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特許7011262ブランチングしたバイオマスから高濃度タンパク質生成物を生成するための装置および方法
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  • 特許-ブランチングしたバイオマスから高濃度タンパク質生成物を生成するための装置および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】ブランチングしたバイオマスから高濃度タンパク質生成物を生成するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A23B 7/06 20060101AFI20220119BHJP
   A23N 12/04 20060101ALI20220119BHJP
   A23J 1/00 20060101ALI20220119BHJP
   A23J 3/00 20060101ALI20220119BHJP
   A23J 3/14 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A23B7/06
A23N12/04
A23J1/00 A
A23J1/00 B
A23J3/00
A23J3/14
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018532531
(86)(22)【出願日】2016-09-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-09-27
(86)【国際出願番号】 US2016051380
(87)【国際公開番号】W WO2017044977
(87)【国際公開日】2017-03-16
【審査請求日】2019-09-10
(31)【優先権主張番号】62/216,975
(32)【優先日】2015-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517430370
【氏名又は名称】パラベル ニュートリション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウィーバー、ハーベイ
(72)【発明者】
【氏名】カサット、ギリシュ
(72)【発明者】
【氏名】ロヴァス、ブライアン
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-065626(JP,A)
【文献】米国特許第02692200(US,A)
【文献】特開2008-043207(JP,A)
【文献】米国特許第02522513(US,A)
【文献】特開2002-306147(JP,A)
【文献】Fish. Aquac. J.,2015年,vol.6, no.4,pp.1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23B 7/06
A23N 12/04
A23J 1/00-3/34
FSTA/CAplus/AGRICOLA/BIOSIS/
MEDLINE/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマスから高濃度タンパク質生成物を提供するためのブランチング装置であって、
ブランチングトレイに前記バイオマスを搬送するように動作可能な搬送機構と、
前記ブランチングトレイ内の前記バイオマスの少なくとも1つの表面上にブランチング溶液を分配するように動作可能なアプリケータと、
前記アプリケータから、ある容積のブランチング溶液を受け入れるように向けられた前記ブランチングトレイと、
前記ブランチングトレイ内の前記ある容積の前記ブランチング溶液に正味の動きを生じさせるために前記ブランチングトレイを振動させることが可能な1軸モータ、ステッパモータ、サーボモータ、軸モータドライブ及び重りの少なくとも1つを含む振動機構であって、それにより、ブランチング溶液の波を形成させる振動機構と、前記ブランチング溶液を少なくとも60℃の温度に加熱する加熱要素とを備え、
前記ブランチング溶液のポンプ速度(リットル/分)と、前記バイオマスの供給速度(kg/分)との比が、10:1~1:1である生成物流速比で、少なくとも60℃の温度を有する前記ブランチング溶液により、前記バイオマスと接触させるように構成されたブランチング装置。
【請求項2】
前記振動機構は、前記ブランチングトレイの第1の側面から前記ブランチングトレイの第2の側面へと前記バイオマスを向かわせることができる原動力を生成するように動作可能であり、
前記第1の側面は、前記第2の側面に対向しており、
前記第2の側面の高さは、前記第1の側面の高さよりも低く、
前記ブランチング溶液が、前記第1の側面から前記第2の側面に搬送された後に前記ブランチングトレイから出て行くことが可能である、請求項1に記載のブランチング装置。
【請求項3】
前記ブランチング装置の1つ以上の構成要素と連通するように動作可能な中央制御システムと、
前記ブランチング装置内の前記ブランチング溶液を移動させるように動作可能なポンプおよびバルブシステムと、の少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載のブランチング装置。
【請求項4】
前記ブランチング装置は、更に、第1のゲージをさらに備え、前記第1のゲージは、
前記ブランチンクトレイ内のブランチング溶液の体積、または
前記ブランチングトレイ内の前記バイオマスの質量、または
前記ブランチングトレイを出る前記ブランチング溶液の体積、または
前記ブランチングトレイを出る前記バイオマスの質量、または
前記ブランチングトレイ内の前記ブランチング溶液の温度、または
前記ブランチングトレイを出る前記ブランチング溶液の温度、または
前記正味の動きの速度
のうちの少なくとも1つを測定するように動作可能である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のブランチング装置。
【請求項5】
前記ブランチング装置は、前記ブランチングトレイに接続された沈降タンクを更に備え、ブランチングされた前記バイオマスが前記ブランチングトレイから前記沈降タンクに流れることが可能である、請求項1に記載のブランチング装置。
【請求項6】
前記沈降タンクは、少なくとも1つの傾斜面を含む、請求項5に記載のブランチング装置。
【請求項7】
ブランチングされた前記バイオマスが、前記沈降タンクからすすぎ機構へと流れることができるように、前記沈降タンクに接続されたすすぎ機構をさらに備える、請求項5に記載のブランチング装置。
【請求項8】
前記沈降タンクに接続された脱水機構を更に備え、ブランチングされた前記バイオマスが前記沈降タンクから前記脱水機構に流れることができるようにされた、請求項5に記載のブランチング装置。
【請求項9】
前記脱水機構は、スクリュープレス、振動ふるい、またはその両方から選択される、請求項8に記載のブランチング装置。
【請求項10】
前記沈降タンクに接続された脱水機構をさらに備え、ブランチングされた前記バイオマスが前記沈降タンクから前記脱水機構に流れることが可能な、請求項5に記載のブランチング装置。
【請求項11】
前記第1ゲージは、前記ブランチング装置の1つ以上の構成要素と連通するように動作可能な中央制御システム、前記加熱要素、前記ポンプおよびバルブシステム、シャワーおよび前記振動機構のうちの少なくとも1つと連通することが可能である、請求項4に記載のブランチング装置。
【請求項12】
前記バイオマスは、Lemna、Spirodela、Landoltia、Wolfiella、Salvinia、Wolffia、Azolla、Pistia、又はこれらの組合せの種の群から選択される微小作物を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のブランチング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年9月10日に出願された米国仮出願第62/216,975号に対する優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。出願人はまた、同時係属出願第15/263,253号の内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本開示は、いくつかの実施形態において、微小作物(例えば、水生種、Lemna、Wolffia)およびそれらから誘導されるタンパク質生成物(例えば、高濃度タンパク質生成物)をブランチングするための装置および方法に関する。いくつかの実施形態において、本開示は、微小作物を連続的にブランチングし、それらから誘導されるタンパク質生成物(例えば、高濃度タンパク質生成物)を生成するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
世界の人口がますます増加しており、特に発展途上国において、動物飼料およびヒトの摂取の両方のためのタンパク質源を十分に、かつ手頃に得ることを含め、持続可能性に関する多くの関心が高まり続けている。海洋性タンパク質源は、望ましい栄養学的プロフィールおよび高い嗜好性に起因して、飼料に利用されることが多いが、高い生産コストから、代替物の需要が増している。しかしながら、多くの植物種は、劣ったアミノ酸プロフィール、劣ったタンパク質品質および/または量、劣った消化率、高い繊維含量、および/または高いシュウ酸含量などの品質のため、不適当な代替物である。さらに、いくつかのタンパク質源は、特定の消費者に重大なアレルギー懸念をもたらす(例えば、大豆、乳製品)。適切にブランチングされ、処理された微小作物種(例えば、Lemna、Spirodella、Wolffia)は、多くの望ましい品質を有するタンパク質調製物を生じる。しかしながら、これらの微小作物種(例えばLemna)の生物学的特性は、生産および品質の問題を提起する。例えば、多くの微小作物種は、成長媒体の表面上に自由に浮遊する葉状体として成長する。このような微小作物種の浮揚性は、均一なブランチングを達成する際に固有の問題をもたらす。
【0004】
さらに、特に赤道および乾燥地帯における水質保護の懸念は、微小作物種から高濃度タンパク質生成物の生産に適した装置および方法を特定する上での原動力である。さらに、エネルギー効率も重要な考慮事項である。微小作物種からの高濃度タンパク質生成物の生産は、経済的に発展途上の地域におけるタンパク質不足を緩和する大きな可能性を有するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、微小作物(例えば、水生種、Lemna)を(例えば、連続的に)ブランチングするための改良された装置および方法、およびそれらから誘導されるタンパク質生成物(例えば、高濃度タンパク質生成物)の必要性が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、いくつかの実施形態によれば、微小作物(例えば、Lemna、Wolffia)をブランチングするための装置に関し、この装置は、ブランチングトレイにバイオマスを搬送するように動作可能な搬送機構と、ブランチングトレイ内のバイオマスの少なくとも1つの表面上にブランチング溶液を分配するように動作可能なアプリケータと、アプリケータから、ある容積のブランチング溶液を受け入れるように向けられたブランチングトレイと、ブランチングトレイを振動させて、ブランチング溶液の波が形成されるように、ブランチングトレイ内に受け入れられた容積のブランチング溶液の正味の動きを作り出すことができる振動機構とを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、振動機構は、ブランチングトレイの第1の側面からブランチングトレイの第2の側面へとバイオマスを向かわせることができる原動力を生成するように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態において、装置は、約7:1の生成物流速比(例えば、ブランチング溶液:バイオマス(w/w))でバイオマスを処理することができてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態において、装置は、前記装置の1つ以上の構成要素と連通するように動作可能な中央制御システムと、ブランチング溶液を少なくとも60℃の温度に加熱することが可能な加熱要素と、前記装置内のブランチング溶液を噴射するように動作可能なポンプおよびバルブシステムとをさらに含んでいてもよい。ある実施形態において、装置は、第1のゲージを含んでいてもよい。第1のゲージは、ブランチングトレイ内に受け入れられたブランチング溶液の体積、ブランチングトレイ内のバイオマスの質量、ブランチングトレイを出るブランチング溶液の容積、ブランチングトレイから出るバイオマスの質量、ブランチングトレイ内のブランチング溶液の温度、ブランチンクトレイから出るブランチング溶液の温度、および正味の動きの速度のうち少なくとも1つを測定するように動作してもよい。いくつかの実施形態によれば、第1のゲージは、中央制御システム、加熱要素、ポンプおよびバルブシステム、シャワー、振動機構、およびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つと連通することができてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、微小作物(例えばLemna、Wolffia)をブランチングするための装置は、ブランチングしたバイオマスがブランチングトレイから沈降タンクに流れ得るように、ブランチングトレイに接続された沈降タンクを含んでいてもよい。沈降タンクは、いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの傾斜面を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、微小作物をブランチングするための装置は、ブランチングしたバイオマスが沈降タンクからすすぎ機構に流れ得るように、沈降タンクに接続されたすすぎ機構を含んでいてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、微小作物(例えばLemna、Wolffia)をブランチングするための装置は、ブランチングしたバイオマスが、ブランチングトレイから脱水機構へと流れることができるように、ブランチングトレイに接続された脱水機構(例えば、スクリュープレス、振動ふるい、その両方)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスが沈降タンクから脱水機構に流れることができるように、脱水機構を沈降タンクに接続してもよい。
【0010】
本開示は、タンパク質生成物(例えば、高濃度タンパク質生成物)を作成するためにバイオマスを処理する方法に関し、この方法は、バイオマスの第1の部分を、第1の容積のブランチング溶液と接触させて、第1のブランチングしたバイオマスを作成することと;ブランチングしたバイオマスの第1の部分を脱水し(例えば、スクリュープレスを用いて)、分離した溶液を作成することと;第1のブランチングしたバイオマスを乾燥させ、第1のタンパク質濃縮物のフレークおよび第1のタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つを作成することとを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、バイオマスの第1の部分を接触させることは、第1の容積のブランチング溶液を、バイオマスの第1の部分の少なくとも1つの表面に適用すること、ブランチング溶液の波の中にバイオマスの第1の部分を沈めることのうち、少なくとも1つを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第1の容積のブランチング溶液は、少なくとも60℃の温度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、バイオマスの第1の部分を接触させることは、約8:1、または約7.5:1、または約7:1、または約6.5:1、または約6:1、または約5.5:1、または約5:1、または約4.5:1、または約4:1から選択される生成物流速比で行われてもよい。いくつかの実施形態によれば、第1のタンパク質濃縮物のフレークおよび第1のタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つが、少なくとも45%のタンパク質を含んでおり、タンパク質消化性補正アミノ酸スコア(PDCASS)値が少なくとも0.88である。
【0011】
いくつかの実施形態において、接触は2分未満(例えば、約45秒間)であってもよい。いくつかの実施形態によれば、接触が2分未満の時間であってもよく、第1の容積のブランチング溶液は、約75℃~95℃の温度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、第1の容積のブランチング溶液は、少なくとも85℃の温度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、第1の容量のブランチング溶液は、少なくとも1種のカルシウム塩を含んでいてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、方法は、バイオマスの第1の部分を、第1の洗浄液、第2の洗浄液および第3の洗浄液のうちの少なくとも1つで洗浄することを含んでいてもよく、第1の洗浄液、第2の洗浄液および第3の洗浄液は、水、リサイクルされた流体およびオゾン処理された溶液から独立して選択されてもよい。いくつかの実施形態において、タンパク質生成物(例えば、高濃度タンパク質生成物)を作成するためにバイオマスを処理する方法は、第1のタンパク質濃縮物のフレークおよび第1のタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つを粉砕し、第1のタンパク質濃縮物の粉状物を作成することをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、方法は、ブランチングしたバイオマスを沈降溶液中に沈降させることをさらに含んでいてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、微小作物を含むバイオマスを処理する方法は、ブランチングしたバイオマスの第1の部分を溶媒抽出することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、濡れたタンパク質濃縮物を、振動ふるいを用い、分離した溶液から分離してもよい(例えば、溶媒抽出前)。
【0014】
微小作物を含むバイオマスを処理する方法は、分離した溶液を希釈すること;分離した溶液を濾過すること;および分離した溶液をモニタリングすることのうち少なくとも1つを行うことによって、分離した溶液をリサイクルすることをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、方法は、バイオマスの第2の部分を、第2の容積のブランチング溶液またはリサイクルされたブランチング溶液と接触させて、第2のブランチングしたバイオマスを作成することと;第2のブランチングしたバイオマスを脱水し、分離した溶液を作成することと;第2のブランチングしたバイオマスを乾燥させ、第2のタンパク質濃縮物のフレークおよび第2のタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つを作成することとを含んでいてもよい。第2のタンパク質濃縮物のフレークおよび第2のタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つが、少なくとも45%のタンパク質を含んでいてもよく、PDCASS値が少なくとも0.88である。
【0015】
本開示は、いくつかの実施形態において、バイオマス(例えば、Lemna、Wolffia)を連続的にブランチングして高濃度タンパク質生成物を生成する方法であって、この方法が、バイオマスの第1の部分をブランチング溶液と接触させ、第1のブランチングしたバイオマスを作成することと;前記第1のブランチングしたバイオマスを脱水し(例えば、スクリュープレスを用いて)、分離した溶液を作成することと;前記分離した溶液を集めることと;バイオマスの第2の部分を、前記分離した溶液と接触させ、第2のブランチングしたバイオマスを作成することと;前記バイオマスの第2の部分を脱水し、分離した溶液を作成することと;前記第1のブランチングしたバイオマスおよび前記第2のブランチングしたバイオマスのうち少なくとも1つを乾燥させ、タンパク質濃縮物のフレークおよびタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つを作成することとを含む、方法に関する。いくつかの実施形態によれば、バイオマスの第1の部分またはバイオマスの第2の部分を接触させることは、第1の容積のブランチング溶液、第2の容積のブランチング溶液、またはリサイクルされたブランチング溶液を、バイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)の少なくとも1つの表面に適用すること、ブランチング溶液の波の中にバイオマスを沈めることのうち、少なくとも1つを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチング溶液は、少なくとも60℃の温度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、バイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)を接触させることは、約8:1、または約7.5:1、または約7:1、または約6.5:1、または約6:1、または約5.5:1、または約5:1、または約4.5:1、または約4:1から選択される生成物流速比で行われてもよい。いくつかの実施形態において、接触は2分未満(例えば、約45秒間)であってもよい。いくつかの実施形態によれば、接触が2分未満の時間であってもよく、第1の容積のブランチング溶液は、約75℃~95℃の温度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、第1の容積のブランチング溶液は、少なくとも85℃の温度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、第1の容量のブランチング溶液は、少なくとも1種のカルシウム塩を含んでいてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、第1のタンパク質濃縮物のフレークおよび第1のタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つが、少なくとも45%DMBのタンパク質を含んでおり、タンパク質消化性補正アミノ酸スコア(PDCASS)値が少なくとも0.88である。
【0017】
いくつかの実施形態において、方法は、分離した溶液を希釈することを含んでいてもよい。方法は、いくつかの実施形態において、第1のブランチングしたバイオマス、または第2のブランチングしたバイオマス、またはその両方を沈降溶液中に沈降させることをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、方法は、タンパク質濃縮物のフレークおよびタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つを粉砕し、タンパク質濃縮物の粉状物を作成することを含んでいてもよい。
【0018】
方法は、いくつかの実施形態において、抗光合成色素および少なくとも100ppmのカルシウム組成のうち少なくとも1つを含む第1の媒体中で微小作物を栽培することと;微小作物を収穫し、バイオマスを作成することとをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、方法は、第2の媒体にバイオマスを浸漬することを含んでいてもよく、第2の媒体が、約8ppm未満のカルシウム源または約4ppm未満の窒素源、またはその両方を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、方法は、第1のブランチングしたバイオマス、または第2のブランチングしたバイオマス、またはその両方を溶媒抽出することを含んでいてもよい。振動ふるいを使用して、溶媒抽出する前に、第1のブランチングしたバイオマス、第2のブランチングしたバイオマス、またはその両方を脱水してもよい。いくつかの実施形態において、方法は、第1のブランチングしたバイオマス、または第2のブランチングしたバイオマス、またはその両方を溶媒抽出した後に脱水することをさらに含んでいてもよく、ここで、脱水は、スクリュープレスを用いて行われる。
【0020】
いくつかの実施形態において、本開示は、さらに、第1のタンパク質濃縮物のフレークおよび第1のタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つを作成するための本明細書に記載される方法によって、微小作物を含むバイオマスを処理することによって作成されるタンパク質生成物(例えば、高濃度タンパク質生成物)に関する。第1のタンパク質濃縮物のフレークおよび第1のタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つが、少なくとも45%のタンパク質を含んでいてもよく、PDCASS値が少なくとも0.88である。いくつかの実施形態において、PDCASS値は、ヒスチジンによって制限されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、第1のタンパク質濃縮物のフレークおよび第1のタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つは、タンパク質が、少なくとも0.92のPDCASS;少なくとも90%の消化率;10%未満DMBの灰分;少なくとも30%の食物繊維含量;1%未満DMBのシュウ酸含量;3.2mg/100g未満のポリフェノール含量のうち少なくとも1つの特徴を有していてもよい。いくつかの実施形態によれば、第1のタンパク質濃縮物のフレークおよび第1のタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つは、0.25%未満DMBのシュウ酸含量、1.75mg/100g未満のポリフェノール含量、またはその両方を有していてもよい。
【0022】
本特許のファイルには、少なくとも1つのカラーで表された図面が含まれている。カラーの図を含む本特許の写しは、請求と必要な手数料の支払いがあれば、特許商標庁から提供されるだろう。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態は、部分的に、本開示および添付の図面を参照することによって理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示の特定の例示的な実施形態による、バイオマスをブランチングすることができる装置を示す。
図2】本開示の特定の例示的な実施形態による、バイオマスをブランチングすることができる装置を示す。
