(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】異物検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 27/72 20060101AFI20220119BHJP
G01N 23/04 20180101ALI20220119BHJP
G01N 23/18 20180101ALI20220119BHJP
【FI】
G01N27/72
G01N23/04
G01N23/18
(21)【出願番号】P 2018521737
(86)(22)【出願日】2017-06-06
(86)【国際出願番号】 JP2017021004
(87)【国際公開番号】W WO2017213146
(87)【国際公開日】2017-12-14
【審査請求日】2020-05-18
(31)【優先権主張番号】P 2016112588
(32)【優先日】2016-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(73)【特許権者】
【識別番号】000226781
【氏名又は名称】日新電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】野口 眞悟
(72)【発明者】
【氏名】川口 祐二
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-081729(JP,A)
【文献】特開2002-341050(JP,A)
【文献】特開2009-109298(JP,A)
【文献】特開2015-028465(JP,A)
【文献】特開2004-301763(JP,A)
【文献】特開2017-067684(JP,A)
【文献】特開2001-315941(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0164766(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/72-27/9093
G01N 23/00-23/2276
G01V 3/00-5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物を搬送する搬送部と、
磁界と金属との相互作用を利用して、前記搬送部で搬送されている前記被検査物に含まれる金属を異物として検出する金属検出部と、
X線の透過性を利用して、前記搬送部で搬送されている前記被検査物に含まれる異物を検出するX線検査部と、
前記搬送部の少なくとも一部、前記X線検査部、及び前記金属検出部を内部に収容し、前記搬送部による前記被検査物の搬入口、及び前記搬送部による前記被検査物の搬出口を有する筐体と、を備え、
前記搬送部は、
前記搬送部による前記被検査物の搬送領域の上流端に配置された第1送りローラと、
前記搬送領域の下流端に配置された第2送りローラと、
前記第1送りローラ及び前記第2送りローラに架けられた無端ベルトと、
前記搬送領域において前記無端ベルトを支持する支持プレートと、を有し、
前記支持プレートは、前記搬送部による前記被検査物の搬送方向に沿って並設され且つ互いに分離された複数の支持部分を含み、
互いに隣り合う前記支持部分のうちの一方の支持部分は、
第1本体プレートと、
前記第1本体プレートの下側に取り付けられ、互いに隣り合う前記支持部分のうちの他方の支持部分側に突出する少なくとも1つの第1係合部と、を有し、
前記他方の支持部分は、
第2本体プレートと、
前記第2本体プレートの下側に取り付けられ、前記一方の支持部分側に突出する複数の第2係合部と、を有し、
前記一方の支持部分及び前記他方の支持部分は、少なくとも1つの前記第1係合部が、互いに隣り合う前記第2係合部の間に位置した状態で、互いに係合しており、
前記第1本体プレートの上面及び前記第2本体プレートの上面は、同一の平面上に位置しており、前記無端ベルトの支持面を構成している、異物検査装置。
【請求項2】
複数の前記支持部分のいずれか1つには、前記X線検査部のX線が通過する開口が形成されている、請求項1に記載の異物検査装置。
【請求項3】
前記金属検出部は、サーチコイルが内部に配置され且つ前記搬送部が内部を通過しているケースを有し、
複数の前記支持部分は、前記ケースの外側で互いに分離されている、請求項1
又は2に記載の異物検査装置。
【請求項4】
前記搬送部は、
前記第1送りローラ、及び複数の前記支持部分のうち前記搬送領域の最も上流側に配置された前記支持部分が取り付けられた第1支持フレームと、
前記第2送りローラ、及び複数の前記支持部分のうち前記搬送領域の最も下流側に配置された前記支持部分が取り付けられた第2支持フレームと、を更に有する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の異物検査装置。
【請求項5】
前記支持プレートは、前記搬送方向に沿って並設され且つ互いに分離された2つ又は3つの前記支持部分を含む、請求項1~
