(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】複素環で置換した二環式アゾール有害生物防除剤
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20220119BHJP
A01P 7/00 20060101ALI20220119BHJP
A01N 43/56 20060101ALI20220119BHJP
A01N 43/76 20060101ALI20220119BHJP
A01N 43/78 20060101ALI20220119BHJP
A01N 43/836 20060101ALI20220119BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20220119BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20220119BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20220119BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20220119BHJP
C07D 403/04 20060101ALI20220119BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20220119BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20220119BHJP
A61K 31/501 20060101ALI20220119BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20220119BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20220119BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20220119BHJP
A61P 33/14 20060101ALI20220119BHJP
A01M 1/20 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A01P7/00
A01N43/56 G
A01N43/76
A01N43/78 B
A01N43/78 A
A01N43/836
C07D401/14
C07D405/14
A61K31/4439
A61K31/506
C07D403/04
C07D471/04 106C
A61K31/444
A61K31/501
C07D413/14
A61K31/5377
C07D417/14
A61P33/14
A01M1/20 A
(21)【出願番号】P 2019501588
(86)(22)【出願日】2017-07-10
(86)【国際出願番号】 US2017041374
(87)【国際公開番号】W WO2018013482
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-06-15
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ウェンミン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】モウミタ・カール
(72)【発明者】
【氏名】カシナス・サナ
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/038503(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/087368(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/087422(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/087421(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/071499(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/00
A01N 43/00
C07D 405/00
A61K 31/00
C07D 403/00
C07D 471/00
C07D 413/00
C07D 417/00
A01M 1/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式1の化合物、そのN-オキシド及び塩、
【化1】
式中、
AはC
Hであり、
X
1
はCHであり、X
2
はCR
1
であり、
X
3
はCHまたはCFであり、
R
1
は、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル又はオキ
サジアゾリルであり、各々一個のR
3
で置換され、及び、場合により更に1~3個のR
x
で置換されており、
R
2
は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ又はC
1~C
4ハロアルコキシであり、
R
3は下記
【化2】
からなる群から、選択され、
R
4は各々独立して、H又はC
1~C
4アルキルであり、
R
5は各々独立して、H又はC
1~C
4アルキルであり、又は
R
4及びR
5は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素原子と1個の酸素原子、1個の硫黄原子、及び2個以下の窒素原子から独立して選択される2個以下のヘテロ原子とから選択される環員を含有する3~6員環を形成しており、ここで、2個以下の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつ、硫黄原子環員はS、S(O)又はS(O)
2から選択され、前記環は、無置換であるか、又は、4個以下のR
xで置換されているが、ただし、R
4及びR
5は同一の炭素原子に結合しており、
pは1、2、3、又は4であり
R
6は
、NR
13R
14、OR
15若しくはC(=NR
8)R
9であり、又は少なくとも1つのR
yで置換されたC
1~C
6アルキル、又は、各々は非置換であるか、若しくは少なくとも1個のR
xで置換されたC
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル若しくはC
2~C
6アルキニルであり、
R
7は、
Hであり
、
R
xは、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
3~C
6シクロアルコキシ、C(=NR
8)R
9、C(O)OR
16、C(O)NR
13R
14、OC(O)R
17、NR
20R
21、NR
19C(O)R
17、C(O)R
17、S(O)
nR
18、Si(R
23)
3、OSi(R
23)
3又はQであり、
R
yは、各々独立して、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ
、C
3
~C
6シクロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
3~C
6シクロアルコキシ、C(=NR
8)R
9、C(O)OR
16、C(O)NR
13R
14、OC(O)R
17、NR
20R
21、NR
19C(O)R
17、C(O)R
17、S(O)
nR
18、Si(R
23)
3、OSi(R
23)
3又はQであり、
R
8は各々独立してOR
10、S(O)
nR
11又はNHR
12であり、
R
9は各々独立して、Hであり、又は、各々無置換であるか、若しくは、少なくとも1個のR
xで置換されたC
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル若しくはC
2~C
6アルキニルであり、又は、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
3~C
6シクロアルコキシ、C(O)OR
16、C(O)NR
13R
14、NR
20R
21、NR
19C(O)R
17、C(O)R
17若しくはQであり、
R
10は、各々独立して、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C(O)R
17、S(O)
nR
11又はQであり
R
11は、各々独立して、C
1~C
4アルキル又は、C
1~C
4ハロアルキルであり、
R
12は、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C(O)R
17若しくは、C(O)OR
16であり、又は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、
シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択された少なくとも1個の置換基で置換されたフェニルであり、
R
13は、各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4ヒドロキシアルキル
若しくはC(O)
R
22
であるか、又は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニル又は5員若しくは6員複素環式芳香族環であり、
R
14は、各々独立して、H、C
1~C
6アルキル若しくは、C
1~C
4ハロアルキルであり、又は、
R
13及びR
14は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子及び2個以下の窒素原子から独立して選択される2個以下のヘテロ原子とから、選択される環員を含む3~7員環を形成し、ここで、2個以下の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、又、硫黄原子環員はS、S(O)若しくはS(O)
2から選択され、前記環は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、
R
15はC
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、
C
3
~C
6
シクロアルコキシ若しくは、C
1~C
4ハロアルキルであるか、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されたフェニルであり、
R
16は、各々独立して、H、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル若しくはC
3~C
6ハロシクロアルキルであり、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニルであり、
R
17は各々独立して、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル若しくはC
3~C
6ハロシクロアルキルであるか、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニルであり、
R
18は各々独立して、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
3~C
6シクロアルキルアルキル、若しくは、C
3~C
6ハロシクロアルキルアルキルであるか、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニルであり、
R
19は各々独立して、H、又はC
1~C
4アルキルであり、
R
20は各々独立して、H、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであるか、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニルであり、
R
21は各々独立して、H、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであるか、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニルであり、又は、
R
20及びR
21は、独立して、これらが結合している窒素原子と一緒になって、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子及び2個以下の窒素原子から独立して選択される2個以下のヘテロ原子とから、選択される環員を含有する3員-7員環を形成し、ここで、2個以下の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつ、その硫黄原子環員はS、S(O)又はS(O)
2から選択され、前記環は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、
R
22は、各々独立して、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ若しくはNR
24R
25であるか、又は、フェニル、又は、5員若しくは6員複素環式芳香族環であり、各々は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、
R
23は、各々独立して、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル又はフェニルであり、
R
24は、各々独立して、H若しくはQであるか、又は、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル若しくはC
2~C
6アルキニルであり、各々は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、
R
25は、各々独立して、H若しくはQであるか、又は、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル若しくはC
2~C
6アルキニルであり、各々は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、又は
R
24及びR
25は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子及び2個以下の窒素原子から独立して選択される2個以下のヘテロ原子とから、選択される環員を含有する3員~10員環を形成し、ここで、2個以下の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつ、その硫黄原子環員はS、S(O)又はS(O)
2から選択され、前記環は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される4個以下の置換基で置換されており、
Qは、各々独立して、フェニル、5員若しくは6員複素環式芳香族環又は3員~6員複素環式非芳香族環であり、各環は、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子及び2個以下の窒素原子から独立して選択される2個以下のヘテロ原子とから、選択される環員を含有し、ここで、2個以下の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつ、その硫黄原子環員はS、S(O)又はS(O)
2から選択され、各環は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ及びC
1~C
4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、及び
nは、各々独立して、0、1又は2である。
【請求項2】
R
1が、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、各々1個のR
3で置換されており、かつ、場合により更に1~3個のR
xで置換されている請求項
1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加成分とを含み、場合により少なくとも1種の追加的生物活
性化合物若しくは薬剤を更に含む組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の追加的な生物活性化合物又は薬剤が、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミドフルメット、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホスメチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ビフェナザート、ビストリフルロン、ホウ酸塩、ブプロフェジン、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シクロキサプリド、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスウロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルホン、フルオロピラム、フルピプロール、フルピラジフローネ、フルバリネート、タウフルバリネート、フォノフォス、フォルメタネート、フォスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石けん、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオジカルブ、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、モノクロトホス、モノフルトリン、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオンメチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノフォス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンビュート、ピフルブミド、ピメツロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルホフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマート、スルプロフォス、スルフォキサフロール、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルフォン、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株、昆虫病原性細菌、核多角体病ウイルスの全ての菌株、昆虫病原性ウイルス及び昆虫病原性真菌、から成る群から選ばれる請求項
3に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の追加的な生物活性化合物又は薬剤がアバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミツラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、ブプロフェジン、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータシフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスル
ファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルフォン、フルピプロール、フルピラジフローネ、フルバリネート、フォルメタネート、フォスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾーネ、メチオジカルブ、メトミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマート、スルフォキサフロール、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、テトラメチルフルトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株、及び、核多角体病ウイルスの全ての菌株、から成る群から選ばれる請求項
4に記載の組成物。
【請求項6】
無脊椎有害生物又は
無脊椎有害生物の生息環境を、生物学的に有効量の請求項1
または2に記載の化合物と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除する方法。
【請求項7】
請求項1
または2に記載の化合物を、処理前種子
の0.0001~1重量%の量で含む、処理した種子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定の置換をした二環式アゾール、そのN-オキシド、その塩及び農学的使用及び非農学的使用に好適な組成物、並びに、農学的環境及び非農学的環境の両方において節足動物等の無脊椎有害生物を防除するためのこれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高い作物効率を達成するために、無脊椎有害生物の防除は極めて重要である。栽培中の及び貯蔵中の農作物に対する無脊椎有害生物による損害は生産性を著しく低下させ、これにより、消費者に対するコストを増加させてしまう可能性がある。森林、温室作物、観賞用植物、苗床作物、貯蔵食品及び繊維製品、家畜、家財、芝生、木材製品、並びに、公衆衛生及び動物の健康に係る無脊椎有害生物の防除もまた重要である。これらの目的のために、多くの製品が市販されているが、より効果的で、より安価で、より低毒性であり、環境に対してより安全であるか、又は、異なる作用部位を有する新規化合物に対する需要が継続して存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、下式1の化合物(すべての幾何異性体及び立体異性体を含む)、そのN-オキシド及びその塩、並びに、これらを含む組成物、及び無脊椎有害生物を防除するためのこれらの使用に関する。
【化1】
式中、
AはCH、CF又はNであり、
X
1はCR
1であり、かつX
2はCR
2若しくはNであり、又はX
1はCR
2若しくはNであり、かつX
2はCR
1あり、
X
3はCR
2又はNであり、
R
1は、5~10員の芳香族環又は環系であり、各環又は環系は、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子及び3個以下の窒素原子から独立して選択された3個以下のヘテロ原子とから、選択された環員を含み、ここで、炭素原子2個以下の環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつその硫黄原子環員は、S、S(O)又はS(O)
2から選択され、各環、又は環系は1個のR
3で、場合により更に1~3個のR
xで置換されており、又は
R
1は3~6員の部分飽和環であり、各環は炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、及び2個以下の窒素原子から独立して選択された2個以下のヘテロ原子とから選択された環員を含み、ここで、炭素原子2個以下の 環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつその硫黄原子環員は、S、S(O)又はS(O)
2から選択され、各環は1個のR
3で置換され、場合により、少なくとも1個のR
xで更に置換されており、
R
2は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ又はC
1~C
4ハロアルコキシであり、
【0004】
【0005】
R4は各々独立して、H又はC1~C4アルキルであり、
R5は各々独立して、H又はC1~C4アルキルであり、又は
R4及びR5は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素原 子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、及び2個以下の窒素原子から独立して選択される2個以下のヘテロ原子とから選択される環員を含有する3~6員環を形成しており、ここで、2個以下の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつ、硫黄原子環員はS、S(O)又はS(O)2から選択され、前記環は、無置換であるか、又は、4個以下のRxで置換されているが、ただし、R4及びR5は同一の炭素原子に結合しており、
pは1、2、3、又は4であり、
【0006】
R6は、H、NR13R14、OR15若しくはC(=NR8)R9であり、又は少なくとも1つのRyで置換されたC1~C6アルキル、又は、各々は非置換であるか、若しくは少なくとも1個のRxで置換されたC3~C6シクロアルキル、C2~C6アルケニル若しくはC2~C6アルキニルであり、
R6aは、OC(=NR8)R9、OC(O)R9、NHC(=NR8)R9、NHC(O)R9、SO2NR13R14、SO2OR15、SO2C(=NR8)R9、C(=NR8)NR13R14、C(O)NR13R14、C(=NR8)OR15若しくはC(O)O R15であり、又は
R6aはYR6bであり、
YはO、S、NH又はC(O)であり、
R6bは少なくとも1つのRyで置換されたC1~C6アルキルであり、又は、C3~C6シクロアルキル、C2~C6アルケニル又はC2~C6アルキニルであり、各々非置換であるか、又は少なくとも1個のRxで置換されており、
【0007】
R7は、H、C(O)R17又はS(O)nR18であるか、又は、各々非置換であるか若しくは少なくとも1つのRxで置換された、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C3~C6シクロアルコキシ、C2~C6アルケニル若しくはC2~C6アルキニルであるか、又は、各々、非置換であるか、若しくはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C3~C6シクロアルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、フェニル又は5若しくは6員複素環式芳香環、又は5若しくは6員複素環式非芳香族環であり、ただし、R3がR3b、R3d、R3e又はR3fであるとき、R6及びR7の両方はHであり得ず、
Rxは、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ、C3~C6シクロアルコキシ、C(=NR8)R9、C(O)OR16、C(O)NR13R14、OC(O)R17、NR20R21、NR19C(O)R17、C(O)R17、S(O)nR18、Si(R23)3、OSi(R23)3又はQであり、
Ryは、各々独立して、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ、C3~C6シクロアルコキシ、C(=NR8)R9、C(O)OR16、C(O)NR13R14、OC(O)R17、NR20R21、NR19C(O)R17、C(O)R17、S(O)nR18、Si(R23)3、OSi(R23)3又はQであり、
【0008】
R8は各々独立してOR10、S(O)nR11又はNHR12であり、
R9は各々独立して、Hであり、又は、各々無置換であるか、若しくは、少なくとも1個のRxで置換されたC1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C2~C6アルケニル若しくはC2~C6アルキニルであり、又は、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ、C3~C6シクロアルコキシ、C(O)OR16、C(O)NR13R14、NR20R21、NR19C(O)R17、C(O)R17若しくはQであり、
R10は、各々独立して、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C(O)R17、S(O)nR11又はQであり、
R11は、各々独立して、C1~C4アルキル又は、C1~C4ハロアルキルであり、
R12は、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C(O)R17若しくは、C(O)OR16であり、又は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択された少なくとも1個の置換基で置換されたフェニルであり、
【0009】
R13は、各々独立して、H、C1~C6アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C(O)R22若しくは、S(O)2R22であるか、又は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニル又は5員若しくは6員複素環式芳香族環であり、
