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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】尿失禁の治療のためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20220119BHJP
   A61M 5/172 20060101ALI20220119BHJP
   A61M 31/00 20060101ALI20220119BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20220119BHJP
   A61B 5/20 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A61M5/142
A61M5/172
A61M31/00
A61B17/00 600
A61B5/20
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2017565218
(86)(22)【出願日】2016-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-08-02
(86)【国際出願番号】 IL2016050832
(87)【国際公開番号】W WO2017017688
(87)【国際公開日】2017-02-02
【審査請求日】2019-07-24
(31)【優先権主張番号】62/198,155
(32)【優先日】2015-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519342208
【氏名又は名称】コンティネール メディカル ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Continale Medical Pte. Ltd.
【住所又は居所原語表記】77 Ayer Rajah Crescent #02-21/26 Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(72)【発明者】
【氏名】ハザン ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】シェンハヴ アヴシャロム
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-515277(JP,A)
【文献】特表2004-531341(JP,A)
【文献】特表2003-534883(JP,A)
【文献】特開昭53-012198(JP,A)
【文献】特表2008-516674(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0228178(US,A1)
【文献】米国特許第06544240(US,B1)
【文献】特表2011-513030(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0171317(US,A1)
【文献】特表2006-516001(JP,A)
【文献】登録実用新案第014142(JP,Z2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 5/172
A61M 31/00
A61B 17/00
A61B 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿失禁の自己治療のためのデバイスであって、
丸みのあるノズル先端部を備え、尿道に少なくとも部分的に挿入されるようにサイズ設定されたノズルと、
前記ノズルに結合された圧縮物質の供給源であって、前記圧縮物質の圧力が200cmH 未満である、圧縮物質の供給源と、
前記供給源から前記ノズルを通り尿道に入る前記圧縮物質の流れを制御するための制御装置とを備え、
前記圧縮物質の前記圧力は、前記尿道をノズル先端部から膀胱まで開き、
前記圧縮物質は、尿漏れを防ぐために、尿道を通って前記膀胱に流入するように構成されて、膀胱内に尿より低密度なクッション物質を形成する、デバイス。
【請求項2】
前記ノズルの少なくとも一部分が、前記尿道に対してシールするようにサイズ設定され成形される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ノズルが、デバイス本体に結合され、
前記ノズルが、前記デバイスが前記デバイス本体を使用して導かれたときに前記ノズルを前記尿道に挿入することができるように十分な剛性のものである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ノズルが、平常時に前記ノズルの本体の内部に反転される部分を含み、
前記圧縮物質の前記圧力が、前記部分の反転を戻す、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記供給源が、加圧物質容器を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記供給源が、
物質容器と、
圧縮可能な物質の収集のための入口と、
前記入口に結合された、収集された物質を圧縮して前記物質容器に入れるためのポンプとを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記制御装置が、最大量を上回る物質が期間内に投与されることを防止する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ノズルを前記尿道と位置合わせするための位置決め要素を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記位置決め要素の少なくとも一部分が、体部分内に置かれるようにサイズ設定され成形される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記位置決め要素が、尿道に対する前記デバイスの少なくとも一部分の場所に関して少なくとも1つの視覚的手がかりをユーザに与えるための視覚的要素を備える、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記位置決め要素が、鏡を備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記位置決め要素が、カメラを備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記圧縮物質が、ガスである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記圧縮物質が、大気である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記圧縮物質が、液体および圧縮可能な要素の混合物である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記圧縮可能な要素が、気泡である、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記圧縮物質が、薬剤を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記薬剤が、化学療法薬剤、抗生物質、過活動膀胱薬剤、およびこれらの薬剤の組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
尿失禁の自己治療のためのデバイスであって、
圧縮物質の供給源であって、前記圧縮物質の圧力が200cmH 未満である、圧縮物質の供給源と、
前記供給源に結合され、尿道の周りの生殖器組織に対してシールを形成するように適合された丸みのあるノズルであって、前記シールは、前記圧縮物質の前記圧力に耐えることができる、丸みのあるノズルと、
前記供給源から前記ノズルを通る物質の流れを制御するための制御装置とを備え、
前記圧力が、前記尿道を尿道開口部から膀胱まで開くのに十分であり、
前記圧縮物質は、尿漏れを防ぐために、尿道を通って前記膀胱に流入するように構成されて、膀胱内に尿より低密度なクッション物質を形成する、デバイス。
【請求項20】
前記供給源が、加圧物質容器を備える、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記供給源が、
物質容器と、
圧縮可能な物質の収集のための入口と、
前記入口に結合された、収集された物質を圧縮して前記物質容器内に入れるためのポンプとを備える、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記制御装置が、最大量を上回る物質が期間内に投与されることを防止する、請求項19に記載のデバイス。
【請求項23】
前記圧縮物質が、ガスである、請求項19に記載のデバイス。
【請求項24】
前記圧縮物質が、大気である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項25】
前記圧縮物質が、液体および圧縮可能な要素の混合物である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項26】
前記圧縮可能な要素が、気泡である、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記物質が、薬剤を含む、請求項19に記載のデバイス。
【請求項28】
前記薬剤が、化学療法薬剤、抗生物質、過活動膀胱薬剤、およびこれらの薬剤の組み合わせからなる群から選択される、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記圧縮物質の前記圧力は70cmH 以上である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項30】
前記デバイスの最大の大きさが、30cm未満である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項31】
前記圧縮物質の前記圧力は70cmH 以上である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項32】
前記デバイスの最大の大きさが、30cm未満である、請求項19に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その一部の実施形態において、失禁の治療のための方法およびデバイスに関し、より詳細には、限定的ではないが、緊張性尿失禁の治療のための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
緊張性尿失禁(SUI)は、一般に、特に、咳き込み、くしゃみ、または娩出などの腹部内圧力を上昇させる活動中、骨盤底筋が尿の通過を防止するほど十分な強度を有さないことによるものと考えられている。
【0003】
SUIは、男女共に罹患し得るが、よく見られるのは女性である。骨盤底の強度に関連する要因、たとえば(たとえば更年期後の)膣または尿道内の皮膚の希薄化および乾燥、(たとえば出産後の)骨盤筋の脆弱化および伸長がSUIの原因であると考えられている。また、膀胱および膀胱を調節する筋肉に及ぼす圧力を上昇させる可能性がある肥満、尿路感染症、血管疾患、および手術による合併症もまた、SUIの一因になり得ると考えられている。
【0004】
さまざまなSUIの治療が存在している。治療には、非外科的および外科的選択肢がある。非外科的治療には、たとえば、骨盤底を強化する体操(たとえばケーゲル体操)を行うこと、膣の壁およびその近くの尿道を押さえつけるペッサリを膣内に挿入すること、および泌尿器括約筋近くにコラーゲンおよび炭素を注射することなどがある。外科的治療には、たとえば、スリングサスペンション(sling and suspension)処置がある。
【0005】
さらなる背景技術として、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2000/054701号
【文献】米国特許第8439867号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/288639号明細書
【文献】米国特許第5090424号明細書
【文献】米国特許第4612939号明細書
【文献】米国特許第7615046号明細書
【文献】米国特許第6527702号明細書
【文献】米国特許第6119697号明細書
【文献】国際公開第13/109163号
【文献】米国特許第5019032号明細書
【文献】欧州特許第0258690号明細書
【文献】米国特許第6699175号明細書
【文献】米国特許第4063548号明細書
【文献】米国特許第7112177号明細書
