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特許7011251耐酸性及び耐アルカリ性のある封着ガラス並びにそれを用いたゼオライト分離膜
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  • 特許-耐酸性及び耐アルカリ性のある封着ガラス並びにそれを用いたゼオライト分離膜 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】耐酸性及び耐アルカリ性のある封着ガラス並びにそれを用いたゼオライト分離膜
(51)【国際特許分類】
   C04B 37/00 20060101AFI20220119BHJP
   C03C 3/087 20060101ALI20220119BHJP
   B01D 71/02 20060101ALI20220119BHJP
   B01D 69/04 20060101ALI20220119BHJP
   B01D 69/10 20060101ALI20220119BHJP
   B01D 69/12 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
C04B37/00 A
C03C3/087
B01D71/02
B01D69/04
B01D69/10
B01D69/12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017221588
(22)【出願日】2017-11-17
(65)【公開番号】P2018131375
(43)【公開日】2018-08-23
【審査請求日】2020-08-26
(31)【優先権主張番号】P 2017025236
(32)【優先日】2017-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504147254
【氏名又は名称】国立大学法人愛媛大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】篠矢 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】矢野 和宏
(72)【発明者】
【氏名】武部 博倫
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼▲崎▼ 優一
【審査官】若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-220990(JP,A)
【文献】国際公開第2009/017173(WO,A1)
【文献】特開平05-085843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 37/00
C03C 3/087
B01D 71/02
B01D 69/04
B01D 69/10
B01D 69/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックの封着ガラスであって、
当該封着ガラスはSiO 、CaOおよびAl の3成分のみからなり、
iO、CaOおよびAlの含有モル比が、3元系状態図における
(I)(SiO:CaO:Al)=(57.0:40.0:3.0)
(II)(SiO:CaO:Al)=(53.5:40.0:6.5)
(III)(SiO:CaO:Al)=(60.5:33.0:6.5)
(IV)(SiO:CaO:Al)=(64.0:33.0:3.0)の4点に囲まれている範囲であることを特徴とする封着ガラス。
【請求項2】
請求項1に記載の封着ガラスであって、当該封着ガラスの封着温度が800℃~1000℃であることを特徴とする封着ガラス。
【請求項3】
封着ガラスの線膨張係数が4~9×10-6(/K)であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の封着ガラス。
【請求項4】
セラミック多孔質管の表面にゼオライト層が形成されたゼオライト分離膜であって、
当該ゼオライト分離膜は、支持体となるセラミック多孔質管の管端を封止または膜モジュールに固定するためのセラミック接合部材を有し、
前記セラミック多孔質管と前記セラミック接合部材は、請求項1~3のいずれか1つに記載の封着ガラスによって接合されていることを特徴とするゼオライト分離膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、化学プラントに適応されるゼオライト分離膜等の耐アルカリ性や耐酸性等の耐化学薬品性が要求される箇所に使用され、且つ、セラミック部材同士を接合するために使用される封着ガラス及びそれを用いて製作されるゼオライト分離膜に関する。
【背景技術】
【0002】
