IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エクサの特許一覧

<>
  • 特許-欠陥対策支援システム 図1
  • 特許-欠陥対策支援システム 図2
  • 特許-欠陥対策支援システム 図3
  • 特許-欠陥対策支援システム 図4
  • 特許-欠陥対策支援システム 図5
  • 特許-欠陥対策支援システム 図6
  • 特許-欠陥対策支援システム 図7A
  • 特許-欠陥対策支援システム 図7B
  • 特許-欠陥対策支援システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】欠陥対策支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/36 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
G06F11/36 164
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018091187
(22)【出願日】2018-05-10
(65)【公開番号】P2019197393
(43)【公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】591057256
【氏名又は名称】株式会社エクサ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 響子
(72)【発明者】
【氏名】中倉 知香
(72)【発明者】
【氏名】竹石 大祐
【審査官】川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-254451(JP,A)
【文献】特開平05-028010(JP,A)
【文献】国際公開第2014/020833(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/36
G06N 20/00
G06F 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアが有する欠陥を減少させるための対策を取ることを支援する欠陥対策支援システムであって、
ソフトウェアが有する欠陥内容と欠陥分類との間の第1対応関係をあらかじめ学習した学習器、
前記ソフトウェアが有する欠陥内容を列挙した欠陥リストを用いて、前記欠陥リストが記述している欠陥を分類するように前記学習器に対して要求する第1リクエストを発行する、クライアント端末、
を有し、
前記学習器はさらに、前記欠陥分類に属する欠陥を改善する活動において用いるドキュメントと、前記欠陥分類との間の第2対応関係をあらかじめ学習しており、
前記クライアント端末は、前記欠陥分類に対応する前記ドキュメントを提示するように要求する自然言語文字列を含む第2リクエストを前記学習器に対して発行し、
前記学習器は、前記自然言語文字列が指定している前記欠陥分類を言語解析によって推測した上で、最も確度が高い推測結果を前記第2リクエストに対する応答として出力する
ことを特徴とする欠陥対策支援システム。
【請求項2】
前記クライアント端末は、前記第2リクエストに対する応答として受け取った前記欠陥分類の推測結果に対応する前記ドキュメントを提示するように要求する第3リクエストを前記学習器に対して発行し、
前記学習器は、前記第3リクエストが指定する前記欠陥分類に対応する前記ドキュメントのうち対応関係の確度が最も高いものから順に1つ以上を、前記第3リクエストに対する応答として提示する
ことを特徴とする請求項1記載の欠陥対策支援システム。
【請求項3】
前記クライアント端末は、前記第2リクエストに対する応答として受け取った前記欠陥分類の推測結果が正しくない旨を通知する第4リクエストを前記学習器に対して発行し、
前記学習器は、前記自然言語文字列が指定している前記欠陥分類の推測結果のうち確度が2番目に高いものから順に1つ以上を、前記第4リクエストに対する応答として提示する
ことを特徴とする請求項1記載の欠陥対策支援システム。
【請求項4】
前記クライアント端末は、前記第4リクエストに対する応答として受け取った前記欠陥分類の推測結果が正しくない旨を指定する操作入力を受け取ると、前記自然言語文字列の表現を修正するよう促すメッセージを出力する
ことを特徴とする請求項3記載の欠陥対策支援システム。
【請求項5】
前記学習器は、前記第2対応関係と併せて前記ドキュメントのタイトルをあらかじめ記憶しており、
前記学習器は、前記第3リクエストに対する応答として、前記ドキュメントのタイトルを提示する
