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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】バケットコンベア
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/12 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
B65G17/12 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019141163
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2021024653
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2020-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】300008793
【氏名又は名称】精研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】長山 照一
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-101206(JP,A)
【文献】特開2016-000663(JP,A)
【文献】特開2012-158452(JP,A)
【文献】実公昭60-038586(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/00 - 17/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔を置いて循環移動するバケット10を複数設けたベルト11を、上下方向に長いケース1に軸支した上側プーリー5と下側プーリー6との間に掛け回し、ケース1の下方の一方側にはホッパー13の供給口14を設け、前記下側プーリー6の上方で、前記ベルト11の上昇側ベルト22と下降側ベルト23との間には、ベルト11の内面と下側プーリー6の外面との間に穀粒が挟まれて破砕されるのを防止する噛込み防止装置25を設け、噛込み防止装置25は側面視において下側プーリー6の取付軸27の中間部が最も高く軸方向に低くなるように傾斜するように山型形状に形成した軸心方向振分部26を、下側プーリー6の上方所定位置に設けて構成すると共に、前記軸心方向振分部26の下端31の下方には軸心方向振分部26から落下する穀粒を前後に振り分けて落下させる前後山型形状の落下ガイド50を、前記軸心方向振分部26とは別体でケース1に着脱自在に取付けて構成し、軸心方向振分部26の左右の両側方のケース1に開口部35を夫々設け、該開口部35には該開口部35を閉塞する蓋部材36を着脱自在に取付け、蓋部材36に前記軸心方向振分部26を設けたバケットコンベア。
【請求項2】
請求項1において、落下ガイド50は、軸心方向振分部26に対して交差方向に傾斜する山型の前後一対の前後傾斜板部51、51と、前後傾斜板部51、51の左右両側に設けた縦板部52とを有して構成したバケットコンベア。
【請求項3】
請求項2において、前記落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、軸心方向振分部26の下端31より左右方向において内側にそれぞれ位置させると共に、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31よりも1粒の穀粒よりも狭い間隔をおいて下方に配置したバケットコンベア。
【請求項4】
請求項2において、前記落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、左右方向において内側にそれぞれ位置させると共に、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31と同じ高さ位置に配置したバケットコンベア。
【請求項5】
請求項2において、前記落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、左右方向において内側にそれぞれ位置させると共に、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31よりも上方に位置させ、内側縦板部52Aの上端と軸心方向振分部26の下端31とが側面視において、重なるように配置したバケットコンベア。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか一項において、落下ガイド50は、軸心方向振分部26に対して交差方向に傾斜する山型の前後一対の前後傾斜板部51、51と、前後傾斜板部51、51の左右両側に設けた縦板部52とを有して構成し、前記落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、平面視において、落下ガイド50の前後傾斜板部51、51の前後端位置と一致させ、または、内側縦板部52Aを前後傾斜板部51、51よりも前後方向に長く形成させたバケットコンベア。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか一項において、前記落下ガイド50の前後幅は、側面視において、軸心方向振分部26の前後幅と同じか広く形成したバケットコンベア。