図3】本開示の具体的な実施形態の例にしたがって高濃度タンパク質生成物を生成するために微小作物を栽培し、収穫し、処理するためのプロセスを示すフロー図である。
図3A】本開示の具体的な実施形態の例にしたがって高濃度タンパク質生成物を生成するために微小作物をブランチングするためのプロセスを示すフロー図である。
図4】本開示の具体的な実施形態の例にしたがって高濃度タンパク質生成物を生成するために微小作物を栽培し、収穫し、処理するためのプロセスを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は、いくつかの実施形態において、微小作物を(例えば連続的に)ブランチングし、高濃度タンパク質生成物を作成するための方法および装置に関する。いくつかの実施形態によれば、本開示は、微小作物(例えば、Lemna)を(例えば連続的に)ブランチングするための方法および装置を用いて誘導される高濃度タンパク質生成物に関する。
【0026】
微小作物
いくつかの実施形態において、微小作物は、単一の水生種(例えば、Lemna種、Salvinia種)を含んでいてもよい。微小作物は、Lemna(例えば、ウキクサ)、Spirodela、Landoltia、Wolfiella、Salvinia(例えば、ウキシダ)、Wolffia(例えば、ミジンコウキクサ)、Azolla(例えば、アカウキクサ科のシダ)、Pistia(例えば、ボタンウキクサ)、またはこれらの組み合わせの種を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、微小作物は、Lemnaの一種、例えば、Lemna minor、Lemna obscura、Lemna minuta、Lemna gibba、Lemna valdivianaまたはLemna aequinoctialisであってもよい。微小作物は、いくつかの実施形態によれば、2種類以上の水生種の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、微小作物は、局所的な環境条件の中で発生した、特定された組成および成長の特徴に基づき、局所的な水生種から選択されてもよい。局所的な種は、局所的な環境条件への適応に基づいて、開放した池またはバイオリアクターの中で、他の種を打ち負かす可能性がある。いくつかの実施形態において、微小作物は、温度および光の利用可能性の季節変動に応じて調整されてもよい。
【0027】
微小作物は、他の水生種と比較して有利な特徴を有していてもよい(例えば、成長速度が早い;栄養要求が少ない;収穫および/または処理の容易さ;強化されたアミノ酸プロフィール;強化された嗜好性;蒸発蒸散速度の低下;タンパク質組成の増加)。
【0028】
例えば、Lemnaは、迅速に成長する、Lemnaceae科の自由に浮遊する水生植物(例えば、ウキクサ)の1つの属である。Lemnaタンパク質は、他の大部分の植物タンパク質よりも動物タンパク質に酷似した必須アミノ酸プロフィールを有する。表1は、Lemnaタンパク質の典型的な必須アミノ酸組成プロフィールを示す。さらに、Lemnaは、高いタンパク質収量を与え、新しく収穫したLemnaは、乾燥重量で約43%までのタンパク質を含有する。さらに、他の大部分の植物と比較して、Lemnaの葉は、繊維含量が低く(例えば、乾燥物質中約5%~約15%)、単胃動物であっても非常に消化率が高い。このことは、繊維含量が約50%であり、消化率が低い多くの作物種(例えば、大豆、米、トウモロコシ)の組成とは対照的である。
【表1】
【0029】
微小作物(例えば、Lemna)を処理することによって、未処理の微小作物の生成物と比較して、改良された品質および/または組成(例えば、優れたタンパク質含量、優れたPDCASS値、優れた消化率、優れたアミノ酸プロフィール、所望の繊維含量および/または低減したシュウ酸含量)を有する高タンパク質濃縮生成物を作成してもよい。本開示のいくつかの実施形態において、微小作物を処理することは、微小作物をブランチングすることを含んでいてもよい。
【0030】
微小作物をブランチングするための装置
図1および図2は、本開示のいくつかの実施形態に係る微小作物をブランチングする(例えば、連続的にブランチングする)ための装置100/200の実施形態の例を示す。いくつかの実施形態によれば、バイオマス104/204は、ポンプ速度を供給速度で割り算することによって計算された生成物流速比で、装置100/200を通って(例えば、搬送によって、重力によって、液体の流れによって)移動することができる。例えば、ポンプ速度28リットル/分(L/分)および供給速度4kg/分(kg/分)で実施される装置100/200は、7:1の生成物流速比をもたらす。いくつかの実施形態によれば、装置100/200は、生成物流速比が、いくつかの実施形態によれば、約10:1、または約9:1、または約8:1、または約7.5:1、または約7:1、または約6.5:1、または約6:1、または約5.5:1、または約5:1、または約4.5:1、または約4:1、または約3.5:1、または約3:1、または約2.5:1、または約2:1、または約1.5:1、または約1:1であってもよい。いくつかの実施形態によれば、装置100/200は、装置の1つ以上の構成要素と通信し、1つ以上の条件(例えば、生成物の流量比)をモニタリングし、調整を実施するように動作可能な中央制御システム102/202を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、中央制御システムはプログラム可能な論理コントローラであってもよい。いくつかの実施形態において、中央制御システム102/202は、第1のゲージ(例えば、図2の222)、第2のゲージ(例えば、図2の229)、収集タンクゲージ(例えば、図2の238)、ポンプおよびバルブシステム(例えば、図2の248)、またはそれらの任意の組み合わせと通信していてもよい。いくつかの実施形態において、中央制御システム102/202は、生成物の流速(例えば、7:1)、供給速度、ポンプ速度、またはそれらの任意の組み合わせを維持および/または調整するように動作可能であってもよい。
【0031】
図1および図2に示されるように、微小作物をブランチングするための装置100/200は、搬送機構116/216およびブランチングトレイ117/217を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、搬送機構116/216は、バイオマス(例えば、収穫された微小作物、洗浄されたバイオマス)104/204をブランチングトレイ117/217に運ぶように動作可能であってもよい。搬送機構116/216は、いくつかの実施形態において、バイオマス104/204(例えば、Lemna)をブランチングトレイ218に搬送するための任意のメカニズムを含んでいてもよい。例えば、搬送機構116/216は、いくつかの実施形態において、コンベアベルトまたは一連のコンベアベルトを備えていてもよい。いくつかの実施形態において、搬送機構116/216は、バイオマス104/204が少なくとも部分的に重力によってブランチングトレイ117/217に入るスライドまたはシュートを含んでいてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、バイオマス104/204は、供給速度でブランチングトレイ117/217に運ばれてもよい。いくつかの実施形態によれば、供給速度は、装置100/200の全体的な大きさおよび/または所望の生成物流速比(例えば、7:1)を維持するためのポンプ速度に基づいて調整されてもよい。いくつかの実施形態において、供給速度は、約0.5kg/分、または約1kg/分、または約1.5kg/分、または約2kg/分、または約3kg/分、または約4kg/分、または約5kg/分、または約10kg/分、または約20kg/分、または約50kg/分、または約100kg/分、または約150kg/分、または約200kg/または約250kg/分、または約300kg/分、または約350kg/分、または約400kg/分であってもよい。
【0033】
図1および図2に示されるように、装置100/200は、いくつかの実施形態において、装置100/200の1つ以上の構成要素にブランチング溶液106/206を与えるように動作可能な供給源110/210を含んでいてもよい。供給源110/210は、いくつかの実施形態において、保持タンク、井戸、水道管、または液体を保持および/または運ぶことができる任意の他の容器またはシステムを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、供給源110/210は、水、地下水、井戸水、蒸留水、脱イオン水、逆浸透水、ナノ濾過水、超濾過水、またはそれらの任意の組み合わせで構成されるブランチング溶液106/206を含んでいてもよく、および/またはこのブランチング溶液106/206を運んでもよい。いくつかの実施形態において、供給源110/210は、少なくとも1つの溶解した固体(例えば、灰)を含むブランチング溶液106/206を含んでいてもよく、および/またはこのブランチング溶液106/206を運んでもよい。供給源110/210は、いくつかの実施形態において、カルシウム塩(例えば、塩化カルシウム、酢酸カルシウム)を含むブランチング溶液106/206を含んでいてもよく、および/またはこのブランチング溶液106/206を運んでもよい。いくつかの実施形態において、供給源110/210は、微小作物にさらされ、集められ、リユースされるブランチング溶液106/206(例えば、リサイクルされたブランチング溶液(例えば、図2の235))を含んでいてもよく、および/またはこのブランチング溶液106/206を運んでもよい。
【0034】
図1および図2に示されるように、いくつかの実施形態において、装置100/200は配管システム111/211を含んでいてもよい。配管システム111/211は、装置100/200の様々な構成要素を互いに直接的または間接的に接続し、液体(例えば、ブランチング溶液、分離した溶液、沈降した溶液)が中を通って移動し得る導管を提供する。例えば、配管システム111/211は、ブランチング溶液106/206が供給源からアプリケータへ移動し得るように、供給源110/210をアプリケータ114/214(例えば、シャワー)に直接的または間接的に接続することができる。いくつかの実施形態において、配管システム111/211は、金属(例えば、鋼、ステンレス鋼、銅、鉛)、PVC、プラスチック、またはそれらの任意の組み合わせで構成されていてもよい。配管システム111/211は、剛性、可撓性、または半可撓性であってもよい。いくつかの実施形態によれば、配管システム111/211は少なくとも部分的に絶縁されていてもよい。液体(例えば、ブランチング溶液106/206)は、任意の力(例えば、重力、ポンピング、強制空気)、または力の組み合わせの影響下で、配管システム111/211を通って移動してもよい(例えば、供給源110/210からアプリケータ114/214へと)。配管システム111/211は、本開示の範囲から逸脱することなく、単一の要素または一連の要素であってもよい。さらに、本開示の範囲は、さらなる要素(例えば、ゲージ、ポンプ)が配管システム111/211に沿って点在し得る可能性を含む。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、アプリケータ114/214は、ブランチング溶液106/206が(例えば、制御された流れで)アプリケータ114/214から出てブランチングトレイ117/217および/またはバイオマス104/204に接触するように動作可能な任意の要素または要素の組み合わせを含んでいてもよい。例えば、アプリケータ114/214は、いくつかの実施形態において、シャワーであってもよい。いくつかの実施形態において、アプリケータ114/214は、流れ落とし、シャワー、スプレー、ミスト、霧、注ぎ込み、滴下、またはそれらの任意の組み合わせとしてブランチング溶液を放出するように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態において、アプリケータ114/214は、投入口および少なくとも1つの穴を有する本体を備えていてもよい。いくつかの実施形態による投入は、投入源が液体(例えば、ブランチング溶液106/206)を輸送することができるような投入源(例えば、配管システム111/211)を受け入れるように動作可能であってもよい。アプリケータ114/214は、いくつかの実施形態において、少なくとも一部の液体がアプリケータから少なくとも1つの穴を通って出るように、投入口から少なくとも1つの穴へと液体(例えば、ブランチング溶液)の流れを向かわせてもよい。少なくとも1つの穴は、任意の大きさおよび/または形状であってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの穴は、穿孔されたふるい、多孔質材料(例えば、ポリエステル製の濾布)、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態によれば、アプリケータ114/214は、少なくとも1つの穴を通して、選択された液滴の大きさおよび/または容積(例えば、流れの大きさ)のブランチング溶液を滝のように流すように構成されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、アプリケータ114/214は、約5μL、または約10μL、または約20μL、または約30μL、または約40μLまたは約50μL、または約100μL、または約200μLの液滴または流れの大きさで、ブランチング溶液106/206を滝のように流すような構成であってもよい。いくつかの実施形態によれば、アプリケータ114/214は、ブランチング溶液の流れがアプリケータ114/214を出るような液滴の大きさおよび速度でブランチング溶液106/206が滝のように流れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、アプリケータ114/214は、ボックスと、ボックスの上側に接続され、投入源を受け入れる投入口と、ボックスの底面にある少なくとも1つの穴とを含む本体を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの穴は、3/16インチ(約0.5cm)の大きさであってもよい。いくつかの実施形態によれば、穴は、多孔質材料の層、例えばポリエステル製の濾布(例えば、厚さ約3/16インチ(約0.5cm))であってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、アプリケータ114/214は、選択された容積のブランチング溶液が選択された時間にわたって滝のように流れるように、ブランチング溶液106/206が制御された流れで滝のように流れるように動作可能であってもよい。例えば、アプリケータ114/214は、いくつかの実施形態において、少なくとも0.5L/分、または少なくとも1L/分、または少なくとも2L/分、または少なくとも3L/分、または少なくとも4L/分、または少なくとも5L/分、または少なくとも6L/分、または少なくとも7L/分、または少なくとも8L/分、または少なくとも10L/分、または少なくとも約25L/分、または少なくとも約50L/分、または少なくとも約100L/分、または少なくとも約200L/分、または少なくとも約300L/分、または少なくとも約500L/分、または少なくとも約750L/分、または少なくとも約1000L/分、または少なくとも約1500L/分、または少なくとも約2000L/分、または少なくとも約2250L/分、または少なくとも約2500L/分の速度でブランチング溶液106/206が滝のように流れるように動作可能であってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、微小作物100/200をブランチングする(例えば、連続的にブランチングする)ための装置は、ブランチング溶液106/206、分離した溶液(例えば、図2の235)、希釈溶液(例えば、図2の208)、またはこれらの任意の組み合わせを加熱するように動作可能な加熱要素112/212をさらに備えていてもよい。加熱要素112/212は、本開示の範囲から逸脱することなく、装置100/200の様々な場所に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、加熱要素は、供給源110/210、配管システム111/211、またはアプリケータ114/214、または収集タンク136/236、または希釈源142/242、またはそれらの任意の組み合わせに直接的または間接的に接続していてもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチング溶液106/206、分離した溶液(例えば、図2の235)、希釈溶液(例えば、図2の208)、またはそれらの任意の組み合わせは、加熱要素112/212に入る、迂回する、またはその他の様式で相互作用して、加熱されたブランチング溶液を作成してもよい。図1に示されるように、いくつかの実施形態において、加熱要素112は、ブランチング溶液106が供給源110またはその近傍で加熱され得るように、供給源110の中に組み込まれていてもよく、または供給源110に隣接していてもよい(例えば、加熱要素は保持タンク内に組み込まれる)。いくつかの実施形態によれば、加熱要素112/212は、ブランチング溶液106/206が光源110/210からアプリケータ114/214へ移動している間に加熱されるように、配管システム111/211に沿った1つ以上の点に組み込まれていてもよいし、隣接していてもよい。図2に示されるように、いくつかの実施形態において、加熱要素112/212は、ブランチング溶液106/206が、パイプ111/211を通過した後に加熱されるように、アプリケータ114/214内に、またはそれに隣接して組み込まれてもよい。いくつかの実施形態において、装置100/200は、複数の加熱要素を有することができ、各加熱要素の位置は独立して選択される。例えば、いくつかの実施形態において、装置100/200は、アプリケータ114/214に組み込まれているか、または隣接する第1の加熱要素と、希釈源142/242に組み込まれているか、または隣接する第2の加熱要素とを有していてもよい。
【0038】
加熱要素112/212は、いくつかの実施形態によれば、少なくとも60℃、または少なくとも65℃、または少なくとも70℃、または少なくとも75℃、または少なくとも80℃、または少なくとも85℃、または少なくとも90℃、または少なくとも95℃、または少なくとも100℃の温度でブランチング溶液106/206を加熱するように動作可能であってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイ117/217は、(例えば、少なくとも1つの穴を通って)アプリケータ114/214を出るある容積のブランチング溶液106/206を受け入れるような向きを向いていてもよい。ブランチングトレイ117/217は、バイオマス104/204(例えば、第1の部分、第2の部分)および/またはある容積のブランチング溶液106/206を含むように動作可能であってもよい。ブランチングトレイ117/217は、その操作性に適した任意の寸法および組成を有していてもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイ117/217は、正方形または長方形の形状であってもよい。いくつかの実施形態において、ブランチングトレイ117/217は、第2の側面119/219に対向する第1の側面118/218と、第4の側面に対抗する第3の側面を有していてもよく、ここで、第1の側面、第3の側面、第4の側面は、それぞれ第1の高さを有し、第2の側面は、第1の高さよりも短い第2の高さを有する。例えば、いくつかの実施形態において、第2の側面は、ブランチングトレイの中に所望な容積のブランチング溶液を維持するように操作可能な堰であってもよい。いくつかの実施形態によれば、第2の側面の上端は、1つ以上のノッチを含んでいてもよい。ブランチングトレイ117/217は、いくつかの実施形態において、深さが約0.5cm、または約1cm、または約2cm、または約3cm、または約4cm、または約5cm、または約6cm、または約8cm、または約10cmであってもよく、「約」は、例えば、±1cmであってもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイの第2の側面は、ブランチンクトレイの第1の側面、第3の側面および第4の側面の高さより約0.5cm未満小さく、または約1cm未満小さく、または約2cm未満小さく、または約3cm未満小さく、または約4cm未満小さく、または約5cm未満小さく、ここで、「約」は、例えば、±0.5cmであってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイ117/217は、コンベアベルトのような搬送システムに過渡的に(例えば、その表面に置かれる)、または固定的に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、アプリケータ114/214から流れ落ちるブランチング溶液106/206が、ブランチングトレイ117/217に入るような方向で、ブランチングトレイ117/217を駆動するために、このような輸送システムを使用してもよい。他の実施形態において、ブランチングトレイ117/217は静止していてもよく、アプリケータ114/214を出るブランチング溶液106/206の流れの少なくとも一部がブランチングトレイ117/217に入るようにアプリケータ114/214を配置してもよい。
【0041】
図1および2に示されるように、装置100/200は、ブランチングトレイ117/217を振動させて、ブランチングトレイ117/217内である容積のブランチング溶液106/206の正味の動き(例えば、波の作用)を作り出すことができる振動機構120/220を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、振動機構120/220は、ブランチングトレイ117/217に直接接続されてもよく、またはブランチングトレイ117/217の設計に組み込まれてもよい。他の実施形態において、振動機構120/220は、ブランチングトレイ117/217に隣接していてもよい。例えば、振動機構120/220は、ブランチングトレイ117/217がプラットフォームに取り付けられ(例えば、固定的に、取り外し可能に)、それによって、生成された振動力(例えば振幅)にさらされるように、バネ121/221のシステム上に懸架されたプラットフォームを含んでいてもよい。振動機構120/220は、いくつかの実施形態において、振動されるプラットフォーム上に直接的に、または振動されるプラットフォームに間接的に結合していてもよい。いくつかの実施形態において、振動機構120/220は、は、1つ以上の1軸モータ、1つ以上のステッパモータ、1つ以上のサーボモータ、1つ以上の軸モータドライブ、1つ以上のおもり(例えば、平衡、不均衡)、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、振動機構120/220は、一定量のブランチング溶液106/206の正味の動きを作成することができる。ある容積のブランチング溶液106/206の正味の動きは、いくつかの実施形態において、バイオマス104/204をブランチングトレイ117/217の第1の側面からブランチングトレイの第2の側面に向かわせることができる(例えば、推進する)原動力を生成することができ、ここで、第1の側面は第2の側面と対向している。いくつかの実施形態において、ブランチングトレイの第2の側面は、ブランチングトレイの第1の側面の高さ(例えば、堰)よりも低い高さを有していてもよく、それによって、ある容積のブランチング溶液および/またはある質量のバイオマスがブランチングトレイの第1の側面118/218から第2の側面119/219に搬送された後、ブランチングトレイから出ることを可能にする。
【0043】
いくつかの実施形態において、ある容積のブランチング溶液106/206の正味の動きは、その容積のブランチング溶液の上面の乱れ(例えば、波の作用、隆起、うねり、波状の作用)を含んでいてもよい。ある容積のブランチング溶液の上面の乱れ(例えば、波動、隆起、膨潤)は、バイオマス104/204の上面(すなわち、ブランチングトレイ117/217の底面から離れた方を向いている表面)上に任意の量のブランチング溶液を堆積させることが可能であろう。ある容積のブランチング溶液106/206の正味の動き(例えば、波の作用)によって、バイオマス104/204の上面(すなわち、ブランチングトレイ117/217の底面から離れた方に面する表面が、ある量のブランチング溶液106/206によって覆われ(例えば、繰り返し覆われ、部分的に覆われ)てもよい。例えば、ある容積のブランチング溶液106/206の正味の動き(例えば、波の作用)によって、バイオマス104/204の上面が、ブランチングトレイ117/217を横切って回転するブランチング溶液の乱れ(1つ以上の波)として、この容積のブランチング溶液に繰り返しさらされてもよい。いくつかの実施形態によれば、ある質量のバイオマス104/204および/またはある容積のブランチング溶液106/206が、ブランチングトレイ118/218の第1の側面からブランチングトレイの第2の側面に推進された後、ブランチングトレイ117/217を出てもよい。ある容積のブランチング溶液106/206の正味の動き(例えば、波の作用による乱れ)にバイオマス104/204がさらされると、バイオマスのより均一なブランチングをもたらし得る。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、微小作物をブランチングする(例えば、連続的にブランチングする)ための装置100/200は、第1のゲージ122/222を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第1のゲージ122/222は、ブランチングトレイ118/218に組み込まれるか、または(例えば、取り外し可能に、固定して)取り付けられてもよく、またはブランチングトレイ118/218に隣接してもよい。いくつかの実施形態によれば、第1のゲージ122/222は、ブランチングトレイ118/218内のブランチング溶液106/206の体積、ブランチングトレイ内のバイオマス104/204の質量、ブランチングトレイを出るブランチング溶液の容積、ブランチングトレイから出るバイオマスの質量、ブランチングトレイ内のブランチング溶液の温度(例えば、平均温度、特定の位置での温度)、ブランチンクトレイから出るブランチング溶液の温度、正味の動きの速度、ある容積のブランチング溶液の偏りの高さおよび頻度(例えば、波の作用)、ブランチングトレイの偏り(例えば、プラットフォームの設定点に対する)、ブランチング溶液の溶解した固体の含量(例えば、灰)のうちの1つ以上を測定するように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態において、第1のゲージ122/222は、アプリケータ114/214から流れ落ちるブランチング溶液の速度、アプリケータから出てくるブランチング溶液106/206の温度、正味の動きの速度、希釈率(すなわち、分離した溶液を希釈する割合)、またはこれらの任意の組み合わせを含む種々の条件を調整し得るように、加熱要素112/212、アプリケータ114/214、振動機構120/220、タンク136/236、ポンプおよびバルブシステム148/248、またはこれらの任意の組み合わせと(例えば、直接的に、中央制御システムを介して)連通することが可能であってもよい。いくつかの実施形態によれば、所望の生成物流速比(例えば、7:1)または希釈率(例えば、2.5:1)を維持または調整するために、第1のゲージ122/222は、装置100/200の1つ以上の構成要素と(例えば、直接的に、中央制御システムを介して)連通してもよい。
