(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】ピペリジニルノシセプチン受容体化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20220203BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20220203BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20220203BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20220203BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20220203BHJP
C07D 471/10 20060101ALI20220203BHJP
A61K 31/438 20060101ALI20220203BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220203BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20220203BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220203BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20220203BHJP
A61P 25/32 20060101ALI20220203BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220203BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20220203BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20220203BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20220203BHJP
A61P 25/30 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
C07D405/14
C07D401/14
A61K31/454
A61K31/4545
C07D471/10 101
A61K31/438
A61P43/00 111
A61P25/16
A61P9/00
A61P1/00
A61P25/32
A61P29/00
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/20
A61P25/30
(21)【出願番号】P 2018549125
(86)(22)【出願日】2016-12-02
(86)【国際出願番号】 US2016064854
(87)【国際公開番号】W WO2017096323
(87)【国際公開日】2017-06-08
【審査請求日】2019-12-02
(32)【優先日】2015-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512181248
【氏名又は名称】アストライア セラピューティクス, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ASTRAEA THERAPEUTICS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【氏名又は名称】大井 道子
(72)【発明者】
【氏名】ザヴェリ, ヌルレイン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジャーニーガン, ブイ. ブレア
(72)【発明者】
【氏名】ヤスダ, デニス
【審査官】東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/017659(WO,A1)
【文献】特表2010-510224(JP,A)
【文献】特表2013-504543(JP,A)
【文献】国際公開第2002/014271(WO,A1)
【文献】特表2006-512356(JP,A)
【文献】特開2001-270861(JP,A)
【文献】国際公開第2000/017203(WO,A1)
【文献】国際公開第2001/072751(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0315201(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(I):
【化1】
(式中、
Aは、
【化2】
であり、
Bは、水素であり;
R
1及びR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、アリール、置換アリール、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールを形成し;
Xは、水素、
-CH=NOR
4
、-C(O)NR
5R
6、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、
-CH=NOR
7
、-C(O)NR
8R
9、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;
R
5は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;
R
6は、水素、アルキル、置換アルキル又はOR
15であり;
R
7は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;
R
8及びR
9は、独立して水素、アルキル又は置換アルキルであり;
R
15は、水素、アルキル又は置換アルキルであり、
Lは、C
4シクロアルキル、C
6シクロアルキル、C
7シクロアルキル、C
8シクロアルキル、(C
3~C
8)置換シクロアルキル、
【化3】
に置換されたシクロヘキシル、(C
3~C
8)シクロヘテロアルキル、C
3置換シクロヘテロアルキル、C
5置換シクロヘテロアルキル、C
6置換シクロヘテロアルキル、C
7置換シクロヘテロアルキル、C
8置換シクロヘテロアルキル、
【化4】
である)の化合物又はその塩、水和物若しくは溶媒和物。
【請求項2】
R
1及びR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、フェニル、置換フェニル、ピリジル又は置換ピリジルを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Lは、C
4シクロアルキル、C
6シクロアルキル、C
7シクロアルキル、またはC
8シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Lは
【化5】
(式中、nは、0、1又は2であり、Kは、-NR
31-又は-O-であり、R
31は、水素、アルキル又は置換アルキルである)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Lは、置換シクロヘキシル基または
【化6】
に置換されたシクロヘキシルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Lは
【化7】
(式中、Zは、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであり;Uは、水素、アルキル又は存在しない)である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Zは、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Zは
【化8】
であり、Uは水素である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Lは
【化9】
に置換されたシクロヘキシルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項10】
構造式(II):
【化10】
(式中、Dは-CH-又は-N-であり、R
32はアルキル、ハロ、-OR
33、-NHR
34、-CF
3又は-CNであり;nは、0~4の整数であり;R
33は、水素、アルキル、-(CO)NR
35R
36又は-SO
2NR
37R
38であり;R
34、R
35、R
36、R
37及びR
38は、独立して水素又はアルキルである)の請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物及び薬学的に許容可能なビヒクルを含む医薬組成物。
【請求項12】
ヒトを除く対象動物におけるノシセプチン受容体介在性疾患の処置方法であって、前記処置を必要とする該対象動物に、請求項1に記載の化合物又は請求項11に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項13】
ノシセプチン受容体の調節方法であって、請求項1に記載の化合物又は請求項11に記載の医薬組成物をヒトを除く対象動物に投与することを含む、方法。
【請求項14】
ヒトを除く対象動物における薬物乱用および依存症の処置または予防方法であって、前記処置又は予防を必要とする該対象動物に、請求項1に記載の化合物又は請求項11に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項15】
ヒトを除く対象動物における薬物乱用および依存症を処置または予防するためのノシセプチン受容体の調節方法であって、前記処置又は予防を必要とする該対象動物に、請求項1に記載の化合物又は請求項11に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項16】
以下の構造式:
【化11】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
以下の構造式:
【化12】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
以下の構造式:
【化13】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
以下の化合物:
【化14】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦支援による研究に関する声明
本発明は、アメリカ合衆国保健福祉省(U.S.Department of Human Health and Services)、国立衛生研究所(National Institutes of Health)により与えられた助成番号R01DA014026、R01DA027811、R43NS070664、R43HL115984、HHSN275201300005C及びHHSN275201500005Cの下で政府支援により為された。政府は、本発明に特定の権利を有する。
【0002】
35U.S.C.§119(e)の下での優先権の主張
本出願は、その全体が参照により組み入れられる2015年12月2日出願の米国仮特許出願第62/261,871号明細書から、35U.S.C.§119(e)下の優先権を主張する。
【0003】
ここに供されるのは、ノシセプチン受容体を調節する新規な化合物及びその医薬組成物である。それらの化合物は、急性及び慢性疼痛、薬物乱用/依存症、アルコール中毒、不安、鬱病、睡眠障害、胃腸疾患、腎疾患、心血管疾患の処置、並びにパーキンソン病の処置及び/又は予防に有用であり得る。
【背景技術】
【0004】
NOP受容体は、以前にオピオイド受容体様受容体(ORL1、XOR1及びLC132)とも呼ばれ、オピオイド受容体ファミリーに属し、μ、δ及びκオピオイド受容体に対してヌクレオチド及びアミノ酸相同性を有する。しかしながら、NOP受容体は、オピオイド受容体で予想されるような高い親和性でopiate ligandに結合しない。NOPに対する内因性17-アミノ酸ペプチドリガンドであるノシセプチン又はオルファニンFQ(N/OFQ)の、μ、δ及びκオピオイド受容体に対する親和性は低い。
【0005】
N/OFQは、マウスに脳室内(i.c.v.又はICV)投与をする場合、ストレスに誘導される、オピオイド仲介性痛覚抑制効果を減弱させることにより、マウスがホットプレートテストにおいて逃避行動をとるまでの時間(hot plate escape junping latency)およびテイルフリックテストにおける反応時間(tail flick latency)を短縮させる。更なる研究により、痛覚伝達経路(pain-processing pathway)におけるNOP及びN/OFQ前駆体タンパク質及びmRNAの存在が示されている。
【0006】
N/OFQ-NOP受容体系が報酬過程及び薬物乱用において重要な役割を果たすとの証拠が相次いでいる。側坐核、腹側被蓋野、内側前頭前野、視床下部外側野、扁桃体及び分界条の分界条床核を含む、薬物報酬に関与する領域内に中~高密度のNOP受容体が存在する。N/OFQのICV投与は、側坐核における基礎及び薬物刺激によるドーパミン放出を抑制する。N/OFQは、数種の一般的な乱用薬物の報酬特性を遮断することが示されている。特に、N/OFQは、モルヒネ、コカイン、アンフェタミン及びアルコールにより誘導される条件付け場所嗜好性(conditioned place preference: CPP)の獲得を遮断し得る。
【0007】
モルヒネCPPに対するN/OFQの阻害効果及び中脳辺縁系領域におけるモルヒネ誘導性ドーパミン放出の阻害は、N/OFQが報酬及び疼痛に関して「抗オピオイド」ペプチドとして機能し得ることを示唆している(Ciccocioppo,R.,et al.,Peptides,2000,21(7):1071-1080)。これらの研究は、薬物中毒におけるNOP受容体の関与を裏付け、薬物乱用治療薬としてのNOPアゴニストの有用性を示唆している。
【0008】
毎年、約1億人の成人アメリカ人が何らかの痛みを感じているが、これは国内で、失われた生産性及び処置に年間5600億ドル~6350億ドルを要する状態である(「Relieving Pain in America:A Blueprint for Transforming Prevention,Care,Education and Research;Institute of Medicine of the National Academies,June 2011)。オピオイド鎮痛薬は、疼痛の主だった処置方法であり、多くの場合、大幅な緩和をもたらす唯一の処置選択肢である。しかしながら、オピオイド鎮痛薬(これは主にμオピオイド受容体(MOP)アゴニストである)は、乱用の可能性があり、例えば便秘、悪心及び耐性等の多く生活する上での副作用に満ちており、それらの長期的な安全性及び有効性を妨げ、他の社会的問題(痛み止め薬の乱用)を形成する。従って、安全かつ有効な疼痛治療が大いに必要とされていることに対処するためには、最近公表されたNational Pain Strategy(NINDS,Interagency Pain Research Coordinating Committee.National Pain Strategy;NIH NINDS:2015.http://iprcc.nih.gov/National_Pain_Strategy/NPS_Main.htm)に示されているように、オピオイドに関連した障害のない鎮痛薬が必須である。
【0009】
μ、δ(DOP)、κ(KOP)及びノシセプチン(NOP)オピオイド受容体のオピオイド受容体ファミリーからは、KOP及びDOPアゴニストも鎮痛薬として研究されてきたが、MOPアゴニストと比較して強い鎮痛性を示さず、不快感(KOPアゴニストの場合)(Wadenberg CNS Drug Rev.,2003,9(2):187-198)及び痙攣(DOPアゴニストの場合)(Negus et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1994,270(3):1025-1034;Negus et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1998,286(1):362-375)等の副作用を低減する用量の分離が悪い。ナルブフィン、ブトルファノール等のκ-タイプのアゴニスト-アンタゴニストが数十年に亘り臨床的に使用されているが、MOPベースの鎮痛薬と比較して弱い鎮痛薬と考えられている。
【0010】
一方、NOP受容体標的化リガンドは、最近の開発により潜在的な鎮痛薬として明らかに頭角を現しつつある(Lin et al.,ACS Chem.Neurosci.,2013,4(2):214-224;Linz et al.,J.Pharm.Exp.Ther.,2014,349(3):535-548;Lambert et al.,Br.J.Anaesthesia,2015,114(3):364-366)。NOP受容体及びその内因性リガンドN/OFQは、オピオイドファミリーの第4のメンバーである。NOP受容体は、他のオピオイド受容体と同じ痛覚伝達経路に存在し、概して神経伝達に阻害機能を有する。痛覚及び鎮痛におけるNOP受容体の役割によって、NOPアゴニストがモルヒネのようなμオピオイドアゴニストと同様に、しかし依存症及び呼吸抑制のような他の不都合を有さない、優れた鎮痛薬の可能性を有し得ることを示唆する新たなデータが明らかとなっている(Podlesnik et al.,Psychopharmacology,2011,213(1):53-60;Sukhtankar et al.,Res.Dev.of Opioid-Related Ligands ACS,2013,1131:393-416)。
【0011】
非ペプチド性NOPアゴニストの全身投与による研究は、NOPアゴニストが疼痛、特に神経因性及び炎症性疼痛の数個の動物モデルにおいて強力な痛覚抑制活性を有することを明らかにしている(Khroyan et al.,Eur.J.Pharmacol.,2009,610(1-3):49-54;Khroyan et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,2011,339(2):687-693;Sukhtankar et al.,Psychopharmacology,2014,231(7):1377-1387)。注目すべきことに、非ヒト霊長類における研究は、齧歯類における研究と比較して有望かつ一貫しており、N/OFQ及びUFP-112等のペプチドNOPアゴニストが霊長類において、くも膜下腔内に投与された際、脊髄痛覚抑制作用を生じ(Hu et al.,Pain,2010,148(1):107-113)、またs.c.投与(皮下投与)された非ペプチド性NOPアゴニストRo64-6198は、カプサイシン誘導による異痛(allodynia)及び熱痛に対して痛覚抑制作用を生じる(Podlesnik,et al.,Psychopharmacology,2011,213(1):53-60)ことを示している。NOPアゴニストの痛覚抑制の効能及び効力は、モルヒネのものと同等であったが(Sukhtankar et al.,Psychopharmacology,2014,231(7):1377-1387)、重要なことには、有効量において掻痒、呼吸抑制及び強化効果が存在しなかった。霊長類におけるこれらの発見は、「オピオイド不都合を有さない鎮痛」に対する新規な手段としてのNOPアゴニストの臨床的可能性を強く支持する(Lin et al.,ACS Chem.Neurosci.,2013,4(2):214-224)。
【0012】
研究により、二機能性NOP/μオピオイドアゴニストも、非中毒性鎮痛薬の開発に対する新規な手段を提供し得ることが示されている(Khroyan et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,2007,320(2):934-943;Khroyan et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,2011,339(2):687-693)。他の研究では更に、非ペプチド性二機能性NOP/μアゴニストは、齧歯類及び霊長類を使った疼痛のモデルに対する痛覚抑制効果を示す可能性が確認されている(Linz et al.,J.Pharm.Exp.Ther.,2014,349(3):535-548)。
【0013】
パーキンソン病(PD)は、低/無動、硬直、歩行障害及び安静時振戦、並びに鬱病及び認知減退等の他の非運動症状により、臨床的に特徴付けられる。PDは、個人及び社会の両方にとって費用のかかる疾病である。PD患者は、毎年、健康な個人よりも有意に多くの、年間の直接費用(例えば、薬物及び入院)及び間接費用(例えば、休業、早期退職;インフォーマル在宅介護)を使っている。従って、PD処置の経済的側面において、運動障害又は認知障害を防ぐ治療法は、総薬剤費の増加のうち最小量の増加となる間接費用のかなりの低下をもたらすであろう。ドーパミン療法(現在の治療法の第1選択)に安定して応答するPD患者は、2つの進行性臨床的事象、運動変動及びジスキネジア(不随意運動)を徐々に発症することが長い間認識されており、これらは更にいっそう生活に支障を来し、またこれらに対するFDAに承認された療法は「1つしか」存在しない。ドーパミン(DA)前駆体レボドパ(L、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン;L-DOPA)は、PD療法の礎石であり、多くの場合、現在のところ、COMT及びMAO阻害剤と組み合わせて投与されて、そのバイオアベイラビリティ及び治療効果を延長する。
【0014】
しかしながら、慢性L-DOPA療法は、結局のところ、その臨床有効性を制限し、患者のクオリティオブライフを低下させる運動合併症(運動変動及びジスキネジア)の発症(患者の約80%で10年以内)に関連している。従って、ジスキネジアの進行を遅延させ、及び/又は既に運動障害を有する患者においてその発現を減弱させることが可能な薬物の開発は、PDの主なアンメット・メディカル・ニーズである。レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)は、PD患者の障害及び社会的苦痛の主要な原因であり、特に他の神経変性病態(即ち、記憶障害、幻覚及び併存症)を有する進行したPDの場合において転倒の危険性及び介護者の必要性に寄与する(Schrag et al.,Mov.Disorders,2007,22:938-945。ジスキネジアに対する処置選択肢は非常に限られており、市販されている唯一の抗運動障害治療薬であるグルタミン酸塩アンタゴニストのアマンタジンの臨床的効力は乏しく、持続しない。
【0015】
N/OFQ-NOP受容体系は、脳内の皮質及び皮質下領域、特に線条体、淡蒼球及び黒質(SN)ニューロン(PDにおいて神経変性を受ける領域である)において広く発現している。内因性N/OFQは、N/OFQレベルがドーパミン(DA)細胞消失又はDA伝達の障害後のSNrにおいて上昇しているため、PD症状の発生に寄与することが示されている。このような増大は、PD患者のCSFにおいても観察される(Marti,et al.,2010)。NOP受容体アンタゴニストは、PDの神経変性(6-OHDA片側損傷ラット、MPTP治療マウス及びマカク)及び機能的(レセルピン又はハロペリドールにより治療した動物)モデルにおいてパーキンソン病様症状を改善する。N/OFQ遺伝子の遺伝子欠損は、MPTPの神経毒性作用からマウスを守る。メカニズムの研究は、NOPアンタゴニストの抗パーキンソン病作用が、線条体DA求心路遮断により生じる、黒質-視床神経に作用する興奮性(GLU)及び抑制性(GABA)入力間の不均衡の正常化を介して達成されることを明らかにした。NOPアンタゴニストはまた、レボドパの対症効果を増強する。従って、NOP受容体アンタゴニストは、PD患者において対症及び神経保護効果を提供し得る。
【0016】
一方、NOP受容体アゴニストは、L-DOPAに暴露された運動障害ラット及び非ヒト霊長類において異常な不随意運動(AIMs、LIDに関連付けられた齧歯類)の発現を減弱させることが示されている。従って、NOP受容体リガンドは、パーキンソン病動物モデルにおいて有望な効力を有する。
【0017】
Itoらの国際公開第WO2005/016913号及びSpearらの国際公開第WO2014/106238号は、疼痛及びCNS疾患に対する治療として有用な、NOP受容体における活性を有する化合物を開示している。NOP受容体における活性を有するピペリジニル含有化合物が、Zaveriらの米国特許出願公開第2005/0228023号明細書、Tafesseの米国特許出願公開第2015/0315201号明細書及びMustazza et al.,J.Med.Chem.2008,51:1058-1062に開示されている。Allenらの米国特許出願公開第2013/0225552号明細書は、PDE10阻害剤であるヘテロ二環式化合物を開示している。しかしながら、新規なNOP受容体リガンドが尚必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、新規なピペリジニルノシセプチン受容体化合物を提供して、この必要性及び他の必要性を満たすものである。この新規なピペリジニルノシセプチン受容体化合物は、多様な疾病状態の処置及び予防に有用であり得る。
