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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】巻出し装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 23/185 20060101AFI20220119BHJP
   B65H 16/06 20060101ALI20220119BHJP
   B65H 18/06 20060101ALI20220119BHJP
   B65H 23/198 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
B65H23/185
B65H16/06 B
B65H18/06
B65H23/198
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018081388
(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公開番号】P2019189375
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000240341
【氏名又は名称】株式会社ヒラノテクシード
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(72)【発明者】
【氏名】中村 行良
(72)【発明者】
【氏名】北本 昌也
(72)【発明者】
【氏名】小久保 真吾
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-039592(JP,A)
【文献】特開平08-040609(JP,A)
【文献】特開平04-213543(JP,A)
【文献】実開平04-042143(JP,U)
【文献】特開2011-241017(JP,A)
【文献】特開2005-200197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 16/00-16/10
B65H 18/00-18/28
B65H 19/00-19/30
B65H 21/00-21/02
B65H 23/18-23/198
B65H 26/00-26/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブがロール状に巻回された巻芯を自転軸を中心に自転させて、前記ウエブを搬送路に沿って巻出す巻出し装置において、
左右一対になった駆動腕部と受動腕部と、
前記駆動腕部に設けられ、前記巻芯の一端部が装着される巻芯駆動部と、
前記受動腕部に設けられ、前記巻芯の他端部が装着される巻芯受動部と、
少なくとも前記駆動腕部、前記巻芯駆動部、前記受動腕部、又は前記巻芯受動部に設けられ、ロール状に巻回された前記ウエブまでの距離を測定するセンサと、
制御部と、
を有し、
前記巻芯駆動部は、
前記駆動腕部に設けられた筒状の駆動支持部と、
前記駆動支持部に収納され、前記自転軸を中心とした回転を規制した状態で、かつ、前記自転軸方向に沿って移動自在な駆動筒部と、
前記駆動筒部に収納され、前記自転軸を中心に回転自在に、かつ、前記自転軸方向の移動を規制した状態で収納された駆動軸部と、
前記駆動軸部の先端に設けられ、前記巻芯の一端部に嵌合する駆動チャックと、
前記駆動筒部を前記自転軸方向に沿って移動させる駆動シリンダと、
前記駆動腕部に設けられ、前記駆動シリンダを前記自転軸方向に沿って移動させる調整手段と、
前記駆動軸部を回転させる回転手段と、
を有し、
前記巻芯受動部は、
前記受動腕部に設けられた筒状の受動支持部と、
前記受動支持部に収納され、前記自転軸を中心とした回転を規制した状態で、かつ、前記自転軸方向に沿って移動自在な受動筒部と、
前記受動筒部に収納され、前記自転軸を中心に回転自在に、かつ、前記自転軸方向の移動を規制した状態で収納された受動軸部と、
前記受動軸部の先端に設けられ、前記巻芯の他端部に嵌合する受動チャックと、
前記受動筒部を前記自転軸方向に沿って移動させる受動シリンダと、
を有し、
前記制御部は、
前記駆動シリンダで前記自転軸方向に沿って押圧された前記駆動チャックと、前記受動シリンダで前記自転軸方向に沿って押圧された前記受動チャックで、前記巻芯を挟持し、
