(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】粉体供給装置
(51)【国際特許分類】
A23P 20/12 20160101AFI20220119BHJP
B65G 65/40 20060101ALI20220119BHJP
A21C 9/04 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A23P20/12
B65G65/40 B
A21C9/04
(21)【出願番号】P 2018106668
(22)【出願日】2018-06-04
【審査請求日】2020-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】509108571
【氏名又は名称】札幌工業デザイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106954
【氏名又は名称】岩城 全紀
(72)【発明者】
【氏名】堀 直樹
【審査官】山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-115013(JP,A)
【文献】特開昭60-213634(JP,A)
【文献】実開昭53-052208(JP,U)
【文献】特開2012-143218(JP,A)
【文献】特開2002-253125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23P 10/00-30/40
B65B 1/00-3/36
B65B 37/00-39/14
A21C 1/00-15/04
B65G 65/30-65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を収容する粉体用容器と、
この粉体用容器の底面の排出口を塞ぐように配置された状態で移動可能に形成
され、装置本体のベース部に沿って前後方向・左右方向に移動可能に設置された底板部材と、
この底板部材に、前記粉体が通過するように形成
され、前記粉体用容器に収容された直上の粉体が定量だけ落下した後に粉体のブリッジを形成して落下しない大きさである複数の粉体供給孔と、
前記底板部材を前記粉体用容器の排出口に沿って移動させる底板部材駆動手段
と、
前記底板部材に取り付けられ、中央に前記粉体供給孔が臨む窓部が形成されているとともに、ほぼ正方形の外形形状をなし、その一辺及び直交する他の一辺の端縁には、それぞれ左右方向及び前後方向に延びるようにして、第一長孔及び第二長孔が形成されてなる底板保持固定部材と、を具備する粉体供給装置であって、
前記底板部材駆動手段は、前後方向に該底板部材を移動させる前後駆動シリンダであるとともに、左右方向に該底板部材を移動させる左右駆動シリンダであり、
前記第一長孔、及び第二長孔には、前記底板部材駆動手段の前後駆動シリンダ、及び左右駆動シリンダの各ピストンが、その先端に取り付けられた第一及び第二の連結部材を介して取り付けられ、該底板部材駆動手段を駆動制御することにより、該底板部材を前後方向、左右方向、斜め方向、曲線状、円状に移動可能とするとともに、該底板部材の移動距離、移動速度、動作時間を調整可能としたことを特徴とする粉体供給装置。
【請求項2】
前記底板部材は、前記粉体供給孔の周辺に、粉体用容器の内部に向けて形成した突起部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の粉体供給装置。
【請求項3】
前記粉体用容器の排出口から粉体を落下して下方に供給される被対象物を搬送する搬送手段と、
前記排出口から落下した粉体の供給量を検出する粉体供給量検出手段と、
前記底板部材駆動手段に対して制御信号を出力するとともに、前記搬送手段に対し、制御信号を出力する制御装置とを有し、
前記制御装置は、前記粉体供給量検出手段で検出した粉体の供給量が、予め設定した設定値に
達した際、前記底板部材駆動手段の駆動を停止する制御信号を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小麦粉やチーズなどの粉体を、食品並びに食品加工物に散布したり付着したりするために供給する粉体供給装置を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、食品加工機では、小麦粉、澱粉、チーズやナッツやガーリック等のパウダーなどの粉体が、菓子類や麺類などの食品並びに食品加工物の表面にまぶしたり散布したりする工程がある。この工程を自動的に行うための装置が開発されている。
【0003】
特許文献1記載の発明は、ベルトコンベアで運ばれてきた食品成形物に対して、粉を振動で散布する機械的散布部と、ベルトコンベアの上部に配置したハウジングに取り付けられ、粉と空気を混合して前記ベルトコンベア上の食品成形物に吹き付けて散布する混合散布部と、前記ベルトコンベア周辺の余剰粉を吸引する吸引手段とを備えている。
これにより、粉の散乱の少ない機械的散布部と、空気による混合散布部とで、食品成形物の表裏に対して均一に散布することができ、また、吸引手段が余剰粉を吸引するので余剰粉の発生が少なくなるとされている。