4のいずれか一項に記載の異物検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異物検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被検査物を搬送する搬送部と、磁界と金属との相互作用を利用して、搬送部で搬送されている被検査物に含まれる金属を異物として検出する金属検出部と、を備える異物検査装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような異物検査装置では、金属検出部においてサーチコイルを収容しているケースを搬送部が通過しているため、搬送部のメンテナンス(例えば、搬送部の清掃)を実施する際に、搬送部による被搬送物の搬送方向に沿って金属検出部のケースから搬送部を一体として引き出す必要がある。しかし、搬送方向における異物検査装置の両側のスペースは限られている場合が多いため、搬送部のメンテナンスを容易に実施することは困難である。
【0005】
そこで、本開示は、搬送部のメンテナンスを容易に実施することができる異物検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係る異物検査装置は、被検査物を搬送する搬送部と、磁界と金属との相互作用を利用して、搬送部で搬送されている被検査物に含まれる金属を異物として検出する金属検出部と、を備え、搬送部は、搬送部による被検査物の搬送領域の上流端に配置された第1送りローラと、搬送領域の下流端に配置された第2送りローラと、第1送りローラ及び第2送りローラに架けられた無端ベルトと、搬送領域において無端ベルトを支持する支持プレートと、を有し、支持プレートは、搬送部による被検査物の搬送方向に沿って並設され且つ互いに分離された複数の支持部分を含む。
【0007】
本開示の一形態に係る異物検査装置では、無端ベルトを支持する支持プレートが、搬送方向に沿って並設された複数の支持部分に分離されている。そのため、搬送部のメンテナンスを実施する際に、搬送方向に沿って金属検出部のケースから搬送部を一体として引き出す必要がない。よって、本開示の一形態に係る異物検査装置によれば、搬送方向における異物検査装置の両側のスペースが限られている場合であっても、搬送部のメンテナンスを容易に実施することができる。
【0008】
本開示の一形態に係る異物検査装置は、X線の透過性を利用して、搬送部で搬送されている被検査物に含まれる異物を検出するX線検査部と、搬送部の少なくとも一部、X線検査部、及び金属検出部を内部に収容し、搬送部による被検査物の搬入口、及び搬送部による被検査物の搬出口を有する筐体と、を更に備えてもよい。異物検査装置にX線検査部が設けられている場合、無端ベルトの表面に付着した汚れ等がX線検査の精度を低下させる傾向があるため、無端ベルトの表面の清掃等、搬送部のメンテナンスを実施する頻度が高くなり易い。その一方で、異物検査装置にX線検査部が設けられている場合、X線の外部漏洩を抑制するために筐体が必要になるので、搬送部のメンテナンスを容易に実施することが困難になり易い。しかし、本開示の一形態に係る異物検査装置では、搬送部のメンテナンスを実施する際に、搬送方向に沿って筐体の搬入口又は搬出口から搬送部を一体として引き出す必要がない。したがって、本開示の一形態に係る構成は、異物検査装置にX線検査部及び筐体が設けられている場合に特に有効である。
【0009】
本開示の一形態に係る異物検査装置では、複数の支持部分のいずれか1つには、X線検査部のX線が通過する開口が形成されていてもよい。これにより、支持プレートによるX線の減衰を抑制してX線検査を精度良く実施することができる。
【0010】
本開示の一形態に係る異物検査装置では、互いに隣り合う支持部分の間には、X線検査部のX線が通過する隙間が形成されていてもよい。これにより、各支持部分の強度を維持することができると共に、支持プレートによるX線の減衰を抑制してX線検査を精度良く実施することができる。
【0011】
本開示の一形態に係る異物検査装置では、金属検出部は、サーチコイルが内部に配置され且つ搬送部が内部を通過しているケースを有し、複数の支持部分は、ケースの外側で互いに分離されていてもよい。これにより、複数の支持部分が当該ケースの内側で互いに分離されている場合に比べ、搬送部のメンテナンスをより容易に実施することができる。
【0012】
本開示の一形態に係る異物検査装置では、搬送部は、第1送りローラ、及び複数の支持部分のうち搬送領域の最も上流側に配置された支持部分が取り付けられた第1支持フレームと、第2送りローラ、及び複数の支持部分のうち搬送領域の最も下流側に配置された支持部分が取り付けられた第2支持フレームと、を更に有してもよい。これにより、第1送りローラ、最も上流側の支持部分及び第1支持フレームの組と、第2送りローラ、最も下流側の支持部分及び第2支持フレームの組と、をそれぞれユニットとして取り扱うことができるので、搬送部のメンテナンスをより容易に実施することができる。
【0013】
本開示の一形態に係る異物検査装置では、支持プレートは、搬送方向に沿って並設され且つ互いに分離された2つ又は3つの支持部分を含んでもよい。これにより、装置構成の複雑化の抑制及び搬送部のメンテナンスの容易化の両立を図ることができる。
【0014】
