヘキサン中50%EtOAcで溶出した)により精製して、tert-ブチル(R)-3-((1-(3-シアノフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(30.1g、72.9mmol)を得た。LCMS:方法C、1.643分、MS:ES+414.37。
【0479】
工程d.DCM(300ml)中のtert-ブチル(R)-3-((1-(3-シアノフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(30.00g、72.63mmol)の撹拌溶液に、TFA(200ml)を0℃で添加し、1時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、粗生成物をDCM(4×100ml)と共沸蒸留し、続いてジエチルエーテル(100ml)で粉砕し、高真空下で乾燥して、(R)-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミドTFA塩(35.1g、定量的、粗製物)を得た。LCMS:方法C、1.301分、MS:ES+314.36。
【0480】
工程e.THF(1000ml)中の(R)-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミドTFA塩(35.0g、82.0mmol)の撹拌溶液に、K2CO3(113.1g、820mmol)を0℃で添加した。0℃で20分間撹拌した後、臭化シアン(17.4g、164mmol)を添加した。反応混合物を0℃で室温に1時間撹拌した。得られた混合物を水(2000ml)に注ぎ、EtOAc(2×2000ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をDCM中1%MeOHで溶出した)により精製して、(R)-1-シアノ-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド(17.0g、50.3mmol)を得た。LCMS:方法B、3.158分、MS:ES+339.43;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.74(s、1H)、8.30(d、J=6.0Hz、2H)、8.05(d、J=8.0Hz、1H)、7.91(s、1H)、7.83(d、J=7.6Hz、1H)、7.72(t、J=8.0Hz、1H)、3.68-3.51(m、2H)、3.43-3.40(m、H)、3.19(t、J=12.0Hz、1H)、2.09-1.99(m、2H)、1.87-1.84(m、1H)、1.69-1.66(m、1H)。
【0481】
実施例80 1-シアノ-3-フルオロ-N-(1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド
【0482】
【化68】
【0483】
工程a.MeOH(8ml)及び水(2ml)中の1,4-ジニトロ-1H-イミダゾール(0.490g、3.10mmol)の撹拌溶液に、3-(トリフルオロメチル)アニリン(0.500g、3.105mmol)を室温で添加し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を水(50ml)に入れ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(30ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中24%EtOAcで溶出した)により精製して、4-ニトロ-1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-イミダゾール(0.600g、2.34mmol)を得た。LCMS:方法C、1.835分、MS:ES+258.16、1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:9.18-9.17(m、1H)、8.63-8.62(m、1H)、8.29(s、1H)、8.17-8.15(m、1H)、7.89-7.82(m、2H)。
【0484】
工程b.THF:水混合物(4:1、10ml)中の4-ニトロ-1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-イミダゾール(0.250g、0.98mmol)の撹拌溶液に、NH4Cl(0.522g、0.98mmol)及び亜鉛末(0.625g、9.77mmol)を室温で添加した、得られた混合物を5分間50℃に加熱した。反応混合物を塩水(50ml)に入れ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して粗残渣を得て、1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-イミダゾール-4-アミン(0.230g、粗製物)を得た。LCMS:方法C、1.403分、MS:ES+228.2、1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:8.11(d、J=1.2Hz、1H)。7.97(s、1H)、7.91-7.89(m、1H)、7.73-7.69(m、1H)、7.65-7.64(m、1H)、6.85(d、J=1.2Hz、1H)、4.63(s、2H)。この粗製物をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0485】
工程c~e.実施例79の工程c~eに記載されているものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.706分、MS:ES+382.1;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.71(s、1H)、8.33-8.34(dd、J=1.2Hz、1H)、8.07(s、1H)、7.98-8.00(d、J=7.6Hz、1H)、7.90(s、1H)、7.71-7.77(m、2H)、3.50-3.64(m、2H)、3.39-3.42(m、1H),3.15-3.21(m、1H)、1.98-2.102(m、2H)、1.83-1.87(m、1H)、1.65-1.68(m、1H)。
