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特許7011074ターゲットデバイスの測位をハンドリングするための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】ターゲットデバイスの測位をハンドリングするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/10 20060101AFI20220119BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20220119BHJP
【FI】
G01S5/10
H04W64/00 173
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020542284
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 SE2019050102
(87)【国際公開番号】W WO2019156620
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】62/627,962
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】リュデン, ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】モダレス ラザヴィ, サラ
(72)【発明者】
【氏名】グンナルソン, フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】シュレエバスタフ, リテッシュ
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特許第5450832(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0234644(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0067262(US,A1)
【文献】国際公開第2016/126847(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - 5/14
G01S 19/00 - 19/55
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットデバイス(10)の測位をハンドリングするための、前記ターゲットデバイスによって実施される方法であって、
- ネットワークノード(20)から、変位報告についての要求であって、前記変位を決定するときに前記ターゲットデバイスによって使用されるべき、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む要求を取得すること(310)と、
- 少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置に対する前記ターゲットデバイス(10)の1つまたは複数の変位を決定すること(320)と、
前記ネットワークノード(20)に、前記ターゲットデバイス(10)の前記決定された1つまたは複数の変位と、前記参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを送ること(330)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記ネットワークノード(20)に送られた前記リポートは、前記1つまたは複数の変位の各々が前記参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リポートを送ること(330)が、前記変位を決定するために使用された前記少なくとも1つのロケーションソースに関する情報を送ることをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
- 前記ネットワークノード(20)に、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を送ること(300)
をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのロケーションソースが、慣性測定ユニット(IMU)、光センサー、加速度計、ジャイロ、気圧センサー、歩行者デッドレコニング(PDR)システム、および/またはカメラのうちの少なくとも1つを含むセンサーである、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲットデバイス(10)の前記参照位置が、前の時間において前記ネットワークノード(20)に報告された位置である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ターゲットデバイス(10)の測位をハンドリングするための、ネットワークノード(20)によって実施される方法であって、
- 前記ターゲットデバイス(10)に、変位報告についての要求であって、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む要求を送ること(410)と、
- 前記ターゲットデバイス(10)から、参照位置に対する前記ターゲットデバイス(10)の1つまたは複数の変位であって、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて決定された、1つまたは複数の変位と、前記参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを取得すること(420)と、
- 前記取得された1つまたは複数の変位と、前記参照時間に関連付けられた前記参照位置とに基づいて、前記ターゲットデバイス(10)の絶対位置を決定すること(430)と
を含む、方法。
【請求項8】
前記ターゲットデバイス(10)から受信された前記リポートは、前記1つまたは複数の変位の各々が前記参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記取得されたリポートが、前記1つまたは複数の変位を決定するために使用された前記少なくとも1つのロケーションソースの指示をさらに含む、請求項またはに記載の方法。
【請求項10】
- 前記ターゲットデバイス(10)から、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を受信すること(430)
をさらに含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのロケーションソースが、慣性測定ユニット(IMU)、光センサー、加速度計、ジャイロ、気圧センサー、歩行者デッドレコニング(PDR)システム、および/またはカメラのうちの少なくとも1つを含むセンサーである、請求項から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ターゲットデバイス(10)の前記参照位置が、前の時間において前記ネットワークノード(20)に報告された位置である、請求項から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ターゲットデバイス(10)であって、前記ターゲットデバイス(10)の測位をハンドリングするための方法を実施するためのものであり、
- ネットワークノード(20)から、変位報告についての要求であって、前記変位を決定するときに前記ターゲットデバイスによって使用されるべき、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む要求を取得することと、
- 少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置に対する前記ターゲットデバイス(10)の1つまたは複数の変位を決定することと、
前記ネットワークノード(20)に、前記ターゲットデバイス(10)の前記決定された1つまたは複数の変位と、前記参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを送ることと
を行うように設定された、ターゲットデバイス(10)。
【請求項14】
前記ネットワークノード(20)に、前記1つまたは複数の変位の各々が前記参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、前記リポートを送るように設定された、請求項13に記載のターゲットデバイス(10)。
【請求項15】
ターゲットデバイスの測位をハンドリングするための方法を実施するための、ネットワークノード(20)であって、
- 前記ターゲットデバイス(10)に、変位報告についての要求であって、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む要求を送ることと、
- 前記ターゲットデバイス(10)から、参照位置に対する前記ターゲットデバイス(10)の1つまたは複数の変位であって、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて決定された、1つまたは複数の変位と、前記参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを取得することと、
- 前記取得された1つまたは複数の変位と、前記参照時間に関連付けられた前記参照位置とに基づいて、前記ターゲットデバイス(10)の絶対位置を決定することと
を行うように設定された、ネットワークノード(20)。
【請求項16】
前記ターゲットデバイス(10)から、前記1つまたは複数の変位の各々が前記参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、前記リポートを取得することを行うようにさらに設定された、請求項15に記載のネットワークノード(20)。
【請求項17】
ターゲットデバイス(10)として動作するコンピュータのプロセッサによって実行されたとき、前記プロセッサに、
- ネットワークノード(20)から、変位報告についての要求であって、前記変位を決定するときに前記ターゲットデバイスによって使用されるべき、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む要求を取得すること(310)と、
- 少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置に対する前記ターゲットデバイス(10)の1つまたは複数の変位を決定すること(320)と、
- 前記ネットワークノード(20)に、前記ターゲットデバイス(10)の前記決定された1つまたは複数の変位と、前記参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを送ること(330)と
を実施させる命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項18】
ネットワークノード(20)として動作するコンピュータのプロセッサによって実行されたとき、前記プロセッサに、
- ターゲットデバイス(10)に、変位報告についての要求であって、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む要求を送ること(410)と、
- 前記ターゲットデバイス(10)から、参照位置に対する前記ターゲットデバイス(10)の1つまたは複数の変位であって、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて決定された、1つまたは複数の変位と、前記参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを取得すること(420)と、
- 前記取得された1つまたは複数の変位と、前記参照時間に関連付けられた前記参照位置とに基づいて、前記ターゲットデバイス(10)の絶対位置を決定すること(430)と
を実施させる命令を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施形態は、セルラーネットワークなど、無線通信システムにおけるターゲットデバイスの測位に関する。詳細には、本明細書の実施形態は、ターゲットデバイスの測位をハンドリングするための、ターゲットデバイス、ネットワークノード、およびそれらにおける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な無線通信ネットワークでは、無線通信デバイス、移動局、局(STA)、センサーおよび/またはユーザ機器(UE)としても知られる、無線デバイスが、無線アクセスネットワーク(RAN)などのアクセスネットワークを介して、1つまたは複数のコアネットワーク(CN)またはWi-Fiネットワークと通信する。RANは、ビームまたはビームグループと呼ばれることもある、サービスエリアまたはセルエリアに分割される地理的エリアをカバーし、各サービスエリアまたはセルエリアは、無線アクセスノード、たとえば無線基地局(RBS)またはWi-Fiアクセスポイントなど、無線ネットワークノードによってサーブされ、それらは、いくつかのネットワークでは、たとえば、ノードB、eノードB(eNB)、または5Gにおいて示される次世代ノードB(gNB)と示されることもある。サービスエリアまたはセルエリアは、無線ネットワークノードによって無線カバレッジが提供される地理的エリアである。無線ネットワークノードは、無線ネットワークノードの範囲内で、無線周波数上で動作するエアインターフェースを介して無線デバイスと通信する。