【0004】
また、特許文献2記載の粉供給装置は、粉体を貯留し、下部に設けた排出口から粉体を排出するホッパーと、ホッパー内の粉体を排出口へ落下させるためにホッパーを振動させる振動器と、ホッパーの排出口に対向して配置され、粉体を通過させる複数の貫通孔を有する多孔部材とを備えている。また、ホッパーの排出口に沿って多孔部材を移動させる駆動部を備えている。
【0005】
ホッパー内の粉体は、振動器でホッパーを振動させることで、ホッパー内で固まらないで下方の排出口へ落下するようになっている。さらに、粉体は自重により多孔部材の複数の貫通孔に詰まった状態になるが、この時、多孔部材が駆動部によってホッパーの排出口に沿って前後方向に往復移動することで、多孔部材の複数の貫通孔に詰まった粉体を、上方のホッパー内の粉体から擦り切るようにして落下する。つまり、この動作を繰り返すことで、粉体を定量的に供給できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-218899号公報
【文献】特開2011-37471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の発明の場合、混合散布部が粉と空気を混合して食品成形物に吹き付けて散布するので、粉が飛び散ることになる。そのため、ベルトコンベアの両側部分に対向する開口部から空気を噴出させてエアカーテンを形成することで、粉の散乱を少なくする必要があった。
また、粉と空気を混合して吹き付けるので、散布する粉の供給量をコントロールすることが困難であり、吸い込みダクトにより余剰粉を吸引して再利用する工夫をする必要がある。さらに、上記のエアカーテンや吸い込みダクトなどの複雑な構造の装置を備える必要があるので、コスト高を招くという課題があった。
【0008】
さらに、特許文献2記載の発明では、振動器でホッパーを振動させることによって粉体がホッパー内で固まらないようにする必要があるとともに、粉体は自重により多孔部材の複数の貫通孔に詰まった状態になるのであるが、上記の振動器でホッパーを振動させない場合は、多孔部材の複数の貫通孔に詰まった粉体は固まった状態になる可能性がある。粉体が多孔部材の複数の貫通孔に固まった状態では、多孔部材が前後方向に往復移動して上方のホッパー内の粉体から擦り切っても下方へ落下しにくくなり、次第に粉体が多孔部材の複数の貫通孔を通過しなくなる虞があった。
したがって、振動器でホッパーを振動させる必要性があり、すなわち、振動器はホッパー内の粉体が固まらないようにするだけでなく、多孔部材の複数の貫通孔に詰まった粉体を固まりにくくする働きを有しているとも考えられる。
【0009】
一方、振動器でホッパーを振動させても、多孔部材の複数の貫通孔に詰まった粉体に振動を与えるわけではないので、多孔部材を前後方向に往復移動する動作を繰り返す過程で、粉体が次第に多孔部材の複数の貫通孔に付着して通過しにくくなる。そのため一定量の粉体を安定して供給することが難しくなり、多孔部材の貫通孔を定期的に掃除する必要があり、作業の煩雑化を招くという課題があった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、食品並びに食品加工物などの被対象物に対して粉体を供給する際に、粉体が飛散することを抑え、粉体を定量的に安定した状態で供給することが可能な粉体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、粉体を収容する粉体用容器(20)と、この粉体用容器(20)の底面の排出口(21)を塞ぐように配置された状態で移動可能に形成され、装置本体(10)のベース部(12)に沿って前後方向・左右方向に移動可能に設置された底板部材(30)と、この底板部材(30)に、前記粉体が通過するように形成され、前記粉体用容器(20)に収容された直上の粉体が定量だけ落下した後に粉体のブリッジを形成して落下しない大きさである複数の粉体供給孔(31)と、前記底板部材(30)を前記粉体用容器(20)の排出口(21)に沿って移動させる底板部材駆動手段(40)と、前記底板部材(20)が取り付けられ、中央に前記粉体供給孔(31)が臨む窓部(33a)が形成されているとともに、ほぼ正方形の外形形状をなし、その一辺及び直交する他の一辺の端縁には、それぞれ左右方向及び前後方向に延びるようにして、第一長孔(33b)及び第二長孔(33c)が形成されてなる底板保持固定部材(33)と、を具備する粉体供給装置(1)であって、前記底板部材駆動手段(31)は、前後方向に該底板部材(20)を移動させる前後駆動シリンダ(41)であるとともに、左右方向に該底板部材(20)を移動させる左右駆動シリンダ(43)であり、前記第一長孔(33b)、及び第二長孔(33c)には、前記底板部材駆動手段(40)の前後駆動シリンダ(41)、及び左右駆動シリンダ(43)の各ピストン(41a,43a)が、その先端に取り付けられた第一及び第二の連結部材(46,47)を介して取り付けられ、該底板部材駆動手段(40)を駆動制御することにより、該底板部材(30)を前後方向、左右方向、斜め方向、曲線状、円状に移動可能とするとともに、該底板部材(30)の移動距離、移動速度、動作時間を調整可能としたことを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明は、上記1項において、前記底板部材(30)は、前記粉体供給孔(31)の周辺に、粉体用容器(20)の内部に向けて形成した突起部(32)を備えていることを特徴としている。
