IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スケルタル ダイナミクス エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】総手首プロテーゼおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/42 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
A61F2/42
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018545621
(86)(22)【出願日】2017-03-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-04
(86)【国際出願番号】 US2017023953
(87)【国際公開番号】W WO2017165727
(87)【国際公開日】2017-09-28
【審査請求日】2020-01-20
(31)【優先権主張番号】62/312,869
(32)【優先日】2016-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509224376
【氏名又は名称】スケルタル ダイナミクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKELETAL DYNAMICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】オルベイ、ジョージ エル.
(72)【発明者】
【氏名】トレモルズ、エドワード ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】クック、ブライアン エイ.
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-047194(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0288660(US,A1)
【文献】米国特許第05507821(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0090738(US,A1)
【文献】米国特許第04040130(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの反対の側を有する長尺の橈骨構成要素であって、第1の側が心棒を備え、第2の側が凹形ディッシュを備える、橈骨構成要素と、
2つの反対の側を有する長尺の手根骨構成要素であって、第1の側が心棒を備え、第2の側がボール端を備える、手根骨構成要素と、
2つの反対の側を有する月状骨構成要素であって、第1の側が、該手根骨構成要素のボール端を受承するように適合された空洞を備え、第2の側が、該橈骨構成要素の凹形ディッシュに係合するように適合された凸面を備える、月状骨構成要素と、
を備え、
該月状骨構成要素が、該手根骨構成要素と該橈骨構成要素との両方に対して自由に回転し、
該手根骨構成要素の該心棒が、1つまたは複数の手根骨および/または中手骨に堅く係合するように適合され、
該橈骨構成要素の該心棒が、橈骨に堅く係合するように適合され、
前記月状骨構成要素の前記凸面は球面状であり、前記手根骨構成要素の前記ボール端は球形状であり、
前記月状骨構成要素は、前記橈骨構成要素に対して、球面状の前記凸面の中心の周りでいずれの方向にも自由に回転可能であり、
前記手根骨構成要素は、前記月状骨構成要素に対して、球形状の前記ボール端の中心の周りでいずれの方向にも自由に回転可能である、手首プロテーゼ。
【請求項2】
前記手根骨構成要素の前記ボール端は、首状領域を介して前記手根骨構成要素に接続され、前記首状領域は前記ボール端の直径よりも狭い、請求項1に記載の手首プロテーゼ。
【請求項3】
前記月状骨構成要素は該月状骨構成要素の前記空洞に接続された口を有し、前記口の直径は前記空洞の直径よりも小さい、請求項1に記載の手首プロテーゼ。
【請求項4】
前記手根骨構成要素の前記ボール端は、前記月状骨構成要素の前記空洞に嵌め込まれて該空洞内に保持されるように適合される、請求項1に記載の手首プロテーゼ。
【請求項5】
前記月状骨構成要素は弾性材料からなる、請求項に記載の手首プロテーゼ。
【請求項6】
前記橈骨構成要素の前記心棒の長手方向軸は、前記橈骨構成要素の前記凹形ディッシュの縁部と同一平面上にある想像線に対して非垂直である、請求項1に記載の手首プロテーゼ。
【請求項7】