【文献】米国特許第6447462号明細書
【文献】米国特許第6021781号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一部の実施形態の態様によれば、物質を尿道に挿入するためのデバイスであって、丸みのあるノズル先端部を備え、尿道に少なくとも部分的に挿入されるようにサイズ設定されたノズルと、ノズルに結合された圧縮物質の供給源であって、圧縮物質の圧力が200cmH0未満である、圧縮物質の供給源と、供給源からノズルを通る物質の流れを制御するための制御装置とを備え、デバイスの最大の大きさは30cm未満である、デバイスが提供される。
【0008】
本発明の一部の実施形態によれば、ノズルの少なくとも一部分は、尿道に対してシールするようにサイズ設定され成形される。本発明の一部の実施形態によれば、ノズルは、デバイス本体に結合され、ノズルは、デバイスがデバイス本体を使用して導かれたときにノズルを尿道に挿入することができるように十分な剛性のものである。本発明の一部の実施形態によれば、圧縮物質の圧力は、尿道をノズル先端部から膀胱まで開く。本発明の一部の実施形態によれば、ノズルは、平常時にその本体の内側に反転された部分を含み、物質の圧力がその部分の反転を戻す(uninvert)。
【0009】
本発明の一部の実施形態の態様によれば、物質を尿道に挿入するためのデバイスであって、圧縮物質の供給源であって、圧縮物質の圧力が200cmH0未満である、圧縮物質の供給源と、供給源に結合され、尿道の周りの生殖器組織に対してシールを形成するように適合された丸みのあるノズルであって、シールは圧縮物質の圧力に耐えることができる、丸みのあるノズルと、供給源からノズルを通る物質の流れを制御するための制御装置とを備え、圧力が、尿道を尿道開口部から膀胱まで開くのに十分であり、デバイスの最大の大きさが30cm未満である、デバイスが提供される。
【0010】
本発明の一部の実施形態によれば、供給源は、加圧物質容器を備える。本発明の一部の実施形態によれば、供給源は、物質容器と、圧縮可能な物質の収集のための入口と、入口に結合された、収集された物質を圧縮して物質容器に入れるためのポンプとを備える。
【0011】
本発明の一部の実施形態によれば、制御装置は、最大量を上回る物質が期間内に投与されることを防止する。
【0012】
本発明の一部の実施形態によれば、デバイスは、ノズルと尿道を位置合わせするための位置決め要素を備える。本発明の一部の実施形態によれば、位置決め要素の少なくとも一部分は、体部分内に置かれるようにサイズ設定され成形される。本発明の一部の実施形態によれば、位置決め要素は、尿道に対するデバイスの少なくとも一部分の場所に関して少なくとも1つの視覚的手がかりをユーザに与えるための視覚的要素を備える。本発明の一部の実施形態によれば、位置決め要素は、鏡を備える。本発明の一部の実施形態によれば、位置決め要素はカメラを備える。
【0013】
本発明の一部の実施形態によれば、圧縮物質は、ガスである。本発明の一部の実施形態によれば、圧縮物質は、大気である。本発明の一部の実施形態によれば、圧縮物質は液体および圧縮可能な要素の混合物である。本発明の一部の実施形態によれば、圧縮可能な要素は、気泡である。本発明の一部の実施形態によれば、物質は薬剤を含む。本発明の一部の実施形態によれば、薬剤は、化学療法薬剤、抗生物質、過活動膀胱薬剤(bladder over activity medication)、およびこれらの薬剤の組み合わせからなる群から選択される。
【0014】
本発明の一部の実施形態の態様によれば、緊張性尿失禁の治療の非外傷的方法であって、200cc未満の加圧物質を尿道内に導入することを含み、物質の圧力が、200cmH0未満であり、圧力が、膀胱の近位にある尿道の少なくとも一部分を開くのに十分なものであり、それによって物質が膀胱内に進行する、緊張性尿失禁の治療の非外傷的方法が提供される。
【0015】
本発明の一部の実施形態によれば、導入することは、反復される。
【0016】
本発明の一部の実施形態によれば、最大量未満の物質が、期間内に投与される。
【0017】
本発明の一部の実施形態によれば、導入することは、ユーザ入力に基づく。本発明の一部の実施形態によれば、物質の量は、ユーザ入力によって規定される。
【0018】
本発明の一部の実施形態によれば、方法は、圧縮物質を提供することを含む。本発明の一部の実施形態によれば、提供することは、空気を圧縮することを含む。
【0019】
本発明の一部の実施形態によれば、膀胱内の物質は、ピーク膀胱衝撃圧力応答を尿道が開く圧力(pura)未満に低減する。
【0020】
本発明の一部の実施形態によれば、方法は、ノズルをユーザ尿道と位置合わせすることを含む。
【0021】
本発明の一部の実施形態によれば、導入することはユーザによるものであり、尿道はユーザの尿道である。
【0022】
別段定義されていない限り、本明細書において使用するすべての技術的および/または科学的用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において説明するものに類似する、またはこれと等価である方法および物質が本発明の実施形態の実施または試験に使用可能であるが、以下では、例示的な方法および/または物質が説明される。矛盾が生じる場合、定義を含めて本特許明細書が支配する。加えて、物質、方法、および例は、例示的にすぎず、必ずしも限定的ではないものとする。
【0023】
本発明の実施形態の方法および/またはシステムの実施は、選択されたタスクを手動で、自動的に、またはこれらを組み合わせて実行または完了することを含むことができる。さらに、本発明の方法および/またはシステムの実施形態の実際の器具類および装置により、いくつかの選択されたタスクをハードウェアによって、ソフトウェアによって、またはファームウェアによって、またはこれらの組み合わせによって、オペレーティング・システムを使用して実施することができる。
【0024】
たとえば、選択されたタスクを本発明の実施形態によって実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装することができる。ソフトウェアに関して、本発明の実施形態による選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティング・システムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装することができる。本発明の例示的な実施形態では、本明細書において説明する方法および/またはシステムの例示的な実施形態による1つまたは複数のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティング・プラットフォームなどのデータ・プロセッサによって実行される。任意選択で、データ・プロセッサは、命令および/またはデータを記憶するための揮発性メモリ、ならびに/または命令および/またはデータを記憶するための、非揮発性記憶装置、たとえば磁気ハードディスクおよび/または取り外し可能な媒体を含む。任意選択で、ネットワーク接続も同様に設けられる。ディスプレイおよび/またはキーボードもしくはマウスなどのユーザ入力デバイスも同様に、任意選択で設けられる。
【0025】
本発明の一部の実施形態が、添付の図を参照して、本明細書において一例として説明されるに過ぎない。次に図を具体的に詳細に参照すると、図示する項目は例としてのみであり、本発明の実施形態の例示的論議のためのものであることが強調される。この点について、図を併用した説明により、本発明の実施形態をどのように実施することができるのかが、当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】膀胱の簡単な概略断面図である。
図2】本発明の一部の実施形態による、膀胱の簡単な概略断面図である。
図3】本発明の一部の実施形態による、時間に伴う、腹部内圧力波に応答する膀胱圧力の簡単なグラフである。
図4】本発明の一部の実施形態による、緊張性尿失禁の治療方法の流れ図である。
図5】本発明の一部の実施形態による、デバイスの簡単な概略側面図、およびデバイスの一部分が女性の尿道に挿入されている、女性の断面図である。
図6A】本発明の一部の実施形態による、女性の断面図、および物質を女性の尿道内に導入するデバイスの一部分の簡単な概略側面図である。
図6B】本発明の一部の実施形態による、女性の断面図、および物質を女性の尿道内に導入するデバイスの一部分の簡単な概略側面図である。
図7】本発明の一部の実施形態による、クッション物質が膀胱内にある、治療された女性の簡単な概略断面図である。
図8】本発明の一部の実施形態による、男性の断面図、およびデバイスの一部分が男性の尿道に挿入されている、デバイスの簡単な概略側面図である。
図9】本発明の一部の実施形態による、男性の断面図、および物質を男性の尿道に導入するデバイスの一部分の簡単な概略側面図である。
図10】本発明の一部の実施形態による、デバイスの一部分の簡単な概略側面図、および物質の導入後の男性の体の断面図である。
図11】本発明の一部の実施形態による、膀胱が満杯である男性の簡単な断面図、およびデバイスの簡単な側面図である。
図12】本発明の一部の実施形態による、治療を受けている、膀胱が満杯である(たとえばユーザが尿意切迫感を感じる)男性の簡単な断面図である。
図13A】本発明の一部の実施形態による、クッション物質が膀胱内にある男性の断面図、および追加物質を尿道に導入するデバイスの一部分の側面図である。
図13B】本発明の一部の実施形態による、女性の尿道内部にシーリング部分を含むノズルの簡単な断面図である。
図14A】本発明の一部の実施形態による、デバイスが物質を投与していないときのデバイス・ノズルの一部の簡単な断面図である。
図14B】本発明の一部の実施形態による、デバイスが物質を投与しているときのデバイス・ノズルの一部の簡単な断面図である。
図15A】本発明の一部の実施形態による、デバイスが物質を投与していないときの、反転部分を含むデバイス・ノズルの一部の簡単な断面図である。
図15B】本発明の一部の実施形態による、反転セクションの巻き込み(rolling)中の、デバイス・ノズルの一部の簡単な断面図である。
図15C】本発明の一部の実施形態による、投与中の、反転セクションを含むデバイス・ノズルの一部の簡単な断面図である。
図16A】本発明の一部の実施形態による、反転部分を含むノズルの簡単な断面図、およびノズルが女性の尿道に挿入されている女性の断面図である。
図16B】本発明の一部の実施形態による、反転部分を含むノズルの簡単な断面図、およびノズルが女性の尿道に挿入され、物質を導入している女性の断面図である。
図16C】本発明の一部の実施形態による、反転部分を含むノズルの簡単な断面図、およびノズルが女性の尿道に挿入され、物質を導入している女性の断面図である。
図17A】本発明の一部の実施形態による、デバイスの簡単な概略側面図である。
図17B】本発明の一部の実施形態による、デバイスの簡単な概略断面図である。
図18】本発明の一部の実施形態による、デバイスの簡単な概略側面図、およびノズルが物質を女性の尿道内に導入している女性の断面図である。
図19】本発明の一部の実施形態による、デバイスの簡単な概略側面図、およびノズルが物質を男性の尿道内に導入している男性の断面図である。
図20A】本発明の一部の実施形態による、位置決め要素を含むデバイスの側面図、およびユーザの断面図の簡単な概略図である。
図20B】本発明の一部の実施形態による、物質供給源の簡単なブロック図である。
図21A】本発明の一部の実施形態による、デバイスの側面図の簡単な概略図である。
図21B】本発明の一部の実施形態による、デバイスの上面図の簡単な概略図である。
図21C】本発明の一部の実施形態による、デバイスの底面図の簡単な概略図である。
図21D】本発明の一部の実施形態による、デバイスの前面図の簡単な概略図である。
図22A】本発明の一部の実施形態による、ラッチ取付具を含むノズルの簡単な概略側面図である。
図22B】本発明の一部の実施形態による、ノズルの簡単な概略断面図である。
図23A】本発明の一部の実施形態による、ねじ取付具を含むノズルの簡単な概略側面図である。
図23B】本発明の一部の実施形態による、ねじ取付具を含むノズルの簡単な概略断面図である。
図24】本発明の一部の実施形態による、デバイスの簡単な概略断面図である。
図25】本発明の一部の実施形態による、投与する調整可能な容量を含むデバイスの簡単な概略断面図である。
図26】本発明の一部の実施形態による、治療されていない膀胱圧力応答と治療された膀胱圧力応答を比較するための実験的な装置を示す図である。
図27】本発明の一部の実施形態による、25ccのガスによって治療された膀胱および治療されていない膀胱の測定された、モデル化された応力圧力応答を示す図である。
図28】本発明の一部の実施形態による、50ccのガスによって治療された膀胱および治療されていない膀胱の測定された、モデル化された応力圧力応答を示す図である。