【0016】
請求項3記載の発明は、上記1項又は2項において、前記粉体用容器(20)の排出口(21)から粉体を落下して下方に供給される被対象物を搬送する搬送手段(50)と、前記の排出口(21)から落下した粉体の供給量を検出する粉体供給量検出手段(53)と、前記底板部材駆動手段(40)に対して制御信号を出力するとともに、前記搬送手段(50)に対し、制御信号を出力する制御装置(60)とを有し、前記制御装置(60)は、前記粉体供給量検出手段(53)で検出した粉体の供給量が、予め設定した設定値に達した際、前記底板部材駆動手段(40)の駆動を停止する制御信号を出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、粉体用容器内の粉体は、粉体用容器の底面の排出口を塞ぐように配置されている底板部材の上面に落下して積もっている。この時、底板部材の複数の各粉体供給孔の直上の粉体は、錐体の形状となって粉体供給孔を通過して落下する。その後、粉体供給孔の直上に粉体のブリッジが形成されるので、それ以上は落下しない。
【0018】
底板部材が粉体用容器の底面の排出口に沿って移動すると、移動後の粉体供給孔の直上の粉体が錐体の形状となって粉体供給孔を通過して落下し、粉体供給孔の直上に粉体のブリッジが形成されるので、それ以上は落下しない。底板部材を連続して移動させると、粉体供給孔が移動するごとに錐体の形状部分の粉体の落下を連続的に発生させるので、一定量の粉体を供給することができる。
【0019】
また、粉体供給装置における粉体の流量は、底板部材の移動距離と移動速度、並びに粉体供給孔の数を調整することによって決めることができる。
【0020】
さらに、粉体供給装置は、底板部材を作動していない時も、底板部材を作動している時も、粉体供給孔の直上に粉体のブリッジが形成されるので、複数の各粉体供給孔に粉体が詰まる状態にならない。そのため、従来のようなホッパーを振動させる振動器が不要であり、簡単な構造で、かつ底板部材の複数の粉体供給孔を掃除する手間が不要となる。その結果、粉体の供給量は常に安定して一定に保つことができ、粉体の散乱を抑えることができる。また、簡単な構造であるのでコストダウンを図ることができる。さらに、底板部材の複数の粉体供給孔が傷んだり変形したりすることがないので、耐久性に優れ、メンテナンス費用の低減にも寄与する。
【0021】
また、粉体用容器の底面付近の粉体は、粉体用容器内の粉体の自重や底板部材との摩擦で次第に固まってしまうことがあるとしても、粉体供給孔の周辺に、粉体用容器の内部に向けて形成した突起部を備えることで、底板部材を移動させると、突起部が粉体用容器の底面付近の粉体の固まった状態を崩し、粉体が確実に落下する。
【0022】
また、底板部材駆動手段は、底板部材を粉体用容器の排出口に沿って回転移動させたり、縦横自在に移動させたりすることで、底板部材の複数の粉体供給孔から、粉体用容器内の粉体を連続的、且つ定量的に安定して落下させる。
【0023】
また、粉体用容器は、内周面がほぼ垂直をなす筒状体とすることで、粉体が確実に下方へ落下し、粉体用容器を振動させる振動器は不要である。
【0024】
また、粉体供給装置は、コンベアと粉体供給量検出手段と制御装置を備えることで、被対象物はコンベアで粉体用容器の排出口の下方位置へ自動的に搬入し、前記被対象物に対して予め設定した設定量の粉体を自動的に供給することができる。その後、コンベアで自動的に搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図6】(a)は、一つの粉体供給孔における粉体の状態を概略的に示した断面図である。(b)は、(a)の状態から底板部材を移動した時の粉体の状態を概略的に示した断面図である。
【
図7】複数の粉体供給孔の形状および配列の状態を示す部分的な平面図である。
【
図8】粉体用容器の底面付近の粉体が固まった状態を示し、底板部材を移動した時の状態を示す部分的な断面図である。
【
図9】(a)は、粉体供給孔の周辺に形成した突起部を示す部分的な断面図である。(b)は、(a)の状態から底板部材を移動した時の状態を概略的に示した部分的な断面図である。
【
図10】本発明の他の実施形態に係る粉体供給装置を模式的に示す概略説明図である。
【
図11】(a)は、他の実施形態の底板部材駆動手段を模式的に示す斜視図である。(b)は、(a)の部分的な断面図である。
【
図12】(a),(b)は、
図11の底板部材駆動手段による底板部材の動作を示す斜視図である。
【
図13】(a)は、別の実施形態の底板部材駆動手段を模式的に示す斜視図である。(b)は、(a)の部分的な断面図である。
【
図14】(a)~(d)は、
図13の底板部材駆動手段による底板部材の動作を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態に係る粉体供給装置について図面を参照して説明する。
図1は、粉体供給装置1の全体を概略的に示した斜視図である。
図2は、
図1の一部を分解した分解斜視図である。
図3は、
図1を上から視た平面図である。
図4は、底板部材30から視た平面図である。
図5は、
図3の矢視V-V線の縦断面図である。
【0027】
粉体供給装置1は、基本的には、例えば、小麦粉、澱粉、チーズやナッツやガーリック等のパウダーなどの粉体Pを、食品並びに食品加工物などの被対象物に散布する供給装置である。なお、被対象物としては、食品並びに食品加工物に限定されるものではなく、樹脂や木工や金属などの材質からなる他の加工品にも適用される。この場合は、被対象物となる加工品に散布すべき材質の粉体となる。
【0028】
また、粉体供給装置1は、
図1及び
図2に示すように、上面が平面をなす装置本体10が食品並びに食品加工物の上方に位置している。なお、
図10に示すように、食品並びに食品加工物がベルトコンベア51で搬送される場合、装置本体10はベルトコンベア51の上方に配置される。
【0029】
本実施形態における装置本体10は、
図1及び
図2に示すように、断面矩形状の型材で上下に貫通する開口を有するように平面で四角形の枠体に形成した基台11と、この基台11の上面を被せた平板状のベース部12と、で構成される。ベース部12のほぼ中央は、詳しくは後述する粉体用容器20の底面の排出口21より大きい開口部13を形成している。さらに、装置本体10は、
図5に示すように粉体用ダクト14が前記の開口部13に挿通してベース部12に固定されている。なお、粉体用ダクト14は排出口21から落下する粉体Pを下方へ案内するように筒状に形成されている。
【0030】
さらに、粉体供給装置1は、前記の粉体用容器20の底面の排出口21を塞ぐように配置された状態で移動可能に形成した底板部材30を備えている。底板部材30は、本実施形態ではほぼ正方形状に形成されており、粉体Pが通過する複数の粉体供給孔31,31・・・がほぼ中央から広がるように広い範囲で貫通して形成されている。
【0031】
底板部材30は、装置本体10のベース部12の上面で前後、左右の方向に自在に移動可能なように、底板保持固定部材33の上に着脱可能に取り付けられている。
【0032】
底板保持固定部材33は、本実施形態では平板状でほぼ正方形の外形形状をなし、中央に広い開口である窓部33a(
図5参照)が形成されている。底板部材30は、複数の粉体供給孔31,・・・,31が窓部33aに臨むようにして、底板保持固定部材33の上面に取り付けられている。
【0033】
なお、底板部材30は、中央に広い開口34aを有する底板押さえ部材34と、底板保持固定部材33との間に挟み込まれるようにして、四隅のねじ部材34b,・・・,34bにより固定されている。
【0034】
さらに、底板保持固定部材33は、
図5に示すように、下面に四隅の4か所に形成したボールキャスタ35,・・・,35を介し、装置本体10のベース部12の上面で前後、左右の方向に滑動自在に支持されている。
【0035】
さらに、粉体供給装置1は、底板保持固定部材33を、装置本体10のベース部12の上面にて、前後及び左右の方向に移動させる底板部材駆動手段40を備えている。底板部材駆動手段40は、底板保持固定部材33を前後方向に移動させる前後駆動シリンダ41と、底板保持固定部材33を左右方向に移動させる左右駆動シリンダ43と、で構成される。
【0036】
前後駆動シリンダ41は、装置本体10の基台11の
図3及び
図4において下側に位置する後方側にシリンダ支持部材42を介して取り付けられている。左右駆動シリンダ43は、装置本体10の基台11の
図3及び
図4において右側に位置する右方側にシリンダ支持部材44を介して取り付けられている。なお、本実施形態では、前後駆動シリンダ41及び左右駆動シリンダ43は、いずれもサーボモータ45,45にて各ピストン41a,43aを往復移動させる構成である。
【0037】
底板保持固定部材33には、
図4に示されるように、下側に位置する後方端縁に平行して左右方向に延びる第一長孔33bが形成されているとともに、右側に位置する右方端縁に平行して前後方向に延びる第二長孔33cが形成されている。本実施形態では、第一長孔33bの長手方向と、第二長孔33cの長手方向は互いに直交する構成である。
【0038】
前後駆動シリンダ41のピストン41aの先端は、第一連結部材46を介して底板保持固定部材33の第一長孔33bに沿って互いに相対的に移動可能に連結されている。
一方、左右駆動シリンダ43のピストン43aの先端は、第二連結部材47を介して底板保持固定部材33の第二長孔33cに沿って互いに相対的に移動可能に連結されている。
【0039】
したがって、底板保持固定部材33は、前後駆動シリンダ41の駆動によって
図4において上下の前後方向に往復移動することが可能となっている。この時、左右駆動シリンダ43のピストン43aの先端に取り付けられている第二連結部材47が、ガイドローラ47a(
図2及び
図5参照)を介して底板保持固定部材33の第二長孔33cに沿って相対的に移動するので、底板保持固定部材33の前後方向の動きを阻害することはない。
【0040】