【0045】
図1に示されるように、いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイ118の第1の側面からブランチングトレイ119の第2の側面へと推進された後(ここで、第1の側面は第2の側面に対向している)、ある質量のバイオマス104および/またはある容積のブランチング溶液106は、(例えば、堰を介して)ブランチングトレイから出て、脱水機構134に入ってもよい。いくつかの実施形態において、脱水機構は、ブランチングしたバイオマス146からブランチング溶液106を分離するように動作可能であってもよい。ブランチング溶液106は、いくつかの実施形態において、重力分離、排液、傾斜ふるい、振動ふるい、濾過、デカンター遠心分離機、ベルトプレス、ファンプレス、ロータリープレス、スクリュープレス、フィルタープレス、フィニッシャープレス、またはこれらの任意の組み合わせを用い、ブランチングしたバイオマス146から分離されてもよい。
【0046】
図2に示されるように、いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイ118の第1の側面からブランチングトレイ119の第2の側面へと推進された後(ここで、第1の側面は第2の側面に対向している)、ある質量のバイオマス204および/またはある容積のブランチング溶液206は、(例えば、堰を介して)ブランチングトレイから出て、沈降タンク224に入ってもよい。沈降タンク224は、ある質量のバイオマス204およびある容積のブランチング溶液206が沈降タンク224に流入し得る(例えば、重力による流れ、推進)ように、ブランチングトレイ218に直接的または間接的に接続されてもよい。いくつかの実施形態によれば、沈降タンク224は、ある質量のバイオマス204(例えば、第1の部分、第2の部分)およびある容積のブランチング溶液206が沈降タンク224に流入し得る(例えば、重力による流れ、推進)ように、ブランチングトレイ218に対して向いていてもよい。沈降タンク224は、汚染物質および/または残屑が、ある質量のバイオマス204から脱落し、沈降溶液の表面より下に沈むことを可能にするように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態において、沈降タンク224は、バイオマス204から浮力のない固体を除去するように動作可能であってもよい。浮遊しない固体は、いくつかの実施形態において、淡水節足動物または軟体動物(例えば、ガンマラスおよびカタツムリ)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、望ましくない生命体をブランチングすることは、それらの生命体の浮力変化をもたらすことがあり、その結果、以前に浮遊していた生命体が浮かなくなる。
【0047】
沈降タンク224は、その操作性に適した任意の寸法および組成を有していてもよい。いくつかの実施形態によれば、沈降タンクは、(例えば、上から見たときに)正方形または長方形であってもよい。いくつかの実施形態において、沈降タンク224は、第2の側面226に対向する第1の側面225と、第4の側面に対抗する第3の側面を有していてもよく、ここで、第1の側面、第3の側面、第4の側面は、それぞれ第1の高さを有し、第2の側面226は、第1の高さよりも短い第2の高さを有する。例えば、いくつかの実施形態において、第2の側面226は、ブランチングトレイの中に所望な容積のブランチング溶液を維持するように操作可能な堰であってもよい。いくつかの実施形態によれば、第2の側面の上端は、1つ以上のノッチを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、沈降タンク224は、深さが、約5cm、または約7.5cm、または約10cm、または約12.5cm、または約15cm、または約17.5cm、または20cm、または約22.5cm、または約25cm、または約30cm、または約35cm、または約40cm、または約45cm、または約50cmであってもよく、「約」は、例えば、±2cmを表していてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、沈降タンク224は、ある容積の沈降溶液を含んでいてもよい。沈降溶液は、汚染物質および/または残屑が沈降溶液の上面から離れて沈降することを可能にする特性を有する任意の液体を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、沈降溶液は、ブランチング溶液206を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、沈降溶液は、水、地下水、井戸水、蒸留水、脱イオン水、逆浸透水、ナノ濾過水、超濾過水、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、沈降溶液は、特定の粘度を有するように選択されてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、沈降タンク224は、沈降溶液の表面より下に沈む汚染物質、残屑、または浮遊していない固体の除去を助けることが可能な1つ以上の傾斜側面および/または傾斜底を含んでいてもよい。沈降タンク224は、いくつかの実施形態において、残屑、汚染物質および/または浮遊しない固体からバイオマスを分離するのを助けることができるフィルターまたはふるいを含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、沈降タンクは、沈降タンクの表面を横切るが、沈降溶液の上面の下に、ふるいを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ふるいは、バイオマスを保持するほどは十分に小さいが、少なくともいくらかの残屑、汚染物質、および/または浮いていない固体を通過させるのに十分な大きさのメッシュサイズを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ふるいは、バイオマスを沈降タンクの第1の側面225から沈降タンクの第2の側面226(ここで、第1の側面と第2の側面は対向している)に輸送することができるように、振動運動が可能であろう。いくつかの実施形態によれば、ある質量の残屑、汚染物質および/または浮いていない固体が沈降タンク224から(例えば、沈降タンクの底部から)一定容積の沈降溶液とともに排出されてもよい。フィルター228は、残屑、汚染物質および/または浮いていない固体を集めることができ、いくつかの実施形態において、収集タンク236内に沈降溶液の流れを集めることができる(例えば、分離した溶液235として)。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、残屑、汚染物質、および/または浮力のない固体は、沈降タンクの底に沈殿するだろう。残屑、汚染物質、および/または浮遊していない固体は、いくつかの実施形態において、リサイクルすることができる(例えば、微小作物栽培システム、魚用食品に使用する)。
【0051】
いくつかの実施形態において、沈降タンク224は、沈降タンクの第1の側面225から沈降タンクの第2の側面226にバイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)を運ぶように動作可能な推進機構を含んでいてもよく、ここで、第1の側面と第2の側面は、互いに対向している。いくつかの実施形態において、推進機構は、重力、パドルホイール、バブリング、水中または水面水ジェット、水中ミキサー、振動機構、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、推進機構は、沈降タンクの入口点から出口点に沈降溶液を圧送するように動作可能なポンプを含んでいてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、沈降タンク224は、バイオマスを冷却するように動作可能であってもよい。例えば、沈降タンク224内の沈降溶液は、ブランチング溶液206の温度より低い温度(例えば、約60℃未満)または周囲温度より低い温度(例えば、約23℃)を有していてもよい。いくつかの実施形態において、沈降溶液は、使用時に、約90℃未満、または約80℃未満、または約70℃未満、または約60℃未満、または約50℃未満、または約40℃未満、または約30℃未満、または約20℃未満の温度を有していてもよい。沈降溶液は、いくつかの実施形態において、使用時に、約20℃~約80℃、または約40℃~約80℃、または約40℃~約60℃、または20℃~約40℃、または約20℃~約30℃の間の温度を有していてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、微小作物を(例えば、連続的に)ブランチングするための装置200は、第2のゲージ229を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第2のゲージ229は、沈降タンク224に組み込まれるか、または(例えば、取り外し可能に、固定して)取り付けられてもよく、または沈降タンク224に隣接してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、第2のゲージ229は、所望の生成物流速比(例えば、7:1)をモニタリングし、維持し、および/または調整するように動作可能であってもよい。第2のゲージ229は、いくつかの実施形態において、以下のうちの1つ以上を測定するように動作可能であり得る:沈降タンク224内の沈降溶液の容積;沈降タンク内のバイオマス204の質量;沈殿タンクを出る沈殿溶液の容積;沈殿槽を出るバイオマスの質量;沈殿槽内の沈殿溶液の温度(例えば、平均温度、特定の位置での温度);沈殿槽から出る沈殿溶液の温度;沈殿溶液の溶解固体含有量(例えば、灰)。いくつかの実施形態において、様々な条件を調整できるように、第2のゲージ229は、加熱要素112/212、アプリケータ114/214、振動機構120/220、タンク136/236、ポンプおよびバルブシステム、またはそれらの任意の組み合わせと(例えば直接的に、中央制御システムを介して)連通することができる。いくつかの実施形態によれば、所望の生成物流速比(例えば、7:1)または希釈率(例えば、2:1)を維持または調整するために、第2のゲージ229は、装置100/200の1つ以上の構成要素と(例えば、直接的に、中央制御システムを介して)連通してもよい。
【0055】
図2に示されるように、沈降タンクの第1の側面225から沈降タンクの第2の側面226へと推進された後(第1の側面は、第2の側面と対向している)、ある質量のバイオマス204および/またはある容積の沈降溶液が沈降タンクを出て、脱水機構234に入ってもよい。図1に示されるように、いくつかの実施形態において、ブランチングトレイの第1の側面118からブランチングトレイの第2の側面119へと推進された後(ここで、第1の側面は第2の側面に対向している)、ある質量のバイオマス204および/またはある容積のブランチング溶液106は、ブランチングトレイから出て、脱水機構234に入ってもよい。さらに、いくつかの実施形態において、ブランチングトレイまたは沈降タンクの第1の側面から第2の側面へ移動することなく、バイオマス204を脱水機構234に直接的に堆積させることができる。例えば、いくつかの実施形態において、本開示の範囲から逸脱することなく、バイオマスおよびブランチング溶液を含むブランチングトレイを脱水機構に直接空にすることができる(例えば、シュートフィード、重力フィード)。いくつかの実施形態において、脱水機構は、ブランチングしたバイオマス146からブランチング溶液106、沈降溶液、すすぎ溶液、またはそれらの任意の組み合わせ(個々におよび集合的に「分離した溶液」135/235)を分離するように操作可能であってもよい。脱水機構234は、いくつかの実施形態において、重力分離、排液、傾斜ふるい、振動ふるい、濾過、デカンター遠心分離機、ベルトプレス、ファンプレス、ロータリープレス、スクリュープレス、フィルタープレス、フィニッシャープレス、またはこれらの任意の組み合わせを用いることを含んでいてもよい。
【0056】
図1および図2に示されるように、いくつかの実施形態において、分離した溶液135/235が集められ、リユース/リサイクルされてもよい。いくつかの実施形態によれば、図1および図2に示されるように、分離した溶液135/235は、収集タンク136/236に運ばれてもよい(例えば、重力、ポンプ圧送)。収集タンク136/236は、液体を集め、保持するのに適した任意の大きさ、形状、寸法、または組成を有していてもよい。収集タンク236内の分離した溶液135/235は、静止していてもよく、または動いていてもよい(例えば、攪拌、推進)。いくつかの実施形態において、装置100/200は、供給源110/210および収集タンク136/236として機能するように動作可能な単一のタンクを有していてもよい。
【0057】
図1および図2に示されるように、微小作物をブランチングするための装置100/200は、収集タンクゲージ138/238を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、収集タンクゲージ138/238は、所望の生成物流速比(例えば、7:1)をモニタリングし、維持し、および/または調整するように動作可能であってもよい。収集タンクゲージ138/238は、いくつかの実施形態において、分離した溶液の組成(例えば、全溶解固体)および/または温度をモニタリングするように動作可能であってもよい。分離した溶液の組成をモニタリングすることは、全ての溶解した固体、全固形分、濁度、電気伝導度、栄養素(例えば窒素)の組成、塩分、pHのうちの1つ以上をモニタリングすることを含んでいてもよい。収集タンクゲージ238は、いくつかの実施形態において、(例えば、希釈率を調整することによって)分離した溶液の組成を調節するために、ポンプおよびバルブシステム248と(例えば、直接、間接的に)連通していてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、収集タンクゲージ138/238は、タンク136/236に保存された、ある容積の分離した溶液135/235の全溶解固体含有量を維持または調節するために、装置100/200の1つ以上の構成要素(例えば、ポンプおよびバルブシステム、希釈タンク)と(例えば直接的に、中央制御システムを介して)連通可能であってもよい。例えば、収集タンクゲージ138/238は、いくつかの実施形態において、ある容積の分離した溶液135/235および/またはある容積のブランチング溶液106/206の全固形含量を0.5%(w/w)未満、または1%(w/w)未満、または2%(w/w)未満、または4%(w/w)未満、または6%(w/w)未満、または8%(w/w)未満、または10%(w/w)未満の値に維持または調整するために、装置100/200の1つ以上の構成要素と連通していてもよい。いくつかの実施形態によれば、収集タンクゲージ138/238は、いくつかの実施形態において、ある容積の分離した溶液135/235および/またはある容積のブランチング溶液106/206の濁度の値(例えば、500nm光源の吸光度に対する、ここで、1.0は10%の吸光度と等しく、10.0は100%の吸光度と等しい)を約0.5未満、または約0.75未満、または約1.0未満、または約1.25未満、または約1.5未満の値に維持または調整するために、装置100/200の1つ以上の構成要素と連通していてもよく、ここで、約は、±5%を表していてもよい。いくつかの実施形態において、収集タンクゲージ138/238は、いくつかの実施形態において、分離した溶液の導電率値を約2000μS/cm未満、または約2500μS/cm未満、または約3000μS/cm未満、または約3500μS/cm未満、または約4000μS/cm未満、または約4500μS/cm未満、または約5000μS/cm未満、または約5500μS/cm未満、または約6000μS/cm未満の値に維持または調整するために、装置100/200の1つ以上の構成要素と連通していてもよく、ここで、約は、±250μS/cmを表していてもよい。いくつかの実施形態によれば、所望の生成物流速比(例えば、7:1)を維持または調整するために、収集ゲージ138/238は、装置100/200の1つ以上の構成要素と(例えば、直接的に、中央制御システムを介して)連通してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、装置100/200は、分離した溶液を濾過するように動作可能なフィルターを含んでいてもよい。濾過は、いくつかの実施形態によれば、粗濾過(例えば、重力濾過、振動ふるい濾過)、微細濾過(例えば、精密濾過、限外濾過、ナノ濾過、逆浸透濾過)、またはこれらの任意の組み合わせを達成するように動作可能であってもよい。濾過した分離溶液を、洗浄液として、微小作物の栽培における成長媒体として、ブランチング溶液として、沈降溶液として、すすぎ溶液として、またはこれらの任意の組み合わせとしてリサイクルしてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチング廃棄物(例えば、濾過法からの残留物)は、微小作物の栽培における成長媒体の一部として(例えば、栄養源として)リサイクルされてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、分離した溶液135/235は、リサイクルする(例えば、ブランチング溶液としてリサイクルする)前に希釈されてもよい。分離した溶液の組成(例えば、溶解した固形分、濁度)を調整するために、分離した溶液135/235の希釈が望ましい場合がある。希釈された分離溶液は、いくつかの実施形態において、ブランチング溶液106/206として、洗浄液(例えば、図4の457)として、沈降溶液として、すすぎ溶液として、またはそれらの任意の組み合わせとしてリサイクルされてもよい。いくつかの実施形態において、廃棄溶液143/243は、微小作物の栽培における成長媒体としてリサイクルされてもよい(例えば、図4の450)。
【0061】
図1および図2に示されるように、微小作物をブランチングするための装置は、いくつかの実施形態において、希釈溶液108/208を保存し、および放出するように動作可能な希釈源142/242を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、希釈溶液108/208は、水、地下水、井戸水、蒸留水、脱イオン水、逆浸透水、ナノ濾過水、超濾過水、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。希釈源142/242は、いくつかの実施形態において、保持タンク、井戸、水道管、または液体を保持することができる任意の他の容器またはシステムを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、分離した溶液を希釈することは、ある容積の分離した溶液(すなわち、廃棄溶液143/243)を収集タンクから廃棄することを含んでいてもよい。廃棄溶液143/243は、いくつかの実施形態によれば、溶解した固体(例えば、灰)の所望の組成を達成するのに必要な希釈溶液の容積に等しい容積を有していてもよい。いくつかの実施形態において、廃棄溶液143/243は、溶解した固体(例えば、灰)の所望の組成を達成するのに必要な希釈溶液の容積よりも大きな容積を有していてもよい。収集タンクから、ある容積の分離した溶液を廃棄する速度は、収集タンクゲージ(例えば、総タンク容積)によって調節することができる。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、タンク136/236の中の分離した溶液135/235および/またはブランチング溶液106/206は、溶解した固体(例えば、灰)および/または全固形分の所望の組成物を含むように希釈されてもよい。いくつかの実施形態において、タンク136/236の中のある容積の分離した溶液135/235および/またはある容積のブランチング溶液106/206は、合計固形物含量が0.5%(w/w)未満、1%(w/w)未満、または2%(w/w)未満、または4%(w/w)未満、または6%(w/w)未満、または8%(w/w)未満、または10%(w/w)未満の値になるように希釈されてもよい。いくつかの実施形態によれば、タンク136/236の中の分離した溶液135/235は、ある容積の分離した溶液135/235および/またはある容積のブランチング溶液106/206の濁度値(例えば、500nm光源の吸光度に対する、ここで、1.0は10%の吸光度と等しく、10.0は100%の吸光度と等しい)が約0.5未満、または約0.75未満、または約1.0未満、または約1.25未満、または約1.5未満の値になるように希釈されてもよい。ここで、約は、±5%を表していてもよい。いくつかの実施形態において、タンク136/236の中の分離した溶液135/235および/またはブランチング溶液106/206は、導電率値が約2000μS/cm未満、または約2500μS/cm未満、または約3000μS/cm未満、または約3500μS/cm未満、または約4000μS/cm未満、または約4500μS/cm未満、または約5000μS/cm未満、または約5500μS/cm未満、または約6000μS/cm未満の値になるように希釈されてもよい。ここで、約は、±250μS/cmを表していてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、タンク136/236の中の分離した溶液135/235は、バイオマス供給速度に対して希釈されてもよい。例えば、4kg/分の供給速度を有する装置100/200は、タンク136/236の中の分離した溶液135/235の希釈率が8L/分であってもよく、2:1の希釈対供給比が得られる。いくつかの実施形態によれば、装置100/200は、希釈対供給比が約4:1、または約3.5:1、または約3:1、または約2.5:1、または約2:1、または約1.5:1、または約1:1であってもよい。
【0064】
図1および図2に示すように、いくつかの実施形態において、微小作物を(例えば、連続的に)ブランチングするための装置100/200は、ポンプおよびバルブ機構148/248を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、ポンプおよびバルブ機構148/248は、装置100/200内のブランチング溶液、沈降溶液、すすぎ溶液、分離した溶液および希釈溶液のうちの1つ以上を推進するように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態において、ポンプおよびバルブ機構148/248は、第1のゲージ、第2のゲージ、収集タンクゲージ138/238、またはそれらの任意の組み合わせと連通していてもよい。いくつかの実施形態によれば、所望の生成物流速比(例えば、7:1)を維持または調整するために、ポンプおよびバルブ機構148/248は、装置100/200の1つ以上の構成要素と(例えば、直接的に、中央制御システムを介して)連通していてもよい。
【0065】
図1および図2に示されるように、装置100/200は、熱交換器144/244を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、熱交換器144/244(例えば、熱エネルギー交換機構)は、微小作物(例えば、Lemna、Wolffia)由来の高濃度タンパク質生成物(例えば、タンパク質フレーク)の生成に必要な全エネルギー入力を減らすだろう。いくつかの実施形態によれば、熱交換器144/244は、収集タンク136/236からの廃棄溶液143/243の流れ(すなわち、ドナー流)および希釈溶液の流れ(すなわち、レシピエント流)が熱エネルギー交換が起こり得るように隣接する流れシステムを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、希釈溶液の流れ(すなわち、レシピエント流)は、ドナー流(例えば、ブランチング溶液からの熱を保持する廃棄溶液の流れ143/243)よりも低い温度を有していてもよく、したがって、低い熱エネルギーを有していてもよい。いくつかの実施形態によれば、熱交換器は、希釈溶液の流れ(すなわち、レシピエント流)が廃棄溶液の流れ143/243(すなわち、ドナー流)から少なくともいくらかの熱エネルギーを吸収することができるようなフローシステム(例えば、導電性材料から構成される一連のパイプ)を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、熱交換器144/244は、タンク136/236内の希釈溶液の流れおよび/または分離した希釈溶液の温度を上昇させてもよい。いくつかの実施形態において、熱交換器144/244は、加熱要素212内のリサイクルされた溶液を加熱するために必要なエネルギー量を低減することができる。
【0066】
図2に示されるように、いくつかの実施形態によれば、ブランチング溶液206および/または沈降溶液から分離された後、ブランチングしたバイオマス246は、すすぎ機構230に運ばれてもよい。すすぎ機構230は、直接的または間接的に、ブランチングしたバイオマス246が重力または推進によってすすぎ機構230に搬送されるように、脱水機構234に接続されてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態において、すすぎ機構230は、ブランチングしたバイオマス246から望ましくない溶解した固体を除去するように動作可能であってもよい。すすぎ機構230は、その操作性に適した任意の寸法および組成を有していてもよい。いくつかの実施形態において、すすぎ機構は、スプリンクラーおよび振動ふるいを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、すすぎ機構は、任意の適切な寸法の形状を有するすすぎタンクを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、すすぎタンク230は、深さが少なくとも約5cm、または少なくとも約10cm、または少なくとも約15cm、または少なくとも約20cm、または少なくとも約25cmであってもよく、ここで、「約」は、例えば、±3cmであってもよい。いくつかの実施形態において、すすぎ機構230は、ブランチングしたバイオマス246および/またはある体積のすすぎ溶液を含むことができるだろう。いくつかの実施形態によれば、すすぎ機構230(例えばすすぎタンク)は、すすぎ溶液がすすぎ機構内のブランチングしたバイオマス246の少なくとも1つの表面と接触するように、すすぎ溶液を受け入れるように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態において、すすぎ機構230(例えば、すすぎタンク)は、ブランチングしたバイオマス246がすすぎ溶液の表面上に浮遊するように、ある容積のすすぎ溶液を含んでいてもよい。他の実施形態において、すすぎ機構は、ある容積のすすぎ溶液が、ブランチングしたバイオマス246の少なくとも1つの表面上に堆積されるように、スプリンクラー機構を含んでいてもよい。すすぎ機構は、いくつかの実施形態において、すすぎ溶液の少なくとも一部を、ブランチングしたバイオマスから除去することができるような振動ふるいをさらに備えていてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、すすぎ溶液は、水、蒸留水、逆浸透水、ナノ濾過水、ブランチング溶液206、沈降溶液、リサイクルされたブランチング溶液、リサイクルされた沈降溶液、リサイクルされたすすぎ液、またはこれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、すすぎ溶液を滅菌(例えば、UV照射、濾過、加熱)してもよい。