本開示の一形態に係る異物検査装置では、互いに隣り合う支持部分のうちの一方の支持部分には、互いに隣り合う支持部分のうちの他方の支持部分側に突出する少なくとも1つの第1係合部が設けられており、他方の支持部分には、一方の支持部分側に突出する複数の第2係合部が設けられており、一方の支持部分及び他方の支持部分は、少なくとも1つの第1係合部が、互いに隣り合う第2係合部の間に位置した状態で、互いに係合していてもよい。これにより、無端ベルトを安定して支持することができる。また、X線検査部が設けられている場合には、X線の漏洩も確実に防止することができる。更に、メンテナンス時には、一方の支持部分と他方の支持部分とを容易に分離することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、搬送部のメンテナンスを容易に実施することができる異物検査装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施形態に係る異物検査装置の正面図である。
【
図2】
図2は、
図1の異物検査装置の内部構成及び制御系を示す概念図である。
【
図3】
図3は、
図2のX線検査部及び金属検出部の主要構成の正面図である。
【
図4】
図4は、
図2のX線検査部及び金属検出部の主要構成の斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2のX線検査部、金属検出部及び搬送部の主要構成の正面図である。
【
図6】
図6は、
図2のX線検査部、金属検出部及び搬送部の主要構成の正面図である。
【
図7】
図7は、変形例の支持プレートの側面図である。
【
図9】
図9は、第1支持部分及び第2支持部分が互いに分離された状態での
図7の支持プレートの側面図である。
【
図10】
図10は、第1支持部分及び第2支持部分が互いに分離された状態での
図7の支持プレートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1に示される異物検査装置1は、被検査物に含まれる異物を検出する装置である。被検査物は例えば食品である。異物検査装置1は、その内部において被検査物を搬送しつつX線検査及び金属検出を行い、被検査物に異物が含まれるか否かを検査する。X線検査は、X線の透過性を利用して被検査物に含まれる異物を検出する手法であり、X線検査部2(
図2参照)によって実現される。X線検査では、被検査物とは異なるX線透過性を有する異物を検出することができる。金属検出は、磁界と金属との相互作用を利用して被検査物に含まれる金属を異物として検出する手法であり、金属検出部3(
図2参照)によって実現される。金属検出では金属を異物として検出することができる。
【0019】
異物検査装置1は、その内部に空間が形成された筐体4を有している。筐体4は、X線検査部2及び金属検出部3(
図2参照)を内部に収容している。筐体4は、X線検査部2により発生されるX線を遮蔽し、X線の外部漏洩を抑制する。筐体4は、例えばステンレス等で形成されている。
【0020】
筐体4は、例えば直方体箱状を呈している。筐体4の一方の側面には、筐体4の内部に連通する開口部4aが形成されている。筐体4の他方の側面には、筐体4の内部に連通する開口部4bが形成されている。異物検査装置1では、被検査物は、開口部4aから筐体4の内部に搬入され、筐体4の内部において検査が行われ、開口部4bから筐体4の外部に搬出される。つまり、開口部4aが被検査物の搬入口であり、開口部4bが被検査物の搬出口である。
【0021】
筐体4の前面には、筐体4を開閉する上部扉40及び下部扉41が設けられている。上部扉40及び下部扉41は、例えば開き戸構造である。上部扉40又は下部扉41が開放されることで、後述するX線検査部2及び金属検出部3の少なくとも一部が外部に露出される。上部扉40及び下部扉41は、例えばステンレス等で形成されている。
【0022】
上部扉40の前面には、ディスプレイ5及び操作スイッチ6が設けられている。ディスプレイ5は、表示機能と入力機能とを兼ね備えた表示装置であり、例えばタッチパネルである。ディスプレイ5は、X線検査及び金属検出の結果等を表示すると共に、金属検出及びX線検査に関する各種パラメータを設定するための操作画面を表示する。操作スイッチ6は、X線検査部2及び金属検出部3の電源スイッチ等である。
【0023】
筐体4は、支持脚7によって支持されている。筐体4の上面には、報知部8及びクーラー9が設けられている。報知部8は、異物の混入及び機器の作動状態を報知する。報知部8は、X線検査部2に対応する第1報知器81、及び金属検出部3に対応する第2報知器82を有している。クーラー9は、筐体4の内部に冷気を送り、筐体4の内部に配置された機器の温度を調整する。
【0024】
図2に示されるように、筐体4の内部は、後述するX線発生器21の一部、及び各種の制御基板等が配置される基板室T1と、被検査物Sが搬入されて検査が行われる検査室T2とに区画されている。基板室T1は、検査室Tの上側に位置しており、クーラー9によって温度調整されている。
【0025】