【0486】
実施例81 1-シアノ-3-フルオロ-N-(1-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)ピペリジン-3-カルボキサミド
【0487】
【化69】
【0488】
1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エタン-1-オン(CAS番号349-76-8)を使用し、実施例80に記載したものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.878分、MS:ES+398.1;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:10.73(s、1H)、8.29-8.30(d、J=1.2Hz、1H)、7.86-7.86(d、J=1.2Hz、1H)、7.80(br、s、1H)、7.74-7.76(d、J=8.4Hz、1H)、7.65(t、J=8.4Hz、1H)、7.37-7.39(d、J=8.0、1H)、3.51-3.68(m、2H)、3.39-3.43(m、1H)、3.19(m、1H)、1.95-2.10(m、2H)、1.84-1.88(m、1H)、1.66-1.69(m、1H)。
【0489】
実施例82 (R)-1-シアノ-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0490】
【化70】
【0491】
工程a.水(15ml)中のp-トルエンスルホン酸(19.90g、104.6mmol)の撹拌溶液に、3-ブロモアニリン(2.00g、11.6mmol)を添加し、続いてNaNO2(7.21g、104.6mmol)を0℃で30分間にわたり数回に分けて添加した。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。アジ化ナトリウム(1.20g、18.6mmol)を0℃で15分間にわたり数回に分けて反応混合物に添加し、得られた混合物を室温で10分間撹拌した。反応混合物を水(50ml)で希釈し、EtOAc(2×50ml)中に抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して粗残渣を得て、1-アジド-3-ブロモベンゼン(2.000g、粗製物)を得た。粗残渣をさらに精製することなく次の工程に用いた。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:7.41-7.33(m、3H)、7.16-7.13(m、1H)。
【0492】
工程b.DMF.DMA(2.280g、19.19mmol)及びニトロメタン(0.585g、9.59mmol)の混合物をマイクロ波で150℃で30分間加熱した。得られた反応混合物を室温に冷却した。トルエン(10ml)中の1-アジド-3-ブロモベンゼン(1.890g、9.59mmol)の溶液を反応混合物に添加し、100℃で22時間加熱した。反応混合物を室温にし、水(50ml)で希釈し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中15%EtOAcで溶出した)により精製して、1-(3-ブロモフェニル)-4-ニトロ-1H-1,2,3-トリアゾール(0.258g、0.95mmol)を得た。LCMS:方法C、1.985分、MS:ES+269.1、271.1、1H NMR(400MHz、CDCl3)δ ppm:8.74(s、1H)、8.07-8.03(m、1H)、7.79-7.76(m、2H)、7.56-7.53(m、1H)。
【0493】
工程c.EtOH:水混合物(2:1;10.5ml)中の1-(3-ブロモフェニル)-4-ニトロ-1H-1,2,3-トリアゾール(0.255g、0.95mmol)の撹拌懸濁液に、鉄粉(0.319g、5.71mmol)、続いてAcOH(0.343g、5.71mmol)を室温で添加し、得られた反応混合物を80℃で1時間加熱した。得られた反応混合物を室温に冷却し、水(50ml)で希釈し、固体NaHCO3で塩基性化し、EtOAc(2×30ml)中に抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して粗残渣を得て、1-(3-ブロモフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-アミン(0.238g、粗製物)を得た。LCMS:方法C、1.575分、MS:ES+239.09、241.09。この粗残渣をさらに精製することなく次の工程に用いた。
【0494】
工程d.THF(5ml)中の1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸(0.280g、1.13mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.48ml、0.365g、2.84mmol)及びTBTU(0.456g、1.42mmol)を室温で添加した。30分間撹拌した後、反応混合物を1-(3-ブロモフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-アミン(0.225g、0.95mmol)で処理した。さらに5時間撹拌を続けた。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(30ml)で希釈し、EtOAc(2×30ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中15%EtOAcで溶出した)により精製して、tert-ブチル3-((1-(3-ブロモフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.200g、0.43mmol)を得た。LCMS:方法C、2.291分、MS:ES+468.4、470.4。
