(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】信用調査システム、信用調査データの記憶方法、装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/38 20120101AFI20220119BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
(21)【出願番号】P 2020549693
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2019080013
(87)【国際公開番号】W WO2019205876
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-09-15
(31)【優先権主張番号】201810395717.9
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】尚 志豪
(72)【発明者】
【氏名】周 洪▲飛▼
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/205902(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0243214(US,A1)
【文献】国際公開第2017/170679(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106339875(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信用調査システムであって、複数のサーバを備え、前記複数のサーバが複数の機関のサーバであり、各サーバに、いずれも第1ブロックチェーン、第2ブロックチェーン
、第3ブロックチェーンが配置されており、前記第1ブロックチェーンが、各機関におけるユーザのユーザ情報及び対応する第1ユーザ識別子を記憶するためのものであり、前記第2ブロックチェーンが、前記複数の機関により提供される信用調査データを記憶するためのものであり、
前記第3ブロックチェーンが、各機関におけるユーザの第1ユーザ識別子に対応する行為データを記憶するためのものであり、
前記複数のサーバのうちのいずれか1つのサーバは、
記録しようとするユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンから前記ユーザの第1ユーザ識別子を取得するステップと、
前記ユーザの新規追加行為データを第3ブロックチェーンに記憶するステップであって、前記ユーザの新規追加行為データは、前記ユーザの行為情報から機密情報を除外することによって得られるものであるステップと、
前記ユーザのユーザ情報、前記ユーザの新規追加行為データ及び前記第2ブロックチェーンに記憶されている前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データに基づいて、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを生成するステップと、
前記第1ユーザ識別子の信用調査データを前記第2ブロックチェーンのターゲットノードに送信するステップと、
受信した応答がターゲットポリシーに合致した場合、ターゲットブロックを取得し、前記ターゲットブロックを前記第2ブロックチェーンに加えるステップであって、前記ターゲットブロックが、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを記憶するためのものであるステップと、を実行するように構成されることを特徴とする、
信用調査システム。
【請求項2】
前記複数のサーバに更に第4ブロックチェーンが配置されており、
前記ユーザの行為情報及び前記ユーザの第2ユーザ識別子を、第4ブロックチェーンに対応的に記憶し、前記第4ブロックチェーンが、前記各サーバにおけるユーザの行為情報を記憶するためのものであることを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記各サーバは更に、第1照会要求を取得し、前記第1照会要求が、ユーザの第1ユーザ識別子と第1照会要求を行う機関の機関識別子とを含み、前記機関が照会権限を有すると判断した場合、前記ユーザの第1ユーザ識別子に基づいて、前記第2ブロックチェーンから前記第1ユーザ識別子の信用調査データを取得するように構成されることを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記各サーバは更に、前記ユーザの行為情報及び前記ユーザの第2ユーザ識別子を、第4ブロックチェーンに対応的に記憶するように構成され、前記第4ブロックチェーンが、前記各サーバにおけるユーザの行為情報を記憶するためのものであることを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
サーバが実行する信用調査データの記憶方法であって、
記録しようとするユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンから前記ユーザの第1ユーザ識別子を取得するステップであって、前記第1ブロックチェーンが、各機関におけるユーザのユーザ情報及び対応する第1ユーザ識別子を記憶するためのものであるステップと、
前記ユーザの新規追加行為データを第3ブロックチェーンに記憶するステップであって、前記第3ブロックチェーンが、各機関におけるユーザの第1ユーザ識別子に対応する行為データを記憶するためのものであり、前記ユーザの新規追加行為データは、前記ユーザの行為情報から機密情報を除外することによって得られるものであるステップと、
前記ユーザのユーザ情報、前記ユーザの新規追加行為データ及び第2ブロックチェーンに記憶されている前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データに基づいて、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを生成するステップであって、前記第2ブロックチェーンが、複数の機関により提供される信用調査データを記憶するためのものであるステップと、
前記第1ユーザ識別子の信用調査データを前記第2ブロックチェーンのターゲットノードに送信するステップと、
受信した応答がターゲットポリシーに合致した場合、ターゲットブロックを取得するステップであって、前記ターゲットブロックが、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを記憶するためのものであるステップと、
