(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 61/04 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
B65B61/04
(21)【出願番号】P 2021553848
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(86)【国際出願番号】 JP2021017157
【審査請求日】2021-09-09
(31)【優先権主張番号】P 2020081672
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020123464
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591206108
【氏名又は名称】マルホ発條工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】大浦 茂
(72)【発明者】
【氏名】鳥飼 英輝
(72)【発明者】
【氏名】松本 顕政
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-078891(JP,A)
【文献】特表2007-534570(JP,A)
【文献】特開2018-087745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/00-61/28
B65B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムと、前記ポケットを塞ぐように前記容器フィルムに貼着されるカバーフィルムと、を有する包装パックを製造するための包装機であって、
前記容器フィルムの元となる帯状の原料フィルムを供給する原料フィルム供給ユニットと、
前記原料フィルム供給ユニットから供給される前記原料フィルムに前記ポケットを成形することにより帯状の前記容器フィルムを生成する成形装置と、
前記ポケットへワークを供給するワーク供給装置と、
帯状の前記カバーフィルムを供給するカバーフィルム供給ユニットと、
前記容器フィルムの前記ポケットにワークが収容された状態で、前記容器フィルムに前記カバーフィルムを貼着することにより前記ポケットが前記カバーフィルムでシールされたパックフィルムを生成するシール装置と、
前記パックフィルムから前記包装パックを打ち抜く打ち抜き装置と、を備え、
前記打ち抜き装置は、
ベースと、前記ベースにおける前記パックフィルムが配置される側に立設され前記パックフィルムから前記包装パックを打ち抜くための打ち抜き用カッタと、前記パックフィルムにおける前記打ち抜き用カッタが対向する部分よりも下流側に対向して配置され、前記パックフィルムから前記包装パックが打ち抜かれることにより生成されるスクラップを切断するためのスクラップ切断用カッタと、を有するヘッドを有し、前記スクラップ切断用カッタの先端部は、前記打ち抜き用カッタの先端部よりも前記ベース側とは反対側へ延出しており、
前記パックフィルムにおける前記打ち抜き用カッタに対向する部分が良品である場合、前記ヘッドを、前記打ち抜き用カッタおよび前記スクラップ切断用カッタが前記パックフィルムに接触しない待機位置から前記打ち抜き用カッタの先端部および前記スクラップ切断用カッタの先端部が前記パックフィルムにおける前記ベース側とは反対側に位置する第1位置まで移動させることにより、前記パックフィルムから前記包装パックを打ち抜くとともに前記スクラップを切断し、
前記パックフィルムにおける前記打ち抜き用カッタに対向する部分が不良品である場合、前記ヘッドを、前記待機位置から前記打ち抜き用カッタの先端部が前記パックフィルムに接触せず且つ前記スクラップ切断用カッタの先端部が前記パックフィルムにおける前記ベース側とは反対側に位置する第2位置まで移動させることにより、前記スクラップを切断する、
包装機。
【請求項2】
ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムと、前記ポケットを塞ぐように前記容器フィルムに貼着されるカバーフィルムと、を有する包装パックを製造するための包装機であって、
前記容器フィルムの元となる帯状の原料フィルムを供給する原料フィルム供給ユニットと、
前記原料フィルム供給ユニットから供給される前記原料フィルムに前記ポケットを成形することにより帯状の前記容器フィルムを生成する成形装置と、
前記ポケットへワークを供給するワーク供給装置と、
帯状の前記カバーフィルムを供給するカバーフィルム供給ユニットと、
前記容器フィルムの前記ポケットにワークが収容された状態で、前記容器フィルムに前記カバーフィルムを貼着することにより前記ポケットが前記カバーフィルムでシールされたパックフィルムを生成するシール装置と、
前記パックフィルムから前記包装パックを打ち抜く打ち抜き装置と、を備え、
前記打ち抜き装置は、
ベースと、前記ベースにおける前記パックフィルムが配置される側に立設され前記パックフィルムから前記パックフィルムにおける前記包装パックに対応する部分以外のスクラップを打ち抜くための打ち抜き用カッタと、前記パックフィルムにおける前記打ち抜き用カッタが対向する部分よりも下流側に対向して配置され、前記スクラップが打ち抜かれた後の前記パックフィルムを切断することにより前記パックフィルムから前記包装パックを切り出すためのパックフィルム切断用カッタと、を有するヘッドを有し、前記打ち抜き用カッタの先端部は、前記パックフィルム切断用カッタの先端部よりも前記ベース側とは反対側へ延出しており、
前記スクラップのみを打ち抜く場合、前記ヘッドを、前記打ち抜き用カッタおよび前記パックフィルム切断用カッタが前記パックフィルムに接触しない待機位置から前記パックフィルム切断用カッタの先端部が前記パックフィルムに接触せず且つ前記打ち抜き用カッタの先端部が前記パックフィルムにおける前記ベース側とは反対側に位置する第3位置まで移動させることにより、前記スクラップを打ち抜き、
前記スクラップを打ち抜くとともに前記パックフィルムから前記包装パックを切り出す場合、前記ヘッドを、前記待機位置から前記打ち抜き用カッタの先端部および前記パックフィルム切断用カッタの先端部が前記パックフィルムにおける前記ベース側とは反対側に位置する第4位置まで移動させることにより、前記スクラップを打ち抜くとともに前記パックフィルムから前記包装パックを切り出す、
包装機。
【請求項3】
前記パックフィルムが巻回されるフィルム送りローラを有し、前記フィルム送りローラを予め設定された回転角度ずつ間欠的に回転させることにより、前記パックフィルムを間欠的に送り出す第2搬送部と、
前記第2搬送部により間欠的に搬送される前記パックフィルムが停止したときに前記パックフィルムから前記包装パックを打ち抜く打ち抜き装置と、
前記第2搬送部の下流側に配置され前記パックフィルムを案内するフィルムガイドを有し、前記フィルムガイドの前記パックフィルムの幅方向における位置を変更することにより、前記打ち抜き装置における前記パックフィルムの幅方向における位置を変更する第1フィルム位置変更部と、を更に備える、
請求項1または2に記載の包装機。
【請求項4】
前記第2搬送部により間欠的に搬送される前記パックフィルムが停止したときに前記パックフィルムにスリットを形成するスリット形成装置と、
前記スリット形成装置に送られる前記パックフィルムを案内する第1ガイドローラを有し、前記第1ガイドローラを前記パックフィルムの搬送方向または前記パックフィルムの幅方向へ移動させることにより、前記スリット形成装置における前記パックフィルムの位置を変更する第2フィルム位置変更部と、を更に備える、
請求項3に記載の包装機。
【請求項5】
前記シール装置は、
前記容器フィルムおよび前記カバーフィルムを連続的に下流側へ搬送する第1搬送部と、
前記カバーフィルムを加熱しつつ前記容器フィルムに前記カバーフィルムを押し付けることにより前記カバーフィルムを前記容器フィルムに貼着する押圧部と、
前記カバーフィルムが前記第1搬送部に搬送される直前で予め前記カバーフィルムを加熱する予熱部と、を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の包装機。
【請求項6】
前記カバーフィルムに設けられたマークの前記カバーフィルムの搬送方向における予め設定された基準位置からの位置ずれ量を検出する位置センサと、
前記位置センサにより検出される前記位置ずれ量に基づいて、前記シール装置へ搬送される前記カバーフィルムに加わる張力を調整する張力調整部と、を更に備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の包装機。
【請求項7】
前記包装パックを撮像する撮像部と、
前記容器フィルムに加わる張力を調整する張力調整部と、
前記容器フィルムを間欠的に搬送するチャックフィードと、
前記撮像部により前記包装パックを撮像して得られ得る画像情報に基づいて、前記容器フィルムの搬送方向における、前記カバーフィルムの前記容器フィルムに対するズレ量およびズレ方向を算出し、算出した前記ズレ量および前記ズレ方向に基づいて、前記ズレ量が低減するように、前記容器フィルムに加わる張力を変更するように前記張力調整部を制御することと、前記チャックフィードによる前記容器フィルムの送り量を変更するように前記チャックフィードを制御することとの少なくとも一方を実行する制御部と、を更に備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載の包装機。
【請求項8】
前記成
形装置における前記容器フィルムの出口部分において前記容器フィルムの幅方向における両端部のいずれか一方を検出する2つのフィルム検出センサと、
前記成
形装置の上流側に配設され前記原料フィルムが巻回されその回転軸方向に移動自在なローラと、
前記ローラを前記ローラの回転軸方向へ駆動するローラ駆動部と、
前記2つのフィルム検出センサのいずれか一方から送信される前記容器フィルムのズレ量が反映されたフィルム検出信号に基づいて、前記容器フィルムのズレ方向および前記ズレ量を判別し、前記ズレ方向および前記ズレ量に基づいて、前記ローラを前記ローラの回転軸方向に沿って前記容器フィルムの前記ズレ量が低減される方向へ駆動するよう前記ローラ駆動部を制御する制御部と、を更に備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
ホッパに装入されたワークをテーブルに設けた複数の充填穴内に充填し、テーブルを移動させて充填穴から落下したワークを2枚のフィルムの間に収容し、その周囲を接着して封止する包装装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されているような包装装置では、生産効率を向上させることが要請されている。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、包装パックの生産効率を向上させることができる包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る包装機は、
ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムと、前記ポケットを塞ぐように前記容器フィルムに貼着されるカバーフィルムと、を有する包装パックを製造するための包装機であって、
前記容器フィルムの元となる帯状の原料フィルムを供給する原料フィルム供給ユニットと、
前記原料フィルム供給ユニットから供給される前記原料フィルムに前記ポケットを成形することにより帯状の前記容器フィルムを生成する成形装置と、
前記ポケットへワークを供給するワーク供給装置と、
帯状の前記カバーフィルムを供給するカバーフィルム供給ユニットと、
前記容器フィルムの前記ポケットにワークが収容された状態で、前記容器フィルムに前記カバーフィルムを貼着することにより前記ポケットが前記カバーフィルムでシールされたパックフィルムを生成するシール装置と、
前記パックフィルムから前記包装パックを打ち抜く打ち抜き装置と、を備え、
前記打ち抜き装置は、
ベースと、前記ベースにおける前記パックフィルムが配置される側に立設され前記パックフィルムから前記包装パックを打ち抜くための打ち抜き用カッタと、前記パックフィルムにおける前記打ち抜き用カッタが対向する部分よりも下流側に対向して配置され、前記パックフィルムから前記包装パックが打ち抜かれることにより生成されるスクラップを切断するためのスクラップ切断用カッタと、を有するヘッドを有し、前記スクラップ切断用カッタの先端部は、前記打ち抜き用カッタの先端部よりも前記ベース側とは反対側へ延出しており、
前記パックフィルムにおける前記打ち抜き用カッタに対向する部分が良品である場合、前記ヘッドを、前記打ち抜き用カッタおよび前記スクラップ切断用カッタが前記パックフィルムに接触しない待機位置から前記打ち抜き用カッタの先端部および前記スクラップ切断用カッタの先端部が前記パックフィルムにおける前記ベース側とは反対側に位置する第1位置まで移動させることにより、前記パックフィルムから前記包装パックを打ち抜くとともに前記スクラップを切断し、
前記パックフィルムにおける前記打ち抜き用カッタに対向する部分が不良品である場合、前記ヘッドを、前記待機位置から前記打ち抜き用カッタの先端部が前記パックフィルムに接触せず且つ前記スクラップ切断用カッタの先端部が前記パックフィルムにおける前記ベース側とは反対側に位置する第2位置まで移動させることにより、前記スクラップを切断する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、打ち抜き装置が、ベースに立設された打ち抜き用カッタおよびスクラップ切断用カッタを有し、スクラップ切断用カッタの先端部が、打ち抜き用カッタの先端部よりもベース側とは反対側へ延出している。そして、打ち抜き装置は、パックフィルムにおける打ち抜き用カッタに対向する部分が良品である場合、ヘッドを、前述の待機位置から第1位置まで移動させることにより、パックフィルムから包装パックを打ち抜くとともにスクラップを切断する。一方、打ち抜き装置は、パックフィルムにおける打ち抜き用カッタに対向する部分が不良品である場合、ヘッドを、待機位置から前述の第2位置まで移動させることにより、スクラップを切断する。これにより、パックフィルムから包装パックを打ち抜いた後、包装パックを良品と不良品とに選別する工程が不要となるので、その分、包装機における包装パックの生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係る包装機の概略正面図である。
