(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】データ収集支援装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20220119BHJP
【FI】
G16H10/00
(21)【出願番号】P 2017150402
(22)【出願日】2017-08-03
【審査請求日】2020-07-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596165589
【氏名又は名称】学校法人 聖マリアンナ医科大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【氏名又は名称】塩川 誠人
(72)【発明者】
【氏名】明石 嘉浩
(72)【発明者】
【氏名】米山 喜平
(72)【発明者】
【氏名】立川 一郎
(72)【発明者】
【氏名】黒川 眞彰
(72)【発明者】
【氏名】浅倉 宏至
(72)【発明者】
【氏名】福島 慶子
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-175372(JP,A)
【文献】特表2010-525444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の病気または所定の怪我に関する個々のコンテンツであって、表示可能となる順序が定められている個々のコンテンツと、前記個々のコンテンツのタイトルとの組を複数組記憶するコンテンツ記憶部と、
新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に出力し、所定の操作が行われた場合に、前記コンテンツをディスプレイ装置に表示させる出力制御部と、
所定の条件が満たされたときに、表示可能となっている個々のコンテンツが表示済みであるか否かを示す情報、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信するデータ送信部とを備え
、
前記出力制御部は、
新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に前記ディスプレイ装置に表示させ、表示させた前記通知がタップされると、表示可能となっているコンテンツのタイトルのリストを示すリスト画面を前記ディスプレイ装置に表示させ、前記リスト画面に含まれるタイトルがタップされると、当該タイトルに対応付けられたコンテンツを前記ディスプレイ装置に表示させ、
タイトルがタップされたコンテンツが、所定の病気または所定の怪我に関する患者へのメッセージである場合、当該メッセージを前記ディスプレイ装置に表示させ、前記メッセージを表示済みであることを前記コンテンツ記憶部に記憶させ、
タイトルがタップされたコンテンツが、患者に対するアンケートである場合、当該アンケートを前記ディスプレイ装置に表示させ、前記アンケートを表示済みであることを前記コンテンツ記憶部に記憶させ、前記アンケートへの回答が入力され、送信指示の操作が行われた場合、前記アンケートの回答を前記コンテンツ記憶部に記憶させ、
前記データ送信部は、
前記送信指示の操作が行われた場合に、前記コンテンツ記憶部を参照して、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報、コンテンツ記憶部に記憶されているアンケートの回答、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信する
ことを特徴とするデータ収集支援装置。
【請求項2】
出力制御部は、
新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を、1日毎に出力する
請求項1に記載のデータ収集支援装置。
【請求項3】
出力制御部は、
新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を、1日のうち12時から13時までの時間帯に出力する
請求項2に記載のデータ収集支援装置。
【請求項4】
出力制御部は、
新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を、1日のうち12時から13時までの時間帯に含まれる時刻であって、12時および13時以外の時刻に出力する
請求項2または請求項3に記載のデータ収集支援装置。
【請求項5】
データ送信部は、
最後のメッセージに該当するコンテンツがディスプレイ装置に表示された場合に、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報、コンテンツ記憶部に記憶されているアンケートの回答、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信する
請求項
1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のデータ収集支援装置。
【請求項6】
少なくとも一部のコンテンツのタイトルは、所定の病気または所定の怪我に関連する文言を含む
請求項1から請求項
5のうちのいずれか1項に記載のデータ収集支援装置。
【請求項7】
所定の病気または所定の怪我に関する個々のコンテンツであって、表示可能となる順序が定められている個々のコンテンツと、前記個々のコンテンツのタイトルとの組を複数組記憶するコンテンツ記憶部を備えたコンピュータが、
新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に出力し、所定の操作が行われた場合に、前記コンテンツをディスプレイ装置に表示させ、
所定の条件が満たされたときに、表示可能となっている個々のコンテンツが表示済みであるか否かを示す情報、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信
し、
前記コンピュータが、前記コンテンツを前記ディスプレイ装置に表示させる際に、
新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に前記ディスプレイ装置に表示させ、表示させた前記通知がタップされると、表示可能となっているコンテンツのタイトルのリストを示すリスト画面を前記ディスプレイ装置に表示させ、前記リスト画面に含まれるタイトルがタップされると、当該タイトルに対応付けられたコンテンツを前記ディスプレイ装置に表示させ、
タイトルがタップされたコンテンツが、所定の病気または所定の怪我に関する患者へのメッセージである場合、当該メッセージを前記ディスプレイ装置に表示させ、前記メッセージを表示済みであることを前記コンテンツ記憶部に記憶させ、
タイトルがタップされたコンテンツが、患者に対するアンケートである場合、当該アンケートを前記ディスプレイ装置に表示させ、前記アンケートを表示済みであることを前記コンテンツ記憶部に記憶させ、前記アンケートへの回答が入力され、送信指示の操作が行われた場合、前記アンケートの回答を前記コンテンツ記憶部に記憶させ、
前記送信指示の操作が行われた場合に、前記コンテンツ記憶部を参照して、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報、コンテンツ記憶部に記憶されているアンケートの回答、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信する
ことを特徴とするデータ収集支援方法。
【請求項8】
所定の病気または所定の怪我に関する個々のコンテンツであって、表示可能となる順序が定められている個々のコンテンツと、前記個々のコンテンツのタイトルとの組を複数組記憶するコンテンツ記憶部を備えたコンピュータに搭載されるデータ収集支援プログラムであって、
前記コンピュータに、
新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に出力し、所定の操作が行われた場合に、前記コンテンツをディスプレイ装置に表示させる出力制御処理、および、
所定の条件が満たされたときに、表示可能となっている個々のコンテンツが表示済みであるか否かを示す情報、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信するデータ送信処理
を実行させ、
前記コンピュータに、
前記出力制御処理で、
新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に前記ディスプレイ装置に表示させ、表示させた前記通知がタップされると、表示可能となっているコンテンツのタイトルのリストを示すリスト画面を前記ディスプレイ装置に表示させ、前記リスト画面に含まれるタイトルがタップされると、当該タイトルに対応付けられたコンテンツを前記ディスプレイ装置に表示させ、
タイトルがタップされたコンテンツが、所定の病気または所定の怪我に関する患者へのメッセージである場合、当該メッセージを前記ディスプレイ装置に表示させ、前記メッセージを表示済みであることを前記コンテンツ記憶部に記憶させ、