また、底板保持固定部材33は、左右駆動シリンダ43の駆動によって
図4において左右方向に往復移動する。この時、前後駆動シリンダ41のピストン41aの先端の第一連結部材46がガイドローラ46a(
図2参照)を介して底板保持固定部材33の第一長孔33bに沿って相対的に移動するので、底板保持固定部材33の左右方向の動きを阻害することがないのは、前後駆動シリンダ41の場合と同様である。
【0041】
また、底板保持固定部材33は、本実施形態では、前後駆動シリンダ41と左右駆動シリンダ43を同時に駆動することで、前後左右の動きが合成されて様々な方向に移動することができる。
【0042】
したがって、底板部材駆動手段40は、各サーボモータ45,45を駆動制御することで、底板保持固定部材33、すなわち底板部材30を前後方向、左右方向あるいは斜め方向に直線的に移動させたり、種々の曲線状あるいは円状に移動させたりすることができる。さらに、底板部材30を連続的にあるいは断続的に移動させることもできる。
【0043】
さらに、粉体供給装置1は、粉体Pを収容する粉体用容器20が、装置本体10のベース部12の開口部13の上方で、しかも粉体用容器20の底面の排出口21を塞ぐように前述の底板部材30の上面に僅かな隙間を介して配置される。この隙間は粉体Pが外部へ出ない程度に形成されている。
【0044】
粉体用容器20は、本実施形態では円筒形状をなしているが、断面形状は特に限定されない。つまり、従来技術のホッパーのように絞り部があると、粉体の種類によってはブリッジが生じやすくなるが、絞り部を設けないことにより粉体用容器20の内部の粉体Pを確実に下方へ落下させることが可能となり、この結果、粉体用容器20を振動させる振動器が不要となり、構造を一部簡素化できる利点がある。勿論、粉体の性質によっては絞り部を設けることが好ましい場合もある。
【0045】
また、粉体用容器20を保持する平板状の容器保持部材22が、
図1及び
図5に示すように装置本体10のベース部12の上方位置にほぼ平行に、装置本体10の基台11上に立設した4本の支柱23,・・・,23によって支持されている。容器保持部材22は、粉体用容器20を挿通可能な大きさの容器用窓孔22a(
図5参照)が、ベース部12の開口部13に対向する上方位置に形成されている。
【0046】
粉体用容器20は、容器保持部材22の容器用窓孔22aに挿通して高さ方向の位置を調整した状態で、容器保持部材22に保持固定している。つまり、粉体用容器20の底面が前述の底板部材30の上面で塞がれるように僅かな隙間を形成して高さ方向の位置が調整されている。より詳しくは、掛止部材24が粉体用容器20の外周面に取り付け位置を調整可能に固定され、粉体用容器20は掛止部材24を介して容器保持部材22に立て掛けた状態で保持されている。
なお、本実施形態における粉体用容器20は、容器保持部材22の容器用窓孔22aに挿通して高さを調整しているが、その構成は特に限定されない。例えば、粉体用容器20は掛止部材24あるいは容器保持部材22に直接取り付けることもできる。
【0047】
以上のことから、底板部材駆動手段40の前後駆動シリンダ41並びに左右駆動シリンダ43の駆動によって、底板保持固定部材33の底板部材30が粉体用容器20の底面の排出口21に沿って前後、左右の方向に自在に移動することとなる。
【0048】
さらに
図6に示されるように、底板部材30の複数の各粉体供給孔31,・・・,31は、当該粉体供給孔31の直上の粉体Pが定量だけ落下した後、粉体のブリッジBを形成して落下しない大きさであることを特徴とする。
【0049】
より詳しく説明すると、底板部材30の複数の各粉体供給孔31,・・・,31の直上の粉体Pは、錐体Ps(円錐、三角錐、六角錘などを含む)の部分が粉体供給孔31を通過して落下した後に、粉体のブリッジBが形成され、それ以上は落下しない。
図6(a)は、一つの粉体供給孔31における粉体Pの状態を概略的に示した断面図である。
図7は、粉体供給孔31,・・・,31の形状および配列の状態を示す平面図である。本実施形態では、底板部材30の各粉体供給孔31,・・・,31は、平面視で正六角形を形成しているので、落下する粉体Pの形状は六角錘体Psとなる。したがって粉体のブリッジBは六角錘のへこみ形状となる。
【0050】
粉体Pは、種類によって、粒子の大きさ、付着性、凝集性、吸湿性などの種々の性質を有しているので、前記の落下する錐体Psの大きさ(量)は、粉体Pの性質と粉体供給孔31の大きさによって決まる。したがって、落下する粉体Pの量は、粉体供給孔31の大きさを調整することで、所望の一定量とすることができる。
【0051】
なお、粉体Pの性質によるので、単純な条件を割り出せないが、実験によると、ある種の粉体Pにおける上記のブリッジBが形成される粉体供給孔31の大きさは、粉体Pの粒子の約6倍の大きさである。したがって、粉体Pの性質や条件に合わせて粉体供給孔31の大きさを設定することができる。
【0052】
その後、底板部材30が粉体用容器20の排出口21に沿って移動すると、
図6(b)に示すように、粉体供給孔31の直上の錐体Psの部分の粉体Pが粉体供給孔31を通過して落下し、粉体供給孔31の直上に粉体のブリッジBが形成されるので、それ以上は落下しない。
