(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20220119BHJP
B66C 1/42 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
B25J15/08 A
B66C1/42 G
(21)【出願番号】P 2017145512
(22)【出願日】2017-07-27
【審査請求日】2020-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】506223679
【氏名又は名称】株式会社オフィス エフエイ・コム
(74)【代理人】
【識別番号】100122552
【氏名又は名称】松下 浩二郎
(72)【発明者】
【氏名】飯野 英城
(72)【発明者】
【氏名】青木 清
(72)【発明者】
【氏名】小島 久典
(72)【発明者】
【氏名】石崎 裕哉
(72)【発明者】
【氏名】山口 和哉
(72)【発明者】
【氏名】堀越 隼
(72)【発明者】
【氏名】山下 洋史
【審査官】臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06579053(US,B1)
【文献】特開2008-221438(JP,A)
【文献】特開平06-298352(JP,A)
【文献】特開2015-196580(JP,A)
【文献】特開平11-130369(JP,A)
【文献】特開昭61-164755(JP,A)
【文献】特開昭64-034695(JP,A)
【文献】特開2007-283417(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0274491(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0176561(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015113220(DE,A1)
【文献】米国特許第6082080(US,A)
【文献】米国特許第6234487(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第109292469(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 15/00-15/08
B66C 1/42
A63F 9/00
B65B 35/50
B65G 1/04-63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンの移動部又はロボットアームの先端部に装着される本体部と、該本体部の下方に
フォーク形状とされて先端を下向きにして対向配置された一対のフィンガーと、該フィンガーを開閉動作させる駆動手段とを備え、前記フィンガーを閉じることでその間隔部分に位置した対象物を把持し、移送先の目的箇所上方で前記フィンガーを開くことで前記対象物を開放して目的箇所に載置するロボットハンドにおいて、前記フィンガーの間隔部分の下端側には、前記フィンガー下端側を基準として高さ位置を検出するための高さ検出板が、上方向に移動可能な状態で横向きに配置されているとともにその上方に設けたセンサ手段に所定のリンクで連結されており、バラ状で不定形の対象物からなる集積体に前記フィンガーを上から差し込みながら、前記間隔部分に侵入した前記対象物に押された前記高さ検出板が所定高さ位置に達したことを前記センサ手段で検知することで差し込み動作を停止し、前記フィンガーを閉じて所定量の前記対象物を把持してピックアップする
ものとされ、前記高さ検出板と前記センサ手段の間のリンク部分には、所定レベルの下向きの付勢力を前記高さ検出板に与える付勢手段が介装されており、前記フィンガーを前記対象物の集積体に差し込む動作に伴って、前記高さ検出板が前記付勢力により前記対象物を圧縮しながら上昇し、移送先で前記フィンガーを開く動作に伴って前記高さ検出板が前記付勢力により下降して前記対象物の開放を補助する
ものとされており、前記高さ検出板は、前記対向したフィンガーによる下端側の間隔部分よりも前記間隔方向に長い横幅を有しているとともに、その一部が少なくとも一方の前記フィンガーの動作範囲に干渉するものとされており、少なくとも前記干渉する部分は、前記間隔方向に隙間が伸びた格子状とされており、前記各隙間に、前記フィンガーのフォーク形状を構成する