R14は、各々独立して、H、C1~C6アルキル若しくは、C1~C4ハロアルキルであり、又は、
【0010】
R13及びR14は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子及び2個以下の窒素原子から独立して選択される2個以下のヘテロ原子とから、選択される環員を含む3~7員環を形成し、ここで、2個以下の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、又、硫黄原子環員はS、S(O)若しくはS(O)2から選択され、前記環は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、
【0011】
R15はC1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C
3
~C
6
シクロアルキコキシ若しくは、C1~C4ハロアルキルであるか、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基 で置換されたフェニルであり、
R16は、各々独立して、H、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル若しくはC3~C6ハロシクロアルキルであり、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニルであり、
【0012】
R17は各々独立して、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル若しくはC3~C6ハロシクロアルキルであるか、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニルであり、
R18は各々独立して、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C3~C6ハロシクロアルキル、C3~C6シクロアルキルアルキル、若しくは、C3~C6ハロシクロアルキルアルキルであるか、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニルであり、
R19は各々独立して、H、又はC1~C4アルキルであり、
【0013】
R20は各々独立して、H、C1~C4アルキル又はC1~C4ハロアルキルであるか、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニルであり、
R21は各々独立して、H、C1~C4アルキル又はC1~C4ハロアルキルであるか、又は、無置換の、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換された、フェニルであり、又は、
【0014】
R20及びR21は、独立して、これらが結合している窒素原子と一緒になって、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子及び2個以下の窒素原子から独立して選択される2個以下のヘテロ原子とから、選択される環員を含有する3員-7員環を形成し、ここで、2個以下の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつ、その硫黄原子環員はS、S(O)又はS(O)2から選択され、前記環は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、
【0015】
R22は、各々独立して、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ若しくはNR24R25であるか、又は、フェニル、又は、5員若しくは6員複素環式芳香族環であり、各々は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、
R23は、各々独立して、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又はフェニルであり、
【0016】
R24は、各々独立して、H若しくはQであるか、又は、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C2~C6アルケニル若しくはC2~C6アルキニルであり、各々は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、
R25は、各々独立して、H若しくはQであるか、又は、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C2~C6アルケニル若しくはC2~C6アルキニルであり、各々は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、又は
【0017】
R24及びR25は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子及び2個以下の窒素原子から独立して選択される2個以下のヘテロ原子とから、選択される環員を含有する3員~10員環を形成し、ここで、2個以下の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつ、その硫黄原子環員はS、S(O)又はS(O)2から選択され、前記環は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される4個以下の置換基で置換されており、
【0018】
Qは、各々独立して、フェニル、5員若しくは6員複素環式芳香族環又は3員~6員複素環式非芳香族環であり、各環は、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子及び2個以下の窒素原子から独立して選択される2個以下のヘテロ原子とから、選択される環員を含有し、ここで、2個以下の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつ、その硫黄原子環員はS、S(O)又はS(O)2から選択され、各環は、無置換であるか、若しくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C4アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ及びC1~C4ハロアルコキシからなる群から独立して選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、及び
nは、各々独立して、0、1又は2である。
【0019】
本発明は又、式1の化合物、そのN-オキシド又は塩と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加成分とを含む組成物を提供する。一実施形態においては、本発明は又、式1の化合物、そのN-オキシド又は塩と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加成分とを含む無脊椎有害生物を防除するための組成物を提供し、前記組成物は、場合により、少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物又は薬剤を更に含む。
【0020】
本発明は、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的に有効な量の式1の化合物、N-オキシド又はその塩(例えば、本明細書に記載の組成物として)と、接触させることを含む無脊椎有害生物の防除方法を提供する。本発明はまた、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的に有効な量の式1の化合物、N-オキシド又はそれらの塩、及び界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加的成分を含む組成物と接触させる方法にも関連し、前記組成物は場合により、少なくとも1つの追加的な生物活性化合物又は薬剤の生物学的有効量を更に含む。
【0021】
本発明は又、種子に、生物学的に有効な量の式1の化合物、そのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書に記載の組成物として)を接触させる工程を含む無脊椎有害生物から種子を保護する方法を提供する。本発明は又、処理された種子にも関する。本発明は、動物に、殺寄生虫的に有効な量の式1の化合物、そのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書に記載した組成物として)を投与する工程を含む寄生性無脊椎有害生物から動物を保護する方法を更に提供する。本発明は又、無脊椎有害生物からの動物の保護における式1の化合物、そのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書に記載の組成物として)の使用を提供する。
【0022】
本発明は又、作物植物、その作物植物を発育する種子、又は、その作物植物の生育地(例えば、栽培培地)に、生物学的に有効な量の式1の化合物(例えば、本明細書に記載の組成物として)を接触させる工程を含む作物植物の成長力を高める方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書において用いられるところ、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「により特徴付けられる」、又は、これらの何れかの他の変形は、明示的に示されている任意の限定を条件として、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。例えば、要素の一覧を含む組成物、混合物、工程又は方法は、必ずしもこれらの要素にのみ限定されることはなく、明示的に列挙されていないか、又は、このような組成物、混合物、工程又は方法に固有である他の要素が包含されていてもよい。
【0024】
「からなる(consisting of)」という移行句は、特定されていない任意の要素、工程又は成分を除外する。特許請求の範囲中にある場合、このような句は、特許請求の範囲を、通常これに関連する不純物類を除き、言及されたもの以外の材料の包含を限定するであろう。「からなる(consisting of)」という句が、プリアンブルの直後ではなく特許請求の範囲の本文の一文節中にある場合、これは、その文節中に規定されている要素のみを限定し、他の要素は、特許請求の範囲からは、全体としては除外されない。
【0025】
「基本的にからなる(consisting essentially of)」という移行句は、文字通り開示されているものに追加して、材料、工程、機構、成分、又は、要素を包含する組成物又は方法を定義するために用いられているが、ただし、これらの追加の材料、工程、機構、成分、又は、要素は、特許請求された発明の基本的な及び新規の特徴に著しく影響しない。「基本的にからなる(consisting essentially of)」という用語は、「を含んでいる(comprising)」と、「からなる(consisting of)」との間の中間点を構成する。
【0026】
出願人らが、「を含んでいる(comprising)」等のオープンエンド形式の用語で発明又はその一部分を定義している場合、その記載は(他に明記されていない限りにおいて)、「基本的にからなる(consisting essentially of)」又は「からなる(consisting of)」という用語を用いてこのような発明を記載しているとも解釈されるべきであると、直ちに理解されるべきである。
【0027】
更に、反対の記載が明白にされない限り、「或いは、又は、若しくは」(“or”)は包含的論理和を指し、かつ排他的論理和は指さない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つを満足する。Aが真であり(又は存在する)、かつ、Bが偽である(又は存在しない)。Aが偽であり(又は存在しない)、かつ、Bが真である(又は存在する)。並びに、A及びBの両方が真である(又は存在する)。
【0028】
又、本発明の要素又は成分に先行する不定冠詞「a」及び「an」は、要素又は成分の事例(即ち、発生)の数に関して非制限的であることが意図される。従って、「a」又は「an」は、1つ又は少なくとも1つ、を含むと読解されるべきであり、要素又は成分の単数形の語形は、その数が明らかに単数を意味しない限りにおいては複数をも包含する。
【0029】
本開示において言及するとき、「無脊椎有害生物」という用語は、有害生物として経済的に重要な節足動物、腹足類、線虫及び蠕虫を含む。「節足動物」という用語は、昆虫、ダニ、クモ、サソリ、ムカデ、ヤスデ、ワラジムシ及びコムカデを含む。「腹足類」という用語は、カタツムリ、ナメクジ及び他の柄眼目を含む。「線虫」という用語は、植食性線虫及び動物に寄生する寄生性線虫等の線形動物門の構成種を含む。「蠕虫」という用語は、回虫(線形動物門)、イヌ糸状虫(線形動物門、双線綱)、吸虫(扁形動物門、吸虫綱)、鈎頭虫(鉤頭虫門)及び条虫(扁形動物門、条虫綱)等の寄生虫のすべてを含む。
【0030】
本開示の文脈において、「無脊椎有害生物の防除」とは、無脊椎有害生物の発生の阻害(死亡率、摂食の低下及び/又は交配撹乱を含む)を意味し、関連する表記も同様に定義される。
【0031】
「農学的」という用語は、食品及び繊維等のための、農作物の生産を指し、トウモロコシ又はコーン、ダイズ及び他のマメ科植物、イネ、穀類(例えば、コムギ、カラスムギ、オオムギ、ライ麦及びイネ)、葉野菜(例えば、レタス、キャベツ及び他のキャベツ作物)、結実野菜(例えば、トマト、コショウ、ナス、十字花科植物及びウリ科植物)、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウ、綿、樹果(例えば、仁果、石果及び柑橘類)、小果実(例えば、液果類及びサクランボ)、並びに、他の特別な作物(例えば、カノーラ、ヒマワリ及びオリーヴ)の生産を含む。
【0032】
「非農学的」という用語は、園芸用作物(例えば、温室、苗床又は野生のものではない観賞用植物)、住宅用、農業用、商業用及び産業用構造物、芝生(例えば、切芝栽培地、牧草地、ゴルフコース、芝地、運動場等)、木製品、貯蔵製品、混農林業及び植生管理、公衆衛生(即ち、ヒト)及び動物衛生(例えば、ペット、家畜及び家禽等の家畜動物、野生動物等の非家畜動物)施用等の農作物以外を指す。
【0033】
「作物成長力」という用語は、作物植物の生育速度又はバイオマスの蓄積速度を指す。「成長力を高める」とは、未処理の対照作物植物に対する、作物植物における生育又はバイオマスの蓄積における相対的増加を指す。「作物収量」という用語は、作物植物の収穫後に得られる、質及び量の両方の観点における作物材料の回収を指す。「作物収量を増加する」とは、未処理の対照作物植物に対する作物植物収量の増加を指す。
【0034】
「生物学的に有効な量」という用語は、無脊椎有害生物による被害から植物を保護するため、若しくは、他の所望される効果(例えば、植物の成長力を高める)のため、防除されるべき無脊椎有害生物若しくはその環境、又は、植物、植物を発育させる種子、或いは植物が生育している場所(例えば、栽培培地)に施用(即ち、接触)した場合に、所望の生物学的効果をもたらすのに十分な生物学的に有効な化合物(例えば、式1の化合物)の量を指す。
【0035】
構造断片中の波線(例えばR3aからR3h)は分子の残部に対する断片の結合点を示す。
【0036】
上記の言及において、「アルキル」という用語は、単独で、又は、「アルキルチオ」若しくは「ハロアルキル」等の複合語で用いられて、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、又は、異なるブチル、ペンチル若しくはヘキシル異性体等の直鎖又は分岐アルキルを含む。「アルケニル」は、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、並びに、異なるブテニル、ペンテニル及びヘキセニル異性体等の直鎖又は分岐アルケンを含む。「アルケニル」は又、1,2-プロパジエニル及び2、4-ヘキサジエニル等のポリエンを含む。「アルキニル」は、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、並びに、異なるブチニル、ペンチニル及びヘキシニル異性体等の直鎖又は分岐アルキンを含む。「アルキニル」は又、2、5-ヘキサジイニル等の複数の三重結合から構成される部分を含むことが可能である。
【0037】
「アルコキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、並びに、異なるブトキシ、ペントキシ及びヘキシルオキシ異性体を含む。「アルキルチオ」は、メチルチオ、エチルチオ、並びに、異なるプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ及びヘキシルチオ異性体等の分岐又は直鎖アルキルチオ部分を含む。
【0038】
「シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。
【0039】
「ハロゲン」という用語は、単独若しくは「ハロアルキル」等の複合語で、又は、「ハロゲンで置換されたアルキル」等の記載において用いられる場合、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む。更に、「ハロアルキル」等の複合語で用いられる場合、又は、「ハロゲンで置換されたアルキル」等の記載で用いられる場合、前記アルキルは、同一であっても異なっていても良いハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されていてもよい。「ハロアルキル」又は「ハロゲンで置換されたアルキル」の例としては、F3C-、ClCH2-、CF3CH2-及びCF3CCl2-が挙げられる。「ハロシクロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロアルキルチオ」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」等という用語は、用語「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルコキシ」の例としては、CF3O-、CCl3CH2O-、HCF2CH2CH2O-及びCF3CH2O-が挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CCl3S-、CF3S-、CCl3CH2S-及びClCH2CH2CH2S-が挙げられる。
【0040】
本明細書において用いる、化学略語S(O)及びS(=O)は、スルフィニル部分を表す。本明細書において用いる、化学略語SO2、S(O)2及びS(=O)2は、スルホニル部分を表す。本明細書において用いる、化学略語C(O)及びC(=O)は、カルボニル部分を表す。本明細書において用いる、化学略語CO2、C(O)O及びC(=O)Oは、オキシカルボニル部分を表す。「CHO」とは、ホルミルを意味する。
【0041】
置換基中の炭素原子の総数は「Ci~Cj」接頭辞によって示され、ここで、i及びjは1~6の数字である。例えば、C1~C4アルキルスルホニルはメチルスルホニル乃至ブチルスルホニルを示し、C2アルコキシアルキルはCH3OCH2-を示し、C3アルコキシアルキルは、例えばCH3CH(OCH3)-、CH3OCH2CH2-又はCH
3CH2OCH2-を示し、及び、C4アルコキシアルキルは、合計で4個の炭素原子を含有するアルコキシ基で置換されたアルキル基の種々の異性体を示し、例は、CH3CH2CH2OCH2-及びCH3CH2OCH2CH2-を含む。
【0042】
前記置換基の数が1を超えることが可能であることを示す下付文字を有する置換基で化合物が置換されている場合、前記置換基(1を超える場合)は、定義された置換基の群から独立して選択される。更に、下付文字が例えば(R)i~jといった範囲を示す場合、置換基の数は、i以上j以下の整数から選択しても良い。基が水素であることが可能な置換基を含有する場合であって、この置換基が水素と見なされる場合、これは、前記基が無置換であることと等しいと認識される。ある基における1つ以上の位置が「置換されていない」又は「無置換である」と述べられる場合、水素原子が結合して自由原子価のすべてを埋め合わせていることになる。
【0043】
別段の定めがある場合を除き、式1の成分としての「環」又は「環系」(例えば、置換基Q)は炭素環式又は複素環式である。「環系」という用語は、2つ以上の縮合環を示す。「二環系」及び「縮合二環系」という用語は、「オルト縮合」、「架橋二環式」又は「スピロ二環式」であることが可能である2つの縮合環からなる環系を示す。「オルト縮合二環系」は、2つの構成要素である環が隣接した2つの原子を共有する環系を示す。「架橋二環系」は、1個以上の原子のセグメントを環の隣接していない環員に結合させることにより形成される。「スピロ二環系」は、2個以上の原子のセグメントを環の同一の環員に結合させることにより形成される。「縮合ヘテロ二環系」という用語は、少なくとも1個の環原子が炭素ではない縮合二環系を示す。「環員」という用語は、環又は環系の主鎖を形成する原子又は他の部分(例えば、C(=O)、C(=S)、S(O)又はS(O)2)を指す。
【0044】
「炭素環(carbocyclic ring)」、「炭素環(carbocycle)」又は「炭素環系」という用語は、環主鎖を形成する原子が炭素のみから選択されている環又は環系を示す。「複素環」、「複素環」又は「複素環系」という用語は、環主鎖を形成する少なくとも1個の原子が炭素ではなく、例えば窒素、酸素又は硫黄である環又は環系を示す。典型的には、複素環は、4個以下の窒素、2個以下の酸素及び2個以下の硫黄を含有する。
【0045】
別段の定めがある場合を除き、炭素環又は複素環は、飽和環又は不飽和環であることが可能である。「飽和」とは、互いに単結合によって結合された原子からなる主鎖を有する環を指し、別段の規定がある場合を除き、残りの原子の原子価は水素原子によって埋められている。別段の定めがある場合を除き、「不飽和環」は部分飽和であっても完全不飽和であってもよい。「完全不飽和環」という表記は、環における原子間の結合が原子価結合理論に従って単結合又は二重結合であり、更に、環における原子間の結合が連続する二重結合を伴うことなく(即ち、C=C=C、C=C=Nを含まない)可能な限り多数の二重結合を含む原子の環を意味する。「部分飽和環」という用語は、二重結合を介して隣接する環員に結合する少なくとも1個の環員を含む環を表し、これは、概念的には、潜在的に、存在する二重結合の数(即ち、部分飽和形態)を超える多数の非集積二重結合を隣接する環員間に含んでいる(即ち、完全不飽和カウンターパート形態)。
【0046】
別段の定めがある場合を除き、複素環及び環系は、何れかの利用可能な炭素又は窒素を介して、前記炭素又は窒素上の水素を置換することにより結合可能である。
【0047】
「芳香族」は、環原子の各々が基本的に同一の面内にあり、環面に垂直なp-軌道を有しており、ヒュッケルの法則に従うよう(4n+2)π個の電子(nは正の整数である)が環に付随していることを表している。「芳香族環系」という用語は、環系の少なくとも1つの環が芳香族である炭素環式若しくは複素環系を表している。完全不飽和炭素環がヒュッケルの法則を満たす場合、前記環もまた「芳香族環」と呼ばれる又は「芳香族炭素環」である。
【0048】
「芳香族炭素環系」という用語は、環系の少なくとも1つの環が芳香族である炭素環系を表している。完全不飽和複素環がヒュッケルの法則を満たす場合、前記環は、「芳香族複素環(heteroaromatic ring)」、「芳香族複素環(aromatic heterocyclic ring)」又は「複素環式芳香族環」とも呼ばれる。「芳香族複素環系」という用語は、環系の少なくとも1つの環が芳香族である複素環系を表す。「非芳香族環系」という用語は、完全飽和、並びに、部分飽和又は完全不飽和であり得る炭素環式又は複素環系を表すが、ただし、環系中の環はいずれも芳香族ではない。「非芳香族炭素環系」という用語は、環系中の環がいずれも芳香族ではない炭素環を表す。「非芳香族複素環系」という用語は、環系中の環がいずれも芳香族ではない複素環系を表す。
【0049】
複素環に関連して「場合により置換された」という用語は、無置換であるか、又は、無置換の類似体が有する生物学的活性を消失させない少なくとも1つの非水素置換基を有する基を指す。本明細書において用いられるとき、別段の定めがある場合を除き、以下の定義が適用される。「場合により置換された」という用語は、句「置換又は無置換である」又は用語「(無)置換である」と同義的に用いられる。別段の定めがある場合を除き、場合により置換されていてもよい基は、その基の置換可能な位置の各々に置換基を有し得、置換の各々は他方から独立している。
【0050】
置換基が5員若しくは6員窒素含有複素環である場合、別段の記載がある場合を除き、これは、何れかの利用可能な炭素又は窒素環原子を介して式1の残部に結合していてもよい。上記の通り、Qは(とりわけ)、フェニルであり、場合により、発明の概要において定義されている置換基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されたフェニルであり得る。1~5個の置換基で場合により置換されたフェニルの例としては、一覧表1においてU-1として図示されている環であり、式中、Rvは、Qについて発明の概要において定義されているRxであり、かつ、rは0~5の整数である。
【0051】
上記の通り、Qは(とりわけ)、場合により、発明の概要において定義されている置換基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されている5員若しくは6員複素環式芳香族環であることが可能である。1つ以上の置換基で、場合により、置換された5員若しくは6員不飽和芳香族複素環の例としては、明細表1に図示された環U-2~U-61を含み、式中、Rvは、Qについて発明の概要において定義されている何れかの置換基であり、かつ、rは0~4の整数(各U基において利用可能である位置の数によって限定される)である。U-29、U-30、U-36、U-37、U-38、U-39、U-40、U-41、U-42及びU-43は利用可能な位置が1つだけであるため、これらのU基についてrは整数0又は1に限定され、rが0であることは、U基が無置換であると共に、(Rv)rによって示される位置に水素が存在していることを意味する。
【0052】
【0053】
【0054】
Rv基が構造U-1~U-61中に示されているが、これらは場合による置換基であるためにその存在は必須ではないことに注目されたい。原子に結合している際においてRvがHである場合、これは、前記原子が無置換であるのと同じことであることに注目すべきである。原子価を埋めるために置換を必要とする窒素原子は、H又はRvで置換されている。(Rv)rとU基との間の結合点が浮いて図示されている場合、(Rv)rは、U基の何れかの利用可能並びに炭素原子又は窒素原子に結合していることが可能であることに注目すべきである。U基における結合点が浮いて図示されている場合、U基は、水素原子の置換により、U基の何れかの利用可能な炭素又は窒素を介して式1の残部に結合していることが可能であることに注目すべきである。いくつかのU基は、4個未満のRv基(例えば、U-2~U-5、U-7~U-48及びU-52~U-61)のみで置換されていることが可能であることに注目すべきである。
【0055】
芳香族及び非芳香族複素環並びに環系の調製を可能とするための広く多様な合成方法が当技術分野において公知である。広範な概説については、全8巻のComprehensive Heterocyclic Chemistry、A.R.Katritzky and C.W.Rees編集主幹、Pergamon Press、Oxford、1984、及び、全12巻のComprehensive Heterocyclic Chemistry II、A.R.Katritzky、C.W.Rees and E.F.V.Scriven編集主幹、Pergamon Press、Oxford、1996を参照のこと。
【0056】
本発明の化合物は、1種又はそれ以上の立体異性体として存在していることが可能である。立体異性体は、同等の構成ではあるが、空間における原子の配置が異なる異性体であり、エナンチオマー、ジアステレオマー、シス-トランス異性体(幾何異性体としても公知である)及びアトロプ異性体を含む。アトロプ異性体は、単結合に係る回転が制限され、この回転に係る障壁が異性体種の単離が可能となるほどに高い場合にもたらされる。当業者は、1種の立体異性体が、他の立体異性体と相対的に富化された場合、又は、他の立体異性体から分離された場合に、より効果的であり得、及び/又は、有益な効果を発揮し得ることを認めるであろう。又、前記立体異性体をどのように分離し、富化し、及び/又は選択的に調製するかは当業者に公知である。立体異性のすべての態様に係る包括的な考察については、Ernest L.Eliel and Samuel H.Wilen、Stereochemistry of Organic Compounds、John Wiley & Sons、1994を参照のこと。
【0057】
本発明は、すべての立体異性体、配座異性体及びすべての割合におけるこれらの混合物、並びに、重水素化化合物等の同位体形態を含む。
