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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】乾燥食肉製品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 13/00 20160101AFI20220119BHJP
   A23B 4/03 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A23L13/00 A
A23B4/03 501E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018042073
(22)【出願日】2018-03-08
(65)【公開番号】P2019154261
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000118497
【氏名又は名称】伊藤ハム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 達哉
【審査官】福間 信子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-268454(JP,A)
【文献】特開平08-038106(JP,A)
【文献】特開昭57-079862(JP,A)
【文献】特開2004-159613(JP,A)
【文献】特開昭56-131369(JP,A)
【文献】特開2011-004687(JP,A)
【文献】特開昭62-241696(JP,A)
【文献】実開昭56-052984(JP,U)
【文献】特開2015-223139(JP,A)
【文献】特開2004-242550(JP,A)
【文献】実開平07-030085(JP,U)
【文献】特開2015-223173(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0012632(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A23B
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さが2.0~2.5mmの範囲であり、2~13mmの範囲の幅で切れ目を有する乾燥食肉製品。
【請求項2】
切れ目が2~13mm間隔の平行な点線状の切れ目である、請求項1記載の乾燥食肉製品。
【請求項3】
厚さの10~40%の範囲の深さの切れ目を有する、請求項1又は2記載の乾燥食肉製品。
【請求項4】
厚さの10~40%の範囲の深さの浅い切れ目と、より深い切れ目とを有する、請求項1又は2記載の乾燥食肉製品。
【請求項5】
牛肉、豚肉、又は鶏肉を原料とする、請求項1~4のいずれか1項記載の乾燥食肉製品。
【請求項6】
以下の工程:
食肉を調味する工程、
調味した食肉を乾燥する工程、
乾燥した食肉を2.0~2.5mmの範囲の厚さまで圧延する工程、及び
圧延した食肉に2~13mmの範囲の幅で切れ目を入れる工程、
を含む、乾燥食肉製品の製造方法。
【請求項7】
切れ目を入れる工程が、2~13mm間隔の平行な点線状の切れ目を入れるものである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
切れ目を入れる工程が、圧延した食肉の厚さの10~40%の範囲の深さの切れ目を入れるものである、請求項6又は7記載の方法。
【請求項9】
切れ目を入れる工程が、圧延した食肉の厚さの10~40%の範囲の深さの浅い切れ目と、より深い切れ目とを入れるものである、請求項6又は7記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な形態の乾燥食肉製品(ジャーキー)に関し、特に本来の食感を保持しながら食べやすい形態を有するジャーキーに関する。
【背景技術】
【0002】
ジャーキーとは一般に、牛肉、豚肉、鶏肉、馬肉等の肉を乾燥させて保存食として利用可能な食品をいい、ワニやカンガルーの肉のジャーキーも知られている。ジャーキーの中でも特にビーフジャーキーが良く知られており、以前は米国土産として購入されることが多かった人気のある食品であり、その噛みごたえが魅力の1つであった。