【0069】
すすぎ機構230は、いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマス246を冷却するように動作可能であってもよい。例えば、すすぎタンク230内のすすぎ溶液は、ブランチング溶液206の温度より低い温度、または周囲温度より低い温度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、すすぎ溶液は、使用時に室温より低い温度(例えば、約12℃)を有していてもよい。いくつかの実施形態において、すすぎ溶液は、使用時に、約50℃未満、または約40℃未満、または約30℃未満、または約20℃未満、または約15℃未満、または約10℃未満、または約5℃未満、または約2℃未満、または約1℃未満、または約0℃未満の温度を有していてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、すすぎ機構230は、すすぎ機構の第1の側面からすすぎ機構の第2の側面へと、ブランチングしたバイオマスを運ぶように動作可能な推進機構を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、すすぎ機構は、推進システムとすすぎタンクとを含んでいてもよく、推進機構は、すすぎタンクの第1の側面からすすぎタンクの第2の側面へと、ブランチングしたバイオマスを推進する。他の実施形態において、すすぎ機構230は、振動ふるいとスプリンクラーシステムとを含んでいてもよく、振動ふるいは、ブランチングされたバイオマスを第1の側面から第2の側面に推進する。いくつかの実施形態によれば、すすぎ機構の推進機構は、重力、パドルホイール、バブリング、水中または水面水ジェット、水中ミキサー、振動機構、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0071】
図1および図2に示されるように、いくつかの実施形態において、すすぎ機構230は、ブランチングしたバイオマスからある容積のすすぎ溶液を分離し、分離した溶液235を作成することができる構成要素(例えば、振動ふるい)を備えていてもよい。いくつかの実施形態によれば、分離した溶液は、収集タンク236に集められ、希釈され、濾過され、リサイクルされ、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0072】
微小作物のブランチングによって高濃度タンパク質生成物を作成するための方法
微小作物の栽培
いくつかの実施形態において、作物を大きくする条件下、微小作物と第1の媒体(例えば、水性栄養組成物、成長媒体)とを接触させることによって、微小作物を無性的に繁殖させ(例えば、栽培し)てもよい。いくつかの実施形態によれば、微小作物をバイオリアクターシステムで栽培してもよい(図3の350、図4の450)。バイオリアクターシステムは、いくつかの実施形態によれば、水および/または栄養組成物を含む第1の媒体(例えば、成長媒体)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、栄養組成物は、窒素、リン、カリウムおよびカルシウムのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第1の媒体は、溶解した気体状酸素および/または溶解した気体状二酸化炭素を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、第1の媒体は、カルシウムの量が多い組成(例えば、カルシウムの量が多い成長媒体)を有するような構成であってもよい。例えば、カルシウムを多く含む第1の媒体は、カルシウム濃度が約120パーツパーミリオン(ppm)以上、または約115ppm以上、または約110ppm以上、または約105ppm以上、または約100ppm以上、または約95ppm以上、または約90ppm以上、または約85ppm以上、または約80ppm以上、または約75ppm以上、または約70ppm以上、または約65ppm以上、または約60ppm以上、または約55ppm以上、または約50ppm以上、または約45ppm以上、または約40ppm以上、または約35ppm以上、または約30ppm以上、または約25ppm以上、または約20ppm以上であってもよく、ここで、「約」は、±10%を構成している。いくつかの実施形態において、カルシウムを多く含む第1の媒体は、カルシウム濃度が約20ppm~約120ppm、約25ppm~約120ppm、または約30ppm~約120ppm、または約40ppm~約120ppm、または約50ppm~約120ppm、または約60ppm~約120ppm、または約70ppm~約120ppm、または約80ppm~約120ppm、または約20ppm~約100ppm、または約30ppm~約100ppm、または約40ppm~約100ppm、または約50ppm~約100ppm、または約60ppm~約100ppm、または約70ppm~約100ppm、または約80ppm~約100ppmであってもよい。いくつかの実施形態によれば、カルシウムを多く含む第1の媒体は、カルシウム濃度が少なくとも約20ppm(例えば、±10%)であってもよい。いくつかの実施形態において、カルシウムを多く含む第1の媒体は、少なくとも100ppmのカルシウムを含む。バイオリアクターシステムは、特定の時間インジケータで、またはセンサの読みに応答して、第1の媒体にさらなる栄養素(例えば、窒素、リン、カリウム、カルシウム)または気体(例えば、酸素、二酸化炭素)を挿入するような構成であってもよい。いくつかの実施形態において、カルシウムは、カルシウム、炭酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、炭化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、第1の媒体は、成長媒体内で光合成に活性な放射光線を弱めるような構成の1つ以上の抗光合成色素を含んでいてもよい。1つ以上の抗光合成色素は、いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの他の水生生物(例えば、水中水生種、植物プランクトン、植物藻類、表皮藻類)の成長を阻害するのに十分な容積または濃度で添加されてもよい。抗光合成色素は、(n-エチル-n-[4-[[4-エチル[(3-スルホフェニル)メチル]アミノ]-フェニル](2-スルホフェニル)-メチレン)]2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン]-3-スルホベンゼンメタンアミニウムヒドロキシド内部塩,二ナトリウム塩(Colour IndexがAcid Blue 9(Ref.No.42090))、三ナトリウム (4E)-5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ヒドラゾノ]-3-ピラゾールカルボキシレート(Colour IndexがAcid Yellow 23(Ref.No.19140))、ジアザニウム;2-[[4-[エチル-[(3-スルホナトフェニル)メチル]アミノ]フェニル]-[4-[エチル-[(3-スルホナトフェニル)メチル]アザニウミリデン]シクロヘキサ-2,5-ジエン-1-イリデン]メチル]ベンゼンスルホネート(Colour IndexがAcid Blue 34(Ref.No.42645);ベンジル-[4-[[4-ベンジル(エチル)アミノ]フェニル]-(5-ヒドロキシ-2,4-ジスルホフェニル)メチリデン]シクロヘキサ-2,5-ジエン-1-イリデン]-エチルアザニウム(Colour IndexがAcid Blue 5(Ref.No.42052));二ナトリウム-2-(1,3-ジオキソインデン-2-イル)キノリン-6,8-ジスルホネート(Colour IndexがAcid Yellow 3(Ref.No.15985))、および(n-エチル-n-[4-[[4-[エチル[(3-スルホフェニル)メチル]アミノ]-フェニル](2-スルホフェニル)-メチレン)]2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン]-3-スルホベンゼンメタンアミニウムヒドロキシド内部塩,二ナトリウム塩と三ナトリウム (4E)-5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ヒドラゾノ]-3-ピラゾールカルボキシレートの混合物(Aquashade(登録商標))のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。他の好適な抗光合成色素は、Wilsonの米国特許第4,042,367号の表IおよびIIに見出すことができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
第1の媒体(例えば、水性栄養組成物)は、バイオリアクター(例えば、池)中で提供されてもよく、および/または添加されてもよく、いくつかの実施形態によれば、所望の設定レベル(例えば、特定の容積)に維持されてもよい。いくつかの実施形態において、バイオリアクターシステムは、雨水を集め、および/または地面水源、表面の水源からの水、またはリサイクルされた水(例えば、暴風雨による水、リサイクルされた水)または任意の他の適切な水源からの水を取り込むような構成であってもよい。いくつかの実施形態によれば、バイオリアクターシステムは、余分な成長媒体のための追加の貯蔵容器(例えば、容器または池)をさらに含んでいてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、1つ以上の小さなバイオリアクター(例えば、池)を、より大きなバイオリアクターへの「フィーダー」バイオリアクターとして十分に機能するように、設計し、サイズ変更してもよい。いくつかの実施形態において、小さなバイオリアクターに最初に播種し、高密度にまるまで成長させ、その時点で、場合により、もっと速い成長を補助するような方法で、もっと大きなバイオリアクターに最適に播種してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、バイオリアクターシステムは、モニタリングシステムを備えていてもよい。モニタリングシステムは、いくつかの実施形態において、バイオリアクターの条件(例えば、栄養素濃度、pH、溶存酸素の量、成長媒体の量、微小作物の分布、流速、温度)に関する1つ以上のユーザアラートを表示し、および/または与え、および/または操作条件(例えば、成長媒体の流速および/または栄養素添加、「フィーダー」の微小作物添加、酸素または二酸化炭素の添加のタイミングおよび/または量)を調整するような構成であってもよい。調整は、連続的に、半連続的に、定期的に、断続的に、必要に応じて、設定された時間または可変の時間に、または他の任意の間隔で行われてもよい。いくつかの実施形態において、水生種の成長速度および/または収量を最適化するように調整を選択することができる。例えば、微小作物種を、例えば、光にさらされることに基づき、材料(例えば、新鮮な水またはリサイクルされた水、新鮮な成長媒体またはリサイクルされた成長媒体)の導入を調整し、それによって栄養素の消費速度を制御し得るような構成のモニタリングシステムを備える大スケールの開放したバイオリアクター内で成長させてもよい。
【0077】
バイオリアクターシステムは、いくつかの実施形態において、微小作物を栽培可能な単一の容器を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、バイオリアクターシステムは、複数の栽培容器を備えていてもよく、この栽培容器は、接続されていてもよく、部分的に接続されていてもよく、または切断されていてもよい。いくつかの実施形態において、バイオリアクター(例えば、池)は、バイオリアクターの内側底部から除去された、圧縮された汚れからなる堤防を備えた土槽であってもよい。いくつかの実施形態によれば、バイオリアクターは、人工の容器(例えば、金属、プラスチック、樹脂)であってもよい。バイオリアクターシステムは、開放したバイオリアクター、閉じたバイオリアクター、半開放したバイオリアクター、またはこれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、バイオリアクターシステムは、1または複数の容器をチャネルまたはセルに分割するような構成であってもよい。バイオリアクターシステムは、いくつかの実施形態において、成長媒体の流れを可能にするように構成されてもよい。バイオリアクターシステムは、いくつかの実施形態において、推進システム(例えば、パドルホイール、バブリング、水中または表面水ジェット、水中ミキサー)および/または再循環システムを備えていてもよい。いくつかの実施形態において、バイオリアクターシステムは、(例えば、栄養素の濃度または微小作物の成長パターンを再分配するために)成長媒体の流速を調節するような構成であってもよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、バイオリアクターシステムは、バイオリアクター容器に含まれる成長媒体および/または成長媒体の上部表面で成長する微小作物が、バイオリアクター容器の外側から開始する風にさらされ得るように、バイオリアクター容器(例えば、蛇行する軌道)の開放した部分であってもよい(例えば、地面に対して水平面内に)。いくつかの実施形態によれば、バイオリアクターシステムは、(例えば、地面に対して水平な面で)部分的に開放していてもよく、含まれる栽培媒体の上部表面の少なくとも90%、または少なくとも80%、または少なくとも70%、または少なくとも60%、または少なくとも50%、または少なくとも40%、または少なくとも30%、または少なくとも20%、または少なくとも10%が開放している。いくつかの実施形態によれば、上部表面が開放していてもよく、その場合、その表面に覆いまたは他の障壁が実質的に存在しない(例えば、存在しない)、表面が周囲の気候条件に直接さらされている、表面と大気との間に膜、ガラス、覆いまたは他の障壁(このような障壁が穴または開口部を有していても有していなくても)が実質的に存在しない、および/または表面から少なくとも約1m上の距離について、周囲の大気が、表面の真上の空間を満たす唯一のものである。
【0079】
バイオリアクターシステムは、いくつかの実施形態において、微小作物のマットの厚さおよび分布をモニタリングし、調整してもよい。例えば、微小作物が特定の厚さまたは分布に達すると、バイオリアクターシステムが収穫手順を開始してもよい。いくつかの実施形態において、バイオリアクターシステム内の成長媒体の所望な蒸発散速度を維持し得るように、微小作物のマットの最小厚さが維持されてもよい。いくつかの実施形態において、微小作物の最小厚さは、より少ない日光が成長媒体の表面に浸透する(すなわち、藻類などの水中水生生物の成長能力を低下させる)ことができるように維持されてもよい。
【0080】
微小作物は、任意の適切な方法によって栽培されてもよく、本明細書に記載の方法に限定されない。本開示の範囲から逸脱することなく、微小作物の栽培方法に様々な変更が加えられてもよい。
【0081】
微小作物の収穫
図3および図4に示すように、微小作物は、バイオマス352/452を作成するために、任意の所望の時間に、全体的または部分的に収穫されてもよい(351/451)。例えば、1つ以上の特定の時間に、規則的な間隔または不規則な間隔で、および/または連続的に、微小作物を収穫してもよい。収穫時間および/または間隔の選択は、環境条件(例えば、降水量、相対湿度、温度範囲、平均、低または高閾値および/または光の強度、波長範囲、さらされる時間)および/または1つ以上の所望な特徴(例えば、マットの厚さ、マットの分布、成熟)を示す微小作物に基づいていてもよい。微小作物の収穫は、手作業であってもよく、自動化されていてもよい。自動化されたスキマーシステムは、いくつかの実施形態において、バイオリアクターシステムから微小作物を集め、収穫した微小作物を(例えば、圧送システムによって)傾斜のついた振動ふるいに移動し、成長媒体および残屑からバイオマスを分離してもよい。いくつかの実施形態において、バイオリアクターシステムから静止ふるいフィルターまたは移動ふるいフィルターを介して微小作物を減圧スキミングすることによって、微小作物を収穫してもよい。いくつかの実施形態によれば、収穫した微小作物(例えばLemna)および成長媒体(例えば水)を含むバイオマススラリーを、傾斜振動ふるいに運んでもよく、ここでバイオマス(例えば、微小作物)は、成長媒体から分離されてもよい。
【0082】
図3および図4に示されるように、収穫の間、分離した成長媒体は、いくつかの実施形態によれば、バイオリアクターシステムまたはさらなる保存容器(例えば、容器または池)にリサイクルされて戻されてもよい(353/453)。いくつかの実施形態において、バイオマスから分離した成長媒体(例えば、水)の少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%が、微小作物を栽培し、収穫し、および/または処理する際の将来の使用のためにリサイクルされてもよい。いくつかの実施形態において、分離した成長媒体をリサイクルすることは、粗濾過(例えば、重力濾過、振動ふるい濾過)、微細濾過(例えば、精密濾過、限外濾過、ナノ濾過、逆浸透濾過)、またはこれらの任意の組み合わせによって、分離した成長媒体を濾過することを含んでいてもよい。
【0083】
バイオマスの浸漬および/またはバイオマスのpHの緩衝化
収穫後、バイオマスを浸漬し(例えば、図4の454)、および/または緩衝化してもよい。収穫したバイオマスを浸漬し、および/または緩衝化することは、タンパク質生成物のシュウ酸含量の低下に寄与し得る。いくつかの実施形態において、収穫したバイオマスを浸漬し、および/または緩衝化することは、タンパク質生成物のシュウ酸および/またはシュウ酸塩の含量の低下に寄与し得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、収穫したバイオマスを第2の媒体に浸漬してもよい(例えば、図4の454)。第2の媒体は、いくつかの実施形態によれば、水(例えば、地下水、表面水、リサイクルされた水)、蒸留水、逆浸透水またはナノ濾過水、および/または栄養組成物を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第2の媒体は、リサイクルされた流体の任意の所望の部分を含んでいてもよい。例えば、第2の媒体は、プロセスの別の段階からリサイクルされた流体を少なくとも約10%(v/v)、少なくとも約20%(v/v)、少なくとも約30%(v/v)、少なくとも約40%(v/v)、少なくとも約50%(v/v)、少なくとも約60%(v/v)、少なくとも約70%(v/v)、少なくとも約80%(v/v)、または少なくとも約90%(v/v)含んでいてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、第2の媒体は、低窒素組成物(例えば、低窒素の第2の媒体)を含むように構成されてもよい。例えば、低窒素の第2の媒体は、窒素濃度が約20パーツパーミリオン(ppm)以下、約18ppm以下、約16ppm以下、または約14ppm以下、または約12ppm以下、または約10ppm以下、または約9ppm以下、または約8ppm以下、または約7ppm以下、または約6ppm以下、または約5ppm以下、または約4ppm以下、または約3ppm以下、または約2ppm以下、または約1ppm以下、または約0.5ppm以下、または約0ppmであってもよい。いくつかの実施形態において、低窒素の第2の媒体は、窒素濃度が約0ppm~約20ppm、または約0.5ppm~約20ppm、または約0.5ppm~約15ppm、または約0.5ppm~約10ppm、または約1ppm~約9ppm、または約1ppm~約7ppm、または約1ppm~約6ppm、または約1ppm~約5ppm、または約3ppm~約6ppm、または約2ppm~約8ppmであってもよい。低窒素の第2の媒体は、いくつかの実施形態によれば、最大で約10ppm(例えば、±1ppm)の窒素濃度を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、低窒素の第2の媒体は、最大で約5ppm(例えば、±0.5ppm)の窒素濃度を含んでいてもよい。低窒素の第2の媒体は、例えば、検出可能な窒素(すなわち、N)を有さない、窒素非含有の第2の媒体とは対照的に、少なくともある量の窒素を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第2の媒体は、窒素を含まない第2の媒体であってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、第2の媒体は、低カルシウム組成物(例えば、低カルシウムの第2の媒体)を含むように構成されてもよい。例えば、低カルシウムの第2の媒体は、カルシウム濃度が約20ppm以下、約18ppm以下、約16ppm以下、または約14ppm以下、または約12ppm以下、または約10ppm以下、または約9ppm以下、または約8ppm以下、または約7ppm以下、または約6ppm以下、または約5ppm以下、または約4ppm以下、または約3ppm以下、または約2ppm以下、または約1ppm以下、または約0.5ppm以下、または約0ppmであってもよい。いくつかの実施形態において、低カルシウムの第2の媒体は、カルシウム濃度が約0ppm~約20ppm、または約0.5ppm~約20ppm、または約0.5ppm~約15ppm、または約0.5ppm~約10ppm、または約1ppm~約9ppm、または約1ppm~約7ppm、または約1ppm~約6ppm、または約1ppm~約5ppm、または約3ppm~約6ppm、または約2ppm~約8ppmであってもよい。いくつかの実施形態によれば、低カルシウムの第2の媒体は、最大で約10ppm(例えば、±1ppm)のカルシウム濃度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、低カルシウムの第2の媒体は、最大で約5ppm(例えば、±0.5ppm)のカルシウム濃度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、低カルシウムの第2の媒体にバイオマスを浸漬することにより、シュウ酸濃度とシュウ酸塩(例えば、シュウ酸カルシウム)濃度との間の平衡が達成され得る。
【0087】
いくつかの実施形態において、第2の媒体は、高カルシウム組成物(例えば、高カルシウムの第2の媒体)を含むように構成されてもよい。例えば、高カルシウムの第2媒体は、カルシウム濃度が約800ppm以下、または約750ppm以下、または約700ppm以下、または約650ppm以下、または約600ppm以下、または約550ppm以下、または約500ppm以下、または約450ppm以下、または約400ppm以下、または約350ppm以下、または約300ppm以下、または約250ppm以下、または約200ppm以下、または約150ppm以下、または約100ppm以下、または約50ppm以下であってもよい。いくつかの実施形態において、高カルシウムの第2の媒体は、カルシウム濃度が約50ppm~約200ppm、または約50ppm~約400ppm、または約50ppm~約600ppm、または約100ppm~約800ppm、または約100ppm~約700ppm、または約100ppm~約600ppm、または約100ppm~約500ppm、または約300ppm~約600ppm、または約200ppm~約800ppmであってもよい。いくつかの実施形態によれば、高カルシウムの第2の媒体は、最大で約800ppm(例えば、±50ppm)のカルシウム濃度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、高カルシウムの第2の媒体は、最大で約600ppm(例えば、±50ppm)のカルシウム濃度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、高カルシウムの第2の媒体にバイオマスを浸漬することにより、シュウ酸濃度とシュウ酸塩(例えば、シュウ酸カルシウム)濃度との間の平衡が達成され得る。例えば、高カルシウムの第2の媒体にバイオマスを浸漬することにより、シュウ酸をシュウ酸塩に変換してもよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、第2の媒体は、低カルシウム組成物および低窒素組成物(例えば、低窒素および低カルシウムの成長媒体)を含むように構成されてもよい。例えば、低窒素および低カルシウムの成長媒体は、カルシウム濃度が約20ppm以下、または約18ppm以下、または約16ppm以下、または約14ppm以下、または約12ppm以下、または約10ppm以下、または約9ppm以下、または約8ppm以下、または約7ppm以下、または約6ppm以下、または約5ppm以下、または約4ppm以下、または約3ppm以下、または約2ppm以下、または約1ppm以下、または約0.5ppm以下、または約0ppmであってもよい。低窒素および低カルシウムの成長媒体は、窒素濃度が約20ppm以下、または約18ppm以下、または約16ppm以下、または約14ppm以下、または約12ppm以下、または約10ppm以下、または約9ppm以下、または約8ppm以下、または約7ppm以下、または約6ppm以下、または約5ppm以下、または約4ppm以下、または約3ppm以下、または約2ppm以下、または約1ppm以下、または約0.5ppm以下、または約0ppmであってもよい。いくつかの実施形態において、低窒素および低カルシウムの第2の媒体は、カルシウム濃度が約0ppm~約20ppm、または約0.5ppm~約20ppm、または0.5ppm~約15ppm、または0.5ppm~約10ppm、または約1ppm~約9ppm、または約1ppm~約7ppm、または約1ppm~約6ppm、または約1ppm~約5ppm、または約3ppm~約6ppm、または約2ppm~約8ppmであってもよい。いくつかの実施形態において、低窒素および低カルシウムの第2の媒体は、窒素濃度が約0ppm~約20ppm、または約0.5ppm~約20ppm、または0.5ppm~約15ppm、または0.5ppm~約10ppm、または約1ppm~約9ppm、または約1ppm~約7ppm、または約1ppm~約6ppm、または約1ppm~約5ppm、または約3ppm~約6ppm、または約2ppm~約8ppmであってもよい。いくつかの実施形態によれば、低窒素および低カルシウムの第2の媒体は、最大で約10ppm(例えば、±1ppm)のカルシウム濃度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、低窒素および低カルシウムの第2の媒体は、最大で約5ppm(例えば、±0.5ppm)のカルシウム濃度を有していてもよい。いくつかの実施形態によれば、低窒素および低カルシウムの第2の媒体は、最大で約10ppm(例えば、±1ppm)の窒素濃度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、低窒素および低カルシウムの第2の媒体は、最大で約5ppm(例えば、±0.5ppm)の窒素濃度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、低窒素および低カルシウムの第2の媒体にバイオマスを浸漬することにより、シュウ酸濃度とシュウ酸塩(例えば、シュウ酸カルシウム)濃度との間の平衡が達成され得る。