【0003】
第4世代(4G)ネットワークとも呼ばれる、エボルブドパケットシステム(EPS)のための仕様は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)内で完成されており、この作業は、たとえば、5G新無線(NR)とも呼ばれる第5世代(5G)ネットワークを指定するために、来たるべき3GPPリリースにおいて続く。EPSは、Long Term Evolution(LTE)無線アクセスネットワークとしても知られる、拡張ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)と、システムアーキテクチャエボリューション(SAE)コアネットワークとしても知られる、エボルブドパケットコア(EPC)とを備える。E-UTRAN/LTEは、無線ネットワークノードが、3Gネットワークにおいて使用されるRNCにではなくEPCコアネットワークに直接接続される、3GPP無線アクセスネットワークの変形態である。
【0004】
概して、LTEネットワークは、広範囲の測位方法のサポートを有する。異なる展開条件における高い測位精度要件を満たすために、これらの測位方法のうちの2つまたはそれ以上を同時に探求するハイブリッドソリューションに対する関心がますます拡大される。UEなどのターゲットデバイスにおけるいくつかのセンサー測定は、たとえば参照位置などの特定の参照、および/またはたとえば参照変位時間などの参照時間に対する測位に関して、有用な情報を提供し得る。3GPP Rel.14では、気圧センサーのサポートが導入され、それにより、UEの垂直位置の推定のためのソリューションを提供する。正確な測位に関する進行中の3GPP Rel.15作業項目は、センサー測定のサポートを含む。
【0005】
地理の座標系は、数の指定されたセットで地球上のあらゆるロケーションを指定する座標系である。これは、任意のロケーションが、指定された垂直位置および水平位置を有することを可能にし、これは、あるポイントが地球の表面上にロケートされることを可能にする。数のさらなるセットが、固定原点(fixed datum)、概して海面に対する同じポイントの高度を指示する。
【0006】
これは、考慮中の国または地域に応じて変動することができる。また、地球の中心と見なされる固定ポイントからのすべての3つの軸における距離を与えるデカルト座標で位置をロケートすることが可能であるが、実際に考慮されるのは地球の質量の中心であり、これはよりロケートしやすいからである。
【0007】
絶対ロケーションは、固定基準(fixed reference)をそれら自体有するいくつかの座標に関して、ターゲットデバイスまたは場所のロケーションを決定するのを助ける。ターゲットデバイスの相対位置または変位は、いくつかの知られているロケーションまたは位置を参照して決定される。ターゲットデバイスの絶対ロケーションは、経度線および緯度線の助けをかりて決定され得る。これらは、地球の表面上のターゲットデバイスの位置を指示する。知られている位置から、知られている位置に対する位置、すなわち相対位置への変位は、本明細書では相対変位と呼ばれることもある。相対変位および変位という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。
【0008】
以下の測位技法は、LTEにおいて考慮される技法のうちのいくつかである。
支援グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)。たとえば座標に関して、「絶対」位置を指示するGNSS情報が、E-SMLCからUEに提供される支援情報によってサポートされる、UEによって時々取り出され得る。
観測到着時間差(OTDOA)。UEは、異なる基地局からの参照信号の時間差を推定し、マルチラテレーションによるUEの測位のために、得られたOTDOAをE-SMLCに送る。
【0009】
しかしながら、これらの位置技法は、バッテリーを消費し、UEが屋内に位置するときに制限を有する。3GPP Rel.15作業項目では、屋内測位を改善するためのソリューションが論じられてきた。これらのソリューションは、UEの変位を決定するために、UE中に備えられるセンサーを使用することを提案する。
【0010】
しかしながら、センサー測定を変位に変換する際のUE能力の変動が、変位推定の品質に関してロケーションサーバにおける不確実性を生じる。
【発明の概要】
【0011】
本明細書の実施形態の目的は、特にターゲットデバイスの測位を改善することによって、無線通信ネットワークの性能を向上させることである。
【0012】
本明細書の実施形態は、たとえばUEなどのターゲットデバイス、ネットワークノード、およびそれらにおける方法に関する。
【0013】
本明細書の実施形態の第1の態様によれば、目的は、ターゲットデバイスの測位をハンドリングするための、ターゲットデバイスによって実施される方法によって達成される。ターゲットデバイスは、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置に対するターゲットデバイスの変位を決定する。参照位置は、前の時間インスタンスにおいて決定された位置である。ターゲットデバイスは、ターゲットデバイスの決定された変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを送る。
【0014】
本明細書の実施形態の第2の態様によれば、目的は、ターゲットデバイスの測位をハンドリングするための、たとえばロケーションサーバまたは無線ネットワークノードなど、ネットワークノードによって実施される方法によって達成される。ネットワークノードは、ターゲットデバイスから、参照位置に対するターゲットデバイスの1つまたは複数の変位を含む、リポートを取得する。1つまたは複数の変位は、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて決定された。リポートは、参照位置が関連付けられた参照時間をさらに含む。ネットワークノードは、取得された1つまたは複数の変位と、参照時間に関連付けられた参照位置とに基づいて、ターゲットデバイスの絶対位置を決定する。
【0015】
本明細書の実施形態の第3の態様によれば、目的は、ターゲットデバイスの測位をハンドリングするための方法を実施するための、ターゲットデバイスによって達成される。ターゲットデバイスは、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置に対するターゲットデバイスの1つまたは複数の変位を決定することを行うように設定される。ターゲットデバイスは、ネットワークノードに、ターゲットデバイスの決定された1つまたは複数の変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを送ることを行うようにさらに設定される。
【0016】
本明細書の実施形態の第4の態様によれば、目的は、ターゲットデバイスの測位をハンドリングするための方法を実施するための、ネットワークノードによって達成される。ネットワークノードは、ターゲットデバイスから、参照位置に対するターゲットデバイスの1つまたは複数の変位であって、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて決定された、1つまたは複数の変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを取得することを行うように設定される。ネットワークノードは、取得された1つまたは複数の変位と、参照時間に関連付けられた参照位置とに基づいて、ターゲットデバイスの絶対位置を決定することを行うようにさらに設定される。
【0017】
参照位置からの変位と、実施された測定の、たとえばタイムスタンプとしての時間、ならびに、実施された測定と参照位置が取得された参照時間との間の、たとえばデルタタイムスタンプとしてのデルタ時間とを報告することによって、ネットワークノードは、GNSS測定が利用可能でないシナリオにおいて、ターゲットデバイスの位置を決定し得る。
【0018】
絶対位置の代わりにターゲットデバイスの変位のみを報告することが、また、ネットワークにおいて伝送されるデータの量を低減し得、これは、ネットワークの性能およびスループットを増加させる。
【0019】
それにより、本明細書の実施形態は、ターゲットデバイスの、測位の精度など、測位を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】LTE測位アーキテクチャを示す概略ブロック図である。
図2】時系列の例示的な測定を示す概略ブロック図である。
図3】ターゲットデバイスによって実施される方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
図4】ネットワークノードによって実施される方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
図5a】ターゲットデバイスのいくつかの第1の実施形態を示す概略ブロック図である。
図5b】ターゲットデバイスのいくつかの第2の実施形態を示す概略ブロック図である。
図6a】ネットワークノードのいくつかの第1の実施形態を示す概略ブロック図である。
図6b】ネットワークノードのいくつかの第2の実施形態を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
今日市場にあるUEの大部分が、慣性測定ユニット(IMU)を装備している。IMUは、たとえば、3軸ジャイロスコープと3軸加速度計とを備え得る。IMUの使用は、測位性能を増加させ得るが、IMUはまた、UEなどのターゲットデバイスにおいて行われる、たとえばGNSSおよび/またはOTDOAなどの測定の必要を低減するために使用され得る。以下では、ターゲットデバイスおよびUEは互換的に使用され得る。
【0022】
これらのセンサーの測定は、UEの位置の推定を形成するために融合され得、これは組み合わせられると呼ばれることもある。しかしながら、単にIMUに基づく測位システムは、相対測位システムであり、言い換えれば、その測位システムは、参照位置と呼ばれることもある、知られている座標に対する、UEの位置を推定し得る。
【0023】
慣性ナビゲーションシステム(INS)と呼ばれることもあるIMUは、たとえば加速度計などの動きセンサー、たとえばジャイロスコープなどの回転センサー、および、時々、たとえば磁力計などの磁気センサーに基づき、それらのセンサーは、連続的に、デッドレコニングを介して、UEの位置、配向、および速度(移動の方向および速さ)を計算する。参照ポイントリポートと組み合わせたこの情報は、ネットワークが、移動しているUEに、さらに改善された測位精度およびトラッキング能力を提供するのを助け得る。本明細書では、動きセンサーに基づくことは、動きセンサーを備え、備えられたセンサーに基づいて計算を実施することとして、解釈されるものとする。
【0024】
屋内測位における3GPP Rel.15作業項目では、以下が同意された。
・ IMU測位のサポートを指定する。
〇 LPPを介したIMU測位とIMU関係推定を含むハイブリッド測位とをサポートするためのシグナリングおよびプロシージャを指定する。[RAN2、RAN1]
【0025】
したがって、3GPP Rel.15 UEは、主にロケーションサーバにおける変位推定を可能にするために、UEのセンサーデータ、すなわちロケーションソースからのデータを報告することになる。IMUに加えて、光センサーも、報告されるために論じられており、圧力センサーが、以前のリリースからすでに規格化されている。
【0026】
概して、3つの測位モード、すなわち、UE支援、UEベースおよびスタンドアロンがある。UE支援モードは、UEの絶対ロケーションを決定するために、ロケーションサーバ(LS)からのサポートを必要とする。このモードを使用するUEは、必要な情報および測定をLSに送り得、LSは、次いで、UEの絶対位置を決定し得る。UEベースおよびスタンドアロンモードの場合、UEは、それ自体によってUEの絶対位置を決定することが可能であり得る。したがって、LSに測定データを送る必要がない。UE支援およびUEベース測位モードでは、LSは、UEがどのくらいの頻度でUEのロケーションを報告すべきであるかを計算および決定し得るが、スタンドアロンの場合には、UEはそれ自体で行う。本明細書では、絶対位置という用語は、たとえば世界測地系(WGS)など、地球上の座標系における知られている座標として解釈されるものとし、その座標系は、UEのロケーションが垂直位置および水平位置として指定されることを可能にし、これは、UEが、地球の表面上に、およびたとえば海面などの固定原点に対する同じロケーションにあるUEの高度上にロケートされることを可能にする。