【
図2A】実施の形態に係るバッファ部について、原料フィルムが下流側へ引き出されている様子を示す図である。
【
図2B】実施の形態に係るバッファ部について、原料フィルムの下流側への移動が停止した様子を示す図である。
【
図3】実施の形態に係る加熱装置および成形装置の概略構成図である。
【
図4A】実施の形態に係る固定チャックにより容器フィルムを挟持した状態を示す図である。
【
図4B】実施の形態に係るチャックフィードにより容器フィルムを挟持した状態を示す図である。
【
図4C】実施の形態に係るチャックフィードにより容器フィルムを搬送する様子を示す図である。
【
図5】実施の形態に係るワーク供給装置の斜視図である。
【
図6】実施の形態に係るワークフィーダの平面図である。
【
図9】実施の形態に係るスリット形成装置、印字装置および打ち抜き装置の概略構成図である。
【
図10A】実施の形態に係るスリット形成装置における
図9のA-A線における断面矢視図である。
【
図10B】実施の形態に係るスリット形成装置における
図9のB-B線における断面矢視図である。
【
図11】実施の形態に係る搬送部の概略構成図である。
【
図12】実施の形態に係る打ち抜き装置の一部の斜視図である。
【
図13A】実施の形態に係る打ち抜き装置の動作説明図であり、ヘッドが第1位置に配置された状態を示す図である。
【
図13B】実施の形態に係る打ち抜き装置の動作説明図であり、ヘッドが待機位置に配置された状態を示す図である。
【
図14A】実施の形態に係る打ち抜き装置の動作説明図であり、ヘッドが第2位置に配置された状態を示す図である。
【
図14B】実施の形態に係る打ち抜き装置の動作説明図であり、ヘッドが待機位置に配置された状態を示す図である。
【
図15A】実施の形態に係るフィルム位置変更部の動作説明図である。
【
図15B】実施の形態に係るフィルム位置変更部における
図15AのC-C線における断面矢視図である。
【
図16】実施の形態に係るロータリーサクションおよび集積装置の概略構成図である。
【
図17】実施の形態に係る選別装置の平面図である。
【
図20】変形例に係る包装機の一部を示す図である。
【
図21A】変形例に係るチャックユニットの側面図である。
【
図21B】変形例に係るチャックユニットの平面図である。
【
図22】変形例に係る打ち抜き装置の一部の斜視図である。
【
図23】変形例に係る打ち抜き装置の動作説明図である。
【
図24A】変形例に係る打ち抜き装置の動作説明図であり、ヘッドが第3位置に配置された状態を示す図である。
【
図24B】変形例に係る打ち抜き装置の動作説明図であり、ヘッドが待機位置に配置された状態を示す図である。
【
図25A】変形例に係る打ち抜き装置の動作説明図であり、ヘッドが第2位置に配置された状態を示す図である。
【
図25B】変形例に係る打ち抜き装置の動作説明図であり、ヘッドが待機位置に配置された状態を示す図である。
【
図26】変形例に係る打ち抜き装置の打ち抜き動作の一例を示すフローチャートである。
【
図27A】変形例に係るパックフィルムおよび包装パックについて、容器フィルムとシートフィルムとの位置関係が正常な状態を示す図である。
【
図27B】変形例に係るパックフィルムおよび包装パックについて、容器フィルムがシートフィルムに対してずれている状態を示す図である。
【
図28】変形例に係る制御装置が実行する送り量調整処理の一例を示すフローチャートである。
【
図29A】変形例に係る成型装置およびローラの側面図である。
【
図29B】変形例に係る成型装置およびローラの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る包装機について、図を参照しながら説明する。本実施の形態に係る包装機は、ブリスタパック、PTPパック等の包装パックを製造するためのものである。ここで、包装パックとは、ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムと、ポケットを塞ぐように容器フィルムに貼着されるカバーフィルムと、を有するものである。ここで、ワークとしては、例えばチューブ状容器、錠剤、食品、電子部品、医療機器等が挙げられる。
【0010】
本実施の形態に係る包装機は、
図1に示すように、原料フィルム供給ユニット11と、加熱装置29と、成形装置12と、ワーク供給装置50と、外観検査装置13、31と、カバーフィルム供給ユニット15と、シール装置14と、スリット形成打ち抜きユニット17と、ロータリーサクション32と、を備える。また、包装機は、包装パックを集積する集積装置40と、包装パックを集積してなるブロックを選別する選別装置60と、包装パックをロータリーサクション32から受け取り集積装置40へ搬送するパック搬送装置33と、を備える。
【0011】
また、包装機は、原料フィルムF1および容器フィルムF2を搬送するチャックフィード232と、固定チャック231と、シール装置14から排出されるパックフィルムF4を案内するガイドローラ241、251およびローラ242、253と、パックフィルムF4を間欠的に下流側へ搬送する搬送部281と、を備える。更に、包装機は、容器フィルムF2のその幅方向における位置ずれを規制する滑りガイド293と、容器フィルムF2に張力を印加する張力印加部291と、張力調整部292と、パックフィルムF4に張力を印加する張力印加部252と、を備える。また、包装機は、後述するスリット形成打ち抜きユニット17のスリット形成装置171におけるパックフィルムF4の位置ずれを補正するためのフィルム位置変更部26と、パックフィルムF4にマークを印字する印字装置27と、スリット形成打ち抜きユニット17から排出されるスクラップを回収する回収ユニット(図示せず)と、を備える。ここで、回収ユニットは、包装パックBPが打ち抜かれた後のパックフィルムF4を短冊状に切断して回収する機構を有する。更に、包装機は、ロータリーサクション32から排出される形状不良の包装パック或いはワークが包装されていない包装パックのようないわゆる包装パックの不良品を回収する回収ユニット(図示せず)を備える。また、包装機は、容器フィルムF2のポケットへワークを供給可能な状態で容器フィルムF2を支持するステージ70と、各装置を制御する制御装置90と、原料フィルム供給ユニット11、成形装置12、外観検査装置13、31、カバーフィルム供給ユニット15、シール装置14、スリット形成打ち抜きユニット17等を収納する包装機本体99と、を備える。なお、
図1では図面を明確にするために、制御装置90が、包装機本体99の外側に描かれているが、実際には、包装機本体99の背面側に設置されている。
【0012】
この包装機では、矢印AR1で示すように、原料フィルム供給ユニット11から供給された原料フィルムF1が、チャックフィード232により加熱装置29および成形装置12へ搬送される。そして、矢印AR2に示すように、成形装置12において原料フィルムF1から生成された容器フィルムF2が、シール装置14の搬送部141によりステージ70の上方を通って外観検査装置13およびシール装置14へ搬送される。一方、矢印AR3に示すように、カバーフィルム供給ユニット15から供給されたカバーフィルムF3が、シール装置14の搬送部141によりシール装置14へ搬送される。そして、シール装置14が容器フィルムF2にカバーフィルムF3を貼着することによりパックフィルムF4が生成される。また、矢印AR4に示すように、シール装置14で生成されたパックフィルムF4は、搬送部141により下流側へ搬送される。一方、矢印AR5に示すように、シール装置14の下流側へ搬送されたパックフィルムF4は、搬送部281によりスリット形成打ち抜きユニット17へ間欠的に搬送される。そして、スリット形成打ち抜きユニット17は、スクラップF5を切断してからスクラップ回収部39へ排出する。
【0013】
原料フィルム供給ユニット11は、容器フィルムF2の元となる帯状の原料フィルムF1を供給する。原料フィルム供給ユニット11は、原料フィルムF1が巻回されたリール111、112と、フィルム自動接着装置113と、バッファ部118と、を有する。また、原料フィルム供給ユニット11は、リール111、112から供給される原料フィルムF1をフィルム自動接着装置113へ案内するローラ1151、1152、1153と、原料フィルムF1を保持する保持機構1141、1142と、を有する。ここで、保持機構1141、1142は、それぞれ、リール111、112から供給される原料フィルムF1のうち、成形装置12へ送らずに待機させておく方の先端部を保持するチャック1141a、1142aを有する。更に、原料フィルム供給ユニット11は、フィルム自動接着装置113から供給される原料フィルムF1をバッファ部118へ案内するローラ1163、1164と、原料フィルムF1をバッファ部118へ搬送する搬送部1161と、を有する。搬送部1161は、ローラ1161aと、ローラ1161aを駆動するローラ駆動部1161bと、を有する。また、原料フィルム供給ユニット11は、バッファ部118から供給される原料フィルムF1を加熱装置29へ案内するローラ1165と、原料フィルムF1を加熱装置29へ搬送する搬送部1162と、を有する。更に、原料フィルム供給ユニット11は、バッファ部118からの原料フィルムF1の供給が停止している期間中における原料フィルムF1の下流側への供給を継続させるためのバッファ部117と、バッファ部117から供給される原料フィルムF1を加熱装置29へ案内するローラ1155と、を有する。搬送部1162は、ローラ1162aと、ローラ1162aを駆動するローラ駆動部1162bと、を有する。原料フィルムF1としては、いわゆるソフトフィルム、即ち、厚さが0.1mm未満のポリ塩化ビニル製フィルムのようなプラスチックフィルム、いわゆるハードフィルム、即ち、厚さが0.1mm超のポリ塩化ビニル製フィルムのようなプラスチックフィルム、アルミフィルムのような金属フィルム、或いは、ガスバリヤフィルムのような複合フィルム等が挙げられる。
【0014】
フィルム自動接着装置113は、リール111、112のいずれか一方から供給される原料フィルムF1が無くなったことを検知すると、その一方から供給される原料フィルムF1の終端部分に他方から供給される原料フィルムF1の先端部分を接着する。フィルム自動接着装置113は、リール111、112のいずれか一方から供給された原料フィルムF1に他方から供給される原料フィルムF1を接着する処理を実行している期間だけ、原料フィルムF1の下流側への供給を停止する。
【0015】
バッファ部118は、原料フィルムF1を蓄積し、フィルム自動接着装置113からの原料フィルムF1の供給が停止している期間中、蓄積した原料フィルムF1を下流側へ供給する。バッファ部114は、
図2Aに示すように、ローラ1181、1182、1183、1184、1185を有する。2つのローラ1182、1184は、鉛直方向に直交する方向に並設され、鉛直上方に原料フィルムF1が張架される。ここで、ローラ1184は、駆動部(図示せず)により回転されることにより原料フィルムF1を下流側へ送る。なお、ローラ1181、1182、1183、1184、1185それぞれの回転軸方向における両端部に、原料フィルムF1の蛇行を規制するためのガイド部(図示せず)が回転軸に直交する方向へ張り出すように設けられていてもよい。ローラ1181、1185は、バッファ部118内において原料フィルムF1を案内する。ローラ1183は、バッファ部118内に配置され、2つのローラ1182、1184の間において鉛直方向に移動自在である。ローラ1183は、原料フィルムF1の鉛直上方から接触して鉛直下方へ押圧することにより、原料フィルムF1に張力を印加する。矢印AR31に示すように、フィルム自動接着装置113から原料フィルムF1が供給されている間、ローラ1183の位置は、バッファ部118内における予め設定された基準位置の近傍で維持される。一方、フィルム自動接着装置113において原料フィルムF1を接着する処理を実行している期間では、フィルム自動接着装置113からバッファ部118への原料フィルムF1の供給が停止する。この場合、
図2Bの矢印AR32に示すように、バッファ部118から下流側へ原料フィルムF1が搬送されるに伴って、ローラ1183が鉛直上方へ移動していく。このようにして、バッファ部118は、フィルム自動接着装置113からの原料フィルムF1の供給が停止している期間中、原料フィルムF1の下流側への供給を継続する。
【0016】
バッファ部117は、搬送部1162のローラ1162aとローラ1155の間に張架された原料フィルムF1におけるローラ1162a、1155の間の部分に鉛直上方から接触して鉛直下方へ押圧することにより、原料フィルムF1に張力を印加する。バッファ部117は、原料フィルムF1に鉛直上方から接触するローラ1171と、長尺であり長手方向の一端部にローラ1171が取り付けられたアーム1172と、を有する。また、バッファ部117は、アーム1172の長手方向における他端部において、アーム1172の一端部が他端部を基点として旋回自在となるようにアーム1172を支持する支持部1173を有する。
【0017】
加熱装置29は、例えば
図3に示すように、原料フィルムF1の厚さ方向における両側それぞれに対向して配置されヒータ(図示せず)を内蔵する伝熱板2901、2902と、伝熱板2901、2902を支持するとともに伝熱板2901、2902を鉛直方向へ駆動する駆動ユニット2903、2904と、を有する。伝熱板2901、2902は、例えば熱伝導率が高い金属から形成されている。成形装置12は、原料フィルムF1にポケットPo1を成形することにより帯状の容器フィルムF2を生成する。成形装置12は、原料フィルムF1の鉛直上方に配置された第1金型123と、原料フィルムF1の鉛直下方に配置された第2金型122と、を有する。第2金型122には、原料フィルムF1に形成予定のポケットPo1の内側形状よりも若干小さい外形を有するプラグ122aと、気体を吐出する吐出孔(図示せず)と、が設けられている。ここで、プラグ122aは、吐出孔の内側に配置され吐出孔の外側へ突出可能となっている。また、このプラグ122aには、原料フィルムF1の温度低下を抑制するためのヒータ(図示せず)が内蔵されている。なお、プラグ122aは、ヒータが内蔵されていないものであってもよい。一方、第1金型123には、原料フィルムF1に形成予定のポケットPo1の外側形状に対応した凹部123aが設けられている。また、成形装置12は、第1金型123を鉛直方向へ駆動する駆動部124と、プラグ122aを鉛直方向へ駆動する駆動部125と、気体を供給する気体供給部(図示せず)と、駆動部124、125および気体供給部を支持する装置本体121と、を有する。気体供給部は、例えば成形装置12が設置された工場に設けられたコンプレッサ(図示せず)に接続され、第2金型122の吐出孔へ気体を供給する。第1金型123および第2金型122は、生成しようとする容器フィルムF2のポケットPo1の深さおよび開口部分の面積に応じて適宜変更されてもよい。