前記センサが測定した測定距離に基づいて、巻回された前記ウエブの幅方向の中心が、前記搬送路の幅方向の中心になるように前記調整手段で前記駆動シリンダの位置を調整して前記駆動軸を前記駆動筒部から突出させる、
巻出し装置。
【請求項2】
前記調整手段は、調整モータである、
請求項に記載の巻出し装置。
【請求項3】
前記センサは、
前記駆動腕部、又は前記駆動支持部に設けられ、ロール状に巻回された前記ウエブの一端面までの距離を測定する駆動センサと、
前記受動腕部、又は前記受動支持部に設けられ、ロール状に巻回された前記ウエブの他端面までの距離を測定する受動センサと、
を含み、
前記制御部は、
(1)予め長さが決まった基準幅のウエブがロール状に巻回された基準巻芯を前記駆動チャックと前記受動チャックで挟持し、かつ、基準幅の前記ウエブの中心と前記搬送路の幅方向の中心が一致しているときに、前記駆動センサで測定した距離である基準駆動距離と、前記受動センサで測定した距離である基準受動距離とを予め記憶し、
(2)所定の幅の前記ウエブがロール状に巻回された前記巻芯を前記駆動チャックと前記受動チャックで挟持したときに、前記基準幅と前記所定の幅との差の半分の距離である補正距離を求め、
(3)前記基準駆動距離と前記基準受動距離とから左右片側ずつ前記補正距離だけそれぞれ移動させるために、前記調整モータで前記駆動シリンダの位置を調整する、
請求項に記載の巻出し装置。
【請求項4】
前記センサは、距離ラインセンサであり、
前記駆動腕部に縦方向に設けられ、ロール状に巻回された前記ウエブの最大径の一端面までの距離を測定する駆動センサと、
前記受動腕部に縦方向に設けられ、ロール状に巻回された前記ウエブの最大径の他端面までの距離を測定する受動センサと、
を有する請求項に記載の巻出し装置。
【請求項5】
前記センサは、前記駆動腕部、前記駆動支持部、前記受動腕部、又は前記受動支持部のいずれか一箇所に設けられ、
前記制御部は、
(1)予め長さが決まった基準幅のウエブがロール状に巻回された基準巻芯を前記駆動チャックと前記受動チャックで挟持し、かつ、基準幅の前記ウエブの中心と前記搬送路の幅方向の中心が一致しているときに、前記センサで測定した距離である基準距離とを予め記憶し、
(2)所定の幅の前記ウエブがロール状に巻回された前記巻芯を前記駆動チャックと前記受動チャックで挟持したときに、前記基準幅と前記所定の幅との差の半分の距離である補正距離を求め、
(3)前記基準距離から前記補正距離だけ移動させるために、前記調整モータで前記駆動シリンダの位置を調整する、
請求項に記載の巻出し装置。
【請求項6】
前記センサは、距離ラインセンサであり、
前記駆動腕部に縦方向に設けられ、ロール状に巻回された前記ウエブの最大径の一端面までの距離を測定するか、又は、前記受動腕部に縦方向に設けられ、ロール状に巻回された前記ウエブの最大径の他端面までの距離を測定する、
請求項に記載の巻出し装置。
【請求項7】
前記駆動チャックと前記受動チャックで前記巻芯を挟持したときに、前記駆動筒部が、前記駆動支持部から最も突出した状態に前記駆動シリンダによって固定されている、
請求項に記載の巻出し装置。
【請求項8】
前記回転手段は、
前記駆動軸に設けられたシャフトと、
前記シャフトに設けられたプーリと、
駆動モータと、
前記プーリと前記駆動モータを連結して回転力を伝達する連結手段と、
を有する請求項に記載の巻出し装置。
【請求項9】
前記駆動腕部と前記受動腕部とを2組有し、
前記2組の前記駆動腕部と前記受動腕部を公転軸を中心に一体に回転させる主モータをさらに有する、
請求項1に記載の巻出し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム、金属箔、布帛、紙などの長尺状のウエブの巻き出すために用いる巻出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、熱処理や塗工液の塗工を行うウエブを、巻芯から巻き出すために巻出し装置が提案されている。この巻出し装置は、2本の巻芯を有し、各巻芯はウエブを巻き出すために自転する。そして、1本の巻芯のウエブが空になると巻出し位置から取り外し位置にアームを180°公転させ、ウエブが満巻に巻かれた巻芯を巻出し位置に公転させ、その満巻の巻芯でウエブを再び巻き出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-143707号公報