【0495】
工程e.DMF(3ml)中のtert-ブチル3-((1-(3-シアノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.160g、0.34mmol)の撹拌溶液に、Zn(CN)2(0.040g、0.34mmol)を室温で添加した。得られた混合物を15分間脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.039g、0.034mmol)を添加し、得られた混合物をマイクロ波照射下で140℃で2時間加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、水(30ml)で希釈し、EtOAc(2×30ml)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をヘキサン中25%EtOAcで溶出した)により精製して、tert-ブチル3-((1-(3-シアノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.095g、0.23mmol)を得た。LCMS:方法C、2.023分、MS:ES+415.4。
【0496】
工程f及びg.実施例1の工程b及びcについて記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。キラルHPLCによるラセミ体の分離により、以下の条件下で、第1の溶出異性体として表題化合物を得た:Shimadzu LC-20AP及びUV検出器、Chiralpak IB(250×21mm、5μM)を使用、カラム流量を18.0ml/分とした、移動相:(A)n-ヘキサン中0.1%DEA及び(B)IPA中0.1%DEA、28分間にわたる55%Bのアイソクラティック勾配。LCMS:方法B、3.284分、MS:ES+340.3;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:11.47(s、1H)、9.00(s、1H)、8.54(s、1H)、8.34-8.36(d、J=8.0Hz、1H)、7.97-7.99(d、J=7.6Hz、1H)、7.81(t、J=8.0Hz、1H)、3.66-3.73(m、1H)、3.53-3.65(m、1H)、3.39-3.44(m、1H)、3.18-3.24(m、1H)、2.10-2.13(m、1H)、2.01-2.04(m、1H)、1.86-1.89(m、1H)、1.68-1.71(m、1H)。
【0497】
実施例83 (R)-1-シアノ-N-(1-(3-シアノフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0498】
【化71】
【0499】
工程a.DCM(25ml)中の3-ニトロ-4H-1,2,4-トリアゾール(CAS番号24807-55-4;1.00g、8.77mmol)及び(3-シアノフェニル)ボロン酸(2.57g、17.54mmol)の溶液に、酢酸銅(II)(2.62g、13.1mmol)、ピリジン(1.43ml、17.5mmol)及びモレキュラーシーブ(0.60g)を添加し、室温で16時間撹拌した。得られた反応混合物を水(250ml)に注ぎ、DCM(2×200ml)に抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して粗残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中30%EtOAcで溶出した)により精製して、3-(3-ニトロ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ベンゾニトリル(0.60g、2.79mmol)を得た。この粗生成物を直接次の工程に用いた。
【0500】
工程b.THF(10ml)及び水(5ml)中の3-(3-ニトロ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ベンゾニトリル(0.57g、2.65mmol)の撹拌溶液に、AcOH(1.71ml、3体積)及び鉄粉(0.74g、13.2mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾液を水(100ml)で希釈し、固体NaHCO3で塩基性化し、EtOAc(2×100ml)中に抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(2×5ml)を用いて粉砕することにより精製して、3-(3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ベンゾニトリル(0.49g、2.64mmol)を得た。LCMS:方法C、1.35分、MS:ES+186.1。
【0501】
工程c~e.実施例5の工程b~dについて記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。キラルSFCによるラセミ体の分離により、以下の条件下で、第2の溶出異性体として表題化合物を得た:Waters SFC 200及びUV検出器、Chiralpak AD-H(250×21mm、5μM)を使用、カラム流量を70.0ml/分とした、移動相:(A)液体二酸化炭素及び(B)IPA:MeCN(50:50)中0.1%DEA、8分間にわたる30%Bのアイソクラティック勾配。LCMS:方法A、2.683分、MS:ES+340.1;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:11.00(s、1H)、9.34(s、1H)、8.37(s、1H)、8.16-8.18(dd、J1=1.2Hz、J2=8.4Hz、1H)、7.90-7.92(d、J=7.6Hz、1H)、7.80(t、J=8.0Hz、1H)、3.51-3.71(m、2H)、3.41-3.44(m、1H)、3.17-3.23(m、1H)、2.09-2.12(m、1H)、1.96-2.06(m、1H)、1.85-1.91(m、1H)、1.67-1.70(m、1H)。
【0502】