複数本の枝部が各々侵入して噛み合うことにより、前記高さ検出板の上下動作及び前記フィンガーの開閉動作が可能なものとされ
、且つ、前記対象物の開放時に、前記フィンガーを開く動作に伴って前記高さ検出板が下降することで、前記格子状の部分が前記枝部による隙間の中を下降しながら前記隙間に挟まった前記対象物を梳き落とす、ことを特徴とするロボットハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンやロボットアームに装着されるロボットハンドに関し、殊に、惣菜のようなバラ状の対象物を一定量把持しながら目的箇所に移送して載置するためのロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の弁当工場においては、クレーンの移動部やロボットアームの先端部に装着したロボットハンドでコンベア上の惣菜をピックアップしながら、弁当容器の目的箇所に載置して盛付けを行う自動盛付装置が普及している。例えば、特開平6-135548号公報には、コンベア上に位置決めされた惣菜をロボットハンドのフィンガー間に挟み込んで把持しながらピックアップし、弁当容器上に移送してその特定位置に投入する装置が開示されている。
【0003】
この装置を用いることで、弁当の製造工程において人手を要していた作業の多くの部分が自動化され、衛生面の改善と製造コストの低減、及び製造効率の向上効果が期待される。しかし、この装置では一定の形を有したブロック状の惣菜のみを対象としているため、漬物、薬味、煮物などのバラ状で不定形の対象物を一定量把持しながら移送することは困難である。
【0004】
これに対し、実開平7-7888号公報には、バラ物からなる加工食材を一定の幅にして搬送する整列コンベアから、バケット型のフィンガーでその一定量を把持しながら移送し、弁当容器等の目的位置の上でフィンガーを開いて投入する加工食材の把持装置が提案されており、これにより、惣菜のようなバラ状で不定形の加工食材を潰すことなく一定量を把持しながら、自動で目的箇所に載置して盛付けできるようになる。
【0005】
しかしながら、この装置において一定量の加工食材をロボットハンドのフィンガーで把持するためには、整列コンベアの上に加工食材を一定の高さ・幅で搭載する必要があり、その整列コンベアの側方にそれと同等の横幅を有した大型の供給コンベアを配設することが必要であるため、余分な設置スペースの確保と過剰な導入コストを要する結果となる。また、フィンガーに一定量を把持させるため加工食材を供給コンベアに一定の高さで配置するには、ある程度の人手とそのためのコストを要することから、この装置による自動化は未だ不充分であると言わざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平6-135548号公報
【文献】実開平7-7888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、ロボットハンドについて、余分な設置スペースや過剰なコストを要することなく、バラ状で不定形の目的物を一定量把持して移送できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、クレーンの移動部又はロボットアームの先端部に装着される本体部と、この本体部の下方にフォーク形状とされて先端を下向きにして対向配置された一対のフィンガーと、このフィンガーを開閉動作させる駆動手段とを備え、そのフィンガーを閉じることでその間隔部分に位置した対象物を把持し、移送先の目的箇所上方でフィンガーを開くことで対象物を開放して目的箇所に載置するロボットハンドにおいて、そのフィンガーの間隔部分の下端側には、フィンガー下端側を基準として高さ位置を検出するための高さ検出板が、上方向に移動可能な状態で横向きに配置されているとともにその上方に設けたセンサ手段に所定のリンクで連結されており、バラ状で不定形の対象物からなる集積体に前記フィンガーを上から差し込みながら、その間隔部分に侵入した対象物に押された高さ検出板が所定高さ位置に達したことをセンサ手段で検知することで差し込み動作を停止し、フィンガーを閉じて所定量の対象物を把持してピックアップするものとされ、その高さ検出板とセンサ手段の間のリンク部分には、所定レベルの下向きの付勢力を前記高さ検出板に与える付勢手段が介装されており、そのフィンガーを対象物の集積体に差し込む動作に伴って、高さ検出板が前記付勢力により対