ことを特徴とする請求項2記載の欠陥対策支援システム。
【請求項6】
前記学習器は、前記第2対応関係と併せて、前記ドキュメントのうち前記欠陥分類に関連する記述を含む1以上のサマリをあらかじめ記憶しており、
前記学習器は、前記第3リクエストに対する応答として、前記ドキュメントのサマリのリストを提示する
ことを特徴とする請求項2記載の欠陥対策支援システム。
【請求項7】
前記クライアント端末は、前記サマリのリストのうちいずれかを指定してその内容を提示するよう要求する第5リクエストを前記学習器に対して発行し、
前記学習器は、前記第5リクエストが指定する前記サマリの内容を、前記第5リクエストに対する応答として提示する
ことを特徴とする請求項6記載の欠陥対策支援システム。
【請求項8】
前記学習器は、前記第1リクエストに対する応答として、前記欠陥リストが記述している欠陥が属する欠陥分類とその確度を応答し、
前記クライアント端末は、前記第1リクエストに対する応答を受け取ると、前記確度が所定閾値以上の前記欠陥分類についてはその旨を画面上で示唆する確度マークを提示するとともに、前記確度が前記所定閾値未満の前記欠陥分類については訂正候補を画面上に表示する
ことを特徴とする請求項1記載の欠陥対策支援システム。
【請求項9】
前記クライアント端末は、前記確度が所定閾値以上の前記欠陥分類については画面上で訂正候補を選択できない状態でGUIを提示するとともに、画面上で訂正候補を選択できるように前記GUIを変更するスイッチを提示し、
前記クライアント端末は、前記スイッチに対して入力された操作入力にしたがって、前記確度が所定閾値以上の前記欠陥分類について画面上で訂正候補を選択できるか否かを切り替える
ことを特徴とする請求項8記載の欠陥対策支援システム。
【請求項10】
前記クライアント端末は、前記スイッチを前記確度マークとして画面上で提示し、
前記GUIは、前記確度が前記所定閾値以上であることを前記確度マークが示しているときは、前記確度が所定閾値以上の前記欠陥分類について画面上で訂正候補を選択することができない状態となり、
前記GUIは、前記確度が前記所定閾値未満であることを前記確度マークが示しているときは、前記確度が所定閾値以上の前記欠陥分類について画面上で訂正候補を選択することができる状態となる
ことを特徴とする請求項9記載の欠陥対策支援システム。
【請求項11】
前記クライアント端末は、前記第1リクエストに対する応答を受け取ると、前記欠陥リストが記述している欠陥が属する欠陥分類を集計してその集計結果を提示する
ことを特徴とする請求項1記載の欠陥対策支援システム。
【請求項12】
前記学習器は、前記欠陥分類ごと、前記ソフトウェアを構成するモジュールごと、前記ソフトウェアを開発した開発者ごと、または前記開発者が所属する組織ごとの少なくともいずれかの単位で、前記第1対応関係をあらかじめ学習しており、
前記クライアント端末は、前記第1リクエストに対する応答を受け取ると、前記欠陥リストが記述している欠陥が属する欠陥分類を、前記欠陥分類ごと、前記モジュールごと、前記開発者ごと、または前記組織ごとの少なくともいずれかの単位で集計してその集計結果を提示する
ことを特徴とする請求項11記載の欠陥対策支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトウェアが有する欠陥を減少させるための対策を取ることを支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェアが有する欠陥を減少させるためには、例えば適切なチェック手順や教育体制を確立するなどの対処をとることが有用である。しかし有効な施策は欠陥の種別によって異なるので、有効な施策をとるためには、減少させようとしている欠陥の種別を特定する必要がある。
【0003】
下記特許文献1は、システム障害に対する対処方法を記述したマニュアルを検索する技術について記載している。同文献は、『事前設定なしにマニュアル検索の手間を削減すること。』を課題として、『監視サーバ10は、監視対象装置の障害に関する障害情報と障害情報が該当する障害の分類とを含む履歴情報を参照し、履歴情報に含まれる障害情報を構成する要素を用いて、各障害情報をベクトル表現のデータ形式へ変換する手順を決定し、手順に従って履歴情報に含まれる障害情報を変換する。監視サーバ10は、ベクトル表現のデータ形式の障害情報と障害の分類とを学習データとし、障害の分類を判定する判定処理に適用する判定モデルを生成する。監視サーバ10は、手順にしたがって障害発生時に生成された障害情報を変換し、判定モデルを用いてベクトル表現のデータ形式へ変換された障害情報から障害の分類を判定する。監視サーバ10は、監視対象装置の障害の分類と分類に該当する障害への対処方法とを含むマニュアルを参照し、障害の分類に対応するマニュアルから対処方法を抽出する。』という技術を開示している(要約参照)。
