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特許7011269ヘアドライヤー及びヘアドライヤーの温度校正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】ヘアドライヤー及びヘアドライヤーの温度校正方法
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/10 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
A45D20/10 104
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020058732
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021142305
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2020-03-27
(31)【優先権主張番号】202010174691.2
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020310500.6
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520109081
【氏名又は名称】深▲せん▼奥郎格環保有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN AIRGLE CORPORATION LIMITED
【住所又は居所原語表記】ZONE A&B, THE 11TH FLOOR, KECHUANG BUILDING,QUANZHI SCIENCE & TECHNOLOGY INNOVATION PARK HOUTINGMAOZHOUSHAN INDUSTRIAL PARK SHAJING STREET, BAOAN DISTRICT,SHENZHEN CITY, CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】517144123
【氏名又は名称】エアーグル コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Airgle Corporation
【住所又は居所原語表記】14838 56th RD flushing NY USA
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲きん▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 拯
(72)【発明者】
【氏名】徐 勇
(72)【発明者】
【氏名】龍 冠軍
(72)【発明者】
【氏名】聶 列清
(72)【発明者】
【氏名】石 紹斉
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-077470(JP,A)
【文献】特開2006-181265(JP,A)
【文献】特開2017-118991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 20/00 - 20/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケース内に設置されており、気体が流通する流通通路が設けられ、前記流通通路を通る気体を加熱するための加熱器と、
前記流通通路に設置されており、前記流通通路を流れる気体の温度を測定するための温度測定部品と、
前記流通通路に設置されており、前記温度測定部品による測定結果を校正するための幾つかの補助温度測定部品と、
間隔を置いて間隔空間を形成しながら前記流通通路に設置されている幾つかの加熱シートと、
を含み、
前記間隔空間内には一つの前記補助温度測定部品が設置されている、ことを特徴とするヘアケアに用いられるヘアドライヤー。
【請求項2】
前記加熱器は外管及び前記外管の内部に設置される内管を含み、前記外管と前記内管との間に環状の前記流通通路が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のヘアドライヤー。
【請求項3】
前記温度測定部品と前記補助温度測定部品は前記流通通路の出口側に設置されている、ことを特徴とする請求項2に記載のヘアドライヤー。
【請求項4】
前記温度測定部品と前記補助温度測定部品との間で環状の前記流通通路内で形成される円弧の角度は180°である、ことを特徴とする請求項3に記載のヘアドライヤー。
【請求項5】