【0089】
バイオマスを浸漬すること(例えば、図4の454)は、いくつかの実施形態によれば、第2の媒体にバイオマスを沈め、バイオマスのスラリーを作成することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、バイオマスを、約1時間、または約2時間、または約4時間、または約6時間、または約8時間、または約10時間、または約12時間、または約16時間、または約20時間、または約24時間、または約36時間、または約48時間、または約60時間、または約72時間、または約84時間、または約96時間、または約108時間、または約120時間、または約132時間、または約144時間浸漬してもよい。バイオマスを浸漬することは、第2の媒体を機械攪拌する、流す、移動する、噴霧する、または攪拌することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、浸漬した微小作物(例えば、Lemna)および第2の媒体(例えば、低窒素の第2の媒体)を含むバイオマススラリーは、傾斜振動ふるいに運ばれてもよく、そこでバイオマス(例えば、微小作物)が第2の媒体から分離されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、バイオマスは、いくつかの実施形態によれば、第3の媒体中で緩衝化されてもよい。第3の媒体は、いくつかの実施形態によれば、水(例えば、地下水、表面水、リサイクルされた水)、蒸留水、逆浸透水および/またはナノ濾過水を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第3の媒体は、リサイクルされた流体の任意の所望の部分を含んでいてもよい。例えば、第3の媒体は、プロセスの別の段階からリサイクルされた流体(例えば、濾過からの拒絶された流れ)の少なくとも約10%(v/v)、少なくとも約20%(v/v)、少なくとも約30%(v/v)、少なくとも約40%(v/v)、少なくとも約50%(v/v)、少なくとも約60%(v/v)、少なくとも約70%(v/v)、少なくとも約80%(v/v)、または少なくとも約90%(v/v)を含んでいてもよい。
【0091】
バイオマスのpHを緩衝化することは、いくつかの実施形態によれば、第3の媒体にバイオマスを沈め、バイオマスのスラリーを作成することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、バイオマスを、約1時間、または約2時間、または約4時間、または約6時間、または約8時間、または約10時間、または約12時間、または約16時間、または約20時間、または約24時間、または約36時間、または約48時間、緩衝化してもよい。いくつかの実施形態によれば、緩衝化した微小作物(例えば、Lemna)および第3の媒体(例えば、蒸留水、地下水、表面水、雨水)を含むバイオマススラリーは、傾斜振動ふるいに運ばれてもよく、そこでバイオマス(例えば、微小作物)が第3の媒体から分離されてもよい。他の実施形態において、バイオマス(例えば、微小作物)を排水によって第3の媒体から分離してもよい。
【0092】
いくつかの実施形態によれば、バイオマスのpHを緩衝化することは、バイオマスのpH値を変化させる(例えば、上昇させる、下げる)か、または維持することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、バイオマスを緩衝化することは、バイオマスのpH値を約8.0未満、または約7.5未満、または約7.0未満、または約6.5未満、または約6.0未満、または約5.5未満、または約5.0未満、または約4.5未満、または約4.0未満、または約3.5未満、または約3.0未満に変化させる(例えば、上昇させる、下げる)か、または維持することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、バイオマスを緩衝化することは、バイオマスのpH値を約3.0~約7.5、または約3.5~約7.5、または約4.0~約7.5、または約4.5~約7.5、または約5.0~約7.5、または約5.5~約7.5、または約6.0~約7.5、または約6.5~約7.5に変化させる(例えば、上昇させる、下げる)か、または維持することを含んでいてもよい。当業者には理解されるように、バイオマスのpH値を調整することによってバイオマスを緩衝化することは、いくつかの実施形態において、非緩衝化バイオマスと比較してより高いタンパク質収率を促進することができるタンパク質安定性を促進し得る。
【0093】
1つの手順で作成された1つ以上の浸漬されたバイオマスおよび緩衝化されたバイオマスは、1つ以上の下流の手順または装置に供給される前に、それぞれの容器(例えば、浸漬容器、緩衝化容器)に保存されてもよい。これは、例えば、連続モード、バッチモード、または1つ以上の下流の手順および/または装置への複数の供給流を含む異なる動作スケジュールまたはモードに対応することができる。例えば、いくつかの実施形態において、昼間にバイオマスを採取し、処理(例えば、浸漬および/または緩衝化)し、その後、処理されたバイオマスをより小さなバッチ(例えば、第1の部分、第2の部分)でさらに処理し(例えば、溶解、分離する)、下流の処理機械の容量の制限に対応することができる。
【0094】
バイオマスの洗浄
図4に示されるように、いくつかの実施形態において、微小作物またはバイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)を処理することは、過剰な成長媒体、溶媒溶液、残屑、汚染物質、微生物および/または毒素を除去するための洗浄手順(455)を含んでいてもよい。バイオマスを洗浄することにより、タンパク質生成物の純度および/または収量を増加させてもよい。洗浄手順によって、バイオマスを殺菌および/または駆除し、バイオマスの表面またはその周囲にある細菌、真菌、ウイルス、昆虫、およびそれらの任意の組み合わせを減らすか、または除去してもよい。いくつかの実施形態において、洗浄手順は、バイオマスの少なくとも1つの表面を洗浄液(例えば、水、成長媒体、抗菌溶液)にさらす(例えば、沈める、噴霧する)ことによって実施されてもよい。いくつかの実施形態において、洗浄液をバイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)と組み合わせてスラリーを作成してもよい。
【0095】
いくつかの実施形態において、洗浄液は、リサイクルされた流体の任意の所望の部分を含んでいてもよい。例えば、洗浄液は、プロセスの別の段階からリサイクルされたもの(例えば、リサイクルされた洗浄液、濾過されたブランチング溶液)を少なくとも約10%(v/v)、少なくとも約20%(v/v)、少なくとも約30%(v/v)、少なくとも約40%(v/v)、少なくとも約50%(v/v)、少なくとも約60%(v/v)、少なくとも約70%(v/v)、少なくとも約80%(v/v)、または少なくとも約90%(v/v)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、洗浄液は、水溶液または溶媒であってもよい。洗浄液は、1つ以上の抗菌剤、寄生防止化合物、脂肪酸、アルコール、塩素、酸化化合物、およびそれらの任意の組み合わせ(例えば、オゾン水)を含んでいてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態によれば、洗浄液は、高温および/または高圧で適用されてもよい。洗浄液は、少なくとも約1秒間、または少なくとも約5秒間、または少なくとも約10秒間、または少なくとも約20秒間、または少なくとも約30秒間、または少なくとも約1分間、または少なくとも約5分間、バイオマスと接触したままであってもよい。いくつかの実施形態において、第2の洗浄液(例えば、水、オゾン水、リサイクルされた洗浄液、濾過されたブランチング溶液)をバイオマスに適用してもよい。いくつかの実施形態において、バイオマスに第3の洗浄液(例えば、水、オゾン水、リサイクルされた洗浄液、濾過されたブランチング溶液)を適用してもよい。第1の洗浄液、第2の洗浄液および第3の洗浄液の組成は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第1の洗浄液は、濾過されたブランチング溶液あってもよく、またはこれを含んでいてもよく、または第2の洗浄液が水であってもよく、第3の洗浄液がオゾン水であってもよい。いくつかの実施形態において、(例えば、傾斜ふるいまたは振動ふるいを使用して)洗浄液の一部または全部(例えば、第1、第2、および/または第3の洗浄液)をバイオマスから分離することができる。
【0097】
いくつかの実施形態において、図4の456に示されるように、洗浄液、第2の洗浄液および/または第3の洗浄液の一部または全部を集め、リユース/リサイクルしてもよい(例えば、リサイクルされた洗浄液)。いくつかの実施形態によれば、バイオマスから分離した洗浄液、第2の洗浄液および/または第3の洗浄液(例えば、水)の少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%は、リサイクルされた洗浄液として、および/またはバイオリアクターシステム中の成長媒体としての将来の使用のためにリサイクルされてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態において、洗浄液、第2の洗浄液および/または第3の洗浄液は、任意の所望なpHを有していてもよく、または任意の所望なpHを有するように調整されてもよい。例えば、洗浄液、第2の洗浄液、および/または第3の洗浄液のpHは、中性または塩基性(例えば、約7.0、または約7.5、または約8.0、または約8.5、または約9.0、または約9.5、または約10.0)であってもよい。いくつかの実施形態によれば、洗浄液、第2の洗浄液、および/または第3の洗浄液のpHは、約7.0~約7.5、または約7.5~約8.0、または約8.0~約8.5、または約8.5~約9.0、または約9.0~約9.5、または約9.5~約10.0であってもよい。いくつかの実施形態によれば、洗浄液、第2の洗浄液および/または第3の洗浄液のpHは、約7.0~約10.0、または約7.0~約9.5、または約7.0~約9.0、または約7.0~約8.5、または約7.0~約8.0、または約7.0~約7.5であってもよい。
【0099】
洗浄液(例えば、第1、第2および/または第3の洗浄液)は、使用時に室温より低い温度(例えば、約12℃)を有していてもよい。洗浄液、ひいては微小作物を冷却することは、タンパク質回収効率を改善し、および/またはタンパク質分解活性を低下させる可能性がある。いくつかの実施形態において、洗浄液(例えば、第1、第2、および/または第3の洗浄液)は、使用時に、約30℃未満、または約20℃未満、または約15℃未満、または約10℃未満、または約5℃未満、または約2℃未満、または約1℃未満、または約0℃未満の温度を有していてもよい。洗浄液(例えば、第1、第2および/または第3の洗浄液)は、いくつかの実施形態において、使用時に、約0℃~約10℃、または約5℃~約15℃、または約10℃~約20℃、または15℃~約25℃、または約20℃~約30℃の間の温度を有していてもよい。
【0100】
バイオマスのブランチング
図3および図4に示されるように、いくつかの実施形態において、微小作物またはバイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)を処理することは、微小作物材料(例えば、バイオマス)をブランチングし(358/458)、ブランチングしたバイオマス(362/462)を作成することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチング358/458は、例えば、バイオマス上で、(1)収穫した後(例えば、図3に示されるように)、または(2)収穫および洗浄した後、または(3)収穫および浸漬した後、または(4)収穫、洗浄、および浸漬した後に(図4に示されるように)行われてもよい。いくつかの実施形態によれば、洗浄手順の代わりに、または洗浄手順に加えて、ブランチング手順を使用してもよい。ブランチングは、いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物(例えば、濡れたもの、フレーク/顆粒、粉状物)の灰分、シュウ酸含量、および/またはフェノール(例えば、タンニン)含量を下げるだろう。図3Aに示されるように、いくつかの実施形態によれば、バイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)をブランチングすること(358)は、ブランチングトレイにバイオマスを運搬すること(359)と、バイオマスとブランチング溶液とを接触させ(360)、ブランチングしたバイオマス(362)を作成することとを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、バイオマスをブランチングすることは、ブランチングトレイの第1の側面からブランチングトレイの第2の側面(第1の側面が第2の側面に対向する)にバイオマスを向かわせる(例えば、推進する)こと(361)を含んでいてもよい。
【0101】
ブランチングトレイにバイオマスを搬送する
ブランチングトレイにバイオマスを搬送すること(359)は、搬送機構を用いて行われてもよい。搬送機構は、いくつかの実施形態において、コンベアベルトまたは一連のコンベアベルトを備えていてもよい。いくつかの実施形態において、搬送機構は、バイオマスが少なくとも部分的に重力によってブランチングトレイに入るスライドまたはシュートを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、バイオマスは、所望の供給速度でブランチングトレイ359に搬送されてもよい。いくつかの実施形態において、供給速度は、約0.5kg/分、または約1kg/分、または約1.5kg/分、または約2kg/分、または約3kg/分、または約4kg/分、または約5kg/分、または約10kg/分、または約20kg/分、または約50kg/分、または約100kg/分、または約150kg/分、または約200kg/または約250kg/分、または約300kg/分、または約350kg/分、または約400kg/分であってもよい。いくつかの実施形態において、所望の生成物流速比(例えば、7:1)を維持するように供給速度を調節してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイは、アプリケータ(例えば、図1の114)(例えば、シャワー)から、ある容積のブランチング溶液を受け入れるような向きを向いていてもよい。ブランチングトレイは、バイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)および/またはある容積のブランチング溶液を含むことができるだろう。ブランチングトレイは、その操作性に適した任意の寸法および組成を有していてもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイは、(例えば、上から見たときに)正方形または長方形であってもよい。いくつかの実施形態において、ブランチングトレイは、第2の側面(例えば、図1の119)に対向する第1の側面(例えば、図1の118)と、第4の側面に対抗する第3の側面を有していてもよく、ここで、第1の側面、第3の側面、第4の側面は、それぞれ第1の高さを有し、第2の側面は、第1の高さよりも短い第2の高さを有する。例えば、いくつかの実施形態において、第2の側面は、ブランチングトレイの中に所望な容積のブランチング溶液を維持するように操作可能な堰であってもよい。いくつかの実施形態によれば、第2の側面の上端は、1つ以上のノッチを含んでいてもよい。ブランチングトレイは、いくつかの実施形態において、深さが約0.5cm、または約1cm、または約2cm、または約3cm、または約4cm、または約5cm、または約6cm、または約8cm、または約10cmであってもよく、「約」は、例えば、プラスまたはマイナス1cmであってもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイの第2の側面は、ブランチンクトレイの第1の側面より約0.5cm小さくてよく、またはブランチンクトレイの第1の側面、第3の側面および第4の側面の高さより約1cm未満小さく、または約2cm未満小さく、または約3cm未満小さく、または約4cm未満小さく、または約5cm未満小さく、ここで、「約」は、例えば、±0.5cmであってもよい。
【0103】
バイオマスとブランチング溶液との接触
図3Aに示されるように、いくつかの実施形態によれば、バイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)をブランチングすること(358)は、バイオマスとブランチング溶液とを接触させ(360)、ブランチングしたバイオマス(362)を作成することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、バイオマスをブランチング溶液と接触させること(360)は、(a)ブランチング溶液をバイオマスの少なくとも1つの表面に適用すること(例えば、シャワーすること)および(b)ブランチング溶液の波にバイオマスを沈めること(例えば、完全に、部分的に)、または(c)(a)と(b)の組み合わせを含んでいてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、ブランチング溶液は、水、地下水、井戸水、蒸留水、逆浸透水、ナノ濾過水、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチング溶液は、少なくとも1つの溶解した固体(例えば、灰)をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチング溶液は、少なくとも1種のカルシウム塩(例えば、塩化カルシウム、酢酸カルシウム)をさらに含んでいてもよい。バイオマスを、少なくとも1種のカルシウム塩(例えば、塩化カルシウム、酢酸カルシウム)を含むブランチング溶液でブランチングすると、不溶性シュウ酸カルシウムに変換することによってバイオマスから少なくともいくらかの可溶性シュウ酸を除去することができる。いくつかの実施形態において、カルシウム塩は、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、またはそれらの組み合わせから選択されてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチング溶液は、微小作物にさらされ、集められ、リユースされるブランチング溶液(例えば、図3の369のリサイクルされたブランチング溶液)を少なくとも部分的に含んでいてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、ブランチング溶液は、バイオマスと接触する時点で、約60℃を超える、または約65℃を超える、または約70℃を超える、または約75℃を超える、または約80℃を超える、または約85℃を超える、または約90℃を超える、または約95℃を超える、または約100℃を超える温度を有していてもよい。
【0106】
ブランチング溶液をバイオマスの少なくとも1つの表面に適用すること
いくつかの実施形態によれば、ブランチング溶液とバイオマスを接触させること(360)は、ブランチング溶液をバイオマスの少なくとも1つの表面に適用すること(例えばシャワーすること)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチング溶液を適用することは、アプリケータを使用し、ある容積のブランチング溶液をバイオマスの少なくとも1つの表面に向かわせることを含んでいてもよい。アプリケータ(例えば、図114)は、ブランチング溶液をバイオマスの少なくとも1つの表面に適用することができる任意の要素または要素の組み合わせ(例えば、シャワー)であってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、アプリケータ(例えば、図1の114)は、シャワーであってもよい。いくつかの実施形態において、アプリケータは、滝のように流す、シャワー、スプレー、ミスト、霧、注ぎ込み、滴下、またはその他の方法でブランチング溶液、またはそれらの任意の組み合わせを分配することによって、ブランチング溶液をバイオマスの少なくとも1つの表面に適用してもよい。
【0107】
いくつかの実施形態によれば、ブランチング溶液は、選択された液滴の大きさおよび/または容積で、バイオマスの少なくとも1つの表面に適用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ブランチング溶液は、約5μL、または約10μL、または約20μL、または約30μL、または約40μL、または約50μL、または約100μL、または約200μLの液滴の大きさで、バイオマスの少なくとも1つの表面に適用されてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチング溶液は、約0.5L/分、または約1L/分、または約2L/分、または約3L/分、または約4L/分、または約5L/分、または約6L/分、または約7L/分、または約8L/分、または約10L/分、または少なくとも約25L/分、または少なくとも約50L/分、または少なくとも約100L/分、または少なくとも約200L/分、または少なくとも約300L/分、または少なくとも約500L/分、または少なくとも約750L/分、または少なくとも約1000L/分、または少なくとも約1500L/分、または少なくとも約2000L/分、または少なくとも約2250L/分、または少なくとも約2500L/分の速度で、いくつかの実施形態において、バイオマスの少なくとも1つの表面に適用されてもよい。
【0108】
ブランチングソリューションの波にバイオマスを沈める
いくつかの実施形態によれば、ブランチング溶液とバイオマスを接触させること(360)は、ブランチングトレイ内のブランチング溶液の波にバイオマスを(例えば、完全に、部分的に)沈めることを含んでいてもよい。波は、任意の量のブランチング溶液を、バイオマスの上面(すなわち、ブランチングトレイ117/217の底面から離れた方を向いている表面)に堆積させることが可能な、ある容積のブランチング溶液の上面の任意の乱れ(例えば、波の作用、隆起、膨潤、または波紋(以下、「波」))を含んでいてもよい。
【0109】
ブランチングトレイ(例えば、図1の117)は、バイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)および/またはある容積のブランチング溶液を含むように動作可能であってもよい。ブランチングトレイは、その操作性に適した任意の寸法および組成を有していてもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイは、(例えば、上から見たときに)正方形または長方形であってもよい。いくつかの実施形態において、ブランチングトレイ(例えば、図1の117)は、第2の側面(例えば、図1の119)に対向する第1の側面(例えば、図1の118)と、第4の側面に対抗する第3の側面を有していてもよく、ここで、第1の側面、第3の側面、第4の側面は、それぞれ第1の高さを有し、第2の側面は、第1の高さよりも短い第2の高さを有する。例えば、いくつかの実施形態において、第2の側面は、ブランチングトレイの中に所望な容積のブランチング溶液を維持するように操作可能な堰であってもよい。いくつかの実施形態によれば、第2の側面の上端は、1つ以上のノッチを含んでいてもよい。ブランチングトレイは、いくつかの実施形態において、深さが約0.5cm、または約1cm、または約2cm、または約3cm、または約4cm、または約5cm、または約6cm、または約8cm、または約10cmであってもよく、「約」は、例えば、プラスまたはマイナス1cmであってもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイの第2の側面は、ブランチングトレイの第1の側面の高さよりも約0.5cm未満小さく、または約1cm未満小さく、または約2cm未満小さく、または約3cm未満小さく、または約4cm未満小さく、または約5cm未満小さく、ここで、「約」は、例えば、±1cmであってもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイ(例えば、図1の117)は、アプリケータ(例えば、図1の114)(例えば、シャワー)を出るある容積のブランチング溶液を受け入れるような向きを向いていてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態において、ブランチンクトレイ内のブランチング溶液の波は、ブランチンクトレイおよび振動機構を含む振動ブランチンクトレイ機構によって作られてもよい(例えば、図1および図2)。いくつかの実施形態によれば、振動機構(例えば、図1の120)は、ブランチングトレイ(例えば、図1の117)を振動させ、ブランチングトレイ内のある容積のブランチング溶液の正味の動きを作り出すことができるだろう。いくつかの実施形態において、振動機構(例えば、図1の120)は、ブランチングトレイ(例えば、図1の117)の直接接続されてもよく、またはブランチングトレイの設計に組み込まれてもよい。他の実施形態において、振動機構は、ブランチングトレイに隣接していてもよい。例えば、図2に示されるように、振動機構220は、ブランチングトレイ217がプラットフォームに取り付けられ(例えば、固定的に、取り外し可能に)、それによって、生成された振動力(例えば振幅)にさらされるように、バネ221のシステム上に懸架されたプラットフォームを含んでいてもよい。振動機構は、いくつかの実施形態において、振動されるプラットフォーム上に直接的に、または振動されるプラットフォームに間接的に結合していてもよい。いくつかの実施形態において、振動機構は、1つ以上の1軸モータ、1つ以上のステッパモータ、1つ以上のサーボモータ、1つ以上の軸モータドライブ、1つ以上のおもり(例えば、平衡、不均衡)、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、ブランチングトレイ内のブランチング溶液の波は、ある容積のブランチング溶液の正味の動きを作り出す振動機構(例えば、図1の120)によって作成されてもよい。波は、バイオマスの上面(すなわち、ブランチングトレイ117/217の底面から離れた方に面する表面)上に任意の量のブランチング溶液を堆積させることができるだろう。ある容積のブランチング溶液の波は、沈められたバイオマス(例えば、完全に、部分的に)を生じる場合がある。ブランチング溶液の波にバイオマスを沈めることは、ある量のブランチング溶液106/206によって覆われる(例えば、繰り返し覆われる、部分的に覆われる)バイオマスの上面(すなわち、ブランチングトレイの底面から離れた方に面する表面)を含んでいてもよい。例えば、ブランチング溶液の波にバイオマスを沈めることは、ブランチングトレイを横切って回転する1つ以上の波(すなわち、ブランチング溶液の乱れ)として、ある容積のブランチング溶液に繰り返しさらされるバイオマスの上面を含んでいてもよい。ブランチング溶液の波にバイオマスを沈めることによって、バイオマスのより均一なブランチングをもたらす可能性がある。
