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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】電柱管理システム及び電柱管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20220119BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20220119BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20220119BHJP
【FI】
G06Q50/06
G09B29/00 F
G06Q10/00 300
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018066634
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2019179305
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000222037
【氏名又は名称】東北電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】313005318
【氏名又は名称】パナソニックシステムソリューションズジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽根 悌輔
(72)【発明者】
【氏名】廣岡 那美
(72)【発明者】
【氏名】横山 貴之
(72)【発明者】
【氏名】田村 健二
(72)【発明者】
【氏名】若生 禎弘
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-228952(JP,A)
【文献】特開2002-230095(JP,A)
【文献】特開2006-293526(JP,A)
【文献】特開2003-078817(JP,A)
【文献】特開2016-018463(JP,A)
【文献】特開2016-206825(JP,A)
【文献】特開2011-170484(JP,A)
【文献】特開2011-170400(JP,A)
【文献】特開2014-109804(JP,A)
【文献】国際公開第2017/163954(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱を管理するための電柱管理システムであって、
電柱の位置が電柱アイコンで示されたデジタル地図を格納した地図データベースと、
前記デジタル地図に前記電柱アイコンで示された電柱毎に、前記電柱を含む画像である電柱画像、及び前記電柱画像中の前記電柱を強調表示するための電柱強調表示情報を記憶した電柱管理装置と、
前記デジタル地図及び前記電柱画像を表示する表示部を有する情報閲覧端末と、
を備え、
前記電柱管理装置は、前記電柱に設備が設置されている場合には、前記電柱画像中の前記設備を強調表示するための設備強調表示情報を記憶し、
前記情報閲覧端末は、当該端末のユーザが前記表示部に表示された前記デジタル地図の前記電柱アイコンを操作することによって前記デジタル地図中の一つの電柱が指定されたときに、前記電柱管理装置から前記指定された電柱の前記電柱画像、前記電柱強調表示情報、及び前記設備強調表示情報を取得し、取得した前記電柱画像を前記表示部に表示するとともに、前記電柱強調表示情報に基づき、前記電柱画像中の前記電柱を強調表示し、前記電柱に設備が設置されている場合には、前記設備強調表示情報に基づき、前記電柱画像中の前記設備を強調表示することを特徴とする電柱管理システム。
【請求項2】
前記設備は、該設備を取り囲む枠状の設備枠により強調表示され、
前記設備強調表示情報は、前記電柱画像中に前記設備枠を表示する位置を示す情報を含むことを特徴とする請求項に記載の電柱管理システム。
【請求項3】
前記設備枠が、予め定められた色で表示されることを特徴とする請求項に記載の電柱管理システム。
【請求項4】
前記電柱管理装置には、前記電柱毎に、前記電柱のデジタル地図上の位置を示す電柱位置情報がさらに記憶されており、
前記電柱管理装置は、
外部の画像取得装置から、前記画像取得装置により撮像された前記電柱画像と、前記電柱画像を撮像したときの前記画像取得装置のデジタル地図上の位置を示す撮像位置情報とを取得し、
前記撮像位置情報と前記電柱位置情報とに基づき、前記電柱画像に対応する前記電柱を識別し、
前記電柱画像中における前記電柱を強調表示するための電柱強調表示情報、及び前記電柱画像中における前記電柱に設置されている設備を強調表示するための設備強調表示情報を作成し、
前記識別された電柱に、前記電柱画像、前記電柱強調表示情報、及び前記設備強調表示情報を紐付けて記憶することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電柱管理システム。
【請求項5】
前記電柱管理装置は、外部の画像取得装置から、前記電柱画像がすでに記憶されている電柱と同一の電柱の新たな電柱画像を取得し、取得した前記新たな電柱画像を、前記同一の電柱の前記すでに記憶されている電柱画像と比較することによって前記電柱の異常を検出し、
前記電柱に異常が検出された場合には、前記情報閲覧端末の前記表示部に表示された前記デジタル地図上において、前記異常が検出された電柱に対応する前記電柱アイコンを強調して表示することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電柱管理システム。
【請求項6】
前記電柱画像が、互いに異なる天候条件下で撮像した複数の画像を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電柱管理システム。
【請求項7】
電柱を管理するための電柱管理方法であって、
電柱の位置が電柱アイコンで示されたデジタル地図と、前記デジタル地図上にその位置が電柱アイコンで示された電柱毎に、前記電柱を含む画像である電柱画像、及び前記電柱画像中の前記電柱を強調表示するための電柱強調表示情報とを予め記憶し、
前記デジタル地図を表示する情報閲覧端末から前記デジタル地図中の一つの電柱の指定を受信したときに、前記指定された電柱の前記電柱画像及び前記電柱強調表示情報を前記情報閲覧端末に送信し、
前記情報閲覧端末に、前記電柱画像を表示させるとともに、前記電柱強調表示情報に基づき、前記電柱画像中の前記電柱を強調表示させ、
前記電柱に設備が設置されている場合には、
前記電柱画像中の前記設備を強調表示するための設備強調表示情報をさらに記憶し、
前記指定された電柱に設置されている前記設備の前記設備強調表示情報を前記情報閲覧端末に送信し、
前記情報閲覧端末に、前記設備強調表示情報に基づき、前記電柱画像中の前記設備を強調表示させることを特徴とする電柱管理方法。
【請求項8】
前記設備は、該設備を取り囲む枠状の設備枠により強調表示され、
前記設備強調表示情報は、前記電柱画像中に前記設備枠を表示する位置を示す情報を含むことを特徴とする請求項に記載の電柱管理方法。
【請求項9】
前記設備枠が、予め定められた色で表示されることを特徴とする請求項に記載の電柱管理方法。
【請求項10】
前記電柱毎に、前記電柱のデジタル地図上の位置を示す電柱位置情報を予め記憶し、
外部の画像取得装置から、前記画像取得装置により撮像された前記電柱画像と、前記電柱画像を撮像したときの前記画像取得装置のデジタル地図上の位置を示す撮像位置情報とを取得し、