検査室T2には、被検査物Sを搬送する搬送部10が配置されている。搬送部10は、ローラ式のベルトコンベヤであり、一端部が開口部4aに位置し且つ他端部が開口部4bに位置した状態で、筐体4の内部を水平方向に延在している。つまり、筐体4は、搬送部10のうち一端部及び他端部を除く部分を内部に収容している。搬送部10は、開口部4aを介して被検査物Sを筐体4の内部に搬入し、開口部4bを介して被検査物Sを筐体4の外部に搬出する。
【0026】
なお、被検査物Sの搬入及び搬出を自動化すべく、搬送部10の一方の側には搬入用コンベヤ101が配置されており、搬送部10の他方の側には搬出用コンベヤ102が配置されている。搬出用コンベヤ102には、被検査物Sの振分機構が設けられる場合がある。
【0027】
開口部4aには、X線遮蔽カーテン42が配置されている。開口部4bには、X線遮蔽カーテン43が配置されている。各X線遮蔽カーテン42,43の上端は筐体4に対する固定端であり、各X線遮蔽カーテン42,43の下端は自由端である。各X線遮蔽カーテン42,43は、X線検査部2が発生したX線を遮蔽し、X線の外部漏洩を抑制する。各X線遮蔽カーテン42,43は、例えば金属材料(タングステン等)を含有する可撓性材料等で形成されている。
【0028】
検査室T2には、被検査物Sを通過させるための貫通穴31aが形成された筒状のケース31が配置されている。搬送部10は、貫通穴31aを介してケース31を貫通している。被検査物Sは、搬送部10によってケース31の貫通穴31aを通過し、ケース31においてX線検査及び金属検出が順次実行される。ケース31は、例えばステンレス等で形成されている。
【0029】
X線検査部2は、X線検査制御部20、X線発生器21及びX線検出器22を有している。X線発生器21は、搬送部10及びケース31の上側に配置されている。X線発生器21は、搬送部10で搬送されている被検査物SにX線を照射する。X線発生器21のうちX線を発生するX線源等は、基板室T1に配置されている。X線発生器21のうちX線を照射する機構は、検査室T2に配置されている。
【0030】
X線検出器22は、搬送部10及びケース31の下側に配置されており、X線発生器21と対向している。X線検出器22は、X線発生器21で発生されて被検査物Sを透過したX線を検出する。X線検出器22としては、例えば複数のX線検出センサが前後方向(搬送部10による被検査物Sの搬送方向と直交する水平方向)に沿って並設されることで構成されたラインセンサが用いられる。X線検出器22は、X線漏洩を低減させるために、基板ケース23に収容されている。基板ケース23には、X線検出器22に入射するX線を通過させるスリット23a(
図4参照)が形成されている。
【0031】
X線検査制御部20は、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/O、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、並びに通信回路等を有している。X線検査制御部20は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで、後述する機能を実現する。
【0032】
X線検査制御部20は、基板室T1に配置されており、X線発生器21及びX線検出器22と電気的に接続されている。X線検査制御部20は、ディスプレイ5と電気的に接続されており、ディスプレイ5の操作画面を介して、作業員から操作情報を受け付ける。X線検査制御部20は、当該操作情報に基づいてX線発生器21及びX線検出器22の動作プロファイルを設定すると共に、X線発生器21及びX線検出器22の動作を制御する。X線検査制御部20は、X線発生器21及びX線検出器22よりも上流側に配置されたレーザセンサ24を用いて被検査物Sを検出した場合、当該被検査物Sの検査を開始する。X線検査制御部20は、X線発生器21を制御して、搬送部10で搬送されている被検査物SにX線を照射させる。X線検出器22は、被検査物Sを透過したX線のX線透過量を計測し、計測したX線透過量をX線検査制御部20に出力する。
【0033】
X線検査制御部20は、時系列で取得したX線透過量を画素値に反映させたX線透過画像を生成する。そして、X線検査制御部20は、画像処理技術によりX線透過画像を解析して、異物を検出する。例えば、X線検査制御部20は、X線透過画像の画素値に基づいて、被検査物Sの基準透過率との差が所定値以上となる画像領域が存在するか否かを判定する。そして、X線検査制御部20は、被検査物Sの基準透過率との差が所定値以上となる画像領域が存在する場合には、異物を検出したと判定する。
【0034】
X線検査制御部20は、作業員からの要求に応じて、X線検査の結果データをディスプレイ5に表示させたり、X線検査の結果データを記憶部に記憶させたりする。また、X線検査制御部20は、X線発生器21及びX線検出器22が正常に作動している場合、第1報知器81を用いてX線検査に係る機器が作動中である旨を作業員に報知する。更に、X線検査制御部20は、異物を検出したと判定した場合、第1報知器81を用いて異物を検知した旨を作業員に報知する。
【0035】
図3及び