前記橈骨構成要素の前記心棒の長手方向軸は、前記橈骨構成要素の前記凹形ディッシュの内面と実質的に接線方向に交差する、請求項1に記載の手首プロテーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、人工インプラントに関し、特に、総手首置換処置で使用するための人工インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、人間の手首は、8つの小さい骨の集まり、すなわち、手のひらに位置する中手骨(15、16、17、18、19)を柔軟につなぎ合わせる手根骨からなり、前腕には尺骨(3)および橈骨(4)が位置する。手根骨は、概して、遠位列(5)および近位列(6)に配置される。手根骨の遠位列は、大菱形骨(7)、小菱形骨(8)、有頭骨(9)、および有鉤骨(10)からなる。手根骨の近位列は、舟状骨(11)、月状骨(12)、三角骨(13)、および豆状骨(14)からなる。健康な手首の正常な動作では、橈骨の関節面(15)が、手首がその運動範囲にわたって動くときに舟状骨(11)および月状骨(12)の関節接合を支持する凹形支承面を提供する。
【0003】
人は、負傷、変形性変化、疾病(関節炎など)、または他の症状のため、手首をその運動範囲にわたって動作させるときに痛み、不快感、または困難を経験することがある。そのような手首の症状に対する知られている処置は、舟状骨(11)および月状骨(12)(場合により他の手根骨)をその骨自体に癒合する「フォー・コーナ(four corner)」癒合術、またはより極端な場合、橈骨、手根骨のいくつか、および中手骨の1つを癒合する総手首関節固定である。これらの処置は、痛みおよび不快感を緩和するが、手首の運動範囲を大きく制限し、その結果、手首の有用性を制限することによって、患者にとって生活の質に関する問題を引き起こす。加えて、特定の状況では、当該の骨が劣化しすぎているため、または骨折の場合はその骨を利用することができないため、癒合は不可能である。
【0004】
そのような状況で、利用可能な治療は、一般に総手首置換と呼ばれる処置で手根骨のすべてまたはいくつかを人工手首に置換することである。人工手首を開発するためにこれまで取組みがなされているが、多くの場合残念な結果に終わっている。現在利用可能な手首プロテーゼには、運動範囲があまりにも制限される、あまりに容易に外れる、あまりに大きい応力が骨にかかることにより障害または骨折を招く、感染症などの合併症を引き起こす、および早期摩耗により患者の寿命中に追加の手術が必要となる、などの欠陥がある。加えて、そのような人工手首を移植するために現在使用されている方法では、関節の位置合わせが不十分になり、関節の性能が不十分になることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、健康な手首のものに近い運動範囲を患者に提供し、長持ちし、残りの手および前腕骨に対して十分な支持を提供し、かつ既存の人工手首の欠点の多くを回避する人工手首、および人工手首を移植する関連方法が、当技術分野で必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
総手首置換で使用される手首プロテーゼが開示される。本発明の手首プロテーゼは、3つの別個の構成要素、手根骨構成要素、月状骨構成要素、および橈骨構成要素を使用して、手根骨の近位列を置換し、手首の機能を回復する。プロテーゼは、組み立てられたとき、前腕の橈骨、ならびに手の小菱形骨(任意選択)、有頭骨、有鉤骨(任意選択)、および第3中手骨に取り付けられる。プロテーゼの3つの構成要素は、組み立てられたとき、橈骨構成要素と手根骨構成要素との間に広い運動範囲を提供する。
【0007】
手首プロテーゼの橈骨構成要素は、橈骨に挿入して取り付けるためにその近位端に位置する心棒と、月状骨構成要素に係合するためにその遠位端に位置する略半球形の凹形支承面または「ディッシュ」とを備える。手首プロテーゼの手根骨構成要素は、有頭骨および第3中手骨に取り付けるためにその遠位端に位置する心棒および位置合わせピンと、月状骨構成要素に係合するためにその近位端に位置するボール端とを備える。加えて、本発明のいくつかの実施形態は、手根骨構成要素を小菱形骨および/または有鉤骨に取り付けるための孔を含む。
【0008】
橈骨構成要素と手根骨構成要素との間に月状骨構成要素が介在し、月状骨構成要素は、その橈骨の方を向いている側に、橈骨構成要素のディッシュの幾何形状に密接に整合する半球を備える。月状骨構成要素の手根骨の方を向いている側は、手根骨構成要素のボール端の幾何形状に密接に整合する空洞を備え、月状骨構成要素が手根骨構成要素のボール端に「パチン」と嵌ることを可能にする。月状骨構成要素内のボール状の空洞の中心は、月状骨構成要素の外側球面の中心に対して近位へわずかにずれており、以下でより詳細に論じるように、構成要素の配置に対して「自動調心」特徴を提供する。
