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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】透析を行うための装置又はシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
A61M1/16 190
A61M1/16 117
A61M1/16 163
A61M1/16 135
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018548367
(86)(22)【出願日】2016-03-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-04
(86)【国際出願番号】 IB2016000287
(87)【国際公開番号】W WO2017158392
(87)【国際公開日】2017-09-21
【審査請求日】2019-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】510154866
【氏名又は名称】アドヴィトス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト・クレイマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・フステジェ
(72)【発明者】
【氏名】カタリーナ・シュライバー
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-505209(JP,A)
【文献】米国特許第04769132(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムであって、
a)生物学的流体回路と;
b)透析流体回路と;
c)前記除去されるタンパク質結合物質を可溶化するための手段と;
d)透析又は透析濾過デバイスと;
e)前記装置又はシステム内の全流体容積を釣り合わせる釣り合わせ手段と、を有し、
前記釣り合わせ手段が、
-透析流体のための第1のリザーバと、廃棄流体のための第2のリザーバとを少なくとも有する容器と、
-前記容器を秤量する秤量手段と、
-前記秤量手段から秤量データを受け取るコントローラと、を有し、
前記装置又はシステムに提供される全ての流体の量は、釣合計算に含まれ、
前記コントローラが、前記装置又はシステムが作動を始める前に前記秤量手段によって測定された、容器の全重量を含む初期システム重量を決定するように適合され、
前記装置又はシステムが、第1のリザーバ流体及び第2のリザーバ流体のためのポンプ手段をさらに含み、前記ポンプ手段が、前記初期システム重量が維持される、所定の増加で維持される、又は所定の減少で維持されるように前記コントローラによって制御されることを特徴とする装置又はシステム。
【請求項2】
前記除去されるタンパク質結合物質を可溶化するための手段が、透析流体のpHを調節するためのデバイスを含む請求項1に記載の除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステム。
【請求項3】
前記透析流体のpHを調節するための前記デバイスが、前記透析流体に、塩基を添加するため又は酸を添加するための手段を含む請求項2に記載の装置又はシステム。
【請求項4】
前記除去されるタンパク質結合物質を可溶化するための手段が、前記透析流体のpHをpH=1~5.5に調節するための第1のデバイスと前記透析流体のpHをpH=8~13に調節するための第2のデバイスとを含む請求項2又は3に記載の除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステム。
【請求項5】
前記容器が、更なる流体のための少なくとも1つの追加のリザーバを含む請求項1から4のいずれかに記載の装置又はシステム。
【請求項6】
前記容器が、前記装置又はシステムに提供される全ての流体のためのリザーバを含み、前記初期システム重量が、前記装置又はシステムが作動を始める前に前記秤量手段によって測定された容器の全重量に対応する請求項5に記載の装置又はシステム。
【請求項7】
前記装置又はシステムが、
-容器の外側に、流体濃縮物を提供するための更なる流体リザーバと、
-前記流体濃縮物を容積測定的に測定するための手段と、
-流体濃縮物が前記装置又はシステムに提供されるときはいつでも、密度又は測定された容積に基づいて、前記流体濃縮物の重量を計算する手段と、を有し、
前記初期システム重量が、前記容器の外側の前記更なる流体リザーバに提供された前記流体濃縮物の前記計算された重量を含む請求項1から5のいずれかに記載の装置又はシステム。
【請求項8】
前記コントローラが、所定の閾値を超える初期システム重量の偏差を検出するように適合されている請求項1から7のいずれかに記載の装置又はシステム。
【請求項9】
前記コントローラが、所定の閾値を超える初期システム重量の偏差が検出されたときに、前記装置又はシステムの作動を遮断又は調節するように適合されている請求項1から8のいずれかに記載の装置又はシステム。
【請求項10】
前記装置又はシステムが、所定の閾値を超える初期システム重量の偏差が検出されたときに1つ以上の流体の流れを調節するための1つ以上のポンプを含む請求項9に記載の装置又はシステム。
【請求項11】
前記初期システム重量が、所定の増加で維持される、又は所定の減少で維持され、前記増加が患者から抽出された流体(限外濾過液)を反映し、前記減少が前記患者に残っている流体(ボーラス)を反映する請求項1から10のいずれかに記載の装置又はシステム。
【請求項12】
前記除去されるタンパク質結合物質を可溶化するための手段が、流体の温度を調節するためのデバイスを含む請求項1から11のいずれかに記載の除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステム。
【請求項13】
前記釣り合わせ手段が、装置又はシステム内の全ての流体の全重量を測定する請求項1から12のいずれかに記載の装置又はシステム。
【請求項14】
前記釣り合わせ手段が、装置又はシステムが作動を始める前に、前記装置又はシステム内においての初期作動容積の1%以内に、流体の実質的に一定の容積を維持するのに有効である請求項1から13のいずれかに記載の装置又はシステム。
【請求項15】
前記釣り合わせ手段が、24時間の透析期間においてばらつきが0.1リットル未満である前記装置又はシステム内で流体の実質的に一定の容積を維持するのに有効である請求項1から14のいずれかに記載の装置又はシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透析を行うためのシステム又は装置及び方法に関する。更に、本発明は、システムの範囲内において、透析液を再生し、且つ総容積を測定し、透析液又は限外濾過液などの流体の総容積又は流れを釣り合わせるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの肝臓及び腎臓のいずれかが機能不全になると、ある種の物質の除去或いは代謝ができなくなり、これらの物質が体内に蓄積することになる。これらの物質は、水に対する溶解度に従って分類することができる。即ち、水溶性物質及び不水溶性物質(又はタンパク質結合型物質)である。1つ以上の器官の機能不全状態の解消を容易にするためには、各種の体外処置法を利用できる。血液透析は、腎不全罹患している患者を処置するための歴史的に好ましい手段である。この目的のために、半透膜で内部が2区画に仕切られた透析器が用いられる。血液は、前記透析器の血液区画中を流れ、透析区画中を流れる透析流体とは前記半透膜により分離されている。生理学的透析流体は、所望の電解質、栄養素、及び緩衝液を含むが、その際患者の血液中でのこれらの物質の濃度が正常になるように濃度を調節する必要がある。
【0003】
通常行われている血液透析は、肝不全を罹患している患者で、特に腎不全を伴わない場合には、殆ど役に立たない。その主たる理由は、肝不全において蓄積する主要な毒素、例えばビリルビンなどの代謝産物、胆汁酸、銅、及びガス、ホルモン、又は薬物などの他の物質が、タンパク質に結合した状態で存在するので、血液透析では殆ど除去できないという事実のためである。
【0004】
肝機能は、本質的に、必須なタンパク質の合成と主にタンパク質結合毒素の除去の2つの主要機能に細分されることができる。基本的には、肝臓移植のみが合成機能を置き換えるために現在利用可能である。正常な肝臓細胞の合成機能を少なくとも部分的に引き継ぐ細胞では、いわゆるバイオリアクターが知られているが、これらは現時点で実験的にしか使用できず、その機能はまだ不十分である。解毒機能を引き継ぐための適切なプロセスが存在せず、それによって肝機能が回復するのにかかる時間を克服することができないので、行われる肝臓移植は、急性肝不全患者の約20%である。
【0005】
タンパク質が結合された物質は、おそらく、肝性脳症、肝臓掻痒及び肝腎症の病因において重要な役割を果たす。主としてアルブミンに結合するこれらの病原性物質としては、特にフェノール誘導体、インドール誘導体、フラン誘導体又は芳香族アミノ酸のような芳香族化合物、ビリルビン、炭素数4~7のカルボン酸、メルカプタン、ジギトキシン及びベンゾジアゼピンに類似する物質、銅カチオン、アルミニウムカチオン又は鉄カチオンなどの金属カチオンが挙げられる。ここで最も重要な病気の一つは、生命を脅かす可能性があり、及び/又は恒久的な損害を残す可能性がある肝性脳症である。1970年代から、肝臓の解毒機能を置き換えるために、主に透析技術に基づいた種々の試みがなされてきた。
【0006】
これらのタンパク質が結合された物質の除去を促進するために、透析流体組成物は、アルブミンを含有するように改変される。というのも、アルブミンが半透膜を横切って血液から透析液に移動する非結合毒素に結合するからである。この処置様式は、しばしば「アルブミン透析」と呼ばれる。透析液中のアルブミンの存在は、血液からのタンパク質が結合された物質の除去を容易にする。アルブミンの使用は、血液中のタンパク質が結合された毒素の主な単体タンパク質としてのアルブミンの役割に基づいている。
【0007】
特許文献1に記載される分子吸着剤再循環システム(MARS)は、アルブミンコーティングされた特別な透析膜を用いる。透析により患者から除去されたタンパク質が結合された毒素を排除し、透析液中のアルブミンの毒素の結合部位を調製するために、再循環アルブミン含有透析液は、2つの吸着カラム(木炭及び樹脂)を亘って通過される(非特許文献1)。
【0008】
アルブミン透析は、連続血液透析と同様のプロセスである。連続的な腎代替療法の特徴は、遅い透析液流の使用である(通常の透析の30l/hと比較すると、1~2l/h)。アルブミン透析では、従来の連続的な腎代替療法とは対照的に、アルブミンを透析液に添加して5%の溶液を得る(非特許文献2)。アルブミンの使用は、それが血液中のタンパク質が結合された毒素のための主な担体タンパク質であるということに基づいている。
【0009】
しかしながら、市販のアルブミンは非常に高価である。したがって、アルブミン系透析は、非常に高価な処置の形態である。更に、アルブミン系透析システムは、不十分な無毒化効率を提供する。それらは、平均して、タンパク質が結合された物質のためのマーカーとして認められる、ビリルビンレベルの30%までの低下しか提供しない。アルブミン系透析は、肝性脳症の症状の改善をもたらすが、限られた無毒化の有効性及び高い処置コストのために、値の正常化は、達成されることができない。
【0010】
その開示内容の全体を参照によって援用する、特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5には、透析システム及び方法、透析液再生ユニット、及び透析液を再生する方法が記載されている。それらは更に、血液又は血漿などの生物学的流体からタンパク質が結合された物質を除去するための透析手段が記載されている。前記手段は、少なくとも1つの、除去されるタンパク質結合物質を生物学的流体及び/又は透析流体に可溶化する手段、及び生物学的流体からタンパク質が結合された物質を除去する方法を含む。
【0011】
その開示内容の全体を参照によって援用する、特許文献6、特許文献7、及び特許文献8には、担体物質を含む透析液を再生する改善された装置及び方法が記載されている。そこに記載されている透析液再生ユニットは、1つ以上の担体物質を含む透析液を再生するように適合されている。透析液再生ユニットは、第1の流路と第2の流路とを特徴とする。第1の流路は、前記第1の流路を流れる透析液に酸性流体を添加するように適合された第1の供給ユニットと、前記第1の供給ユニットの下流に位置する無毒化ユニットとを特徴とする。前記無毒化ユニットは、第1の流路を流れる酸性化された透析液から毒素を除去するように適合されている。第2の流路は、第1の流路と平行に延在する。第2の流路は、前記第2の流路を流れる透析液にアルカリ性流体を添加するように適合された第2の供給ユニットと、前記第2の供給ユニットの下流に位置する更なる無毒化ユニットとを特徴とする。前記更なる無毒化ユニットは、前記第2の流路に流れるアルカリ性化された透析液から毒素を除去するように適合される。
【0012】
例えば、血液透析システム、アルブミン-透析システム、血液透析システムなどの全ての体外血液処置システムの主要な問題は、患者に添加された流体と患者から採取された流体との間の流体バランスを維持することである。圧力及び浸透圧の変化は、透析中の患者からの水抽出をもたらし得る。非特許文献3は、慢性透析が、透析システムに添加される流体と透析システムから採取される流体との間の最大偏差は、4時間ごとに±400mlであることを必要とする。したがって、流体釣合デバイスは、フィルタ又は透析システムの非血液側に送り込まれる流体の総容積と取り出される流体の総容積が等しくなることを保証しようとする。幾つかの例においては、超過した流体、特に水は、添加された流体の量を超過して、患者から取り出されることがある。除去されたこの余分な流体は、限外濾過液(「UF」)と呼ばれることがある。限外濾過液は、透析システムの非血液側から取り出された「廃棄」流体に加えられることができる。
【0013】
その開示が参照によって本明細書に組み込まれる特許文献9は、体外血液処置システムのための容積測定の流量を調節するための方法及びデバイスを含む、体外血液-回路のための釣合デバイスを教示する。前記デバイスは、圧力信号を受信し、容積測定的に釣り合わされた流体の相対流量を調節するために使用される補償係数(compensation factor)を計算する。例えば、血液濾過システムでは、廃棄物及び補充液の流れは、容積測定的に釣り合わされ得る。このようなシステムでは、限外濾過液をバイパス回路内に送り込むことができる。限外濾過液流量の割合は、補償信号によって調節されることができる。流体を釣り合わせるためのこの公知のデバイスの欠点は、体外血液処置システムの体外流体回路における漏れが、システムによって認識されない不正確な釣合をもたらすことがあるということである。
【0014】
その開示が参照によって本明細書に組み込まれる特許文献10は、血液処置ユニットを特徴とする体外血液処置デバイス内の流体を釣り合わせるためのデバイス及び方法を教示する。前記デバイス及び方法は、内部流体システムを監視することに基づいている。内部流体システムは、血液処置ユニットと、外部流体システムとを特徴とする。外部流体システムは、内部流体システムに新鮮な流体を供給し、及び/又はそこから破棄液体を除去する。釣合デバイスは、新鮮な液体及び濾液を釣り合わせるためのはかりを含む。釣合デバイスは、処理ユニットを有する監視デバイスを特徴とする。監視デバイスは、釣合支持体に供給される容積と相関する液体の容積又は変数が、釣合支持体から取り除かれる流体の容積相関変数と比較されるように構成される。釣合支持体に供給される又は除去される液体の容積の比、又は容積相関変数の比に基づいて、不正確な釣合が識別されることができる。流体を釣り合わせるためのこのデバイスの欠点は、体外血液処置システムの体外流体回路内の漏れが、システムによって認識されないことがある不正確な釣合をもたらすことがあるということである。
【0015】
透析のための1つの従来システムであるGambroによるMARSシステムは、肝臓の透析システム及び方法を特徴とする。透析は、透析液体を再循環するために再循環システムを用いて行われる。しかしながら、透析回路及び再循環システムは、区切られていない、又は分離されていない(decoupled)。したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を回避するシステム内の流体の容積又は流れを釣り合わせるために有用な釣合システム又は装置又はその中の部品を特徴とする透析装置又はシステムを提供することである。本発明の更なる目的は、透析装置又はシステム内の流体の流れ又は容積を釣り合わせるための改善された方法を特徴とする透析方法を提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、透析システム内において、担体物質含有透析液を再生するように適合された再生ユニットと、流体又は複数の流体の総容積又は流れを釣り合わせるためのシステム、手段、又はユニットを含む装置又は透析装置又はシステムを提供する。本発明は、被験体を透析するための方法、及び透析装置又はシステム内の流体又は複数の流体の容積又は流れを釣り合わせるための方法、並びに特定の疾患を処置する方法を更に提供する。
【0017】
第一の態様においては、本発明は、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステム内における生物学的流体から不要物質を除去する方法を提供し、
a)半透膜を通して、除去されるタンパク質結合物質のための吸着体(adsorber)を含む透析流体に対して生物学的流体を透析することと;
b)前記除去されるタンパク質が結合された物質のための前記吸着体の結合親和性が減少され、前記除去される物質が溶液を通るように、前記透析流体を調節することと;
c)前記除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせること、
とを含む。
【0018】
酸、塩基、又は透析可能物質を添加することによって、希釈によって、塩含量を変えることで、波動の照射によって、又は加熱によって、タンパク質が結合された物質に対する吸着体の結合親和性が行われるように、透析流体を調節することは、除去されるタンパク質結合物質は溶液に通過することができる。生物学的流体は、例えば、血液又は血漿、リンパ液、脳脊髄液、又は関節液であることができる。吸着体は、ヒト血清アルブミンなどのアルブミンであることができ、アルブミンは、例えば100ml当たり約1~25g、好ましくは100ml当たり1~10g、特に好ましくは100ml当たり1~3gの濃度で透析流体中に存在することができる。幾つかの例においては、塩酸は酸であることができ、水酸化ナトリウムは塩基であることができる。また、幾つかの例においては、前記方法は、前記除去されたタンパク質結合物質との結合に好適な1つ以上の透析可能な化合物を透析流体及び/又は生物学的流体に添加することを更に特徴とすることができる。1つ以上の透析可能な化合物は、例えば、カフェイン、若しくはペニシラミン、トリエンチン、デフェロキサミン、プレフェリプロン(preferiprone)、HBED、ビタミンC、BAL、DMPS、又はDMSAなどの金属カチオンのキレート剤であることができる。
【0019】
除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせることは、透析装置又はシステム内の1つ以上の流体、又は全ての流体の重量を測定することによって行われることができる。1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせることは、装置又はシステム内における流体の比較的一定な容積を維持するのに有効であることができる。比較的一定な容積は、例えば、透析装置又はシステムが作動を始める前の初期作動容積の10%、5%、4%、3%、2%、1%又は更に0.5%又は0.2%又は0.1%内であることができる。比較的一定な容積は、24時間又は48時間の透析期間において、0.5、0.25、0.10、0.05、0.025又は0.01リットル未満の偏差であることもできる。
【0020】
釣り合わせることは、所定の閾値を超える初期システム重量の偏差が検出されたときに、タンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムの作動を調節又は遮断することを特徴とすることができる。調節又は遮断する作動は、1つ以上の流体の流れを調節するための装置又はシステム内に設けられる1つ以上のポンプを用いて行われることができる。1つ以上の流体は、例えば、透析液、濾液、限外濾過液、若しくは酸、塩基、又は透析可能化合物の溶液など、装置又はシステム内で使用され得る任意の流体であることができる。
【0021】
釣り合わせることは、少なくとも、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムのための使用可能な流体を含む第1の流体(透析流体など)のための第1のリザーバと、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムからの廃棄流体を含むことができる第2の流体のための第2のリザーバとを有する、釣合支持体又は容器を特徴とする釣合装置又はシステムを用いて行われることができる。第1のリザーバは、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムとの流体連通のための少なくとも1つの流体出口を有することができる。第2のリザーバは、透析装置又はシステムと流体連通する少なくとも1つの流体を含むことができる。釣合デバイス又はシステムは、釣合支持体又は容器を秤量するための秤量手段と、秤量手段から秤量データを受け取るように構成されるコントローラとを更に特徴とすることができる。その中に含まれる少なくとも第1及び第2のリザーバを有する釣合支持体又は容器は、コントローラとデータ連通する秤量手段のロードセルと秤量接触(weighing contact)されることができる。釣合デバイス又はシステムは、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステム内で、全流体容積を釣り合わせるのに好適であることができる。全流体容積は、透析流体などの使用可能な流体と、透析を受ける被験体又は患者からの廃棄流体と、を含むことができる。
【0022】
釣り合わせることは、透析装置又はシステムが作動を始める前に、例えば、秤量手段を用いて、少なくとも第1及び第2のリザーバを含む釣合支持体又は容器の全重量を測定し、容器の初期システム重量(sw)を決定することを含むことができる。容器は、例えば、透析回路のための活性物質の濃縮物などの更なる流体のための、少なくとも1つの、例えば、第3又は第4の追加のリザーバを含むことができる。この方法はまた、第1のリザーバ流体及び第2のリザーバ流体のためのポンプ手段を制御することを含み、それによって初期システム重量は、維持される、所定の増加で維持される、又は所定の減少で維持されるようになる。
【0023】
前記方法は、例えば、単一の容器の透析回路外側における活性物質の濃縮物など更なる流体のための、例えば、第3又は第4又は第5の追加のリザーバなどのための少なくとも1つの更なるリザーバを置くことを更に特徴とすることができる。少なくとも1つの更なるリザーバ、例えば、第3又は第4の追加のリザーバの流体出口は、透析装置又はシステムと流体連通させることができる。このように、前記方法は、体外血液処置回路が作動しているときに、更なるリザーバから、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに提供される任意の流体濃縮物を容積的に測定することと;除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに、流体濃縮物が提供されているときはいつでも、密度及び提供された容積に基づいて、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに提供される流体濃縮物の重量を計算することと;除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに提供される流体濃縮物の計算された重量を加えることで、容器の初期システム重量を再計算し、再決定された初期システム重量を得ることと、を更に特徴とすることができる。
【0024】
幾つかのリザーバは、秤量手段によって秤量される流体密容器の外側に位置されることができる一方、透析装置又はシステムに提供されている全ての流体の量は、釣合計算に含まれる。したがって、本方法は、容器の重量と実質的に絶えず比較される実質的に常に修正されるシステム重量を提供する。透析患者又は被験体から得られた廃棄物又は余分な流体は、例えば、第2のリザーバなどの(廃棄物又は濾液)リザーバなどに集められる。患者から抽出された流体(限外濾過液)又は患者に残っている流体(ボーラス)のみが、釣合方法によって認識される。このような流体は、初期システム重量の増加又は減少である。したがって、起こりうる測定誤差は、劇的に減少する。