実施例84 (R)-N-(5-(1H-インダゾール-7-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
(一般的方法Cに従って調製)
【0503】
【化72】
【0504】
工程a.1,4-ジオキサン:水混合物(8:2、5ml)中の7-ブロモ-1H-インダゾール(CAS番号53857-58-2;0.34g、1.73mmol)及び2-アミノピリジン-5-ボロン酸ピナコールエステル(CAS番号827614-64-2;0.40g、1.82mmol)の攪拌溶液に、Cs2CO3(1.80g、5.52mmol)を室温で添加した。反応混合物を15分間脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.910g、0.08mmol)を室温で添加し、得られた混合物を80℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(70ml)で希釈し、EtOAc(2×150ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をDCM中2.4%MeOHで溶出した)により精製して、5-(1H-インダゾール-7-イル)ピリジン-2-アミン(0.30g、1.43mmol)を得た。LCMS:方法C、1.553分、MS:ES+211.25。
【0505】
工程b~d.実施例5の工程b~dについて記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。キラルSFCによるラセミ体の分離により、以下の条件下で、第2の溶出異性体として表題化合物を得た:Waters SFC200及びUV検出器、Chiralpak IC(250×21mm、5μM)を使用、カラム流量を60.0ml/分とした、移動相:(A)液体二酸化炭素及び(B)IPA:MeCN(50:50)、12分間にわたる30%Bのアイソクラティック勾配。LCMS:方法A、3.470分、MS:ES+365.1;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.34(s、1H)、10.52(s、1H)、8.71(s、1H)、8.14-8.21(m、3H)、7.81-7.83(d、J=8.0Hz、1H)、7.46-7.47(d、J=6.8Hz、1H)、7.24(t、J=8.0Hz、1H)、3.73-3.79(m、1H)、3.56-3.68(m、1H)、3.41-3.44(m、1H)、3.18-3.24(m、1H)、2.14-2.17(m、1H)、2.01-2.07(m、1H)、1.85-1.92(m、1H)、1.68-1.71(m、1H)。
【0506】
実施例85 (R)-N-(5-(1H-インダゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
(実施例84について記載したものと同様の手順を使用して調製)
【0507】
【化73】
【0508】
工程a.1,4-ジオキサン:水(8:2;10.0ml)中の5-ブロモピリジン-2-アミン(CAS番号1072-97-5;0.25g、1.45mmol)の溶液に、Cs2CO3(1.40g、4.34mmol)及び(1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(CAS番号1023595-17-6;0.23g、1.45mmol)を室温で添加した。反応混合物を30分間脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.008g、0.07mmol)を添加し、反応混合物を85℃で16時間加熱した。得られた反応混合物を冷水(200ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をCombi-flashクロマトグラフィー(化合物をDCM中3.0%MeOHで溶出した)により精製して、5-(1H-インダゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン(0.20g、0.95mmol)を得た。LCMS:方法C、1.32分、MS:ES+211。
【0509】
工程b~d.実施例5の工程b~dについて記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。キラルHPLCによるラセミ体の分離により、以下の条件下で、第1の溶出異性体として表題化合物を得た:Shimadzu LC-20AP及びUV検出器、Chiralpak IB(250×20mm、5μM)を使用、カラム流量を17.0ml/分とした、移動相:(A)n-ヘキサン中0.05%DEA及び(B)IPA中0.05%DEA、35分間にわたる35%Bのアイソクラティック勾配。LCMS:方法A、3.211分、MS:ES+365.1;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.32(s、1H)、10.47(s、1H)、8.76-8.77(d、J=2.0Hz、1H)、8.16-8.27(m、3H)、7.60-7.62(d、J=8.0Hz、1H)、7.48(t、J=7.2Hz、1H)、7.31-7.32(d、J=6.8Hz、1H)、3.56-3.80(m、2H)、3.40-3.44(m、1H)、3.19-3.25(m、1H)、2.15-2.18(m、1H)、2.05-2.10(m、1H)、1.86-1.89(m、1H)、1.69-1.72(m、1H)。
【0510】
実施例86 (R)-N-(5-(1H-インダゾール-7-イル)ピラジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
(実施例84について記載したものと同様の手順を使用して調製)
【0511】
【化74】
【0512】