図4に示されるように、ケース31は、本体部32、第1フード部33及び第2フード部34を有している。第1フード部33は、本体部32に対して開口部4a側(搬入口側)に設けられている。第2フード部34は、本体部32に対して開口部4b側(搬出口側)に設けられている。ケース31の貫通穴31aは、本体部32、第1フード部33及び第2フード部34のそれぞれの内壁によって画定されている。なお、ケース31は、耐振特性を向上させるために、防振台39(防振台39a,39b)によって支持されている。
【0036】
第1フード部33の上面には、X線を通過させるX線通過スリット33aがX線発生器21の下側に位置するように形成されている。第1フード部33の下面には、X線を通過させるX線通過スリット33bがX線通過スリット33aと対向するように形成されている。X線通過スリット33bの下側には、X線検出器22が配置されている。このように構成することで、X線発生器21が発生したX線は、各X線通過スリット33a,33bを通過し、ケース31の内部を搬送されている被検査物Sに照射される。
【0037】
なお、第1フード部33の側面において、各X線通過スリット33a,33bよりも下流側(本体部32側)にはスリット33cが形成されている。スリット33cには、レーザセンサ38が配置されている。レーザセンサ38は、スリット33cを介して搬送部10上の被検査物Sにレーザを照射する。
【0038】
図2に示されるように、金属検出部3は、金属検出制御部30、送信コイル35及び受信コイル36,37を有している。送信コイル35及び受信コイル36,37は、金属等の導電性材料で形成されたサーチコイルである。送信コイル35及び受信コイル36,37は、搬送部10のうち貫通穴31aを通過している部分を囲むように、ケース31の内部(より具体的には、
図3及び
図4に示されるように、ケース31の本体部32の内部)に配置されている。つまり、金属検出部3は、送信コイル35及び受信コイル36,37が内部に配置され且つ搬送部10が内部を通過しているケース31を有している。これにより、被検査物Sは、搬送部10によって送信コイル35及び受信コイル36,37の内側を通過させられる。
【0039】
図3及び
図4に示されるように、送信コイル35は、受信コイル36,37間に配置されている。受信コイル36,37は、互いに差動接続されると共に、送信コイル35に対して対称に配置されている。2つの受信コイル36,37は、同一の鎖交磁束を有している。送信コイル35は、通電可能に構成されており、磁束を発生する。各受信コイル36,37では、送信コイル35が発生した磁界の電磁誘導によって電圧が励起する。なお、第1フード部33及び第2フード部34は、送信コイル35が発生した磁界の外部漏洩、及び外来磁界の進入を抑制する。
【0040】
図2に示されるように、金属検出制御部30は、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/O、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM、データを一時的に記憶するRAM、HDD等の記憶媒体、CPU、並びに通信回路等を有している。金属検出制御部30は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで、後述する機能を実現する。
【0041】
金属検出制御部30は、基板室T1に配置されており、X線検査制御部20と電気的に接続されている。金属検出制御部30は、X線検査制御部20を介して電気的に接続されたディスプレイ5の操作画面を介して、作業員から操作情報を受け付ける。金属検出制御部30は、当該操作情報に基づいて送信コイル35及び受信コイル36,37の動作プロファイルを設定する。金属検出制御部30は、送信コイル35及び受信コイル36,37よりも上流側に配置されたレーザセンサ38を用いて被検査物Sを検出した場合、当該被検査物Sの金属検出を開始する。
【0042】
金属検出制御部30は、送信コイル35に交番励磁電流を供給し、磁束を発生させる。送信コイル35によって発生された磁束は、2つの受信コイル36,37を貫通し、電磁誘導によって各受信コイル36,37にて電圧が励起される。金属検出制御部30は、受信コイル36,37の差動接続の出力電圧を取得して、金属検出の判定を行う。例えば、金属検出制御部30は、差動接続の出力電圧が0のときは、金属異物を検出していないと判定し、差動接続の出力電圧が0でないときは、金属異物を検出したと判定する。
【0043】
金属検出制御部30は、作業員からの要求に応じて、金属検出の結果データをディスプレイ5に表示させたり、金属検出の結果データを記憶部に記憶させたりする。また、金属検出制御部30は、送信コイル35及び受信コイル36,37が正常に作動している場合、第2報知器82を用いて金属検出に係る機器が作動中である旨を作業員に報知する。更に、金属検出制御部30は、異物を検出したと判定した場合、第2報知器82を用いて異物を検知した旨を作業員に報知する。
【0044】
上述したX線検査部2及び金属検出部3は、それぞれ独立に作動可能に構成されている。つまり、異物検査装置1は、X線検査及び金属検出の両方を行うだけでなく、X線検査及び金属検出のいずれか一方を実行することもできる。上述のとおり、本実施形態では、X線検査部2がディスプレイ5の表示制御を行うため、X線検査部2が停止している場合には、ディスプレイ5に金属検出部3の操作画面が表示されない。このため、筐体4の内部には、金属検出部3に接続されたサブディスプレイ(不図示)が配置されている。金属検出部3は、X線検査部2が停止している場合には、サブディスプレイを介して、作業員から操作情報を受け付け、サブディスプレイに結果データ等を表示する。