【請求項8】
請求項1~請求項6の何れか一項において、前記落下ガイド50の前後傾斜板部51、51の前後幅は、下側プーリー6の直径より広く形成したバケットコンベア。
【請求項9】
請求項1~請求項6の何れか一項において、前記軸心方向振分部26は、左右の傾斜板部30の前後縁に蓋部材36に取付ける取付板部32を夫々設けて構成し、左右傾斜板部30の上面と、前後取付板部32の前後内面とにより形成される包囲空間で穀粒の落下流路40を形成し、軸心方向振分部26の落下流路40の下方に軸心方向振分部26に対して交差方向に傾斜する山型の前後一対の前後傾斜板部51、51と、前後傾斜板部51、51の左右両側に設けた縦板部52とを有して構成した落下ガイド50を設け、落下ガイド50と軸心方向振分部26とにより噛込み防止装置25を構成したバケットコンベア。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか一項において、ケース1に設けたホッパー13の供給口14には、前板2の内面からバケット10の移動軌跡Lまで穀粒を案内する流入ガイド53を設けたバケットコンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バケットコンベアに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バケットを複数設けたベルトを、上下方向に長いケースに軸支した上側プーリーと下側プーリーとの間に掛け回し、下側プーリーの上方で、ベルトの上昇側ベルトと下降側ベルトとの間には、ベルトと下側プーリーとの間に穀粒が挟まれて破砕されるのを防止する山形の振分部を有する噛込み防止装置を設けた構成は、公知である(特許文献1)。
公知の噛込み防止装置は、一体状に山型に形成した振分部に左右方向の逆U型の支持部材の下部を取付け、支持部材の上部に左右方向の取付軸を挿入し、取付軸の左右側をケースから突出させてステーに取付けた構成である。
また、山型状の振分部を縦板に取付け、この縦板をケースに着脱自在に取付けた構成は、公知である(特許文献2)。
また、本出願人による先願に、山型形状に形成した振分部を、ケースの蓋部材に取付け、ケースに対して振分部を着脱自在に取付けた構成は、公知である(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公昭60-38586号公報
【文献】特開2002-68446号公報
【文献】特開2016-663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のうち実公昭60-38586号公報記載のものは、下側プーリーの側方に設けた窓孔より振分部を挿入し、振分部の支持部材にケース外側から取付軸を手探りで挿入し、この取付軸の左右両端を夫々ステーによりケースに取付ける構成のため、メンテナンスするには、下側プーリーおよび振分部を着脱する必要があり、点検等のメンテナンスが容易でないという課題がある。
また、振分部を着脱するには、ケース全体の分解と、下側プーリーの着脱とが必要となって、非常に面倒であるという課題がある。
また、前記公知例のうち特開2002-68446号公報に記載のものは、下側プーリーを外さずに、振分部の着脱は可能であるが、振分部を着脱するには、ケース全体を分解する必要があり、メンテナンスが容易でないという課題がある。
また、前記公知例のうち特開2016-663号公報に記載のものは、振分部をケースに対して着脱自在に取付けて、前記公知例の課題を克服しているが、振分部を設けていても、ケースの底板上面等に割れた穀粒屑が存在し、ケース内を汚染するという課題がある。
本願は、噛込み防止装置の構成を工夫し、ベルトとプーリー間に穀粒が挟まれるのを防止し、破砕穀粒発生を抑制防止したバケットコンベアを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、所定間隔を置いて循環移動するバケット10を複数設けたベルト11を、上下方向に長いケース1に軸支した上側プーリー5と下側プーリー6との間に掛け回し、ケース1の下方の一方側にはホッパー13の供給口14を設け、前記下側プーリー6の上方で、前記ベルト11の上昇側ベルト22と下降側ベルト23との間には、ベルト11の内面と下側プーリー6の外面との間に穀粒が挟まれて破砕されるのを防止する噛込み防止装置25を設け、噛込み防止装置25は側面視において下側プーリー6の取付軸27の中間部が最も高く軸方向に低くなるように傾斜するように山型形状に形成した軸心方向振分部26を、下側プーリー6の上方所定位置に設けて構成すると共に、前記軸心方向振分部26の下端31の下方には軸心方向振分部26から落下する穀粒を前後に振り分けて落下させる前後山型形状の落下ガイド50を、前記軸心方向振分部26とは別体でケース1に着脱自在に取付けて構成し、軸心方向振分部26の左右の両側方のケース1に開口部35を夫々設け、該開口部35には該開口部35を閉塞する蓋部材36を着脱自在に取付け、蓋部材36に前記軸心方向振分部26を設けたバケットコンベアとしたものである。
請求項2の発明は、落下ガイド50は、軸心方向振分部26に対して交差方向に傾斜する山型の前後一対の前後傾斜板部51、51と、前後傾斜板部51、51の左右両側に設けた縦板部52とを有して構成したバケットコンベアとしたものである。