【文献】特開2013-14965号公報
【文献】特開平11-71046号公報
【文献】特開平4-213543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにウエブが満巻に巻かれた巻芯から巻き出される場合に、このウエブの幅方向の中心は、熱処理や塗工を行うための搬送路の幅方向の中心にある必要がある。しかし、巻芯に対しウエブがずれた位置に巻かれていると、ウエブの幅方向の中心が搬送路の幅方向の中心に位置せず、不具合を生じるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、ウエブを巻芯から巻き出す場合に、ウエブの幅方向の中心が搬送路の幅方向の中心になるように調整できる巻出し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ウエブがロール状に巻回された巻芯を自転軸を中心に自転させて、前記ウエブを搬送路に沿って巻出す巻出し装置において、左右一対になった駆動腕部と受動腕部と、前記駆動腕部に設けられ、前記巻芯の一端部が装着される巻芯駆動部と、前記受動腕部に設けられ、前記巻芯の他端部が装着される巻芯受動部と、少なくとも前記駆動腕部、前記巻芯駆動部、前記受動腕部、又は前記巻芯受動部に設けられ、ロール状に巻回された前記ウエブまでの距離を測定するセンサと、制御部と、を有し、前記巻芯駆動部は、前記駆動腕部に設けられた筒状の駆動支持部と、前記駆動支持部に収納され、前記自転軸を中心とした回転を規制した状態で、かつ、前記自転軸方向に沿って移動自在な駆動筒部と、前記駆動筒部に収納され、前記自転軸を中心に回転自在に、かつ、前記自転軸方向の移動を規制した状態で収納された駆動軸部と、前記駆動軸部の先端に設けられ、前記巻芯の一端部に嵌合する駆動チャックと、前記駆動筒部を前記自転軸方向に沿って移動させる駆動シリンダと、前記駆動腕部に設けられ、前記駆動シリンダを前記自転軸方向に沿って移動させる調整手段と、前記駆動軸部を回転させる回転手段と、を有し、前記巻芯受動部は、前記受動腕部に設けられた筒状の受動支持部と、前記受動支持部に収納され、前記自転軸を中心とした回転を規制した状態で、かつ、前記自転軸方向に沿って移動自在な受動筒部と、前記受動筒部に収納され、前記自転軸を中心に回転自在に、かつ、前記自転軸方向の移動を規制した状態で収納された受動軸部と、前記受動軸部の先端に設けられ、前記巻芯の他端部に嵌合する受動チャックと、前記受動筒部を前記自転軸方向に沿って移動させる受動シリンダと、を有し、前記制御部は、前記駆動シリンダで前記自転軸方向に沿って押圧された前記駆動チャックと、前記受動シリンダで前記自転軸方向に沿って押圧された前記受動チャックで、前記巻芯を挟持し、前記センサが測定した測定距離に基づいて、巻回された前記ウエブの幅方向の中心が、前記搬送路の幅方向の中心になるように前記調整手段で前記駆動シリンダの位置を調整して前記駆動軸を前記駆動筒部から突出させる、巻出し装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、調整モータで駆動シリンダの位置を調整して駆動軸を駆動筒部から突出させることにより、ウエブの幅方向の中心と、搬送路の幅方向の中心と一致する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態を示す巻出し装置の右側面図である。
図2】巻芯駆動部の縦断面図である。
図3】巻芯受動部の縦断面図である。
図4】巻芯が装着されていない状態の駆動支持部と受動支持部の一部欠裁縦断面図である。
図5】搬送路の幅方向の中心とウエブの基準幅の中心がずれた状態における駆動支持部と受動支持部の一部欠裁縦断面図である。
図6】搬送路の幅方向の中心とウエブの基準幅の中心が一致した状態の駆動支持部と受動支持部の一部欠裁縦断面図である。
図7】搬送路の幅方向の中心とウエブの基準幅より短い幅の中心が一致した状態の駆動支持部と受動支持部の一部欠裁縦断面図である。
図8】搬送路の幅方向の中心とウエブの基準幅より長い幅の中心が一致した状態の駆動支持部と受動支持部の一部欠裁縦断面図である。