【0019】
一態様において、構造式(I):
【化1】
(式中、Aは、
【化2】
であり、
Bは、水素であり;又は代替的に、A及びBは存在せず、それらが結合している炭素原子は、
【化3】
のアミドカルボニル原子に隣接した炭素原子であり;R
1及びR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、アリール、置換アリール、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールを形成し;Xは、水素、-C=NOR
4、-C(O)NR
5R
6、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであり;Yは、水素、-C=NOR
7、-C(O)NR
8R
9、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであり;Tは、=NR
10;=CR
11R
12-、-NR
13R
14-、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであり;R
3は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであるが;但し、R
1及びR
2がフェニル環を形成し、Lが
【化4】
の場合、R
3は、水素でもメチルでもないものとし;R
4は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;R
5は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;R
6は、水素、アルキル、置換アルキル又はOR
15であり;R
7は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;R
8及びR
9は、独立して水素、アルキル又は置換アルキルであり;R
10は、水素、アルキル、置換アルキル、-OR
16又は-NR
17R
18であり;R
11は、水素、アルキル、置換アルキル、-C(O)R
19又は-CNであり;R
12は、水素、-C(O)R
20、又は-CNであり;R
13は、水素又は-C(O)R
21であり;R
14は、水素又は-C(O)R
22であるが;但し、R
13及びR
14の両方が水素ではないものとし;R
15は、水素、アルキル又は置換アルキルであり、R
16は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;R
17は、水素又は-C(O)R
23であり;R
18は、水素又は-C(O)R
24であり;R
19及びR
20は、独立して-NR
25R
26、-OR
27、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルであり;R
21及びR
22は、独立して-NR
28R
29、-OR
30、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルであり;R
23及びR
24は、独立してアルキル又は置換アルキルであり;R
25、R
26、R
27、R
28、R
29及びR
30は、独立して、水素、アルキル又は置換アルキルであり;Lは、(C
3~C
8)シクロアルキル、(C
3~C
8)置換シクロアルキル、(C
3~C
8)シクロヘテロアルキル、(C
3~C
8)置換シクロヘテロアルキル、
【化5】
である)の化合物又はその塩、水和物若しくは溶媒和物を提供する。
【0020】
塩、エステル、エノールエーテル、エノールエステル、溶媒和物、水和物、代謝産物及びプロドラッグを含む、本明細書に記載した化合物の誘導体も提供する。更に、本明細書に提供した化合物及び溶媒を含む組成物を提供する。
【0021】
例えばパーキンソン病、心血管疾患、胃腸疾患、アルコール中毒、急性及び慢性疼痛、不安、鬱病、疼痛、睡眠障害及び薬物乱用/依存症等の医学的障害の症状を処置し、予防し又は寛解させる方法も、本明細書に提供する。本方法の実践では、治療的有効量の化合物又はその医薬組成物が対象に投与される。
【0022】
本明細書に記載した化合物及び組成物を用いたノシセプチン受容体の調節方法も、本明細書に提供する。本方法の実践では、治療的有効量の化合物又は医薬組成物が投与される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
定義
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。本明細書で1つの用語に複数の定義が存在する場合、特に言及されない限り、このセクションの定義が優先する。
【0024】
「アルキル」は、それだけで又は他の置換基の一部として、親アルカン、アルケン又はアルキンの1つの炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、飽和又は不飽和の分岐鎖、直鎖又は環式一価炭化水素基を指す。典型的なアルキル基としては、非限定的に、メチル;エタニル、エテニル、エチニル等のエチル;プロパン-1-イル、プロパン-2-イル、シクロプロパン-1-イル、プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-2-エン-1-イル(アリル)、シクロプロパ-1-エン-1-イル;シクロプロパ-2-エン-1-イル、プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イル等のプロピル;ブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチル-プロパン-1-イル、2-メチル-プロパン-2-イル、シクロブタン-1-イル、ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、シクロブタ-1-エン-1-イル、シクロブタ-1-エン-3-イル、シクロブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イル等のブチル;等が挙げられる。用語「アルキル」は、任意の飽和度又は飽和レベルを有する基、即ち、単炭素-炭素結合のみを有する基、1つまたはそれ以上の二重炭素-炭素結合を有する基、1つまたはそれ以上の三重炭素-炭素結合を有する基、並びに単、二重及び三重炭素-炭素結合の混合物を有する基を含むことが特に意図される。特定の飽和レベルが意図される場合、表現「アルカニル」、「アルケニル」及び「アルキニル」が使用される。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~20個の炭素原子を含む(C1~C20アルキル)。別の実施形態では、アルキル基は、1~10個の炭素原子を含む(C1~C10アルキル)。尚別の実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子を含む(C1~C6アルキル)。用語「環式一価炭化水素基」はまた、単一の基及び3~12個の炭素原子を有する多環式炭化水素環系を含む。例示的な多環式シクロアルキル環としては、例えばノルボルニル、ピニル(pinyl)、及びアダマンチルが挙げられる。
【0025】
「アルカニル」は、それだけで又は他の置換基の一部として、親アルカンの1つの炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、飽和の分岐鎖、直鎖又は環式アルキル基を指す。典型的なアルカニル基としては、非限定的に、メタニル;エタニル;プロパン-1-イル、プロパン-2-イル(イソプロピル)、シクロプロパン-1-イル等のプロパニル;ブタン-1-イル、ブタン-2-イル(sec-ブチル)、2-メチル-プロパン-1-イル(イソブチル)、2-メチル-プロパン-2-イル(t-ブチル)、シクロブタン-1-イル等のブタニル;等が挙げられる。
【0026】
「アルケニル」は、それだけで又は他の置換基の一部として、親アルケンの1つの炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する不飽和の分岐鎖、直鎖又は環式アルキル基を指す。この基は、二重結合に関してシス又はトランス型のいずれかにあり得る。典型的なアルケニル基としては、非限定的に、エテニル;プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-2-エン-1-イル(アリル)、プロパ-2-エン-2-イル、シクロプロパ-1-エン-1-イル;シクロプロパ-2-エン-1-イル等のプロペニル;ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、シクロブタ-1-エン-1-イル、シクロブタ-1-エン-3-イル、シクロブタ-1,3-ジエン-1-イル等のブテニル;等が挙げられる。
【0027】
「アルキニル」は、それだけで又は他の置換基の一部として、親アルキンの1つの炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する不飽和の分岐鎖、直鎖又は環式アルキル基を指す。典型的なアルキニル基としては、非限定的に、エチニル;プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イル等のプロピニル;ブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イル等のブチニル;等が挙げられる。
【0028】
「アリール」は、それだけで又は他の置換基の一部として、本明細書に定義したように、親芳香族環系の1つの炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、一価芳香族炭化水素基を指す。典型的なアリール基としては、非限定的に、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2、4-ジエン、ペンタセン、ペンタレネン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレン等から誘導される基が挙げられる。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~20個の炭素原子を含む(C6~C20アリール)。別の実施形態では、アリール基は、6~15個の炭素原子を含む(C6~C15アリール)。尚別の実施形態では、アリール基は、6~15個の炭素原子を含む(C6~C10アリール)。
【0029】
「アリールアルキル」は、それだけで又は他の置換基の一部として、炭素原子、典型的には末端又はsp3炭素原子に結合した水素原子の1つが、本明細書に定義したアリール基で置き換えられている非環式アルキル基を指す。典型的なアリールアルキル基としては、非限定的に、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、2-フェニルエテン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチルエタン-1-イル、2-ナフチルエテン-1-イル、ナフトベンジル、2-ナフトフェニルエタン-1-イル等が挙げられる。特定のアルキル部分が意図される場合、命名アリールアルカニル、アリールアルケニル及び/又はアリールアルキニルが使用される。いくつかの実施形態では、アリールアルキル基は、(C6~C30)アリールアルキルであり、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分は、(C1~C10)アルキルであり、アリール部分は、(C6~C20)アリールである。別の実施形態では、アリールアルキル基は、(C6~C20)アリールアルキルであり、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分は、(C1~C8)アルキルであり、アリール部分は、(C6~C12)アリールである。尚別の実施形態では、アリールアルキル基は、(C6~C15)アリールアルキルであり、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分は、(C1~C5)アルキルであり、アリール部分は、(C6~C10)アリールである。
【0030】
「化合物」は、本明細書に開示した構造式により包含される化合物を指し、その構造が本明細書に開示されている式に含まれる任意の特定の化合物を含む。化合物は、その化学構造及び/又は化学名のいずれかによって特定され得る。化学構造及び/又は化学名が矛盾する場合、化合物の固有性は化学構造が決定する。本明細書に記載した化合物は、1つ以上のキラル中心及び/又は二重結合を含むことができ、従って二重結合異性体(即ち、幾何型異性体)、エナンチオマー又はジアステレオマー等の立体異性体として存在することができる。従って、本明細書に示す化学構造は、立体異性体的に純粋な形態(例えば幾何学的に純粋な、エナンチオマー的に純粋な又はジアステレオマー的に純粋な)並びにエナンチオマー及び立体異性体混合物を含む、図示した化合物の全ての可能なエナンチオマー及び立体異性体を包含する。エナンチオマー及び立体異性体混合物は、当業者に周知の分離技術又はキラル合成技術を用いて、それらの構成要素のエナンチオマー又は立体異性体に分離することができる。化合物はまた、エノール型、ケト型及びそれらの混合物を含む数種の互変異性型で存在することができる。従って、本明細書に示される化学構造は、図示された化合物の全ての可能な互変異性型を包含する。記載された化合物はまた、1つ以上の原子が、通常天然に見出される原子質量とは異なる原子質量を有する同位体標識化合物も含む。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、非限定的に、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O等が挙げられる。化合物は、非溶媒和又は非水和形態、及び水和形態を含む溶媒和形態、及びN-オキシドとして存在することができる。一般に、化合物は水和物、溶媒和物又はN-オキシドであり得る。所定の化合物は、複数の結晶質又は非晶質形態で存在することができる。一般に、全ての物理的形態が本明細書で想定される使用に関して等価であり、本発明の範囲内にあることが意図される。更に、化合物の部分構造が示される場合、その括弧は分子の他の部分に対するこの部分構造の結合点を示すことを理解するべきである。
【0031】
「ハロ」は、それだけで又は他の置換基の一部として、-F、-Cl、-Br又は-I基を指す。
【0032】
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルカニル」、「ヘテロアルケニル」及び「ヘテロアルキニル」は、それだけで又は他の置換基の一部として、炭素原子の1つまたはそれ以上(及び場合により任意の関連水素原子)がそれぞれ、互いに独立して、同じ又は異なるヘテロ原子又はヘテロ原子基で置き換えられている、アルキル、アルカニル、アルケニル及びアルキニル基をそれぞれ指す。炭素原子を置き換え得る典型的なヘテロ原子又はヘテロ原子基としては、非限定的に、-O-、-S-、-N-、-Si-、-NH-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)NH-、-S(O)2NH-等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ヘテロ原子又はヘテロ原子基は、アルキル、アルケニル又はアルキニル基の任意の内部位置に配置され得る。これらの基に含まれ得る典型的なヘテロ原子基としては、非限定的に、-O-、-S-、-O-O-、-S-S-、-O-S-、-NR501R502-、=N-N=、-N=N-、-N=N-NR503R404、-PR505-、-P(O)2-、-POR506-、-O-P(O)2-、-SO-、-SO2-、-SnR507R508-等が挙げられ、R501、R502、R503、R504、R505、R506、R507及びR508は、独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルである。
【0033】
「ヘテロアリール」は、それだけで又は他の置換基の一部として、本明細書に定義したように、親のヘテロ芳香族環系の1つの原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される一価ヘテロ芳香族基を指す。典型的なヘテロアリール基としては、非限定的に、アクリジン、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン等から誘導される基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、5~20個の環原子を含む(5~20員のヘテロアリール)。別の実施形態では、ヘテロアリール基は、5~10個の環原子を含む(5~10員のヘテロアリール)。例示的なヘテロアリール基としては、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、インドール、ピリジン、ピラゾール、キノリン、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール及びピラジンから誘導されたものが挙げられる。
【0034】
「ヘテロアリールアルキル」は、それだけで又は他の置換基の一部として、炭素原子、典型的には末端又はsp3炭素原子に結合した水素原子の1つがヘテロアリール基で置き換えられている非環式アルキル基を指す。特定のアルキル部分が意図される場合、命名ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニル及び/又はヘテロアリールアルキニルが使用される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールアルキル基は6~21員のヘテロアリールアルキル、例えばヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分が(C1~C6)アルキルであり、ヘテロアリール部分が5~15員のヘテロアリールである。別の実施形態では、ヘテロアリールアルキルは6~13員のヘテロアリールアルキル、例えばアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分が(C1~C3)アルキルであり、ヘテロアリール部分が5~10員のヘテロアリールである。
【0035】
「親芳香族環系」は、共役π電子系を有する不飽和環式又は多環式環系を指す。環の1つまたはそれ以上が芳香族であり、環の1つまたはそれ以上が飽和又は不飽和である縮合環系、例えば、フルオレン、インダン、インデン、フェナレン等は、「親芳香族環系」の定義に特に含まれる。典型的な親芳香族環系としては、非限定的に、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2、4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレン等が挙げられる。
【0036】
「親ヘテロ芳香族環系」は、1つまたはそれ以上の炭素原子(及び場合により任意の関連水素原子)がそれぞれ独立して、同じ又は異なるヘテロ原子で置き換えられている親芳香族環系を指す。炭素原子を置き換える典型的なヘテロ原子としては、非限定的に、N、P、O、S、Si等が挙げられる。環の1つまたはそれ以上が芳香族であり、環の1つまたはそれ以上が飽和又は不飽和である縮合環系、例えば、ベンゾジオキサン、ベンゾフラン、クロマン、クロメン、インドール、インドリン、キサンテン等は、「親ヘテロ芳香族環系」の定義に特に含まれる。典型的な親ヘテロ芳香族環系としては、非限定的に、アルシンドール、カルバゾール、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン等が挙げられる。
【0037】
「予防する(preventing)」又は「予防(prevention)」は、疾病又は疾患を得る危険性を低減する(即ち、疾病に暴露され又は罹りやすい可能性があるが、この疾病の症状を未だ経験し又は示していない患者において、この疾病の臨床症状の少なくとも1つが生じない)ことを指す。疾病若しくは疾患を予防する、又は疾病若しくは疾患の予防、のための治療法の適用は、「予防(prophylaxis)」として既知である。いくつかの実施形態では、本明細書に提供した化合物は、長期間に亘り長期副作用がより低いため、優れた予防を提供する。
【0038】
「塩」は、親化合物の所望の薬理学的活性を所有する化合物の塩を指す。そのような塩は:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸と共に形成される酸付加塩;又は(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオンで置き換えられた際に形成される塩;若しくはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン等の有機塩基で配位された際に形成される塩を含む。
【0039】
「置換された」は、特定の基(group)又は基(radical)の修飾に使用される場合、特定の基(group)又は基(radical)の1つまたはそれ以上の水素原子が、それぞれ、互いに独立して、同じ又は異なる置換基で置き換えられていることを意味する。特定の基(group)又は基(radical)の飽和炭素原子の置換に有用な置換基としては、非限定的に、-Ra、ハロ、-O-、=O、-ORb、-SRb、-S-、=S、-NRcRc、=NRb、=N-ORb、トリハロメチル、-CF3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、-N-ORb、-N-NRcRc、-NRbS(O)2Rb、=N2、-N3、-S(O)2Rb、-S(O)2NRbRb、-S(O)2O-、-S(O)2ORb、-OS(O)2Rb、-OS(O)2O-、-OS(O)2ORb、-OS(O)2NRcNRc、--P(O)(O-)2、-P(O)(ORb)(O-)、-P(O)(ORb)(ORb)、-C(O)Rb、-C(O)NRb-ORb-C(S)Rb、-C(NRb)Rb、-C(O)O-、-C(O)ORb、-C(S)ORb、-C(O)NRcRc、-C(NRb)NRcRc、-OC(O)Rb、-OC(S)Rb、-OC(O)O-、-OC(O)ORb、-OC(O)NRcRc、-OC(NCN)NRcRc-OC(S)ORb、-NRbC(O)Rb、-NRbC(S)Rb、-NRbC(O)O-、-NRbC(O)ORb、-NRbC(NCN)ORb、-NRbS(O)2NRcRc、-NRbC(S)ORb、-NRbC(O)NRcRc、-NRbC(S)NRcRc、-NRbC(S)NRbC(O)Ra、-NRbS(O)2ORb、-NRbS(O)2Rb、-NRbC(NCN)NRcRc、-NRbC(NRb)Rb及び-NRbC(NRb)NRcRcが挙げられ、Raは、独立してアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルであり;各Rbは、独立して水素、Ra、置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換アリール、置換アリールアルキル、置換ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールアルキルであり;各Rcは、独立してRbであり、又は代替的に、2つのRcは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、O、N及びSからなる群から選択される同じ又は異なる1~4個の追加のヘテロ原子を場合により含んでもよいアリール基と縮合した、4、5、6又は7員のシクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル又はシクロヘテロアルキルを形成する。特定の例として、-NRcRcは、-NH2、-NH-アルキル、N-ピロリジニル及びN-モルホリニルを含むことが意図される。
【0040】
同様に、特定の基(group)又は基(radical)の不飽和炭素原子の置換に有用な置換基としては、非限定的に、-Ra、ハロ、-O-、-ORb、-SRb、-S-、-NRcRc、トリハロメチル、-CF3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、-N3、-S(O)2Rb、-S(O)2O-、-S(O)2ORb、-OS(O)2Rb、-OS(O)2O-、-OS(O)2ORb、-P(O)(O-)2、-P(O)(ORb)(O-)、-P(O)(ORb)(ORb)、-C(O)Rb、-C(S)Rb、-C(NRb)Rb、-C(O)O-、-C(O)ORb、-C(S)ORb、-C(O)NRcRc、-C(NRb)NRcRc、-OC(O)Rb、-OC(S)Rb、-OC(O)O-、-OC(O)ORb、-OC(S)ORb、-OC(O)NRcRc、-OS(O)2NRcNRc、-NRbC(O)Rb、-NRbC(S)Rb、-NRbC(O)O-、-NRbC(O)ORb、-NRbS(O)2ORa、-NRbS(O)2Ra、-NRbC(S)ORb、-NRbC(O)NRcRc、-NRbC(NRb)Rb及び-NRbC(NRb)NRcRcが挙げられ、Ra、Rb及びRcは上記に定義した通りである。