【0025】
第2の態様においては、本発明は、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムを提供し、
a)生物学的流体回路(3)と;
b)透析流体回路(2)と;
前記除去されるタンパク質結合物質を可溶化する手段(4;6;7;8;及び9)と;
d)透析、濾過、又は透析濾過デバイス(5)と;
e)前記除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合システム又は装置と、
を特徴とする。
【0026】
装置又はシステムにおける透析流体は、生物学的流体からの除去されるタンパク質結合物質における、例えば、ヒト血清アルブミンなどのアルブミンなどの吸着体を含むことができる。ヒト血清アルブミンなどの吸着体は、100ml当たり約1~25g、好ましくは100ml当たり1~10g、特に好ましくは100ml当たり1~3gの濃度で提供されることができる。除去されるタンパク質結合物質を可溶化する手段(4;6;7;8;及び9)は、透析流体のpHを調節するための1つ又は2つのデバイス(4)を特徴とすることができる。透析流体のpHを調節するためのデバイス(4)は、塩基の添加又は酸の添加に好適であることができる。第1のデバイス(4)は、透析流体のpHをpH=1~6.5、好ましくはpH=2.5~5に調節することができる。第2のデバイス(4)は、透析流体のpHをpH=8~13に調節することができる。pHを調節するための第1及び第2のデバイス(4)は、透析、濾過、又は透析濾過のための少なくとも1つのデバイス(5)が第1のデバイス(4)の下流及び第2のデバイス(4)の上流に設けられるように透析回路に配列されることができる。例えば、生物学的流体回路(3)において、1つ、2つ、3つ又はそれ以上の他の透析、濾過、又は透析濾過デバイス(5)を設けることができる。
【0027】
除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムは、除去されるタンパク質結合物質を可溶化するための第2の手段(4;6;7;8;及び9)を更に特徴とすることができる。除去されるタンパク質結合物質を可溶化する第2の手段(4;6;7;8;及び9)は、生物学的流体又は透析流体などの流体の温度を調節するデバイス(6)、透析流体又は生物学的流体などの流体の塩含量を希釈する又は変更するための代用物(substituate)を添加するデバイス(7)、除去されるタンパク質結合物質に結合する透析可能化合物を添加するデバイス(8)、又は透析流体又は生物学的流体などの流体に波動を照射するデバイス(9)であることができる。温度を調節するためのデバイス(6)は、加熱又は冷却デバイスであることができ、加熱デバイス(6)は、加熱装置、マイクロ波装置、又は赤外線装置を特徴とすることができる。加熱デバイス(6)は、生物学的流体を少なくとも約35℃、40℃、又は45℃まで加熱するのに適していることができる。同様に、冷却装置(6)は、冷却ユニットを特徴とすることができる。透析流体又は生物学的流体などの流体を加熱するデバイス(6)、及び/又は透析流体又は生物学的流体などの流体を冷却するデバイス(6)は、生物学的流体回路(3)内に設けられることができる。照射デバイス(9)は、超音波装置、電場又は磁場であることができる。更に、除去されるタンパク質結合物質を可溶化する少なくとも1つの手段(4;6;7;8;及び9)は、生物学的流体回路(3)に設けられることができる。幾つかの例においては、加熱デバイス(6)は、pHを調節するためのデバイス(4)、又は代用物を加えるためのデバイス(7)の下流に設けられ、加熱デバイス(6)は、透析流体回路(2)又は生物学的流体回路(3)のエントランスから上流に設けられることができる。
【0028】
除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合システム又は装置は、透析装置又はシステム内の1つ以上の流体、又は全ての流体の重量を測定するのに適合され、好適であることができる。装置又はデバイスにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適なシステム又はデバイスは、装置又はシステム内における流体の比較的一定な容積を維持するのに有効であることができる。比較的一定な容積は、例えば、透析装置又はシステムが作動を始める前の初期作動容積の10%、5%、4%、3%、2%、1%又は更に0.5%又は0.2%又は0.1%内であることができる。比較的一定な容積は、24時間又は48時間の透析期間において、0.5、0.25、0.10、0.05、0.025又は0.01リットル未満の偏差であることができる。
【0029】
所定の閾値を超える初期システム重量の偏差が検出されたときに、透析装置又はシステム内の1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるための好適な釣合装置又はシステムは、タンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムの作動を調節又は遮断するのに好適であることができる。調節又は遮断する作動は、1つ以上の流体の流れを調節するための装置又はシステム内に設けられる1つ以上のポンプを用いて行われることができる。1つ以上の流体は、例えば、透析液、濾液、限外濾過液、若しくは酸、塩基、又は透析可能化合物の溶液など、装置又はシステム内で使用され得る任意の流体であることができる。
【0030】
釣合装置又はシステムは、少なくとも、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムのための使用可能な流体を含む第1の流体(透析流体など)のための第1のリザーバと、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムからの廃棄流体を含むことができる第2の流体のための第2のリザーバとを有する、釣合支持体又は容器を特徴とすることができる。第1のリザーバは、透析装置又はシステムとの流体連通のための少なくとも1つの流体出口を有することができる。第2のリザーバは、透析装置又はシステムと流体連通する少なくとも1つの流体を含むことができる。釣合デバイス又はシステムは、釣合支持体又は容器を秤量するための秤量手段と、秤量手段から秤量データを受け取るように構成されるコントローラとを更に特徴とすることができる。その中に含まれる少なくとも第1及び第2のリザーバを有する釣合支持体又は容器は、コントローラとデータ連通する秤量手段のロードセルと秤量接触させることができる。釣合デバイス又はシステムは、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステム内で、全流体容積を釣り合わせるのに好適であることができる。全流体容積は、透析流体などの使用可能な流体及び透析を受ける被験体又は患者からの廃棄流体を含むことができる。
【0031】
透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムは、透析装置又はシステムが作動を始める前に、例えば、秤量手段を用いて、少なくとも第1及び第2のリザーバを含む釣合支持体又は容器の全重量を測定し、容器の初期システム重量(sw)を決定するのに好適であることができる。容器は、例えば、透析回路のための活性物質の濃縮物などの更なる流体のための、少なくとも1つの、例えば、第3又は第4の追加のリザーバを含むことができる。透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムは、第1のリザーバ流体及び第2のリザーバ流体のためのポンプ手段を含むこともでき、それによって、初期システム重量は、維持される、所定の増加で維持される、又は所定の減少で維持されるようになる。
【0032】
装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムは、例えば、単一の容器の透析回路外側における活性物質の濃縮物など更なる流体のための、例えば、第3又は第4の追加のリザーバなどのための少なくとも1つの更なるリザーバを更に特徴とすることができる。少なくとも1つの更なるリザーバ、例えば、第3又は第4の追加のリザーバの流体出口は、透析装置又はシステムと流体連通させることができる。このように、装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムは、血液処置回路が作動しているときに、更なるリザーバから、透析装置及びシステムに提供される任意の流体濃縮物を容積的に測定することと;流体濃縮物が透析装置及びシステムに提供されているときはいつでも、密度及び提供された容積に基づいて、透析装置及びシステムに提供される流体濃縮物の重量を計算することと;透析装置及びシステムに提供される流体濃縮物の計算された重量を加えることで、容器の初期システム重量を再計算し、再決定された初期システム重量を得ることと、に対して好適であることができる。
【0033】
幾つかのリザーバは、秤量手段によって秤量される流体密容器の外側に位置されることができる一方、透析装置又はシステムに提供される全ての流体の量は、釣合計算に含まれる。したがって、透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な本釣合装置又はシステムは、容器又は釣合支持体の重量と実質的に常に比較される実質的に常に修正されるシステム重量を提供するのに有効である。透析患者又は被験体から得られた廃棄物又は余分な流体は、第2の(廃棄物又は濾液)リザーバなどのリザーバに集められる。患者から抽出された流体(限外濾過液)又は患者に残っている流体(ボーラス)のみが、装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適なデバイスによって認識される。このような流体は、初期システム重量の増加又は減少である。したがって、起こりうる測定誤差は、劇的に減少する。
【0034】
第3の態様において、本発明は、透析装置又はシステムを提供し、
(a)生物学的流体回路(3及び76)と;
(b)透析液回路(2)と;
(c)透析器(22A、22B、64A、及び64B)と;
(d)透析液再生ユニット(29及び74)と;
(e)透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムと、
を特徴とする。
【0035】
生物学的流体は、例えば、血液又は血漿、リンパ液、脳脊髄液、又は関節液であることができる。透析装置又はシステムは、透析液回路の一部であることができる透析液リザーバを更に特徴とすることができる。透析液再生ユニットは、透析液リザーバから透析液を引き出すように、透析液を再生するように、及び再生された透析液を透析液リザーバに補充するように適合されることができる。同様に、透析液再生ユニットは、別々の透析液再生回路の一部であることができる。同様に、透析液再生ユニットは、連続操作又は断続操作において、透析液を再生するように適合されることができる。また、透析液再生ユニットを透析液回路に統合されることができる。
【0036】
透析器は、生物学的流体回路の一部である生物学的流体区画、透析液回路の一部である透析液流体区画、及び生物学的流体区画及び透析液流体区画を分離する半透膜を特徴とすることができる。
【0037】
透析装置又はシステムは、生物学的流体又は透析液流体に代用(substitution)流体を供給するように適合された代用ユニットを更に特徴とすることができる。代用流体は、電解質、栄養素、又はバッファの1つ以上を含むことができる。
【0038】
担体物質含有透析液を再生するための透析液再生ユニット(29及び74)は、
(a)第1の流路(37)と、(b)第2の流路(38)とを特徴とすることができ、第1の流路(37)は、第1の流路(37)に流れる透析液に、酸性流体(39)を添加するように適合される(i)第1の供給ユニットと、第1の供給ユニットの下流に位置される、第1の流路(37)に流れる酸性化された流体から毒素を除去するように適合される(ii)無毒化ユニットとを特徴とし、
第2の流路(38)は、第2の流路(38)に流れる透析液にアルカリ性流体(41)を添加するように適合される(i)第2の供給ユニットと、第2の供給ユニットの下流に位置される、第2の流路(38)に流れるアルカリ化された透析液から毒素を除去するように適合される(ii)更なる無毒化ユニットとを特徴とする。第2の流路(38)は、第1の流路(37)と平行に延びることができる。
【0039】
第1の供給ユニットによって添加される酸性流体は、塩酸、硫酸、及び酢酸の少なくとも1つであることができ、第2の供給ユニットによって添加されるアルカリ性流体は、水酸化ナトリウム溶液及び水酸化カリウム溶液の少なくとも1つであることができる。第1の供給ユニットは、第1の流路における透析液のpHを1~7、好ましくは2.5~5.5のpHに調節するように適合されることができる。第2の供給ユニットは、第2の流路における透析液のpHを7~13、好ましくは8~13のpHに調節するように適合されることができる。幾つかの例においては、第1の流路における透析液のpHを下げることにより、遊離毒素及び遊離担体物質に対する毒素-担体-複合体の濃度比は、透析液中に存在する少なくとも1つの毒素において、遊離毒素側に傾けて、それによって透析液中の遊離毒素の濃度を増加させることができる。同様に、第2の流路における透析液のpHを増加させることにより、遊離毒素及び遊離担体物質に対する毒素-担体-複合体の濃度比は、透析液中に存在する少なくとも1つの毒素において、遊離毒素側に傾けて、それによって透析液中の遊離毒素の濃度を増加させることができる。更なる無毒化ユニットは、遊離毒素を少なくとも部分的に除去するように適合されることができる。
【0040】
第1及び第2の流路の少なくとも1つは、無毒化ユニットの上流に位置される温度制御ユニットを更に特徴とすることができる。温度制御ユニットは、透析液の温度を上昇又は下降させるように適合されることができる。例えば、透析液の温度を上昇させるなどして変化させることにより、遊離毒素及び遊離担体物質に対する毒素-担体-複合体の濃度比は、透析液における少なくとも1つの毒素において、遊離毒素側に傾けて、それによって透析液中の遊離毒素の濃度を増加させることができる。
【0041】
毒素は、代謝産物、ビリルビン、胆汁酸、薬物、電解質、ホルモン、脂質、ビタミン、フェノール、硫酸塩、微量元素、ミネラル、又はガスの1つであることができる。担体物質は、例えば、アルブミン、ヒト血清アルブミン、動物アルブミン、遺伝子組み換えアルブミン、グロブリン、又はリポタンパク質などのタンパク質;炭素粒子;グリコシド;核酸(又はその誘導体);脂肪酸;脂肪;炭素分子;ナノ粒子;形状記憶プラスチック(memory plastic);形状記憶金属;樹脂;二次植物物質又は天然源に由来する別の複合化合物;炭素水和物(carbon hydrate)又は合成化合物(例えば、ポリマーなど)の1つであることができる。
【0042】
無毒化ユニットと更なる無毒化ユニットは、再生透析器として、又は限外濾過デバイスとして、又は透析濾過デバイスとして実施されることができる。無毒化ユニットと更なる無毒化ユニットは、それぞれ、各無毒化ユニットから放出流体を取り出すように適合される濾過ポンプ及び排出導管を特徴とすることができる。第1の流路は、第1の流路を通して透析液を送り込むように適合された第1のポンプを特徴とすることができる。同様に、第2の流路は、第2の流路を通して透析液を送り込むように適合された第2のポンプを含むことができる。第1及び第2のポンプは、互いに独立して作動することができる。幾つかの例においては、第1の流路によって供給される酸性化された透析液は、第2の流路から供給されるアルカリ性化された透析液と混合されることができる。同様に、幾つかの例においては、第1の流路によって供給される酸性化された透析液は、第2の流路によって供給されるアルカリ性化された透析液と混合されると、酸性化された透析液及びアルカリ性化された透析液は、少なくとも部分的に、互いに中和する。幾つかの例においては、第1の流路によって供給される酸性化された透析を第2の流路によって供給されるアルカリ性化された透析液と混合することによって、再生された透析液の流れが提供される。再生された透析液は、6~11、好ましくは6.9~9.4のpH値を有することができる。透析液再生ユニットは、再生された透析液の流れのpH値を決定するように適合された少なくとも1つのセンサユニットを更に特徴とすることができる。
【0043】
透析液再生ユニットは、複数の切換弁を更に特徴とすることができる。第1の作動段階では、切換弁を設定し、それによって第1の無毒化ユニットが第1の流路に含まれ、第2の無毒化ユニットが第2の流路に含まれることができる。幾つかの例においては、第2の作動段階では、切換弁を設定し、それによって第2の無毒化ユニットが第1の流路に含まれ、第1の無毒化ユニットが第2の流路に含まれることができる。幾つかの例においては、切換弁を作動し、それによって酸性化された透析液が第1の無毒化ユニットと第2の無毒化ユニットに交互に供給され、アルカリ性化された透析液が第2の無毒化ユニットと第1の無毒化ユニットに交互に供給される。同様に、切換弁は周期的に切換えられることができる。
【0044】
透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムは、透析装置又はシステム内の1つ以上の流体、又は全ての流体の重量を測定するのに適合され、好適であることができる。透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムは、透析装置又はシステムにおける流体の比較的一定な容積を維持するのに有効であることができる。比較的一定な容積は、例えば、透析装置又はシステムが作動を始める前の初期作動容積の10%、5%、4%、3%、2%、1%又は更に0.5%又は0.2%又は0.1%内であることができる。比較的一定な容積は、24時間又は48時間の透析期間において、0.5、0.25、0.10、0.05、0.025又は0.01リットル未満の偏差であることができる。
【0045】
所定の閾値を超える初期システム重量の偏差が検出されたときに、透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムは、透析装置又はシステムの作動を調節する、改変する、又は遮断するのに好適であることができる。調節、改変、又は遮断する操作は、1つ以上の流体の流れを調節するための釣合装置又はシステム内に設けられる1つ以上のポンプを用いて行われることができる。1つ以上の流体は、例えば、透析液、濾液、限外濾過液、若しくは酸、塩基、又は透析可能化合物の溶液など、透析装置又はシステム内で使用され得る任意の流体であることができる。
【0046】
釣合装置又はシステムは、少なくとも、透析装置又はシステムのための使用可能な流体を含む第1の流体(透析流体など)のための第1のリザーバと、透析装置又はシステムからの廃棄流体を含むことができる第2の流体のための第2のリザーバを有する、釣合支持体又は容器を特徴とすることができる。第1のリザーバは、透析装置又はシステムとの流体連通のための少なくとも1つの流体出口を有することができる。第2のリザーバは、透析装置又はシステムと流体連通する少なくとも1つの流体を含むことができる。釣合装置又はシステムは、釣合支持体又は容器を秤量するための秤量手段と、秤量手段から秤量データを受け取るように構成されるコントローラとを更に特徴とすることができる。その中に含まれる少なくとも第1及び第2のリザーバを有する釣合支持体又は容器は、コントローラとデータ連通する秤量手段のロードセルと秤量接触させることができる。釣合装置又はシステムは、透析装置又はシステム内で、全流体容積を釣り合わせるのに好適であることができる。全流体容積は、透析流体などの使用可能な流体及び透析を受ける被験体又は患者からの廃棄流体を含むことができる。
【0047】
透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合システム又は装置は、透析装置又はシステムが作動を始める前に、例えば、秤量手段を用いて、少なくとも第1及び第2のリザーバを含む釣合支持体又は容器の全重量を測定し、容器の初期システム重量(sw)を決定するのに好適であることができる。容器は、例えば、透析回路のための活性物質の濃縮物などの更なる流体のための、少なくとも1つの、例えば、第3又は第4の追加のリザーバを含むことができる。透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムは、第1のリザーバ流体及び第2のリザーバ流体のためのポンプ手段を含むこともでき、それによって、初期システム重量は、維持される、所定の増加で維持される、又は所定の減少で維持されるようになる。
【0048】
透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムは、例えば、単一の容器の透析回路外側における活性物質の濃縮物など更なる流体のための、例えば、第3又は第4の追加のリザーバなどのための少なくとも1つの更なるリザーバを更に特徴とすることができる。少なくとも1つの更なるリザーバ、例えば、第3又は第4の追加のリザーバの流体出口は、透析装置又はシステムと流体連通させることができる。このように、透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な釣合装置又はシステムは、透析装置又はシステムが作動しているときに、更なるリザーバから、透析装置及びシステムに提供される任意の流体濃縮物を容積的に測定することと;流体濃縮物が透析装置又はシステムに提供されているときはいつでも、密度及び提供された容積に基づいて、透析装置及びシステムに提供される流体濃縮物の重量を計算することと;透析装置及びシステムに提供される流体濃縮物の計算された重量を加えることで、容器の初期システム重量を再計算し、再決定された初期システム重量を得ることと、に対して好適であることができる。
【0049】
幾つかのリザーバは、秤量手段によって秤量される流体密容器の外側に位置されることができる一方、透析装置又はシステムに提供される全ての流体の量は、釣合計算に含まれる。したがって、透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適な本釣合装置又はシステムは、容器又は釣合支持体の重量と実質的に常に比較される実質的に常に修正されるシステム重量を提供するのに有効である。透析患者又は被験体から得られた廃棄物又は余分な流体は、第2の(廃棄物又は濾液)リザーバなどのリザーバに集められる。患者から抽出された流体(限外濾過液)又は患者に残っている流体(ボーラス)のみが、透析装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせるのに好適なデバイスによって認識される。このような流体は、初期システム重量の増加又は減少である。したがって、起こりうる測定誤差は、劇的に減少する。
【0050】
第4の態様においては、少なくとも、透析装置又はシステム(160)において使用可能な第1の流体のための第1のリザーバ(101)及び透析装置又はシステム(160)からの第2の流体のための第2のリザーバ(102)を受容するための受容スペース(109)を有する容器(100)を特徴とする透析装置又はシステム(160)における流体の流れを釣り合わせるための装置又はシステム(90)を提供し、第1のリザーバ(101)は、透析装置又はシステム(160)と流体連通する少なくとも1つの流体出口(105)を有し、第2のリザーバは、透析装置又はシステム内の1つ以上の流体の流れ又は容積を釣り合わせるために、透析装置又はシステムと、秤量手段(130)と、及び秤量手段(130)からデータを受け取るように構成されるコントローラ(140)と流体連通する少なくとも1つの流体入口(105)を有する。容器(100)は、受容スペースを有することができる。受容スペースは、少なくともその基部及び側壁において実質的に流体密であることができる。容器(100)は、実質的に頑丈な構造で形成されることができ、例えば、流体密フィルム、箔、又は積層体など1つ以上の材料からなる流体密裏張り(lining)を設けることもできる。更に、容器(100)は、更に、容器(100)は、流体密コーティング(110)、又は流体密コーティング(110)及び流体密裏張り(111)の両方を設けることができる。容器(100)の受容スペースの最大積載容量は、通常、第1のリザーバー(101)と第2のリザーバー(102)を合わせた最大積載を超え、容器(100)の受容スペース(109)は、少なくとも80リットル、少なくとも100リットル、更には少なくとも120リットルの積載容量を有することができる。容器(100)は移動可能であり、容器(100)の基部(108)に配列された、少なくとも3つ又は4つのローラ(112)を含み、これらのローラ(112)の少なくとも1つには、1つ以上のローラ(112)の動きを阻止するためのブレーク部材(ブレーク-部材)(114)が備えられることができる。容器(100)は、折りたたみ可能であり、断熱可能である。