前記撮像位置情報と前記電柱位置情報とに基づき、前記電柱画像に対応する前記電柱を識別し、
前記電柱画像中における前記電柱を強調表示するための電柱強調表示情報、及び前記電柱画像中における前記電柱に設置されている設備を強調表示するための設備強調表示情報を作成し、
前記識別された電柱に、前記電柱画像、前記電柱強調表示情報、及び前記設備強調表示情報を紐付けて記憶することを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の電柱管理方法。
【請求項11】
外部の画像取得装置から、前記電柱画像がすでに記憶されている電柱と同一の電柱についての新たな電柱画像を取得し、
前記新たな電柱画像を、前記同一の電柱の前記すでに記憶されている電柱画像と比較することによって前記電柱の異常を検出し、
前記電柱に異常が検出された場合に、前記情報閲覧端末の表示部に表示された前記デジタル地図上において、前記異常が検出された電柱に対応する前記電柱アイコンを強調して表示することを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の電柱管理方法。
【請求項12】
前記電柱画像が、互いに異なる天候条件下で撮像した複数の画像を含むことを特徴とする請求項7ないし請求項11のいずれかに記載の電柱管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱を管理するための電柱管理システム及び電柱管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電柱及びそれに設置された設備の保守点検作業を効率よく実施することを目的として、作業員が使用する情報端末装置の表示画面に、電柱の位置がアイコンで示されたデジタル地図と、電柱を含む画像とを表示することが行われている。このようにすると、作業員は、作業現場に向かう前に、デジタル地図上で電柱の位置を特定するとともに、画像により作業現場の様子を視覚的に確認することが可能となる。
【0003】
このような従来技術として、地図を表示する地図アプリケーションと、道路沿いの風景を表示するストリートビュー(登録商標)アプリケーションとを連携させて、地図アプリケーションにより、デジタル地図上に電柱の位置をアイコンで表示するとともに、ストリートビュー(登録商標)アプリケーションにより、その電柱の周囲の風景の画像を表示するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6236101号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1の従来技術は、単に、ストリートビュー(登録商標)で風景画像を表示しているだけなので、その風景画像中から電柱を見つけるのに手間がかかるという問題があった。とりわけ、樹木が隣接している、あるいは複数の電柱が含まれている等により電柱の周囲の風景が複雑な場合には、風景画像中から目的の電柱を見つけるのは容易ではない。また、デジタル地図上に電柱の位置をアイコンで表示しても、作業員は作業現場周辺にある複数の電柱のいずれが目的の電柱であるかを見つけるのは容易ではない。
【0006】
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みて案出されたものであり、電柱を含む画像から目的の電柱を容易に見つけること、並びに目的の電柱に容易に辿り着けることを可能とする、電柱管理システム及び電柱管理方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電柱管理システムは、電柱を管理するための電柱管理システムであって、電柱の位置が電柱アイコンで示されたデジタル地図を格納した地図データベースと、前記デジタル地図に前記電柱アイコンで示された電柱毎に、前記電柱を含む画像である電柱画像、及び前記電柱画像中の前記電柱を強調表示するための電柱強調表示情報を記憶した電柱管理装置と、前記デジタル地図及び前記電柱画像を表示する表示部を有する情報閲覧端末と、を備え、前記情報閲覧端末は、該端末のユーザが前記表示部に表示された前記デジタル地図の前記電柱アイコンを操作することによって前記デジタル地図中の一つの電柱が指定されたときに、前記電柱管理装置から前記指定された電柱の前記電柱画像及び前記電柱強調表示情報を取得し、取得した前記電柱画像を前記表示部に表示するとともに、前記電柱強調表示情報に基づき、前記電柱画像中の前記電柱を強調表示することを特徴とする。
【0008】
本発明の電柱管理方法は、電柱を管理するための電柱管理方法であって、電柱の位置が電柱アイコンで示されたデジタル地図と、前記デジタル地図上にその位置が電柱アイコンで示された電柱毎に、前記電柱を含む画像である電柱画像、及び前記電柱画像中の前記電柱を強調表示するための電柱強調表示情報とを予め記憶し、前記デジタル地図を表示する情報閲覧端末から前記デジタル地図中の一つの電柱の指定を受信したときに、前記指定された電柱の前記電柱画像及び前記電柱強調表示情報を前記情報閲覧端末に送信し、前記情報閲覧端末に、前記電柱画像を表示させるとともに、前記電柱強調表示情報に基づき、前記電柱画像中の前記電柱を強調表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電柱を含む画像から目的の電柱を容易に見つけること、並びに目的の電柱に容易に辿り着けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る電柱管理システムの概要を示す構成図
図2】地図データベースに格納されているデジタル地図の一例を示す図
図3】画像取得装置のハードウェア構成を示すブロック図
図4】画像取得装置における画像取得処理の流れを示すフロー図
図5】電柱管理装置のハードウェア構成を示すブロック図
図6】電柱管理装置の機能構成を示すブロック図
図7】画像データの一例を示す図
図8】電柱データの一例を示す図
図9】電柱枠及び設備枠の一例を示す図
図10】管理データの一例を示す図
図11】異常検出の一例を示す図
図12】電柱管理装置における管理データ作成処理の流れを示すフロー図
図13】電柱管理装置におけるリクエストに対する処理の流れを示すフロー図
図14】電柱管理装置における異常検出処理の流れを示すフロー図
図15】情報閲覧端末のハードウェア構成を示すブロック図
図16】情報閲覧端末における情報表示処理の流れを示すフロー図
図17】デジタル地図上にウィンドウ画面を重畳した状態を示す図
図18図17に示したウィンドウ画面の拡大図
図19】電柱枠及び設備枠の名称タブを設けた例を示す図
図20】情報閲覧端末における異常通知の表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、電柱を管理するための電柱管理システムであって、電柱の位置が電柱アイコンで示されたデジタル地図を格納した地図データベースと、前記デジタル地図に前記電柱アイコンで示された電柱毎に、前記電柱を含む画像である電柱画像、及び前記電柱画像中の前記電柱を強調表示するための電柱強調表示情報を記憶した電柱管理装置と、前記デジタル地図及び前記電柱画像を表示する表示部を有する情報閲覧端末と、を備え、前記情報閲覧端末は、該端末のユーザが前記表示部に表示された前記デジタル地図の前記電柱アイコンを操作することによって前記デジタル地図中の一つの電柱が指定されたときに、前記電柱管理装置から前記指定された電柱の前記電柱画像及び前記電柱強調表示情報を取得し、取得した前記電柱画像を前記表示部に表示するとともに、前記電柱強調表示情報に基づき、前記電柱画像中の前記電柱を強調表示することを特徴とする。