【0041】
ヘテロアルキル及びシクロヘテロアルキル基の窒素原子の置換に有用な置換基としては、非限定的に、-Ra、-O-、-ORb、-SRb、-S-、-NRcRc、トリハロメチル、-CF3、-CN、-NO、-NO2、-S(O)2Rb、-S(O)2O-、-S(O)2ORb、-OS(O)2Rb、-OS(O)2O-、-OS(O)2ORb、-P(O)(O-)2、-P(O)(ORb)(O-)、-P(O)(ORb)(ORb)、-C(O)Rb、-C(S)Rb、-C(NRb)Rb、-C(O)ORb、-C(S)ORb、-C(O)NRcRc、-C(NRb)NRcRc、-OC(O)Rb、-OC(S)Rb、-OC(O)ORb、-OC(S)ORb、-NRbC(O)Rb、-NRbC(S)Rb、-NRbC(O)ORb、-NRbC(S)ORb、-NRbC(O)NRcRc、-NRbC(NRb)Rb及び-NRbC(NRb)NRcRcが挙げられ、Ra、Rb及びRcは上記に定義した通りである。
【0042】
他の特定の基又は原子の置換に有用な、上記のリストからの置換基は、当業者に明らかであろう。
【0043】
特定の基の置換に使用される置換基は、一般に、上記に特定した様々な基から選択される、同じ又は異なる基の1つまたはそれ以上で更に置換されてもよい。
【0044】
化合物
本発明は、神経性疾病及び病状の処置に有用な、新規なピペリジニルノシセプチン受容体リガンドを提供し、それらのリガンドは、病状の負の効果を媒介する。そのような神経性疾病及び病状は、例えば、急性及び慢性疼痛、薬物乱用/依存症、アルコール中毒、不安、鬱病、睡眠障害、胃腸疾患、腎疾患、心血管疾患、及びパーキンソン病を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、構造式(I):
【化6】
(式中、Aは、
【化7】
であり;
Bは、水素であり;又は代替的に、A及びBは存在せず、それらが結合している炭素原子は、
【化8】
のアミドカルボニル原子に隣接した炭素原子であり;R
1及びR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、アリール、置換アリール、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールを形成し;Xは、水素、-C=NOR
4、-C(O)NR
5R
6、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであり;Yは、水素、-C=NOR
7、-C(O)NR
8R
9、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであり;Tは、=NR
10;=CR
11R
12-、-NR
13R
14-、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであり;R
3は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであるが;但し、R
1及びR
2がフェニル環を形成し、Lが
【化9】
の場合、R
3は、水素でもメチルでもないものとし;R
4は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;R
5は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;R
6は、水素、アルキル、置換アルキル又はOR
15であり;R
7は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;R
8及びR
9は、独立して水素、アルキル又は置換アルキルであり;R
10は、水素、アルキル、置換アルキル、-OR
16又は-NR
17R
18であり;R
11は、水素、アルキル、置換アルキル、-C(O)R
19又は-CNであり;R
12は、水素、-C(O)R
20、又は-CNであり;R
13は、水素又は-C(O)R
21であり;R
14は、水素又は-C(O)R
22であるが;但し、R
13及びR
14の両方が水素ではないものとし;R
15は、水素、アルキル又は置換アルキルであり、R
16は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;R
17は、水素又は-C(O)R
23であり;R
18は、水素又は-C(O)R
24であり;R
19及びR
20は、独立して-NR
25R
26、-OR
27、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルであり;R
21及びR
22は、独立して-NR
28R
29、-OR
30、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルであり;R
23及びR
24は、独立してアルキル又は置換アルキルであり;R
25、R
26、R
27、R
28、R
29及びR
30は、独立して、水素、アルキル又は置換アルキルであり;Lは、(C
3~C
8)シクロアルキル、(C
3~C
8)置換シクロアルキル、(C
3~C
8)シクロヘテロアルキル、(C
3~C
8)置換シクロヘテロアルキル、
【化10】
である)の化合物又はその塩、水和物若しくは溶媒和物が提供される。
【0046】
いくつかの実施形態では、R1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、フェニル、置換フェニル、ピリジル又は置換ピリジルを形成する。
【0047】
いくつかの実施形態では、Lは、(C
3~C
8)シクロアルキル、(C
3~C
8)置換シクロアルキル又は(C
3~C
8)シクロヘテロアルキルである。別の実施形態では、Lは
【化11】
であり、nは、0、1又は2であり、Kは、-NR
31-又は-O-であり、R
31は、水素、アルキル又は置換アルキルである。尚別の実施形態では、Lは置換シクロヘキシル基である。尚別の実施形態では、Lは
【化12】
であり、式中、Zは、アルキル、置換アルキルアリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換ヘテロアリールアルキルであり;Uは、水素、アルキル又は存在しない。尚別の実施形態では、Zは、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルである。尚別の実施形態では、Zは
【化13】
であり、Uは、水素である。尚別の実施形態では、Zは、メチルであり、Uは、メチルである。尚別の実施形態では、Zは
【化14】
であり、Uは、存在しない。
【0048】
いくつかの実施形態では、Aは
【化15】
である。別の実施形態では、R
1及びR
2は、フェニル、置換フェニル、ピリジル又は置換ピリジルを形成する。尚別の実施形態では、構造式(II):
【化16】
(式中、Dは-CH-又は-N-であり、R
32はアルキル、ハロ、-OR
33、-NHR
34、-CF
3又は-CNであり;nは、0~4の整数であり;R
33は、水素、アルキル、-(CO)NR
35R
36又は-SO
2NR
37R
38であり;R
34、R
35、R
36、R
37及びR
38は、独立して水素又はアルキルである)の化合物を提供する。尚別の実施形態では、Xは、水素、-C=NOR
4、-C(O)NR
5R
6、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルであり;Yは、水素、-C=NOR
7、-C(O)NR
8R
9、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルである。尚別の実施形態では、Xは、水素であり;Yは、-C=NOR
7、-C(O)NR
8R
9、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルである。尚別の実施形態では、Xは、-C=NOR
4、-C(O)NR
5R
6、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルであり;Yは、水素である。尚別の実施形態では、Xは、-C=NOR
4、-C(O)NR
5R
6、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキルであり;Yは、-C=NOR
7、-C(O)NR
8R
9、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアルキル又は置換ヘテロアルキルである。
【0049】
いくつかの実施形態では、Aは
【化17】
である。別の実施形態では、R
1及びR
2は、フェニル、置換フェニル、ピリジル又は置換ピリジルを形成する。尚別の実施形態では、構造式(III):
【化18】
(式中、Eは-CH-又は-N-であり、R
39は、アルキル、ハロ、-OR
40、-NHR
41、-CF
3又は-CNであり;oは、0~4の整数であり;R
40は、水素、アルキル、-(CO)NR
42R
43又は-SO
2NR
44R
45であり;R
41、R
42、R
43、R
44及びR
45は、独立して水素又はアルキルである)の化合物を提供する。
【0050】
いくつかの実施形態では、A及びBは存在せず、それらが結合している炭素原子は、
【化19】
のアミドカルボニル原子に隣接した炭素原子である。別の実施形態では、R
1及びR
2は、フェニル、置換フェニル、ピリジル又は置換ピリジルを形成する。尚別の実施形態では、構造式(IV):
【化20】
(式中、Jは、-CH-又は-N-であり、R
46は、アルキル、ハロ、-OR
47、-NHR
48、-CF
3又は-CNであり;pは、0~4の整数であり;R
47は、水素、アルキル、-(CO)NR
49R
50、-SO
2NR
51R
52であり;R
48、R
49、R
50、R
51及びR
52は、独立して水素又はアルキルである)の化合物を提供する。
【0051】
表1は、構造式(II)の化合物を示す。いくつかの実施形態では、シクロヘキシル環上の1,4-置換基は、互いに対してシスである。
【0052】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【表1-23】
【表1-24】
【表1-25】
【表1-26】
【表1-27】
【表1-28】
【表1-29】
【表1-30】
【表1-31】
【表1-32】
【表1-33】
【表1-34】
【0053】
表2は、構造式(III)の化合物を示す。いくつかの実施形態では、シクロヘキシル環上の1,4-置換基は、互いに対してシスである。
【0054】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表2-10】
【表2-11】
【表2-12】
【表2-13】
【0055】
表3は、構造式(IV)の化合物を示す。いくつかの実施形態では、シクロヘキシル環上の1,4-置換基は、互いに対してシスである。
【0056】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【表3-6】
【表3-7】
【表3-8】
【表3-9】
【表3-10】
【表3-11】
【表3-12】
【表3-13】
【表3-14】
【0057】
化合物の調製
式(I)のピペリジニル含有ノシセプチン受容体化合物、並びに式(II)、式(III)及び式(IV)で表される実施形態は、当業者が認識し得るような多数の合成経路を介して合成することができる。式(II)の化合物の例示的な合成方法は、
図1~6及び10に示され、下記の実施例1~6及び10に記載されている。表1は、式IIの化合物の
1H NMR又はTLCデータも提供する。
【0058】
式(III)の化合物の例示的な合成方法は、
図7及び8に示され、下記の実施例7及び8に記載されている。式(III)の化合物について、表2はそれらの化合物の
1H NMR又はTLCデータを提供する。
【0059】
式(IV)の化合物の例示的な経路は、
図9に示され、下記の実施例9に記載されている。式(IV)の化合物について、表3は、示される箇所に
1H NMRデータを提供する。
【0060】
組成物及び投与方法
本明細書に提供する組成物は、本明細書に記載した疾病又は疾患の症状のうちの1つまたはそれ以上の予防、処置又は寛解に有用な治療的有効量の本明細書に提供した化合物のうちの1つまたはそれ以上、及びvehicleを含む。本明細書に提供した化合物の投与に好適なvehicleは、特定の投与モードに好適であるとして当業者に既知の任意の担体を含む。加えて、化合物は、組成物中の唯一の活性成分として配合されてもよく、又は他の活性成分と一緒にされてもよい。
【0061】
組成物は、本明細書に提供した1つまたはそれ以上の化合物を含む。化合物は、いくつかの実施形態では、経口投与用の溶液、縣濁液、錠剤、分散性錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放製剤若しくはエリキシル剤、又は非経口投与、並びに局所投与、経皮投与、及びネブライザー、加圧式定量吸入器及び乾燥粉末吸入器を介した経口吸入用の滅菌溶液若しくは縣濁液等の好適な製剤に調製される。いくつかの実施形態では、上記に記載した化合物は、当技術分野で周知の技術及び手順を用いて組成物に調製される(例えばAnsel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,Seventh Edition(1999)参照)。
【0062】
組成物において、効果的な濃度の1つまたはそれ以上の化合物又はその誘導体が好適なvehicleと混合される。化合物は、上記に記載したように、調製の前に、対応する塩、エステル、エノールエーテル若しくはエステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和物、イオン対、水和物又はプロドラッグとして誘導体化されてもよい。組成物中の化合物の濃度は、投与された後、本明細書に記載した疾病又は疾患の症状のうちの1つまたはそれ以上を処置する、予防又は寛解をもたらす量の送達に効果的である。いくつかの実施形態では、組成物は、単一投与量投与用に調製される。組成物を調製するために、ある重量分率の化合物を、処置される病状が軽減し、予防され、又は1つまたはそれ以上の症状が寛解されるような効果的な濃度で、選択されたvehicleに溶解、懸濁、分散、又は別様に混合する。
【0063】
活性化合物は、処置される患者に望ましくない副作用が存在せず治療的に有用な効果を与えるのに十分な量でvehicle中に含まれる。治療的に有効な濃度は、当業者に周知のインビトロ及びインビボシステムで化合物を試験し、次いでそれをヒト用の投与量に外挿することによって、経験的に予測され得る。次いでヒト用量は、一般的には、臨床試験で微調整され、応答へと漸増される。
【0064】
組成物中の活性化合物の濃度は、活性化合物の吸収、不活性化及び排泄の速度、化合物の物理化学的特性、投与スケジュール、及び投与される量、並びに当業者に既知の他の因子に依存するであろう。例えば、送達される量は、本明細書に記載した疾病又は疾患の症状のうちの1つまたはそれ以上を寛解させるのに十分である。
【0065】
化合物が不十分な溶解度を有する場合、例えばリポソーム、プロドラッグ、錯体化/キレート化、ナノ粒子、若しくはエマルションの使用、又はtertiary templating等の、化合物を可溶化するための方法が用いられ得る。そのような方法は、当業者に既知であり、非限定的に、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の共溶媒の使用、TWEEN(登録商標)等の界面活性剤又は表面改質剤(surface modifier)の使用、シクロデキストリン等の錯化剤の使用、又は向上されたイオン化による溶解(即ち、水性重炭酸ナトリウムへの溶解)を含む。化合物のプロドラッグ等の化合物の誘導体も、効果的な組成物を調製するのに使用され得る。
【0066】
化合物(1つ又は複数)の混合又は添加後、得られた混合物は、溶液、縣濁液、エマルション等であり得る。得られた混合物の形態は、意図される投与モード及び選択されたvehicle中の化合物の溶解度を含む複数の因子に依存する。効果的な濃度は、処置される疾病、疾患又は病状の症状を寛解させるのに十分であり、経験的に決定され得る。
【0067】
組成物は、好適な量の化合物又はその誘導体を含む、乾燥粉末吸入器(DPI)、加圧式定量吸入器(pMDI)、ネブライザー、錠剤、カプセル剤、丸剤、舌下テープ/生体内分解性ストリップ(bioerodible strip)、錠剤又はカプセル剤、散剤、顆粒剤、ロゼンジ、ローション、軟膏、坐薬、急速溶解物、経皮パッチ又は他の経皮適用装置/製剤、滅菌非経口溶液又は縣濁液、及び経口溶液又は縣濁剤、及び油-水乳剤等の適切な剤形で、適応症にあるヒト及び動物への投与用に提供される。治療的に活性な化合物及びその誘導体は、いくつかの実施形態では、単位剤形又は多剤形で調製及び投与される。本明細書で使用される単位剤形は、ヒト及び動物対象に好適な物理的に分離した単位を指し、当技術分野で既知のように個別に包装される。各単位用量は、必要なvehicleと関連して、望ましい治療効果を生じるのに十分な、所定の量の治療的に活性な化合物を含む。単位剤形の例は、アンプル及び注射器、並びに個別に包装された錠剤又はカプセル剤を含む。単位剤形は、一部ずつ又はその複数で投与されてもよい。多剤形は、分離された単位剤形で投与される、1つの容器内に包装された複数の同一の単位剤形である。多剤形の例は、バイアル、錠剤若しくはカプセル剤の瓶、又はパイント若しくはガロンの瓶を含む。それ故、多剤形は、包装で分離されていない複数の単位用量である。
【0068】
液体組成物は、例えば、上記に定義した活性化合物及び必要であれば補助剤を、例えば、水、生理食塩水、水性右旋糖、グリセロール、グリコール、エタノール等のvehicleに溶解、分散、又は別様に混合して、それによって溶液又は縣濁液、コロイド分散物、エマルション又はリポソームの製剤を形成することにより調製され得る。所望であれば、投与される組成物は、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤等、例えば、酢酸塩、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミンナトリウムアセテート、オレイン酸トリエタノールアミン、及び他のこのような薬剤等の少量の非毒性補助物質も含み得る。
【0069】
それらの剤形の実際の調製方法は、当業者に既知であり、又は明らかとなる;例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,15th Edition,1975又はその後の版を参照されたい。
【0070】
0.005%~100%の範囲内の活性成分を含み、残りがvehicle又は担体から構成される剤形又は組成物を調製することができる。これらの組成物の調製方法は、当業者に既知である。想定される組成物は、0.001%~100%、一実施形態では0.1~95%、別の実施形態では0.4~10%の活性成分を含み得る。
【0071】
特定の実施形態において、組成物は、賦形剤(excipient)を含む乳糖フリー組成物であり、この賦形剤は、当技術分野で周知であり、例えばU.S.Pharmacopeia(USP)25-NF20(2002)に列挙されている。一般に、乳糖フリー組成物は、活性成分、結合剤/充填剤、及び同程度の量の滑沢剤を含む。特定の乳糖フリー剤形は、活性成分、微結晶セルロース、アルファデンプン(pre-gelatinized starch)、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0072】
水はいくつかの化合物の分解を促進し得るため、活性成分を含む無水組成物及び剤形が更に提供される。例えば、水の添加(例えば5%)は、有効期間又はある時間に亘る製剤の安定性等の特性を決定するために、長期保管をシミュレートする手段として広く容認されている。例えばJens T.Carstensen,Drug Stability:Principles & Practice,2d.Ed.,Marcel Dekker,NY,NY,1995,pp.379-80を参照されたい。実際に、水及び熱は、いくつかの化合物の分解を加速する。従って、水分及び/又は湿気は、製剤の製造、取り扱い、包装、保管、出荷及び使用の間に通常遭遇するため、製剤に対する水の影響は非常に重要であり得る。
【0073】
本明細書に提供した無水組成物及び剤形は、無水又は低水分含有成分と、低水分状態又は低湿度条件とを用いて調製され得る。
【0074】
無水組成物は、その無水の性質が維持されるように調製及び保管される必要がある。従って、無水組成物は、一般に、水に対する暴露を防止することが既知である材料を使用して包装され、従ってそれらは好適な処方(formulary)キットに収容され得る。好適な包装材料の例としては、非限定的に、密封ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えばバイアル)、ブリスターパック及びストリップパックが挙げられる。
【0075】
経口剤形は、固体、ゲル又は液体のいずれかである。固体剤形は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、及びバルク散剤である。経口錠剤のタイプは、圧縮錠、咀嚼ロゼンジ錠、及び腸溶錠、糖衣錠又はフィルムコーティング錠であり得る錠剤を含む。カプセル剤は硬又は軟ゼラチンカプセル剤であり得る一方、顆粒剤及び散剤は、当業者に既知の他の成分と組み合わせて、非発泡又は発泡形態で提供され得る。
【0076】
特定の実施形態において、製剤は、例えば、カプセル剤又は錠剤等の固体剤形である。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤等は、以下の成分の1つ以上、又は同様の性質の化合物:結合剤;滑沢剤;希釈剤;流動促進剤;錠剤崩壊剤;着色剤;甘味剤;香味剤;湿潤剤;腸溶コーティング;フィルムコーティング剤及び放出調節剤を含んでもよい。結合剤の例は、微結晶セルロース、メチルパラベン、ポリアルキレンオキシド、トラガカントガム、ブドウ糖溶液、アカシア粘液、ゼラチン溶液、モラセス、ポリビニルピロリドン、ポビドン、クロスポビドン、ショ糖、並びにデンプン及びデンプン誘導体を含む。滑沢剤は、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム/カルシウム、ヒカゲノカズラ及びステアリン酸を含む。希釈剤は、例えば、乳糖、ショ糖、トレハロース、リジン(lysine)、ロイシン、レシチン、デンプン、カオリン、塩、マンニトール及びリン酸二カルシウムを含む。流動促進剤は、非限定的に、コロイド状二酸化ケイ素を含む。錠剤崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天及びカルボキシメチルセルロースを含む。着色剤は、例えば、承認認定水溶性FD及びC染料のいずれか、それらの混合物;並びにアルミナ水和物上に懸濁された水不溶性FD及びC染料、及び当業者に既知の高度な着色料又は抗偽造色/乳白光を発する添加剤を含む。甘味剤は、ショ糖、乳糖、マンニトール及びサッカリン等の人口甘味剤、並びに任意の数の噴霧乾燥矯味剤を含む。香味剤は、果実等の植物から抽出された天然矯味剤、並びに、非限定的にペパーミント及びサリチル酸メチル等の、心地よい感覚を生む又は不快な味を遮蔽する化合物の合成ブレンドを含む。湿潤剤は、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ジエチレングリコール及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。腸溶コーティングは、脂肪酸、脂肪、ワックス、セラック、アンモニア処理セラック及びフタル酸セルロースアセテートを含む。フィルムコーティングは、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000及びフタル酸セルロースアセテートを含む。放出調節剤は、Eudragit(登録商標)シリーズ及びセルロースエステル等のポリマーを含む。
【0077】
化合物又はその誘導体は、この化合物又はその誘導体を胃の酸性環境から保護する組成物で提供されてもよい。例えば、組成物は、胃内でその完全性を維持し、腸内で活性化合物を放出する腸溶コーティングで調製されてもよい。組成物はまた、制酸剤又は他のそのような成分との組み合わせで調製されてもよい。
【0078】
投与単位剤形がカプセルの場合、カプセルは、上記のタイプの材料に加えて脂肪油等の液体担体を含んでもよい。加えて、投与単位剤形は、投与単位の物理的形態を変更する様々な他の材料、例えば糖及び他の腸溶性薬剤のコーティングを含んでもよい。化合物はまた、エリキシル剤、縣濁液、シロップ、ウエハ、スプリンクル、チューインガム等の構成成分として投与されてもよい。シロップは、活性化合物に加えて、甘味剤としてのショ糖、及び所定の保存剤、染料並びに着色剤及び矯味剤を含んでもよい。