請求項3の発明は、前記落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、軸心方向振分部26の下端31より左右方向において内側にそれぞれ位置させると共に、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31よりも1粒の穀粒よりも狭い間隔をおいて下方に配置したバケットコンベアとしたものである。
請求項4の発明は、前記落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、左右方向において内側にそれぞれ位置させると共に、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31と同じ高さ位置に配置したバケットコンベアとしたものである。
請求項5の発明は、前記落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、左右方向において内側にそれぞれ位置させると共に、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31よりも上方に位置させ、内側縦板部52Aの上端と軸心方向振分部26の下端31とが側面視において、重なるように配置したバケットコンベアとしたものである。
請求項6の発明は、落下ガイド50は、軸心方向振分部26に対して交差方向に傾斜する山型の前後一対の前後傾斜板部51、51と、前後傾斜板部51、51の左右両側に設けた縦板部52とを有して構成し、前記落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、平面視において、落下ガイド50の前後傾斜板部51、51の前後端位置と一致させ、または、内側縦板部52Aを前後傾斜板部51、51よりも前後方向に長く形成させたバケットコンベアとしたものである。
請求項7の発明は、前記落下ガイド50の前後幅は、側面視において、軸心方向振分部26の前後幅と同じか広く形成したバケットコンベアとしたものである。
請求項8の発明は、前記落下ガイド50の前後傾斜板部51、51の前後幅は、下側プーリー6の直径より広く形成したバケットコンベアとしたものである。
請求項9の発明は、前記軸心方向振分部26は、左右の傾斜板部30の前後縁に蓋部材36に取付ける取付板部32を夫々設けて構成し、左右傾斜板部30の上面と、前後取付板部32の前後内面とにより形成される包囲空間で穀粒の落下流路40を形成し、軸心方向振分部26の落下流路40の下方に軸心方向振分部26に対して交差方向に傾斜する山型の前後一対の前後傾斜板部51、51と、前後傾斜板部51、51の左右両側に設けた縦板部52とを有して構成した落下ガイド50を設け、落下ガイド50と軸心方向振分部26とにより噛込み防止装置25を構成したバケットコンベアとしたものである。
請求項10の発明は、ケース1に設けたホッパー13の供給口14には、前板2の内面からバケット10の移動軌跡Lまで穀粒を案内する流入ガイド53を設けたバケットコンベアとしたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、山型形状に形成した軸心方向振分部26の下端31の下方に、軸心方向振分部26から落下する穀粒を前後に振り分けて落下させる前後山型形状の落下ガイド50を設けているので、バケット10から溢れた穀粒は軸心方向振分部26により下側プーリー6の左右端から外側方に誘導され、軸心方向振分部26により誘導された穀粒は落下ガイド50により下側プーリー6の前後外側に誘導されて、ベルト11と下側プーリー6の間への穀粒の侵入を防止して、穀粒破砕現象発生を抑制防止することができ、また、ケース1の開口部35を閉塞する蓋部材36に軸心方向振分部26と落下ガイド50を設けているので、軸心方向振分部26および落下ガイド50の着脱を容易にでき、メンテナンスを容易にできる。
請求項の発明では、落下ガイド50を、軸心方向振分部26に対して交差方向に傾斜する山型の前後一対の前後傾斜板部51、51と、前後傾斜板部51、51の左右両側に設けた縦板部52とを有して構成しているので、ベルト11と下側プーリー6との間の空間に反射侵入する穀粒の移動を落下ガイド50が規制して、ベルト11の内面と下側プーリー6の外面との間に挟まって破砕されるのを防止することができる
請求項の発明では、落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、軸心方向振分部26の下端31より内側に位置させると共に、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31よりも1粒の穀粒よりも狭い間隔をおいて下方に配置しているので、軸心方向振分部26から落下した穀粒が軸心方向振分部26の下端31よりベルト11の内側に飛散するのを防止することができる。
請求項の発明では、落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、軸心方向振分部26の下端31より内側に位置させると共に、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31と同じ高さ位置に配置しているので、軸心方向振分部26から落下した穀粒が軸心方向振分部26の下端31よりベルト11の内側に飛散するのを防止することができる。