化学プラントにおいて、種々の化学物質を取り扱う関係から耐アルカリ性や耐酸性の耐化学薬品性の高いセラミック部材等が多用されている。これらのセラミック部材を組み合わせて構造体を製作する接合技術としてガラス接着法が一般に用いられている。
【0003】
例えば、ゼオライトを分離膜として利用する場合、ゼオライト層自体には十分な機械的強度がないため、支持体となるセラミック多孔質管の表面にゼオライトの結晶を薄層状に析出させ、ゼオライト層を支持させた状態とする。このようなゼオライト層を形成する方法としては、セラミック多孔質管の表面にゼオライトの種結晶を付着させ、これをシリカ源とアルミナ源からなる原料溶液を混合した反応液に浸漬し、反応液を攪拌しながら水熱合成する水熱合成法が知られている。
【0004】
支持体となるセラミック多孔質管には、ゼオライト層を形成する前に、管端の封止用や膜モジュールへの固定用に、支持体よりも緻密なセラミックからなる接合部材を取り付ける必要があり、その方法の一つとしてガラス接着法が用いられている。
【0005】
特許文献1には、アルミナを主成分とする多孔質管と封止栓等の接合部材とを接合するための接合剤が記載されており、本接合剤は必須成分としてSiO:17~48wt%、Al:2~8wt%、BaO:24~60wt%、ZnO:0.5~5wt%を含み、かつLa、CaOおよびSrOのうち少なくとも1つを含み、必須成分が全体重量の80~84.5wt%であり、La、CaOおよびSrOのうちの少なくとも1つが全体重量の11.7~15.8wt%の組成を有するものである。
【0006】
非特許文献1には、耐アルカリ性を有する液面計用ガラスとして、SiO、Al、Y、ZrO、TiO、La、MgO、CaO、BaO、ZnO、B、F、Sb、およびAsの配合比を変えたガラスの特性が記載されている。
【0007】
近年、ゼオライト分離膜等が化学プラントにおいて多用され、種々の被分離物質に対応することができるようにするために、被分離物質が強アルカリ性や強酸性を示す場合でも利用可能なゼオライト分離膜等が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第4990076号特許公報
【文献】東京都立工業技術センター研究報告書第26号(1997)「液面計用耐アルカリ性ガラスの開発」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、化学プラント等で用いられるセラミック部材等の接合に用いられ、耐アルカリ性と耐酸性が要求される封着ガラスおよびそれを用いて製作されるゼオライト分離膜を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、本発明1は、 セラミックの封着ガラスであって、主成分であるSiO、CaOおよびAlの含有モル比が、3元系状態図における(I)(SiO:CaO:Al)=(57.0:40.0:3.0)、(II)(SiO:CaO:Al)=(53.5:40.0:6.5)、(III)(SiO:CaO:Al)=(60.5:33.0:6.5)、(IV)(SiO:CaO:Al)=(64.0:33.0:3.0)の4点に囲まれている範囲であることを特徴としている。
【0011】
主成分は、SiO、CaOおよびAlであり、これらの3成分を主成分とし、これらの主成分の含有モル比を上記(I)~(IV)に囲まれた範囲内とすることで、耐アルカリ性が高く、かつ耐酸性も高い封着ガラスを実現することができる。
【0012】
本発明2は、本発明1に記載の封着ガラスであって、当該封着ガラスの封着温度が800℃~1000℃であることを特徴としている。
【0013】
封着ガラスの封着温度は、封着ガラスによって接合されたセラミック部材等が化学プラント等で使用される温度よりも十分に高く、逆に封着温度が高すぎると製作が困難となるため、高くなりすぎないようすることが重要である。
【0014】
封着させるためには封着ガラスの軟化温度より高い800℃以上の温度が必要であるが、特にゼオライト分離膜では、封着温度が1000℃を超えると、封着の際の熱によりセラミック多孔質管の細孔径に影響を及ぼす恐れがある。封着温度が800℃~1000℃であると、ゼオライト分離膜の使用温度(500℃以下)に比べて十分に高く、一般のガラスの封着温度に比べて低く好ましい。
【0015】
本発明3は、封着ガラスの線膨張係数が4~9×10-6(/K)であることを特徴とする本発明1または2のいずれかに記載の封着ガラスである。
【0016】
セラミック材料の線膨張係数は、例えばジルコニアセラミックでは10×10-6/Kであり、アルミナセラミックでは7.2×10-6/Kであり、炭化ケイ素セラミックでは4.4×10-6/Kである。したがって、封着ガラスの線膨張係数が4~9×10-6(/K)であると、セラミック材料の線膨張係数に近く、温度変化によってセラミック部材に挟まれた封着ガラスに過大な応力が加わらず、クラック等が発生せず耐久性が向上する。