【0009】
月状骨構成要素は、超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)などの耐久性があるが弾性の材料から製造される。手根骨構成要素および橈骨構成要素は、関節置換などの生物医学の適用分野でよく知られているコバルト-クロム-モリブデン(「CoCrMo」)などの高品質の外科グレードの金属合金から製造される。ポリエチレンの月状骨構成要素をCoCrMoの手根骨構成要素および橈骨構成要素とともに使用することで、(a)可動部分間のあらゆる金属と金属の境界面およびその知られている合併症の回避、(b)月状骨構成要素の内側境界面および外側境界面の自己潤滑、(c)プロテーゼにかかる衝撃負荷の減衰および吸収、ならびに(d)非常に優れた耐久性を含む、様々な利益を提供する。
【0010】
また、本発明の手首プロテーゼを使用して総手首置換を実行する方法が開示される。この方法は、手首の背側に切開部を形成することと、手根骨および橈骨の関節面を露出させることとを含む。次に、手根骨の近位列、すなわち舟状骨、月状骨、三角骨、および豆状骨が切除される。次に、任意選択で橈骨位置合わせツールを使用して、橈骨の関節面に挿入孔が開けられ、この挿入孔を通って橈骨内へ橈骨構成要素の心棒が挿入される。任意選択で、橈骨構成要素の挿入前に、特殊な成形ツールを使用して、橈骨の関節面を整えてもよい。
【0011】
次に、任意選択で手根骨位置合わせツールを使用して、2つの孔が開けられる。第1の孔は、手根骨構成要素の心棒を受承するように、有頭骨を通って第3中手骨内へ長手方向に開けられ、第2の孔は、手根骨構成要素の位置合わせピンを受承するように、有頭骨の中心面へ開けられる。任意選択で、有頭骨は、有頭骨および第3中手骨内への手根骨構成要素の心棒および位置合わせピンの挿入前に、特殊な成形ツールを使用してサイズ変更し、整えてもよい。任意選択で、手根骨構成要素のいくつかの実施形態では、手根骨構成要素はまた、取付け孔内へ挿入したねじによって、有鉤骨および小菱形骨に取り付けてもよい。
【0012】
次に、月状骨構成要素の手根骨の方を向いている空洞端が、手根骨構成要素のボール端に「パチン」と嵌られ、月状骨構成要素の橈骨の方を向いている端部が、橈骨構成要素のディッシュ端に控え壁で支えられて、「浮遊」することが可能になる。構成要素のすべてが自然の手首のものに近い運動範囲を可能にする正しい位置合わせに動かされた後、切開部が閉じられる。
【0013】
本発明について、手首プロテーゼで具現化されるものとして本明細書に図示および説明するが、それにもかかわらず、本発明の趣旨から逸脱することなく、特許請求の範囲の均等物の範囲および領域内で、様々な修正および構造上の変更を本発明に加えてもよいため、本発明は、記載の詳細のみに限定されることを意図するものではない。さらに、以下の説明で論じる原理および技法の多くは、肘、肩、臀部、膝、または足首などの人間の解剖学的構造の他の関節で使用されるプロテーゼにも適用することができる。
【0014】
本発明の構造は、その追加の目的および利点とともに、特有の開示の実施形態についての以下の説明から、添付の図面と併せて読んだとき、最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】参照のみを目的として提供される従来技術で知られている人間の手の骨の図。
図2】本発明による手首プロテーゼの橈骨構成要素、手根骨構成要素、および月状骨構成要素の背面の分解正投影図。
図3】本発明による手首プロテーゼの橈骨構成要素、手根骨構成要素、および月状骨構成要素の背面の組立て図。
図4】本発明による手首プロテーゼの橈骨構成要素の正投影遠位端面図。
図5】本発明による手首プロテーゼの橈骨構成要素の側面図。
図6】本発明による手首プロテーゼの橈骨構成要素の近位端面図。
図7】任意選択で有鉤骨および小菱形骨に対する2つの羽根および取付け孔を含む本発明による手首プロテーゼの手根骨構成要素の背側からの正投影図。
図8】本発明による手首プロテーゼの手根骨構成要素の手のひら側からの正投影図。
図9】本発明による図8の手首プロテーゼの手根骨構成要素の正投影横断面図。
図10】本発明による手首プロテーゼの月状骨構成要素の正投影図。
図11】本発明による手首プロテーゼの月状骨構成要素の上面図。
図12】本発明による手首プロテーゼの月状骨構成要素の側面図。
図13】本発明による手首プロテーゼの月状骨構成要素の横断面図。
図14】本発明による手首プロテーゼの手根骨構成要素、月状骨構成要素、および橈骨構成要素の横断面組立て図。
図15】本発明による手首プロテーゼの組み立てられた月状骨構成要素および手根骨構成要素の横断面の詳細図。