【0058】
当業者は、窒素は酸化物への酸化のために利用可能な孤立電子対を必要とするため、すべての窒素含有複素環がN-オキシドを形成可能ではないことを認めるであろう。当業者は、N-オキシドを形成可能である窒素含有複素環を認識するであろう。当業者は又、第三級アミンがN-オキシドを形成することが可能であることを認識するであろう。複素環及び第三級アミンのN-オキシドの調製に係る合成方法は当業者に極めて周知であり、過酢酸及び3-クロロ安息香酸(MCPBA)等のペルオキシ酸、過酸化水素、t-ブチルヒドロ過酸化物等のアルキルヒドロ過酸化物、過ホウ酸ナトリウム、並びに、ジメチルジオキシラン等のジオキシランによる複素環及び第三級アミンの酸化が含まれる。N-オキシドの調製に係るこれらの方法は、文献中において広範に記載及び概説されており、例えば:T.L.Gilchrist、Comprehensive Organic Synthesis、vol.7、pp748-750、S.V.Ley、Ed.、Pergamon Press;M.Tisler and B.Stanovnik、Comprehensive HeterocyclicChemistry、vol.3、pp18-20、A.J.Boulton and A.McKillop、Eds.、Pergamon Press;M.R.Grimmett and B.R.T.Keene、Advances in Heterocyclic Chemistry、vol.43、pp149-161、A.R.Katritzky、Ed.、Academic Press;M.Tisler and B.Stanovnik、Advances in Heterocyclic Chemistry、vol.9、pp285-291、A.R.Katritzky and A.J.Boulton、Eds.、Academic Press;及び、G.W.H.Cheeseman and E.S.G.Werstiuk、Advances in Heterocyclic Chemistry、vol.22、pp390-392、A.R.Katritzky and A.J.Boulton、Eds.、Academic Pressを参照のこと。
【0059】
当業者は、環境において、及び、生理的条件下では、化学化合物の塩は対応する非塩形態と平衡状態にあるため、塩は、非塩形態の生物学的実用性を共有することを認識している。それ故、式1の化合物の広く多様な塩は無脊椎有害生物の防除に有用である。式1の化合物の塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸又は吉草酸等の無機酸又は有機酸との酸付加塩が挙げられる。式1の化合物がカルボン酸又はフェノール等の酸性部分を含有する場合、塩としては又、ピリジン、トリエチルアミン若しくはアンモニア等の有機若しくは無機塩基と形成されるもの、又は、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム若しくはバリウムのアミド、水素化物、水酸化物若しくは炭酸塩が挙げられる。従って、本発明は、式1から選択される化合物、そのN-オキシド及び好適な塩を含む。
【0060】
式1、その立体異性体、互変異性体、N-オキシド及び塩から選択される化合物は、典型的には、2つ以上の形態で存在し、式1は、それ故、式1が表す化合物のすべての結晶形態及び非結晶形態を含む。非結晶形態は、ワックス及びガム等の固形分である実施形態、並びに、溶液及び溶融物等の液体である実施形態を含む。結晶形態は、基本的に単結晶タイプを表す実施形態、及び、異形体の混合物を表す実施形態(即ち、異なる結晶性タイプ)を含む。「異形体」という用語は、異なる結晶形態で結晶化可能である化学化合物の特定の結晶形態を指し、これらの形態は、結晶格子中に分子の異なる配置及び/又は配座を有する。異形体は同一の化学的組成を有していることが可能であるが、これらは又、格子中に弱く又は強固に結合していることが可能である共結晶化水又は他の分子の存在又は不在により組成が異なっていることが可能である。異形体は、結晶形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸垂性、溶解速度及び生物学的利用可能性と同様にこのような化学的、物理的及び生物学的特性が異なっていることが可能である。当業者は、式1によって表される化合物の異形体は、式1によって表される同一の化合物の他の異形体又は異形体の混合物と比して、有益な効果(例えば、有用な配合物の調製に対する適合性、向上した生物学的性能)を示す可能性があることを認めるであろう。式1によって表される化合物の特定の異形体の調製及び単離は、例えば、選択された溶剤及び温度を用いる結晶化を含む当業者に公知の方法により達成されることが可能である。本発明の化合物は1種又はそれ以上の結晶性異形体として存在し得る。本発明は、個別の異形体と異形体の1種が他のものと比して富化された混合物を含む異形体の混合物との両方を含む。多形性の包括的な考察に関しては、R.Hilfiker、Ed.、Polymorphism In the Pharmaceutical Industry、Wiley-VCH、Weinheim、2006を参照のこと。
【0061】
発明の概要に記載の本発明の実施形態は以下に記載のものを含む。以下の実施形態において、「式1の化合物」に対する言及は、実施形態において更に定義されていない限り、発明の概要において特定した置換基の定義を含む。
【0062】
実施形態1 AがCH、CF又はNである式1の化合物。
実施形態1a AがCH又はCFである式1の化合物。
実施形態1b AがCF又はNである式1の化合物。
実施形態1c AがCHである式1の化合物。
実施形態1d AがCFである式1の化合物。
実施形態1e AがNである式1の化合物。
【0063】
実施形態2 X1がCR1である式1の化合物。
実施形態2a X1がCR1であり、かつ、X2がCR2又はNである式1の化合物。
実施形態2b X1がCR1であり、かつ、X2がCR2である式1の化合物。
実施形態2c X1がCR1であり、かつ、X2がCH又はCFである式1の化合物。
実施形態2d X1がCR1であり、かつ、X2がCH又はNである式1の化合物。
実施形態2e X1がCR1であり、かつ、X2がCHである式1の化合物。
実施形態2f X1がCR1であり、かつ、X2がNである式1の化合物。
実施形態2g X1がCR1であり、X2がCHであり、かつ、X3がCH又はCFである式1の化合物。
実施形態2h X1がCR1であり、X2がCHであり、かつ、X3がNである式1の化合物。
【0064】
実施形態3 X2がCR1である式1の化合物。
実施形態3a X2がCR1であり、かつ、X1がCR2又はNである式1の化合物。
実施形態3b X2がCR1であり、かつ、X1がCR2ある式1の化合物。
実施形態3c X2がCR1であり、かつ、X1がCH又はCFである式1の化合物。
実施形態3d X2がCR1であり、かつ、X1がCH又はNである式1の化合物。
実施形態3e X2がCR1であり、かつ、X1がCHである式1の化合物。
実施形態3f X2がCR1であり、かつ、X1がNである式1の化合物。
実施形態3g X2がCR1であり、X1がCHであり、かつ、X3がCH又はCFである式1の化合物。
実施形態3h X2がCR1であり、X1がCHであり、かつ、X3がNである式1の化合物。
【0065】
実施形態4 X1がCR1であり、かつ、X2がCH若しくはNであるか、又は、X1がCH若しくはNであり、かつ、X2がCR1である式1の化合物。
実施形態4a X1がCR1であり、かつ、X2がCHであるか、又は、X1がCHであり、かつX2がCR1である式1の化合物。
【0066】
実施形態5 X3がNである式1の化合物。
【0067】
実施形態6 R1が、5~10員の芳香環又は環系であり、各環又は環系は、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、及び3個以下の窒素原子から独立して選択される3個以下のヘテロ原子とから選択される環員を含み、ここで、2個以下の炭素原子環員が、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつ、その硫黄原子環員は、S、S(O)又はS(O)2から選択され、各環又は環系は、1個のR3で置換され、場合により、更に1~3個のRxで置換されている式1の化合物又は実施形態1~5のいずれかの化合物。
実施形態6a R1が、5員又は6員の芳香環であり、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、及び3個以下の窒素原子から独立して選択される3個以下のヘテロ原子と、から選択される環員を含み、ここで2個以下の炭素原子環員が、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつ、その硫黄原子環員は、S、S(O)又はS(O)2から選択され、各環は、1個のR3で置換され、場合により、更に1~3個のRxで置換されている式1の化合物又は実施形態1~5のいずれかの化合物。
実施形態6b R1がフェニル、ピリジニル、チアゾリル、オキサゾリル又はチアジアゾリルであり、各環は1個のR3で置換され、場合により更に1~3個のRxで置換されている、式1又は実施形態1~5の何れかの化合物。
実施形態6c R1がフェニル、4-ピリジニル、2-チアゾリル、2-オキサゾリル又は2-オキサジアゾリルであり、各環は1個のR3で置換され、場合により更に1~3個のRxで置換されている、式1又は実施形態1~5の何れかの化合物。
実施形態6d R1が1個のR3で置換され、及び、場合により更に1~3個のRxで置換されているフェニルである、式1又は実施形態1~5の何れかの化合物。
実施形態6e R1が、1個のR3で置換され、及び、場合により更に1~3個のRxで置換されている、4-ピリジニルである、式1又は実施形態1~5の何れかの化合物。
実施形態6f R1が、1個のR3で置換され、及び、場合により更に1個のRxで置換されている、2-チアゾリルである、式1又は実施形態1~5の何れかの化合物。
実施形態6g R1が、1個のR3で置換され、及び、場合により更に1個のRxで置換されている、2-オキサゾリルである、式1又は実施形態1~5の何れかの化合物。
実施形態6h R1が1個のR3で置換されている2-オキサジアゾリルである式1又は実施形態1~5の何れかの化合物。
【0068】
実施形態7 R2が各々独立してH又はFである、式1又は実施形態1~6hの何れかの化合物。
実施形態7a R2がHである、式1又は実施形態1~6hの何れかの化合物。
【0069】
実施形態8 R3がR3b又はR3cである、式1又は実施形態1~7aの何れかの化合物。
実施形態8a R3がR3bである、式1又は実施形態1~7aの何れかの化合物。
実施形態8b R3がR3cである、式1又は実施形態1~7aの何れかの化合物。
実施形態8c R3がR3cであり、R6aがYR6bであり、かつYがOである、式1又は実施形態1~7aの何れかの化合物。
実施形態8d R3がR3b又はR3eである式1又は実施形態1~7aの何れかの化合物。
実施形態8e R3がR3eである式1又は実施形態1~7aの何れかの化合物。
【0070】
実施形態9 R4及びR5が各々Hであるか、又は各々メチルであるか、又はそれらが結合している炭素原子と一緒になり、シクロプロパン環を形成する、式1又は実施形態1~8eの何れかの化合物。
実施形態9a R4及びR5が各々Hであるか、又は各々メチルである、式1又は実施形態1~8eの何れかの化合物。
実施形態9b R4及びR5が各々Hである、式1又は実施形態1~8eの何れかの化合物。
実施形態9c R4及びR5が各々メチルである、式1又は実施形態1~8eの何れかの化合物。
実施形態9d R4及びR5が、それらの結合している炭素原子と一緒になり、シクロプロパン環を形成する、式1又は実施形態1~8eの何れかの化合物。
【0071】
上記の実施形態1~9d、並びに、本明細書に記載の何れかの他の実施形態を含む本発明の実施形態は任意に組み合わせることが可能であり、実施形態における可変要素の説明は、式1の化合物のみならず、式1の化合物の調製に有用な出発化合物及び中間体化合物にも関連する。更に、上記の実施形態1~9d、並びに、本明細書に記載の何れかの他の実施形態、並びに、何れかのこれらの組み合わせを含む本発明の実施形態は、本発明の組成物及び方法に関連する。
【0072】
実施形態1~9dの組み合わせを以下に例示する。
実施形態A X1がCR1であり、かつ、X2がCH若しくはNであるか、又はX1がCH若しくはNであり、かつ、X2がCR1である式1の化合物。
実施形態B R3がR3b又はR3cである実施形態Aの化合物。
実施形態C R2が各々独立してH又はFである実施形態Bの化合物。
実施形態D R1がフェニル、ピリジニル、チアゾリル、オキサゾリル又はチアジゾリルであり、各々一個のR3で置換され、及び、場合により更に、1~3個のRxで置換された実施形態Cの化合物。
【0073】
実施形態E X1がCR1であり、かつ、X2がCR2であるか、又はX1がCR2であり、かつ、X2がCR1であり、
R1は、5~10員の芳香環又は環系であり、各環又は環系は、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、及び3個以下の窒素原子から独立して選択される3個以下のヘテロ原子と、から選択される環員を含み、ここで、2個以下の炭素原子環員が、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつその硫黄原子環員は、S、S(O)又はS(O)2から選択され、各環又は環系は、1個のR3で置換され、場合により、更に1~3個のRxで置換されており、
R2は各々独立してH又はFであり、かつ
R3はR3b又はR3cである式1の化合物。
【0074】
実施形態F X1がCR1であり、かつ、X2はCR2であるか、又はX1がCR2であり、かつ、X2がCR1であり、
R1は、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、オキサゾリル又はチアジゾリルであり、各々1個のR3で置換されており、及び、場合により更に1~3個のRxで置換されており、
R2は各々独立してH又はFであり、かつ
R3は、R3b又はR3cである式1の化合物。
【0075】
実施形態G X1がCR1であり、かつ、X2がCHであるか、又はX1がCHであり、かつ、X2がCR1である実施形態Aの化合物である。
【0076】
実施形態H R1が、5~6員の芳香環であり、炭素原子と、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、及び3個以下の窒素原子から独立して選択される3個以下のヘテロ原子とから選択される環員を含み、ここで、2個以下の炭素原子環員が、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、かつその硫黄原子環員は、S、S(O)又はS(O)2から選択され、各環系は、1個のR3で置換され、場合により、更に1~3個のRxで置換されている実施形態Gの化合物。
【0077】
実施形態I R1が、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、各々は1個のR3で置換されており、及び、場合により更に1~3個のRxで置換されている、実施形態Hの化合物。
【0078】
実施形態J R3がR3b又はR3eである実施形態Iの化合物。
【0079】
実施形態K X1がCR1であり、かつX2がCHであるか、又はX1がCHであり、かつX2がCR1であり、
R1は、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、オキサゾリル又はチアジゾリルであり、各々1個のR3で置換されており、及び、場合により更に1~3個のRxで置換されており、
R2は各々独立してHであり、かつ
R3はR3b又はR3eである、式1の化合物。
【0080】
実施形態L X1がCR1であり、かつX2がCHであるか、又はX1がCHであり、かつ、X2がCR1であり、
R1はフェニル、4-ピリジニル、2-チアゾリル、2-オキサゾリル又は2-オキサジアゾリルであり、各々1個のR3で置換されており、及び場合により1~3個のRxで更に置換されており、
R2は各々独立してHであり、かつ、
R3はR3b又はR3eである式1の化合物。
【0081】
実施形態M X1がCR1であり、かつ、X2がCHであるか、又はX1がCHであり、かつX2がCR1であり、
X3が CHであり、
R1はフェニル、4-ピリジニル、2-チアゾリル、2-オキサゾリル又は2-オキサジアゾリルであり、各々1個のR3で置換されており、及び場合により1~3個のRxで更に置換されており、
R2は各々独立してHであり、かつ
R3はR3b又はR3eである式1の化合物。
【0082】
実施形態N X1がCR1であり、かつX2がCHであるか、又はX1がCHであり、かつX2がCR1であり、
X3はCHであり、
R1はフェニル、4-ピリジニル、2-チアゾリル、2-オキサゾリル又は2-オキサジアゾリルであり、各々1個のR3で置換されており、及び場合により1~3個のRxで更に置換されており、
R2は各々独立してHであり、
R3はR3b又はR3eであり、及び、
R4及びR5は各々Hであるか、若しくは各々メチルであるか、又はそれらが結合している炭素原子と一緒になりシクロプロパン環を形成する式1の化合物。
【0083】
特定の実施形態では、化合物11、化合物12、化合物20、化合物24、化合物25、化合物26、化合物30、化合物31、化合物47、化合物56、化合物59、化合物62、化合物64、化合物65、化合物66、化合物71、化合物72、化合物85、化合物86、化合物87、化合物102、化合物139、化合物146、化合物155、化合物156、化合物158、化合物161及び化合物162、から成る群から選択される式1の化合物(化合物番号は索引表A~Gを参照)を含む。
【0084】
特定の実施形態では、化合物11、化合物12、化合物20、化合物24、化合物25、化合物26、化合物30、化合物31、化合物47、化合物56、化合物59、化合物62、化合物64、化合物65、化合物66、化合物71及び化合物72、から成る群から選択される式1の化合物(化合物番号は表A~Gの索引を参照)を含む。
【0085】
又、特定の実施形では、化合物85、化合物86、化合物87、化合物102、化合物139、化合物146、化合物155、化合物156、化合物158、化合物161及び化合物162、から成る群から選択される式1の化合物(化合物番号は表A~Gの索引を参照)をも含む。
【0086】
注目すべきは、本発明の化合物は、好ましい代謝及び/又は土壌残存パターンによって特徴づけられ、一定範囲の農学的及び非農学的無脊椎有害生物を防除する活性を示すことである。
【0087】
無脊椎有害生物の防除範囲及び経済的な重要性の理由から、特に注目すべきは、本発明の実施形態は、無脊椎有害生物を防除することにより、無脊椎有害生物により引き起こされる損害又は被害から農作物を保護することにある。本発明の化合物は又、植物における好ましい転流特性又は浸透移行性により、式1の化合物又はこの化合物を含有する組成物に直接接触していない葉又は他の植物部位をも保護する。
【0088】
又、本発明の実施形態として特に注目すべきは、前述の実施形態の何れかの化合物、本明細書に記載の何れかの他の実施形態の化合物、及び、何れかのこれらの組み合わせと、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加成分とを含む組成物であって、前記組成物は、場合により、少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物又は薬剤を含む。
【0089】
更に、本発明の実施形態としては、前述の実施形態の何れかの化合物、本明細書に記載の他の実施形態の何れかの化合物、及び、これらの組み合わせのいずれかと、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む無脊椎有害生物を防除するための組成物が注目に値し、前記組成物は、場合により、少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物又は薬剤を更に含む。本発明の実施形態は、無脊椎有害生物又はその環境に、生物学的に有効な量の前述の実施形態の何れかの化合物(例えば、本明細書に記載の組成物として)を接触させる工程を含む無脊椎有害生物を防除するための方法を更に含む。
【0090】
本発明の実施形態は又、前述の実施形態の何れかの化合物を土壌潅注液状配合物の形態で含む組成物を含む。本発明の実施形態は、生物学的に有効な量の前述の実施形態の何れかの化合物を含む土壌潅注として、土壌に液体組成物を接触させる工程を含む無脊椎有害生物を防除するための方法を更に含む。
【0091】
本発明の実施形態は又、生物学的に有効な量の前述の実施形態の何れかの化合物と噴射剤とを含む無脊椎有害生物を防除するための噴霧組成物を含む。本発明の実施形態は、生物学的に有効な量の前述の実施形態の何れかの化合物、1種又はそれ以上の食材、場合により誘引剤、及び、場合により湿潤剤を含む無脊椎有害生物を防除するための誘引組成物を更に含む。本発明の実施形態は又、前記誘引組成と前記誘引組成物が収められるよう適応した筐体とを備える無脊椎有害生物を防除するための装置を含み、ここで、筐体は、無脊椎有害生物が筐体の外の位置から前記誘引組成物に接近することが出来るよう、無脊椎有害生物が通過することが可能な大きさの開口を少なくとも一つ有しており、並びに、この筐体は、無脊椎有害生物が活動する可能性がある場所若しくは既知の活動場所に、又は、その付近に配置されるよう更に適応されている。
【0092】
本発明の実施形態は又、種子に生物学的に有効な量の前述の実施形態の何れかの化合物を接触させる工程を含む種子を無脊椎有害生物から保護する方法を含む。
【0093】
本発明の実施形態は又、動物に殺寄生虫的に有効な量の前述の実施形態の何れかの化合物を投与する工程を含む動物を寄生性無脊椎有害生物から保護する方法を含む。
【0094】
本発明の実施形態は又、無脊椎有害生物又はその環境に生物学的に有効な量の式1の化合物、そのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書に記載の組成物として)を接触させる工程を含む無脊椎有害生物を防除するための方法を含むが、ただし、この方法は、治療による人体又は動物の身体の医学的な処置の方法ではない。
【0095】
本発明は又、生物学的に有効な量の式1の化合物、そのN-オキシド又は塩と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加成分とを含む組成物を無脊椎有害生物又はその環境に接触させる方法に関し、前記組成物は、場合により、生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物又は薬剤を更に含むが、ただし、この方法は、治療による人体又は動物の身体の医学的な処置の方法ではない。
【0096】
式1の化合物はスキーム1~9に記載したような、1種以上の方法及び変法を用いて調製しても良い。下式1~15の化合物中の置換基の定義は、別段の定めがある場合を除き、上記発明の概要の中で定義した通りである。式1a~1fの化合物は式1の複数の化合物の一部分であり、式1a~1fに係るすべての置換基は、上記式1について定義した通りである。使用した略語は以下の通りである。THFはテトラヒドロフランであり、DMFはN、N-ジメチルホルムアミドであり、NMPはN-メチルピロリジノンであり、DCCは、N、N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドであり、HATUは、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1、2、3-トリアゾロ[4、5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェートである。Tfはトリフルオロメタンスルホネートであり、Nfはノナフルオロブタンスルホネートであり、Pd(OAc)2は酢酸パラジウム(II)であり、Pd2(dba)3はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、PPh3はトリフェニルホスフィンである。PCy3はトリシクロヘキシルホスフィンであり、Pt-Bu3はトリ-tert-ブチルホスフィンであり、x-phosは2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’、4’、6’-トリイソプロピルビフェニルであり、キサントホスは4、5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9、9-ジメチルキサンテンであり、s-ホスは、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’、6’-ジメトキシビフェニルであり、及び、dppfは[1、1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)である。
【0097】
式1の化合物は、式2aの化合物をアジド試薬(例えば、アジ化ナトリウム又はテトラブチルアンモニウムアジド)で処理するスキーム1に示す方法によって式2aの化合物から調製しても良い。通常の反応溶媒としてはDMF又はNMPを挙げられ、通常の反応温度は80℃から溶媒の沸点の範囲である。
【化5】
【0098】
式1の化合物は、式2bの化合物を亜リン酸トリエチルで処理するスキーム2に示す方法により式2bの化合物から調製しても良い。
【化6】
【0099】
式2a及び2bの化合物はシッフ塩基であり、当該分野で既知の方法により調製しても良い(例えば、March、J、Advanced Organic Chemistry、Wiley、1992年、896~898頁参照)。
【0100】
式1の化合物はまた、以下のスキーム3に示す方法により調製しても良い。この方法では、式4のピリジン又はピリミジンを金属媒介カップリング条件下で式3の化合物で処理して式1の化合物を得る。代表的なロジウム触媒法については、Organic Letters 2013、15(6)1290~1293頁を参照のこと。代表的な銅触媒法については、Applied Catalysis、A:General 2011、403(1-2)、104-111頁、及びJournal of Molecular Catalysis A:Chemical 2006、256(1-2)、256-260頁を参照のこと。
【化7】
【0101】
式1aの化合物は、スキーム4に示すように、式5の化合物(式中、LGはCl、Br、I、Tf又はNf等の適切な脱離基である)と式6の複素環式化合物(式中、MはMg、Zn又はB種等の適切な金属又は半金属である)とを、触媒及び適当な配位子の存在下でカップリングさせることにより、調製しても良い。適切な触媒は、Pd等の遷移金属(例えば、Pd(OAc)
2又はPd
2(dba)
3)並びに、PPh
3、PCy
3、Pt-Bu
3、x-phos、キサントホス、s-phos、及びdppf等の単座又は二座配位子から生成することができる。溶媒としては、通常、THF、ジオキサン、トルエン、エタノール、DMF、水又はそれらの混合物が挙げられる。反応温度は通常、周囲温度から溶媒の沸点までの範囲である。
【化8】
【0102】
又、式1aの化合物も、式7の化合物(式中、MはMg、Zn又はB種等の適切な金属又は半金属である)と式8の複素環式化合物(式中、LGはCl、Br、I、Tf又はNf等の適切な脱離基である)とを、触媒、適当な配位子及び塩基の存在下でカップリングさせることにより、調製しても良い。適切な触媒は、Pd等の遷移金属(例えば、Pd(OAc)
2又はPd
2(dba)
3)並びに、PPh
3、PCy
3、Pt-Bu
3、x-phos、キサントホス、s-phos、及びdppf等の単座又は二座配位子から生成しても良い。通常、使用する塩基としては、炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム等の炭酸塩、三リン酸カリウム等のリン酸塩、エチルジイソプロピルアミン等のアミン、又はナトリウムtert-ブトキシド等のアルコキシドが挙げられる。通常の溶媒としては、THF、ジオキサン、トルエン、エタノール、DMF、水又はそれらの混合物が挙げられる。通常の反応温度は、周囲温度から溶媒の沸点までの範囲である。
【化9】
【0103】
LGがハロゲンである式5及び8の化合物は、CuBr2又はBnNEt3
+Br-等のハロゲン源の存在下で、亜硝酸イソアミル、亜硝酸t-ブチル又は亜硝酸等のON+源で処理することによって対応するアミンから調製しても良い。通常の反応条件としては、THF又はアセトニトリルのような水性又は有機溶媒、及び反応温度は0℃から溶媒の沸点までの範囲が挙げられる。
【0104】
X
1又はX
2がCR
1であり、かつR
1が複素環である式1の化合物は、最終工程で複素環を構成することにより調製しても良い。例えば、スキーム6に示した方法において、R