【0004】
下記特許文献2は、システム障害対策について記載している。同文献は、『障害発生時の問合せにより類似する障害対策事例を迅速に情報提供することによって、障害対応の経験の少ないクライアントでも、障害対策事例から殆どの場合自分で障害対策が行える方法を提供することを目的とする。』ことを課題として、『障害を分類対策するための障害対策情報(障害分類条件や分類条件毎の障害対策事例、プログラム別の障害担当者、およびプログラム毎の採取操作資料など)をサーバに蓄積しておき、クライアントが問合せした障害に対して、対応する障害対策事例などの障害対策情報を抽出してクライアントに表示する。クライアントは、その障害対策情報をみることにより、殆ど自分で対策することができる。自分で対策できない場合は、障害対策情報を採取して、プログラム別の障害対策担当者にデータ電送し対策を依頼する。』という技術を開示している(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-254451号公報
【文献】特開2002-297796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1においては、障害分類とその対処方法マニュアルとの間の対応関係をあらかじめ画面上で選択して記憶しておき、障害が発生した際にはその対応関係にしたがって対処方法マニュアルを特定する(同文献の0025、図4参照)。このような手順においては、障害分類と対処方法との間の関係は概ね一意に定まると考えられるので、ある障害分類に対して提示された対処方法が適切ではなかったとき、別の対処方法を提示することは困難であると考えられる。また同文献は、個別の障害に対する対処のための技術であり、ある欠陥分類を減少させるための改善活動において用いる施策を特定することは想定されていないと考えられる。
【0007】
上記特許文献2においては、過去の障害対策事例を参考にして対処方法を提示するものである。例えば同文献の0038と図3においては、障害問い合わせ内容に対応する過去の回答事例を表示することが記載されている。このような手法は、特許文献1と同様に、個別の障害に対する対処のための技術であり、ある欠陥分類を減少させるための改善活動において用いる施策を特定することは想定されていないと考えられる。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、ソフトウェアが有する欠陥を減少させるための改善活動において、有用な施策を取ることを支援する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る欠陥対策支援システムは、ソフトウェアが有する欠陥内容とその欠陥分類との間の対応関係をあらかじめ学習しており、前記欠陥分類を改善するために用いるドキュメントを要求する自然言語文字列のリクエストを受け取ると、前記自然言語文字列が指定している欠陥分類を言語解析によって推定した上で、最も確度が高い推定結果を応答する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る欠陥対策支援システムによれば、指定された欠陥分類を改善するために用いるドキュメントを提示することにより、改善活動を効果的に支援することができる。さらに、ユーザがいずれの欠陥分類についての改善活動をしようとしているのかをできる限り素早く特定するために、自然言語文字列によるリクエスト内に明示的または暗黙的に含まれる欠陥分類を推測し、その推測結果をリクエストに対する応答としていったん提示する。したがってユーザは、どの欠陥分類を指定したのかを学習器が理解しているか否か判別することができる。これにより、ユーザが希望する欠陥分類を素早く特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係る欠陥対策支援システム10の構成図である。
図2】欠陥リスト210の構成例である。
図3】クライアント端末200が提供する分類結果表示画面220の構成例である。
図4】クライアント端末200が提供する集計画面230の例である。
図5】クライアント端末200が提供するドキュメント照会画面240の構成例である。
図6】ドキュメント照会画面240がドキュメントを提示するときの画面例である。