図16A】本発明による手首プロテーゼの例示的な運動範囲における相対運動を示す手根骨構成要素、月状骨構成要素、および橈骨構成要素の一連の図。
図16B】本発明による手首プロテーゼの例示的な運動範囲における相対運動を示す手根骨構成要素、月状骨構成要素、および橈骨構成要素の一連の図。
図16C】本発明による手首プロテーゼの例示的な運動範囲における相対運動を示す手根骨構成要素、月状骨構成要素、および橈骨構成要素の一連の図。
図17】参照のみを目的として示される半透明の構造として表された周辺の骨格の解剖学的構造とともに、人間の手に移植された本発明の手首プロテーゼの1実施形態を示す図。
図18】本発明による橈骨孔開けガイド位置合わせツールの正投影図。
図19】本発明による橈骨ディッシュ・ガイド・ツールの正投影図。
図20】本発明による橈骨ディッシュ・リーマ・ツールの正投影図。
図21】本発明によるキール・パンチの正投影図。
図22】本発明による有頭骨長軸ガイドの正投影図。
図23】本発明による止めリーマおよびプレーナの正投影図。
図24】本発明による有頭骨シェーパの正投影図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2は、本発明による手首プロテーゼ(1)の3つの構成要素の分解正投影図である。図示のように、月状骨構成要素(300)が、橈骨構成要素(100)と手根骨構成要素(200)との間に介在する。図3は、同じ観点からの3つの構成要素の組立て図を示す。
【0017】
図4を次に参照すると、本発明による橈骨構成要素(100)の正投影図が示されている。図5および図6は、橈骨構成要素(100)の側面図および近位端面図をそれぞれ提供し、そのすべての詳細を示す。図4に示すように、橈骨構成要素(100)は、近位端(112)および遠位端(110)を備える。心棒(114)が近位端の方向に突出し、橈骨の関節面を通って挿入されて橈骨の髄管内へ貫入するように適合される。橈骨構成要素の心棒は、任意選択で、治癒後のより恒久的な定着のために手術後の骨成長を促進し、骨の中での構成要素の回転を防止するために、チタンプラズマ溶射(「TPS」)被覆などの縦溝(116)および/または粗面仕上げを含んでもよい。橈骨構成要素の遠位端は、以下で詳細に説明するように、プロテーゼの組立て時に月状骨構成要素(300)の凸形部分(301)(図10図11図12、および図13に示す)を受承するように適合された遠位向きの凹形ディッシュ(118)を提供する。
【0018】
ディッシュ(118)の内面(120)は、月状骨構成要素(300)の凸形部分の幾何形状に密接に整合する実質上球形の凹形区分である。橈骨構成要素(100)のいくつかの実施形態では、ディッシュ(118)の内面(120)によって画定される球形区分は、真球の2分の1未満である。ディッシュは、任意選択で、月状骨構成要素(300)に対する追加の回転支持区域を提供する1つまたは複数のリップ延長部(122)を含む。これは、月状骨構成要素(300)のずれなく、組み立てられたプロテーゼの最大の柔軟性を提供するのに有益となりうる。
【0019】
様々な構成要素と周辺の解剖学的構造との間に最適の位置合わせを提供するために、ディッシュ(118)に対して心棒(112)が配置され、その結果、心棒(114)の長手方向軸(124)が、ディッシュ(118)の縁部(130)に対して共平面の想像線(128)に対して約60~80度の角度(126)を形成する。加えて、心棒(114)は、ディッシュ(118)の中心に対して横方向にずれており、その結果、心棒(114)の長手方向軸(124)が、ディッシュ(118)の内面(120)と略接線方向に交差する。ディッシュ(118)の外側の骨に接触する表面(132)は、任意選択で、橈骨の関節面と共形をなす球形または他の形状とすることができる。
【0020】
橈骨構成要素(100)の追加の任意選択の特徴は、心棒(114)とディッシュ(118)との間の接合を控え壁で支えるキール(134)である。キール(134)は、ディッシュ(118)に対する構造上の支持を提供することに加えて、橈骨内への挿入後に橈骨構成要素(100)が長手方向軸(124)の周りで回転する可能性を最小にする。さらに、キール(134)は、橈骨と心棒(114)との間により密な嵌合を生じさせるくさびとして作用する。キール(134)は、橈骨内への貫入を容易にするために、鋭利な縁部を有してもよい。加えて、キール(134)は、中実の構造(図示のように)としてよく、または中空として、橈骨の貫入のために2重の縁部を提供し、キール(134)の内側空間内で骨材料がくさび状になることを可能にしてもよい。
【0021】
本発明の1実施形態では、橈骨構成要素(100)は、関節置換などの生物医学の適用分野でよく知られているCoCrMoなどの高品質の外科グレードの金属合金から製造される。しかし、代替実施形態では、チタンまたは他の金属材料もしくは非金属材料もまた、この構成要素に適している。
