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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20220119BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20220119BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/53
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019129210
(22)【出願日】2019-07-11
(65)【公開番号】P2021013500
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2020-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【弁理士】
【氏名又は名称】在原 元司
(72)【発明者】
【氏名】照内 大丈
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-063927(JP,A)
【文献】特開2012-016391(JP,A)
【文献】特開2018-102501(JP,A)
【文献】特開平09-276551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームに関する処理を実行する情報処理装置であって、
ユーザーがゲームをプレイするごとに、当該プレイの内容に応じて当該ユーザーに1又は複数のプレイ報酬を付与する報酬付与手段と、
複数の選出対象の中から一つを選出する抽選を1又は複数回実行し、選出された選出対象ユーザーごとに対応付けられた所定の当選条件を満たした場合に報酬を前記ユーザーに付与する抽選手段と、
を含み、
前記抽選手段は、前記プレイによって前記ユーザーに付与された前記プレイ報酬の個数に応じて決まる回数の前記抽選を行う
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ゲームに関する処理を実行する情報処理装置であって、
ユーザーがゲームをプレイするごとに、当該プレイの内容に応じて当該ユーザーに1又は複数のプレイ報酬を付与する報酬付与手段と、
複数の選出対象の中から一つを選出する抽選を1又は複数回実行し、抽選結果が所定の当選条件を満たした場合に抽選報酬を前記ユーザーに付与する抽選手段と、
前記当選条件を複数の選出対象の組み合わせにより規定する1又は複数の当選セットの内容を取得する当選条件取得手段と、
前記抽選の結果を前記ユーザーに提示する抽選状況提示手段と、
を含み、
前記抽選手段は、前記プレイによって前記ユーザーに付与された前記プレイ報酬の個数に応じて決まる回数の前記抽選を行い、前記1又は複数の当選セットのいずれかに規定される複数の選出対象の全てが前記抽選によって選出された場合に、前記当選条件を満たすと判定し、
前記抽選状況提示手段は、前記当選セットに含まれる選出対象のそれぞれを表象する表象画像を配列した配列画像を前記ユーザーに提示し、当該配列画像内において、前記抽選によって選出済みの選出対象を表象する表象画像を未選出の選出対象を表象する表象画像と識別可能な態様で、前記ユーザーに提示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記抽選状況提示手段は、前記ユーザーがゲームをプレイするごとに、当該プレイに応じて前記抽選手段が抽選を行って選出した1又は複数の選出対象を一度に前記ユーザーに提示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置において、
前記抽選状況提示手段は、前記ユーザーがゲームをプレイするごとに、前記ユーザーに一度に提示される1又は複数の選出対象のうち前記当選セットに含まれる選出対象を、それ以外の選出対象と識別可能な態様で前記ユーザーに提示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
ゲームに関する処理を実行するコンピュータを、
ユーザーがゲームをプレイするごとに、当該プレイの内容に応じて当該ユーザーに1又は複数のプレイ報酬を付与する報酬付与手段と、
複数の選出対象の中から一つを選出する抽選を1又は複数回実行し、選出された選出対象ユーザーごとに対応付けられた所定の当選条件を満たした場合に報酬を前記ユーザーに付与する抽選手段と、