【0112】
いくつかの実施形態において、バイオマスをブランチング溶液と接触させること(360)は、(a)ブランチング溶液をバイオマスの少なくとも1つの表面に適用すること(例えば、シャワーすること)および(b)ブランチング溶液の波にバイオマスを沈めること(例えば、完全に、部分的に)の両方を含んでいてもよい。
【0113】
ブランチングトレイを横切る方向にバイオマスを向かわせる
いくつかの実施形態によれば、バイオマスとブランチング溶液を接触させること(360)は、ブランチングトレイ(例えば、図1の117)の第1の側面(例えば、図1の118)からブランチングトレイの第2の側面(例えば、図1の119)へとバイオマスを向かわせる(例えば、推進する)ことを含んでいてもよく、ここで、第1の側面は、第2の側面と対向している。いくつかの実施形態において、振動機構(例えば、図1の120)によって作られたある容積のブランチング溶液の正味の動きは、ブランチングトレイの第1の側面から第2の側面へバイオマスを向かわせる(例えば、推進する)ことが可能な原動力を作り出してもよく、ここで、第1の側面は、第2の側面と対向している。いくつかの実施形態において、ブランチングトレイの第2の側面は、ブランチングトレイの第1の側面の高さ(例えば、堰)よりも低い高さを有していてもよく、それによって、ある容積のブランチング溶液および/またはある質量のバイオマスがブランチングトレイの第1の側面(例えば、図1の118)から第2の側面(例えば、図1の119)に搬送された後、ブランチングトレイから出ることを可能にする。いくつかの実施形態によれば、ある質量のバイオマスおよび/またはある容積のブランチング溶液が、ブランチングトレイの第1の側面からブランチングトレイの第2の側面に推進された後、ブランチングトレイを出てもよい。
【0114】
いくつかの実施形態において、ブランチングトレイの第1の側面からブランチングトレイの第2の側面(第1の側面は第2の側面と対向している)にバイオマスを向かわせる(例えば推進する)には、重力、パドルホイール、バブリング、水中または水面水ジェット、水中ミキサー、振動機構、またはそれらの任意の組み合わせを推進機構として使用することができる。
【0115】
ブランチング条件および流速
いくつかの実施形態によれば、バイオマスは、約20秒(sec)まで、または約30秒まで、または約40秒まで、または約50秒まで、または約1分まで、または約1分15秒まで、または約1分30秒まで、または約1分45秒まで、または約2分まで、または約2分30秒まで、または約3分まで、または約4分まで、または約5分まで、または約6分まで、または約7分まで、または約8分まで、または約9分まで、または約10分まで、いくつかの実施形態によれば、ブランチング溶液と接触してもよい(図3Aの360)。いくつかの実施形態において、バイオマスは、約20秒~約40秒、または約30秒~約45秒、または約30秒~約1分、または約30秒~約1分30秒、または約30秒~約2分、または約30秒~約5分、または約1分~約5分、または約1分~約5分、または約1分~約10分、または約30秒~約10分、ブランチング溶液と接触してもよい(図3Aの360)。ここで、「約」は、例えば、±10%であってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態において、バイオマスを、約85℃の温度を有するブランチング溶液と約40秒間接触させてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態において、ブランチング溶液は、バイオマスと接触しながら温度を変化させてもよい。例えば、いくつかの実施形態によれば、約92℃~約94℃の初期温度を有するブランチング溶液によってバイオマスを接触させてもよく、ここで、接触は、約40秒間続き、この時点で、ブランチング溶液は、約75℃~約77℃の最終的な接触温度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチング溶液は、いくつかの実施形態において、初期温度(例えば、ブランチング溶液が最初にバイオマスに接触する時点での温度)が、約60℃より高く、または約65℃より高く、または約70℃より高く、または約75℃より高く、または約80℃より高く、または約85℃より高く、または約90℃より高く、または約95℃より高く、または約100℃より高くてもよい。ブランチング溶液は、いくつかの実施形態において、最終的な接触温度(例えば、バイオマスがブランチングトレイを出る時点での温度)が、約60℃未満、または約65℃未満、または約70℃未満、または約75℃未満、または約80℃未満、または約85℃未満、または約90℃未満、または約95℃未満、または約100℃未満であってもよい。
【0118】
いくつかの実施形態において、バイオマスをブランチングすること(358)は、ポンプ速度を供給速度で割ることによって計算された生成物流速比で実施されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ブランチング溶液を28リットル/分(L/分)のポンプ速度で推進してもよく、バイオマスを4kg/分の供給速度で搬送してもよく、生成物流速比7:1が得られる。いくつかの実施形態によれば、バイオマスをブランチングすること(358)は、生成物流速比が、いくつかの実施形態によれば、約10:1、または約9:1、または約8:1、または約7.5:1、または約7:1、または約6.5:1、または約6:1、または約5.5:1、または約5:1、または約4.5:1、または約4:1、または約3.5:1、または約3:1、または約2.5:1、または約2:1、または約1.5:1、または約1:1であってもよい。
【0119】
ブランチングプロセスのモニタリング
いくつかの実施形態によれば、バイオマスをブランチングすることは、ブランチングトレイ(図1の117)内のブランチング溶液の体積、ブランチングトレイ内のバイオマスの質量、ブランチングトレイを出るブランチング溶液の容積、ブランチングトレイから出るバイオマスの質量、ブランチングトレイ内のブランチング溶液の温度(例えば、平均温度、特定の位置での温度)、ブランチンクトレイから出るブランチング溶液の温度、正味の動きの速度、波の作用の高さおよび頻度、ブランチング溶液の溶解した固体の含量(例えば、灰)のうちの1つ以上をモニタリングすることを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、バイオマスをブランチングすることは、モニタリングされる条件に応じて、アプリケータ(例えば、図1の114)から出るブランチング溶液の割合、バイオマスに適用されるブランチング溶液の温度、正味の動きの速度、希釈割合(すなわち、分離した溶液を希釈する割合)、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上の条件を調整することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチングプロセスをモニタリングすることは、所望の生成物の流速比(例えば、7:1)または希釈割合(例えば、2.5:1)を維持するか、または調整するために、中央制御システムまたはブランチング装置(例えば、図1の100)の1つ以上の構成要素と通信するモニタリングデバイス(例えば、第1のゲージ122/222)を含んでいてもよい。
【0120】
ブランチングしたバイオマスの沈降
図4に示されるように、いくつかの実施形態によれば、方法は、ブランチングしたバイオマスを沈降させること(463)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスを沈降させること(463)は、沈降タンク(例えば、図2の224)内で行われてもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイの第1の側面からブランチングトレイの第2の側面に推進された後(第1の側面は、第2の側面と対向している)、ブランチングしたバイオマスおよび/またはある容積のブランチング溶液は、ブランチングトレイを出て、沈降タンク(例えば、図2の224)に入ってもよい。沈降タンクは、いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスおよびある容積のブランチング溶液が沈降タンクに流入し得る(例えば、重力による流れ、推進)ような様式で、ブランチングトレイに直接的または間接的に接続されてもよい。
【0121】
ブランチングしたバイオマス464を沈降させることにより、汚染物質および/または残屑がブランチングしたバイオマスから除去され、より純粋な生成物が生成される可能性がある。いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスを沈降させることは、浮遊しない固体の重力による除去を含んでいてもよい。浮遊しない固体は、いくつかの実施形態において、淡水節足動物または軟体動物(例えば、ガンマラスおよびカタツムリ)を含んでいてもよい。
【0122】
沈降タンク(例えば、図2の224)は、その操作性に適した任意の寸法および/または組成を有していてもよい。いくつかの実施形態によれば、沈降タンク(例えば、図2の224)は、正方形または長方形であってもよい。いくつかの実施形態において、沈降タンクは、第2の側面(例えば、図2の226)に対向する第1の側面(例えば、図2の225)と、第4の側面に対抗する第3の側面を有していてもよく、ここで、第1の側面、第3の側面、第4の側面は、それぞれ第1の高さを有し、第2の側面は、第1の高さよりも短い第2の高さを有する。例えば、いくつかの実施形態において、第2の側面は、ブランチングトレイの中に所望な容積のブランチング溶液を維持するように操作可能な堰であってもよい。いくつかの実施形態によれば、第2の側面の上端は、1つ以上のノッチを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、沈降タンク(例えば、図2の224)は、深さが、約5cm、または約7.5cm、または約10cm、または約12.5cm、または約15cm、または約17.5cm、または20cm、または約22.5cm、または約25cm、または約30cm、または約35cm、または約40cm、または約45cm、または約50cmであってもよく、「約」は、±2.5cmを表していてもよい。いくつかの実施形態において、沈降タンク(例えば、図2の224)は、沈降溶液の表面より下に沈む汚染物質、残屑、または浮遊していない固体の除去を助けることが可能な1つ以上の傾斜側面および/または傾斜底を含んでいてもよい。
【0123】
いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスを沈降させること(例えば、図4の463)は、ブランチングしたバイオマスの少なくとも1つの表面を沈降溶液にさらすことを含んでいてもよい。沈降溶液は、汚染物質および/または残屑が沈降溶液の上面から離れて沈降することを可能にする特性を有する任意の液体を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、沈降溶液は、ブランチング溶液を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、沈降溶液は、水、地下水、井戸水、蒸留水、脱イオン水、逆浸透水、ナノ濾過水、超濾過水、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、沈降溶液は、特定の粘度を有するように選択されてもよい。
【0124】
いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスを沈降させること(463)は、沈降タンクから1つ以上の浮遊しない固体を濾過することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、沈降タンク(例えば、図2の224)は、残屑、汚染物質および/または浮遊しない固体からバイオマスを濾過するのを助けることができるフィルターまたはふるいを含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、沈降タンクは、沈降タンクの表面を横切るが、沈降溶液の上面の下に、ふるいを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ふるいは、バイオマスを保持するほどは十分に小さいが、少なくともいくらかの残屑、汚染物質、および/または浮いていない固体を通過させるのに十分な大きさのメッシュサイズを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスを沈降タンクの第1の側面225から沈降タンクの第2の側面226(ここで、第1の側面と第2の側面は対向している)に輸送することができるように、ふるいは振動運動が可能であろう。
【0125】
いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスを沈降させること(例えば、図4の463)は、沈降タンクの底部に沈降する残屑、汚染物質および/または浮遊しない固体を含んでいてもよい。残屑、汚染物質、および/または浮遊していない固体は、いくつかの実施形態において、リサイクルすることができる(例えば、微小作物栽培システム、魚用食品に使用する)。
【0126】
いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスを沈降させること(例えば、図4の463)は、ブランチングしたバイオマスを冷却することを含んでいてもよい。例えば、沈降タンク(例えば、図2の224)内の沈降溶液は、ブランチング溶液(例えば、図2の206)の温度(例えば、約60℃未満)より低い温度を有していてもよく、したがって、ブランチングしたバイオマスの少なくとも1つの表面が、沈降溶液にさらされると、ブランチングしたバイオマスが冷却される。いくつかの実施形態において、沈降溶液は、使用時に、約90℃未満、または約80℃未満、または約70℃未満、または約60℃未満、または約50℃未満、または約40℃未満、または約30℃未満、または約20℃未満の温度を有していてもよい。沈降溶液は、いくつかの実施形態において、使用時に、約20℃~約80℃、または約40℃~約80℃、または約40℃~約60℃、または20℃~約40℃、または約20℃~約30℃の間の温度を有していてもよい。
【0127】
いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスを沈降させること(例えば、図4の463)は、沈降タンクをモニタリングすることを含んでいてもよい(例えば、図2の229の第2のゲージを用いる)。いくつかの実施形態において、沈降タンクをモニタリングすることは、沈降タンク内の沈降溶液の容積;沈降タンク内のブランチングしたバイオマスの質量;沈殿タンクから出る沈殿溶液の容積;沈降タンクから出るブランチングしたバイオマスの質量;沈降タンク内の沈降溶液の温度(例えば、平均温度、特定の位置での温度);沈降タンクから出る沈降溶液の温度;沈降溶液の溶解した固体の含量(例えば、灰)のうち1つ以上を測定することであってもよい。いくつかの実施形態において、(例えば、図2の229の第2のゲージを使用して)沈降タンクをモニタリングすることは、中央制御システムおよび/またはブランチング装置(例えば、図2の200)の1つ以上の要素と連通するモニタリング機構を含んでいてもよい(例えば、図2の229の第2のゲージを用いる)。例えば、モニタリング機構(例えば、図2の229の第2のゲージ)は、種々の条件を調整し得るように、加熱要素(例えば、図2の212)、アプリケータ(例えば、図2の214)、振動機構(例えば、図2の220)、タンク(例えば、図2の236)、ポンプおよびバルブシステム(例えば、図2の248)、またはそれらの任意の組み合わせと(例えば、直接的に、中央制御システムを介して)連通していてもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスを沈降させること(例えば、図4の463)は、所望の生成物流速比(例えば、7:1)または希釈率(例えば、2:1)を維持するか、または調整するために、中央制御システムおよび/またはブランチング装置(例えば、図2の200)の1つ以上の要素と連通するモニタリング機構(例えば、図2の229の第2のゲージ)を含んでいてもよい。
【0128】
いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスを沈降させること(例えば、図4の463)は、沈降タンクの第1の側面(例えば、図2の225)から沈降タンクの第2の側面(例えば、図2の226)へとブランチングしたバイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)を推進することを含んでいてもよく、ここで、第1の側面と第2の側面は互いに対向している。いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスの推進は、沈降タンクの推進機構の使用を含んでいてもよい。例えば、沈降タンクの推進機構は、いくつかの実施形態によれば、重力、パドルホイール、バブリング、水中または水面水ジェット、水中ミキサー、振動機構、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、推進機構は、沈降タンクの入口点から出口点に沈降溶液を圧送するように動作可能なポンプを含んでいてもよい。
【0129】
いくつかの実施形態によれば、バイオマスを沈降タンクの第1の側面から沈降タンクの第2の側面に向かわせる(例えば、推進する)と、ある質量のバイオマスおよび/またはある容積の沈降溶液が沈降タンクを出て脱水機構(例えば、図2の234)に入ってもよい。脱水機構は、いくつかの実施形態において、ある質量のバイオマス、ある容積のブランチング溶液、および/またはある容積の沈降溶液が、脱水機構に流入し得るような様式で(例えば、重力の流れ、推進)、ブランチングトレイまたは沈降タンクに直接的または間接的に接続していてもよい。
【0130】
ブランチングしたバイオマスの脱水
図3および図4に示されるように、方法300/400は、ブランチングしたバイオマスを脱水すること(364/464)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、(1)バイオマスをブランチングした後(例えば、図3)、または(2)バイオマスをブランチングし、ブランチングしたバイオマスを沈降させた後(例えば、図4)、ブランチングしたバイオマスを脱水してもよい。
【0131】
いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスを脱水することは、ブランチングしたバイオマスからブランチング溶液、沈降溶液、または任意の組み合わせ(個々に、またまとめて「分離した溶液」)(例えば、図1および2の135/235)を分離することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスを脱水することは、例えば、重力分離、排液、傾斜ふるい、振動ふるい、濾過、デカンター遠心分離機、ベルトプレス、ファンプレス、ロータリープレス、スクリュープレス、フィルタープレス、フィニッシャープレス、またはこれらの任意の組み合わせを含む脱水機構を用いることを含んでいてもよい。
【0132】
いくつかの実施形態によれば、沈降タンクの第1の側面から沈降タンクの第2の側面に推進された後(第1の側面は、第2の側面と対向している)、ある質量のブランチングしたバイオマスおよび/またはある容積の沈降溶液は、沈降タンクを出て、脱水機構に入ってもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングトレイの第1の側面からブランチングトレイの第2の側面に推進された後(第1の側面は、第2の側面と対向している)、ある質量のブランチングしたバイオマスおよび/またはある容積のブランチング溶液は、ブランチングトレイを出て、脱水機構に入ってもよい。いくつかの実施形態において、方法は、ブランチングトレイ、沈降タンクまたはすすぎ機構の第1の側面から第2の側面に移動することなく、ブランチングしたバイオマスを脱水機構に堆積させることを含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、本開示の範囲から逸脱することなく、バイオマスおよびブランチング溶液を含むブランチングトレイを脱水機構に直接空にすることができる(例えば、シュートフィード、重力フィード)。
【0133】
ブランチングしたバイオマスをすすぐ
いくつかの実施形態によれば、方法は、ブランチングしたバイオマスをすすぐこと(例えば、図4の465)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスをすすぐこと(例えば、図4の465)によって、ブランチングしたバイオマスから望ましくない溶解した固体を除去してもよい。
【0134】
いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスをすすぐことは、ブランチングしたバイオマスの少なくとも1つの表面をすすぎ溶液にさらすことを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスの少なくとも1つの表面をすすぎ溶液にさらすことは、スプリンクラーヘッドを通して、バイオマスの少なくとも1つの表面上にすすぎ溶液を堆積させることを含んでいてもよく、ここで、バイオマスは振動ふるい上に位置し、すすぎ溶液の少なくとも一部を除去するために振動ふるいを操作する。ブランチングしたバイオマスの少なくとも1つの表面をすすぎ溶液にさらすことは、いくつかの実施形態によれば、すすぎタンク(例えば、図2の230)にブランチングしたバイオマスを浮遊させること、または沈めることを含んでいてもよい。すすぎタンクは、任意の適切な寸法または形状を有していてもよい。いくつかの実施形態において、すすぎタンクは、深さが、約5cm、または約7.5cm、または約10cm、または約12.5cm、または約15cm、または約17.5cm、または20cm、または約22.5cm、または約25cm、または約30cm、または約35cm、または約40cm、または約45cm、または約50cmであってもよく、「約」は、±1cmを表していてもよい。
【0135】
いくつかの実施形態によれば、すすぎ溶液は、水、蒸留水、逆浸透水、ナノ濾過水、ブランチング溶液、沈降溶液、リサイクルされたブランチング溶液、リサイクルされた沈降溶液、リサイクルされたすすぎ液、またはこれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、すすぎ溶液を滅菌(例えば、UV照射、濾過、加熱)してもよい。いくつかの実施形態において、希釈溶液(例えば、図2の208)をすすぎ溶液として使用してもよい。
【0136】
いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスをすすぐこと(例えば、図4の465)によって、ブランチングしたバイオマスの温度を下げてもよい。例えば、ブランチングしたバイオマスをすすぐことは、ブランチングしたバイオマスの温度より低い温度を有するすすぎ溶液に、ブランチングしたバイオマスの少なくとも1つの表面をさらすことを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、すすぎ溶液は、使用時に室温より低い温度(例えば、約12℃)を有していてもよい。いくつかの実施形態において、すすぎ溶液は、使用時に、約50℃未満、または約40℃未満、または約30℃未満、または約20℃未満、または約15℃未満、または約10℃未満、または約5℃未満、または約2℃未満、または約1℃未満、または約0℃未満の温度を有していてもよい。すすぎ溶液は、いくつかの実施形態において、使用時に、約0℃~約10℃、または約5℃~約15℃、または約10℃~約20℃、または15℃~約25℃、または約20℃~約30℃、または約0℃~約50℃の間の温度を有していてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスをすすぐことは、すすぎ機構(例えば、振動ふるい、すすぎタンク)の第1の側面からすすぎ機構の第2の側面にブランチングしたバイオマスを向かわせる(例えば、推進する)ことを含んでいてもよく、ここで、第1の側面と第2の側面は、互いに対向している。いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスを向かわせる(例えば、推進する)ことは、重力、パドルホイール、バブリング、水中または水面水ジェット、水中ミキサー、振動機構、またはそれらの任意の組み合わせを用いることを含んでいてもよい。
【0138】
いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスをすすぐことは、すすいだブランチングしたバイオマスを脱水し、過剰の液体を除去することをさらに含んでいてもよい。すすいだブランチングしたバイオマスを脱水することは、例えば、重力分離、排液、傾斜ふるい、振動ふるい、濾過、デカンター遠心分離機、ベルトプレス、ファンプレス、ロータリープレス、スクリュープレス、フィルタープレス、フィニッシャープレス、またはこれらの任意の組み合わせを含む脱水機構を用いることによって行われてもよい。
【0139】
分離した溶液を集める