工程a.DMF(2.4ml)及び水(0.6ml)中の5-ブロモピラジン-2-アミン(CAS番号59489-71-3;0.100g、0.575mmol)及び1H-インダゾール-7-イルボロン酸(CAS番号915411-01-7;0.102g、0.630mmol)の攪拌懸濁液に、K2CO3(0.238g、1.7mmol)を室温で添加した。反応混合物を30分間脱気した後、PdCl2(dppf)(0.021g、0.028mmol)を添加し、90℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液(50ml)に素早く注ぎ、EtOAc(3×20ml)に抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%EtOAc)により精製して、5-(1H-インダゾール-7-イル)ピラジン-2-アミン(0.210g、0.995mmol)を得た。LCMS:方法C、1.437分、MS:ES+212.18。
【0513】
工程b.ピリジン(3ml)中の5-(1H-インダゾール-7-イル)ピラジン-2-アミン(0.200g、0.948mmol)及び(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸(中間体D、0.257g、1.04mmol)の溶液を0℃で攪拌した。POCl3(0.725g、4.738mmol)を反応混合物に0℃で滴加した。混合物を0℃で30分間撹拌した。得られた混合物を飽和NaHCO3水溶液(100ml)にゆっくり注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(R)-3-((5-(1H-インダゾール-7-イル)ピラジン-2-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.150g、0.341mmol)を得た。LCMS:方法C、1.774分、MS:ES+441.61。
【0514】
工程c及びd.実施例5の工程c及びdについて記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.523分、MS:ES+366.0;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.41(s、1H)、10.95(s、1H)、9.44(s、1H)、9.32(s、1H)、8.20-8.23(m、2H)、7.93-7.94(d、J=7.6Hz、1H)、7.29(m、1H)、3.76-3.82(m、1H)、3.58-3.71(m、1H)、3.42-3.45(m、1H)、3.19-3.26(m、1H)、2.17-2.20(m、1H)、2.06-2.10(m、1H)、1.81-1.96(m、1H)、1.73-1.77(m、1H)。
【0515】
実施例87 (R)-N-(5-(1H-インダゾール-4-イル)ピラジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0516】
【化75】
【0517】
4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(CAS番号885618-33-7)を使用し、実施例86に記載されているものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.187分、MS:ES+366.2;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.31(s、1H)、10.96(s、1H)、9.39(s、1H)、9.18(s、1H)、8.63(s、1H)、7.82-7.84(d、J=7.2Hz、1H)、7.67-7.69(d、J=8.4Hz、1H)、7.48-7.52(m、1H)、3.58-3.81(m、2H)、3.42-3.45(m、1H)、3.19-3.26(m、1H)、2.14-2.19(m、1H)、2.02-2.09(m、1H)、1.82-1.93(m、1H)、1.69-1.73(m、1H)。
【0518】
実施例88 (R)-N-(6-(1H-インダゾール-7-イル)ピリダジン-3-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
(実施例84について記載したものと同様の手順を使用して調製)
【0519】
【化76】
【0520】
工程a.1,4-ジオキサン:水(1:0.5;5ml)中の6-ブロモピリダジン-3-アミン(CAS番号88497-27-2;0.200g、1.15mmol)及び(1H-インダゾール-7-イル)ボロン酸(CAS番号915411-01-7;0.277g、0.172mmol)の混合物に、K2CO3(0.476g、3.45mmol)を室温で添加した。得られた混合物を20分間窒素で脱気した後、PdCl2(dppf)(0.084g、0.12mmol)を添加し、得られた反応混合物を100℃で6時間加熱した。得られた反応混合物を室温に冷却し、水(50ml)で希釈し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をDCM中6%MeOHで溶出した)により精製して、6-(1H-インダゾール-7-イル)ピリダジン-3-アミン(0.16g、0.76mmol)を得た。LCMS:方法C、1.261分、MS:ES+212.17、1H NMR(400MHz、CDCl3)δ ppm12.49(brs、1H)、8.21-8.22(d、J=1.6Hz、1H)、8.02-8.04(d、J=9.2Hz、1H)、7.90-7.92(d、J=8.0Hz、1H)、7.82-7.83(d、J=7.2Hz、1H)、6.99-7.01(d、J=9.6Hz、1H)、4.96(s、2H)。
【0521】
工程b.ピリジン(1ml)中の6-(1H-インダゾール-7-イル)ピリダジン-3-アミン(0.100g、0.47mmol)及び(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸(中間体D、0.117g、0.47mmol)の撹拌溶液に、POCl3(0.217g、1.42mmol)0を0℃で添加して添加した。得られた混合物を0℃で15分間撹拌した。得られた混合物を水(50ml)で希釈し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をトルエン(3×10ml)で粉砕し、高真空下で乾燥して、tert-ブチル(R)-3-((6-(1H-インダゾール-7-イル)ピリダジン-3-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.170g、粗製物)を得た。この生成物をさらに精製することなく次の工程に用いた。LCMS:方法C、1.702分、MS:ES+441.56。