図7A】ドキュメントのサマリを提示する場合の画面例である。
図7B図7Aの続きである。
図8】欠陥分類を特定できなかった場合の画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る欠陥対策支援システム10の構成図である。欠陥対策支援システム10は、例えばプロジェクトマネージャなどのユーザが、ソフトウェアの有する欠陥を減少させるためにとるべき対策をアドバイスするシステムである。欠陥対策支援システム10は、欠陥対策支援サーバ100とクライアント端末200を有する。
【0013】
欠陥対策支援サーバ100は、欠陥分類部110、言語解析部120、文書取得部130、人工知能140(学習器)を備える。欠陥分類部110は、後述する欠陥リスト210内の欠陥内容を分類するよう要求するリクエストをクライアント端末200から受け取り、分類結果をクライアント端末200に対して返信する。リクエストの例については後述する。言語解析部120は、後述するドキュメントリクエストに含まれる自然言語文字列を解析する。解析例については後述する。文書取得部130は、特定の欠陥分類を減少させるための活動において用いるべきドキュメントを要求するリクエストをクライアント端末200から受け取り、対応するドキュメントをクライアント端末200に対して提示する。具体例は後述する。人工知能140の詳細については後述する。
【0014】
図2は、欠陥リスト210の構成例である。クライアント端末200のユーザは、例えば自身が所属しているプロジェクトにおいてこれまで開発してきたソフトウェアのテストによって得られた欠陥を、欠陥リスト210として記録している。欠陥リスト210はデータフィールドとして、No211、モジュール212、開発者所属213、開発者214、事象215、原因216、修正内容217を有する。
【0015】
No211は、欠陥リスト210内におけるレコードの通番である。モジュール212は、欠陥を有していたソフトウェアのモジュールを特定するデータ(例えばモジュール名など)である。開発者所属213と開発者214は、当該モジュールを開発者とその所属(例えば社内の部門、開発会社など)である。事象215は、テストにおいて検出された欠陥内容(すなわち欠陥そのもの)を記述している。原因216は、欠陥の原因を記述している。修正内容217は、欠陥を修正するために実施した作業内容を記述している。
【0016】
図3は、クライアント端末200が提供する分類結果表示画面220の構成例である。ユーザはクライアント端末200を介して、欠陥対策支援サーバ100に対して、欠陥リスト210が記述している欠陥を分類するよう要求するリクエストを発行する。クライアント端末200は、リクエストと併せて欠陥リスト210を欠陥対策支援サーバ100に対して送信する。欠陥分類部110はそのリクエストにしたがって欠陥を分類し、分類結果を応答する。クライアント端末200は、欠陥対策支援サーバ100から受け取った欠陥分類を、分類結果表示画面220上に表示する。欠陥対策支援サーバ100が実施する処理手順については後述する。
【0017】
分類結果表示画面220は、表示項目として、欠陥分類221、確度222、評価223、訂正分類224、出力ボタン225を有する。さらに図2で説明したNo221~修正内容217を併せて表示する。
【0018】
欠陥分類221は、欠陥対策支援サーバ100が欠陥(すなわち事象215)を分類した結果である。例えば「初期化誤り」などの分類がこれに相当する。確度222は、欠陥対策支援サーバ100が欠陥を分類した結果の確度である。評価223は、確度222が所定閾値(例えば75%)以上であるか否かを示すマークである。訂正分類224は、クライアント端末200のユーザが欠陥分類221をマニュアル修正するためのインターフェースであり、例えば欠陥分類のリストをプルダウン選択ボックスによって提示する。ユーザが出力ボタン225を押下すると、クライアント端末200は分類結果表示画面220が表示しているデータを適当なフォーマットでクライアント端末200上の記憶装置に対して出力する。欠陥分類221が訂正分類224によって修正されている場合は、修正後の内容を出力する。
【0019】
<実施の形態1:サーバ処理手順>
欠陥対策支援サーバ100は、クライアント端末200から分類リクエストを受け取ると、欠陥リスト210が記述している各欠陥内容を人工知能140に対して引き渡す。人工知能140は、欠陥内容と欠陥分類との間の対応関係をあらかじめ学習し、その結果を欠陥分類学習結果141として保持している。人工知能140は、欠陥分類学習結果141を用いて、受け取った欠陥内容をいずれかの欠陥分類へ分類する。