図9】巻出し装置のブロック図である。
図10】変更例3における駆動支持部と受動支持部の一部欠裁縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態の巻出し装置10について図1図9を参照して説明する。
【0010】
本実施形態におけるウエブWは、フィルム、金属箔、布帛、紙などの長尺状のウエブWを意味し、巻芯にロール状に巻回されている。
【0011】
(1)巻出し装置10
巻出し装置10の構成について図1図4図6を参照して説明する。巻出し装置10は、第1巻芯1、第2巻芯2が装着できる。本明細書において、「公転」とは、どちらかの巻芯が空になったときに、第1巻芯1、第2巻芯2が公転軸22を中心に公転軌道に沿って回転して、満巻の巻芯が待機位置から巻出し位置に移動することをいう。「自転」とは、ウエブWを巻き取る場合に第1巻芯1、又は、第2巻芯2が回転することをいう。
【0012】
図1に示すように、巻出し装置10の基台12は水平な載置面に載置されている。基台12からは、図4図6に示すように、左右一対の駆動脚部14と受動脚部16が立設されている。駆動脚部14の上部には、駆動軸受18が設けられ、受動脚部16の上には受動軸受20が設けられている。駆動軸受18と受動軸受20の間には、公転軸22が水平に、かつ、回転自在に配置されている。
【0013】
図1に示すように、公転軸22からは、左右一対の第1駆動腕部24と第1受動腕部26から突出している。この位置から90°離れた位置の公転軸22から左右一対の補助腕部32と左右一対の補助腕部34がそれぞれ突出している。さらに、第1駆動腕部24と第1受動腕部26の位置から180°離れた位置の公転軸22から左右一対の第2駆動腕部28と第2受動腕部30が突出している。
【0014】
左右一対の補助腕部32,32の間には案内ローラ36が回転自在に、かつ、水平に設けられている。左右一対の補助腕部34,34の間には案内ローラ38が回転自在に、かつ、水平に設けられている。巻芯を入れ替えるときに、公転軸22が公転すると補助腕32と補助腕34も公転し、そのときに案内ローラ36、又は、案内ローラ38を経て空の巻芯から満巻の巻芯にウエブWが移動する。
【0015】
図1に示すように、基台12には、公転軸22を公転させる主モータ48と、第1巻芯1を自転させる第1駆動モータ142-1と、第2巻芯2を自転させる第2駆動モータ142-2が設置されている。また、巻出し装置10の制御を行うコンピュータよりなる制御部50も設置されている。
【0016】
図4に示すように、第1駆動腕部24の先端付近には、第1巻芯駆動部100が設けられ、第1受動腕部26の先端付近には第1巻芯受動部200が設けられている。図5に示すように、第1巻芯駆動部100と第1巻芯受動部200との間にウエブWをロール状に巻回した第1巻芯1が装着される。
【0017】
第2駆動腕部28の先端付近には、第2巻芯駆動部100が設けられ、第2受動腕部30の先端付近には第2巻芯受動部200が設けられている。第2巻芯駆動部100と第2巻芯受動部200との間に第2巻芯2が装着される。
【0018】
図4に示すように、第1駆動腕部24と第1受動腕部26の左右方向の中心が、搬送路の幅方向の中心Rに設定されている。
【0019】
(2)第1巻芯駆動部100
次に、第1巻芯駆動部100について図2を参照して説明する。なお、説明をわかりやすくするために図2に合わせて左右を決め、第1巻芯1がある側を左側とする。
【0020】
図2に示すように、筒状の駆動支持部102が、第1駆動腕部24の先端付近に水平方向、すなわち自転軸方向に沿って固定されている。筒状の駆動支持部102は左端部が開口し、右端部が閉塞されている。
【0021】
図2に示すように、駆動筒部104が、筒状の駆動支持部102に同軸に収納されている。駆動筒部104の両端部は開口している。駆動支持部102の内周部と駆動筒部104の外周部の間には、滑り軸受122が設けられ、駆動支持部102の内周部で駆動筒部104が自転軸方向に沿って移動自在となっている。駆動支持部102と駆動筒部104とは、共に回転しない。
【0022】