【0017】
本発明4は、セラミック多孔質管の表面にゼオライト層が形成されたゼオライト分離膜であって、当該ゼオライト分離膜は、支持体となるセラミック多孔質管の管端を封止または膜モジュールに固定するためのセラミック接合部材を有し、セラミック多孔質管と前記セラミック接合部材は、本発明1~3のいずれか1つに記載の封着ガラスによって接合されていることを特徴としている。
【0018】
本発明4によるゼオライト分離膜は、接合剤として用いられる封着ガラスの耐アルカリ性および耐酸性が高いため耐久性が向上する。
【0019】
セラミック多孔質体の表面にゼオライト層を形成する方法は、特許文献1に記載してある方法と同じである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、化学プラント等で用いられるセラミック部材等の接合に用いられ、耐アルカリ性と耐酸性が要求される封着ガラスおよびそれを用いて製作されるゼオライト分離膜を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】封着ガラスの成分決定のための試験サンプルのモル組成比を示す図である。
図2】耐アルカリ性および耐酸性の試験における試験サンプルの浸漬状態を示す図である。
図3】耐アルカリ性試験結果を示す図である。
図4】耐酸性試験結果を示す図である。
図5】耐アルカリ性および耐酸性が高い領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
つぎに、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
本発明の封着ガラスの組成決定の前に、特許文献1および非特許文献1に開示されたガラスの耐アルカリ性と耐酸性の試験を行った。
【0024】
耐アルカリ性試験および耐酸性試験に供するガラスの試験サンプルは、各組成の原料粉末を秤量・混合し、Pt坩堝にて1600℃で2Hr程度溶融させて製作した。
【0025】
耐アルカリ試験では、9×9×2mmの板状に成形し、その後表面に傷が見られなくなるまで研磨したサンプルを耐圧硝子工業(株)製のテフロン(登録商標)内筒密閉容器(型番:TAF-SR-50)にテフロン糸で括って吊るし、そこへ1.3mol/LのNaOH溶液(30ml)を封入し、180℃で72時間の浸漬曝露試験を行い、曝露前後の重量測定により評価した。
【0026】
図2の10がテフロン内筒密閉容器であり、11がテフロン糸であり、12がテフロン内筒であり、13が浸漬液であり、14が試験に供したテストサンプルである。
【0027】
耐酸性試験では、耐アルカリ性試験と同様にサンプルをセットし、pHが3となるように調整した酢酸水溶液を封入し、180℃で72時間の浸漬曝露試験を行い、曝露前後の重量測定により評価した。
【0028】
下記表1は、特許文献1および非特許文献1に開示されたガラスの成分および耐アルカリ性と耐酸性試験の試験結果を示す。成分はモル比(%)で、耐アルカリ性と耐酸性試験の試験結果は、試験前の試験サンプルの重量に対する試験後の減量重量の比(%)で示す。
【0029】
【表1】
特許文献1に開示のガラスの耐アルカリ性試験の試験結果は14.0%と非常に悪く、耐酸性試験の試験結果は2.0%と比較的良好である。
【0030】
これに対して、非特許文献1に開示のガラスの耐アルカリ性試験の試験結果は1.6%と比較的良好であるが、耐酸性試験の試験結果は6.8%と悪い。
【0031】
本発明の目的とする耐アルカリ性が非常に高く、かつ耐酸性も非常に高い封着ガラスの組成比を決定するために以下の試験を行った。
【0032】
アルカリ金属酸化物を組成に加えると耐アルカリ性が悪くなるという経験から、ガラス成分としてSiOにアルカリ土類金属の酸化物を加え、封着温度を下げるためのAlの3元素を基本主成分として封着ガラスを作製することとした。
【0033】
アルカリ土類金属をBaとし、その酸化物のBaOを用いたが、耐アルカリ性試験が18.7%と非常に悪かったため、Ca酸化物のCaOを主成分に加えることとした。
【0034】
SiO、CaOおよびAlの3元素を下記表2の配合モル比で配合した試験サンプルa~rを製作し、耐アルカリ性試験および耐酸性試験を行った。
【0035】
【表2】
図1に、a~rの試験サンプルの3元系状態図における位置を示している。
【0036】
図3に、耐アルカリ性試験の試験結果を3元系状態図内に示している。矢印の起点が試験サンプルa~rの3元系状態図における位置を示し、矢印の長さが耐アルカリ性試験の結果を示している。矢印の長さが長いほど耐アルカリ性が悪く、矢印の長さが短いほど耐アルカリ性が良いことを示している。矢印の線幅が太いものは、耐アルカリ性試験が1%以下のものを示し、矢印の線幅が細いものは耐アルカリ性試験が1%を超えるものを示している。