請求項の発明では、落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、軸心方向振分部26の下端31より内側に位置させると共に、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31よりも上方に位置させ、内側縦板部52Aの上端と軸心方向振分部26の下端31とが側面視において、重なるように配置しているので、軸心方向振分部26から落下した穀粒が軸心方向振分部26の下端31よりベルト11の内側に飛散するのを防止することができる。
請求項の発明では、落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、平面視において、落下ガイド50の前後傾斜板部51、51の前後端位置と一致、または、内側縦板部52Aを前後傾斜板部51、51よりも前後方向に長く形成させているので、前後傾斜板部51、51の下端まで流下した穀粒が落下する際に、ベルト11の内側に飛散侵入するのを防止することができる。
請求項の発明では、落下ガイド50の前後幅は、側面視において、軸心方向振分部26の前後幅と同じか広く形成しているので、軸心方向振分部26から落下した穀粒を下側プーリー6の前後面位置より前方または後方で下方に落下するように誘導し、前後傾斜板部51、51の下端まで流下した穀粒が落下する際に、ベルト11の内側に飛散侵入するのを防止することができる。
請求項の発明では、落下ガイド50の前後傾斜板部51、51の前後幅は、下側プーリー6の直径より広く形成しているので、ベルト11の内側に飛散侵入するのを防止することができる。
請求項の発明では、軸心方向振分部26と蓋部材36で形成される落下流路40の下方に軸心方向振分部26に対して交差方向に傾斜する山型の前後一対の前後傾斜板部51、51と、前後傾斜板部51、51の左右両側に設けた縦板部52とを有して構成した落下ガイド50を設けているので、落下流路40内の穀粒は落下ガイド50により下側プーリー6の前後外側に誘導されて、ベルト11と下側プーリー6の間への穀粒の侵入を防止して、穀粒破砕現象発生を抑制防止することができる。
請求項10の発明では、ホッパー13の供給口14に、前板2の内面からバケット10の移動軌跡Lまで穀粒を案内する流入ガイド53を設けているので、供給口14から流入する穀粒は、流入ガイド53によりバケット10の移動軌跡L付近まで誘導されて流入させられ、供給口14から供給される穀粒がバケット10に入らずに飛散するのを防止し、ベルト11と下側プーリー6の外周面との間に穀粒が挟まれるのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】バケットコンベアの概略側面図。
図2】同一部正面図。
図3】同一部側面図。
図4】同一部縦断正面図。
図5】同一部縦断側面図。
図6】噛込み防止装置の概略斜視図。
図7】同組立状態の概略斜視図。
図8】蓋部材および軸心方向振分部と、落下ガイドの斜視図。
図9】落下ガイドの斜視図。
図10】噛込み防止装置の組立状態の概略正面図。
図11】軸心方向振分部と落下ガイドの側面図。
図12】(A)軸心方向振分部と落下ガイドの正面図。 (B)他の実施形態の軸心方向振分部と落下ガイドの正面図。 (C)他の実施形態の軸心方向振分部と落下ガイドの正面図。
図13】噛込み防止装置付近の側面図。
図14】ホッパー付近の側面図。
図15】流入ガイドの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1はバケットコンベアBのケースであり、前板2と後板3および左右側板4により形成し、ケース1内の上下位置には軸心が左右方向の上下側プーリー5、6を夫々設け、プーリー5およびプーリー6にバケット10を所定間隔をおいて複数取付けた無端状のベルト11を掛け回す(図1)。
前記ケース1の上部にはモータ12を設け、モータ12により上側プーリー5と同軸に設けたプーリー(図示省略)を回転させ、ケース1の下方のホッパー13の供給口14からケース1の上部に設けた排出口15の間上下に前記バケット10を循環移動させる。
【0009】
16はホッパー13の投入口、17は供給口14に向けて穀粒を案内する傾斜板である。
下側プーリー6の下方のケース1内には側面視円弧状または多角形状の底板20を設ける。
前記下側プーリー6の上方で、前記ベルト11の上昇側ベルト22と下降側ベルト23との間には、ベルト11と下側プーリー6との間に穀粒が挟まれて破砕されるのを防止する噛込み防止装置25を設ける。
噛込み防止装置25は、下側プーリー6の上方に、落下した穀粒を下側プーリー6の軸心方向(左右方向)に振り分ける軸心方向振分部26を有して構成する。
【0010】
軸心方向振分部26は下側プーリー6の取付軸27の中間部(左右中間部)が最も高く、中間部から軸方向外側に低くなるように傾斜する山型形状に構成する(図2図3)。
軸心方向振分部26はバケット10により掬い上げた穀粒が溢れて落下するとき、下側プーリー6の左右側面より外側に穀粒を流下案内して、ベルト11の内側(裏側)に入ってベルト11と下側プーリー6との間に挟まって破砕されるのを防止する。
軸心方向振分部26は溢れた穀粒を下側プーリー6の左右側面より外側に誘導できるように正面視において、左右傾斜板部30を有していれば、噛込み防止装置25の一部として機能し、その余の構成は任意であり、本願の軸心方向振分部26は製造・取付の容易化を考慮して左右に分割構成しているが、必須の要件ではなく、左右傾斜板部30が一体状のものであってもよい(図5)。
【0011】