【0018】
成形装置12は、成形装置12内に原料フィルムF1が配置された状態で、第1金型123を鉛直下方へ移動させて第1金型123により原料フィルムF1を第2金型122へ押し付ける。これにより、原料フィルムF1におけるポケットPo1の外周部が、第1金型123および第2金型122により挟持(クランプ)された状態となる。そして、成形装置12は、第1金型123のプラグ122aを、成形しようとするポケットPo1の深さに応じた突出量だけ鉛直上方へ突出させて原料フィルムF1を引き延ばす。なお、このときのプラグの突出量は、生成しようとするポケットPo1に要請される肉厚分布に応じて適宜調整してもよい。そして、成形装置12は、プラグ122aを鉛直上方へ突出させた状態で、吐出孔から気体を吐出させることにより、ポケットPo1を有する容器フィルムF2を生成する。
【0019】
固定チャック231は、
図4Aに示すように、容器フィルムF2を鉛直下方から支持する支持部231aと、容器フィルムF2の鉛直上方から支持部231aとともに容器フィルムF2を挟持する挟持部231bと、挟持部231bを鉛直方向に駆動する駆動部231cと、を有する。チャックフィード232は、容器フィルムF2を挟持するチャック2321と、チャック2321を容器フィルムF2の送り方向に沿って移動させるチャック移動機構2322と、を有する第2搬送部である。チャック2321は、容器フィルムF2を鉛直下方から支持する支持部2321aと、容器フィルムF2の鉛直上方から支持部2321aとともに容器フィルムF2を挟持する挟持部2321bと、挟持部2321bを鉛直方向に駆動する駆動部2321cと、を有する。なお、チャックフィード232は、容器フィルムF2の幅方向全体に亘る部分を挟持するものであってもよいし、容器フィルムF2の幅方向における両端部を挟持するものであってもよい。或いは、チャックフィード232が、容器フィルムF2の幅方向における一部分を挟持するものであってもよい。
【0020】
ここで、チャックフィード232の動作について説明する。まず、成形装置12が第1金型123と第2金型122とで原料フィルムF1を挟持するとき、固定チャック231が、
図4Aの矢印AR21に示すように、容器フィルムF2を挟持する。このとき、チャックフィード232のチャック2321は、
図4Aの矢印AR22に示すように、容器フィルムF2の上流側へ移動する。次に、成形装置12が第2金型122から第1金型123を離脱させる前に、チャックフィード232のチャック2321が、
図4Bの矢印AR23に示すように、容器フィルムF2を挟持する。続いて、固定チャック231が、
図4Bの矢印AR24に示すように、容器フィルムF2の挟持を解除する。その後、チャックフィード232のチャック移動機構2322が、
図4Cの矢印AR25に示すようにチャック2321を下流側へ移動させる。これにより、
図4Cの矢印AR1に示すように、容器フィルムF2が下流側へ搬送される。固定チャック231が、再び容器フィルムF2を挟持し、チャックフィード232のチャック2321が、容器フィルムF2の挟持を解除する。そして、チャック移動機構2322が、チャック2321を容器フィルムF2の上流側、即ち、固定チャック231へ近づく方向へ移動させる。以後、チャックフィード232が、前述の一連の動作を繰り返すことにより、容器フィルムF2が下流側へ間欠的に搬送されていく。
【0021】
図1に戻って、滑りガイド293は、容器フィルムF2に摺接する湾曲面293aを有し、容器フィルムF2を摺動自在に支持する。滑りガイド293における少なくとも湾曲面293aを含む部分は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリアセタール等の樹脂材料またはステンレスのような金属から形成されている。また、容器フィルムF2のポケットPo1の変形を抑制する観点から、湾曲面293aの曲率半径は、少なくともポケットPo1の容器フィルムF2の搬送方向における長さよりも長いほうが好ましい。なお、曲率半径は、容器フィルムF2の幅方向の長さよりも長いほうがより好ましい。張力印加部291は、滑りガイド293と張力調整部292との間に張架された容器フィルムF2における滑りガイド293と張力調整部292との間の部分に接触して鉛直下方へ押圧することにより、容器フィルムF2に張力を印加する。張力印加部291は、容器フィルムF2に接触するローラ2911と、長尺であり長手方向の一端部にローラ2911が回転自在に取り付けられたアーム2912と、を有する。また、張力印加部291は、アーム2912の長手方向における他端部において、アーム2912の一端部が他端部を基点として旋回自在となるようにアーム2912を支持する支持部2913を有する。張力調整部292は、容器フィルムF2が巻回されるローラ2921と、ローラ2921にドリブンメンバシャフト(図示せず)を介して連結されたパウダクラッチブレーキ2922と、を有する。張力調整部292は、パウダクラッチブレーキ2922によりローラ2921の回転トルクを調節して、ローラ2921とシール装置14の搬送部141との間に張架される容器フィルムF2に加わる張力を調整する。
【0022】
ワーク供給装置50は、ステージ70の上方に容器フィルムF2が配置された状態で、容器フィルムF2の各ポケットへワークを投入していく。ワーク供給装置50は、
図5に示すように、ホッパ51と、ワークフィーダ521、53と、ワークフィーダ521を振動させる振動装置522と、ワークフィーダ53を振動させる振動装置57と、コイルシュート54と、ワークフィーダ53に固定されコイルシュート54を支持する固定部材55と、を有する。また、ワーク供給装置50は、ワークフィーダ53に保持されたワークの総重量を計測する計量部(図示せず)を有する。振動装置522は、ワークフィーダ521を振動させることにより、ホッパ51からワークフィーダ521へ供給されたワークをワークフィーダ53へ供給する。ワークフィーダ53は、有底円筒状であり、底壁531が鉛直下方側、即ち、-Z方向側に位置する姿勢で配置された状態で内側にワークを保持する。また、ワークフィーダ53は、その底壁531の一部から側壁532に亘って開口する開口部531aが穿設されている。振動装置57は、ワークフィーダ53を振動させることによりワークフィーダ53内に保持されたワークをワークフィーダ53の周方向へ移動させる。振動装置522は、振動装置57とは独立してワークフィーダ53を振動させる。振動装置522は、計量部により計測されるワークフィーダ53に保持されたワークの総重量が予め設定された基準重量以下になると、ワークフィーダ521を振動させてワークフィーダ53へワークを供給する。このようにして、ワーク供給装置50は、ワークフィーダ53が保持するワークの総重量が略一定で推移するようにしている。
【0023】
コイルシュート54は、ワークフィーダ53の内側に保持されたワークを容器フィルムF2のポケットへ案内するためのものである。コイルシュート54は、長尺円筒状のコイルばねから形成されており、一端部がワークフィーダ53の内側に連通している。また、コイルシュート54の他端部には、容器フィルムF2がステージ70の上方に配置された状態で、容器フィルムF2ポケットから予め設定された距離だけ離間した位置に配置されコイルシュート54から導入されるワークをポケットに案内するガイド部56が設けられている。
【0024】
固定部材55は、ワークフィーダ53の開口部531aに固定されている。固定部材55は、
図6に示すように、3つの溝554と、4つのリブ551と、側壁553と、を有する。4つのリブ551は、長尺板状であり、固定部材55の+Z方向側に設けられている。4つのリブ551は、それぞれ、長手方向がワークフィーダ53を平面視したときの周縁の接線方向に沿うように、ワークフィーダ53の径方向に並ぶように配設されている。そして、3つの溝554は、それぞれ、固定部材55における4つのリブ551の間において、リブ551の長手方向に沿って延在している。また、固定部材55における3つの溝554の端部には、固定部材55を厚さ方向に貫通する3つの貫通孔55aが穿設されている。また、固定部材55には、
図7に示すように、内部が固定部材55内に設けられた空気流路55cに連通する管状の接続部552が取り付けられている。接続部552は、空気源AGに接続されており、空気源AGから送出される圧縮空気が接続部552を通じて空気流路55c内へ導入される。また、固定部材55には、一端側で空気流路55cに連通し他端側が貫通孔55a内に開口し空気流路55cに導入された空気を貫通孔55a内へ吐出する気体吐出部(図示せず)が設けられている。ここで、気体吐出部の貫通孔55a内への開口部分の大きさ、或いは、開口部分の位置は、特に限定されるものではない。気体吐出部55bは、ワークフィーダ53の内側に保持されたワークが固定部材55における貫通孔55a近傍に供給されると、そのワークを、コイルシュート54の内側へ向かう方向へ付勢する形でワークへ気体を吹き付ける。
【0025】
図1に戻って、外観検査装置13は、シール装置14の上流側に配置されている。外観検査装置13は、容器フィルムF2を撮像する撮像部131と、撮像部131を収容する筐体132と、を有する。撮像部131は、ワークがポケットに収納された容器フィルムF2を撮像して得られる画像情報を制御装置90へ送信する第2撮像部である。ここで、撮像部131しては、3次元スキャン装置、レーザスキャン装置等を採用できる。
【0026】
カバーフィルム供給ユニット15は、帯状のカバーフィルムF3を供給する。カバーフィルム供給ユニット15は、カバーフィルムF3が巻回されたリール151と、リール151から供給されるカバーフィルムF3をシール装置14へ案内するローラ1521、1522、1523と、張力調整部153と、位置センサ154と、を有する。カバーフィルムF3としては、アルミフィルムのような金属フィルム、或いは、ガスバリヤフィルムのような複合フィルム等が挙げられる。張力調整部153は、カバーフィルムF3の張力を調整するためのものであり、カバーフィルムF3が巻回されるローラ1531と、ローラ1531にドリブンメンバシャフト(図示せず)を介して連結されたパウダクラッチブレーキ1532と、を有する。張力調整部153は、パウダクラッチブレーキ1532によりローラ1531の回転トルクを調節して、ローラ1531とシール装置14の搬送部141との間に張架されるカバーフィルムF3に加わる張力を調整する。位置センサ154は、カバーフィルムF3に設けられたマークを検出することにより、カバーフィルムF3の搬送方向における予め設定された基準位置からの位置ずれ量を検出する。そして、張力調整部153は、位置センサ154により検出される基準位置からの位置ずれ量に基づいて、基準位置からの位置ずれ量が減少するようにローラ1531の回転トルクを調整する。
【0027】
シール装置14は、容器フィルムF2のポケットPo1にワークが収容された状態で、容器フィルムF2にカバーフィルムF3を貼着することによりポケットPo1をシールする。シール装置14は、容器フィルムF2、カバーフィルムF3およびパックフィルムF4を連続的に下流側へ搬送する搬送部141と、カバーフィルムF3を加熱しつつ容器フィルムF2にカバーフィルムF3を押し付けることによりカバーフィルムF3を容器フィルムF2に貼着する押圧部142と、を有する。また、シール装置14は、カバーフィルム供給ユニット15から供給されるカバーフィルムF3を搬送部141へ案内するローラ1441を有する。
【0028】
搬送部141は、
図8Aに示すように、カバーフィルムF3を支持する円筒状のホイール141aと、ホイール141aに固定された伝熱部材141cと、長尺な円筒状であり先端部に伝熱部材141cが固定された支軸141dと、ホイール141aを伝熱部材141cに固定する固定部材141bと、を有する。また、搬送部141は、伝熱部材141cを冷却することにより伝熱部材141cに固定されたホイール141aを冷却する冷却機構141gと、支軸141dを回転駆動する駆動部141hと、を有する。更に、搬送部141は、支軸141dを3つの軸受141mを介して保持する保持部141pと、保持部141pを包装機本体99に固定するための固定部材141jと、を有する。
【0029】
ホイール141aは、周面に容器フィルムF2のポケットを掛止する複数の凹部141eが並設された円筒状部1411aと、円板状であり周部が円筒状部1411aの筒軸方向における中央部に連続し中央部に開口部1413aが穿設された支持板1412aと、を有する。そして、駆動部141hは、ホイール141aの複数の凹部141eの一部に容器フィルムF2のポケットが掛止された状態で、ホイール141aを回転させる。これにより、容器フィルムF2にカバーフィルムF3が貼着されてなるパックフィルムF4が、シール装置14の下流側へ連続的に搬送される。伝熱部材141cは、金属から有底円筒状に形成され底壁に+X方向側に突出しホイール141aの開口部1413aに嵌入される突出部1414cが設けられた本体部1411cと、金属から中央部に開口部1415cが穿設された円板状に形成され開口部1415cの周部が支軸141dに固定されるとともに本体部1411cの-X方向側の開口部分を覆う蓋部1412cと、蓋部1412cを本体部1411cに固定するための螺子1413cと、を有する。伝熱部材141cの本体部1411cの外径は、ホイール141aの円筒状部1411aの内径よりも短く、本体部1411cの側壁と円筒状部1411aの内壁との間P141には、隙間が形成されている。
【0030】
固定部材141bは、中央部が-X方向側へ突出しホイール141aの支持板1412aの開口部1413aに+X方向側から取り付けられるとともに周部が支持板1412aにおける開口部1413aの外周部に螺子1413bにより固定された本体部1411bと、本体部1411bを伝熱部材141cにおける開口部1413aの突出部1414cに着脱自在に取り付けるための取付部材1412bと、を有する。冷却機構141gが伝熱部材141cを冷却することにより、ホイール141aが伝熱部材141cと熱交換することにより冷却される。
【0031】
ここで、本実施の形態に係る搬送部141の特徴を