【0012】
これによると、情報閲覧端末の表示部に電柱画像を表示したときに、電柱画像中の電柱を強調表示することができるので、情報閲覧端末のユーザが電柱画像から目的の電柱を容易に見つけることが可能となる。
【0013】
また、第2の発明は、上記の第1の発明において、前記電柱は、該電柱を取り囲む枠状の電柱枠により強調表示され、前記電柱強調表示情報は、前記電柱画像中に前記電柱枠を表示する位置を示す情報を含むことを特徴とする。
【0014】
これによると、電柱画像中の電柱を電柱枠により強調表示することができるので、情報閲覧端末のユーザが電柱画像から目的の電柱をより容易に見つけることが可能となる。
【0015】
また、第3の発明は、上記第2の発明において、前記電柱枠が、予め定められた色で表示されることを特徴とする。
【0016】
これによると、電柱枠をさらに強調して表示することができる。
【0017】
また、第4の発明は、上記第1の発明ないし第3の発明のいずれかにおいて、前記電柱管理装置は、前記電柱に設備が設置されている場合には、前記電柱画像中の前記設備を強調表示するための設備強調表示情報をさらに記憶しており、前記情報閲覧端は、前記電柱管理装置から前記指定された電柱の前記電柱画像及び前記電柱強調表示情報を取得するときに、前記指定された電柱に設置されている前記設備の前記設備強調表示情報をさらに取得し、前記設備強調表示情報に基づき、前記電柱画像中の前記設備を強調表示することを特徴とする。
【0018】
これによると、情報閲覧端末の表示部に電柱画像を表示したときに、電柱画像中の電柱に設置された設備を強調表示することができるので、情報閲覧端末のユーザが電柱画像から目的の電柱に設置された設備を容易に見つけることが可能となる。
【0019】
また、第5の発明は、上記第4の発明において、前記設備は、該設備を取り囲む枠状の設備枠により強調表示され、前記設備強調表示情報は、前記電柱画像中に前記設備枠を表示する位置を示す情報を含むことを特徴とする。
【0020】
これによると、電柱画像中の設備を設備枠により強調表示することができるので、情報閲覧端末のユーザが電柱画像から目的の電柱に設置された設備をより容易に見つけることが可能となる。
【0021】
また、第6の発明は、上記第5の発明において、前記設備枠が、予め定められた色で表示されることを特徴とする。
【0022】
これによると、設備枠をさらに強調して表示することができる。
【0023】
また、第7の発明は、上記第1の発明ないし第6の発明のいずれかにおいて、前記電柱管理装置には、前記電柱毎に、前記電柱のデジタル地図上の位置を示す電柱位置情報がさらに記憶されており、前記電柱管理装置は、外部の画像取得装置から、前記画像取得装置により撮像された前記電柱画像と、前記電柱画像を撮像したときの前記画像取得装置のデジタル地図上の位置を示す撮像位置情報とを取得し、前記撮像位置情報と前記電柱位置情報とに基づき、前記電柱画像に対応する前記電柱を識別し、前記電柱画像中における前記電柱を強調表示するための電柱強調表示情報、及び前記電柱画像中における前記電柱に設置されている設備を強調表示するための設備強調表示情報を作成し、前記識別された電柱に、前記電柱画像、前記電柱強調表示情報、及び前記設備強調表示情報を紐付けて記憶することを特徴とする。
【0024】
これによると、カメラで電柱を撮像したときの位置情報と電柱のデジタル地図上の位置情報とに基づいて、電柱画像とこれに対応する電柱とを認識し、電柱毎に、その電柱画像、電柱強調表示情報、及び設備強調表示情報が紐付けられたデータ(管理データ)を自動的に作成することが可能となる。
【0025】
また、第8の発明は、上記第1の発明ないし第7の発明のいずれかにおいて、前記電柱管理装置は、外部の画像取得装置から、前記電柱画像がすでに記憶されている電柱と同一の電柱の新たな電柱画像を取得し、取得した前記新たな電柱画像を、前記同一の電柱の前記すでに記憶されている電柱画像と比較することによって前記電柱の異常を検出し、前記電柱に異常が検出された場合には、前記情報閲覧端末の前記表示部に表示された前記デジタル地図上において、前記異常が検出された電柱に対応する前記電柱アイコンを強調して表示することを特徴とする。
【0026】
これによると、電柱の異常を自動的に検出するとともに、異常が検出された場合には、異常が検出された電柱を容易に認識可能に、情報閲覧端末のユーザに知らせることができる。
【0027】
また、第9の発明は、上記の第8の発明において、前記電柱画像が、互いに異なる天候条件下で撮像した複数の画像を含むことを特徴とする。
【0028】
これによると、電柱の異常検出を、天候条件に左右されずに精度よく行うことが可能となる。
【0029】
また、第10の発明は、電柱を管理するための電柱管理方法であって、電柱の位置が電柱アイコンで示されたデジタル地図と、前記デジタル地図上にその位置が電柱アイコンで示された電柱毎に、前記電柱を含む画像である電柱画像、及び前記電柱画像中の前記電柱を強調表示するための電柱強調表示情報とを予め記憶し、前記デジタル地図を表示する情報閲覧端末から前記デジタル地図中の一つの電柱の指定を受信したときに、前記指定された電柱の前記電柱画像及び前記電柱強調表示情報を前記情報閲覧端末に送信し、前記情報閲覧端末に、前記電柱画像を表示させるとともに、前記電柱強調表示情報に基づき、前記電柱画像中の前記電柱を強調表示させることを特徴とする。
【0030】
これによると、情報閲覧端末に電柱画像を表示させたときに、電柱画像中の電柱を強調表示させることができるので、情報閲覧端末のユーザが電柱画像から目的の電柱を容易に見つけることが可能となる。
【0031】
また、第11の発明は、上記第10の発明において、前記電柱は、該電柱を取り囲む枠状の電柱枠により強調表示され、前記電柱強調表示情報は、前記電柱画像中に前記電柱枠を表示する位置を示す情報を含むことを特徴とする。
【0032】
これによると、電柱画像中の電柱を電柱枠により強調表示することができるので、情報閲覧端末のユーザが電柱画像から目的の電柱をより容易に見つけることが可能となる。
【0033】
また、第12の発明は、上記の第11の発明において、前記電柱枠が、予め定められた色で表示されることを特徴とする。
【0034】
これによると、電柱枠をさらに強調して表示することができる。
【0035】
また、第13の発明は、上記第10の発明ないし第12の発明のいずれかにおいて、前記電柱に設備が設置されている場合には、前記電柱画像中の前記設備を強調表示するための設備強調表示情報をさらに記憶し、前記指定された電柱に設置されている前記設備の前記設備強調表示情報を前記情報閲覧端末に送信し、前記情報閲覧端末に、前記設備強調表示情報に基づき、前記電柱画像中の前記設備を強調表示させることを特徴とする。
【0036】
これによると、情報閲覧端末に電柱画像を表示させたときに、電柱画像中の電柱に設置された設備を強調表示させることができるので、情報閲覧端末のユーザが電柱画像から目的の電柱に設置された設備を容易に見つけることが可能となる。
【0037】
また、第14の発明は、上記第13の発明において、前記設備は、該設備を取り囲む枠状の設備枠により強調表示され、前記設備強調表示情報は、前記電柱画像中に前記設備枠を表示する位置を示す情報を含むことを特徴とする。
【0038】
これによると、電柱画像中の設備を設備枠により強調表示させることができるので、情報閲覧端末のユーザが電柱画像から目的の電柱に設置された設備をより容易に見つけることが可能となる。
【0039】