【0045】
搬送部10の構成について、より詳細に説明する。
図5に示されるように、搬送部10は、第1支持フレーム11、第2支持フレーム12、第1送りローラ13、第2送りローラ14、無端ベルト15、支持プレート16を有している。支持プレート16は、第1支持部分(支持部分)16a及び第2支持部分(支持部分)16bを含んでいる。第1支持部分16a及び第2支持部分16bは、搬送部10による被検査物Sの搬送方向Dに沿って並設され且つ互いに分離されている。
【0046】
第1支持フレーム11には、第1送りローラ13及び第1支持部分16aが取り付けられている。より具体的には、第1送りローラ13は、第1支持フレーム11に回転可能に支持されている。第1支持部分16aは、第1支持フレーム11にネジ止め等によって固定されている。第1支持フレーム11は、第1送りローラ13及び第1支持部分16aが取り付けられた状態で、筐体4に設けられた支持体45に取り付けられている。より具体的には、第1支持フレーム11は、支持体45に設けられた絶縁部材45a上に載置された状態で、支持体45に設けられた留め具45bによって固定されている。留め具45bは、いわゆるパッチン錠(draw latch)と称されるものであり、第1支持部分16aに設けられた爪部17aに係合している。なお、留め具45b及び爪部17aの組は、前後方向(搬送部10による被検査物Sの搬送方向と直交する水平方向)における第1支持部分16aの両側に設けられている。
【0047】
第2支持フレーム12には、第2送りローラ14及び第2支持部分16bが取り付けられている。より具体的には、第2送りローラ14は、第2支持フレーム12に回転可能に支持されている。第2支持部分16bは、第2支持フレーム12にネジ止め等によって固定されている。第2支持フレーム12は、第2送りローラ14及び第2支持部分16bが取り付けられた状態で、筐体4に設けられた支持体46に取り付けられている。より具体的には、第2支持フレーム12は、支持体46に設けられた絶縁部材46a上に載置された状態で、支持体46に設けられた留め具46bによって固定されている。留め具46bは、いわゆるパッチン錠と称されるものであり、第2支持部分16bに設けられた爪部17bに係合している。なお、留め具46b及び爪部17bの組は、前後方向における第2支持部分16bの両側に設けられている。
【0048】
無端ベルト15は、第1送りローラ13及び第2送りローラ14に架けられている。搬送部10では、無端ベルト15のうち第1送りローラ13から第2送りローラ14に至る上側の部分15aの上面が、搬送部10による被検査物Sの搬送領域Rである。つまり、第1送りローラ13は、搬送領域Rの上流端に配置されており、第2送りローラ14は、搬送領域Rの下流端に配置されている。
【0049】
支持体45には、無端ベルト15のうち第2送りローラ14から第1送りローラ13に至る下側の部分15bを押圧する押圧ローラ45cが設けられている。同様に、支持体46には、無端ベルト15のうち第2送りローラ14から第1送りローラ13に至る下側の部分15bを押圧する押圧ローラ46cが設けられている。これらの押圧ローラ45c,46cによって、無端ベルト15のテンションが適切に調整される。なお、第1支持フレーム11には、第1送りローラ13の回転軸の両端部を外側に押圧することで無端ベルト15のテンションを微調整するためのテンション調整ボルト機構18が設けられている。
【0050】
支持体46には、駆動モータ(不図示)に接続されたタイミングプーリ47が設けられている。タイミングプーリ47は、タイミングベルト48を介して、第2送りローラ14に設けられたタイミングプーリ19に接続されている。これにより、搬送部10は、駆動される。なお、タイミングプーリ19,47及びタイミングベルト48は、下部扉41側に配置されている。これにより、下部扉41が開放されることで、タイミングプーリ19,47及びタイミングベルト48が外部に露出される。
【0051】
支持プレート16は、搬送領域Rにおいて無端ベルト15を支持している。より具体的には、支持プレート16は、無端ベルト15のうち第1送りローラ13から第2送りローラ14に至る上側の部分15aを下側から支持している。支持プレート16では、第1支持部分16a及び第2支持部分16bは、金属検出部3が有するケース31の外側で互いに分離されている。本実施形態では、第1支持部分16a及び第2支持部分16bは、搬送方向Dにおけるケース31の上流側の位置で互いに分離されている。
【0052】
第2支持部分16bは、ケース31の貫通穴31aを通過している。第2支持部分16bのうち貫通穴31aを通過している部分には、X線検査部2のX線が通過するスリット(開口)16cが形成されている。スリット16cは、ケース31の第1フード部33に形成されたX線通過スリット33a,33b間に位置している。
【0053】