また、ベルト11と下側プーリー6の左右幅は少なくとも略同一幅に形成するが、下側プーリー6の左右幅をベルト11の左右幅より広くしてもよく、このベルト11と下側プーリー6の左右側縁よりも軸心方向振分部26の下端(左右側縁)31を外方に夫々位置させ、ベルト11および下側プーリー6の左右外側に穀粒が落下するように誘導する構成とする。
軸心方向振分部26の左右の側方位置のケース1の側板4には開口部35を夫々設け、該開口部35を閉塞する蓋部材36をケース1に着脱自在に取付け、この蓋部材36の内面に左右傾斜板部30、30を夫々取付ける。
【0012】
すなわち、軸心方向振分部26は、左右の傾斜板部30に分割形成し、分割した左右傾斜板部30を、左右夫々の蓋部材36の内面側に取付け、左右の蓋部材36を外すと、左右の傾斜板部30に分割された状態で軸心方向振分部26をケース1から取り出すことができ、下側プーリー6の上方付近を含めた空間を開放すると共に、左右の側板4の開口部35を開口させることができ、下側プーリー6周辺の掃除等のメンテナンスを容易にする。
蓋部材36は、開口部35より大きい面積の縦板部材により構成し、ボルト等の止着部材39によりケース1に取付ける。
38は蓋部材36の外面側に設けたハンドル、39は蓋部材36を取付ける止着部材である。
【0013】
噛込み防止装置25の軸心方向振分部26の左右傾斜板部30とは、左右の蓋部材36に夫々に取付けて着脱するようにすればよく、その取付構成は任意であるが、一例を示すと、少なくとも、左右傾斜板部30の前後縁に取付板部32を夫々設け、取付板部32の外側縁を蓋部材36の内面に夫々固定する。
取付板部32は左右の蓋部材36の内面に夫々設け、蓋部材36をケース1に取付けると、左傾斜板部30と右傾斜板部30とは左右側から合わさって、山型状となって、軸心方向振分部26となる。
したがって、蓋部材36は開口部35の閉塞部材と軸心方向振分部26の取付支持部材とを兼用する。
【0014】
また、蓋部材36の内面と、左傾斜板部30および右傾斜板部30の上面と、前後取付板部32の前後内面とにより、左傾斜板部30および右傾斜板部30の上面上方に包囲空間を形成して穀粒の落下流路40を形成し、落下流路40によりバケット10から溢れた穀粒を下側プーリー6の左右外側方に誘導し、ベルト11の内側(裏側)に穀粒が侵入するのを防止する。
なお、左傾斜板部30と右傾斜板部30の何れか一方の上部は、何れか他方の上部より上方にまで位置するように延長させて延長部41を形成し、延長部41は他方の軸心方向振分部26の上縁を覆う位置まで延長させ、他方の軸心方向振分部26の上縁に穀粒あるいは粉塵が滞留するのを防止する。
【0015】
また、蓋部材36および軸心方向振分部26と、開口部35との関係は、図4のように、左傾斜板部30および右傾斜板部30と前後取付板部32とは、側面視において、開口部35と重なるように配置し、左右の蓋部材36を側方に引き抜くだけで、着脱可能に構成している。
また、左傾斜板部30および右傾斜板部30と前後取付板部32の下端部は、下側プーリー6の上面よりも所定間隔を置いた上方に位置させ、蓋部材36の着脱の際の下側プーリー6との干渉を防止している。
左傾斜板部30と右傾斜板部30の夫々の下端31と蓋部材36の内面との間には隙間44を設け、左傾斜板部30と右傾斜板部30上の落下流路40に落下した穀粒が隙間44から下方に落下する構成とする。
【0016】
また、左右の左右傾斜板部30のそれぞれの取付板部32と、上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間には、落下流路40の隙間45を設け、前後取付板部32と、上昇側ベルト22および下降側ベルト23との接触を防止している。
噛込み防止装置25の軸心方向振分部26の下端31の下方には軸心方向振分部26から落下(流下)する穀粒を前後に振り分けて落下させる前後山型形状の落下ガイド(交差方向振分部)50を設ける。
そのため、バケット10から上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間に溢れた穀粒を、軸心方向振分部26により下側プーリー6の上面に落下させずに、下側プーリー6の左右端より外側方に誘導し、軸心方向振分部26により誘導した穀粒を落下ガイド50により上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間に侵入させずに、下側プーリー6の前後縁より前後外側に誘導させる。
【0017】
従来の軸心方向振分部26は、左右傾斜板部30、30により下側プーリー6の左右外側に穀粒を誘導しているが、それでも、下方に落下せず、上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間に侵入して、ベルト11と下側プーリー6との間で穀粒破砕が生じることがあり、本願は噛込み防止装置25を軸心方向振分部26と落下ガイド50により上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間への穀粒の侵入を防止して、穀粒破砕現象発生を抑制防止する。
落下ガイド50は、軸心方向振分部26に対して交差方向に傾斜する山型の前後一対の前後傾斜板部51、51と、前後傾斜板部51、51の左右両側に設けた縦板部52とを有して構成する。
【0018】