【0522】
工程c及びd.実施例5の工程c及びdについて記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、3.356分、MS:ES+366.0;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.19(s、1H)、11.25(s、1H)、8.53-8.55(d、J=9.6Hz、1H)、8.34-8.36(d、J=9.6Hz、1H)、8.26(s、1H)、8.05-8.07(d、J=7.2Hz,1H)、7.97-7.99(d、J=8.0Hz、1H)、7.33(t、J=7.6Hz、1H)、3.77-3.83(m、1H)、3.59-3.71(m、1H)、3.43-3.46(m、1H)、3.20-3.26(m、1H)、2.17-2.22(m、1H)、2.07-2.10(m、1H)、1.84-1.98(m、1H)、1.71-1.74(m、1H)。
【0523】
実施例89 (R)-N-(5-(1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-7-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0524】
【化77】
【0525】
工程a.ピリジン(2.5ml)中の5-ブロモピリジン-2-アミン(CAS番号1072-97-5;0.175g、1.01mmol)及び(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸(中間体D、0.250g、1.01mmol)の溶液に、POCl3(0.29ml、3.03mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。得られた混合物を飽和NaHCO3水溶液(100ml)に注ぎ、EtOAc(3×25ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(R)-3-((5-ブロモピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.310g、粗製物)を得た。LCMS:方法C、2.34分、MS:ES+402.2。
【0526】
工程b.1,4-ジオキサン(6ml)中の(R)-3-((5-ブロモピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.300g、0.74mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(0.230g、0.89mmol)の撹拌溶液に、酢酸カリウム(0.21g、2.23mmol)を室温で添加した。混合物を5分間脱気した後、PdCl2(dppf)を添加し、混合物を90℃に4時間加熱した。得られた反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣をn-ヘキサン(30ml)で粉砕し、高真空下で乾燥して、tert-ブチル(R)-3-フルオロ-3-((5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.670g、粗製物)を得た。LCMS:方法C、1.724分、MS:ES+368.42。
【0527】
工程c.1,4-ジオキサン(6ml)及び水(2ml)中の7-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン(CAS番号957760-11-1;0.19g、1.00mmol)の撹拌溶液に、tert-ブチル(R)-3-フルオロ-3-((5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.45g、1.00mmol)及びCs2CO3(0.97g、3.00mmol)を室温で添加した。反応混合物を10分間脱気した後、PdCl2(dppf)(0.073g、0.10mmol)を添加し、得られた溶液を90℃に6時間加熱した。反応混合物を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×25ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をCombi-flashクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中10%EtOAcで溶出した)により精製して、tert-ブチル(R)-3-((5-(1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-7-イル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.06g、0.14mmol)を得た。LCMS:方法C、1.545分、MS:ES+441.42。
【0528】
工程d及びe.実施例1の工程b及びcについて記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、2.80分、MS:ES+266.2;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.97(s、1H)、10.60(s、1H)、9.07(s、1H)、8.51-8.53(m、1H)、8.37-8.38(m、2H)、8.21-8.23(m、1H)、7.82-7.83(m、1H)、3.57-3.81(m、2H)、3.42-3.41(m、1H)、3.08-3.25(m、1H)、2.15-2.18(m、1H)、1.86-2.10(m、2H)、1.69-1.72(m、1H)。