前記ターゲットブロックを前記第2ブロックチェーンに加えるステップとを含むことを特徴とする、
信用調査データの記憶方法。
【請求項6】
記録しようとするユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンから前記ユーザの第1ユーザ識別子を取得する前記ステップは、
前記ユーザのユーザ情報に基づいて、前記第1ブロックチェーンにおいてマッチングを行い、前記ユーザ情報に対応するユーザ識別子が見つけられた場合、前記ユーザ情報とマッチングしたユーザ識別子を前記ユーザの第1ユーザ識別子とするステップ、
前記ユーザのユーザ情報に基づいて、前記第1ブロックチェーンにおいて、前記ユーザ情報に対応するユーザ識別子がマッチングして見つけられない場合、前記ユーザのユーザ情報に基づいて、前記ユーザの第1ユーザ識別子を生成するステップのうちのいずれか1つを含むことを特徴とする
請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザのユーザ情報、前記ユーザの新規追加行為データ及び第2ブロックチェーンに記憶されている前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データに基づいて、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを生成するステップは、
前記第1ユーザ識別子に基づいて、前記第2ブロックチェーンから前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データを取得するステップと、
前記ユーザのユーザ情報、前記ユーザの新規追加行為データ、及び前記第2ブロックチェーンに記憶されている前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データのプラスフィードバックデータ及びマイナスフィードバックデータに基づいて、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを生成するステップとを含むことを特徴とする
請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
第1照会要求を取得するステップであって、前記第1照会要求が、ユーザの第1ユーザ識別子と第1照会要求を行う機関の機関識別子とを含むステップと、
前記機関が照会権限を有すると判断した場合、前記ユーザの第1ユーザ識別子に基づいて、前記第2ブロックチェーンから前記第1ユーザ識別子の信用調査データを取得するステップとを更に含むことを特徴とする
請求項
5に記載の方法。
【請求項9】
記録しようとするユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンから前記ユーザの第1ユーザ識別子を取得する前記ステップの前に、前記方法は、
前記ユーザの行為情報及び前記ユーザの第2ユーザ識別子を、第4ブロックチェーンに対応的に記憶するステップを更に含み、前記第4ブロックチェーンが、前記サーバにおけるユーザの行為情報を記憶するためのものであることを特徴とする
請求項
5に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
第2照会要求を取得するステップであって、前記第2照会要求が、機関におけるユーザの第2ユーザ識別子を含むステップと、
前記第2ユーザ識別子に基づいて、前記第4ブロックチェーンから前記第2ユーザ識別子に対応する行為情報を取得するステップとを更に含むことを特徴とする
請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータ装置であって、プロセッサとメモリとを備え、前記メモリに少なくとも1つの命令が記憶されており、前記命令は、前記プロセッサにより実行される時に、前記プロセッサに請求項
5~1
0のいずれか1項に記載の信用調査データの記憶方法を実現させる、
コンピュータ装置。
【請求項12】
コンピュータプログラムであって、コンピュータに、請求項
5~1
0のいずれか1項に記載の信用調査データの記憶方法を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年4月27日に中国特許局に提出された出願番号が2018103957179であり、発明名称が「信用調査システム、信用調査データの記憶方法、装置及び媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用によって本出願に援用される。
【0002】
本発明は、ネットワーク技術分野に関し、特に信用調査システム、信用調査データの記憶方法、装置及び媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
信用調査システムは、社会信用システムの重要な部分である。健全な信用調査システムは、金融機関が貸付リスクを管理するのに寄与し、金融管理機関によるリスク早期警告に関する分析を容易にするだけでなく、法務部及び他の政府機関による金融秩序の規範化にも役立ち、更に消費者の利益を保護することもできる。
【0004】
現在の信用調査システムは、通常、機関により単独で構築される、該機関のユーザにサービスを提供するシステムである。該機関は、該機関のユーザの貸付行為などに基づいて、ユーザのために、信用調査データを生成し、該機関の信用調査システムに記憶する。これにより、ユーザに、照会サービス及び他のサービスの参考としての機能を提供する。
【0005】
現在、各機関がそれぞれ自分なりの信用調査システムを構築しているため、機関の間で信用調査データを効率的に共有することができず、情報サイロという課題が厳しく、高品質なデータ流通及び取引を実現させることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願の実施例は、効率的なデータ共有を実現できる信用調査システム、信用調査データの記憶方法、装置及び媒体を提供する。前記技術的解決手段は下記のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、信用調査システムを提供する。前記信用調査システムは、複数のサーバを備え、前記複数のサーバが複数の機関のサーバであり、各サーバに、いずれも第1ブロックチェーン、第2ブロックチェーンが配置されており、前記第1ブロックチェーンが、各機関におけるユーザのユーザ情報及び対応する第1ユーザ識別子を記憶するためのものであり、前記第2ブロックチェーンが、前記複数の機関により提供される信用調査データを記憶するためのものであり、