タイトルがタップされたコンテンツが、患者に対するアンケートである場合、当該アンケートを前記ディスプレイ装置に表示させ、前記アンケートを表示済みであることを前記コンテンツ記憶部に記憶させ、前記アンケートへの回答が入力され、送信指示の操作が行われた場合、前記アンケートの回答を前記コンテンツ記憶部に記憶させ、
前記送信指示の操作が行われた場合に、前記データ送信処理として、前記コンテンツ記憶部を参照して、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報、コンテンツ記憶部に記憶されているアンケートの回答、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信する処理を実行させる
ためのデータ収集支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の目的の検証実験に用いられるデータの収集を支援するデータ収集支援装置、データ収集支援方法およびデータ収集支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、介護施設のスタッフと介護施設の利用者の家族が参加するグループのチャットにおいて、各メッセージの既読者に関する情報を記憶することが記載されている。さらに、特許文献1には、メッセージの未読者に督促を行うことでチャットによる会議の進行を効率的に進めることが可能になるということが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、患者、患者の家族、医師、看護師、理学療法士等をメンバーとするチームでWEB会議等のテレコミュニケーション機能を実現するためのシステムが記載されている。そして、特許文献2には、WEB会議等でコミュニケーションを行う画面において、各入力に対し、既読者および未読者の人数を表示することが記載されている。さらに、特許文献2には、その人数がクリックされた場合、メンバー毎に、既読であれば読んだ日時を表示し、未読であれば未読と表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-207220号公報
【文献】特開2016-91226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者は、ある病気に罹患した患者がその病気に関するコンテンツを閲覧することで患者のその病気に関する検査結果が向上すると、予想した。
【0006】
しかし、ある病気に罹患した患者がその病気に関するコンテンツを閲覧することで患者のその病気に関する検査結果が向上するということは、予想であって、確定した事項ではない。
【0007】
そのため、ある病気に罹患した患者がその病気に関するコンテンツを閲覧することで患者のその病気に関する検査結果が向上するという予想が正しいか否かの検証実験に用いるデータを収集できることが好ましい。
【0008】
同様に、ある怪我をした患者がその怪我に関するコンテンツを閲覧することで患者のその怪我に関する検査結果が向上するという予想が正しいか否かの検証実験に用いるデータを収集できることが好ましい。
【0009】
そこで、本発明は、所定の病気に罹患した患者または所定の怪我をした患者がその病気または怪我に関するコンテンツを閲覧することで患者のその病気または怪我に関する検査結果が向上するという予想が正しいか否かの検証実験に用いるデータの収集を支援することができるデータ収集支援装置、データ収集支援方法およびデータ収集支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるデータ収集支援装置は、所定の病気または所定の怪我に関する個々のコンテンツであって、表示可能となる順序が定められている個々のコンテンツと、その個々のコンテンツのタイトルとの組を複数組記憶するコンテンツ記憶部と、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に出力し、所定の操作が行われた場合に、そのコンテンツをディスプレイ装置に表示させる出力制御部と、所定の条件が満たされたときに、表示可能となっている個々のコンテンツが表示済みであるか否かを示す情報、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信するデータ送信部とを備え、出力制御部が、新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的にディスプレイ装置に表示させ、表示させた通知がタップされると、表示可能となっているコンテンツのタイトルのリストを示すリスト画面をディスプレイ装置に表示させ、リスト画面に含まれるタイトルがタップされると、当該タイトルに対応付けられたコンテンツをディスプレイ装置に表示させ、タイトルがタップされたコンテンツが、所定の病気または所定の怪我に関する患者へのメッセージである場合、当該メッセージをディスプレイ装置に表示させ、メッセージを表示済みであることをコンテンツ記憶部に記憶させ、タイトルがタップされたコンテンツが、患者に対するアンケートである場合、当該アンケートをディスプレイ装置に表示させ、アンケートを表示済みであることをコンテンツ記憶部に記憶させ、アンケートへの回答が入力され、送信指示の操作が行われた場合、アンケートの回答をコンテンツ記憶部に記憶させ、データ送信部が、送信指示の操作が行われた場合に、コンテンツ記憶部を参照して、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報、コンテンツ記憶部に記憶されているアンケートの回答、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0011】
また、本発明によるデータ収集支援方法は、所定の病気または所定の怪我に関する個々のコンテンツであって、表示可能となる順序が定められている個々のコンテンツと、その個々のコンテンツのタイトルとの組を複数組記憶するコンテンツ記憶部を備えたコンピュータが、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に出力し、所定の操作が行われた場合に、そのコンテンツをディスプレイ装置に表示させ、所定の条件が満たされたときに、表示可能となっている個々のコンテンツが表示済みであるか否かを示す情報、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信し、コンピュータが、コンテンツをディスプレイ装置に表示させる際に、新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的にディスプレイ装置に表示させ、表示させた通知がタップされると、表示可能となっているコンテンツのタイトルのリストを示すリスト画面をディスプレイ装置に表示させ、リスト画面に含まれるタイトルがタップされると、当該タイトルに対応付けられたコンテンツをディスプレイ装置に表示させ、タイトルがタップされたコンテンツが、所定の病気または所定の怪我に関する患者へのメッセージである場合、当該メッセージをディスプレイ装置に表示させ、メッセージを表示済みであることをコンテンツ記憶部に記憶させ、タイトルがタップされたコンテンツが、患者に対するアンケートである場合、当該アンケートをディスプレイ装置に表示させ、アンケートを表示済みであることをコンテンツ記憶部に記憶させ、アンケートへの回答が入力され、送信指示の操作が行われた場合、アンケートの回答をコンテンツ記憶部に記憶させ、送信指示の操作が行われた場合に、コンテンツ記憶部を参照して、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報、コンテンツ記憶部に記憶されているアンケートの回答、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるデータ収集支援プログラムは、所定の病気または所定の怪我に関する個々のコンテンツであって、表示可能となる順序が定められている個々のコンテンツと、その個々のコンテンツのタイトルとの組を複数組記憶するコンテンツ記憶部を備えたコンピュータに搭載されるデータ収集支援プログラムであって、コンピュータに、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に出力し、所定の操作が行われた場合に、コンテンツをディスプレイ装置に表示させる出力制御処理、および、所定の条件が満たされたときに、表示可能となっている個々のコンテンツが表示済みであるか否かを示す情報、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信するデータ送信処理を実行させ、コンピュータに、出力制御処理で、新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的にディスプレイ装置に表示させ、表示させた通知がタップされると、表示可能となっているコンテンツのタイトルのリストを示すリスト画面をディスプレイ装置に表示させ、リスト画面に含まれるタイトルがタップされると、当該タイトルに対応付けられたコンテンツをディスプレイ装置に表示させ、タイトルがタップされたコンテンツが、所定の病気または所定の怪我に関する患者へのメッセージである場合、当該メッセージをディスプレイ装置に表示させ、メッセージを表示済みであることをコンテンツ記憶部に記憶させ、タイトルがタップされたコンテンツが、患者に対するアンケートである場合、当該アンケートをディスプレイ装置に表示させ、アンケートを表示済みであることをコンテンツ記憶部に記憶させ、アンケートへの回答が入力され、送信指示の操作が行われた場合、アンケートの回答をコンテンツ記憶部に記憶させ、送信指示の操作が行われた場合に、データ送信処理として、コンテンツ記憶部を参照して、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報、コンテンツ記憶部に記憶されているアンケートの回答、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、所定の病気に罹患した患者または所定の怪我をした患者がその病気または怪我に関するコンテンツを閲覧することで患者のその病気または怪我に関する検査結果が向上するという予想が正しいか否かの検証実験に用いるデータの収集を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明のデータ収集支援装置が実装されるコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【
図2】スマートフォンに実装された本発明のデータ収集支援装置の機能ブロック図である。
【
図3】新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知の表示例を示す模式図である。
【
図5】コンテンツがメッセージである場合のコンテンツの表示画面の例を示す説明図である。
【
図6】コンテンツがアンケートである場合のコンテンツの表示画面の例を示す説明図である。
【
図7】初期設定時の処理経過の例を示すフローチャートである。
【
図9】ステップS4で表示されるリスト画面の例を示す説明図である。
【
図10】ステップS5で表示されるメッセージの例を示す説明図である。
【
図11】新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知の表示に伴う処理経過の一例を示すフローチャートである。
【
図12】新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知の表示に伴う処理経過の一例を示すフローチャートである。
【
図13】運用停止の確認画面の例を示す説明図である。
【
図14】本発明のデータ収集支援装置の概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
本発明は、種々の病気または怪我に適用可能であるが、以下に示す実施形態では、本発明を心不全に適用した場合を例にして説明する。より具体的には、心不全の患者がコンテンツを閲覧することで患者の心不全に関する検査結果が向上するという予想が正しいか否かの検証実験に用いるデータの収集を、本発明によって支援する場合を例にして説明する。
【0017】
図1は、本発明のデータ収集支援装置が実装されるコンピュータの構成例を示すブロック図である。本発明のデータ収集支援装置が実装されるコンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit )101と、主記憶装置102と、補助記憶装置103と、通信インタフェース104と、ディスプレイ装置105と、入力装置106とを備える。
【0018】
以下、コンピュータ100が、スマートフォンである場合を例にして説明し、コンピュータ100をスマートフォン100と記す。ただし、本発明のデータ収集支援装置が実装されるコンピュータは、スマートフォン以外のコンピュータであってもよい。
【0019】
通信インタフェース104は、CPU101が、通信ネットワークを介して、外部の装置と通信を行う際に用いるインタフェースである。
【0020】
ディスプレイ装置105は、CPU101の制御に従って、種々の画像を表示する。
【0021】
入力装置106は、スマートフォン100のユーザがスマートフォン100に情報を入力するためのデバイスである。以下、入力装置106がタッチパネルである場合を例にして説明し、入力装置106を、タッチパネル106と記す。タッチパネル106は、ディスプレイ装置105の表示面に重ねて配置される。
【0022】
また、本実施形態では、スマートフォン100のユーザが心不全の患者である場合を例にして説明し、スマートフォン100のユーザを、単に、患者と記す。
【0023】
CPU101は、所定の操作が行われると、例えば、外部の所定のサーバから、通信インタフェース104を介してデータ収集支援プログラムをダウンロードし、補助記憶装置103に記憶させる。さらに、CPU101は、そのデータ収集支援プログラムを主記憶装置102に展開し、スマートフォン100は、そのデータ収集支援プログラムに従って、データ収集支援装置として動作する。
【0024】
なお、データ収集支援プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory )、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory )、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。そして、所定のインタフェース(図示略)を介してその記録媒体がスマートフォン100に接続されたときに、CPU101が、そのデータ収集支援プログラムを補助記憶装置103に記憶させ、さらに主記憶装置102に展開し、スマートフォン100が、そのデータ収集支援プログラムに従って、データ収集支援装置として動作してもよい。
【0025】
CPU101は、データ収集支援プログラムに従って動作可能になった後、初期設定が行われると、心不全に関するコンテンツが新たに1件表示可能になったことを示す通知を定期的にディスプレイ装置105に表示させる。本実施形態では、心不全に関するコンテンツが新たに1件表示可能になったことを示す通知を、1日毎に、ディスプレイ装置105に表示させる場合を例にして説明する。なお、初期設定の処理経過については、後述する。
【0026】
CPU101は、上記の通知の表示後、患者の操作に応じて、表示可能となっているコンテンツのタイトルのリスト画面をディスプレイ装置105に表示させ、そのリスト画面内で指定されたタイトルに対応するコンテンツをディスプレイ装置105に表示させる。
【0027】
コンテンツは所定日数分(本実施形態では180日分とする。)存在し、その複数のコンテンツには、病気(本実施形態では心不全)に関するメッセージと、患者へのアンケートとが含まれている。この複数のコンテンツは、データ収集支援プログラムのダウンロード時に、データ収集支援プログラムとともにダウンロードされ、補助記憶装置103に記憶される。メッセージは、病気(本実施形態では心不全)の治癒に役立つ教育的なメッセージであり、医師によって予め作成されている。
【0028】
また、CPU101は、患者の操作に応じて、閲覧情報およびアンケートの回答結果等を、予め定められた情報処理装置に電子メールで送信する。閲覧情報とは、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報である。なお、予め定められた情報処理装置とは、予め定められた病院によって管理される所定の情報処理装置である。以下、この病院を「所定の病院」と記す。
【0029】
図2は、スマートフォン100に実装された本発明のデータ収集支援装置の機能ブロック図である。データ収集支援装置1は、コンテンツ記憶部2と、出力制御部3と、データ送信部4と、設定部5と、ディスプレイ装置105と、タッチパネル106とを備える。ディスプレイ装置105およびタッチパネル106は、
図1に示すディスプレイ装置105およびタッチパネル106に該当する。
【0030】
コンテンツ記憶部2は、補助記憶装置103(
図1参照)によって実現される。
【0031】
コンテンツ記憶部2は、所定日数分(本実施形態では180日分とする。)のコンテンツを記憶する記憶装置である。この180日分のコンテンツには、心不全に関する患者へのメッセージと、患者へのアンケートとが含まれている。すなわち、メッセージもアンケートもコンテンツに該当する。コンテンツ毎に、コンテンツのID(Identification)と、コンテンツと、コンテンツのタイトルとが対応付けられている。そして、対応付けられたIDとコンテンツとタイトルとの組が、180日分、コンテンツ記憶部2に記憶されている。なお、「180日分」は例示であり、コンテンツ記憶部2に何日分のコンテンツを記憶させるかは、特に限定されない。