図8Bに示す比較例に係る搬送部9141と比較しながら説明する。比較例に係る搬送部9141は、円筒状のホイール9141aと、ホイール9141aに固定され内側に冷媒が導入される領域A9141が形成された伝熱部材9141cと、支軸9141dと、ホイール141aを支軸9141dに固定する固定部材9141bと、を有する。また、搬送部9141は、円筒状であり、側壁の内部に領域A9141内へ冷媒を供給するための流路9141kが形成されるとともに、伝熱部材9141cおよび支軸9141dを、軸受141mを介して支持する支持部材9141qと、伝熱部材9141cと支持部材9141qの外壁との間に介在する密封シール9141hと、を有する。更に、搬送部9141は、伝熱部材9141cの領域A9141へ流路9141kを通じて冷媒を供給することにより伝熱部材9141cに固定されたホイール9141aを冷却する冷却機構141gと、支軸9141dを回転駆動する駆動部9141hと、を有する。ホイール9141aの周面には、複数の凹部9141eが形成されている。そして、ホイール9141aは、製造する包装パックBPの形状、大きさ等に応じて交換できるように伝熱部材9141cに対して着脱自在となっている。ここで、ホイール9141aの内壁と伝熱部材9141cの外壁との間には、微少な隙間が形成されている。これにより、ホイール9141aを伝熱部材9141cに対してスムーズに着脱できるようになっている。ところで、比較例に係る搬送部9141は、包装パックBPの製造時において、押圧部142により容器フィルムF2およびカバーフィルムF3がホイール9141aの外側面に押し付けられた状態でホイール9141aおよび伝熱部材9141cを回転させる。このため、伝熱部材9141cの側壁がホイール9141aの内壁に当接した状態で、ホイール9141aまたは伝熱部材9141cの支軸9141dの中心軸周りに回転方向に撓みが生じることに起因して、伝熱部材9141cの側壁がホイール9141aの内壁に対して相対的に摺動して擦れてしまい、伝熱部材9141cの側壁またはホイール9141aの内壁が損傷してしまう虞がある。また、伝熱部材9141cの側壁またはホイール9141aの内壁の損傷によりこれらを構成する材料の摩耗粉が発生して、ホイール9141aの内壁と伝熱部材9141cの外壁との間の隙間に詰まることがある。この場合、ホイール9141aを伝熱部材9141cに対して着脱する際、ホイール9141aの内壁と伝熱部材9141cの側壁との間に詰まった摩耗粉によりホイール9141aを伝熱部材9141cに対してスムーズに着脱できなくなる虞がある。また、伝熱部材9141cと支持部材9141qの外壁との間に密封シール9141hを介在させることにより伝熱部材9141cにおける領域A9141を水密に維持しているため、密封シール9141hの経時的な劣化に伴い交換する必要がある。このため、搬送部9141の稼働率が低下してしまう。
【0032】
これに対して、本実施の形態に係る搬送部141では、本体部1411cの側壁における円筒状部1411aの内側壁と対向する部分の支軸141dの中心軸方向の長さが比較的短く且つ本体部1411cの側壁と円筒状部1411aの内側壁との間P141に隙間が形成されている。これにより、本体部1411cの側壁における円筒状部1411aの内側壁との間に摩耗紛が詰まることが抑制されるので、ホイール141aを伝熱部材141cに対してスムーズに着脱することができる。また、本実施の形態に係る搬送部141では、支軸141dに固定された本体部1411cおよび蓋部1412cのみから伝熱部材141cにおける領域A141を水密に維持しているので、密封シールが不要である。このため、密封シールの交換作業が不要となるので、その分、搬送部141の稼働率を高めることができる。
【0033】
図1に戻って、押圧部142は、搬送部141のホイール141aに巻回された容器フィルムF2およびカバーフィルムF3に圧接される伝熱ローラ1421と、長尺であり長手方向の一端部に伝熱ローラ1421が回転自在に取り付けられたアーム1422と、を有する。また、押圧部142は、アーム1422の長手方向における他端部において、アーム1422の一端部が他端部を基点として旋回自在となるようにアーム1422を支持するとともにアーム1422の一端部を伝熱ローラ1421に押し付ける方向へ付勢するアーム駆動部1423と、伝熱ローラ1421を加熱する加熱部1424と、を有する。伝熱ローラ1421は、熱伝導率の高い金属から形成されている。シール装置14は、容器フィルムF2にカバーフィルムF3が重ねられた状態で、搬送部141のホイール141aと伝熱ローラ1421とで挟持することにより、容器フィルムF2のポケットの外周部にカバーフィルムF3を圧着する。なお、押圧部142は、加熱部1424を備えないものであってもよい。
【0034】
ガイドローラ241、251は、それぞれ、ホイール241a、251aと、ホイール241a、251aを軸支するシャフト241b、251bと、を有する。ホイール241a、251aには、それぞれ、パックフィルムF4のポケットを掛止する複数の凹部(図示せず)がその周方向に沿って並設されている。張力印加部252は、ガイドローラ251とローラ253との間に張架されたパックフィルムF4におけるガイドローラ251とローラ253との間の部分に鉛直上方から接触して鉛直下方へ押圧することにより、パックフィルムF4に張力を印加する。張力印加部252は、パックフィルムF4に鉛直上方から接触するローラ2521と、長尺であり長手方向の一端部にローラ2521が取り付けられたアーム2522と、を有する。また、張力印加部252は、アーム2522の長手方向における他端部において、アーム2522の一端部が他端部を基点として旋回自在となるようにアーム2522を支持する支持部2523を有する。
【0035】
スリット形成打ち抜きユニット17は、スリット形成装置171と、打ち抜き装置173と、-Y方向側にスリット形成装置171が固定され+Y方向側に打ち抜き装置173が固定された駆動部172と、を有する。スリット形成装置171は、
図9に示すように、パックフィルムF4の-Y方向側に配置されたダイユニット1712と、パックフィルムF4の+Y方向側に配置されたヘッド1714と、を有する。ヘッド1714には、パックフィルムF4にスリットを生成するためのカッタ1714aが設けられている。カッタ1714aは、
図10Aに示すように、パックフィルムF4におけるスリットを生成する複数(
図10Aでは5つ)の部位に対向して配置されている。
図9に戻って、ヘッド1714には、駆動部172から-Y方向へ延出するガイド棒1716および動力伝達アーム1717に連結されている。更に、スリット形成装置171は、枠状であり内側にヘッド1714をY軸方向へ摺動自在に支持するヘッド支持部1713と、駆動部172に固定されダイユニット1712およびヘッド支持部1713を纏めて支持する本体部1711と、を有する。ヘッド支持部1713には、カッタ1714aを加熱するためのヒータ(図示せず)が配設されている。
【0036】
打ち抜き装置173は、搬送部281により間欠的に搬送されるパックフィルムF4が停止したときにパックフィルムF4を打ち抜く。打ち抜き装置173は、パックフィルムF4の+Y方向側に配置されたダイユニット1732と、パックフィルムF4の-Y方向側に配置されたヘッド1734と、を有する。ヘッド1734は、
図12に示すように、板状のベース17341と、ベース17341におけるパックフィルムF4が配置される側、即ち、+Y方向側に立設されパックフィルムF4から包装パックBPを打ち抜くための打ち抜き用カッタ1735と、パックフィルムF4から包装パックBPが打ち抜かれた後のスクラップF5を切断するスクラップ切断用カッタ1737と、を有する。スクラップ切断用カッタ1737は、パックフィルムF4における打ち抜き用カッタ1735が対向する部分よりも下流側、即ち、-Z方向側に対向して配置されている。即ち、スクラップ切断用カッタ1737は、ベース17341の+Y方向側における、打ち抜き用カッタ1735の-Z方向側に立設されている。ここで、スクラップ切断用カッタ1737の先端部は、打ち抜き用カッタ1735の先端部よりもベース17341側とは反対側、即ち、+Y方向側へ延出している。また、ベース17341には、ベース17341から+Y方向側へ突出しベース17341のY軸方向に沿った移動を案内するガイドピン1738が設けられている。更に、ベース17341における後述のガイド棒17322に対向する部分には、筒状でありベース17341をY軸方向に貫通するとともにガイド棒17322をY軸方向に摺動自在に保持するガイド棒保持部17342が配設されている。また、ヘッド1734には、
図11に示すように、駆動部172から+Y方向へ延出するガイド棒1736aおよび動力伝達アーム1736bに連結されている。
【0037】
ダイユニット1732は、板状であり中央部にパックフィルムF4から打ち抜かれた包装パックBPをダイユニット1732の+Y方向側へ排出するための開口部1732aが形成されたベース17321と、パックフィルムF4を案内するガイド部材1739と、を有する。ベース17321におけるヘッド1734のスクラップ切断用カッタ1737に対向する部分には、切欠部1732bが形成されている。これにより、スクラップ切断用カッタ1737をダイユニット1732に近づけることによりスクラップF5を切断する際、スクラップ切断用カッタ1737の先端部が切欠部1732bの内側に挿入され、スクラップ切断用カッタ1737の先端部がベース17321に接触するのを防止している。ガイド部材1739は、
図12に示すように、断面コ字状であり、側壁にヘッド1734の打ち抜き用カッタ1735が挿通される開口部1739aが穿設されるとともに、+Y方向側に溝1739bが設けられている。ガイド部材1739は、その溝1739b側がベース17321に固定され、ガイド部材1739の溝1739bとベース17321の-Y方向側の面との間にパックフィルムF4が挿通される。更に、ガイド部材1739におけるヘッド1734のガイドピン1738に対向する部分には、ガイドピン1738の先端部が挿通される孔1739cが穿設されている。また、ベース17321には、後述する本体部1731の一部が挿通された状態でベース17321を本体部1731に固定するための固定孔1732cが設けられている。更に、ベース17321には、-Y方向に延在し先端部がヘッド1734のガイド棒支持部17342に挿通されるガイド棒17322が突設されている。ガイド棒17322の先端部には、ガイド棒17322の摺動範囲を規制するためのストッパ17323が設けられている。また、
図11に示すように、打ち抜き装置173は、駆動部172に固定されダイユニット1732を支持する本体部1731を有する。駆動部172は、動力伝達アーム1717をY軸方向に沿って移動させるスリット形成装置駆動部1721と、動力伝達アーム1737をY軸方向に沿って移動させるための打ち抜き装置駆動部1722と、これらを収納する筐体1723と、を有する。
【0038】
ここで、打ち抜き装置173の動作について
図13A乃至
図14Bを参照しながら説明する。まず、パックフィルムF4における打ち抜き用カッタ1735に対向する部分が良品である場合、打ち抜き装置173は、
図13Aの矢印AR171に示すように、ヘッド1734を、予め設定された待機位置Pos0から第1位置Pos1まで移動させる。ここで、待機位置Pos0は、打ち抜き用カッタ1735およびスクラップ切断用カッタ1737がパックフィルムF4に接触しない位置である。また、第1位置Pos1は、打ち抜き用カッタ1735の先端部およびスクラップ切断用カッタ1737の先端部がパックフィルムF4におけるベース17341側とは反対側、即ち、+Y方向側に位置するような位置である。これにより、打ち抜き用カッタ1735によりパックフィルムF4から包装パックBPが打ち抜かれるとともに、スクラップ切断用カッタ1737によりスクラップF5が切断される。ここで、打ち抜かれた包装パックBPは、ロータリーサクション32へ受け渡され、切断されたスクラップF5は、スクラップ回収部39へ落下する。次に、打ち抜き装置173は、
図13Bの矢印AR172に示すように、ヘッド1734を再び待機位置Pos0へ戻すとともに、搬送部281が、矢印AR173に示すようにパックフィルムF4およびスクラップF5を-Z方向へ移動させる。このとき、搬送部281は、パックフィルムF4における次に打ち抜く包装パックBPに対応する部分がヘッド1734の打ち抜き用カッタ1735の+Y方向側に配置されるように、パックフィルムF4およびスクラップF5を移動させる。
【0039】
また、パックフィルムF4における打ち抜き用カッタ1735に対向する部分が不良品である場合、打ち抜き装置173は、
図14Aの矢印AR174に示すように、ヘッド1734を、前述の待機位置Pos0から第2位置Pos2まで移動させる。ここで、第2位置Pos2は、打ち抜き用カッタ1735の先端部がパックフィルムF4に接触せず且つスクラップ切断用カッタ1737の先端部がパックフィルムF4の+Y方向側に位置するような位置である。これにより、スクラップ切断用カッタ1737によりスクラップF5が切断される一方、不良品の包装パックBPは、パックフィルムF4から打ち抜かれない。次に、打ち抜き装置173は、
図14Bの矢印AR175に示すように、ヘッド1734を再び待機位置Pos0へ戻すとともに、搬送部281が、矢印AR176に示すようにパックフィルムF4およびスクラップF5を-Z方向へ移動させる。このとき、搬送部281は、パックフィルムF4における次に打ち抜く包装パックBPに対応する部分がヘッド1734の打ち抜き用カッタ1735の+Y方向側に配置されるように、パックフィルムF4およびスクラップF5を移動させる。また、スクラップ切断用カッタ1737の先端部は、前述の次に打ち抜く包装パックBPに対応する部分と不良品の包装パックBPに対応する部分との間に対向した状態となる。続いて、打ち抜き装置173は、再びヘッド1734を、待機位置Pos0から第2位置Pos2まで移動させる。これにより、前述の次に打ち抜く包装パックBPに対応する部分と不良品の包装パックBPに対応する部分との間がスクラップ切断用カッタ1737により切断され、不良品の包装パックBPに対応する部分が、スクラップ回収部39へ落下する。
【0040】
フィルム位置変更部26は、