以上のように構成された搬送部10は、そのメンテナンスを実施するために、以下の手順で異物検査装置1から取り外される。
【0054】
まず、筐体4の下部扉41を開放し、爪部17aに対する留め具45bの係合を解除する。そして、
図6に示されるように、第1送りローラ13及び第1支持部分16aが取り付けられた第1支持フレーム11を、上側且つ内側(ケース31側)に移動させる。これにより、無端ベルト15が緩むので、第1送りローラ13及び第1支持部分16aが取り付けられた第1支持フレーム11を、手前に引き出すことができる。
【0055】
続いて、爪部17bに対する留め具46bの係合を解除する。そして、第2送りローラ14及び第2支持部分16bが取り付けられた第2支持フレーム12を、内側(ケース31側)に移動させる。これにより、タイミングベルト48が緩むので、タイミングプーリ19,47からタイミングベルト48を取り外すことができる。このとき、タイミングプーリ19,47及びタイミングベルト48が下部扉41側に配置されているため、タイミングベルト48を容易に取り外すことができる。
【0056】
続いて、第2送りローラ14及び第2支持部分16bが取り付けられた第2支持フレーム12を、上側且つ外側(ケース31とは反対側)に移動させ、ケース31から第2支持部分16bを引き出す。これにより、第2送りローラ14及び第2支持部分16bが取り付けられた第2支持フレーム12を、手前に引き出すことができる。
【0057】
以上の手順で搬送部10を異物検査装置1から取り外すことができる。なお、搬送部10のメンテナンスを実施した後には、以上の手順とは逆の手順で搬送部10を異物検査装置1に取り付けることができる。
【0058】
以上説明したように、異物検査装置1では、無端ベルト15を支持する支持プレート16が、搬送方向Dに沿って並設された第1支持部分16a及び第2支持部分16bに分離されている。そのため、搬送部10のメンテナンスを実施する際に、搬送方向Dに沿って金属検出部3のケース31から搬送部10を一体として引き出す必要がない。よって、異物検査装置1によれば、搬送方向Dにおける異物検査装置1の両側のスペースが限られている場合であっても、搬送部10のメンテナンスを容易に実施することができる。なお、上述したように、搬送部10の両側には、搬入用コンベヤ101及び搬出用コンベヤ102が配置される場合が多く、一般的には、搬送方向Dにおける異物検査装置1の両側のスペースは限られる場合が多い。したがって、異物検査装置1の搬送部10の構成は、極めて有効である。
【0059】
また、異物検査装置1には、搬送部10及び金属検出部3に加え、X線検査部2及び筐体4が設けられている。異物検査装置1にX線検査部2が設けられている場合、無端ベルト15の表面に付着した汚れ等がX線検査の精度を低下させる傾向があるため、無端ベルト15の表面の清掃等、搬送部10のメンテナンスを実施する頻度が高くなり易い。その一方で、異物検査装置1にX線検査部2が設けられている場合、X線の外部漏洩を抑制するために筐体4が必要になるので、搬送部10のメンテナンスを容易に実施することが困難になり易い。しかし、異物検査装置1では、搬送部10のメンテナンスを実施する際に、搬送方向Dに沿って筐体4の開口部4a又は開口部4bから搬送部10を一体として引き出す必要がない。したがって、異物検査装置1の搬送部10の構成は、搬送部10及び金属検出部3に加え、X線検査部2及び筐体4が設けられている異物検査装置1において、特に有効である。
【0060】
また、異物検査装置1では、第2支持部分16bに、X線検査部2のX線が通過するスリット16cが形成されている。これにより、支持プレート16によるX線の減衰を抑制してX線検査を精度良く実施することができる。
【0061】
また、異物検査装置1では、第1支持部分16a及び第2支持部分16bが、金属検出部3が有するケース31の外側で互いに分離されている。これにより、第1支持部分16a及び第2支持部分16bがケース31の内側で互いに分離されている場合に比べ、搬送部10のメンテナンスをより容易に実施することができる。
【0062】
また、異物検査装置1では、第1支持フレーム11に第1送りローラ13及び第1支持部分(複数の支持部分のうち搬送領域の最も上流側に配置された支持部分)16aが取り付けられており、第2支持フレーム12に第2送りローラ14及び第2支持部分(複数の支持部分のうち搬送領域の最も下流側に配置された支持部分)16bが取り付けられている。これにより、第1送りローラ13、第1支持部分16a及び第1支持フレーム11の組と、第2送りローラ14、第2支持部分16b及び第2支持フレーム12の組と、をそれぞれユニットとして取り扱うことができるので、搬送部10のメンテナンスをより容易に実施することができる。
【0063】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示の一形態に係る異物検査装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0064】