1基は、塩基性条件下で式9のブロモケトンと式5のチオアミドとを反応させ、式1bの化合物を形成することによりチアゾール環を調製しても良い。本方法において、通常、使用する塩基としては、炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム等の炭酸塩、三リン酸カリウム等のリン酸塩、エチルジイソプロピルアミン等のアミン、又はナトリウムtert-ブトキシド等のアルコキシドが挙げられる。通常の溶媒としては、THF、ジオキサン、トルエン、エタノール、DMF、水又はそれらの混合物が挙げられる。通常の反応温度は、周囲温度から溶媒の沸点までの範囲である。
【化10】
【0105】
式1cのオキサジアゾール化合物及び式1dのチアジアゾール化合物は、スキーム7に示すように式11の中間体から調製しても良い。例えば、式11の化合物を脱水して、式1cの化合物を生成する。式1cの化合物の調製に使用する通常の脱水剤としては、TsCl/TEA及びPOCl
3が挙げられる。同様に、式11の中間体をチオン化試薬で処理すると、環化して式1dの化合物が得られる。使用するチオン試薬としては、通常、ローソン試薬又はP
2S
5が挙げられる。本方法において、通常の溶媒としては、THF、ジオキサン、トルエン、又はジクロロメタンが挙げられる。通常の反応温度は、周囲温度から溶媒の沸点までの範囲である。
【化11】
【0106】
式1eの化合物(R
1環をR
3bで置換した式1の化合物)は、スキーム8に示すように、DCC又はHATU等のアミドカップリング剤の存在下で式13のアミンと式12のカルボン酸とを反応させることにより調製しても良い。代表的な試薬及び反応条件については、Jones,J.TheChemical Synthesis of Peptides,International Series of Monographs on Chemistry,Oxford University:Oxford,1994.を参照のこと。
【化12】
【0107】
式1fの化合物(R
1環をR
3eで置換した式1の化合物)は、スキーム9に示すように調製しても良い。この方法においては、式14の化合物を式15の化合物とカップリングさせ、場合により、引き続き、加水分解、エステル化又はアミド化等によるR基のさらなる誘導体化を行う。
【化13】
【0108】
式1の化合物の調製に係る上記の試薬及び反応条件のいくつかは、中間体に存在する一定の官能基には適合しない場合があり得ることが認識されている。これらの事例においては、合成に対する保護/脱保護シーケンス、又は、官能基の転換の導入により、所望の生成物の入手を補助することとなる。保護基の使用及び選択は化学合成の当業者には明らかであろう(例えば、Greene、T.W.;Wuts、P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis、2nd ed.;Wiley:New York、1991を参照のこと)。当業者は、いくつかの場合においては、個々のスキームに記載の試薬を導入した後に、式1の化合物の合成を完了するために詳述されていない追加のルーチン的な合成工程が必要とされ得ることを認識するであろう。当業者は又、式1の化合物を調製するために示されている特定のシーケンスによって示唆されるもの以外の順番で、上記スキームに例示されている工程の組み合わせを行う必要性があり得ることを認識するであろう。
【0109】
当業者は又、本明細書に記載の式1の化合物及び中間体は、置換基を付加し、又は、既存の置換基を変換するために、種々の求電子反応、求核反応、ラジカル反応、有機金属反応、酸化反応及び還元反応に供することが可能であることを認識するであろう。
【0110】
詳細を更に加えなくとも、上記の記載を利用する当業者は本発明を最大限に利用することが可能であると考えられている。従って、以下の合成実施例は、単なる例示であって、本開示を如何様にも全く限定しないと解釈されるべきである。以下の合成実施例における工程は、合成形質転換全体における各工程についての手法を例示しており、各工程についての出発材料は、必ずしも、手法が他の例又は工程において記載されている特定の調製実験によって調製されていなくてもよい。パーセンテージは、クロマトグラフ溶媒混合物、又は、他に記載のある場合を除き、重量基準である。クロマトグラフ溶媒混合物に対する部及びパーセンテージは、他に示されていない限りにおいて体積基準である。1H NMRスペクトルは、テトラメチルシランの低磁場側にppmで報告されており;「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「q」は四重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「dd」は二重項の二重項を意味し、「dt」は三重項の二重項を意味し、「br s」は幅広の一重項を意味する。DMFはN、N-ジメチルホルムアミドを意味する。化合物番号は索引表A~Gを指す。
【0111】
合成実施例1
5-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-N-(2-ピリミジニルメチル)-4-チアゾールカルボキシアミド(化合物78)の調製
【0112】
工程A:5-ブロモ-N-(2-ピリミジニルメチル)-4-チアゾールカルボキシアミドの調製
ジクロロメタン中、5-ブロモチアゾール-4-カルボニルクロリド(0.30g、1.3mmol)、ピリミジン-2-イルメタンアミン(0.21g、1.94mmol)、及びトリメチルアミン(0.52g、5.1mmol)の混合物を室温で18時間撹拌した。次いで反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)及びジクロロメタン(20mL)でクエンチした。相を分離し、そして水相をジクロロメタン(20mLで3回)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、20%酢酸エチル/ヘキサンから100%酢酸エチルの勾配で溶出)で精製して標題化合物を得た。
【0113】
工程B:2-(3-ピリジニル)-5-(4、4、5、5-テトラメチル-1、3、2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾールの調製
5-ブロモ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾールは、国際公開第2015/038503号に記載の方法に従って調製した。この臭化物(1.0g、3.6mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.65g、6.5mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.090g、0.11mmol)、及び酢酸カリウム(1.1g、10mmol)の混合物を、1、4-ジオキサン中、室温で1.5時間撹拌した。次に反応混合物をセライト(登録商標)のパッドを通して濾過し、そして減圧下で濃縮して1、4-ジオキサンを除去した。残渣をMPLCカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0~50%の酢酸エチルの勾配で溶出)で精製して標題化合物を得て、それを次の工程に直接使用した。
【0114】
工程C:5-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-N-(2-ピリミジニルメチル)-4-チアゾールカルボキシアミドの調製
工程Aで調製した臭化物(0.13g、0.43mmol)、工程Bで調製したホウ酸塩(0.14g、0.44mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.010g、0.012mmol)、及び炭酸カリウム(0.18g、1.3mmol)の混合物を、ジオキサン-水(4:1)中、窒素ガスでパージした。次に混合物を窒素下で18時間100℃に加熱した。次いで反応混合物を濃縮し、残渣をMPLCカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中アセトン40%の混合物で溶出)で精製して、所望の生成物を得た。この生成物をジエチルエーテルで滴定し、冷凍庫に貯蔵して、本発明の化合物である標題化合物(52mg)、を結晶性固体として得た。
【0115】
合成実施例2
2-メチル-N-[5-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-1、3、4-オキサジアゾール-2-イル]カルボニル]アラニンメチルエステル(化合物105)の調製 )
【0116】
工程A:2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-カルボン酸2-[(1、1-ジメチルエトキシ)カルボニル]ヒドラジドの調製
この化合物は、2-[[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]カルボニル]ヒドラジンカルボン酸メチルの合成について国際特許公開 2015/038503号に開示された方法により調製した(WO 2015/038503中の化合物42)。
【0117】
工程B:エタン二酸1-エチルエステル2-[2-[[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]カルボニル]ヒドラジド]の調製
工程Aで調製した2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-カルボン酸2-[(1、1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-ヒドラジド(90g、255mmol)を0℃で1、4-ジオキサン-塩化水素(4N、100mL)と混合した。得られた混合物を撹拌し、30分間室温に温め、そして更に2時間室温に維持した。次いで反応混合物を減圧下で乾燥するまで濃縮し、62gの粗ヒドラジド-塩化水素塩を得た。この物質の一部(13g、44.9mmol)と2-クロロ-2-オキソ酢酸エチル(8.3g、67.7mmol)とトリエチルアミン(18.1g、179.6mmol)とをジクロロメタン(120mL)及びDMF(60mL)中で混合した。得られた混合物を撹拌し、30分間室温に温め、次いで更に16時間室温に維持した。次いで反応混合物を減圧下で濃縮乾固させて、標題化合物(11.2g、31.7mmol、70.6%)を得た。
【0118】
工程C:5-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボン酸エチルの製造
ジクロロメタン(100mL)及びDMF(100mL)中、工程Bで調製したエタン二酸1-エチルエステル2-[2-[[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]カルボニル]ヒドラジド]オキソ-アセテート(11.0g、31.15mmol)と 4-トルエンスルホニルクロリド(5.94グラム、31.15ミリモル)及びトリエチルアミン(6.29グラム、62.3ミリモル)とを0℃で混合した。得られた混合物を撹拌しながら、室温まで1時間温め、そして室温で更に15時間維持した。 次に反応混合物を減圧下で濃縮して固体を得た。粗製固体をシリカゲルクロマトグラフィー(0~100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(8.5g、25.3mmol、81.4%)を得た。
【0119】
工程D:2-メチル-N-[[5-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-1、3、4-オキサジアゾール-2-イル]カルボニル]アラニンメチルエステルの調製
THF(10mL)及び水(5mL)中、工程Cで調製した5-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-1、3、4-オキサジアゾール-2-カルボン酸エチル(3.0g、8.95mmol)を水酸化リチウム(0.32g、13.4mmol))と0℃で、混合した。得られた混合物を撹拌しながら、室温に1時間温め、次いで更に室温で3時間維持した。次に反応混合物を減圧下で濃縮して粗製酸を得た。DMF(10mL)中、この粗製酸、2-アミノ-2-メチル-プロパン酸メチル(1.26g、10.74mmol)、HATU(5.1g、13.43mmol)及びDIPEA(2.9g、22.4mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。沈殿物が形成され、これを吸引濾過により収集した。収集固体をEtOAcで、次いで水で洗浄し、そして最後に真空オーブン中で乾燥させ、本発明の化合物である標題化合物を白色の固体(1.5g、3.69mmol、41.2%)として得た。
【0120】
合成実施例3
2-メチル-N-[[5-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-1、3、4-チアジアゾール-2-イル]カルボニル]アラニンメチルエステル(化合物128)の調製)
【0121】
工程A:5-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-1、3、4-チアジアゾール-2-カルボン酸エチルの製造
トルエン(30mL)中、合成実施例2の工程Bで製造したエタン二酸1-エチルエステル2-[2-[[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]カルボニル]ヒドラジド]オキソ-アセテート(5.0g、14.16mmol)とローソン試薬(5.73g、14.16mmol)とを室温で混合した。得られた混合物を撹拌し、111℃に加熱し、次に、この温度で2時間維持した。次いでこの懸濁液を冷却し、シリカゲルの短いパッドを通過させ、100mLの酢酸エチルで洗浄して、標題化合物を淡黄色固体として得た(3.0g、8.54mmol、60.3%)。
【0122】
工程B:2-メチル-N-[[5-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-1、3、4-チアジアゾール-2-イル]カルボニル]アラニンメチルエステルの調製
標題化合物を合成実施例2の工程Dについての記載と同じ方法により調製した。
【0123】
合成実施例4
N-(2、2-ジメトキシエチル)-3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]ベンズアミド(化合物25)の調製
【0124】
工程A:3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]安息香酸メチルの調製
DMF(60mL)中、5-ブロモ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール(3.4g、11.64mmol)、(3-メトキシカルボニルフェニル)ボロン酸(2.55g、14.2mmol)及びリン酸カリウム(3.0g、14.2mmol)の混合物を窒素を用いて15分間パージした。次いでPd(PPh3)4を加え、そして反応混合物を100℃で一晩撹拌した。次いで水を加え、反応混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaCl水溶液で洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、残渣をMPLC(40gシリカ、ヘキサン中、15~60%EtOAc)で精製して、標題化合物(3.0g)を白色固体として得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):δppm9.35(br s、1H)、9.25(s、1H)、8.66(d、J=3.91Hz、1H)、8.45~8.57(m、1H)、8.21-8.29(m、1H)、8.09(s、1H)、8.01(d、J=7.83Hz、1H)、7.94(d、J=7.83Hz、1H)、7.85(d、J=8.80Hz、3H)、7.57~7.72(m、3H)、3.89(s、3H)。
【0125】
工程B:3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]安息香酸の調製
MeOH/THF(30mL/30mL)中の3-[2-(3-ピリジル)-2H-インダゾール-5-イル]安息香酸メチル(2.9g、8.35mmol)の撹拌懸濁液に2M水酸化ナトリウム(10mL)を加え、その懸濁液を70℃で2時間加熱した。次に反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を水で希釈し、そして2M塩酸でpH約4に酸性化した。この混合物を次いで30分間加熱還流し、次いで冷却した。沈殿した固体を濾取し、乾燥して標題化合物を白色固体(2.5g)として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δppm 9.34(d,J=2.45Hz,1H),9.24(s,1H),8.65(dd,J=4.65,1.22Hz,1H),8.44-8.54(m,1H),8.24(t,J=1.71Hz,1H),8.08(s,1H),7.89-8.01(m,1H),7.85(d,J=9.29Hz,2H),7.55-7.74(m,3H).
【0126】
工程C:N-(2、2-ジメトキシエチル)-3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]ベンズアミドの調製
窒素雰囲気下、乾燥ジクロロメタン(5mL)中の、3-[2-(3-ピリジル)-2H-インダゾール-5-イル]安息香酸(100mg、0.31mmol)、2、2-ジメトキシエタンアミン(50μL、0.47mmol)及びトリエチルアミン(90μL、0.62mmol)の撹拌懸濁液に、T3P(280μL、0.47mmol、EtOAc中50重量%)を、添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、ジクロロメタン(20mL)を添加し、得られた溶液を水で洗浄し、次に有機相をNa2SO4で乾燥した。乾燥した溶液を減圧下で濃縮して固体を得、それを1:1エーテル/ヘキサンと共に粉砕し、更に1:1エーテル/ヘキサンで洗浄して、本発明の化合物である標題化合物、を白色固体(100mg)として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ ppm9.19-9.29(m,1H),8.64-8.74(m,1H),8.53(s,1H),8.31-8.40(m,1H),8.09(s,1H),7.93(s,1H),7.87(d,J=8.80Hz,1H),7.70-7.82(m,2H),7.65(d,J=1.47 Hz,1H),7.54(d,J=7.34Hz,2H),6.36-6.48(m,1H),4.53(m,1H),3.66(t,J=5.62Hz,2H),3.46(m,6H).
【0127】
合成実施例5
N-(2-ヒドロキシエチル)-3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]ベンズアミド(化合物31)の調製
【0128】
工程A:N-(2-ヒドロキシエチル)-3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]ベンズアミドの調製
DMF(3mL)中、3-[2-(3-ピリジル)-2H-インダゾール-5-イル]安息香酸(200mg、0.63mmol)とHATU(290mg、0.76mmol)との撹拌懸濁液に、DIPEA(880μL、5.07mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、2-アミノエタノール(200μL、3.17mmol)を加え、次いで反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をメタノール(約2mL)に再溶解し、次に水で希釈した。沈殿した生成物を濾取し、ついで減圧下で乾燥して、本発明の化合物である標記化合物を白色の固体(170mg)として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δppm9.36(d,J=2.45Hz,1H),9.26(s,1H),8.66(dd,J=4.65,1.22Hz,1H),8.57-8.64(s,2H),8.20(s,1H),8.11(s,1H),7.80-7.93(m,3H),7.75(dd,J=9.05,1.71Hz,1H),7.65(dd,J=8.31,4.89Hz,1H),7.51-7.59(m,1H),4.71(m,1H),3.54(d,J=5.87Hz,2H)3.36-3.38(m,2H).
【0129】
合成実施例6
N-[1-[(メチルアミノ)カルボニル]シクロプロピル]-4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジンカルボキシアミド(化合物85)の製造
【0130】
工程A:2-(3-ピリジニル)-5-(4、4、5、5-テトラメチル-1、3、2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾールの調製
ジオキサン(35mL)中の,5-ブロモ-2-(3-ピリジル)-2H-インダゾール(3g、10.9mmol)、4、4、5、5-テトラメチル-2-(4、4、5、5-テトラメチル-1,3、2-ジオキサボロラン-2-イル)-1、3、2-ジオキサボロラン(5.5g、21.8mmol)及び酢酸カリウム(3.6g、33.0mmol)の混合物を窒素を用いて15分間パージした。次いでPd(dppf)Cl2を加え、その反応混合物を撹拌し、一晩加熱還流した。次いで反応混合物を室温に冷却し、Celite(登録商標)プラグを通して濾過した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をMPLC(40gシリカ、ヘキサン中、25~60%EtOAc)で精製して、標題化合物(2.1g)を淡褐色の固体として得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δppm9.21(br s,1H),8.58-8.81(m,1H),8.48(s,1H),8.30-8.25(m,2H),7.73(d,J=9.29Hz,2H),7.30-7.55(m,1H),1.38(s,12H).
【0131】
工程B:4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジンカルボン酸の調製
DMF(6mL)中の、2-(3-ピリジニル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール(400mg、1.2mmol)、4-ブロモピリジン-2-カルボン酸メチル(300mg、1.36mmol)及び炭酸カリウム(2M水溶液;1.2mL、2.4mmol)の混合物を窒素を使用して10分間パージした。次いで、Pd(PPh3)4を添加し、次に反応混合物を撹拌し15時間にわたり100℃で加熱した。次いで反応混合物を室温に冷却し、アセトン(約10mL)で希釈した。アセトンを添加すると、固体を形成し、次に濾過によりそれを収集した。この固体を水に再溶解し、1M塩酸でpH約4に酸性化した。析出した生成物を濾取し、減圧乾燥して標題化合物(350mg)を白味を帯びた黄褐色固体として得た。LC-MS(ES+)[M+H]+=317.3.
【0132】
工程C:1-[[[4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]シクロプロパンカルボン酸メチルの製造
DMF(4mL)中の、4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジンカルボン酸(70mg、0.22mmol)とHATU(100mg、0.26mmol)との撹拌懸濁液に1-アミノシクロプロパンカルボン酸メチル塩酸塩(40mg、0.27mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、DIPEA(115μL、0.66mmol)を添加し、そして撹拌を一晩継続した。次いで反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をMPLC(12gのシリカ、ジクロロメタン中0~10%のMeOH)によって精製して、標題化合物(80mg)を白色固体として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δppm 9.29-9.45(m,2H),8.64-8.77(m,2H),8.49-8.59(m,1H),8.31-8.40(m,1H),8.09-8.22(m,1H),7.98-8.07(m,1H),7.88-7.96(m,1H),7.79-7.87(m,1H),7.62-.72(m,1H),3.66(s,3H),1.42-1.54(m,2H),1.23-1.28(m,2H).
【0133】
工程D:1-[[4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]シクロプロパンカルボン酸の製造
MeOH/THF(5mL/5mL)中の1-[[4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]シクロプロパンカルボン酸メチル(260mg、0.63mmol)の撹拌懸濁液に2M水酸化ナトリウム(5mL)を添加して、反応混合物を65℃に2時間加熱した。次に反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を水で希釈し、2M塩酸でpH約4に酸性化し、次いで30分間加熱還流した。冷却後、析出した生成物を濾取し、減圧乾燥することで標題化合物(240mg)を白色固体として得た。LC-MS(ES-)[M-H]-=398.2.
【0134】
工程E:N-[1-[(メチルアミノ)カルボニル]シクロプロピル]-4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジンカルボキシアミドの調製
DMF(3mL)中の、1-[[[4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]シクロプロパンカルボン酸(80mg、0.2mmol)、塩酸メチルアミン(54mg、0.8mmol)及びHATU(90mg、0.24mmol)の撹拌懸濁液にトリエチルアミン(140μL、1.0mmol)を添加した。次に反応混合物を室温で一晩撹拌した。次に反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をメタノール(約2mL)に再溶解し、水で希釈した。析出した固体を濾取し、減圧乾燥することで本発明化合物である標題化合物(78mg)を白色固体として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δppm 9.31-9.41(m,2H),9.17-9.24(m,1H),8.67-8.75(m,2H),8.49-8.58(m,1H),8.31-8.41(m,2H),7.99-8.07(m,1H),7.88-7.96(m,1H),7.80-7.88(m,1H),7.73-7.80(m,1H),7.63-7.71(m,1H),2.54-2.63(m,3H),1.32-1.41(m,2H),1.01-1.10(m,2H).
【0135】
合成実施例7
N-[1-(アミノカルボニル)シクロプロピル]-4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジンカルボキシアミド(化合物86)の調製
【0136】
工程A:N-[1-(アミノカルボニル)シクロプロピル]-4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジンカルボキシアミドの調製
DMF(3mL)中の、1-[[[4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]シクロプロパンカルボン酸(80mg、0.2mmol)、塩化アンモニウム(53mg、1.0mmol)及びHATU(90mg、0.24mmol)の撹拌懸濁液にトリエチルアミン(140μL、1.0mmol)を添加した。次に反応混合物を室温で一晩撹拌した。次に反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をメタノール(約2mL)に再溶解し、水で希釈した。析出した固体を濾取し、減圧乾燥して本発明化合物である標題化合物を白色固体(70mg)として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δppm 9.29-9.42(m,2H),9.2(s,1H),8.64-8.74(m,2H),8.49-8.60(m,1H),8.29-8.38(m,2H),7.97-8.04(m,1H),7.89-7.96(m,1H),7.78-7.86(m,1H),7.63-7.73(m,1H),7.24(br s,1H),7.01(br s,1H),1.30-1.41(m,2H),1.01-1.12(m,2H).