図10Bに示すように、スリット形成装置171に送られるパックフィルムF4を案内するガイドローラ261と、ガイドローラ261を回転自在に支持するローラ支持部263と、ガイド駆動部264と、を有する第2フィルム位置変更部である。ガイドローラ261は、3つのホイール261aと、3つのホイール261aを軸支するシャフト261bと、を有する第1ガイドローラである。ガイド駆動部264は、ローラ支持部263を介して、ガイドローラ261を、パックフィルムF4の幅方向、即ち、X軸方向(
図10Bの矢印AR12参照)およびパックフィルムF4の搬送方向に沿った方向、即ち、Z軸方向(
図10Bの矢印AR11参照)へ移動させる。ガイド駆動部264は、例えば
図10Bの一点鎖線で示すように、ホイール261aの位置を+X方向側へ距離W1だけずれた位置に変更することにより、スリット形成装置171におけるパックフィルムF4のX軸方向における位置を+X方向側に距離W1だけずれた位置に変更する。
【0041】
印字装置27は、搬送部281により間欠的に搬送されるパックフィルムF4が停止したときにパックフィルムF4に予め設定されたマークを印字する印字ヘッド272と、ダイユニット273と、を有する。印字装置27は、パックフィルムF4におけるマークを形成する部分が印字ヘッド272とダイユニット273との間に介在した状態で、印字ヘッド272をダイユニット273に向けて押し付けることによりパックフィルムF4にマークを打刻する。また、印字装置27は、印字ヘッド272およびダイユニット273を支持する支持部271と、支持部271をパックフィルムF4に対して相対的に移動させる支持部駆動部275と、パックフィルムF4を印字ヘッド272とダイユニット273との間へ案内するローラ276、277と、を有する。このローラ276、277の位置は固定されている。支持部駆動部275は、支持部271をパックフィルムF4の搬送方向または幅方向へ移動させることにより、印字ヘッド272によりパックフィルムF4に印字されるマークの位置を変更する。
【0042】
搬送部281は、パックフィルムF4が巻回されるフィルム送りローラ2811と、ローラ駆動部2812と、を有する第1搬送部である。フィルム送りローラ2811は、
図11に示すように、ホイール2811aと、ホイール2811aを軸支するシャフト2811bと、を有する。ホイール2811aには、パックフィルムF4のポケットPo1を掛止する複数の凹部2811cがホイール2811aの周方向に沿って並設されている。搬送部281は、フィルム送りローラ2811の複数の凹部の一部にパックフィルムF4のポケットが掛止された状態で、フィルム送りローラ2811を回転させることにより、パックフィルムF4を連続的に下流側へ搬送する。ローラ駆動部2812は、ホイール2811aの複数の凹部2811cの一部にパックフィルムF4のポケットPo1が掛止された状態で、シャフト2811bを介して、フィルム送りローラ2811を
図11の矢印AR4に示す方向へ予め設定された回転角度ずつ間欠的に回転させる。これにより、パックフィルムF4が、予め設定された基準距離ずつ間欠的に打ち抜き装置173へ送り出される。ここで、基準距離は、パックフィルムF4の長手方向における1つの包装パックに対応する部分の長さに等しくなるように設定されている。また、搬送部281の+Y方向側には、パックフィルムF4の搬送中にパックフィルムF4がフィルム送りローラ2811から離脱するのを防止するためのフィルム押圧部282が配置されている。フィルム押圧部282は、フィルム送りローラ2811の+Y方向側からフィルム送りローラ2811に巻回されたパックフィルムF4に接触するローラ2821と、長尺であり長手方向の一端部にローラ2821が取り付けられたアーム2822と、を有する。また、フィルム押圧部282は、アーム2822の長手方向における他端部を回転自在に支持し、アーム2822の一端部をローラ2821に押し付けられる方向へ付勢するアーム駆動部2823有する。
【0043】
フィルム位置変更部283は、搬送部281の下流側に配置されパックフィルムF4を案内するフィルムガイド2831と、フィルムガイド2831をパックフィルムF4の幅方向、即ち、X軸方向に沿って駆動するガイド駆動部2832と、を有する第1フィルム位置変更部である。フィルムガイド2831は、
図15Aに示すように、パックフィルムF4の厚さ方向における一面側に対向して配置されパックフィルムF4側の面に溝2831dが形成されたガイド本体2831aを有する。また、フィルムガイド2831は、パックフィルムF4の厚さ方向における他面側に対向して配置された補助板2831bと、ガイド本体2831aおよび補助板2831bを纏めて支持する支持部材2831cと、を有する。ガイド駆動部2832は、支持部材2831cを介して、
図15Aの矢印AR5に示すように、フィルムガイド2831をX軸方向に沿って駆動して、フィルムガイド2831のX軸方向における位置を変更する。ガイド駆動部2832は、例えば
図15Bの一点鎖線で示すように、フィルムガイド2831の位置を+X方向側へ距離W2だけずれた位置に変更することにより、打ち抜き装置173におけるパックフィルムF4のX軸方向における位置を+X方向側に距離W2だけずれた位置に変更する。
【0044】
ロータリーサクション32は、
図16に示すように、円筒状のドラム321と、ドラム321の周部に固定され包装パックBPを保持する4つのチャックユニット322と、を有するパック搬送装置である。チャックユニット322は、それぞれ、真空チャック、静電チャック等からなるチャック322aを有する。また、ロータリーサクション32は、ドラム321を回転させるドラム駆動部323を有する。ドラム駆動部323は、ドラム321を回転させることにより、チャックユニット322を、包装パックBPを前述の打ち抜き装置173から受け取るための受け取り位置と、後述の外観検査装置31の撮像部311によりチャックユニット322に保持された包装パックBPを撮像するための撮像位置と、に配置する。また、ドラム駆動部323は、更に、ドラム321を回転させることにより、チャックユニット322を、チャック322aに保持された包装パックBPの不良品を回収ユニット(図示せず)へ排出するための回収位置と、チャックユニット322に保持された包装パックBPを他のパック搬送装置33へ移載するための移載位置と、に配置する。そして、ドラム321とドラム駆動部323とから、チャックユニット322を、少なくとも受け取り位置、撮像位置および移載位置のうちのいずれかに配置するチャックユニット駆動部が構成される。そして、前述の撮像位置は、前述の移載位置の鉛直上方に位置している、即ち、撮像位置と移載位置とが、鉛直方向に並んでいる。ここで、ドラム駆動部323は、制御装置90から入力される制御情報に基づいて、不良品と判定された包装パックBPを保持したチャックユニット322を回収位置に配置した状態で、チャックユニット322が、チャック322aを解除すると、その包装パックBPを回収ユニットへ排出される。
【0045】
外観検査装置31は、撮像部311と、撮像部311を収容する筐体312と、を有する。撮像部311は、ロータリーサクション32のチャックユニット322に保持された状態で前述の撮像位置に配置された包装パックBPを撮像して得られる画像情報を制御装置90へ送信する第1撮像部である。ここで、撮像部311としては、3次元スキャン装置、レーザスキャン装置等を採用できる。
【0046】
制御装置90は、例えばCPU(Central Processing Unit)とメモリとを有するCPUユニットと、入出力制御ユニットと、を備えるPLC(Programmable Logic Controller)である。そして、CPUユニットのメモリに予め記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、制御装置90の各種機能が実現される。入出力制御ユニットは、外観検査装置13の撮像部131および外観検査装置31の撮像部311それぞれにバス信号線(図示せず)を介して接続され、撮像部131、311それぞれから送信される画像情報をCPUユニットへ出力する。また、入出力制御ユニットは、原料フィルム供給ユニット11、加熱装置29、成形装置12、ワーク供給装置50、カバーフィルム供給ユニット15、シール装置14、スリット形成打ち抜きユニット17およびロータリーサクション32にバス信号線を介して接続され、CPUユニットから入力される制御情報に基づいて、原料フィルム供給ユニット11、加熱装置29、成形装置12、ワーク供給装置50、カバーフィルム供給ユニット15、シール装置14、スリット形成打ち抜きユニット17およびロータリーサクション32それぞれへ制御信号を出力することにより、それぞれの動作を制御する。
【0047】
パック搬送装置33は、
図16に示すように、ベルト331と、ベルト331が巻回されるプーリ332、333、334と、プーリ332を予め設定された回転速度で駆動するプーリ駆動部335と、を有する。パック搬送装置33は、ベルト331におけるプーリ333、334に架設された部分がロータリーサクション32にその鉛直下方から対向するように配置されている。そして、ロータリーサクション32が、前述の移載位置に配置されたチャックユニット322のチャック322aを解除すると、そのチャックユニット322に保持されていた包装パックBPが、ベルト331に落下し、パック搬送装置33へ移載される。パック搬送装置33は、矢印AR41に示すように、ベルト331を移動させることにより、ベルト331上に載置された包装パックBPを集積装置40まで搬送する。このとき、包装パックBPは、ポケットが鉛直下方側となる姿勢で搬送される。
【0048】
集積装置40は、反転ユニット49と、反転ユニット49から複数(
図16では2つ)の包装パックBPが重なった状態で受け取り、受け取った包装パックBPの束を選別装置60へ搬送する束搬送ユニット34、35と、を有する。反転ユニット49は、厚さ方向の一面側に等間隔で移送棚41aが突設された周回ベルト41と、周回ベルト41の内側に配置され周面に周回ベルト41が巻回されたプーリ421、43と、プーリ421を回転駆動することにより周回ベルト41を矢印AR42に示す方向へ移動させるプーリ駆動部422と、を有する。ここで、移送棚41aにおけるプーリ421、43の回転軸方向における中央部には、後述する束搬送ユニット34の軸体341aが挿通可能なスリット(図示せず)が設けられている。また、周回ベルト41の周方向において隣り合う2つの移送棚41aの間の間隔は、包装パックBPの厚さよりも長く設定されている。これにより、包装パックBPが2つの移送棚41aにより挟まれず、包装パックBPが上下反転する際に包装パックBPが2つの移送棚41aに挟まれることにより包装パックBPの損傷が抑制される。プーリ駆動部422は、例えばサーボモータと、サーボモータを制御するモータ制御部と、を有し、周回ベルト41が、その周方向において隣り合う2つの移送棚41a同士の長さに相当する距離ずつ間欠的に移動するようにプーリ421を駆動する。
【0049】
束搬送ユニット34は、厚さ方向の一面側に等間隔でピン状の軸体341aが突設されたベルト341と、ベルト341が巻回されるプーリ342、343、344と、予め設定された回転速度でプーリ342を回転駆動することによりベルト341を矢印AR43に示す方向へ移動させるプーリ駆動部345と、を有する。ここで、反転ユニット49の2つの移送棚41aが予め設定された移載位置に配置されるタイミングで、軸体341aが反転ユニット49の2つの移送棚41aそれぞれのスリットに挿入される。そして、束搬送ユニット34は、軸体341aが2つの移送棚41aのスリットに挿入された状態で、ベルト341を矢印AR43へ移動させることにより、2つの移送棚41aそれぞれに載置された包装パックBPをそれらの外側へ押し出す。このとき、2つの移送棚41aそれぞれに載置されていた2つの包装パックBPが重なった状態でベルト341に移載される。そして、束搬送ユニット34は、2つの包装パックBPからなる束を矢印AR43に示す方向へ搬送する。
【0050】
束搬送ユニット35は、アーム351と、アームを鉛直方向に駆動するアーム駆動部352と、レール354と、アーム351およびアーム駆動部352を纏めて支持しレール354に摺動自在に懸架されたスライダ353と、を有する。レール354は、束搬送ユニット34のプーリ344側の端部から選別装置60側へ延在している。ここで、束搬送ユニット34により2つの包装パックBPからなる束がアーム351の鉛直下方まで搬送されると、アーム駆動部352が、アーム351を矢印AR44に示すように鉛直下方へ移動させてアーム351の先端部を包装パックBPの束の上流側に差し込む。そして、アーム351が包装パックBPの束の上流側に差し込まれた状態で、スライダ353が、矢印AR45に示す方向へ移動することにより、包装パックBPの束が、選別装置60側へ押し出される。
【0051】
選別装置60は、
図17に示すように、平面視円形のディスク61と、ディスク61を回転駆動するディスク駆動部62と、束搬送ユニット35から投入される包装パックBPの束を受け取る複数(
図17では8つ)のバスケット63と、を有する。また、選別装置60は、包装パックBPの束の受け取った状態のバスケット63の重量に基づいて、包装パックBPの集積不良が生じているか否かを判定する集積不良判定部65と、包装パックBPの集積不良が生じた束または包装パックBPを回収する回収ユニット64と、を有する。複数のバスケット63は、それぞれ、ディスク61の周部においてディスク61の周方向に沿って等間隔に配設されている。集積不良判定部65は、重量センサ(図示せず)を有し、包装パックBPの束の受け取った状態のバスケット63の重量が予め設定された基準重量範囲外である場合、集積不良が発生したと判定する。なお、バスケット63が、集積装置40から受け取った包装パックBPの束をその積層方向が予め設定された方向となるように保持する機能を有する場合、集積不良判定部65は、予め設定された方向における包装パックBPの厚さを計測するレーザ変位計を有し、計測した包装パックBPの束の厚さが予め設定された基準厚さ範囲外である場合、集積不良が発生したと判定するものであってもよい。
【0052】