【0020】
事象215は、必ずしもあらかじめ作成された欠陥分類そのものを記述しているわけではなく、例えば自然言語文字列によって記述されている場合がある。人工知能140は、そのような曖昧な表現によって記述された事象215と欠陥分類との間の対応関係を、適当な学習手法によってあらかじめ学習する。さらには、事象215が同じであっても、原因216と修正内容217の組み合わせによっては、全く異なる欠陥内容とみなすことができる場合もある。したがって人工知能140は、事象215に対応する欠陥分類に加えて、事象215/原因216/修正内容217の組み合わせに対応する欠陥分類を学習することもできる。
【0021】
このように、欠陥リスト210が記述している欠陥内容は、いずれかの欠陥分類に対して一意に分類されるものではなく、いずれの欠陥分類に属するのかについて複数の候補が存在し得る。従来はそのような複数の分類候補のなかから、欠陥対策支援チームの人員が経験に基づき欠陥内容を特定していた。したがって、欠陥対策支援チームのリソース範囲内でしか対策支援ができなかった。そこで本実施形態1においては、欠陥内容と欠陥分類との間の対応関係を人工知能140があらかじめ学習することにより、欠陥分類作業を自動化することを図っている。
【0022】
ただし人工知能140があらかじめ学習する欠陥分類学習結果141も、全ての欠陥内容についての欠陥分類を記述しているわけではない。したがって人工知能140は、欠陥内容を分類するとともに、その分類結果の確度を出力する。例えば既存の欠陥分類学習結果141と分類結果との間の距離に基づき、確度を算出することができる。その他適当な手法を用いてもよい。分類結果表示画面220は、欠陥分類部110を介して人工知能140が出力する分類結果とその確度を、欠陥分類221と確度222としてそれぞれ表示する。
【0023】
確度222が閾値以上であっても誤っている場合はあるので、ユーザは欠陥分類221を訂正できることが望ましい。例えばクライアント端末200は、確度222が閾値以上である場合はその旨のマークを評価223上に表示するとともに、訂正分類224を画面上で操作できないようにする。ユーザが評価223上のマークをクリックするとマークがOFFになるとともに、訂正分類224上で訂正後の欠陥分類を画面上で指定できるようになる。
【0024】
訂正分類224が提示する訂正候補リストは、規定のものを提示してもよいし、欠陥分類学習結果141が記述している全ての欠陥分類を欠陥対策支援サーバ100からクライアント端末200に対していずれかの時点で通知することによりリストアップしてもよい。
【0025】
図4は、クライアント端末200が提供する集計画面230の例である。クライアント端末200は、欠陥対策支援サーバ100から受け取った分類結果を集計し、その結果を集計画面230として表示することができる。集計画面230は例えば、欠陥分類ごと/モジュール212ごと/開発者所属213ごと/開発者214ごと、などの単位で欠陥分類結果を集計することができる。その他適当な単位で分類してもよい。
【0026】
図4左上は、欠陥リスト210内に含まれる欠陥分類ごとの割合を表示する集計結果である。図4右上は、欠陥分類1を有するモジュール212の割合を表示する集計結果である。図4左下は、欠陥分類1に関与している開発者所属213の割合を表示する集計結果である。図4右下は、欠陥分類1に関与している開発者214の割合を表示する集計結果である。このような集計結果を提示することにより、ユーザはソフトウェアがいずれの欠陥分類を有する傾向にあるのか把握できるとともに、欠陥分類ごとにその原因となっているモジュールや開発者などを推定することができる。
【0027】
ユーザは例えば集計画面230などを介して、ソフトウェアが有する欠陥の傾向を把握する。ユーザはその欠陥を減少させるための改善活動において用いるべきドキュメントを提示するよう要求するリクエストを、クライアント端末200経由で欠陥対策支援サーバ100に対して発行する。欠陥対策支援サーバ100は、対策文書学習結果142を用いて、クライアント端末200が指定する欠陥分類に対応するドキュメントを特定し、クライアント端末200に対して提示する。このときの欠陥対策支援サーバ100の詳細動作については実施形態2で説明する。
【0028】
<実施の形態1:まとめ>