前後傾斜板部51、51は前後方向の中間部が最も高く前方あるいは後方に至るに従い低くなるように傾斜させる。本実施形態では、平面視において下側プーリー6の軸心位置に前後傾斜板部51、51の頂部を位置させている。
左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、軸心方向振分部26の下端31より内側に位置させると共に、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31よりも1粒の穀粒よりも狭い間隔をおいて下方に配置する(図12A)。
そのため、軸心方向振分部26から落下した穀粒が軸心方向振分部26の下端31よりベルト11の内側に飛散するのを防止することができ、しかも、組立・取付を容易にする。
【0019】
また、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31と同じ高さ位置に配置してよい(図12B)。
そのため、軸心方向振分部26から落下した穀粒が軸心方向振分部26の下端31よりベルト11の内側(上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間内)に飛散するのを防止することができる。
また、内側縦板部52Aの上端は、軸心方向振分部26の下端31よりも上方に位置させ、内側縦板部52Aの上端と軸心方向振分部26の下端31とが側面視において、重なるように配置する(図12C)。
そのため、一層、軸心方向振分部26から落下した穀粒が軸心方向振分部26の下端31よりベルト11の内側に飛散するのを防止することができる。
【0020】
また、左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、平面視において、落下ガイド50の前後傾斜板部51、51の前後端位置と一致、または、内側縦板部52Aを前後傾斜板部51、51よりも前後方向に長く形成させ、前後傾斜板部51、51のそれぞれの下端まで流下した穀粒が落下する際に、上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間内に飛散侵入するのを防止する。
また、側面視において、落下ガイド50の前後幅は軸心方向振分部26の前後幅と同じか広く形成し、軸心方向振分部26から落下した穀粒を下側プーリー6の前後位置より前方または後方で下方に落下するように誘導し、前後傾斜板部51、51の下端まで流下した穀粒が落下する際に、上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間内に飛散侵入するのを防止する。
【0021】
また、左右の縦板部52のうちの外側縦板部52Bは、蓋部材36の内面に当接させて取付け、取付板として作用する。52Cはボルトであり、落下ガイド50をケース1の側板4に着脱自在に取付ける。
そのため、落下ガイド50を外すと、下側プーリー6の左右側に空間を形成でき、下側プーリー6の着脱も可能になる。
また、側面視において、落下ガイド50の前後幅は軸心方向振分部26の前後幅と同じか広く形成し、軸心方向振分部26の左右傾斜板部30の下端31から落下した穀粒の略全てを下側プーリー6の前後面より前方または後方に落下するように誘導する。
【0022】
また、側面視において、落下ガイド50の前後幅は軸心方向振分部26の前後幅と同じか広く形成し、軸心方向振分部26から落下した穀粒を下側プーリー6の前後位置より前方または後方で下方に落下するように誘導する。
また、噛込み防止装置25は、前記軸心方向振分部26と落下ガイド50とを有して構成し、軸心方向振分部26および落下ガイド50はステンレス鋼により形成すると、取付状態あるいは取り外した状態での水洗いが可能となって、ケース1内を清潔に保つことができ、衛生的であり、悪臭発生等を予防する。
【0023】
ケース1に設けたホッパー13の供給口14には、前板2の内面からバケット10の移動軌跡Lまで穀粒を案内する流入ガイド53を設ける(図13)。流入ガイド53は、上下傾斜板53Aと、左右側板53Bとにより四角筒形状に形成し、かつ、上下傾斜板53Aと左右側板53Bの内端縁により包囲された流入口53Cを形成し、流入口53Cの左右幅はバケット10の左右幅より狭く形成する。
そのため、ホッパー13の供給口14から供給される穀粒は、流入ガイド53によりバケット10に案内されて流入させることができ、供給口14から供給される穀粒がバケット10に入らずに飛散するのを防止し、ベルト11と下側プーリー6の外周面との間に穀粒が挟まれるのを防止する。
【0024】
すなわち、ホッパー13の供給口14の上部は下側プーリー6の上面より上方に位置するので、供給口14から供給される穀粒がベルト11と下側プーリー6の外周面との間に侵入して挟まれるおそれがあるが、本発明では、ホッパー13の供給口14に流入ガイド53を設けているので、供給口14から供給される穀粒はバケット10の移動軌跡Lまで流入ガイド53により案内されて、飛散するのが防止され、ベルト11と下側プーリー6の外周面との間に穀粒が挟まれるの一層防止することができる。
ケース1は、組立およびメンテナンスの容易化を考慮して、上下方向に複数のケース部56に分割形成している。
【0025】
前記バケット10は、穀粒損傷防止の観点から底板20に対して所定間隔の隙間をおいた上方を通過するように構成し、底板20の上面上方位置のケース1の側板4には下側開口部60を設け、下側開口部60には下側蓋部材61を着脱自在に取付ける。