図3および図4に示されるように、いくつかの実施形態において、方法は、分離した溶液(例えば、図2の235)を集めること(366/466)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、分離した溶液は、ブランチング溶液、または沈降溶液、またはすすぎ溶液、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。分離した溶液を集めること(466)は、いくつかの実施形態において、分離した溶液を収集タンクに保存する(例えば、一時的に、長時間にわたって)ことを含んでいてもよい。収集タンク(例えば、図2の236)は、液体を集め、保持するのに適した任意の大きさ、形状、寸法、または組成を有していてもよい。いくつかの実施形態において、収集タンクは、供給源(例えば、図1の110)と同じであってもよい(すなわち、単一の容器が供給源および収集タンクの両方として機能する)。収集タンク内の分離した溶液は、静止していてもよく、または動いていてもよい(例えば、攪拌、推進)。
【0140】
いくつかの実施形態によれば、分離した溶液を集めること(366/466)は、分離した溶液をモニタリングすることを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、分離した溶液をモニタリングすることは、組成物(例えば、全ての溶解した固体)および/または分離した溶液の温度をモニタリングすることを含んでいてもよい。分離した溶液の組成をモニタリングすることは、いくつかの実施形態において、全ての溶解した固体、全固形分、濁度、電気伝導度、栄養素(例えば窒素)の組成、塩分、pHのうちの1つ以上をモニタリングすることを含んでいてもよい。
【0141】
いくつかの実施形態において、分離した溶液を集めること(366/466)は、分離した溶液の組成(例えば、全固形分、濁度)を維持するか、または調整することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、方法は、(例えば、希釈率を調節することによって)分離した溶液の組成を調整するために、直接的に、または中央制御システム(例えば、図2の202)を介して、ブランチング装置の1つ以上の構成要素(例えば、ポンプおよびバルブシステム、希釈タンク)と(例えば、図2の238の収集タンクゲージを介して)連通することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、方法は、望ましい生成物流速比(例えば、7:1)を維持し、および/または調整するために、直接的に、または中央制御システム(例えば、図2の202)を介して、ブランチング装置の1つ以上の構成要素(例えば、ポンプおよびバルブシステム、希釈タンク)と(例えば、図2の238の収集タンクゲージを介して)連通することを含んでいてもよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、分離した溶液の組成を維持すること、または調整することは、収集タンクの中のある容積の分離した溶液および/またはある容積のブランチング溶液の全固形分を0.5%未満、または1%(w/w)未満、または2%(w/w)未満、または4%(w/w)未満、または6%(w/w)未満、または8%(w/w)未満、または10%(w/w)未満の値に維持すること、または調整することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、分離した溶液の組成を維持すること、または調整することは、ある容積の分離した溶液135/235および/またはある容積のブランチング溶液106/206の濁度値(例えば、500nm光源の吸光度に対する、ここで、1.0は10%の吸光度と等しく、10.0は100%の吸光度と等しい)を約0.5未満、または約0.75未満、または約1.0未満、または約1.25未満、または約1.5未満の値に維持すること、または調整することを含んでいてもよい。ここで、約は、±5%を表していてもよい。いくつかの実施形態において、分離した溶液の組成を維持すること、または調整することは、分離した溶液の導電率値を約2000μS/cm未満、または約2500μS/cm未満、または約3000μS/cm未満、または約3500μS/cm未満、または約4000μS/cm未満、または約4500μS/cm未満、または約5000μS/cm未満、または約5500μS/cm未満、または約6000μS/cm未満の値に維持すること、または調整することを含んでいてもよい。ここで、約は、±250μS/cmを表していてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、分離した溶液の組成を維持または調整することは、分離した溶液を希釈することを含んでいてもよい。分離した溶液の組成(例えば、溶解した固形分、濁度)を調整するために、分離した溶液(例えば、図1の135)の希釈が望ましい場合がある。希釈された分離溶液は、いくつかの実施形態において、ブランチング溶液(例えば、図4の368)として、洗浄液として、沈降溶液として、すすぎ溶液として、またはそれらの任意の組み合わせとしてリサイクルされてもよい。いくつかの実施形態において、分離した溶液を希釈することは、ある容積の廃棄溶液(例えば、図2の243)を収集タンクから廃棄し、ある容積(例えば、等しい容積)の希釈溶液(例えば、図2の208)を加えることを含んでいてもよい。廃棄溶液は、いくつかの実施形態によれば、溶解した固体(例えば、灰)の所望の組成を達成するのに必要な希釈溶液の容積に等しい容積を有していてもよい。いくつかの実施形態において、廃棄溶液は、溶解した固体(例えば、灰)の所望の組成を達成するのに必要な希釈溶液の容積よりも大きな容積を有していてもよい。いくつかの実施形態において、収集タンクから、ある容積の分離した溶液を廃棄する速度は、収集タンクゲージ(例えば、総タンク容積)によって調節することができる。
【0144】
いくつかの実施形態において、廃棄溶液(例えば、図1の143)は、微小作物の栽培における成長媒体としてリサイクルされてもよい。いくつかの実施形態によれば、希釈溶液を希釈源に保存してもよい。いくつかの実施形態によれば、希釈溶液(例えば、図1の108)は、水、地下水、井戸水、蒸留水、脱イオン水、逆浸透水、ナノ濾過水、超濾過水、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。希釈源(例えば、図1の142)は、いくつかの実施形態において、保持タンク、井戸、水道管、または液体を保持することができる任意の他の容器またはシステムを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、分離した溶液を希釈することは、ある容積の分離した溶液(すなわち、廃棄溶液143/243)を収集タンクから廃棄することを含んでいてもよい。
【0145】
いくつかの実施形態によれば、収集タンク(例えば、図1の136)の中の分離した溶液(例えば、図1の135)および/またはブランチング溶液(例えば、図1の106)は、溶解した固体(例えば、灰)および/または全固形分の所望の組成物を含むように希釈されてもよい。いくつかの実施形態において、収集タンクの中のある容積の分離した溶液および/またはある容積のブランチング溶液は、合計固形物含量が0.5%(w/w)未満、1%(w/w)未満、または2%(w/w)未満、または4%(w/w)未満、または6%(w/w)未満、または8%(w/w)未満、または10%(w/w)未満の値になるように希釈されてもよい。いくつかの実施形態によれば、収集タンクの中の分離した溶液は、ある容積の分離した溶液135/235および/またはある容積のブランチング溶液106/206の濁度値(例えば、500nm光源の吸光度に対する、ここで、1.0は10%の吸光度と等しく、10.0は100%の吸光度と等しい)が約0.5未満、または約0.75未満、または約1.0未満、または約1.25未満、または約1.5未満の値になるように希釈されてもよい。ここで、約は、±5%を表していてもよい。いくつかの実施形態において、収集タンクの中の分離した溶液および/またはブランチング溶液は、導電率値が約2000μS/cm未満、または約2500μS/cm未満、または約3000μS/cm未満、または約3500μS/cm未満、または約4000μS/cm未満、または約4500μS/cm未満、または約5000μS/cm未満、または約5500μS/cm未満、または約6000μS/cm未満の値になるように希釈されてもよい。ここで、約は、例えば、±250μS/cmを表していてもよい。
【0146】
いくつかの実施形態において、収集タンクの中の分離した溶液は、バイオマス供給速度に対して希釈されてもよい。いくつかの実施形態によれば、収集タンク内の分離した溶液は、約4:1、または約3.5:1、または約3:1、または約2.5:1、または約2:1、または約1.5:1、または約1:1の飼料対希釈比に対して希釈されてもよい。
【0147】
分離した溶液を希釈することは、ドナー流およびレシピエント流を熱交換器に供することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、熱交換器(例えば、図1の144)(例えば、熱エネルギー交換機構)は、微小作物(例えば、Lemna)由来の高濃度タンパク質生成物(例えば、タンパク質フレーク)の生成に必要な全エネルギー入力を減らすだろう。いくつかの実施形態によれば、熱交換器は、収集タンク(例えば、図1の136)からの廃棄溶液の流れ(例えば、図1の143)(すなわち、ドナー流)および希釈溶液の流れ(例えば、図1の108)(すなわち、レシピエント流)が熱エネルギー交換が起こり得るように隣接する流れシステムを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、希釈溶液の流れ(すなわち、レシピエント流)は、ドナー流(例えば、ブランチング溶液からの熱を保持する廃棄溶液の流れ)よりも低い温度を有していてもよく、したがって、低い熱エネルギーを有していてもよい。いくつかの実施形態によれば、熱交換器は、希釈溶液の流れ(すなわち、レシピエント流)が廃棄溶液の流れ(すなわち、ドナー流)から少なくともいくらかの熱エネルギーを吸収することができるようなフローシステム(例えば、導電性材料から構成される一連のパイプ)を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、熱交換器は、タンク内の希釈溶液の流れおよび/または分離した希釈溶液の温度を上昇させてもよい。いくつかの実施形態において、熱交換器は、加熱要素(例えば、図1の112)内のリサイクルされた溶液を加熱するために必要なエネルギー量を低減することができる。
【0148】
いくつかの実施形態によれば、分離した溶液を集めることは、分離した溶液を濾過することを含んでいてもよい。分離した溶液を濾過することは、粗濾過(例えば、重力濾過、振動ふるい濾過)、微細濾過(例えば、精密濾過、限外濾過、ナノ濾過、逆浸透濾過)、またはこれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。濾過した分離溶液を、洗浄液として、微小作物の栽培における成長媒体として、ブランチング溶液として、沈降溶液として、すすぎ溶液として、またはこれらの任意の組み合わせとしてリサイクルしてもよい。いくつかの実施形態において、ブランチング廃棄物(例えば、濾過法からの残留物)は、微小作物の栽培における成長媒体の一部として(例えば、栄養源として)リサイクルされてもよい。
【0149】
集めた分離溶液(例えば、希釈、濾過、モニタリング、熱交換、またはこれら任意の組み合わせをされたもの)を、洗浄液として、微小作物の栽培における成長媒体として、ブランチング溶液として、沈降溶液として、すすぎ溶液として、またはこれらの任意の組み合わせとしてリサイクルしてもよい。
【0150】
ブランチングしたバイオマスの含水量を減らす
いくつかの実施形態において、方法は、ブランチングしたバイオマスの含水量を低減することをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスの含水量は、ブランチングしたバイオマスを冷却することなく減らされてもよい。ブランチングしたバイオマスの含水量を減らすと、例えば、最終タンパク質生成物(例えば、タンパク質濃縮物のフレーク/顆粒)を乾燥させるのに必要なエネルギーが減ることによって、資本コストおよび操作費を低減することができる。
【0151】
いくつかの実施形態において、エバポレーションプロセスを使用し、ブランチングしたバイオマスの含水量を減らしてもよい。蒸発は、例えば、上昇膜蒸発器、流下薄膜蒸発器、自然循環蒸発器(垂直または水平)、攪拌膜蒸発器、多重効果蒸発器、蒸発器蒸発器などの熱(蒸発)真空蒸着、またはそれらの任意の組み合わせによって行うことができる。熱はエバポレーターに直接供給されてもよく、加熱ジャケットを介して間接的に供給されてもよい。熱は、生の供給源(例えば、天然ガスの燃焼、ボイラーからの蒸気)または廃熱流(例えば、乾燥機の排気)から、または流入流を冷却することによって移送された熱から生じ得る。
【0152】
いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスの含水量は、重力分離、排液、傾斜ふるい、振動ふるい、濾過、デカンター遠心分離機、ベルトプレス、ファンプレス、ロータリープレス、スクリュープレス、フィルタープレス、フィニッシャープレス、またはこれらの任意の組み合わせを用いて減らされてもよい。
【0153】
いくつかの実施形態において、製品の貯蔵寿命(例えば、包装された製品の貯蔵寿命)を改善するために、乾燥前に酸化防止剤(例えば、ローズマリー抽出物、Duralox(登録商標)、Phyt-O-Blend CA)をブランチングしたバイオマスと混合することができる。
【0154】
ブランチングしたバイオマスの溶媒抽出
いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物を作成するためにバイオマスをブランチングする方法は、溶媒洗浄されたタンパク質生成物を作成するための溶媒抽出手順を含んでいてもよい。
【0155】
いくつかの実施形態において、溶媒洗浄されたタンパク質生成物は、溶媒抽出手順を行わなかったタンパク質生成物と比較した場合、タンパク質の純度が上がっている可能性がある。溶媒抽出手順は、いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスを脱色し、洗浄していない対応物と比較して、クロロフィル含量が減少している(例えば、緑色発色の視覚的に知覚可能な減少)溶媒洗浄されたタンパク質生成物を得ることができる。いくつかの実施形態において、溶媒抽出手順は、タンパク質濃縮物(例えば、濡れたもの、フレーク/顆粒、粉状物)の脂肪含量を減らすことができる。脂肪含量の減少は、高濃度タンパク質生成物の貯蔵寿命を長くすることができる。
【0156】
ブランチングしたバイオマスの溶媒抽出は、いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスの少なくとも1つの表面を溶媒溶液(例えば、エタノール、メタノール、アセトン)にさらす(例えば、浸漬する、噴霧する、滴下する)ことを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、溶媒溶液を、ブランチングしたバイオマス(例えば、第1の部分、第2の部分)と組み合わせてスラリーを作成してもよい。いくつかの実施形態によれば、溶媒抽出手順は、ブランチングしたバイオマスの少なくとも1つの表面を、少なくとも約5秒間、少なくとも約15秒間、少なくとも約30秒間、少なくとも約45秒間、少なくとも約1分間、少なくとも約2分間、少なくとも約3分間、少なくとも約5分間、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約40分間、少なくとも約50分間、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間、溶媒溶液にさらす(例えば、沈める、噴霧する、滴下する、スラリー化する)ことを含んでいてもよい。溶媒抽出手順は、いくつかの実施形態において、特定の時間に、間欠的に、または連続的に溶媒溶液の少なくとも一部を移動する(例えば、機械攪拌する、攪拌する、噴射する)ことを含んでいてもよい。
【0157】
いくつかの実施形態において、溶媒溶液は、1つ以上のアルコール(例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール)、アセトン、ジクロロメタン、酢酸エチル、ヘキサン、ケトン、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。溶媒溶液は、少なくとも約10%(v/v)、少なくとも約20%(v/v)、少なくとも約30%(v/v)、少なくとも約40%(v/v)、少なくとも約50%(v/v)、少なくとも約60%(v/v)、少なくとも約70%(v/v)、少なくとも約80%(v/v)、または少なくとも約90%の1つ以上アルコール(例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール)、アセトン、ジクロロメタン、酢酸エチル、ヘキサン、ケトン、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0158】
いくつかの実施形態において、溶媒を回収し、リサイクルしてもよい。さらに、いくつかの実施形態によれば、溶媒抽出によって、ブランチングしたバイオマスから抽出されたクロロフィル副生成物および/または脂肪副生成物は、溶媒から回収されてもよい。
【0159】
溶媒洗浄されたタンパク質生成物は、いくつかの実施形態において、減少した脂肪含量(例えば、タンパク質濃縮物のフレーク/顆粒の約2重量%またはそれ以下)および/または減少したクロロフィル含量(例えば、緑色発色の視覚的に知覚可能な減少)を有していてもよい。いくつかの実施形態において、溶媒洗浄したタンパク質生成物は、無色、白色、実質的に白色にみえてもよく、または緑色の発色が低減していてもよい。溶媒洗浄されたタンパク質生成物は、いくつかの実施形態において、改善された味、色、貯蔵寿命(例えば、脂肪の酸化の減少)、タンパク質密度、展性、またはそれらの組み合わせを示してもよい。
【0160】
いくつかの実施形態において、溶媒洗浄されたタンパク質生成物は、脂肪含量(w/w)が、乾燥タンパク質濃縮物(例えば、フレーク、顆粒、粉状物)の約50重量%未満、または約40重量%未満、または約30重量%未満、または約25重量%未満、または約20重量%未満、または約15重量%未満、または約10重量%未満、または約5重量%未満、または約4重量%未満、または約3重量%未満、または約2重量%未満、または約1重量%未満であってもよい。いくつかの実施形態によれば、溶媒洗浄したタンパク質生成物は、脂肪含量が、乾燥タンパク質濃縮物(例えば、フレーク、顆粒、粉状物)の約1重量%~約10重量%、または約10重量%~約20重量%、または約20重量%~約30重量%、または約30重量%~約40重量%、または約40重量%~約50重量%であってもよい。
【0161】
いくつかの実施形態において、溶媒洗浄されたタンパク質生成物は、乾燥タンパク質濃縮物(例えば、フレーク、顆粒、粉状物)の割合を含む脂肪含量が、重量で約15%(w/w)未満、または約10%(w/w)未満、または約6(w/w)未満、または約4%(w/w)未満、または約2%(w/w)未満、または約1%(w/w)未満、または約0.5%(w/w)未満、または約0.2%(w/w)未満、または約0.1%(w/w)未満であってもよい。いくつかの実施形態において、溶媒洗浄されたタンパク質生成物は、乾燥タンパク質濃縮物を含む脂肪含量が、約0.1重量%~約0.2重量%であってもよい。
【0162】
タンパク質生成物の乾燥
図3および図4に示されように、いくつかの実施形態によれば、プロセスは、ブランチングしたバイオマスまたは溶媒洗浄されたタンパク質生成物を乾燥させ(370/470)、タンパク質濃縮物のフレークまたはタンパク質濃縮物の顆粒472(例えば、第1の部分、第2の部分)を作成することを含んでいてもよい。乾燥手順は、いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスまたは溶媒洗浄されたタンパク質生成物の水分含量を、所望のレベル(例えば、より低い水分含量、所望の含水量)まで下げることができる。タンパク質濃縮物のフレーク/顆粒の含水量は、いくつかの実施形態において、例えば、タンパク質濃縮物のフレーク/顆粒の約90重量%未満、または約80重量%未満、または約70重量%未満、または約60重量%未満、または約50重量%未満、または約40重量%未満、または約30重量%未満、または約20重量%未満、または約10重量%未満、または約5重量%未満、または約1重量%未満であってもよい。乾燥手順は、例えば、スプレードライヤー、ドラムドライヤー、ダブルドラムドライヤー、フラッシュドライヤー、流動床ドライヤー、対流ドライヤー、エバポレーター、またはこれらの任意の組み合わせを含む機構を用いて行われてもよい。
【0163】
いくつかの実施形態において、乾燥機構の入口温度(乾燥機への入口における温度)は、25℃より高く、または50℃より高く、または75℃より高く、または100℃より高く、または125℃より高く、または150℃より高く、または175℃より高く、または200℃より高く、または225℃より高く、または250℃より高く、または275℃より高く、または300℃より高く、または325℃より高く、または350℃より高く、または375℃より高く、または400℃より高く、または425℃より高く、または450℃より高く、または475℃より高く、または500℃より高くてもよい。入口温度は、いくつかの実施形態において、約25℃~約50℃、または約50℃~約75℃、または約75℃~約100℃、または約100℃~約125℃、または約125℃~約150℃、または約150℃~約175℃、または約175℃~約200℃、または約200℃~約225℃、または約225℃~約250℃、または約250℃~約275℃、または約275℃~約300℃、または約300℃~約325℃、または約325℃~約350℃、または約350℃~約375℃、または約375℃~約400℃、または約400℃~約425℃、または約425℃~約450℃、または約450℃~約475℃、または約475℃~約500℃、または500℃より高くてもよい。いくつかの実施形態において、入口温度は、約50℃~約100℃、または約100℃~約150℃、または約150℃~約200℃、または約200℃~約250℃、または約250℃~約300℃、または約300℃~約350℃、または約350℃~約400℃、または約400℃~約450℃、または約450℃~約500℃、または500℃より高くてもよい。いくつかの実施形態によれば、乾燥機構の入口温度は、約225℃であってもよい。
【0164】
いくつかの実施形態によれば、乾燥機構の出口温度(乾燥機からの出口における温度)は、約300℃未満、または約275℃未満、または約250℃未満、または約225℃未満、または約200℃未満、または約175℃未満、または約150℃未満、または約125℃未満、または約100℃未満、または約75℃未満、または約50℃未満、または約25℃未満であってもよい。いくつかの実施形態において、出口温度は、約300℃~約275℃、または約275℃~約250℃、または約250℃~約225℃、または約225℃~約200℃、または約200℃~約175℃、または約175℃~約150℃、または約150℃~約125℃、または約125℃~約100℃、または約100℃~約75℃、または約75℃~約50℃、または約50℃~約25℃、または約25℃未満であってもよい。出口温度は、いくつかの実施形態において、約300℃~約250℃、または約250℃~約200℃、または約200℃~約150℃、または約150℃~約100℃、約100℃~約50℃、または約50℃~約25℃、または約25℃未満であってもよい。いくつかの実施形態によれば、乾燥機構の出口温度は、約75℃であってもよい。
【0165】
いくつかの実施形態において、ある体積のブランチングしたバイオマスまたはある体積の溶媒洗浄されたタンパク質生成物を、乾燥前に一定量のタンパク質濃縮物のフレーク/顆粒と混合してもよい。逆混合として知られているこのプロセスは、例えば、ブランチングしたバイオマスの含水量が、乾燥機構が受け入れることができるレベルを超える場合に採用され得る。タンパク質濃縮物のフレーク/顆粒をブランチングしたバイオマスまたは溶媒洗浄されたタンパク質生成物と逆混合することにより、乾燥機構の仕様内に総含水量を維持することができ、それにより運転コスト(例えば、装置の摩耗)が下がる。
【0166】
粉砕
図4に示されるように、いくつかの実施形態によれば、タンパク質濃縮物のフレーク/顆粒を粉砕し(474)、タンパク質濃縮物の粉状物476を作成してもよい。粉砕手順は、ハンマーミル、ピンミル、ナイフミル、振動ミル、流体エネルギーミル、ジェットミル、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。タンパク質濃縮粉476は、いくつかの実施形態において、粒径が350μm未満、または300μm未満、または250μm未満、または200μm未満、または150μm未満、または100μm未満、または90μm未満、または80μm未満、または70μm未満、または60μm未満、または50μm未満、または40μm未満、または30μm未満、または20μm未満、または10μm未満であってもよい。
【0167】
いくつかの実施形態によれば、抗酸化剤(例えば、ローズマリー抽出物、Duralox(登録商標)、Phyt-O-Blend CA)は、包装前にタンパク質濃縮物のフレーク/顆粒またはタンパク質濃縮物の粉状物と混合されてもよい。
【0168】
いくつかの実施形態によれば、ブランチングしたバイオマスまたは部分的に乾燥された(例えば、含水量が低減された)ブランチングしたバイオマスまたは溶媒洗浄されたタンパク質濃縮物を、凍結、急速凍結、または凍結乾燥してもよい。
【0169】
いくつかの実施形態において、ブランチングしたバイオマスまたは溶媒洗浄されたタンパク質濃縮物を乾燥前に粉砕してもよい(例えば、粉砕した乾燥タンパク質濃縮物)。
【0170】
連続的なブランチングプロセス
本開示はさらに、高濃縮タンパク質生成物(例えば、タンパク質濃縮物のフレーク/顆粒、タンパク質濃縮物の粉状物)を作成するためにバイオマスを連続的にブランチングする方法に関する。いくつかの実施形態において、バイオマスを連続的にブランチングする方法は、(a)バイオマスの第1の部分をブランチング溶液でブランチングすることと、(b)バイオマスの第1の部分を脱水し、ブランチングしたバイオマスおよび分離した溶液を作成することと、(c)分離した溶液を集めることと、(d)バイオマスの第2の部分を、分離した溶液でブランチングすることと、(e)バイオマスの第2の部分を脱水することと、(f)バイオマスの第1の部分および第2の部分の少なくとも1つを乾燥させ、タンパク質濃縮物のフレークおよびタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つを作成することとを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、タンパク質濃縮物のフレークおよびタンパク質濃縮物の顆粒のうち少なくとも1つを粉砕し、タンパク質濃縮物の粉状物を作成してもよい。
