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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】ブラインド
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/322 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
E06B9/322
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018032051
(22)【出願日】2018-02-26
(65)【公開番号】P2019148071
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】西野 公久
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特公平06-089624(JP,B2)
【文献】実公平04-021433(JP,Y2)
【文献】実開平03-023598(JP,U)
【文献】実開平06-071885(JP,U)
【文献】実開平06-071886(JP,U)
【文献】特開平06-146754(JP,A)
【文献】特開2005-351006(JP,A)
【文献】実公平04-008233(JP,Y2)
【文献】登録実用新案第3153768(JP,U)
【文献】特開2015-098749(JP,A)
【文献】特開2015-132140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/32-9/322
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の窓枠に設置されるブラインドであって、
左右方向いずれか一端側の前方から操作コードが垂下されるヘッドボックスと、
前記ヘッドボックスから吊り下げられ、前記操作コードの操作により開閉可能に設けられる遮蔽部材と、
前記ヘッドボックスの前記一端側と前記窓枠との間に配置され、前後方向に延在する基部と、該基部の前端から左右方向内方に延在し、前記遮蔽部材の一端側と少なくとも前記操作コードが垂下される位置を含む前記ヘッドボックスの一端側とを覆うように形成された前方覆設部とを有するフレーム部材とを備え、
前記前方覆設部には前記操作コードが挿通可能に形成されるとともに、左右方向において該操作コードの垂下位置と略一致する位置に形成される挿通孔が設けられることを特徴とする横型ブラインド。
【請求項2】
前記フレーム部材は、前記挿通孔に取り付け可能に形成されたガイド部材を更に有し、該ガイド部材には、前記操作コードを所定の導出方向に案内するガイド孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載のブラインド。
【請求項3】
前記操作コードの両端側が前記ヘッドボックスから垂下され、
前記ガイド部材は、前記ガイド孔の内部において前記操作コードの一端側と他端側とを隔離する隔離部を有することを特徴とする請求項2に記載のブラインド。
【請求項4】
前記ガイド孔は、前記隔離部により隔てられた2つのガイド孔として形成され、該2つのガイド孔のそれぞれは、前方側開口の上端が後方側開口の下端より低い位置となるように形成されることを特徴とする請求項3に記載のブラインド。
【請求項5】
前記ガイド部材は、前記ガイド孔の前方開口を前記操作コードが導出可能に覆うフードを有することを特徴とする請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の横型ブラインド。
【請求項6】
前記ガイド部材は、繊維状の部材が束ねられ、該部材の基端部が前記ガイド孔内に固着された繊維部材を有することを特徴とする請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の横型ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
スラット、ルーバー、あるいはスクリーンなどの遮蔽材を上方から吊り下げるブラインドの遮断性を向上させるため、ブラインドとこのブラインドが取り付けられる窓枠との隙間をフレーム部材により閉塞することが一般的に行われている。
【0003】