【0003】
近年では、以前から存在する硬めのものから、ソフトな食感を有する柔らかめのものまで、様々な製品が市販されている。
【0004】
ジャーキーは、原料となる肉類にまず味付けをした後、加熱・乾燥することで製造される。柔らかい食感を有するジャーキーを得るために、水蒸気加熱する工程や、圧延する工程を含めた製法が開示されている(特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-259839
【文献】特開2005-229970
【文献】特開2009-268454
【文献】特開2012-44959
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ジャーキーは、その本来のイメージから、硬く、あまり加工されていないものが好まれ、特に飲酒時のつまみとして、男性が好んで食する食品である。同様な状況で食される肉類由来の乾燥食品として、サラミ等のドライソーセージがあるが、これらは棒状に加工され、場合によっては更にスライスされて提供される。より軟らかなドライソーセージとは異なり、ジャーキーの形状は、ランダムにカットされたものや、短冊状にカットされたものが多く、その表面には乾燥肉であることが明確にわかる凹凸が残っている。
【0007】
上記の通り、近年では、よりソフトな食感を有するジャーキーが提供されているが、これらは薄く板状にスライスされ、本来のジャーキー表面の凹凸が失われて平板状になったものであったり、ソフトな食感が逆にジャーキーらしさを損なうものになったりして、消費者がジャーキーに求める製品を提供することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明者等は、本来のジャーキーらしさを残しながら、食べやすい製品を提供するために検討した結果、圧延工程と、圧延された肉類に点線状等の切れ目を入れる工程を含めて製造することで、従来にない特徴が得られることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は以下を提供するものである。
1. 厚さが2.0~2.5mmの範囲であり、2~13mmの範囲の幅で切れ目を有する乾燥食肉製品。
2. 切れ目が2~13mm間隔の平行な点線状の切れ目である、上記1記載の乾燥食肉製品。
3. 厚さの10~40%の範囲の深さの切れ目を有する、上記1又は2記載の乾燥食肉製品。
4. 厚さの10~40%の範囲の深さの浅い切れ目と、より深い切れ目とを有する、上記1又は2記載の乾燥食肉製品。
5. 牛肉、豚肉、又は鶏肉を原料とする、上記1~4のいずれか記載の乾燥食肉製品。
6. 以下の工程:
食肉を調味する工程、
調味した食肉を乾燥する工程、
乾燥した食肉を2.0~2.5mmの範囲の厚さまで圧延する工程、及び
圧延した食肉に2~13mmの範囲の幅で切れ目を入れる工程、
を含む、乾燥食肉製品の製造方法。
7. 切れ目を入れる工程が、2~13mm間隔の平行な点線状の切れ目を入れるものである、上記6記載の方法。
8. 切れ目を入れる工程が、圧延した食肉の厚さの10~40%の範囲の深さの切れ目を入れるものである、上記6又は7記載の方法。
9. 切れ目を入れる工程が、圧延した食肉の厚さの10~40%の範囲の深さの浅い切れ目と、より深い切れ目とを入れるものである、上記6又は7記載の方法。
10. 上記6~9のいずれか記載の方法によって製造される乾燥食肉製品。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ジャーキーの外観及び食感を残しながら、食べやすい形態のジャーキーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の乾燥食肉製品は、天然由来原料を用いて製造するものであり、原料となる食肉の種類、製造工程、製造時の温度及び湿度等の種々の条件によって変動し得る。また、例えば同じ牛肉であっても牛の年齢や使用する部位によって硬さが異なることもあり得る。従って、本発明にとって適したものとして本明細書において記載する数値範囲の上限及び下限は、±20%、又は±10%の範囲で変動し得るものであることは理解されたい。