本実施形態1に係る欠陥対策支援システム10において、人工知能140は欠陥内容と欠陥分類との間の対応関係を欠陥分類学習結果141としてあらかじめ学習しており、欠陥分類部110はクライアント端末200からのリクエストに応じて、指定された欠陥内容に対応する欠陥分類とその確度を応答する。これによりユーザは、欠陥リスト210を欠陥対策支援サーバ100に対して提示するのみで、欠陥分類を得ることができる。さらに分類結果の確度を併せて提示することにより、ユーザ自身による判断を加えることもできる。
【0029】
本実施形態1に係る欠陥対策支援システム10において、分類結果表示画面220は、確度222が閾値以上である欠陥分類221については、訂正分類224を選択できない状態を初期状態として提示するとともに、評価223上のマークをクリックすると訂正分類224を選択できる状態に変更する。これにより、ユーザがマニュアル操作で欠陥を分類する負担を低減しつつ、ユーザ自身による判断を自動分類結果に対して加えることもできる。また訂正分類224を選択できないのが初期状態であるので、ユーザによる誤操作を抑制することもできる。
【0030】
本実施形態1に係る欠陥対策支援システム10において、集計画面230は、欠陥対策支援サーバ100による欠陥分類の集計結果を表示する。これにより、ソフトウェアが有する欠陥の傾向をユーザが把握できることに加え、ソフトウェア開発工程においてその欠陥をもたらす原因になっている要素を集計結果に基づき推測することができる。
【0031】
<実施の形態2>
実施形態1においては、主に欠陥分類部110が人工知能140による欠陥分類結果を回答する機能について説明した。本発明の実施形態2では、言語解析部120と文書取得部130の具体的動作例についてさらに説明する。
【0032】
図5は、クライアント端末200が提供するドキュメント照会画面240の構成例である。クライアント端末200は、ユーザが欠陥分類を指定し、その欠陥分類を減少させるための改善活動において用いるドキュメントを照会するためのインターフェースを、ドキュメント照会画面240として提供する。ドキュメント照会画面240は、図5に例示するように対話型のインターフェースとして提供することができる。
【0033】
ユーザはドキュメント照会画面240上で欠陥分類を指定することにより、その欠陥分類を減少させるための活動において用いるドキュメントを提示するように、欠陥対策支援サーバ100に対してリクエストを発行する。ただしユーザはソフトウェアが有する欠陥分類の名称を必ずしも把握していない場合があり、さらには漠然とした改善要求はあるもののその改善対象を明確に把握していない場合もある。そこでユーザは、リクエスト文字列241が例示するように、自然言語文字列を用いて、リクエストを記述することができる。クライアント端末200は、リクエスト文字列241を欠陥対策支援サーバ100に対して送信する。
【0034】
言語解析部120は、クライアント端末200からリクエスト文字列241を受け取って、その内容を解析する。例えば、リクエスト文字列241を単語に分解するなどして、欠陥分類または欠陥分類に類似する文字列を抽出する。言語解析部120は、リクエスト文字列241内に含まれる文字列のうち、欠陥分類学習結果141内に含まれる欠陥分類に最も近いものを推定し、その結果をクライアント端末200に対して返信する。すなわち推定によって得られた欠陥分類のなかで最も推定確度が高いものを返信する。
【0035】
ドキュメント照会画面240は、言語解析部120から受け取った欠陥分類が、リクエスト文字列241によって意図されている欠陥分類であるか否かをユーザに対して問い合わせる確認ウインドウ242を表示する。例えば言語解析部120が推定した欠陥分類が「初期値化誤り」であった場合は、図5に示すような確認ウインドウ242を表示する。ユーザは、推定結果が正しければ「はい」を選択し、正しくなければ「いいえ」を選択する。
【0036】
ユーザが「いいえ」を選択した場合、クライアント端末200はさらに、第2順位以降の確度の推定結果を提示するように、欠陥対策支援サーバ100に対してリクエストを発行する。言語解析部120は、先に実施した推定において得られた第2順位以降の確度の欠陥分類を返信する。ドキュメント照会画面240は、言語解析部120から受け取った欠陥分類のリスト243を提示する。ここでは第2順位~第4順位の欠陥分類を提示する例を示した。
【0037】
図5に例示するように、リクエスト文字列241が指定する欠陥分類を推定した結果をいったん提示するのは、以下の理由による。ユーザが指定する欠陥分類は、必ずしも欠陥分類学習結果141が保持している欠陥分類とは合致しない場合もある。リクエスト文字列241のように自然言語文字列を用いて欠陥分類を指定した場合は、その傾向がさらに高まる。そこで欠陥対策支援システム10は、ユーザが改善活動を実施しようとしている対象の欠陥分類をまず特定することとした。図5のような手順を実施することにより、曖昧な表現によって欠陥分類が指定された場合であっても、ユーザの希望を早い段階で確定することができる。