この選別装置60は、移載位置Pos60において、集積装置40の束搬送ユニット35から矢印AR45に示すように押し出される包装パックBPの束を受け取る。そして、選別装置60は、ディスク61を矢印AR61に示す方向へ回転させることにより包装パックBPの束を受け取ったバスケット63を後工程へ引き渡す引渡し位置Pos61まで移動させる。そして、引渡し位置Pos61に配置されたバスケット63から包装パックBPの束が取り出される。一方、選別装置60は、集積不良判定部65により集積不良があると判定された場合、包装パックBPの束を受け取ったバスケット63を回収ユニット64へ排出する排出位置Pos62まで移動させる。そして、選別装置60は、排出位置Pos62に配置されたバスケット63に保持された包装パックBPの束または包装パックBPを回収ユニット64へ排出する。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態に係る包装機によれば、ワーク供給装置50において、気体吐出部55bが、ワークフィーダ53の内側に保持されたワークWをコイルシュート54の内側へ向かう方向へ付勢する形でワークWへ空気を吹き付ける。これにより、ワークフィーダ53の内側に保持されたワークWが円滑にコイルシュート54へ導入されるので、ワークWを円滑且つ高速に容器フィルムF2のポケットへ投入することができる。その結果、容器フィルムF2を比較的高速で下流側へ搬送することができるので、包装機における包装パックBPの生産効率を向上させることができる。
【0054】
ところで、シール装置14の搬送部141が有するホイール141aは、製造しようとする包装パックBPのポケットの大きさまたは形状が異なると、それに応じた凹部141eを有するホイール141aに交換する必要がある。この場合、ホイール141aを支軸に嵌め込む構造である場合、ホイール141aを交換する毎にホイール141aの内壁と支軸の外壁とが擦れ、ホイール141aの内壁または支軸の外壁が損傷してしまう虞がある。これに対して、本実施の形態に係るシール装置14の搬送部141では、前述のように、伝熱部材141cの本体部1411cの側壁とホイール141aの円筒状部1411aの内壁との間P141に隙間が形成されている。これにより、ホイール141aを伝熱部材141cに対して着脱する際、ホイール141aの内壁が伝熱部材141cの側壁に接触することを抑制できるので、ホイール141aまたは伝熱部材141cの損傷を抑制できる。また、本実施の形態に係る搬送部141では、支軸141dに固定された本体部1411cおよび蓋部1412cのみから伝熱部材141cにおける領域A141を水密に維持しているので、密封シールが不要である。このため、密封シールの交換作業が不要となるので、その分、搬送部141の稼働率を高めることができ、ひいては、包装機における包装パックBPの生産効率を向上させることができる。
【0055】
また、本実施の形態に係る打ち抜き装置173のヘッド1734は、ベース17341と、ベース17341に立設された打ち抜き用カッタ1735およびスクラップ切断用カッタ1737と、を有する。そして、スクラップ切断用カッタ1737の先端部は、打ち抜き用カッタ1735の先端部よりも+Y方向側へ延出している。そして、打ち抜き装置173は、パックフィルムF4における打ち抜き用カッタに対向する部分が良品である場合、ヘッド1734を、前述の待機位置Pos0から第1位置Pos1まで移動させることにより、パックフィルムF4から包装パックBPを打ち抜くとともにスクラップF5を切断する。一方、打ち抜き装置173は、パックフィルムF4における打ち抜き用カッタ1735に対向する部分が不良品である場合、ヘッド1734を、待機位置Pos0から前述の第2位置Pos2まで移動させることにより、スクラップF5のみを切断する。ここで、待機位置Pos0から第1位置Pos1までの距離ST1は、待機位置Pos0から第2位置Pos2までの距離ST2よりも長い。これにより、パックフィルムF4から包装パックBPを打ち抜いた後、包装パックBPを良品と不良品とに選別する工程が不要となるので、その分、包装機における包装パックBPの生産効率を向上させることができる。
【0056】
更に、本実施の形態に係る打ち抜き装置173を使用することにより、スクラップF5を切断するための装置を、打ち抜き装置173とは別途に設ける必要が無くなるので、その分、包装機を小型化することができる。また、包装パックBPの不良品を含むスクラップF5をスクラップ回収部39に他のスクラップF5と一緒に回収することができるので、包装パックBPの不良品を回収するための機構を別途設ける必要がない。
【0057】
また、本実施の形態に係るロータリーサクション32は、包装パックBPを保持するチャックユニット322と、チャックユニット322を、前述の受け取り位置、撮像位置および移載位置のいずれかに配置するドラム321およびドラム駆動部323と、を有する。そして、撮像位置と移載位置とが、鉛直方向に並んでいる。これにより、例えば外観検査装置31により包装パックBPを撮像する撮像位置と、包装パックBPをパック搬送装置33へ移載する移載位置と、が、Y軸方向に並列している構成の包装機に比べて、包装機のY軸方向の長さを短縮することができる。従って、包装機の小型化を図ることができる。
【0058】
更に、本実施の形態に係る包装機によれば、フィルム位置変更部283が、搬送部281の下流側に配置されパックフィルムF4を案内するフィルムガイド2831を有し、フィルムガイド2831のパックフィルムF4の幅方向における位置を変更することにより、打ち抜き装置173におけるパックフィルムF4の幅方向における位置を変更する。また、フィルム位置変更部26が、ガイドローラ261をパックフィルムF4の搬送方向またはパックフィルムF4の幅方向へ移動させることにより、スリット形成装置171におけるパックフィルムF4の位置を変更する。これにより、スリット形成装置171全体をパックフィルムF4の搬送方向または幅方向へ移動させるための駆動機構を設けること無く、スリット位置のパックフィルムF4の搬送方向または幅方向への補正を行うことができる。従って、打ち抜き装置173またはスリット形成装置171全体をパックフィルムF4の搬送方向または幅方向へ移動させるための駆動機構を設ける必要が無い分、包装機1の小型化が図れる。
【0059】
また、本実施の形態に係る包装機では、位置センサ154が、カバーフィルムF3に設けられたマークのカバーフィルムF3の搬送方向における予め設定された基準位置からの位置ずれ量を検出し、張力調整部153が、位置センサ154により検出される位置ずれ量に基づいて、シール装置14へ搬送されるカバーフィルムF3に加わる張力を調整する。これにより、カバーフィルムF3の貼り付け位置の位置ずれの発生が抑制されるので、包装パックBPの外観品質を高めることができる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば
図18に示すように、シール装置2014が、搬送部141と、押圧部142と、カバーフィルムF3が搬送部141に搬送される直前で予めカバーフィルムF3を加熱する予熱部2145と、温度検出部2146と、を有するものであってもよい。なお、
図18において、実施の形態と同様の構成については
図1と同一の符号を付している。また、シール装置2014は、ローラ1441と、カバーフィルム供給ユニット2015から供給されるカバーフィルムF3を予熱部2145へ案内するローラ21442と、を有する。カバーフィルム供給ユニット2015は、実施の形態で説明したカバーフィルム供給ユニット15に、ローラ1523から繰り出されるカバーフィルムF3を案内するローラ21524を追加した構成を有する。
【0061】
予熱部2145は、
図19に示すように、円筒状の伝熱ローラ2145aと、円柱状であり伝熱ローラ2145aを2つの軸受2145dを介して支持する支持部材2145bと、支持部材2145bおよび伝熱ローラ2145aを加熱するヒータ2145eと、を有する。伝熱ローラ2145aおよび支持部材2145bは、それぞれ、金属のような熱伝導率の高い材料から形成されている。支持部材2145bには、その内部をその中心軸に沿って貫通する貫通孔2145gが形成されている。ヒータ2145eは、制御装置90から電流が供給されることにより発熱する。ヒータ2145eは、支持部材2145bの貫通孔2145g内に挿通されている。また、予熱部2145は、支持部材2145bの長手方向における一端部に取り付けられた蓋部2145cと、支持部材2145bの他端部に装着され支持部材2145bを包装機本体99に固定する固定部材2145fと、を有する。
【0062】
温度検出部2146は、例えばサーモパイルを有し、伝熱ローラ2145aの表面温度を検出し、検出した表面温度を示す温度検出信号を制御装置90へ出力する。そして、制御装置90は、温度検出部2146から入力される温度検出信号に基づいて、伝熱ローラ2145aの表面温度が予め設定された温度となるようにヒータ2145eへ供給する電流を制御する。
【0063】
本変形例に係る包装機では、予熱部2145によるカバーフィルムF3の加熱が不要な場合、
図18の一点鎖線で示すように、ローラ21524から繰り出されるカバーフィルムF3を、ローラ1441に掛け回すことにより、カバーフィルムF3がローラ1441を経由して直接搬送部141へ至る経路で搬送されるように設定される。一方、予熱部2145によるカバーフィルムF3の加熱が必要な場合、ローラ21524から繰り出されるカバーフィルムF3を、ローラ21442に掛け回すことにより、カバーフィルムF3がローラ21442および予熱部2145を経由してから搬送部141へ至る経路で搬送されるように設定される。
【0064】
ところで、包装パックBPとして、そのカバーを幼児、子供等が簡単に剥がすことができないようにしたいわゆるチャイルドレシスタンス包装が提供されている。このような包装パックBPの製造では、カバーフィルムF3として比較的分厚いものが使用されることが多い。そうすると、押圧部142の伝熱ローラ1421による加熱だけではカバーフィルムF3における容器フィルムF2に貼着される側の温度を十分に上昇させることができず、カバーフィルムF3の容器フィルムF2への貼着不良が生じる虞がある。一方、容器フィルムF2およびカバーフィルムF3の搬送速度を低下させることによりカバーフィルムF3と伝熱ローラ1421とが接触している時間を長くすることによりカバーフィルムF3の温度を上昇させることが考えられるが、この場合、包装パックBPの製造に要する時間が長期化してしまいスループットが低下してしまう。
【0065】
これに対して、本構成によれば、予熱部2145によりカバーフィルムF3が搬送部141に搬送され押圧部142により押圧される前に加熱されるので、カバーフィルムF3における容器フィルムF2に貼着される側の温度を十分に上昇させることができる。従って、カバーフィルムF3の容器フィルムF2への貼着不良の発生が抑制される。
【0066】
また、本構成によれば、カバーフィルムF3の搬送経路を予熱部2145に加熱される経路と予熱部2145により加熱されない経路とに変更することができるので、使用できるカバーフィルムF3の種類が多いという利点もある。
【0067】
実施の形態では、包装機が、印字装置27のみを備える例について説明した。但し、これに限らず、例えば
図20に示すように、包装機が、印字装置27とともに、レーザ光を用いてパックフィルムF4に印字するレーザマーキング装置3027を備えるものであってもよい。なお、
図20において、実施の形態と同様の構成については
図1と同一の符号を付している。本変形例に係る包装機では、レーザマーキング装置3027が、包装機本体99の+Z方向側に設置され、包装機本体99におけるレーザマーキング装置3027が設置される部分には、レーザマーキング装置3027から放射されるレーザ光を包装機本体99の内側へ導入するための導入孔3099aが穿設されている。また、本変形例に係る包装機は、包装機本体99の導入孔3099aの-Z方向側におけるZ軸方向から見てX軸方向において導入孔3099aを挟んだ両側に設けられたローラ3292、3293を有する。更に、本変形例に係る包装機は、フィルム位置変更部26のガイドローラ261から繰り出されるパックフィルムF4をローラ3292へ案内するローラ3291と、ローラ3293から繰り出されるパックフィルムF4を、搬送部281のフィルム送りローラ2811へ案内するローラ3294と、を有する。そして、レーザマーキング装置3027は、2つのローラ3292、3293の間に張架されたパックフィルムF4にレーザ光を照射することによりマーキング処理を実行する。なお、包装機は、包装機本体99内におけるレーザマーキング装置3027の-Z方向側において2つのローラ3292、3293を含む部分全体を覆いレーザマーキング装置3027から放射されパックフィルムF4で散乱されるレーザ光を遮る遮光カバー(図示せず)を更に備えるものであってもよい。
【0068】
本変形例に係る包装機では、印字装置27によるパックフィルムF4への印字が必要な場合、
図20の一点鎖線で示すように、フィルム位置変更部26のガイドローラ261から繰り出されるパックフィルムF4を、直接印字装置27のローラ1441に掛け回すことにより、パックフィルムF4が印字装置27で印字された後、搬送部281へ搬送されるように設定される。一方、レーザマーキング装置3027によるパックフィルムF4へのマーキング処理が必要な場合、フィルム位置変更部26のガイドローラ261から繰り出されるパックフィルムF4を、ローラ3291、3292、3293、3294それぞれに掛け回すことにより、パックフィルムF4がローラ3292、3293の間に張架された状態でマーキング処理された後、搬送部281へ搬送されるように設定される。
【0069】
本構成によれば、パックフィルムF4の搬送経路を、印字装置27による印字が可能な経路と、レーザマーキング装置3027によるマーキング処理が可能な経路と、に変更することができるので、多様な包装パックBPの要求使用に適用できるという利点がある。
【0070】
実施の形態では、気体吐出部55bが、一端側で固定部材55の空気流路55cに連通し、他端側が固定部材55の貫通孔55a内に開口しており、空気流路55cに導入された空気を貫通孔55a内へ吐出する例について説明した。但し、気体吐出部の構成は、これに限定されるものではなく、例えば、気体吐出部が、一端側で空気流路55cに連通し且つ他端側が固定部材55の貫通孔55a内に開口した複数の流路から構成されるものであってもよい。或いは、気体吐出部が、固定部材55の貫通孔55aの上方に設置されたノズル(図示せず)を有し、ノズルから貫通孔55a内に向けて気体を吐出するものであってもよい。
【0071】