【0032】
後述するように、出力制御部3は、定期的に、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知をディスプレイ装置105に表示させる。本実施形態では、出力制御部3は、心不全に関するコンテンツが新たに1件表示可能になったことを示す通知を、1日毎に、ディスプレイ装置105に表示させる場合を例にして説明する。
【0033】
個々のコンテンツが表示可能になる順番は、予め定められている。例えば、あるコンテンツが何番目に表示可能になるかは、そのコンテンツのIDから判定可能であってもよい。そして、出力制御部3は、個々のコンテンツのIDを参照して、個々のコンテンツが表示可能になる順番を判定してもよい。
【0034】
また、所定日数毎に、コンテンツとして、アンケートが表示可能になる。本実施形態では、初期設定完了後、30日目、60日目、90日目、120日目、150日目、180日目にアンケートが表示可能になったことを示す通知が表示されるものとする。
【0035】
また、コンテンツ記憶部2は、患者のメッセージの閲覧状況やアンケートへの回答に応じて、閲覧情報およびアンケートの回答結果を記憶する。既に説明したように、閲覧情報とは、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報である。
【0036】
また、コンテンツ記憶部2は、予め定められた情報処理装置(所定の病院の情報処理装置)に、閲覧情報やアンケートの回答等を電子メールで送信する際に用いる、宛先メールアドレスを記憶する。なお、後述のデータ送信部4が電子メールで閲覧情報等を送信する際に用いる送信元メールアドレスは、宛先メールアドレスと同一のメールアドレスである。
【0037】
各コンテンツ(具体的には、IDとコンテンツとタイトルとを対応付けた各組)、および、上記の宛先メールアドレスは、データ収集支援プログラムのダウンロード時に、データ収集支援プログラムとともにダウンロードされ、コンテンツ記憶部2(換言すれば、補助記憶装置103)に記憶される。
【0038】
また、コンテンツ記憶部2は、初期設定時に設定される患者のニックネームおよびあいことばも記憶する。さらに、コンテンツ記憶部2は、初期設定が行われた日を、データ収集支援装置1の運用開始日として記憶する。
【0039】
ただし、データ収集支援装置1を使用する患者がニックネームおよびあいことばを使用することはない。ニックネームおよびあいことばは、所定の病院に勤務する担当者(例えば、医師や看護師等。以下、所定の病院の担当者と記す。)が、患者と、その患者の氏名等の個人情報とを対応付けるために用いられる。
【0040】
出力制御部3は、データ収集支援プログラムに従って動作するCPU101(
図1参照)によって実現される。
【0041】
出力制御部3は、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的にディスプレイ装置105に表示させる。本実施形態では、出力制御部3は、その通知を、1日毎にディスプレイ装置105に表示させる。より具体的には、初期設定が行われた後、出力制御部3は、1日における所定の時刻になる毎に、1件分のコンテンツが新たに表示可能になったことを示す通知をディスプレイ装置105に表示させる。
【0042】
図3は、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知の表示例を示す模式図である。なお、
図3では、ディスプレイ装置105と同一の面に設けられているスマートフォンのスイッチ、スピーカ、マイクロフォン等の図示を省略している。この点は、後述の図面でも同様である。
【0043】
図3に示す例では、ディスプレイ装置105に表示された通知11は、「食べて動いて病気を理解しましょう。」というタイトルの1件のコンテンツが新たに表示可能になったことを示している。なお、
図3に示す例において、通知11の他に、現在の日付や時刻を示す情報が通知11とは別に表示されていてもよい。
【0044】
出力制御部3は、例えば、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知11を、1日のうち12時から13時までの時間帯に、ディスプレイ装置105に表示させることが好ましい。12時から13時までの時間帯は、昼休みであることが多く、通知11を確認した患者が、すぐにコンテンツを閲覧しやすい時間帯であるからである。
【0045】
特に、出力制御部3は、1日のうち12時から13時までの時間帯であって、12時および13時以外の所定の時刻に、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知11をディスプレイ装置105に表示させることが好ましい。12時ちょうどまたは13時ちょうどの時刻には、種々のメールマガジン等が配信されることが多く、患者がそのようなメールマガジンの読者である場合には、メールマガジンが配信された旨の通知と、通知11とが重なってしまう。その結果、患者は、メールマガジンに興味をひかれ、心不全のコンテンツを閲覧しないことがあり得る。従って、出力制御部3は、12時から13時までの時間帯であって、12時および13時以外の所定の時刻(例えば、12時5分)に通知11をディスプレイ装置105に表示させることが好ましい。
【0046】
出力制御部3が通知11を表示させている間に、患者によって何も操作されないまま、データ収集支援装置1がバッテリー切れの状態になる場合がある。このとき、出力制御部3は、充電完了後、再度、通知11をディスプレイ装置105に表示させることが好ましい。このため、出力制御部3は、通知11を表示させたときに、表示中の通知11をコンテンツ記憶部2に記憶させることが好ましい。出力制御部3は、バッテリー切れとなり、その後、充電されたならば、表示中であった通知11をコンテンツ記憶部2から読み込み、その通知11を再度、ディスプレイ装置105に表示させればよい。
【0047】
既に説明したように、ディスプレイ装置105の表示面には、タッチパネル106が重ねて配置されている。表示された通知11が患者によってタップされたことを検出すると、出力制御部3は、表示可能となっているコンテンツのタイトルのリストを示すリスト画面をディスプレイ装置105に表示させる。
【0048】
図4は、リスト画面の例を示す説明図である。
図4に示す例では、ディスプレイ装置105の表示領域全体に、リスト画面12が表示される場合を例示している。
【0049】
リスト画面12は、そのリスト画面12のタイトル12aと、表示可能となっているコンテンツのタイトルのリスト12bと、運用停止ボタン31とを含む。
図4に示す例では、「心肺の健康アドバイス」という文言がリスト画面12のタイトル12aに該当する。運用停止ボタン31については後述する。
【0050】
出力制御部3は、タイトルのリスト12bにおいて、コンテンツのタイトルを、コンテンツが表示可能になった順に並べて表示する。出力制御部3は、表示可能になった日付が早いコンテンツのタイトルほど、リスト12bの下方に表示する。また、出力制御部3は、表示可能になった日付が現在の日付に近いコンテンツのタイトルほど、リスト12bの上方に表示する。
図3および
図4に示す例では、「食べて動いて病気を理解しましょう。」というタイトルを有するコンテンツが、表示可能になった最新のコンテンツであるので、「食べて動いて病気を理解しましょう。」というタイトルが、
図4に示すリスト12bの最上部に表示されている。
【0051】
また、表示可能なコンテンツは、1日に1件ずつ増加していくことになる。例えば、出力制御部3が、毎日、12時5分に通知11(
図3参照)を表示させるとすると、毎日12時5分になる毎に、表示可能なコンテンツが1件増加することになる。従って、
図4に示すリスト12bに含まれるタイトルも、1日に1件ずつ増加していくことになる。
【0052】
リスト12bに含まれる全てのタイトルをディスプレイ装置105の表示領域内に表示できない場合、出力制御部3は、タッチパネル106に対する患者の操作に応じて、タイトルのリスト12bをスクロールさせる。この結果、出力制御部3は、表示可能になった日付が早いコンテンツのタイトルを表示させたり、表示可能になった日付が現在の日付に近いコンテンツのタイトルを表示させたりすることができる。
【0053】
また、出力制御部3は、タイトルのリスト12bにおいて、表示済みのコンテンツのタイトルと、未表示のコンテンツのタイトルとを、文字の濃淡で区別する。例えば、出力制御部3は、タイトルのリスト12bにおいて、表示済みのコンテンツのタイトルを、淡い文字で表示し、未表示のコンテンツのタイトルを濃い文字で表示する。
図4に示す例では、「食べて動いて病気を理解しましょう。」というタイトルのコンテンツ、および、「自己管理(食事、運動等)+学習+内服。」というタイトルのコンテンツが未表示であることを示している。
【0054】
ここで、コンテンツのタイトルについて、説明する。
【0055】