前記複数のサーバのうちのいずれか1つのサーバは、
記録しようとするユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンから前記ユーザの第1ユーザ識別子を取得するステップと、
前記ユーザのユーザ情報、新規追加行為データ及び前記第2ブロックチェーンに記憶されている前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データに基づいて、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを生成するステップと、
前記第1ユーザ識別子の信用調査データを前記第2ブロックチェーンのターゲットノードに送信するステップと、
受信した応答がターゲットポリシーに合致した場合、ターゲットブロックを取得し、前記ターゲットブロックを前記第2ブロックチェーンに加えるステップであって、前記ターゲットブロックが、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを記憶するためのものであるステップとを実行するように構成されることを特徴とする。
【0008】
一態様によれば、信用調査データの記憶方法を提供する。前記方法は、
記録しようとするユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンから前記ユーザの第1ユーザ識別子を取得するステップであって、前記第1ブロックチェーンが、各機関におけるユーザのユーザ情報及び対応する第1ユーザ識別子を記憶するためのものであるステップと、
前記ユーザのユーザ情報、新規追加行為データ及び第2ブロックチェーンに記憶されている前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データに基づいて、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを生成するステップと、
前記第1ユーザ識別子の信用調査データを前記第2ブロックチェーンのターゲットノードに送信するステップと、
受信した応答がターゲットポリシーに合致した場合、ターゲットブロックを取得するステップであって、前記ターゲットブロックが、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを記憶するためのものであるステップと、
前記ターゲットブロックを前記第2ブロックチェーンに加えるステップとを含む。
【0009】
一態様によれば、信用調査データ記憶装置を提供する。前記装置は、
記録しようとするユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンから前記ユーザの第1ユーザ識別子を取得するように構成されるユーザ識別子取得モジュールであって、前記第1ブロックチェーンが、各機関におけるユーザのユーザ情報及び対応する第1ユーザ識別子を記憶するためのものであるユーザ識別子取得モジュールと、
前記ユーザのユーザ情報、新規追加行為データ及び第2ブロックチェーンに記憶されている前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データに基づいて、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを生成するように構成される生成モジュールと、
前記第1ユーザ識別子の信用調査データを前記第2ブロックチェーンのターゲットノードに送信するように構成される送信モジュールと、
受信した応答がターゲットポリシーに合致した場合、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを記憶するためのターゲットブロックを取得するように構成されるターゲットブロック取得モジュールと、
前記ターゲットブロックを前記第2ブロックチェーンに加えるように構成される追加モジュールとを備える。
【0010】
一態様によれば、コンピュータ装置を提供する。前記コンピュータ装置は、プロセッサとメモリとを備え、前記メモリに、少なくとも1つの命令が記憶されており、前記命令は、前記プロセッサによりロードされて実行され、上記信用調査データの記憶方法における操作を実現させる。
【0011】
一態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記記憶媒体には少なくとも1つの命令が記憶されており、前記命令は、前記プロセッサによりロードされて実行され、上記信用調査データの記憶方法における操作を実現させる。
【発明の効果】
【0012】
本出願の実施例が提供する技術的解決手段の有益な効果は下記のとおりである。
【0013】
サーバは、ユーザのユーザ情報に基づいて、一本化のユーザ識別子を生成し、該ユーザの行為データに基づいて、一体化のアルゴリズムで該ユーザの信用調査データを算出して生成し、更に、ターゲットポリシーにより、ユーザの信用調査データ及び対応するユーザ識別子をブロックチェーンに記憶する。ブロックチェーンシステムにおいて、同一のユーザに対して、一本化のユーザ識別子を取得し、ブロックチェーンシステムにおける各機関が、一本化のユーザ識別子に基づいて、該ユーザの信用調査データを照会できるようになり、高品質なデータ流通及び取引を実現させると共に、信用調査データの照会の正確性及び全面性を向上させることができ、また、一体化のアルゴリズムにより信用調査データを生成することで、信用調査データの規範性を確保し、各機関の信用調査データの参考価値を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本出願の実施例による信用調査システムのシステム構造を示す図である。
【
図2】本出願の実施例による信用調査データの記憶方法を示すフローチャートである。
【
図3】本出願の実施例による信用調査データの記憶及び照会を示すフローチャートである。
【
図4】本出願の実施例による信用調査データ記憶装置の構造を示す概略図である。
【
図5】本出願の実施例によるコンピュータ装置500を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本出願の実施例における技術的解決手段をより明確にするために、下記において、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、下記の図面は本出願の一部の実施例に過ぎず、当業者は創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0016】