として機能させるためのプログラムであって、
前記抽選手段は、前記プレイによって前記ユーザーに付与された前記プレイ報酬の個数に応じて決まる回数の前記抽選を行う
プログラム。
【請求項6】
ゲームに関する処理を実行するコンピュータを、
ユーザーがゲームをプレイするごとに、当該プレイの内容に応じて当該ユーザーに1又は複数のプレイ報酬を付与する報酬付与手段と、
複数の選出対象の中から一つを選出する抽選を1又は複数回実行し、抽選結果が所定の当選条件を満たした場合に抽選報酬を前記ユーザーに付与する抽選手段と、
前記当選条件を複数の選出対象の組み合わせにより規定する1又は複数の当選セットの内容を取得する当選条件取得手段と、
前記抽選の結果を前記ユーザーに提示する抽選状況提示手段と、
として機能させるためのプログラムであって、
前記抽選手段は、前記プレイによって前記ユーザーに付与された前記プレイ報酬の個数に応じて決まる回数の前記抽選を行い、前記1又は複数の当選セットのいずれかに規定される複数の選出対象の全てが前記抽選によって選出された場合に、前記当選条件を満たすと判定し、
前記抽選状況提示手段は、前記当選セットに含まれる選出対象のそれぞれを表象する表象画像を配列した配列画像を前記ユーザーに提示し、当該配列画像内において、前記抽選によって選出済みの選出対象を表象する表象画像を未選出の選出対象を表象する表象画像と識別可能な態様で、前記ユーザーに提示する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに関する処理を実行する情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータによって実現されるゲームにおいては、ゲームのプレイが行われるごとにゲームのプレイを行ったユーザーにプレイ報酬が付与されることが一般的である。通常、このプレイ報酬は、プレイ対象となるゲームのステージや難易度等によって予め定められている。そして、ゲームのプレイに応じて付与される報酬の個数や内容は、ユーザーが実際に行ったゲームプレイの内容に応じて変動することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したようなゲームにおいて、例えばユーザーがあるステージで入手可能なプレイ報酬を既に獲得済みであるなど、ユーザーにとってのプレイ報酬の魅力が低減すると、ユーザーにゲームを遊んでもらいにくくなってしまう。
【0004】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであって、その目的の一つは、ユーザーがゲームをプレイすることで得られる報酬の機会を、ユーザーのプレイ結果に応じて可変とすることができる情報処理装置、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ゲームに関する処理を実行する情報処理装置であって、ユーザーがゲームをプレイするごとに、当該プレイの内容に応じて当該ユーザーに1又は複数のプレイ報酬を付与する報酬付与手段と、複数の選出対象の中から一つを選出する抽選を1又は複数回実行し、抽選結果が所定の当選条件を満たした場合に抽選報酬を前記ユーザーに付与する抽選手段と、を含み、前記抽選手段は、前記プレイによって前記ユーザーに付与された前記プレイ報酬の個数に応じて決まる回数の前記抽選を行うことを特徴とする。
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、ゲームに関する処理を実行するコンピュータを、ユーザーがゲームをプレイするごとに、当該プレイの内容に応じて当該ユーザーに1又は複数のプレイ報酬を付与する報酬付与手段と、複数の選出対象の中から一つを選出する抽選を1又は複数回実行し、抽選結果が所定の当選条件を満たした場合に抽選報酬を前記ユーザーに付与する抽選手段と、として機能させるためのプログラムであって、前記抽選手段は、前記プレイによって前記ユーザーに付与された前記プレイ報酬の個数に応じて決まる回数の前記抽選を行うプログラムである。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能で非一時的な情報記憶媒体に格納されて提供されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの全体構成を示す構成ブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の機能を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係る情報処理装置によって実現される抽選報酬付与プロセスの流れの一例を示すフロー図である。