【0038】
図6は、ドキュメント照会画面240がドキュメントを提示するときの画面例である。ユーザが確認ウインドウ242において「はい」を選択するか、またはリスト243内のいずれかの欠陥分類を選択すると、クライアント端末200はその選択した欠陥分類を減少させるための活動において用いるドキュメントを提示するように、欠陥対策支援サーバ100に対して改めてリクエストを発行する。
【0039】
人工知能140は、欠陥分類と、その欠陥分類を減少させるための活動において用いるのが効果的であるドキュメントとの間の対応関係をあらかじめ学習し、その学習結果を対策文書学習結果142として保持している。文書取得部130は、対策文書学習結果142を用いて、指定された欠陥分類に対応するドキュメントを特定し、その特定結果を返信する。
【0040】
ドキュメント照会画面240は、文書取得部130から受け取ったドキュメントを、文書リスト244として提示する。必ずしもドキュメントの内容そのものを提示する必要はない。例えば人工知能140は、対策文書学習結果142内に各ドキュメントのタイトルとリンク先を併せて保持しておき、文書取得部130はそのタイトルとリンク先を返信することができる。文書リスト244はそのタイトルとリンクを提示すればよい。複数のドキュメントが対応する場合はそのリストを提示すればよい。後述する図7Bにおいても同様である。
【0041】
対策ドキュメントのタイプが複数存在する場合、ドキュメント照会画面240は、タイプ確認ウインドウ245を表示してもよい。タイプ確認ウインドウ245は、ユーザがいずれのドキュメントタイプを所望するかを選択するためのインターフェースである。ドキュメントタイプは、例えば対策文書学習結果142内に各ドキュメントのタイプを欠陥分類ごとに保持しておいて文書取得部130がこれをクライアント端末200に対して送信してもよいし、規定のドキュメントタイプをドキュメント照会画面240が選択肢として提示してもよい。図6においてはドキュメントタイプとして「教育資料」「チェックシート」の2つを例示した。
【0042】
図7Aは、ドキュメントのサマリを提示する場合の画面例である。ドキュメントタイプによっては、ユーザがドキュメントそのものを取得する前に、サマリを提示することが有用な場合もある。例えばスプレッドシートによって記述された定型ドキュメントは、項目ごとに区分して記述されていることが多いので、その項目ごとにサマリを提示することが比較的容易である。ここではそのような例を説明する。
【0043】
ユーザは図5で説明した確認ウインドウ242上で「はい」を選択したものとする。ユーザはさらに図7Aにおいて、タイプ確認ウインドウ245上で「チェックシート」を選択したものとする。したがってユーザは、欠陥分類「初期値化誤り」に対応する「チェックシート」を提示するようリクエストしていることになる。
【0044】
ドキュメントが項目ごとに区分して記述されている場合、人工知能140は欠陥分類とドキュメントとの間の対応関係を学習するとともに、そのドキュメントが記述している項目を対策文書学習結果142内に格納することができる。文書取得部130は、指定された欠陥分類とドキュメントタイプに対応する項目を返信する。
【0045】
ドキュメント照会画面240は、文書取得部130から受け取った項目を、項目リスト246上に表示する。必ずしも単一のドキュメントから取得した項目を表示する必要はなく、同じ欠陥分類とドキュメントタイプに対応する複数のドキュメント内に含まれる項目をまとめて表示してもよい。例えばチェックシート1は欠陥分類「初期値化誤り」に関するチェック項目として「初期値化の不備」「初期値化位置の不備」を記述しており、チェックシート2は欠陥分類「初期値化誤り」に関するチェック項目として「初期値化の考慮漏れ」を記述している場合、項目リスト246は図7Aに示すように表示することができる。
【0046】
図7Bは、図7Aの続きである。ユーザが項目リスト246上でいずれかの項目を選択すると、クライアント端末200はその項目のサマリを欠陥対策支援サーバ100に対してリクエストする。ここではチェック項目「初期値化の不備」のサマリをリクエストした例を示した。
【0047】