【0137】
合成実施例8
N-[1-[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロプロピル]-4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジンカルボキシアミド(化合物87)の製造
【0138】
工程A:N-[1-[(ジメチルアミノ)カルボニル]シクロプロピル]-4-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリジンカルボキシアミドの調製
DMF(3mL)中の1-[[4-[2-(3-ピリジル)-2H-インダゾール-5-イル]ピリジン-2-カルボニル]アミノ]シクロプロパンカルボン酸(80mg、0.2mmol)とHATU(90mg、0.24mmol)との撹拌懸濁液にジメチルアミン(0.5mL、1.0mmol、THF中2M)を加えた。次に反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をMPLC(24gシリカ、ジクロロメタン中0~10%MeOH)により精製して、本発明の化合物である標題化合物を白色の固体(78mg)として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δppm 9.46(s,1H),9.30-9.40(m,2H),8.65-8.75(m,2H),8.47-8.58(m,1H),8.28-8.39(m,2H),7.98-8.07(m,1H),7.88-7.95(m,1H),7.77-7.86(m,1H),7.61-7.74(m,1H),2.90(br s,6H),1.22-1.32(m,2H),1.06-1.17(m,2H).
【0139】
合成実施例9
2-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-4-チアゾールカルボキシアミド(化合物64)の調製
【0140】
工程A:2-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-4-チアゾールカルボキシレートの製造
2-(3-ピリジニル)-5-(4、4、5、5-テトラメチル-1、3、2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール(563mg、1.75mmol、合成実施例6工程Aの方法により調製)をトルエン:メタノール(8:2の割合、10mL)中の、2-ブロモチアゾール-4-カルボン酸メチルエステル(300mg、1.35mmol)に加え、続いて酢酸カリウム(399mg、4.05mmol)を加えた。反応混合物を窒素ガスで5分間パージした。Pd(dba)3(62mg、0.067mmol)及びPd(PPh3)Cl2(47mg、0.067mmol)を添加し、次に反応混合物を窒素ガスで再びパージした。次いで反応混合物を加熱還流し、一晩還流を維持した。次に反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を減圧下で濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中30%EtOAc)で精製して、標題化合物(260mg)を固体として得た。1H NMR(500MHz,chloroform-d):δppm 4.00(s,2H),7.31-7.64(m,1H),7.77-7.93(m,1H),7.95-8.06(m,1H),8.25-8.35(m,1H),8.40-8.48(m,1H),8.56(s,1H),8.63-8.77(m,1H),8.98-9.33(m,1H).
【0141】
工程B:2-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-4-チアゾールカルボン酸の製造
THF:水(1:1の割合、10mL)中の2-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-4-チアゾールカルボキシレート(250mg、0.74mmol)の溶液にLiOH-H2O(250mg、5.95mmol)を加え、反応混合物を室温で8時間撹拌した。次いで、反応混合物を1N HClでpH2に酸性化した。撹拌後、沈殿した固体を濾過により単離し、そして減圧下で乾燥させて、200mgの標題化合物を固体として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δppm7.53-7.73(m,1H),7.78-7.92(m,1H),7.90-7.99(m,1H),8.36-8.55(m,1H),8.60-8.76(m,1H),9.34(s,1H).
【0142】
工程C:2-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-4-チアゾールカルボキシアミドの調製
ジクロロメタン(5mL)中の2-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-4-チアゾールカルボン酸(145mg、0.432mmol)の溶液に塩化オキサリル(0.05mL、0.646mmol)を0℃で加え、続いて数滴の乾燥DMFを添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をジクロロメタンに溶解し、テトラヒドロピラン-4-イルアミン(0.09mL、0.863mmol)及びトリエチルアミン(0.12mL、0.863mmol)を加え、次に反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応終了後、水を加え、反応混合物をジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中30%EtOAc)で精製して、本発明化合物である標題化合物(29mg)を固体として得た。1H NMR(500MHz,chloroform-d):δppm 2.00-2.14(m,2H),2.88(s,2H),3.39(br s,3H),3.52-3.65(m,1H),3.96(br s,4H),4.14-4.32(m,1H),7.32-7.42(m,1H),7.48-7.56(m,1H),7.79-7.91(m,1H),7.94-8.05(m,1H),8.07-8.17(m,1H),8.26-8.41(m,1H),8.58(s,1H),8.65-8.76(m,1H),9.06-9.29(m,1H).
【0143】
合成実施例10
N-(1-シアノ-1-メチルエチル)-2-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-4-オキサゾールカルボキシアミド(化合物155)の調製
【0144】
工程A:N-(1-シアノ-1-メチルエチル)-2-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]-4-オキサゾールカルボキシアミドの調製
標題化合物を、合成実施例9の工程A~Cに記載したものと類似の方法により調製した。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ ppm 1.72(s,6H),7.66(dd,J=8.31,4.89Hz,1H),7.85-7.94(m,1H),8.00(dd,J=9.29,1.47 Hz,1H),8.54(br d,J=16.14Hz,3H),8.68(dd,J=4.65,1.22Hz,1H),8.80(s,1H),9.27-9.43(m,2H).
【0145】
合成実施例11
N-メチル-2-[3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]フェノキシ]アセトアミド(化合物102)の調製
【0146】
工程A:3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]フェノールの調製
トルエン:エタノール(10mL:10mL)中、5-ブロモ-2-(3-ピリジル)-2H-インダゾール(2g、0.007mol)に(3-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(1.2g、0.008mol)を加えた。炭酸ナトリウム溶液(2.3g、2M、0.021mol)を加え、反応混合物を窒素ガスで5分間パージした。次いでPd(PPh3)4(421mg、0.0003mol)を加え、次いで反応混合物を窒素で5分間再びパージした。次いで反応混合物を加熱して還流させ、還流しながら2時間撹拌した。次に反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。得られた固体を酢酸エチルと共に撹拌した後、固体を濾過により単離した(1.3g)。この固体を減圧乾燥し、次の工程に直接使用した。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δppm 6.53-6.83(m,1H),6.99-7.16(m,2H),7.20-7.33(m,1H),7.54-7.67(m,3H),7.75-7.87(m,1H),7.89-8.07(m,1H),8.39-8.54(m,1H),8.60-8.71(m,1H),9.11-9.25(m,1H),9.29-9.41(m,1H),9.44-9.54(m,1H).
【0147】
工程B:2-[3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]フェノキシ]酢酸メチルの製造
DMF(2mL)中の3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]フェノール(1g、0.003mol)の溶液に、0℃で水素化ナトリウム(167mg、0.006mol)を添加した。次いで2-ブロモ酢酸メチル(639mg、0.004mol)を徐々に添加し、次に反応混合物を室温で5時間撹拌した。水を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、次に減圧下で濃縮した。残渣をMPLC(石油エーテル中20%EtOAc)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体(1g)として得た。1H NMR(500MHz,chloroform-d):δ ppm 3.83(s,3H),4.72(s,2H),6.82-6.96(m,1H),7.22(s,1H),7.27-7.32(m,1H),7.39(s,1H),7.44-7.49(m,1H),7.51-7.56(m,1H),7.59-7.64(m,1H),7.65-7.71(m1H),7.87(s,2H),8.01(s,1H),8.31-8.41(m,1H),8.51(s,1H),8.62-8.72(m,1H),9.15-9.27(m,1H).
【0148】
工程C:2-[3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]フェノキシ]酢酸の調製
2-[3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]フェノキシ]酢酸メチル(1g、0.002mol)をメタノール(10mL)と1N NaOH溶液(10mL)との溶液に溶解した。反応混合物を2時間加熱還流し、冷却し、次に減圧下で濃縮した。得られた残渣のpHを1N HClの添加によりpH4~5に調整し、次にこの反応混合物を加熱還流し、次いで還流しながら1時間撹拌した。その後反応混合物を冷却し、沈殿した固体を濾過により単離し(850mg)、次に減圧下で乾燥させた。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δppm 4.78(s,2H),6.77-6.94(m,1H),7.18-7.27(m,1H),7.29-7.34(m,1H),7.34-7.43(m,1H),7.57-7.71(m,3H),7.73-7.90(m,1H),7.94-8.08(m,1H),8.42-8.57(m,1H),8.59-8.73(m,1H),9.19-9.29(m,1H),9.30-9.39(m,1H).
【0149】
工程D:N-メチル-2-[3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]フェノキシ]アセトアミドの調製
乾燥DMF(10mL)中の2-[3-[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]フェノキシ]酢酸(100mg、0.289mmol)の溶液にHATU(131mg、0.34mmol)を加え、反応混合物を20分間撹拌し、次にメチルアミン塩酸塩(97mg、1.44mmol)を加え、その反応混合物を1時間撹拌した。DIPEA(0.35mL、2.02mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。 水を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中5%MeOH)で精製して、本発明の化合物である標題化合物をオフホワイトの固体(70mg)として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δppm 2.66(d,J=4.89Hz,3H),4.56(s,2H),6.87-7.01(m,1H),7.32(br d,J=16.14Hz,2H),7.40(s,1H),7.61-7.70(m,2H),7.82(d,J=9.29Hz,1H),8.03(s,2H),8.45-8.53(m,1H),8.65(d,J=4.40Hz,1H),9.25(s,1H),9.35(d,J=1.96 Hz,1H).
【0150】
前述のスキーム1~9及び合成実施例1~11に記載したような方法及び変異形態により調製した式1の具体的な化合物を、以下の索引表に示した。以下の略語を使用し得る。Cmpdは化合物を意味し、tは第三級、cはシクロ、Meはメチル、Etはエチル、そしてPhはフェニルである。構造フラグメント中の波線又は「-」は、そのフラグメントの残りの分子への結合点を示す。「-C(-環員-)」という表現は、最初かつ最後の環員が単一の炭素原子に結合している環を表すために使用され、例えば、「-C(-CH
2CH
2-)CO
2Me」は以下の構造を表す。
【化14】
【0151】
略語「Ex」は「実施例」を表し、後に続く番号はその化合物がどの合成実施例で調製されたかを示す。
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
本発明の化合物は、一般に、組成物内、即ち、担体としての役割を有する界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分を有する配合物内で、無脊椎有害生物防除活性成分として使用されよう。配合物又は組成物成分は、活性成分の物理特性、施用形態、並びに、土壌タイプ、湿度及び温度等の環境要因と適合するよう選択される。
【0169】
有用な配合物は液体組成物及び固体組成物の両方を含む。液体組成物としては、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルジョン(マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物及び/又はサスポエマルジョンを含む)等が挙げられ、これらは、場合により、増粘してゲル化出来る。一般的なタイプの水性液体組成物は可用性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物及びサスポエマルジョンである。一般的なタイプの非水性液体組成物は、乳化性濃縮物、マイクロ乳化性濃縮物、分散性濃縮物及び油分散体である。
【0170】
固体組成物の一般的なタイプは、粉剤、粉末、顆粒、ペレット、プリル、香錠、錠剤、充填フィルム(種子粉衣を含む)等であり、これらは、水分散性「湿潤性」又は水溶性であることが可能である。塗膜形成性溶液又は流動性懸濁液から形成された塗膜及びコーティングが種子処理に特に有用である。活性処方成分は、(マイクロ)カプセル化されていることが可能であり、更に、懸濁液又は固体配合物に形成されることが可能である;或いは、活性処方成分の全配合物をカプセル化(又は「オーバーコート」)することが可能である。カプセル化により、活性処方成分の放出を制御又は遅延させることが可能である。乳化性顆粒は、乳化性濃縮物配合物の利点と乾燥顆粒状配合物の利点の両方を兼ね備えている。高強度組成物は、更なる配合物への中間体として主に用いられる。
【0171】
噴霧可能な配合物は、典型的には、吹付けの前に好適な媒体中で希釈される。このような液体及び固体配合物は、噴霧媒体、通常は水であるが、時には芳香族若しくはパラフィン系炭化水素又は植物油のような他の好適な媒体中で容易に希釈されるよう配合される。噴霧量は、ヘクタール当たり、凡そ約1~数千リットルの範囲でもよいが、より典型的には、ヘクタール当たり、約10~数百リットルの範囲である。噴霧可能な配合物は、空中若しくは地上への施用による葉の処理のために、又は、植物の成長培地への施用のために好適な他の媒体又は水と、タンク中で混合しても良い。液体及び乾燥配合物は、注入灌漑システムに直接的に計量可能であり、又は、植え付けの最中に畝間に計量可能である。液体及び固体配合物は、植え付けの前に、全身摂取を介して成長する根及び他の地下植物部位及び/又は群葉を保護するために、作物及び他の望ましい植生の種子に種子処理として施用しても良い。
【0172】
配合物には、通常、活性処方成分有効量、希釈剤及び界面活性剤が含まれ、以下の近似的な範囲内で、合計100重量パーセントとなる。
【表17】
【0173】
固体希釈剤としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト及びカオリン等のクレイ、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖質(例えば、ラクトース、スクロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム、並びに、硫酸ナトリウムが挙げられる。典型的な固体希釈剤は、Watkins et al.、Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers、2nd Ed.、Dorland Books、Caldwell、New Jerseyに記載されている。
【0174】
液体希釈剤としては、例えば、水、N、N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N、N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリジノン)、アルキルリン酸塩(例えば、トリエチルホスホエート)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、炭酸プロピレン、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、正パラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセロールトリアセテート、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロン及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン等のケトン、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシル及び酢酸イソボルニル等の酢酸塩、アルキル化乳酸塩エステル、二塩基性エステルアルキル及びアリール安息香酸塩等の他のエステル、γ-ブチロラクトン、並びに、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾール及びベンジルアルコール等のアルコールが挙げられ、直鎖、分岐、飽和又は不飽和でもよい。液体希釈剤としては又、植物種子及び果実油(例えば、オリーヴ、ヒマシ、亜麻仁、ゴマ、コーン(トウモロコシ)、ピーナッツ、ヒマワリ、ブドウ種子、ベニバナ、綿実、ダイズ、ナタネ、ココナツ及びパーム核の油)、動物性脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝、魚油)、並びに、これらの混合物等の飽和及び不飽和脂肪酸のグリセロールエステル(典型的にはC6~C22)が挙げられる。液体希釈剤としては又、アルキル化脂肪酸(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)が挙げられ、ここで、脂肪酸は、植物及び動物由来のグリセロールエステルの加水分解によって入手され得、蒸留により精製されることが可能である。典型的な液体希釈剤は、Marsden、Solvents Guide、2nd Ed.、Interscience、New York、1950に記載されている。
【0175】
本発明の固体及び液体組成物は、度々、1種又は複数種の界面活性剤を含む。液体に添加される場合、界面活性剤(「表面活性薬剤」としても知られている)は、一般に、液体の表面張力を変性(最も頻繁には低減)させる。界面活性剤分子中の親水性基及び親油性基の性質に応じて、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤又は消泡剤として有用であることが可能である。
【0176】
界面活性剤は、ノニオン性、アニオン性又はカチオン性に分類されることが可能である。本組成物に有用なノニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが:天然及び合成アルコール(分岐又は直鎖であり得る)系であり、並びに、アルコール及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物から調製されるアルコールアルコキシレート等のアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミド及びエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化ダイズ油、ヒマシ油及びナタネ油等のアルコキシル化トリグリセリド;オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート及びドデシルフェノールエトキシレート等のアルキルフェノールアルコキシレート(フェノール及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物から調製されたもの);エチレンオキシド又はプロピレンオキシドから調製されたブロックポリマー、及び、末端ブロックがプロピレンオキシドから調製された逆ブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪エステル及び油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物から調製されたものを含む);ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステル及びポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル、グリセロールエステル、ラノリン系誘導体、ポリエトキシレートエステル;ソルビタンエステル等の他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキドpeg(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフト又はくし形ポリマー及び星形ポリマー等の高分子界面活性剤;ポリエチレングリコール(peg);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーン系界面活性剤;並びに、スクロースエステル、アルキルポリグリコシド及びアルキル多糖類等の糖質-誘導体が挙げられる。
【0177】
有用なアニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、アルキルアリールスルホン酸及びこれらの塩、カルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレート、ジフェニルスルホネート誘導体、リグノスルホネート等のリグニン及びリグニン誘導体、マレイン酸又はコハク酸又はこれらの無水物、オレフィンスルホン酸塩、アルコールアルコキシレートのリン酸エステル、アルキルフェノールアルコキシレートのリン酸エステル及びスチリルフェノールエトキシレートのリン酸エステル等のリン酸エステル、タンパク質系界面活性剤、サルコシン誘導体、硫酸スチリルフェノールエーテル、油及び脂肪酸の硫酸塩及びスルホン酸塩;エトキシル化アルキルフェノールの硫酸塩及びスルホン酸塩、アルコールの硫酸塩、エトキシル化アルコールの硫酸塩、N、N-アルキルタウレート等のアミン及びアミドのスルホン酸塩、ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、並びに、ドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホン酸塩、縮合ナフタレンのスルホン酸塩、ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホン酸塩、精留された石油のスルホン酸塩、スクシナメート、並びに、ジアルキルスルホコハク酸塩等のスルホコハク酸塩及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0178】
有用なカチオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが:アミド及びエトキシル化アミド、N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミン及びジプロピレンテトラアミン、並びに、エトキシル化アミン、エトキシル化ジアミン及びプロポキシル化アミン等のアミン(アミン及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物から調製されたもの)、アミン酢酸塩及びジアミン塩等のアミン塩、第4級塩、エトキシル化第4級塩及びジ第4級塩等の第4級アンモニウム塩、並びに、アルキルジメチルアミンオキシド及びビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシド等のアミンオキシドが挙げられる。
【0179】
ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物、又は、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との混合物もまた本組成物について有用である。ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤、並びに、これらの推奨される使用が、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents、McCutcheon’s Division、The Manufacturing Confectioner Publishing Co.発行の年刊国際及び北米版、Sisely and Wood、Encyclopedia of Surface Active Agents、Chemical Publ.Co.、Inc.、New York、1964、及び、A.S.Davidson and B.Milwidsky、Synthetic Detergents、Seventh Edition、John Wiley and Sons、New York、1987を含む多様な発行済みの文献中に開示されている。
【0180】
本発明の組成物は又、配合助剤、及び、当業者に配合助剤として公知である添加剤を含有していても良い(これらの種のいくつかは、固体希釈剤、液体希釈剤又は界面活性剤としても機能するとみなされ得る)。このような配合助剤及び添加剤は、pH(緩衝剤)、処理中の発泡(ポリオルガノシロキサン等の消泡剤)、活性処方成分の析出(懸濁剤)、粘度(チクソトロープ性増粘剤)、容器中の微生物の増殖(抗菌剤)、生成物の凍結(不凍液)、色(染料/顔料分散体)、洗濯堅牢性(塗膜形成剤又は展着剤)、蒸発(蒸発抑制剤)及び他の配合属性を制御し得る。塗膜形成剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びワックスが挙げられる。配合助剤及び添加剤の例としては、McCutcheon’s Volume 2:Functional Materials、McCutcheon’s Division、The Manufacturing Confectioner Publishing Co.発行の年刊国際及び北米版、並びに、国際公開第03/024222号に列挙されているものが挙げられる。