実施の形態では、包装機がロータリーサクション32を備える例について説明したが、打ち抜き装置173で打ち抜かれた包装パックBPを、外観検査装置31により包装パックBPを撮像するための撮像位置およびパック搬送装置33へ移載する移載位置へ搬送する機能を有するものであれば他の構成のパック搬送装置であってもよい。例えば、パック搬送装置が、長尺であり一端部を支点して旋回可能なアームと、アームの他端部に設けられたチャックと、アームを旋回駆動するアーム駆動部と、を有するものであってもよい。そして、アーム駆動部が、アームを旋回させることにより、チャックを打ち抜き装置173から包装パックBPを受け取るための受け取り位置と、外観検査装置31により包装パックBPを撮像するための撮像位置と、包装パックBPを、パック搬送装置33へ移載するための移載位置と、のいずれかに配置するものであってもよい。
【0072】
実施の形態において、外観検査装置31が、ロータリーサクション32のチャックユニット322に保持された状態で包装パックBPを撮像する例について説明したが、これに限らず、ロータリーサクション32よりも下流側、即ち、包装パックBPがロータリーサクション32から集積装置40に搬送されるまでの間において包装パックBPを撮像するものであってもよい。この場合、外観検査装置31は、例えば
図21Aおよび
図21Bに示すような、チャックユニット4322を有する撮像ステージに保持された包装パックBPを撮像するようにしてもよい。撮像ステージは、ステージ本体4321と、ステージ本体4321に着脱自在に固定されたチャックユニット4322と、を有する。チャックユニット4322は、複数(
図21Bでは6つ)の吸着ヘッド4333と、弾性材料から形成され複数の吸着ヘッド4333それぞれの先端部に装着された吸着パッド4332と、矩形箱状であり複数の吸着ヘッド4333を纏めて支持しステージ本体4321に固定されるヘッド支持部4331と、を有する。吸着ヘッド4333の内側には、包装パックBPの吸着時に減圧状態で維持される管4333aが設けられている。また、ヘッド支持部4331の内側には、管4333aそれぞれに連通する管4331aが設けられている。更に、ヘッド支持部4331の側壁には、複数の窓4331bが設けられている。これにより、吸着パッド4332の交換を行う作業者の作業性を高めることができるとともに、ヘッド支持部4331の軽量化を図ることができる。そして、チャックユニット4322がステージ本体4321に固定された状態において、管4331aは、ステージ本体4321に設けられ真空ポンプ(図示せず)に接続された排気管4322bに連通する。また、吸着パッド4332、吸着ヘッド4333およびヘッド支持部4331の少なくとも一部は、例えば樹脂から形成されている。
【0073】
ところで、包装パックBPは、その全体が反った状態(湾曲した状態)で撮像ステージに受け渡される場合がある。この場合、外観検査装置31において、撮像部311の焦点がずれたりすることにより、包装パックBPにおける撮像対象部分の撮影画像が不鮮明になってしまい、包装パックBPに設けられたマークの認識或いは包装パックBPに付着した異物または汚れの有無の検査を精度良く行えなくなる虞がある。また、外観検査装置31において撮像された撮影画像を用いて、包装パックBPの測長を行う場合、包装パックBPの全体が反った状態になっていると、包装パックBPの長さを精度良く検出できない。
【0074】
これに対して、本変形例に係るチャックユニット4322は、
図21Aに示すように、包装パックBPを、複数の吸着パッド4332に吸着させた状態で保持する。これにより、包装パックBPを平坦にしてから撮像部311により撮像できるので、撮像部311により撮像して得られる撮影画像の鮮明度を高めることができる。従って、外観検査装置31による包装パックBPに設けられたマークの認識或いは包装パックBPに付着した異物または汚れの有無の検査の精度を高めることができる。また、外観検査装置31において撮像された撮影画像を用いて、包装パックBPの測長を行う場合、包装パックBPの長さを精度良く検出できる。
【0075】
実施の形態において、外観検査装置31の代わりに包装パックBPの表面の3次元形状を計測することができるレーザ変位計を採用してもよい。
【0076】
また、実施の形態に係る制御装置90は、包装機本体99の外部に配置されるものであってもよいし、或いは、制御装置90の機能の一部がクラウドサーバにより実現されるものであってもよい。
【0077】
実施の形態では、フィルム位置変更部283により、打ち抜き装置173におけるパックフィルムF4のX軸方向における位置を変更する例について説明した。但し、これに限らず、例えば、搬送部281が、フィルム送りローラ2811をパックフィルムF4のX軸方向へさせることにより、パックフィルムF4のX軸方向における位置を変更するローラ駆動部(図示せず)を有し、搬送部281が、フィルム位置変更部として機能するものであってもよい。そして、印字装置27では、搬送部281においてパックフィルムF4がX軸方向へずらされた場合、それに応じて、印字ヘッド272の位置をX軸方向へ移動させるようにすればよい。
【0078】
本構成によれば、フィルム位置変更部283を省略することにより部品点数を削減することができるので、包装機1の簡素化および小型化を図ることができる。
【0079】
実施の形態において、打ち抜き装置が、スクラップ打ち抜き後のパックフィルムについて搬送方向に直交する方向への切断位置を変更することにより包装パックに含まれるポケットPo1の数を変更することができるものであってもよい。この場合、打ち抜き装置は、パックフィルムからスクラップを打ち抜いた後、包装パックを打ち抜く動作を実行する。
【0080】
例えば
図22に示すように、本変形例に掛かる打ち抜き装置573は、パックフィルムの+Y方向側に配置されるダイユニット5732と、パックフィルムの-Y方向側に配置されるヘッド5734と、を有する。なお、
図22において、実施の形態と同様の構成については
図12と同一の符号を付している。ヘッド5734は、ベース17341と、ガイド保持部17342と、ベース17341における+Y方向側に立設されパックフィルムからスクラップを打ち抜くための打ち抜き用カッタ5735と、パックフィルムを切断することにより包装パックを切り出すパックフィルム切断用カッタ5737と、を有する。パックフィルム切断用カッタ5737は、パックフィルムにおける打ち抜き用カッタ5735が対向する部分よりも下流側、即ち、-Z方向側に対向して配置されている。即ち、パックフィルム切断用カッタ5737は、ベース17341の+Y方向側における、打ち抜き用カッタ5735の-Z方向側に立設されている。ここで、打ち抜き用カッタ5735の先端部は、パックフィルム切断用カッタ5737の先端部よりもベース17341側とは反対側、即ち、+Y方向側へ延出している。
【0081】
ダイユニット5732は、板状であり中央部にパックフィルムから打ち抜かれたスクラップをダイユニット5732の+Y方向側へ排出するための開口部5732dが形成されたベース57321と、パックフィルムを案内するガイド部材5739と、を有する。ベース57321におけるヘッド5734のパックフィルム切断用カッタ5737に対向する部分にも、開口部5739dが形成されている。これにより、パックフィルム切断用カッタ5737をダイユニット5732に近づけることによりパックフィルムを切断する際、パックフィルム切断用カッタ5737の先端部が開口部5732bの内側に挿入され、パックフィルム切断用カッタ5737の先端部がベース57321に接触するのを防止している。ガイド部材5739は、実施の形態で説明したガイド部材1739と同様に、断面コ字状であり、側壁にヘッド5734の打ち抜き用カッタ5735が挿通される開口部5739aと、パックフィルム切断用カッタ5737が挿通される開口部5739dと、が穿設されるとともに、+Y方向側に溝(図示せず)が設けられている。ガイド部材5739は、その溝側がベース57321に固定され、ガイド部材5739の溝とベース57321の-Y方向側の面との間にパックフィルムが挿通される。更に、ガイド部材5739におけるヘッド5734のガイドピン1738に対向する部分には、ガイドピン1738の先端部が挿通される孔(図示せず)が穿設されている。
【0082】
図23に示すように、本変形例に係るシートフィルムF54は、矢印AR500に示す方向へ搬送される。そして、打ち抜き装置574は、まず、打ち抜き用カッタ5735を用いて、シートフィルムF54の短手方向における両端部にスクラップ部分を打ち抜く。その後、打ち抜き装置574は、パックフィルム切断用カッタ5737を用いて、スクラップが打ち抜かれたシートフィルムF55を短手方向に沿って切断することにより、包装パックを切り出す。
【0083】
ここで、打ち抜き装置573の動作について
図24A乃至
図25Bを参照しながら説明する。まず、打ち抜き装置173は、
図24Aの矢印AR571に示すように、ヘッド5734を、予め設定された待機位置Pos0から第3位置Pos51まで移動させる。ここで、待機位置Pos0は、打ち抜き用カッタ5735およびパックフィルム切断用カッタ5737がパックフィルムF54に接触しない位置である。また、第3位置Pos51は、打ち抜き用カッタ5735の先端部がパックフィルムF54の+Y方向側に位置し且つパックフィルム切断用カッタ5737の先端部がパックフィルムF54に接触しないような位置である。これにより、打ち抜き用カッタ5735によりパックフィルムF54からスクラップF55が打ち抜かれる。ここで、打ち抜かれたスクラップF55は、スクラップ回収部(図示せず)に回収される。次に、打ち抜き装置573は、
図24Bの矢印AR572に示すように、ヘッド5734を再び待機位置Pos0へ戻すとともに、搬送部281が、矢印AR573に示すようにパックフィルムF54およびパックフィルムF54に繋がるパックフィルムF56を-Z方向へ移動させる。このとき、搬送部281は、パックフィルムF54における次に打ち抜くスクラップF55に対応する部分がヘッド5734の打ち抜き用カッタ5735の+Y方向側に配置されるように、パックフィルムF54を移動させる。
【0084】
また、パックフィルムF56から包装パックBPを切り出す場合、打ち抜き装置573は、
図25Aの矢印AR574に示すように、ヘッド5734を、前述の待機位置Pos0から第4位置Pos52まで移動させる。ここで、第2位置Pos52は、打ち抜き用カッタ5735の先端部およびパックフィルム切断用カッタ5737の先端部がパックフィルムF54における+Y方向側に位置するような位置である。これにより、打ち抜き用カッタ5735によりパックフィルムF54からスクラップF55が打ち抜かれるとともに、パックフィルム切断用カッタ5737によりパックフィルムF56から包装パックBPが切り出される。ここで、切り出された包装パックBPは、後工程へ搬送される。次に、打ち抜き装置573は、
図25Bの矢印AR575に示すように、ヘッド5734を再び待機位置Pos0へ戻すとともに、搬送部281が、矢印AR576に示すようにパックフィルムF54およびパックフィルムF54に繋がるパックフィルムF56を-Z方向へ移動させる。このとき、搬送部281は、パックフィルムF54における次に打ち抜くスクラップF55に対応する部分がヘッド5734の打ち抜き用カッタ5735の+Y方向側に配置されるように、パックフィルムF54を移動させる。
【0085】
ここで、本変形例に係る打ち抜き装置574の打ち抜き動作について、
図26を参照しながら説明する。まず、搬送部281が、パックフィルムF54を、打ち抜き用カッタ5734が一度に打ち抜くことができるスクラップF55のパックフィルムF54の搬送方向における長さに相当する距離LsだけパックフィルムF54を移動させる(ステップS501)。次に、制御装置9が、パックフィルムF54の搬送開始または先にパックフィルム切断用カッタ5737により切断された直後からのパックフィルムF54の移動距離が距離Lsと予め設定された係数m(mは正の整数)との積に相当する距離に等しいか否かを判定する(ステップS502)。ここで、係数mは、パックフィルムF54、F56に含まれる1つの包装パックBPに対応する領域のパックフィルムF54、56の搬送方向における長さを距離Lsで除して得られる数に相当する。この係数mは、1つの包装パックBPに含まれるポケットPo1の数に応じて変更される。制御装置9が、パックフィルムF54の移動距離が距離Lsと係数mとの積に相当する距離よりも短いと判定すると(ステップS502:No)、打ち抜き装置574は、ヘッド5734を距離ST51だけ+Y方向へ移動させる(ステップS503)。これにより、パックフィルムF54からスクラップF55のみ打ち抜かれる。一方、制御装置9が、パックフィルムF54の移動距離が距離Lsと係数mとの積に相当する距離と等しいと判定すると(ステップS502:Yes)、打ち抜き装置574は、ヘッド5734を距離ST52だけ+Y方向へ移動させる(ステップS504)。これにより、パックフィルムF54から包装パックBPが切り出される。
【0086】
本構成によれば、係数mの設定を変更するだけで、種々の長さの包装パックBPを作製することができる。従って、例えば作製する包装パックBPの長さが変わる毎に包装パックBPの長さに応じたヘッドとダイユニットとの組合せに交換する作業が不要となる。それ故、例えば長さが互いに異なる多種の包装パックBPを製造する際のヘッドとダイユニットとの組合せを交換する作業の頻度を低減できるので、包装パックBPの生産効率を向上させることができる。
【0087】
実施の形態において、制御装置9が、外観検査装置31から送信される包装パックBP6を撮像して得られる画像情報に基づいて、張力調整部292により容器フィルムF2に印加される張力を変更するように張力調整部292を制御するものであってもよい。或いは、制御装置9が、外観検査装置31から送信される包装パックを撮像して得られる画像情報に基づいて、チャックフィード232による容器フィルムF2の送り量を変化させるようにチャックフィード232を制御するものであってもよい。
【0088】
例えば
図27Aに示すように、パックフィルムF64のカバーフィルムF63が、非透明なシール部分CE1と、透明ないわゆるノンシール部分NC1と、を有するものである場合、パックフィルムF64を平面視したときに、ノンシール部NC1がポケットPo1の中央部に位置するように、カバーフィルムF63が容器フィルムF2に貼着されている必要がある。この場合、パックフィルムF64から打ち抜かれた包装パックBP6は、ノンシール部分NC1がポケットPo1の中央部に配置されている。一方、例えば