前記温度測定部品と前記補助温度測定部品は感温性抵抗体を含む、ことを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載のヘアドライヤー。
【請求項6】
前記ケースの表面には吸込口と吹出口が設けられ、前記ケースはさらに本体部とハンドル部を含み、前記本体部と前記ハンドル部との間には挟角があり、前記吹出口は前記本体部に設けられ、前記加熱器は前記吹出口に近接して前記本体部内に設置され、前記吸込口は前記吹出口から遠く離れて前記本体部に設置されている、ことを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載のヘアドライヤー。
【請求項7】
前記ケースの表面には吸込口と吹出口が設けられ、前記ケースはさらに本体部とハンドル部を含み、前記本体部と前記ハンドル部との間には挟角があり、前記吹出口は前記本体部に設けられ、前記加熱器は前記吹出口に近接して前記本体部内に設置され、前記吸込口は前記吹出口から遠く離れて前記ハンドル部に設置されている、ことを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載のヘアドライヤー。
【請求項8】
請求項1からの何れか一項に記載の前記ヘアドライヤーに用いられるヘアドライヤーの温度校正方法であって、前記温度校正方法は、
その流通通路を流れる気体に対して加熱するように加熱器を制御するステップと、
前記気体の温度を検知するように温度測定部品を制御して、第一検知値を取得するステップと、
前記気体の温度を検知するように補助温度測定部品を制御して、第二検知値を取得するステップと、
前記第一検知値と前記第二検知値との差分処理を行い、差分結果を取得するステップと、
前記差分結果が既定の閾値の範囲内にあるか否かを判断するステップと、
前記差分結果が既定の閾値の範囲を超えたなら、前記第二検知値を温度測定の結果とするか、或いは、前記第一検知値と前記第二検知値の計算により得られた平均値を温度測定の結果とするステップと、
前記差分結果が前記既定の閾値の範囲内にあれば、前記第一検知値を温度測定の結果とするステップと、
を含むことを特徴とする、ヘアドライヤーの温度校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は家庭用電器の技術分野に関し、特にヘアドライヤー及びヘアドライヤーの温度校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人々がヘアドライヤーを使ってヘアケアをする場合、通常加熱機能をオンにして、濡れた髪の毛を乾かしたり、ヘアのスタイリングをする必要がある。しかしながら、加熱機能をオンにしている間に、ヘアドライヤーの温度が高くなりすぎる状況がよくあるが、この状況が長く続くと、ヘアドライヤーの使用寿命を縮めてしまう。よって、ヘアドライヤーの温度を検知するために、さらには、ヘアドライヤーの温度が高くなりすぎるのを避けるために、ヘアドライヤー内に温度センサーを設置するが、従来の温度センサーにより検知される温度の数値は正確さに欠けており、ヘアドライヤーの本当の温度を反映することは不可能である。
【0003】
上記内容は本願の技術案の理解を助けるために用いられ、上記内容が先行技術だと認めるわけではない。
関連技術として、特許文献1(特開2017-77470)では、温度を監視して、流量の変化又は別の要因に起因する熱変動に対処するヘアケア電気器具が、外側壁及び内側壁を有する本体と、流体入口から、内側壁によって少なくとも部分的に規定される流体出口まで延びる流体流路と、流体流路内の流体を加熱するためのヒーターと、ヒーターと流体出口との間の流体の温度を測定するためのサーミスタとを備えることが開示されてある。また、サーミスタはハウジングに対して保持され、ハウジングは内側壁の一部を形成し、ハウジングは、内側壁に係合する基部を備えることができ、ハウジングはアームをさらに備え、アームはサーミスタを支持して、内側壁の半径方向内側に延びることができることが開示されてある。さらに、ハウジングは2本のアームを備え、サーミスタは2本のアームの間に吊り下げることができ、内側壁は、ハウジングが挿入される開口を備えることができることが開示されてある。