【0181】
式1の化合物及び何れかの他の活性処方成分は、典型的には、活性処方成分を溶剤中に溶解させることにより、又は、液体若しくは乾燥希釈剤中に粉砕することにより、本組成物中に組み込まれる。乳化性濃縮物を含む溶液は、単に処方成分を混合することにより調製することが可能である。乳化性濃縮物として用いることが意図されている液体組成物の溶剤が不水和性である場合、乳化剤は、典型的には、水での希釈時に活性処方成分含有溶剤が乳化するよう添加される。2、000μm以下の粒径を有する活性処方成分スラリーは、媒体ミルを用いて湿潤粉砕されて、3μm未満の平均直径を有する粒子とされることが可能である。水性スラリーは、最終懸濁濃縮物(例えば、米国特許第3、060、084号を参照のこと)とされるか、又は、噴霧乾燥により更に処理されて水-分散性顆粒が形成されることが可能である。乾燥配合物は、通常は、2~10μmの範囲内の平均粒径をもたらす乾式粉砕プロセスを必要とする。粉剤及び粉末は、ブレンド工程及び通常は粉砕工程により調製されることが可能である(ハンマーミル又は流体-エネルギーミル等で)。顆粒及びペレットは、予め形成した粒状キャリアに活性処方成分材を吹付けることにより、又は、凝塊技術により調製されることが可能である。Browning、「Agglomeration」、Chemical Engineering、December 4、1967、pp147-48、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook、4th Ed.、McGraw-Hill、New York、1963、pages 8-57及びそれ以降、並びに、国際公開第91/13546号を参照のこと。ペレットは、米国特許第4、172、714号明細書に記載の通り調製することが可能である。水分散性及び水溶性顆粒は、米国特許第4、144、050号明細書、米国特許第3、920、442号明細書及び独国特許第3、246、493号明細書に教示されている通り調製することが可能である。錠剤は、米国特許第5、180、587号明細書、米国特許第5、232、701号明細書及び米国特許第5、208、030号明細書に教示されている通り調製することが可能である。塗膜は、英国特許2、095、558号明細書及び米国特許第3、299、566号明細書に教示されている通り調製することが可能である。
【0182】
配合技術分野に関する更なる情報に関しては、T.S.Woods、「The Formulator’s Toolbox-Product Forms for Modern Agriculture」、Pesticide Chemistry and Bioscience、The Food-Environment Challenge、T.Brooks and T.R.Roberts、Eds.、9th International Congress on Pesticide Chemistryの予稿集、The Royal Society of Chemistry、Cambridge、1999、pp.120-133を参照のこと。又、米国特許第3、235、361号明細書、第6欄、第16行~第7欄、第19行及び実施例10~41、米国特許第3、309、192号明細書、第5欄、第43行~第7欄、第62行、並びに、実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164、166、167及び169~182、米国特許第2、891、855号明細書、第3欄、第66行~第5欄、第17行及び実施例1~4、Klingman、Weed Control as a Science、John Wiley and Sons、Inc.、New York、1961、pp81-96、Hance et al.、Weed Control Handbook、8th Ed.、Blackwell Scientific Publications、Oxford、1989、並びに、Developments in formulation technology、PJBPublications、Richmond、UK、2000を参照のこと。
【0183】
以下の実施例において、全ての配合物は従来の方法で調製される。化合物番号は索引表A~G中の化合物を指す。詳細な説明が更になくても、当業者は、前述の記載を用いて、本発明を最大限利用可能であると考えられる。以下の実施例は、従って、単なる例示としてみなされるべきであり、本開示を如何なる方法にも限定するものではない。別途記載されていない限り、割合は重量基準である。
【0184】
実施例A
高強度濃縮物
化合物11 98.5%
シリカエアロゲル 0.5%
合成非晶質微細シリカ 1.0%
【0185】
実施例B
水和剤
化合物12 65.0%
ドデシルフェノールポリエチレングリコールエーテル 2.0%
リグニンスルホン酸ナトリウム 4.0%
アルミノケイ酸ナトリウム 6.0%
モンモリロナイト(焼成) 23.0%
【0186】
実施例C
顆粒
化合物20 10.0%
アタパルジャイト顆粒 90.0%
(低揮発性物質、0.71/0.30mm、U.S.S No.25-50篩)
【0187】
実施例D
押出ペレット
化合物24 25.0%
無水硫酸ナトリウム 10.0%
粗製リグニンスルホン酸カルシウム 5.0%
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム 1.0%
カルシウム/マグネシウムベントナイト 59.0%
【0188】
実施例E
乳化性濃縮物
化合物25 10.0%
ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート 20.0%
C6-C10脂肪酸メチルエステル 70.0%
【0189】
実施例F
マイクロエマルジョン
化合物26 5.0%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 30.0%
アルキルポリグリコシド 30.0%
グリセリルモノオレエート 15.0%
水 20.0%
【0190】
実施例G
種子処理
化合物30 20.0%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 5.0%
モンタン酸ワックス 5.0%
リグニンスルホン酸カルシウム 1.0%
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコリマー 1.0%
ステアリルアルコール(POE 20) 2.0%
ポリオルガノシラン 0.2%
着色赤色染料 0.1%
水 65.8%
【0191】
実施例H
肥料スティック
化合物31 2.5%
ピロリドン - スチレンコポリマー 4.8%
トリスチリルフェニル16-エトキシレート 2.3%
タルク 0.8%
コーンスターチ 5.0%
緩効性肥料 36.0%
カオリン 38.0%
水 10.6%
【0192】
実施例I
懸濁液濃縮物
化合物47 35.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーン系消泡剤 0.1%
1、2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1%
水 53.7%
【0193】
実施例J
水中エマルジョン
化合物56 10.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーン系消泡剤 0.1%
1、2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油系炭化水素 20.0%
水 58.7%
【0194】
実施例K
油分散液
化合物59 25.0%
ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート 15.0%
有機変性ベントナイトクレー 2.5%
脂肪酸メチルエステル 57.5%
【0195】
実施例L
サスポエマルジョン
化合物62 10.0%
イミダクロプリド 5.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーン系消泡剤 0.1%
1、2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油系炭化水素 20.0%
水 53.7%
【0196】
本発明の化合物は、広範囲の無脊椎有害生物に対して活性を示す。これらの有害生物は、例えば、植物群葉、根、土壌、収穫された作物又は他の食物、建築構造物又は動物の外皮等の多様な環境に生育する無脊椎動物を含む。これらの有害生物は、例えば、群葉(葉、茎、花及び果実を含む)、種子、木材、織物繊維、又は、動物の血液若しくは組織を餌とし、これにより、例えば、栽培されている若しくは貯蔵されている農作物、森林、温室作物、観賞用植物、苗床作物、貯蔵食物、或いは、繊維製品、又は、家屋若しくは他の構造物若しくはその構成部に被害又は損害を与えるか、又は、動物衛生若しくは公衆衛生にたいして有害となる。当業者は、すべての化合物がすべての有害生物のすべての成長段階に対して同等に効果的であるわけではないことは理解するであろう。
【0197】
それ故、これらの本化合物及び組成物は、農業経済学的に、農作物を植食性無脊椎有害生物から保護するために有用であり、又、非農学的には、他の園芸作物及び植物を植食性無脊椎有害生物から保護するために有用である。この実用性は、遺伝子操作(即ち、遺伝子組換え)によって導入された遺伝物質を含有するか、又は、突然変異誘発によって変性されて有利な形質がもたらされた作物及び他の植物(即ち、農学的及び非農学的の両方)の保護を含む。このような形質の例としては、除草剤に対する許容性、植食性有害生物(例えば、昆虫、ダニ、アブラムシ、クモ、線虫、カタツムリ、植物-病原性真菌、細菌及びウイルス)に対する耐性、植物の成長の向上、温度の高低、土壌水分の高低、及び高塩分濃度等の劣悪な成長条件に対する高い許容性、開花若しくは着果の向上、より高い収穫率、より早い熟成、収穫される産物のより高い品質及び/又は栄養価、又は、収穫産物の貯蔵性向上、又は処理工程特性の向上が挙げられる。遺伝子組換え植物は、複数の形質を発現するよう変性されることが可能である。遺伝子操作又は突然変異誘発によってもたらされた形質を含有する植物の例としては、YIELD GARD(登録商標)、KNOCKOUT(登録商標)、STARLINK(登録商標)、BOLLGARD(登録商標)、NuCOTN(登録商標)及びNEWLEAF(登録商標)、INVICTA RR2 PRO(商標)等の殺虫性バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)トキシンを発現するコーン、綿、ダイズ及びジャガイモの変種、並びに、ROUNDUP READY(登録商標)、LIBERTY LINK(登録商標)、IMI(登録商標)、STS(登録商標)及びCLEARFIELD(登録商標)等のコーン、綿、ダイズ及びナタネの耐除草剤変種、並びに、N-アセチルトランスフェラーゼ(GAT)を発現してグリホサート除草剤に対する耐性がもたらされる作物、又は、アセト乳酸シンターゼ(ALS)を阻害する除草剤に対する耐性をもたらすHRA遺伝子を含有する作物が挙げられる。本化合物及び組成物は、遺伝子操作若しくは突然変異誘発による変性によって導入された形質と相乗的に相互作用し、それ故、形質発現若しくは形質の効果を高めるか物及び組成物は、無脊椎有害生物に有害なタンパク質又は他の天然生成物の形質発現と相乗的に相互作用して、相加的効果を超えたこれらの有害生物の防除をもたらし得る。
【0198】
本発明の組成物は又、場合により、例えば、窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、ホウ素、マンガン、亜鉛、及び、モリブデンから選択される少なくとも1種の植物栄養分を含む肥料組成物としての植物栄養分を含んでいても良い。注目すべきは、窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム及びマグネシウムから選択される少なくとも1種の植物栄養分を含む少なくとも1種の肥料組成物を含む組成物である。少なくとも1種の植物栄養分を更に含む本発明の組成物は、液体又は固形の形態であっても良い。注目すべきは、顆粒、小型のスティック又は錠剤形態の固形配合物である。固形配合物は、肥料組成物を含み、本発明の化合物又は組成物と肥料組成物とを配合成分と一緒に混合し、次いで、顆粒化又は押出し成形等の方法によって配合物を調製しても良い。或いは、固形配合物は、例えば顆粒、小型のスティック又は錠剤といった寸法的に安定な混合物の形態に予め調製した肥料組成物に、揮発性溶剤中の本発明の化合物又は組成物の溶液又は懸濁液を噴霧し、次いで、溶剤を蒸発させることにより調製しても良い。
【0199】
非農学的使用とは、作物植物の耕地以外の場所における無脊椎有害生物の防除を指す。本化合物及び組成物の非農学的使用は、貯蔵されている穀物、マメ類及び他の食材、並びに、被服及び絨毯等の生地における無脊椎有害生物の防除を含む。本化合物及び組成物の非農学的使用は又、観賞用植物、森林、庭、沿道及び鉄道敷設用地、並びに、芝地、ゴルフコース及び牧草地等の芝生における無脊椎有害生物防除を含む。本化合物及び組成物の非農学的用途は又、ヒト及び/又は同伴者によって占有され得る家屋及び他の建物、農場、牧場、動物園又は他の動物における無脊椎有害生物の防除を含む。本化合物及び組成物の非農学的用途は又、建物に用いられている木材又は他の構造材に被害を及ぼす可能性があるシロアリ等の有害生物の防除を含む。
【0200】
本化合物及び組成物の非農学的用途は又、寄生性であるか、又は、感染性疾病を伝染させる無脊椎有害生物の防除によるヒト及び動物衛生の保護を含む。動物寄生虫の防除は、宿主動物の体表(例えば、肩部、腋窩、腹部、大腿の内側)に寄生性である外部寄生虫、及び、宿主動物の体内(例えば、胃、腸、肺、血管、皮下、リンパ性組織)に寄生性である内部寄生虫の防除を含む。外寄生性又は疾病伝染性の有害生物としては、例えば、ツツガムシ、マダニ、シラミ、蚊、ハエ、ダニ及びノミが挙げられる。内部寄生虫としては、イヌ糸状虫、鉤虫及び蠕虫が挙げられる。本発明の化合物及び組成物は、寄生虫による動物への外寄生、若しくは感染の全身的及び/又は非全身的な防除に好適である。本発明の化合物及び組成物は、外寄生性有害生物又は疾病伝染性有害生物の駆除に特に好適である。本発明の化合物及び組成物は、ウシ等の農耕用動物、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、バッファロー、ウサギ、雌鳥、シチメンチョウ、カモ、ガチョウ及びハチ、イヌ、ネコ、愛玩鳥類及び観賞魚等の愛玩動物及び家畜、並びに、ハムスター、テンジクネズミ、ラット及びマウス等のいわゆる実験動物に外寄生する寄生虫の駆除に好適である。これらの寄生虫を駆除することにより、致死率及び生産力減少(食肉、乳、ウール、皮革、卵、蜂蜜等の観点で)が低くなり、従って、本発明の化合物を含む組成物の施用により、より経済的で及び簡便な動物の飼育が可能となる。
【0201】
農学的又は非農学的無脊椎有害生物の例としては、アーミーワーム、根切虫、ルーパー、及び、ヤガ科のタバコガ(例えば、ピンクステムボーラー(pinkstem borer)(Sesamia inferens Walker)、コーンストークボーラー(corn stalk borer)(Sesamia nonagrioides Lefebvre)、サウザンアーミーワーム(southern armyworm)(Spodoptera eridania Cramer)、ハスモンヨトウ(Spodoptera frugiperda J.E.Smith)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua Huebner)、コットンリーフワーム(cotton leafworm)(Spodoptera littoralis Boisduval)、イエローストライプドアーミーワーム(yellowstriped armyworm)(Spodoptera ornithogalli Guenee)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon Hufnagel)、ベルベットビーンキャタピラー(velvetbean caterpillar)(Anticarsia gemmatalis Huebner)、グリーンフルーツワーム(green fruitworm)(Lithophane antennata Walker)、キャベッジアーミーワーム(cabbage armyworm)(Barathra brassicae Linnaeus)、ソイビーンルーパー(soybean looper)(Pseudoplusia includens Walker)、イラクサキンウワバ(Trichoplusia ni Huebner)、オオタバコガ(Heliothis virescens Fabricius)等の鱗翅目の卵、幼虫及び成虫、メイガ科(例えば、アワノメイガ(Ostrinia nubilalis Huebner)、ネーブルオレンジワーム(Amyelois transitella Walker)、ウスギンツトガ(Crambus caliginosellus Clemens)、クロオビクロノメイガ(Herpetogramma licarsisalis Walker)等のソッドウェブワーム(メイガ科:ツトガ亜科)、シュガーケーンステムボーラー(sugarcane stem borer)(Chilo infuscatellus Snellen)、トマトスモールボーラー(tomato small borer)(Neoleucinodes elegantalis Guenee)、グリーンリーフローラー(green leafroller)(Cnaphalocrocis medinalis)、グレープリーフフォルダー(grape leaffolder)(Desmia funeralis Huebner)、メロンワーム(melon worm)(Diaphania nitidalis Stoll)、キャベッジセンターグラブ(cabbage center grub)(Helluala hydralis Guenee)、イエローステムボーラー(yellow stem borer)(Scirpophaga incertulas Walker)、アーリーシュートボーラー(early shoot borer)(Scirpophaga infuscatellus Snellen)、ホワイトステムボーラー(white stem borer)(Scirpophaga innotata Walker)、トップシュートボーラー(top shoot borer)(Scirpophaga nivella Fabricius)、ダーク-ヘデッドライスボーラー(dark-headed rice borer)(Chilo polychrysus Meyrick)、ストライプドライスボーラー(striped riceborer)(ニカメイガ(Chilo suppressalis Walker))、キャベッジクラスターキャタピラー(cabbage cluster caterpillar)(Crocidolomia binotalis English))の穿孔性害虫、ツツミノガ科、ウェブワーム、マツマダラメイガ、アオムシ及び食葉性の幼虫、ハマキムシ、ハマキガ科における芽を食外する害虫、種子を食害する害虫、及び、果実を食害する害虫(例えば、コドリンガ(Cydia pomonella Linnaeus)、ホソバヒメハマキ(Endopiza viteana Clemens)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta Busck)、シトラスフォルスカドリングモス(citrus false codling moth)(Cryptophlebia leucotreta Meyrick)、シトラスボーラー(citrus borer)(Ecdytolopha aurantiana Lima)、レッドバンデッドリーフローラー(redbanded leafroller)(Argyrotaenia velutinana Walker)、オブリキバンデッドリーフローラー(obliquebanded leafroller)(Choristoneura rosaceana Harris)、ライトブラウンアップルモス(light brown apple moth)(Epiphyas postvittana Walker)、ブドウホソハマキ(Eupoecilia ambiguella Huebner)、アップルバドモス(apple bud moth)(Pandemis pyrusana Kearfott)、オムニボラスリーフローラー(omnivorous leafroller)(Platynota stultana Walsingham)、バードフルート-ツリートルトリスク(barred fruit-tree tortrix)(Pandemis cerasana Huebner)、アップルブラウントルトリクス(apple brown tortrix)(Pandemis heparana Denis & Schiffermueller))、並びに、多くの他の経済的に重要な鱗翅目(例えば、コナガ(Plutella xylostella Linnaeus)、ワタアカミムシガ(Pectinophora gossypiella Saunders)、マイマイガ(Lymantria dispar Linnaeus)、ピーチフルートボーラー(peach fruit borer)(Carposina niponensis Walsingham)、ピーチツイグボーラー(peach twig borer)(Anarsia lineatella Zeller)、ポテトチューバーワーム(potato tuberworm)(Phthorimaea operculella Zeller)、スポテッドテニフォームリーフマイナー(spotted teniform leafminer)(Lithocolletis blancardella Fabricius)、アジアチックアップルリーフマイナー(asiatic apple leafminer)(Lithocolletis ringoniella Matsumura)、ライスリーフフォルダー(rice leaffolder)(Lerodea eufala Edwards)、アップルリーフマイナー(apple leafminer)(Leucoptera scitella Zeller))、チャバネゴキブリ及びゴキブリ科(例えば、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis Linnaeus)、アジアゴキブリ(Blatella asahinai Mizukubo)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica Linnaeus)、チャオビゴキブリ(Supella longipalpa Fabricius)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana Linnaeus)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea Burmeister)、マデラゴキブリ(Leucophaea maderae Fabricius))、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa Service)、コワモンゴキブリ(Periplaneta australasiae Fabr.)、ハイイロゴキブリ(Nauphoeta cinerea Olivier)及びスムースコックローチ(Symploce pallens Stephens))のゴキブリを含むゴキブリ目の卵、幼虫及び成虫、ヒゲナガゾウムシ、マメゾウムシ及びゾウムシ科(例えば、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis Boheman)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus Kuschel)、オサゾウムシ(Sitophilus granarius Linnaeus)、ココクゾウムシ(Sitophilus oryzae Linnaeus))、アニュアルブルーグラスウィービル(Listronotus maculicollis Dietz)、ブルーグラスビルバグ(Sphenophorus parvulus Gyllenhal)、ハンティングビルバグ(Sphenophorus venatus vestitus)、デンバービルバグ(Sphenophorus cicatristriatus Fahraeus))のゾウムシを含む鞘翅目の卵、食葉性、食果実性、食根性、食種子性及び食小胞状組織性幼虫及び成虫、ハムシ科中のノミハムシ、ウリハムシ、ネクイムシ、ハムシ、イモハムシ及びハモグリムシ(例えば、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata Say)、ウェスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera LeConte))、コガネムシ科(例えば、マメコガネ(Popillia japonica Newman)、オリエンタルビートル(Anomala orientalis Waterhouse、Exomala orientalis(Waterhouse)Baraud)、ノーザンマスクドチェーファー(Cyclocephala borealis Arrow)、サウザンマスクドチェーファー(Cyclocephala immaculata Olivier又はC.lurida Bland)、ダングビートル(dung beetle)及びホワイトグラブ(white grub)(Aphodius spp.)、ブラックターフグラスアテニウス(Ataenius spretulus Haldeman)、グリーンジューンビートル(Cotinis nitida Linnaeus)、アジアンガーデンビートル(Maladera castanea Arrow)、メイ/ジューンビートル(Phyllophaga spp.)及びヨーロピアンコガネムシ(European chafer)(Rhizotrogus majalis Razoumowsky))のコガネムシ及び他の甲虫、カツオブシムシ科のカツオブシムシ、コメツキムシ科のハリガネムシ、キクイムシ科のキクイムシ及びゴミムシダマシ科のコクヌストモドキが挙げられる
【0202】
更に、農学的及び非農学的有害生物としては:クギヌキハサミムシ科のハサミムシ(例えば、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia Linnaeus)、ブラックイヤウィグ(black earwig)(Chelisoches morio Fabricius))を含む革翅目の卵、成虫及び幼虫、カスミカメムシ科のカスミカメムシ、セミ科のセミ、ヨコバイ科のリーフホッパー(例えばEmpoasca spp.)、トコジラミ科のトコジラミ(例えば、Cimex lectularius Linnaeus)、ハゴロモ上科及びウンカ科のウンカ、ツノゼミ科のツノゼミ、キジラミ科のキジラミ、コナジラミ科のコナジラミ、アブラムシ科のアブラムシ、ネアブラムシ科のネアブラムシ、コナカイガラムシ科のイボタムシ、カタカイガラムシ科、マルカイガラムシ科及びワラジカイガラムシ科のカイガラムシ、グンバイムシ科のアワダチソウグンバイ、カメムシ科のカメムシ、ナガカメムシ科のコバネナガカメムシの1種(例えば、ヘアリーチンチバグ(Blissus leucopterus hirtus Montandon)及びサウザンチンチバグ(Blissus insularis Barber))及び他のコバネナガカメムシ、コガシラアワフキ科のアワフキ、ヘリカメムシ科のヘリカメムシの1種、並びに、ホシカメムシ科のアカホシカメムシ及びホシカメムシ等の半翅目及び同翅目の卵、幼体、成虫及び幼虫が挙げられる。
【0203】