【0171】
タンパク質濃縮物
いくつかの実施形態は、収穫した微小作物(例えば、水生植物種、Lemna、藻種)のバイオマスから高濃度タンパク質生成物(例えば、溶媒洗浄されたタンパク質濃縮物、タンパク質濃縮物のフレーク/顆粒、タンパク質濃縮物の粉状物、粉砕した乾燥タンパク質濃縮物)を製造するためのプロセスに関する。所望のタンパク質の収量(例えば、最大収量、選択された収量)を達成するためのプロセスを構成し、または実施することができる。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、タンパク質濃度が、それぞれの場合に乾燥質量基準(DMB)で、少なくとも約35%、または少なくとも約40%、または少なくとも約45%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約65%、または少なくとも約70%、または少なくとも約75%、または少なくとも約80%であってもよい。高濃度タンパク質生成物の残りの部分には、炭水化物、繊維、脂肪、ミネラル、またはそれらの任意の組み合わせが含まれていてもよい。高濃度タンパク質生成物のタンパク質濃縮物は、動物飼料および/またはヒトの摂取に適していてもよい。例えば、高濃度タンパク質生成物は、多数のヒト食品中で個々に、または成分および添加物として現在使用されているタンパク質濃縮物(例えば、大豆、エンドウ豆)の有効な代替物として役立つだろう。いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物のタンパク質組成物の少なくとも一部は、変性タンパク質または部分変性タンパク質を含んでいてもよい。
【0172】
タンパク質消化性補正アミノ酸スコア(PDCASS)および消化率
いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物は、参照標準(例えば、カゼイン)と比較して、PDCASSが少なくとも0.88、または少なくとも0.89、または少なくとも0.90、または少なくとも0.91、または少なくとも0.92、または少なくとも0.93、または少なくとも0.94、または少なくとも0.95であってもよい。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、PDCASSが0.88~0.94、または0.90~0.94、または0.92~0.94であってもよい。PDCASSは、例えば、動物(例えば、ラット)モデルによって、またはin vitro酵素消化モデルによって評価されてもよい。PDCASS値を計算することは、制限するアミノ酸に依存していてもよい。いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物のPDCASS値は、ヒスチジン組成物によって制限される場合がある。
【0173】
いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、それぞれの場合に、消化率が少なくとも88%、または少なくとも90%、または少なくとも92%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%であってもよい。消化率は、例えば、ラットモデル(カゼイン消化率)を用いて決定されてもよく、またはin vitro消化率法(例えば、Animal-Safe Accurate Protein Quality Score(ASAP-Quality Score)法、TIMモデル、動的な胃のモデル(DGM))を用いて決定されてもよい。
【0174】
アミノ酸組成
いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、1つ以上の必須アミノ酸を含んでいてもよい。例えば、高濃度タンパク質生成物は、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、チロシンおよびシステインから選択される1つ以上のアミノ酸を含んでいてもよい。必須アミノ酸の濃度は、いくつかの実施形態において、少なくとも約1g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約1.5g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約2g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約2.5g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約3g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約4g/乾燥物(100g)、少なくとも約2.5g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約3g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約4g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約5g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約6g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約7g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約8g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約9g/タンパク質濃縮物(100g)、または少なくとも約10g/タンパク質濃縮物(100g)であってもよい。
【0175】
いくつかの実施形態において、アミノ酸(例えば、必須アミノ酸)の濃度は、高濃度タンパク質生成物から回収されたタンパク質の重量分率として表されてもよく、少なくとも約1g/タンパク質(100g)、または少なくとも約1.5g/タンパク質(100g)、または少なくとも約2g/タンパク質(100g)、または少なくとも約2.5g/タンパク質(100g)、または少なくとも約3g/タンパク質(100g)、または少なくとも約4g/タンパク質(100g)、または少なくとも約5g/タンパク質(100g)、または少なくとも約6g/タンパク質(100g)、または少なくとも約7g/タンパク質(100g)、または少なくとも約8g/タンパク質(100g)、または少なくとも約9g/タンパク質(100g)、または少なくとも約10g/タンパク質(100g)である。
【0176】
例えば、本明細書に記載の方法によって製造された高濃度タンパク質生成物は、以下の表2に要約されるアミノ酸含量を含んでいてもよい。
【表2】
【0177】
脂肪含量
いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、脂肪含量が、タンパク質生成物のDMBによって、約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約8%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満、または0.5%未満、または0.4%未満、または0.3%未満、または0.2%未満、または0.1%未満であってもよい。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、脂肪含量が、高濃度タンパク質生成物のDMBによって、約1%~約10%、または約10%~約20%、または約0.1%~約10%、または約0.1%~約5%、または約0.1%~約2%、または約0.1%~約1%、または約0.1%~約0.5%であってもよい。タンパク質濃縮物は、所望の脂肪含量(例えば、より高い濃度またはより低い濃度、所望の脂肪組成)を満たすようにさらに処理されてもよい。
【0178】
クロロフィル含量
いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物は、減少したクロロフィル含量を有していてもよい。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、無色にみえてもよく、または緑色の発色が低減していてもよい。高濃度タンパク質生成物は、クロロフィル含有量が6,000mg/100g未満、または5,500mg/100g未満、または5,000mg/100g未満、または4,500mg/100g未満、または4,000mg/100g未満、または3,500mg/100g未満、または3,000mg/100g未満であってもよい。
【0179】
アピオガラクツロナンおよび/またはオリゴガラクツランの含量
いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、少なくとも1つのアピオガラクツロナンおよび/またはオリゴガラクツロニドを含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物の多糖生成物は、少なくとも1つのアピオガラクツロナンの濃度が、少なくとも1%DMB、または少なくとも3%DMB、または少なくとも5%DMB、または少なくとも7%DMB、または少なくとも10%DMB、または少なくとも12%DMB、または少なくとも15%DMB、または少なくとも20%DMB、または少なくとも25%DMB、または少なくとも30%DMBであってもよい。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、少なくとも1つのアピオガラクツロナンの濃度が、少なくとも10%DMBであってもよい。いくつかの実施形態において、多糖生成物は、少なくとも1つのアピオガラクツロナンの濃度が、少なくとも15%DMBであってもよい。いくつかの実施形態によれば、この段落に引用される濃度は、単一のアピオガラクツロナンまたは2種類以上(から全てまで)の存在するアピオガラクツロナンを合わせた(合計)濃度を指していてもよい。
【0180】
いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物中のアピオガラクツロナンおよび/またはオリゴガラクツロニドのうち少なくとも1つの濃度は、フェノール-硫酸法、例えば、Dubois M.、Gilles,K.A.、Hamilton,J.K.ら、Anal.Chem.、1956、vol.28、no.2、350-356に記載される方法によって決定されてもよい。いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物中のアピオガラクツロナンおよび/またはオリゴガラクツロニドのうち少なくとも1つの濃度は、UV分光法、例えば、Albalasmeh,A.、Berhe,A.およびGhezzeher,T.、Carbohydrate Polymers、2013、vol.97、no.2、253-261に記載される方法を用いて決定されてもよい。任意の所望の方法を使用して、高濃度タンパク質生成物中のアピオガラクツロナンおよび/またはオリゴガラクツロニドのうち少なくとも1つの濃度を決定してもよい。
【0181】
高濃度タンパク質生成物の濃度の単糖組成物は、いくつかの実施形態によれば、高圧アニオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)によって決定されてもよい。例えば、HPAECは、以下の条件下で加水分解を行う多糖加水分解の電流測定を用い、Dionex CarboPac PA1カラムを用いて行うことができる。(1)2Nトリフルオロ酢酸(TFA)を用いて100℃で0.5時間加水分解する、(2)2N TFAを用いて100℃で4時間加水分解する、(3)2N HSOを用いて100℃で6時間加水分解する、(4)室温で26N HSOに一晩さらした後、100℃で6時間、2N HSOで加水分解する。
【0182】
いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物の単糖組成は、気相クロマトグラフィーによって決定されてもよい。例えば、高濃度タンパク質生成物の単糖の相対組成は、(1)生成物を加水分解して、メタオリシス(methaolysis)によって単糖を生成し;(2)単糖類をトリメチルシリル化し、揮発した単糖を生成し;(3)気相クロマトグラフィーにより揮発した単糖類をO-メチルグリコシドとして定量し、同定することによって同定し、定量されてもよい。
【0183】
シュウ酸含量
いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物は、減少したシュウ酸(HまたはHOOCCOOH)含量を有していてもよい。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、DMBによって、シュウ酸含量が約1.5%未満、約1.4%未満、または約1.3%未満、または約1.2%未満、または約1.1%未満、または約1.0%未満、または約0.9%未満、または約0.8%未満、または約0.75%未満、または約0.7%未満、または約0.65%未満、または約0.6%未満、約0.55%未満、約0.5%未満、または約0.45%未満、または約0.4%未満、または約0.35%未満、または約0.3%未満、または約0.25%未満、または約0.2%未満、または約0.15%未満、または約0.1%未満、または約0.05%未満、または約0.04%未満、または約0.03%未満、または0.02%未満であってもよい。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、DMBによって、シュウ酸含量が約0.02%~約0.6%、約0.02%~約0.5%、または約0.02%~約0.4%、または約0.02%~約0.3%、または約0.02%~約0.2%、または約0.02%~約0.15%、または約0.02%~約0.1%であってもよい。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、シュウ酸含量が0.1%以下であってもよい。いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物は、0.05%以下のDMBのシュウ酸含量を有していてもよい。
【0184】
ポリフェノール含量
いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、少なくとも1つのポリフェノール(例えば、タンニン)の量が減少されていてもよい。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物(例えば、溶媒洗浄されたタンパク質濃縮物、タンパク質濃縮物のフレーク/顆粒、タンパク質濃縮物の粉状物)は、ポリフェノール(例えば、全可溶性ポリフェノール)を、約1.5mg/100g未満、または約1.55mg/100g未満、または約1.6mg/100g未満、または約1.65mg/100g未満、または約1.7mg/100g未満、または約1.75mg/100g未満、または約1.8mg/100g未満、または約1.85mg/100g未満、または約1.9mg/100g未満、または約2.0mg/100g未満、または約2.2mg/100g未満、または約2.4mg/100g未満、または約2.6mg/100g未満、または約2.8mg/100g未満、または約3.0mg/100g未満、または約3.2mg/100g未満の濃度(mg/高濃度タンパク質生成物(100g))で含んでいてもよい。
【0185】
灰分
いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物は、無機鉱物元素を含む残渣からなる灰分を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、灰分は、有機物質を除去するために高温(例えば、500℃以上)でタンパク質生成物を燃焼させることによって決定されてもよい。高濃度タンパク質生成物は、いくつかの実施形態において、タンパク質生成物のDMBによって、灰分が約50%未満、または約40%未満、または約30%未満、または約25%未満、または約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満であってもよい。高濃度タンパク質濃縮物は、いくつかの実施形態によれば、所望の灰分(例えば、より高い濃度またはより低い濃度、所望の灰分組成)を満たすようにさらに処理することができる。
【0186】
炭水化物含量
いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物は、タンパク質生成物のDMBによって、炭水化物含量(例えば、ペクチン)が約50%未満、または約40%未満、または約30%未満、または約25%未満、または約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満であってもよい。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、炭水化物含量が、タンパク質生成物のDMBによって、約1%~約10%、または約10%~約20%、または約20%~約30%、または約30%~約40重量%、または約40重量%~約50重量%であってもよい。いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、炭水化物含量が、タンパク質生成物のDMBによって、約1%~約50%、または約2%~約40%、または約5%~約30%、または約8%~約20%、または約10%~約15%であってもよい。高濃度タンパク質生成物は、所望の炭水化物含量(例えば、より高い濃度またはより低い濃度、所望の炭水化物組成)を満たすようにさらに処理されてもよい。
【0187】
食物繊維含量
いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、食物繊維含量が、少なくとも約20%DMB、または少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約35%、または少なくとも約40%、または少なくとも約45%、または少なくとも約50%であってもよく、「約」は、±3%を表していてもよい。いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物は、食物繊維含量が約20%~約45%、または約30%~約45%、または約35%~約45%であってもよく、「約」は、±3%を表していてもよい。高濃度タンパク質生成物は、所望の食物繊維含量(例えば、より高い濃度またはより低い濃度、所望の食物繊維組成)を満たすようにさらに処理されてもよい。
【0188】
水結合能
いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、水結合能が高濃度タンパク質生成物1g当たり約4mlの水(ml/g)、または約4.5ml/g、または約5.0ml/g、または約6.0ml/g、または約7.0ml/g、または約7.5ml/g、または約8.0ml/g、または約8.5ml/g、または約9.0ml/g、または約9.5ml/g、または約10.0ml/gであってもよい。いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物は、水結合能が少なくとも4ml/g、または少なくとも5ml/g、または少なくとも6ml/g、または少なくとも7ml/g、または少なくとも7.5ml/g、または少なくとも8ml/g、または少なくとも8.5ml/g、または少なくとも9ml/g、または少なくとも9.5ml/gであってもよい。
【0189】
油結合能
いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物は、高濃度タンパク質生成物1g当たり約2ミリリットルの油(例えばコーン油)の油結合能(例えばトウモロコシ油)(ml/g)を有していてもよく、または油結合能が約2.5ml/g、または約3.0ml/g、または約3.5ml/g、または約4.0ml/g、または約4.5ml/g、または約5.0ml/g、または約5.5ml/gであってもよい。いくつかの実施形態によれば、高濃度タンパク質生成物は、水結合能が少なくとも2ml/g、または少なくとも2.5ml/g、または少なくとも3.0ml/g、または少なくとも3.5ml/g、または少なくとも4.0ml/g、または少なくとも4.5ml/g、または少なくとも5.0ml/g、または少なくとも5.5ml/gであってもよい。例えば、本明細書に記載の方法によって製造された高濃度タンパク質生成物は、以下の表3に要約される内容物を含んでいてもよい。
【表3】
【0190】
任意の所望の方法を用いて、高濃度タンパク質生成物の組成を決定してもよい。
【0191】
いくつかの実施形態において、生成物および/またはプロセスは、高濃度タンパク質生成物の他の特性(例えば、粒径、細菌の仕様)が所望の基準を満たすように、および/または意図された目的に適しているように構成され、または実行されてもよい。
【0192】
いくつかの実施形態において、高濃度タンパク質生成物を、業界標準の袋または様々な大きさのドラムのいずれかに充填および/または密封することができる。適切な貯蔵寿命と出荷条件を保証するために業界標準グレードの密封方法を使用することができる。袋またはドラムは、例えば、その意図された使用、貯蔵寿命、示唆された貯蔵条件、輸送条件、組成物など、またはそれらの組み合わせに関する印刷された説明書または仕様書を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、抗酸化剤(例えば、ローズマリー抽出物、Duralox(登録商標)、Phyt-O-Blend CA)を、乾燥前または包装前にタンパク質生成物と混合してもよい。いくつかの実施形態によれば、製品の口当たりを改善するために、乾燥前にレシチンを濡れたタンパク質生成物と混合することができる。
【0193】
本開示の範囲から逸脱することなく、形状、大きさ、数、分離特性および/または部品の配置に様々な変更を加えてもよい。開示された各方法および方法の工程は、他の開示された方法または方法の工程と関連して、いくつかの実施形態に係る任意の順序で実行されてもよい。「may」との動詞が出現する場合、任意要素であり、および/または許容条件であることを伝えることを意図しているが、その使用は、特に明記しない限り、操作性の欠如を示唆するものではない。本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の組成物、デバイスおよび/またはシステムを調製し、使用する方法において、様々な変更を行うことができる。必要に応じて、本開示のいくつかの実施形態は、他の実施形態を除外して実施することができる。
【0194】
また、範囲が提供されている場合、開示された端点は、特定の実施形態によって所望されるか、または要求される厳密なおよび/または近似として扱われてもよい。端点が近似値の場合、その自由度は、範囲の大きさの程度に比例して変化してもよい。例えば、一方では、約5~約50の範囲の内容における約50の端点の範囲は、50.5を含んでもよいが、52.5または55を含まず、一方、約0.5~約50の範囲の内容における約50の端点の範囲は、55を含んでもよいが、60も75も含まない。いくつかの実施形態において、自由度は、単に、開示された端点の特定のパーセントであってもよい(例えば、端点値の厳密な制御が望ましい場合は±1%、端点値に自由度がある場合は±10%、および/または他のパラメータにしたがって変わる)。さらに、いくつかの実施形態において、範囲の端点を混合し、一致させることが望ましい場合がある。また、いくつかの実施形態において、開示されたそれぞれの数字(例えば、1つ以上の例、表および/または図における)は、ある範囲の基準を形成してもよく(例えば、示された値±約10%、示された値±約50%、示された値±約100%)、および/または範囲の端点を形成していてもよい。前者に関して、例、表および/または図に示された50との値は、例えば約45~約55、約25~約100、および/または約0~約100の範囲の基礎を形成する場合がある。本開示内で別段の指定がない限り、濃度に適用されるパーセントは、乾燥質量基準(DMB)のパーセントである。
【0195】
これらの均等物および代替物は、明らかな変更および改変と共に、本開示の範囲内に含まれることが意図される。したがって、前述の開示は、添付の特許請求の範囲によって示されるような開示の範囲を例示的に説明することを意図しているが、これに限定されるものではない。
【0196】
名称、要約、背景および見出しは、規則および/または読者の便宜のために提供されている。それらには、先行技術の範囲および内容についての承認はなく、開示された全ての実施形態に適用可能な制限はない。
【実施例
【0197】
本開示のいくつかの特定の実施形態の例は、本明細書で提供される1つ以上の実施例によって例示されてもよい。
【0198】
実施例1:高濃度タンパク質生成物を作成するためのLemnaの連続的なブランチング
様々なブランチング条件を、高タンパク質濃縮生成物の複数の特性に対する影響について試験した。Lemnaを、水および栄養素を含む成長媒体中で栽培した。Lemnaを収穫し、連続的なブランチング装置に運んだ。このブランチング装置は、コンベア機構と、ブランチングトレイを振動させ、ブランチングトレイ内のブランチング溶液の中に正味の動きを作り出すことができる振動機構に接続されたブランチングトレイと、シャワーと、振動ふるいおよびスクリュープレスの脱水機構と、流動床乾燥機と、ピンミルとを含む。
【0199】
ブランチング装置を7:1の生成物流速比で運転した。400~600kgのLemnaのロットを、4kg/分のLemna供給速度で連続的菜ブランチングシステムに流した。ポンプ速度を28L/分に設定した。各ロットをブランチングトレイに運び、ブランチングトレイからシャワーを出るときに92℃~94℃の温度を有するブランチング溶液でシャワーされた。同時に、振動機構は、ブランチングトレイに集められたブランチング溶液に波を発生させた。システムを調整して、ブランチング液とLemnaとの接触時間を45秒に維持した。45秒間ブランチングした後、各ロットを振動ふるいおよびスクリュープレスを用いて脱水した。分離したブランチング溶液を回収し、希釈比2.4:1になるように、新鮮な水(すなわち、9.6L/m)で希釈した。流動床乾燥機を使用し、各ロットを含水量が約10%になるまで乾燥させて、タンパク質濃縮物のフレークを作成した。タンパク質濃縮物のフレークをピンミルを用いて粉砕し、タンパク質濃縮物の粉状物を作成した。
【0200】
様々なロットから作成したタンパク質濃縮物の粉状物について組成分析を行った。Lemnaサンプルの平均アミノ酸プロフィールは、表2に見出される。タンパク質の粉状物のサンプルの平均組成特徴は、表3に見出される。試験したタンパク質濃縮物サンプルにおいて、シュウ酸濃度は0.25%未満であり、可溶性ポリフェノール濃度は3.2mg/100g未満であった。ほとんどの場合、可溶性ポリフェノール濃度は、試験の検出限界未満であることが判明した。表4は、Lemnaタンパク質濃縮物の粉状物サンプルの平均栄養情報を示す。
【表4】

【表5】

【表6-1】

【表6-2】

図1
図2
図3
図3A
図4