【0051】
秤量手段(130)は、1つ以上のロードセル(132)を特徴とすることができる。1つ以上のロードセル(132)は、ローラ(112)の1つ以上と結合されることができ、1つ以上のロードセル(132)は、ローラ(112)と容器の基部(108)における適用の固定点との間に配列される。ロードセル(131)は、プランジャー-部材(153)上に位置されることもできる。
【0052】
幾つかの例においては、容器(100)は、コントローラ(140)にロードセル(132)を接続するための秤量手段(130)のインターフェース(115)を含むことができる。容器(100)は、第1及び第2のリザーバ(101及び102)を透析装置又はシステム(160)と接続する、容器(100)内の流体ライン(104及び106)をロックし、導くための1つ以上の支持要素(116)を含むことができる。更に、第1及び第2のリザーバ(101及び102)の少なくとも1つ又は更なるリザーバは、ガスセパレータを装備することができる。リザーバ(101及び102)の流体出口(103)及び流体入口(105)は、実質的に屈曲及びよじれに耐えることができる。また、容器(100及び100.1)には支持ハウジング(150)が設けられることができる。また、支持ハウジング(150)は、支持ハウジング(150)のエントランス開口部(151)の2つの反対側に配置される2つの側壁(152.1及び152.2)を有することができる。少なくとも1つのロードセル(131)は、容器(100及び100.1)の少なくとも1つの適用の固定点(81)との秤量接触のための前記側壁(152.1及び152.2)のそれぞれと結合されることができる。ロードセル(131)の一部又は全部は、プランジャー-部材(153)に位置されることができる。プランジャー-部材(153)は、順に、それぞれの側壁(152.1及び152.2)に接続されることができ、第1の位置と第2の位置(154.1、154.2)との間において直線的に可動でよい。同様に、少なくとも第2の位置(154.2)において、1つ以上のロック部材(155.1、155.2)によって、直線運動の方向に対して垂直な1つ以上の方向に、プランジャー-部材(153)は、阻止されることができる。秤量手段(130)は、支持ハウジング(150)に配列される秤量プレート(133)を特徴とすることができ、秤量プレート(133)は、その上に容器(100及び100.1)を配置することができる支持ハウジング(150)の床を形成することができる。
【0053】
釣り合わせるための装置又はシステムは、第3のリザーバ、第4のリザーバ、第5のリザーバ、又は更に他の追加のリザーバ(93、94、95、96)を特徴とすることができ、そのような第3、第4、第5のリザーバ、又は他の追加のリザーバは、容器(100)の受容スペース(109)に、又は容器の外側に設けられることができる。第3、第4、第5、又は他の追加のリザーバ(93、94、及び95)の1つ以上は、流体のpHを調節するのに有用な溶液、透析液の成分として有用な溶液、限外濾過液、例えばアルブミン又はグルコースなどの透析液の成分のための安定剤として有用な溶液を含むのに好適であることができる。透析液は、装置若しくは透析装置又はシステムに再循環させることができる。第1、第2、第3、第4、第5、又は他の追加のリザーバ(例えば、103、105)の1つ以上からの流出は、それぞれのリザーバの実質的に最も低い点で位置されることができる。1つ以上のリザーバには、1つ以上のポートを更に特徴とすることができる。1つ以上のポートは、その中に含まれる流体のpH、濃度、密度、又は温度を測定する、若しくはリザーバからの空気又は流体を吸引するのに有用な器具を含めるように適合されることができる。同様に、流体のpH、濃度、密度、又は温度を測定する、若しくは空気又は流体を吸引するのに有用な器具は、1つ以上の管又は連結部分(connections)内、若しくは釣り合わせるための装置又はシステム内に設けられることができる。リザーバは、容易に交換可能であることができ、サイズ設定し(sized)、例えば、4~8時間、10時間、12時間、24時間、又は48時間後に変更して適合させることができる。
【0054】
コントローラ(140)は、所定の閾値を超える測定された釣り合わされた重量の偏差に基づいて、透析装置又はシステムの作動を遮断する、改変する、又は調節するよう適合されることができる。所定の閾値を超える測定された釣り合わされた重量の偏差は、繰り返し、実質的に連続的に、又は更に連続的に測定されることができる。したがって、透析装置又はシステム内において、コントローラは、透析流体、透析液、濃縮物、又は代用物などの1つ以上の流体の種々の又は異なる流速を容易にするために作動可能であることができる。
【0055】
釣合装置又はシステムは、1つ以上のポンプ(例えば、101.1及び102.1)を特徴とすることができ、これらのポンプの1つ以上は、実質的に閉じたポンプであることができる。1つ以上のポンプは、第1のリザーバから透析装置又はシステムに透析液を送り込むために作動可能であることができる。同様に、ポンプの1つ以上は、透析装置又はシステムから第2のリザーバに限外濾過液を送り込むために作動可能であることができる。
【0056】
第5の態様においては、本発明は、透析装置又はシステムにおける流体の容積又は流れを釣り合わせるためのシステムにおける使用に好適な容器(100及び100.1)を提供する。容器は、その基部(108)及び側壁(118、119.1、及び119.2)で実質的に流体密であることができ、秤量手段(130)による秤量に適合されることができる。容器は、少なくとも第1及び第2のリザーバ(101及び102)で受容するための受容スペース(109)を有することができる。受容スペース(109)の最大積載容量は、第1のリザーバ(101)と第2のリザーバ(101)を合わせた最大積載を超えることができる。容器(100及び100.1)は、頑丈な構造を有することができ、折りたたみ可能であることができ、断熱可能であることができる。頑丈な構造は、流体密フィルム、箔、又は積層体からの1つ以上の材料から形成される流体密裏張り(111)を設けることができる。頑丈な構造は、流体密コーティング(110)を設けることもでき、幾つかの例においては、頑丈な構造は、流体密コーティング(110)及び流体密裏張り(111)の両方を設けることができる。受容スペース(109)は、少なくとも80リットル、少なくとも100リットル、又は少なくとも120リットルの積載容量を有することができる。
【0057】
容器(100及び100.1)は移動可能でよく、容器(100及び100.1)の基部(108)に配列される少なくとも2つ又は3つ又は4つのローラ(112)を有することができる。ローラ(112)の1つ以上は、少なくとも1つのローラ(112)を阻止するためのブレーク-部材(114)を備えることができる。容器(100及び100.1)は、秤量手段(130)において有用な1つ以上のロードセル(132)を更に含むことができ、ロードセル(132)の1つ以上は、ローラ(112)の1つと結合されることができる。それぞれのロードセル(132)は、容器(100及び100.1)の基部(108)で、ローラ(112)と適用の固定点(81)との間に配列されることができる。実際、ロードセル(132)のそれぞれは、ローラ(112)のそれぞれと結合されることができ、ロードセル(132)のそれぞれは、容器(100及び100.1)の基部(108)で、ローラ(112)と適用の固定点(81)との間に配列されることができる。同様に、ロードセル(132)のそれぞれは、ローラ(112)に統合されることができる。
【0058】
容器(100及び100.1)は、容器(100及び100.1)のロードセル(132及び133)をコントローラ(140)に接続するための秤量手段(130)のインターフェース(115)を特徴とすることができる。容器(100及び100.1)は、容器(100及び100.1)内に配置された1つ以上の流体ライン(例えば、104及び106)をロックし、導くための1つ以上の支持要素(116)を特徴とすることができる。流体ライン(104及び106)は、第1及び第2のリザーバ(101及び102)を透析装置又はシステム(160)と接続するように適合されることができる。
【0059】
容器(100及び100.1)は、基部(108)から上がっている側壁(118、119.1、及び119.2)に配列されるドア部材(117、117.1、及び117.2)を特徴とすることができ、ドア-部材(117、117.1、及び117.2)は、側壁(118、119.1、及び119.2)の面積の少なくとも10%又は15%又は20%又は25%で占めることができる。容器(100及び100.1)は、基部(108)に反対の容器(100及び100.1)の端部に枢動的に取り付けられることができる頑丈なカバー要素(120)、及び非枢動的位置で前記カバー要素(120)を阻止するために前記容器(100及び100.1)に配置されるロック手段(121.1、121.2)を特徴とすることができる。頑丈なカバー要素(120)は、少なくとも1つのアパチャ(123)を備えることができる。容器(100及び100.1)は、容器(100及び100.1)の受容スペースを別々の区画(125.1及び125.2)に垂直又は水平に分割するために容器(100及び100.1)の内部に配列された少なくとも1つの仕切りを特徴とすることができる。仕切り(124.1)は、容器(100及び100.1)の壁(118、119.1、及び119.2)の少なくとも1つに対して傾斜(α)を有することができる。また、容器(100及び100.1)は、支持ハウジング(150)内に位置されることができる。
【0060】
第6の態様においては、本発明は、透析装置又はシステムにおける流体の流れ又は容積を釣り合わせる方法を提供し、
(a)透析装置又はシステムが作動する前に、透析装置又はシステムに存在する流体の全重量を測定することと;
(b)作動中、透析装置又はシステムに添加された1つ以上の流体の全重量を測定することと;
(c)透析装置又はシステム内の1つ以上の流体の流れを調節することと、
を特徴とする。
【0061】
作動中、透析装置又はシステムに添加された1つ以上の流体の全重量を測定することは、そのような1つ以上の流体の重量を直接測定することによって行われることができる、又は添加されたそのような流体の容量を直接測定し、公知の計算によって容積測定値を重量測定値に変換することで、容積的に行われることができる。
【0062】
前記方法は、容器(100)において、少なくとも、透析装置又はシステム(160)において利用可能な第1の流体のための第1のリザーバ(101)と透析装置又はシステムからの第2の流体のための第2のリザーバ(102)とを置くことを特徴とすることができる。第1のリザーバ(101)の流体出口及び第2のリザーバ(102)の流体入口は、透析装置又はシステム(170)と流体連通させることができる。容器は、秤量手段(130)と秤量接触して、位置されることができ、秤量手段(130)は、コントローラ(140)とデータ連通して配列されることができる。前記方法は、透析装置又はシステムが作動する前に、少なくとも1つのリザーバ(101)及び第2のリザーバ(102)を含む容器(100)の全重量を測定し、それによって容器(100)の初期システム重量(sw)を決定することを特徴とする。前記方法は、初期システム重量(sw、sw)を維持するために、所定の増加(UF)で初期システム重量(sw、sw)を維持するために、又は所定の減少(L)で初期システム重量(sw、sw)を維持するために、第1の流体及び第2の流体のためのポンプ手段(102.1、102.2)を制御することを特徴とすることができる。所定の閾値(T)を超えて、初期システム重量(sw、sw)の偏差がコントローラによって検出されると、生物学的流体回路(170)の作動は、調節されることができる、又は遮断されることができる。
【0063】
前記方法は、単一の容器(100)の外で、透析装置又はシステムにおいて使用可能な、追加の流体、例えば、活性物質の濃縮物のための少なくとも1つの追加のリザーバ(93、94、及び95)を置くことを更に特徴とすることができる。そのような例においては、より更なるリザーバ(93、94、及び95)の流体出口は、通常、透析装置又はシステムと流体連通させることができる。そのような例においては、前記方法は、透析装置又はシステムが作動しているときに、更なるリザーバ(93、94、及び95)から透析装置又はシステムへの任意の流体を容積的に測定することを更に特徴とすることができる。このように、前記方法は、透析装置又はシステムにおいて使用可能な流体(例えば、その密度及び供給される量に基づいて酸又は塩基流体濃縮物)などの流体の重量を計算することを特徴とすることができる。同様に、前記方法は、透析装置又はシステムに加えられた、透析装置又はシステムにおいて使用可能な流体(例えば、酸又は塩基流体濃縮物)などの流体の計算された重量を加えることを含む、容器の初期システム重量を再計算し、それによって再決定された初期システム重量(sw)を提供することを特徴とすることができる。
【0064】
第7の態様においては、本発明は、それを必要とする被験体を透析するための方法を提供し、
a)前記被験体から生物学的流体回路を通して生物学的流体を通すことと;
b)半透膜を通して、除去されるタンパク質結合物質のための吸着体を含む透析流体に対して、生物学的流体を透析することと;
c)前記除去されるタンパク質が結合された物質のための前記吸着体の結合親和性が減少され、前記除去される物質が溶液を通るように、前記透析流体を調節することと;
d)前記除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせること(前記被験体の流体容積は、実質的に一定である)、
とを含む。
【0065】
酸、塩基、又は透析可能物質を添加することによって、希釈によって、塩含量を変えることで、波動の照射によって、又は加熱によって、タンパク質が結合された物質に対する吸着体の結合親和性が行われるように、透析流体を調節することは、除去されるタンパク質結合物質は溶液に通過することができる。生物学的流体は、例えば、血液又は血漿、リンパ液、脳脊髄液、又は関節液であることができる。吸着体は、ヒト血清アルブミンなどのアルブミンであることができ、アルブミンは、例えば100ml当たり約1~25g、好ましくは100ml当たり1~10g、特に好ましくは100ml当たり1~3gの濃度で透析流体中に存在することができる。幾つかの例においては、塩酸は酸であり、水酸化ナトリウムは塩基であることができる。また、幾つかの例においては、前記方法は、前記除去されるタンパク質結合物質との結合に好適な1つ以上の透析可能な化合物を透析流体及び/又は生物学的流体に添加することを更に特徴とすることができる。1つ以上の透析可能な化合物は、例えば、カフェイン、若しくはペニシラミン、トリエンチン、デフェロキサミン、プレフェリプロン、HBED、ビタミンC、BAL、DMPS、又はDMSAなどの金属カチオンのキレート剤であることができる。
【0066】
除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせることは、透析装置又はシステム内の1つ以上の流体、又は全ての流体の重量を測定することによって行われることができる。1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせることは、装置又はシステム内における流体の比較的一定な容積を維持するのに有効であることができる。比較的一定な容積は、例えば、透析装置又はシステムが作動を始める前の初期作動容積の10%、5%、4%、3%、2%、1%又は更に0.5%又は0.2%又は0.1%内であることができる。比較的一定な容積は、24時間又は48時間の透析期間において、0.5、0.25、0.10、0.05、0.025又は0.01リットル未満の偏差であることもできる。
【0067】
釣り合わせることは、所定の閾値を超える初期システム重量の偏差が検出されたときに、タンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムの作動を調節又は遮断することを特徴とすることができる。調節又は遮断する作動は、1つ以上の流体の流れを調節するための装置又はシステム内に設けられる1つ以上のポンプを用いて行われることができる。1つ以上の流体は、例えば、透析液、濾液、限外濾過液、若しくは酸、塩基、又は透析可能化合物の溶液など、装置又はシステム内で使用され得る任意の流体であることができる。
【0068】
釣り合わせることは、少なくとも、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムのための使用可能な流体を含む第1の流体(透析流体など)のための第1のリザーバと、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムからの廃棄流体を含むことができる第2の流体のための第2のリザーバとを有する、釣合支持体又は容器を特徴とする釣合デバイス又はシステムを用いて行われることができる。第1のリザーバは、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムとの流体連通のための少なくとも1つの流体出口を有することができる。第2のリザーバは、透析装置又はシステムと流体連通する少なくとも1つの流体入口を含むことができる。釣合装置又はシステムは、釣合支持体又は容器を秤量するための秤量手段と、秤量手段から秤量データを受け取るように構成されるコントローラとを更に特徴とすることができる。その中に含まれる少なくとも第1及び第2のリザーバを有する釣合支持体又は容器は、コントローラとデータ連通する秤量手段のロードセルと秤量接触させることができる。釣合装置又はシステムは、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステム内で、全流体容積を釣り合わせるのに好適であることができる。全流体容積は、透析流体などの使用可能な流体及び透析を受ける被験体又は患者からの廃棄流体を含むことができる。
【0069】
釣り合わせることは、透析装置又はシステムが作動を始める前に、例えば、秤量手段を用いて、少なくとも第1及び第2のリザーバを含む釣合支持体又は容器の全重量を測定し、容器の初期システム重量(sw)を決定することを含むことができる。容器は、例えば、透析回路のための活性物質の濃縮物などの更なる流体のための、少なくとも1つの、例えば、第3又は第4の追加のリザーバを含むことができる。この方法はまた、第1のリザーバ流体及び第2のリザーバ流体のためのポンプ手段を制御することを含み、それによって初期システム重量は、維持される、所定の増加で維持される、又は所定の減少で維持されるようになる。
【0070】
前記方法は、例えば、単一の容器の透析回路外側における活性物質の濃縮物など更なる流体のための、例えば、第3又は第4の追加のリザーバなど、少なくとも1つの更なるリザーバを置くことを更に特徴とすることができる。少なくとも1つの更なるリザーバ、例えば、第3又は第4の追加のリザーバの流体出口は、透析装置又はシステムと流体連通させることができる。このように、前記方法は、体外血液処置回路が作動しているときに、更なるリザーバから、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに提供される任意の流体濃縮物を容積的に測定することと;除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに、流体濃縮物が提供されているときはいつでも、密度及び提供された容積に基づいて、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに提供される流体濃縮物の重量を計算することと;除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに提供される流体濃縮物の計算された重量を加えることで、容器の初期システム重量を再計算し、再決定された初期システム重量を得ることと、を更に特徴とすることができる。
【0071】
幾つかのリザーバは、秤量手段によって秤量される流体密容器の外側に位置されることができる一方、透析装置又はシステムに提供される全ての流体の量は、釣合計算に含まれる。したがって、本方法は、容器の重量と実質的に絶えず比較される実質的に常に修正されるシステム重量を提供する。透析患者又は被験体から得られた廃棄物又は余分な流体は、例えば、第2のリザーバなどの(廃棄物又は濾液)リザーバなどに集められる。患者から抽出された流体(限外濾過液)又は患者に残っている流体(ボーラス)のみが、釣合方法によって認識される。このような流体は、初期システム重量の増加又は減少である。したがって、起こりうる測定誤差は、劇的に減少する。
【0072】
第8の態様においては、本発明は、生物学的流体におけるタンパク質結合物質の不必要な蓄積によって特徴づけられる疾患を処置する方法を提供し、前記方法は、
a)前記被験体から生物学的流体回路を通して生物学的流体を通すことと;
b)半透膜を通して、除去されるタンパク質結合物質のための吸着体を含む透析流体に対して、生物学的流体を透析することと;
c)前記除去されるタンパク質が結合された物質のための前記吸着体の結合親和性が減少され、前記除去される物質が溶液を通るように、前記透析流体を調節することと;
d)前記除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせること(前記被験体の流体容積は、実質的に一定である)、
とを含む。
【0073】
生物学的流体中のタンパク質結合物質の不必要な蓄積によって特徴づけられる疾患は、例えば肝性脳症、硬変症、又は肝不全などの肝疾患又は腎疾患であることができる。酸、塩基、又は透析可能物質を添加することによって、希釈によって、塩含量を変えることで、波動の照射によって、又は加熱によって、タンパク質が結合された物質に対する吸着体の結合親和性が行われるように、透析流体を調節することは、除去されるタンパク質結合物質は溶液に通過することができる。生物学的流体は、例えば、血液又は血漿、リンパ液、脳脊髄液、又は関節液であることができる。吸着体は、ヒト血清アルブミンなどのアルブミンであることができ、アルブミンは、例えば100ml当たり約1~25g、好ましくは100ml当たり1~10g、特に好ましくは100ml当たり1~3gの濃度で透析流体中に存在することができる。幾つかの例においては、塩酸は酸であり、水酸化ナトリウムは塩基であることができる。また、幾つかの例においては、前記方法は、前記除去されるタンパク質結合物質との結合に好適な1つ以上の透析可能な化合物を透析流体及び/又は生物学的流体に添加することを更に特徴とすることができる。1つ以上の透析可能な化合物は、例えば、カフェイン、若しくはペニシラミン、トリエンチン、デフェロキサミン、プレフェリプロン、HBED、ビタミンC、BAL、DMPS、又はDMSAなどの金属カチオンのキレート剤であることができる。
【0074】
除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムにおける1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせることは、透析装置又はシステム内の1つ以上の流体、又は全ての流体の重量を測定することによって行われることができる。1つ以上の流体の容積又は流れを釣り合わせることは、装置又はシステム内における流体の比較的一定な容積を維持するのに有効であることができる。比較的一定な容積は、例えば、透析装置又はシステムが作動を始める前の初期作動容積の10%、5%、4%、3%、2%、1%又は更に0.5%又は0.2%又は0.1%内であることができる。比較的一定な容積は、24時間又は48時間の透析期間において、0.5、0.25、0.10、0.05、0.025又は0.01リットル未満の偏差であることもできる。
【0075】
釣り合わせることは、所定の閾値を超える初期システム重量の偏差が検出されたときに、タンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムの作動を調節又は遮断することを特徴とすることができる。調節又は遮断する作動は、1つ以上の流体の流れを調節するための装置又はシステム内に設けられる1つ以上のポンプを用いて行われることができる。1つ以上の流体は、例えば、透析液、濾液、限外濾過液、若しくは酸、塩基、又は透析可能化合物の溶液など、装置又はシステム内で使用され得る任意の流体であることができる。
【0076】