本発明の目的、技術的解決手段及びメリットをより明確にするために、下記において、図面を参照して、本発明の実施形態をさらに詳しく説明する。
【0017】
図1は、本出願の実施例による信用調査システムのシステム構造を示す図である。実行環境には、複数のサーバ101が含まれ、該複数のサーバ101は、複数の機関のサーバである。サーバ101は、例えば銀行、金融機関、貸付機関、信用調査機関又は消費機関などのようないずれか1つの機関に属してもよい。該複数のサーバ101には、複数の各機関に共有するブロックチェーンが配置されてもよく、例えば、各機関におけるユーザのユーザ情報及び対応する第1ユーザ識別子を記憶するための第1ブロックチェーン、及び信用調査データを照会するための第2ブロックチェーンが配置される。勿論、ユーザ行為データ照会などの機能を更に実現させるために、該複数のサーバに第3ブロックチェーンが配置されてもよい。該サーバは更に、該ユーザの新規追加行為データを第3ブロックチェーンに記憶するように構成され、新規追加行為データは、該ユーザの行為情報に対してデータ敏感情報除外処理を行うことによって得られるものであり、該第3ブロックチェーンは、各機関におけるユーザの第1ユーザ識別子に対応する行為データを記憶するためのものである。
【0018】
データの安全性及びプライベートを確保するために、各サーバに、第4ブロックチェーンのようなプライベートブロックチェーンが配置されてもよい。それにより、該サーバに対応する機関のユーザ行為データを記憶する。対応的に、該サーバは更に、該ユーザの行為情報及び該ユーザの第2ユーザ識別子を第4ブロックチェーンに対応的に記憶するように構成される。該第4ブロックチェーンは、該サーバにおけるユーザの行為情報を記憶するためのものである。
【0019】
更に、各サーバは更に、第1照会要求を取得するように構成され、該第1照会要求に第1ユーザ識別子と照会を行う機関の機関識別子とが含まれる。該機関が照会権限を有すると判定した場合、該ユーザの第1ユーザ識別子に基づいて、該第2ブロックチェーンから該ユーザの信用調査データを取得する。
【0020】
更に、各サーバは更に、該ユーザの行為情報及び該ユーザの第2ユーザ識別子を第4ブロックチェーンに対応的に記憶するように構成される。該第4ブロックチェーンは、該サーバにおけるユーザの行為情報を記憶するためのものである。
【0021】
なお、上記サーバは、いずれも、任意のコンピュータ装置として提供されてもよく、本出願の実施例は、これを具体的に限定するものではない。
【0022】
下記、下記具体的な説明における幾つかの用語を説明する。
【0023】
コンソーシアムチェーンは、コンソーシアムブロックチェーン(Consortium Block chains)とも呼ばれ、合意形成プロセスが、選択されるノードにより制限されるブロックチェーンを指す。コンソーシアムチェーンにおいて、チェーンにおけるノードメンバのみを対象として全て又は一部の機能を開放する。コンソーシアムチェーンにおける各ブロックチェーンノードは、必要に応じて、読み書き権限、照会権限等をカスタマイズすることができる。例えば、上記第1ブロックチェーン、第2ブロックチェーン及び第3ブロックチェーンはいずれもコンソーシアムチェーンであってもよい。
【0024】
スマートコントラクトは、所定条件に基づいて、自動的に実行されるコントラクトプロシージャであり、ユーザとブロックチェーンがインタラクションを行って、ブロックチェーンによりサービスロジックを実現させるための重要な手段である。例えば、各機関は、サーバに配置されたブロックチェーンのスマートコントラクトにより該信用調査システムにアクセスすることができる。
【0025】
ターゲットポリシーは、裏書ポリシーのような合意形成ポリシーの1つであってもよい。例えば、裏書ポリシーは、データ記憶システムにおいて裏書過程で満足すべき必要条件を指示するために用いられる。例えば、該裏書ポリシーは、裏書を必要とする複数の裏書ノードを指示することが可能であり、それによって裏書ノード集合を形成する。裏書過程において、該裏書ノード集合が共同署名する必要がある。
【0026】
図2は、本出願の実施例による信用調査データの記憶方法を示すフローチャートである。該方法は、
図1に示した実行環境に適用され、また、該サーバは、いずれか1つの機関のサーバであってもよい。
図2を参照すると、該方法は、下記を含む。
【0027】
201において、サーバがユーザの行為情報及び該ユーザの第2ユーザ識別子を該機関のユーザ行為明細チェーンに対応的に記憶する。
【0028】
本出願の実施例において、該ユーザ行為明細チェーンは、上記第4ブロックチェーンである。該機関のサーバのみに配置される該機関のプライベートチェーンであり得る。該ユーザ行為明細チェーンに記憶されたデータは、他の機関により取得されることができない。他の機関により取得されることができないことは、下記いずれか1つの形態でデータを記憶することを指す。例えば、可能な実現形態において、該サーバは、記憶しようとする行為情報を取得した場合、行為情報に対して所定のキーにより暗号化し、そしてから、暗号化された行為情報をユーザ行為明細チェーンに記憶する。該キーは、機関のユーザ又は機関の管理ユーザのみにより所持される。又は、該サーバは、ユーザ行為明細チェーンを所定のアクセス権限を有する記憶空間に記憶してもよい。いずれか1つのユーザがm該記憶空間にアクセスしようとする時、アクセス権限の承認に合格した場合にのみアクセスが許容される。
【0029】
ここで、ユーザの行為情報は、ユーザと該機関の間で発生した取引を表すためのものである。例えば、該機関が銀行である場合、該ユーザの行為情報は、ユーザが該銀行の口座により消費を行い、該銀行から借金し、該銀行にローン返済するなどの行為情報であってもよい。本出願は、これを具体的に限定するものではない。
【0030】
ここで、ユーザの第2識別子は、ユーザ情報を暗号化することで得られたユーザ識別子であってもよい。該ユーザのユーザ情報は、該ユーザの姓名、性別、年齢、身分証明書番号及び携帯電話番号などの基本情報であってもよい。本出願は、これを具体的に限定するものではない。
【0031】
本出願の実施例において、サーバは、ユーザの該機関における行為情報を取得した後に、該ユーザの行為情報及び該ユーザの第2ユーザ識別子を該機関におけるユーザ行為明細チェーンに記憶することができる。該ユーザの行為情報を該機関のプライベートチェーンに記憶することで、ユーザ又は機関からの該行為情報の照会を容易にすると共に、他の機関からの該行為情報の取得を防止し、該機関の利益が損なわれないように確保する。また、該ユーザの行為情報を記憶する場合、対応する暗号化された第2ユーザ識別子を記憶することで、ユーザのユーザ情報の漏洩を防止することができ、ユーザのプライバシーを保護し、ユーザの利益を保障するという目的を達成する。