【0053】
そして、底板部材30(すなわち、粉体供給孔31)を、連続して移動させることによって、粉体供給孔31,・・・,31が移動する毎に、錐体Psの部分の粉体Pの落下を連続的に発生させることとなる。なお、底板部材30(すなわち、粉体供給孔31)の移動を停止すると、粉体のブリッジBが形成されて粉体Pの落下も停止する。
【0054】
前述のように、底板部材30の複数の粉体供給孔31,・・・,31による基本的な粉体の落下量は、粉体Pの性質によるところが大きく、粉体供給孔31の大きさで粉体Pの最小落下量が決まる。粉体供給装置1における粉体Pの流量は、前記の粉体Pの最小落下量を基準として、底板部材30の移動距離、移動速度、動作時間並びに粉体供給孔31の数を調整することによって粉体Pの流量(供給量)を決めることができる。
【0055】
また、粉体用容器20の底面付近の粉体Pは、
図8の網掛けハッチングで示すように粉体用容器20内の粉体Pの自重や底板部材30との摩擦で次第に固まってしまうことがある。この状態では、底板部材30が
図8の矢印のように移動しても、粉体Pが落ちなくなることが生じる。
このような事態を回避するために、底板部材30は、
図9(a)に示すように前記粉体供給孔31の周辺に、粉体用容器20の内部に向けて形成した突起部32を備えることが望ましい。
【0056】
この場合、底板部材30が移動すると、
図9(b)に示すように突起部32が粉体用容器20の底面付近の粉体Pの固まった状態を崩すことになるので、粉体Pが確実に落下する。固まった粉体Pを一旦崩すと、しばらく固まらないので、その後は常に安定した一定量の粉体Pを供給することができる。
【0057】
以上のように、本実施形態の粉体供給装置1は、底板部材30を作動していない時も、底板部材30を作動している時も、粉体供給孔31の直上に粉体のブリッジBが形成されるので、従来技術のように複数の各粉体供給孔31,・・・,31に粉体Pが詰まる状態にならない。
【0058】
したがって、底板部材30の複数の粉体供給孔31,・・・,31は粉体Pが詰まる状態にならないので、従来のようなホッパーを振動させる振動器が不要であり、シンプルな構造で、かつ底板部材30の複数の粉体供給孔31,・・・,31を掃除する手間が不要となる。その結果、粉体Pの供給量は常に安定して一定に保つことができ、粉体Pの散乱を抑えることができる。また、シンプルな構造であるのでコストダウンを図ることができる。さらに、底板部材30の複数の粉体供給孔31,・・・,31が傷んだり変形したりすることがないので、耐久性に優れ、メンテナンス費用の低減にも寄与する。
【0059】
また、底板部材駆動手段40は、底板部材30を粉体用容器20の排出口21に沿って回転移動したり、縦横自在に移動したりすることで、底板部材30の複数の粉体供給孔31,・・・,31は粉体用容器20の底面の粉体Pを連続的に定量的に安定して落下させる。
【0060】
次に、本発明の他の実施形態に係る粉体供給装置1aについて説明する。
図10に示される粉体供給装置1aは、前述の粉体供給装置1に搬送手段50を用いた場合、ベルトコンベア51で搬送された食品加工物などの被対象物に供給する粉体Pの供給量を制御するものである。
【0061】
搬送手段50は、
図10に示すように食品加工物などの被対象物をベルトコンベア51で搬送する。すなわち、食品加工物は、ベルトコンベア51で粉体用容器20の排出口21の下方へ搬送される。この搬送された食品加工物に対して、粉体Pが前述の排出口21から落下して供給されることになる。
なお、ベルトコンベア51はサーボモータ52によって回転駆動される。サーボモータ52は、制御装置60によって回転速度や回転駆動のON、OFFなどが制御される構成である。
【0062】
また、粉体供給装置1aは、落下した粉体Pの供給量を検出する粉体供給量検出手段53を備えている。本実施形態では、粉体供給量検出手段53は、被対象物の重量を計測する計量手段53aと、この計量手段53aで計測した重量データに基づいて粉体Pの供給量を計算する演算手段を備えた制御装置60と、で構成される。
【0063】
計量手段53aは、例えば
図10に示すようにベルトコンベア51の下面側に配置されており、重量の計測データは制御装置60へ出力される。制御装置60では、例えば粉体Pが供給される前の被対象物の重量計測データW
0を記憶しておく。その後に粉体Pが供給された重量計測データW
Xから前記の被対象物の重量計測データW
0を減算すると、実際に供給された粉体の重量W
Pを計算することができる。
【0064】
また、制御装置60は、実際に供給された粉体の重量WPが、予め設定した設定値WSに達した時、底板部材30の動作を停止する信号を底板部材駆動手段40の各サーボモータ45,45に出力する。さらに、制御装置60は、ベルトコンベア51を駆動するサーボモータ52の動作を制御する信号を出力する。
【0065】
上記構成により、例えば食品加工物がベルトコンベア51で搬送され、粉体用容器20の排出口21の下方に位置する時に、制御装置60によってベルトコンベア51が低速となり停止する。