図4】抽選報酬付与プロセス開始時の抽選状況提示画面の一例を示す図である。
図5】抽選の実行結果を示す画面の一例を示す図である。
図6】抽選が実行された際にユーザーに提示される動画像の一例を示す図である。
図7】抽選実行後の抽選状況提示画面の一例を示す図である。
図8】選出済みの選出対象を示す画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0009】
図1は、情報処理システム1の全体構成を示す構成ブロック図である。情報処理システム1は、複数のユーザーにゲームのサービスを提供するシステムであって、図1に示すように、複数のクライアント装置10と、本発明の一実施形態に係る情報処理装置として機能するサーバ装置20と、を含んで構成されている。各クライアント装置10は、インターネット等の通信ネットワークを介してサーバ装置20と接続される。
【0010】
クライアント装置10は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であって、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、インタフェース部14と、を含んで構成されている。また、クライアント装置10は、操作入力装置15、及び表示装置16と接続されている。本実施形態においてクライアント装置10は、情報処理システム1が提供するゲームをプレイするユーザーによって使用される。
【0011】
制御部11は、少なくとも一つのプロセッサーを含んで構成され、記憶部12に記憶されているプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部12は、RAM等のメモリデバイスを少なくとも一つ含み、制御部11が実行するプログラム、及び当該プログラムによる処理の対象となるデータを記憶する。通信部13は、無線又は有線で通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信部13によって、クライアント装置10はサーバ装置20と通信接続される。
【0012】
インタフェース部14は、無線、又は有線で操作入力装置15、及び表示装置16と接続され、これらの装置との間で各種のデータを送受信する。具体的にインタフェース部14は、操作入力装置15に対してユーザーが実行した操作入力の内容を示す制御信号を、操作入力装置15から受信する。また、表示装置16に対して、ユーザーに提示すべき映像の内容を示す映像信号を送信する。
【0013】
操作入力装置15は、例えばタッチセンサーや操作ボタンなどを含んで構成され、ユーザーからの操作入力を受け付け、その内容を示す制御信号をクライアント装置10に送信する。表示装置16は、液晶パネル等であって、クライアント装置10から受信した映像信号に応じた映像を表示画面上に表示して、ユーザーに提示する。なお、操作入力装置15、及び表示装置16は、クライアント装置10の筐体表面に配置されるなどして、クライアント装置10と一体的に構成されてもよい。
【0014】
サーバ装置20は、サーバコンピュータ等の情報処理装置であって、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を含んで構成されている。サーバ装置20は、本情報処理システム1が提供するゲームに関する処理を実行する。
【0015】
制御部21は、少なくとも一つのプロセッサーを含んで構成され、記憶部22に記憶されているプログラムに従って各種の情報処理を実行する。本実施形態において制御部21が実行する処理の具体例については、後述する。記憶部22は、RAM等のメモリデバイスを少なくとも一つ含み、制御部21が実行するプログラム、及び当該プログラムによる処理の対象となるデータを記憶する。通信部23は、無線又は有線で通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信部23によって、サーバ装置20はクライアント装置10と通信接続される。
【0016】