人工知能140は、ドキュメントが記述している項目と併せて、その項目のサマリを対策文書学習結果142内に格納することができる。例えばドキュメントが記述しているセクションタイトルを項目名として格納するとともに、そのセクションの内容をサマリとして格納することができる。必ずしも内容の要約を格納する必要はなく、ドキュメントの内容そのものをサマリとしてもよい。サマリを格納する場合は、マニュアルによって作成したサマリを格納してもよいし、適当な手法により生成したサマリを格納してもよい。文書取得部130は、指定された欠陥分類/ドキュメントタイプ/項目に対応するサマリを返信する。
【0048】
ドキュメント照会画面240は、文書取得部130から受け取ったサマリを、サマリ247上に表示する。サマリ247はさらに、ドキュメントに対するリンクを提示する。ユーザはサマリ247の内容が希望に合致していれば、リンクを介してドキュメントを取得することができる。
【0049】
図8は、欠陥分類を特定できなかった場合の画面例である。ユーザがリスト243上で「どれでもない」を選択した場合、欠陥分類部110はリクエスト文字列241から欠陥分類を特定できなかったことになる。この場合はリクエスト文字列241を変更する必要があるので、ドキュメント照会画面240はユーザに対してその旨を促すメッセージ248を表示する。
【0050】
<実施の形態2:まとめ>
本実施形態2に係る欠陥対策支援システム10において、言語解析部120は、ユーザが自然言語によって入力したリクエスト文字列241を解析することにより、ユーザがドキュメントを提示するよう希望している欠陥分類を推定し、最も確度が高い推定結果を返信する。ドキュメント照会画面240は、その推定結果を確認ウインドウ242上に提示する。推定結果が誤っている場合は、リスト243上で第2順位以降の推定結果を提示することができる。これにより、ユーザは自然言語によってリクエストを自由に記述することができることに加えて、ユーザが希望している欠陥分類を早い段階で確定することができるので、リクエスト入力形式と操作性の観点からユーザの利便性を確保することができる。
【0051】
本実施形態2に係る欠陥対策支援システム10において、人工知能140は対策文書学習結果142と併せてドキュメントのタイトルを記憶しており、文書取得部130はユーザが指定する欠陥分類に対応するドキュメントのタイトルを返信する。ドキュメント照会画面240はそのタイトルとドキュメントへのリンクを文書リスト244上に表示する。これによりユーザは、指定した欠陥分類に対応するドキュメントの内容を一覧的に把握することができる。
【0052】
本実施形態2に係る欠陥対策支援システム10において、人工知能140は対策文書学習結果142と併せてドキュメント内の項目とそのサマリを記憶しており、文書取得部130はユーザが指定する欠陥分類に対応するドキュメント内の項目とサマリを返信する。ドキュメント照会画面240はその項目を項目リスト246上で表示するとともに、ユーザが指定した項目のサマリ247を表示する。これによりユーザは、指定した欠陥分類に対応するドキュメントを閲覧する前であっても、その内容をある程度把握することができる。
【0053】
<実施の形態3>
以上の実施形態において、クライアント端末200が図4図8の画面を表示することを説明したが、これら画面はクライアント端末200が自ら生成してもよいし、欠陥対策支援サーバ100が生成したGUI(Graphical User Interface)をクライアント端末200が描画してもよい。例えばWebアプリケーションとしてGUIを構成する場合は、後者の構成となる。ただしWebブラウザ上で動作するスクリプトを用いることにより、GUIの一部をクライアント端末200上のみで変更することもできる。例えばDynamicHTMLなどの技術を用いる場合がこれに相当する。
【0054】
<本発明の変形例について>
以上の実施形態において、欠陥分類部110、言語解析部120、文書取得部130は例えばこれらの機能を実装したプログラムをCPU(Central Processing Unit)などの演算装置が実行することにより実装することができる。人工知能140も同様である。人工知能140と各学習結果は必ずしも欠陥対策支援サーバ100上に実装する必要はなく、別の人工知能サーバ上に実装した上で欠陥対策支援サーバ100と人工知能サーバが通信することにより同等の機能を実装してもよい。
【符号の説明】
【0055】
10:欠陥対策支援システム
100:欠陥対策支援サーバ
110:欠陥分類部
120:言語解析部
130:文書取得部
140:人工知能
141:欠陥分類学習結果
142:対策文書学習結果
200:クライアント端末
210:欠陥リスト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8