また、窓枠との隙間を閉塞させる従来のブラインドとしては、複数の管状のセル部分からなる伸縮可能なハニカム状遮断パネルと、ハニカム状遮断パネルが懸垂されて装着されるヘッドレールと、ハニカム状遮断パネルの下端に重錘として取付けられた可動のしきいレールと、ヘッドレールに設けられたしきいレールを上下させる操作コードとしての引っ張りコードとを備えたハニカム状窓おおいユニットであって、溝形部材として形成された2つの側部レールを、しきいレールが上下に移動可能にハニカム状窓おおいユニットの左右に配置し、2つの側部レールのそれぞれに縁部シールを設けたハニカム状窓おおいユニットが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
このようなハニカム状窓おおいユニットによれば、ハニカム状遮断パネルの端部を2つの側部レールで閉じて密閉することにより、ハニカム状窓おおいユニットが設置された窓から部屋の内部に空気が侵入するのを防止することができ、延いては、遮断性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特公平6-89624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したハニカム状窓おおいユニットによれば、前部フランジ及び後部フランジを有する溝形部材として形成された側部レールがヘッドレールの端部を覆ってしまうため、操作コードを左右方向内方に寄せて配置しなければならず、端部に配置することができない、という問題がある。
【0007】
操作コードは、遮蔽部材を上下させるために外部に露出されたものであり、操作コードを端部に配置できないことは、デザイン的な観点からは好ましいものではないため、意匠性が低下する要因となる。また、ブラインドには、操作コードにより回転されるプーリを内蔵した操作ユニットがヘッドボックスの側端部において着脱可能となったものがあり、このようなブラインドには上述したような側部レールを取り付けることができない。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、側方端部における間隙を遮蔽しつつ操作コードをより端部側に配置することができるブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本実施形態に係るブラインドは、建物の窓枠に設置されるブラインドであって、左右方向いずれか一端側の前方から操作コードが垂下されるヘッドボックスと、前記ヘッドボックスから吊り下げられ、前記操作コードの操作により開閉可能に設けられる遮蔽部材と、前記ヘッドボックスの前記一端側と前記窓枠との間に配置され、前後方向に延在する基部と、該基部の前端から左右方向内方に延在し、前記遮蔽部材の一端側と少なくとも前記操作コードが垂下される位置を含む前記ヘッドボックスの一端側とを覆うように形成された前方覆設部とを有するフレーム部材とを備え、前記前方覆設部には前記操作コードが挿通可能に形成された挿通孔が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、側方端部における間隙を遮蔽しつつ操作コードをより端部側に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係るブラインドの構成を示す正面図である。
図2】第1の実施形態に係るブラインドの構成を示す側断面図である。
図3】第1の実施形態に係るフレーム部材の構成を示す斜視図である。
図4】第1の実施形態に係るガイド部材の構成を示す斜視図である。
図5】第1の実施形態に係るガイド部材の構成を示す正面図である。
図6】第1の実施形態に係るガイド部材の構成を示す側断面図である。
図7】第1の実施形態に係るガイド部材が取り外されたフレーム部材を示す側断面図である。
図8】第2の実施形態に係るガイド部材の分離状態を示す斜視図である。
図9】第2の実施形態に係るガイド部材の接合状態を示す斜視図である。
図10】第3の実施形態に係るガイド部材の抜去状態を示す斜視図である。
図11】第3の実施形態に係るガイド部材の挿通状態を示す斜視図である。
図12】第3の実施形態に係るガイド部材が取り付けられたフレーム部材を示す側断面図である。
図13】第4の実施形態に係るガイド部材を示す側断面図である。
図14】第4の実施形態に係るガイド部材が取り付けられたフレーム部材を示す側断面図である。
図15】第5の実施形態に係るガイド部材を示す側断面図である。