釣り合わせることは、少なくとも、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムのための使用可能な流体を含む第1の流体(透析流体など)のための第1のリザーバと、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムからの廃棄流体を含むことができる第2の流体のための第2のリザーバとを有する、釣合支持体又は容器を特徴とする釣合デバイス又はシステムを用いて行われることができる。第1のリザーバは、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステムとの流体連通のための少なくとも1つの流体出口を有することができる。第2のリザーバは、透析装置又はシステムと流体連通する少なくとも1つの流体を含むことができる。釣合装置又はシステムは、釣合支持体又は容器を秤量するための秤量手段と、秤量手段から秤量データを受け取るように構成されるコントローラとを更に特徴とすることができる。その中に含まれる少なくとも第1及び第2のリザーバを有する釣合支持体又は容器は、コントローラとデータ連通する秤量手段のロードセルと秤量接触させることができる。釣合装置又はシステムは、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステム内で、全流体容積を釣り合わせるのに好適であることができる。全流体容積は、透析流体などの使用可能な流体及び透析を受ける被験体又は患者からの廃棄流体を含むことができる。
【0077】
釣り合わせることは、透析装置又はシステムが作動を始める前に、例えば、秤量手段を用いて、少なくとも第1及び第2のリザーバを含む釣合支持体又は容器の全重量を測定し、容器の初期システム重量(sw)を決定することを含むことができる。容器は、例えば、透析回路のための活性物質の濃縮物などの更なる流体のための、少なくとも1つの、例えば、第3又は第4の追加のリザーバを含むことができる。この方法はまた、第1のリザーバ流体及び第2のリザーバ流体のためのポンプ手段を制御することを含み、それによって初期システム重量は、維持される、所定の増加で維持される、又は所定の減少で維持されるようになる。
【0078】
前記方法は、例えば、単一の容器の透析回路外側における活性物質の濃縮物など更なる流体のための、例えば、第3又は第4の追加のリザーバなどのための少なくとも1つの更なるリザーバを置くことを更に特徴とすることができる。少なくとも1つの更なるリザーバ、例えば、第3又は第4の追加のリザーバの流体出口は、透析装置又はシステムと流体連通させることができる。このように、前記方法は、体外血液処置回路が作動しているときに、更なるリザーバから、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに提供される任意の流体濃縮物を容積的に測定することと;除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに、流体濃縮物が提供されているときはいつでも、密度及び提供された容積に基づいて、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに提供される流体濃縮物の重量を計算することと;除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに提供される流体濃縮物の計算された重量を加えることで、容器の初期システム重量を再計算し、再決定された初期システム重量を得ることと、を更に特徴とすることができる。
【0079】
幾つかのリザーバは、秤量手段によって秤量される流体密容器の外側に位置されることができる一方、透析装置又はシステムに提供される全ての流体の量は、釣合計算に含まれる。したがって、本方法は、容器の重量と実質的に絶えず比較される実質的に常に修正されるシステム重量を提供する。透析患者又は被験体から得られた廃棄物又は余分な流体は、例えば、第2のリザーバなどの(廃棄物又は濾液)リザーバなどに集められる。患者から抽出された流体(限外濾過液)又は患者に残っている流体(ボーラス)のみが、釣合方法によって認識される。このような流体は、初期システム重量の増加又は減少である。したがって、起こりうる測定誤差は、劇的に減少する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1図1は、生物流体(bilogical fluid)回路、透析器を有する透析回路、透析液再生ユニット、及び釣合装置又はシステムを特徴とする、本明細書中に記載される透析装置又はシステムの図である。更に、透析装置又はシステム内の流体のpH及び温度を調節するための手段が提供される。
【0081】
図2図2は、装置又はシステムにおいて、加熱及び冷却デバイス及び代用物を加えるためのデバイスを含む透析装置又はシステムの簡略化した図である。
【0082】
図3図3は、装置又はシステムにおいて、pHを調節するためのデバイスを含む透析装置又はシステムの簡略化した図である。
【0083】
図4図4は、透析流体回路において、加熱及び冷却デバイス、pHを調節するためのデバイス、代用物を加えるためのデバイスを有する透析装置又はシステムの簡略化した図である。
【0084】
図5図5は、透析システムの概略ブロック図を提供する。
【0085】
図6は、透析装置又はシステムのより詳細な図を提供する。
図6A図6Aは、透析装置又はシステムが透析液リザーバを特徴とする1つの実施形態を示す。
図6B図6Bは、透析装置又はシステムが透析液リザーバを特徴とする別の実施形態を示す。
【0086】
図7図7は、容器が支持ハウジング内で、容器の第1の位置に位置される釣合装置又はシステム及び透析装置又はシステムの図を示す。
【0087】
図8図8は、容器が第2の位置にある釣合装置又はシステム及び透析装置又はシステムの模式図を示す。
【0088】
図9図9は、図7における線III-IIIに沿った断面図である。
【0089】
図10図10は、図8の線IV-IVに基づいた釣合装置又はシステム及び透析装置又はシステムの断面図である。
【0090】
図11図11は、図7~10の容器の模式側面図である。
【0091】
図12図12は、内部構造を見るための、透明な側壁と共に示される図11の容器の側面図である。
【0092】
図13図13aは、図7の印VIIによる容器の壁部分の拡大断面図である。図13bは、図7の印VIIによる容器の壁部分の拡大断面図図である。図13cは、図7の印VIIによる容器の壁部分の拡大断面図である。
【0093】
図14図14は、図7~13の容器の上面図である。
【0094】
図15図15は、釣合装置又はシステムのための別の容器の概略正面図である。
【0095】
図16図16は、支持ハウジング内に位置された容器を有する透析装置又はシステムの概略正面図である。
【0096】
図17図17は、釣合装置又はシステムのための別の容器の透明な側面図である。
【0097】
図18図18は、釣合装置又はシステムのための別の容器の透明な側面図である。
【0098】
図19図19は、釣合装置又はシステムのための別の容器の正面図である。
【0099】
図20図20は、釣合装置又はシステムのための別の容器の背面図である。
【0100】
図21図21は、折りたたまれた状態の図20における容器を示す。
【0101】
図22図22は、図11の印XIVによる容器のローラの拡大図を示す。
【0102】
図23図23は、釣合装置又はシステム及び透析装置又はシステムの機能図である。
【0103】
図24図24は、釣合方法の機能を示す図を示す。
【0104】
図25図25は、本明細書中に記載される透析装置又はシステムを表す図を提供する。
【0105】
図26図26は、本明細書中に記載される透析装置又はシステムを表す別の図を提供する。透析装置又はシステムは、クロススイッチ及び流体を測定する手段(例えば、pH)を特徴とする。
【0106】
図27図27は、本明細書中に記載される透析装置又はシステムを表す更に別の図を提供する。
【0107】
図28図28は、本明細書中に記載される透析装置又はシステムを表す更に別の図を提供する。
【0108】
図29図29は、本明細書中に記載される透析装置又はシステムを表す更にもう1つの図である簡略されたバージョンを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0109】
本方法及びシステムは、以下の要素及び工程を特徴とする。本発明の更なる特徴、その性質及び様々な利点は、添付の図面及び以下の好ましい実施形態の詳細な説明からより明らかになる。
除去されるタンパク質結合物質
【0110】
「タンパク質結合物質」又は「除去されるタンパク質結合物質」は、例えばアルブミンなどのタンパク質に結合する、大小にかかわらず任意の分子又は成分を意味する。結合は、特異的又は非特異的であってもよく、大きい親和性、顕著な親和性、又は弱い親和性であることができる。タンパク質は、例えばヒト血清アルブミンなどのアルブミンであることができる。したがって、「タンパク質結合物質」又は「除去されるタンパク質結合物質」という用語は、測定可能又は観察可能な親和性を有するヒト血清アルブミンなどのアルブミンに結合する、大小にかかわらず任意の分子又は成分を含む。アルブミンに結合するそのような物質の詳細な説明は、Peters,Tによる“All About Albumin:Biochemistry,Genetics,and Medical Applications,”1995;New York:Academic Press,Chapter3によって提供される。例示的な除去されるタンパク質結合物質は、プロトン(H+)、水酸化イオン(OH-)、及び例えば、O、CO、N、Ar、CO、He、N、Ne、及びCHなどのガスも含む。
【0111】
FasanoのLife2005;57(12):787~796は、ヒト血清アルブミンのリガンド結合特性を教示する。ヒト血清アルブミンは、血漿中で最も顕著なタンパク質であり、複数の部位でリガンドの異なるクラスを結合する。ヒト血清アルブミンは、多くの化合物のための貯蔵所を提供し、多くの薬物の薬物動態に影響を与え、代謝修飾を提供する張りつめた配向(strained orientation)におけるリガンドを保持し、潜在的な有害毒素を無害にし、それらを処分部位に輸送し、ヒト血清の抗酸化能力の大部分を占める。単量体のヒト血清アルブミンの球状ドメイン構造組織は、多量体タンパク質のものを連想させるアロステリック特性の根幹にある。
【0112】
表1は、「タンパク質結合物質」又は「除去されるタンパク質結合物質」という用語の範囲内の幾つかの例示的な分子又はその成分のリストを、幾つかの報告された結合定数と共に提供する。
【化0】
【0113】
アルブミンの内因性リガンドの幾つかの例としては、例えば、脂肪族脂肪酸(Bhattacharyaら、(2000)J.Mol.Biol.303:721-732;Petitpas,ら、(2001)J.Mol.Biol.314:955-960;Kragh-Hansenら、(2006)J.Mol.Biol.363:702-712);Hamilton,Biochim.Biophys.Acta(2013)1830:5418-5426;Fujiwaraら、(2013)Biochim.Biophys.Acta 1830:5427-5434)、ビリルビン及びヘミン(Zunszainら、(2008)J.Mol.Biol.381:394-406;Wardellら、(2002)Biochem.Biophys.Res.Commun.291:813-819;Zunszainら、(2003)BMC Struct.Biol.3,6;Tsuchidaら、(2009)Bioconjug.Chem.20:1419-1440)、甲状腺ホルモン(Petitpasら、(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 100:6440-6445)、レチノール及びレチノイン酸(N’soukpoe-Kossiら、(2007)Int.J.Biol.Macromol.40:484-490)、尿毒素(Sakaiら、(1995)Biol.Pharm.Bull.18:1755-1761;Ghumanら、(2005)J.Mol.Biol.353:38-52)、Cys34(Kragh-Hansenら、(2002)Biol.Pharm.Bull.24:695-704)、ホモシステインチオラクトン(メチオニル-tRNAからなる、S-ニトロソホモシステイン(S-nitrosohomocysteine)、内皮細胞に形成される(Glowackiら、(2004)J.Biol.Chem.279:10864-10871)、一酸化窒素(NO)(Ishimaら、(2013)BioMedRes.Int.Article ID 353892)、Cu2+及びNi2+(Rozgaら、(2007)J.Biol.Inorg.Chem.12:913-918)、遷移金属イオン(Balら,(2013)Biochim.Biophys.Acta 1830:5444-5455;Barnettら、(2013)Biochim.Biophys.Acta 1830:5456-5464)が挙げられる。
【0114】
アルブミンの外因性リガンドの幾つかの例としては、例えば、バクテリア(Lejonら、(2004)J.Biol.Chem.279:42924-42928)、レスベラトロール(Xiaoら、(2008)J.Fluoresc.18:671-678;Bourassaら、(2010)J.Phys.Chem.B114:3348-3354)、貴ガス(Setoら、(2008)Anesth.Analg.107:1223-1228)が挙げられる。
【0115】
更に、ヒト血清アルブミンは、立体選択的に、非常に多数の種々の内因性及び外因性の化合物に結合することができる(Chuangら、(2006)Chirality 18:159-166)。更に、アルブミンは、多数の薬物に結合する(Ghumanら、(2005)J.Mol.Biol.353:38-52;Wangら、(2013)Biochim.Biophys.Acta 1830:5356-5374;Kragh-Hansenら、(2002)Biol.Pharm.Bull.25:695-704;Otagiri、(2005)Drug Metab.Pharmacokinet.20:309-323;Fanaliら、(2012)Mol.Aspects Med.33:209-290)。例えば、Worldwide Protein Data Bank(www.wwpdb.org)は、少なくとも106個の異なるリガンド-ヒト血清アルブミン錯体の構造を提供する(2014年8月21日)。
【0116】
薬物過剰摂取を含む多数の内因性毒素及び外因性毒素は、水溶性非結合毒素を受動的に除去することもできる、アルブミンによって促進される体外透析によって、体から除去されることができる(Mitzner(2011)Ann.Hepatol.10(1):S21-28;Taguchiら、“Albumin dialysis” in Otagiriら、(eds.)(2013)Human serum albumin.New insights on its structural dynamics,functional impacts and pharmaceutical applications.Sojo University Publishing Center,Kumamoto,Japan,pp.401-415).アルブミンは、一酸化炭素、二酸化炭素、水素イオン、及び炭酸水素に結合することもできる。アルブミンによる薬物ライブラリースクリーニングのためのハイスループット(high-throughput)の溶液系の方法が開発されてきている(Flarakosら、(2005)Anal.Chem.77:1345-1353)。
【0117】
Vanholderら、J Am Soc Nephrol 2008:19:863-87は、実質的な罹患率及び死亡率をもたらす尿毒症性効果のモデルとして心血管損傷に焦点を当てると、血管系内の様々な細胞タイプの機能に影響を及ぼす可能性のあるほとんどの分子は、透析によって除去することが困難であることを教示する。例としては、より大きな中間分子量分子及びタンパク質結合分子である。最近の臨床研究は、これらの化合物の除去を高めることが、生存に有益であることを示唆する。そのような尿毒症毒素の例は、Uremic Toxin Database(http://www.uremic-toxins.org/DataBase.html)に提供される。
【0118】
Malhotraら、Pharmacogenet Genomics 2014;24(12):582-587は、キャリアとして、アルブミンを用いるsiRNA遺伝子治療を教示する。RNA干渉又は転写後遺伝子サイレンシングは、分子腫瘍学における遺伝子治療のための最も革新的で、高度に特異的であり、且つ効率的な技術の1つである。これはすでに、目的の遺伝子の発現を効率的に発現停止すると、癌を含む種々の疾患のための分子機構の解析のための十分に確立された研究ツールである。しかしながら、その適切な治療的使用のためには、効率的な腫瘍特異的in vivoの運搬機構が不可欠である。アルブミンは、内因性天然ナノ粒子であるので、低分子干渉RNAの運搬モジュールとして用いられることができる。
【0119】
除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステム及びそれを用いる透析の方法
【0120】
本発明は、好適な手段を用いて、透析流体回路、生物学的流体回路、又は両方の回路における、遊離毒素及び遊離タンパク質に対する毒素-タンパク質複合体の濃度比が、遊離物質側に傾けて、その後毒素が除去される。同様に、遊離毒素と吸着剤に対する吸着された毒素の濃度比を考慮することも可能である。このプロセスは、溶液中で一度、生物学的流体から容易且つ効率的に毒素が除去されることができるという利点を提供する。このプロセスは、明らかなコスト面での利点と相まった、迅速な透析を可能にするだけでなく、生物学的な流体の特に徹底的な精製を達成することを可能にする。血液又は血漿精製の場合、このプロセスは、急性的に生命を脅かす状態における救急医療の分野において、成功した処置に重要な、より患者に優しい処置方法を更に提供する。
【0121】
「溶解物質」及び「遊離毒素」という用語は、溶媒によって溶媒和された個々の分子だけでなく、透析可能物質に結合したものも意味すると理解される。透析可能物質に結合した毒素はまた、複合体として透析可能であり得る。
装置又はシステム
【0122】
遊離毒素及び遊離タンパク質に対する毒素-タンパク質複合体の濃度比を変更する手段は、使用可能な流体のpHを調節するデバイス、使用可能な流体の温度を調節するデバイス、代用物を添加し、使用可能な流体の組成(例えば、塩含量)を希釈又は変更するデバイス、除去される物質に結合する透析可能化合物を添加するデバイス、又は使用可能な流体に波動、電場、電磁場、又は磁場を照射するためのデバイスを特徴とすることができる。異なるデバイスは、任意の所望の方法で互いに組み合わせることができる。pHを調節するための少なくとも1つのデバイスと、循環システムの温度を調節するための少なくとも1つのデバイスとを使用することが好ましい。
【0123】
本発明の1つの利点は、すなわち酸、塩基、代用物、又は透析可能な物質の溶液を添加する従来のデバイス、又は従来の加熱装置、冷却装置、又は超音波装置、又は光、赤外線、紫外線、又は電磁波の他の発生器などの単純な手段によって、タンパク質結合物質と担体タンパク質又は吸着体との間の結合を弱めることによって、除去される物質を簡単且つ費用効果の高い方法で可溶化することができることである。溶解した物質(毒素)は透析可能であり、したがって除去が容易である。毒素に対するアルブミン又は吸着体のような担体タンパク質の結合親和性は、多くの手段によって選択的に低下させることができ、それによって溶液中の遊離毒素の濃度を増加させることができる。生物学的流体又は透析流体中のタンパク質が結合された物質は、実際に、少量の非結合物質と平衡状態にある。結合親和性を低下させることにより、非結合の、透析可能な物質の濃度を増加させることが可能になり、遊離物質が溶液に移行する。
【0124】
透析流体回路が、遊離毒素及び遊離タンパク質に対する毒素-タンパク質複合体の濃度比を変化させるための少なくとも1つの手段を含む場合、透析流体は、生物学的流体から除去される物質のための吸着体を含むべきである。生物学的流体中のタンパク質結合毒素の僅かな割合では、溶液中で遊離形態であり、この割合は、透析装置中の半透膜を通して拡散することができ、透析流体中の吸着体の遊離結合部位に結合することができる。次に、遊離毒素及び遊離タンパク質に対する毒素-タンパク質複合体の濃度比を変化させる手段、例えば酸を添加するための手段を介して、吸着体と毒素との結合親和性が少なくとも一時的に低下し、除去される物質が溶液に通過することを可能にする。除去される物質は、透析(拡散)又は濾過(対流)又は両方のプロセスの組み合わせ(以下、透析濾過と称する)を介して、透析回路から除去することができる。また、吸着体及び遊離毒素は、例えば、血漿交換療法を実施するための血漿分離において使用されるように、遠心分離によって分離されることができる。
【0125】
遊離毒素及び遊離タンパク質に対する毒素-タンパク質複合体の濃度比を変更するための少なくとも1つの手段は、担体タンパク質に結合された、除去される物質を含む生物学的免疫回路においても提供されることができる。幾つかの例においては、生物学的流体回路と透析流体回路の両方は、遊離毒素及び遊離タンパク質に対する毒素-タンパク質複合体の濃度比を変更する少なくとも1つの手段を含む。異なる結合挙動を有する物質は、特に異なる尺度(measures)が組み合わされる場合に、利用可能な種々の手段によって除去されることができる。
【0126】
流体のpHを酸性及び/又は塩基性範囲に調節することにより、異なる物質のそれぞれの担体タンパク質又は吸着体への結合に選択的に影響を及ぼすことが可能になる。したがって、酸を添加することにより、流体のpHを下げることが可能になり、それによって酸性範囲のタンパク質に対する特定の毒素の結合が減少し、流体中の遊離毒素の濃度が増加する。例えば、アルブミンへの銅イオンの結合は、このようにして弱めることができ、それによって、以下のフィルタ中の溶解された遊離銅イオンは、透析、濾過、透析濾過、遠心分離、電界、又は重量差による選別によって除去されることができる。同様に、流体のpHを塩基性範囲に調節することにより、アルカリ性範囲内で遊離した毒素は、透析、濾過、又は透析濾過によって流体から除去されることができる。したがって、塩基を添加することによって、タンパク質への特定の毒素の結合を弱めることができ、流体中の遊離毒素の濃度を増加させることが可能である。8~13のpH範囲が多くの場合好ましい。
【0127】
透析、濾過、透析濾過、又は遠心分離によって流体から毒素を除去した後、pHは、異なる有利な値に任意に調節される。これは、特に、吸着体(例えば、アルブミン)と働く場合に望ましいことがある。毒素における吸着体の親和性が再び増加するように、異なる有利なpHが選択されることができる。これにより、吸着体の再利用が可能になる。
【0128】
循環システム(精製される透析流体又は生物学的流体のための)は、好ましくは2つ、より好ましくは3つの、pHを調節するためのデバイスを含み、それによってpHは、第1のデバイスによって酸性又は塩基性範囲に調節され、第2のデバイスで、それぞれ塩基性又は酸性範囲に調節され、第3のデバイスでもとの範囲(通常は中性)に戻って調節されることができる。循環システム(精製される透析流体又は生物学的流体のための)は、温度を調節するための2つのデバイスを含むことができ、それによって例えば加熱して、使用可能な流体を以前の温度に戻すか、又は冷却によって別の所望の温度に戻すことができる。幾つかの例においては、循環システムは、pHを調節するための3つのデバイス、及び温度を調節するための2つのデバイスを含む。
【0129】
透析流体回路及び/又は生物学的流体回路に設けられた透析、濾過、又は透析濾過デバイスによって、溶解した透析可能物質は、担体タンパク質又は吸着体の分離後に、流体(精製される透析流体又は生物学性流体)から容易且つ効率的に除去されることができる。これは、当業者に公知であるような従来の透析装置を使用して達成されることができる。更に、pH/温度値を変更するためのデバイス、及びこれらの変化を適切に監視するためのデバイスを使用することが好ましい。有利に、流体から遊離した溶解物質を直接除去するために、使用される流体のpH又は温度を調節するデバイスから下流に、透析、濾過、透析濾過、又は遠心分離デバイスが挿入される。幾つかの例においては、酸又は塩基を添加するためのデバイス、透析デバイス、透析濾過デバイス、濾過又は遠心分離のデバイス、塩基又は酸を加えるためのデバイス、透析、濾過、透析濾過、又は遠心分離デバイス、及び酸又は塩基を添加するためのデバイスが、この順序で、透析流体回路及び/又は生物学的流体回路に設けられている。これにより、透析流体及び生物学的流体から異なるタンパク質結合物質を非常に効率的に除去することが可能になり、次に精製された透析流体を透析器へ再利用され、タンパク質結合物質を有する吸着体を再充填することができる。
【0130】