象物を圧縮しながら上昇し、移送先でフィンガーを開く動作に伴って高さ検出板が前記付勢力により下降して対象物の開放を補助するものとされており、その高さ検出板は、対向したフィンガーによる下端側の間隔部分よりも間隔方向に長い横幅を有しているとともに、その一部が少なくとも一方のフィンガーの動作範囲に干渉するものとされており、少なくともその干渉する部分は、前記間隔方向に隙間が伸びた格子状とされており、その各隙間に、フィンガーのフォーク形状を構成する複数本の枝部が各々侵入して噛み合うことにより、高さ検出板の上下動作及びフィンガーの開閉動作が可能なものとされ、且つ、対象物の開放時に、フィンガーを開く動作に伴って高さ検出板が下降することで、前記格子状の部分が枝部による隙間の中を下降しながらその隙間に挟まった対象物を梳き落とす、ことを特徴とするものとした。
【0009】
このように、一対の下向きのフィンガーの間隔部分にフィンガー下端側からの高さを検出する高さ検出板を設け、その一対のフィンガーを対象物の集積体に差し込みながら、高さ検出板が予め定めた高さ位置まで持ち上がったことをセンサ手段で検知することで差し込み動作を停止して把持する方式としたことで、簡単な構成であってもフィンガーで把持するバラ状の対象物の量を一定に揃えやすくなるため、そのために余分な設置スペースと過剰なコストを要しないものとなる。
【0012】
また、このように高さ検出板の横幅を大きくしたことで、柔らかいバラ状の対象物であってもそれを潰すことなく適度に圧縮しながら高さの検出を行いやすいものとなり、且つ、高さ検出板の上下動作に伴って、その格子状の部分がフィンガーの枝部に噛み合いながらその隙間に挟まった対象物を梳き落としやすいものとなる。
【発明の効果】
【0013】
フィンガーを対象物の集積体に差し込みながら高さ検出板が所定高さになったのを検出することで差し込み動作を停止して把持する方式をとした本発明によると、余分な配置スペースや過剰なコストを要することなく、バラ状で不定形の目的物を一定量把持して移送できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明における実施の形態のロボットハンドの側面図である。
【
図3】
図1のロボットハンドの動作を説明するための側面図であって、(A)は対象物集積体の上方に位置した状態、(B)は対象物集積体にフィンガーを所定深さまで差し込んだ状態、(C)は差し込んだフィンガーで対象物を把持した状態である。
【
図4】
図3に引き続き
図1のロボットハンドの動作を説明するための側面図であって、(A)はフィンガーで把持した対象物をピックアップした状態、(B)は対象物を把持しているフィンガーを目的箇所上方で開いている状態、(C)は対象物の投下と同時に高さ検出板が下降した状態である。
【
図5】
図1のロボットハンドの応用例としてのロボットハンドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態であるロボットハンド1Aの側面図を示し、
図2はその斜視図を示している。このロボットハンド1Aは、ロボットアームの先端部に装着されて所定の対象物を掴んでピックアップするとともに、目的箇所で対象物を開放して載置するための手段として用いることを想定しており、殊に、弁当工場において漬物、薬味、煮物などのバラ状で不定形の具材や惣菜を、自動で弁当容器の目的箇所に所定量ずつ盛り付ける用途に適したものである。
【0017】
即ち、図示しないロボットアームに装着されるベースプレートからなる本体部2と、この本体部2の下方で先端を下向きにして対向配置された固定フォーク50及び可動フォーク60による一対のフィンガーの基端側を支持体5a,6aで支持してなるフィンガー部5,6と、そのフィンガー部6を水平方向に往復動作させて可動フォーク60を開閉動作させる駆動手段としてのロボシリンダ3とを備えており、その固定フォーク50と可動フォーク60の間隔部分に対象物を位置させて可動フォーク60を閉じることでそれを把持し、目的箇所上方で可動フォーク60を開くことで、対象物を開放して目的箇所に載置するようになっている。
【0018】
また、その本体部2を構成するベースプレートは横長の板状部材からなり、その基端側にロボットアーム側に連結するための継手8を備え、その上面側にはアンプユニット7とセンサ手段である接触式のデジタルセンサ9が搭載されている。そして、固定フォーク50と可動フォーク60が対向する間隔部分には高さ検出部4Aが配設されており、その下端側にフィンガーの下端側を基準として高さ位置を検出するための横向きの高さ検出板40を上方向に移動可能な状態で備えている。