図16】第6の実施形態に係るガイド部材及びフレーム部材を示す斜視図である。
図17】第6の実施形態に係るガイド部材のフレーム部材への取付け方法を示す側断面図である。
図18】第7の実施形態に係るフレーム部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
(ブラインドの全体構成)
第1の実施形態に係るブラインドの全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るブラインドの構成を示す正面図である。図2は、ブラインドの構成を示す側断面図である。なお、以降の説明において、ブラインドの長手方向を左右方向とし、設置されたブラインドを側方(左右方向一方)から見た場合に、設置面側(例えば窓側)を後方、その逆(例えば室内側)を前方とし、図2を含むブラインドの側断面図は、図中右側を後方とし、図中左側を前方とする。また、以降の説明において、側断面図とは、前後方向及び上下方向に平行する平面により切断して各要素を側方から見たものを示す。
【0014】
図1及び図2に示すように、ブラインド1は、横型ブラインドであり、ヘッドボックス10、複数のスラット11、ボトムレール12、昇降コード13、ラダーコード14、プーリ15、操作コード16、フレーム部材2を備える。また、ブラインド1は、ブラケット3を介して建物の窓枠9に取り付けられる。
【0015】
ヘッドボックス10は、内部に収容空間が画成され、略直方体状に形成された部材であり、その内部には、プーリ15、回転可能に支持されてプーリ15の回転力が伝達される回転軸(不図示)、回転軸により回転される複数のドラム装置(不図示)が収容される。ボトムレール12は、ブラインド1の下端に配置される。スラット11は、ヘッドボックス10とボトムレール12との間において、ヘッドボックス10から吊り下げられる遮蔽材として配置される。昇降コード13は、その上端が対応するドラム装置に固着されるとともに、その下端がヘッドボックス10から垂下してボトムレール12に固着される。ラダーコード14は、スラット11を前後から挟むように配置された縦コード141及び142を有し、前後の縦コード141及び142のそれぞれは、対応するドラム装置にその上端が固着され、ヘッドボックス10から垂下して複数のスラット13を整列状態に支持し、その下端がボトムレール12に固着される。
【0016】
操作コード16は、両端部が接続されて環状に形成されたコードであり、ヘッドボックス10内において側端部近傍に配置されたプーリ15に巻き掛けられ、一部がヘッドボックス10外に露出してブラインド1のユーザにより操作可能となっている。この操作コード16は、ヘッドボックス10の外部においては、2本の操作コード16がヘッドボックス10から垂下されてループを形成するようになっており、ユーザが、操作コード16の一方を引くことでボトムレール12が上昇されるとともにスラット11が一方に傾斜され、また、操作コード16の他方を引くことでボトムレール12が下降されるとともにスラット11が逆方に傾斜されるようになっている。操作コード16は、上述したように、ループ状に形成されているために、端部が形成されていないが、以降の説明においては、便宜上、ヘッドボックス10から垂下される2本の操作コード16の一方を一端側、他方を他端側と称する。なお、操作コードには、複数のボール部材をコードで連結したボールチェーン等が含まれ、操作コードをループ状に形成するにあたっては、コードの端部同士を溶着するもの、あるいはジョイント部品によって連結するもの等が含まれる。
【0017】
フレーム部材2は、左右方向において、ブラインド1の側端部と窓枠9との間に生じる側方の間隙を閉塞する部材であって、ブラインド1の左右方向端部の少なくとも一方に取り付けられる部材である。本実施形態においては、ブラインド1の左右方向における一端側にフレーム部材2aが取り付けられ、操作コード16が設けられる他端側にフレーム部材2bが取り付けられるものとする。フレーム部材2aと2bは、全体として左右対称の形状に形成されており、後に詳述するように、フレーム部材2bは、操作コード16を挿通するための挿通孔211が形成される点、また、この挿通孔211に挿通された操作コード16を案内するガイド部材25が取り付けられる点でフレーム部材2aとは構成が異なる。
【0018】
(フレーム部材及びガイド部材の構成)