【0079】
活性材料はまた、所望の作用を損なわない他の活性材料、又は、アント酸、H2遮断薬、及び利尿薬等の、所望の作用を補充する材料と混合されてもよい。活性成分は、本明細書に記載した化合物又はその誘導体である。約98重量%までのより高い濃度の活性成分を含み得る。
【0080】
全実施形態において、錠剤及びカプセル剤製剤は、当業者に既知のように被覆されて、活性成分の溶解を変更し又は持続させてもよい。従って、例えば、それらはサリチル酸フェニル、ワックス及びフタル酸セルロースアセテート等の、腸管で消化される従来のコーティングで被覆されてもよい。
【0081】
液体経口剤形は、非発泡顆粒から再構成された水性液剤、乳剤、縣濁剤、液剤及び/又は縣濁剤、並びに発泡顆粒から再構成された発泡製剤を含む。水性液剤は、例えば、エリキシル剤及びシロップを含む。乳剤は、水中油又は油中水のいずれかである。
【0082】
エリキシル剤は、透明な加糖水性アルコール性製剤である。エリキシル剤中で使用されるvehicleは、溶媒を含む。シロップは、糖、例えばショ糖の濃縮水溶液であり、保存剤を含み得る。乳剤は、1つの液体が他の液体全体に小球の形態で分散された二相系である。乳剤中で使用される担体は、非水性液体、乳化剤及び保存剤である。縣濁剤は、懸濁化剤及び保存剤を使用する。液体経口剤形に再構成される非発泡顆粒中に使用される容認可能な物質は、希釈剤、甘味剤及び湿潤剤を含む。液体経口剤形に再構成される発泡顆粒中に使用される容認可能な物質は、有機酸及び二酸化炭素源を含む。着色剤及び香味剤は、上記の剤形の全てに使用される。
【0083】
溶媒は、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール及びシロップを含む。保存剤の例は、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム及びアルコールを含む。乳剤中に使用される非水性液体の例は、鉱物油及び綿実油を含む。乳化剤の例は、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、及びポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタン等の界面活性剤を含む。懸濁化剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、Veegum及びアカシアを含む。甘味剤は、ショ糖、シロップ、グリセリン、及びサッカリン等の人口甘味剤を含む。湿潤剤は、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ジエチレングリコール及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。有機酸は、クエン酸及び酒石酸を含む。二酸化炭素源は、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含む。着色剤は、承認認定水溶性FD及びC染料のいずれか、及びそれらの混合物を含む。香味剤は、果実等の植物から抽出された天然矯味剤、及び心地よい味覚を生む化合物の合成ブレンドを含む。
【0084】
固体剤形の場合、例えば炭酸プロピレン、植物油又はトリグリセリド中の溶液又は縣濁液が、いくつかの実施形態ではゼラチンカプセル中に封入される。そのような溶液、並びにその製剤及びその封入は、米国特許第4,328,245号明細書;同第4,409,239号明細書;及び同第4,410,545号明細書に開示されている。液体剤形の場合、溶液、例えば、例えばポリエチレングリコールの溶液は、十分な量の液体vehicle、例えば水で希釈されて、投与用に容易に測定されることができる。
【0085】
代替的に、液体又は半固体経口製剤は、活性化合物又は塩を植物油、グリコール、トリグリセリド、プロピレングリコールエステル(例えば、炭酸プロピレン)及び他のそのような担体に溶解又は分散し、これらの溶液又は縣濁液を硬又は軟ゼラチンカプセルシェル中に封入することにより調製され得る。他の有用な製剤は、米国再発行特許第28,819号明細書及び米国特許第4,358,603号明細書に示されるものを含む。簡潔には、そのような製剤は、非限定的に、本明細書に提供した化合物、非限定的に1,2-ジメトキシエタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル(ここで350、550及び750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す)を含むジアルキル化モノ-又はポリアルキレングリコール、及び1つ以上の抗酸化剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバメートを含む。
【0086】
他の製剤は、非限定的に、アセタールを含む水性アルコール性溶液を含む。これらの製剤中に使用されるアルコールは、非限定的にプロピレングリコール及びエタノールを含む、1つまたはそれ以上のヒドロキシル基を有する任意の水混和性溶媒である。アセタールは、非限定的に、アセトアルデヒドジエチルアセタール等の低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタールを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、皮下、筋肉内又は静脈内のいずれかの注射により特徴付けられる非経口投与も本明細書で想定される。注射剤は、液体溶液又は縣濁液、注射前に液体中の溶液又は縣濁液とするのに好適な固体形態、又は乳剤として従来の形態で調製され得る。注射剤、溶液及び乳剤は、1つまたはそれ以上の賦形剤も含む。好適な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、右旋糖、グリセロール又はエタノールである。加えて、所望であれば、投与される組成物はまた、湿潤又は乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解促進剤等の少量の非毒性補助物質、及び例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン及びシクロデキストリン等の他のそのような薬剤を含んでもよい。
【0088】
一定レベルの投与量を維持するための遅延放出又は徐放システムの埋め込み(例えば米国特許第3,710,795号明細書参照)も、本明細書で想定される。手短には、本明細書に提供した化合物は、solid inner matrix、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、炭酸シリコーンコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのハイドロゲル等の親水性ポリマー、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び架橋部分加水分解ポリビニルアセテート中に分散され、これは外側高分子膜、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ビニルアセテートとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/ビニルアセテート/ビニルアルコールターポリマー、及びエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーにより包囲され、これは体液に不溶である。化合物は、放出速度制御ステップにおいて外側高分子膜を通して拡散する。そのような非経口組成物に含まれる活性化合物の百分率は、その特定の性質、並びに化合物の活性及び対象の必要性に高く依存する。
【0089】
組成物の非経口投与は、静脈内、皮下及び筋肉内投与を含む。非経口投与用の製剤は、注射の準備ができている滅菌溶液、使用直前に溶媒と組み合わされる準備ができている凍結乾燥粉末等の滅菌乾燥可溶性製品(皮下錠剤を含む)、注射の準備ができている滅菌縣濁液、使用直前にvehicleと組み合わされる準備ができている滅菌乾燥不溶性製品、及び滅菌乳剤を含む。溶液は、水性又は非水性のいずれかであり得る。
【0090】
静脈内投与される場合、好適な担体は、ブドウ糖、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール並びにそれらの混合物等の増粘剤及び可溶化剤を含む、生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、及び溶液を含む。
【0091】
非経口製剤中に使用されるvehicleは、水性vehicle、非水性vehicle、抗菌剤、等張剤、緩衝液、抗酸化剤、局部麻酔剤、懸濁化及び分散剤、乳化剤、捕捉又はキレート化剤及び他の物質を含む。
【0092】
水性vehicleの例は、塩化ナトリウム注射剤、リンゲル注射剤、等張ブドウ糖注射液剤、滅菌水注射剤、右旋糖及び乳糖リンゲル注射剤を含む。非水性非経口vehicleは、植物起源の固定油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油及びピーナッツ油を含む。多用量容器内に包装された非経口製剤に静菌又は静真菌濃度の抗菌剤を添加する必要があり、この抗菌剤は、フェノール又はクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp-ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンズアルコニウム及び塩化ベンゼトニウムを含む。等張剤は、塩化ナトリウム及び右旋糖D-グルコースを含む。緩衝液は、リン酸塩及びクエン酸塩を含む。抗酸化剤は、重硫酸ナトリウムを含む。局部麻酔薬は、プロカイン塩酸塩を含む。懸濁化及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンを含む。乳化剤は、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80)を含む。金属イオンの捕捉又はキレート化剤は、EDTAを含む。担体はまた、水混和性vehicleのためのエチルアルコール、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコール;並びにpH調整のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸又は乳酸を含む。
【0093】
化合物の濃度は、注射が所望の薬理学的効果を生じる有効量を提供するように調整される。正しい用量は、当技術分野にて既知のように、患者又は動物の年齢、体重、身体表面積及び病状に依存する。
【0094】
単位用量非経口製剤は、アンプル、バイアル又は針付き注射器内に包装されている。非経口投与用の全製剤は、当技術分野で既知及び実践されているように滅菌される必要がある。
【0095】
例示的には、活性化合物を含む滅菌水溶液の静脈内又は動脈内注入は、効果的な投与モードである。別の実施形態は、必要に応じて注射されて所望の薬理学的効果を生じる、活性材料を含む滅菌水性又は油性溶液又は縣濁液である。
【0096】
注射剤は、局部及び全身投与用に設計されている。いくつかの実施形態では、治療的に有効な投与量は、少なくとも約0.01%w/w~約90%w/w以上まで、所定の実施形態では、0.1%w/wを超える活性化合物の濃度を含むように調製されて、組織を処置する。
【0097】
化合物は微粒子化された又は他の好適な形態で懸濁されてもよく、又は、より高い可溶性を有する活性生成物を生じる若しくはプロドラッグを生じるように誘導体化されてもよい。得られた混合物の形態は、意図される投与モード及び選択された担体又はvehicle中の化合物の溶解度を含む複数の因子に依存する。効果的な濃度は、病態を寛解させるのに十分であり、経験的に決定され得る。
【0098】
本明細書に提供した活性成分は、当業者に周知の放出制御手段又は送達装置により投与することができる。その例は、非限定的に、米国特許第3,845,770号明細書;同第3,916,899号明細書;同第3,536,809号明細書;同第3,598,123号明細書;同第4,008,719号明細書;同第5,674,533号明細書;同第5,059,595号明細書;同第5,591,767号明細書;同第5,120,548号明細書;同第5,073,543号明細書;同第5,639,476号明細書;同第5,354,556号明細書;同第5,639,480号明細書;5,733,566号明細書;同第5,739,108号明細書;同第5,891,474号明細書;同第5,922,356号明細書;同第5,972,891号明細書;同第5,980,945号明細書;同第5,993,855号明細書;同第6,045,830号明細書;同第6,087,324号明細書;同第6,113,943号明細書;同第6,197,350号明細書;同第6,248,363号明細書;6,264,970号明細書;同第6,267,981号明細書;同第6,376,461号明細書;同第6,419,961号明細書;同第6,589,548号明細書;6,613,358号明細書;同第6,699,500号明細書及び同第6,740,634号明細書に記載されているものを含む。そのような剤形は、例えば、様々な割合で所望の放出プロファイルを提供するヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、ゲル、透過性膜、浸透圧システム、多層コーティング、ミクロ粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はこれらの組み合わせを使用して、1つ以上の活性成分の遅延又は制御放出を提供するのに使用することができる。本明細書に記載したものを含む、当業者に既知の好適な制御放出製剤は、本明細書に提供した活性成分と共に使用するために容易に選択することができる。
【0099】
放出制御剤は全て、それらの非制御の対応物により達成されるものを超える改善された薬物療法という共通の目標を有する。理想的には、医療処置における最適に設計された放出制御製剤の使用は、最小量の時間で、最小の薬物物質を使用して病状を治癒又は制御することにより特徴付けられる。放出制御製剤の利点は、薬物活性が延長し、投与頻度が減少し、及び患者の服薬順守(compliance)の改善を含む。加えて、放出制御製剤は、作用の開始時間又は他の特徴、例えば薬物の血中濃度等に影響を与えるのに使用することができ、従って副(例えば有害)作用の出現に影響を与え得る。
【0100】
殆どの放出制御製剤は、最初に、所望の治療効果を迅速に生じる薬物(活性成分)の量を放出し、徐々に及び連続的に薬物の他の量を放出して、治療又は予防効果を延長された期間に亘りこのレベルに維持するように設計されている。身体内でこの薬物の一定レベルを維持するために、薬物は、身体から代謝及び排泄される薬物の量を置き換えるであろう速度で、剤形から放出される必要がある。活性成分の制御放出は、非限定的に、pH、温度、酵素、水、又は他の生理学的条件又は化合物を含む様々な条件により影響され得る。
【0101】
特定の実施形態において、薬剤は、静脈内注入、埋め込み浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、又は他の投与モードを用いて投与され得る。いくつかの実施形態では、ポンプが使用され得る(Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwald et al.,Surgery 88:507(1980);Saudek et al.,N.Engl.J.Med.321:574(1989)参照)。別の実施形態では、高分子材料を使用し得る。別の実施形態では、放出制御システムは治療標的の付近に配置されてもよく、即ち、それによりごく少量の全身用量を必要とする(例えばGoodson,Medical Applications of Controlled Release,vol.2,pp.115-138(1984)参照)。いくつかの実施形態では、放出制御装置は、不適当な免疫活性化部位又は腫瘍の部位に近接して、対象内に導入される。他の放出制御システムは、Langer(Science 249:1527-1533(1990))による総説で論じられている。活性成分は、solid inner matrix、例えばポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、炭酸シリコーンコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのハイドロゲル等の親水性ポリマー、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び架橋部分加水分解ポリビニルアセテート中に分散されてもよく、これは外側高分子膜、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ビニルアセテートとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/ビニルアセテート/ビニルアルコールターポリマー、及びエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーにより包囲され、これは体液に不溶である。次いで活性成分は、放出速度制御ステップにおいて外側高分子膜を通して拡散する。そのような非経口組成物中に含まれる活性成分の百分率は、その特定の性質、及び対象の必要性に高く依存する。
【0102】
溶液、乳剤及び他の混合物として投与するために再構成され得る凍結乾燥粉末も、本明細書の関心対象である。これらはまた、固体又はゲルとして再構成及び調製され得る。
【0103】
滅菌凍結乾燥粉末は、本明細書に提供した化合物、又はその誘導体を好適な溶媒に溶解することによって調製される。溶媒は、粉末又は粉末から調製された再構成溶液の安定性又は他の薬理学的構成要素を改善する賦形剤を含むことができる。使用され得る賦形剤は、非限定的に、抗酸化剤、緩衝液及び増量剤を含む。いくつかの実施形態では、賦形剤は、右旋糖D-グルコース、ソルビトール、果糖、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、ブドウ糖、ショ糖及び他の好適な物質から選択される。溶媒は、ほぼ中性pHにおけるクエン酸塩、リン酸ナトリウム又はカリウム等の緩衝液、又は当業者に既知の他のそのような緩衝液を含むことができる。続く溶液の滅菌ろ過と、その後の当業者に既知の標準的な条件下での凍結乾燥により所望の製剤が提供される。いくつかの実施形態では、得られた溶液は、凍結乾燥のためにバイアル内に分配されるであろう。各バイアルは、化合物の単回投与量又は多回投与量を含むであろう。凍結乾燥粉末は、約4℃~室温等の適切な条件下で保管され得る。
【0104】
注射用蒸留水を用いたこの凍結乾燥粉末の再懸濁により、非経口投与での使用のための製剤が提供される。再懸濁のために、凍結乾燥粉末は滅菌水又は他の好適な担体に添加される。正確な量は、選択された化合物に依存する。そのような量は、経験的に決定することができる。
【0105】
局所混合物は、局部及び全身投与に関して記載されたように調製される。得られた混合物は、溶液、縣濁液、乳剤等であり得、クリーム、ゲル、軟膏、乳剤、溶液、エリキシル剤、ローション、縣濁液、チンキ、ペースト、泡状体、エアロゾル、灌水剤、噴霧剤、坐薬、絆創膏、皮膚パッチ又は局所投与に好適な任意の他の製剤として調製される。
【0106】
化合物又はその誘導体は、例えば吸入による局所適用のためのエアロゾルとして調製されてもよい(例えば、炎症性疾患、特に喘息の処置に有用なステロイドの送達のためのエアロゾルを記載する米国特許第4,044,126号明細書、同第4,414,209号明細書及び同第4,364,923号明細書を参照されたい)。気道への投与用のこれら製剤は、単独で又は乳糖等の不活性担体との組み合わせで、ネブライザー用のエアロゾル若しくは溶液の形態、又は吹送法用の超微粒粉末としてであってもよい。そのような場合、製剤の粒子は、いくつかの実施形態では、5マイクロメートル未満、別の実施形態では10マイクロメートル未満の質量中央径を有するであろう。
【0107】
吸入に好適な化合物又は誘導体の経口吸入製剤は、定量吸入器、乾燥粉末吸入器、及びネブライザー又は定量液体分注システムからの投与のための液体製剤を含む。定量吸入器及び乾燥粉末吸入器の両方のために、化合物又は誘導体の結晶形は、製品安定性をより長くするために、薬物の好ましい物理的形態である。
【0108】
当業者に既知の粒子サイズ低下方法に加えて、化合物又は誘導体の結晶質粒子は超臨界流体処理を用いて生成することができ、この処理は、一ステップで所望のサイズの吸入可能な粒子を製造することによって、それらの吸入送達用の粒子の製造に有意な利点を提供する。(例えば、国際公開第WO2005/025506号明細書)。微結晶の制御された粒子サイズは、有意な割合の化合物又は誘導体が肺内に堆積することを確実にするように選択され得る。いくつかの実施形態では、これらの粒子は、約0.1~約10マイクロメートル、別の実施形態では、約1~約5マイクロメートル、尚別の実施形態では、約1.2~約3マイクロメートルの空気動力学的中央粒子径を有する。
【0109】
不活性及び非可燃性HFA噴射剤は、HFA 134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)及びHFA 227e(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)から選択され、単独で、又は、化合物若しくは誘導体の結晶粒子の密度と一致する比でのいずれかで提供される。比はまた、製品縣濁液が有害な沈降又はクリーム化(これは不可逆な集塊を沈殿させ得る)を避け、その代わりに、振とうされた際に容易に分散する緩く凝集した系を促進することを確実にするように選択され得る。緩く凝集した系は、pMDIキャニスターの最適な安定性を提供することで高評価である。この製剤の特性の結果として、製剤はエタノール及び界面活性剤/安定化剤を含まなかった。
【0110】
化合物は、局部又は局所適用のために、例えば皮膚及び粘膜、例えば眼内への局所適用のためにゲル、クリーム及びローションの形態で、また眼への適用又は嚢内若しくは髄腔内適用のために調製されてもよい。局所投与は、経皮送達及び眼若しくは粘膜への投与、又は吸入療法のために想定される。活性化合物の経鼻溶液も、単独で又は他の賦形剤との組み合わせで投与されてもよい。
【0111】
経鼻投与のために、製剤は、エアロゾル適用のために液体担体、特に水性担体に溶解又は懸濁されたエステル化ホスホネート化合物を含んでもよい。担体は、プロピレングリコール等の可溶化若しくは懸濁剤、界面活性剤、レシチン若しくはシクロデキストリン等の吸収促進剤、又は保存剤を含んでもよい。
【0112】
溶液、特に眼科用使用に意図された溶液は、適切な塩と共に0.01%~10%等張溶液、pH約5~7.4として調製され得る。
【0113】
イオントフォレーシス及び電気泳動的装置を含む経皮パッチ、並びに直腸投与等の他の投与経路も、本明細書で想定される。
【0114】
イオントフォレーシス及び電気泳動的装置を含む経皮パッチは、当業者に周知である。例えば、そのようなパッチは、米国特許第6,267,983号明細書、同第6,261,595号明細書、同第6,256,533号明細書、同第6,167,301号明細書、同第6,024,975号明細書、同第6,010715号明細書、同第5,985,317号明細書、同第5,983,134号明細書、同第5,948,433号明細書及び同第5,860,957号明細書に開示されている。
【0115】
例えば、直腸投与用の剤形は、全身効果のための直腸坐薬、カプセル剤及び錠剤である。本明細書で使用される直腸坐薬は、体温で融解又は軟化して1つ以上の薬理学的に又は治療的に活性な成分を放出する、直腸内に挿入するための固体本体を意味する。直腸坐薬中に使用される物質は、基材又はvehicle及び融点を上昇される薬剤である。基材の例は、ココアバター(テオブロマ油)、グリセリン-ゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)並びに脂肪酸のモノ-、ジ-及びトリグリセリドの適切な混合物を含む。様々な基材の組み合わせを使用することができる。坐薬の融点を上昇される薬剤は、鯨ろう及びワックスを含む。直腸坐薬は、圧縮方法又は成型のいずれかにより調製され得る。直腸坐薬の重量は、一実施形態では、約2~3gmである。直腸投与用の錠剤及びカプセル剤は、経口投与用の製剤に関するものと同じ物質及び同じ方法を用いて製造される。
【0116】
本明細書に提供した化合物又はその誘導体はまた、処置される対象の特定の組織、受容体、又は他の領域を標的とするよう製剤化されてもよい。そのような標的化方法の多くは、当業者に周知である。そのような標的化方法の全てが、本発明の組成物における使用のために想定される。標的化方法の非限定的な例に関しては、例えば米国特許第6,316,652号明細書、同第6,274,552号明細書、同第6,271,359号明細書、同第6,253,872号明細書、同第6,139,865号明細書、同第6,131,570号明細書、同第6,120,751号明細書、同第6,071,495号明細書、同第6,060,082号明細書、同第6,048,736号明細書、同第6,039,975号明細書、同第6,004,534号明細書、同第5,985,307号明細書、同第5,972,366号明細書、同第5,900,252号明細書、同第5,840,674号明細書、同第5,759,542号明細書及び同第5,709,874号明細書を参照されたい。