そのため、下側蓋部材61を外して下側開口部60を開口させることにより、下側プーリー6および底板20周辺の掃除等のメンテナンスを容易にする。
また、下側開口部60の側方に位置する部分の下側蓋部材61には透明部材を取付けてケース1内を視認する点検窓62を設ける。
そのため、点検窓62により、下側蓋部材61を外すことなく下側プーリー6および底板20周辺の点検することができ、メンテナンス作業を簡易化して、メンテナンス作業全体の容易化を図っている。
【0026】
(実施形態の作用)
次に作用を述べる。
供給口14から穀粒を張り込むと、穀粒は回転移動するバケット10により掬われて上昇し、上部で放擲されて排出口より排出される。
下側プーリー6の上方で、ベルト11の上昇側ベルト22と下降側ベルト23との間には、噛込み防止装置25の軸心方向振分部26を設け、軸心方向振分部26は下側プーリー6の取付軸27の中間部が最も高く軸方向(左右方向)に低く傾斜するように山型に形成しているので、ベルト11と下側プーリー6との間に穀粒が挟まれて破砕されるのを防止する。
【0027】
即ち、ベルト11と下側プーリ6の左右幅は夫々略同一に形成し、ベルト11と下側プーリ6の左右側縁よりも軸心方向振分部26の下端31を、左右方向の外方に位置させているので、ベルト11の内側に入った穀粒は、ベルト11および下側プーリ6の軸心方向の左右両外側に落下するように軸心方向振分部26により左右に振り分けられて、下側プーリ6の左右側を落下し、ベルト11の内面と下側プーリー6の外面との間に挟まって破砕されるのを防止する。
噛込み防止装置25の軸心方向振分部26の左右の側方のケース1には、開口部35を夫々設け、該開口部35を閉塞する蓋部材36をケース1の側板4に着脱自在に取付けているので、蓋部材36を外して開口部35を開口させることにより、ベルト11やバケット10の取付部の損傷度合い、粉塵等の溜まり具合の確認、虫発生の確認、および、下側プーリ6周辺の掃除等のメンテナンスを容易にする。
【0028】
蓋部材36は、開口部35より大きい面積で形成し、蓋部材36の外面にハンドルハンドル38を設けて構成し、蓋部材36の内面には、噛込み防止装置25の軸心方向振分部26を取付けているので、蓋部材36を外すと、ケース1側から軸心方向振分部26を外せる。
そのため、軸心方向振分部26の掃除のメンテナンスを容易にすると共に、ケース1内の軸心方向振分部26を外せるので、軸心方向振分部26のあった部分の空間を大きく開放することができ、ケース1内のメンテナンスも容易にする。
【0029】
軸心方向振分部26は、左傾斜板部30と右傾斜板部30とに左右に分割形成し、分割した左傾斜板部30と右傾斜板部30とを、左右夫々の蓋部材36の内面側に取付けているので、左右の蓋部材36を外すと、左傾斜板部30と右傾斜板部30とに分割された状態で軸心方向振分部26をケース1から取り出すことができる。
そのため、左右の蓋部材36は開口部35の閉塞部材として作用すると共に、軸心方向振分部26の支持部材としても兼用するので、軸心方向振分部26の着脱構成を簡素に実現する。
【0030】
また、軸心方向振分部26は、左傾斜板部30と右傾斜板部30とに分割された状態で軸心方向振分部26をケース1から取り出せるので、ケース1を分解することなく、軸心方向振分部26の着脱を可能にでき、メンテナンスを容易にする。
また、軸心方向振分部26の左傾斜板部30と右傾斜板部30の前後縁に前後取付板部32を夫々取付け、前後取付板部32の外側縁を蓋部材36の内面に夫々固定しているので、左傾斜板部30および右傾斜板部30と前取付板部32とを開口部35から引き抜くようにして外す。
【0031】
反対に、蓋部材36をケース1に取付けると、左傾斜板部30と右傾斜板部30とは左右側から合わさって、山型状となって、軸心方向振分部26となる。
また、蓋部材36および軸心方向振分部26と、開口部35との関係は、左傾斜板部30および右傾斜板部30と前取付板部32および後取付板46とは、側面視において、開口部35と重なるように配置しているので、左右の蓋部材36を側方に引き抜くだけで、左傾斜板部30および右傾斜板部30と前後取付板部32とを着脱できる。
【0032】
また、左傾斜板部30および右傾斜板部30と前後取付板部32の下端部は、下側プーリー6の上面よりも所定間隔を置いた上方に位置させているので、蓋部材36および軸心方向振分部26の着脱の際の下側プーリー6との干渉を防止する。
左傾斜板部30と右傾斜板部30の何れか一方の上部は、何れか他方の上部より上方にまで位置するように延長させて延長部41を形成し、延長部41は他方の左右傾斜板部30の上縁を覆う位置まで延長させているので、他方の左右傾斜板部30の上縁に穀粒および粉塵が滞留するのを防止する。
左傾斜板部30と右傾斜板部30の夫々の下端と蓋部材36の内面との間には隙間44を設けているので、左傾斜板部30と右傾斜板部30上に落下した穀粒は隙間44から下方に落下する。
【0033】