【0037】
この図3を見ると、図中のY1とY2を結ぶ線の左側に耐アルカリ性試験が1%以下のものが集中していることがわかる。なお、サンプルiおよびjは試験サンプルがガラス化しなかったため試験を行わなかった。
【0038】
図4に、耐酸性試験の試験結果を3元系状態図内に示している。図3と同じく、矢印の起点が試験サンプルa~rの3元系状態図における位置を示し、矢印の長さが耐酸性試験の結果を示している。矢印の長さが長いほど耐酸性が悪く、矢印の長さが短いほど耐酸性が良いことを示している。矢印の線幅が太いものは、耐酸性試験が1%以下を示し、矢印の線幅が細いものは耐酸性試験が1%を超えるものを示している。
【0039】
この図4を見ると、図中のX1とX2を結ぶ線の上側に耐酸性試験が1%以下のものが集中していることがわかる。
【0040】
図3および図4に示された試験結果から、耐アルカリ性が1%以下で、かつ耐酸性試験結果が1%以下であるものは、図5中のY1とY2を結ぶ線の左側で、かつX1とX2を結ぶ線の上側にある領域にある試験サンプルmとrのみで、試験サンプルmとrが含まれる近傍の領域を3元系状態図におけるポイント(点)I、II、III、IVで取り囲んでいる。この領域内部の組成のガラスは、耐アルカリ性と耐酸性が良いことがわかる。
【0041】
点I、II、III、IVそれぞれのSiO、CaOおよびAlの含有モル比は以下に示す通りである。
【0042】
(I) (SiO:CaO:Al)=(57.0:40.0:3.0)
(II)(SiO:CaO:Al)=(53.5:40.0:6.5)
(III)(SiO:CaO:Al)=(60.5:33.0:6.5)
(IV)(SiO:CaO:Al)=(64.0:33.0:3.0)
主要成分が、SiO、CaO及びAlの3成分であって、3元系状態図における上記点(I)~(IV)で囲まれる領域をモル組成比とする封着ガラスは、耐アルカリ性及び耐酸性の試験結果が共に1%以下を示す。これは、耐アルカリ性に優れる非特許文献1に記載のガラスに比べてガラスの溶出量は36%以上減少し、耐酸性に優れる特許文献1に記載のガラスに比べてもガラスの溶出量は50%以上減少している。
【0043】
また、図4によれば、サンプルrの耐酸性試験結果は0.95%、サンプルqの耐酸性試験結果は0.90%と小さな値であるのに対して、X1とX2を結ぶ直線よりもすぐ下側に位置しているサンプルa、b、cの耐酸性試験結果は、順に3.82、2,78、3.93とサンプルrおよびqと比較して非常に大きく、直線X1とX2を結ぶ直線付近で急激に耐酸性の試験結果は変化していることがわかる。
【0044】
したがって、耐アルカリ性と耐酸性において共に優れた特性を有する本封着ガラスは、従来のガラスと比較しても顕著な効果を有している。
【0045】
点I、II、III、IVそれぞれのSiO、CaOおよびAlの含有モル比に囲まれた領域内におけるSiOのSi元素の半分以下をSi元素と同じ14族であるGeに置き換えても本封着ガラスと同様の耐アルカリ性及び耐酸性を有する。
【0046】
点I、II、III、IVそれぞれのSiO、CaOおよびAlの含有モル比に囲まれた領域内におけるCaOのCa元素の半分以下をCa元素と同じ2価の価数を有する金属イオンの酸化物MO(ここでMはBe,Mg,Ba,Sr,Mn,Ni,Cu,Zn,Cd,Sn,Pbから選ばれる少なくとも1つ以上の元素)に置き換えても本封着ガラスと同様の耐アルカリ性及び耐酸性を有する。
【0047】
点I、II、III、IVそれぞれのSiO、CaOおよびAlの含有モル比に囲まれた領域内におけるAlのAl元素の半分以下をAl元素と同じ3価の価数を有する酸化物X(ここでXはGa,B,In,Sb,Bi,Sc,Y,Fe,ランタノイドから選ばれる少なくとも1つ以上の元素)に置き換えても本封着ガラスと同様の耐アルカリ性及び耐酸性を有する。
【0048】
製作したガラスの線膨張係数を、熱機械分析装置:Thermoplus TMA8310(Rigaku製、JIS R1618準拠)を用いて測定した。その結果を下記表3に示す。
【0049】
【表3】
線膨張係数が4~9×10-6/Kの範囲に入ってない点は、fとjであるが、これら2つの点は、図5の4点I、II、IIIおよびIVに囲まれている範囲に入っている領域にはない点である。また、図5の4点I、II、IIIおよびIVに囲まれている範囲に入っている領域の点mでは、7.3×10-6/Kであり、点rでは5.1×10-6/Kであり、いずれも4~9×10-6/Kの範囲に入っていた。
【符号の説明】
【0050】
10:テフロン内筒密閉容器
11:テフロン糸
12:テフロン内筒
13:浸漬液
14:テストサンプル
図1
図2
図3
図4
図5