【0117】
いくつかの実施形態では、腫瘍標的化リポソーム等の組織標的化リポソームを含むリポソームの縣濁液も担体として好適であり得る。これらは、当業者に既知の方法に従って調製することができる。例えば、リポソーム製剤は、米国特許第4,522,811号明細書に記載されるように調製することができる。簡潔には、マルチラメラ小胞(MLV’s)等のリポソームは、フラスコ内でホスファチジルコリン及びホスファチジルセリン(7:3モル比)を乾燥することにより形成することができる。本明細書に提供した化合物の二価カチオンを欠いたリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の溶液を加え、脂質フィルムが分散するまでフラスコを振とうする。得られた小胞を洗浄して包まれていない化合物を除去し、遠心分離でペレット化した後、PBS中に再懸濁する。
【0118】
化合物又は誘導体は、包装材料、上記の疾病又は疾患の1つ以上の症状の処置、予防又は寛解に効果的である本明細書に提供した化合物又はその誘導体を含む製品として包装材料内に包装されてもよく、化合物又は組成物又はその誘導体を示すラベルが、上記の疾病又は疾患の1つ以上の症状の処置、予防又は寛解のために使用される。
【0119】
本明細書に提供した製品は、包装材料を含む。包装製品における使用のための包装材料は、当業者に周知である。例えば米国特許第5,323,907号明細書、同第5,052,558号明細書及び同第5,033,252号明細書を参照されたい。包装材料の例は、非限定的に、ブリスターパック、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、注射器、瓶、並びに選択された製剤及び意図される投与モード及び処置に好適な任意の包装材料を含む。本明細書に提供した化合物及び組成物の非常に沢山の製剤が、本明細書に記載した任意の疾病又は疾患の多様な処置又は予防として想定される。
【0120】
投与量
感染性疾患の処置又は予防のための使用において、本明細書に記載した化合物又はその医薬組成物は、治療的有効量で投与又は適用される。ヒトの治療において、医師は、予防的又は治癒的処置に従って、また年齢、体重、疾病の段階及び処置される対象に特異的な他の因子に従って、最も適切な投与量レジメンを決定するであろう。感染性疾患の予防又は処置に有効となる本明細書に提供した製剤中の活性成分の量は、疾病又は病状の性質及び重篤さ、並びに活性成分が投与される経路により変動するであろう。頻度及び投与量はまた、投与される特定の治療法(例えば治療薬又は予防薬)、感染症の重篤さ、投与経路、並びに対象の年齢、身体、体重、応答、及び過去の病歴に応じて、各対象に特異的な因子に従って変動するであろう。
【0121】
製剤の例示的な用量は、対象のキログラム当たりの活性化合物のミリグラム又はマイクログラム量(例えば、約1マイクログラム/キログラム~約50ミリグラム/キログラム、約10マイクログラム/キログラム~約30ミリグラム/キログラム、約100マイクログラム/キログラム~約10ミリグラム/キログラム、又は約100マイクログラム/キログラム~約5ミリグラム/キログラム)を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、治療的に有効な投与量は、約0.001ng/ml~約50~200μg/mlの活性成分の血清濃度を生じる必要がある。別の実施形態では、組成物は、約0.0001mg~約70mgの化合物/体重のキログラム/日の投与量を提供する必要がある。単位剤形は、約0.01mg、0.1mg又は1mg~約500mg、1000mg又は5000mg、いくつかの実施形態では、約10mg~約500mgの活性成分又は必須成分の組み合わせ/単位剤形を提供するように調製される。
【0123】
活性成分は、1度に投与されてもよく、又は、ある時間間隔で投与される、より少ない複数の用量に分割されてもよい。正確な投与量及び処置の持続時間は、処置される疾病に応じ、既知の試験プロトコル、又は、インビボ若しくはインビトロでの試験データ若しくは続く臨床試験からの外挿を用いて経験的に決定され得ることが理解される。濃度及び投与量の値は、軽減される病状の重篤さによっても変動し得ることに留意するべきである。任意の特定の対象のために、特定の投与量レジメンは、個々の必要性と、組成物の投与を管理及び監督する人である専門家の判断とに従って、ある時間に亘って調整される必要があること、並びに、本明細書に示す濃度範囲は、単なる例示であり、特許請求される組成物の範囲及び実践を限定することを意図するものではないことも更に理解するべきである。
【0124】
当業者に明らかとなるように、ある場合には、本明細書に開示した範囲外の活性成分の投与量を使用する必要があり得る。更に、臨床医又は処置する医師は、対象応答と関連して、どのように及びいつ治療法を中断、調整又は終結するかを知ることに留意される。
【0125】
全身投与の場合、治療的に有効な用量は、当初、インビトロでのアッセイから概算することができる。例えば、用量は、細胞培養で決定されるIC50(即ち、細胞培養物の50%で致命的な試験化合物濃度)、又は細胞培養で決定されるIC100(即ち、細胞培養物の100%で致命的な化合物濃度)を含む循環濃度範囲を達成するように、動物モデルにおいて調製され得る。このような情報は、ヒトにおける有用な用量のより正確な決定に使用することができる。
【0126】
初期投与量も当技術分野で周知の技術を用いてインビボデータ(例えば動物モデル)から概算することができる。当業者は動物データに基づいてヒトへの投与を容易に最適化することができる。
【0127】
代替的に、初期投与量は、本明細書に開示した特定の化合物のIC50、MIC及び/又はIC100を、既知の薬剤のそれらと比較し、それに従って初期投与量を調整することにより、投与される既知の薬剤の投与量から決定することができる。最適投与量は、日常的な最適化によって、これらの初期値から得ることができる。
【0128】
局部投与又は選択的取り込みの場合、使用される有効局部濃度化合物は、血漿濃度に関連しない場合がある。当業者は、不必要な実験を行うことなく治療的に有効な局部投与量を最適化することが可能であろう。
【0129】
理想的には、本明細書に記載した化合物の治療的に有効な用量は、有意な毒性を生じることなく治療効果を提供するであろう。化合物の毒性は、細胞培養物又は実験動物において標準的な薬学的なプロセスに従って、例えばLD50(集団の50%に致命的な用量)又はLD100(集団の100%に致命的な用量)を決定することによって決定され得る。毒性と治療効果との用量比は、治療指数である。高い治療指数を有する化合物が好ましい。これらの細胞培養アッセイ及び動物試験から得られたデータは、対象における使用に毒性でない投与量範囲を処方するのに使用され得る。本明細書に記載した化合物の投与量は、毒性が殆ど又は全くない有効用量を含む循環濃度の範囲内にあることが好ましい。投与量は、使用される剤形及び利用される投与経路に応じてこの範囲内で変動してもよい。正しい製剤、投与経路及び投与量は、患者の病状を考慮して個々の医師により選択されてもよい(例えばFingl et al.,1975,In:The Pharmacological Basis of Therapeutics,Ch.1,p.1参照)。
【0130】
治療法は、間欠的に反復されてもよい。特定の実施形態では、本明細書に提供した同じ製剤の投与は反復されてもよく、投与は少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2か月、75日、3か月又は6か月分離されてもよい。
【0131】
化合物及び組成物の使用方法
本明細書に記載した化合物及び組成物は、対象における神経性の病状及び他の疾患を処置又は予防するための非常に様々な用途に使用することができる。本方法は概して、治療的有効量の本明細書に開示した化合物又はその医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0132】
本明細書に記載した化合物及び組成物は、例えば、疼痛(例えば神経因性疼痛、神経因性疼痛に不随する感作、及び炎症性疼痛、鎌状赤血球症疼痛、急性疼痛)、線維筋痛症、偏頭痛;薬物乱用又は依存性(例えばニコチン、コカイン、メタンフェタミン)、アルコール中毒;不安、鬱病(例えば大うつ病性障害)、心的外傷後ストレス障害、気分障害、感情疾患(例えば、鬱病及び気分変調症;双極性障害、例えば双極性鬱病;躁病;季節性感情障害;並びに注意欠陥障害(ADD)及び注意欠陥多動障害(ADHD))、強迫性疾患、めまい、てんかん、統合失調症、統合失調症関連疾患、統合失調症スペクトラム疾患、急性統合失調症、慢性統合失調症、NOS統合失調症、スキゾイドパーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害、妄想性障害、精神病、精神障害、短期精神障害、共有精神病性障害、全身の医学的状態に起因する精神障害、薬物誘導精神病(例えばコカイン、アルコール、アンフェタミン)、統合失調症感情障害、攻撃性、せん妄、パーキンソン精神病、興奮性精神病、トゥレット症候群、有機又はNOS精神病、発作、激越、行動障害等の神経性病状;アルツハイマー病、パーキンソン病、ジスキネジア、ハンチントン病、認知症;認知障害、統合失調症(CIAS)に関連した認知障害、運動障害、四肢静止不能症候群(RLS)、多発性硬化症、睡眠障害、睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、日中の過剰な眠気、時差ぼけ、薬物療法による傾眠副作用、不眠症、摂食障害、性機能不全、高血圧、嘔吐、レッシュ・ナイハン病、ウィルソン病、自閉症、ハンチントン舞踏病、又は月経前不快気分等の神経変性疾患の処置又は予防に使用することができる。
【0133】
ノシセプチン受容体化合物は、非限定的に不適切な抗利尿薬ホルモン分泌、水保持及び/又は塩排泄の不均衡により特徴付けられるものを含む腎疾患及び尿失禁の処置又は予防に使用することができる。例えば、米国特許第6,869,960号明細書は、腎疾患の治療薬と言われるスピロピペリジンORL-1リガンドのクラスを開示している。
【0134】
ノシセプチン受容体化合物は、更に、非限定的に収縮期高血圧、心筋梗塞、徐脈、不整脈、高血圧、低血圧、血栓症、貧血、動脈硬化症及び狭心症を含む心血管疾患の処置又は予防に使用することができる。例えば、米国特許第7,241,770号明細書は、心血管疾患の治療薬と言われるノシセプチンアゴニストのクラスを開示している。
【0135】
ノシセプチン受容体化合物は、更に、非限定的に下痢及び炎症性腸疾患、クローン病、炎症性腸症候群におけるもの等の疼痛を含む胃腸疾患の処置又は予防に使用することができる。
【0136】
本明細書に開示した化合物は、パーキンソン病(PD)及びその関連したジシネジア(dysinesias)の処置に、新しい非ドーパミン作動性標的を利用し得る。いくつかの研究により、PDにおいて冒された黒質線条体経路におけるN/OFQ及びNOP受容体の病原的役割が明らかとなっている(下記参照)。NOP受容体、G-タンパク質共役受容体は、オピオイド受容体ファミリーの第4のメンバーであるが、高い親和性で既知のオピエート(opiate)に結合しない(Mollereau et al.,FEBS Lett.,1994,341:33-8)。NOPの内因性リガンドは、N/OFQと称される17-アミノ酸ペプチドである。N/OFQは、μ、δ、及びκオピオイド受容体に対して低い親和性を有する(Gintzler,et al.,Eur.J.Pharmacol.,1997,325:29-34)。N/OFQ-NOP受容体システムは、脳皮質及び皮質下領域、特に線条体、淡蒼球及び黒質(SN)ニューロンにおいて広く発現している。
【0137】
内因性N/OFQはPD症状の発生に寄与し、N/OFQレベルは、ドーパミン(DA)細胞消失又はDA伝達の機能的障害後のSNrにおいて上昇している(Marti,et al.,Mov.Disord.,2010,25:1723-32)。このような増大は、PD患者のCSFにおいても観察される(Marti et al.,2010);ii)NOP受容体アンタゴニストは、PDの神経変性(6-OHDA片側損傷ラット、MPTP-処置マウス及びマカク)及び機能的(レセルピン処置-又はハロペリドール処置動物)モデルにおいてパーキンソン病様症状を逆転させる;iii)N/OFQ遺伝子の遺伝子欠損は、MPTPの神経毒性作用からマウスを保護する。メカニズムの研究は、NOPアンタゴニストの抗パーキンソン病作用が、線条体DA求心路遮断により生じる、黒質-視床神経を侵害する興奮性(GLU)及び抑制性(GABA)入力間の不均衡の正常化を介して達成されることを明らかにした。NOPアンタゴニストはまた、レボドパの対症効果を増強する。
【0138】
NOP受容体アゴニスト(市販のSCH221510;Varty et al.,J.Pharmaco.Exp.Ther.,2008,326:672-82)は、線条体に作用することにより、L-DOPAに暴露された運動障害ラット及び非ヒト霊長類において、異常な不随意運動[AIMs、レボドパ誘導によるジスキネジア(LID)に関連付けられた齧歯類]の発現を減弱させ、この線条体では、SNrとは対照的に、N/OFQトーンが低下し、NOP受容体はDA細胞消失後に上昇した(Marti,M.,et al.,2012)。この作用は、抗運動障害用量が典型的な自動運動抑制用量よりも100倍低かったため、NOPアゴニストの典型的な運動抑制効果と分離し得る。
【0139】
臨床的観点から、本明細書に開示したNOP受容体アンタゴニストは、PDに関連した症状及び神経変性の処置に有用であり得る一方、NOP受容体アゴニストはLIDの処置に有効である。
【0140】
N/OFQ遺伝子の遺伝子欠損は、MPTPの神経毒性作用からマウスを保護する。メカニズムの研究は、NOPアンタゴニストの抗パーキンソン病作用が、線条体DA求心路遮断により生じる、黒質-視床神経を侵害する興奮性(GLU)及び抑制性(GABA)入力間の不均衡の正常化を介して達成されることを明らかにした。NOPアンタゴニストはまた、レボドパの対症効果を増強する。従ってNOP受容体アンタゴニストは、PD患者において対症及び神経保護効果を提供し得る。一方、NOP受容体アゴニストは、L-DOPAに暴露された運動障害ラット及び非ヒト霊長類においてAIMsの発現を減弱することが示されている。
【0141】
ノシセプチン受容体アゴニストは、当技術分野にて、モルヒネ、コカイン、アンフェタミン及びアルコール等の、いくつかの一般的な乱用薬物の報酬特性を遮断することが既知である。NOPリガンドの投与は、齧歯類脳の報酬領域において基礎的な及び薬物刺激によるドーパミン放出を抑制する。薬物報酬に対するNOPアゴニストの阻害効果、及び脳内の中脳辺縁系領域における薬物誘導ドーパミン放出の阻害は、薬物乱用の薬物療法としてのNOPアゴニストの有用性を示唆している。本明細書に記載した化合物は、薬物乱用障害及び中毒の処置に用途を見出し得る。
【0142】
他のオピオイド受容体、μ、δ及びκオピオイド受容体は、「オピオイド鎮痛」と歴史的に関連しているが、NOP受容体並びにそのアゴニスト及びアンタゴニストは、急性疼痛並びに神経因性及び炎症性疼痛の齧歯類及び非ヒト霊長類モデルにおけるNOPリガンドの痛覚抑制活性に関するデータの出現により、鎮痛薬としての可能性が認められ始めた所である(Khroyan et al.,Eur.J.Pharmacol.,2009,610:49-54;Khroyan et al.,J.Pharmacol.Exper.Therap.,2011,339:687-93;Khroyan et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,2007,320:934-43;Lin and Ko,ACS Chem.Neurosci.,2013,4:214-24;Toll et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,2009,331:954-64)。NOP受容体は、中枢及び末梢神経系並びに他の3つのオピオイド受容体と同じ痛覚伝達経路に広く分布する。しかしながら、オピオイド受容体とは異なり、痛覚におけるNOP受容体の薬理は、非常に異なり、かつ複雑である。
【0143】
NOPアゴニストは、慢性疼痛の齧歯類モデルにおいて強力な痛覚抑制効果を有することが示されている(Khroyan et al.,J.Pharmacol.Exper.Therap.,2011,339:687-93;Sukhtankar et al,J.Pharmacol.Exp.Ther.,2013,346:11-22)。NOPアンタゴニストは、慢性疼痛においてモルヒネの痛覚抑制効果を増強することができる(Khroyan et al.,Eur.J.Pharmacol.,2009,610:49-54)。鎮痛薬として有効なNOPアゴニストは、齧歯類モデルでいかなる報酬効果又は乱用の可能性も示さず、NOPアゴニストは従来のオピオイドと比較して非中毒性鎮痛薬としての優位性を有する可能性が指摘される(Khroyan et al.,J.Pharmacol.Exper.Ther.,2011,339:687-93;Toll et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,2009,331:954-64)。本明細書に開示した化合物は、特に慢性、神経因性、及び炎症性疼痛病状のための、鎮痛薬(NOPアゴニスト)又はオピオイド疼痛療法(NOPアンタゴニスト)の補助剤としての用途が見出され得る。
【0144】
全てのノシセプチン受容体リガンドがNOP受容体に対する親和性を有すると共に、これらは0%~100%の範囲に亘り受容体の「固有活性(機能的有効性)」を調節することができる。0%の機能的有効性を有し、受容体の機能を遮断するNOPリガンドは、NOPアンタゴニストとして分類される。75~100%の機能的有効性を有し、受容体を活性化するリガンドは、NOPアゴニストとして分類される。これらの間(15~75%の機能的有効性)のリガンドは、一般に、NOP部分アゴニストとして分類される。NOPリガンドの結合親和性、及びそれらの機能的有効性(アゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト)は、本発明者らの以前の研究に示されるように、様々な化学足場を用いた化学構造改変によって調節することができる(Zaveri et al.,J.Med.Chem.,2004,47:2973-6;Zaveri,et al.,AAPS J.,2005,7:E345-52;Zaveri et al.,“Structure-activity relationships of Nociceptin Receptor(NOP) Ligands and the Design of Bifunctional NOP/mu opioid receptor-targeted Ligands”,in Research and Development of Opioid-Related Analgesics,Ko,M.C.;Husbands,S.M.,Eds.,American Chemical Society,2013,Chapter 8,pp 145-160)。
【0145】
組み合わせ療法
本明細書に開示した化合物及び組成物は、1つまたはそれ以上の他の活性成分との組み合わせで使用することもできる。特定の実施形態において、化合物は、他の一治療薬と組み合わせて、又は連続して投与することができる。そのような他の治療薬は、薬物中毒、疼痛、神経変性疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、精神疾患、腎疾患、胃腸疾患、及び心血管疾患に関連した1つ以上の症状の処置、予防、又は寛解に関して既知のものを含む。
【0146】
本明細書に提供した化合物及び医薬組成物と、上記の治療薬のうちの1つまたはそれ以上及び場合により1つ以上の更なる薬理学的に活性な物質との任意の好適な組み合わせが、本開示の範囲内に含まれると考えられることを理解するべきである。いくつかの実施形態では、本明細書に提供した化合物及び医薬組成物は、1つ以上の追加の活性成分の前又は後に投与される。
【0147】
本明細書に引用した全ての刊行物及び特許は、その全体が参照により組み入れられる。
【実施例】
【0148】
これらの化合物の調製に使用した出発物質及び試薬は、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)、Strem Chemicals(Newburyport、MA)、及びAK Scientific(Union City、CA)等の商業的供給業者から得た。1H NMRスペクトルをVarian Gemini 300MHz分光器(それぞれ300MHz及び75MH)上で記録し、δ7.27にてクロロホルムを内部基準とした。1H NMRに関するデータは、以下のように報告する:ケミカルシフト(δ ppm)、多重度(s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線)、結合定数(Hz)、積分、及び割り当て。ThermoFinnigan LCQ Duo LC/MS/MS又はAPI 150 EX MS(Applied Biosystems)機器及びエレクトロスプレーイオン化プローブを使用してMSスペクトルを得た。Analtech UniplateシリカゲルTLCプレート上で薄層クロマトグラフィーを行った。シリカゲル、Merck等級9385、230~400メッシュを使用してフラッシュクロマトグラフィーを行った。
【0149】
実施例1:1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール(61)及び1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-3-カルバルデヒドオキシム(81)の合成
スキームIは、この合成を示す。
【0150】
スキームI
【化21】
スキームIの試薬及び条件:a)AcOH、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(STAB)、MgSO
4、DCE、室温(一般的手順A);b)i.TFA、CH
2Cl
2、ii.4-イソプロピル-シクロヘキサノン、STAB、AcOH、DCE(一般的手順B、2ステップ);c)MnO
2、CH
2Cl
2;d)POCl
3、DMF;及びe)NH
2OH・HCl、NaOAc・3H
2O、EtOH:H
2O(2:1)、110℃。
【0151】
一般的手順A:N-Bocピペリドンとの還元的アミノ化:アニリン基質(1.00当量)及びN-Boc-ピペリドン(1.05~1.50当量)を丸底フラスコ内に入れた。1,2-DCE(0.25M)を加え、混合物を両方の成分が溶解するまで撹拌した。この溶液にMgSO4(100重量%の制限試薬(limiting reagent))及び氷AcOH(1.00~2.30当量)を周囲温度で加え、溶液を90分間撹拌した。この段階で、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(STAB)(1.50~2.30当量)を加えた。反応物を室温で撹拌したままにし、TLC(EtOAc:ヘキサン)で確認した。1~2日後、反応はTLC分析により≧90%完了した。反応を飽和NaHCO3(aq.)によりクエンチし、反応混合物が塩基性となり、泡立ちが停止するまで撹拌した。二相層を分離し、有機層をH2O、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して茶色油を提供し、これをEtOAc:ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製して所望の生成物を提供し、これを次の反応に直接使用した。
【0152】
t-ブチル4-(インドリン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(I-1):一般的手順Aを参照:インドリン(10.0g、83.9mmol、1.00当量)、N-Bocピペリドン(17.6g、88.1mg、1.05当量)、AcOH(4.80mL、83.9mmol、1.00当量)、STAB(26.7g、12.6mmol、1.50)。MgSO4は反応に使用しなかった。粗油を10:90 EtOAc:ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、インドリンI-1(24.3g、収率96%)を提供した。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 7.06(t、J=6.0Hz、2H)、6.03(t、J=6.0Hz、1H)、6.43(d、J=6.0Hz、1H)、4.25(m、2H)、3.52(m、1H)、3.35(t、J=6.3Hz、2H)、2.79(m、2H)、1.80(d、J=9.3Hz、2H)、1.60(m、4H)、1.49(s、9H);MS(APCI)m/z:303.06[M+H]+。