【0027】
変位は、参照時間と呼ばれることがある、特定の時間インスタンスにおける、ターゲットデバイスおよびネットワークノードに知られている参照位置からの変位として解釈されるものとする。参照位置は、たとえば、参照時間と呼ばれることがある、関連付けられた時間インスタンスにおける、ターゲットデバイスの絶対位置、あるいはターゲットデバイスによって報告された、またはネットワークノードによって決定された位置であり得る。言い換えれば、各参照位置は、参照位置が測定および/または報告された時間であり得る、関連付けられた参照時間を有することになる。したがって、ターゲットデバイスの、あるあらかじめ決定された位置が参照位置として使用されるとき、位置が決定された関連付けられた時間が、参照時間であることになる。
【0028】
センサー測定を変位に変換する際のUE能力の変動が、変位推定の品質に関してロケーションサーバにおける不確実性を生じ得る。いくつかのUEは、複数のセンサーの結果を互いに融合させて正確な変位にすることが可能であり得るが、他のUEは、たとえばセンサーによって実施される測定など、センサーを正確な変位に変換することがあまり可能でないことがある。
【0029】
たとえば、圧力センサーを装備していないUEは、圧力センサーを装備したUEと比較して、高度におけるUEの変位を推定する能力をあまり有しない。また、高いセンサーサンプリング周波数をもつUEは、頻繁に位置を更新し得るが、より低いサンプリングレートをもつUEは、複数の変位を報告するとき、単にロケーションを外挿し得る。アドバンストUEは、変位を推定するために歩行者デッドレコニング(PDR)のようなシステムを使用し得るが、他のUEは、変位を推定するために、たとえばトンネル内を移動しているなど、環境情報を使用し得る。
【0030】
他のタイプのセンサーの情報も使用され得る。前に、気圧センサーがLTE測位プロトコル(LPP)に含まれた。他のタイプの、関心のセンサーは、たとえば、光センサーであり得、最近の調査は、UEが屋内にあるかどうかを検出するためにUE光センサーが使用され得ることを指示した。たとえば、UEは、周辺光を測定するために光センサーおよび/またはカメラを使用し得、これは、UEが屋内にあるのか屋外にあるのか、たとえば、たとえば移動している車両中で、UEがトンネルに入るときを分類するために使用され得る。車載カメラは、たとえば、トンネルに入るときに相対距離を測定し得る。センサーは、たとえば、光強度を測定し得るが、センサーはまた、電球、LED、蛍光灯、ハロゲン光、または一般に屋内で見つけられる他の光源の特徴を識別するために、周辺光のスペクトル特性を分析し得る。したがって、UEが屋外から屋内に移動したのかその逆に移動したのかに関する指示は、光センサーを使用して推定され得る。
【0031】
さらに、現在、UEが変位を融合させるときにどんなセンサーを使用するべきであるかを指示するためのロケーションサーバにおけるプロシージャが存在しない。いくつかの地域では、いくつかのセンサー、たとえば圧力補償された建築物内の気圧計は、うまく機能しないことがある。UEは、変位推定を行うとき、この知識を有しないことがある。
【0032】
図1は、本明細書の実施形態が実装され得る第1のシナリオによる、通信ネットワーク100におけるLTE測位アーキテクチャの一例を示す。通信ネットワーク100は、たとえば、5G、LTE、E-Utran、WCDMA、GSMネットワーク、任意の3GPPセルラーネットワーク、Wimax、あるいは任意のセルラーネットワークまたはシステムなどの、無線通信ネットワークである。通信ネットワーク100は、無線アクセスネットワーク(RAN)とコアネットワーク(CN)とを備える。通信ネットワーク100は、ほんの数個の可能な実装形態を挙げると、Long Term Evolution(LTE)、LTEアドバンスト、5G、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、モバイル通信用グローバルシステム/GSM進化型高速データレート(GSM/EDGE)、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMax)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、またはWi-Fiなど、いくつかの異なる技術のうちのいずれかを使用し得る。通信ネットワーク100では、1つまたは複数のターゲットデバイス10が、1つまたは複数のアクセスネットワーク(AN)、たとえばRANを介して、1つまたは複数のCNと通信し得る。ターゲットデバイス10は、たとえば、UE、無線デバイス(WD)、移動局、非アクセスポイント(非AP)STA、STA、センサー、および/または無線端末であり得る。「無線デバイス」が、セル内で通信する、任意の端末、無線通信端末、ユーザ機器、マシン型通信(MTC)デバイス、デバイスツーデバイス(D2D)端末、またはノード、たとえば、スマートフォン、ラップトップ、モバイルフォン、センサー、リレー、モバイルタブレット、さらには基地局を意味する、非限定的な用語であることが当業者によって理解されるべきである。
【0033】
RANは、5G、LTE、UMTS、Wi-Fiまたは同様のものなど、無線アクセス技術(RAT)を使用して、セルまたはビームなど、1つまたは複数の地理的エリアにわたって、無線カバレッジを各々提供する無線ネットワークノード30のセットを備える。無線ネットワークノード30は、無線ネットワークコントローラなどの無線アクセスネットワークノード、あるいは無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイントまたはアクセスポイント局(AP STA)などのアクセスポイント、アクセスコントローラ、基地局、たとえば、gNB、ノードB、エボルブドノードB(eNB、eノードB)などの無線基地局、基地トランシーバ局、アクセスポイント基地局、基地局ルータ、無線基地局の伝送構成、スタンドアロンアクセスポイント、あるいは、たとえば使用される無線アクセス技術および専門用語に応じて無線ネットワークノード30によってサーブされるサービスエリアと呼ばれることもあるセル内で無線デバイスをサーブすることが可能な任意の他のネットワークユニットであり得る。
【0034】
CNは、さらに、たとえば、モビリティ管理エンティティ(MME)40および/またはゲートウェイモバイルロケーションセンター(GMLC)50など、1つまたは複数のコアネットワークノードを備え、それらのコアネットワークノードは、たとえばS1インターフェースを介して、無線ネットワークノード110、111と通信するように設定され得る。コアネットワークノードは、たとえば、モバイルスイッチングセンター(MSC)、MME、GMLC、運用管理(O&M:Operations & Management)ノード、運用アドミニストレーション保守(OAM:Operation,Administration and Maintenance)ノード、運用サポートシステム(OSS)ノード、および/または自己組織化ネットワーク(SON)ノードであり得る。コアネットワークノード140は、さらに、クラウド141中に備えられる分散ノードであり得る。
【0035】
ターゲットデバイス20が、さらに、5G、LTE、UMTS、Wi-Fiまたは同様のものなど、複数の異なるRATを介して通信するように設定され得る。
【0036】
本開示では本明細書の実施形態を例示するために3GPP LTEからの専門用語が使用されたが、これは、本明細書の実施形態の範囲を上述のシステムのみに限定するものと見なされるべきでないことに留意されたい。WCDMA、WiMax、UMB、GSMネットワーク、任意の3GPPセルラーネットワーク、あるいは任意のセルラーネットワークまたはシステムを含む、他の無線システムも、本開示内でカバーされるアイデアを活用することから恩恵を受け得る。
【0037】
たとえばUEなどのターゲットデバイス10と、LSと呼ばれることもある、たとえばエボルブドサービングモバイルロケーションセンタ(E-SMLC)などのロケーションサーバなど、ネットワークノード20との間のメッセージの交換は、LPPを介して実施され得る。他のセルラーネットワークは、わずかに異なるアーキテクチャを有し得、したがって、本明細書の実施形態は、LPPを介して実施されることに限定されないものとする。本明細書の実施形態はまた、他のセルラーネットワークにおいて同様のプロトコルを介して実施され得る。
【0038】
本明細書の実施形態によれば、UEなどのターゲットデバイス10は、たとえばロケーションサーバなどのネットワークノード20に、変位を推定するために使用されたロケーションソースをシグナリングし得る。ロケーションサーバは、変位を推定するために使用される、好ましいセンサーまたはロケーションソースのセットをシグナリングし得る。1つのタイプのロケーションソースは、たとえばIMUのようなセンサーであり得、別のソースはPDRシステムであり得る。光センサーおよび他のソースはまた、相対的な報告された変位における屋内外変化環境に関する有用な情報を提供するために使用され得る。
【0039】
IMU測定などのロケーションソース測定およびリポートを設定するとき、時間期間について代表的であり、サーバに関連し得る、何を測定すべきかが明らかでないことがある。UEベースモードと呼ばれることもあるUEベースソリューションと比較して、UE支援モードと呼ばれることもあるUE支援ソリューションは、遅延された測定を暗示し、また、観測を圧縮されたリポートに凝縮する必要を暗示するが、UEベースソリューションは、頻繁な更新を伴う生の測定データから恩恵を受け得る。IMU測定などのロケーションソース測定は、主に変位を決定するために使用され、たとえばUEなどのターゲットデバイス10の実際のロケーションを決定するために、たとえば参照時間において決定される参照位置など、参照ポイントと組み合わせて使用され得る。時間参照は、たとえば、システムフレーム番号(SFN)であり得る。
【0040】
本明細書の実施形態は、IMU測定と、関連する測定との両方など、実際の測定に基づいて、ターゲットデバイス10がリポート内容を適応させ得る、フレキシブルな、IMUなどのロケーションソースの測定報告範囲に関係する。関係するシナリオの一例が図2に示されており、図2では、たとえばUEなどのターゲットデバイス10が、ネットワークノード20に関連付けられ、ターゲットデバイス10は、時間ウィンドウにわたってIMU測定瞬間230において1つまたは複数のIMU測定を行い、これは、実施すると呼ばれることもある。各測定瞬間230は、本明細書では、セグメントまたは測定セグメントと呼ばれることもある。測定瞬間230において、ターゲットデバイスは、前の測定瞬間230に対する変位を決定し得る。この変位は、前の測定瞬間から現在の測定瞬間230に及ぶセグメントにわたるターゲットデバイスの変位に対応し得る。各測定瞬間において、ターゲットデバイスは、1つまたは複数の前の測定瞬間に対する、ターゲットデバイス10の変位、ならびにデルタ時間と呼ばれることもある時間差を決定し得る。ターゲットデバイス10は、さらに、リポート瞬間240において、IMU測定などのIMU情報を報告するように要求され得る。
【0041】
図3および図4は、それぞれロケーションサービスを提供していることがある、ターゲットデバイス10およびネットワークノード20の観点から、本明細書で開示される実施形態の基本ステップを提示する。
【0042】
いくつかの可能なターゲットデバイス10は、センサーデータを変位に変換し得、その変位を、たとえばロケーションサーバまたは無線ネットワークノードなどの、ネットワークノード20に報告し得る。変位を直接報告することは、過大な量のセンサーデータをシグナリングする必要を低減するが、不利な面は、ターゲットデバイス10によってセンサーデータがどのように変位に変換されたかについての制御が、ロケーションサーバにおいてあまり行われないことである。
【0043】
本明細書の実施形態は、変位を推定するときに使用される「ロケーションソース」をシグナリングするための、たとえばUEなどのターゲットデバイス10のための方法を提案する。このソリューションは、UEベースセンサーベース測位方法とUE支援センサーベース測位方法の両方について有用であり得る。
【0044】
UEベースおよびUE支援方法では、UEなどのターゲットデバイス10は、随意に、UEが変位を推定するために使用し得るロケーションソースのリスト、またはたとえばネットワークノード20などのロケーションサーバからの環境パラメータに基づいてどんなロケーションソースをUEが使用し得るかのリストを受信し得る。UE支援の場合には、UEは、ロケーションサーバに、変位推定とともにロケーションソースを送り得る。
【0045】
UEベースモードでは、UEなどのターゲットデバイス10は、絶対位置を決定するために、センサー測定、あるいは、OTDOAおよび/またはGNSSとの統合されたセンサー測定を使用していることがある。しかしながら、厳密なロケーションソースと、統合されたロケーションソース方法を使用することをターゲットデバイス10が開始したときからの時間とは、たとえばネットワークノード20などのロケーションサーバに知られていない。