図2に示すように、駆動軸部106が、駆動筒部104内部に収納されている。駆動軸部106右側には自転軸方向に沿ってスプライン孔110が開口し、このスプライン孔110にはスプラインシャフト112が螺合している。駆動支持部102の右端部には、ベアリング114が設けられ、ベアリング114の外輪が駆動支持部102に固定され、内輪はスプラインシャフト112に固定されている。そして、スプラインシャフト112はこのベアリング114を貫通し、駆動支持部102の右端部から突出している。スプラインシャフト112の右端部にはプーリ116が同軸に設けられている。プーリ116には駆動ベルト118が架け渡されている。プーリ116が駆動ベルト118によって回転することにより、スプラインシャフト112が回転し、駆動軸部106を回転させることができる。駆動軸部106の外周部右端部の全周から突起120が突出し、駆動筒部104の内周面と係合している。突起120により、駆動軸部106は、駆動筒部104と共に自転軸方向に沿って移動し、かつ、駆動軸部106が回転しても、駆動筒部104が回転しない。駆動ベルト118は、基台12に設けられた第1駆動モータ142-1によって回転する。また、駆動ベルト118は、駆動チェーンでもよい。
【0023】
図2に示すように、駆動チャック108が、駆動軸部106の左端部に設けられている。
【0024】
図2に示すように、駆動移動部124の上端部が、駆動筒部104の左端部に設けられ、駆動軸部106が、駆動移動部124を回転自在に貫通している。この回転を自在にするために駆動軸部106と駆動移動部124の間にはベアリング126が設けられている。
【0025】
図2に示すように、エアーシリンダからなる駆動シリンダ128が設けられている。駆動シリンダ128の駆動シャフト130の左端部が、駆動移動部124の下端部に固定され、この駆動シャフト130が自転軸方向に伸縮し、それに伴って駆動移動部124と駆動筒部104が自転軸方向に沿って移動する。駆動シリンダ128は、シリンダ支持部136によって支持され、このシリンダ支持部136は、第1駆動腕部24に設けられたレール138に沿って移動する。
【0026】
図2に示すように、調整モータ132が第1駆動腕部24に設けられ、調整モータ132の調整シャフト134の左端部に駆動シリンダ128が設けられ、調整シャフト134が伸縮すると、駆動シリンダ128は、シリンダ支持部136によってレール138に沿って移動する。
【0027】
図2に示すように、距離センサである駆動センサ140が、駆動支持部102が取り付けられている第1駆動腕部24に設けられている。駆動センサ140は、第1巻芯1にロール状に巻回されたウエブWの右側面までの距離を測定する。
【0028】
第2駆動腕部28も、第1巻芯駆動部100と同様の構成の第2巻芯駆動部を有する。また、第2巻芯駆動部の駆動軸部106のプーリ116は、駆動ベルト118を介して第2駆動モータ142-2によって回転する。
【0029】
(3)第1巻芯受動部200
次に、第1巻芯受動部200について図3図4を参照して説明する。
【0030】
図3に示すように、筒状の受動支持部202が、第1受動腕部26の先端付近に水平方向、すなわち自転軸方向に固定されている。この固定位置は、図4に示すように、駆動支持部102に対応する左右対称の位置である。筒状の受動支持部202は右端部が開口し、左端部が閉塞されている。
【0031】
図3に示すように、受動筒部204が、筒状の受動支持部202に同軸に収納されている。受動筒部204の両端部は開口している。受動支持部202の内周部と受動筒部204の外周部の間には、滑り軸受214が設けられ、自転軸方向に沿って移動自在となっている。受動支持部202と受動筒部204とは、共に回転しない。
【0032】
受動軸部206が、受動筒部204の内部に同軸に収納されている。受動筒部204の内周部には、ベアリング210とベアリング212が設けられ、受動軸部206を回転自在に収納している。また、受動軸部206が受動筒部204に対し自転軸方向に沿って移動しないように不図示の突部によって規制されている。
【0033】
図3に示すように、受動チャック208が、受動軸部206の右端部には設けられている。
【0034】
図3に示すように、受動筒部204の右端部には、受動移動部216の上端部が設けられている。受動軸部206は、この受動移動部216を回転自在に貫通し、かつ、回転可能なように受動移動部216と受動軸部206の間にはベアリング218が設けられている。