また、関連技術として、特許文献2(KR 20090117070A)では、人体に有益な遠赤外線を放射して髪の健康を維持すると共に、酸素を放射して長時間快適に使用することができるヘアードライヤを提供することが開示され、ヘアードライヤは、加熱素子(32)と、換気扇(18)と、制御スイッチ(8)とを含み、電源は、加熱素子に加えられ、加熱素子を加熱し、換気扇は電源によって駆動され、空気を吹き出し、制御スイッチは、換気扇及び加熱素子の動作状態を制御することが開示されてある。また、加熱素子は、一定の直径に形成された長間隔保持板(38)と、この長間隔保持板から一定の距離に設置された小間隔保持板とを含むことが開示されてある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づいて、従来のヘアドライヤーにおける温度測定器では、ヘアドライヤーの本当の温度を正確に反映できない問題に対して、検知温度の正確さを効果的に保証するためのヘアドライヤー及びヘアドライヤーの温度校正方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明が提案するヘアドライヤーはヘアケアに応用され、
ケースと、
前記ケース内に設置されており、気体が流通する流通通路が設けられ、前記流通通路を通る気体を加熱するための加熱器と、
前記流通通路に設置されており、前記流通通路を流れる気体の温度を測定するための温度測定部品と、
前記流通通路に設置されており、前記温度測定部品による測定結果を校正するための補助温度測定部品と、
を含む。
【0006】
好ましくは、前記加熱器は外管及び前記外管の内部に設置される内管を含み、前記外管と前記内管との間に環状の前記流通通路が形成されている。
【0007】
好ましくは、前記温度測定部品と前記補助温度測定部品は前記流通通路の出口側に設置されている。
【0008】
好ましくは、前記温度測定部品と前記補助温度測定部品との間で環状の前記流通通路内で形成される円弧の角度は180°である。
【0009】
好ましくは、前記ヘアドライヤーはいくつかの加熱シートを含み、前記加熱シートは間隔を置いて前記流通通路に設置されている。
【0010】
好ましくは、前記加熱シートは間隔を置いて間隔空間を形成して、前記ヘアドライヤーは幾つかの前記補助温度測定部品を含み、どの前記間隔空間内にも一つの前記補助温度測定部品が設置されている。
【0011】
好ましくは、前記温度測定部品と前記補助温度測定部品は感温性抵抗体を含む。
【0012】
好ましくは、前記ケースの表面には吸込口と吹出口が設けられ、前記ケースはさらに本体部とハンドル部を含み、前記本体部と前記ハンドル部との間には挟角があり、前記吹出口は前記本体部に設けられ、前記加熱器は前記吹出口に近接して前記本体部内に設置され、前記吸込口は前記吹出口から遠く離れて前記本体部に設置されている。
【0013】
好ましくは、前記ケースの表面には吸込口と吹出口が設けられ、前記ケースはさらに本体部とハンドル部を含み、前記本体部と前記ハンドル部との間には挟角があり、前記吹出口は前記本体部に設けられ、前記加熱器は前記吹出口に近接して前記本体部内に設置され、前記吸込口は前記吹出口から遠く離れて前記ハンドル部に設置されている。
【0014】
また、上記目的を実現するために、本発明はさらに、上記のヘアドライヤーに用いられるヘアドライヤーの温度校正方法を提案する。前記温度校正方法は、
その流通通路を流れる気体に対して加熱するように加熱器を制御するステップと、
前記気体の温度を検知するように温度測定部品を制御して、第一検知値を取得するステップと、
前記気体の温度を検知するように補助温度測定部品を制御して、第二検知値を取得するステップと、
前記第一検知値と前記第二検知値との差分処理を行い、差分結果を取得するステップと、
前記差分結果が既定の閾値の範囲内にあるか否かを判断するステップと、
前記差分結果が既定の閾値の範囲を超えたなら、前記第二検知値を温度測定の結果とするか、或いは、前記第一検知値と前記第二検知値の計算により得られた平均値を温度測定の結果とするステップと、
前記差分結果が前記既定の閾値の範囲内にあれば、前記第一検知値を温度測定の結果とするステップと、
を含む。
【0015】
本発明で提案する技術案では、ヘアドライヤーのケース内に加熱器が設置され、加熱器には気体が流通する流通通路が設置されており、加熱器により流通通路内を流れる気体を加熱する。流通通路内には温度測定部品と補助温度測定部品が設置され、温度測定部品及び補助温度測定部品は何れも流通通路内の気体に対して測定することが可能である。補助温度測定部品を設置することで、温度測定部品による測定結果を校正して修正し、さらには測定結果の正確さを保証することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するため、以下では、実施例或いは従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単にs説明する。下記説明における添付図面は本発明の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行わないことを前提に、これらの添付図面が示す構造により他の添付図面を得ることができる。