【0019】
この高さ検出部4Aは、横向きの高さ検出板40の一端側から上向きに屈曲してL字状に延設された支持体4aが、フィンガー部5で固定フォーク50を支持している縦向きの板状部材からなる支持体5aの内側面に、ネジ9,9を介して上下に摺動可能な状態で接続されているとともに、その上方に設けたデジタルセンサ9に連結されたものとなっている。
【0020】
斯かる構成のロボットハンド1Aは、惣菜のようなバラ状で不定形の対象物からなる集積体に対し、一対のフィンガーを構成する固定フォーク50、可動フォーク60を上から差し込みながら、その間隔部分に侵入した対象物で押された高さ検出板40が予め定めた高さ位置に達したことをデジタルセンサ9で検知することにより、その差し込み動作を停止するとともにその一対のフィンガーを予め定めた圧力で閉じながら所定量の対象物を把持するようになっており、この点が本発明における最大の特徴部分となっている。
【0021】
このような構成を採用したことで、一対のフィンガーで把持する対象物がバラ状の不定形による集積体であっても、その一定量を潰すことなく把持しながらピックアップしやすいものとなる。また、このロボットハンド1Aは、一定量の目的物を正確に把持させるために特許文献2に記載された供給コンベアのような設備や人手を要しない簡易な構成であるため、そのために余分な設置スペースや過剰なコストを要しないものである。
【0022】
また、本実施の形態のロボットハンド1Aにおいては、高さ検出板40とデジタルセンサ9の間でリンクの一部を構成する支持体40bとデジタルセンサ9の間に、所定レベルの下向きの付勢力を高さ検出板40に与える付勢手段として図示しないコイルバネが介装されており、一対のフィンガーを対象物の集積体に差し込む動作に伴って、そのコイルバネが圧縮される際の弾性復元力により高さ検出板40が対象物を所定圧力で圧縮しながら上昇するものとして、密度が一定ではないバラ状の対象物の集積体を一定の密度に揃えるようになっている。
【0023】
そして、対象物を把持してピックアップした後、移送先でフィンガーを開く動作に伴って、高さ検出部4Aの高さ検出板40が、圧縮されたコイルバネの弾性復元力(付勢力)により元の位置まで下降するようになっており、そのフィンガーの開き動作で把持していた対象物が開放される際に、高さ検出板40の下向きの付勢力が対象物の開放動作及び投下動作を補助することから、目的箇所に対してスムースに載置しやすいという特徴を有している。
【0024】
さらに、本実施の形態のロボットハンド1Aは、その一対のフィンガーを構成する固定フォーク50、可動フォーク60の下端側が洋食器のフォーク形状とされており、その先端側がそれらによる間隔を狭めるように各々内側に傾斜しているため、水分を含んだ煮物や佃煮などのバラ状の集積体において、対象物の固形部分のみを梳き取りながら、その一定量を把持しやすいようになっている。
【0025】
加えて、本実施の形態においては、その高さ検出部4Aの高さ検出板40が、固定フォーク50、可動フォーク60による下端側の間隔部分よりもその間隔方向に横幅の長いものとされて、その一端側が可動フォーク60の動作範囲に干渉するようになっており、且つ、少なくともその干渉する部分が、前記間隔方向に隙間の伸びた格子状とされている。
【0026】
そして、その高さ検出板40における格子状の各隙間に、可動フォーク60においてフォーク形状を構成している総ての枝部が各々侵入して噛み合っていることで、高さ検出部4Aの上下動作及びフィンガーの開閉動作を可能なものとされている。このように、高さ検出板40の横幅を、固定フォーク50、可動フォーク60による下端側の間隔部分よりも幅広にして押圧面積を大きくしたことにより、柔らかいバラ状の対象物であってもそれを潰すことなく適度に圧縮しながら高さ検出を行いやすいものとなる。また、高さ検出部4Aの上下動作に伴って、格子状の高さ検出板40が可動フォーク60の枝部の隙間と噛み合って摺動するため、枝部の隙間に挟まった対象物を梳き落とす機能も発揮される。
【0027】
次に、本実施の形態のロボットハンド1Aの動作について、
図3,4を参照しながら詳細に説明する。尚、ロボットハンド1A及びそれを支持しているロボットアームは、所定のカメラ等で対象物及び積載先の位置情報を認識している図示しない電子的制御手段によりその動作を自動制御されるようになっているが、その本体部2の基端側接続部分及びそれに連結されたロボットアームは図示を省略する。