【0153】
一般的手順B:Boc除去及び4-iPrシクロヘキサノンとの還元的アミノ化:
ステップ1.N-Boc中間体(1.00当量)のCH2Cl2(0.25~0.30M)溶液を0℃に冷却し、次いでTFA(6~30当量)を数分間に亘って加えた。添加の完了後、氷浴を除去し、反応物を室温に温め、TLC(EtOAc:ヘキサン)により確認した。2時間後、反応が完了した。反応物を真空下で濃縮し、次いでEtOAcを加え、EtOAcは結果として真空下で除去された。次いで油残留物をEtOAcに溶解し、水性層が塩基性のままとなるまで飽和NaHCO3(aq.)を加えながら撹拌した。層を分離し、水性層中のUV活性が最小となるまで水性層をEtOAcで抽出した(3~8回)。EtOAc層を一緒にし、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮してピペリジン中間体を提供した。
【0154】
ステップ2.前のステップからのピペリジン中間体(1.00当量)及び4-iPr-シクロヘキサノン(1.00~1.50当量)を1,2-DCE(0.070M)に溶解した。反応物に氷AcOH(1.00~2.30当量)を加え、この反応物を20分間撹拌した。20分後、STAB(1.50~2.30当量)を3回に分けて加えた。Arバルーンを反応物の頂部に装着し、反応をTLC(MeOH:CH2Cl2:NH4OH(aq.))により確認した。2~3日後、反応は≧95%完了した;それ故、水性層が塩基性のままとなるまで飽和NaHCO3(aq.)を加えた。この段階で、層を分離し、水性層をCH2Cl2で2回抽出した。有機層を一緒にし、H2O、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して粗残留物を提供し、これをEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
【0155】
syn-1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)インドリン(I-2):一般的手順Bを参照:ステップ1.インドリンI-1(24.4g、80.5mmol、1.00eq)、TFA(38.0mL、496mmol、6.20当量)、CH2Cl2(300mL、0.27M)。一緒にしたEtOAc層をMgSO4で直ちに乾燥し、水又はブラインで洗浄しなかった。灰色固体(13.6g、収率84%)を得た。ステップ2.一般的手順Bを参照:前のステップからのN-Hピペリジン(13.6g、67.2mmol、1.00当量)、iPr-シクロヘキサノン(9.40g、67.2mmol、1.00当量)、AcOH(3.85mL、67.2mmol、1.00当量)、STAB(21.3g、101mmol、1.50当量)。10:90:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、中間体I-2を淡金色油(収率33%)として提供した。Rf=0.25(20:80:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 7.05(t、J=5.7Hz、2H)、6.60(J=5.7Hz、1H)、6.41(d、J=5.7Hz、1H)、3.37(m、3H)、3.10(d、J=8.7Hz、2H)、2.94(t、J=6.3Hz、2H)、2.27(m、1H)、2.14(t、J=8.7Hz、2H)、1.54-1.82(m、11H)、1.38(m、2H)、1.13(m、1H)、0.88(d、J=5.1Hz、6H);MS(ESI)m/z:327.4[M+H]+。
【0156】
syn-1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール(61):インドリンI-2(4.63g、14.2mmol、1.00当量)を180mLのCH2Cl2に溶解した。この溶液に4ÅMS(56.8g、インドリンの4g/mmol)を加え、次いでMnO2(12.3g、142mmol、10.0当量)及び更に20mLのCH2Cl2を加えた。アルゴンバルーンを反応容器上に装着し、濃い縣濁液を撹拌し、TLC(20:80:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))により確認した。16時間後、反応が完了した。混合物を大きいCeliteパッド上でろ過し、残留固体をCH2Cl2で5回洗浄した。ろ液を真空下で濃縮して粗油を提供した。この材料をEtOAcに溶解し、10%HCl(aq.)を激しく撹拌しながら加え、これにより白色沈殿が生じた。白色固体をろ過し、EtOAcで3回洗浄し、次いで1時間風乾した。次いで白色固体をEtOAc中に懸濁させ、70%NaHCO3(aq.)を加え、混合物を>90%の固体が溶解するまで撹拌した。EtOAc層を分離し、H2O、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して粘調な油を提供し、この油を10:90:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、インドール1を灰白色固体(3.65g、収率79%)として提供した。Rf=0.25(10:90:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 7.64(d、J=6.0Hz、1H)、7.39(d、J=6.0Hz、1H)、7.26(m、1H)、7.20(t、J=6.0Hz、1H)、7.11(t、J=6.0Hz、1H)、6.52(d、J=2.4Hz、1H)、4.23(m、1H)、3.20(d、J=9.0Hz、2H)、2.30(m、3H)、2.08(m、4H)、1.51-1.78(m、7H)、1.40(m、2H)、1.17(m、1H)、0.9(d、J=4.8Hz、6H);MS(ESI)m/z:325.4[M+H]+。
【0157】
syn-1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(I-3):25.0mL DMFの撹拌溶液に0℃でPOCl3(3.66mL、40.0mmol、4.00当量)を加えた。溶液を0℃で15分間撹拌した。この段階で、インドールI-3(3.10g、10.0mmol、1.00当量)を10mLのDMFに溶解し、この溶解は熱により補助した。次いでインドールI-3の温かい溶液を反応物に加え、この反応物を5.00mLのDMFで濯いだ。反応物は目下赤色溶液であり、この反応物を0℃で15~20分間撹拌したままにした。TLC(50:50:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))は、反応が完了したことを示した。反応物を飽和NaHCO3(aq.)氷浴に注いだ後、CH2Cl2を加えた。混合物を30分間激しく撹拌し、その後層を分離し、水性層をUV活性が最小となるまでCH2Cl2で抽出した(5~6回)。次いで有機層をH2O、ブラインで3回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して暗赤色油を提供し、この油を50:50:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、アルデヒドI-3を淡黄色固体(2.15g、収率74%)として提供した。Rf=0.20(50:50:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 10.0(s、1H)、8.33(m、1H)、7.89(s、1H)、7.43(m、1H)、7.33(m、2H)、4.29(m、1H)、3.28(d、J=7.8Hz、2H)、2.40(m、3H)、2.19(m、3H)、1.55-1.78(m、8H)、1.42(m、2H)、1.17(m、1H)、0.9(d、J=5.7Hz、6H);MS(ESI)m/z:353.1[M+H]+。
【0158】
syn-1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-3-カルバルデヒドオキシム(81):アルデヒドI-3(2.15g、6.10mmol、1.00当量)、NH2OH・HCl(551mg、7.93mmol、1.30当量)、及びNaOAc・3H2O(1.08g、7.93mmol、1.30当量)を丸底フラスコ内に入れた。無水EtOH(20.5mL)及び10mLのH2Oを加え、反応物に冷却器を装着し、頂部にアルゴンバルーンを装着した。縣濁液を加熱還流し(約110℃油浴)、TLC(40:60:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))で確認した。2時間後、反応が完了した。反応物を室温に冷却させた後、白色沈殿が形成した。混合物をEtOAc及び飽和NaHCO3(aq.)で希釈し、混合物が二層溶液となるまで撹拌した。層を分離し、有機層をH2O、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮してオキシム2を白色固体(1.74g、収率78%)として提供した。オキシムの2種の異性体は、約3:2の比であった。Rf=0.50(頂部スポット)、0.45(底部スポット)(40:60:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(300MHz、CDCl3、主な異性体)δ 10.8(br、1H)、8.47(s、1H)、7.78(m、2H)、7.41(d、J=6.0、1H)、7.28(m、1H)、7.23(m、1H)、4.31(m、1H)、3.30(d、J=8.7Hz、2H)、2.55(m、1H)、2.46(t、J=7.8、2H)、2.23(m、3H)、1.86(m、2H)、1.60-1.80(m、6H)、1.43(m、2H)、1.19(m、1H)、0.91(d、J=5.1、6H);1H NMR(300MHz、CDCl3、少数の異性体)δ 8.30(s、1H)、8.07(d、J=6.0Hz、1H)、7.48(s、1H)、7.40(d、J=6.0Hz、1H)、7.28(t、J=5.4Hz、1H)、7.20(t、J=5.4Hz、1H)、4.23(m、1H)、3.22(d、J=5.7Hz、2H)、2.35(m、3H)、2.13(m、4H)、1.55-1.80(m、7H)、1.43(m、2H)、1.17(m、1H)、0.91(d、J=5.1Hz、6H);MS(ESI)m/z:368.5[M+H]+。
【0159】
実施例2:ベンジル((1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)カルバメート(17)及び(1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)メタンアミン(3)の合成
スキームIIは、この合成を示す。
【0160】
スキームII
【化22】
スキームIIの試薬及び条件:a)i.N-Bocピペリドン、AcOH、STAB、MgSO
4、DCE、室温(一般的手順A)、ii.TFA、CH
2Cl
2、iii.4-イソプロピル-シクロヘキサノン、STAB、AcOH、DCE(一般的手順B、2ステップ);b)i.ベンジルプロパ-2-イン-1-イルカルバメート、cat.PdCl
2(PPh
3)
2、触媒ヨウ化銅(I)(CuI)、DMF:イソ-Pr
2NEt(3:1)、ii.cat.Cu(OAc)
2、PhMe、還流(一般的手順C、2ステップ);及びc)H
2バルーン、cat.10%Pd/C、NH
3/MeOH。
【0161】
syn-N-(2-ヨードフェニル)-1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-アミン(II-1):
i.一般的手順Aを参照。2-ヨードアニリン(15.0g、63.3mmol、1.00当量)、N-Boc-ピペリドン(18.5g、95.0mmol、1.50当量)、氷AcOH(8.40mL、146mmol、2.30当量)、STAB(30.9g、146mmol、2.30当量)、DCE(250mL、0.25M)。MgSO4は反応に使用しなかった。生成物を5:95 EtOAc:ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の二環式化合物を白色固体(収率75%)として提供し、次の反応に直接使用した。Rf=0.15(5:95 EtOAc:ヘキサン、UV)。
【0162】
ii.一般的手順Bを参照:ステップ1.N-Bocピペリジン(43.5g、0.108mol、1.00当量)、TFA(200mL、2.61mol、24.0当量)、CH2Cl2(300mL、0.36M)。N-Hピペリジン中間体を淡黄褐色固体(42.0g、NaTFAにより収率128%)として得、次のステップに直接使用した。
【0163】
一般的手順Bを参照:ステップ2.N-Hピペリジン(0.108mol、1.00当量)、4-iPr-シクロヘキサノン(22.7g、0.162mol、1.50当量)、氷AcOH(14.2mL、0.248mol、2.30当量)、STAB(52.6g、0.248mol、2.30当量)、DCE(1.54L、0.070M)。化合物II-1を6:94:1.5→9:91:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、金色油を提供した。(synジアステレオマーは、antiジアステレオマーと比較して高いRFを有する)。精製した油をEtOAcに溶解し、エルレンマイヤーフラスコに移動し、次いで10%HCl(aq.)を加えた。10%HCl(aq.)の添加後、白色沈殿が形成し、この縣濁液を10分間撹拌した。次いで白色沈殿をろ過し、EtOAcで2回洗浄した後、1時間に亘って風乾した。次いで白色沈殿をエルレンマイヤーフラスコ内のEtOAc中に懸濁させ、次いで飽和NaHCO3(aq.)を塩基性となるまで加えた後、一晩撹拌した。この段階で、混合物は目下透明な二相溶液であった。層を分離し、EtOAc層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮してヨードアニリンII-1を淡金色油(24.0g、3ステップで収率39%)として提供した。Rf=0.30(10:90:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 7.65(dd、J=5.7、0.9、1H)、7.184(t、J=6.0、1H)、6.58(d、J=6.0、1H)、6.41(dt、J=5.7、0.9、1H)、4.12(d、J=5.7Hz、1H)、3.36(m、1H)、2.93(m、2H)、2.25(m、3H)、2.15(d、J=8.4Hz、2H)、1.47-1.74(m、8H)、1.38(m、2H)、1.13(m、1H)、0.89(d、J=4.8Hz、6H);MS(ESI)m/z:427[M+H]+。
【0164】
一般的手順C:薗頭カップリング及び環化:
ステップ1.ヨードアニリン(1.00当量)及び末端アルキン(3.00~5.00当量)をDMF及びiPr2NEt(3:1、0.40M)に溶解した。PdCl2(PPh3)2(0.0400当量)及びCuI(0.100当量)を反応混合物に同時に加えた。3方向アダプターを有するアルゴンバルーンを反応容器の頂部に配置し、容器をパージし、次いでアルゴンで再充填した(全部で3回反復)。反応物をアルミ箔で覆い、周囲温度で一晩撹拌したままにした。反応物をTLC(EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))により確認した。反応が完了した後、反応物をEtOAc及びH2Oで希釈し、10分間撹拌した。二相を分離し、有機層をH2O、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。得られた粗材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、次いで、更なる処理を行うことなく、次の反応に直接使用した。
【0165】
ステップ2.ステップ1からの内部アルキン(1.00当量)を丸底フラスコ内に入れた。Cu(OAc)2(0.200~0.400当量)を加え、次いでPhMe(0.25M)を加えた。反応物に還流冷却器を装着し、次いで冷却器の頂部にアルゴンバルーンを装着した。次いで反応を加熱還流し、TLC(30:70:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))により確認した。1~2時間後、TLCは反応が完了したことを示した。反応物を室温に冷却させ、EtOAc及びH2Oを加え、混合物を30分間撹拌した。この混合物をCeliteパッドを通してろ過し、CeliteパッドをEtOAcで3~4回洗浄した。層を分離し、有機層をH2Oで1回洗浄した。水層を一緒にし、EtOAcで1回抽出した。有機層を一緒にし、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して粗固体を提供した。この固体をシリカゲル上に吸着させ、カラムに装填し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して純粋なインドール中間体を提供した。
【0166】
syn-ベンジル((1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)カルバメート(17):i.一般的手順Cを参照:ステップ1.ヨードアニリンII-1(5.60g、13.1mmol、1.00当量)、N-ベンジルプロパ-2-イン-1イルカルバメート(8.69g、45.9mmol、3.50当量)、DMF(25.0mL)及びiPr2NEt(8.25mL)、PdCl2(PPh3)2(368mg、0.524mmol、0.0400当量)、及びCuI(250mg、1.31mmol、0.100当量)。粗生成物を20:80:1.5~5:75:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーで精製して、所望の内部アルキンを淡黄色固体(6.26g、収率98%)として提供し、これを次の反応に直接使用した。Rf=0.25(25:75:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV)。
【0167】
一般的手順Cを参照:ステップ2.内部アルキン(6.26g、12.8mmol、1.00当量)、Cu(OAc)2(700mg、3.85mmol、0.300当量)、及びPhMe(51.0mL、0.25M)。粗固体を15:85:1.5~20:80:1.5~30:70:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーで精製して淡黄色固体を提供した。この固体を最小量の1:1 EtOAc:ヘキサンで粉砕して、インドール3を白色固体(2ステップで収率64%)として提供した。Rf=0.30(25:75:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 7.65(d、J=8.1Hz、1H)、7.55(d、J=7.8Hz、1H)、7.32(m、5H)、7.16(t、J=8.1Hz、1H)、7.17(t、J=7.8Hz、1H)、6.38(s、1H)、5.17(s、2H)、4.90(br、1H)、4.59(d、J=5.7Hz、2H)、4.15(m、1H)、3.10(d、J=10.2Hz、2H)、2.57(dq、J=12.6、3.3Hz、2H)、2.31(m、1H)、2.10(t、J=12.6Hz、2H)、1.35-1.80(m、11H)、1.17(m、1H)、0.93(d、J=6.9Hz、6H);MS(ESI)m/z:488.4[M+H]+。
【0168】
syn-(1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)メタンアミン(3):インドール17(2.83g、5.80mmol、1.00当量)及び10%Pd/C(425mg、15%w/w)をMeOH混合物中の7N NH3中に懸濁させた。反応容器にH2バルーンを装着し、空気をパージし、H2で再充填し、次いで繰り返した(全3回)。次の2~3時間に亘り、インドール17をゆっくりと溶解し、反応をTLC(100:3滴のEtOAc:NH4OH(aq.)で確認した。合計4時間後、反応が完了した。反応混合物をCeliteパッド上でろ過し、MeOHで徹底的に洗浄した。ろ液を真空下で濃縮し、0:100:1.5~2:98:1.5 MeOH:EtOAc:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより粗材料を精製して、ジアミン3を白色固体(2.00g、収率98%)として提供した。Rf=0.35(5:95:3滴のMeOH:EtOAc:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 7.64(d、J=6.3Hz、1H)、7.56(d、J=5.4Hz、1H)、7.14(dt、J=5.4、0.9Hz、1H)、7.06(dt、J=5.4、0.9Hz、1H)、6.38(s、1H)、4.25(m、1H)、4.04(s、2H)、3.20(d、J=9.0Hz、2H)、2.61(dq、J=7.2、1.8Hz、2H)、2.36(m、1H)、2.24、(t、J=8.4Hz、2H)、1.87(dd、J=9.3、1.5Hz、2H)、1.50-1.80(m、8H)、1.42(m、2H)、1.16(m、1H)、0.92(d、J=4.8Hz、6H);MS(ESI)m/z:354.5[M+H]+。
【0169】
実施例3:(1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)メタノール(30)及び(E)-1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒドオキシム(1)の合成
スキームIIIは、この合成を示す。
【0170】
スキームIII
【化23】
スキームIIIの試薬及び条件:a)i.末端アルキン、cat.PdCl
2(PPh
3)
2、cat.CuI、DMF:iPr
2NEt(3:1)、ii.cat.Cu(OAc)
2、PhMe、還流(一般的手順C、2ステップ);及びb)i.MnO
2、CH
2Cl
2、ii.NH
2OH・HCl、NaOAc・3H
2O、EtOH:H
2O(2:1)、110℃。
【0171】
syn-(1-(1-(-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)メタノール(30):一般的手順Cを参照:ステップ1。ヨードアニリンII-1(3.97g、9.30mmol、1.00当量)、プロパルギルアルコール(2.61g、46.5mmol、5.00当量)、DMF(17.2mL)及びiPr2NEt(5.8mL)、PdCl2(PPh3)2(261mg、0.372mmol、0.0400当量)、及びCuI(177mg、0.930mmol、0.100当量)。40:60:1.5~50:50:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーで粗生成物を精製して、所望の内部アルキンを暗赤色糊状物(2.86g、収率87%)として提供し、これを次の反応に直接使用した。
【0172】
一般的手順Cを参照:ステップ2.内部アルキン(2.86g、8.07mmol、1.00当量)、Cu(OAc)2(440mg、2.42mmol、0.300当量)、及びPhMe(32.3mL、0.25M)。この材料(シリカゲルに吸着した)をカラム上に負荷し、25:75:1.5~35:65:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーで精製して、淡黄色固体を提供した。この固体を最小量の1:1 EtOAc:ヘキサンで粉砕して、インドール30を白色固体(1.82g、2ステップで収率56%)として提供した。Rf=0.25(25:75:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.69(d、J=8.0Hz、1H)、7.58(d、J=8.0Hz、1H)、7.18(t、J=7.6Hz、1H)、7.08(t、J=7.6Hz、1H)、6.44(s、1H)、4.81(d、J=4.8Hz、2H)、4.37(m、1H)、3.19(d、J=11.6Hz、2H)、2.61(dq、J=12.4、3.2Hz、2H)、2.37(m、1H)、2.26(t、J=11.6Hz、2H)、1.89(d、J=12.0Hz、2H)、1.70(m、5H)、1.55(m、2H)、1.40(m、2H)、1.16(m、1H)、0.92(d、J=6.8Hz、6H);MS(ESI)m/z:355.27[M+H]+。
【0173】
syn-1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒドオキシム(1):i.インドール30(1.30g、3.67mmol、1.00当量)の36.7mLのCH2Cl2の溶液に、MnO2(3.83g、44.0mmol、12.0当量)を室温で加え、反応物を一晩撹拌したままにした。この段階で、TLC(30:70:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))は反応が完了したことを示した。反応物をCeliteパッド上でろ過し、CH2Cl2で3回洗浄し、ろ液を真空下で濃縮してアルデヒドを糊状物(1.27g、98%)として提供した。この化合物を直接次の手順に使用した。