ここで、情報処理システム1が提供するゲームサービスの概要について、説明する。本実施形態において各クライアント装置10のユーザーは、サーバ装置20によって提供されるゲームをプレイする。このゲームでは、ゲームのプレイ対象となる複数のステージが予め用意されているものとする。ステージとは、各ユーザーによる1回のプレイの対象となるゲームの単位であって、ユーザーは、これからプレイするステージ、及びそのステージのプレイに使用するアイテムを選択してから、そのステージのゲームのプレイを開始する。各ステージでプレイするゲームの内容は、様々なものであってよく、特に限定されるものではない。本実施形態では、各ステージのゲームをプレイすることによって、ゲームをプレイしたユーザーに報酬が付与されることとする。以下では、各ステージのゲームをプレイすることによってユーザーに付与される報酬を、プレイ報酬という。すなわち、プレイ報酬はユーザーがゲームをプレイするごとにユーザーに対して付与される。なお、プレイ報酬はユーザーがそのステージのゲームをクリアした場合(成功条件を達成した場合)のみ付与されるものとする。プレイ報酬は、ユーザーがゲーム内で使用可能なアイテム等であってよい。
【0017】
また、本サービスでは、一人のユーザーが自分だけで一つのステージのゲームをプレイするシングルプレイのほか、複数のユーザーが共同で一つのステージのゲームをプレイするマルチプレイも可能であるものとする。マルチプレイでは、ホストとなるユーザーが参加者を募集し、ゲストとなる1又は複数のユーザーがホストの募集に対して参加要求を行うことによって実現される。以下では、一つのマルチプレイに参加するホスト及びゲスト双方のユーザーを参加ユーザーという。マルチプレイでは、各参加ユーザーのゲーム内における行動が他の参加ユーザーのゲーム内容にも影響を与える。マルチプレイは、複数の参加ユーザーが協力して同じ目標の達成を目指す協力プレイや、参加ユーザーが互いに対戦する対戦プレイなど、各種のものであってよい。なお、同じステージのゲームをプレイした場合であっても、シングルプレイの場合とマルチプレイの場合とで、付与されるプレイ報酬の内容や個数が変化してもよい。また、同じマルチプレイを実行した場合でも、ホストユーザーとゲストユーザーとでプレイ報酬の内容や個数が変化してもよい。
【0018】
本実施形態においてサーバ装置20は、各ユーザーがゲームをプレイした際に、プレイ報酬とは別の報酬をユーザーに付与する制御を実行する。以下、本実施形態においてサーバ装置20が実現する機能について、図2の機能ブロック図を用いて説明する。サーバ装置20は、機能的に、ゲーム処理実行部31と、プレイ報酬付与部32と、抽選報酬付与部33と、を含んで構成されている。さらに抽選報酬付与部33は、当選条件決定部33aと、抽選処理部33bと、抽選状況提示部33cと、を含んで構成されている。これらの機能は、制御部21が記憶部22に格納されているプログラムを実行することによって実現できる。このプログラムは、インターネット等の通信ネットワークを介してサーバ装置20に提供されてもよいし、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能で非一時的な情報記憶媒体に格納されてサーバ装置20に提供されてもよい。
【0019】
ゲーム処理実行部31は、本実施形態において情報処理システム1が提供するゲームの進行に関する各種の処理を実行する。具体的にゲーム処理実行部31は、前述したステージの情報を管理し、各クライアント装置10からの要求に応じて、ステージの情報を提供する。また、ステージでのプレイ内容を示す情報がクライアント装置10で実行された際に、その実行結果を受信し、各ユーザーによるゲームのプレイ結果を記録する。なお、各ユーザーのゲームプレイ内容に応じたゲームのプレイ結果は、クライアント装置10側で決定されてもよいし、ユーザーの操作内容を示す操作データを都度ゲーム処理実行部31が受信してゲーム処理実行部31が決定してもよい。
【0020】
プレイ報酬付与部32は、各ユーザーが1回ゲームをプレイするごとに、そのプレイ内容に応じて決まるプレイ報酬をユーザーに付与する。プレイ報酬の内容は、ユーザーがプレイしたステージによって決定されるものであってよい。特に本実施形態では、ユーザーがあるステージのゲームをクリアした際に、少なくとも1個のプレイ報酬を付与することとする。さらに、プレイ報酬の個数は、ゲームのプレイ内容やプレイ開始時に使用したアイテムなどによって変化するものとする。
【0021】