また、第15の発明は、上記第14の発明において、前記設備枠が、予め定められた色で表示されることを特徴とする。
【0040】
これによると、設備枠をさらに強調して表示することができる。
【0041】
また、第16の発明は、上記第10の発明ないし第15の発明のいずれかにおいて、前記電柱毎に、前記電柱のデジタル地図上の位置を示す電柱位置情報を予め記憶し、外部の画像取得装置から、前記画像取得装置により撮像された前記電柱画像と、前記電柱画像を撮像したときの前記画像取得装置のデジタル地図上の位置を示す撮像位置情報とを取得し、前記撮像位置情報と前記電柱位置情報とに基づき、前記電柱画像に対応する前記電柱を識別し、前記電柱画像中における前記電柱を強調表示するための電柱強調表示情報、及び前記電柱画像中における前記電柱に設置されている設備を強調表示するための設備強調表示情報を作成し、前記識別された電柱に、前記電柱画像、前記電柱強調表示情報、及び前記設備強調表示情報を紐付けて記憶することを特徴とする。
【0042】
これによると、カメラで電柱を撮像したときの位置情報と電柱のデジタル地図上の位置情報とに基づいて、電柱画像とこれに対応する電柱とを認識し、電柱毎に、その電柱画像、電柱強調表示情報、及び設備強調表示情報が紐付けられたデータ(管理データ)を自動的に作成することが可能となる。
【0043】
また、第17の発明は、上記第10の発明ないし第16の発明のいずれかにおいて、外部の画像取得装置から、前記電柱画像がすでに記憶されている電柱と同一の電柱についての新たな電柱画像を取得し、前記新たな電柱画像を、前記同一の電柱の前記すでに記憶されている電柱画像と比較することによって前記電柱の異常を検出し、前記電柱に異常が検出された場合に、前記情報閲覧端末の表示部に表示された前記デジタル地図上において、前記異常が検出された電柱に対応する前記電柱アイコンを強調して表示することを特徴とする。
【0044】
これによると、電柱の異常を自動的に検出するとともに、異常が検出された場合には、異常が検出された電柱を容易に認識可能に、情報閲覧端末のユーザに知らせることができる。
【0045】
また、第18の発明は、上記第17の発明において、前記電柱画像が、互いに異なる天候条件下で撮像した複数の画像を含むことを特徴とする。
【0046】
これによると、電柱の異常検出を、天候条件に左右されずに精度よく行うことが可能となる。
【0047】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0048】
図1は、本発明の電柱管理システム1の概要を示す構成図である。図1に示すように、この電柱管理システム1は、地図データベース2と、画像取得装置3と、電柱管理装置4と、複数の情報閲覧端末5とを主として備えている。電柱管理システム1の各装置2-5は、専用回線やLAN(Local Area Network)等のネットワーク6を介して互いに接続されている。なお、各装置2-5は、クラウドサーバを介して情報を交換するようにしてもよい。
【0049】
画像取得装置3及び情報閲覧端末5は、保守点検用の巡回車両(以降、単に「車両」と称する)に搭載される。情報閲覧端末5は、車両と、電柱管理システム1を運用する管理センタとにそれぞれ配置される。なお、図1の構成図では、画像取得装置3及び情報閲覧端末5は、別々の車両に搭載されているが、画像取得装置3及び情報閲覧端末5は、同一の車両に搭載してもよい。また、情報閲覧端末5は、ノートパソコンやタブレット端末として保守点検を行う作業員が携帯するものであってもよい。
【0050】
以下、電柱管理システム1の各装置2-5について詳細に説明する。
【0051】
地図データベース2は、電柱の位置が電柱アイコンで示されたデジタル地図を格納している。なお、電柱のデジタル地図上の位置(緯度・経度)を示す情報(以降、「電柱位置情報」と称する)は、電柱を所有する事業者等から提供されるものとする。図2は、地図データベース2に格納されているデジタル地図11の一例を示す図である。図2の例では、デジタル地図11には、道路12と鉄道13が示されており、道路12に沿って、複数の電柱が電柱アイコン14で示されている。なお、電柱アイコン14の色や形の表示形態は任意のものでよい。
【0052】
画像取得装置3は、公知の構成を有するコンピュータと、公知の撮像機能を有する撮像装置(例えばCMOSイメージセンサ等)と、公知のGPS等を利用した位置情報を取得する機能を有していればよい。この画像取得装置3は、撮像装置で電柱を撮像してその電柱を含む画像(以降、「電柱画像」と称する)を取得するとともに、その電柱画像を撮像したときの画像取得装置3のデジタル地図上の位置(緯度・経度)を示す情報(以降、「撮像位置情報」と称する)をGPS等により取得する。そして、画像取得装置3は、電柱画像に撮像位置情報を紐付けて画像データを作成し、作成した画像データを、電柱管理装置4に送信する。
【0053】
なお、電柱画像は、画像取得装置3を搭載した車両を走行させながら撮像してもよいし、車両を停止した静止状態で撮像してもよい。また、電柱画像は静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。本実施形態では、電柱画像は、車両を走行させながら撮像した静止画像を想定している。本実施形態では、画像取得装置3は車両に搭載されており、電柱は、車両が走行する道路から撮像されるので、デジタル地図上における画像取得装置3(車両)の位置を示す撮像位置情報は、デジタル地図上における電柱の位置を示す電柱位置情報とは多少異なる。
【0054】
図3は、画像取得装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。画像取得装置3は、画像取得装置3における各処理を統括的に実行するプロセッサ21、このプロセッサ21のワークエリア等として機能する揮発性メモリであるRAM22、プロセッサ21が実行する制御プログラムやデータを格納する不揮発性メモリであるROM23、画像取得装置3の動作に必要なプログラムやデータを記憶するストレージを有する記憶部24、ユーザに必要な情報を表示するモニタを有する表示部25、ユーザの入力操作を可能とするキーボードやマウス等の入力デバイスを有する入力部26、CMOSイメージセンサ等の撮像装置を有する撮像部27、GPS等により位置情報を取得する位置情報取得部28、ネットワーク6を介した通信を実行する通信モジュールを有する通信部29等を備えている。
【0055】
画像取得装置3の各機能は、図3に示したハードウェア構成において、プロセッサ21が所定の制御プログラムを実行することによって実現可能である。なお、画像取得装置3の機能の少なくとも一部を他の公知のハードウェアによる処理によって代替してもよい。
【0056】
図4は、画像取得装置3における画像取得処理の流れを示すフロー図である。
【0057】
まず、ステップST101では、撮像部27で電柱を撮像し、その電柱を含む画像である電柱画像を取得する。取得した電柱画像は、記憶部24に記憶される。
【0058】
続くステップST102では、位置情報取得部28で、電柱画像を撮像したときの画像取得装置3(すなわち車両)のデジタル地図上の位置を示す撮像位置情報を取得する。取得した撮像位置情報は、記憶部24に記憶される。
【0059】
次のステップST103では、プロセッサ21により、電柱画像と撮像位置情報とを紐付けて画像データを作成する。作成した画像データは、記憶部24に記憶される。
【0060】