【0529】
実施例90 (R)-N-(5-(1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ピリジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0530】
【化78】
【0531】
7-ブロモ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(CAS番号1256806-33-3)を使用し、実施例89に記載されているものと同様の手順を使用して、表題化合物を合成した。LCMS:方法A、2.780分、MS:ES+366.2;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.73(br、s、1H)、10.64(br、s、1H)、8.87(br、s、1H)、8.61-8.63(d、J=4.8Hz、1H)、8.33-8.44(m、2H)、8.20-8.22(d、J=8.8Hz、1H)、7.58(m、1H)、3.75-3.81(m、1H)、3.57-3.69(m、1H)、3.41-3.45(m、1H)、3.17-3.25(m、1H)、2.05-2.19(m、2H)、1.86-1.93(m、1H)、1.69-1.72(m、1H)。
【0532】
実施例91 (R)-N-(6-(1H-インダゾール-4-イル)ピリダジン-3-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0533】
【化79】
【0534】
工程a.DCM(8ml)中の6-クロロピリダジン-3-アミン(CAS番号5469-69-2;0.200g、1.55mmol)及び(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸(中間体D、0.460g、1.86mmol)の撹拌溶液に、ピリジン(0.37ml、4.65mmol)を室温で添加した。反応混合物を0℃に冷却し、POCl3(0.71g、4.65mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。得られた混合物を冷水(50ml)に注ぎ、固体NaHCO3で塩基性化し、DCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をヘキサン(2ml)及びn-ペンタン(1ml)を使用して粉砕することにより精製し、減圧下で乾燥して、tert-ブチル(R)-3-((6-クロロピリダジン-3-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.340g、粗製物)を得た。LCMS:方法C、1.72分、MS:ES+359.2。
【0535】
工程b.MeCN中:水(6:4;10ml)中のtert-ブチル(R)-3-((6-クロロピリダジン-3-イル)カルバモイル)-3-フルオロ-ピペリジン-1-カルボキシレート(0.200g、0.56mmol)の撹拌溶液に、酢酸カリウム(0.110g、1.12mmol)及び4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(CAS番号885618-33-7;0.270g、1.12mmol)を室温で添加した。反応混合物を10分間脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.064g、0.05mmol)を添加し、90℃で16時間加熱した。得られた反応混合物を冷水(70ml)に注ぎ、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(化合物をDCM中2%MeOHで溶出した)により精製して、tert-ブチル(S)-3-(2-(3-(4-メトキシフェニル)アゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.22g、0.5mmol)を得た。LCMS:方法C、1.620分、MS:ES+441.42。
【0536】
工程c~e.実施例89の工程c~eについて記載されたものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。LCMS:方法A、2.868分、MS:ES+366.2;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.35(s、1H)、11.27(s、1H)、8.61(s、1H)、8.42-8.45(m、1H)、8.34-8.36(m、1H)、7.71-7.77(m、2H)、7.52-7.56(m、1H)、3.76-3.82(m、1H)、3.58-3.70(m、1H)、3.43-3.45(m、1H)、3.18-3.26(m、1H)、2.15-2.23(m、1H)、2.00-2.12(m、1H)、1.80-1.96(m、1H)、1.70-1.73(m、1H)。
【0537】
実施例92 (R)-N-(5-(1H-インダゾール-7-イル)ピリミジン-2-イル)-1-シアノ-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド
【0538】
【化80】
【0539】
工程a.ピリジン(7.5ml)中の1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボン酸(0.300g、1.214mmol)及び5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(CAS番号402960-38-7;0.215g、0.97mmol)の撹拌溶液に、POCl3(1.16ml、12.1mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を室温にゆっくりと温め、1時間撹拌した。反応混合物を水(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をDCM中2%MeOHで溶出した)により精製して、(2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド)ピリミジン-5-イル)ボロン酸(0.290g、0.79mmol)を得た。LCMS:方法C、1.429分、MS:ES+369.28。