【0046】
Location Info List
LocationInfoListと呼ばれることがある情報エレメントは、現在時間のタイムスタンプと、参照ポイントと比較したデルタタイムスタンプとを含み得、参照ポイントは、時間的ポイントである。また、ロケーション、速度および加速度の推定が、随意に、ターゲットデバイス10中の利用可能なセンサーに基づいて、ターゲットデバイス10によって報告され得る。本明細書で使用される現在時間という用語は、変位の測定が行われる時間として解釈されるものとする。
【0047】
UE支援モードでは、ターゲットデバイス10からのリポートは、複数の変位を含み得、ターゲットデバイス10は、各変位のために使用されたロケーションソースをシグナリングし得る。ターゲットデバイス10は、複数の変位測定を実施し得、後の時間インスタンスにおいて、たとえば一連の測定として、複数の測定を報告し得る。この場合、リポートは、一連の測定における、セグメントと呼ばれることもある、各個々の測定についての現在時間のタイムスタンプを含み得る。別の実施形態では、ターゲットデバイス10は、1つのロケーションソースがすべての変位のために使用されたことを指示し得る。変位を決定するためにターゲットデバイス10によって使用されるロケーションソースは、以下のうちの1つまたは複数であり得る。
- センサーベース、たとえば以下のものなど。
〇気圧、これは、垂直位置推定を提供し、水平精度のための何らかの他のソースを必要とする。
〇慣性測定ユニット(IMU)、これは、一実施形態では、ターゲットデバイス10においてサポートされるIMU測定のうちの2つまたはそれ以上からのアグリゲートされた測定に基づいて位置推定を提供するか、または各センサー測定についての別個の位置推定を有する。
・加速度計
・磁力計
・ジャイロスコープ
〇光センサー(屋内外推定)、これは、参照位置と比較して、UEが屋内から屋外に、屋外から屋内に移動した確率、あるいは屋内から屋内でまたは屋外から屋外でとどまっていた確率をUEが指示する。
〇湿度センサー(屋内外推定)
〇温度センサー(屋内外推定)
- システムベース、たとえば以下のものなど。
〇PDR
〇環境ベース。ターゲットデバイス10は、たとえばトンネル内を移動しているときなど、移動環境を知り、この情報をIMUセンサーと組み合わせ得る。
- 前の変位に基づく外挿された位置。
【0048】
変位推定のためのロケーションソースの規定は、たとえば、センサーが使用されたと述べるなど、一般的であるか、または、使用されたセンサーのタイプを述べるなど、より具体的であり得る。
【0049】
ネットワークノード20および/またはLSは、ロケーションソースの性能を評価するために、続く(following)および/または後続の(subsequent)と呼ばれることもある、次の(next)受信されたGNSS/OTDOA測定を使用し得る。次のGNSS/OTDOAセッションの後に、変位推定が、更新されたロケーションに一致する場合、ネットワークノード20は、より低い頻度でGNSS/OTDOA測定を要求し得る。ネットワークノード20および/またはLSが、変位を推定するためにターゲットデバイス10によって使用されるロケーションソースの指示を受信した場合、ネットワークノード20および/またはLSは、さらに、各ロケーションソースの性能を決定するために性能評価の結果を使用し得る。いくつかのセンサーがいくつかの環境では不十分であり得るので、ネットワークノード20および/またはLSは、性能評価に基づいて、ターゲットデバイス10に、変位を推定するために使用されるべきであるセンサーのセットをシグナリングし得る。ネットワークノード20および/またはLSは、たとえば、ロケーションソースからのリポートの信頼性と呼ばれることもある、ロケーションソースの信頼度ファクタを決定するために性能評価を使用し得る。言い換えれば、リポートは、たとえばOTDOA到達時間(TOA)推定など、他の測位方法の結果の信頼性を決定するために使用され得る。
【0050】
UEベースモードでは、ターゲットデバイス10は、絶対位置を報告し得る。ターゲットデバイス10がセンサーベース測位方法を使用することを開始した場合、ターゲットデバイス10は、使用される1つまたは複数のロケーションソースと、絶対ロケーションを算出するために使用されたセンサー測定からの時間とをシグナリングし得る。これは、たとえばLSなどのネットワークノード20に送られるかまたはシグナリングされ得る。その時間は、ここでは、たとえばUEなどのターゲットデバイス10が、GPS信号が失われたときの例に示されるようにセンサー測定を使用することを開始するときの瞬間を指す。いくつかのシナリオでは、GNSS信号は、ターゲットデバイス10が、たとえばトンネルに入るときに失われ得、したがって、ターゲットデバイス10の位置を推定するためのターゲットデバイス10に残された唯一の信頼できるソースは、ターゲットデバイス10内のセンサーであり得る。したがって、その位置が、後で、純粋なGNSSまたはGNSS+センサーとして再び報告されるとき、LSは、センサー方法を使用することによって報告された前の軌道が正しかったか否かを推定し得る。それに応じて、すなわち推定に基づいて、LSは、必要とされるGNSS測定周波数を決定し得る。IMU測定リポート中の情報は、ロケーション精度を改善するために、たとえばGNSSなど、他の測位方法から取得された結果と組み合わせられ得る。このシナリオでは、ターゲットデバイス10は、最初に、GNSSを使用してその位置を報告しており、ターゲットデバイス10は、トンネル内に入り、GNSS信号を失う。ターゲットデバイスは、ターゲットデバイスがGNSS信号を失ったときについて、知られている時間および対応する位置を有し得る。ターゲットデバイス10は、知られている時間および関連付けられた位置を初期測定ポイントとして使用し得る。初期測定ポイントの時間および位置は参照時間および参照位置として使用され得、ターゲットデバイスは、ロケーションソースのうちの1つまたは複数を使用して、ターゲットデバイスの変位を、参照時間および参照位置に対して決定する。ターゲットデバイス10は、次いで、ネットワークノード20に、1つまたは複数の決定された変位とともに参照時間および参照位置の指示と、1つまたは複数の変位が決定された時間の指示とを報告し得る。変位が決定された時間は、たとえば、参照時間と、1つまたは複数の変位の各々が決定されたときの時間との間のデルタ時間を指示することによって、および/または変位が決定された時間のタイムスタンプを報告することによって指示され得る。
【0051】
UE支援モードでは、ネットワークノード20は、ターゲットデバイス10の位置を決定するために、初期参照時間および参照位置(x1,y1)に基づいて、初期参照時間および参照位置(x1,y1)に対する「n」個の決定された変位について、相対時間および位置(x2,y2)、(x3,y3)、...(xn,yn)を計算し得る。
【0052】
ネットワークノード20および/またはLSは、UE支援およびUEベースモードについて、たとえば性能測定のためになど、観測のためにロケーションソース情報を使用して、ターゲットデバイス10中のどれくらいのセンサー情報がロケーション情報のために利用されているかを見て、どの種類のロケーションソースが最も広く使用されているかを識別し得る。ネットワークノード20および/またはLSはまた、様々なロケーションソース方法の正当性レベルを推定し得、この情報は、たとえば、IMUセンサー製造業者、オペレータなど、利害関係者に報告され得る。
【0053】
以下では、本明細書の実施形態による方法ステップが、より詳細に説明される。
【0054】
図3は、ターゲットデバイス10の観点から見た、本明細書の実施形態の主要なステップを示す。
【0055】
アクション300:第1の随意のステップにおいて、ターゲットデバイス10は、ネットワークノード20に、変位の報告に関連するターゲットデバイス10の能力に関する情報を送り得る。いくつかの実施形態では、ターゲットデバイス10は、ネットワークノード20に、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を送る。サポートされるロケーションソースは、たとえば、ターゲットデバイス10の変位を決定するための、ターゲットデバイス10中で利用可能なセンサーであり得る。
【0056】
能力情報を送ることは、随意に、ネットワークノード20および/またはLSからの能力要求メッセージによってトリガされ得る。言い換えれば、能力要求がネットワークノード20から受信され得る。
【0057】
アクション310:さらに、また随意に、ターゲットデバイス10は、ネットワークノード20および/またはLSから、変位報告についての要求を取得し得る。随意に、ネットワークノード20および/またはLSは、ターゲットデバイス10に参照位置および/または参照時間を提供し得る。参照位置および/または参照時間は位置を指示するために使用され得、その位置に対して変位が決定されることになる。参照時間は、たとえば、前のロケーションがターゲットデバイスによって報告された時間を指示し得る。参照時間を受信することによって、ターゲットデバイスは、参照時間に対して報告された位置が、変位を測定および/または報告するときに参照位置として使用されるものとすることを知る。参照位置および/または参照時間は、ターゲットデバイス10とネットワークノード20の両方に知られている。ターゲットデバイス10が参照時間を受信するとき、ターゲットデバイス10はこの時間を使用し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、変位報告についての要求は、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む。
【0059】
アクション320:ターゲットデバイス10は、1つまたは複数のロケーションソースに基づいて、参照位置に対する変位を決定し得る。ターゲットデバイス10は、参照位置に対する1つまたは複数の変位を決定し得る。参照位置は、ターゲットデバイス10が前のステップにおいてネットワークノード20および/またはLSから取得した位置、あるいは、ターゲットデバイス10が、たとえば、GNSS、OTDOA、または少なくとも1つのロケーションソースを使用して実施されるベース測定など、何らかの特定の測位方法を使用して、推定した位置のいずれかであり得る。少なくとも1つのロケーションソースは、たとえば、たとえばIMUなどのセンサー、光センサー、たとえば加速度計またはジャイロなどの動きセンサー、気圧センサー、PDRシステム、および/あるいはカメラであり得る。
【0060】
アクション330:ターゲットデバイス10が変位を決定したとき、ターゲットデバイス10は、ネットワークノード20および/またはLSに、参照位置に対するターゲットデバイス10の変位を報告する。ターゲットデバイス10はまた、変位がどのように決定されたかを指示し得る。変位のリポートは、初期測定ポイントにおけるターゲットデバイス10の参照位置の指示をさらに含み得る。その指示は、たとえば、実際の位置、または、参照として使用されるものとする、前に報告された位置に対する参照であり得る。前に報告された位置に対する参照は、たとえば、参照時間と呼ばれることもある、参照位置が取得された時間など、参照位置に関連付けられた時間であり得る。リポートは、変位が決定された現在時間のタイムスタンプをさらに含み得、参照位置は、参照位置が取得された参照時間と比較したデルタタイムスタンプを報告することによって指示され得る。これは、たとえば、Location Info List IE中で指示され得る。参照位置の指示は、変位を決定するために使用される参照位置をネットワークノードが識別することを可能にする。リポートは、たとえば、変位を決定するために使用された1つまたは複数のロケーションソースなど、変位がどのように決定されたかの指示をさらに含み得る。測定ポイントは、たとえば、たとえばSFNを使用して指示され得る、時間的ポイントであり得る。本明細書で説明される初期測定ポイントは、変位測定が開始される測定ポイントとして解釈されるものとする。測定ポイントは、ターゲットデバイスの、最新の知られている絶対位置および関連付けられたタイムスタンプであり得る。これは、たとえば、GNSS測位がもはや利用可能でなく、変位測定がロケーションソースを使用して実施されることより前に報告された、最新の位置および関連付けられた時間であり得る。ネットワークノードに送られたリポートは、1つまたは複数の変位の各々が参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含み得る。
【0061】
ロケーションソースの指示は、ネットワークノードが、使用されるロケーションソースに関する知識を収集することを可能にし、その知識は、変位の不確実性を推定するために、得られる位置推定において、環境の事前知識とともに使用され得る。たとえば、いくつかのシナリオでは、圧力センサーが、環境により不十分であり、あまり正確でないロケーション推定をもたらし得る。
【0062】