【0028】
図3(A)は、広口容器の中に積載されたひじきの煮物からなる対象物100の集積体のピックアップ位置の上方に、ロボットハンド1Aの固定フォーク50、可動フォーク60の先端側を移動させて停止した状態を示している。そして、
図3(B)に示すように、ロボットアームを動作させてロボットハンド1Aを下降させながら、固定フォーク50、可動フォーク60を対象物100の集積体に差し込む。
【0029】
この差し込み動作に伴って、高さ検出板40は固定フォーク50、可動フォーク60の間隔部分に侵入した対象物100に押されて上昇するが、高さ検出部4Aの基端側(リンク部分)とデジタルセンサ9の間に介装した図示しないコイルスプリングの弾性復元力により、バラ状で不定形の対象物100が所定の密度に圧縮されるとともに、高さ検出板40が予め定めた高さ位置に達したことをデジタルセンサ9で検知することにより、差し込み動作を停止する。
【0030】
差し込み動作が停止されると、
図3(C)に示すようにロボシリンダ3が作動してフィンガー部6をフィンガー部5に向かって横移動させながら可動フォーク60を閉じて対象物100を把持する。そして、対象物100を把持したら、
図4(A)に示すようにロボットハンド1Aを垂直に持ち上げてピックアップし、積載先まで移送する。
【0031】
積載先である弁当容器200の積載位置上方の所定距離に位置したら、
図4(B)に示すように、ロボシリンダ3を作動させて可動フォーク60を開く。すると、
図4(C)に示すように対象物100は開放されるが、その際に高さ検出板40が高さ検出部4Aの基端側に配置した図示しないコイルスプリングの弾性復元力で下降しながら対象物100を下向きに押し、その開放動作を補助するとともに格子状の高さ検出板40と噛み合った可動フォークの60の枝部に挟まっている対象物100を梳き取りながら落とす機能を発揮する。
【0032】
図5は、上述したロボットハンド1Aの応用例としてのロボットハンド1Bを示している。この例では、その高さ検出部4Bの高さ検出板41が、前述したロボットハンド1Aの高さ検出板40よりも固定フォーク50、可動フォーク60の間隔方向に幅広とされ、その可動フォーク60側の一端側がその動作範囲に干渉するように延長されていることに加え、その他端側も固定フォーク50の動作範囲に干渉するように延長されている点を特徴としている。
【0033】
そのため、この高さ検出部4Bは、その高さ検出板41が高さ検出板40と同様に格子状とされて可動フォーク60の枝部と噛み合っていることに加え、その支持体4bの下端側の所定範囲も、高さ検出板41の格子状部分から連続して格子状とされて固定フォーク50の枝部と噛み合いながら内側に屈曲しており、それより上方の支持体4bの中心線が高さ検出板41の幅方向中途部分に位置するようになっている。
【0034】
したがって、高さ検出部4Aにおいて高さ検出板40が支持体4aで片持ち式に支持されていることで支持体4aの中心線に対し傾斜した方向に力がかかりやすいのに対し、この高さ検出部4Bでは、高さ検出板41で支持体4bの中心線方向に力をかけやすくなるため、高さ検出板41がスムースに上昇しやすくなっており、且つ、その高さ検出板41は、固定フォーク50、可動フォーク60の両方の枝部で梳き取り動作を行えるという特徴も有している。
【0035】
尚、上述した説明においては、ロボットハンドをロボットアームの先端部に装着した場合を説明したが、クレーンの移動部に装着しても同様の機能を発揮するものである。また、ロボットハンドが把持する対象物が弁当容器に載置する惣菜等の場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、フィンガーで掴めるものであれば、総て適用できることは言うまでもない。
【0036】
以上、述べたように、ロボットハンドについて、本発明により、余分な設置スペースや過剰なコストを要することなく、バラ状で不定形の目的物を一定量把持して移送できるようになった。
【符号の説明】
【0037】
1A,1B ロボットハンド、2 本体部、3 ロボシリンダ、4A,4B 高さ検出部、5,6 フィンガー部、4a,4b,5a,6a 支持体、40,41 高さ検出板、9 デジタルセンサ、50 固定フォーク、60 可動フォーク、100 対象物