図29】本発明の一部の実施形態による、患者の膀胱圧力測定値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、その一部の実施形態において、失禁の治療のための方法およびデバイスに関し、より詳細には、限定的ではないが、緊張性尿失禁の治療のための方法およびデバイスに関する。
【0028】
概要
本発明の一部の実施形態の広範な態様は、膀胱の機械的特性を、(たとえば、咳き込む、くしゃみをする、笑う、重い物を持ち上げる、運動などによる)腹部内圧力波に対して膀胱の圧力応答が減衰されおよび/または分散するように変更することに関する。一部の実施形態では、内部ピーク膀胱圧力は、低減されおよび/または遅延される(たとえば、内部ピーク膀胱圧力は、時に尿道圧力(pura)と呼ばれる、尿道が開く圧力以下に低減される)。
【0029】
一部の実施形態では、ピーク膀胱圧力の遅延により、尿漏れを防ぐ際、泌尿器系の1つまたは複数の機械的機構、たとえば尿道のねじれの効果が増大する。
【0030】
一部の実施形態では、膀胱は、本明細書では「クッション物質」と呼ばれる、尿より高い圧縮性を有する物質を含む。任意選択で、クッション物質は、膀胱内では拘束されない。
【0031】
本発明の一部の実施形態の態様は、1つまたは複数の物質を尿道を通して膀胱内に導入することに関し、この物質は、本明細書では「導入物質」と呼ばれる。一部の実施形態では、物質は、尿道を通って圧力下で導入される。一部の実施形態では、導入物質は流体である。
【0032】
一部の実施形態では、物質の導入はユーザの組織に損傷を与えず、たとえば一部の実施形態では、物質の量および/または圧力は、尿道および/または膀胱に損傷を引き起こす物質の量および/圧力を下回るものである。たとえば、導入物質の量は、膀胱を異常に膨張させ、および/または破損する物質の量を下回るものである。たとえば、導入物質の圧力は、尿道組織を異常に膨張させ、および/または破損する圧力を下回るものである。
【0033】
一部の実施形態では、導入物質は、ガス、たとえば不活性ガス(たとえばアルゴン)である。一部の実施形態では、物質は、液体および圧縮可能な要素の混合(たとえば、粒子が圧縮可能である粒子懸濁液)である。一部の実施形態では、物質は、気泡および液体の混合物である。
【0034】
一部の実施形態では、導入物質の圧縮性は、尿より高い。
【0035】
一部の実施形態では、導入物質は薬剤を含む。
【0036】
一部の実施形態では、導入物質は、結果として膀胱内部により高い圧縮性の物質を生じさせ、たとえば、一部の実施形態では、導入物質は、尿道に(たとえば膀胱内に)挿入された後、化学的または物理的変化(たとえば尿との化学的反応、導入物質内に溶解したガスの分離)を受け、その結果膀胱内にクッション物質を生じさせる。
【0037】
任意選択で、一部の実施形態では、膀胱内に導入された物質は、膀胱内で尿と混合し、その圧縮性を増大させる。
【0038】
一部の実施形態では、治療は、ユーザが物質を自身の尿道に導入することを開始する自己治療または個人的使用のものである。
【0039】
一部の実施形態では、治療は、たとえば、1日に2回以上、1日に数回、ユーザが排尿するたびに反復される。
【0040】
一部の実施形態では、各治療の投与物質の量は、均一である。一部の実施形態では、投与物質の量は、個人別に調整される。一部の実施形態では、ユーザは(たとえばユーザ・インターフェースによって)投与物質の量を、任意選択で治療ごとに定義する。一部の実施形態では、デバイスは、たとえば損傷を与える量の物質をいくつかの治療にわたって導入することを防止するために、期間中に最大量までの物質を投与する。
【0041】
本発明の一部の実施形態の態様は、物質を尿道内に導入するためのデバイスであって、それによって物質がその後膀胱内に進行する、デバイスに関する。
【0042】
例示的な実施形態では、デバイスは、ノズルを含み、このノズルを通して物質を尿道内に導入する。一部の実施形態では、ノズルの少なくとも一部分が、尿道内に挿入される。任意選択で、ノズルの先端部は、丸みがありおよび/または軟質のものであり、それにより、先端部の挿入は、生殖器組織に損傷を与えないものである。たとえば、挿入中および/またはノズルの挿入を達成するのに必要とされる圧力において、ノズル先端部は、生殖器組織を切断せず、および/または傷つけない。
【0043】
一部の実施形態では、丸みのあるノズル先端部は、0.01~3mm、もしくは0.05~1mm、もしくは0.1~1mm、もしくは0.01mmより大きい、もしくは0.1mmより大きい、もしくは0.5mmより大きい、またはこれらより小さい、もしくは大きい、もしくは中間の範囲または値の曲率半径を有する縁を含む。
【0044】
一部の実施形態では、デバイス・ノズルは、ノズル内部に配設された反転セクションを含む。物質の投与中、このセクションの反転は(たとえばここを通る投与物質の圧力によって)戻る。潜在的な利点は、たとえば、ノズル先端部上の、たとえば尿道からの汚染物質(たとえば細菌)が、物質と共に膀胱におよび/またはさらには尿道に導入されないということである。一部の実施形態では、反転セクションは、巻き込みによってその反転を戻す。任意選択で、投与中、反転セクションは突起して、ノズルの大きさ(たとえば長さ)を増大させる。
【0045】
一部の実施形態では、デバイスは、たとえば、デバイスをユーザの組織に対してシールするための1つまたは複数の部分および/または要素を含み、これにより、デバイスからの投与物質は尿道に入り、かつ/または尿道内の物質は体から逸出しない。一部の実施形態では、ユーザの組織に対するノズルのシールは、導入物質の圧力に耐えるのに十分なものである。
【0046】
例示的な実施形態では、デバイスの一部分は、尿道内に挿入されず、たとえば、一部の実施形態では、ノズルは尿道開口部を覆って置かれる。一部の実施形態では、尿道開口部を覆って置かれたノズルは、尿道周りの生殖器組織に対してシールを形成し、このシールは、導入物質の圧力に耐えるのに十分なものである。一部の実施形態では、先端部は丸みがありおよび/または軟質のものであり、それにより、ユーザ組織と共にシールを生成するのに十分な圧力において、ノズルは、ユーザの生殖器組織を切断せずおよび/または損傷を与えない。
【0047】
任意選択で、一部の実施形態では、デバイスは、圧力下で導入される物質を、たとえばキャニスタ、たとえばガス・キャニスタ内に貯蔵する。代替的にまたは追加的に、一部の実施形態では、デバイスは、導入される物質を、たとえば尿道内への導入に先立って加圧し、たとえば、デバイスは、物質を加圧するためのポンプを含む。
【0048】
一部の実施形態では、デバイスは、物質の投与をユーザが開始するユーザ・インターフェースを含む。
【0049】
任意選択で、一部の実施形態では、デバイスは、ノズルをユーザの尿道に位置決めするのを助けるための1つまたは複数の位置決め要素を含む。
【0050】
一部の実施形態では、位置決め要素は、デバイスに任意選択で取り付けられた機械的要素であり、体部分上および/または体部分内に(たとえば膣内、肛門内、脚部上に)置かれ、位置決め要素を置くことで、ノズルと尿道開口部および/または尿道は位置合わせされる。
【0051】
一部の実施形態では、位置決め要素は、(たとえばデバイスの位置決めを案内するための)手がかり、たとえば視覚的および/または聴覚的手がかりを与える。一部の実施形態では、視覚的要素(たとえば鏡、カメラ)は、治療に関するユーザ・フィードバックを与える。たとえば、一部の実施形態では、ユーザは、視覚的手がかり(たとえば、尿道からのある量の物質および/または尿の逸出)が見えるまで物質を挿入する。
【0052】
一部の実施形態では、位置決め要素は、たとえば(たとえばマーカに対する、ユーザ尿道に対する)ノズルの位置に関する測定値を与える、1つまたは複数のセンサ、たとえば位置センサを含む。
【0053】
一部の実施形態では、1つまたは複数の位置決め要素は、(たとえば自己治療中)デバイスの位置決めにおいてユーザを助けるための1つまたは複数の視覚的要素、たとえば鏡および/またはカメラを含む。一部の実施形態では、視覚的要素は、ユーザの解剖学的構造、たとえば尿道開口部に対するデバイスの1つまたは複数の部分の場所に関して視覚的手がかりをユーザに与える。
【0054】
一部の実施形態では、デバイスは、自己治療するユーザが、任意選択で片手でデバイスを保持しおよび/または位置決めすることができるような寸法および重量のものである。
【0055】
一部の実施形態では、デバイスの1つまたは複数の部分は、個人別に調整され、たとえば、個々の解剖学的構造に適合するように成形される。一部の実施形態では、位置決め要素は、個人別に調整され、たとえばデバイスの一部分は、たとえばユーザの体の一部上におよび/または一部内に置かれたとき、デバイスと尿道開口部を位置合わせする。
【0056】
本発明の一部の実施形態の態様は、薬剤を尿道および/または膀胱内に導入するための方法およびデバイスに関する。
【0057】
一部の実施形態では、導入物質は、薬剤、たとえば膀胱がんのための化学的療法薬剤、たとえば頻発性尿路感染症(UTI)のための抗生物質、たとえば過活動膀胱の局所的治療のための薬剤を含む。
【0058】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載される、および/または図および/または例に示される構成要素および/または方法の構造および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、さまざまな方法で実施し、行うことができる。
【0059】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明によって記載し、または例によって例示する詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、さまざまな方法で実施し、行うことができる。
【0060】
膀胱の機械的特性の変化
通常、緊張性尿失禁(SUI)は、泌尿器括約筋によって閉じて保持される、尿道の機械的抵抗が低減することに関連付けられる。尿道の機械的抵抗が、閉鎖に対する尿圧力より低い場合、尿は尿道を通って漏れる。腹部内圧力波、「衝撃」、たとえば(たとえば咳き込む、くしゃみをする、笑うときに)隔膜から発生するものが、この波が通過するにつれて膀胱内部の圧力を増大させる。衝撃または腹部内圧力波が膀胱内部の圧力をpura以上に上昇させた場合、尿は尿道を通って漏れる。
【0061】
個人の尿道の機械的特性は、時間と共に、たとえば尿道のねじれを変動させる可能性があり、この場合(たとえば腹部内圧力波の発生時)内部組織の運動は、尿道に閉鎖圧力を及ぼし、puraを一時的に上昇させることがある。SUIはまた、腹腔空洞内の尿道の位置の変化に関連付けられ、この変化は、たとえば、骨盤底筋が脆弱化し、その結果尿道のねじれを低減させることによるものである。
【0062】
一部の実施形態では、膀胱内に導入された物質は、腹部内圧力波または衝撃に対する膀胱の内部圧力応答を「減衰する」または「分散させる」。
【0063】
図1は、膀胱100の簡単な概略断面図である。膀胱100は、尿102を保持し、尿道104は、括約筋106によって閉じて保持される。図2は、本発明の一部の実施形態による、膀胱200の簡単な概略断面図である。膀胱200は、尿202より高い圧縮性の流体または物質208を含む。
【0064】
図3は、本発明の一部の実施形態による、時間に伴う、腹部内圧力波に応答する膀胱圧力(膀胱衝撃圧力応答)の簡単なグラフである。図3では、実線は、図1に示す膀胱の膀胱圧力を示し、点線は、尿より高い圧縮性の物質の少なくとも一部分を含む膀胱、たとえば図2に示す膀胱200の膀胱圧力を示す。
【0065】
一部の実施形態では、衝撃時、膀胱内のピーク膀胱圧力は低減され、p2はp1より低い。一部の実施形態では、衝撃時、膀胱内のピーク膀胱圧力は遅延され、t2はt1より遅延する。一部の実施形態では、膀胱圧力応答の「分散」または「減衰」は、ピーク膀胱圧力の低減および/またはピーク膀胱圧力の遅延に対応する。
【0066】
例示的な方法
図4は、本発明の一部の実施形態による、緊張性尿失禁の治療の方法の流れ図である。図4は、尿より高い圧縮性の物質を膀胱内に置く例示的な方法を説明し、この一部の態様および潜在的利点は、たとえば上記に説明されている。
【0067】
400において、デバイスの少なくとも一部分を尿道開口部に置くことで治療が開始する。402において、物質が、(たとえばユーザの装置起動後に)圧力下でデバイスから尿道内に投与される。404において、尿道内に導入された物質は膀胱に入る。
【0068】
物質の例示的な量