【0035】
エアーシリンダからなる受動シリンダ220が第1受動腕部26に固定されている。受動シリンダ220の受動シャフト222の右端部が、受動移動部216の下端部に固定され、この受動シャフト222が自転軸方向に伸縮し、それに伴って受動移動部216と駆動筒部104が自転軸方向に沿って移動する。
【0036】
図3に示すように、距離センサである受動センサ224が、受動支持部202の近傍の第1受動腕部26に設けられている。この受動センサ224は、図4に示すように、駆動センサ140と対応した左右対称の位置に設けられている。受動センサ224は、第1巻芯1にロール状に巻回されたウエブWの左側面までの距離を測定する。
【0037】
第2受動腕部30も、第1巻芯受動部200と同様の構成の第2巻芯受動部を有する。
【0038】
(4)巻出し装置10の電気的構成
次に、巻出し装置10の電気的構成について図1図3図9を参照して説明する。
【0039】
制御部50には、主モータ48が接続され、また、第1巻芯駆動部100の駆動モータ(図1図9では第1駆動モータ142-1)、駆動シリンダ(図9では第1駆動シリンダ128-1)、駆動センサ(図9では第1駆動センサ140-1)、調整モータ(図9では第1調整モータ132-1)、第1巻芯受動部200の受動シリンダ(図9では第1受動シリンダ220-1)、受動センサ(図9では第1受動センサ224-1)が接続され、さらに、第2巻芯駆動部の駆動モータ(図1図9では第2駆動モータ142-2)、駆動シリンダ(図9では第2駆動シリンダ128-2)、駆動センサ(図9では第2駆動センサ140-2)、調整モータ(図9では第2調整モータ132-2)、第2巻芯受動部の受動シリンダ(図9では第2受動シリンダ220-2)、受動センサ(図9では第2受動センサ224-2)が接続されている。
【0040】
(5)巻出し装置10の動作状態
次に、巻出し装置10へ第1巻芯1を装着する工程について図1図4図8を参照して説明する。
【0041】
図1に示すように、初期状態において第1駆動腕部24、第2駆動腕部28を水平状態に固定し、第2駆動腕部24と第2受動腕部30に装着された第2巻芯2からウエブWが巻き出されている。この場合に、第1駆動腕部24と第2受動腕部26の間に装着されている古い第1巻芯1は空芯であるため、ウエブWがロール状に満巻に巻回された新しい第1巻芯1を装着する。そのときの工程について説明する。
【0042】
(5-1)装着前
第1巻芯1の装着前の状態について図4を参照して説明する。
【0043】
制御部50は、第1巻芯駆動部100に関して、駆動シリンダ128によって、駆動筒部104が駆動支持部102に最も収納された状態にする。なお、駆動軸部106と駆動筒部104とは、回転自在に、かつ、自転軸方向の移動に関しては固定されている。
【0044】
制御部50は、第1巻芯受動部200に関して、受動シリンダ220によって、受動筒部204が受動支持部202に最も収納された状態にする。なお、受動軸部206と受動筒部204とは、回転自在に、かつ、自転軸方向の移動に関しては固定されている。
【0045】
(5-2)基準幅の基準巻芯1の装着時
これから装着する第1巻芯1には、幅方向の長さがLのウエブWがロール状に巻回されているとする。以下、この幅方向の長さLを「基準幅」という。また、この基準幅LのウエブWがロール状に巻回された第1巻芯1を基準巻芯1という。図5は、この基準幅Lの第1巻芯1を装着した状態である。
【0046】
図5に示すように、制御部50は、駆動シリンダ128と受動シリンダ220とを動作させ、駆動チャック108と受動チャック208を自転軸方向に移動させ、基準巻芯1を左右両側から挟持する。この場合に、制御部50は、駆動シリンダ128によって駆動筒部104が最も突出した状態で固定し、受動シリンダ220は、その圧力を受動するような状態とする。これによって、基準駆動腕部24と基準受動腕部26との間に基準巻芯1を装着できる。
【0047】
通常、この装着した状態では、基準巻芯1の中心Sと、ロール状に巻回されたウエブWの幅方向の中心Pが一致しているため、基準巻芯1の中心Sを搬送路の幅方向の中心Rに一致させると、ウエブWの幅方向の中心Pが搬送路の幅方向の中心Rと一致する。
【0048】