具体例として、プレイ報酬付与部32は、所定時間(又は所定ターン数)でステージをクリアした場合に報酬の個数が増えたり、コンティニューをしないでクリアした場合に報酬の個数が増えたりというように、プレイ内容が優れているとみなされる場合にプレイ報酬の個数を増加させてもよい。また、報酬の増加に寄与する特定のステータスが高いキャラクターを使用してステージをクリアした場合にプレイ報酬を増加させてもよい。また、マルチプレイの場合にシングルプレイの場合よりもプレイ報酬を増加させたり、マルチプレイの場合に他の参加ユーザーのプレイ内容に応じてプレイ報酬を増加させたりしてもよい。また、ゲームのプレイ開始前に報酬を増加させるアイテムの使用を選択した場合に、クリア時のプレイ報酬の個数を増加させてもよい。プレイ報酬付与部32は、これ以外にも、各種の条件でプレイ報酬の個数を増加させることとしてもよい。また、各条件によってどの程度プレイ報酬の個数を増加させるかは、ゲームバランス等に応じて任意に決定されてよい。
【0022】
抽選報酬付与部33は、ユーザーのゲームプレイに応じて、プレイ報酬付与部32によって付与されるプレイ報酬とは別の報酬を付与する。以下では、抽選報酬付与部33によって付与されるプレイ報酬とは別の報酬を抽選報酬という。抽選報酬付与部33は、ユーザーがゲームをクリアするごとに1又は複数回の抽選を行い、その抽選の結果が所定の当選条件を満たした場合に、ユーザーに抽選報酬を付与する。抽選報酬も、プレイ報酬と同様にゲーム内で使用可能なアイテム等であってよい。また、抽選報酬はプレイ報酬とは別の種類のアイテムを含んでもよいし、同じ種類のアイテムを含んでもよい。抽選報酬の内容は、ユーザーがプレイしたステージや、プレイの結果付与されるプレイ報酬の内容とは無関係に決定されるものとする。ただし、抽選自体は、予め定められた特定のステージをユーザーがプレイした場合に実行されることとしてもよい。この場合、ユーザーがそれ以外のステージをプレイしても抽選は行われず、そのため抽選報酬の付与も行われないことになる。以下では、抽選が行われる対象となるステージを対象ステージという。
【0023】
特に本実施形態では、抽選報酬付与部33は、ユーザーが対象ステージのゲームを1回プレイするごとに、そのプレイによってプレイ報酬付与部32がユーザーに付与したプレイ報酬の個数に応じて決まる回数の抽選を行うこととする。より具体的に、抽選報酬付与部33は、プレイ報酬の個数が多ければ多いほど、抽選の回数を増加させることとする。例えば抽選報酬付与部33は、プレイ報酬の個数と同じ回数の抽選を行うこととする。また、これに限らず抽選報酬付与部33は、プレイ報酬の個数に比例するように抽選回数を決定するなど、任意の方法で抽選回数を決定してよい。なお、抽選報酬付与部33は、ゲームプレイによってユーザーに付与される全てのプレイ報酬の個数ではなく、所定の条件を満たすプレイ報酬(例えばレア度が所定段階以上のプレイ報酬)の個数に応じて抽選の回数を決定してもよい。抽選の回数が増加するほど、抽選報酬を獲得できる可能性が増加する。そのため、プレイ報酬の個数に応じて抽選の回数を増加させることで、ユーザーに対して、プレイ報酬の内容にかかわらず対象ステージをプレイしてより多くの個数のプレイ報酬を獲得しようとする動機づけを与えることができる。
【0024】
以下、抽選報酬付与部33によって実現される抽選処理の流れの一例について、図3のフロー図を用いて説明する。ここでは抽選報酬付与部33は、ビンゴゲームを模した抽選報酬付与プロセスに従って抽選報酬を付与することとする。具体的に抽選報酬付与部33は、所定の開始タイミングで新たに抽選報酬付与プロセスを開始する(S1)。この所定の開始タイミングは、例えば所定の日時が到来したタイミングや、それまで実行されていた前回の抽選報酬付与プロセスが終了したタイミングなどであってよい。
【0025】
新たな抽選報酬付与プロセスが開始すると、まず当選条件決定部33aが当選条件を決定する(S2)。この当選条件は、ビンゴゲームにおけるビンゴカードの内容に相当する番号の配列を規定するものである。すなわち、本実施形態において抽選処理部33bは複数の選出対象(ここでは番号とする)の中から1個の番号を選出する抽選処理を行うこととし、当選条件決定部33aは、当選条件を複数の番号の組み合わせによって規定する1又は複数の当選セットの内容を決定する。これらの当選セットは、それぞれビンゴカード内におけるいずれかの列に対応しており、その当選セットで規定されている複数の番号が全て抽選処理によって選出されると、抽選報酬が付与されることになる。
【0026】