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本発明の目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
図1】本発明のヘアドライヤーにおける加熱器の一実施例の構造模式図である。
図2】本発明のヘアドライヤーにおけるケースの一実施例の構造模式図である。
図3】本発明のヘアドライヤーにおけるケースのもう一つの実施例の構造模式図である。
図4】本発明のヘアドライヤーの温度校正方法の一実施例の流れ・ステップの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施例における添付図面と組み合わせ、本発明の実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本発明の全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られた全ての他の実施例は、本発明の保護する範囲に属す。
【0018】
本発明の実施例での全ての方向性指示(例えば上、下、左、右、前、後......)は、当該方向性指示はある特定の姿勢(添付図面に示す)における各部品間の相対的位置関係、運動状況等を説明するためだけに用いられ、もし当該特定の姿勢が変わる場合、当該方向性指示もそれ相当に変わることは説明しておく必要がある。
【0019】
また、本発明の実施例において「第一」、「第二」等に係る説明は説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定されている特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。本発明の説明では、別途明確で具体的な限定がない限り、「複数」とは少なくとも二つ、例えば二つ、三つ等を意味する。
【0020】
本発明において、別途明確な規定や限定がない限り、術語「接続」、「固定」などは広義に理解されるべきである。例えば、「固定」は固定的な接続でもよく、取り外し可能な接続でもよく、或いは一体としてもよい、機械的な接続でもよく、電気的な接続でもよい、直接につながってもよく、中間にある媒介によって間接的につながってもよく、二つの素子内部の連通或いは二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況により上記術語の本発明における具体的な意味を理解できる。
【0021】
また、本発明の各実施例の技術案はお互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることはその基礎である。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在しない、且つ本発明が請求する保護範囲にないと理解すべきである。
【0022】
図1を参照し、本実施例では、ヘアケアに利用されるヘアドライヤーを提案する。ヘアドライヤーはケース10、加熱器20、温度測定部品30及び補助温度測定部品40を含む。加熱器20、温度測定部品30と補助温度測定部品40は何れもケース10内に設置されている。ケースの材質としては、金属でもよく、可塑性材料でもよい。金属シェルで内部の空間をよりよく支えることができる一方、可塑性材料は加工が容易で、例えば、射出成形で一体成型できる。しかも、可塑性シェルにはさらに、良い絶縁、断熱効果がある。それに、シェル10は3Dプリント技術により制作できる。3Dプリント技術とは、粉末状の金属或いはプラスチック等の粘結可能な材料で、積層プリントの方法で物体を構成する技術である。
【0023】
加熱器20はケース10内に設置され、加熱器20には気体が流通する流通通路210が設けられ、加熱器20は流通通路210を通る気体を加熱するためのものである。具体的に、加熱器20の主な原理としては、電気エネルギーを熱エネルギーに変換することで、例えば発熱ワイヤー或いは発熱シートであり、何れも比較的高い電気-熱エネルギー変換効率を有する。空気が加熱器20の流通通路210を流れた時、気体は加熱器20の加熱する表面を通り、エネルギーの転移を起こし、エネルギーは加熱器の表面から気体に転移することにより、気体の温度を高める。ヘアドライヤーは温度が高められた気体を吹き出して、高温の気体により髪の毛の水分の蒸発速度を上げることが可能である。
【0024】