【0032】
更に、該機関は、他の複数の機関と共に信用調査システムを構築することもできる。該信用調査システムにおける各機関のサーバには、複数の同様のブロックチェーンが配置されてもよい。該複数の同様のブロックチェーンは、該複数の機関のコンソーシアムチェーンであり、ユーザの信用調査データを記憶するためのものである。該複数の機関は、該コンソーシアムチェーンにユーザの信用調査データを記憶、照会することができる。これにより、信用調査データを共有するという目的を達成する。
【0033】
202において、サーバが、記録しようとするユーザのユーザ情報に基づいて、ユーザセンターチェーンからユーザの第1ユーザ識別子を取得し、該ユーザセンターチェーンは、各機関におけるユーザのユーザ情報及び対応する第1ユーザ識別子を記憶するためのものである。
【0034】
本出願の実施例において、ユーザセンターチェーンは、上記第1ブロックチェーンである。該ユーザセンターチェーンは、複数の機関のために、一本化のユーザ識別子を提供するためのものであってもよい。これにより、各機関は、同一の識別子を利用して信用調査システムにおいて該ユーザの全ての信用調査データが見つけられる。ここで、第1ユーザ識別子は、複数の機関のコンソーシアムチェーンにおいて該ユーザを一意的に表すためのものである。該第1ユーザ識別子は、該ユーザのユーザ情報に基づいて、ユーザセンターチェーンの第1スマートコントラクトアルゴリズムにより生成されたものであってもよい。
【0035】
本出願の実施例において、サーバがユーザの該機関における行為情報を取得した後に、該行為情報に基づいて、信用調査システムにおける該ユーザの信用調査データを更新することができる。信用調査データを更新する前に、該サーバは、信用調査システムにおける該ユーザの第1ユーザ識別子を取得する必要がある。信用調査データを更新する前に、該第1ユーザ識別子を取得することで、後続でユーザの信用調査データの記憶及び照会を容易にすることができる。
【0036】
任意選択的に、該ユーザの第1ユーザ識別子を取得する方法は下記のとおりである。サーバがユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンにおいてマッチングを行い、該ユーザ情報に対応するユーザ識別子が見つけられた場合、該ユーザ情報とマッチングしたユーザ識別子を該ユーザの第1ユーザ識別子とする。更に、ユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンにおいて、該ユーザ情報に対応するユーザ識別子がマッチングして見つけられない場合、該ユーザのユーザ情報に基づいて、該ユーザの第1ユーザ識別子を生成する。
【0037】
更に、サーバは、該ユーザのユーザ情報及び行為データに基づいて、該ユーザの画像データを生成し、該ユーザの画像データを該第1ブロックチェーンに記憶することもできる。該画像データには、該ユーザの年齢、性別、地域、収入又は投資などが含まれてもよい。該ユーザの画像データを生成して記憶することで、信用調査システムにおいて該ユーザの特徴をより立体的に記録することができる。
【0038】
203において、サーバが該ユーザの行為情報に対してデータ敏感情報除外処理を行って新規追加行為データを得て、該新規追加行為データをユーザ行為敏感情報除外チェーンに記憶する。
【0039】
本出願の実施例において、該ユーザ行為敏感情報除外チェーンは、上記第3ブロックチェーンである。それは、機密情報が除外された行為情報を記憶することで、照会の時にユーザのプライバシーの漏洩を避けることができる。
【0040】
本出願の実施例において、サーバは、ユーザの該機関における行為情報を取得した後に、該行為情報に対して敏感情報除外処理を行うことで、該行為情報における該ユーザのプライバシーに関連するデータを除外することもできる。例えば、該機関が銀行であり、該行為情報が、ユーザが該銀行の口座に基づいて消費する行為情報である場合、該行為情報に対して敏感情報除外処理を行うことは、該行為情報における具体的な消費金額、料金受領側情報又は消費場所などの情報を除外することであってもよい。
【0041】
可能な実現形態において、該行為情報に対して敏感情報除外処理を行うことは、該行為情報におけるターゲット機密データを識別し、該行為情報から該ターゲット機密データを削除し、機密情報が除外された行為情報を得ることを含んでもよい。該ターゲット機密データは、ターゲットデータ項目に属し、該ターゲットデータ項目は、例えば具体的な消費金額、料金受領側情報又は消費場所などのような、ユーザのプライバシー情報を表すことができるデータ項目を指す。
【0042】
サーバは、該行為情報に対して敏感情報除外処理を行ってから、機密情報が除外された行為情報に基づいて、該ユーザの新規追加行為データを生成し、該ユーザの新規追加行為データをユーザ行為敏感情報除外チェーンに記憶することができる。該ユーザ行為敏感情報除外チェーンは、信用調査システムにおける複数の機関のサーバに配置されたコンソーシアムチェーンであってもよく、各機関におけるユーザの第1ユーザ識別子に対応する行為データを記憶するためのものである。
【0043】
更に、該新規追加行為データは、変換することによって得られる同一規範を有するデータであってもよい。該ユーザの第1ユーザ識別子、プラス行為又はマイナス行為、正規化データ及び該行為情報の発生時間などを含んでもよい。ここで、プラス行為又はマイナス行為は、該行為情報を示すためのものである。該プラス行為は、返済期限通りの返済、頻度の高い消費又は大金額消費などを含んでもよい。該マイナス行為は、期限内未返済などを含んでもよい。本発明の実施例はこれを限定するものではない。ここで、正規化データは、行為情報に対して、統一されたアルゴリズムで演算を行って生成された一定の範囲におけるデータを示すためのものである。該行為情報を0から1の間のいずれか1つの数字となるように演算することができる。行為情報を正規化することで、行為情報を量子化処理することができる。ユーザ又は機関が新規追加行為データを照会する時、該正規化データに基づいて、今回の行為情報を直観的に評価することができる。
【0044】
更に、サーバは、該新規追加行為データをユーザ行為敏感情報除外チェーンに記憶する前に、機関の秘密キーに基づいて該新規追加行為データを署名することができ、それによって該新規追加行為データが該機関で生成されたものであることを証明することができる。任意選択的に、該行為情報を生成するユーザは、該ユーザの秘密キーに基づいて該新規追加行為データを署名することもでき、それによって該新規追加行為データが該ユーザによって確認済みのものであることを表すこともできる。この場合、該新規追加行為データのフォーマットは下記表1に示すとおりである。