【0022】
図7を次に参照すると、本発明による手根骨構成要素(200)の正投影図が示されている。図8は、手根骨構成要素(200)の側面図を示し、図9は、手根骨構成要素(200)の横断面図を示す。
【0023】
図7を参照すると、手根骨構成要素(200)の遠位端(201)は、第3中手骨内へ、好ましくは第3中手骨の髄管内へ貫入するように適合された心棒(204)で構成される。手根骨構成要素の心棒は、任意選択で、治癒後のより恒久的な定着のために手術後の骨成長を促進し、骨の中での構成要素の回転を防止するために、縦溝(206)および/または粗面仕上げを含んでもよい。手根骨構成要素はまた、心棒(204)と略平行に位置合わせされた位置合わせピン(208)を備え、位置合わせピン(208)は、有頭骨の中心面内へ貫入するように適合される。位置合わせピン(208)の目的は、移植後に手根骨構成要素(200)が心棒(204)の長手方向軸(210)の周りで回転する可能性を最小にすることである。手根骨構成要素(200)はまた、任意選択で、小菱形骨(8)および有鉤骨(10)と解剖学的に位置合わせされるように位置決めされた1つまたは複数の羽根(212T)、(212H)を含んでもよく、1つまたは複数の羽根(212T)、(212H)は、前記骨に対して手根骨構成要素(200)に追加の控え壁状の支持を提供する。羽根(212T)、(212H)はまた、任意選択で、図9のファスナ((215)を使用して羽根(212T)(212H)を小菱形骨(8)および有鉤骨(10)に固定するためのファスナ孔(213T)、(213H)を含んでもよい。
【0024】
図9で最もよく観察されるように、手根骨構成要素の心棒(204)および位置合わせピン(208)は、手根骨構成要素の遠位端(202)に対して凹形の構造であるキャップ(216)内で終端する。位置合わせピン(208)は、キャップ(216)の内面(220)の中心(218)またはその付近で終端し、心棒(204)は、位置合わせピン(208)に対して背側にずれており、キャップ(216)の縁部で終端する。キャップ(216)の内面(220)は、患者の手の中に移植されたとき、有頭骨に接触し、任意選択で有頭骨を密閉するように適合される。
【0025】
手根骨構成要素(200)の近位端(202)は、首状領域(224)を通ってキャップ(216)に接続された直径(223)を有するボール端(222)を備える。ボール端(222)は、不完全な(開示する実施形態で球の70%~97%であるが、いずれの場合も50%より大きい)球であり、その中心は、キャップ(216)の中心および位置合わせピン(208)の長手方向軸(226)と実質上直接長手方向に位置合わせされている。ボール端(222)および首状領域(224)は、以下でより詳細に論じるように、月状骨構成要素(300)内の対応する特徴の幾何形状を密接に補完する。
【0026】
橈骨構成要素(100)と同様に、本発明の1実施形態では、手根骨構成要素(200)は、関節置換などの生物医学の適用分野でよく知られている「CoCrMo」などの高品質の外科グレードの金属合金から製造される。しかし、チタンまたは他の金属材料もしくは非金属材料もまた、この構成要素に適していることがある。
【0027】
図10を次に参照すると、本発明による月状骨構成要素(300)の正投影図が示されている。図11および図12は、月状骨構成要素(300)の上面図および側面図をそれぞれ示す。図13は、見やすいように拡大した月状骨構成要素(300)の横断面図であり、月状骨構成要素(300)は、すべての図から明らかであるように、放射対称形である。
【0028】
図10~13に示すように、橈骨構成要素(100)のディッシュ(118)の内面(120)(図4~6参照)に連結するように適合された月状骨構成要素(300)の外面(301)は、半球をほぼ画定する。しかし、代替実施形態では、必ずしも半球を画定する必要はない。月状骨構成要素(300)の代替実施形態では、球の2分の1より大きいまたは球の2分の1より小さい外面を画定することもでき、外面が大きければ大きいほど、橈骨構成要素(100)に対して月状骨構成要素(300)がずれる可能性が低くなることが理解されよう。
【0029】