温度測定部品30は流通通路210に設置されている。温度測定部品30は流通通路210を流れる気体の温度を測定するためのものである。補助温度測定部品40は流通通路210に設置されている。補助温度測定部品40は温度測定部品30による測定結果を校正するものである。これによりわかるように、温度測定部品30と補助温度測定部品40は何れも気体の温度に対して測定することが可能である。通常では、温度測定部品30による測定結果を主として、補助温度測定部品40による測定結果を補助とする。換言すれば、温度測定部品30による測定結果は通常正確ではあるが、測定結果が明らかに間違っている場合、補助温度測定部品40による測定結果を基準にする。例えば、温度測定部品30が測定を行うことが不可能になったり、測定結果に比較的大きな変動が見られて、温度測定部品が既に正常に作動できないことを表す場合、補助温度測定部品40による測定を通して得られた温度は気体の正確な温度になる。また、温度測定部品30と補助温度測定部品40の測定結果に大きな差があった場合、両方の測定結果の平均を取って、その平均値を気体の温度とすることか可能である。
【0025】
本実施例で提案する技術案では、ヘアドライヤーのケース10内には加熱器20が設置され、加熱器20には気体が流通する流通通路210が設置されており、加熱器20により流通通路210内を流れる気体を加熱する。流通通路210内には温度測定部品30と補助温度測定部品40が設置され、温度測定部品30及び補助温度測定部品40は何れも流通通路210内の気体に対して測定することが可能である。補助温度測定部品40を設置することで、温度測定部品30による測定結果を校正して修正し、さらには測定結果の正確さを保証することは可能である。
【0026】
その中の一つの実施例において、加熱器20は外管220及び外管220の内部に設置される内管230を含み、外管220と内管230との間に環状の流通通路210が形成されている。環状の流通通路210を通して、気体は環状のままでヘアドライヤーを離れることで、送風が集中しすぎることを避けて、できるだけ送風角度を発散させる。これにより、ヘアドライヤーの使用時により大きい吹出面積が得られるようになる。また、外管220と内管230の表面で気体を加熱することも可能である。これにより、気体が環状に設置されている流通通路210で加熱される場合、内と外との二層において加熱されることで、できるだけ気体の受熱面積を大きくして、さらには加熱の効率を高めることが可能である。
【0027】
その中の一つの実施例において、温度測定部品30と補助温度測定部品40は流通通路210の出口側(図示しない)に設置されている。通常では、ヘアドライヤーの中で加熱された気体を使用者の髪の毛を乾かすのに利用するので、髪の毛に作用する気体の温度をできるだけ正確に把握する必要がある。気体の温度が高すぎると、使用者の髪の毛あるいは皮膚に損傷を与えるおそれがあり、気体の温度が低すぎると髪の毛を乾かす効果を発揮できないおそれがある。ヘアドライヤーの出口側の位置は髪の毛の位置により近いので、温度測定部品30と補助温度測定部品40を流通通路210の出口側に設置することで、気体がヘアドライヤーを離れた時の温度を知ることができる。それに、測定により得られた気体の温度に基づいてヘアドライヤーの加熱パワーを調整することが可能である。例えば、測定により得られた温度が比較的高い場合、加熱パワーを下げるか、加熱を一旦中止させることが可能である。測定により得られた温度が比較的低い時、加熱パワーを下げてもよい。また、ヘアドライヤー内にはコントローラー(図示しない)が設置され、温度測定部品30と補助温度測定部品40は何れもコントローラーと電気的に接続されている。温度測定部品30と補助温度測定部品40は測定で得られた信号をコントローラーに伝送して、コントローラーは受信された信号に基づいて加熱パワーの大きさ、及び加熱器のオンとオフを制御する。
【0028】
その中の一つの実施例において、温度測定部品30と補助温度測定部品40との間で環状の流通通路210内で形成される円弧の角度は180°である。具体的に、温度測定部品30と補助温度測定部品40がぞれぞれ環状の流通通路210の径方向中心を通る位置に設置され、あるいは、温度測定部品30と補助温度測定部品40が互いに比較的遠く離れた位置に設置されていると理解してもよい。これにより、温度測定部品30と補助温度測定部品40はそれぞれ異なる位置の気体の温度を測定して、局部の温度が高すぎて測定が正確ではなくなることを避けることが可能である。換言すれば、加熱器20にだけ局部の温度測定するのを避けることになる。加熱器20は内部での加熱が不均一で、一部の位置の温度が高すぎるあるいは低すぎる可能性がある。温度測定部品30と補助温度測定部品40を比較的遠く離れた位置に設置することで、より広い範囲の気体温度を検知して、さらには気体の本当の温度を得ることが可能となる。また、180°の角度の円弧上に設置することで、加熱器20の局部の温度が高すぎたり低すぎたりする異常な状況を検知することが可能である。例えば、温度測定部品30と補助温度測定部品40による測定で得られた温度の差が大きすぎた場合、ヘアドライヤーに対して点検、修理をするように注意することができる。
【0029】