【0045】
【0046】
204において、サーバが該ユーザのユーザ情報、新規追加行為データ及びユーザ信用調査チェーンに記憶されている第1ユーザ識別子の信用調査履歴データに基づいて、該第1ユーザ識別子の信用調査データを生成する。
【0047】
本出願の実施例において、該ユーザ信用調査チェーンは、上記第2ブロックチェーンであり、信用調査データを記憶するために用いられる。サーバは、ユーザの行為情報に基づいて新規追加行為データを生成した後に、該新規追加行為データに基づいて、該ユーザ情報に対応する第1ユーザ識別子の信用調査データを生成することもできる。信用調査データの具体的な生成プロセスは、下記ステップ204A-ステップ204Cを含む。
【0048】
204Aにおいて、サーバが該ユーザのユーザ情報に基づいて該ユーザの第1ユーザ識別子を取得する。
【0049】
サーバは、ユーザの行為情報に基づいて新規追加行為データを生成した後に、ユーザセンターチェーンに記憶されている該ユーザのユーザ情報と該ユーザの第1ユーザ識別子との対応関係に基づいて、該第1ユーザ識別子を取得することができる。
【0050】
204Bにおいて、サーバが第1ユーザ識別子に基づいて、ユーザ信用調査チェーンから該第1ユーザ識別子の信用調査履歴データを取得する。
【0051】
サーバが該ユーザの第1ユーザ識別子を取得してから、該第1ユーザ識別子に基づいて、ユーザ信用調査チェーンから該第1ユーザ識別子に対応する信用調査履歴データを取得する。該信用調査履歴データには、該ユーザのプラスフィードバックデータ及びマイナスフィードバックデータが含まれる。ここで、プラスフィードバックデータは、ユーザ信用調査データを向上させることができる行為情報を示すためのものである。つまり、返済期限通りの返済、頻度の多い消費又は大金額消費などのような、ユーザ信用調査状況にプラス影響を与える行為情報を示すためのものである。マイナスフィードバックデータは、ユーザ信用調査データを低下させる行為情報を示すためのものである。つまり、期限内未返済などのような、ユーザ信用調査状況にマイナス影響を与える行為情報を示すためのものである。本発明の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0052】
204Cにおいて、ユーザのユーザ情報、新規追加行為データ及びユーザ信用調査チェーンに記憶されている該第1ユーザ識別子の信用調査履歴データにおけるプラスフィードバックデータ及びマイナスフィードバックデータに基づいて、該第1ユーザ識別子の信用調査データを生成する。
【0053】
機関のサーバは、該第1ユーザ識別子に対応する信用調査履歴データのプラスフィードバックデータ及びマイナスフィードバックデータを取得してから、該新規追加行為データを参照しながら、ユーザ信用調査チェーンの第2スマートコントラクトにおける統一されたアルゴリズムにより、該ユーザの新たな信用調査データを算出する。各機関のサーバは、新たな行為データを生成してから、いずれも、ユーザ信用調査チェーンの第2スマートコントラクトに基づいて、信用調査データを生成することができるため、信用調査データの演算方式を統一し、信用調査状況の評価基準を統一することによって、効率的なデータ共有の目的を達成することができる。それによって、後続でいずれか1つの機関により取得される該信用調査データは、同一の信用調査状況を表すことができる。従って、信用調査データの参考価値を向上させる。
【0054】
205において、サーバが該ユーザの信用調査データをユーザ信用調査チェーンのターゲットノードに送信する。
【0055】
機関のサーバは、第2ブロックチェーンにおける第2スマートコントラクトにおけるターゲットポリシーに基づいて、該新規追加行為データ、取得した信用調査履歴データ及び算出した新たな信用調査データを、複数のターゲットノード(即ち、複数のサーバ)に送信して合意形成することもできる。該複数のターゲットノードで該第2スマートコントラクトにおける統一されたアルゴリズムに基づいて演算を行うことで生成された信用調査データが該新たな信用調査データと同じである時、署名後のデータを該機関のサーバに返送する。勿論、該具体的な合意形成プロセスは、他の実現形態で実現されてもよく、本出願の実施例は、これを限定するものではない。ここで、該ターゲットノードは、ターゲットポリシーにより指定された幾つかのノードであってもよい。本出願の実施例は、これを限定するものではない。上記ターゲットノードは、ユーザ信用調査チェーンが配置されたノードであってもよい。
【0056】
206において、サーバが受信した応答がターゲットポリシーに合致した場合、該第1ユーザ識別子の信用調査データを記憶するためのターゲットブロックを取得する。
【0057】
該サーバが受信した応答がユーザ信用調査チェーンの第2スマートコントラクトにおけるターゲットポリシーに合致した時、該新たな信用調査データに基づいて、ターゲットブロックを生成することができる。この場合、ユーザ信用調査チェーンにおける複数のノードが合意形成し、データをチェーンに加えることができる。
【0058】
207において、サーバが該ターゲットブロックを該ユーザ信用調査チェーンに加える。
【0059】
機関のサーバがターゲットブロックを生成した後に、該ターゲットブロックをユーザ信用調査チェーンに加えることができ、それによって、信用調査データの共有を実現させることができる。
【0060】
上記ブロックの生成及びチェーンへの加入プロセスは、他のノードにより実行されてもよく、該サーバは、ターゲットブロックを受信して記憶するためのノードであってもよく、その具体的なインタラクション過程はここで詳しく説明しないようにすることに留意されたい。
【0061】
本出願の実施例が提供する信用調査データの記憶方法において、サーバは、ユーザのユーザ情報に基づいて、一本化のユーザ識別子を生成し、該ユーザの行為データに基づいて、一体化のアルゴリズムで該ユーザの信用調査データを算出して生成し、更に、ターゲットポリシーにより、ユーザの信用調査データ及び対応するユーザ識別子をブロックチェーンに記憶する。ブロックチェーンシステムにおいて、同一のユーザに対して、一本化のユーザ識別子を取得し、ブロックチェーンシステムにおける各機関が、一本化のユーザ識別子に基づいて、該ユーザの信用調査データを照会できるようになり、高品質なデータ流通及び取引を実現させると共に、信用調査データの照会の正確性及び全面性を向上させることができ、また、一体化のアルゴリズムにより信用調査データを生成することで、信用調査データの規範性を確保し、各機関の信用調査データの参考価値を向上させる。