次いで、制御装置60は、底板部材駆動手段40の各サーボモータ45,45を駆動して底板部材30を作動させる。すなわち、粉体Pの供給運転を開始し、粉体用容器20の粉体Pが排出口21から落下して食品加工物へ供給される。
落下した粉体Pの重量WP(供給量)は、粉体供給量検出手段53、つまり計量手段53aと制御装置60によって検出(計算)される。
【0066】
制御装置60は、検出した粉体Pの重量WPが予め設定した設定値WSに達した時に、底板部材30の移動を停止する信号を底板部材駆動手段40の各サーボモータ45,45に出力する。すなわち、粉体Pの供給運転を停止する。
したがって、所定量の粉体Pがベルトコンベア51の上の食品加工物に供給されることになる。
【0067】
次いで、制御装置60は、ベルトコンベア51を駆動する信号を搬送手段50のサーボモータ52に出力する。所定量の粉体Pを供給された食品加工物はベルトコンベア51で搬出される。
上記の一連の動作は、後続する食品加工物に対して同様に繰り返し行われる。
【0068】
なお、前述の粉体供給量検出手段53は、計量手段53aと制御装置60とで構成されているが、特に限定されない。
他の実施形態の粉体供給量検出手段53としては、粉体Pの供給運転を開始してから停止するまでの時間を計測し、この計測時間と、底板部材30から落下する粉体Pの流量(単位時間における)とを用いて制御装置60で計算して粉体Pの供給量を検出することができる。
【0069】
より詳しく説明すると、底板部材30を作動して複数の粉体供給孔31,・・・,31から落下する粉体Pの流量(供給量)は、粉体供給孔31の大きさ、底板部材30の移動距離、移動速度、動作時間並びに粉体供給孔31の数などのファクターによって決まる。したがって、単位時間における底板部材30から落下する粉体Pの流量は、ほぼ一定量に設定することができる。
【0070】
したがって、前述の粉体供給装置1aの一連の動作において、例えば食品加工物がベルトコンベア51で搬送され、粉体用容器20の排出口21の下方位置で停止した後、粉体Pの供給運転を開始してから予め設定した設定時間経過後に粉体Pの供給運転を停止する。その結果、所定量の粉体Pがベルトコンベア51の上の食品加工物に供給される。その後、ベルトコンベア51が駆動して前記食品加工物が搬出される。
【0071】
以上のように、粉体供給装置1aは、搬送手段50と粉体供給量検出手段53と制御装置60とを備えることで、被対象物は搬送手段50で粉体用容器20の排出口21の下方位置へ自動的に搬入し、前記被対象物に対して予め設定した設定量の粉体Pを自動的に供給することができる。その後、搬送手段50で自動的に搬出することができる。
【0072】
次に、他の底板部材駆動手段の実施形態について図面を参照して説明する。
図11(a),(b)は底板部材駆動手段40aを模式的に図示している。
底板部材30aは、左右のガイドレール36a,36bにガイドされて前後方向に移動可能に形成される。さらに、底板部材30aは、左右方向に長い2つの長孔37a,37bが形成されている。2つの長孔37a,37bの長手方向は互いに平行である。さらに、底板部材30aは、
図11(a)に示すように複数の粉体供給孔(
図1と同様で図示省略)を形成した円形状の部分的な範囲39で形成している。
【0073】
粉体用容器20は、底面の排出口が底板部材30aの複数の粉体供給孔に臨むように上方に、支持部材(図示省略)にて支持固定されている。
【0074】
また、底板部材30aを前後方向に駆動する駆動機構部71a,71bが、底板部材30aの各長孔37a,37bに対応して係合するように底板部材30aの上方に配置されている。なお、駆動機構部71a,71bは底板部材30aの上方でなく、下方に配置されてもよい。
【0075】
駆動機構部71a,71bは、
図11(a),(b)に示すように、ほぼ水平方向に回転する円盤状の回転体72a,72bと、各長孔37a,37bのそれぞれに挿入し、かつ各長孔37a,37bの長手方向に移動可能となるピン状の係合部73a,73bと、各回転体72a,72bの上に一体的に形成したほぼ垂直方向に延びる回転軸74a,74bと、を備えている。
なお、係合部73a,73bは対応する回転軸74a,74bに対して偏心している。しかも、係合部73aと回転軸74aの偏心量と係合部73bと回転軸74bの偏心量は同じである。また、係合部73a,73bは、前述の粉体供給装置1aにおけるガイドローラ46a,47bと同様の機能を有している。
【0076】
駆動機構部71a,71bの各回転軸74a,74bは、支持部材(図示省略)にて軸受等で回転可能に支持され、サーボモータ(図示省略)などの回転駆動手段にて回転駆動される。なお、各回転軸74a,74bについては別個のサーボモータで駆動する、あるいは一つのサーボモータ若しくは汎用モータを用いて駆動するようにしてもよい。
なお、複数個のサーボモータを用いる場合、各サーボモータを同期させて用いる必要があり、しかも高価になるので、回転駆動手段として汎用モータを一つだけ用いることは、コストの低減に繋がる。つまり、
図1の底板部材駆動手段40では2つのサーボモータ45を必要とするが、この実施形態の底板部材駆動手段40aでは一つの回転駆動手段で駆動することが可能であり、構成の単純化とコストの低減を同時に図ることができる。