一部の実施形態では、治療は、用量の物質を1回だけ尿道に挿入することを含む。一部の実施形態では、(たとえば、10分未満の時間の間)各治療は、物質を個々に離散的に導入することを含む。たとえば、一部の実施形態では、治療中、2用量以上の物質が、任意選択で投与間での一時停止(たとえば、最大1秒まで、5秒まで、1分を上回る一時停止)を伴って尿道内に導入される。一部の実施形態では、複数の投与を含む治療中、尿道は投与と投与との間で閉じる。
【0069】
一部の実施形態では、治療において、40ccの物質が導入される。一部の実施形態では、治療において、50ccの物質が導入される。一部の実施形態では、治療において、20cc~60ccの物質が導入される。一部の実施形態では、膀胱に外傷を引き起こさない物質の量(たとえば、500cc未満、400cc未満、200cc未満、100cc未満、50cc未満)が、治療において導入される。
【0070】
一部の実施形態では、導入物質の体積は、膀胱内部の導入物質の体積を指し、この場合、物質は内部膀胱圧力下にある。一部の実施形態では、導入物質の体積は、大気圧下の導入物質の体積を指す。
【0071】
一部の実施形態では、治療に導入される物質の量は、たとえばユーザの膀胱容量(たとえば、尿失禁が起こるときの膀胱が含む尿の体積)を測定することによって規定され、導入物質の量は、膀胱容量の50%未満、30%未満、20%未満、10%未満である。
【0072】
一部の実施形態では、ユーザは、任意選択で、ユーザがデバイスを使用するたびに導入物質の量を調整し、たとえば一部の実施形態では、ユーザは、尿意切迫を感じるまで物質を導入する。
【0073】
一部の実施形態では、たとえば、ユーザおよび/または医療関係者/技術者が、(たとえば、各々の個人的治療の前、治療中、装置の較正時に)導入される物質の量を規定する。
【0074】
例示的な治療
一部の実施形態では、治療は、たとえば、1日に数回(たとえばユーザが排尿するたびに)反復される。
【0075】
任意選択で、ユーザは、治療前に排尿する。代替的には、一部の実施形態では、治療は、満杯の膀胱に関するものであり、ユーザは、任意選択で、治療後に排尿する。
【0076】
一部の実施形態では、物質の導入は尿を変位させ、たとえば、物質が導入されるとき、または物質が導入された後、尿は、尿道を通って膀胱から逸出する。一部の実施形態では、膀胱は、物質によって実質的に充填されて膀胱の尿を実質的に空にする。潜在的な利点は、たとえば排尿が困難であるおよび/または膀胱を十分に空にするのが困難であるユーザに対する治療として、膀胱を空にできることである。
【0077】
一部の個人、たとえば前立腺肥大を有する男性は、排尿によって膀胱を完全に空にすることはできない。こうした個人は、排尿によって膀胱を完全に空にすることを試みた後でも、膀胱容量はゼロではない。膀胱内に残る尿の残留体積は、本明細書では膀胱「死容積」と呼ばれる。
【0078】
一部の実施形態では、膀胱死容積は、0.5~300cc、または1~100cc、または2~50ccである。一部の実施形態では、導入物質が膀胱内に入ると、ユーザは排尿し、膀胱を死容積に戻す。次いで、一部の実施形態では、残留死容積の少なくとも一部は、クッション物質によって充填される(尿は、死容積内でクッション物質に置き換えられている)。潜在的な利点は、死容積の悪影響(たとえば感染)を低減することであり、別の潜在的利点は、たとえば、クッション物質が圧縮可能であるため、ユーザの体の重量が、膀胱を、死容積がより小さくなる(および/または実質的にゼロになる)ようにつぶすように作用し得ることである。
【0079】
例示的な圧力
一部の実施形態では、物質は、尿道の入口に挿入される。一部の実施形態では、物質の加圧挿入により、尿道が開く。一部の実施形態では、挿入物質の圧力は、puraより高く、それにより、物質は尿道を開きおよび/または尿道を通って膀胱まで進行する。一部の実施形態では、尿道は、(たとえば、細い棒、チューブ、カテーテルの挿入によって)部分的にまたは完全に機械的に開かれる。
【0080】
通常、SUIを有する女性のpuraは、約40:60cmHOである。一部の実施形態では、物質は、40:60cmHOを上回る圧力で尿道内に挿入される。一部の実施形態では、物質は、100cmHO以上の圧力で尿道に挿入される。一部の実施形態では、尿道は、少なくとも部分的に機械的に開かれ、物質は、最大70cmHOの圧力で尿道に導入される。
【0081】
一部の実施形態では、前記圧縮物質の圧力は、たとえば尿道および/または膀胱に損傷を引き起こす圧力より小さい。一部の実施形態では、圧縮物質の圧力は、600cmH0未満、または300cmH0未満、または200cmH0未満、または100cmH0未満である。
【0082】
例示的な物質のタイプ
一部の実施形態では、導入物質は、ガス、たとえば空気である。一部の実施形態では、導入物質は不活性である。一部の実施形態では、導入物質は、不活性ガス、たとえばアルゴン、窒素、ヘリウムである。一部の実施形態では、導入される物質は、溶存ガスを有する液体、たとえば、炭酸水である。一部の実施形態では、導入される物質は、気泡および液体の混合物、たとえば、水および空気泡の混合物、炭酸水である。
【0083】
一部の実施形態では、導入される物質は、液体および圧縮可能な要素の混合物、たとえば液体および封入ガス粒子の懸濁液である。一部の実施形態では、圧縮可能な要素は十分小さく、および/または混合物の粘性は十分小さく、それにより、混合物は、開かれた尿道(たとえば、0.5mm以下、1mm以下、2mm以下の最少断面寸法を有するチャネル)を流れ抜ける。
【0084】
一部の実施形態では、導入物質は、薬剤、たとえば膀胱がんのための化学的療法薬剤、たとえば頻発性尿路感染症(UTI)のための抗生物質、たとえば過活動膀胱の局所的治療のための薬剤を含む。
【0085】
例示的な自己治療
一部の実施形態では、治療は、ユーザが物質を自身の尿道に導入することを開始する自己治療または個人的使用のものである。
【0086】
一部の実施形態では、尿道への物質の送達(たとえば自己治療)は、ユーザ(または患者)が、(たとえば、物質の導入に関連する尿漏れを容易に排泄するように)たとえばトイレに着座しているときに行われる。一部の実施形態では、尿道への物質の送達(たとえば自己治療)は、ユーザが、たとえば仰向けに(たとえばベッドに)横たわっているときに行われる。一部の実施形態では、尿道への物質の送達(たとえば自己治療)は、ユーザが、任意選択で膝を広げおよび/または高い位置にしてもたれかかっているときに行われる。
【0087】
一部の実施形態では、自己治療をするユーザは、デバイスを一方の手で保持し、ユーザの解剖学的構造を他方の手で保持する。一部の実施形態では、デバイスの位置決めは、デバイスおよび/またはユーザの解剖学的構造を動かすことによって行う。たとえば、一部の実施形態では、男性ユーザは自身の陰茎を一方の手で保持し、デバイスを他方の手で保持し、デバイスの位置決めは、デバイスおよび/または陰茎を動かすことによって行われる。たとえば、一部の実施形態では、女性ユーザは、デバイスを片手で保持し、たとえば、陰唇を他方の手で開いて保持する。任意選択で、一部の実施形態では、デバイスが位置決めされた後、ユーザはデバイスを両手で保持する。代替的には、一部の実施形態では、自己治療するユーザは、位置決め中および/または位置決め後にデバイスを両手で保持する。
【0088】
満杯膀胱の例示的な治療
一部の実施形態では、物質は、膀胱が実質的に満杯であるとき、たとえばユーザが尿意切迫を感じるとき、および/または膀胱容量が100ccを上回るときに尿道に導入される。図11は、本発明の一部の実施形態による、膀胱が満杯である男性の簡単な断面図、およびデバイス1110の簡単な側面図である。ノズル1112の一部分が、男性の尿道1104に挿入される。
【0089】
図12は、本発明の一部の実施形態による、治療を受けている、膀胱が満杯である男性の簡単な断面図である。デバイス1210のノズル1212は、加圧物質1214を尿道1204に導入している。導入物質1214は、尿道1204を膀胱1200からノズル1212の間で開いており、導入物質1214は、膀胱1200に入っている。膀胱1200は、尿1202で満杯である。
【0090】
一部の実施形態では、物質は、本明細書では「追加物質」と呼ばれるクッション物質がすでに膀胱内にあるときに尿道内に導入される。図13Aは、本発明の一部の実施形態による、クッション物質1308が膀胱1300内にある男性の断面図、および追加物質1314を尿道1304内に導入しているデバイス1310の一部分の側面図を示す。
【0091】
たとえば、一部の実施形態では、ユーザは、前に挿入された、クッション物質を形成する物質がユーザから出る前に追加物質を挿入し、たとえば、追加物質は、前の挿入から一定の時間がたった後(たとえば数分、数時間後に)挿入される。
【0092】
例示的な実施形態-挿入されたノズル
任意選択で、一部の実施形態では、デバイスの少なくとも一部分が尿道に挿入され、たとえば、それによって尿道の少なくとも一セクションを機械的に開く。図5は、本発明の一部の実施形態による、デバイス510の簡単な概略側面図、およびデバイスの一部分が女性の尿道504に挿入された女性の断面図である。
【0093】
一部の実施形態では、ノズルは、たとえば一部の実施形態では、ノズルを尿道内に円滑に挿入し、たとえば一部の実施形態では、デバイスをユーザ組織に対してシールするのを助けるために、使用前に(たとえば水、K-Yゼリー(登録商標)、Surgilube(登録商標)を使用して)潤滑される。
【0094】
一部の実施形態では、デバイス510は、尿道504に少なくとも一部が挿入されたノズル512を含む。一部の実施形態では、ノズル512は細長いものである。一部の実施形態では、ノズル512は、20mm~30mmまたは10mm~50mm、または20mm未満または50mmを上回って尿道504に挿入される。一部の実施形態では、ノズルは、尿道504を通って挿入され、膀胱500に到達する。
【0095】
一部の実施形態では、ノズル512の挿入によって尿道を機械的に開くことにより、(たとえば一時的に)puraが低減される。一部の実施形態では、たとえばノズルが尿道に挿入されたときの導入物質の圧力は、70cmHO以上である。
【0096】
図6Aは、本発明の一部の実施形態による、女性の断面図、および物質614を女性の尿道604内に導入するデバイス610の一部分の簡単な概略側面図である。明確にするために、導入物質614は、気泡を含む流体として示される。一部の実施形態では、物質614は、ノズル612が尿道604の内部に位置決めされたときにノズル612を通って導入される。一部の実施形態では、導入物質の圧力が尿道を開き、たとえば図6Aでは、尿道は、ノズル612の挿入によって部分的に開かれ、導入物質614の圧力によって部分的に開かれている。
【0097】
一部の実施形態では、尿道604内に導入された物質614の少なくとも一部分は、尿道604に沿って進行し、膀胱602に入る。図6Bは、本発明の一部の実施形態による、女性の断面図、および物質を女性の尿道604内に導入するデバイス610の一部分の簡単な概略側面図である。図6Bでは、尿道604は、膀胱まで開かれており、導入物質614は膀胱に入っている。
【0098】
図7は、本発明の一部の実施形態による、クッション物質708が膀胱700内にある、治療された女性の簡単な概略断面図である。一部の実施形態では、物質の導入が停止したとき、括約筋は、尿道704の少なくとも一部分を閉じまたはつぶして、たとえば膀胱内のクッション物質および/または尿道内に導入された物質が逸出するのを防止する。
【0099】
一部の実施形態では、クッション物質708は、尿より低密度であり、膀胱内で重力によって動き、たとえば尿道開口部から膀胱705まで上昇する(たとえば、女性が横たわっている場合、導入物質は、尿道膀胱開口部705から図7に示すクッション物質708位置まで上昇する)。一部の実施形態では、クッション物質708は、膀胱700の容量を増大させ、および/または膀胱700の形状を変化させ、これは、図6Bから図7の膀胱形状の変化で示される。
【0100】
図8は、本発明の一部の実施形態による、男性の断面図、およびデバイスの一部分が男性の尿道804に挿入された、デバイス810の簡単な概略側面図である。
【0101】
図9は、本発明の一部の実施形態による、男性の断面図、および物質914を男性の尿道904に導入するデバイス910の一部分の簡単な概略側面図である。明確にするために、導入物質914は、気泡を含む流体として示される。一部の実施形態では、物質914は、ノズル912が尿道904の内部に位置決めされたときにノズル912を通って導入される。一部の実施形態では、導入物質の圧力が尿道を開き、図9では、尿道は、ノズル912の挿入によって部分的に開かれ、導入物質914の圧力によって部分的に開かれている。一部の実施形態では、尿道904内に導入された物質614の少なくとも一部分は、尿道904に沿って進行し、膀胱900に入る。
【0102】