抽選報酬付与プロセスの開始後、ユーザーが対象ステージのゲームをプレイするごとに、プレイ報酬付与部32が当該ユーザーに対して1又は複数個のプレイ報酬を付与する(S3)。その後、抽選処理部33bは、複数の選出対象の中から1個の選出対象を選出する抽選を1又は複数回実行する(S4)。このとき抽選処理部33bは、S3でユーザーに付与されたプレイ報酬の個数に応じた回数の抽選を行う。抽選処理部33bが実行する1回の抽選は、ビンゴゲームにおいてビンゴマシーンを用いて1個のビンゴボールを選出する行為に相当する。この例では、複数の選出対象は所定範囲の番号(例えば1~99の99個の番号)によって構成される番号群であって、抽選処理部33bは1回の抽選においてこの番号群の中から1の番号をランダムに選出する。なお、1回の抽選報酬付与プロセスの間に、同じ番号が複数回選出されることはないものとし、一度抽選によって選出された番号は、次回以降の抽選における選出対象の番号群からは除外される。
【0027】
抽選処理部33bは、この1又は複数回の抽選の結果、当選条件を満たしたか否かを判定し(S5)、満たすと判定した場合に、ユーザーに抽選報酬を付与する(S6)。ここで当選条件を満たす状態とは、S2で決定された当選セットのいずれかで規定される複数の番号が全て選出された状態である。なお、抽選報酬は、当選セットのそれぞれに対応付けられて予め定められていてもよいし、当選条件を満たした当選セットの数に応じて決定されてもよい。例えば抽選処理部33bは、いずれか一つの当選セットについて当選条件を満たした場合にはアイテムA、次に二つ目の当選セットについて当選条件を満たした場合にはアイテムBというように、新たな当選セットについて当選条件を満たすごとに抽選報酬を付与することとする。S5で当選条件を満たした場合、及び満たされなかった場合のいずれの場合にも、抽選状況提示部33cが抽選処理の結果をユーザーに提示する(S7)。抽選状況提示部33cがユーザーに提示する内容の具体例については、後述する。
【0028】
続いて抽選処理部33bは、所定の終了条件が満たされたか否かを判定し(S8)、終了条件が満たされたと判定された場合には、一連の抽選報酬付与プロセスを終了する(S9)。この場合の終了条件は、例えば所定回数の抽選が実行されたという条件であってもよいし、予め用意された抽選報酬が全てユーザーに付与されたという条件であってもよい。また、これらの組み合わせであってもよいし、その他の条件であってもよい。
【0029】
所定の終了条件が満たされていなければ、現在の抽選報酬付与プロセスが継続され、次にユーザーが対象ステージのゲームをプレイした際にはS3に戻って抽選が行われる。すなわち、1回の抽選報酬付与プロセスが継続している間、ユーザーは対象ステージのゲームを複数回プレイすることによって、何度も抽選を行うチャンスを得ることができる。前述したように同じ番号が抽選によって複数回選出されることはないので、抽選を繰り返し行うことで新たな抽選における選出対象は減少し、当選条件を満たす確率は上昇することになる。
【0030】
抽選状況提示部33cは、以上説明した抽選報酬付与プロセスの状況を示す画面を、ユーザーが使用するクライアント装置10に接続された表示装置16に表示させてユーザーに提示する。具体的に抽選状況提示部33cは、抽選報酬付与プロセスの開始時には、当選セットに含まれる(すなわち、当選に寄与する)選出対象のそれぞれを表象する表象画像を配列した配列画像を含んだ抽選状況提示画面を提示する。この配列画像は、ビンゴカードを模したものであってよい。以下ではこの配列画像をカード画像Cと表記する。
【0031】
図4はこのようなカード画像Cを含む抽選状況提示画面の一例を示している。この図の例では一般的なビンゴカードと同じようにそれぞれ抽選の選出対象となる番号を表す表象画像が5行5列の正方形を形成するように配列されており、中央には番号に対応しないフリー枠が配置されている。すなわち、この図の例では24個の番号が当選に寄与する選出対象となっている。なお、以下ではカード画像C内においてそれぞれの番号を表す表象画像を番号画像Nと表記する。
【0032】
この例において当選条件決定部33aは、カード画像C内に配置される24個の番号を決定することによって、横方向の5列、縦方向の5列、及び斜め方向の2列のそれぞれに対応する合計12個の当選セットを当選条件として決定したことになる。これらの当選セットは、例えばカード画像Cの右端の縦方向の1列に対応する「46」、「50」、「72」、「11」、及び「87」の5個の番号の組からなる当選セット、中央の横方向の1列に対応する「98」、「41」、「4」、及び「72」の4個の番号の組からなる当選セット、といったように、それぞれ5個、又は4個の番号の組み合わせによって当選条件を規定している。なお、前述したように1から99の99個の番号の中から抽選が行われる場合、そのうちの一部のみが当選セットに含まれ、一部は当選セットに含まれない(すなわち、当選に寄与しない)ことになる。なお、この図における破線は番号画像Nがグレーアウトされて表示されていることを示しており、全ての番号が抽選処理によって選出されていないことを表している。