図10図13を次に参照すると、月状骨構成要素(300)は、球形領域(304)および肩状領域(306)を備える空洞(302)を含む。すべての実施形態において、空洞(302)の球形領域(304)は、半球以上のものを構成し、したがって球形領域(304)の「口」(308)の直径は、球形領域(304)の直径(310)より狭く、また手根骨構成要素(200)のボール端(222)の直径(223)より狭い。また、球形領域(304)の直径(310)は、手根骨構成要素(200)のボール端(222)の直径(223)よりやや大きく、手根骨構成要素のボール端が球形領域(304)内で自由に回転するのに十分な隙間を提供する。肩状領域(306)は、ひいては球形領域(304)から離れるにつれて徐々に広がり、月状骨構成要素の上に漏斗形の環状構造を形成する。空洞(302)の球形領域および肩状領域は、手根骨構成要素(200)のボール端(222)および首状領域(224)(図7~9参照)の幾何形状に密接に整合する。
【0030】
月状骨構成要素(300)は、「UHMWPE」または他の外科グレードの弾性材料などの耐久性があるが弾性の材料から製造される。
図14および図15を次に参照すると、組立て時の本発明の手首プロテーゼ(1)の手根骨構成要素(200)、月状骨構成要素(300)、および橈骨構成要素(100)の横断面図が示されている。留意されるように、手根骨構成要素および月状骨構成要素を組み立てるために、月状骨構成要素(300)の空洞(302)の球形領域(304)の口(308)は、手根骨構成要素(200)のボール端(222)の直径(223)より狭いため、ボール端(222)は、定位置にパチンと嵌るまで、空洞(302)内へ押し込まなければならない。すなわち、月状骨構成要素は、一時的に変形するがすぐにその元の形状に戻り、ボール端(222)をその空洞(302)内に保持する。しかし、定位置に入った後、月状骨構成要素は、手根骨構成要素に対して固定して保持されるが、2つの構成要素は、互いに対して自由に回転および旋回する。
【0031】
図15には、組み立てられた月状骨構成要素(300)および手根骨構成要素(200)の横断面の詳細が示されている。この図に示すように、ボール端(222)の中心(402)および月状骨構成要素(300)の外面(301)の中心(400)は一致しない。代わりに、ボール端(222)の中心(402)は、近位-遠位方向において、1~10mmの距離(404)だけ外面(301)の中心(400)に対して近位にずれる。このずれは、2つの目的を実現する。第1に、月状骨構成要素および手根骨構成要素が偶発的に分離する可能性を最小にする。月状骨構成要素(300)内へより深く空洞(302)を埋め込むことによって、屈曲の限界で引き起こされるてこの作用によりボール端が外れることがなくなる。第2に、これらのずれは、プロテーゼの一連の屈曲を介して、月状骨構成要素が極限位置に残るのではなくその中立位置の方へ付勢されることを確実にする月状骨-手根骨の継手の自動調心特徴を提供する。
【0032】
月状骨構成要素の自動調心特徴は、ボール端(222)の中心(402)が、月状骨構成要素の外面(301)の中心(400)に対して近位にずれているとき、手首にかかる自然の法線方向の負荷力によって月状骨構成要素に与えられるモーメントは、中心に付勢される方向において、中心から外れている回転摩擦力によって月状骨構成要素に与えられるモーメントより常に大きいことによる。2つの中心(400、402)間のずれの距離(404)が大きければ大きいほど、2つのモーメント間の不均衡も大きくなり、自動調心の傾向がより強くなる。
【0033】
図14を再び参照すると、月状骨構成要素(300)は、橈骨構成要素(100)のディッシュ(118)の上に「浮遊」しており、同様にディッシュ(118)の中心の周りで自由に回転および旋回する。2つの別個の回転対(手根骨-月状骨および月状骨-橈骨)は、互いに独立しており、プロテーゼ内で非常に優れた運動自由度および柔軟性を提供する。さらに、UHMWPEとCoCrMoとの間の境界面は、自然に自己潤滑性であり、回転および旋回運動において非常に優れた平滑性および快適さを提供する。しかし、月状骨構成要素(300)と橈骨構成要素(100)のディッシュ(118)との間の摩擦トルクは、手根骨構成要素(200)のボール端(222)と月状骨構成要素(300)との間の摩擦トルクより大きいことに留意されたい。したがって、回転は主に手根骨-月状骨の境界面で生じることになる。月状骨-橈骨の回転は、概して、手根骨構成要素(200)の首状領域(224)が月状骨構成要素(300)の肩状領域(306)に接触したときなど、手根骨-月状骨の境界面において回転の限界に到達した後に生じる。
【0034】
図16A図16B、および図16Cには、手根骨構成要素、月状骨構成要素、および橈骨構成要素間の例示的な一連の相対運動が示されている。図16Aから始めると、手根骨構成要素(200)、月状骨構成要素(300)、および橈骨構成要素(100)は、中立位置にある。手根骨構成要素(200)に上向きの力「F」が印加されると、手根骨構成要素は、月状骨構成要素(300)に対して時計回り方向に回転し始める。手根骨構成要素(200)と月状骨構成要素(300)との間の摩擦トルクは、月状骨構成要素(300)と橈骨構成要素(100)との間の摩擦トルクより小さいため、この段階では、月状骨構成要素(300)と橈骨構成要素(100)との間の相対運動は、もしあっても非常に小さい。