そして、次のステップST104では、画像データを電柱管理装置4へ送信する。画像データの送信は、通信部29により、所定のタイミングで適宜行われる。なお、画像データを電柱管理装置4へ送信せずに、メモリカード等の記憶媒体に記憶し、電柱管理装置はメモリカードから画像データを取得するようにしてもよい。この場合は、画像取得装置3に通信部29を設けなくてもよい。また、画像取得装置3は、自装置の識別情報を撮像位置情報と一緒に電柱管理装置4へ送信するようにしてもよい。これによれば、電柱管理装置4は、画像取得装置3の現在位置を取得し管理することができる。
【0061】
電柱管理装置4は、公知の構成を有するサーバ(コンピュータ)から構成されている。この電柱管理装置4には、図2に示すデジタル地図11上に電柱アイコン14で示される電柱に関する情報(電柱データ)が予め登録されており、その電柱データ毎に、画像取得装置3から受信した画像データを紐付けて記憶する。画像データと電柱データとの紐付けは、画像データの撮像位置情報と、電柱データの電柱位置情報とに基づき行われる。電柱データの電柱位置情報は、電柱管理装置4に予め記憶されている。
【0062】
また、電柱管理装置4は、画像取得装置3から受信した画像データの電柱画像を画像解析して、電柱画像中の電柱を強調表示するための電柱強調表示情報を作成する。電柱に設備が設置されている場合には、電柱画像中の設備を強調表示するための設備強調表示情報もさらに作成する。作成した電柱強調表示情報及び設備強調表示情報は、電柱データに紐付けて記憶される。したがって、電柱データには、電柱画像、電柱強調表示情報、及び設備強調表示情報が紐付けられている。
【0063】
そして、電柱管理装置4は、情報閲覧端末5から、該端末5で指定された電柱に関する情報が要求されたときに、その指定された電柱の電柱データに紐付けられた電柱画像、電柱強調表示情報、及び設備強調表示情報を情報閲覧端末5に送信する。
【0064】
また、電柱管理装置4は、すでに電柱画像が記憶されている電柱と同一の電柱の新たな電柱画像を取得した場合には、その電柱について、新たな電柱画像を、すでに記憶されている電柱画像と比較することによって、画像の相違から電柱の異常を検出し、異常が検出された場合には、そのことを情報閲覧端末5に通知する。
【0065】
図5は、電柱管理装置4のハードウェア構成を示すブロック図である。電柱管理装置4は、電柱管理装置4における各処理を統括的に実行するプロセッサ31、このプロセッサ31のワークエリア等として機能する揮発性メモリであるRAM32、プロセッサ31が実行する制御プログラムやデータを格納する不揮発性メモリであるROM33、電柱管理装置4の動作に必要なプログラムやデータを記憶するストレージを有する記憶部34、ユーザに必要な情報を表示するモニタを有する表示部35、ユーザの入力操作を可能とするキーボードやマウス等の入力デバイスを有する入力部36、ネットワーク6を介した通信を実行する通信モジュールを有する通信部37等を備えている。
【0066】
図6は、電柱管理装置4の機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、電柱管理装置4は、画像データ記憶部41、電柱データ記憶部42と、電柱検出部43と、管理データ作成部44と、管理データ記憶部45と、異常検出部46と、情報連結部47とを備えている。
【0067】
図6に示した電柱管理装置4の各機能は、図5に示した電柱管理装置4のハードウェア構成において、プロセッサ31が所定の制御プログラムを実行することにより実現される。また、画像データ記憶部41、電柱データ記憶部42、及び管理データ記憶部45は、電柱管理装置4の記憶部34により実現される。また、画像データ記憶部41と画像取得装置3との通信、異常検出部46と情報閲覧端末との通信、及び情報連結部47と情報閲覧端末との通信は、電柱管理装置4の通信部37により実現される。
【0068】
画像データ記憶部41は、画像取得装置3から受信した画像データを記憶する。前述したように、画像データは、電柱画像と撮像位置情報(デジタル地図上の緯度・経度)とを含んでいる。本実施形態では、電柱画像はJPGデータである。なお、電柱画像のデータ形式は、JPG形式以外のデータ形式であってもよい。
【0069】
図7は、画像データ記憶部41に記憶されている画像データの一例を示す図である。図7に示すように、画像データは、電柱画像の画像ファイル名と、撮像位置情報とを含む。図7の例では、画像ファイル名「1357.jpg」に撮像位置情報「x11、y12」が、画像ファイル名「2468.jpg」に撮像位置情報「x21、y22」が、画像ファイル名「3578.jpg」に撮像位置情報「x31、y32」が、それぞれ紐付けられている。
【0070】
電柱データ記憶部42は、電柱に、その電柱の電柱位置情報(デジタル地図上の緯度・経度)と、電柱及びその電柱に設置されている設備の仕様等に関する情報である設備情報とを紐付けたデータである電柱データを記憶する。電柱は、「営業所名」、「線路名」、及び「電柱番号」により一意に識別される。
【0071】
図8は、電柱データ記憶部42に記憶されている電柱データの一例を示す図である。図8に示すように、電柱データは、「営業所名」、「線路名」、「電柱番号」、「電柱位置情報」、及び「設備情報」を含む。また、「設備情報」に含まれる数値は、その設備の設置数を示す。図8の例では、営業所名「A」、線路名「AAA」、電柱番号「123」の電柱に、電柱位置情報「x41、y42」及び設備情報「設備A:1、設備B:0、設備C:0」が紐付けられており、営業所名「B」、線路名「BBB」、電柱番号「456」の電柱に、電柱位置情報「x51、y52」及び設備情報「設備A:0、設備B:1、設備C:1」が紐付けられており、営業所名「C」、線路名「CCC」、電柱番号「789」の電柱に、電柱位置情報「x61、y62」及び設備情報「設備A:0、設備B:0、設備C:0」が紐付けられている。なお、設置数が0である設備は、「設備情報」に記憶しないようにしてもよい。
【0072】
なお、図8の例では、「設備情報」として、設備の設置数が示されているが、設備情報は、電柱及び設備の他の様々な情報であり得る。また、設備A、設備B、設備Cは、例えば、開閉器、変圧器、SVR(自動電圧調整器)等であり得る。
【0073】
電柱検出部43は、電柱画像から電柱を検出する。また、電柱に設備が設置されている場合には、その設備も電柱画像から検出する。電柱画像からの電柱及び設備の検出は、ディープラーニングやサポートベクターマシン(SVM)等の公知の機械学習手法によって構築した識別器や、テンプレートマッチング等の公知の画像処理手法等を用いて行うことができる。
【0074】
管理データ作成部44は、画像データ記憶部41に記憶されている画像データの撮像位置情報と、電柱データ記憶部42に記憶されている電柱の電柱位置情報とに基づき、電柱画像を電柱データに紐付ける。また、管理データ作成部44は、電柱検出部43での電柱及び設備の検出結果に基づき、公知の画像解析技術を用いて、電柱画像中の電柱を強調表示するための電柱強調表示情報と、電柱画像中の設備を強調表示するための設備強調表示情報とを作成する。作成した電柱強調表示情報及び設備強調表示情報は、電柱データに紐付けられる。
【0075】
本実施形態では、電柱強調表示情報として電柱枠を使用し、設備強調表示情報として設備枠を使用する。電柱枠は、矩形状の枠状の画像であり、電柱画像上に電柱を取り囲むように重畳される。同様に、設備枠も、矩形状の枠状の画像であり、電柱画像上に設備を取り囲むように重畳される。このように、電柱画像中の電柱及び設備を電柱枠及び設備枠で取り囲むことにより、電柱画像中において目的とする電柱及びその設備を容易に見つけることが可能となる。