フレーム部材構成について説明する。図3は、本実施形態に係るフレーム部材の構成を示す斜視図である。なお、上述したように、左右のフレーム部材は略左右対称に形成されるため、図3においては、挿通孔が形成されるフレーム部材のみを示す。
【0019】
図3に示すように、フレーム部材2bは、全体として上方から見て略コの字状に形成され、上下方向に延在する部材であり、前方覆設部21、後方覆設部22、基部23を有する。基部23は、前後方向においてブラインド1の奥行(前後方向幅)より長く延在するとともに、上下方向において窓枠9内に収まる高さに形成された略板状の部材である。前方覆設部21は、基部23の前方端部からヘッドボックス10の長手方向、即ち左右方向における内方へ所定距離だけ延在して、少なくとも操作コード16の垂下位置を含むヘッドボックス10の一端側一部を覆うように形成されるとともに、基部23と同様の高さに形成された略板状の部材である。後方覆設部22は、基部23の後方端部からヘッドボックス10の長手方向において内方に所定距離だけ延在し、基部23と同様の高さに形成された略板状の部材である。
【0020】
基部23には、フレーム部材2bを窓枠9にねじ止めするための複数の取付孔231が形成される。また、前方覆設部21には、前方覆設部21において後方覆設部22と対向する面から操作コード16を後方から挿通して前方へ導出するための挿通孔211が形成される。この挿通孔211は、左右方向において、ヘッドボックス10から垂下した操作コード16が、操作孔211の開口範囲に収まるような位置に形成されると良い。なお、この挿通孔211は、フレーム部材2aの前方覆設部21には形成されない。
【0021】
このように、操作コード16が垂下する位置に対応してフレーム部材2bに挿通孔211を設けることによって、ブラインド1の側方端部における間隙を遮断しつつ、ヘッドボックス10において操作コード16をより端部側に配置することができる。また、前方覆設部21の内方側に切欠きを形成するのと比較して、ユーザに対して面一な印象を与え、デザイン上のノイズが少ないことから、意匠性を向上させることができる。なお、フレーム部材2bは、少なくとも基部23と前方覆設部21とを有するものであれば良く、後方覆設部22は省略しても良い。
【0022】
(ガイド部材の構成)
ガイド部材の構成について説明する。図4図6は、本実施形態に係るガイド部材の構成を示す図であり、それぞれ、斜視図、正面図、側断面図である。図7は、ガイド部材が取り外されたフレーム部材を示す側断面図である。
【0023】
図4図6に示すように、ガイド部材25は、挿通孔211を前方から遮蔽可能に形成された本体部250、本体部250の後方において挿通孔211の上端、下端にそれぞれ係止されるように設けられた上方被係止部253、下方被係止部254を有する。本体部250は、図6に示すように、上方被係止部253及び下方被係止部254が設けられる上下端部が他の部分より薄い厚みに、即ち前後方向の長さが短く形成されている。
【0024】
本体部250には、上方側に上方ガイド孔251、下方側に下方ガイド孔252が、それぞれ操作コード16を挿通するために形成されており、上方ガイド孔251及び下方ガイド孔252は、いずれも、本体部250を前後方向に貫通するように形成され、前方側の開口が後方側の開口よりも下方に位置するように貫通方向が傾斜される。本体部250における上下端部を除く部分は、上方ガイド孔251及び下方ガイド孔252を傾斜して形成した場合に、十分な貫通距離となる程度の厚みに形成される。
【0025】
ここで、十分な貫通距離とは、上方ガイド孔251及び下方ガイド孔252に操作コード16を挿通した際に、操作コード16の導出方向を案内することができる距離を示す。本実施形態において、ガイド部材25は、上方ガイド孔251及び下方ガイド孔252が上述したように傾斜されることによって、ヘッドボックス10から垂下された操作コード16の端部がユーザにより下方へ引っ張られた場合、端部を引く力のベクトルが下方に傾斜され、操作荷重を軽減するとともに操作コードにかかる負荷を軽減する。
【0026】
上方ガイド孔251には操作コード16の一端側、即ち、プーリ15に巻き掛けられた状態において上方に位置する側が挿通され、下方ガイド孔252には操作コード16の他端側、即ち、プーリ15に巻き掛けられた状態において下方に位置する側が挿通される。これによって、操作コード16がユーザに操作された際に、操作コード16の一端側と他端側との絡まりを防止することができる。このことから、上方ガイド孔251と下方ガイド孔252との2つのガイド孔は、1つのガイド孔において操作コード16の一端側と他端側を隔離するように形成された隔離部を形成したものと見做すことができる。