【0012】
本発明は、厚さが2.0~2.5mmの範囲であり、2~13mmの範囲の幅で切れ目を有する乾燥食肉製品を提供する。
【0013】
厚さが2.0mmより薄くなると、切れ目を入れた時に裂けやすくなるが、厚みがない分食べごたえがあまり感じられないものとなり得る。一方、厚さが2.5mmより厚くなると、厚みがでて食べごたえがでるが裂きにくくなり、本発明の目的とするジャーキーを得ることが困難なものとなり得る。
【0014】
本明細書において、「乾燥食肉製品」とは、特に限定するものではないが、例えば牛肉、豚肉、馬肉、羊肉、鶏肉を乾燥して得られる製品をいい、より具体的にはジャーキーと呼ばれるものをいう。本発明の乾燥食肉製品は、例えばドライソーセージ等のひき肉を原料とする加工食品、また例えば平板状の食肉を積層後に押圧成形して得られるような加工食品を含まない。また、本発明の乾燥食肉製品は、脂肪の少ない部位、例えばもも肉、ヒレ肉等を原料とすることが好ましく、牛肉の場合には赤身の肉やタンを使用することもできる。
【0015】
本発明の乾燥食肉製品は、厚さが2.0~2.5mmの範囲であり、2~13mmの範囲の幅で切れ目を有することを特徴とする。乾燥食肉製品全体の形状は特に限定するものではなく、原料となる食肉の形状に依存して、正方形、長方形、楕円形、不定形であり得る。食品としての扱いやすさを考慮すれば、乾燥食肉製品の大きさは、特に限定するものではないが、例えば5cm×5cm~20cm×20cmの範囲となり得る。
【0016】
本発明の乾燥食肉製品の上記の厚さは、例えば3~14mmの厚さにスライスした原料肉を乾燥した後に圧延することによって得られる。圧延は、当分野において使用される方法、例えば圧延ロールを用いれば良く、特に限定するものではない。圧延方向は特に限定するものではなく、例えば食肉の繊維方向に沿って、あるいは食肉の繊維方向と垂直に行うことができる。尚、圧延に関しては10mm以上の厚みがあるものに関しては段階的に圧延を行うのが好ましいが、圧延前の厚みに関らず、最終的には圧延ロールを密着させる状態で圧延することで、柔らかさを得ることが出来る。
【0017】
本発明の乾燥食肉製品における切れ目は、2~13mmの範囲の幅、例えば2~4mm、5~7mm、8~11mm、11~13mmの範囲の幅で、平行に入れられたものであり得る。切れ目は、食肉の硬さ・最終製品で望まれる硬さなどに応じて、食肉の繊維方向に沿って、あるいは食肉の繊維方向と垂直に入れることができる。切れ目の断面は鋭利でなく割けた状態であり、所々でダメージの為に枝分かれた状態であり、それが食した際の柔らかさにつながるものである。
【0018】
一実施形態において、切れ目は2~13mm間隔の平行な点線状の切れ目である。例えば2~4mm、5~7mm、8~11mm、11~13mmの範囲の幅の平行な点線状の切れ目である。点線状の切れ目の場合、切れ目と切れ目との間の距離は、限定するものではないが、例えば0.3~3mmの範囲である。
【0019】
また、切れ目は、特に限定するものではないが、切れ目部分の厚さが1.5~1.8mmの範囲となるようにすることが好適である。この範囲の切れ目とすることで、外観上は切れ目を目立たせることなく、容易に手で食品をほぐすことができる。切れ目がより浅ければ、外観上切れ目がほとんど認められず、一方切れ目がより深ければ、よりほぐしやすいものが得られる。
【0020】
点線状であっても良い切れ目は、それぞれが乾燥食肉製品の2.0~2.5mmの厚さの10~40%の範囲の深さのものであり得る。例えば、厚さが2.0mmの乾燥食肉製品の場合、切れ目の深さは0.2~0.5mmの範囲であって良く、この場合、切れ目の深さは厚さの10~25%の範囲内である。また、厚さが2.5mmの乾燥食肉製品の場合、切れ目の深さは0.7~1.0mmの範囲であって良く、この場合、切れ目の深さは厚さの28~40%の範囲内である。
【0021】
別の一実施形態において、切れ目は浅い切れ目と深い切れ目とから構成される。例えば、切れ目は、2~13mm間隔の平行な点線状の深い切れ目と、点線に沿ってつながったより浅い切れ目とから構成される。この場合、2~13mm間隔でより厚い部分とより薄い部分ができることとなり、より薄い部分で完全に切断された、いわゆるすだれ状の切れ目が形成され得る。