図10は、本発明の一部の実施形態による、デバイス1012の一部分の簡単な概略側面図、および物質の導入後の男性の体の断面図である。尿道1004を通って導入された物質は、膀胱1000の内部にあり、クッション物質1008を形成する。一部の実施形態では、クッション物質1008は、尿1002より低密度であり、膀胱1000内で重力によって動き、たとえば尿道開口部から膀胱1005内に上昇する(たとえば男性が直立している場合、尿道膀胱開口部1005から図7に示されるクッション物質1008位置まで上昇する)。一部の実施形態では、クッション物質1008は、膀胱1000の容量を増大させ、および/または形状を変化させ、これは、図9から図10の膀胱の変化で示される。
【0103】
例示的なシール-挿入されたノズル
一部の実施形態では、尿道の肉組織は、ノズルの一部に対しておよび/またはその周りをシールし、このシールは、潜在的には、導入物質が尿道開口部を通って逸出することを防止または低減する。一部の実施形態では、ノズルの一部は、尿道とノズルの間にシールをもたらすようにおよび/またはシールを強化するように成形されおよび/またはサイズ設定される。
【0104】
図13Aを参照すれば、一部の実施形態では、ノズル1312は、より大きい断面積1313の一部分を含む。一部の実施形態では、より大きい断面積のノズル部分は、ノズル先端部1313にある。代替的にまたは追加的に、一部の実施形態では、より大きい断面積の一部分は、ノズル1312の長さに沿った地点に配設される(たとえば、ノズル1312の一部が尿道1304に挿入されたとき、より大きい断面積部分が尿道開口部を塞ぐように、たとえばより大きい断面積部分が、ノズル先端部から最大0.5cmのところに、ノズル先端部から0.5~1cmのところに、またはノズル先端部から1cmを超えるところにあるように配設される)。
【0105】
一部の実施形態では、シールは、挿入されたノズルの一部上の尿道をより強く加圧することによって形成される。図13Bは、本発明の一部の実施形態による、女性の尿道内部にシーリング部分1320を含むノズルの簡単な断面図である。シーリング部分1320上の力Aは、ノズル1312上の力Bより大きい。一部の実施形態では、シーリング部分1320は、ノズル1312aの本体より大きい断面積を含む。たとえば、一部の実施形態では、シーリング部分1320は、図13Bに示すように丸みのある形状を含む。
【0106】
例示的な実施形態-尿道を覆って置かれたノズル
一部の実施形態では、デバイス・ノズルは、尿道を覆って置かれる。図17Aは、本発明の一部の実施形態による、デバイス1710の簡単な概略側面図である。図17Bは、本発明の一部の実施形態による、デバイス1710の簡単な概略断面図である。一部の実施形態では、デバイス1710は、デバイス本体1711およびノズル1724を含む。
【0107】
例示的なシール-尿道を覆って置かれたノズル
一部の実施形態では、ノズルの一部は、ユーザの外側の肉組織/皮膚に対してシールする。一部の実施形態では、ユーザがデバイス上に圧力を及ぼすことで、ノズルをユーザの肉組織(たとえば尿道を取り囲む肉組織)に対してシールする。一部の実施形態では、ノズル1712は、ノズルの出口1722で尿道を覆って、尿道開口部のところでユーザの皮膚に押しつけられる。一部の実施形態では、ノズルは、ユーザの肉組織を切断または損傷することなくユーザ尿道の周りの肉組織と共にシールを形成するように十分軟質でありおよび/または丸みのあるものである。
【0108】
一部の実施形態では、ノズルは、デバイスをユーザ組織に対してシールするのを助けるために、たとえば使用前に(たとえば、水、K-Yゼリー(登録商標)、Surgilube(登録商標)を使用して)潤滑および/またはコーティングされる。
【0109】
一部の実施形態では、たとえば、物質の導入時、ノズル1726の内部の物質の圧力は、尿道を尿道開口部から尿道を開くのに、および/またはデバイス1710からの物質が尿道に入るのに十分に高いものである。
【0110】
一部の実施形態では、ノズル出口は、ノズルの突起部分上に配置される。たとえば、一部の実施形態では、ノズルは、(たとえば、図17Bに示すように)円錐形の頂点に出口1722を備えた突起する円錐形状1724を含む。一部の実施形態では、突起出口1722は、尿道開口部に出口1722を接触させること、および/またはノズル1724と尿道周りのユーザの肉組織との間にシールを形成するのを助ける。
【0111】
図18は、本発明の一部の実施形態による、デバイス1810の簡単な概略側面図、およびノズルが物質を女性の尿道1804内に導入している女性の断面図である。
【0112】
図19は、本発明の一部の実施形態による、デバイス1910の簡単な概略側面図、およびノズルが物質を男性の尿道1904内に導入している男性の断面図である。
【0113】
一部の実施形態では、ノズルは、たとえば、図19に示すようにユーザの肉組織に対して2つ以上のシールを形成し、第1の外側シールは、ノズル外側部分1912を尿道周りの外側輪郭に押しつけて形成され、第2のシールは、ノズル内側部分1924を尿道周りの内側輪郭に押しつけて形成される。一部の実施形態では、外側シールは、ノズルをユーザの肉組織に固定し、内側シールは、物質が逸出するのを防ぐ。
【0114】
一部の実施形態では、ノズルは、前記尿道および尿道周りのユーザの肉組織と共にシールを形成する。一部の実施形態では、ノズルの一部分は、前記尿道に挿入され(任意選択で、尿道と共にシールを形成せず、たとえば、ノズルは、断面が尿道よりかなり小さいものである)、ノズルは、尿道周りのユーザの肉組織とシールを形成する。
【0115】
一部の実施形態では、ノズルは、たとえば、ユーザの肉組織に対してシールをもたらす凹状部分1924を含む。
【0116】
一部の実施形態では、ノズルは、ユーザの尿道の適所にあるとき、形状を変形または変更する。たとえば、一部の実施形態では、円錐形状のノズル部分(たとえば、ノズル部分1724は、図17Bに示すように円錐形状のものである)は、デバイスが投与のためにユーザの尿道に適所に置かれたときに反転される。
【0117】
一部の実施形態では、ノズル出口は、ユーザの尿道より断面が大きい(たとえば、図18のノズル出口1822)。
【0118】
例示的なデバイス-挿入されたノズル
図21Aは、本発明の一部の実施形態による、デバイス2110の側面図の簡単な概略図である。図21Bは、本発明の一部の実施形態による、デバイスの上面図の簡単な概略図である。図21Cは、本発明の一部の実施形態による、デバイスの底面図の簡単な概略図である。図21Dは、本発明の一部の実施形態による、デバイスの前面図の簡単な概略図である。
【0119】
例示的な携帯デバイス
一部の実施形態では、SUIの治療のためのデバイスは、携帯式であるようにサイズ設定される。
【0120】
一部の実施形態では、デバイスは、ユーザが快適にデバイスを保持することができ、および/またはデバイス・ノズルをユーザ尿道に導くことができるように寸法設定され(たとえばデバイス長さ、最大のデバイスの大きさ)、および/またはそれに適した重量である。
【0121】
一部の実施形態では、デバイスの最大の大きさ(デバイスの最大寸法)は、最大30cm、または最大25cm、または最大15cm、または最大10cmである。一部の実施形態では、デバイスは、約1~40cmの長さ、または5~25cmの長さ、または7~20cmの長さである。一部の実施形態では、デバイス本体は、0.5~20cmの幅、または1~15cmの幅、または3~10cmの幅である。一部の実施形態では、デバイス本体は、0.5~20cmの深さ、または1~15cmの深さ、または3~10cmの深さである。一部の実施形態では、デバイス本体は、ほぼ円筒状であり、0.5~20cmの直径、または1~15cmの直径、または3~10cmの直径である。
【0122】
一部の実施形態では、デバイス・ノズルは、調整可能な長さを有し、たとえば、デバイス・ノズルは、伸縮自在であり、たとえばデバイス・ノズルは、デバイス本体に螺合しおよび/またはデバイス本体から螺退する。
【0123】
一部の実施形態では、デバイスの重量は、500g未満、または300g未満、または100g未満、または50g未満、または20g未満である。
【0124】
代替的にまたは追加的に、一部の実施形態では、デバイスの一部分は携帯式であり、たとえば一部の実施形態では、デバイス・ノズルは、携帯式になるようにサイズ設定される。
【0125】
一部の実施形態では、デバイス2110は、たとえば、ユーザがデバイスを把持するのを助けるために、たとえば、デバイス2110を正しく手で保持する指標を与えるための1つまたは複数のグリップ要素2136を含む。
【0126】
一部の実施形態では、グリップ要素2136は、デバイスの一部分上に配設され、それにより、グリップ要素がユーザの指および/または手のひらと接触するようにユーザがデバイスを把持したとき、デバイスは、ノズルを挿入するように配向される。たとえば、グリップ要素2136をユーザの指および/または手のひらと接触させてデバイス2010を把持するユーザは、位置決め要素2128(以下でより詳細に説明する位置決め要素)の上面(たとえば鏡)を上方向に向けてデバイス2010を保持する。
【0127】
一部の実施形態では、グリップ要素2136は、デバイス2110がユーザの把持から滑ることを防止するために、たとえば、1つまたは複数の滑らないおよび/または凹凸のある表面部分(たとえばゴム)を含む。一部の実施形態では、グリップ要素2136は、1つまたは複数のゴムパッド2138を含む。
【0128】
例示的な正しい挿入、位置決め
【0129】
例示的な機械的位置決め要素
一部の実施形態では、ユーザは、デバイスをユーザの尿道の上および/またはその中に位置決めする。
【0130】
一部の実施形態では、デバイスは、ノズルを尿道開口部と位置合わせするのを助けるために、ユーザの体の一部上および/またはその中(たとえば膣内、肛門内、または脚部上)に置かれる位置決め要素を含む。次に図6Aに戻れば、デバイス610は、位置決め要素628を含む。
【0131】
一部の実施形態では、ノズル612の尿道への挿入中、位置決め要素628を膣に向かって案内することで、ノズル先端部を尿道開口部の近傍および/または尿道開口部に位置決めするのを助ける。一部の実施形態では、ノズル612が尿道604の内部の適所にあるとき、位置決め要素628は、膣の内部および/またはその入口に止まる。
【0132】
一部の実施形態では、位置決め要素628は、たとえば、ノズル612の尿道への挿入中、位置決め要素628を膣内に案内することで、ノズル612を尿道に挿入するのを助けるように角度付けされる(たとえば、ノズルの移動の角度は、尿道の角度に位置合わせされる)。
【0133】
例示的な手かがり位置決め要素
一部の実施形態では、1つまたは複数の位置決め要素は、デバイスを位置決めするための視覚的および/または可聴式の手がかりを与える。
【0134】
一部の実施形態では、1つまたは複数の位置決め要素は、標的位置からのノズルの距離(たとえば、ノズル先端部と尿道開口部との間の距離)のインジケータを含む。
【0135】
一部の実施形態では、1つまたは複数の位置決め要素は、たとえば、ノズルと尿道開口部との間の距離に関して、視覚的手がかりを与える視覚的要素(たとえば鏡および/またはカメラ)を含む。
【0136】
図20Aは、本発明の一部の実施形態による、位置決め要素2028を含むデバイス2010の側面図およびユーザの断面図の簡単な概略図である。一部の実施形態では、位置決め要素2028は、反射表面(たとえば鏡)を含む。たとえば、図20Aでは、鏡位置決めデバイス2028およびノズル2012は、ノズル2012が尿道開口部2030の方に全体的に(たとえば、尿道開口部の1cm以内を指して)導かれたとき、位置決めデバイス2028は、ユーザ2034に、尿道開口部2030に関するノズル2012の位置を示すように角度付けされる。
【0137】
次に図21Aを参照すると、一部の実施形態では、(たとえばデバイス本体2111に対する)位置決め要素2128は、たとえばユーザによって調整可能であり、それにより、ユーザは、位置決め要素をユーザの解剖学的構造に合わせて調整することができ、および/またはユーザは、ノズルおよび/または尿道開口部を鏡で見ることができるように視覚的位置決め要素(たとえば鏡)を調整することができる。一部の実施形態では、位置決め要素2128は、ユーザが位置決め要素を枢動させ、および/または動かすのを助ける引っ張りグリップ2148(たとえば、1つまたは複数のゴム・グリップ)を含む。
【0138】
任意選択で、一部の実施形態では、デバイスは、デバイスが適所にあること、たとえば、十分な深さで尿道内に挿入されたことを確認する1つまたは複数の要素を含む。一部の実施形態では、ノズルが尿道に挿入される深さは、たとえば、センサによって測定される。一部の実施形態では、たとえばノズル深さに関するフィードバックが、ユーザに(たとえばユーザ・インターフェースによって)与えられる。一部の実施形態では、物質の投与は、ノズルが尿道内に十分挿入されたことを確認したときにのみ行われる。たとえば、自動式制御装置は、(たとえばセンサから)確認を受け取ったときにのみ物質を投与する。