全てのコンテンツのうち、少なくとも一部のコンテンツのタイトルは、病気(本実施形態では心不全)に関連する文言を含む。ただし、全てのコンテンツのタイトルが、病気(心不全)に関連する文言を含んでいなくてもよい。例えば、コンテンツがアンケートである場合、そのコンテンツのタイトルは、「アンケート」であってもよい。心不全に関連する文言の例として、「心不全」、「心肺検査」、「食べる」、「食事」、「動く」、「運動」、「スポーツ」、「寝る」、「睡眠」、「塩分」等が挙げられる。ただし、心不全に関連する文言は、これらの例に限定されない。心不全に関連する文言がタイトルに含まれていれば、患者は、そのコンテンツに興味をもち、そのコンテンツを閲覧する可能性が高いと考えられる。
【0056】
また、全てのコンテンツのうち、少なくとも一部のコンテンツのタイトルは、所定の文字数以下または所定の単語数以下のタイトル。日本語を用いる場合には、少なくとも一部のコンテンツのタイトルが20文字以下であることが好ましい。以下、日本語を用いる場合を例にして説明する。タイトルが20文字を超えるコンテンツが存在していてもよい。しかし、
図4に例示する画面において、20文字以上のタイトルが表示されていた場合、タイトルが長すぎて、患者がそのコンテンツに興味を持たず、その結果、患者がそのコンテンツを閲覧しないと考えられる。換言すると、20文字以下の簡潔なタイトルであれば、患者はそのコンテンツに興味をもち、そのコンテンツを閲覧する可能性が高いと考えられる。
【0057】
従って、少なくとも一部のコンテンツのタイトルは、心不全に関連する文言を含み、20文字以下であることが好ましく、そのようなタイトルを有するコンテンツが多いほど好ましい。
【0058】
タイトルのリスト12bに含まれるいずれかのタイトルがタップされると、出力制御部3は、そのタイトルに対応するコンテンツを、コンテンツ記憶部2から読み出して、そのコンテンツをディスプレイ装置105に表示させる。
【0059】
図5は、コンテンツがメッセージである場合のコンテンツの表示画面の例を示す説明図である。コンテンツがメッセージである場合、出力制御部3は、バックボタン(戻るボタン)13と、コンテンツのタイトル14と、メッセージ15とを含む画面を、ディスプレイ装置105に表示させる。
【0060】
タイトル14は、タイトルのリスト12b(
図4参照)でタップされたタイトルである。メッセージ15は、そのタイトルに対応するメッセージである。出力制御部3は、メッセージを1画面内に表示できない場合には、タッチパネル106に対する患者の操作に応じて、コンテンツ(本例ではメッセージ)の表示画面をスクロールすればよい。
【0061】
出力制御部3は、
図5に例示するコンテンツ(メッセージ)の表示画面をディスプレイ装置105に表示させた場合、そのコンテンツ(メッセージ)のIDに対応付けて、そのメッセージを表示済みである旨の情報を、コンテンツ記憶部2に記憶させる。また、このとき、出力制御部3は、そのメッセージの表示日時も、そのIDに対応付けて、コンテンツ記憶部2に記憶させる。
【0062】
バックボタン13は、1つ前の画面に戻す操作を行うためのボタンである。患者によってバックボタン13がタップされた場合、出力制御部3は、再度、リスト画面(
図4参照)をディスプレイ装置105に表示させる。
【0063】
また、コンテンツがメッセージではなく、アンケートである場合もある。本実施形態では、30日目、60日目、90日目、120日目、150日目、180日目に表示可能となるアンケートのタイトルが、「アンケート」で統一されているものとして説明する。
【0064】
タイトルのリスト12bに含まれるタイトルのうち、「アンケート」というタイトル(
図4において図示せず。)がタップされると、出力制御部3は、そのタイトルに対応するコンテンツ(アンケート)を、コンテンツ記憶部2から読み出して、そのアンケートをディスプレイ装置105に表示させる。本実施形態では、30日目、60日目、90日目、120日目、150日目に表示可能となるアンケートが共通である場合を例にして説明する。ただし、その各アンケートは、それぞれ別々のIDに対応付けられている。また、180日目(最終日)に表示可能となるアンケートは他のアンケートに1つの質問を追加したものであるものとする。その1つの質問は、例えば、「このアプリケーションに対する印象を教えて下さい。」という質問であり、回答となる選択肢として、「大変良かった」、「良かった」、「あまり良くなかった」、「良くなかった」という選択肢が用意された質問である。180日目に表示可能となるアンケートも、他の個々のアンケートとは別のIDに対応付けられている。
【0065】
図6は、コンテンツがアンケートである場合のコンテンツの表示画面の例を示す説明図である。コンテンツがアンケートである場合、バックボタン13と、コンテンツ(アンケート)のタイトル14と、アンケートと、送信ボタン17とを含む画面を、ディスプレイ装置105に表示させる。個々のアンケートは、質問16aと、回答となる選択肢16bとを含む。選択肢16bは、例えば、ラジオボタンを操作して選択される。出力制御部3は、全てのアンケートを1画面内に表示できない場合には、タッチパネル106に対する患者の操作に応じて、アンケートの表示画面をスクロールすればよい。
【0066】
出力制御部3は、
図6に例示するコンテンツ(アンケート)の表示画面をディスプレイ装置105に表示させた場合、そのコンテンツ(アンケート)のIDに対応付けて、そのアンケートを表示済みである旨の情報を、コンテンツ記憶部2に記憶させる。また、このとき、出力制御部3は、そのアンケートの表示日時も、そのIDに対応付けて、コンテンツ記憶部2に記憶させる。
【0067】
バックボタン13は、
図5に示すバックボタン13と同様であり、説明を省略する。
【0068】
送信ボタン17は、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報(すなわち、閲覧情報)等を所定の病院の情報処理装置に送信するためのボタンである。
【0069】
各アンケートへの回答が患者によって入力され、さらに、送信ボタン17がタップされると、出力制御部3は、入力された各アンケートの回答を、コンテンツ記憶部2に記憶させる。
【0070】
次に、データ送信部4は、この時点までにコンテンツ記憶部2に記憶されている所定の情報を、所定の病院の情報処理装置に電子メールで送信する。なお、データ送信部4は、データ収集支援プログラムに従って動作するCPU101および通信インタフェース104(
図1参照)によって実現される。データ送信部4は、運用開始日の情報と、送信ボタン17がタップされた時点までに表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報(すなわち、閲覧情報)と、表示済みのコンテンツ(表示済みの各メッセージおよび各アンケート)の表示日時の情報と、コンテンツ記憶部2に記憶されているアンケートの回答と、初期設定時にコンテンツ記憶部2に記憶されたニックネームおよびあいことばとを、所定の病院の情報処理装置に電子メールで送信する。
【0071】
このとき、データ送信部4は、過去にアンケートの回答がコンテンツ記憶部2に記憶されている場合、そのアンケートの回答も全て、所定の病院の情報処理装置に送信する。例えば、出力制御部3が150日目に表示可能となったアンケートを表示し、そのアンケートに対する回答が入力され、送信ボタン17がタップされたとする。このとき、30日目、60日目、90日目、120日目に表示可能となったアンケートの回答が患者よって既に入力され、その回答がコンテンツ記憶部2に記憶されているとする。この場合、データ送信部4は、150日目に表示可能となったアンケートの回答だけを送信するのではなく、30日目、60日目、90日目、120日目および150日目に表示可能となったアンケートの回答を全て送信する。
【0072】
ニックネームおよびあいことばは、所定の病院の担当者が、データ収集支援装置1の使用者である患者を特定するための情報である。
【0073】
データ送信部4は、フラグ情報も上記の各情報と合わせて所定の病院の情報処理装置に送信してもよい。フラグ情報は、未表示のコンテンツがあるか否かを示す情報であり、2値(例えば“0”および“1”)のいずれかで表される。例えば、未表示のコンテンツがある場合、フラグ情報は“1”で表され、未表示のコンテンツがない場合、フラグ情報は“0”で表される。
【0074】
また、180日目に表示可能となるコンテンツがメッセージ(最終メッセージ)である場合には、出力制御部3がそのメッセージを表示したことをトリガとして、データ送信部4は、運用開始日の情報と、その時点までに表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報(すなわち、閲覧情報)と、表示済みのコンテンツ(表示済みの各メッセージおよび各アンケート)の表示日時の情報と、コンテンツ記憶部2に記憶されているアンケートの回答と、初期設定時にコンテンツ記憶部2に記憶されたニックネームおよびあいことばとを、所定の病院の情報処理装置に電子メールで送信する。
【0075】