【0062】
更に、信用調査システムにおける機関のサーバは、ブロックチェーンにおける信用調査データを照会することもできる。信用調査データの具体的な照会プロセスは、下記ステップ207A-207Bを含む。
【0063】
207Aにおいて、機関のサーバが、ユーザの第1ユーザ識別子と照会を行う機関の機関識別子とを含む第1照会要求を取得する。
【0064】
207Bにおいて、該機関が照会権限を有すると判断した場合、該ユーザのユーザ識別子に基づいて、該ユーザ信用調査チェーンから該ユーザの信用調査データを取得する。
【0065】
更に、該機関のサーバは、該ユーザの行為情報に基づいて、該ユーザの信用調査データを生成し、該信用調査データをユーザ信用調査チェーンに記憶する時に、該記憶プロセスで該ユーザ信用調査チェーンにおける他の信用調査データを照会する権限を取得し、該権限を第5ブロックチェーンに記憶することもできる。該第5ブロックチェーンは、機関照会明細チェーンであってもよい。例えば、該機関のサーバは、信用調査データをブロックチェーンに記憶してから、照会点数を取得することができる。該照会点数を第5ブロックチェーンに記憶する。第2ブロックチェーンにおける信用調査データを照会する時、該第5ブロックチェーンにおける該機関の照会点数を取得し、該照会点数に基づいて照会を行うことができる。該機関が信用調査データを照会するのに必要な点数が該機関の照会点数より少ない時に、該信用調査データを照会することができる。該機関が信用調査データを照会するのに必要な点数が該機関の照会点数より多い時、機関は、照会条件を満たさず、該信用調査データを照会することができない。任意選択的に、様々な信用調査データに基づいて様々な照会点数を生成することもできる。
【0066】
更に、機関のサーバは、該機関に発生したユーザの行為情報を照会することもできる。該行為情報の具体的な照会プロセスは、下記ステップ208A-208Bを含む。
【0067】
208Aにおいて、サーバが、第2照会要求を取得し、該第2照会要求が、該機関におけるユーザの第2ユーザ識別子を含む。
【0068】
208Bにおいて、該第2ユーザ識別子に基づいて、該ユーザ行為明細チェーンから該第2ユーザ識別子に対応する行為情報を取得する。
【0069】
信用調査データの記憶プロセスで照会点数を生成し、該照会点数に基づいて、信用調査データの照会を行う。該記憶プロセスは、信用調査データを照会するための意欲向上メカニズムとして、信用調査システムにおける複数の機関が信用調査データをブロックチェーンに記憶する意欲を向上させ、信用調査システムにおける信用調査データがより十分になる。
【0070】
上記の記憶、生成及び照会などのプロセスは、実際に信用調査システムにおける複数のブロックチェーンにより実行されてもよい。
図3に示すように、ユーザ行為明細チェーンにより、機関におけるユーザ行為情報を記憶し、ユーザセンターチェーンにより、一本化のユーザ識別子を提供することで、信用調査システム全体において、1つのユーザ識別子を利用して、1つのユーザに関連するデータを照会することができる。また、ユーザ信用調査チェーンで提供される、統一された信用調査アルゴリズムにより、複数の機関に共有する信用調査データの表現形態を提供する。更に、ユーザ行為情報を照会してユーザのプライバシーを保護することができるユーザ行為敏感情報除外チェーンを提供することで、敏感情報除外されたデータを記憶する。更に、機関照会明細チェーンを提供することで機関の照会権限を管理する。プロセス全体において、データの安全性及びプライバシーを確保すると共に、複数の機関同士間での信用調査データの共有を実現させることができ、高品質なデータ流通及び取引を実現させる。
【0071】
図4は、本出願の実施例による信用調査データ記憶装置の構造を示す概略図である。
図4を参照すると、該装置は、
記録しようとするユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンから前記ユーザの第1ユーザ識別子を取得するように構成されるユーザ識別子取得モジュール401であって、前記第1ブロックチェーンが、各機関におけるユーザのユーザ情報及び対応する第1ユーザ識別子を記憶するためのものであるユーザ識別子取得モジュール401と、
該ユーザのユーザ情報、新規追加行為データ及び該第2ブロックチェーンに記憶されている該第1ユーザ識別子の信用調査履歴データに基づいて、該第1ユーザ識別子の信用調査データを生成するように構成される生成モジュール402と、
該第1ユーザ識別子の信用調査データを該第2ブロックチェーンのターゲットノードに送信するように構成される送信モジュール403と、
受信した応答がターゲットポリシーに合致した場合、該第1ユーザ識別子の信用調査データを記憶するためのターゲットブロックを取得するように構成されるターゲットブロック取得モジュール404と、
該ターゲットブロックを該第2ブロックチェーンに加えるように構成される追加モジュール405とを備える。
【0072】
本出願の実施例が提供する信用調査データ記憶装置において、サーバは、ユーザのユーザ情報に基づいて、一本化のユーザ識別子を生成し、該ユーザの行為データに基づいて、一体化のアルゴリズムで該ユーザの信用調査データを算出して生成し、更に、ターゲットポリシーにより、ユーザの信用調査データ及び対応するユーザ識別子をブロックチェーンに記憶する。ブロックチェーンシステムにおいて、同一のユーザに対して、一本化のユーザ識別子を取得し、ブロックチェーンシステムにおける各機関が、一本化のユーザ識別子に基づいて、該ユーザの信用調査データを照会できるようになり、高品質なデータ流通及び取引を実現させると共に、信用調査データの照会の正確性及び全面性を向上させることができ、また、一体化のアルゴリズムにより信用調査データを生成することで、信用調査データの規範性を確保し、各機関の信用調査データの参考価値を向上させる。
【0073】
可能な実現形態において、該ユーザ識別子取得モジュール401は、
該ユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンにおいてマッチングを行い、該ユーザ情報に対応するユーザ識別子が見つけられた場合、該ユーザ情報とマッチングしたユーザ識別子を該ユーザの第1ユーザ識別子とし、又は、
該ユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンにおいて、該ユーザ情報に対応するユーザ識別子がマッチングして見つけられない場合、該ユーザのユーザ情報に基づいて、該ユーザの第1ユーザ識別子を生成するように構成される。
【0074】
可能な実現形態において、該装置は、