【0035】
この運動は、図16Bに示すように、手根骨構成要素(200)の首状領域(224)が月状骨構成要素(300)の肩状領域(306)に接触するまで継続する。この時点で、上向きの力Fが手根骨構成要素(200)に印加され続けた場合、手根骨構成要素および月状骨構成要素は、図16Cに示すように、橈骨構成要素(100)に対して、月状骨構成要素(300)の外面(301)の中心(400)の周りで時計回り方向にともに回転し始める。
【0036】
この時点で手根骨構成要素(200)に下向きの力が印加された場合、類似のシーケンス(図示せず)が逆方向に繰り返され、まず、手根骨構成要素(200)と月状骨構成要素(300)との間で相対的な反時計回りの運動が生じ、運動の限界に到達すると、次いで手根骨構成要素(200)および月状骨構成要素(300)が、橈骨構成要素(100)に対して反時計回り方向に縦に並んで動く。
【0037】
図17には、参考のために周辺の骨格の解剖学的構造とともに示される開示する手首プロテーゼ(1)の1実施形態が示されている。見やすいように、手首プロテーゼが移植された骨、すなわち橈骨(4)、第3中手骨(17)、小菱形骨(8)、月状骨(9)、および有鉤骨(10)が、破線の輪郭で透明に示されている。以下でさらに説明するように、外科的に切除された手根骨の近位列、すなわち舟状骨、月状骨、三角骨、および豆状骨は示されていない。
【0038】
上記で開示した人工手首に加えて、人間の患者にこの人工手首を外科的に移植する方法が開示される。この方法は、以下の基本的な一連の工程を含む。
罹患した手首および皮膚の背側に長手方向に切開部が形成され、筋肉および腱が後退させられて、手根骨および橈骨の遠位端が、その関節面を含めて露出される。
【0039】
手根骨の近位列、すなわち舟状骨、月状骨、三角骨、および豆状骨が切除され、手根骨の第2の列、主に有頭骨および有鉤骨の近位関節面が露出される。
月状骨構成要素(300)、手根骨構成要素(200)、および橈骨構成要素(100)はそれぞれ、任意選択で、1つまたは複数のサイズで提供される。各構成要素の適切なサイズは、患者の解剖学的構造によって決まる。任意選択で、この適切なサイズ設定は、それらの構成要素のそれぞれの様々なサイズの同等のモデル化版(図示せず)を選択して事前に組み立てることによって、手術中に実現してもよい。
【0040】
任意選択で孔の精密な位置決めのために橈骨サイズ設定/位置合わせツールを使用して、遠位橈骨の関節面の中心付近に挿入孔が開けられる。任意選択の橈骨サイズ設定/位置合わせツール(500)は、図18に示されている。橈骨サイズ設定/位置合わせツール(500)は、遠位橈骨の関節面で、橈骨-尺骨の関節の手のひら側および背側の角、ならびに橈骨茎状突起の先端部に整合させることができる視覚的な合図(502、504、506)を含む。ツールが適切に配置された後、円心(508)は、橈骨構成要素(100)の心棒(114)を挿入するために橈骨に孔を開けるべきスポットを示す。次いで、開けた孔は、適切なサイズまで広げられる。
【0041】
次いで、橈骨構成要素(100)の心棒(114)は、キール(134)の前縁が関節面に接触するまで、前に開けた孔を通って橈骨内へ挿入される。橈骨構成要素(100)の精密な配向は、図19に示す任意選択の橈骨ディッシュ・ガイド・ツール(550)を使用することによって、挿入前に最適化してもよい。橈骨ディッシュ・ガイド・ツール(550)の心棒(552)は、橈骨の関節面に開けた孔に挿入され、次いでリング(554)の外縁が橈骨の関節面上で中心合わせされるまで回転させられる。次いで、開口(556)を通ってK-ワイア(図示せず)が挿入され、橈骨ディッシュ・ガイド・ツール(550)が除去される。K-ワイアの位置は、ディッシュ(118)の中心を示す。
【0042】
任意選択で、橈骨の関節面は、橈骨構成要素(100)のディッシュ(118)の外面(132)に整合するように橈骨の関節面を成形することによって、橈骨構成要素(100)を受承するように整えてもよい。これは、図20に示す任意選択の橈骨ディッシュ・リーマ・ツール(570)を使用することによって実現される。橈骨ディッシュ・リーマ・ツール開口(572)は、前の工程で配置されたK-ワイアを介して挿入され、次いで橈骨の関節面は、橈骨ディッシュ・リーマ・ツール(570)の切断縦溝(574)が橈骨の関節面の橈骨縁部と同一平面になるまで広げられる。次いで、K-ワイアを橈骨の関節面から除去することができる。
【0043】