【0076】
電柱枠及び設備枠は、目立つように、所定の色で表示するようにするとよい。このようにすると、電柱画像中における電柱及び設備をさらに容易に見つけることが可能となる。また、電柱枠及び設備枠は、互いに異なる色で表示するようにするとよい。このようにすると、電柱と設備とを容易に区別することが可能となる。なお、電柱枠及び設備枠の色は、任意の色を設定できるようにしてもよい。また、電柱枠及び設備枠は、必ずしも両方を表示する必要はなく、いずれか一方のみを表示するようにしてもよい。
【0077】
図9は、電柱枠及び設備枠の一例を示す図である。図9の例では、電柱画像中には建物51、木52、電柱53、及び設備54が含まれている。そして、電柱53は電柱枠55で取り囲まれており、電柱53に設置されている設備54は設備枠56で取り囲まれている。また、電柱枠55は赤色で表示されており、設備枠56は黄色で表示されている。なお、電柱枠55及び設備枠56の色は、赤色及び黄色以外の他の様々な色であってもよい。また、図9の例では、電柱には1つの設備しか設置されていないが、電柱に複数の設備が設置されている場合もある。
【0078】
本実施形態では、電柱強調表示情報及び設備強調表示情報として、電柱枠及び設備枠を使用したが、電柱画像中の電柱または設備を強調表示できるのであれば、これに限定されるものではない。例えば、電柱強調表示情報及び設備強調表示情報は文字や記号等であってもよい。この場合は、電柱画像中における電柱または設備の近傍に文字や記号等を目立つように表示することよって、電柱または設備を強調表示するとよい。
【0079】
そして、管理データ作成部44は、電柱データに、画像データと、電柱強調表示情報と、設備強調表示情報とを紐付けたデータである管理データを作成する。本実施形態では、電柱枠及び設備枠は、矩形状の枠の左上の座標と、右下の座標とにより定義する。以降、電柱枠における左上の座標及び右下の座標を「電柱枠座標」と称し、設備枠における左上の座標及び右下の座標を「設備枠座標」と称する。なお、電柱枠及び設備枠は、左上の座標及び右下の座標以外の座標により定義してもよい。
【0080】
管理データ記憶部45は、管理データ作成部44で作成された管理データを記憶する。図10は、管理データ記憶部45に記憶されている管理データの一例を示す図である。図10に示すように、管理データは、「営業所名」、「線路名」、「電柱番号」、「画像ファイル名」、「電柱枠座標」、並びに、設備A~Cについての「設備の数」及び「設備の枠座標(設備枠座標)」を含む。図10の例では、営業所名「A」、線路名「AAA」、電柱番号「123」の電柱に、画像ファイル名「1357.jpg」、電柱の枠座標「(x71、y72)、(x73、y74)」、設備Aの数「1」、設備Aの枠座標「(x75、y76)、(x77、y78)」が紐付けられており、営業所名「B」、線路名「BBB」、電柱番号「456」の電柱に、画像ファイル名「2468.jpg」、電柱の枠座標「(x81、y82)、(x83、y84)」、設備Bの数「1」、設備Bの枠座標「(x85、y86)、(x87、y88)」が紐付けられており、営業所名「C」、線路名「CCC」、電柱番号「789」の電柱に、画像ファイル名「3579.jpg」、電柱の枠座標「(x91、y92)、(x93、y94)」が紐付けられている。
【0081】
なお、図10の例では、各電柱に1つの画像ファイルが紐付けられているが、各電柱に該電柱が含まれる複数の画像ファイルを紐付けるようにしてもよい。また、所望に応じて、画像ファイルは、電柱画像から電柱や設備のみを抜き出した画像であってもよい。このようにすると、画像データ記憶部41に記憶されるデータ量を削減することが可能となる。例えば、各電柱に複数の画像ファイルを紐付ける場合には、複数の画像ファイルのうちの一部の画像ファイルは、データ量を削減するために、電柱画像から電柱や設備のみを抜き出した画像にしてもよい。
【0082】
異常検出部46は、画像データ記憶部41に電柱画像がすでに記憶されている電柱と同一の電柱の新たな電柱画像を画像取得装置3から受信した場合に、公知の画像解析技術を用いて、その電柱について、新たな電柱画像を、画像データ記憶部41にすでに記憶されている電柱画像と比較することによって画像の相違から電柱の異常を検出する。そして、電柱の異常が検出された場合には、そのことを示す異常通知を情報閲覧端末5に送信する。例えば、両画像の比較により、電柱が倒れていたり傾いていたりすることや、電柱に鳥の巣ができたり他の何かが引っかかっていることなどが検出された場合には、そのことを情報閲覧端末5に通知する。なお、どのような状態(画像の相違)のときに異常と判断するかは、予め電柱管理装置4に設定しておくとよい。
【0083】
図11は、異常検出の一例を示す図である。図11(a)は、画像取得装置3から取得した新たな電柱画像を示し、図11(b)は、画像データ記憶部41にすでに記憶されている電柱画像を示す。図11の例では、図11(a)の電柱画像を、図11(b)の電柱画像と比較することにより、「電柱53が傾いている」という異常を検出することができる。なお、図11(a)の電柱画像だけに基づき、ディープラーニングやサポートベクターマシン(SVM)等の公知の機械学習手法によって構築した識別器を用いて異常を検出するようにしてもよい。
【0084】
また、互いに異なる天候条件下で撮像した場合、同一の電柱であっても互いに異なって見える場合がある。例えば、夏季の晴天時に撮像された電柱画像と、冬季の積雪時に撮像された電柱画像とでは、同一の電柱であっても互いに異なって見える。このような場合には、異常がないのにも関わらず、異常があると誤って検出される恐れがある。そこで、このような異常の誤検出を防止するために、図11(b)に加えて、図11(c)のような冬季の積雪時に撮像した電柱画像を予め用意しておき、季節または天候に応じて、図11(a)の電柱画像の比較対象となる電柱画像を変更するようにするとよい。このようにすると、電柱の異常の検出を、天候条件に左右されずに精度よく行うことが可能となる。
【0085】
情報連結部47は、情報閲覧端末5から、該端末5で指定された電柱に関する情報の要求(以降、「リクエスト」と称する)を受信したときに、管理データ記憶部45に記憶されている管理データを参照し、そのリクエストに対応する電柱画像、電柱の枠座標、及び設備の枠座標を読み出して情報閲覧端末5へ送信する。
【0086】
図12は、電柱管理装置4における管理データの作成処理の流れを示すフロー図である。以下の処理は、電柱管理装置4のプロセッサ31により実行される。また、以下の処理は、画像取得装置3を搭載した車両を走行させながら、道沿いに設置された複数の電柱を連続的に撮像することを想定している。
【0087】
まず、ステップST201では、画像取得装置3から画像データを受信する。前述したように、画像データは、電柱画像と撮像位置情報とを含んでいる。画像取得装置3から受信した画像データは、画像データ記憶部41に記憶される。
【0088】
続くステップST202では、画像データに含まれている撮像位置情報と、電柱データ記憶部42に記憶されている電柱の電柱位置情報とを照合する。
【0089】
次のステップST203では、照合の結果が一致したか否かを判定する。このとき、撮像位置情報と電柱位置情報との距離差が予め定められた範囲に収まる場合に、一致したと判定する。一致したと判定された場合(ステップST203:Yes)は、ステップST204に進み、一致しないと判定された場合(ステップST203:No)は、ステップST205に進む。
【0090】