例えば、第1支持部分16a及び第2支持部分16bは、金属検出部3が有するケース31の内側で互いに分離されていてもよい。その場合にも、搬送方向Dに沿ってケース31から搬送部10を一体として引き出す必要がないため、支持プレート16が分離されていない場合に比べれば、搬送部10のメンテナンスを容易に実施することができる。
【0065】
また、X線検査部2のX線が通過するスリット16cのような開口は、X線検査部2の配置位置、第1支持部分16aと第2支持部分16bとの分離位置等に応じて、第1支持部分16a又は第2支持部分16bのいずれに形成されていてもよい。また、X線検査部2の配置位置、第1支持部分16aと第2支持部分16bとの分離位置等に応じて、第1支持部分16aと第2支持部分16bとの間に、X線検査部のX線が通過する隙間が形成されていてもよい。その場合、第1支持部分16a及び第2支持部分16bのそれぞれの強度を維持することができると共に、支持プレート16によるX線の減衰を抑制してX線検査を精度良く実施することができる。
【0066】
また、支持プレート16は、搬送方向Dに沿って並設され且つ互いに分離された3つ以上の支持部分を含んでいてもよい。支持プレート16が、搬送方向Dに沿って並設された2つ又は3つの支持部分に分離されている場合にも、X線検査部2のX線が通過するスリット16cのような開口は、X線検査部2の配置位置、複数の支持部分の分離位置等に応じて、複数の支持部分のいずれか1つに形成される。或いは、X線検査部2の配置位置、複数の支持部分の分離位置等に応じて、互いに隣り合う支持部分の間に、X線検査部のX線が通過する隙間が形成される。なお、支持プレート16が、搬送方向Dに沿って並設された2つ又は3つの支持部分に分離されている場合には、装置構成の複雑化の抑制及び搬送部のメンテナンスの容易化の両立を図ることができる。
【0067】
また、搬送部10は、その全てが筐体4の内部に収容されていてもよい。また、異物検査装置1は、X線検査部2及び筐体4を備えず、搬送部10及び金属検出部3を備えていてもよい。
【0068】
また、
図7及び
図8に示されるように、支持プレート16が構成されていてもよい。
図7及び
図8に示される支持プレート16においては、第1支持部分16aが第1本体プレート161及び複数の第1係合部162を有しており、第2支持部分16bが第2本体プレート163及び複数の第2係合部164を有している。
【0069】
第1本体プレート161の上面161a及び第2本体プレート163の上面163aは、同一の平面上に位置しており、無端ベルト15の支持面を構成している。第1本体プレート161の端面161b及び第2本体プレート163の端面163bは、互いに接触している。
【0070】
複数の第1係合部162は、第1本体プレート161の下側に取り付けられており、第2支持部分16b側に突出している。各第1係合部162は、矩形板状に形成されており、前後方向(搬送部10による被検査物Sの搬送方向と直交する水平方向)において互いに離間している。
【0071】
複数の第2係合部164は、第2本体プレート163の下側に取り付けられており、第1支持部分16a側に突出している。各第2係合部164は、矩形板状に形成されており、前後方向において互いに離間している。
【0072】
各第1係合部162のうち第2支持部分16b側に突出した部分は、第2本体プレート163の下側に位置している。各第2係合部164のうち第1支持部分16a側に突出した部分は、第1本体プレート161の下側に位置している。複数の第1係合部162及び複数の第2係合部164は、第1本体プレート161の端面161b及び第2本体プレート163の端面163bが互いに接触した状態で第1係合部162と第2係合部164とが交互に並ぶように、配置されている。
【0073】
このように、第1支持部分16a及び第2支持部分16bは、少なくとも1つの第1係合部162が、互いに隣り合う第2係合部164の間に位置し、且つ、少なくとも1つの第2係合部164が、互いに隣り合う第1係合部162の間に位置した状態で、互いに係合している。なお、第1係合部162が1つだけ設けられ、当該1つの第1係合部162が互いに隣り合う第2係合部164の間に位置してもよい。或いは、第2係合部164が1つだけ設けられ、当該1つの第2係合部164が互いに隣り合う第1係合部162の間に位置してもよい。
【0074】
以上のように構成された支持プレート16によれば、無端ベルト15を安定して支持することができる。また、X線の漏洩も確実に防止することができる。更に、メンテナンス時には、
図9及び
図10に示されるように、第1支持部分16aを上側に折り曲げるように移動させることで、第1支持部分16aと第2支持部分16bとを容易に分離することができる。
【符号の説明】
【0075】
1…異物検査装置、2…X線検査部、3…金属検出部、4…筐体、4a…開口部(搬入口)、4b…開口部(搬出口)、10…搬送部、11…第1支持フレーム、12…第2支持フレーム、13…第1送りローラ、14…第2送りローラ、15…無端ベルト、16…支持プレート、16a…第1支持部分(支持部分)、16b…第2支持部分(支持部分)、16c…スリット(開口)、31…ケース、35…送信コイル(サーチコイル)、36,37…受信コイル(サーチコイル)、162…第1係合部、164…第2係合部、D…搬送方向、R…搬送領域、S…被検査物。