該ユーザの新規追加行為データを第3ブロックチェーンに記憶するように構成される第3ブロックチェーン記憶モジュールを更に備え、該第3ブロックチェーンが、各機関におけるユーザの第1ユーザ識別子に対応する行為データを記憶するためのものである。
【0075】
上記全ての任意選択的な技術的解決手段において、任意の組み合わせにより本出願の任意選択的な実施例を構成することができる。ここで詳しく説明しないようにする。
【0076】
図5は、本出願の実施例によるコンピュータ装置500を示す概略図である。該コンピュータ装置500は、構成又は性能により大きく異なることがある。1つ又は1つ以上のプロセッサ501と1つ又は1つ以上のメモリ502とを備えてもよく、ここで、前記メモリ502に少なくとも1つの命令が記憶されており、前記少なくとも1つの命令は、前記プロセッサ501によりロードされて実行され、上記方法の実施例で提供される信用調査データの記憶方法を実現させる。勿論、該コンピュータ装置は、入力出力を行うために、有線又は無線ネットワークインタフェース、キーボード及び入力出力インタフェース等の部材を備えてもよい。該コンピュータ装置は、装置の機能を実現させるための他の部材を備えてもよい。ここで、詳細な説明を省略する。
【0077】
該信用調査データの記憶方法は、記録しようとするユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンから前記ユーザの第1ユーザ識別子を取得することであって、前記第1ブロックチェーンが、各機関におけるユーザのユーザ情報及び対応する第1ユーザ識別子を記憶するためのものであることと、前記ユーザのユーザ情報、新規追加行為データ及び第2ブロックチェーンに記憶されている前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データに基づいて、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを生成することであって、前記第2ブロックチェーンが、前記複数の機関により提供される信用調査データを記憶するためのものであることと、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを前記第2ブロックチェーンのターゲットノードに送信することと、受信した応答がターゲットポリシーに合致した場合、ターゲットブロックを取得することであって、前記ターゲットブロックが、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを記憶するためのものであることと、前記ターゲットブロックを前記第2ブロックチェーンに加えることとを含む。
【0078】
可能な実現形態において、前記プロセッサは、
該ユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンにおいてマッチングを行い、該ユーザ情報に対応するユーザ識別子が見つけられた場合、該ユーザ情報とマッチングしたユーザ識別子を該ユーザの第1ユーザ識別子とすること、又は
該ユーザのユーザ情報に基づいて、第1ブロックチェーンにおいて、該ユーザ情報に対応するユーザ識別子がマッチングして見つけられない場合、該ユーザのユーザ情報に基づいて、該ユーザの第1ユーザ識別子を生成することを実行するように構成される。
【0079】
可能な実現形態において、前記新規追加行為データは、前記ユーザの行為情報に対してデータ敏感情報除外処理を行うことによって得られるものであり、
前記方法は、
該ユーザの新規追加行為データを第3ブロックチェーンに記憶することを更に含み、前記第3ブロックチェーンが、各機関におけるユーザの第1ユーザ識別子に対応する行為データを記憶するためのものである。
【0080】
可能な実現形態において、前記プロセッサは、
前記第1ユーザ識別子に基づいて、前記第2ブロックチェーンから前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データを取得することと、
前記ユーザのユーザ情報、新規追加行為データ、及び前記第2ブロックチェーンに記憶されている前記第1ユーザ識別子の信用調査履歴データのプラスフィードバックデータ及びマイナスフィードバックデータに基づいて、前記第1ユーザ識別子の信用調査データを生成することとを実行するように構成される。
【0081】
可能な実現形態において、前記プロセッサは更に、
ユーザの第1ユーザ識別子と照会を行う機関の機関識別子とを含む第1照会要求を取得することと、
該機関が照会権限を有すると判断した場合、前記ユーザの第1ユーザ識別子に基づいて、前記第2ブロックチェーンから前記第1ユーザ識別子の信用調査データを取得することとを実行するように構成される。
【0082】
可能な実現形態において、前記プロセッサは更に、
前記ユーザの行為情報及び前記ユーザの第2ユーザ識別子を、第4ブロックチェーンに対応的に記憶することを実行するように構成され、前記第4ブロックチェーンが、前記サーバにおけるユーザの行為情報を記憶するためのものである。
【0083】
例示的な実施例において、命令を含むメモリのようなコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。上記命令は、端末におけるプロセッサにより実行され、上記実施例における信用調査データの記憶方法を実現させる。例えば、前記コンピュータ可読記憶媒体はROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フレキシブルディスク及び光学データ記憶装置などであってもよい。
【0084】
上記実施例の全て又は一部の工程はハードウェアにより実行されてもよいし、プログラム命令に係るハードウェアにより実行されてもよく、該プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、上記言及した記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどであってもよいことは当業者であれば理解されるべきである。
【0085】
以上は、本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願を限定するものではない。本出願の精神や原則を逸脱しないあらゆる修正、同等置換、改良などはすべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0086】
401 ユーザ識別子取得モジュール
402 生成モジュール
403 送信モジュール
404 ターゲットブロック取得モジュール
405 追加モジュール
500 コンピュータ装置
501 プロセッサ
502 メモリ