次いで橈骨構成要素(100)は、外科用マレットによって、橈骨構成要素(100)のディッシュ(118)の外面(132)が橈骨の関節面に完全に接触するまで、橈骨内へ打ち込まれて、心棒(114)およびキール(134)が橈骨内にさらに埋め込まれ、橈骨構成要素が定位置にロックされる。橈骨の関節面は、任意選択で、図21に示す任意選択のキール・パンチ(580)を使用することによって、キール(134)の挿入のために整えてもよい。この工程により、橈骨構成要素(100)の配置が終了する。
【0044】
次に、手根骨構成要素(200)の配置のために、有頭骨の長軸が識別される。これは、任意選択で、図22に示す有頭骨長軸ガイド(600)を使用することによって実現してもよい。ガイド(600)は、第3中手骨上に配置され、リング(602)が有頭骨の近接する極と同一平面になるまで、遠位に摺動する。次に、ガイドの開口(604)を通って有頭骨内へK-ワイアが挿入される。次いで、ガイド(600)が除去され、K-ワイアが定位置に残される。K-ワイアの位置合わせは、X線透視を使用して確認してもよい。
【0045】
必要に応じて、有頭骨は、前の工程で挿入されたK-ワイアを介して図23に示す任意選択の止めリーマ(620)を使用することによって短くしてもよい。次に、有頭骨は、任意選択で、手根骨構成要素(200)のキャップ(216)の内面(220)に整合するように有頭骨の近位関節面を成形することによって、手根骨構成要素(200)を受承するように整えられる。これは、図24に示す任意選択の有頭骨シェーパ(640)を使用することによって実現することができる。ドリル(図示せず)に取り付けられた有頭骨シェーパ(640)の開口(642)は、前の工程で配置されたK-ワイアを介して挿入される。次いで、刃(644)を使用して、手根骨構成要素(200)を受承するように有頭骨を成形する。
【0046】
次に、前に挿入されたK-ワイアを使用して、有頭骨に第1の孔が開けられる。第1の孔は、手根骨構成要素の位置合わせピン(208)を受け入れるように、適当なサイズまで広げられ、K-ワイアが除去される。
【0047】
次に、有頭骨の背面と長手方向で接線方向に位置合わせされた第2の孔が、第3中手骨に開けられる。第1の孔と第2の孔との間のずれは、手根骨構成要素(200)の心棒(204)と位置合わせピン(208)との間の距離に整合する。
【0048】
次いで、手根骨構成要素(200)の位置合わせピン(208)および心棒(204)は、心棒(204)が第3中手骨の髄管に入り、キャップ(216)が有頭骨に接触するまで、それぞれ第1の孔および第2の孔に挿入される。
【0049】
次いで、手根骨構成要素は、外科用マレットによって、有頭骨がキャップ(216)によって完全に密閉されるまで、有頭骨内へ打ち込まれる。手根骨構成要素が任意選択の羽根(212Hおよび/または212T)を備えている場合、これらの羽根は、有鉤骨および/または小菱形骨に対して直接位置決めされるべきであり、孔(213Hおよび/または213T)を通ってねじ(251)を使用して固定することができる。羽根(212Hおよび/または212T)と有鉤骨および/または小菱形骨との間のあらゆる間隙は、骨移植片で充填してもよい。
【0050】
次に、月状骨構成要素(300)は、空洞(302)を通って手根骨構成要素(200)のボール端(222)に「パチン」と嵌られ、外科医は、手根骨構成要素および月状骨構成要素が固定して取り付けられたが互いに対して自由に旋回および回転することを確認する。
【0051】
次いで、月状骨構成要素の外面(301)は、橈骨構成要素(100)のディッシュ(118)に控え壁で支えられて、「浮遊」することが可能になる。この場合も、外科医は、月状骨構成要素(300)が橈骨構成要素(100)のディッシュ(118)上で自由に回転および旋回することを確認する。
【0052】
次いで、外科医は、自然な手首の運動範囲にわたって患者の手を動かして曲げ、適切な位置合わせを観察することによって、プロテーゼの正しい動作を試験する。
位置合わせに関して残っているあらゆる問題が外科医によって補正され、満足のいく運動範囲が実現された後、標準的な外科的技法を使用して、切開部が閉じられる。
【0053】
上記では、人工手首に関連して説明したが、本明細書の説明によって他の人口関節を作製して、肘、肩、臀部、膝、および足首などの体の異なる部分に適用することもできるため、これらの説明は、限定的であることが意図されるものではない。したがって、本発明について本明細書に図示および説明したが、本発明の趣旨から逸脱することなく、特許請求の範囲の均等物の範囲および領域内で、様々な修正および構造上の変更を本発明に加えてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24