【0033】
また、この抽選状況提示画面には、カード画像Cとともに、これまでに抽選が実行された回数(抽選によって選出済みとなった番号の個数)の情報が含まれてよい。これによりユーザーは、抽選報酬付与プロセスの進行状況を把握できる。
【0034】
抽選処理部33bがユーザーのゲームプレイの結果に応じて1又は複数回の抽選処理を実行した際には、前述したS7の処理として、抽選状況提示部33cがその抽選結果を示す画面をユーザーに提示する。ここで、ユーザーがゲームプレイによって複数個のプレイ報酬を獲得した場合、複数回の抽選処理が実行されることとなるが、そのそれぞれによって選出された選出対象を1個ずつユーザーに提示すると、ユーザーの確認に時間がかかってしまう。そのため、抽選処理部33bは、1回のゲームプレイに対応して実行される複数回の抽選処理によって選出された複数個の選出対象を、一度にユーザーに提示することとする。
【0035】
具体的に、まず抽選処理部33bは、抽選の結果選出された複数個の選出対象を一覧表示する画面を表示する。ここでは具体例として、抽選の結果選出された各番号が描かれたボールを模した画像が、選出された番号を表象する表象画像として表示されるものとする。この番号を表象する表象画像を、以下ではボール画像Bと表記する。図5はこのような抽選結果を示す画面の一例を示している。この図の例では、ユーザーが対象ステージを1回プレイした結果に応じて合計11回の抽選が実行され、11個の番号が選出されたことを示す11個のボール画像Bが並んで表示されている。
【0036】
その後、抽選状況提示部33cは、選出された番号によって当選が発生したか否かを示す動画像をユーザーに提示する。一例として抽選状況提示部33cは、選出された複数個の番号に対応する複数個のボール画像Bを、一度にまとめて、かつ前述したカード画像Cと重ねて表示させる。図6はこのように抽選によって選出された複数の選出対象を一度にユーザーに提示する抽選状況提示画面の一例を示しており、抽選結果を示す動画像の途中の状態を示している。この図の例では、抽選によって選出された番号が描かれたボール画像Bが、カード画像Cの手前側に存在するようにカード画像Cに重ねて表示されている。
【0037】
この図6に示した例では、抽選処理によって選出された番号の中に、当選セットに含まれる番号(カード画像C内に番号画像Nが含まれる番号)と、当選セットに含まれない番号が混在している。この状態から抽選状況提示部33cは、当選セットに含まれない番号のボール画像Bが、カード画像Cに徐々に近づいていき、カード画像Cにぶつかった後に弾かれるように画面外に移動していく様子を動画像として表示する。その後、当選セットに含まれる番号のボール画像Bが、カード画像C内の対応する番号画像Nに重なる位置まで移動するとともに番号画像Nと同じ大きさまで縮小していくような動画像を表示する。このように、当選セットに含まれる番号を当選セットに含まれない番号と識別可能な態様で表示する動画像をユーザーに提示することによって、ユーザーは抽選によって選出された複数の番号のうち、当選に寄与する番号を容易に把握することができる。
【0038】
さらに抽選状況提示部33cは、当選セットに含まれる番号のボール画像Bがカード画像C内の対応する番号画像Nに重なったタイミングで、この番号画像Nの表示態様を、抽選によって選出済みであることを識別可能な態様に変化させる。具体的に抽選状況提示部33cは、選出済みの番号を表すカード画像C内の番号画像Nを、未選出の番号画像Nと色、明度、形状、サイズなどのいずれか少なくとも一つが異なる態様で表示させる。これによりユーザーは、当選セットに含まれる番号のうち、現在どの番号が選出済みでどの番号が選出済みでないかを把握できる。さらに、いずれかの当選セットに含まれる全ての番号が抽選によって選出された場合(すなわち、カード画像C内のいずれかの列に並んだ全ての番号が選出済みになった場合)、抽選状況提示部33cは、例えばその列を強調表示するなどして、当選セットに含まれる全ての番号が選出されたことを示す表示を行ってもよい。
【0039】