その中の一つの実施例において、ヘアドライヤーはいくつかの加熱シート50を含み、加熱シート50は間隔を置いて流通通路210に設置されている。つまり、加熱ユニットを増やすことで、気体がより速く熱を得られるようにする。それに、加熱シート50はシートであるので、より大きい加熱面積を形成して、気体の温度が迅速に上昇するようにできることは、知ることができる。加熱シート50の材質としては鉄クロムアルミニウム合金或いはニッケルクロム電熱合金を含み、これらの従来の材料は良好な電気-熱エネルギー変換効率を有すると共に、良好な抗酸化性を有する。流通通路210内にの間隔を置いて加熱シート50を設置することで、流通通路210における気体の受熱位置を増やすことが可能となる。さらに、幾つかの加熱シート50の互いに隣り合う距離は等しい。即ち、加熱シート50は流通通路210内に均等配置されることで、均等な加熱位置を保証する。こうして、均等な加熱位置により、気体の全体としての熱のバランスを保証して、局部の温度が高すぎたり低すぎたりするのを避けることが可能である。
【0030】
その中の一つの実施例において、加熱シート50は間隔を置いて間隔空間を形成して、ヘアドライヤーは幾つかの補助温度測定部品40を含み、どの間隔空間内にも一つの補助温度測定部品40が設置されている。さらに、幾つかの加熱シート50の互いに隣り合う距離は等しい。これにより空間の大きさが同じな間隔空間を形成する。気体がこのような大きさが同じな間隔空間を通ることで、気体の受熱温度のバランスを効果的に保証することが可能である。
【0031】
また、もう一つの実施例において、ヘアドライヤーは幾つかの温度測定部品30を含み、どの間隔空間内にも一つの温度測定部品30が設置されている。しかも温度測定部品30は均等に間隔空間に設置されて、これによりより全面的に気体の温度を測定することが可能である。また、温度測定部品30と補助温度測定部品40の具体的な数量は何れも間隔空間の数によって設置でき、局部の温度の測定を保証すると同時に、測定温度の正確さを保証することも可能であることは、注意しておく必要がある。
【0032】
その中の一つの実施例において、温度測定部品30と補助温度測定部品40は感温性抵抗体を含む。温度測定部品30と補助温度測定部品40の温度測定原理を同じとすることができることは、理解できるであろう。感温性抵抗体は感受性素子の一種であり、温度係数の違いにより、正温度係数感温性抵抗体と負温度係数感温性抵抗体に分かれている。感温性抵抗体の典型的な特徴としては、温度に敏感であることであり、異なる温度において、異なる抵抗値を表す。正温度係数感温性抵抗体は、温度が高いほど抵抗値が大きく、負温度係数感温性抵抗体は、温度が高いほど抵抗値が小さく、何れも半導体デバイスに属する。また、温度測定部品30と補助温度測定部品40はさらにほかの温度測定素子、例えば熱電対或いは熱抵抗体を含んでもよい。さらに、温度測定部品30と補助温度測定部品40の温度測定原理は異なってもよい。例えば、温度測定部品30と補助温度測定部品40は感温性抵抗体、熱電対或いは熱抵抗対の中の一種を含む。
【0033】
図2を参照し、その中の一つの実施例において、ケース10の表面には吸込口130と吹出口140が設けられ、ケース10はさらに本体部110とハンドル部120を含み、本体部110とハンドル部120との間には挟角があり、吹出口140は本体部110に設けられ、加熱器20は吹出口140に近接して本体部110内に設置され、吸込口130は吹出口140から遠く離れて本体部110に設置されている。これによりわかるように、本体部110の内部には前後が貫通されているチャンバー体が設けられて、且つ気体は本体部110内のチャンバー体を流れて、吸込口130から本体部110内に入り、加熱器20による加熱を経てから、吹出口140を通して吹き出される。このように設置することで、気体の流動経路が比較的短くて、気体の迅速な流動に便利である。本体部110とハンドル部120との間の挟角とは、本体部110の吹出口140方向とハンドル部120の吹出口140に面する方向との間の挟角である。挟角の角度範囲としては、三つの状況が存在し、鋭角、直角と鈍角の中の一つを含む。
【0034】
図3を参照し、その中の一つの実施例において、吸込口130としては、もう一つの実施形態がある。具体的に、ケース10の表面には吸込口130と吹出口140が設けられ、ケース10はさらに本体部110とハンドル部120を含み、本体部110とハンドル部120との間には挟角があり、吹出口140は本体部110に設けられ、加熱器20は吹出口140に近接して本体部110内に設置され、吸込口130は吹出口140から遠く離れてハンドル部120に設置されている。これによりわかるように、ハンドル部120の内部には本体部110まで連通するチャンバー体が設けられて、気体はまずハンドル部120の吸込口130からハンドル部120内に入り、そして本体部110内に入り、加熱器20による加熱を経てから、本体部110の吹出口140を通して吹き出される。このように設置することで、ヘアドライヤーを使用する時、気体はヘアドライヤーの下部から入り、吸込口130はより目立たなく設置されている。