【0077】
したがって、駆動機構部71a,71bの回転体72a,72bが、サーボモータによって
図12(a)の矢印で示すように同期して回転すると、対応する回転軸74a,74bに対して偏心する係合部73a,73bが回転する。回転体72a,72bの係合部73a,73bはそれぞれ対応する長孔37a,37bの長手方向に移動可能に係合しているので、底板部材30aが
図12(a),(b)に示すように前後方向に往復動する。
なお、前述の実施形態では2つの駆動機構部71a,71bを使用しているが、1つの駆動機構部であっても、あるいは2つ以上の駆動機構部を用いてもよい。
【0078】
次に、さらに別の底板部材駆動手段の実施形態について図面を参照して説明する。
図13(a),(b)は底板部材駆動手段40bを模式的に図示している。
底板部材30bは、前述の実施形態における
図1と同様に、ベース部の上面で前後、左右の方向に滑動自在に構成されている。さらに、底板部材30bは、2つの係合孔38a,38bが形成されている。さらに、底板部材30bは、
図13(a)に示すように複数の粉体供給孔(
図1と同様で図示省略)を円形状の部分的な範囲39で形成している。
【0079】
粉体用容器20は、底面の排出口が底板部材30bの複数の粉体供給孔に臨むように上方に、支持部材(図示省略)にて支持固定されている。
【0080】
また、底板部材30bを円形方向に駆動する駆動機構部75a,75bが、底板部材30bの各係合孔38a,38bに対応して係合するように底板部材30bの上方に配置されている。なお、駆動機構部75a,75bは底板部材30bの上方でなく、下方に配置されてもよい。
また、底板部材30bが全体的に円形方向に旋回動作するためには、少なくとも2つ以上の駆動機構部を用いることが望ましい。1つの駆動機構部だけでは底板部材30bが部分的に旋回動作してしまうからである。
【0081】
駆動機構部75a,75bは、
図13(a),(b)に示すように、ほぼ水平方向に回転する円盤状の回転体76a,76bと、各係合孔38a,38bのそれぞれに挿入して相対的に回転可能に係合するピン状の係合部77a,77bと、各回転体76a,76bの上に一体的に形成したほぼ垂直方向に延びる回転軸78a,78bと、を備えている。
なお、係合部77a,77bは対応する回転軸78a,78bに対して偏心している。しかも、係合部77aと回転軸78aの偏心量と係合部77bと回転軸78bの偏心量は同じである。
【0082】
駆動機構部75a,75bの各回転軸78a,78bは、支持部材(図示省略)にて軸受等で回転可能に支持され、サーボモータ(図示省略)などの回転駆動手段にて回転駆動される。なお、各回転軸78a,78bは別個のサーボモータで駆動されても、あるいは一つのサーボモータ若しくは汎用モータで駆動させてもよい。
なお、複数個のサーボモータは同期する必要があり、しかも高価になるので、前述の底板部材駆動手段40aと同様に、一つのサーボモータ若しくは汎用モータで駆動することが望ましい。
図1の底板部材駆動手段40では2つのサーボモータ45を必要とするが、この実施形態の底板部材駆動手段40bでは一つのサーボモータ若しくは汎用モータで駆動することが可能である。
【0083】
したがって、駆動機構部75a,75bの回転体76a,76bが、サーボモータによって
図14(a)の矢印で示すように同期して回転すると、対応する回転軸78a,78bに対して偏心する係合部77a,77bが回転する。回転体76a,76bの係合部77a,77bはそれぞれ対応する係合孔38a,38bに相対的に回転可能に係合しているので、底板部材30bが
図14(a)~
図14(d)に示すように円形方向に旋回動作する。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、食品並びに食品加工物の製造及びその関連事業、あるいは樹脂や木工や金属などの材質からなる加工品の製造及びその関連事業などの業務において、幅広い利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0085】
1,1a 粉体供給装置
10 装置本体 11 基台
12 ベース部 13 開口部
20 粉体用容器 21 排出口
22 容器保持部材 22a 容器用窓孔
30 底板部材 31 粉体供給孔
32 突起部 33 底板保持固定部材
33b 第一長孔 33c 第二長孔
34 底板押さえ部材 35 ボールキャスタ
36a,36b ガイドレール 37a,37b 長孔
38a,38b 係合孔 39 範囲(粉体供給孔の)
40,40a,40b 底板部材駆動手段 41 前後駆動シリンダ
42 シリンダ支持部材 43 左右駆動シリンダ
44 シリンダ支持部材 45 サーボモータ
46 第一連結部材 47 第二連結部材
50 搬送手段 51 ベルトコンベア
52 サーボモータ 53 粉体供給量検出手段
53a 計量手段
60 制御装置
71a,71b, 75a,75b 駆動機構部
72a,72b, 76a,76b 回転体
73a,73b, 77a,77b 係合部
74a,74b, 78a,78b 回転軸
P 粉体 Ps 錐体
B ブリッジ