【0027】
上方ガイド孔251及び下方ガイド孔252それぞれにおいて、前方側の開口の縁部上端Tは、後方側の開口の縁部下端Uより低くなっている。これによって、ブラインド1の後方、即ちブラインド1が設置される建物の開口部から上方ガイド孔251及び下方ガイド孔252に対して略平行に入射する光による、ブラインド1前方、即ち建物内への光漏れを低減することができる。
【0028】
上方被係止部253は弾性部253aと係合部253bとを有し、同様に下方係止部254は、弾性部254aと係合部254bとを有する。弾性部253a,254aは、それぞれ、本体部250の上端、下端から後方に延在するように形成された部材であり、ガイド部材25が可撓性を有する材料により形成されることにより、弾性を有して上下方向に撓むとともに復元力を有する。
【0029】
係合部253b,254bは、それぞれ、弾性部253a,254aの後方端部において、上下方向外方に突出するように形成される。また、係合部253b,254bのそれぞれには、その後方側において、上下方向外方から内方所定位置に亘って、内方側が後方位置するように傾斜する傾斜面が形成される。
【0030】
このように形成されたガイド部材25は、図7に示すように、フレーム部材2bに形成された挿通孔211に対して、前方側から挿入されることにより嵌め込まれる。この際、係合部253b,254bにおける傾斜面と挿通孔211の縁部が当接することによって、ガイド部材25を後方へ押圧する力が上下方向内方へ押圧する力に変換されて弾性部253a,254aを撓ませ、更にガイド部材25が後方へ押圧されると、係合部253b,254bが挿通孔211の縁部を乗り越え、ガイド部材25が挿通孔211に係止される。
【0031】
なお、挿通孔211に取り付けられる以前にガイド部材25には操作コード16が挿通されているものとし、ガイド部材25に取り付けられる時点において操作コード16は両端部が接続されず、ガイド部材25に取り付けられた後に両端部が接続されるものとする。
【0032】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るガイド部材について説明する。図8図9は、それぞれ、本実施形態に係るガイド部材の分離状態、接合状態を示す斜視図である。
【0033】
図8及び図9に示すように、本実施形態に係るガイド部材25aは、操作コード16の挿通を容易にするため、左右方向に分離可能に形成されている点が第1の実施形態に係るガイド部材25とは異なる。
【0034】
具体的には、ガイド部材25aにおける本体部250は、上下方向及び前後方向に平行し、上方ガイド孔251及び下方ガイド孔252を通る平面により切断するように、分割本体部250aと分割本体部250bとに分割される。分割本体部250aにおける切断面には2つの被挿嵌穴255が形成され、分割本体部250bにおける切断面には2つの被挿嵌穴255のそれぞれに挿嵌するように突出した2つの挿嵌部256が形成される。上方被係止部253及び下方被係止部254は、いずれも分割本体部250bに設けられるものとするが、分割本体部250aに設けられても良く、分割本体部250a、250bの両方に設けられても良い。
【0035】
図8に示す分離状態から、挿嵌部256を被挿嵌穴255に挿嵌すると、図9に示すように、分割本体部250aと分割本体部250bとが接合されて本体部250が形成される。ガイド部材25aが分離状態にある際、接合状態において上方ガイド孔251、下方ガイド孔252のそれぞれが形成される位置に操作コード16の一端側、他端側のそれぞれを配置し、ガイド部材25aを接合状態とすることによって、ガイド部材25aへの操作コード16の挿通を容易に行うことができる。
【0036】
なお、ガイド部材25aは、上方ガイド孔251、下方ガイド孔252それぞれにおける前方側、後方側の開口全てを通る面により切断されるように分割されたものであれば良い。
【0037】
〈第3の実施形態〉
第3の実施形態に係るガイド部材について説明する。図10図11は、それぞれ、本実施形態に係るガイド部材の抜去状態、挿通状態を示す斜視図である。図12は、本実施形態に係るガイド部材が取り付けられたフレーム部材を示す側断面図である。