【0139】
一部の実施形態では、ノズルは、たとえば、正しく挿入するようにユーザを案内するための1つまたは複数のマーキングを含み、ユーザは、マーキングが概ね尿道開口部にあるようにノズルを挿入する。
【0140】
任意選択で、一部の実施形態では、デバイスは、導入物質および/または十分な割合の導入物質が、泌尿器系内に残り、および/または膀胱に入ることを確認する1つまたは複数の要素を含む。一部の実施形態では、デバイスは、任意選択で投与中および/または投与前にフィードバックを与える要素(たとえば、ガス漏れセンサ、圧力センサ)を含む。一部の実施形態では、要素は、許容レベルの投与物質が、たとえば尿道開口部の外に逸出することを確認する。
【0141】
例示的な照明
一部の実施形態では、デバイスは、たとえば、ノズルの標的領域(たとえば、尿道開口部2032、尿道開口部周りの領域)の照明2032のための、照明要素、たとえば図21Dの照明要素2146(たとえば、LED、電球)を含む。照明要素を含むデバイスの潜在的利点は、薄暗い灯(たとえば公衆トイレ)でデバイスを使用することができることである。
【0142】
一部の実施形態では、図21Dに示す照明要素2146は、ノズル2120と近接近している。たとえば、一部の実施形態では、照明要素は、デバイス本体の外面上で測定して、ノズルから最大1mm離して、または最大5mm離して、または最大20mm離してデバイス本体上に配設される。一部の実施形態では、照明要素は、光をノズル先端部の方に導く。照明要素がノズルに近接近して配設される、および/または照明要素が光をノズル先端部の方に向けているデバイスの潜在的な利点は、たとえば対比照明によって位置決めが向上するため、ノズル位置決めの精度が向上し、および/またはノズル位置決めおよび/または挿入をさらに容易にすることである。
【0143】
次に図25を参照すれば、一部の実施形態では、照明要素2546は、電池2556によって少なくとも部分的に給電される。一部の実施形態では、照明要素2546は、スイッチ2558を(たとえばボタン2540を押し下げることによって)閉じることによって電源が入り、任意選択で、配線2560によって電池2556および照明要素2546に接続される。
【0144】
尿道内に挿入するための例示的なノズル
一部の実施形態では、ノズル2112は、ユーザがかけた圧力によって尿道を機械的に開くのに十分な剛性のものである。一部の実施形態では、ノズルは、ユーザが、ノズルが結合されたデバイス本体を保持しおよび/または導くことによってノズルを尿道に挿入するように十分な剛性のものである。
【0145】
一部の実施形態では、ノズル2112は、挿入中、ユーザ尿道の輪郭をたどるのに十分な可撓性のものである。
【0146】
一部の実施形態では、ノズルは細長いものである。一部の実施形態では、ノズル長さは、0.1~10cm、または0.5~5cmである。
【0147】
一部の実施形態では、ノズルは、ノズル長さに沿って断面が一定である。一部の実施形態では、ノズルは、ノズル長さに沿って断面が先細であり、たとえばこの場合、より大きい断面は、デバイス本体とノズルの連結部にある。
【0148】
一部の実施形態では、ノズルは、ほぼ円形断面を含む。一部の実施形態では、ノズル断面は、5mm~12mmの直径である。一部の実施形態では、ノズル断面積は、20mmから110mmである。
【0149】
一部の実施形態では、ノズルは、シリコーン・ゴムから作られる。他の適切な物質としては、たとえば、カテーテルに一般的に使用される物質、たとえばポリウレタン、ポリエチレン・テレフタレート(PETE)、ラテックス、熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0150】
一部の実施形態では、ノズルは、別個の構成要素である。一部の実施形態では、治療ごとに異なるおよび/またはきれいなおよび/または殺菌したノズルが使用される。一部の実施形態では、ノズルは、事前に施与された潤滑剤および/または薬剤を含み、たとえば一部の実施形態では、ノズルキャップは、潤滑剤リザーバを含む。一部の実施形態では、ノズルは、ホルモン薬剤で潤滑される。一部の実施形態では、ホルモン薬剤は、たとえばホルモン関連の尿道脆弱性、たとえば更年期に関連付けられる脆弱性を治療するための女性ホルモン薬剤である。
【0151】
一部の実施形態では、デバイスは、コンパクトにするために、たとえばノズルから外して保管される。
【0152】
一部の実施形態では、ノズルは、デバイスの本体上にラッチ掛けされる。図22Aは、本発明の一部の実施形態による、ラッチ取付具を含むノズルの簡単な概略側面図である。図22Bは、本発明の一部の実施形態による、ノズルの簡単な概略断面図である。
【0153】
一部の実施形態では、ノズルは、本発明の一部の実施形態により、デバイスの本体上に螺合する。図23Aは、本発明の一部の実施形態による、ねじ取付具を含むノズルの簡単な概略側面図である。図23Bは、本発明の一部の実施形態による、ねじ取付具を含むノズルの簡単な概略断面図である。
【0154】
一部の実施形態では、ノズル長さは、調整可能である。調整可能なノズル長さの潜在的利点は、たとえば、肥満のユーザが、位置決め要素(たとえば鏡)のユーザの視界がユーザの腹部で妨げられないようにノズルを延ばすことができることである。調整可能なノズル長さの別の潜在的な利点は、ノズル長さを個人別に調整できることである。
【0155】
汚染物質を伴わない物質の例示的な導入
一部の実施形態では、物質は、物質の流れが汚染物質を導入する(たとえばデバイス上の、尿道、皮膚からの、たとえば汚れ、細菌が尿道および/または膀胱内に入る)ことなく、または物質の流れが導入する汚染物質を最小限にして導入される。
【0156】
一部の実施形態では、ノズルは、平常時(たとえば、デバイスが物質を投与していないとき)にノズルの本体の内部に配設される反転部分を含む。一部の実施形態では、反転部分は、ノズルから投与される物質の圧力下で反転を戻す。任意選択で、反転部分は、物質を投与し始める前に反転を戻す。任意選択で、反転部分は、物質の投与中、ノズルの大きさ(たとえば長さ)を増大させる。
【0157】
図14Aは、本発明の一部の実施形態による、デバイスが物質を投与していないときのデバイス・ノズル1412の一部の簡単な断面図である。図14Bは、本発明の一部の実施形態による、デバイスが物質を投与しているときの、デバイス・ノズル1412の一部の簡単な断面図である。
【0158】
たとえば、デバイス・ノズルを尿道内に置く間、汚染物質1418が、たとえば、挿入前および/または挿入中にノズル1412上および/またはその内部に集まり得る(たとえば、粘液、環境的汚れ、細菌)。一部の実施形態では、汚染物質1418は、ノズル出口1422を通ってノズル1412に入る。
【0159】
一部の実施形態では、デバイス・ノズル1412(たとえばデバイス先端部)は、反転部分1416を含み、この反転部分は、図14Aに示すように、デバイスが物質を投与していないとき、ノズルの内部に(たとえば反転構成で)配設される。一部の実施形態では、図14Bに示されるように、物質の投与の結果、反転部分1416の反転が戻る。一部の実施形態では、物質は、反転部分出口1423を通って投与される。
【0160】
物質の投与前および/または投与中に反転が戻る、平常時反転部分をノズルが含む潜在的利点は、汚染物質1418が物質の流れと接触せず、たとえば、汚染物質1418は、導入物質1414によって尿道および/または膀胱内に運ばれにくいことである。
【0161】
一部の実施形態では、投与後、反転部分1416は、再反転してノズル1412内に戻り、たとえば、物質の導入後、ノズルの内部に反転構成(たとえば、図14Aに示す構成)に戻る。一部の実施形態では、反転セクション1416は、弾性のものであり、および/または形状記憶を有する。
【0162】
一部の実施形態では、反転部分1416は、可撓性物質、たとえばゴム(たとえばシリコーン・ゴム)から形成される。
【0163】
一部の実施形態では、デバイスが物質を投与していないときにノズルの内部に配設される反転セクションは、たとえば、投与物質の圧力下で巻き込むことによって反転を戻す。
【0164】
図15Aは、本発明の一部の実施形態による、デバイスが物質を投与していないときの、反転部分1516を含むデバイス・ノズル112の一部の簡単な断面図である。図15Bは、本発明の一部の実施形態による、反転セクション1516の巻き込み中のデバイス・ノズル1512の一部の簡単な断面図である。図15Cは、本発明の一部の実施形態による、投与中の、反転セクション1516を含むデバイス・ノズル1512の一部の簡単な断面図である。
【0165】
一部の実施形態では、巻き込みの結果、反転部分はデバイス出口を閉じ、および/または制限(図15Bに示すように)して、反転部分の巻き込みが戻る(unroll)前に物質が投与されるのを防止し(または投与物質の量を低減し)、物質の流れからすべての汚染物質を排除する。
【0166】
図16Aは、本発明の一部の実施形態による、反転部分1620を含むノズル1612の簡単な断面図、およびノズルが女性の尿道1604に挿入された女性の断面図である。
【0167】
図16Bは、本発明の一部の実施形態による、反転部分1620を含むノズル1612の簡単な断面図、およびノズルが女性の尿道1604に挿入され、物質1614を導入している女性の断面図である。図16Bでは、導入物質は、尿道1604の一部分を開いている。
【0168】
図16Cは、本発明の一部の実施形態による、反転部分1620を含むノズル1612の簡単な断面図、およびノズルが女性の尿道1604に挿入され、物質1614を導入している女性の断面図である。図16Bでは、導入物質は、尿道1604を膀胱1600まで開いており、導入物質1614は膀胱1600に入っている。
【0169】
一部の実施形態では、ノズルは、平常時にノズルの内部に配設され、物質の投与前および/または投与中にノズルから外に出る(たとえばノズルの大きさを増大させる)部分を含む。一部の実施形態では、平常時にノズルの内部に配設された部分は、任意選択で、可撓性でありおよび/または軟質のものであり(たとえば、ゴム、シリコーン・ゴムから作られており)、たとえば、尿道に対する磨耗および/または損傷を回避する。一部の実施形態では、平常時にノズルの内側に配設された部分は、尿道に対するその部分の摩擦および/または磨耗を低減するために、たとえば、巻き込みが戻ることによってノズルの外側に延びる。潜在的な利点は、より剛性である部分を導入することによって引き起こされる損傷と比較して、尿道に対する損傷を潜在的に小さくしてデバイスを尿道内にさらに導入することである。
【0170】
例示的な物質供給源
一部の実施形態では、導入物質は、ノズルに結合された物質供給源(本明細書では「供給源」とも呼ばれる)から、ノズルを通って流れる。図20Bは、本発明の一部の実施形態による、物質供給源2049の簡単なブロック図である。一部の実施形態では、供給源2049は、物質を貯蔵するための物質貯蔵装置2050を含む。一部の実施形態では、物質貯蔵装置2050からノズルへの物質の流路は、最初に(物質貯蔵装置2050に結合された)圧力調節装置2051を通り、次いで(圧力調節装置2051に結合された)用量バッファ2052を通り、その後(用量バッファ2052に結合された)弁2053に至り、この弁を通って物質はノズルへと流れる。
【0171】
一部の実施形態では、物質貯蔵装置2050は、たとえば、最大200気圧またはそれ以上の圧力で物質を貯蔵する、たとえば、ガス・キャニスタを含む。一部の実施形態では、物質は、異なる相、たとえば液体ガスで物質貯蔵装置2050内に貯蔵される。
【0172】
一部の実施形態では、たとえば、本文献内の他所で説明するように、供給源2049は、ポンプおよび/または入口を含む。たとえば、一部の実施形態では、物質貯蔵装置2050は、ポンプおよび入口によって置き換えられる。たとえば、一部の実施形態では、入口に結合されたポンプは、物質貯蔵装置2050を充填する。
【0173】
任意選択で、一部の実施形態では、物質供給源2049は、たとえば物質貯蔵装置に結合された、物質の圧力を適切な圧力におよび/または時間に伴って適した圧力(たとえば、投与前の尿道に損傷を与えない圧力)に調節(たとえば低減、調整)するための圧力調節装置2052を含む。任意選択で、圧力調節装置2052は、物質の圧力を、物質が投与される圧力に調節する。代替的には、圧力は、流路に沿ってさらに変更される(たとえば、弁2053が、投与前および/または投与中、物質圧力を変更する)。
【0174】