【0174】
ii.後者のアルデヒド(1.26g、3.57mmol、1.00当量)、NH2OH・HCl(372mg、5.36mmol、1.50当量)、及びNaOAc・3H2O(730mg、5.36mmol、1.50当量)を全て丸底フラスコ内に入れた。次いでEtOH(12.0mL)及びH2O(6.00mL)を加え、上部にアルゴンバルーンを有する還流冷却器を反応物に取り付け、次いで反応物(白色縣濁液)を110℃に加熱した。約50℃で、反応物は淡黄色溶液となり、約70~80℃で白色沈殿の形成が開始した。110℃で、反応物は、目下濃い白色スラリーであり、10分後、TLC(20:80:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))は反応が完了したことを示した。反応物を室温に冷却させ、CH2Cl2及び飽和NaHCO3(aq.)を加え、混合物を20分間撹拌して透明な二相混合物を提供した。層を分離し、水性層をCH2Cl2で1回抽出した。有機層を一緒にし、H2O、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して白色泡状体を提供した。この泡状体に2mLのEtOAc、次いで10mLのMeOHを加え、縣濁液を10分間撹拌した。次いで固体をろ過し、冷MeOHで3回洗浄し、真空下で乾燥してオキシム1を白色固体(1.10g、収率84%)として提供した。Rf=0.25(20:80:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 10.7(br、1H)、8.70(s、1H)、7.59(m、2H)、7.18(t、J=5.7Hz、1H)、7.07(t、J=5.7Hz、1H)、6.83(s、1H)、4.89(m、1H)、3.24(d、J=8.4Hz、2H)、2.65(dq、J=9.6、2.1Hz、2H)、2.45(m、1H)、2.31(t、J=8.7Hz、2H)、1.56-1.93(m、9H)、1.43(m、2H)、1.19(m、1H)、0.94(d、J=4.8Hz、6H);MS(ESI)m/z:368.32[M+H]+。
【0175】
実施例4:2-(1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)エタン-1-オール(32)及び2-(1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)エチルスルファメート(11)の合成
スキームIVは、この合成を示す。
【0176】
スキームIV
【化24】
スキームIVの試薬及び条件:a)i.末端アルキン、cat.PdCl
2(PPh
3)
2、cat.CuI、DMF:イソ-Pr
2NEt(3:1)、ii.cat.Cu(OAc)
2、PhMe、還流(一般的手順C、2ステップ)、iii.TBAF、THF、及びb)ClSO
2NH
2、CH
2Cl
2。
【0177】
syn-2-(1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)エタン-1-オール(32):i.一般的手順Cを参照:ステップ1.ヨードアニリンII-1(1.60g、3.75mmol、1.00当量)、(ブタ-3-イン-1-イルオキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(2.41g、13.1mmol、3.50当量)、DMF(11.3mL)及びiPr2NEt(3.80mL)、及びPdCl2(PPh3)2(105mg、0.150mmol、0.0400当量)及びCuI(71.4mg、0.375mmol、0.100当量)。7:93:1.5~10:90:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより粗油を精製して、所望の内部アルキンを茶色油(1.60g、収率88%)として提供し、これを次の反応に直接使用した。
【0178】
一般的手順Cを参照:ステップ2.内部アルキン(1.60g、3.31mmol、1.00当量)、Cu(OAc)2(601mg、3.31mmol、1.00当量)、及びPhMe(13.3mL、0.25M)。反応時間は4時間であった。2:98:1.5~6:94.15を使用したフラッシュクロマトグラフィーで粗材料を精製して、所望のインドールを淡黄色油(1.00g、収率63%)として提供し、これを次の反応で直接使用した。
【0179】
ii.以前に合成したインドール(1.10g、2.28mmol、1.00当量)の15.0mLのTHFの溶液に、TBAF(1.0M、4.55mL、2.00当量)を室温で加え、撹拌し、TLC(20:80:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))で確認した。反応が完了したら(約2時間)、反応物を真空下で濃縮し、25:75:1.5~50:50:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用して粗材料をフラッシュして、アルコール32を白色固体(792mg、収率94%)として提供した。Rf=0.25(30:70:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 7.65(d、J=9.0Hz、1H)、7.55(d、J=9.0Hz、1H)、7.13(t、J=5.4Hz、1H)、7.07(t、J=5.4Hz、1H)、6.33(s、1H)、4.14(m、1H)、3.94(t、J=4.8Hz、2H)、3.20(d、J=8.7Hz、2H)、3.09(t、J=4.8Hz、2H)、2.64(q、J=7.5Hz、2H)、2.36(m、1H)、2.22(t、J=8.7Hz、2H)、1.51-1.87(m、9H)、1.42(m、2H)、1.27(m、1H)、0.92(d、J=4.8Hz、6H);MS(ESI)m/z:369.27[M+H]+。
【0180】
syn-2-(1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)エチルスルファメート(11):アルコール32(200mg、0.543mmol、1.00当量)及びiPr2NEt(0.946mL、5.43mmol、10.0当量)の5.00mLのCH2Cl2の溶液に、0℃で、反応物に塩化スルファモイル(7.00mL、3.26mmol、6.00当量)の溶液(CH2Cl2中約0.50M)を一滴ずつ加えた。氷浴を除去し、反応物を1時間撹拌した。この時点で、TLC(40:60:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)は反応が完了したことを示した。反応物をEtOAcで希釈し、次いで10%NaHCO3(aq.)を加えた。白色沈殿が形成し、これをろ過し、EtOAcで洗浄した。ろ液層を分離し、EtOAc層をH2O、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗材料を40:60:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)中でフラッシュして、スルファメート11を白色固体(35mg、収率14%)として提供した。Rf=0.25(40:60:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 7.64(d、J=6.3Hz、1H)、7.54(d、J=5.7Hz、1H)、7.15(t、J=5.7Hz、1H)、7.07(t、J=5.7Hz、1H)、6.34(s、1H)、4.50(t、J=5.1Hz、2H)、4.13(m、1H)、3.28(t、J=5.1Hz、2H)、3.22(d、J=8.4Hz、2H)、2.64(m、2H)、2.40(m、1H)、2.27(t、J=8.4Hz、2H)、1.84(d、J=8.4Hz、2H)、1.76(m、2H)、1.55-1.70(m、3H)、1.41(m、2H)、1.26(m、2H)、1.17(m、1H)、0.92(d、J=5.1Hz、6H);MS(ESI)m/z:448.3[M+H]+。
【0181】
実施例5:(5-フルオロ-1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)メタノール(29)の合成
スキームVは、この合成を示す。
【0182】
スキームV
【化25】
スキームVの試薬及び条件:a)i.N-Bocピペリドン、AcOH、STAB、MgSO
4、DCE、室温(一般的手順A)、ii.TFA、CH
2Cl
2、iii.4-イソ-Pr-シクロヘキサノン、STAB、AcOH、DCE(一般的手順B、2ステップ);及びb)i.末端アルキン、cat.PdCl
2(PPh
3)
2、cat.CuI、DMF:イソ-Pr
2NEt(3:1)、ii.cat.Cu(OAc)
2、PhMe、還流(一般的手順C、2ステップ)。
【0183】
syn-N-(4-フルオロ-2-ヨードフェニル)-1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-アミン(V-1):
i.一般的手順Aを参照。4-フルオロ-2-ヨードアニリン(3.80g、16.0mmol、1.00当量)、N-Bocピペリドン(4.69g、24.0mmol、1.50当量)、MgSO4(3.80g、100重量%)、氷AcOH(2.11mL、36.8mmol、2.30当量)、STAB(7.80g、36.8mmol、2.30当量)、及びDCE(80.0mL、0.20M)。12:88 EtOAc:ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにより粗材料を精製して、所望の二環式中間体を白色固体(6.70g、収率99%)として提供し、次の反応に直接使用した。
【0184】
ii.一般的手順Bを参照:ステップ1.N-bocピペリジン中間体(5.00g、11.9mmol、1.00当量)、TFA(27.3mL、357mmol、30.0当量)、CH2Cl2(60.0mL、0.20M)。上記に記載した反応物の後処理から灰白色固体を得(4.94g、NaTFAにより130%)、この材料を次の反応に直接使用した。
【0185】
一般的手順Bを参照:ステップ2.N-Hピペリジン中間体(11.9mmol、1.00当量)、4-iPr-シクロヘキサノン(2.51g、17.9mmol、1.50当量)、氷AcOH(1.57mL、27.4mmol、2.30当量)、MgSO4(3.81g、100重量%)、STAB(5.81g、27.4mmol、2.30当量)、及びDCE(150mL、0.080M)。10:90:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより粗材料を精製して、中間体V-1を暗橙色-茶色油(3ステップで収率55%)として提供した。Rf=0.25(20:80:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 7.41(dd、J=6.0、2.1Hz、1H)、6.95(dt、J=6.0、2.1Hz、1H)、6.51(dd、J=6.9、3.6Hz、1H)、3.91(d、J=6.0Hz、1H)、3.28(m、1H)、2.92(m、2H)、2.24(m、3H)、2.04(m、2H)、1.47-1.73(m、8H)、1.38(m、2H)、1.13(m、1H)、0.88(d、J=5.1Hz、6H);MS(ESI)m/z:445.1[M+H]+。
【0186】
syn-(5-フルオロ-1-(1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)メタノール(29):i.一般的手順Cを参照:ステップ1.中間体V-1(600mg、1.35mmol、1.00当量)、プロパルギルアルコール(378mg、6.75mmol、5.00当量)、DMF(3.12mL)及びiPr2NEt(1.13mL)、及びPdCl2(PPh3)2(38.0mg、0.0540mmol、0.0400当量)及びCuI(25.7mg、0.135mmol、0.100当量)。40:60:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより粗材料を精製して、所望の内部アルキンを茶色-赤色油(440mg、87%)として提供し、これを次の反応に直接使用した。
【0187】
一般的手順Cを参照:ステップ2.内部アルキン(440mg、1.18mmol、1.00当量)、Cu(OAc)2(64.4mg、0.354mmol、0.300当量)、及びPhMe(4.75mL、0.21M)。25:75:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーで粗材料を精製して、淡黄色固体を提供した。この固体をEtOAcで粉砕して、インドール29を白色固体(143mg、2ステップで収率29%)として提供した。Rf=0.20(25:75:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 7.58(dd、J=9.0、4.2Hz、1H)、7.20(dd、J=9.3、2.7Hz、1H)、6.92(dt、J=9.3、2.7Hz、1H)、6.38(s、1H)、4.78(s、2H)、4.35(m、1H)、3.19(d、J=11.7Hz、2H)、2.55(dq、J=12.6、3.6Hz、2H)、2.35(m、1H)、2.26(dt、J=11.7、1.8Hz、2H)、1.88(dd、J=12.0、2.4Hz、2H)、1.48-1.79(m、9H)、1.40(m、2H)、1.15(m、1H)、0.91(d、J=6.6Hz、6H);MS(ESI)m/z:373.4[M+H]+。
【0188】
実施例6:(1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2,3-ジイル)ジメタノール(51)の合成
スキームVIは、この合成を示す。
【0189】
スキームVI
【化26】
スキームVIの試薬及び条件:a)(t-BuCO)
2O、cat.DMAP、(イソプロピル)
2NEt、CH
2Cl
2;及びb)i.POCl
3、DMF、ii.NaBH
4、EtOH、iii.NaOH、cat.Bu
4NI、THF。
【0190】
syn-(1-(1-(-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2-イル)メチルピバレート(35):
アルコール30(7.29g、20.6mmol、1.00当量)のCH2Cl2(138mL、0.15M)の溶液に、DMAP(503mg、4.12mmol、0.200当量)及びiPr2NEt(18.4mL、103mmol、5.00当量)を室温で加えた。続いて、(tBuCO)2O(6.70mL、33.0、1.60当量)を加え、反応物を一晩撹拌したままにした。TLC(30:70:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))は反応が完了したことを示した。反応物を真空下で濃縮し、5:95:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより粗油を精製して、35を白色固体(8.59g、95%)として提供した。Rf=0.70(30:70:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.73(d、J=8.4Hz、1H)、7.60(d、J=8.0Hz、1H)、7.20(t、J=7.2Hz、1H)、7.09(t、J=7.2Hz、1H)、6.56(s、1H)、5.25(s、2H)、4.17(m、1H)、3.31(d、J=12.0Hz、2H)、2.78(q、J=12.0Hz、2H)、2.55(q、J=6.4Hz、1H)、2.32(t、J=11.6Hz、2H)、1.90(d、J=12.4Hz、2H)、1.80(m、2H)、1.64(m、5H)、1.43(m、2H)、1.22(s、9H)、1.20(m、1H)、0.92(d、J=6.4Hz、6H);MS(ESI)m/z:439.3[M+H]+。
【0191】
syn-(1-(1-(-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-2,3-ジイル)ジメタノール(51):i.POCl3(9.43mL、103mmol、5.00当量)をDMF(83.0mL)に0℃で加え、混合物は淡黄色に変わった。インドール35(9.00g、20.6mmol、1.00当量)を熱の補助により20mLのDMFに別個に溶解し、次いで冷却させて室温に戻した。POCl3溶液を0℃で15分間撹拌した後、インドール35の溶液をゆっくり加え、赤色溶液が形成した。添加の完了後、反応物を0℃で40分間撹拌した。TLC(20:80:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))は反応が完了したことを示した。反応物を氷:NaHCO3(飽和aq.)スラリー中に注ぎ、次いでEtOAcを加えた。混合物が室温に温まるまでこの混合物を激しく撹拌し、NaHCO3(飽和aq.)を加えて塩基性pHとなったことを確かめた。層を分離し、水性層をEtOAcで1回抽出した。EtOAc層を一緒にし、水、ブラインで3回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮してアルデヒドを淡黄色固体(9.55g、99%)として提供し、これを次のステップに直接使用した。
【0192】
ii.アルデヒド(9.55g、20.5mmol、1.00当量)を無水EtOH(100.mL、0.20M)中に懸濁させ、NaBH4(1.55g、41.0mmol、2.00当量)を室温でいくつかに分割して加えた。注記:更に1.00当量のNaBH4と小量のCH2Cl2を加えて、反応混合物の可溶化を助ける必要があり得る。反応をTLC(40:60:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))で確認し、完了したら、反応物を約50%体積に真空下で濃縮した。EtOAc、次いで50%NaHCO3(aq.)を加え、混合物を泡立ちが停止するまで撹拌した。層を分離し、EtOAc層を水、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して泡状体(9.60g、定量的収率)を提供し、これを次のステップに直接取り込んだ。
【0193】
iii.アルコール(9.60g、20.5mmol、1.00当量)をTHF(130mL、0.16M)に溶解し、次いでBu4NI(1.51g、4.10mmol、0.20当量)を加えた。磨り潰したNaOH粉末(8.20g、205mmol、10.0当量)を室温で加え、反応物を約90分間撹拌し、厚いふわふわした白色沈殿が形成した。TLC(60:40:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))は反応が完了したことを示した。反応物をEtOAc及び水で希釈し、層を分離した。水性層をEtOAcで2回抽出し、次いでEtOAc層を一緒にし、水、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。60:40:1.5~80:20:1.5~90:10:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより粗材料を精製して、ジオール51を白色泡状体(4.70g、60%)として提供した。Rf=0.20(80:20:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.67(d、J=8.4Hz、2H)、7.20(t、J=8.4Hz、1H)、7.13(t、J=8.0Hz、1H)、4.86(s、2H)、4.83(s、2H)、4.38(m、1H)、3.17(d、J=11.6Hz、2H)、2.59(q、J=12.0Hz、2H)、2.37(m、1H)、2.25(t、J=11.0Hz、2H)、1.52-1.89(m、9H)、1.43(m、2H)、1.18(m、1H)、0.92(d、J=6.4Hz、6H);MS(ESI)m/z:385.4[M+H]+。
【0194】
実施例7:(E,Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)インドリン-2-オン(228)の合成
スキームVIIは、この合成を示す。
【0195】
スキームVII
【化27】
スキームVIIの試薬及び条件:a)HCO
2NH
4、Pd/C、10%、MeOH、2h、45℃;b)4-イソプロピルシクロヘキサノン、HOAc、MgSO
4、NaBH(OAc)3、DCE、48h、室温;c)硝酸セリウムアンモニウム(CAN)、MeCN/H
2O、2h、室温;d)NH
2OH・HCl、NaOAc、EtOH/H
2O、20h、室温。
【0196】
1-(ピペリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-オン(VII-2):1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-オンVII-1(Forbes(2001)Tetrahedron Letters 2:6943-6945から採用した手順により調製)(25.7g、82.6mmol、1.00当量)の600mL MeOHの氷冷溶液に、ギ酸アンモニウム(46.9g、743mmol、9.00当量)、次いでPd/C、10%(5.14g)の226mL MeOHの氷冷スラリーを加えた。反応物に還流冷却器を取り付け、45℃まで2.5時間加熱した。溶液をCeliteパッドを通してろ過し、濃縮した。CH2Cl2/MeOH 90/10(合計500mL)を用いた粉砕、次いで溶離液としてCH2Cl2/MeOH/NH4OH 100/0/0~79/20/1を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより、15.94gの表題の材料を収率89%で提供し、これは報告された値(WO 2002/085357号明細書、Sunら)に一致した。
【0197】
1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)インドリン-2,3-ジオン(VII-4):1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)インドリン-2-オン(VII-3)(Zaveri et al(2004) Journal of Medicinal Chemistry 47:2973-2976に従って中間体VII-2から調製)(3.43g、10.1mmol、1.00当量)の336mL MeCNの撹拌溶液に、17.0mL H2O中のCAN(22.1g、40.3mmol、4.00当量)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。この反応物をCH2Cl2及び飽和NaHCO3(aq)で希釈した。層を分離し、水性溶液をCH2Cl2で2回抽出した。一緒にした有機層をCeliteパッドを通してろ過し、飽和NaCl(aq)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。CH2Cl2/MeOH 99/1~90/10を使用したフラッシュクロマトグラフィーで残留物を精製して、2.73gの表題の材料を収率76%で提供した。1H NMR(300MHz、CDCl3)7.62(1H、d、J=5.1Hz)、7.56(1H、t、J=6Hz)、7.20(1H、d、J=6Hz)、7.10(1H、t、J=5.7Hz)、4.19-4.22(1H、m)、3.16(2H、d、J=8.7Hz)、2.30-2.40(3H、m)、2.20(2H、t、J=8.1Hz)、1.60-1.79(7H、m)、1.49-1.54(2H、m)、1.36-1.43(2H、m)、1.13-1.15(1H、m)、0.90(6H、d、J=5.1Hz)。MS(ESI)m/z 355.27(M+H)+。
【0198】
(E,Z)-3-(ヒドロキシイミノ)-1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)インドリン-2-オン(228)。中間体VII-4(500mg、1.41mmol、1.00当量)のEtOH(17.6mL)の撹拌溶液に、ヒドロキシルアミンHCl(147mg、2.12mmol、1.50当量)、次いでNaOAc(231mg、2.82mmol、2.00当量)を加えた。H2O(2.78mL)を加えて反応物を可溶化し、この反応物を室温で20時間撹拌した。反応物をCH2Cl2及び飽和NaHCO3(aq)で希釈した。層を分離し、水性溶液をCH2Cl2で2回抽出した。一緒にした有機層をH2Oで2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。反応を1.12gスケールで繰り返し、2回の粗残留物を一緒にした。残留物をEtOAc/ヘキサン1/1を使用した粉砕により精製して、1.54gの表題の材料を収率91%で提供した。1H NMR(300MHz、DMSO-d6)、13.4(1H、s)、8.00(1H、d、J=9Hz)、7.40(1H、t、J=9Hz)、7.18(1H、d、J=6Hz)、7.05(1H、t、J=6Hz)、4.00-4.02(1H、m)、3.06(2H、d、J=9Hz)、2.24-2.36(3H、m)、2.08(2H、t、J=12Hz)、1.52-1.69(7H、m)、1.31-1.44(4H、m)、1.06(1H、s)、0.85(6H、d、J=6Hz)。MS(ESI)m/z 370.3(M+H)+。C22H31N3O2の分析計算値・1.00HCl・0.4H2O・0.1CH2Cl2:C、62.95;H、7.89;N、9.97;実測値:C、62.61;H、7.54;N、9.73。