農学的及び非農学的有害生物として又は:ハダニ科(例えば、リンゴハダニ(Panonychus ulmi Koch)、ナミハダニ(Tetranychus urticae Koch)、マクダニエルダニ(Tetranychus mcdanieli McGregor))のハダニ及びアカダニ等のコナダニ目(ダニ)の卵、幼虫、幼虫及び成虫、ヒメハダニ科(例えば、カンキツヒメハダニ(Brevipalpus lewisi McGregor))のヒメハダニ、フシダニ科におけるサビダニ及びフシダニ、並びに、他の食葉性ダニ並びにヒト及び動物衛生において重要なダニ、即ち、チリダニ科におけるヒョウダニ、ニキビダニ科におけるニキビダニ、ニクダニ科におけるムギコナダニ、通例カタダニ類として知られるマダニ科におけるマダニ類(例えば、シカダニ(Ixodes scapularis Say)、オーストラリアマダニ(Ixodes holocyclus Neumann)、カクマダニ(Dermacentor variabilis Say)、ローンスターチック(lone star tick)(Amblyomma americanum Linnaeus))、及び、通例ヒメダニとして知られているヒメダニ科におけるマダニ類(例えば、回帰熱マダニ(Ornithodoros turicata)、一般的な家禽ダニ(Argas radiatus))、キュウセンダニ科、シラミダニ及びヒゼンダニ科における疥癬や皮癬のダニ、バッタ、イナゴ及びコオロギ(例えば、クルマバッタ(例えば、Melanoplus sanguinipes Fabricius、M.differentialis Thomas)、アメリカイナゴ(例えば、Schistocerca americana Drury)、サバクバッタ(Schistocerca gregaria Forskal)、トノサマバッタ(Locusta migratoria Linnaeus)、ブッシュローカスト(bush locust)(Zonocerus spp.)、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus Linnaeus)、ケラ(例えば、トーニーモールクリケット(Scapteriscus vicinus Scudder)及びサウザンモールクリケット(Scapteriscus borellii Giglio-Tos))を含む直翅目の卵、成虫及び幼体、ハモグリムシ(例えば、サーペンタインベジタブルリーフマイナー(serpentine vegetable leafminer)(Liriomyza sativae Blanchard)等のハモグリムシ類の一種(Liriomyza spp.))、ユスリカ、ミバエ(Tephritidae)、キモグリバエ(例えば、Oscinella frit Linnaeus)、ウジバエ、イエバエ(例えば、Musca domestica Linnaeus)、ヒメイエバエ(例えば、Fannia canicularis Linnaeus、F.femoralis Stein)、サシバエ(例えば、Stomoxys calcitrans Linnaeus)、イエバエの1種(face fly)、ノサシバエ、クロバエ(例えば、Chrysomya spp.、Phormia spp.)、及び、他のイエバエ(muscoid fly)有害生物、アブ(例えば、Tabanus spp.)、(例えば、Gastrophilus spp.、Oestrus spp.)、ウシバエ(例えば、Hypoderma spp.)、メクラアブ(例えば、Chrysops spp.)、シラミバエ(例えば、Melophagus ovinus Linnaeus)及び他の短角亜目、蚊(例えば、Aedes spp.、Anopheles spp.、Culex spp.)、ブユ(例えば、Prosimulium spp.、Simulium spp.)、クロヌカカ、スナバエ、クロバネキノコバエ、及び、他の長角類を含む双翅目の卵、成虫及び幼体、ネギアザミウマ(Thrips tabaci Lindeman)、フラワースリップス(flower thrips)(Frankliniella spp.)、及び、他の食葉性アザミウマを含む総翅目の卵、成虫及び幼体、フロリダカーペンターアント(Florida carpenter ant)(Camponotus floridanus Buckley)、アカオオアリ(Camponotus ferrugineus Fabricius)、クロオオアリ(Camponotus pennsylvanicus De Geer)、アシジロヒラフシアリ(Technomyrmex albipes fr.Smith)、オオズアリ(Pheidole sp.)、アワテコヌカアリ(Tapinoma melanocephalum Fabricius)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis Linnaeus)、チビヒアリ(Wasmannia auropunctata Roger)、アカカミアリ(Solenopsis geminata Fabricius)、ヒアリ(Solenopsis invicta Buren)、アルゼンチンアリ(Iridomyrmex humilis Mayr)、アシナガキアリ(Paratrechina longicornis Latreille)、トビイロシワアリ(Tetramorium caespitum Linnaeus)、ヒメトビイロケアリ(Lasius alienus Foerster)及びコヌカアリ(Tapinoma sessile Say)を含むアリ科のアリを含む膜翅目の昆虫有害生物が挙げられる。他の膜翅目は、ハチ(クマバチを含む)、スズメバチ(hornet)、スズメバチ(yellow jacket)、大型のハチ(wasp)、及び、ハバチ(Neodiprion spp.、Cephus spp.)、シロアリ科(例えば、Macrotermes sp.、Odontotermes obesus Rambur)、レイビシロアリ科(例えば、Cryptotermes sp.)、及び、ミゾガシラシロアリ科(例えば、Reticulitermes sp.、Coptotermes sp.、Heterotermes tenuis Hagen)、ミゾガシラシロアリ(Reticulitermes flavipes Kollar)、セイヨウシロアリ(Reticulitermes hesperus Banks)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus Shiraki)、ハワイシロアリ(Incisitermes immigrans Snyder)、パウダーポストターマイト(Cryptotermes brevis Walker)、ドライウッドターマイト(Incisitermes snyderi Light)、サウスイースタンサブタラニアンターマイト(Reticulitermes virginicus Banks)、ウェスタンドライウッドターマイト(Incisitermes minor Hagen)、Nasutitermes sp.等の樹木シロアリ、及び、経済的に重要な他のシロアリにおけるシロアリを含むシロアリ目の昆虫有害生物、セイヨウシミ(Lepisma saccharina Linnaeus)及びマダラシミ(Thermobia domestica Packard)等のシミ目の昆虫有害生物、ハジラミ目であって、コモロジラミ(Pediculus humanus capitis De Geer)、アタマジラミ(Pediculus humanus Linnaeus)、ニワトリハジラミ(Menacanthus stramineus Nitszch)、イヌハジラミ(Trichodectes canis DeGeer)、フラッフラウス(fluff louse)(Goniocotes gallinae De Geer)、ヒツジハジラミ(Bovicola ovis Schrank)、ウシジラミ(short-nosed cattle louse)(Haematopinus eurysternus Nitzsch)、ウシジラミ(long-nosed cattle louse)(Linognathus vituli Linnaeus)、並びに、人及び動物を襲う他の吸血性及び刺咬性寄生性シラミを含む昆虫有害生物、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis Rothschild)、ネコノミ(Ctenocephalides felis Bouche)、イヌノミ(Ctenocephalides canis Curtis)、ニワトリノミ(Ceratophyllus gallinae Schrank)、ニワトリフトノミ(Echidnophaga gallinacea Westwood)、ヒトノミ(Pulex irritans Linnaeus)、並びに、哺乳動物及び鳥類を苦しめる他のノミを含むノミ目の昆虫有害生物を含む。包含される追加の節足有害生物としては、イトグモ(Loxosceles reclusa Gertsch & Mulaik)及びクロゴケグモ(Latrodectus mactans Fabricius)等のクモ目におけるクモ、並びに、イエムカデ(Scutigera coleoptrata Linnaeus)等の唇脚綱ゲジ目におけるムカデが挙げられる。
【0204】
貯蔵穀物の無脊椎有害生物の例としては、オオコナナガシンクイ(Prostephanus truncatus)、コナナガシンクイムシ(Rhyzopertha dominica)、ココクゾウムシ(Stiophilus oryzae)、トウモロコシゾウムシ(Stiophilus zeamais)、ヨツモンマメゾウムシ(Callosobruchus maculatus)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、オサゾウムシ(Stiophilus granarius)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、スジコナマダラメイガ(Ephestia kuhniella)、及び、カクムネヒラタムシ又はサビカクムネヒラタムシ(Cryptolestis ferrugineus)が挙げられる。
【0205】
本発明の化合物は、特にこれらに限定されないが、経済的に重要な農業学上の有害生物(即ち、メロイドギネ属(Meloidogyne)の根こぶ線虫、ネグサレセンチュウ属(Pratylenchus)のネグサレセンチュウ、トリコドルス属(Trichodorus)のユミハリ線虫等)、並びに、動物及び人間の健康を害する有害生物(即ち、ウマにおける普通円虫(Strongylus vulgaris)、イヌにおける犬回虫(Toxocara canis)、ヒツジにおける捻転胃虫(Haemonchus contortus)、イヌにおける犬糸状虫(Dirofilaria immitis Leidy)、ウマにおける葉状条虫(Anoplocephala perfoliata)、反芻動物における肝蛭虫(Fasciola hepatica Linnaeus)等等のすべての経済的に重要な吸虫、条虫及び回虫)等の円虫目、回虫目、ギョウチュウ目、桿線虫目、旋尾線虫目及びエノブルス目の経済的に重要な構成種を含む線虫綱、条虫綱、吸虫綱及び鉤頭虫綱の構成種に対して活性を有し得る。
【0206】
本発明の化合物は、鱗翅目における有害生物(例えば、Alabama argillacea Huebner(ヤガの幼虫)、Archips argyrospila Walker(果樹ハマキムシ)、A.rosana Linnaeus(セイヨウハマキ)及び他のカクモンハマキ種、Chilo suppressalis Walker(ニカメイチュウ)、Cnaphalocrosis medinalis Guenee(コブノメイガ)、Crambus caliginosellus Clemens(ウスギンツトガ)、Crambus teterrellus Zincken(シバツトガ)、Cydia pomonella Linnaeus(コドリンガ)、Earias insulana Boisduval(ミスジアオリンガ)、Earias vittella Fabricius(クサオビリンガ)、Helicoverpa armigera Huebner(オオタバコガ(American bollworm))、Helicoverpa zea Boddie(オオタバコガ(corn earworm))、Heliothis virescens Fabricius(オオタバコガ(タバコ芽を食害する害中))、Herpetogramma licarsisalis Walker(ソッドウェブワーム)、Lobesia botrana Denis & Schiffermueller(ホソバヒメハマキ)、Pectinophora gossypiella Saunders(ワタアカミムシガ)、Phyllocnistis citrella Stainton(ミカンコハモグリ)、Pieris brassicae Linnaeus(大型のモンシロチョウ)、Pieris rapae Linnaeus(小型のモンシロチョウ)、Plutella xylostella Linnaeus(コナガ)、Spodoptera exigua Huebner(シロイチモジヨトウ)、Spodoptera litura Fabricius(ハスモンヨトウ(tobacco cutworm、 cluster caterpillar))、Spodoptera frugiperda J.E.Smith(ツマジロクサヨトウ)、Trichoplusia ni Huebner(イラクサキンウワバ)、及び、Tuta absoluta Meyrick(キバガの1種))に対して活性を有し得る。
【0207】
本発明の化合物は:Acyrthosiphon pisum Harris(エンドウヒゲナガアブラムシ)、Aphis craccivora Koch(マメアブラムシ)、Aphis fabae Scopoli(マメクロアブラムシ)、Aphis gossypii Glover(ワタアブラムシ)、Aphis pomi De Geer(リンゴアブラムシ)、Aphis spiraecola Patch(ユキヤナギアブラムシ)、Aulacorthum solani Kaltenbach(ジャガイモヒゲナガアブラムシ)、Chaetosiphon fragaefolii Cockerell(イチゴケナガアブラムシ)、Diuraphis noxia Kurdjumov/Mordvilko(ロシアコムギアブラムシ)、Dysaphis plantaginea Paaserini(バラリンゴアブラムシ)、Eriosoma lanigerum Hausmann(リンゴワタムシ)、Hyalopterus pruni Geoffroy(モモコフキアブラムシ)、Lipaphis erysimi Kaltenbach(ニセダイコンアブラムシ)、Metopolophium dirrhodum Walker(穀類につくアブラムシ)、Macrosiphum euphorbiae Thomas(チューリップヒゲナガアブラムシ)、Myzus persicae Sulzer(モモアカアブラムシ)、Nasonovia ribisnigri Mosley(レタスアブラムシ)、Pemphigus spp.(コブアブラムシ(root aphids及びgall aphids))、Rhopalosiphum maidis Fitch(トウモロコシアブラムシ)、Rhopalosiphum padi Linnaeus(ムギクビレアブラムシ)、Schizaphis graminum Rondani(ムギミドリアブラムシ)、Sitobion avenae Fabricius(ムギヒゲナガアブラムシ)、Therioaphis maculata Buckton(マダラアルファルファアブラムシ)、Toxoptera aurantii Boyer de Fonscolombe(コミカンアブラムシ)、及び、Toxoptera citricida Kirkaldy(ミカンクロアブラムシ);Adelges spp.(カサアブラムシ);Phylloxera devastatrix Pergande(ペカンネアブラムシ);Bemisia tabaci Gennadius(タバココナジラミ)、Bemisia argentifolii Bellows & Perring(シルバーリーフコナジラミ)、Dialeurodes citri Ashmead(ミカンコナジラミ)及びTrialeurodes vaporariorum Westwood(オンシツコナジラミ);Empoasca fabae Harris(ジャガイモヒゲヨコバイ)、Laodelphax striatellus Fallen(ヒメトビウンカ)、Macrolestes quadrilineatus Forbes(フタテンヨコバイ)、Nephotettix cinticeps Uhler(ツマグロヨコバイ)、Nephotettix nigropictus Stal(クロスジツマグロヨコバイ)、Nilaparvata lugens Stal(トビイロウンカ)、Peregrinus maidis Ashmead(トウモロコシウンカ)、Sogatella furcifera Horvath(セジロウンカ)、Sogatodes orizicola Muir(イネウンカ)、Typhlocyba pomaria McAtee シロリンゴヨコバイ、Erythroneoura spp.(チマダラヒメヨコバイ)、Magicidada septendecim Linnaeus(十七年ゼミ)、Icerya purchasi Maskell(イセリアカイガラムシ)、Quadraspidiotus perniciosus Comstock(サンホゼカイガラムシ)、Planococcus citri Risso(ミカンコナカイガラムシ)、Pseudococcus spp.(他のコナカイガラムシ)、Cacopsylla pyricola Foerster(ヨーロッパナシキジラミ)、Trioza diospyri Ashmead(カキキジラミ)を含む同翅目からのメンバーに顕著な活性を有する。
【0208】
本発明の化合物はまた:Acrosternum hilare Say(アオクサカメムシ)Anasa tristis De Geer(ヘリカメムシの1種)、Blissus leucoperus leucopterus Say(コバネナガカメムシの1種)、Cimex lectularius Linnaeus(トコジラミ)、Corythuca gossypii Fabricius(コットンレースバグ)、Cyrtopeltis modesta Distant(トマトバグ)、Dysdercus suturellus Herrich-Schaeffer(ホシカメムシ)、Euchistus servus Say(茶色のカメムシの1種)、Euchistus variolarius Palisot de Beauvois(イッテンカメムシ)、Graptosthetus spp.(ヒメマダラカメムシ)、クサギカメムシ(Halymorpha halys Stal)(クサギカメムシ(brown marmorated stink bug))、Leptoglossus corculus Say(マツノミヘリカメムシ)、Lyguslineolaris Palisot de Beauvois(ミドリヘリカメムシ)、Nezara viridula Linnaeus(ミナミアオカメムシ)、Oebalus pugnax Fabricius(イネカメムシ)、Oncopeltus fasciatus Dallas(ナガカメムシの1種)、Pseudatomoscelis seriatus Reuter(ワタノミハムシ)を含む半翅目からのメンバーに活性を有する。本発明の化合物によって防除される他の昆虫目としては、総翅目(例えば、Frankliniella occidentalis Pergande(ミカンキイロアザミウマ)、Scirthothrips citri Moulton(ミカンアザミウマ)、Sericothrips variabilis Beach(ダイズアザミウマ)、及び、Thrips tabaci Lindeman(ネギアザミウマ)、並びに、鞘翅目(例えば、Leptinotarsa decemlineata Say(コロラドハムシ)、Epilachna varivestis Mulsant(インゲンテントウ)、及び、アグリオテス属(Agriotes)、アトウス属(Athous)又はリモニウム属のハリガネムシ)が挙げられる。
【0209】
いくつかの現代の分類システムでは、同翅目は半翅目の亜目とされていることに注目すべきである。
【0210】
注目すべきは、ミカンキイロアザミウマ(ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis))を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ジャガイモヒゲヨコバイ(ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae))を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ワタアブラムシ(ワタアブラムシ(Aphis gossypii))を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、モモアカアブラムシ(モモアカアブラムシ(Myzus persicae))を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ワタコナジラミ(タバココナジラミ(Bemisia tabaci))を防除するための本発明の化合物の使用である。
【0211】
本発明の化合物は又、作物植物の成長力を高めるために有用であり得る。この方法は、作物植物(例えば群葉、花、果実又は根)又は作物植物が発育する種子に、所望の植物成長力効果の達成に十分な量(即ち、生物学的に有効な量)で式1の化合物を接触させる工程を含む。典型的には、式1の化合物は、配合された組成物の中で施用される。式1の化合物は度々作物植物又はその種子に直接施用されるが、作物植物の生育地、即ち、作物植物の環境であって、特に、式1の化合物が作物植物に移行可能であるよう十分近くに近接する環境の一部にも施用可能である。この方法に関連する生育地は、最も一般的には、栽培培地(即ち、植物に栄養分を提供する培地)、典型的には、植物が栽培される土壌を含む。作物植物を処理することで作物植物の成長力が高まり、それ故、作物植物、作物植物が発育する種子又は作物植物の生育地に、生物学的に有効な量の式1の化合物を接触させる工程が含まれる。
【0212】
作物成長力を高めることで、以下の観察される効果の1種又はそれ以上をもたらすことが可能である:(a)優れた種子発芽、作物の出芽、及び、作物の株立本数により実証される最適な作物の株立ち、(b)速く強い葉の成長(例えば、葉面積指数によって計測される)、草高、株分け数(例えば、イネ)、根の質量、及び、作物の繁殖質量の全乾燥重量によって実証される増強された作物の成長、(c)開花にかかる時間、開花期間、花の数、バイオマス蓄積の合計(即ち収穫高)、及び/又は、農産物の市場性に係る果実若しくは穀粒グレード(即ち収穫品質)によって実証される向上した作物収量、(d)植物病害の感染、及び、節足動物、線虫又は有害軟体動物による外寄生に耐える、若しくは、これらを予防する作物の能力の増強、並びに、(e)極度な熱、最適下限水分又は植物毒性化学物質への露出等の環境ストレスに耐える作物の能力の向上。
【0213】
本発明の化合物は、植物の環境中の植食性有害無脊椎生物を殺傷又はそうでなければ採食を妨げることにより、未処理の植物と比して処理された植物の成長力を高め得る。植食性有害無脊椎生物のこのような防除が不在の場合、有害生物は、植物組織若しくは汁液を摂食することにより、又は、ウイルス等の植物病原体を伝染させることにより植物の成長力を低減させてしまう。植食性有害無脊椎生物が不在の場合でも、本発明の化合物は、植物の代謝を改変することにより植物の成長力を高め得る。一般に、作物植物の成長力は、植物が、非理想な環境、即ち、植物が理想的な環境において示されることとなるであろう遺伝学的な可能性を完全に達成するのに不都合な態様を1つ以上含む環境において栽培されている場合に、この植物を本発明の化合物で処理することにより最も顕著に高められることとなる。
【0214】
注目すべきは、植食性無脊椎有害生物を含む環境において作物植物が栽培される、作物植物の成長力を高める方法である。又、注目すべきは、植食性無脊椎有害生物を含まない環境において作物植物が栽培される、作物植物の成長力を高める方法である。又、注目すべきは、作物植物の生育を支えるのに理想的な量よりも水分が少ない環境において作物植物が栽培される、作物植物の成長力を高める方法である。注目すべきは、作物がイネである、作物植物の成長力を高める方法である。又、注目すべきは、作物がトウモロコシ(コーン)である、作物植物の成長力を高める方法である。又、注目すべきは、作物がダイズである、作物植物の成長力を高める方法である。
【0215】
本発明の化合物は又、他の生体活性化合物と、又は、殺虫剤、殺菌・殺カビ剤、抗線虫薬、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、除草剤毒性緩和剤、昆虫脱皮阻害剤及び発根促進剤等の成長調整剤、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激物質、他の生体活性化合物又は昆虫病原性細菌、ウイルス又は真菌を含む薬剤の1種又はそれ以上と混合されて多成分有害生物防除剤を形成し、更に広い範囲の農学的及び非農学的実用性をもたらすことが可能である。それ故、本発明は又、生物学的に有効な量の式1の化合物と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加成分と、少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物又は薬剤とを含む組成物に関する。本発明の混合物について、他の生体活性化合物若しくは薬剤は、式1の化合物を含む本化合物と一緒に配合されて予混合物を形成しても良く、又は、他の生体活性化合物若しくは薬剤は、式1の化合物を含む本化合物とは個別に配合されて、これら2種の配合物を適用の前に(例えば、噴霧タンク中で)一緒に組み合わせること、或いは、逐次的に施用しても良い。
【0216】