任意選択で、一部の実施形態では、物質供給源2049は、たとえば、物質貯蔵装置2050によって物質が装填される、用量サイズを調節するための用量バッファ2051を含む。任意選択で、用量バッファ2052の容量は調整可能であり、投与物質の用量サイズは、用量バッファ2052内に貯蔵された物質を投与することによって調節される。
【0175】
一部の実施形態では、物質供給源2049は、たとえば物質の投与を制御するための弁2053を含む。一部の実施形態では、弁2053は、開状態および閉状態を含む。一部の実施形態では、弁は、たとえば投与される物質の量および/または圧力を徐々に増大させるように徐々に開く(および/または閉じる)。
【0176】
任意選択で、圧力調節装置2051、用量バッファ2052、および弁2053の2つまたはそれ以上が、組み合わせられる。たとえば、一部の実施形態では、減圧弁が、圧力調節装置2051および弁2053を含む。
【0177】
一部の実施形態では、圧力調節装置2051、用量バッファ2052、および弁2053の流路内の順序は、図20Bに示すものとは異なる。たとえば、一部の実施形態では、圧力は、(流路内で)用量の物質が収集された後調節される(用量バッファ2052は、流路内の圧力調節装置2051の前にある)。
【0178】
任意選択で、一部の実施形態では、供給源は、1つまたは複数の使い捨て部分を含む。たとえば、一部の実施形態では、物質貯蔵装置2049は、取り外し可能なキャニスタを含む。任意選択で、取り外し可能なキャニスタは、たとえば、キャニスタがデバイス内の所定位置になる前に物質が逸出することを防止するための内部弁および/またはキャニスタを供給源内の他の要素(たとえば圧力調節装置2051)に連結する連結器を含む。
【0179】
任意選択で、一部の実施形態では、供給源は、1つまたは複数の再充填可能な部分を含み、たとえば、一部の実施形態では、物質貯蔵装置2049は、再充填可能なキャニスタである。たとえば、一部の実施形態では、物質貯蔵装置2049は、入口(および任意選択で、たとえば物質が入口を通って逸出することを防止するための弁)を含み、物質貯蔵装置2049は、入口から再充填される。一部の実施形態では、物質貯蔵装置2049は、取り外され、デバイスの外側で再充填される。一部の実施形態では、物質貯蔵装置2049は、デバイス内にあるままで再充填される。
【0180】
一部の実施形態では、デバイスは、複数回の治療のために再使用され、たとえば、物質貯蔵装置は、複数回の治療に十分な物質を含む。代替的には、一部の実施形態では、デバイスは単回使用の使い捨てデバイスであり、たとえば、物質貯蔵装置は、少なくとも1回の治療に十分な物質を含む。
【0181】
図24は、本発明の一部の実施形態による、デバイスの簡単な概略断面図である。一部の実施形態では、デバイスは、物質貯蔵装置2450を含む物質供給源を含む。一部の実施形態では、物質供給源は、圧力下で物質を貯蔵する(たとえば、物質貯蔵装置2450は、ガス・キャニスタである)。
【0182】
代替的にまたは追加的に、一部の実施形態では、物質供給源は、入口および(たとえば、入口からの空気を収集および/または圧縮するための)ポンプを含む。一部の実施形態では、周囲空気が、入口を通ってデバイス内に吸引され、ポンプによって圧縮されてから投与される。任意選択で、一部の実施形態では、入口によって収集され、任意選択でポンプによって圧縮された空気は、投与前に(たとえば物質貯蔵装置内に)貯蔵される。任意選択で、一部の実施形態では、物質供給源は、たとえば、収集された周囲空気(たとえばフィルタ)をきれいにするためのクリーニング要素を含む。
【0183】
例示的な制御
一部の実施形態では、デバイスは、たとえば、供給源からノズルを通る物質の流れを制御するための制御装置を含む。一部の実施形態では、制御装置は、供給源から投与される物質の量、たとえば、損傷を与えない量の投与を制御する。一部の実施形態では、制御装置は、供給源から投与される物質の圧力、たとえば、損傷を与えない圧力での物質の投与を制御する。
【0184】
一部の実施形態では、制御装置は、ユーザが開始したとき、物質の量を(以下でより詳細に説明するように)たとえばユーザ・インターフェースによって投与する。
【0185】
一部の実施形態では、デバイスは、他のデバイス機能、たとえば照明のための制御装置を含む。
【0186】
例示的な機械的制御
一部の実施形態では、制御装置は、機械的制御装置である。たとえば、一部の実施形態では、物質供給源の弁(たとえば、図20Bの弁2053)にボタンが結合され、ボタンを押さえると弁が開き、供給源から物質の量を投与する。一部の実施形態では、投与される物質の量は、ボタンを押さえる持続時間および/またはボタンを押さえる力に対応する。
【0187】
図25は、本発明の一部の実施形態による、投与する調整可能な容量を含むデバイスの簡単な概略断面図である。一部の実施形態では、物質供給源は、物質用量バッファ2552に結合された物質貯蔵装置2550を含む。一部の実施形態では、たとえば、物質導入開始時(たとえばボタン2540を押したとき)、用量バッファ2552内の物質は、ノズルを通って投与される。用量バッファの潜在的利点は、ユーザがどのように投与を開始しても(たとえばユーザがボタン2540をどのような長さ/強さで押さえても)投与用量は均一であることである。
【0188】
一部の実施形態では、投与量サイズ(投与される物質の量)は、たとえば、ノブ2554をデバイスの内外に動かして投与量貯蔵装置2552の容量を変更する(それぞれ低減または増大させる)ことによって、たとえば機械的に制御される。一部の実施形態では、ノブはデバイスに螺合し、デバイスから螺退する。
【0189】
一部の実施形態では、用量バッファ2552は、種々の物質圧力における投与を容易にする。たとえば、一部の実施形態では、物質貯蔵装置2550からの物質は、用量バッファ2552に入り、用量バッファ2552内の物質の圧力は、物質貯蔵装置内の物質の圧力より小さい。用量バッファ2552の潜在的な利点は、導入物質がユーザに損傷を与える圧力より高い圧力で物質を(たとえば物質貯蔵装置2550内に)貯蔵することができることである。
【0190】
たとえば、一部の実施形態では、物質は、たとえば、投与前に用量バッファ2552内で圧縮され、この潜在的利点は、たとえば、物質貯蔵装置2550内の物質の圧力が、物質貯蔵装置2550が空になったときに低下する場合でも、投与物質圧力を維持することである。
【0191】
例示的な制御および/または安全機能
一部の実施形態では、制御装置は、1つまたは複数の自動安全機能を有する。たとえば、挿入物質の量および/または圧力がユーザ規定されるものである実施形態では、制御装置は、損傷する量および/または圧力を各治療において挿入することを防止する。
【0192】
一部の実施形態では、制御装置は、ある時間内に、任意選択で、たとえば2回以上の治療にわたって投与される物質の量を制御し、たとえば、制御装置は、膀胱に損傷を引き起こす量を下回る総量のみを(任意選択で複数回の起動にわたって)期間内に可能にする。たとえば、制御装置は、3時間の期間内に最大100ccまでの物質のみが導入されることのみを可能にする。一部の実施形態では、この期間は、物質が膀胱から消散するのにかかる時間に関連する時間である。
【0193】
例示的な自動制御
一部の実施形態では、制御装置は、プログラミングを有するプロセッサ、メモリ、および専用回路を含む。一部の実施形態では、プロセッサは、投与物質の量および/または頻度を測定し、プロセッサメモリ内に記憶するようにプログラミングされる。一部の実施形態では、プロセッサプログラミングは、任意選択で、たとえば用量および/または投与圧力を含んで個人別に調整された治療計画を含む。
【0194】
例示的なユーザ・インターフェース
一部の実施形態では、ユーザは、たとえば、1つまたは複数の制御装置を通して結合されたユーザ・インターフェースによってデバイスからの物質の投与を開始し、および/または他のデバイス機能(たとえば照明、治療計画)を制御する。例示的な実施形態では、ユーザ・インターフェースは、ボタン2140である。
【0195】
一部の実施形態では、デバイスは、ボタンを1回押さえたときに、物質のある量、たとえば用量を投与する。
【0196】
一部の実施形態では、たとえば、尿道に外傷を与える物質量を導入することを防止するために、異なるタイプのユーザ開始(たとえば、異なる圧力および/または持続時間でボタンを押さえる)でも、ほぼ同じ量の物質を投与する。たとえば、一部の実施形態では、ユーザがボタン2140をどのような強さまたは長さで(閾値を超えて)押さえても、デバイスは、同じ量の物質を投与する。任意選択で、ユーザは、複数回開始して(たとえばボタンをくり返し押して)投与される量を増大させる。
【0197】
代替的には、一部の実施形態では、ユーザは、たとえば、ボタンをより強くおよび/またはより長く押さえることによって、導入される物質の量を制御する。
【0198】
一部の実施形態では、ユーザ・インターフェースは、照明要素(たとえば、照明要素2146)の起動/停止のために1つまたは複数の要素(たとえばボタン、スイッチ)を含む。任意選択で、一部の実施形態では、単一の要素が、照明要素の起動/停止および物質の投与を制御する。
【0199】
例示的な実施形態では、ボタン2140の圧縮の圧力および/または深さ、および/または圧縮力が異なる結果、種々の作用が生じる。たとえば、一部の実施形態では、ボタン2140の緩いおよび/または半分の圧縮によって照明要素の電源が入り、ボタン1240のしっかりとしたおよび/または完全な圧縮によって物質(たとえば物質の単回用量)が投与される。
【0200】
一部の実施形態では、ユーザ・インターフェースは、1つまたは複数のスイッチを含む。一部の実施形態では、ユーザ・インターフェースは、スクリーン(たとえばタッチスクリーン)を含む。一部の実施形態では、ユーザ・インターフェースはキーパッドを含む。
【0201】
一部の実施形態では、ユーザ・インターフェースは、情報、たとえば投与履歴情報(たとえば物質の前回の投与の時間および/または量)、物質供給源内に残る物質の量、電池量などをユーザに表示する。
【0202】
一部の実施形態では、デバイスは、ユーザ・インターフェースを持たず、および/または投与は、ユーザがユーザ・インターフェース要素と相互作用せずに行われる。たとえば、一部の実施形態では、デバイスが尿道開口部の適所になったとき、デバイスは、物質(たとえば、物質の単回用量)を自動的に投与する。たとえば、一部の実施形態では、デバイスが適所にあることは、(たとえばデバイス・ノズル上に配置されまたは結合された)圧力センサを使用して確認され、たとえば、圧力センサがシール(たとえば十分に高い圧力)を確認した後、デバイスは物質(たとえば物質の用量)を投与する。
【0203】
例示的なシールド
一部の実施形態では、デバイスは、シールドを含み、および/またはシールドに結合される。一部の実施形態では、シールドは、たとえば、ユーザ(たとえばユーザの手またはユーザの衣服)を、たとえば尿、排泄物、逸出した物質から保護する。一部の実施形態では、シールドは、たとえば尿、排泄物、逸出した物質から環境を保護する。
【0204】
一部の実施形態では、シールドは、たとえば、尿および/または導入物質を吸収し、および/または通過させない。一部の実施形態では、シールドは、たとえば、性器分泌物、たとえば粘液、膣分泌物、月経血を吸収し、および/または通過させない。一部の実施形態では、きれいなおよび/または新しいシールドが、各治療に使用される。一部の実施形態では、シールドは使い捨てシールドである。
【0205】
例示的な個人別の調整
一部の実施形態では、治療のデバイスおよび/または方法は、個々のユーザに対して個人別に調整される。
【0206】
一部の実施形態では、デバイスの少なくとも一部の形状および/またはサイズが、個人別に調整される。一部の実施形態では、ノズルの形状および/またはサイズは、ユーザに適合するように個人別に調整される。一部の実施形態では、1つの要素の別の要素に対する相対位置(たとえばノズルおよび位置決めデバイス)は、ユーザに適合するように個人別に調整される。
【0207】
一部の実施形態では、導入される物質の量および/または物質の圧力が、ユーザに合わせて個人別に調整される。一部の実施形態では、たとえば各治療の持続時間および/または治療の頻度を含む治療スケジュールが、ユーザに合わせて個人別に調整される。
【0208】
SUIを治療するための例示的なシステム
一部の実施形態では、たとえば上記で説明したデバイスは、緊張性尿失禁を治療するためのシステムの一部である。
【0209】
任意選択で、システムは、任意選択でデバイスの外部の、たとえば治療情報の収集および/または追跡のための処理アプリケーション、たとえば、中央システム、個々の医療センターシステム上の処理アプリケーションを、ユーザの電子デバイス(たとえば携帯電話、タブレット、コンピュータ)上のアプリケーションとして含む。一部の実施形態では、システム内の要素間の接続は、無線によるものである。
【0210】
任意選択で、一部の実施形態では、システムは診断ツールを含む。