【0540】
工程b.MeCN:水(1:1、9ml)中の7-ブロモ-1H-インダゾール(0.130g、0.66mmol)及び(2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピペリジン-3-カルボキサミド)ピリミジン-5-イル)ボロン酸(0.243g、0.66mmol)の攪拌溶液に、酢酸カリウム(0.258g、2.64mmol)を室温で添加した。反応混合物を15分間脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.076g、0.066mmol)を添加し、80℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(30ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(化合物をn-ヘキサン中90%EtOAcで溶出した)により精製して、tert-ブチル3-((5-(1H-インダゾール-7-イル)ピリミジン-2-イル)カルバモイル)-3-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(0.180g、0.41mmol)を得た。LCMS:方法C、1.594分、MS:ES+441.52。
【0541】
工程c及びd.実施例1の工程b及びcについて記載したものと同様の手順を使用して、上記中間体から表題化合物を合成した。キラルSFCによるラセミ体の分離により、以下の条件下で、第1の溶出異性体として表題化合物を得た:Waters SFC200及びUV検出器、Chiralcel OJ-H(250×21mm、5μM)を使用、カラム流量を80.0ml/分とした、移動相:(A)液体二酸化炭素及び(B)IPA:MeCN(50:50)中0.1%DEA、19分間にわたる20%Bのアイソクラティック勾配。LCMS:方法A、2.944分、MS:ES+266.2;1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm:13.48(br、s、1H)、10.81(br、s、1H)、9.08(s、2H)、8.25(s、1H)、7.87-7.89(d、J=8.0Hz、1H)、7.53-7.55(d、J=6.4Hz、1H)、7.28(t、J=7.6Hz、1H)、3.73-3.79(m、1H)、3.56-3.68(m、1H)、3.42-3.45(m、1H)、3.20-3.26(m、1H)、2.11-2.20(m、1H)、2.01-2.09(m、1H)、1.88-1.93(m、1H)、1.69-1.73(m、1H)。
【0542】
本発明の化合物の生物活性
略記:
TAMRA カルボキシテトラメチルローダミン
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
PBS リン酸緩衝生理食塩水
EDTA エチレンジアミン四酢酸
Tris 2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール
NP-40 NonidetP-40、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール
BSA ウシ血清アルブミン
PNS 末梢神経系
BH3 Bcl-2相同性ドメイン3
PTEN ホスファターゼ及びテンシンホモログ
【0543】
インビトロUSP30阻害アッセイ
USP30生化学反応速度論アッセイ。黒色の384ウェルプレート(small volume、Greiner784076)において、21μLの最終反応体積で、二つ組で反応を行った。USP30CD(57-517、#64-0057-050 Ubiquigent)を反応緩衝液(40mM Tris、pH7.5、0.005%Tween20、0.5mg/mlBSA、5mM β-メルカプトエタノール)中で0、0.005、0.01、0.05、0.1及び0.5μl/ウェルの当量に希釈した。緩衝液を、至適温度、pH、還元剤、塩、インキュベーション時間及び洗浄剤について最適化した。イソペプチド結合を介してユビキチンに結合した50nMのTAMRA標識ペプチドを蛍光偏光基質として添加することにより、反応を開始した。反応物を室温でインキュベートし、2分間毎に120分間読み取った。読み取りはPherastar Plus(BMG Labtech)で行った。λ励起光540nm;λ蛍光590nm。
【0544】
USP30生化学IC50アッセイ
希釈プレートを、96ウェルポリプロピレンV底プレート(Greiner#651201)において、50%DMSO中、最終濃度の21倍(100μMの最終濃度に対して2100μM)で調製した。典型的な8点希釈系列は、100、30、10、3、1、0.3、0.1、0.03μM最終であろう。黒色の384ウェルプレート(small volume、Greiner784076)において、21μLの最終反応体積で、二つ組で反応を行った。1μlの50%DMSO又は希釈化合物のいずれかをプレートに添加した。USP30を反応緩衝液(40mM Tris、pH7.5、0.005%Tween20、0.5mg/mlBSA、5mMβ-メルカプトエタノール)中で0.05μl/ウェルの当量に希釈し、10μLの希釈USP30を化合物に添加した。酵素及び化合物を30分間室温でインキュベートした。イソペプチド結合を介してユビキチンに結合した50nMのTAMRA標識ペプチドを蛍光偏光基質として添加することにより、反応を開始した。基質添加直後及び室温で2時間のインキュベーション後に反応を読み取った。読み取りはPherastar Plus(BMG Labtech)で行った。λ励起光540nm;λ蛍光590nm。
【0545】
USP30生化学IC50アッセイにおける例示化合物の活性
範囲:
A<0.1μM;
0.1<B<1μM;
1<C<10μM.
【0546】
【表16】