噛込み防止装置25は、ベルト11の内側に侵入した穀粒を、軸心方向振分部26の左傾斜板部30と右傾斜板部30により下側プーリー6の左右側に振り分け案内して、下側プーリー6の外周面とベルト11との間に挟まれるのを抑制しているが、左傾斜板部30と右傾斜板部30上に落下した穀粒が隙間44から下方に落下する際に、左右傾斜板部30上を流下する慣性力によって、蓋部材36の内面あるいはケース1の側板4の内面に当接して反射してベルト11の内側(裏側)に侵入することあるが、本発明の噛込み防止装置25は、軸心方向振分部26の下方に、軸心方向振分部26から落下(流下)する穀粒を前後に振り分けて落下させる前後山型形状の落下ガイド50を設けて構成しているので、バケット10から溢れた穀粒は、軸心方向振分部26により下側プーリー6の左右端から外側方に誘導し、軸心方向振分部26により誘導した穀粒を落下ガイド50により下側プーリー6の前後縁より前後外側に誘導させて、上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間への穀粒の侵入を防止して、穀粒破砕現象発生を抑制防止する。
【0034】
落下ガイド50は、軸心方向振分部26に対して交差方向に傾斜する山型の前後一対の前後傾斜板部51、51を設けているので、落下ガイド50の前後傾斜板部51、51上に落下した穀粒は前後傾斜板部51、51上を流下し、この流下慣性力により下側プーリー6の前後側に飛散すること、また、前後傾斜板部51、51の先端はバケット10の移動路に臨んでいることから、落下ガイド50は穀粒を下側プーリー6の前後両側空間に向けて案内して落下させ、ベルト11の内面と下側プーリー6の外面との間に挟まって破砕されるのを防止する。
【0035】
さらに、落下ガイド50は、前後傾斜板部51、51の左右両側に縦板部52を設けているので、蓋部材36の内面あるいはケース1の側板4の内面に当接して上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間に反射侵入方向への穀粒の移動を、落下ガイド50の縦板部52が規制し、落下ガイド50の前後傾斜板部51、51上を下側プーリー6の前後両側空間に向けて案内して落下させ、ベルト11の内面と下側プーリー6の外面との間に挟まって破砕されるのを防止する。
すなわち、落下ガイド50の左右の縦板部52のうちの内側縦板部52Aは、軸心方向振分部26の下端31より内側に位置させると共に、縦板部52Aの上端は軸心方向振分部26の下端31よりも上方に位置させているので、軸心方向振分部26から落下した穀粒が軸心方向振分部26の下端31より内側(上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間内)に飛散するのを防止する。
【0036】
また、左右の縦板部52の内側縦板部52Aは、平面視において、落下ガイド50の前後傾斜板部51、51の前後端位置と一致、または、内側縦板部52Aを前後傾斜板部51、51よりも前後方向に長く形成させているので、前後傾斜板部51、51の下端まで流下した穀粒が落下する際に、上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間内に飛散侵入するのを防止する。
また、側面視において、落下ガイド50の前後幅は軸心方向振分部26の前後幅と同じか広く形成しているので、軸心方向振分部26から落下した穀粒を下側プーリー6の前後位置Tより前方または後方で下方に落下するように誘導し、前後傾斜板部51、51の下端まで流下した穀粒が落下する際に、上昇側ベルト22および下降側ベルト23との間の空間内に飛散侵入するのを防止する。
【0037】
また、落下ガイド50の前後傾斜板部51、51の前後幅は軸心方向振分部26の左右傾斜板部30の前後幅と同じか広く形成しているので、軸心方向振分部26の左右傾斜板部30の下端31から落下した全ての穀粒は下側プーリー6の前後面より前方または後方に落下するように誘導する。
ケース1に設けたホッパー13の供給口14には、前板2の内面からバケット10の移動軌跡Lまで穀粒を案内する流入ガイド53を設けているので、ホッパー13の供給口14から供給される穀粒は、流入ガイド53によりバケット10に案内されて流入させることができ、供給口14から供給される穀粒がバケット10に入らずに飛散するのを防止し、ベルト11と下側プーリー6の外周面との間に穀粒が挟まれるのを防止する。
【0038】
流入ガイド53は、上下傾斜板53Aと、左右側板53Bとにより四角筒形状に形成し、かつ、上下傾斜板53Aと左右側板53Bの内端縁により包囲された流入口53Cを形成しているので、包囲された流入口53Cからバケット10に穀粒は流入することになり、一層、確実にバケット10により掬い上げることができ、飛散を防止する。
また、流入ガイド53の流入口53Cの左右幅はバケット10の左右幅より狭く形成しているので、穀粒の誘導を確実にでき、飛散するのを防止する。
【符号の説明】
【0039】
1…ケース、2…前板、3…後板、4…側板、5,6…プーリー、10…バケット、11…ベルト、12…モータ、13…ホッパー、14…供給口、15…排出口、16…投入口、17…傾斜板、20…底板、22…上昇側ベルト、23…下降側ベルト、25…噛込み防止装置、26…軸心方向振分部、27…取付軸、30…左右傾斜板部、31…下端、32…取付板部、35…開口部、36…蓋部材、38…ハンドル、40…落下流路、41…延長部、44…隙間、45…隙間、50…落下ガイド、51…前後傾斜板部、52…縦板部、52A…内側縦板部、52B…外側縦板部、52C…ボルト、53…流入ガイド、53A…上下傾斜板、53B…左右側板、53C…流入口、56…ケース部、60…下側開口部、61…下側蓋部材、62…点検窓。
図1
図2
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図10
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