【0022】
この場合、切れ目は、例えば浅い切れ目部分の厚さが1.5~1.8mmの範囲、深い切れ目部分の厚さが0~1.2mmの範囲となるようにすることが好適である。すなわち、深い切れ目部分では、乾燥食肉製品は、点線状に完全に切れていて良い。この範囲の切れ目とすることで、外観上は切れ目を目立たせることなく、容易に手で食品をほぐすことができる。切れ目がより浅ければ、外観上切れ目がほとんど認められず、一方切れ目がより深ければ、よりほぐしやすいものが得られる。
【0023】
点線状の深い切れ目に沿って設けられる浅い切れ目は、それぞれが乾燥食肉製品の厚さの10~40%の範囲の深さのものであり得る。例えば、厚さが2.0mmの乾燥食肉製品の場合、切れ目の深さは0.2~0.5mmの範囲であって良く、この場合、切れ目の深さは厚さの10~25%の範囲内である。また、厚さが2.5mmの乾燥食肉製品の場合、切れ目の深さは0.7~1.0mmの範囲であって良く、この場合、切れ目の深さは厚さの28~40%の範囲内である。
【0024】
一方、点線状に設けられる深い切れ目は、それぞれが乾燥食肉製品の厚さの40%以上の深さのものであり得る。例えば、厚さが2.0mmの乾燥食肉製品の場合、切れ目の深さは0.8mm以上(0.8~2.0mm)であって良く、この場合、切れ目の深さは厚さの40~100%の範囲である。また、厚さが2.5mmの乾燥食肉製品の場合、切れ目の深さは1.3mm以上(1.3~2.5mm)であって良く、この場合、切れ目の深さは厚さの約50%~100%(1.3mmの場合は52%)の範囲である。点線状に設けられる深い切れ目における切れ目と切れ目との間の距離は、限定するものではないが、例えば0.3~3mmの範囲である。
【0025】
更に別の実施形態において、上記のような深さで設けられる浅い切れ目と深い切れ目とは、いずれも点線状に設けられたものであっても良い。
【0026】
本発明の乾燥食肉製品は、特に限定するものではないが、特に牛肉、豚肉、又は鶏肉を原料とするものとすることができる。
【0027】
本発明はまた、以下の工程:
食肉を調味する工程、
調味した食肉を乾燥する工程、
乾燥した食肉を2.0~2.5mmの範囲の厚さまで圧延する工程、及び
圧延した食肉に2~13mmの範囲の幅で切れ目を入れる工程、
を含む、乾燥食肉製品の製造方法を提供する。
【0028】
食肉を調味する工程としては、亜硝酸塩と食塩と砂糖と香料との混合物等を食肉に擦りこむか、あるいは当該混合物を溶解したピックル液で調味する等の常法によって行うことができる。
【0029】
調味した食肉を乾燥する工程としては、乾燥機、スモークハウス等を使用し、食肉の種類、大きさ、重量等に応じて適宜乾燥温度、時間を調整しながら、水分活性が0.87未満になるまで乾燥処理される。
【0030】
圧延工程は、当分野において使用される方法、例えば圧延ロールを用いて圧延すれば良く、特に限定されるものではない。
【0031】
本発明の方法において、切れ目を入れる工程は、例えば2~13mm間隔の平行な点線状の切れ目を入れるものであり得る。上記切れ目を入れる工程は、圧延した食肉の厚さの10~40%の範囲の深さの切れ目を入れる工程とすることが好適であり得る。切れ目は、例えば点線状の切れ目とすることができる。あるいはまた、上記切れ目を入れる工程は、圧延した食肉の厚さの10~40%の範囲の深さの浅い切れ目と、圧延した食肉の厚さの40%以上の深さの深い切れ目とを入れる工程とすることができる。浅い切れ目及び深い切れ目はいずれも、例えば点線状の切れ目とすることができる。あるいはまた、上記切れ目を入れる工程は、点線状の深い切れ目と、点線に沿ってつながったより浅い切れ目とを入れる工程であり得る。このような切れ目は、例えば、複数の刃が回転軸に取りつけられた回転刃(回転刃は凹凸の刃と峰刃が一対になっている)を備えたカット装置を通過させることで、入れることが可能である。一対の回転刃は、いずれも円形状の刃であっても多角形状の刃であっても良く、特に限定するものではない。
【0032】