遊離毒素及び遊離タンパク質に対する毒素-タンパク質複合体の濃度比を変化させる手段、例えばpHを調節するためのデバイスが生物学的流体回路にのみ配列される1つの実施形態の利点は、不必要なタンパク質結合毒素を除去するために、透析流体は、例えば、受容体タンパク質アルブミンなどの吸着体を必ずしも含む必要がなく、透析コストを劇的に減少させることである。
【0131】
pHを調節するためのデバイスは、特に、例えば計測ポンプなど、酸又は塩基を添加するためのデバイスを含む。適切な酸又は塩基は、生物学的適合性の酸又は塩基の水溶液である。その共役塩基又は酸がヒトの器官において天然に生じるイオンである酸又は塩基を使用することが一般に好ましい。使用されることができる酸の例は、塩酸、硫酸、又は酢酸であり、塩酸が好ましい。使用されることができる塩基の例は、水酸化ナトリウム溶液又は水酸化カリウム溶液であり、水酸化ナトリウム溶液が好ましい。生物学的又は透析流体は、酸を添加することによって、例えば、1~7のpH、有利には2.5~5のpHに、塩基を添加することにより7~13のpH、有利には8~13のpHに調節されることができる。それぞれの特定の場合において、所望のpHは、使用される流体の性質、タンパク質の性質、及び除去される物質の特性に実質的に依存する。例えば、アルブミンに対する銅の結合親和性は、約2のpH範囲で有意に低下される。逆に、これは、約3を超えるpHでアルブミンに対して銅が特に高い親和親和性を有することを意味する。例えば、アルブミンに対するビリルビンの結合親和性が約12のpHで有意に低下されることも観察されてきている。
【0132】
温度調節のためのデバイスは、特に、従来の加熱装置、マイクロ波装置、赤外線装置などの加熱デバイスや、従来の冷却ユニットなどの冷却デバイスを含む。1つ以上の加熱/冷却デバイスは、透析流体回路及び/又は生物学的流体回路に配列されることができる。特に、除去される物質は、使用可能な流体を加熱又は冷却することによって可溶化されることができ、生物学的流体又は透析流体は、冷却又は加熱によって所望の温度に戻すことができる。使用される温度勾配の性質及び程度は、流体、吸着体、及び除去される毒素の性質に依存する。例えば、最初に加熱してから再び冷却することが可能である。逆のプロセスも有利であり得る。加熱/冷却を段階的に実施することも有利であり得る。
【0133】
本発明の別の利点は、使用可能な透析流体を冷却又は加熱するためのデバイスによって、吸着体の結合親和性が選択的に増加させることができ、それによって透析流体中に拡散した遊離の溶解された物質が、再利用された吸着体によって結合されることができる。
【0134】
使用される流体の所望の温度は、それらの性質に実質的に依存する。使用される生物学的流体が、血液又は血漿又はその画分などの部分的血液生成物である場合、約150℃まで(対応する圧力増加に対応して、例えば、ミルクの加熱殺菌に使用される)、好ましくは45℃までの温度に加熱することが可能である。したがって、生理学的範囲を超えた加熱も可能である。患者における体外回路において本発明による透析手段を使用する場合、肝性脳症を伴う患者の症例において、35~37℃、又は約35℃の範囲において、患者の最適値に、温度を再び下げることができる。透析流体回路において、温度を調節するためのデバイスが用いられる場合、蒸気、圧力上昇、又は他の安定剤(アルブミンの低温殺菌処置から知られる)を提供することにより、温度は、150℃を超えてに上昇させることもできる。
【0135】
循環システムで使用される流体の加熱は、加熱装置、若しくはマイクロ波又は赤外線による照射による流体充填チューブシステムの直接加熱を介して、行われることができる。透析流体回路においてのみ、加熱デバイスを有することで十分であることもあるが、透析器における透析流体と精製される流体との間の熱交換のために、生物学的流体は、同様に加熱される。幾つかの例においては、エントランスから透析流体回路又は生物学的流体回路までの上流で、加熱デバイスは、pHを調節するためのデバイス又は代用物を添加するためのデバイスから下流に挿入されることもできる。この場合、温かい溶液を添加することによって、透析流体及び/又は精製される流体は、加熱される。
【0136】
波動を用いた照射のためのデバイスとして、超音波装置が用いられることができる。他の適切なデバイスは、光波、紫外線、赤外線、電波、マイクロ波、及び一定又は変化する電場又は磁場を発生させるのに好適なものである。
【0137】
遊離毒素及び遊離タンパク質に対する毒素-タンパク質複合体の濃度比を変えるための他の可能な手段は、除去される物質に結合する透析可能化合物を加えるためのデバイスである。前記手段は、透析可能化合物の水溶液を導入する従来の計測ポンプであることができる。透析可能物質は、そのうちの幾つかが毒素と結合しており、従来の透析又は透析濾過デバイスを介して容易に除去されることができる。用いられることができる結合化合物は、除去される物質に対する強い親和性によって区別される低/中間分子量の透析可能化合物である。これらの化合物としては、ビリルビンに結合するカフェイン;及び銅イオン又は鉄イオンなどの金属カチオンに結合する、ペニシラミン、トリエンチン、デフェロキサミン、プレフェリプロン、HBED、ビタミンC、BAL、DMPS、又はDMSAなどの共通のキレート剤が挙げられる。透析による不完全な除去の場合に、生物学的流体の起こり得るコンタミネーションによる合併症を回避するために、透析可能化合物は、生物学的流体及び透析流体の両方に添加されることができるが、好ましくは透析流体に添加されることができる。遊離毒素及び遊離タンパク質に対する毒素-タンパク質複合体の濃度比(例えばpHの増加、及び結合化合物(例えば、カフェイン)の添加)を変更するための2つの手段を用いる場合に、相乗効果も起こり得る。
【0138】
使用可能な流体の塩含量を希釈又は変更するための代用物を添加するためのデバイスは、代用物溶液が添加されることができる従来の計測ポンプを含む。このようなデバイスは、好ましくは、そこから下流に挿入される加熱デバイスと組み合わせて使用され、それによって温かい代用物が、使用される流体の回路に加えられることが好ましい。好適な代用物溶液は、尿素と同様に種々の塩を含むことができる水溶液である。これらの溶液は、必要に応じて、塩を添加することで所望の濃度に調節されることができる商業的な透析流体であることができる。しかしながら、ヘパリン又はクエン酸などの血液を薄くするための薬剤、塩などの浸透平衡を変更するための物質、又は負又は正に荷電した物質など電気生理学的平衡を変更する(ドナン効果:Donnan effect)ための物質などの安定剤を用いることも可能である。代用物は、流体中の塩濃度を変更することによって、除去される物質を可溶化するためだけに働くわけではない。例えば、血液など、生物学的流体の塩濃度は、代用物を加えることで、患者の状態に応じて、正確に調節されることができる。更に、それはまた、透析回路において、毒素に対する再利用された吸着体の結合能力を復元するために用いられることもできる。また、尿素の添加は、吸着体の結合能力を改善するために必要であることがある。
【0139】
用いられる透析器は、例えば、血液透析に現在用いられる従来の透析器であることができる。現在透析に用いられているいるものより大きな孔を有する膜を用いることも可能である。透析器は、従来の半透性透析膜を備え、膜を通る拡散は、濾過による対流輸送によって任意に支持されることができる。透析器は、透析膜によって分離された2つのチャンバを本質的に含み、そのそれぞれに、使用される流体のための循環システム(チューブシステム)が接続されている。精製される生物学的流体及び透析流体は、従来、逆流で運ばれているが、並流で運ばれることもできる。圧力計、空気検出器、ヘパリンポンプ、血液ポンプなどのポンプデバイスなどの透析器の従来の部品は、手段の一部を形成する。本発明による手段は、必要に応じて、遅い透析液流(1~2l/h)及び通常の透析液流(25~150l/h)の両方、並びに中間速度を達成することができる。
【0140】
本発明による手段又は本発明によるプロセスにおいて使用されることができる生物学的流体は、全てのヒト又は動物の体液、特に血液又は血漿、特に好ましくはヒト起源のものを含む。使用される生物学的流体からタンパク質が結合された物質を除去することは、水溶性物質、例えば尿素又は従来の透析において通常取り除くことができる種々のイオンなどの除去によって、同時に達成されることができる。除去されるタンパク質結合物質は、担体タンパク質アルブミンに結合されることが好ましい。本発明における手段は、医療分野における血液及び血漿の精製に特に好適であり、血液バンク処理の分野及び患者の体外透析の両方の分野で用いられることができる。
【0141】
使用される透析流体は、当業者に知られているものなどの従来の透析流体であることができる。イオン濃度は、個々の患者のニーズに適合されることができる。必要に応じて、通常のイオン含有水溶液又は純水が用いられることができる。従来の透析流体は、除去されるタンパク質結合物質のための吸着体と共に任意に提供される。可能な吸着体の例としては、樹脂酸塩及びアクセプタータンパク質、並びにヒト血清アルブミン、動物アルブミン、又は遺伝子組み換えアルブミンであることができるアルブミンである。ヒト血清アルブミンが特に好適である。血清アルブミン溶液は、水、従来の透析流体、又は他の流体で任意に希釈されることができる。用いられる透析流体は、100ml当たり約1~25g、好ましくは100ml当たり1~10g、特に好ましくは100ml当たり1~3gの濃度で、ヒト血清アルブミンを含むことができる。
【0142】
用いられることができる他の透析流体は、血液、血清、又は新鮮な凍結血漿である。透析流体は、バイオリアクターからの透析液でもあることもできる。バイオリアクター(肝臓置換療法(hepatic replacement therapy)のための生存肝細胞を扱うシステム)には、膨大な量の血液が現在必要とされる。したがって、バイオリアクターの循環中に最大1リットルの血液は、患者の循環から取り出される必要がある。しかしながら、バイオリアクター内の肝細胞の合成機能を刺激するためには、肝臓で通常除去される有毒物質を含む透析液を使用するシステムを使用すれば十分であることもできる。したがって、記載される透析液は、最初に体外回路のバイオリアクターを通って通過されることができる。その後、この透析液は、精製され、透析液は患者に戻される。これを行うには、アルブミンを透析液に連続的に添加するか、又は現在使用されている透析フィルタよりもアルブミンに対してより透過性のあるキャピラリー又は膜を使用することが必要なことがある。本明細書に記載される手段には、使用される流体の対応する特性を監視するために、1つ以上の従来のpHメータ及び/又は温度計を備えることができる。
透析の方法
【0143】
装置又はシステムは、生物学的流体から不要物質を除去するためのプロセスにおいて用いられることができる。生物学的流体は、半透膜を通して透析流体に対して透析される。透析流体は、除去されるタンパク質結合物質に対する吸着体を含み、結合された物質に対する吸着体の結合親和性が少なくとも一時的に低下されるように、酸、塩基、又は透析可能物質を添加することによって、希釈によって、塩含有量を変えることによって、波動の照射によって、又は加熱によって、透析流体は、調節され、それによって透析流体中の遊離不要物質の濃度を上昇させることができる。また、結合された除去される物質に対する担体タンパク質の結合親和性が低下されるように、生物学的流体は、酸、塩基、又は透析可能物質を添加することによって、希釈によって、塩含有量を変えることによって、波動の照射によって、又は加熱によって、調節されることができ、それによって生物学的流体中の遊離不要物質の濃度を上昇させることができる。このプロセスは、透析流体又は生物学的流体の、酸、塩基、又は透析可能物質の少なくとも2倍の添加、希釈、塩含有量の変更、波動による照射、又は加熱/冷却を特徴とする循環システムを用いることができる。
【0144】
本発明によるプロセスは、一般に、生物学的流体を精製するために用いられることができる。生物学的流体は、全てのヒト又は動物の体液、特に血液又は血漿、特に好ましくはヒト起源のものを含む。ここでは、取り出された流体、特に血液又は血漿を身体に戻したり、他の目的に利用できるようにすることが可能である。したがって、例えば、血液ボトルが精製されることができ、又は精製された生物学的流体が他の商業目的又は研究目的のために利用可能にすることができる。
【0145】
図2は、体外回路における、加熱及び冷却デバイスと代用物を添加するためのデバイスを有する透析装置又はシステムの簡略化した図である。図3は、体外回路におけるpHを調節するためのデバイスを有する透析装置又はシステムの簡略化した図である。図4は、透析流体回路における、加熱及び冷却デバイス、pHを調節するためのデバイス、及び代用物を添加するためのデバイスを有する透析装置又はシステムの簡略化した図である。
【0146】
図2は、透析器1、透析流体回路2(図中でのみ示される:使用された透析液は、本実施形態においては再生される必要はない)、生物学的流体回路3(図中でのみ示される)、加熱及び冷却装置6、代用物を添加するためのデバイス7、及び温度計10から実質的になる血液透析の手段を示す。透析器1に入る前に、加熱装置6で加熱された、例えば、従来の血液濾過溶液からの代用物は、デバイス7を介して、生物学的流体回路3中の血液などの生物学的流体に添加される。温かい生物学的流体は、その後透析器1の生物学的流体チャンバに入る。血液などの生物学的流体の温度が上昇されると、担体タンパク質からのタンパク質が結合された物質の遊離が増加し、それによって、溶解された透析可能な毒素のプールが増え、透析膜を通って、透析器1の透析チャンバに拡散する。タンパク質が結合された物質が精製された、血液などの生物学的流体が、透析器1を出ると、冷却ユニット6によって、生理学的に許容できる温度に再度冷却され、温度計10によってチェックされる。又は、血液などの生物学的流体の温度、つまり患者の温度は、透析液温度を制御することによって調節されることもできる。血液などの生物学的流体は、その後、生物学的流体回路3に戻る。同様に、血液などの生物学的流体は、最初に冷却され6、透析器1を通り、その後加熱されることができる6。
【0147】
図3は、透析器1、透析流体回路2(図中でのみ示される:使用された透析液は、本実施形態においては再生される必要はない)、生物学的流体回路3(図中でのみ示される)、酸又は塩基を添加するための計測ポンプ4、透析器5、及びpHメータ11から実質的になる血液透析の手段を示す。透析器1に入る前に、計測ポンプ4によって、HCl溶液などの酸は、生物学的流体回路3中の生物学的流体に添加される。これによって、生物学的流体のpHが下げられ、毒素の幾つかは、溶液へ移る。次に、酸性化された生物学的流体は、透析器1の生物学的流体チャンバに入る。溶解された透析可能物質は、透析膜を通して透析器1の透析チャンバに拡散することができる。タンパク質が結合された物質が部分的に遊離された生物学的流体が透析器1を出ると、NaOH溶液などのアルカリ溶液が計測ポンプ4によって添加され、それによってpHは塩基性範囲に調節され、更にタンパク質結合毒素は、溶液へ移る。下流で、血液は他の透析器5に入り、そこでは、アルカリ範囲に溶解された別のタンパク質が結合された物質を除去するために、他の透析、濾過、又は透析濾過が実施される。その後、計測ポンプ4を介して、HCl溶液を用いて、pHは、中性範囲における約7.4に節され、pHメータによってチェックされる。その後、生物学的流体は、生物学的流体回路3に戻る。
【0148】
図4は、透析器1、透析流体回路2、生物学的流体回路3(図中でのみ示される)、酸又は塩基を添加するための計測ポンプ4、透析器5、加熱及び冷却装置6、代用物を添加するためのデバイス7、カフェインを添加するためのデバイス8、pHメータ、及び温度計10から実質的になる血液透析の手段を示す。
【0149】
透析器1に入る前に、加熱装置6で加熱された、例えば、従来の血液濾過溶液からの代用物は、デバイス7を介して、生物学的流体回路3中の生物学的流体に添加される。温かい生物学的流体は、その後透析器1の生物学的流体チャンバに入る。生物学的流体の温度が上昇されると、遊離した透析可能な毒素のプールが増え、透析膜を通って、透析器1の透析チャンバに拡散する。透析流体は、毒素に結合するアルブミンも含み、透析流体中の遊離物質のプールが低く保たれ、それによって透析流体への毒素の拡散が促進される。タンパク質が結合された物質が精製された、生物学的流体が、透析器1を出ると、生物学的流体回路3に戻される。
【0150】
アルブミン-結合毒素を含む、透析器1からの透析流体は、透析流体回路2に入る。HCl溶液は、計測ポンプ4を介して透析流体に添加される。これによって、透析流体のpHを低下させ、流体中の溶解された遊離毒素のプールが増加する。透析流体回路2の下流には、透析流体を41~45℃に加熱する加熱装置6が配置され、遊離毒素のプールが更に増加し、それによってタンパク質が結合された毒素の割合が低下する。循環システム2の次の部品は、カフェイン計測ポンプ8である。カフェインの添加によって、特にビリルビンに結合し、それによって、透析流体中のタンパク質-結合されたビリルビンの割合が減少する。下流で、透析流体は、透析器5に入り、そこで、所望の範囲内において吸着体の濃度を維持するために、システムから透析流体の幾つかが取り出される。更に、透析、濾過、又は透析濾過によって、透析液は精製され、特に、遊離したタンパク質結合物質及びカフェイン-結合されたビリルビンを除去する。アルブミンは、高分子量であるためフィルタを通過することができない。また、透析液回路2中の透析器5から出口から下流には、NaOH溶液を添加するための計測ポンプ4が設けられ、加熱装置6は、エントランスから回路への上流に配列される。下流には、追加された流体をシステムから回収し、アルカリ性範囲内に溶解した物質を透析、濾過、又は透析濾過によって除去する別の透析器5が続く。循環システム2における次の部品は、冷却デバイス6であり、それによって、透析流体の温度は、患者の所望の温度に従って適合させることができる。pHを中性範囲に調節するために、続く計測ポンプ4を用いて、透析流体にHCl溶液を添加し、アルブミンの結合能力は再度上昇され、血液のpHは、透析器において悪影響を及ぼさない。循環システム2における次の部品は透析器1に再度入る前に、精製された透析流体のpH及び温度をチェックするための、pHメータ及び温度計10である。
透析液再生回路
【0151】
図5は、透析装置又はシステムの概略ブロック図を示す。動脈血側ライン15Aを経由して、患者からの血液を透析器5に供給する。血液を透析器5に供給する前に、前希釈流体13が血液に添加される。透析器5においては、血液と透析液のそれぞれの流れを、並流として導くことができる。或いは、血液と透析液のそれぞれの流れを向流として導くこともできる。透析器5においては、拡散、対流、及び/又は限外濾過のプロセスが行われ、患者の血液が洗浄される。血液が透析器5を通過した後、後希釈流体14を洗浄化血液が添加される。洗浄化血液は、静脈血側ライン15Bを経由して再度患者に供給される。
【0152】
透析システムは、透析器5を通った透析液を再生するように適合された透析液再生回路16を特徴とする。アルブミンなどの担体物質を含有する透析液を使用する。特に、透析液再生回路16は、透析液から例えばビリルビン、胆汁酸などのタンパク質結合毒素を除去するように適合されている。先ず、1種以上の流体17を透析液に添加する。次に、一定のpH及び温度条件下で、濾過、透析濾過、沈殿、又は透析を行うことにより、流体18は、透析液から除去される。更に、1種以上の代用流体19を添加し、透析液中の電解質及び他の重要な物質の濃度を補正する。透析液再生回路16から透析器5へ、再生された透析液の流れが供給される。
【0153】
図6Aは、透析装置又はシステムのより詳細な図を提供する。透析システムは、2つの透析器22A及び22Bを有する生物学的流体回路21を特徴とする。透析器22A及び22Bのそれぞれは、生物学的流体区画と、透析液区画と、区画を分ける半透膜23A及び23Bと、を含む。透析器22A、22Bは、流体的に並列に接続されている。患者からの血液などの生物学的流体は、ポンプ24を介して、チューブを通って通される。生物学的流体が透析器22A、22Bに供給される前に、前希釈流体25が前希釈ポンプ26を介して生物学的流体に加えられる。その後、生物学的流体は、透析器22A、22Bの生物学的流体区画を通って通される。清浄化された生物学的流体が患者に戻される前に、後希釈流体27が後希釈ポンプ28を介して生物学的流体に加えられる。生物学的流体流速は、50~3000ml/分であることができるが、好ましくは150~1000ml/分、より好ましくは150~600ml/分である。前希釈流速は、1~20リットル/時であることができるが、好ましくは4~7リットル/時である。後希釈流速は、選択された血液流速の5~30%であることができるが、好ましくは10~20%である。
【0154】
図6Aを参照すると、透析液回路は、透析液再生ユニット29を含む。透析液再生ユニット29を通った透析流体を、透析器22A及び22Bの透析液区画へ、第1の透析液ポンプ30を用いて、100mL/min~4,000mL/minの流速で、好ましくは500mL/min~1,100mL/minの流速で汲み入れる。電解質及び他の重要な物質の濃度を所望の値にするために、代用流体31及び32をそれぞれのポンプ33及び34を経由して透析液に供給することができる。透析器22A及び22Bの透析液区画を通った後、過剰になった容量を減少させるために患者から引抜かれた添加された流体を有する透析液は、第2の透析液ポンプ35を経由して、透析液再生ユニット29へ輸送される。
【0155】
透析液再生ユニット29は、流体的に並列に接続されている2つの流路37、38を含む。「酸性流路」である流路37においては、強酸を含む酸性溶液39は、酸性ポンプ40を介して、透析流体に添加される。「アルカリ性流路」である流路38においては、強塩基を含むアルカリ溶液41は、塩基性ポンプ42を介して、透析流体に添加される。
【0156】
透析液再生ユニット29は、透析液を2つの流路37及び38を通して輸送するために、2つの再生ポンプ43及び44を含む。流体の抵抗が酸性流路37及びアルカリ性流路38では異なることがあるので、2つの別個のポンプを使用して透析流体を輸送することが好ましい。例えば、アルブミンなどの担体物質は、酸性条件下とアルカリ性条件下では異なる形態をとることがあり、異なるpHによって異なる流れ特性を有し得る。ポンプを有するシステムの代わりに、クランプ及び流れ測定を有するシステムを、2つの流路37及び38中の流速を一定にするために設けられることができる。
【0157】
2つの流路37及び38のそれぞれは、透析液を濾過或いは透析し、透析液から毒素を除去するように適合された無毒化ユニット45及び46を含む。前記無毒化ユニット45及び46は、例えば、再生透析器として、限外濾過ユニットとして、透析濾過ユニットとして装備されることができる。酸性流路37の再生ポンプ43およびアルカリ性流路38の再生ポンプ44は、透析液再生ユニット29の2つの無毒化ユニット45及び46のいずれか下流側に透析液を移送する。透析液は、切換弁47及び48を含む弁機構を介して、無毒化ユニット45及び46に接続される。
【0158】
アルカリ性溶液が流れる無毒化ユニットにおいて、例えばビリルビンなどのアルカリ可溶性毒素を濾過及び透析のいずれかにより除去することができる。アルカリ性条件下では、溶液中のアルカリ可溶性毒素の濃度が増加する。この遊離毒素の濃度の上昇により、遊離毒素を除去することが容易になる。酸性溶液が流れる他方の無毒化ユニットにおいては、これらのアルカリ可溶性毒素を、例えば沈殿させて透析流体から除去することができる。
【0159】
マグネシウムなどの酸可溶性毒素に関しても、同様の効果が観察される。酸性溶液においては、溶液中の酸可溶性毒素の濃度が上昇するので、酸可溶性毒素をより速い速度で除去することができる。対照に、アルカリ性溶液が流れる無毒化ユニットにおいては、酸可溶性毒素を、例えば水酸化マグネシウムとして沈殿させて透析流体から除去することができる。
【0160】
切換弁47及び48は、酸性側の再生ポンプ43により輸送される酸性化された透析流体の方向を、無毒化ユニット45又は無毒化ユニット46のいずれかの方向に変更し(切換弁47)、アルカリ性側の再生ポンプ44により輸送されるアルカリ性化された透析流体の方向を、無毒化ユニット46又は無毒化ユニット45のいずれかの方向に変更する(切換弁48)ように適合されている。切換弁47及び48は、無毒化ユニット45及び46のそれぞれが一度に再生ポンプ43及び44のいずれか一方からの流体を受け取るように、流れの方向を例えば5分~60分毎に変化させる。しかしながら、使用する酸及び適用される機構に従い、流れの方向の変化は1分~60分毎に生じることができる。切換えは、自動的に行われることもでき、又はユーザーにより個別に行われることもできる。1分~10分毎、好ましくは1分~5分毎の方向の変更が、特定の用途で好ましい場合もある。
【0161】