しかし、図5に示すように、基準巻芯1の中心SとウエブWの幅方向の中心Pが一致せず、搬送路の幅方向の中心Rに対し、駆動側寸法LR、受動側寸法LL(但し、LR>LL)となるようにウエブWがロール状にずれて巻回されているとする。なお、基準幅L=LR+LLである。搬送路の幅方向の中心RとウエブWの基準幅の中心Pとがずれているので、以後の塗工や熱処理などにおいて不具合を生じる。
【0049】
(5-3)初期設定
搬送路の幅方向の中心Rと、ウエブWの基準幅の中心Pとを一致させる初期設定について、図6を参照して説明する。
【0050】
作業者は、基準巻芯1を装着した状態で、制御部50を操作して調整モータ132によって駆動シリンダ128を自転軸方向に移動させ、駆動支持部102に対し駆動筒部104を移動させ、ウエブWの基準幅の中心Pが、搬送路の幅方向の中心Rと一致するように手動で調整する。この場合に、受動シリンダ220は、押圧された力だけ押し返されるため、常に基準巻芯1を安定して挟持できる。
【0051】
基準幅Lの中心Pと搬送路の幅方向の中心Rとが一致したため、このときに、制御部50は、駆動センサ140からロール状に巻回されたウエブWの右面までの駆動基準距離M1を測定し、また、受動センサ224からロール状に巻回されたウエブWの左面までの受動基準距離M2を測定して、記憶する。
【0052】
(5-4)基準幅Lの第1巻芯1の装着
上記のように初期設定を行った後に、基準幅LのウエブWがロール状に巻回された第1巻芯1が、図6に示すように、改めて装着された場合には、制御部50は、調整モータ132によって駆動シリンダ128を自転軸方向に移動させ、駆動センサ140からロール状に巻回されたウエブWの右面までの距離を駆動基準距離M1に設定し、受動センサ224からロール状に巻回されたウエブWの左面までの距離を受動基準距離M2に設定する。これにより、図6に示すように、ウエブWの幅方向の中心Pが、搬送路の幅方向の中心Rと一致し、L/2とL/2となる。なお、基準幅Lと装着した第1巻芯のウエブWの幅には差がないため補正距離は0である。
【0053】
これによって、ウエブWの幅方向の中心Pと搬送路の幅方向の中心Rとが一致し、塗工などを正確にウエブWに行うことができる。
【0054】
この工程が終了した後に、ロール状に巻回されたウエブWの巻出しを行う。
【0055】
なお、第2駆動腕部28と第2受動腕部30についても同様である。
【0056】
(5-5)基準幅Lより短い幅L1を有する第1巻芯1の装着
上記のように初期設定を行った後に、基準幅Lより短いウエブWの幅L1を有する第1巻芯1が装着された場合について、図7を参照して説明する。但し、L=L1+2αとする。以下、αは、補正距離という。
【0057】
制御部50は、L=L1+2αから補正距離α=(L-L1)/2を求める。
【0058】
制御部50は、求めた補正距離αを左右片側ずつ補正するために、調整モータ132によって駆動シリンダ128を自転軸方向に移動させ、駆動センサ140からロール状に巻回されたウエブWの右面までの距離をM1+αに設定し、受動センサ224からロール状に巻回されたウエブWの左面までの距離をM2+αに設定する。これにより、図7に示すように、ウエブWの幅方向の中心Pが、搬送路の幅方向の中心Rと一致し、L1/2とL1/2となる。
【0059】
これによって、ウエブWの幅方向の中心Pと搬送路の幅方向の中心Rとが一致し、塗工などを正確にウエブWに行うことができる。
【0060】
この工程が終了した後に、ロール状に巻回されたウエブWの巻出しを行う。
【0061】
なお、第2駆動腕部28と第2受動腕部30についても同様である。
【0062】
(5-6)基準幅Lより長い幅を有する第1巻芯1の装着
上記のように初期設定を行った後に、基準幅Lより長いウエブWの幅L2を有する第1巻芯1が装着された場合について、図8を参照して説明する。但し、L=L2-2βとする。以下、-βは、補正距離という。
【0063】
制御部50は、L=L2-2βから補正距離-β=(L-L2)/2を求める。
【0064】
制御部50は、求めた補正距離-βを左右片側ずつ補正するために、調整モータ132によって駆動シリンダ128を自転軸方向に移動させ、駆動センサ140からロール状に巻回されたウエブWの右面までの距離をM1-βに設定し、受動センサ224からロール状に巻回されたウエブWの左面までの距離をM2-βに設定する。これにより、図7に示すように、ウエブWの幅方向の中心Pが、搬送路の幅方向の中心Rと一致し、L2/2とL2/2となる。