【0038】
図10及び図11に示すように、本実施形態に係るガイド部材25bは、操作コード16の挿通を容易にするため、1つのガイド孔260を形成した本体部250bを有し、このガイド孔260において操作コード16の一端側と他端側とを分離可能とする点が第1の実施形態に係るガイド部材25とは異なる。
【0039】
具体的には、本体部250bには、上方ガイド孔251及び下方ガイド孔252よりも上下方向の開口幅が大きく形成されたガイド孔260が形成される。このガイド孔260は、本体部250bを前後方向に貫通するように形成され、前方側の開口が後方側の開口よりも下方に位置するように貫通方向が傾斜される。また、ガイド孔260の内壁には、左右方向に貫通してガイド孔260と本体部250bの外部とを連通する連通孔262が形成される。また、ガイド孔260の内壁において連通孔262に対してこの連通孔262の貫通方向に対向する位置に非貫通の穴である被嵌合穴263が形成される。
【0040】
ガイド部材25bは、連通孔262に挿通可能に形成された隔離部261を有する。本実施形態において隔離部261は円柱状に形成されるが、少なくともガイド孔260の開口幅、即ち左右方向の大きさより長く延在し、連通孔262に挿通可能に形成されたものであれば良い。また、被嵌合穴263は、連通孔262に挿通された隔離部261の先端一部が嵌合可能に形成される。
【0041】
ガイド部材25bをフレーム部材2bに取り付ける場合、まず、図10に示すように、隔離部261が連通孔262に挿通されない状態において、フレーム部材2bの挿通孔211を後方から通過して前方に露出した操作コード16を、ガイド孔260の後方から挿通する。その後、図11に示すように、ガイド孔260に挿通された操作コード16の一端側と他端側との間に隔離部261が位置するように本体部250bに隔離部261を取り付け、図12に示すようにガイド部材25bをフレーム部材2bに取り付ける。
【0042】
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係るガイド部材について説明する。図13は、本実施形態に係るガイド部材を示す側断面図である。図14は、本実施形態に係るガイド部材が取り付けられたフレーム部材を示す側断面図である。
【0043】
図13に示すように、本実施形態に係るガイド部材25cは、遮光フード27を有する点が第3の実施形態に係るガイド部材25bとは異なる。ガイド部材25bによれば、隔離部261が取り付けられるガイド孔260が大きく形成されるため、前方へ漏れる光の量もまた大きくなる。また、第1の実施形態に係るガイド部材25における上方ガイド孔251及び下方ガイド孔252のように前方の開口の上端が後方の開口の下端より低い位置とする場合、その貫通方向が操作コード16のガイドに適さない傾斜角度となる可能性がある。
【0044】
遮光フード27は、本体部250bの前方側に設けられ、ガイド孔260の前方側の開口を覆うとともに、図14に示すように、ガイド孔260に後方から前方に挿通された操作コード16が下方に垂下可能に下方一部が開口される。
【0045】
このように遮光フード27によりガイド孔260の前方開口を覆うことによって、ガイド孔260から漏れる光の量を低減することができる。
【0046】
<第5の実施形態>
第5の実施形態に係るガイド部材について説明する。図15は、本実施形態に係るガイド部材を示す側断面図である。
【0047】
図15に示すように、本実施形態に係るガイド部材25dは、繊維部材251a及び252aが更に設けられる点が第1の実施形態に係るガイド部材25とは異なる。繊維部材251a及び252aは、いずれも、複数の繊維状の部材が束ねられた所謂モヘアまたはフロッキーと呼ばれる部材であり、それぞれ、上方ガイド孔251、下方ガイド孔252に設けられる。繊維部材251a,252aは、それぞれ、その基端部が上方ガイド孔251、下方ガイド孔252の内壁上方に固着され、望ましくはその繊維方向が上方ガイド孔251、下方ガイド孔252の貫通方向と直交する方向を向くように固着される。
【0048】
このように、上方ガイド孔251、下方ガイド孔252の内壁に繊維状部材を設けることによって、上方ガイド孔251、下方ガイド孔252における操作コード16の移動を阻害することなく、遮光性を向上させることができる。なお、繊維部材251a,252aは、それぞれ、上方ガイド孔251、下方ガイド孔252の内壁のいずれの箇所にその基端部が固着されても良い。