図27Bに示すように、パックフィルムF64を平面視したときに、ノンシール部NC1がポケットPo1の中央部からずれている場合、パックフィルムF64から打ち抜かれた包装パックBP6においても、ノンシール部分NC1がポケットPo1の中央部からずれてしまう。この場合、外観検査等の後に行われる工程において外観不良と判断されてしまう虞がある。そこで、本変形例に係る制御装置9は、包装パックBP6を撮像して得られる画像情報からパックフィルムF64の搬送方向に沿ったノンシール部分NC1のポケットPo1に対するズレ量並びにズレ方向を算出し、ズレ量が予め設定されたズレ量以上となった場合、そのズレ量を低減するように容器フィルムF2の送り量を変更する。
【0089】
ここで、本変形例に係る制御装置9が実行する容器フィルム送り量調整処理について
図28を参照しながら説明する。まず、制御装置9は、外観検査装置31から送信される包装パックBP6を撮像して得られる包装パック画像を取得する(ステップS601)。次に、制御装置9は、包装パック画像に基づいて、ノンシール部分NC1の周縁部分およびポケットPo1の周縁部分それぞれを検出するエッジ検出処理を実行する(ステップS602)。ここで、制御装置9は、例えばキャニー法、ラプラシアン法等の周知のエッジ検出アルゴリズムを用いてエッジ検出処理を実行する。
【0090】
続いて、制御装置9は、エッジ検出処理により検出されたノンシール部分NC1の周縁部分およびポケットPo1の周縁部分の位置に基づいて、パックフィルムF64の搬送方向に沿ったノンシール部分NC1のポケットPo1に対するズレ量並びにズレ方向を算出する(ステップS603)。ここで、制御装置9は、エッジ検出処理により検出されたノンシール部分NC1の周縁部分の位置からノンシール部分NC1の中心部分の位置を特定し、エッジ検出処理により検出されたポケットPo1の周縁部分の位置からポケットPo1の中心部分の位置を特定する。そして、制御装置9は、ノンシール部分NC1の中心部分の位置と、ポケットPo1の周縁部分の位置と、の差分からズレ量およびズレ方向を算出する。その後、制御装置9は、ズレ量|d6|が予め設定されたズレ量閾値|d6|th以上であるか否かを判定する(ステップS604)。ここで、制御装置9は、ズレ量|d6|がズレ量閾値|d6|th未満であると判定すると(ステップS604:No)、再びステップS601の処理を実行する。一方、制御装置9は、ズレ量|d6|がズレ量閾値|d6|th以上であると判定すると(ステップS604:Yes)、算出したズレ量およびズレ方向に基づいて、ズレ量が低減するように容器フィルムF2の搬送部141への送り量を調整する(ステップS605)。具体的には、制御装置9は、張力調整部292を制御して、張力調整部292により容器フィルムF2に印加される張力を変更することにより容器フィルムF2の搬送部141への送り量を調整する。ここで、ノンシール部分NC1がポケットPo1に対して上流側へずれている場合、制御装置9は、張力調整部292により容器フィルムF2に印加される張力が上昇するように張力調整部292を制御して、容器フィルムF2の搬送部141への送り量を小さくする。一方、ノンシール部分NC1がポケットPo1に対して下流側へずれている場合、制御装置9は、張力調整部292により容器フィルムF2に印加される張力が低下するように張力調整部292を制御して、容器フィルムF2の搬送部141への送り量を大きくする。
【0091】
或いは、制御装置9は、チャックフィード232を制御して、チャックフィード232による容器フィルムF2の搬送部141への送り量を調整してもよい。この場合、ノンシール部分NC1がポケットPo1に対して上流側へずれている場合、制御装置9は、チャックフィード232による容器フィルムF2の送り量が小さくなるようにチャックフィード232を制御する。一方、ノンシール部分NC1がポケットPo1に対して下流側へずれている場合、制御装置9は、チャックフィード232による容器フィルムF2の送り量を大きくなるようにチャックフィード232を制御する。
【0092】
なお、制御装置9がパックフィルムF64の搬送方向に沿ったノンシール部分NC1のポケットPo1に対するズレ量並びにズレ方向を算出するために用いる画像は、外観検査装置31から送信される包装パック画像に限定されるものではない。例えばシール装置14よりも下流側の任意の位置にパックフィルムF4を撮像する撮像装置(図示せず)を配設し、制御装置9が、この撮像装置によりパックフィルムF4を撮像して得られるパックフィルム画像を用いて、パックフィルムF64の搬送方向に沿ったノンシール部分NC1のポケットPo1に対するズレ量並びにズレ方向を算出するものであってもよい。
【0093】
本構成によれば、特に、パックフィルムF64のカバーフィルムF63が、非透明なシール部分CE1と、透明ないわゆるノンシール部分NC1と、を有するものである場合、パックフィルムF64の搬送方向に沿ったノンシール部分NC1のポケットPo1に対するズレ量を低減できる。従って、パックフィルムF64から打ち抜かれる包装パックBP6の歩留まりを改善することができるので、その分、包装パックBP6の生産効率を高めることができる。
【0094】
実施の形態において、例えば
図29Aおよび
図29Bに示すように、成型装置7012が、その容器フィルムF2の出口部分に容器フィルムF2の幅方向における両端部を検出する2つのフィルム検出センサ7128A、7128Bを備えるものであってもよい。そして、成型装置7012の上流側に、原料フィルムF1が巻回されその回転軸方向に移動自在なローラ71155と、ローラ71155をその回転軸方向へ駆動するローラ駆動部71156と、を備えるものであってもよい。ここで、フィルム検出センサ7128A、7128Bは、それぞれ、容器フィルムF2の幅方向に並列した複数のレーザダイオードまたはLEDを有する光源71281と、フォトダイオードが容器フィルムF2の幅方向に並列し光源71281から放射される光を受光する受光部71282と、を有する。また、2つのフィルム検出センサ7128A、7128Bは、容器フィルムF2の幅方向において予め設定された距離だけ離間した2箇所それぞれに配設されている。この距離は、例えば容器フィルムF2の幅よりも予め設定された長さだけ長い距離に設定されている。また、フィルム検出センサ7128A、7128Bは、予め設定された基準位置からの容器フィルムF2の端部のはみ出し量、即ち、容器フィルムF2のズレ量を検出する。そして、フィルム検出センサ7128A、7128Bは、それぞれ、容器フィルムF2の端部を検出すると、容器フィルムF2のズレ量が反映されたフィルム検出信号を制御装置9へ送信する。一方、制御装置9は、フィルム検出センサ7128A、7128Bのいずれかからフィルム検出信号が入力されると、フィルム検出信号を送信していないフィルム検出センサ(例えば7128A)からフィルム検出信号を送信したフィルム検出センサ(例えば7128B)に向かう方向を容器フィルムF2のズレ方向として判別するとともに、フィルム検出信号に基づいて容器フィルムF2のズレ量を判別する。ここで、制御装置9は、フィルム検出センサ7128Aからフィルム検出信号が入力されると、容器フィルムF2のズレ方向が+X方向であると判別し、フィルム検出センサ7128Bからフィルム検出信号が入力されると、容器フィルムF2のズレ方向が-X方向であると判別する。
【0095】
また、ローラ駆動部71156は、制御装置9から入力される制御信号に基づいて、成型装置7012に搬送される原料フィルムF1が巻回されたローラ71155をその中心軸方向へ駆動することにより、原料フィルムF1の幅方向における原料フィルムF1の成型装置7012に対する相対的な位置を変更する。ここにおいて、制御装置9は、フィルム検知センサ7128A、7128Bから受信したフィルム検出信号に基づいて、容器フィルムF2のズレ方向およびズレ量を判別する。そして、制御装置9は、判別したズレ方向およびズレ量に基づいて、ローラ71155をその中心軸方向に沿って容器フィルムF2のズレ量が低減される方向へ駆動するようローラ駆動部71156を制御する。
【0096】
本構成によれば、原料フィルムF1のその幅方向への位置ズレに起因した容器フィルムF2におけるポケットPoの位置ズレの発生を抑制できる。
【0097】
実施の形態では、気体吐出部55bが、空気源AGから供給される空気を吐出する例について説明したが、吐出する気体は空気に限定されるものではなく、例えば窒素ガスのような他の種類の気体であってもよい。
【0098】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【0099】
本出願は、2020年5月7日に出願された日本国特許出願特願2020-081672号並びに2020年7月20日に出願された日本国特許出願特願2020-123464号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2020-081672号の明細書、特許請求の範囲および図面全体並びに日本国特許出願特願2020-123464号の明細書、特許請求の範囲および図面全体を参照として取り込むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、錠剤、医療機器等を包装するためのパックフィルムの製造および複数のパックフィルムの集積に好適である。
【符号の説明】
【0101】
11:原料フィルム供給ユニット、12,7012:成形装置、13,31:外観検査装置、14:シール装置、15:カバーフィルム供給ユニット、17:スリット形成打ち抜きユニット、26,283:フィルム位置変更部、27:印字装置、29:加熱装置、32:ロータリーサクション、33:パック搬送装置、34,35:束搬送ユニット、39:スクラップ回収部、40:集積装置、41:周回ベルト、41a:移送棚、43,332,333,334,342,343,344,421:プーリ、49:反転ユニット、50:ワーク供給装置、51:ホッパ、53,521:ワークフィーダ、54:コイルシュート、55:固定部材、55a:貫通孔、55b:気体吐出部、55c:空気流路、57,522:振動装置、60:選別装置、70:ステージ、90:制御装置、99:包装器本体、111,112,151:リール、113:フィルム自動接着装置、116:フィルム押さえ機構、117,252,291:張力印加部、118:バッファ部、121:装置本体、122:第2金型、122a:プラグ、123:第1金型、123a,141e:凹部、124,125,172,231c,2321c:駆動部、131,311:撮像部、132,312,1723:筐体、141,1154,1161,1162:搬送部、141a,251a,261a,2811a:ホイール、141b:固定ピン、141c:伝熱部材、141d:支軸、141f:冷媒流路、141g:冷却機構、141h:ホイール駆動部、141k:管体、141m:軸受、141p:保持部、142:押圧部、153,292:張力調整部、154:位置センサ、171:スリット形成装置、173,573:打ち抜き装置、231:固定チャック、231a,271,1173,2321a,2523:支持部、231b,2321b:挟持部、232:チャックフィード、241,242,253,276,277,1151,1152,1153,1154a,1155,1161a,1162a,1163,1164,1165,1171,1181,1182,1183,1184,1185,1441,1521,1522,1523,1531,2521,2821,2911,3291,3292,3293,3294,71155:ローラ、251,261:ガイドローラ、251b,261b,2811b:シャフト、281:搬送部、263:ローラ支持部、264:ガイド駆動部、272:印字ヘッド、273,1712,1732,5732:ダイユニット、275:支持部駆動部、282:フィルム押圧部、293:滑りガイド、293a:湾曲面、321:ドラム、322,4322:チャックユニット、322a,1141a,1142a:チャック、323:ドラム駆動部、331,341:ベルト、335,345,422:プーリ駆動部、341a:軸体、551:リブ、553:側壁、554,2831d:溝、1141,1142:保持機構、1154b,1161b,1162b,2812,71156:ローラ駆動部、1421:伝熱ローラ、1532,2922:パウダクラッチブレーキ、1711,1731:本体部、1713:ヘッド支持部、1714,1734,5734:ヘッド、1714a,1735,5735:打ち抜き用カッタ、1737:スクラップ切断用カッタ、1716,1736a,17322:ガイド棒、1717,1736b:動力伝達アーム、1721:スリット形成装置駆動部、1722:打ち抜き装置駆動部、1732a,1739a,5732b,5732d,5739a,5739d:開口部、1732b:切欠部、1732c:固定孔、1738:ガイドピン、1739:ガイド部材、1739b:溝、1739c:孔、2145:予熱部、2146:温度検出部、2322:チャック移動機構、2811:フィルム送りローラ、2811c:凹部、2831:フィルムガイド、2931a:ガイド本体、2831b:補助板、2831c:支持部材、2832:ガイド駆動部、2901,2902:伝熱板、2903,2904:駆動ユニット、3027:レーザマーキング装置、4321:ステージ本体、4322b:排気管、4331:ヘッド支持部、4331a,4333a:管、4331b:窓、4332:吸着パッド、4333:吸着ヘッド、5737:パックフィルム切断用カッタ、7128A、7128B:フィルム検出センサ、17321,17341:ベース、17323:ストッパ、17342:ガイド棒保持部、A141:領域、AG:空気源、BP:包装パック、F1:原料フィルム、F2:容器フィルム、F3:カバーフィルム、F4:パックフィルム、F5:スクラップ、Po1:ポケット、Pos0:待機位置、Pos1:第1位置、Pos2:第2位置、Pos51:第3位置、Pos52:第4位置、Pos60:移載位置、Pos61:引渡し位置、Pos62:排出位置
【要約】
包装機の打ち抜き装置(173)のヘッド(1734)は、ベース(17341)に立設された打ち抜き用カッタ(1735)およびスクラップ切断用カッタ(1737)を有する。スクラップ切断用カッタ(1737)の先端部は、打ち抜き用カッタ(1735)の先端部よりも+Y方向側へ延出している。そして、打ち抜き装置(173)は、パックフィルムにおける打ち抜き用カッタに対向する部分が良品である場合、ヘッド(1734)を、待機位置から第1位置まで移動させることにより、パックフィルムから包装パックを打ち抜くとともにスクラップを切断する。一方、打ち抜き装置(173)は、パックフィルムにおける打ち抜き用カッタ(1735)に対向する部分が不良品である場合、ヘッド(1734)を、待機位置から第2位置まで移動させることにより、スクラップを切断する。