図7は、図6に示す状態から抽選結果を示す動画像の表示が終了した状態を示す図であって、選出済みの番号を表す番号画像Nの表示態様が変化した状態の抽選状況提示画面の一例を示している。この図の例では、図4と同様に破線がグレーアウトで表示された番号画像N(未選出の番号を表す番号画像N)を示しており、実線がグレーアウトされず色つきで表示された番号画像N(選出済みの番号を表す番号画像N)を示している。また、この図の例では、右端の列に並んだ全ての番号が選出済みとなっている。これにより、右端の列に対応する当選セットに含まれる「46」、「50」、「72」、「11」、及び「87」の5個の番号が全て選出されたので、この当選セットによって規定される当選条件が満たされている。そのため、ユーザーに対して1個目の抽選報酬が付与されている。
【0040】
なお、抽選状況提示部33cは、抽選報酬付与プロセスの途中の段階においてユーザーから要求があったタイミングなどで、図7に例示するようなカード画像Cをユーザーに提示してもよい。これによりユーザーは、任意のタイミングで現在どの程度の回数の抽選が行われたか、その結果当選が発生したか、あるいは当選にどの程度近づいているかなどを容易に把握することができる。
【0041】
また、抽選状況提示部33cは、抽選報酬付与プロセスの途中の段階において、ユーザーの要求に応じて、図8に例示するような選出済みの番号を示す画面をユーザーに提示してもよい。この図の例では、抽選における選出対象となる99個の番号のうち、選出済みの番号が未選出の番号と識別可能な態様で表示されている。より具体的に、選出済みの番号は、色、明度、形状、サイズなどが未選出の番号と異なるように表示されている。なお、この図において、当選セットに含まれる番号は、含まれない番号と識別可能な態様で表示されることとしてもよい。
【0042】
以上説明した本実施形態に係るサーバ装置20によれば、ユーザーのゲームプレイ結果に応じて変化する回数で抽選を実行し、その抽選の結果に応じてユーザーに抽選報酬を付与することで、ユーザーにより多くの報酬を獲得するようなプレイをする動機づけを与えることができる。
【0043】
なお、以上の説明における抽選報酬付与プロセスは、本サービスを利用する複数のユーザーのそれぞれに対して、互いに独立に実行されることとする。すなわち、各ユーザーに対する抽選は互いに独立したタイミングで実行される。ただし、当選条件は複数のユーザーに対して共通に決定されてもよい。
【0044】
なお、本発明の実施の形態は、以上説明したものに限られない。例えば以上の説明における抽選状況提示画面や抽選処理の結果を示す動画像などの内容は例示に過ぎず、抽選報酬付与プロセスの進行状況や抽選処理の結果は各種の態様でユーザーに提示されてよい。また、以上説明した抽選報酬付与プロセスにおいては、ビンゴゲームに類似した当選条件及び抽選方法で抽選が行われ、抽選報酬が付与されるか否か決定されることとしたが、抽選の方法や当選条件の設定方法についても、以上説明したものに限らず、各種のものであってよい。
【0045】
また、以上の説明においてクライアント装置10、及びサーバ装置20のそれぞれが実行することとした処理の少なくとも一部は、複数の装置で分散して実行されてもよい。また、以上の説明においてサーバ装置20が実行することとした処理の少なくとも一部は、クライアント装置10側で実行されてもよい。特に、以上の説明ではサーバ装置20自身が当選条件を決定するとともに、抽選処理を実行して抽選報酬を付与することとしたが、抽選処理はクライアント装置10が実行してもよい。この場合、クライアント装置10が本発明の一実施形態に係る情報処理装置として機能することになる。この場合にクライアント装置10は、自身で当選条件を決定してもよいし、サーバ装置20から当選条件の情報を取得してもよい。さらに、クライアント装置10単体で本ゲームに関する処理を全て実行することとしてもよく、この場合サーバ装置20はなくともよい。
【符号の説明】
【0046】
1 情報処理システム、10 クライアント装置、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、14 インタフェース部、15 操作入力装置、16 表示装置、20 サーバ装置、21 制御部、22 記憶部、23 通信部、31 ゲーム処理実行定部、32 プレイ報酬付与部、33 抽選報酬付与部、33a 抽選条件決定部、33b 抽選処理部、33c 抽選状況提示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8