ステップST204では、電柱画像を、照合した電柱データに紐付ける。その後、ステップST206に進む。
【0091】
ステップST205では、電柱画像を、直近に照合した電柱、すなわち、今回照合した電柱の直近に位置する電柱データに紐付ける。その後、ステップST206に進む。
【0092】
ステップST206では、電柱枠を定義する電柱枠座標と、設備枠を定義する設備枠座標とを、それぞれ設定する。前述したように、電柱枠座標及び設備枠座標(以降、総称するときは、「枠座標情報」と称する)は、各枠の左上の座標と右下の座標として設定される(図9参照)。
【0093】
そして、次のステップST207では、電柱画像が紐付けされた電柱データに、枠座標情報をさらに紐付けて管理データを作成する。作成した管理データは、管理データ記憶部45に記憶される(ステップST208)。
【0094】
このようにして、電柱管理装置4は、電柱データに、電柱画像と枠座標情報とを紐付けた管理データを作成することができる。なお、ステップST204及びステップST205での電柱画像と電柱データとを紐付ける作業は、電柱管理装置4のユーザが手動で行ってもよい。
【0095】
図13は、電柱管理装置4における、情報閲覧端末5からのリクエストに対する処理の流れを示すフロー図である。以下の処理は、電柱管理装置4のプロセッサ31により実行される。
【0096】
まず、ステップST301では、情報閲覧端末5から、該端末5で指定された電柱に関する情報の要求(リクエスト)を受信する。
【0097】
続くステップST302では、情報閲覧端末5から指定された電柱に対応する電柱画像を画像データ記憶部41から読み出す。情報閲覧端末5から指定された電柱に対応する電柱画像は、管理データ記憶部45に記憶されている管理データを参照することにより特定することができる。また、指定された電柱に対応する電柱は、指定された電柱の電柱位置情報と、電柱データ記憶部42に記憶されている電柱の電柱位置情報とに基づき識別することができる。
【0098】
次のステップST303では、情報閲覧端末5から指定された電柱に対応する電柱及び設備(設置されている場合)の枠座標情報を管理データ記憶部45から読み出す。
【0099】
続いてステップST304では、電柱及び設備(設置されている場合)についての設備情報を電柱データ記憶部42から読み出す。
【0100】
そして、ステップST305では、読み出した電柱画像、枠座標情報、及び設備情報の各情報を情報閲覧端末5に送信する。
【0101】
このようにして、電柱管理装置4は、情報閲覧端末5からのリクエストに応じて、そのリクエストに対応する電柱の電柱画像、枠座標情報、及び設備情報を情報閲覧端末5送信することができる。なお、情報閲覧端末5から、リクエストとともに情報閲覧端末5の位置情報を取得し、その位置情報に対応するエリアや路線に含まれる全ての電柱の情報を送信するようにしてもよい。あるいは、情報閲覧端末5のユーザから、エリアや路線の指定を受けて、指定されたエリアや路線に含まれる全ての電柱の情報を送信するようにしてもよい。このようにすると、情報閲覧端末5による情報閲覧の対象となると考えられる電柱に関する情報をまとめて送信することができるので便利である。
【0102】
図14は、電柱管理装置4における、異常検出処理の流れを示すフロー図である。以下の処理は、電柱管理装置4のプロセッサ31により実行される。
【0103】
まず、ステップST401では、画像取得装置3から画像データを受信する。前述したように、画像データには、電柱画像及び撮像位置情報が含まれている。
【0104】
続くステップST402では、画像取得装置3から受信した画像データの電柱画像に対応する電柱の過去の電柱画像を画像データ記憶部41から読み出す。受信した画像データの電柱画像に対応する電柱は、受信した画像データの撮像位置情報、または管理データ記憶部45に記憶されている管理データを参照することにより特定することができる。
【0105】
次のステップST403では、公知の画像解析技術を用いて、画像取得装置3から受信した今回の電柱画像を、画像データ記憶部41から読み出した電柱画像と比較して、電柱の異常を検出する。
【0106】
次のステップST404では、異常が検出されたか否かを判定する。異常が検出された場合(ステップST404:Yes)は、次のステップST405に進み、異常が検出されなかった場合(ステップST404:No)は、処理を終了する。
【0107】
ステップST405では、情報閲覧端末5に、どの電柱に異常が検出されたかを通知する。このとき、異常の内容についても通知するようにしてもよい。
【0108】
このようにして、電柱管理装置4は、画像データ記憶部41に電柱画像がすでに記憶されている電柱と同一の電柱の新たな電柱画像を画像取得装置3から取得した場合には、その電柱について、新たな電柱画像を、画像データ記憶部41にすでに記憶されている電柱画像と比較することによって、その電柱の異常を検出することができる。そして、異常が検出された場合には、そのことを情報閲覧端末5に通知することができる。
【0109】
情報閲覧端末5は、例えば、タブレット端末、スマートフォン端末、パーソナルコンピュータ端末等の、表示画面を有する公知の表示装置である。この情報閲覧端末5の表示画面には、地図データベース2に格納されているデジタル地図と、電柱管理装置4から受信した各種情報が表示される。
【0110】
図15は、情報閲覧端末5のハードウェア構成を示すブロック図である。情報閲覧端末5は、情報閲覧端末5における各処理を統括的に実行するプロセッサ61、このプロセッサ61のワークエリア等として機能する揮発性メモリであるRAM62、プロセッサ61が実行する制御プログラムやデータを格納する不揮発性メモリであるROM63、情報閲覧端末5の動作に必要なプログラムやデータを記憶するストレージを有する記憶部64、ユーザに必要な情報を表示するモニタを有する表示部65、ユーザの入力操作を可能とするキーボードやマウス等の入力デバイスを有する入力部66、ネットワーク6を介した通信を実行する通信モジュールを有する通信部67等を備えている。なお、表示部65及び入力部66は、タッチパネルディスプレイとして構成してもよい。
【0111】
情報閲覧端末5の各機能は、図15に示したハードウェア構成において、プロセッサ61が所定の制御プログラムを実行することによって実現可能である。なお、情報閲覧端末5の機能の少なくとも一部を他の公知のハードウェアによる処理によって代替してもよい。
【0112】
図16は、情報閲覧端末5における画像表示処理の流れを示すフロー図である。以下の処理は、情報閲覧端末5のプロセッサ61により実行される。
【0113】
まず、ステップST501では、地図アプリを起動し、電柱が電柱アイコンで示されたデジタル地図(図2参照)を表示部65に表示する。デジタル地図は、情報閲覧端末5から、該端末5の位置情報(デジタル地図上の緯度・経度)を地図データベース2へ送信して、情報閲覧端末5の位置情報に対応するデジタル地図を地図データベース2から取得する。
【0114】
続くステップST502では、情報閲覧端末5のユーザが入力部66を介して、デジタル地図上の所望の電柱アイコンを操作して電柱を指定する。なお、電柱アイコンを操作する代わりに、入力部66を介して、営業所名、線路名、及び電柱番号を入力することにより、電柱を指定してもよい。
【0115】
次に、ステップST503では、通信部67により電柱管理装置4にリクエストを送信し、指定した電柱の電柱画像、枠座標情報、設備情報を電柱管理装置4から受信する。図12のフロー図を参照して説明したように、電柱管理装置4は、情報閲覧端末5からリクエストを受信すると、情報閲覧端末5で指定された電柱の電柱画像、枠座標情報、設備情報を情報閲覧端末5に送信する。