別の利点は、ネットワークが、ターゲットデバイスの能力を評価し、それにより、ネットワークノードが、変位ベースロケーションと、GNSSおよび/またはOTDOAのようなよりバッテリーを消費するプロシージャとの間のより良いトレードオフを行うことを可能にし得ることである。
【0063】
別の利点は、いくつかのセンサーがいくつかの環境では不十分であり得るので、ネットワークノードが、ターゲットデバイスに、変位を推定するために使用されるべきであるセンサーのセットをシグナリングし得ることである。
【0064】
一実施形態によれば、ターゲットデバイス10は、たとえば参照SFNなど、参照位置および/または参照時間を取得していることがあり、ターゲットデバイス10は、参照位置と推定位置の両方を報告し得、変位はこれらの2つの位置の間の差である。
【0065】
別の実施形態では、ターゲットデバイス10は、参照位置を取得していないことがある。代わりに、ターゲットデバイス10は、前の時間におけるロケーション情報、たとえば、ロケーションサーバが絶対位置を推定することを可能にする情報を報告し得る。この実施形態では、ターゲットデバイス10は、2つの位置、すなわち、第1に、推定された絶対位置に対応する、前の時間における参照位置、第2に、現在時間における位置を報告し得、変位は、第2の位置と参照位置との間の差によって表される。これらの2つの位置は、変位が2つの位置の間の相対差として符号化されるので、正確である必要がなく、または真の位置に近い必要さえないことに留意されたい。
【0066】
別の実施形態によれば、ターゲットデバイス10は、明示的に変位と、随意に参照時間における取得された参照位置、または参照時間のいずれかとを報告し得る。
【0067】
参照時間ならびに各セグメントの時間は、協定世界時(UTC)における絶対時間と、別個のデルタ時間との組合せとして与えられ得、別個のデルタ時間は、UTCがサポートすることができるよりも細かい時間分解能を可能にするために、追加のデルタ時間を指示する。各セグメントの時間は、図2に関して説明されたように、各測定瞬間230の時間に対応する。参照時間はまた、SFNとして与えられ得る。
【0068】
別の実施形態によれば、現在位置は、位置推定のための既存の属性によって表され得るが、参照位置は、LocationInfoListと示され得る、別個のロケーション情報リスト中の項目によって表され得る。既存の属性は、たとえば、たとえば、ellipsoidPoint、ellipsoidPointWithUncertaintyCircle、ellipsoidPointWithUncertaintyEllipse、polygon、ellipsoidPointWithAltitude、ellipsoidPointWithAltitudeAndUncertaintyEllipsoid、および/またはellipsoidArcなど、locationCoordinateTypesであり得る。
【0069】
また別の実施形態では、参照位置は、位置推定のための既存の属性によって表され得るが、現在位置は、別個のロケーション情報リスト中の項目によって表され得る。
【0070】
また別の実施形態では、ターゲットデバイス10は、ロケーション情報リストを介して履歴測位情報を報告し得る。
【0071】
また別の実施形態では、ターゲットデバイス10は、1つまたは複数のセグメントにおいて、変位、ならびに随意に速度および/または加速度を分離し得る。実施形態の1つのモードでは、各セグメントは、セグメントの始端における位置、および/またはセグメントにわたって一定の速度推定、および/またはセグメントにわたって一定の加速度推定によって特徴づけられ得る。既存のロケーション情報属性は、たとえば、現在位置を表し得、現在位置は、最新のセグメント、すなわち最新の時間参照に関連付けられたセグメントの終わりにある。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、各セグメントに関連付けられた位置推定は、代わりにセグメントの終わりを表し得る。これらの実施形態では、既存のロケーション情報属性は、第1のセグメント、すなわち最も早い時間参照に関連付けられたセグメントの始まりの位置を表し得る。第1のセグメントの始まりの位置は、たとえば、第1のセグメントの始まりの位置からの変位を決定することによって、セグメントの終わりにおける位置を推定するときの参照位置として使用され得る。
【0073】
図4は、ネットワークノード20の観点から見た、本明細書の実施形態の主要なステップを示す。
【0074】
アクション400:第1の随意のステップによれば、ネットワークノード20は、ターゲットデバイス10から、変位の報告に関連するターゲットデバイス10の能力を取得し得る。いくつかの実施形態では、このリポートは、ネットワークノード20および/またはネットワークノード20中に備えられ得るLSから、ターゲットデバイス10に送られた能力要求メッセージによって、トリガされ得る。本明細書では、報告に関連する能力は、UEが報告することが可能であるセンサーデータとして解釈されるものとする。
【0075】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード20は、ターゲットデバイス10から、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を受信し得る。
【0076】
アクション410:さらに、また随意に、ネットワークノード20および/またはLSは、ターゲットデバイス10に、変位情報報告についての要求を送り得る。随意に、ネットワークノード20および/またはロケーションサーバは、ターゲットデバイス10に、変位を決定するときにターゲットデバイスが使用するものとする、参照位置および/または参照時間を提供し得る。
【0077】
要求は、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含み得る。
【0078】
アクション420:ネットワークノード20および/またはLSは、ターゲットデバイス10から、リポートを取得し、リポートは、参照位置に対するターゲットデバイス10の、1つまたは複数の変位など、変位を含む。ターゲットデバイスの1つまたは複数の変位は、参照位置に対して報告され得、1つまたは複数の変位は、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定と、参照位置が関連付けられた参照時間とに基づいて決定された。リポートはまた、たとえば、変位を決定するために使用された1つまたは複数のロケーションソースなど、変位がどのように決定されたかを指示し得る。少なくとも1つのロケーションソースは、たとえば、たとえばIMUなどのセンサー、光センサー、加速度計、ジャイロ、気圧センサー、および/またはPDRシステムであり得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、変位のリポートは、初期測定ポイントにおけるターゲットデバイス10の参照位置の指示を含み得る。その指示は、たとえば、実際の位置、または、参照として使用されるものとする、前に報告された位置に対する参照であり得る。前に報告された位置に対する参照は、たとえば、参照時間と呼ばれることもある、参照位置が取得された時間であり得る。リポートは、変位が決定された現在時間のタイムスタンプをさらに含み得、参照位置は、参照位置が取得された参照時間と比較したデルタタイムスタンプを報告することによって指示され得る。これは、たとえば、Location Info List IE中で指示され得る。参照位置の指示は、変位を決定するために使用される参照位置をネットワークノードが識別することを可能にする。
【0080】
アクション430:取得された情報に基づいて、ネットワークノード20および/またはLSは、ターゲットデバイス10の絶対位置を推定し得る。ネットワークノードは、取得された1つまたは複数の変位と、リポート中に含まれる参照時間に関連付けられた参照位置とに基づいて、ターゲットデバイス10の絶対位置を決定する。
【0081】
一実施形態では、ネットワークノード20および/またはLSは、リポートからターゲットデバイス10の変位を取り出し得、その変位を前の時間における絶対位置に関する情報と組み合わせ得る。前の時間における絶対位置は、変位を決定するための、ターゲットデバイスによって使用される参照位置に対応し得、前の時間は、リポート中でターゲットデバイス10によって指示される参照時間に一致する。さらに、ネットワークノード20および/またはLSは、前の時間における絶対位置を、ターゲットデバイス10から受信された変位に関する情報と組み合わせることによって、位置を推定し得る。
【0082】
シグナリングサポート:
提案されるソリューションは、ロケーションサーバとして設定されるネットワークノード20と、ターゲットデバイス10との間の、あるシグナリングを必要とし得る。LTEでは、そのようなシグナリングのために使用されるプロトコルはLPPである。同様の拡張が、新無線(NR)においてセンサーベース測位をサポートするために、5Gについて提案され得る。3GPP仕様36.305 v14.3.0および36.355 v14.4.0は、たとえば、LocationInfoList-r15と示されるフィールドで拡張され得る。
【0083】
位置および速度推定は、前に、共通部分3GPP仕様36.305および36.355においてハンドリングされたので、同様にLocationInfoListを共通部分に含めることが妥当である。これはまた、変位を符号化するための1つの代替形態をもたらす。ターゲットデバイス10は、相対位置を符号化するためのやり方として、たとえば測定瞬間230における時間および測定された位置など、参照時間および/または参照位置ならびに最終時間および/または位置を符号化するために、2つのエントリとともにこのLocationInfoListを使用し得る。本明細書では、最終時間および最終位置は、参照時間および/または参照位置に対する変位を決定するための変位測定中の現在時間および位置として解釈されるものとする。
ASN1におけるシグナリングは、たとえば、以下に従い得る。
・ 提案される一般化は、たとえば以下のものなど、複数の使用を有し得る。
〇 セグメントにわたって一定の速度および/または加速度、ならびに各セグメントの終わりの所与の位置など、複数のセグメントについての情報を報告すること。ターゲットデバイス10は、ターゲットデバイス10が望むように、報告をセグメントにスプリットし得る。結局、すべてのセグメントが終わった後に、UTC時間分解能は秒単位である。別の実施形態では、参照時間と現在リポート時間との間のデルタ時間が考慮され、ネットワークノード20に報告され得る。本明細書では、現在リポート時間は、現在報告されたセグメントについての変位が決定された時間として解釈されるものとする。デルタ時間は、たとえば、整数値によって表されるSFNによって指示され得る。
〇 情報をまとめて報告すること。ロケーション情報は、一連の前のセグメントにおいて測定された位置など、位置のセットとして周期的に報告され得る。
〇 ロケーションソースが相対的なロケーションソースのうちの1つであるとき、すなわち、ロケーションソースが参照ポイントに対する変位を報告するとき、第1の項目は、参照位置および/または参照時間を表し得、第2のおよび(1つまたは複数の)後続の項目は、変位を表し得る。既存のロケーションソース情報エレメント(IE)と新しいロケーションソース情報エレメントの両方とともに、参照を提供するための1つの方法と相対位置を提供するための1つの方法との組合せを符号化することも可能である。支援GNSS(A-GNSS)は、ロケーションソースにおいて報告され得る。
・ 一実施形態によれば、リスト中のセグメントごとに時間を有する必要があり得るので、時間のための別個のIEが使用され得る。
・ 代替形態は、リストが、このIE中にすでに存在している位置に加えて、位置のみを含んでいることであり得る。既存の位置は、相対位置がリポートで提供される場合、参照位置を符号化するために使用され得る。
〇 上述のように、1つの代替形態は、UTC時間の代わりに、追加されるべき相対時間を有することであり得る。相対時間は、デルタ時間と呼ばれることもある、参照時間に対する時間である。
〇 既存の可能な周期性1、2、4、8、16、32、64秒がサポートされ得る。
〇 既存の周期性に加えて、たとえば100msにおいてなど、高い分解能が必要とされ得る。したがって、整数(1..64)としてのrelativeTimeと呼ばれる1つのフィールドと、整数(1..9)(スケールファクタ100ms)としてのrelativeTimeDeltaと呼ばれる1つのフィールドとが追加され得る。
・ 一実施形態では、ロケーションソースのためのより多くのオプションを含めるためにLocationSource-r13と呼ばれるIEが拡張され得るか、または2つの組合せを可能にするためにLocationSource-r15のための別個の指示が導入され得る。LocationSource-r15 IEの一例が以下で提供される。
【0084】
追加のセンサー測定:
本明細書の一実施形態による新しいセンサー測定のためのLPPシグナリングが以下で提供される。シグナリングは、別個のIE中で、または既存のセンサー測定IEに対する拡張としてのいずれかで提供され得る。ASN1におけるシグナリングは、たとえば、以下に従い得る。
【0085】
追加のセンサーロケーション情報要求
ロケーションサーバが追加のセンサーベース方法のためのロケーション情報をターゲットデバイス10に要求することを可能にするために、AdditionalSensor-RequestLocationInformationと呼ばれることがあるIEが追加され得る。ASN1におけるシグナリングは、たとえば、以下に従い得る。
【0086】
追加のセンサー支援データエレメント
ロケーションサーバがターゲットデバイス10に追加のセンサー固有支援データを提供することを可能にするために、AdditionalSensor-AssistanceDataListと呼ばれることがある、さらなるIEが追加され得る。ASN1におけるシグナリングは、たとえば、以下に従い得る。
【0087】
追加のセンサー誤差エレメント
ロケーションサーバまたはターゲットデバイス10が、それぞれ、ターゲットデバイス10またはロケーションサーバにセンサー誤差理由を提供することを可能にするために、AdditionalSensor-Errorと呼ばれることがある、さらなるIEが追加され得る。ASN1におけるシグナリングは、たとえば、以下に従い得る。
【0088】
ロケーションサーバがターゲットデバイス10に追加のセンサー測位についての誤差理由を提供することを可能にするために、AdditionalSensor-LocationServerErrorCausesと呼ばれることがある、さらなるIEが追加され得る。ASN1におけるシグナリングは、たとえば、以下に従い得る。
【0089】
ターゲットデバイス10がロケーションサーバに追加のセンサー測位についての誤差理由を提供することを可能にするために、AdditionalSensor-TargetDeviceErrorCausesと呼ばれることがある、さらなるIEが追加され得る。ASN1におけるシグナリングは、たとえば、以下に従い得る。
【0090】
慣性測定ユニット(IMU)は、しばらくの間、スマートフォンにおいて展開されている。そのようなユニットからのデータは、GNSS、磁力計、気圧計など、他の測定とともに、デバイスの測位およびオリエンテーリングをサポートするために使用され得る。最近、IMU測定を設定し、IMU測定をネットワークサーバに報告するための手段を指定することに対する関心もある。
【0091】
たとえばターゲットデバイス10などのデバイス中のIMUは、一般に各々3つの軸を有し得る、複数の軸加速度計およびジャイロに基づき得る。IMUは、さらに一般に、たとえば、フォンが平坦に置かれているときに2つの軸を水平面と整合させ、1つの軸を上方に向けるなど、これらの軸がデバイスジオメトリと整合されるように、デバイス中に組み込まれ得る。
【0092】
UEベース測位についてIMUの明らかな恩恵があり、ターゲットデバイス10は、改良された測位のために、IMU測定を他の測定と融合させ得る。IMUはまた、UE支援測位のために使用され得、ターゲットデバイス10は、ネットワークノード20にIMU測定を報告する。本明細書の実施形態は、フレキシブルなIMU報告の方法に関する。
【0093】
時間セグメンテーションに関する詳細:
以下では、IMUは、例示的なロケーションソースとして使用されるが、以下の実施形態は、本明細書で開示される他のロケーションソースにも適用される。ネットワークノード20が、UE側において行われるIMU測定などのすべてのロケーションソース測定を受信することが、実際的でないことがある。一方、固定タイミングは、UE挙動により、異なる時間において短すぎるか、または長すぎることがあるので、固定周期時間報告を有することも、効率的な手法でないことがある。UE挙動中のいくつかの突然の変化に基づくIMU報告について、特定の時間セグメンテーションがあり得る。
【0094】
一実施形態では、これらの時間セグメント分離は、各センサーまたは特定のセンサーについて測定をしきい値処理することによって、UEなどのターゲットデバイス10によって識別され得る。本明細書では、しきい値処理は、測定がネットワークノード20に報告されるものとするときについての特定の測定のためのしきい値をセットすることとして解釈されるものとする。言い換えれば、位置測定は、センサーで測定された値がしきい値に等しいかまたはしきい値を超えるとき、報告され得る。
【0095】
別の実施形態では、これらの時間セグメント分離は、各センサーについて測定曲線の導関数をとることによって、UEによって識別され得る。ある時間瞬間において絶対導関数がしきい値を上回る場合、このポイントは、時間セグメント間の仕切りを規定する。
【0096】
概して、識別された時間セグメンテーション瞬間は、1つまたは複数のセンサーが時間セグメンテーション基準を満たすときであり得る。時間セグメンテーション基準は、デバイスセンサー感度に基づき得、感度が高い(正確な)デバイスは、感度があまり高くないデバイスと比較して、たとえばより低い絶対導関数など、あまり変化を必要としない。
【0097】
別の実施形態では、ターゲットデバイス10は、時間セグメンテーション基準で設定され得る。基準は、上記で説明されたセンサー固有しきい値、または何らかのあらかじめ規定されたより複雑な基準であり得る。時間セグメントはまた、時間セグメントの最大/最小持続時間に制約され得る。
【0098】
センサーのすべてにおける変化でなく、1つまたは複数のセンサーにおける変化を観測することが一般的である。一実施形態では、ターゲットデバイス10は、データが前の時間セグメントの場合と同じである場合、センサーについてデータを報告することを控えるように設定され得る。随意に、ターゲットデバイス10は、データが前の時間セグメントの場合と同じであることにより、ターゲットデバイス10が報告することを控えたことを指示し得る。
【0099】
雑音の多いIMU測定の場合、たとえば、短い時間期間中にトリガリング基準が常に満たされるとき、時間セグメントが短すぎることがあり、これは、その時間期間から信頼できるIMUデータが集められ得ないことを指示する。ターゲットデバイス10は、次いで、IMUがあまりに雑音の多いときの持続時間を含む、組み合わせられた時間セグメントを報告し、その時間セグメントについて、信頼できるIMUデータが集められ得ないことを指示し得る。一実施形態では、ターゲットデバイス10は、その時間セグメントにおけるIMUデータの統計的特性をも報告し得る。これは、たとえば、たとえば前記時間セグメント内のジャイロスコープのヨーの大きさの分布など、センサーの大きさの分布であり得る。他の統計的手段は以下を含み得る。
- 時間セグメントの最大値、
- センサーデータがしきい値を超えていた、時間の量、または時間セグメントの一部分。
- たとえばフーリエ変換を介して、時間から周波数領域への変換を介して取得される情報など、時間セグメントに関する周波数領域情報。周波数スペクトル中のエネルギーは、時間セグメント中にデバイスが受けた振動を指示し得る。
【0100】
時間セグメントごとのIMUデータに関する詳細:
各時間セグメントについてのIMUデータは、考慮されたIMUの平均値であり得るか、またはフィルタ処理された値であり得、フィルタ処理された値は、たとえば、最初に、ローパスフィルタを適用して高い雑音ピークをなくし、次いで、フィルタ処理された値の平均化を適用することによって取得され得る。
【0101】
一実施形態では、UEなどのターゲットデバイス10は、報告された前の値からの、相対値と呼ばれることもある差に基づいて、新しいIMUデータを報告し得るか、または、別の実施形態では、報告がトリガされるいかなる時間瞬間においても、対応するIMUセンサーデータ値が報告され得る。
【0102】
参照位置情報:
たとえば、IMU測定、磁力計測定、光センサー測定、および/または気圧計測定など、センサー測定と呼ばれることもある、ロケーションソース測定は、相対位置情報を提供し、相対位置情報は、ロケーションサーバにおいて、またはターゲットデバイス10において、絶対位置の決定および/または推定を可能にするために、関係する絶対参照位置を必要とする。
【0103】
一実施形態では、ネットワークノード20および/またはLSは、ターゲットデバイス10に絶対参照位置を送り得る。
【0104】
別の実施形態では、ネットワークノード20および/またはLSは、時間瞬間に関する絶対参照位置情報を送り得、ターゲットデバイス10は、この時間瞬間における絶対参照位置に対する相対位置を決定し得る。時間瞬間は、ターゲットデバイス10からの直近の測位リポートの時間など、明示的または暗黙的であり得る。
【0105】
一実施形態では、ターゲットデバイス10は参照位置を決定し得る。一実施形態では、参照位置は、前の時間瞬間における推定された絶対位置であり得る。別の実施形態では、ターゲットデバイス10によって決定された参照位置は、別の絶対位置を述べることによって相対位置を符号化するために使用される人工的な位置であり得、2つの位置の間の差が相対位置を与える。使用される参照位置は、変位が決定された参照位置を指示するために、ターゲットデバイス10からネットワークノード20に送られる、決定された変位のリポート中で指示され得る。参照位置は、参照として使用される絶対位置を送ることによって、および/または、参照時間と呼ばれることもある、参照位置が取得された時間の指示を提供することによって指示され得る。参照位置が取得された時間の指示は、たとえば、実際の時間のタイムスタンプ、または、決定された変位のタイムスタンプと参照位置が取得された時間との間のデルタタイムスタンプと組み合わせた、決定された変位のタイムスタンプであり得る。
【0106】
図5aを参照すると、図1のターゲットデバイス10の実施形態の概略ブロック図が示されている。
【0107】
ターゲットデバイス10は、本明細書で説明される方法を実施するための手段など、処理モジュール1001を備え得る。その手段は、1つまたは複数のハードウェアモジュールおよび/または1つまたは複数のソフトウェアモジュールの形態で具現され得る。
【0108】
ターゲットデバイス10はメモリ1002をさらに備え得る。メモリは、たとえば、コンピュータ可読コードユニットを備え得るコンピュータプログラム1003の形態で、命令を、含んでいるまたは記憶するなど、備え得る。
【0109】
本明細書のいくつかの実施形態によれば、ターゲットデバイス10および/または処理モジュール1001は、例示するハードウェアモジュールとして処理回路1004を備える。したがって、処理モジュール1001は、処理回路1004の形態で具現されるか、または処理回路1004「によって実現され」得る。命令は、処理回路1004によって実行可能であり得、それにより、ターゲットデバイス10は、図3の方法を実施するように動作可能であり得る。別の例として、命令は、ターゲットデバイス10および/または処理回路1004によって実行されたとき、ターゲットデバイス10に、図3による、ターゲットデバイス10に関係する方法を実施させ得る。
【0110】
上記に鑑みて、ターゲットデバイス10を測位するための方法を実施するためのターゲットデバイス10が提供される。上述のように、ターゲットデバイス10は、図3において開示される方法ステップを実施するように設定され得る。
【0111】
再び、メモリ1002は、前記処理回路1004によって実行可能な命令を含んでいることがあり、それにより、ターゲットデバイス10は、
- 少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置からのターゲットデバイス10の変位を決定することと、
- ネットワークノード20に、ターゲットデバイス10の決定された変位のリポートを送ることと
を行うために動作可能であり得る。
【0112】
メモリ1002は、前記処理回路1004によって実行可能な命令を含んでいることがあり、それにより、ターゲットデバイス10は、
- ネットワークノード20に、サポートされる変位報告に関する能力情報を送ること、および/または
- ネットワークノード20から、変位報告についての要求を取得すること
を行うためにさらに動作可能であり得る。
【0113】
図5aは、すぐ上で説明されたコンピュータプログラム1003を備える、キャリア1005、またはプログラムキャリアをさらに示す。
【0114】
いくつかの実施形態では、処理モジュール1001は、適用可能なとき、以下で説明される受信モジュールおよび/または送信モジュールによって例示され得る、入出力モジュール1006を備え得る。
【0115】
さらなる実施形態では、ターゲットデバイス10および/または処理モジュール1001は、例示するハードウェアモジュールとして、受信モジュール1010、取得モジュール1020、決定モジュール1030、および送信モジュール1040のうちの1つまたは複数を備え得る。他の例では、上述の例示するハードウェアモジュールのうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のソフトウェアモジュールとして実装され得る。
【0116】