【0211】
任意選択で、システムはデータベースを含む。一部の実施形態では、処理アプリケーションは、診断測定値を受け取り、および/または追跡し、この診断測定値は、任意選択で、治療を評価し、および/または治療計画を設計するために使用される。
【0212】
一部の実施形態では、データの収集は自動であり、たとえばデバイス測定値は、データベース内に自動的に記録される。追加的にまたは代替的に、データの収集は、システム・ユーザ・インターフェース、たとえばデバイス・ユーザ・インターフェース、および/または別個のシステム・ユーザ・インターフェースに入力することによるものである。
【0213】
本発明の一部の例示的な実施形態を適用した例示的な結果
本発明の一部の実施形態の態様を実験的に実証するために、装置が構築された。
【0214】
図26は、本発明の一部の実施形態による、治療されていない膀胱の圧力応答を、治療された膀胱の圧力応答と比較するための例示的な装置を示す。モデル膀胱は、プラスチックボトルから構築され、治療されていない膀胱は、水で充填されたボトル2662によってモデル化され、治療された膀胱は、空気2666が部分的に充填されたボトル2664によってモデル化された。応力圧力応答は、ボトル2662、2664の両方の上方に置かれた木製厚板2670の中心に衝撃を与えること2668によってモデル化された。モデル膀胱の圧力応答が、圧力センサ2672を使用して測定され、各々の圧力センサは、チューブ2674によってモデル膀胱2662、2664に流体的に取り付けられている。
【0215】
図27は、本発明の一部の実施形態による、25ccのガスで治療された膀胱2776および治療されていない膀胱2778の測定された、モデル化された応力圧力応答を示す。図28は、本発明の一部の実施形態による、50ccのガスで治療された膀胱2876および治療されていない膀胱2878の測定された、モデル化された応力圧力応答を示す。グラフの各ピークは、1回の衝撃または応力(木製厚板上の衝撃)に対応する。いずれの治療された膀胱も、治療されていない膀胱と比較して、応力圧力ピークの一貫した低減が見られた。
【0216】
尿動態診断手順が、SUIを煩う被験者に対して実行された。この手順は、第1の圧力センサを被験者の膀胱に挿入し、第2の圧力センサを肛門に挿入することを含んだ。膀胱内の圧力センサはPvesを測定し、肛門圧力センサは、腹部内圧力Pabdを測定した。排尿筋が誘発した圧力Pdetは、測定された腹部内圧力と膀胱圧力との間の差分として算出された:Pdet=Pves-Pabd。排尿筋が誘発した圧力は、一部の実施形態では、尿道括約筋上の圧力の測定値として使用され、一部の実施形態では、膀胱からの漏れの可能性の指標として使用される。
【0217】
図29は、本発明の一部の実施形態による、尿動態診断手順中に収集された患者の膀胱圧力測定値を示す。尿動態診断手順は、患者の膀胱を空にし、次いで、膀胱を再充填することを含み、この場合、液体(生理食塩水)の挿入は測定されて、膀胱容量の指標を与えた。種々のレベルの流体の挿入時、患者は咳こみ、膀胱圧力ピークをもたらした。膀胱は次いで空にされ、125mlの生理食塩水が50ccの空気と共に挿入され、空気は、標準的な50ccシリンジを使用して被験者の膀胱内に挿入された。ピーク膀胱圧力(患者の咳き込みによってもたらされたピーク圧力)が次いで測定され、液体(生理食塩水)の追加の挿入に関して再測定された。この手順の結果が図29に示される。この結果は、本発明の一部の実施形態によって治療された膀胱のピーク圧力が低減したことを示している。
【0218】
上記で説明したような尿動態診断手順が、5人の患者に実行された。これらの結果は、本発明の実施形態によって治療された膀胱に関してピーク排尿筋圧力が低減したことを示している。結果が以下の表1に示される。試験中、一部の患者は尿漏れを経験し、一部の患者は経験しなかった。しかし、一部の実施形態では、SUIの重症度は、尿漏れの存在(または尿漏れがないこと)に関係無くPdetによって査定される。
【0219】
【表1】
【0220】
一部の実施形態では、本発明の態様による治療が効果的である患者を特定する方法は、(空気を患者の膀胱に挿入することによって)患者を治療することと、治療後のピーク膀胱圧力における低減を測定することおよび/または尿漏れにおける低減を特定することおよび/または測定することとを含む。
【0221】
一部の実施形態では、閾値および/または閾値割合を超える圧力低減が、本発明の実施形態による治療が適切でありおよび/または有効であることを示す。たとえば、一部の実施形態では、1cmHOを上回る、もしくは5cmHOを上回る、もしくは10cmHOを上回るピーク圧力の低減、またはこれより小さいもしくはこれより大きいもしくは中間の圧力の低減が測定された場合、治療は、患者に効果的であると考えられ、および/または患者は、本発明の実施形態を使用する治療の適切な候補者となる。たとえば、一部の実施形態では、治療後、10%を上回る、もしくは20%を上回る、もしくは40%を上回る、またはこれより小さいもしくはこれより大きい、もしくは中間の割合のピーク圧力の低減が測定された患者に対して、治療は効果的であると考えられ、および/または患者は、本発明の実施形態を使用する治療の適切な候補者となる。
【0222】
一部の実施形態では、治療前に低い(たとえば10cmHO未満、または15cmHO未満、または5HO未満)ピークpdetを有する患者が、本発明の実施形態による治療に適していると考えられる。一部の実施形態では、治療前に高い(たとえば、10cmHOを上回る、または15cmHOを上回る、または5HOを上回る)ピークpdetを有する患者が、本発明の実施形態による治療に適していると考えられる。
【0223】
表1を参照すれば、一部の実施形態では、結果が示すのは、治療(50ccの空気)後のすべての患者のピーク圧力が低減したことである。さらに、患者には、50ccの空気がピーク圧力を低減するのに極めて効果的であった:患者1、2、および4は10cmHOを上回る圧力の低減があった。
【0224】
追加的にまたは代替的に、一部の実施形態では、尿漏れの低減は、たとえば低減が尿の量および/または漏れがない時間とする閾値を超えるものである場合、治療が適切でありおよび/または有効であることを示す。一部の実施形態では、尿漏れは、治療後、たとえば自己治療後に患者によって測定および/または報告される。一部の実施形態では、本発明の実施形態による治療に対する患者の有効性および/または適切性は、尿動態診断手順を実行することなく査定される。
【0225】
一部の実施形態では、患者は、尿動態診断手順を受け、この場合、収集された測定値は、適切な治療、たとえば本発明の一部の実施形態によるデバイスからの物質の投与の量および/または圧力および/または頻度を特定するために使用される。一部の実施形態では、尿動態診断手順からの測定値は、個人別に調整された治療計画、たとえば上記で説明したような個人別の調整、たとえば膀胱内への物質の導入の個人別に調整された量、および/または圧力および/または頻度、たとえば失禁を治療するための薬剤の低減および/または継続を設計するために使用される。一部の実施形態では、尿動態診断手順からの測定値は、治療計画の安全限界、たとえば、挿入物質の最大の量および/または圧力、および/または治療の頻度を確立するために使用される。
【0226】
一部の実施形態では、追加的にまたは代替的に、圧力測定値は、適切な治療、たとえば薬剤を使用する、たとえば全身投薬および/または本発明の実施形態によって膀胱に挿入される薬剤を使用する治療を特定するために使用される。
【0227】
一部の実施形態では、尿動態診断手順は、自己治療している患者に対して、たとえば本発明の実施形態によって、たとえば(上記で説明したような)デバイスを使用して実行される。一部の実施形態では、測定値は、治療に対する患者の適切性を査定し、および/または自己治療が効果的になるように患者を助けるために使用される。
【0228】
概論
本明細書では、用語「約」は±20%を指す。
【0229】
用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」およびその活用語は、「それだけに限定されずに含む」ことを意味する。
【0230】
用語「からなる」は、「それに限定されて含む」ことを意味する。
【0231】
用語「から本質的になる」は、組成、方法、または構造が、追加の原料、ステップおよび/または部分を含むことができるが、これは、追加の原料、ステップ、および/または部分が、特許請求される組成、方法、または構造の基本的な新規の特徴を大きく変更しない場合のみとする。
【0232】
本明細書では、「a」、「an」および「the」の単数形は、別段文脈によって示されない限り、複数の参照を含む。たとえば、用語「化合物」または「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
【0233】
本出願にわたって、本発明のさまざまな実施形態は、範囲形式で提示され得る。範囲形式内の説明は、単に便宜上、簡潔にするためにすぎず、本発明の範囲を柔軟性なく限定するものとして解釈されてはならないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、すべての可能な部分範囲ならびに範囲内の個々の数値を具体的に開示するように考えられなければならない。たとえば、1から6などの範囲の説明は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などの部分範囲、ならびにこの範囲内の個々の数字、たとえば1、2、3、4、5、および6を具体的に開示していると考えられなければならない。これは、範囲の幅に関わらず当てはまる。
【0234】
数値範囲を本明細書において示すときは常に、示した範囲内のあらゆる引用数値(分数または整数)を含むことを意味する。第1の指示数字と第2の指示数字「の間の領域/範囲」および第1の指示数字「から」第2の指示数字までの「領域/範囲」という句が、本明細書において交換可能に使用され、第1および第2の指示数字、ならびにその間のすべての分数および整数の数字を含むことを意味する。
【0235】
本明細書では、「方法」という用語は、それだけに限定されないが、化学的、薬理的、生物学的、生化学的および医療的技術分野の実施者に知られているやり方、手段、技術、および手順、またはその実施者によって、知られているやり方、手段、技術および手順から容易に開発されるやり方、手段、技術、および手順を含む、所与のタスクを達成するためのやり方、手段、技術、および手順を指す。
【0236】
本明細書では、「治療する」という用語は、状態の進行を抑止する、実質的に阻害する、遅延する、または逆転させる、状態の臨床的または審美的症状を実質的に改良する、または状態の臨床的または審美的症状の出現を実質的に防止することを含む。
【0237】
明確にするために別々の実施形態の文脈で説明する本発明の特定の特徴はまた、1つの実施形態に組み合わせて提供されてもよいことが理解される。それとは対照的に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明する本発明のさまざまな特徴は、別々にまたは任意の適切な部分的組み合わせとして、または本発明の任意の他の説明する実施形態に適切なものとして提供されてもよい。さまざまな実施形態の文脈で説明する特定の特徴は、実施形態がこれらの要素無しで動作不能とならない限り、これらの実施形態の必須の特徴であると考えられるものではない。
【0238】
本発明は、その特有の実施形態を併用して説明してきたが、数多くの代替策、改変形態、および変形形態が、当業者に明らかであることが明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および広範な範囲に入るすべてのそのような代替策、改変形態および変形形態を包含することが、意図される。
【0239】
本明細書において言及するすべての公報、特許、および特許出願は、各個々の公報、特許、特許出願が、参照によって本明細書に組み込まれるよう具体的に個々に示されるような程度で、全体が参照によって本明細書に組み込まれる。加えて、本出願における任意の参照の引用または特定は、そのような参照が、従来技術として本発明に利用可能であるという自認として解釈されるものではない。項の見出しが使用される範囲において、これらは、必ずしも限定するものと解釈されてはならない。
【0240】
関連出願
本出願は、2015年7月29日出願の米国仮特許出願第62/198,155号の、米国特許法第119条(e)の定めによる優先権の利益を主張するものであり、その内容は、全体的に参照によって本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図21D
図22A
図22B
図23A
図23B
図24
図25
図26
図27
図28
図29