濾過の種類により、沈殿した物質が、無毒化ユニット45及び46の細孔を塞ぐことにより、無毒化ユニット45及び46の閉塞が発生することがある。これを避けるために、無毒化ユニット45及び46を交互に用いる。1周期(例えば30分間)に酸性無毒化ユニットであった無毒化ユニットを次の周期(例えば30分間)にアルカリ性流路において使用する。これは、沈殿していた物質が溶解され、濾過及び透析のいずれかにより高濃度で除去されることを意味する。これにより、前記無毒化ユニットの長期に亘る連続使用も可能になる。
【0162】
無毒化ユニット45及び46の切換えは、例えば手動で行うこともでき、又は電気的に制御される弁機構によって行うこともできる。切換えは、流体回路の様々な位置で行われることができ、最も好ましい位置は、無毒化ユニット45及び46のすぐ上流である。温度制御ユニット63及び64は、前記回路中に位置させてもよく、及び/又は温度制御ユニット63及び64が無毒化ユニットに作用する切換機構に含まれるように制御させてもよい。例えば酸性化された透析流体の方向の変更は、無毒化ユニット45及び46における酸性化された流体の方向の変更と共に行うことができる。しかしながら、温度制御ユニット63及び64並びに無毒化ユニット45及び46における例えば酸性化された透析流体の方向の変更は、独立して行われることもできる。切換機構に温度制御ユニットを含めることにより、温度制御ユニット63及び64を、アルカリ性化された透析流体及び酸性化された透析流体のいずれかに独占的に接触させていた場合に(特に該ユニットでの温度効果に起因して)引き起こされることがあるアルブミンなど沈殿された担体物質を、両ユニットが蓄積しないことを保証する。
【0163】
無毒化ユニット45及び46からの流体及び毒素を除去するために、前記システムは、前記無毒化ユニット45及び46から放出流体51及び52を除去する2つの濾液ポンプ49及び50を含む。種類の異なる流体の容量を釣り合わせるために、前記システムは、添加した酸39、添加した塩基41、及び放出流体51及び52の流体容量を常時測定するように適合された、複数のはかり53~56を含むことができる。
【0164】
無毒化ユニット45及び46の下流で、1つの無毒化ユニットの流出で得られる再生酸性化された透析液の流れと他方の無毒化ユニットの流出で得られる再生アルカリ性化された透析液の流れを合流させる。酸性化された流れとアルカリ性化された流れを合流させることにより、酸及び塩基の相互に中和し、pH6~pH11の範囲のpHを有する再生透析液の流れを生じさせる。この再生透析液を透析器22A及び22Bへ供給することができる。温度制御ユニットは、透析液が透析器22A及び22Bへと流れる前の透析流体回路に位置されることができる。これにより、再生された透析流体の温度を、透析器22A及び22Bの膜で血液と接触させるために必要とされる温度に調節することが可能になる。
【0165】
酸性流路37及びアルカリ性流路38には、その共役塩基或いは共役酸がヒトの器官において天然に生じるイオンである酸或いは塩基を添加することが好ましい。したがって、透析液の酸性化された流れと前記透析液のアルカリ性化された流れを合流させて得られる再生透析液は、非生理学的物質を含まない。
【0166】
無毒化ユニット45及び46の上流の塩基性側及び酸性側に配置したセンサ57~60を経由して、透析液のpH値、温度、濁度、速度(音速)、濃度、密度、及び伝導性などの種々のシステムパラメータが監視される。酸性流路37においては、センサ57が酸添加前のシステムパラメータを監視し、センサ58が酸添加後のシステムパラメータを測定する。また、アルカリ性流路38においては、センサ59が塩基添加前のシステムパラメータを監視し、センサ60が塩基添加後のシステムパラメータを測定する。
【0167】
システムは、無毒化ユニット45及び46の排出流路又はシステムの合流部に位置される更なるセンサユニット61、62を含むことができる。センサユニット61、62は、例えば、pH値、温度、濁度、速度(音速)、濃度、密度、及び伝導性のようなシステムパラメータを監視するように適合される。
【0168】
流路37及び38のそれぞれにおいて、毒素の除去を向上させるために、透析液中の遊離毒素の濃度を少なくとも一時的に増加させる更なるプロセス工程が実現されることができる。これらのプロセス工程は、透析液を加熱或いは冷却する工程、波動を透析液に照射する工程、透析液の塩含量を変化させる工程、及び除去する毒素に結合する透析可能物質を添加する工程の1つ以上を含むことができる。
【0169】
図6Aに関して、流路37及び38のそれぞれは、各温度制御ユニット63及び64を含む。例えば、透析液を加熱することは、タンパク質結合毒素と担体物質との間の結合を弱めるのに役に立つ場合がある。加熱は、流体を充填させたチューブ系を直接加熱する、或いはマイクロ波及び赤外線のいずれかを照射することにより行うことができる。或いは、温度制御ユニットが透析液を冷却するように適合されることができる。透析流体の温度を変化させることで、溶液中の遊離毒素の濃度を上昇させて毒素の除去を促進させる。
【0170】
毒素-担体複合体の遊離毒素及び遊離担体物質に対する濃度比を変化させるための他の可能なプロセス工程は、透析液に波動を照射することである。例えば、波動を照射するための装置として、超音波装置が使用されることができる。他の適切な装置としては、例えば、光波、紫外波、赤外線波、電波、マイクロ波、及び電場又は磁場などを発生するのに適したものであることができる。全ての異なる波動及び場(fields)は、一定であることができる、又は異なる周波数で周期的に変化されることができる。
【0171】
遊離毒素及び遊離担体物質に対する毒素-担体-複合体の濃度比を変更するための他の可能なプロセス工程は、透析液中の塩含量を変更することである。塩濃度を変えることで、除去される毒素を可溶化することを助けることができる。更に、塩濃度を変えることは、毒素に対する再生された担体物質の結合能力を回復させるために用いられることもできる。尿素の添加は、担体物質の結合能力を改善するためには必要であることができる。
【0172】
遊離毒素及び遊離担体物質に対する毒素-担体-複合体の濃度比を変更するための他の可能なプロセス工程は、透析液に透析可能化合物を添加することである。透析可能化合物は、除去される毒素に結合するように適合されることができる。用いられることができる結合化合物は、除去される物質に対する強い親和性によって区別される低/中間分子量の透析可能化合物である。これらの化合物としては、ビリルビンに結合するカフェイン;及び銅イオン又は鉄イオンなどの金属カチオンに結合する、ペニシラミン、トリエンチン、デフェロキサミン、プレフェリプロン、HBED、ビタミン(ビタミンCなど)、BAL、DMPS、又はDMSAなどの共通のキレート剤が挙げられる。
【0173】
図6Bを参照すると、透析システムは、2つの透析器64A及び64Bを有する生物学的流体回路76を含む。透析器64A及び64Bのそれぞれは、生物学的流体区画と、透析液区画と、区画を分ける半透膜65A、65Bと、を含む。透析器64A、64Bは、流体的に並列に接続されている。患者からの血液などの生物学的流体は、ポンプ66によって、透析器64A、64Bの血液区画を通って送り込まれる。
【0174】
図6Bのシステムは、再生透析液を貯留するための透析液貯留部67を提供する。透析液貯留部67からの透析流体は、第1の透析液ポンプ68により、透析器64A及び64Bの透析液区画に送り込まれる。電解質及び他の重要な物質の濃度を所望の濃度にするために、代用流体69及び70を透析液に、それぞれポンプ71及び72を経由して供給してもよい。透析器64A及び64Bの透析液区画を通って通過した後、患者から引抜かれた添加された流体を有する透析液は、第2の透析液ポンプ73を介して、透析液貯留部67に供給される。
【0175】
透析液貯留部67から、透析液の流れを透析液再生ユニット74へ提供する。透析液再生ユニット74の内部構成は、図6Aに示される透析液再生ユニット29の内部構成と同一である。透析液再生ユニット74は、流体工学的に並列に連結される2つの流路、即ち、酸性流路及びアルカリ性流路を含む。それぞれの流路は、無毒化ユニットを含む。
【0176】
図6Bに関して、透析液貯留部67に含まれる透析流体を再生するために、独立した透析液再生回路75が設けられる。透析液再生回路75(第3の回路)は、生物学的流体洗浄回路から切り離されている。生物学的流体洗浄回路は、生物学的流体回路76(第1回路)及び透析液回路(第2回路)を含む。透析液再生回路を透析液回路から独立させることにより、流れ、温度、pHなどのシステムパラメータを、2つの異なるプロセスのニーズに対して独立して調節することができる。例えば、生物学的流体洗浄工程での透析流体の流速を、150mL/min~3,000mL/minに調節する一方で、再生工程での透析液の流速は、250mL/min~5,000mL/min、好ましくは1,000mL/min~2,000mL/minに調節することができる。透析液貯留部により2回路を分離することは有用である。これは、透析液再生ユニットにおいて、透析流体は、患者の血液に大きなダメージを与えるであろう非生理的なpH及び温度値を有するためである。透析液貯留部67中に含まれる透析流体の洗浄は、連続的な作動及び断続的な作動のいずれでも行うことができる。
統合された透析装置又はシステムの図
【0177】
図1を参照すると、生物学的流体回路3が提供され、生物学的流体回路3は、透析器1、5、22A、及び22Bを介して透析流体回路2と連通する生物学的流体流入15A及び流出15Bを有する。透析流体回路は、少なくとも部分的にはリザーバ67を介して、透析液再生ユニット29及び74、及び透析液再生回路16及び75と順に連通する。対象流体のpHを調節するための加熱及び/又は冷却装置6又は手段は、提供されることができる。透析再生回路は、並列に酸性流路37及びアルカリ性流路38を特徴とする。酸性流路37及びアルカリ性流路38のそれぞれは、透析器又は無毒化ユニット45及び46を特徴とする。各透析器1、5、22A、及び22Bは、半透膜23A及び23Bを特徴とする。更に、酸性流路37及びアルカリ性流路38のそれぞれは、再生ポンプ43及び44を特徴とする。酸性溶液39及び塩基性溶液41は、それぞれ、酸性流路37及びアルカリ性流路38に添加されることができる。1つ以上の他の流体は、透析液に添加されることができる、又は透析液18から除去されることができる。必要に応じて、適宜、種々の流体ライン97、98が設けられている。
【0178】
図25は、秤量手段と連通する3つのリザーバを有する、本明細書中に記載される透析装置又はシステムを示す図を提供する。図26は、秤量手段と連通する3つのリザーバを有する、本明細書中に記載される透析装置又はシステムを示す他の図を提供する。透析装置又はシステムは、pH値、温度、濁度、速度(音速)、濃度、密度、及び伝導性を測定するための手段及びクロススイッチを特徴とする。図27は、秤量手段と連通する5つのリザーバを有する、本明細書中に記載される透析装置又はシステムを示す更に他の図を提供する。図28は、秤量手段、並びにpH値、温度、濁度、速度(音速)、濃度、密度、及び伝導性を測定するための手段及びクロススイッチと連通する5つのリザーバを有する、本明細書中に記載される透析装置又はシステムを示す更に別の図を提供する。図29は、本明細書中に記載される透析装置又はシステムを示す簡略化されたバージョンの更に1つ以上の図を提供する。
【0179】
図25を参照すると、ポンプ24を有する生物学的流体回路3が提供される。ポンプ26を用いて、生物学的流体回路に代用物(substituent)を添加するためのデバイス7、13、及び25が更に提供される。生物学的流体は、透析器1、5、22A、及び22B中の透析流体回路2において調整され(interfaces)、静脈血側ラインなどの流出15Bを介して患者に戻る。再生回路又は透析液再生回路16、29、74、及び75は、透析液を再生するために提供される。再生回路16、29、74、及び75は、リザーバ67とインターフェースする透析流体回路2と連通している。透析再生回路は、平行に、酸性流路37とアルカリ性流路38とを特徴とする。酸性流路37及びアルカリ性流路38のそれぞれは、透析器又は無毒化ユニット45及び46を特徴とする。更に、酸性流路37及びアルカリ性流路38のそれぞれは、再生ポンプ43及び44を特徴とする。更に、受容スペース109を有する釣合デバイス90又は容器100を特徴とする釣合装置又はシステムが提供される。受容スペース109においては、3つのリザーバ101、102、及び95がある。受容スペースの外には、2つの更なるリザーバ93及び94がある。受容スペース109に含まれる3つのリザーバ101、102、及び95を含む釣合デバイス90又は容器100の重量を測定する秤量手段130が提供される。
【0180】
第1のリザーバ101は、ポンプ101.1を特徴とする流体出口103を介して、酸性流路37及びアルカリ性流路38と連通することができる。第2のリザーバ102は、ポンプ102.1を特徴とする流体入口105を介して、再生回路16及び29と連通することができる。更なるリザーバ95は、異なるポンプを特徴とする流体出口を介して、透析回路2及び/又は生物学的流体回路3と連通することができる。同様に、リザーバ93及び94は、ポンプ93.1及び94.1を特徴とする種々のライン97を介して、再生回路16、29、74、及び75と連通することができる。1つ以上の追加の流体が、透析液17に添加されることができる。更に、1つ以上の後希釈流体14及び27は、生物学的流体流出(例えば、静脈血側ライン15B)に添加されることができ、ポンプ28を用いることが更に提供される。
【0181】
図26を参照すると、切換弁を含む弁機構47及び48を介したクロススイッチ、pH値、温度、濁度、速度(音速)、濃度、密度、及び伝導性を測定する手段58及び60、及び温度制御ユニットが、酸性流路37及びアルカリ性流路38に位置される以外は、要素は、図25と同じ構成で設けられる。
【0182】
図27を参照すると、5つのリザーバ101、102、93、94、及び95が釣合デバイス90又は容器100の受容スペース109に設けられている以外は、要素は、図25と同じ構成で設けられる。受容スペース109に含まれる5つのリザーバ101、102、93、94、及び95を含む釣合デバイス90又は容器100の重量を測定するために、秤量手段130が設けられている。
【0183】
図28を参照すると、5つのリザーバ101、102、93、94、及び95が釣合デバイス90又は容器100の受容スペース109に設けられている以外は、要素は、図26と同じ構成で設けられる。受容スペース109に含まれる5つのリザーバ101、102、93、94、及び95を含む釣合デバイス90又は容器100の重量を測定するために、秤量手段130が設けられている。図26にあるように、切換弁を含む弁機構47及び48を介したクロススイッチ、pH値、温度、濁度、速度(音速)、濃度、密度、及び伝導性を測定する手段58及び60、及び温度制御ユニットが、酸性流路37及びアルカリ性流路38に位置される。
【0184】
図29を参照すると、本明細書中に記載されるように、生物学的流体回路3を介して、生物学的流体Aが透析装置又はシステム160(透析流体回路2及び任意に透析液再生回路16、29、74、及び75を含む)に入ることを明確に説明するための図が示される。透析器に含まれる半透膜の点でのみ、生物学的流体回路3中に設けられる生物学的流体Aとインターフェースする透析回路2において、透析液を含む透析流体は、設けられる。不要な除去された除去されるタンパク質結合物質の結合特性を調節するために、及び/又は連続的に、部分的に、又は完全に、透析装置又はシステムの透析流体を置換するために、追加の流体を提供することができる。1つ、2つ以上のリザーバ101及び102は、秤量手段130(釣合デバイス90又は容器100の中など)と秤量連通して置かれ、提供される1つ以上の流体の重量を測定し、不要な除去されるタンパク質結合物質の結合特性を調節することができる、又は透析手順の間、生物学的流体から得られる限外濾過液の重量を測定することができる。生物学的流体流出(例えば、静脈血側ライン15B)中の生物学的流体回路に戻される生物学的流体Bは、限外濾過液よりも少なく透析装置又はシステムに入る生物学的流体Aである。即ち、1つ、2つ以上のリザーバ101、93、及び94からの流体、並びに生物学的流体回路3からの流体は、透析装置又はシステムに加えられることができる。リザーバ102内の流体は、透析装置又はシステムから除去されることができる。また、生物学的流体Bは、透析装置又はシステムを出ることもできる。生物学的流体のボーラス又は限外濾過は、半透膜を通して透析回路から除去又は追加され、それにより、秤量手段130によって測定されることができる。釣合デバイス90又は容器100の重量は、設けられた1つ、2つ以上のリザーバ93及び94からの流体の添加によって増加/影響され、生物学的回路からの不要な除去されるタンパク質結合物質及び限外濾過/ボーラスの結合特性を調節することができる。
釣合装置又はシステム及び方法
【0185】
除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な透析装置又はシステムにおける流体の容積又は流れを釣り合わせる釣合装置、システム、及び方法は、本明細書中に記載されるシステム、装置、及び方法において提供される。
釣合装置又はシステム
【0186】
図7図24に一般的に示されている釣合装置又はシステムは、釣合支持体91を特徴とし、釣合支持体91は、少なくとも、透析装置又はシステムのための使用可能な流体を含む第1の流体(透析流体など)のための第1のリザーバ101と、透析装置又はシステムからの破棄流体を含むことができる第2の流体のための第2のリザーバ102と、を有する。第1のリザーバ101は、透析装置又はシステムとの流体連通のための少なくとも1つの流体出口103を有する。第2のリザーバ102は、透析装置又はシステムとの流体連通のための少なくとも1つの流体入口105を含むことができる。釣合装置又はシステムは、釣合支持体91を秤量するための秤量手段130と、秤量手段130から秤量データを受け取るように構成されるコントローラ140とを更に特徴とする。釣合装置又はシステムは、透析装置又はシステム内の全流量容積を釣り合わせるのに好適である。全流量容積は、透析流体、透析液などの1つ以上の使用可能な流体、透析を受けた被験体又は患者からの破棄流体、及びpHを調節する、又は透析流体又は透析液に代用物を提供するのに好適な濃縮物を含むことができる。
【0187】
所定の閾値を超える釣り合わされた重量の偏差は、コントローラ140に信号を送って、透析装置又はシステムの作動を中断させることができる。同様に、所定の閾値を超える又はそれ未満の釣り合わされた重量の偏差は、コントローラ140に信号を送って、透析装置又はシステム内の1つ以上の流体の流速を増加させる又は減少させるなど、透析装置又はシステムの作動を修正することができる。このように、必要に応じて、適宜、透析装置又はシステム内の1つ以上の流体の流れを有効に増加させる又は減少させることによって、釣合装置又はシステムを用いて、透析装置又はシステム内の流体の比較的一定な容積を維持することができる。
【0188】
釣合支持体91は、釣合デバイス90の秤量手段における少なくとも1つの適用の固定点を有し、少なくともその底部及び側壁における単一の流体密容器100を特徴とする。流体密容器100は、釣合デバイス90の第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102を収容するための内部流体密受容スペース109を有する。容器の流体密受容スペースの最大積載容量は、第1のリザーバ及び第2のリザーバを合わせた最大積載を超える。
【0189】
少なくとも第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102(両方のリザーバは、可撓性容器として任意に形成される)を収容する容器の流体密によって、出口又は入口から透析装置又はシステムへ、リザーバのいずれかで、又は流体ラインを含む流体入口及び出口のいずれかにおいて、漏れによって実質的に流体(透析流体、透析液、又は濃縮物などの使用可能な流体でも破棄流体でもない)が失われない。したがって、本明細書中に記載される、釣合装置又はシステムを用いた流体の容積又は流れを釣り合わせることは、リザーバのいずれかから漏れることがある任意の液体によるものである。このような漏れる流体は、流体密容器によって回収され、それによって釣合装置又はシステムによって行われる釣合計算に含まれる。閉鎖透析液回路における漏れは、流体を釣り合わせるのに有害であることがある。したがって、透析回路は、漏れを検出するために液体センサを備えた閉鎖された流体密スペースに設けられることができる。
【0190】
容器100は、頑丈な構造を有する。このような頑丈な構造は、容器を形成するために使用される好適な材料(例えば、頑丈な金属)によって提供される。容器100は、補強を強化するためのフレーム及びシートからなることができる。その頑丈な構造のために、容器100は、容器本体がねじれることなく、より高い力を吸収することができる。このような容器本体のねじれは、秤量手段の秤量結果に影響することがある。したがって、ねじりに関連する測定誤差は回避される。
【0191】
容器の頑丈な構造には、流体密裏張り111が設けられ、裏張りは、流体密フィルム、箔、又は積層体からなることができる。この流体密裏張り111は、容器の頑丈なフレームの板張り又はシートが欠落している場合でも、容器100の流体密が提供されることを保証する。容器100の頑丈な構造には、容器の流体密を更に保証する流体密コーティング110を設けることもできる。流体密裏張り111の代わりに流体密コーティング110を用いることができる。流体密コーティング110は、当業者に知られている任意の好適な材料からなることができる。容器100の頑丈な構造には、両方を設けることができる。流体密コーティング110は、流体密裏張り111とは異なる色のものであることができる。コーティング110は、抗細菌性を特徴とすることができる。更に、容器100に、紫外線又はオゾンを供給することができる。容器の内部スペース109は、少なくとも80リットル、好ましくは少なくとも100リットル、更により好ましくは少なくとも120リットルの積載容量を有することができる。この積載容量のために、容器は、人による注意をほとんど必要とせずに、より容易に維持されることができる。
【0192】
容器100は、多くの場合移動可能であり、容器の基部108に配列された少なくとも3つ又は4つのローラ又は車輪112を特徴とする。ローラ112の1つには、ローラ112を拘束し、それによって容器100の動きを阻止するためのブレーク-部材114を備える。ローラ112及び少なくとも1つのブレーク-部材114は、容器100が容易に取り扱われることを可能にする。更に、破損(break or breaks)が破断位置にあるときに、容器100は、安定して立ち、意図しない揺れ(agitation)を回避する。
【0193】
秤量手段130は、ロードセル131、132、及び133を特徴とする。ロードセル131、132、及び133のそれぞれは、ローラ112の1つと結合されることができる。好ましくは、それぞれのロードセル131、132、及び133は、ローラ112と容器の基部108にある適用の固定点との間に配列される。秤量手段130のロードセル131、132、及び133がローラ112に結合されて配列されているので、容器100は、重量測定値を直接コントローラ140に送る自律システムであることができる。容器100は、容器100の秤量セル/ロードセル131、132、及び133をコントローラ140に接続するための秤量手段130のインターフェースを特徴とすることができる。インターフェース115は、プラグ及び差込プラグのいずれか1つを特徴とすることができ、ケーブルを介して、コントローラ140と接続することができ、前記コントローラ140は、釣合デバイス91の異なる部分で収容されることができる、又は透析装置又はシステムに更に収容されることができる。又は、インターフェース115は、コントローラとの無線通信に適合され、インターフェースに含まれる無線通信デバイスを特徴とすることができる。
【0194】
容器100は、第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102を透析装置又はシステムに接続する流体ライン(104及び106)をロックし、導くために配列される支持要素116を更に特徴とすることができる。また、第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102以外の他のリザーバの流体ライン(97~99)をロック及びガイドするために、支持要素116が用いられることができる。例えば、第3又は第4又は更に他のリザーバ93、94、及び95は、容器100内に配列されることができる。流体ライン(97~99、104、及び106)から送られる血液処置デバイスとリザーバとの間の張力は、秤量測定値の結果に影響を及ぼすことがあるので、容器100内に位置されるリザーバが透析装置又はシステムに接続されるときに、秤量手段130による正確な秤量に影響を及ぼさないようにするために、支持要素116は、張力の緩和を促進する。