本発明はまた、上記本発明の方法によって製造される乾燥食肉製品を提供する。上記の通り、乾燥食肉製品は、天然由来の食肉を原料とするものであるため、最終製品の特徴をその構造又は特性により完全に特定することは実際的ではない。例えば、乾燥食肉製品に特徴的な外観を完全に記載することは困難である。従って、本発明の乾燥食肉製品は、上記の製造方法によって製造されるものとして記載することも必要となる。
【0033】
本発明によって得られた乾燥食肉製品は、必要に応じて更にカットし、包装して、適切な製品形態とすることができる。本発明の乾燥食肉製品の水分活性値は、0.75±0.05AWの範囲のものであり得る。
【実施例
【0034】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
[実施例1 ビーフジャーキーの製造]
牛もも肉約5~8kgを3~14mmの厚さ、約25~30cm×約15~20cm程度の大きさにカットし、調味液に約1時間浸漬した。調味した肉をスモークハウス(乾燥処理設備)で水分活性が0.87になるまで乾燥した。
【0036】
次いで、乾燥した肉を、圧延ロールを使用して2.0~2.5mmの範囲の厚さまで圧延した。その後、圧延した食肉に、複数の刃が回転軸に取りつけられた回転刃(回転刃は凹凸の刃と峰刃が一対になっている)を備えたカット装置を通過させることで、2~17mmの間隔の平行な点線状の切れ目を入れた。切れ目部分の厚さは約1.5~1.8mmとなるようにし、また回転刃間の幅を調整することで、様々な幅の平行な切れ目を有するビーフジャーキーを製造して、圧延したのみで切れ目をいれていないビーフジャーキーと共に官能評価を実施した。
【0037】
<官能評価>
以下の3段階の評価基準で評価を行った。
食べやすさ
○:良好(手で裂きやすい)
△:やや良好(やや裂きやすい)
×:不良(裂きにくい)
食感
〇:良好(6回未満の咀嚼で口内でほぐれる)
△:やや良好(6回以上10回以下の咀嚼で口内でほぐれる)
×:不良(非常に硬く、11回以上の咀嚼が必要)
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示すように、切れ目の幅が2~13mmの範囲では、手で裂きやすく、食感も良好なものであったのに対して、切れ目のない食肉では手で裂くことが難しく、また食感も硬すぎて良好なものとは言えなかった。また、切れ目の幅が14mm以上では、切れ目が13mm以下の場合と比較して、食べやすさも食感もより低い評価となった。
【0040】
[実施例2 ポークジャーキーの製造]
豚ロース肉約2~3kgを調味液に約10時間浸透し、3~10mmの厚さ、約5~10cm×約7~12cm程度の大きさにカットした肉をスモークハウス(乾燥処理設備)で水分活性が0.87になるまで乾燥した。
【0041】
次いで、乾燥した肉を、圧延ロールを使用して2.0~2.5mmの範囲の厚さまで圧延した。その後、複数の刃が回転軸に取りつけられた回転刃(回転刃は凹凸の刃と峰刃が一対になっている)を備えたカット装置を通過させることで圧延した食肉に2~13mmの範囲の幅で平行に切れ目を入れた。
【0042】
切れ目は約1.5~1.8mmの厚さで、2~13mm間隔の点線状のものであった。
【0043】
[実施例3 チキンジャーキーの製造]
鶏ムネ肉約0.1~0.3kgを調味液に約3時間浸透し、筒状に充填し固めたものを3~10mmの厚さ、約5~7cm×約5~7cm程度の大きさにカットした肉をスモークハウス(乾燥処理設備)で水分活性が0.87になるまで乾燥した。
【0044】
次いで、乾燥した肉を、圧延ロールを使用して2.0~2.5mmの範囲の厚さまで圧延した。その後、複数の刃が回転軸に取りつけられた回転刃(回転刃は凹凸の刃と峰刃が一対になっている)を備えたカット装置を通過させることで、圧延した食肉に2~13mmの範囲の幅で平行に切れ目を入れた。
【0045】
切れ目は約1.5~1.8mmの厚さで、2~13mm間隔の点線状のものであった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明により、ジャーキーの持つ外観や食感を残しながら食べやすい食品が提供され、新規な形態の食品を求める消費者の需要を満たすことができる。切れ目から容易にほぐすことができるため、子供や高齢者等の咀嚼力の弱い消費者であってもジャーキーを楽しんで食することができる。