【0199】
実施例8:2-(1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-2-オキソインドリン-3-イル)-N-メトキシアセトアミド(247)の合成
スキームVIIIは、この合成を示す。
【0200】
スキームVIII
【化28】
スキームVIIIの試薬及び条件:a)tert-ブチルグリオキサレート/DMSO、K
2CO
3、THF、活性化モレキュラーシーブ、2h、80℃;b)H
2(g)、Pd/C、THF、2h、室温;c)TFA、CH
2Cl
2、1.5h、室温;d)NH
2OCH
3・HCl、T
3P、ジイソプロピルエチルアミン、THF、17h、室温。
【0201】
tert-ブチル2-(1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-2-オキソインドリン-3-イリデン)アセテート(VIII-1)。中間体VII-3(4.96g、14.6mmol、1.00当量)のTHF(146mL)の撹拌溶液に、tert-ブチルグリオキサレート、DMSO中34%溶液(Yao et al.,Tetrahedron,2007,63:10657-10670に従って調製)(15.2g、117mmol、8.00当量)、次いでK2CO3(4.03g、29.1mmol、2.00当量)及び活性化モレキュラーシーブ(50g)を加えた。反応物に還流冷却器を装着し、80℃で2時間撹拌した。反応物を室温に冷却させ、ろ過し、次いでEtOAc、H2O、及び最小量のNaCl(aq)で希釈した。層を分離し、水性溶液をEtOAcで2回抽出した。一緒にした有機層をNaCl(aq)で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。反応を12.7gスケールで繰り返し、2回の粗残留物を一緒にした。ヘキサン/EtOAc/NH4OH 85/15/0~35/64/1を使用したフラッシュクロマトグラフィーで残留物を精製して、16.9gの表題の材料を収率72%で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)8.53(1H、d、J=8Hz)、7.31(1H、td、J=8、4Hz)、7.10(1H、d、J=8Hz)、7.02(1H、t、J=8Hz)、6.83(1H、s)、4.21-4.26(1H、m)、3.13(2H、d、J=6Hz)、2.29-2.45(3H、m)、2.18(2H、t、J=12Hz)、1.59-1.71(7H、m)、1.56(9H、s)、1.34-1.52(4H、m)、1.13(1H、s)、0.89(6H、d、J=8Hz)。MS(ESI)m/z 453.3(M+H)+。
【0202】
tert-ブチル2-(1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-2-オキソインドリン-3-イル)アセテート(VIII-2)。中間体VIII-1(3.05g、6.74mmol、1.00当量)のTHF(67.0mL)の撹拌溶液に、Pd/C、10%(305mg)を加えた。反応物を脱気し、1気圧のH2(g)で置き換えた。反応物を室温で2時間撹拌し、Celiteパッドを通してろ過し、濃縮した。反応を7.00g及び6.80gスケールで繰り返し、3回の粗残留物を一緒にした。この残留物をヘキサン/EtOAc/NH4OH 95/5/0~35/64/1を使用したフラッシュクロマトグラフィーで精製して、12.9gの表題の材料を収率76%で提供した。MS(ESI)m/z 455.4(M+H)+。1H NMR(400MHz、CDCl3)7.26(1H、d、J=8Hz)、7.22(1H、d、J=8Hz)、7.16(1H、d、J=8Hz)、7.00(1H、t、J=8Hz)、4.25-4.29(1H、m)、3.73-3.76(1H、m)、3.13(2H、d、J=12Hz)、2.97(1H、dd、J=16、8Hz)、2.65(1H、dd、J=16、8Hz)、2.28-2.45(4H、m)、2.18(2H、t、J=12Hz)、1.48-1.72(10H、m)、1.39(9H、s)、1.12(1H、s)、0.89(6H、d、J=8Hz)。
【0203】
2-(1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-2-オキソインドリン-3-イル)酢酸を有する2,2,2-トリフルオロ酢酸化合物(VIII-3)。中間体VIII-2(12.9g、28.4mmol、1.00当量)のCH2Cl2(284mL)の氷冷溶液に、TFA(284mL)を一部ずつ加えた。反応物を室温に温め、1.5時間撹拌した。反応物を濃縮し、乾燥するまでトルエンと5回共沸させて、14.5gの表題の材料をTFA塩として収率>100%で提供した。MS(ESI)m/z 399.2(M+H)+。
【0204】
2-(1-(1-((1s,4s)-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-2-オキソインドリン-3-イル)-N-メトキシアセトアミド(247)。中間体VIII-3、つまり78%遊離塩基当量(641mg、1.25mmol、1.00当量)のTHF(15.7mL)の撹拌溶液に、O-メチルヒドロキシルアミンHCl(943mg、11.29mmol、9.00当量)、次いでDiPEA(3.93mL、22.6mmol、18.0当量)を加え、反応物を室温で5分間撹拌した。プロピルホスホン酸無水物溶液(T3P(登録商標))(2.24mL、7.53mmol、6.00当量)を加え、反応物を室温で17時間撹拌した。この反応物をEtOAc及びH2Oで希釈した。層を分離し、水性溶液をEtOAcで2回抽出した。一緒にした有機層をCeliteパッドを通してろ過し、飽和NaCl(aq)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。[ヘキサン/EtOAc]/iPrOH/NH4OH 100/0/0~94/5/1を使用したフラッシュクロマトグラフィーで残留物を精製して、336mgの表題の材料を収率63%で得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)9.79(1H、s)、7.30(1H、d、J=8Hz)、7.26(1H、d、J=16Hz)、7.17(1H、d、J=8Hz)、7.03-7.06(1H、m)、4.24(1H、s)、3.79(3H、brs)、3.14(2H、d、J=12Hz)、2.63-2.70(2H、m)、2.30-2.43(3H、m)、2.18(2H、t、J=12Hz)、1.59-1.71(8H、m)、1.48-1.53(2H、m)、1.35-1.41(2H、m)、1.14(1H、s)、0.89(6H、d、J=8Hz)。MS(ESI)m/z 428.44(M+H)+。C25H37N3O3の分析計算値1.00 HCl・l0.9 H2O:C、62.52;H、8.35;N、8.75;実測値:C、62.39;H、8.20;N、8.66。
【0205】
実施例9:2-(1’-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)-3-オキソ-1H-スピロ[イソキノリン-4,4’-ピペリジン]-2(3H)-イル)アセトニトリル(339);2-(2-アミノエチル)-1’-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)-1、2-ジヒドロ-3H-スピロ[イソキノリン-4,4’-ピペリジン]-3-オン(340);及びN-(2-(1’-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)-3-オキソ-1H-スピロ[イソキノリン-4,4’-ピペリジン]-2(3H)-イル)エチル)アミノスルホンアミド(344)
スキームIXは、この合成を示す。
【0206】
スキームIX
【化29】
スキームIXの試薬及び条件:a)NaH、BrCH
2CN、THF、14h、室温;b)H
2、PtO
2水和物、MeOH、濃HCl、50℃、3h;c)クロロスルホニルイソシアネート、ベンジルアルコール、CH
2Cl
2、5℃、次いでEt
3N、CH
2Cl
2、アミン、14時間、室温;及びd)H2、10%Pd/C、MeOH、NH
3、4時間。
【0207】
2-(1’-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)-3-オキソ-1H-スピロ[イソキノリン-4,4’-ピペリジン]-2(3H)-イル)アセトニトリル(339):IX-1(Mustazza、J.Med.Chem.、2008、51:1058-1062により記載されているように調製)(1.65g、4.84mmol)の40mlのTHFの溶液に、アルゴン環境下で、鉱物油中60%NaH(0.969g、24.2mmol)を一部ずつ加え、混合物を室温で0.5時間撹拌した。この混合物を氷浴内で冷却し、ブロモアセトニトリル(1.74g、14.5mmol)の20mlのTHFの溶液を0.25時間かけて一滴ずつ加え、室温に至らせ、14時間撹拌した。この混合物を飽和重炭酸ナトリウムで処理し、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、乾燥するまで蒸発させた。メタノール/酢酸エチル/ヘキサン/水酸化アンモニウム(2:49:49:0.1)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、1.31gの339、収率71%を得た。塩基の一部を塩酸塩に変換した。1H NMR(300MHz、DMSO、d6)δ 10.2(1H、m)、7.51(1H、d、6Hz)、7.41(1H、t、J=6Hz)、7.35(1H、t、6Hz)、7.34(1H、d、J=6Hz)、4.74(2H、s)、4.56(2H、s)、3.4-3.5(4H、m)、3.2(1H、m)、2.18(2H、d、J=11Hz)、1.84(4H、m)、1.68(4H、m)、1.41(2H、m)、1.14(2H、m)、0.88(6H、d、J=5Hz)。MS m/z 380(M+H)+。
【0208】
2-(2-アミノエチル)-1’-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)-1,2-ジヒドロ-3H-スピロ[イソキノリン-4,4’-ピペリジン]-3-オン(340)。30mlのメタノールに溶解した339(1.37g、3.61mmol)の溶液に、3.3mlの濃塩酸に酸化白金水和物(178mg)を加え、水素ガス環境下、50℃で3時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、Celiteを通してろ過し、乾燥するまで蒸発させた。メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム(11:89:0.1)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより残留物を精製し、これにより1.37gの340、収率90%を得た。塩基の一部を塩酸塩に変換した。1H NMR(300MHz、DMSO、d6)δ 10.6(1H、m)、8.06(3H、m)、7.54(1H、d、J=6Hz)、7.38(1H、t、6Hz)、7.32(1H、t、J=6Hz)、7.26(1H、d、J=6Hz)、4.68(2H、s)、3.68(2H、m)、3.45(3H、m)、3.18(2H、m)、3.03(2H、m)、2.23(2H、d、J=11Hz)、1.87(4H、d、J=8Hz)、1.67(3H、m)、1.41(2H、m)、1.15(1H、m)、0.88(6H、d、J=5Hz)。MS m/z 384(M+H)+。
【0209】
Syn-フェニル(N-(2-(1’-(4-イソプロピルシクロヘキシル)-3-オキソ-1H-スピロ[イソキノリン-4,4’-ピペリジン]-2(3H)-イル)エチル)スルファモイル)カルバメート(IX-2):クロロスルホニルイソシアネート(0.76g、5.4mmol)の20mlのジクロロメタンの溶液をアルゴン環境下、氷浴内で冷却し、ベンジルアルコール(0.58g、5.4mmol)で処理した。0.25時間撹拌した後、混合物をIX-2(1.29g、3.36mmol)の、トリエチルアミン(0.68g、6.72mmol)を含む20mlのジクロロメタンの溶液に加え、これをアルゴン環境下、氷浴内で冷却した。得られた混合物を5℃で1時間、次いで室温で14時間撹拌した。この混合物を飽和重炭酸ナトリウムで処理し、ジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、乾燥するまで蒸発させた。メタノール/ジクロロメタン/水酸化アンモニウム(3:97:0.1)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、1.68gのIX-2、収率84%を提供した。1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 7.28-7.38(6H、m)、7.11-7.25(3H、m)、6.94(1H、m)、5.27(1H、m)、5.07(2H、s)、4.31(1H、m)、3.57(3H、m)、3.2(4H、m)、3.0(1H、m)、2.35(1H、m)、2.04(2H、m)、1.87(5H、m)、1.58(3H、m)、1.31(2H、m)、1.18(1H、m)、0.89(6H、d、J=5Hz)。MS m/z 597(M+H)+。
【0210】
N-(2-(1’-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)-3-オキソ-1H-スピロ[イソキノリン-4,4’-ピペリジン]-2(3H)-イル)エチル)アミノスルホンアミド(344):80mlのメタノールに溶解したIX-2(1.51g、2.53mmol)及びメタノール中の10mlの7Nアンモニアの溶液に、10%Pd/C(150mg)を加え、水素ガス環境下、4時間撹拌した。混合物をCeliteを通してろ過し、乾燥するまで蒸発させた。メタノール/酢酸エチル/ヘキサン/水酸化アンモニウム(14:43:43:0.1)で溶出するクロマトグラフィーにより残留物を精製して、0.625gの344、収率40%を提供した。1H NMR(300MHz、CDCl3)7.51(1H、d、J=6Hz)、7.33(1H、t、J=6Hz)、7.25(1H、t、J=6Hz)、7.18(1H、d、J=6Hz)、5.2(1H、m)、4.57(2H、s)、3.74(2H、t、J=4Hz)、3.38(2H、t、J=4Hz)、2.81(3H、m)、2.33(2H、m)、2.23(2H、m)、2.04(2H、m)、1.71(2H、m)、1.59(6H、m)、1.36(2H、m)、1.12(1H、m)、0.87(6H、d、5Hz)。MS m/z 463(M+H)+。塩基の一部を塩酸塩に変換した。分析値(C24H38N4O3S・HCl・H2O)C、H、N。
【0211】
実施例10:2-(1-(1-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-3-イル)エタン-1-アミン(86)の合成
スキームXは、この合成を示す。
【0212】
スキームX
【化30】
スキームXの試薬及び条件:a)アルキンX-1、LiCl、K
2CO
3、cat.Pd(OAc)
2、DMF、100℃;及びb)AcCl、MeOH、室温。
【0213】
tert-ブチル(2-(1-(1-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-2-(トリエチルシリル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバメート(X-2):ヨード-アニリンII-2(401mg、0940mmol、1.00当量)、アルキンX-1(320mg、1.13mmol、1.20当量)、及びLiCl(39.8mg、0.940mmol、1.00当量)を100mL丸底フラスコ内に入れた。DMF(13.4mL、0.070M)、次いでK2CO3(390mg、2.82mmol、3.00当量)及びPd(OAc)2(21.1mg、0.0940mmol、0.100当量)を加えた。反応物に3方向アダプター及びアルゴンバルーンを装着し、次いで反応物を真空で3回パージし、アルゴンを再充填した。次いで反応物を100℃油浴内で加熱し、TLC(20:80:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.))で確認した。約60分後、反応物中に黒色が形成され、約80~90分後、TLCは反応が完了したことを示した。反応物を室温に冷却させた後、EtOAc及びH2Oで希釈し、10分間撹拌したままにした。次いで反応混合物を小Celiteパッドを通してろ過し、次いで層を分離し、水性層をEtOAcで1回抽出した。EtOAc層を一緒にし、H2O、ブラインで2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して粗材料を提供し、これを8:92:1.5 EtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、中間体X-2を白色泡状体(360mg、66%)として提供した。Rf=0.30(20:80:3滴のEtOAc:ヘキサン:NH4OH(aq.)、UV、I2、pAA);1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 7.69(d、J=6.0Hz、1H)、7.61(d、J=6.0Hz、1H)、7.16(t、J=5.7Hz、1H)、7.06(t、J=5.7Hz、1H)、4.56(m、1H)、4.25(m、1H)、3.40(q、J=4.8Hz、2H)、3.21(d、J=8.7Hz、2H)、3.01(t、J=5.1Hz、2H)、2.71(dq、J=8.7、2.1Hz、2H)、2.35(m、1H)、2.15(t、J=8.7Hz、2H)、1.85-1.38(m、21H)、1.16(m、1H)、1.05-0.90(m、20H);MS(ESI)m/z:467.6[M+H]+。
【0214】
2-(1-(1-(シス-4-イソプロピルシクロヘキシル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール-3-イル)エタン-1-アミン(86):
AcCl(806μL、11.3mmol、6.00当量)をMeOH(19.0mL、0.10M)に0℃で加え、反応物を5分間撹拌した。次いでインドールX-2(1.10g、1.89mmol、1.00当量)を反応物に加えた。0℃で10分間撹拌した後、白色スラリーが形成した。次いで氷浴を除去し、反応物を室温に温め、4時間撹拌した。4時間後、TLC(10:90:3滴のiPrOH:CH2Cl2:NH4OH(aq.))は反応が完了したことを示した。EtOAc(約50mL)を撹拌反応物に加え、数分後、白色沈殿が形成した。この白色沈殿をろ過し、冷EtOAcで3回洗浄し、真空下で乾燥してインドール86のHCl塩を提供した。665mg(80%)の所望の塩を得た。Rf=0.10(10:90:3滴のiPrOH:CH2Cl2:NH4OH(aq.)、UV、I2);1H NMR(遊離塩基)(300MHz、CDCl3)δ 7.61(d、J=6.0Hz、1H)、7.35(d、J=6.3Hz、1H)、7.21(t、J=6.0Hz、1H)、7.11(m、2H)、4.18(m、1H)、3.19(d、J=8.7Hz、2H)、3.03(t、J=4.8Hz、2H)、2.93(t、J=4.8Hz、2H)、2.35(m、1H)、2.26(dt、J=8.4、1.8Hz、2H)、2.07(m、6H)、1.78-1.52(m、7H)、1.42(m、2H)、1.15(m、1H)、0.90(d、J=5.1Hz、6H);MS(ESI)m/z:368.5[M+H]+。
【0215】
実施例11:ノシセプチン、μ及びκオピオイド受容体における受容体結合親和性のインビトロでの特性評価
下記に記載するように、全化合物をノシセプチン(NOP)、μ及びκオピオイド受容体におけるそれらの結合親和性に関して試験した。結合アッセイは、迅速かつ単純であり、ヒトNOP又はオピオイド受容体をトランスフェクトしたチャイニーズハムスター卵巣細胞を使用する。これらのアッセイの結果を表4、5及び6に示し、これらの表は、式(II)、式(III)及び式(IV)の化合物のノシセプチン及びオピオイド受容体における一連の受容体結合親和性をそれぞれ提供する。
【0216】
NOP、μ、δ、及びκ受容体における受容体結合親和性は、放射性リガンド結合アッセイを用いて決定され、このアッセイは、以下の放射性リガンドを使用した:それぞれ[3H]N/OFQ(NOPの場合)、[3H]DAMGO(μオピオイド受容体の場合)、及び[3H]U-696593(κオピオイド受容体の場合)。IC50値を曲線適合プログラムPrismにより決定し、Ki値は、式Ki=IC50/(1+L/Kd)から計算され、式中、Kdは[3H]-放射性リガンドの結合親和性であり、Lは使用した[3H]-放射性リガンドの濃度である。
【0217】
細胞培養:全受容体が、ヒト受容体cDNAをトランスフェクトしたCHO細胞に存在した。100mmプラスチック培養皿内で、0.4mg/ml G418及び0.1%ペニシリン/ストレプトマイシンの存在下、10%ウシ胎児血清含有Dulbecco’s Modified Eagle MEM培地(DMEM)中で細胞を培養した。結合アッセイのために、コンフルエントになった細胞をプレートから剥がした。
【0218】
受容体結合:以前にZaveri,N.T.,et al.,J.Med.Chem.,2004,47:2973-2976;Adapa,I.D.,et al.,Neuropeptides,1997,31(5):403-408;及びDooley,C.T.,et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1977,283(2):735-741により記載されたように、細胞膜への結合を96-形式において行った。ラバーポリスマンを用いて細胞をプレートから剥がし、Polytronホモジナイザーを使用してTris緩衝液中でホモジナイズし、次いで1回遠心分離し、再度27,000gで15分間遠心分離して洗浄した。ペレットを50mM Tris、pH7.5に再懸濁し、それぞれNOP、μ-、又はκ-オピオイド受容体に結合させるために、縣濁液をそれぞれ[3H]ノシセプチン、[3H]DAMGO、又は[3H]U69593とインキュベートした。インキュベーションの総体積は1.0mlであり、サンプルを25℃で60~120分間インキュベートした。結合反応におけるタンパク質の量は、およそ15μg~30μgであった。反応はガラス繊維フィルターを有するTomtec 96ハーベスター(Orange、CT)を使用してろ過することにより、終結させた。結合放射能をPharmacia Biotech β-プレート液体シンチレーションカウンター(Piscataway、NJ)でカウントし、カウント/分で表した。IC50値は、少なくとも6つの濃度の試験化合物を使用して決定され、Graphpad/Prism(ISI、San Diego、CA)を使用して計算された。Cheng及びPrusoff(Cheng,Y.,et al.,Biochem Pharmacol.,1973,22(23):3099-3108)の方法によりKi値を決定した。
【0219】
下記の表の各化合物の結合親和性に関して、「A」で示す値は、15nM未満のKiを表し;「B」で示す値は、15~150nMのKiを表し;「C」で示す値は、150nM~5000nMのKiを表し、「D」で示す値は、5000nMを超えるKiを表す。
【0220】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【0221】
【0222】
【0223】
本明細書に開示した化合物は、NOP受容体に対して、μオピオイド受容体及びκオピオイド受容体の1倍~>10、000倍の範囲の選択性を有する。
【0224】
本発明の特定の実施形態が例示を目的として本明細書に記載されてきたが、前述により本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な改変を為し得ることが認識されるであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によるものを除いて限定されない。