【0195】
頑丈なカバー要素120は、その基部と対向する容器100の端部に枢動的にに取り付けられることができる。ロック手段121.1は、カバー要素120によって、容器要素120を拘束するために、非枢動的位置で、容器100上に配置されることができる。第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102は、容器100の受容スペース109に保持されることができる。更に、例えば、これらのリザーバが可撓性の袋として形成される場合に、リザーバのいずれかに存在するガスによる、第1のリザーバ及び第2のリザーバの拡張は、制御されることができる。頑丈なカバー要素120には、少なくとも1つのアパチャ123が備えられ、それによって、カバー要素120の重量が減少され、例えば、流体ラインのための通路が提供される。それによって、カバー要素120に設けられる1超のアパチャ123があるときに、カバー要素120は、グリット状の形状を有することもできる。
【0196】
垂直に、及び/又は水平に、容器の受容スペース109を別々の区画に仕切る容器100の内部に、少なくとも1つの仕切り124.1及び124.2が配置されることができる。仕切り124.1及び124.2によって、例えば、第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102のための別々の区画は、容器100の内部に形成されることができる。仕切り124.1及び124.2は、特に、幾分水平に配列された仕切りとして形成されるときに、容器100の少なくとも1つの少なくとも1つの壁に対して傾きを有することができる。この傾きのために、仕切り又は傾きを有する仕切り要素に支えられている任意のリザーバも傾きを有し、流体がリザーバの外に汲み出されるときに、容器の下部に位置される流体出口がそれぞれの容器を完全に空にすることを可能にする。
【0197】
容器100は、折りたたみ可能な容器100.1として形成されることができる。このように、容器100及び100.1が使用されていないときに、容器100及び100.1は、折り畳まれたり、折り曲げられることができ、それによってそのサイズが縮小され、より少ない消費スペースによって、容易に保管されることができる。容器100及び100.1は、そのエッジ上に、又はその壁内のいずれかにある容器100及び100.1の任意の壁接続部の間に配列されることができるヒンジ継手を設けることによって折り畳み可能にすることができる。
【0198】
第1のリザーバ101又は第2のリザーバ102又は第3のリザーバ93又は第4のリザーバ94リザーバ又は更なるリザーバ95の少なくとも1つは、リザーバからガスを取り出すために作動可能なガスセパレータを特徴とすることができ、それによって流体のみを実質的に保持する。それによって、リザーバの加圧は、低減又は防止される。
【0199】
リザーバ(97、98、99、103、104、105、及び106)の出口及び入口は、曲げ及びよじれに対して耐性があることがあり、それによって、容器100及び除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置又はシステム内に配置されたリザーバからの流体連通の中断が回避される。
【0200】
釣合デバイス90は、容器100を受け取るための支持ハウジング150を更に特徴とすることができる。支持ハウジングは、2つの側壁(152.1及び152.2)を有することができ、2つの側壁(152.1及び152.2)は、支持ハウジング150のエントランス開口部151の2つの反対側に配列される。少なくとも1つのロードセル(131、132、及び133)は、容器100の少なくとも1つの適用の固定点のそれぞれ1つにおける秤量接触のための側壁(152.1及び152.2)のそれぞれと結合されることができる。容器100が支持ハウジング150内に配置されているときに、容器100は外部から容器100に露出された相互作用又は揺れから実質的に保護され、それによって実質的に妨害されない秤量プロセスが容易になる。釣合システム、デバイス、及び方法が作動し始める前に、支持ハウジング150は、閉じられることができるエントランス151側に配置される閉鎖ドア-部材を有することができる。ドア-部材は、壁の面積の少なくとも10%、15%、20%、25%以上を占めることができる。
【0201】
ロードセル(131、132、及び133)は、プランジャー-部材153に配置されることができる。各プランジャー-部材153は、容器100のそれぞれの側壁に接続され、第1の位置154.1と第2の位置154.2との間で直線的に可動であることができ、プランジャー-部材153は、少なくともその第2の位置では、ロック部材155.2によって直線運動の方向に垂直な全ての方向において拘束される。プランジャー-部材153は、電気的であることができる、又は水力システムの一部であることができ、容器100が第2の位置へ支持ハウジング150に動かされると、第1の位置から容器100を動かすように適合され、それによって容器100が有する唯一の接触は、プランジャー-部材153と結合されているロードセル(131、132、及び133)と接触する。容器容器100のこの第2の位置において、プランジャー-部材153が第2の位置154.2、それらの延びた位置にあるときに、プランジャー-部材153は、ロック部材155.1又はロック部材によって拘束され、それによってプランジャー-部材153は、揺れ、衝撃、又は振動が、ロードセル(131、132、及び133)によって行われる秤量測定値を実質的に不明瞭にしないように、衝撃に耐えられる。
【0202】
秤量手段130は、支持ハウジング150に配列される秤量プレートを特徴とすることができ、それによって秤量プレートは、容器100が位置されることができる支持ハウジング150の床を形成する。秤量プレートは、コントローラ140とデータ交換のために接続されることができる複数、例えば3つ以上のロードセル(131、132、及び133)を含むことができる。支持ハウジング150内に秤量プレートが位置されるので、単一の秤量手段130が提供され、それによって正確な重量測定値を提供するためには、容器100は、正しい位置で秤量プレート上に位置される必要があるだけである。通常、横力又は剪断力及びてこの力は、容器の位置が固定されている限り、容器100の重量に影響を与えない。
【0203】
本発明の目的は、体外血液処置デバイス中の釣合デバイスのための容器100によって更に達成され、容器100は、その基部108及び側壁119.1で、少なくとも流体密であり、釣合デバイス90の秤量手段130によって秤量されるように適合され、釣合デバイス90の第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102を少なくとも受容するための受容スペース109を有し、容器100の流体密受容スペース109の最大積載容量は、第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102を合わせた最大積載を超える。
【0204】
少なくとも第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102を収容する容器100の流体密によって、出口又は入口から、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムへ、リザーバのいずれかで、又は流体ライン(97、98、99、103、104、105、及び106)を含む流体入口及び出口のいずれかで、実質的に流体(例えば、透析流体又は交換流体などの使用可能な流体でも破棄流体でもない)が失われないことができる。したがって、本明細書中に記載される、釣合装置及びデバイスを用いて、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムにおける容積及び流れを釣り合わせるということは、本明細書中に記載されるリザーバ、入口、出口、又は輸送ラインのいずれかから漏れることがある任意の液体を含む。このような漏れる流体は、流体密容器によって回収され、それによって、本明細書中に記載されるシステム及びデバイスによって行われる釣合計算に含まれることができる。
【0205】
容器を含む、釣合システム及びデバイスの更なる特徴及び利点、並びに特定の実施形態が、上記の説明に概説され、参照により本明細書に組み込まれる。
釣合方法
【0206】
除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムにおいて、本明細書中に記載される釣合装置又はシステムを用いて、流体の流れ又は容積を釣り合わせる方法は、単一の容器100において、少なくとも、透析回路のための使用可能な流体を含む第1の流体のための第1のリザーバ101、及び破棄流体又は限外濾過液など、生物学的流体回路からの流体を含む第2の流体のための第2のリザーバ102を置くことを特徴とする。第1のリザーバ103の流体出口及び第2のリザーバ105の流体入口は、透析装置又はシステムと流体連通させる。その中に含まれる少なくとも第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102を有する容器100は、コントローラ140とデータ連通する秤量手段130のロードセル(131、132、及び133)と秤量接触させる。
【0207】
前記方法は、透析装置又はシステムが作動を始める前に、例えば、本明細書中に記載される秤量手段130を用いて、少なくとも第1のリザーバ101及び第2のリザーバ102を含む容器100の全重量を測定し、容器100の初期システム重量(sw)を決定することを含む。容器100は、例えば、透析回路のための活性物質の濃縮物などの更なる流体のための、例えば、少なくとも1つの第3の追加のリザーバ93又は第4の追加のリザーバ94を含むことができる。前記方法は、第1のリザーバ流体及び第2のリザーバ流体のためのポンプ手段101.1及び102.1を制御することも含み、それによって初期システム重量は、維持される、所定の増加で維持される、又は所定の減少で維持されるようになる。
【0208】
前記方法は、単一の容器100の透析回路外側において使用可能な更なる流体(例えば、活性物質の濃縮物など)のための、例えば、第3又は第4の追加のリザーバ(93、94、及び95)などの少なくとも1つの更なるリザーバを置くことを更に特徴とすることができる。少なくとも1つの更なるリザーバ(例えば、97)、例えば、第3又は第4の追加のリザーバの流体出口は、透析装置又はシステムと流体連通させることができる。このように、前記方法は、体外血液処置回路が作動しているときに、更なるリザーバ(93、94、及び95)から、透析装置又はシステムに提供される、例えば濃縮物などの任意の流体を容積的に測定することと;除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに、流体濃縮物が提供されているときはいつでも、密度及び提供された容積に基づいて、除去されるタンパク質結合物質を含む生物学的流体を透析するのに好適な装置及びシステムに提供される流体濃縮物の重量を計算することと;透析装置又はシステムに提供される流体濃縮物の計算された重量を加えることで、容器100の初期システム重量を再計算し、再決定された初期システム重量を得ることと、を更に特徴とすることができる。更なる流体の密度が分かっていない、又は更なる流体が容積的に測定されていない場合、更なるリザーバの重量損失を重量測定的に測定することができ、容器100の初期システム重量は、透析装置又はシステムに提供される流体濃縮物の測定された重量損失を加えることで再計算され、再決定された初期システム重量を得ることができる。
【0209】
幾つかのリザーバは、秤量手段によって秤量される流体密容器の外側に位置されることができる一方、透析装置又はシステムに提供される全ての流体の量は、釣合計算に含まれる。したがって、本方法は、容器の重量と絶えず比較される常に修正されるシステム重量を提供する。透析患者又は被験体から得られた廃棄物又は余分な流体は、第2の(廃棄物又は濾液)リザーバに集められる。患者から抽出された流体(限外濾過液)又は患者に残っている流体(ボーラス)のみが、釣合方法によって認識される。このような流体は、初期システム重量の増加又は減少である。したがって、起こりうる測定誤差は、劇的に減少する。限外濾過によって、4時間、流体4000mlの量が、透析患者又は被験体から除去され、測定誤差は、+/-1%であり、起こり得る偏差は、僅か4mlである。24時間において、これは24mlとなる。添加された流体と取り出された流体との最大偏差が4時間あたり±400mlである、the IEC Norm No.60601-2-16 3(ed.3.0)sub-clause 201.12.4.4.103 for chronic dialysisの必要要件と比べて、本方法は、劇的な改善を提供する。
【0210】
患者に危害を及ぼすことを避けるために、所定の閾値を超える初期システム重量の偏差がコントローラによって検出されるときに、透析装置又はシステムの作動は、中断されることができる。同様に、透析装置又はシステム内の流体の総容積を好ましい範囲内に維持するために、例えば、第1のリザーバ101からの透析液である流体の流れ、及び例えば、第2のリザーバ102への限外濾過液などの流体の流れは、例えば、1つ以上のポンプ(101.1及び102.1)によって制御されることができる。同様に、透析装置又はシステム内の流体の総容積を好ましい範囲内に維持するために、例えば、第3のリザーバ93からの酸又は塩基又は濃縮物である流体の流れ、及び例えば、第4のリザーバ94からの酸又は塩基又は濃縮物である流体の流れは、例えば、1つ以上のポンプ94.1によって制御されることができる。前記好ましい範囲は、例えば、透析装置又はシステムが作動を始める前の初期作動容積の10%、5%、4%、3%、2%、1%、又は更に0.5%又は0.2%又は0.1%以内であることができる。
従来の釣合装置及びシステムに対する特徴及び利点
【0211】
限外濾過液は、透析中に患者から抽出される流体である。本明細書に記載されている濾液は、透析循環システムによって濾液袋に送り込まれる累積的な流体である。濾液の内訳は、以下のように記載されることができる。
濾液=浸透物(permeate)+濃縮物1+濃縮物2+濃縮物+限外濾過液+前希釈+後希釈
濃縮物1はNaOHであることができ、濃縮物2はHClであることができる。そのような表現においては、浸透物+濃縮物1+濃縮物2+濃縮物が透析回路に導入される。幾つかの限外濾過制御システムは、当該技術分野で知られている。
圧力制御システム
【0212】
UFKは、透析器膜の限外濾過係数であり、一定と仮定される。しかしながら、限外濾過係数は、ヘマトクリットを含む種々のパラメータに依存し、その結果得られた限外濾過率は、意図されたものから逸脱する可能性があるように変化することがある。膜間差圧(TMP;transmembrane pressure)は、調節されることができる。限外濾過率UFRは、結果(UFR=TMP×UFK)である。この原理は、現代の透析機械ではもはや使用されていない。
流量差測定に基づく限外濾過制御
【0213】
流量差測定に基づく限外濾過制御は、透析液流出ポンプを制御するフィードバックループへの入力として、透析液通路における正確な流量計に依存する。幾つかのデバイスによって、透析液-流出メータと平行な追加の限外濾過ポンプが用いられる。これにより、等流量で作動される低コストの流量計を用いることが可能になる。3種類の流量計が一般的に用いられる。電磁流量計とタービン流量計は、容積流量に感応性で、コリオリ力流量計は、質量のみに感応性である。これらの方法の問題は、典型的な容積精度が1%であるという、流量計の精度である。透析システムGambro Ak 200では、例えば、電磁流量計が使用され、Gambro Artis透析システムでは、例えば、コリオリ力流量計が使用される。これらの方法では、シングルパス開ループ透析システムにおける最大透析液流速は、流量計の精度によって制限される。
容積測定の限外濾過
【0214】
容積測定の限外濾過は、一時的に閉鎖系システムを作成するためにチャンバを釣り合わせることに依存するが、透析液の再循環はない。これらの釣合チャンバシステムは、新鮮な透析液及び使用済みの透析液の流れを等しくするので、「流量平衡器」とも呼ばれる。釣合チャンバは、新鮮な透析液と使用済みの透析液との混合を避けるために、膜によって「新鮮な透析液」区画と「使用済みの透析液」区画とに分離される。システムの容積は変化しないので、透析器膜を通しての正味の流体輸送は行われない。追加の限外濾過ポンプを用いて、流体は、透析液回路から除去されることができる。環境への唯一の接続は、透析器膜と患者を通っているので、この流体は患者から除去される。このように、限外濾過ポンプの作用は、血液と透析液側との間に圧力勾配を作り出す透析液システムにおける圧力を低下させる。代わりに、これは、血液と透析液との間の圧力が再び等しくなるまで、開始する限外濾過を引き起こす。この時点で、正確に同じ量が、限外濾過ポンプによって先に取り出されるように、限外濾過される。
【0215】
流体を釣り合わせる方法は、一方のチャンバから他方のチャンバに切り替わる一時的閉鎖系回路を使用する。したがって、最大透析液流速は、釣合チャンバの精度に依存する。これらの釣合システムは、透析液のリサイクルに好適ではない。限外濾過は、別のポンプで行われ、精度はポンプに依存する。この方法は、例えば、Fresenius 5008(登録商標)及びNipro(登録商標)Surdial X(r)において用いられる。
複式ポンプ技術
【0216】
複式ポンプ釣合システムは、ダブルピストンポンプで作動する。両方のチャンバは全く同じ容積を有し、それによりピストンは反対方向に動く。したがって、閉鎖系回路に汲み入れられる同じ容積は、同時に除去される。限外濾過は、別のポンプによって実現される。これらのデバイスはシングルパスデバイスとして作動するので、ダブルピストンポンプによって、最大流速が制限される。この方法は、例えば、Nikkiso DBB(登録商標)において用いられる。
【0217】
追加の限外濾過ポンプを用いて、流体は、透析液回路から除去されることができる。環境への唯一の接続は、透析器膜と患者を通っているので、この流体は患者から除去される。このように、限外濾過ポンプの作用は、血液と透析液回路側との間に圧力勾配を作り出す透析液システムにおける圧力を低下させる。代わりに、これは、血液と透析液システムとの間の圧力が平衡になるまで、続行する限外濾過を引き起こす。
【0218】
透析のための1つの特定の先行技術のシステムであるGambroによるMARSシステムは、肝臓の透析システム及び方法を特徴とする。透析は、再循環システムを使用して行われ、透析液体を再循環させる。しかしながら、透析回路と再循環システムは、分離されない、又は分けられない。本明細書中に記載される釣合装置又はシステムは、先行技術に対して明白な利点を提供する。最初に、透析回路及び透析液再生ユニットは、本明細書に記載されるリザーバを用いて分けられる。余分な回路(MARS)はなく、同じ透析液体が用いられ、交換は、透析器を横切る。第2に、透析液回路中の透析液体は再利用されるが、その一部は、新鮮な透析液体を回路に追加し、透析回路からフィルタを横切って対流の限外濾過液及び透析液体を取り出すことで、連続的に取り換えられる。第3に、MARSによって使用されるシステムは、DIAフラックス透析器を横切るシングルパス回路で釣合を実行する。第4に、透析液(例えば、アルブミン)のリサイクルは、透析器を通って通過する流速とは独立して行われることができ、透析液再生ユニットにおいてより高い流速を供給することができる。第5に、流体は、添加され、1つの膜を横切るのではなく、別個に閉鎖透析液回路から除去されることができる。
釣合装置又はシステムの基盤
【0219】
本明細書に記載される釣合装置又はシステムの主な目的は、透析を受けている患者中の流体を釣り合わせることである。患者の重量の最大許容偏差は、好ましくは、処置当たり約±400gである。1時間当たりの患者の体重の最大偏差は、好ましくは±100グラムである。本明細書中に記載される釣合装置又はシステムの基盤は、重量を測定するためのはかりである。本明細書中に記載の透析方法は、再循環透析回路を使用して行われる。透析回路は、透析器膜を亘って、その周囲に接続される。透析回路及び透析液再生回路は、本明細書中に記載されるように、リザーバによって分けられる、又は分離される。
【0220】
透析回路の流体入口及び出口(例えば、浸透物、濃縮物、及び廃棄物)は、実質的に流体密である。ピストンポンプ、シリンジポンプ、チェックバルブなどが用いられることができる。しかしながら、透析回路内の再循環は、流体密ではない再循環ポンプを用いて行われる。それにもかかわらず、閉鎖回路に汲み入れられる液体の容積と閉鎖回路から除去される容積は、等しくなければならない。患者から流体を取り除くには、回路からより多くの流体を取り除き、回路に汲み入れる必要がある。閉鎖透析回路の容積及び圧力の減少によって、流体は透析器膜を横切って回路内に移動する。
【0221】
閉鎖透析回路内に空気が導入されると、液体の容積が減少する。はかりは、重量を測定し、透析回路内の液体容積の減少を実現しないので、液体は透析装置膜を横切って血液中に移動し続ける。したがって、液体容積を一定に保つために、透析回路からガスを連続的に除去しなければならない。
【0222】
閉鎖透析2及び透析液再生回路16、29、74、及び75内の液体の容積が一定である限り、透析液体の流速は流体の釣合に影響を与えない。閉鎖回路への流速と閉回路からの流速との間の差のみが、重量偏差、すなわち限外濾過に影響を及ぼす。本明細書に記載される釣合装置又はシステムは、浸透物、廃棄物、及び限外濾過液が、はかり130上の容器100に提供される。限界外過液の添加は、容器100の重量を増加させる。全ての追加の液体、例えば、閉鎖透析回路に添加もされる濃縮物は、容積測定的に又は重量測定的に測定される。追加の重量(又は容積*密度)はまた、容器100の重量を増加させる。容器100の目標質量は、閉鎖透析液回路からの一定の液体除去によって計算され、達成される。
【0223】
図29は、その部品として釣合装置又はシステムを特徴とする透析装置又はシステムによって記載され、実施される原理を示す。透析を受けている患者を考慮すると、戻された流体は、除去された流体と同じになり、限外濾過液より少ない。
リザーバの構造及び機能
【0224】
本明細書に記載される透析液リザーバ67は、リザーバが2つの経路の間に置かれているので、透析液2と透析液再生回路16、29、74、及び75とを接続し、分離する機能を果たす。これは、透析液2及び透析液再生回路16、29、74、及び75内の流体の連続的な流れを維持することが可能であるという利点を提供する。更に、透析液2及び透析液再生回路16、29、74、及び75内の透析液の明確で異なる容積測定の流量速度を維持することが可能である。例えば、1つの回路での容積測定の流量は、他の回路のものの倍数であることができる。リザーバ中にバッファを維持することで、回路中のこれらの明確な容積測定の流量速度が可能である。
【0225】
透析の目的のために、使用される透析液は、リザーバ67から取り出される。透析液回路2中の透析液のための、容積測定の流量速度は、100ml/分~4000ml/分の範囲内で容易に調節可能であり、透析液再生回路16、29、74、及び75中の流速と独立している。
【0226】
リザーバ67は、好ましくはガラス製であり(透明、消毒対して有害ではない、耐久性があり、不活性である)、好ましくは10~3,000mlの容量を有し、少なくとも1つの開口部を有する。幾つかの例においては、透析液(透析液2及び透析再生回路16、29、74、及び75)のための入口/出口として働く側面に2つのポートを特徴とすることができる。1つのポートは、流体を空にしたり/汲み出すことを促進するために底部にあり、2つのポートは、上部にある(1つは、各センサのためであり、空気/流体の除去を促進する。各ポートに1つのpHプローブ11及び1つの温度センサ10があることができる。これらのポートの両方を通った空気の除去は、別個又は共通のバルブのいずれかを用いることによって達成されることができる。側面に位置されるポートは、出口としても用いられることができる。透析液のための入口及び出口の位置及び角度は、透析液の一貫した混合のために最適化されることができる(透析液回路からの透析液及び透析液再生回路からのものは、洗浄されたアルブミンの異なるpH値、温度、及び濃度を有することができる)。一番底のポートで、透析液中の気泡の捕捉は、流れのために回避される。空気が泡の形態で上に上がることがある。
pH測定
【0227】