【0116】
続いて、ステップST504では、電柱管理装置4から取得した電柱画像、枠座標情報、設備情報の各情報を表示部65に表示する。各情報は、デジタル地図上の適所に重畳したウィンドウ画面に表示するとよい。
【0117】
図17は、情報閲覧端末5の表示部65に表示されたデジタル地図上に電柱画像のウィンドウ画面を重畳した状態を示す図であり、図18は、図17に示したウィンドウ画面の拡大図である。このウィンドウ画面71は、指定された電柱アイコン14Aを隠さないように、デジタル地図11の左側部分に重畳されている。
【0118】
図17及び図18を参照して、ウィンドウ画面71内には、指定された電柱アイコン14Aに対応する電柱の営業所名「A」、線路名「AAA」、電柱番号「123」、電柱画像72、設備情報73が表示されている。営業所名「A」、線路名「AAA」、電柱番号「123」は、ウィンドウ画面71の上側に表示されており、電柱画像72は、ウィンドウ画面71の上下方向の中央に設けられた画像表示領域74に表示されており、設備情報73は、ウィンドウ画面71の上下方向下側に設けられた情報表示ボックス75に表示されている。なお、表示形態は上記に限定されるものではない。
【0119】
また、情報表示ボックス75には、該ボックス75内に設備情報73を表示する対象(電柱、設備)を切り替えるための切替タブ76が設けられている(図18参照)。図18の例では、切替タブ76は、「電柱」、「設備A」、「設備B」、「設備C」の4つの対象を切り替えることができるように構成されている。情報閲覧端末5のユーザは、切替タブ76を操作することにより、情報表示ボックス75内に設備情報73を表示する対象を切り替えることができる。図17及び図18の例では、切替タブ76は、「電柱」が選択されている。
【0120】
画像表示領域74に表示された電柱画像72中では、電柱53は電柱枠55により取り囲まれており、電柱53に設置されている設備54は、設備枠56により取り囲まれている。これにより、情報閲覧端末5のユーザに対して、電柱画像72中における電柱53及び設備54の位置を視覚的に分かりやすく表示することが可能となる。また、図9を参照して前述したように、電柱枠55及び設備枠56は、目立つように、かつ電柱及び設備を互いに区別できるように、赤色及び黄色でそれぞれ表示されている。
【0121】
また、図19に示すように、電柱枠55及び設備枠56の適所に、「電柱」、「設備」という各枠の名称を表示した名称タブを設けてもよい。このようにすると、情報閲覧端末5のユーザに対して、電柱枠55及び設備枠56の各枠が取り囲んでいる対象(電柱、設備)を知らせることができる。
【0122】
図19の例では、電柱枠55の左上側に、「電柱」という名称を表示した電柱名称タブ57が設けられており、設備枠56の右上側に、「設備」いう名称を表示した設備名称タブ58が設けられている。なお、図19の例では、設備名称タブ58は「設備」という名称を表示しているが、「設備A」、「設備B」、「設備C」等の名称を表示するようにしてもよい。前述したように、設備A、設備B、及び設備Cは、開閉器、変圧器、SVR等であり得る。また、電柱枠55の下に、線路名や電柱番号などの情報を表示するようにしてもよい。
【0123】
なお、電柱画像72中で、電柱画像72内の2点間の距離(例えば、電柱の高さ等)を表示するようにしてもよい。この場合は、画像取得装置3で電柱画像を取得するときに、ステレオカメラ等を用いて電柱画像内の2点間の距離を検出し、検出した距離を示すデータを電柱画像に紐付けて記憶しておくとよい。
【0124】
図16に戻り、ステップST504に続くステップST505では、情報閲覧端末5のユーザは、現在位置から指定した電柱(目的地)までの経路探索を行うか否かを決定する。経路探索を行う場合は、ウィンドウ画面71に設けられた経路探索ボタン77を操作する。経路探索を行う場合は(ステップST505:Yes)は、次のステップST506に進み、経路探索を行わない場合(ステップST505:No)は、処理を終了する。
【0125】
ステップST506では、指定した電柱(目的地)の位置情報と、情報閲覧端末5の位置情報(現在位置)とに基づき、カーナビゲーションシステム等の公知の経路探索技術を用いて、現在位置から目的地までの経路を表示し、目的地まで案内する。
【0126】
このようにして、情報閲覧端末5は、表示部65に表示されたデジタル地図11の電柱アイコン14を操作して電柱を指定したときに、指定された電柱の電柱画像72及び設備情報を電柱管理装置4から取得して表示することができる。また、電柱画像72中における電柱53及び設備54を、電柱枠55及び設備枠56でそれぞれ取り囲んで表示することができる。これにより、情報閲覧端末5のユーザが、電柱画像72中における電柱53及び設備54を容易に見つけることが可能となる。したがって、保守点検作業の省力化が可能となる。とりわけ、大規模な自然災害や事故等が発生した場合に、広範囲において、電柱に関する情報を把握することが容易となる。
【0127】
また、情報閲覧端末5の表示部65には、電柱管理装置4で電柱の異常が検出され、電柱管理装置4から異常通知を受信したときに、その異常通知が表示される。異常通知は、異常通知の対象となった電柱の電柱アイコン14を強調表示することにより表示される。
【0128】
図20は、情報閲覧端末5の表示部65に異常通知を表示した例を示す図である。図20に示すように、情報閲覧端末5の表示部65に表示されたデジタル地図11における異常通知の対象となった電柱の電柱アイコン14Bは、強調して表示される。図20の例では、電柱アイコン14Bをギザギザの円15で取り囲むことにより、電柱アイコン14Bを強調表示している。なお、ギザギザの円15の代わりに、またはそれに加えて、電柱アイコン14Bの近傍に「異常検出」という文字を表示するようにしてもよい。あるいは、異常を検出した画像部分をさらに強調表示するようにしてもよい。
【0129】
また、異常通知とともに、情報閲覧端末5の表示部65にウィンドウ画面71を表示し、このウィンドウ画面71に、異常が検出された電柱に関する情報を表示するようにしてもよい。これにより、情報閲覧端末5のユーザに対して、異常が検出された電柱に関する情報を提供することができる。なお、ウィンドウ画面71に表示する電柱画像は、異常検知時の電柱画像であってもよいし、異常検知される前の正常時の電柱画像であってもよいし、その両方であってもよい。
【0130】
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。また、上記実施形態に示した本発明に係る電柱管理システム及び電柱管理方法の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明に係る電柱管理システム及び電柱管理方法は、電柱を含む画像から目的の電柱を容易に見つけること、並びに目的の電柱に容易に辿り着けることを可能とする、電柱管理システム及び電柱管理方法等として有用である。
【符号の説明】
【0132】
1 電柱管理システム
2 地図データベース
3 画像取得装置
4 電柱管理装置
5 情報閲覧端末
6 ネットワーク
11 デジタル地図
14 電柱アイコン
15 円
53 電柱
54 設備
55 電柱枠(電柱強調表示情報)
56 設備枠(設備強調表示情報)
65 表示部
72 電柱画像
図1
図2
図3
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図20