したがって、ターゲットデバイス10は、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置からの、すなわち、参照位置に対する、ターゲットデバイス10の変位を決定するために設定され得る。
【0117】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ターゲットデバイス10および/または処理モジュール1001および/または決定モジュール1030は、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置に対するターゲットデバイス10の変位を決定するために設定され得る。
【0118】
したがって、ターゲットデバイス10は、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置に対するターゲットデバイス10の1つまたは複数の変位を決定するために設定され得る。
【0119】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ターゲットデバイス10および/または処理モジュール1001および/または決定モジュール1030は、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置に対するターゲットデバイス10の1つまたは複数の変位を決定するために設定され得る。
【0120】
ターゲットデバイス10は、ネットワークノード20に、ターゲットデバイス10の決定された1つまたは複数の変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを送るためにさらに設定され得る。
【0121】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ターゲットデバイス10および/または処理モジュール1001および/または送信モジュール1040は、ターゲットデバイス10の決定された1つまたは複数の変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを送るために設定され得る。
【0122】
ターゲットデバイス10は、たとえばロケーションサーバまたは無線アクセスネットワークノード20など、ネットワークノード20に、ターゲットデバイス10の決定された変位のリポートを送るためにさらに設定され得る。決定された変位のリポートは、初期測定ポイントにおけるターゲットデバイス10の参照位置の指示を含み得る。
【0123】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ターゲットデバイス10および/または処理モジュール1001および/または送信モジュール1040は、ターゲットデバイス10の決定された変位のリポートを送るために設定され得る。
【0124】
ターゲットデバイス10は、ネットワークノード20に、1つまたは複数の変位の各々が参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、リポートを送るためにさらに設定され得る。
【0125】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ターゲットデバイス10および/または処理モジュール1001および/または送信モジュール1040は、ネットワークノード20に、1つまたは複数の変位の各々が参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、リポートを送るために設定され得る。
【0126】
ターゲットデバイス10は、ネットワークノード20から、変位報告についての要求を取得するためにさらに設定され得る。
【0127】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ターゲットデバイス10および/または処理モジュール1001および/または取得モジュール1020は、ネットワークノード20から、変位報告についての要求を取得するために設定され得る。取得された要求は、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含み得る。
【0128】
ターゲットデバイス10は、たとえばロケーションサーバまたは無線ネットワークノード20など、ネットワークノード20に、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を送るためにさらに設定され得る。
【0129】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ターゲットデバイス10および/または処理モジュール1001および/または送信モジュール1040は、たとえばロケーションサーバまたは無線ネットワークノード20など、ネットワークノード20に、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を送るために設定され得る。
【0130】
本明細書の実施形態は、さらにまた、図5bに示されているように、UEなどのターゲットデバイス10中の処理回路要素を通して実装され得、その処理回路要素は、図3と、ターゲットデバイス10について上記で説明された実施形態とによる、方法アクションを実施するように設定される。
【0131】
図6aを参照すると、図1のネットワークノード20の実施形態の概略ブロック図が示されている。
【0132】
ネットワークノード20は、本明細書で説明される方法を実施するための手段など、処理モジュール2001を備え得る。その手段は、1つまたは複数のハードウェアモジュールおよび/または1つまたは複数のソフトウェアモジュールの形態で具現され得る。
【0133】
ネットワークノード20はメモリ2002をさらに備え得る。メモリは、たとえば、コンピュータ可読コードユニットを備え得るコンピュータプログラム2003の形態で、命令を、含んでいるまたは記憶するなど、備え得る。
【0134】
本明細書のいくつかの実施形態によれば、ネットワークノード20および/または処理モジュール2001は、例示するハードウェアモジュールとして処理回路2004を備える。したがって、処理モジュール2001は、処理回路2004の形態で具現されるか、または処理回路2004「によって実現され」得る。命令は、処理回路2004によって実行可能であり得、それにより、ネットワークノード20は、図4に関して開示される、ターゲットデバイス10の測位をハンドリングするための方法を実施するように動作可能であり得る。別の例として、命令は、ネットワークノード20および/または処理回路2004によって実行されたとき、ネットワークノード20に、図4による方法を実施させ得る。
【0135】
上記に鑑みて、一例では、ターゲットデバイス10を測位するための方法を実施するためのネットワークノード20が提供される。上述のように、ネットワークノード20は、図4に関して開示される方法ステップを実施するように設定され得る。
【0136】
再び、メモリ2002は、前記処理回路2004によって実行可能な命令を含んでいることがあり、それにより、ネットワークノード20は、
- ターゲットデバイス10から、参照位置に対するターゲットデバイス10の1つまたは複数の変位であって、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて決定された、1つまたは複数の変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを取得することと、
- 取得された1つまたは複数の変位、および/または参照時間に関連付けられた参照位置に基づいて、ターゲットデバイス10の絶対位置を決定することと
を行うために動作可能であり得る。
【0137】
メモリ2002は、前記処理回路2004によって実行可能な命令をさらに含んでいることがあり、それにより、ネットワークノード20は、
- ターゲットデバイス10に、変位報告についての要求を送ること、および/または
- ターゲットデバイス10から、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を受信すること
を行うためにさらに動作可能であり得る。
【0138】
図6は、すぐ上で説明されたコンピュータプログラム2003を備える、キャリア2005、またはプログラムキャリアをさらに示す。
【0139】
いくつかの実施形態では、処理モジュール2001は、適用可能なとき、以下で説明される受信モジュールおよび/または送信モジュールによって例示され得る、入出力モジュール2006を備える。
【0140】
さらなる実施形態では、ネットワークノード20および/または処理モジュール2001は、例示するハードウェアモジュールとして、受信モジュール2010、取得モジュール2020、決定モジュール2030、および送信モジュール2040のうちの1つまたは複数を備え得る。他の例では、上述の例示するハードウェアモジュールのうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のソフトウェアモジュールとして実装され得る。
【0141】
したがって、ネットワークノード20は、ターゲットデバイス10から、参照位置に対するターゲットデバイス10の1つまたは複数の変位であって、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて決定された、1つまたは複数の変位を含む、リポートを取得するために設定される。ネットワークノード20は、ターゲットデバイス10から、参照位置が関連付けられた参照時間を含む、リポートを取得するためにさらに設定される。
【0142】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ネットワークノード20および/または処理モジュール2001および/または取得モジュール2020は、参照位置に対するターゲットデバイス10の1つまたは複数の変位であって、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて決定された、1つまたは複数の変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを取得するために設定され得る。
【0143】
ネットワークノード20は、取得された1つまたは複数の変位と、参照時間に関連付けられた参照位置とに基づいて、ターゲットデバイス10の絶対位置を決定するようにさらに設定される。
【0144】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ネットワークノード20および/または処理モジュール2001および/または決定モジュール2030は、取得された変位と参照時間に関連付けられた参照位置とに基づいて、ターゲットデバイス10の絶対位置のために設定され得る。
【0145】
ネットワークノード20は、ターゲットデバイス10から、1つまたは複数の変位の各々が参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、ターゲットデバイス10からのリポートを取得するためにさらに設定され得る。
【0146】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ネットワークノード20および/または処理モジュール2001および/または取得モジュール2020は、ターゲットデバイス10から、1つまたは複数の変位の各々が参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、リポートを取得するために設定され得る。
【0147】
さらに、ネットワークノード20は、ターゲットデバイス10に、変位報告についての要求を送るために設定され得る。
【0148】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ネットワークノード20および/または処理モジュール2001および/または送信モジュール2040は、ターゲットデバイス10に、変位報告についての要求を送るために設定され得る。要求は、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含み得る。
【0149】
さらに、ネットワークノード20は、ターゲットデバイス10から、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を受信するために設定され得る。
【0150】
したがって、上記で説明された様々な実施形態によれば、ネットワークノード20および/または処理モジュール2001および/または受信モジュール2010は、ターゲットデバイス10から、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を受信するために設定され得る。
【0151】
本明細書の実施形態は、さらにまた、図6bに示されているように、ロケーションサーバなどのネットワークノード20中の処理回路要素を通して実装され得、その処理回路要素は、図4と、ネットワークノード20について上記で説明された実施形態とによる、方法アクションを実施するように設定される。
【0152】