透析装置では、pH測定は、導電率又は光学的測定の形で実施されることができる。しかしながら、アルブミン含有透析液では、アルブミンを有するイオン緩衝のために可能ではない。したがって、電気化学又は光学的pHプローブが好ましい。透析液の余剰な監視は、二重pH測定によって可能になる。センサをエレクトロニクス/制御システムに接続することで、透析液中のpH調節用ソフトウェアの使用を可能にする。透析液のpH調節は、透析器内の血液からのCO除去を容易にする。リザーバ中のpHプローブは、消毒プロセスを監視する。pH値<3及び>9が可能でなければならない。温度は、10~95℃の所望の範囲と共に測定される。リザーバ内のpHプローブの融合は、管内で遭遇するものと比べて、プローブにおける無視できる流量抵抗を可能にする。隔離の助けを有するpHプローブを遮蔽することは、患者の安全を確実にするために提供される。
空気及び流体の吸引
【0228】
充填プロセス中、リザーバ67内からの空気の自動吸引が可能である。交互に切り替わる2つの吸引ラインの間にバルブを置くことによって、両方の空気検出器が、それらを通って流れる流体の存在を検出する。リザーバ67内からのガスの自動吸引は、制御メカニズム(酸性透析液再生経路37中に存在する、ガス、特にCO(pH3における重炭酸塩の変換による))を介した処置中に可能である。リザーバ内からの流体の自動吸引は、消毒中に提供されることができる。
【0229】
リザーバの上部に2つの空気検出器を置くことで、リザーバ67内からの流体/空気の吸引が可能であり、処置中にアルブミン含有透析液の吸引を防ぐ。pH/温度プローブ10及び11、並びに空気及び流体吸引のためのリザーバの上のアーマチュアの設計は、カスタマイズされることができる。リザーバ中の一番下の部分で、追加の吸引が可能である。バルブの存在は、様々な経路が空気のないようにする、吸引される、又は充填されることができる異なる時点を決定するために必要であると考えられる。このバルブは、消毒中の特定のチューブ/経路のすすぎを確実にすることを助ける。リザーバ内の液体レベルを一定に保つために、リザーバの内部又は外部にレベルセンサを置くことは可能であるが、検出器は、制御盤に接続されることができる。
充填レベルの決定
【0230】
リザーバ67中の充填レベルの決定は、リザーバ67に置かれたセンサを介して行われる。リザーバの上部には、空気検出器があってもよい。容量性/超音波/フロートゲージもあってもよい。
処置のための更なる代替
【0231】
シングルパス透析の場合、濾液ポンプを介して流体を引き出すことが可能である。正常透析又は呼吸性透析(respiratory dialysis)の場合には、透析液と透析液再生回路との間で流体(アルブミン-透析液)の全相互交換が可能である。透析液再生回路内のフィルタを交換し、一方で吸引による透析処置を行うことが可能である。リザーバ内の一定の空気チャンバは、バッファとして働き、透析回路内の圧力変動を低減することができる(圧力変動は、特にクロススイッチ時に発生することがある)。
再循環回路中の流体制御
【0232】
透析液の流れは、本明細書中に記載される透析装置及びシステムにおいて再循環される。したがって、透析液の流れも使用済み透析液の容積であるので、名称は、非再循環血液透析手順における透析液の流れと対応しない。本明細書に記載される透析装置及びシステムにおける使用済み透析液に対応する流体容積は、浸透物及び濃縮物からなる供給流体と呼ばれる。
患者の限外濾過の制御
【0233】
5つの流体回路は、例えば図25に示されるように釣り合わされなくてはならない。第1の回路は患者である。透析システムは、患者から流体を抜き取るか、流体バランスをゼロに保つことができるべきである。60601-2-16 3ed Subclause 201.12.4.4.103 NET FLUID REMOVALは、24時間又は48時間の処置ではなく、4時間の透析のための精度を規定する。本明細書に記載される透析装置及びシステムは、24時間及び48時間の透析処置において、この規範的要件が満たされることができることを提供する。これは、24~48時間で±400ml、1時間で±100mlが患者の流体バランスの偏差の限度であることを意味する。患者は、透析液回路から又は透析液回路に、流体をなくす又は得ることができる。患者の限外濾過における透析器の透析液流入経路よりも透析液排出経路中における、より多くの流体を取り出すことができるために、透析液ポンプは、完全に流体密であることが許容されない。透析液ポンプは、通常の透析機械又は他のシステムにおいて、釣合チャンバ又は他の技術的可能性が位置される場所である。除去される限外濾過液の量は、24時間で10リットルを超えることができるが、ほとんどの場合5リットルで十分である。
透析液の流体制御及び透析液再生回路の概要:
【0234】
釣合装置又はシステムは、濾液及び限外濾過液の流出と共に、浸透物及び濃縮物の流入を釣り合わせることを可能にする。透析液回路2と透析液再生回路16及び29との組合せは、再循環される透析液を含み、約0.2~5リットルの容積を有する。適用される透析液流(透析器を通る流れ)は、通常、0.05~4000ml/分、好ましくは500~2000ml/分である。比較すると、集中治療医療で通常行われる連続的な血液透析では、透析器を通る透析液の平均流速は、僅か33ml/分である必要がある。従来の血液透析デバイスは、約100~1000ml/分の範囲の透析器を通る透析液流を説明することができる。このようなデバイスは、主に約4時間から8時間まで使用される。
【0235】
本明細書中に記載される釣合方法は、逆浸透ユニットに接続することなく、通常の透析機械よりも更に高い透析液流速で、24時間又は48時間まで使用されることができる。これは、肝臓又は腎臓の透析だけでなく、酸素添加又はCO除去のために肺の支持を必要とするか、又は独占的に必要とする患者にとって特に有用である。24時間の処置の利点は、不安定な患者の場合におけるより遅い流体抽出、区画が空になることによる改善された無毒化、及び連続的に提供されなければならない肺の支持を提供することが可能なこと、である。
【0236】
このような24時間処置を提供するために、従来の透析手順では、2000mL/分の透析液流量のために合計2,880リットルの浸透物が必要となる。従来の透析デバイスの限外濾過の制御は、処置の全期間中、±400mlの最大偏差を遵守しなければならない。従って、2000ml/分の透析液流で、24時間の処置において、±0.014%程度の精度が維持されなければならない。現在最適な釣合システムは、0.1%の偏差を有するが、幾つかの透析機械では、達成は僅か1%である。産業に依存しない分析は存在しない。一般水準は、4時間で120リットルの透析液流量において、0.33%の精度(±400ml)を必要とする。このような推奨は、ICUユニットで使用されている24~48時間の透析手順においてはまだ存在しない。
【0237】
本明細書中に記載される釣合方法は、従来の透析とは対照的に、閉鎖された再循環透析システムで実施される。このような透析システムは、透析液の連続的且つ有効な調節を容易にし、24時間処置のための累積浸透物摂取量を最大550リットルに調節し、それにより平衡に対して僅か±0.073%未満の精度を必要とする。透析液流量が120リットルを超える透析機械は、逆浸透ユニットへの直接アクセスを必要とする。
【0238】
そのような透析機械を用いる処置に必要な流体は、浸透物が最初に存在する交換可能な容器内で利用可能となり、処置中に濾液が充填される。両方の流体は、可撓性の袋によって分離される。容器の流体及び容量(120l)は、使用される供給流量に応じて、少なくとも4時間及び最大36時間までの期間の処置を提供するのに十分である。したがって、容器100は、24時間の処置中に最大6回交換されることができる。容器100は、処置全体の間、秤量手段(はかり)130に配置される。しかし、初期値が記録され、その後は重量の変化のみが決定されるので、全重量の精度は何の役割も果たさない。容器に最初に存在する流体は、循環透析経路を通って向けられ、適用され、部分的に再調節され、その後、濾液として容器に戻される。また、濃縮物及び前/後希釈流体は、容器/秤量手段(はかり)130にも置かれる。したがって、記録された重量の変化は、患者から抽出された限外濾過液を意味するだけである。
【0239】
4時間以内に患者から抽出されることができる流体の最大量は4000mlであり、重量におけるこの変化が単に測定され、秤量手段(はかり)による出力として提供される。±0.1%の精度は、4時間で4mlの最大偏差を意味する。容器を交換するたびに、4mlの偏差が生じる可能性がある。これは、同様に、最大6回の断続的な容器交換のたびに、24時間で24mlの最大偏差を提供する。
【0240】
透析回路2と分離して濃縮物を投与することが可能である。これは、容積測定法又は重量測定法のいずれかで、好ましくはピストンポンプ又はシリンジポンプによって(約1%の高い投与精度及び流体の逆流がないため)行われることができる。最大4.5リットル(例えば、3.072リットル)の濃縮物は、透析システムに4時間で投与されることができ、それは投与量における±0.5%の精度で22.5mlの偏差に換算される。結果として、投与された濃縮物及び限外濾過液は、4時間で容器内の流体の容積を最大8500ml分増加させる。これは、4時間で8.5mlの最大偏差における±0.1%の精度に相当する。最悪の場合の事態(はかりにおいて、22.5mlの濃縮物不足と8.5mlの流体過剰)においては、患者は4時間で31mlの量まで誤った平衡を受けるであろう。この計算の傾きが拡大することにより、患者は24時間で186mlの最大量まで、誤った平衡を受けるであろう。したがって、最大27リットルの濃縮物が提供され、24時間の処置中に最大24リットルの流体が患者から除去される。容器100の初期出力重量を記録してはならないので、この手順では、最大51リットルを24時間に亘って平衡化しなければならない。
X=UF+(Conc.)+Y
X=平衡化される容積
Y=平衡における誤差
【0241】
透析液が再調節及び再循環されず、その結果シングルパス手順で2,880リットルの透析液を必要するものである従来の透析機械は、平衡における±0.1%の精度と共に2.8リットルの最大偏差を示す。これは患者にとって致命的になる可能性がある。浸透回路に与えられ、その後除去される全ての流体は、容積測定的及び/又は重量測定的に測定されるので、容器内の流体の重量平衡のための余剰な監視システムが提供される。
【0242】
濾液は、以下の部分で構成される:濾液=浸透物+濃縮物1+濃縮物2+濃縮物+限外濾過液+前希釈+後希釈。濃縮物1はNaOHであり、濃縮物2はHClである。処置が開始する前又は処置が開始するときに、限外濾過液を除いた全ての流体を容器内に有することが可能である。
流路の詳細な記載
リザーバへ又はリザーバからの透析液回路経路:リザーバへ直接行く
【0243】
これが起きるかどうかは、透析液流速に依存するが、透析液流と透析液再生流の差は、リザーバ67に直接行き、その後透析液流入に入る。透析液流が透析液再生流よりも低い場合、逆のことが起こる。次に、リザーバ67から、リザーバ67から透析液再生回路16、29、74、及び75の方向に流れが進む。これは、閉じた透析液回路2及び透析液再生回路16、29、74、及び75があるので、数秒以内に100ml超において変化することなく機能する。リザーバ67に行く流れでは、例えば圧力低下からガスが発生することがある。したがって、この回路では脱ガスが必要である。必要があれば、透析液回路2及び透析液再生回路16、29、74、及び75を閉鎖されなくてはならない。唯一の開放部分は、血液及び透析液など生物学的流体を分離する半透膜23A及び23B(1、5、22A、22Bを参照)である。
透析液再生回路への透析液回路経路:透析液再生回路への通過
【0244】
800ml/分の典型的な透析液流については、透析器を通った後、300mlはリザーバに直接通過し、500mlは透析液再生回路を通過する。この回路を通って、限外濾過液及び前又は後希釈(もしあれば)は、血液から取り出される必要がある。これは、透析液再生回路内の透析器とギアポンプ間の透析液経路において、ギアポンプのような「開かれた」ポンプを用いてのみ可能である。外側からシステムに流体をもたらす(例えば、浸透物又は濃縮物)又はシステムの外から何かを汲み込むポンプは、例えばピストンポンプのように、完全に密でなくてはならない。更に、透析液、透析液再生回路、又はリザーバに、空気は保持されるべきではない。空気を保持することは、患者にとって正の(positive)流体の釣合を引き起こす。急激な圧力の上昇や下降を避けるために、管は、シリコンチューブのような何かのコンプライアンスを有する必要がある、又は加圧タンク(例えば、明確に定義されたガス容積を有するリザーバ)を用いて、圧力変動を補償する。
透析液再生回路
【0245】
透析液回路2から流入が来て、流出はリザーバ67に行く。透析液再生回路16、29、74、及び75では、ガス(CO)は、回路37の酸性部分でほとんど発生する。回路においては、廃棄物ポンプによる限外濾過除去を可能にするために、ギアポンプ(密ではない)のようなポンプが必要である。次の回路は、透析液再生回路16、29、74、及び75間の、供給(浸透物及び濃縮物)の流入及び濾液の流出である。この回路は、24時間で550リットルの最大容量と50リットルの最小流速を有する。この流体は、容器内の浸透物の60~120リットルの袋、及び各濃縮物のための2~7リットルのカニスタ(canister)に提供される。閉鎖システムを有するには、ピストンポンプとチェックバルブが必要であり、それによって透析液再生回路の流体は、浸透物容器又は濃縮物カニスタに流れないことが可能である。
はかりを用いる循環システムの釣合オプション
【0246】
本明細書中に記載される釣合装置及びシステムは、限外濾液を別にして余分にした状態で、単一のはかり上の全ての流体(浸透物、濃縮物、前希釈、及び後希釈)を確保することを特徴とすることができる。浸透物(前希釈及び後希釈)及び濾液のみを単一のはかりに置くことが好ましい。濾液は、はかり上の重量の増加によって監視される。濃縮物は、容積測定の計測ポンプによって投与されなくてはならない。これらのポンプの精度は、最小限の容積測定の流量に基づいて保証される。濃縮物に接続された管には、ストレインリリーフは必要ない。
平衡のためのポンプ
【0247】
ピストンポンプは、平衡を可能にする。これらは、逆流/逆流症を起こりうることなく、最良の利用可能な密封特性を提供する。流体容量の余剰な監視は、ピストンポンプを介して、又は分離したリザーバ又は濃縮物のための追加のはかりによって提供される。
これによるはかりの変更を回避するためのチューブ接続のためのストレインリリーフ
【0248】
チューブレイアウトには、ストレインリリーフが備えられている。したがって、はかりに対する管のプッシュプル効果の影響は見られない。容器と透析システムとの間では、レイアウトにおいてチューブが提供され、ハウジング/エンクロージャとの接触を避ける又は最小限にする(即ち、透析システム上に固定される)。容器内の流体袋からの管の位置は固定され、動きに抵抗する。機械と容器との間の連結/接続には何の歪みもない。したがって、はかり上の平衡は影響を受けないままである。
秤量
【0249】
システムを秤量する可能性は、リフトシステム、台はかり、ばね/クレーンはかりが挙げられる。秤量ユニット又はロードセルを用いることが好ましく、クロスチェック及び比較を介した余剰な秤量が行われることができる。システムによるロードセルによって余剰な測定が行われることができる。ロードセルにおける信号伝達は、アナログ対応物によるデジタル送信機によって行われることができる。ソフトウェアは、ずれた重量の補償に気付き;秤量プロセスには2つのロードセルを介した規制/制御で十分である。秤量/重量を監視するための膜間差圧(TMP)の監視を行うことができる。逆濾過を回避するために、透析液圧力と血液圧力との比較も行われることができる。
容器
【0250】
本明細書中に記載される容器は、防錆材料、大容量、及び流体密からなるハンドル、帯電防止車輪を特徴とすることができる。密封された容器の外側には流体はない。容器は、少なくとも120リットルの容積を収容できなければならない(流体の内訳=浸透物+濃縮物+後希釈+前希釈+限外濾過液)。チューブレイアウトには、浸透物管中のしわ(creases)が抑制されて提供され、それによって浸透物の吸入が妨げられないままになる。使用性を向上させるため、容器に密封された前あきのハッチが提供される。後希釈流体及び前希釈流体の配置を容易にするために、上部ハッチが設けられる。容器は断熱されることができる。容器内の浸透物は、より低温で維持され、熱交換器におけるその適用性を高め、それによってこれらの流体がシステム内で自動的に釣り合わされることができる。均等に分配された秤量を可能にするために、含まれる流体による変形を防止するために、自由に取り付ける(hang)ために、且つ移動中の損傷を回避するために、容器は、構造的に十分に安定でなくてはならない。容器は、ロードセルの上に特別に構築されたプラットフォーム上に位置することができ、それによって自由に取り付ける(free-hanging)位置に留まる。接触を阻害するハウジング及び構造フレームによって、容器の転置が困難になり、容器が内部から構造フレームに当たることがない。容器の位置を決定するために、絶対位置センサが設けられる。容器はハウジングから完全に隔離される。透析システム及び充填/排出(emptying)ユニットは、容器が適切に満たされて空になるように保証するために、容器を介して機能的に接続される。
リフト機構
【0251】
容器のためのリフト機構の安定化は、例えば、側面からの支持及びリフトの伸びの予め規定された限界を伴って提供されることができる。この安定化により、処置中の透析機械の動きが促進される。リフト機構は、アライメントによって容器をガイドし、固定位置を確保する。
【0252】
袋は、60~120リットルの容量を有して提供される。袋には、各流体のための少なくとも1つの入口及び出口、並びに空気のための別の出口が備えられる。袋とその中の管は、特にストレインリリーフを提供するように設計される。袋は、袋を展開させて容器に固定するために、均一に分布させることができる。浸透物及び濾液から、2つの分離された袋がそれぞれ提供される。この容器における2つの袋のコンセプトは、1つの容器内で、2つを物理的に分離するように設計される。浸透物のより低い温度を維持するために、2つの袋又はチャンバの間に断熱材があってもよい。中央に隔離層として、エアクッション付きの3重層袋が設けられることができる。容器と透析システムとの間のコネクタの混入に対する保護は、別個のカプラとセンサを用いることによって提供されることができる。
【0253】
流体は、容器内の可撓性の袋に配置され、ガイドクランプが、管が曲げられ、又はしわを形成する、並びに他の部分において圧迫されることからの防止を助けるようにして、管が配置されることを必要とし、それによって流体の連続的な流れを保証する。容器内において、流体は、複数の区分を有する共通のケース、又は個々のケースに置かれることができる。削減された空間要件、より簡単な取り扱い、組み合わされた固有のプロセスは、複数のケースオプションによって提供される利点である。別個の流体は、理想的には、熱的に、最低でも物理的に、互いに分離して保持されなければならない。濾液のケースにおいては、濾液のための少なくとも1つの入口とガスのための少なくとも1つの出口を提供しなくてはならない。それ以外の全てのケースは、それぞれの流体のために少なくとも1つの出口を示さなくてはならない。
【0254】
本装置、システム、及び方法は、その特定の実施形態に関して記載されているが、本開示の観点において、装置、システム、及び方法に関する多数の変形がここで記載され、当業者であれば、本発明の教示の範囲内でその変形例を見出すことができる。したがって、装置、システム、及び方法は、広義に解釈され、開示及び請求項の範囲及び精神によってのみ限定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0255】
【文献】EP0,615,780B1(Stangeら)
【文献】米国特許第7,455,771号明細書(Kreymann)
【文献】米国特許第8,480,899号明細書(Kreymann)
【文献】米国特許第9,039,896号明細書(Kreymann)
【文献】EP1,867,354B1号明細書(Kreymann)
【文献】米国特許第8,377,308号明細書(Kreymannら)
【文献】米国特許第8,574,438号明細書(Kreymannら)
【文献】EP2,214,752B1号明細書(Kreymannら)
【文献】米国特許第7,112,273号(Weigelら)
【文献】国際公開第2015/074973号(Petersら)
【非特許文献】
【0256】
【文献】Artif.Organs2002;26:103~110(Stangeら)
【文献】J.Hepatol.1999;31:1080~1085(Kreymannら)
【文献】IEC Norm No.60601-2-16 3(ed.3.0)項201.12.4.4.103
【符号の説明】
【0257】
1 透析器
2 透析流体回路
3 生物学的流体回路
4 酸又は塩基を添加するための計測ポンプ
5 透析、濾過、又は透析濾過デバイス
6 加熱及び冷却装置
7 代用物を添加するためのデバイス
8 カフェインを添加するためのデバイス
9 使用可能な流体に波動/磁場を照射するためのデバイス
10 温度計
11 pHメータ
13 前希釈流体
14 後希釈流体
15A 動脈血側ライン
15B 静脈血側ライン
16 再生回路
17 透析液に添加される流体
18 透析液から除去される流体
19 代用流体
21 生物学的流体回路
22A、B 透析器
23A、B 半透膜
24 ポンプ
25 前希釈流体
26 前希釈ポンプ
27 後希釈流体
28 後希釈ポンプ
29 透析液再生ユニット
30 第1の透析液ポンプ
31 代用流体
32 代用流体
33 ポンプ
34 ポンプ
35 第2の透析液ポンプ
37 「酸性流路」
38 「アルカリ性流路」
39 酸性溶液
40 酸性ポンプ
41 アルカリ溶液
42 塩基性ポンプ
43 酸性流路における再生ポンプ
44 アルカリ性流路における再生ポンプ
45 無毒化ユニット
46 無毒化ユニット
47 切換弁を含む弁機構
48 切換弁を含む弁機構
49 濾液ポンプ
50 濾液ポンプ
51 放出流体
52 放出流体
53 はかり
54 はかり
55 はかり
56 はかり
57 センサ
58 センサ
59 センサ
60 センサ
61 センサ
62 センサ
63 温度制御ユニット
64 温度制御ユニット
64A 透析器
64B 透析器
65A 半透膜
65B 半透膜
66 ポンプ
67 透析液リザーバ
68 第1の透析液ポンプ
69 代用流体
70 代用流体
71 ポンプ
72 ポンプ
73 第2の透析液ポンプ
74 透析液再生ユニット
75 透析液再生回路
76 生物学的流体回路
81 適用点
82 パネル
83 矢印
84 矢印
90 釣合デバイス
91 釣合支持体
92 流体ライン
93 更なるリザーバ
93.1 容積計測ポンプ
94 更なるリザーバ
94.1 容積計測ポンプ
95 更なるリザーバ
95.1 ポンプ手段
96 更なるリザーバ
96.1 ポンプ手段(容積計測ポンプ)
97 流体ライン
98 流体ライン
99 流体ライン
100 容器
100.1 折りたたみ可能な容器
101 第1のリザーバ
101.1 ポンプ手段
102 第2のリザーバ
102.1 ポンプ手段
103 (第1のリザーバの)流体出口
104 第1の流体ライン
105 (第2のリザーバの)流体入口
106 第2の流体ライン
108 (容器の)基部
109 (容器の)受容スペース
110 (流体密)コーティング
111 (流体密)裏張り
112 ローラ
112.1 帯電防止ローラキット
113 ローラ取付け(mountings)
114 (ローラの)ブレーク-部材
115 インターフェース(容器で)
116 支持要素
117 ドア-部材
117.1 ドア
117.2 フラップ
117.3 ピボット軸受
118 (アクセス側)(容器の)壁
119.1 (容器の)(側)壁
119.2 側壁にアクセスするための反対の側壁
120 カバー要素
121.1 ロック手段
121.2 (反対の)ロック手段
122 ピボット軸受
123 アパチャ
124.1 仕切り
124.2 仕切り
125.1 区画
125.2 区画
130 秤量手段
131 ロードセル
132 ロードセル
133 ロードセル
136.1 ライン
136.2 ライン
136.3 ライン
136.4 ライン
137 ライン
140 コントローラ
141 ライン
142 ライン
150 支持ハウジング
151 (支持ハウジングの)エントランス開口部
152.1 側壁
152.2 側壁
153 プランジャー部材
153.1 プランジャーヘッド
154.1 第1の位置
154.2 第2の位置
155.1 ロック部材
155.2 (反対の)ロック部材
156.1 位置合わせセンサ
156.2 位置合わせセンサ
157 シリンダ
158 ローラ
160 体外血液処置デバイス
170 体外血液処置回路
171 第1の血液ライン
172 第2の血液ライン
200 患者
300 床
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
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