【0065】
これによって、ウエブWの幅方向の中心Pと搬送路の幅方向の中心Rとが一致し、塗工などを正確にウエブWに行うことができる。
【0066】
この工程が終了した後に、ロール状に巻回されたウエブWの巻出しを行う。
【0067】
なお、第2駆動腕部28と第2受動腕部30についても同様である。
【0068】
(6)効果
以上により本実施形態の巻出し装置10であると、ロール状に巻回されたウエブWの第1巻芯1を第1駆動腕部24と第1受動腕部26との間に装着したまま、ウエブWの幅方向の中心Pと、搬送路の幅方向の中心Rとを一致させることができる。
【0069】
また、第1駆動腕部24と第1受動腕部26との距離Aを予め求め、測定した駆動基準距離M1と受動基準距離M2からウエブWの基準幅Lが、A-M1-M2と計算できる。
【変更例】
【0070】
(1)変更例1
上記実施形態では、第1駆動腕部24と第1受動腕部26にそれぞれ駆動センサ140と受動センサ224を設けたが、これに代えて、例えば駆動センサ140のみを第1駆動腕部24に設けてもよい。
【0071】
制御部50は、ウエブWの幅方向の寸法Lと、第1駆動腕部24から第1受動腕部26までの距離Aを予め記憶する。そして、制御部50は、駆動センサ140が測定したウエブWの右側面までの駆動基準距離M1はそのまま用い、左側面までの受動基準距離M2=A-L-M1として用いる。
【0072】
この変更例1の変更例として、受動センサ224のみを第1受動腕部26に設けても、変更例1と同様に実施できる。
【0073】
(2)変更例2
上記実施形態では、駆動腕部24に駆動センサ140、受動腕部26に受動センサ224を設けたが。駆動支持部102に駆動センサ140、受動支持部202に受動センサ224を設けてもよい。
【0074】
(3)変更例3
上記実施形態では、駆動センサ140と受動センサ224によって、ロール状に巻回したウエブWの両側面の一点までの距離を測定した。しかし、本変更例では、図10に示すように、駆動センサ150と受動センサ250として、駆動腕部24と受動腕部26の縦方向に設けられた距離ラインセンサを用いる。
【0075】
例えば、ウエブWの巻き方が悪く、図10に示すように、竹の子のように巻き方がずれているときに好適である。このときには、巻出し中は常に、巻出し位置が変化するため、搬送路の幅方向の中心RとウエブWの幅方向の中心Pが一致しないこととなる。
【0076】
そのため、本変更例では、駆動センサ150と受動センサ250から、ウエブWの最大径rの位置(巻出し位置)の両側面までの距離を測定し、制御部50は、測定した両距離が、M1(r)とM2(r)となるように調整モータ132でリアルタイムに調整する。すなわち、第1巻芯1にロール状に巻回さているウエブWが基準幅Lのときは、M1(r)=M1、M2(r)=M2となるようにリアルタイムに制御し、ウエブWが基準幅Lより短い幅L1のときは、M1(r)=M1+α、M2(r)=M2+αとなるようにリアルタイムに制御し、ウエブWが基準幅Lより長い幅L2のときは、M1(r)=M1-β、M2(r)=M2-βとなるようにリアルタイムに制御する。
【0077】
また、変更例1における片側のみの駆動センサ140を片側のみの距離ラインセンサに代えて、変更例3を実施してもよい。
【0078】
(4)変更例4
上記実施形態では、調整モータ132が駆動シリンダ128を移動させたが、これに代えて駆動シリンダ128にジャッキを設け、このジャッキと駆動シリンダ128を手動ハンドルで水平に移動させてもよい。この場合には、例えば、作業者が目視でM1+α、M2+αになるように手動ハンドルを操作する。
【0079】
(5)その他
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1・・・第1巻芯、2・・・第2巻芯、10・・・巻出し装置、24・・・第1駆動腕部、26・・・第1受動腕部、100・・・巻芯駆動部、140・・・駆動センサ、200・・・巻芯受動部、224・・・受動センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10