【0049】
<第6の実施形態>
第6の実施形態に係るガイド部材及びフレーム部材について説明する。図16は、本実施形態に係るガイド部材及びフレーム部材を示す斜視図であり、ここで(a)はガイド部材がフレーム部材に取り付けられる前の状態を示し、(b)はガイド部材がフレーム部材に取り付けられた状態を示す。図17は、ガイド部材のフレーム部材への取付け方法を示す側断面図であり、(a)は取り付け前の状態を示し、(b)は下端が係止された状態を示し、(c)は取り付け後の状態を示す。
【0050】
図16に示すように、本実施形態に係るフレーム部材3bは、後方覆設部22が省略されている点が他の実施形態に係るフレーム部材2bとは異なり、そのため、全体として上方から見て略L字状に形成される。図示しない他端側に設けられるフレーム部材3aについても同様である。また、本実施形態に係るガイド部材25eは、その本体部250cにおいて、1つのガイド孔270のみが形成され、操作コード16の一端側と他端側とを上下に隔てるための部材が省略されている点が他の実施形態とは大きく異なる。これによって、構成が単純化され、延いてはガイド部材25eの製造コストを低減させることができる。
【0051】
また、図17に示すように、ガイド部材25eは、その本体部250cの上端部に上方係止部253が形成されている点において他の実施形態と同様であるが、本体部250cの下端部に弾性部が形成されない下方係止部255が形成されている点において他の実施形態とは異なる。この下方係止部255は、後方側において下方に突設される突設部255aとこの突設部255aの前方において左右方向に伸びる溝部255bとが形成される部材である。
【0052】
このように構成されるガイド部材25eは、図17(a)に示すような取り付け前の状態から、図17(b)に示すように下方係止部255のみを挿通孔211の下方縁部を溝部255bに嵌めて係止させた後、ガイド部材25eの上方側を後方へ押圧することによって、図17(c)に示すように、上方係止部253の係合部253bが挿通孔211の上方縁部を乗り越えて、ガイド部材25eが挿通孔211に取り付けられる。このように、弾性を有する部分を減らすことによって、ガイド部材25eの強度を向上させることができる。
【0053】
<第7の実施形態>
第7の実施形態に係るフレーム部材について説明する。図18は、本実施形態に係るフレーム部材を示す斜視図であり、ここで(a)はガイド部材がフレーム部材に取り付けられる前の状態を示し、(b)はガイド部材がフレーム部材に取り付けられた状態を示す。
【0054】
図18に示すように、本実施形態に係るフレーム部材4bは、前方覆設部21に代えて前方覆設部21aを有する点が第6の実施形態に係るフレーム部材3bとは異なり、前方覆設部21aは、挿通孔211の代わりにその左右方向内方側の縁部に切欠き部212が形成される点で前方覆設部21とは異なる。この切欠き部212は、ガイド部材25eが取り付け可能に形成されており、図18(a)に示すように、切欠き部212の上下の縁部に対して、ガイド部材25eを左右方向内方側から外方側へスライドさせることにより、図18(b)に示すようにガイド部材25eをフレーム部材4bに取り付けることができる。なお、第6の実施形態と同様の手順でガイド部材25eを取り付けることも可能である。
【0055】
このように、挿通孔211の代わりに切欠き部212を形成することにより、ガイド部材25eにのみ操作コード16を挿通させた状態でガイド部材25eをフレーム部材4bに取り付けることができ、係る作業をより容易なものとすることができる。なお、ガイド部材25eが切欠き部212から意図せず脱落することを防止するため、ガイド部材25eの取付け後にネジ止めや凹凸による係合などによってガイド部材25eをフレーム部材4bに固定するようにしても良い。
【0056】
本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1 ブラインド
2a,2b フレーム部材
9 窓枠
10 ヘッドボックス
16 操作コード
21 前方覆設部
23 基部
211 挿通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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図17
図18