また、180日目(最終日)に、最終メッセージと、最後のアンケートとをそれぞれ表示可能としてもよい。この場合、データ送信部4は、最終メッセージが表示されたことをトリガとして、その時点における上記の各情報を、所定の病院の情報処理装置に電子メールで送信する。また、最後のアンケートが表示され、回答が入力され、さらに送信ボタン17がタップされた場合にも、データ送信部4は、その時点における上記の各情報を、所定の病院の情報処理装置に電子メールで送信する。
【0076】
データ送信部4は、情報を電子メールで所定の病院の情報処理装置に送信する。このとき用いる宛先メールアドレスは、コンテンツ記憶部2に記憶されている。また、データ送信部4は、送信する電子メールにおける送信元メールアドレスとして、宛先メールアドレスと同一のメールアドレスを用いる。
【0077】
設定部5は、データ収集支援プログラムに従って動作するCPU101(
図1参照)によって実現される。
【0078】
出力制御部3は、ニックネームおよびあいことばの入力画面(換言すれば、初期設定画面)をディスプレイ装置105に表示させる。そして、ニックネームおよびあいことばが入力された場合、設定部5は、そのニックネームおよびあいことばを、コンテンツ記憶部2に記憶させる。また、設定部5は、ニックネームおよびあいことばが入力された日の日付を、データ収集支援装置1の運用開始日としてコンテンツ記憶部2に記憶させる。
【0079】
また、
図4に示す運用停止ボタン31は、新たな通知11(
図3参照)の表示を停止させるためのボタンである。運用停止ボタン31がタップされ、所定の操作が行われた後には、設定部5は、出力制御部3が所定の時刻になると通知11(
図3参照)を表示するという動作を、停止させる。
【0080】
また、運用停止ボタン31がタップされ、所定の操作が行われた場合、データ送信部4は、その操作が行われた時点までにコンテンツ記憶部2に記憶されている所定の情報を、所定の病院の情報処理装置に電子メールで送信する。その後、データ送信部4は、情報の送信を停止する。
【0081】
次に、本発明の処理経過の例について説明する。
【0082】
まず、初期設定時の処理経過の例について説明する。
図7は、初期設定時の処理経過の例を示すフローチャートである。データ収集支援プログラムのダウンロード後、初期設定画面を表示させるための所定の操作が行われると、出力制御部3は、初期設定画面をディスプレイ装置105に表示させる(ステップS1)。
【0083】
なお、データ収集支援プログラムをダウンロードする操作、および、初期設定画面を表示させる操作は、患者ではなく、所定の病院の担当者が行う。同様に、ニックネームおよびあいことばを決定し、入力する操作も、所定の病院の担当者が行う。
【0084】
初期設定画面は、患者のニックネームおよびあいことばの入力画面である。
図8は、初期設定画面の例を示す説明図である。初期設定画面は、ニックネームの入力欄41と、あいことばの入力欄42と、OKボタン43とを含んでいる。OKボタン43は、入力欄41,42に入力されたニックネームおよびあいことばを確定させるためのボタンである。
【0085】
所定の病院の担当者は、患者に対して一意にニックネームおよびあいことばを決定し、決定したニックネームを入力欄41に入力し、決定したあいことばを入力欄42に入力する。入力欄41にニックネームが入力され、入力欄42にあいことばが入力された後、所定の病院の担当者によってOKボタン43がタップされると、設定部5は、入力されたニックネームおよびあいことばを、コンテンツ記憶部2に記憶させる(ステップS2)。また、このとき、設定部5は、その日の日付を、データ収集支援装置1の運用開始日として、コンテンツ記憶部2に記憶させる(ステップS2)。
【0086】
なお、所定の病院の担当者は、患者に対して一意に決定したニックネームおよびあいことばと、その患者の氏名等の個人情報とを対応付けて、記録しておく。記録の方法は、特に限定されない。このように、ニックネームおよびあいことばと、患者の氏名等の個人情報とを対応付けて記録しておくことによって、所定の病院の担当者は、ニックネームおよびあいことばとともに情報を受信した場合、その情報がどの患者の情報であるのかを特定することができる。ニックネームおよびあいことばは、このように、所定の病院の担当者によって用いられる。
【0087】
また、ステップS2においてOKボタン43がタップされると、データ送信部4は、ニックネームおよびあいことばを含む電子メールであって、スマートフォンにおいてデータ収集支援装置1としての運用が開始されたことを示す電子メールを、所定の病院の情報処理装置に送信する(ステップS3)。データ送信部4は、この電子メールの送信元メールアドレスとして、宛先メールアドレスと同一のメールアドレスを用いればよい。所定の病院の情報処理装置は、この電子メールを受信することで、ニックネームによって特定される患者のデータ収集支援装置1の運用が始まったことを認識することができる。
【0088】
次に、出力制御部3は、タイトルのリスト12bに「はじめに」という1つのタイトルを含むリスト画面12をディスプレイ装置105に表示させる(ステップS4)。
図9は、ステップS4で表示されるリスト画面12の例を示す説明図である。リスト画面12のタイトル12aや運用停止ボタン31は、
図4に示すタイトル12aや運用停止ボタン31と同様である。ステップS4で表示されるリスト画面12は、タイトルのリスト12bに1つのタイトルのみを含んでいる。
【0089】
ステップS4で、1つのタイトルを示すリスト画面12を表示する理由について説明する。既に説明したように、所定の時刻(ここでは、12時5分とする。)になると、出力制御部3は、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知11をディスプレイ装置105に表示させる。仮に、ステップS4で、
図9に例示するリスト画面を表示しないとすると、ニックネーム等の入力が完了し、運用が開始された後であったとしても、次回の12時5分までの間は、患者が閲覧できるコンテンツが1つもない状態になる。運用が開始された後であるにも関わらず、閲覧できるコンテンツが1つもないとすると、患者は運用が開始されていることを明確に認識できずに戸惑う可能性がある。そこで、初回の通知11が表示される前に、データ収集支援装置1は、ステップS4で、1つのタイトルを示すリスト画面12(
図9参照)を表示する。この結果、患者は、閲覧できるコンテンツが存在していることを認識して、運用が開始されていることを明確に把握することができる。
【0090】
図9に例示するリスト画面12内で「はじめに」というタイトルがタップされると、出力制御部3は、「はじめに」というタイトルに対応するメッセージを、ディスプレイ装置105に表示させる(ステップS5)。
図10は、ステップS5で表示されるメッセージ(「はじめに」というタイトルを有するメッセージ)の例を示す説明図である。
【0091】
図9に例示するリスト画面12内で「はじめに」というタイトルをタップすることで、患者は、
図10に示すように、「はじめに」というタイトル14と、そのタイトルに対応するメッセージ15を含む画面を閲覧することができる。なお、バックボタン13は、
図5に示すバックボタン13と同様である。
【0092】
図9に示す例では、リスト画面12内に表示される1つのタイトルが「はじめに」である場合を例示したが、このタイトルは、「はじめに」以外のタイトルであってもよい。また、このタイトルがタップされたときに表示されるメッセージは、
図10に示すメッセージ15に限定されず、他のメッセージがステップS5で表示されてもよい。
【0093】
次に、通知11(新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知)の表示に伴う処理経過の例について説明する。
図11および
図12は、この処理経過の一例を示すフローチャートである。以下に示す例では、出力制御部3が、毎日、12時5分になると、通知11をディスプレイ装置105に表示させる場合を例にして説明する。また、既に説明した事項については、詳細な説明を省略する。
【0094】
出力制御部3は、現在時刻が所定の時刻(本例では、12時5分)になったか否かを判定する(ステップS11)。現在時刻が12時5分でないならば(ステップS11のNo)、出力制御部3は、ステップS11の処理を繰り返す。
【0095】
現在時刻が12時5分になったならば(ステップS11のYes)、出力制御部3は、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知11をディスプレイ装置105に表示させる(ステップS12)。例えば、出力制御部3は、
図3に例示するように、通知11をディスプレイ装置105に表示させる。
【0096】
続いて、出力制御部3は、表示中の通知11がタップされたか否かを判定する(ステップS13)。通知11がタップされなければ(ステップS13のNo)、出力制御部3は、通知11を表示させたまま、ステップS13の処理を繰り返す。
【0097】