【0035】
図4に示すように、本発明はさらに、上記のヘアドライヤーに用いられるヘアドライヤーの温度校正方法を提案する。温度校正方法は以下のステップを含む。
【0036】
<ステップS10>
その流通通路を流れる気体に対して加熱するように加熱器を制御する。具体的に、ヘアドライヤーの内部にはコントローラーが設置されており、加熱器は電気的にコントローラーに接続されて、コントローラーを通して加熱器のオンとオフを制御すると共に、コントローラーにより加熱器パワーの大きさを制御することも可能である。ヘアドライヤー上にはモータを有するファンとスイッチが設置されており、ヘアドライヤーを使用する時、スイッチを通してファンの回転を制御すると共に、加熱器をオンにして、その流通通路を流れる気体に対して加熱する。
【0037】
<ステップS20>
気体の温度を検知するように温度測定部品を制御して、第一検知値を取得する。具体的に、温度測定部品はコントローラーに接続されており、温度測定部品で気体の温度を測定して、第一検知値を取得し、温度測定部品は第一検知値をコントローラーに伝送し、コントローラーはさらに記憶ユニットを有し、第一検知値は記憶ユニット内に記憶される。
【0038】
<ステップS30>
気体の温度を検知するように補助温度測定部品を制御して、第二検知値を取得する。具体的に、補助温度測定部品はコントローラーに接続されており、補助温度測定部品で気体の温度を測定して、第二検知値を取得し、補助温度測定部品は第二検知値をコントローラーに伝送し、第二検知値は記憶ユニット内に記憶される。
【0039】
<ステップS40>
第一検知値と第二検知値との差分処理を行い、差分結果を取得する。具体的に、記憶ユニット内から第一検知値と第二検知値を抽出して、第一検知値と第二検知値との差分処理を行い、両者の差分の結果、即ち差分結果を取得する。
【0040】
<ステップS50>
差分結果が既定の閾値範囲内にあるか否かを判断する。コントローラー内には予め既定の閾値が設定されており、既定の閾値は通常範囲の値であり、この既定の閾値の範囲内で、差分結果が標準を超えたか否かを判断する。
【0041】
<ステップS60>
差分結果が既定の閾値の範囲を超えたなら、第二検知値を温度測定の結果とするか、或いは、第一検知値と第二検知値の計算により得られた平均値を温度測定の結果とする。温度測定の結果を校正する方法は二種類あることは、理解できるであろう。第一種の方法で、第二検知値を温度測定の結果とすることは、一般的には、温度測定部品が正常に作動できない場合に採用する。第二種の方法で、第一検知値と第二検知値の計算により得られた平均値を温度測定の結果とすることは、測定数値を平均化し、測定点の局部の温度の温度測定部品への影響を避けることができる。
【0042】
<ステップS70>
差分結果が既定の閾値の範囲内にあれば、第一検知値を温度測定の結果とする。簡単に言えば、差分結果が標準を超えていなければ、温度測定部品が正常に作動できることになり、温度測定部品による測定で得られた第一検知値を基準とする。また、例え差分結果が既定の閾値の範囲内にあっても、第一検知値と第二検知値の計算により得られた平均値を温度測定の結果としてもよい。ヘアドライヤーの温度校正方法によれば、温度測定部品による測定で得られた第一検知値と補助温度測定部品による測定で得られた第二検知値を比較してから、差分結果の結果に基づいて温度測定部品が正常に作動しているか否かを判断できる。温度測定部品の作動が正常ではない、或いは温度測定の正確さに欠けている場合、補助温度測定部品を通して測定の結果を校正することで、測定結果の正確さを効果的に保証する。
【0043】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、それによって本発明の特許の範囲を制限するわけではない。本発明の発明構想の下で、本発明の明細書及び添付図面の内容を利用してなされた等価構造変換、或いは他の関連する技術分野への直接/間接的なの応用は、何れも本発明の特許の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
10 ケース、
110 本体部、
120 ハンドル部、
130 吸込口、
140 吹出口、
20 加熱器、
210 流通通路、
220 外管、
230 内管、
30 温度測定部品、
40 補助温度測定部品、
50 加熱シート。

図1
図2
図3
図4