ターゲットデバイス10およびネットワークノード20のための本明細書で説明される実施形態による方法は、それぞれ、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、ターゲットデバイス10またはネットワークノード20によって実施されるように、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書で説明されるアクションを行わせる、命令、すなわち、ソフトウェアコード部分を備える、たとえばコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品の手段によって実装され得る。コンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体、たとえばディスクまたは同様のものに記憶され得る。コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、ターゲットデバイス10またはネットワークノード20によって実施されるように、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書で説明されるアクションを行わせる、命令を備え得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり得る。
【0153】
また、上記で説明された入出力モジュール1006、2006、処理モジュール1001、2001、受信モジュール1010、2010、取得モジュール1020、2020、決定モジュール1030、2030、送信モジュール1040、2040は、アナログおよびデジタル回路、ならびに/または、上記で説明された処理ユニットなど、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、ターゲットデバイス10またはネットワークノード20によって実施されるように、上記のアクションのいずれかによるアクションを実施する、たとえばメモリ1002、2002に記憶されたソフトウェアおよび/またはファームウェアが設定された1つまたは複数のプロセッサの、組合せを指し得ることを、当業者は諒解されよう。これらのプロセッサのうちの1つまたは複数、ならびに他のデジタルハードウェアが、単一の特定用途向け集積回路(ASIC)中に含まれ得るか、または、個々にパッケージングされるのか、システムオンチップ(SoC)にアセンブルされるのかにかかわらず、いくつかのプロセッサおよび様々なデジタルハードウェアが、いくつかの別個の構成要素間で分散され得る。
【0154】
本明細書の実施形態において説明されるネットワークノード20はまた、クラウドにおいて実装され得る。本明細書のネットワークノード20によって実施される方法アクションは、無線アクセスノードのコンテキストにおいて説明されるが、その方法は、たとえばサーバおよび/またはデータセンターなど、第1のクラウド中に備えられるコアネットワークノードまたは分散ノードによっても実施され得る。方法アクションは、たとえば、コアネットワークノードまたは分散ノード上にホストされた集中型サービスであり得る、論理機能によって実施され得る。
【0155】
「備える、含む(comprise)」または「備える、含む(comprising)」という単語を使用するとき、その単語は、非限定的、すなわち、「少なくとも~からなる(consist at least of)」を意味するとして解釈されるものとする。
【0156】
さらなる例および実施形態が、以下のパラグラフにおいて規定され得る。
【0157】
本明細書の実施形態は、さらに以下に関し得る。
1. ターゲットデバイス(10)であって、ターゲットデバイス(10)の測位をハンドリングするための方法を実施するためのものであり、プロセッサとメモリとを備え、前記メモリが前記プロセッサによって実行可能な命令を含んでおり、前記ターゲットデバイス(10)は、
- 少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置に対するターゲットデバイス(10)の1つまたは複数の変位を決定することと、
- ネットワークノード(20)に、ターゲットデバイス(10)の決定された1つまたは複数の変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを送ることと
を行うように動作可能である、ターゲットデバイス(10)。
2. ターゲットデバイスは、
- ネットワークノード(20)に、1つまたは複数の変位の各々が参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、リポートを送ること
を行うようにさらに動作可能である、実施形態1に記載のターゲットデバイス。
3. ターゲットデバイスが、
- 変位を決定するために使用された少なくとも1つのロケーションソースに関する情報をさらに含む、リポートを送ること
を行うようにさらに動作可能である、パラグラフ1または2に記載のターゲットデバイス。
4. ターゲットデバイス(10)が、
- ネットワークノード(20)から、変位報告についての要求を取得すること
を行うようにさらに動作可能である、パラグラフ1から3のいずれか1つに記載のターゲットデバイス(10)。
5. ターゲットデバイス(10)が、変位を決定するときにターゲットデバイスによって使用されるべき、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む、要求を取得するようにさらに動作可能である、パラグラフ4に記載のターゲットデバイス(10)。
6. ターゲットデバイス(10)が、ネットワークノード(20)に、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を送るようにさらに動作可能である、パラグラフ1から5のいずれか1つに記載のターゲットデバイス(10)。
7. ターゲットデバイス(10)が、初期測定ポイントにおけるターゲットデバイス(10)の参照位置の指示を含む、決定された変位のリポートを送るようにさらに動作可能である、前のパラグラフのいずれか1つに記載のターゲットデバイス(10)。
8. ターゲットデバイス(10)の測位をハンドリングするための方法を実施するための、ネットワークノード(20)であって、プロセッサとメモリとを備え、前記メモリが前記プロセッサによって実行可能な命令を含んでおり、前記ネットワークノード(20)は、
- ターゲットデバイス(10)から、参照位置に対するターゲットデバイス(10)の1つまたは複数の変位であって、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて決定された、1つまたは複数の変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを取得することと、
- 取得された1つまたは複数の変位と、参照時間に関連付けられた参照位置とに基づいて、ターゲットデバイス(10)の絶対位置を決定することと
を行うように動作可能である、ネットワークノード(20)。
9. ネットワークノード(20)は、ターゲットデバイス(10)から、1つまたは複数の変位の各々が参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、リポートを受信するようにさらに動作可能である、パラグラフ8に記載のネットワークノード。
10. ネットワークノード(20)が、変位を決定するために使用された少なくとも1つのロケーションソースの指示をさらに含む、リポートを取得するようにさらに動作可能である、パラグラフ8または9に記載のネットワークノード。
11. ネットワークノード(20)が、
- ターゲットデバイス(10)に、変位報告についての要求を送ること
を行うようにさらに動作可能である、パラグラフ8から10のいずれか1つに記載のネットワークノード(20)。
12. ネットワークノード(20)が、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む、要求を送るようにさらに動作可能である、パラグラフ8から11のいずれか1つに記載のネットワークノード(20)。
13. ネットワークノード(20)が、
- ターゲットデバイス(10)から、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を受信すること
を行うようにさらに動作可能である、パラグラフ8から12のいずれか1つに記載のネットワークノード(20)。
14. ネットワークノード(20)が、初期測定ポイントにおけるターゲットデバイス(10)の参照位置の指示を含む、変位のリポートを取得するようにさらに動作可能である、パラグラフ8から13のいずれか1つに記載のネットワークノード(20)。
【0158】
本明細書の実施形態は、第2の例によれば、以下にも関し得る。
15. ターゲットデバイス(10)であって、ターゲットデバイス(10)の測位をハンドリングするための方法を実施するためのものであり、ターゲットデバイス(10)は、
- 少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて、参照位置に対するターゲットデバイス(10)の1つまたは複数の変位を決定するように設定された決定モジュール(1030)と、
- ネットワークノード(20)に、ターゲットデバイス(10)の決定された1つまたは複数の変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを送るように設定された送信モジュール(1040)と
を備える、ターゲットデバイス(10)。
16. ターゲットデバイス(10)は、
- ネットワークノード(20)に、1つまたは複数の変位の各々が参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、リポートを送るようにさらに設定された送信モジュール(1040)
をさらに備える、パラグラフ15に記載のターゲットデバイス(10)。
17. ターゲットデバイス(10)が、
- ネットワークノード(20)から、変位報告についての要求を取得するように設定された取得モジュール(1020)
をさらに備える、パラグラフ15または16に記載のターゲットデバイス(10)。
18. ターゲットデバイス(10)が、
- 変位を決定するときにターゲットデバイスによって使用されるべき、少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む、要求を取得するように設定された取得モジュール(1020)
をさらに備える、パラグラフ17に記載のターゲットデバイス(10)。
19. ターゲットデバイス(10)が、
- ネットワークノード(20)に、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を送るように設定された送信モジュール(1040)
をさらに備える、パラグラフ15から18のいずれか1つに記載のターゲットデバイス(10)。
20. ターゲットデバイス(10)の測位を決定するための方法を実施するための、ネットワークノード(20)であって、
- ターゲットデバイス(10)から、参照位置に対するターゲットデバイス(10)の1つまたは複数の変位であって、少なくとも1つのロケーションソースによって実施される測定に基づいて決定された、1つまたは複数の変位と、参照位置が関連付けられた参照時間とを含む、リポートを取得することと、
- 取得された1つまたは複数の変位と、参照時間に関連付けられた参照位置とに基づいて、ターゲットデバイス(10)の絶対位置を決定することと
を備える、ネットワークノード(20)。
21.
- ターゲットデバイス(10)から、1つまたは複数の変位の各々が参照時間と比較して決定されたときの現在時間のデルタタイムスタンプをさらに含む、リポートを取得するように設定された取得モジュール(2020)
をさらに備える、パラグラフ20に記載のネットワークノード。
22.
- 1つまたは複数の変位を決定するために使用された少なくとも1つのロケーションソースの指示をさらに含む、リポートを取得するように設定された取得モジュール(2020)
をさらに備える、パラグラフ20または21に記載のネットワークノード。
23.
- ターゲットデバイス(10)に、変位報告についての要求を送るようにさらに設定された送信モジュール(2040)
をさらに備える、パラグラフ20から22のいずれか1つに記載のネットワークノード(20)。
24.
- 少なくとも1つの好ましいロケーションソースおよび/または参照位置を含む、要求を送るようにさらに設定された送信モジュール(2040)
をさらに備える、パラグラフ23に記載のネットワークノード(20)。
25.
- ターゲットデバイス(10)から、変位報告のためのサポートされるロケーションソースに関する能力情報を受信するように設定された受信モジュール(2010)
をさらに備える、パラグラフ20から24のいずれか1つに記載のネットワークノード(20)。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b