表示中の通知11がタップされたならば(ステップS13のYes)、出力制御部3は、リスト画面12をディスプレイ装置105に表示させる(ステップS14)。例えば、出力制御部3は、
図4に例示するように、リスト画面12をディスプレイ装置105に表示させる。出力制御部3は、ステップS12で表示した通知11が示すタイトルを、リスト画面12において、タイトルのリスト12b(
図4参照)の最上部に表示する。
【0098】
出力制御部3は、リスト画面の表示中に、リスト画面の終了操作が行われたか否かを判定する(ステップS15)。リスト画面の終了操作が行われたならば(ステップS15のYes)、処理を終了する。
【0099】
また、リスト画面の終了操作が行われない場合(ステップS15のNo)、出力制御部3は、リスト画面12内のタイトルのリスト12b(
図4参照)の中から1つのタイトルがタップされたか否かを判定する(ステップS16)。どのタイトルもタップされない場合(ステップS16のNo)、出力制御部3は、ステップS15以降の処理を繰り返す。
【0100】
リスト12b(
図4参照)の中から1つのタイトルがタップされた場合(ステップS16のYes)、出力制御部3は、そのタイトルに対応するコンテンツをディスプレイ装置105に表示させる。なお、ステップS16で、過去に表示可能となったコンテンツのタイトルがタップされてもよいが、ここでは、表示可能となった最新のコンテンツのタイトル(すなわち、タイトルのリスト12b(
図4参照)の最上部のタイトル)がタップされるものとする。
【0101】
1つのタイトルがタップされた場合における、それ以降の動作を
図12に示している。
【0102】
タップされたタイトルに対応するコンテンツがメッセージである場合、出力制御部3は、タップされたタイトルに対応するメッセージをディスプレイ装置105に表示させる(ステップS17)。例えば、出力制御部3は、
図5に例示するメッセージの表示画面をディスプレイ装置105に表示させる。
【0103】
さらに、出力制御部3は、そのメッセージのIDに対応付けて、そのメッセージを表示済みである旨の情報をコンテンツ記憶部2に記憶させる(ステップS18)。ステップS18において、出力制御部3は、そのメッセージの表示日時もそのIDに対応付けてコンテンツ記憶部2に記憶させる。
【0104】
また、出力制御部3は、メッセージの表示画面内のバックボタン13(
図5参照)がタップされたことを検知すると(ステップS19)、ステップS14に移行し、ステップS14以降の処理を繰り返す。なお、ステップS14はリスト画面をディスプレイ装置105に表示させる処理である。なお、バックボタン13がタップされなければ、出力制御部3は、メッセージの表示画面の表示を継続する。
【0105】
タップされたタイトルに対応するコンテンツがアンケートである場合、出力制御部3は、タップされたタイトルに対応するアンケートをディスプレイ装置105に表示させる(ステップS20)。例えば、出力制御部3は、
図6に例示するアンケートの表示画面をディスプレイ装置105に表示させる。
【0106】
さらに、出力制御部3は、そのアンケートのIDに対応付けて、そのアンケートを表示済みである旨の情報をコンテンツ記憶部2に記憶させる(ステップS21)。ステップS21において、出力制御部3は、そのアンケートの表示日時もそのIDに対応付けてコンテンツ記憶部2に記憶させる。
【0107】
次に、出力制御部3は、アンケートの表示画面に各アンケートの回答が入力され、さらに、送信ボタン17(
図6参照)がタップされたか否かを判定する(ステップS22)。回答が入力されず、送信ボタン17がタップされなければ(ステップS22のNo)、出力制御部3は、ステップS22の処理を繰り返す。なお、
図11および
図12のフローチャートでは図示を省略しているが、回答が入力されず、送信ボタン17がタップされない状態で、バックボタン13(
図6参照)がタップされた場合には、出力制御部3は、ステップS14に移行し、ステップS14以降の処理を繰り返す。
【0108】
回答が入力され、送信ボタン17がタップされた場合(ステップS22のYes)、出力制御部3は、入力された回答をアンケートのIDに対応付けて、コンテンツ記憶部2に記憶させる(ステップS23)。
【0109】
次に、データ送信部4は、運用開始日の情報と、送信ボタン17がタップされた時点までに表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報(すなわち、閲覧情報)と、表示済みのコンテンツ(表示済みの各メッセージおよび各アンケート)の表示日時の情報と、コンテンツ記憶部2に記憶されているアンケートの回答と、ニックネームおよびあいことばを、コンテンツ記憶部2から読み込む。そして、データ送信部4は、コンテンツ記憶部2から読み込んだそれらの情報を、所定の病院の情報処理装置に電子メールで送信する(ステップS24)。なお、データ送信部4は、この電子メールの送信元メールアドレスとして、宛先メールアドレスと同一のメールアドレスを用いればよい。
【0110】
データ収集支援装置1は、ステップS24の後、ステップS14に移行し、ステップS14以降の処理を繰り返す。
【0111】
以上が、通知11(
図3参照)の表示に伴う処理経過の一例である。ただし、上記の説明は例示であり、通知11(
図3参照)の表示に伴う処理経過が上記の通りでなくてもよい。
【0112】
また、患者が、コンテンツの閲覧を止めたいと考える場合があり得る。この場合、患者は、リスト画面12に含まれている運用停止ボタン31(
図4参照)をタップすればよい。運用停止ボタン31がタップされると、出力制御部3は、運用停止の確認画面をディスプレイ装置105に表示させる。
【0113】
図13は、運用停止の確認画面の例を示す説明図である。運用停止の確認画面は、データ収集装置1の運用停止を確定させるための確定ボタン51を含む。また、
図13に示す例では、「よろしければ止める理由を教えて下さい。」というアンケートを含む画面を例示している。
【0114】
運用停止の確認画面に含まれる確定ボタン51がタップされると、データ送信部4は、運用開始日の情報と、確定ボタン51がタップされた時点までに表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報(すなわち、閲覧情報)と、表示済みのコンテンツ(表示済みの各メッセージおよび各アンケート)の表示日時の情報と、コンテンツ記憶部2に記憶されているアンケートの回答と、ニックネームおよびあいことばを、コンテンツ記憶部2から読み込む。そして、データ送信部4は、コンテンツ記憶部2から読み込んだそれらの情報を、所定の病院の情報処理装置に電子メールで送信する。この処理は、ステップS24の処理と同様である。なお、運用停止の確認画面内に示されているアンケートの回答が入力された場合には、データ送信部4は、その回答もその電子メールによって送信する。その後、データ送信部4が所定の病院の情報処理装置に情報を送信することはない。
【0115】
確定ボタン51がタップされた後には、設定部5は、出力制御部3が所定の時刻になると通知11(
図3参照)を表示するという動作を、停止させる。従って、確定ボタン51がタップされた後には、新たな通知11が表示されることはない。
【0116】
本実施形態によれば、例えば、ステップS24で、データ送信部4が、運用開始日の情報と、閲覧情報と、表示済みのコンテンツ(表示済みの各メッセージおよび各アンケート)の表示日時の情報と、コンテンツ記憶部2に記憶されているアンケートの回答と、ニックネームおよびあいことばを、所定の病院の情報処理装置に電子メールで送信する。所定の病院の情報処理装置は、複数のデータ収集支援装置1から(換言すれば、複数の患者から)、同様の情報を受信する。また、所定の病院の担当者は、ニックネームおよびあいことばをキーにして、患者の氏名等を特定することができる。
【0117】
このように、所定の病院の担当者は、複数の患者から180日分のデータを収集したり、運用を途中でやめた患者からその時点までに蓄積されたデータを収集したりすることができる。また、所定の病院の医師は、データ収集支援装置1を使用していた患者に、例えば、BNP(Brain Natriuretic peptide )検査を行うことができる。従って、所定の病院の医師は、例えば、複数の患者から収集した閲覧情報等の各種情報と、BNP検査結果との相関関係分析を実施できる。そして、その相関関係分析から、心不全の患者が心不全に関連するコンテンツを閲覧することで患者の心不全に関する検査結果(例えば、BNP検査結果)が向上するという予想が正しいかどうかが分かる。
【0118】
よって、本発明によれば、所定の病気に罹患した患者がその病気に関するコンテンツを閲覧することで患者のその病気に関する検査結果が向上するという予想が正しいか否かの検証実験に用いるデータの収集を容易に行えることができる。すなわち、本発明によれば、そのようなデータの収集を支援することができる。
【0119】
次に、本発明の変形例について説明する。上記の実施形態では、出力制御部3が、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知11をディスプレイ装置105に表示させる場合を例にして説明した。新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知の出力方法は、他の方法であってもよい。例えば、出力制御部3は、スマートフォンのバイブレーション機能を利用して、データ収集支援装置1を振動させることによって、新たにコンテンツが表示可能になったことを通知してもよい。また、出力制御部3は、スマートフォンのLED(Light Emitting Diode)ライトを点灯させることによって、新たにコンテンツが表示可能になったことを通知してもよい。また、出力制御部3は、ディスプレイ装置105において、データ収集支援プログラムのアイコンの近傍に、未表示のコンテンツが存在することを示す“1”というフラグ情報を表示することで、新たにコンテンツが表示可能になったことを通知してもよい。
【0120】
また、上記の実施形態では、病気の例として心不全を用いて説明した。心不全以外の病気や怪我を本発明に適用してもよい。例えば、糖尿病、うつ病、煙草依存症、アルコール依存症、ギャンブル依存症等の病気を本発明に適用してもよい。また、骨折等の怪我を本発明に適用してもよい。
【0121】
次に、本発明の概要について説明する。
図14は、本発明のデータ収集支援装置の概要を示すブロック図である。本発明のデータ収集支援装置は、コンテンツ記憶部2と、出力制御部3と、データ送信部4とを備える。
【0122】
コンテンツ記憶部2は、所定の病気または所定の怪我に関する個々のコンテンツであって、表示可能となる順序が定められている個々のコンテンツと、その個々のコンテンツのタイトルとの組を複数組記憶する。
【0123】
出力制御部3は、新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に出力し、所定の操作が行われた場合に、そのコンテンツをディスプレイ装置に表示させる。
【0124】
データ送信部4は、所定の条件が満たされたときに、表示可能となっている個々のコンテンツが表示済みであるか否かを示す情報、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信する。
【0125】
そのような構成によって、所定の病気に罹患した患者または所定の怪我をした患者がその病気または怪我に関するコンテンツを閲覧することで患者のその病気または怪我に関する検査結果が向上するという予想が正しいか否かの検証実験に用いるデータの収集を支援することができる。
【0126】
上記の本発明の実施形態は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下に限定されるわけではない。
【0127】
(付記1)
所定の病気または所定の怪我に関する個々のコンテンツであって、表示可能となる順序が定められている個々のコンテンツと、前記個々のコンテンツのタイトルとの組を複数組記憶するコンテンツ記憶部と、
新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に出力し、所定の操作が行われた場合に、前記コンテンツをディスプレイ装置に表示させる出力制御部と、
所定の条件が満たされたときに、表示可能となっている個々のコンテンツが表示済みであるか否かを示す情報、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信するデータ送信部とを備える
ことを特徴とするデータ収集支援装置。
【0128】
(付記2)
出力制御部は、
新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を、1日毎に出力する
付記1に記載のデータ収集支援装置。
【0129】
(付記3)
出力制御部は、
新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を、1日のうち12時から13時までの時間帯に出力する
付記2に記載のデータ収集支援装置。
【0130】
(付記4)
出力制御部は、
新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を、1日のうち12時から13時までの時間帯に含まれる時刻であって、12時および13時以外の時刻に出力する
付記2または付記3に記載のデータ収集支援装置。
【0131】
(付記5)
出力制御部は、
新たなコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的にディスプレイ装置に表示させ、表示させた前記通知がタップされると、表示可能となっているコンテンツのタイトルのリストを示すリスト画面を前記ディスプレイ装置に表示させ、前記リスト画面に含まれるタイトルがタップされると、当該タイトルに対応付けられたコンテンツを前記ディスプレイ装置に表示させる
付記1から付記4のうちのいずれかに記載のデータ収集支援装置。
【0132】
(付記6)
出力制御部は、
タイトルがタップされたコンテンツが、所定の病気または所定の怪我に関する患者へのメッセージである場合、当該メッセージをディスプレイ装置に表示させ、前記メッセージを表示済みであることをコンテンツ記憶部に記憶させ、
タイトルがタップされたコンテンツが、患者に対するアンケートである場合、当該アンケートをディスプレイ装置に表示させ、前記アンケートを表示済みであることを前記コンテンツ記憶部に記憶させ、前記アンケートへの回答が入力され、送信指示の操作が行われた場合、前記アンケートの回答を前記コンテンツ記憶部に記憶させ、
データ送信部は、
前記送信指示の操作が行われた場合に、コンテンツ記憶部を参照して、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報、コンテンツ記憶部に記憶されているアンケートの回答、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信する
付記5に記載のデータ収集支援装置。
【0133】
(付記7)
データ送信部は、
最後のメッセージに該当するコンテンツがディスプレイ装置に表示された場合に、表示可能となっている個々のメッセージおよびアンケートが表示済みであるか否かを示す情報、コンテンツ記憶部に記憶されているアンケートの回答、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信する
付記6に記載のデータ収集支援装置。
【0134】
(付記8)
少なくとも一部のコンテンツのタイトルは、所定の病気または所定の怪我に関連する文言を含む
付記1から付記7のうちのいずれかに記載のデータ収集支援装置。
【0135】
(付記9)
少なくとも一部のコンテンツのタイトルは、所定の文字数以下または所定の単語数以下のタイトルである
付記1から付記8のうちのいずれかに記載のデータ収集支援装置。
【0136】
(付記10)
所定の病気または所定の怪我に関する個々のコンテンツであって、表示可能となる順序が定められている個々のコンテンツと、前記個々のコンテンツのタイトルとの組を複数組記憶するコンテンツ記憶部を備えたコンピュータが、
新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に出力し、所定の操作が行われた場合に、前記コンテンツをディスプレイ装置に表示させ、
所定の条件が満たされたときに、表示可能となっている個々のコンテンツが表示済みであるか否かを示す情報、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信する
ことを特徴とするデータ収集支援方法。
【0137】
(付記11)
所定の病気または所定の怪我に関する個々のコンテンツであって、表示可能となる順序が定められている個々のコンテンツと、前記個々のコンテンツのタイトルとの組を複数組記憶するコンテンツ記憶部を備えたコンピュータに搭載されるデータ収集支援プログラムであって、
前記コンピュータに、
新たにコンテンツが表示可能になったことを示す通知を定期的に出力し、所定の操作が行われた場合に、前記コンテンツをディスプレイ装置に表示させる出力制御処理、および、
所定の条件が満たされたときに、表示可能となっている個々のコンテンツが表示済みであるか否かを示す情報、および、患者を特定するための情報を、予め定められた情報処理装置に送信するデータ送信処理
を実行させるためのデータ収集支援プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明は、所定の目的の検証実験に用いられるデータの収集を支援するデータ収集支援装置に好適に適用される。
【符号の説明】
【0139】
1 データ収集支援装置
2 コンテンツ記憶部
3 出力制御部
4 データ送信部
5 設定部
101 CPU
102 主記憶装置
103 補助記憶装置
104 通信インタフェース
105 ディスプレイ装置
106 入力装置(タッチパネル)