本発明の化合物を配合することが可能な生物学的に有効な化合物又は薬剤の例としては、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン([(3S、4R、4aR、6S、6aS、12R、12aS、12bS)-3-[(シクロプロピルカルボニル)オキシ]-1、3、4、4a、5、6、6a、12、12a、12b-デカヒドロ-6、12-ジヒドロキシ-4、6a、12b-トリメチル-11-オキソ-9-(3-ピリジニル)-2H、11H-ナフト[2、1-b]ピラノ[3、4-e]ピラン-4-イル]メチルシクロプロパンカルボキシレート)、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス-メチル、ベンフラカルブ、ベンサルタップ、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ボレート、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール(3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキシアミド)、シクラニリプロール(3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[[(1-シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシアミド)、シクロプロトリン、シクロキサプリド((5S、8R)-1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2、3、5、6、7、8-ヘキサヒドロ-9-ニトロ-5、8-エポキシ-1H-イミダゾ[1、2-a]アゼピン)シフルメトフェン、シフルトリン、β-シフルトリン、シハロトリン、γ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、α-シペルメトリン、ζ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、酸化フェンブタスズ、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン(2-エチル-3、7-ジメチル-6-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-4-キノリニルメチルカーボネート)、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン(メチル(αE)-2-[[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼン酢酸)、フルエンスルホン(5-クロロ-2-[(3、4、4-トリフルオロ-3-ブテン-1-イル)スルホニル]チアゾール)、フルヘキサホン、フルオピラム、フルピプロール(1-[2、6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル)、フルピラジフロン(4-[[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル](2、2-ジフルオロエチル)アミノ]-2(5H)-フラノン)、フルバリネート、τ-フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン([2、3、5、6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル2、2-ジメチル-3-[(1Z)-3、3、3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]シクロプロパンカルボキシレート)、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性の石鹸、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン([2、3、5、6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル(1R、3S)-3-(2、2-ジクロロエテニル)-2、2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノクロトホス、モノフルオロトリン([2、3、5、6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル3-(2-シアノ-1-プロペン-1-イル)-2、2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオン-メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピフルブミド(1、3、5-トリメチル-N-(2-メチル-1-オキソプロピル)-N-[3-(2-メチルプロピル)-4-[2、2、2-トリフルオロ-1-メトキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド)、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン(メチル(αE)-2-[[[2-[(2、4-ジクロロフェニル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-4-ピリミジニル]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼン酢酸)、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル(N-[メチルオキシド[1-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]エチル]-λ4-スルファニリデン]シアナミド)、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン([2、3、5、6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル2、2、3、3-テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート)、テトラニリプロール、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、チオキサザフェン(3-フェニル-5-(2-チエニル)-1、2、4-オキサジアゾール)、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルメゾピリン(2、4-ジオキソ-1-(5-ピリミジニルメチル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピリド[12-a]ピリミジニウム分子内塩)、トリフルムロン、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン、昆虫病原性バクテリア、昆虫病原性ウイルス及び昆虫病原性菌等の殺虫剤である。
【0217】
注目すべきは、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンサルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、β-シフルトリン、シハロトリン、γ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、α-シペルメトリン、ζ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジクロロメゾチアズ、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルホン、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルメゾピリン、トリフルムロン、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のすべての菌株及び核多角体病ウイルスのすべての菌株等の殺虫剤を挙げることが出来る。
【0218】
本発明の化合物と混合させるための生物学的薬剤の一実施形態としては、CellCap(登録商標)プロセス(CellCap(登録商標)、MVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)は、Mycogen Corporation、Indianapolis、Indiana、USA商標である)により調製されるMVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)昆虫農薬等のバチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)及びバチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の被包性デルタ-エンドトキシン等の昆虫病原性細菌、黒きょう病真菌類等の昆虫病原性菌、並びに、バキュロウイルス、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)核多核体ウイルス(HzNPV)等の核多核体ウイルス(NPV)、アナグラファファルシフェラ(Anagrapha falcifera)核多核体ウイルス(AfNPV)等の昆虫病原性ウイルス(天然のもの及び遺伝子操作されたものの両方)、並びに、コドリンガ(Cydia pomonella)グラニュローシスウイルス(CpGV)等のグラニュローシスウイルス(GV)が挙げられる。
【0219】
特に注目すべきは、他の無脊椎有害生物防除活性処方成分が、式1の化合物とは異なる化学的分類に属しているか、又は、異なる作用部位を有しているような組み合わせである。一定の事例において、同様の防除範囲を有しているが作用部位が異なる少なくとも1種の他の無脊椎有害生物防除活性処方成分との組み合わせが、耐性管理に関して特に有利であろう。それ故、本発明の組成物は、同様の防除範囲を有するが、異なる化学的分類に属しているか、又は、異なる作用部位を有している生物学的に有効量の少なくとも1種の追加の無脊椎有害生物防除活性処方成分を更に含んでいることが可能である。これらの追加の生物学的に有効な化合物若しくは薬剤としては、これらに限定はされないが、カルバメートメソミル、オキサミル、チオジカルブ、トリアザメート及び有機リン酸クロルピリホス等のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)抑制剤、シクロジエンス ジエルドリン及びエンドスルファン、並びに、フェニルピラゾールエチプロール及びフィプロニル等のGABA-作動性塩素イオンチャネルアンタゴニスト、ピレスロイドビフェントリン、シフルトリン、β-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン、エスフェンバレレート、メトフルトリン及びプロフルトリン等のナトリウムチャネルモジュレータ、ネオニコチノイドアセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、及びチアメトキサム及びスルホキサフロル等のニコチンアセチルコリン受容体(nAChR)アゴニスト、スピノシンスピネトラム及びスピノサド等のニコチンアセチルコリン受容体(nAChR)アロステリック活性化剤、アベルメクチンアバメクチン及びエマメクチン等の塩素イオンチャネル活性化剤、ジオフェノラン、メトプレン、フェノキシカルブ及びピリプロキシフェン等の幼若ホルモン様物質、ピメトロジン及びフロニカミド等の選択的同翅類摂食阻害薬、エトキサゾール等のダニ成長抑制剤、プロパルギット等のミトコンドリアATPシンターゼの抑制剤、クロルフェナピル等のプロトン勾配の阻害を介した酸化性リン酸化の脱共役剤、ネライストキシン類似体カルタップ等のニコチンアセチルコリン受容体(nAChR)チャネル遮断剤、ベンゾイル尿素フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン及びトリフルムロン、並びに、ブプロフェジン等のキチン生合成の抑制剤、シロマジン等の双翅目脱皮撹乱剤、ジアシルヒドラジンメトキシフェノジド及びテブフェノジド等のエクジソン受容体アゴニスト、アミトラズ等のオクトパミン受容体アゴニスト、ヒドラメチルノン等のミトコンドリア複合体III電子輸送抑制剤、ピリダベン等のミトコンドリア複合体I電子輸送抑制剤、インドキサカルブ等の電位依存ナトリウムチャネル遮断剤、テトロン酸及びテトラミン酸スピロジクロフェン、スピロメシフェン及びスピロテトラマト等のアセチルCoAカルボキシラーゼの抑制剤、β-ケトニトリルシエノピラフェン及びシフルメトフェン等のミトコンドリア複合体II電子輸送抑制剤、アントラニルジアミドクロラントラニリプロール、シアントラニリプロール及びシアントラニリプロール、フルベンジアミド等のジアミド、並びに、リアノジン等のリアノジン受容体リガンド等のリアニジン受容体モジュレータ、アザジラクチン、ビフェナゼート、ピリダリル、ピリフルキナゾン及びトリフルメゾピリン等の生物学的活性をもたらす標的部位が未知であるか、又は、特徴づけられていない化合物、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringensis)及びこれらが産生するデルタエンドトキシン、並びに、バチルススファエリクス(Bacillus sphaericus)等の昆虫中腸膜の微生物撹乱剤、並びに、核多核体病ウイルス(NPV)及び他の天然又は遺伝子操作された殺虫性ウイルスを含む生物剤が挙げられる。
【0220】
本発明の化合物と配合可能である生物学的に有効な化合物若しくは薬剤の更なる例は:アシベンゾラル-S-メチル、アルジモルフ、アメトクトラジン、アミスルブロム、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル(ベナラキシル-Mを含む)、ベノダニル、ベノミル、ベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ-イソプロピルを含む)、ベンゾビンジフルピル、ベトキサジン、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン-S、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カルボキシン、カルプロパミド、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、クモキシストロビン、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール(ジニコナゾール-Mを含む)、ジノカップ、ジチアノン、ジチオラン、ドデモルフ、ドジン、エコナゾール、エタコナゾール、エディフェンホス、エノキサストロビン(エネストロブリンとしても知られている)、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナミンストロビン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、酢酸トリフェニルスズ、トリフェニルスズヒドロキシド、フェルバム、フェリムゾン、フロメトキン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、フサライド(フタリドとしても知られている)、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、グアザチン、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジンアルベシレート、イミノクタジン三酢酸塩、イオジカルブ(iodicarb)、イプコナゾール、イソフェタミド、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンジプロパミド、マンデストロビン、マンネブ、マパニピリン、メプロニル、メプチルジノカップ、メタラキシル(メタラキシル-M/メフェノキサムを含む)、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ナフチチン、ネオアソジン(メタンアルソン酸第二鉄)、ヌアリモル、オクチリノン、オフレース、オリザストロビン、オキサジキシル、オキサチアピプロリン、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ペルフラゾエート、亜リン酸(例えばホセチルアルミムといったその塩を含む)、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブタカルブ、ピリフェノックス、ピリオフェノン、ペリソキサゾール、ピリメタニル、ピリフェノックス、ピロールニトリン、ピロキロン、キンコナゾール、キンメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、セダキサン、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テクロフタラム、テクロフタラム、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルコホス-メチル、トルプロカルブ、トリフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモル、トリアゾキシド、三塩基性硫酸銅、トリクロピリカルブ、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリモプラミドトリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、バリダマイシン、バリフェナレート(バリフェナールとしても知られている)、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド及び1-[4-[4-[5-(2、6-ジフルオロフェニル)-4、5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン等の殺菌・殺カビ剤、フルオピラム、スピロテトラマト、チオジカルブ、ホスチアゼート、アバメクチン、イプロジオン、フルフェンスルホン、ジメチルジスルフィド、チオキサザフェン、1、3-ジクロロプロペン(1、3-D)、メタム(ナトリウム及びカリウム)、ダゾメット、クロルピクリン、フェナミホス、エトプロホス、カズサホス、テルブホス、イミシアホス、オキサミル、カルボフラン、チオキサザフェン、バチルスフィルムス(Bacillus firmus)及びパスツリアニシザワエ(Pasteuria nishizawae)等の抗線虫薬、ストレプトマイシン等の殺菌剤、アミトラズ、キノメチオネート、クロロベンジラート、シヘキサチン、ジコホル、ジエノクロル、エトキサゾール、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾクス、プロパルギット、ピリダベン及びテブフェンピラド等の殺ダニ剤である。
【0221】
一定の事例において、本発明の化合物と、他の生物学的に有効な(特に無脊椎有害生物防除)化合物又は薬剤(即ち、活性処方成分)との組み合わせは、相加的を超える(即ち、相乗的)効果をもたらすことが可能である。環境中に放出される活性処方成分の量を低減させつつ効果的な有害生物の防除を保証することが常に望ましい。無脊椎有害生物防除活性処方成分の相乗作用が、無脊椎有害生物の防除を農業経済学的に満足されるレベルでもたらす施用量で生じる場合、このような組み合わせは、作物生産費用の削減及び環境的負荷の低減に有利となり得る。
【0222】
本発明の化合物及びその組成物を、遺伝的に形質転換され、無脊椎有害生物に有害なタンパク質を発現する植物に施用しても良い(バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン等)。このような施用は、幅広い範囲で植物の保護をもたらし得、及び、耐性管理に有利であり得る。外因的に施用された本発明の無脊椎有害生物防除化合物の効果は、発現された有害なタンパク質と相乗的であり得る。
【0223】
これらの農学的保護剤(即ち、殺虫剤、殺菌・殺カビ剤、抗線虫薬、殺ダニ剤、除草剤及び生物剤)に関する一般的な文献としては、The Pesticide Manual、第13版、C.D.S.Tomlin編、British Crop Protection Council、Farnham、Surrey、U.K.、2003年、及び、The BioPesticide Manual、第2版、L.G.Copping編、British Crop Protection Council、Farnham、Surrey、U.K、2001年が挙げられる。
【0224】
無脊椎有害生物は、1種又はそれ以上の本発明の化合物を、典型的には組成物の形態で、生物学的に有効な量で、外寄生した有害生物の農学的及び/又は非農学的箇所を含む環境に、保護されるべき領域に、又は、防除するべき有害生物に直接、施用することにより、農学的及び非農学的施用において防除される。
【0225】
従って、本発明は、農学的及び/又は非農学的用途における無脊椎有害生物を防除するための方法であって、無脊椎有害生物又はその環境を生物学的に有効な量の1種又はそれ以上の本発明の化合物、又は、そのような化合物の少なくとも1種を含む組成物、又は、そのような化合物の少なくとも1種と、生物学的に有効な量の少なくとも1種の更なる生物学的に活性な化合物、若しくは薬剤とを含む組成物と接触させることを含む。本発明の化合物及び生物学的に有効量の追加の生物学的に有効な化合物若しくは薬剤の少なくとも1種を含む好適な組成物の例としては、顆粒状組成物が挙げられ、ここで、追加の有効化合物が、本発明の化合物として同一の顆粒上に存在しているか、又は、本発明の化合物とは別個の顆粒上に存在している。
【0226】
本発明の化合物又は組成物との接触を達成して農作物を無脊椎有害生物から保護するために、化合物又は組成物を、典型的には、植え付け前の作物の種子に、作物植物の群葉(例えば、葉、茎、花、果実)に、或いは、作物の植え付けの前又は後の土壌若しくは他の成長培地に施用する。
【0227】
接触させる方法の一実施形態は噴霧による。或いは、本発明の化合物を含む顆粒状組成物を植物群葉又は土壌に施用しても良い。本発明の化合物は又、液体配合物の土壌潅注として、土壌への顆粒状配合物として、苗床箱処理として、又は、移植時の浸漬として、施用するための本発明の化合物を含む組成物を、植物に接触させることにより、植物による摂取を介して効果的に送達させても良い。土壌潅注液体配合物の形態とした本発明の組成物に注目すべきである。又、注目すべきは、無脊椎有害生物又はその環境に、生物学的に有効な量の本発明の化合物、又は、生物学的に有効な量の本発明の化合物を含む組成物を接触させる工程を含む無脊椎有害生物を防除するための方法である。更に、本方法に注目すべきは、環境が土壌であり、組成物をその土壌に土壌潅注配合物として施用することである。更に、本発明の化合物又は組成物は又、侵襲箇所への局所的施用によっても効果的であることに注目すべきである。本発明の化合物又は組成物による他の接触方法は、直接噴霧及び残存噴霧、空中噴霧、ゲル、種子粉衣、マイクロカプセル化、全身摂取、餌、耳標、ボーラス、噴霧器、燻蒸器、エアロゾル、粉剤、及び、その他の多くの施用を含む。接触方法の一実施形態は、本発明の化合物又は組成物を含む寸法的に安定な肥料顆粒、スティック又は錠剤である。本発明の化合物は又、無脊椎動物防除装置(例えば、昆虫ネット)を構成する材料に含浸しても良い。
【0228】
本発明の化合物は、すべての植物、植物部位及び種子の処理に有用である。植物及び種子の変種及び栽培品種は、従来の繁殖及び育種法により、又は、遺伝子操作法により得ることが可能である。遺伝子操作された植物又は種子(遺伝子組換え植物又は種子)は、異種遺伝子(導入遺伝子)が安定して植物又は種子のゲノムに組み込まれたものである。植物ゲノムにおける特定の位置により定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと呼ばれる。
【0229】
本発明に従って処理可能である遺伝子操作された植物及び種子栽培品種は、1種又はそれ以上の生物ストレス(線虫、昆虫、ダニ、真菌等等の有害生物)若しくは非生物ストレス(渇水、低温、土壌塩分等)に対して耐性であるもの、又は、他の望ましい特徴を有するものを含む。植物及び種子は、遺伝子操作されて、例えば、除草剤許容性、昆虫耐性、変性油特性又は渇水許容性といった形質を示シていても良い。
【0230】
遺伝子操作された植物及び種子を本発明の化合物で処理することで、超相加的又は相乗的な効果がもたらされ得る。例えば、施用量の低減、活性範囲の拡大、生物ストレス/非生物ストレスに対する耐容性の増大又は貯蔵安定性の増加は、遺伝子操作された植物及び種子に本発明の化合物を施用して得られる、単純な相加的効果から予期されるものを超える可能性がある。
【0231】
本発明の化合物は又、種子を無脊椎有害生物から保護するための種子処理に有用である。本開示及び特許請求の範囲の文脈において、種子の処理とは、種子を、典型的には本発明の組成物として配合された本発明の化合物と生物学的に有効な量で接触させることを意味する。この種子処理により種子が無脊椎土壌有害生物から保護され、一般に、発芽種子から発生する実生の土壌と接触している根及び他の植物部位をも保護することが可能である。種子処理は又、発生する植物における本発明の化合物又は第2の活性処方成分の転流による群葉の保護をももたらし得る。種子処理は、遺伝的に形質転換されて特殊な形質を発現する植物が発芽するものを含むすべてのタイプの種子に施用可能である。代表的な例としては、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)トキシン等の無脊椎有害生物に有害なタンパク質を発現するもの、又は、グリホサートに対する耐性をもたらす、グリホサートアセチルトランスフェラーゼ等の除草抵抗性を発現するものが挙げられる。本発明の化合物での種子処理もまた種子から栽培される植物の成長力を高めることが可能である。
【0232】
種子処理の1つの方法は、種子を播種する前の、本発明の化合物(即ち配合組成物として)の種子への噴霧又は散粉である。種子処理用に配合される組成物は、一般に、塗膜形成剤又は接着剤を含む。従って、典型的には、本発明の種皮粉衣組成物は、生物学的に有効な量の式1の化合物、そのN-オキシド又は塩と、塗膜形成剤又は接着剤とを含む。種子は、流動性の懸濁濃縮物を種子の回転床に直接噴霧し、次いで、種子を乾燥させることによりコーティングしても良い。或いは、湿潤化された粉末、溶液、サスポエマルジョン、乳化性濃縮物及び水中エマルジョン等の他のタイプの配合物を種子に噴霧しても良い。この工程は、塗膜コーティングを種子に適用するために特に有用である。当業者は種々のコーティング機械及び工程を利用可能である。好適な工程としては、P.Kosters et al.、Seed Treatment:Progress and Prospects、1994 BCPC Mongraph No.57、及び、そこに引用されている文献に列挙されているものが挙げられる。
【0233】
式1の化合物及びその組成物は、単独、及び、他の殺虫剤、殺線虫剤及び殺菌・殺カビ剤との組合わせの両方が、トウモロコシ又はコーン、ダイズ、綿、穀類(例えば、コムギ、カラスムギ、オオムギ、ライ麦及びイネ)、ジャガイモ、野菜及びアブラナを含む作物のための種子処理に特に有用であるが、これらに限定する訳ではない。
【0234】
式1の化合物と配合されて種子処理に有用な混合物を提供することが可能である他の殺虫剤としては、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンサルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シフルトリン、β-シフルトリン、シハロトリン、γ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、α-シペルメトリン、ζ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、デエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスウロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メトミル、メトプレン、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のすべての菌株、及び、核多角体病ウイルスのすべての菌株が挙げられる。
【0235】
式1の化合物と配合されて種子処理に有用な混合物を提供することが可能である殺菌・殺カビ剤としては、アミスルブロム、アゾキシストロビン、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、フルアジナム、フルジオキソニル、フルキンコナゾール、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルトリアホール、フルキサピロキサド、イプコナゾール、イプロジオン、メタラキシル、メフェノキサム、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンフルフェン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、セダキサン、シルチオファム、テブコナゾール、チアベンダゾール、チオファネート-メチル、チラム、トリフロキシストロビン及びトリチコナゾールが挙げられる。
【0236】
種子処理に有用な式1の化合物を含む組成物は、植物病原性真菌若しくはバクテリア及び/又は線虫等の土壌伝播性動物による悪影響に対する保護をもたらすことが可能であるバクテリア及び真菌を更に含むことが可能である。殺線虫特性を示すバクテリアとしては、これらに限定されないが、バチルスフィルムス(Bacillus firmus)、セレウス菌(Bacillus cereus)、バチルスサブチリス(Bacilliussubtiliis)及びパスツリアペネトランス(Pasteuria penetrans)が挙げられ得る。好適なバチルスフィルムス(Bacillus firmus)菌株は、BioNem(商標)として市販されている菌株CNCM I-1582(GB-126)である。好適なセレウス菌(Bacillus cereus)菌株は、菌株NCMMI-1592である。両方のバチルス(Bacillus)菌株が米国特許第6、406、690号明細書に開示されている。殺線虫活性を示す他の好適なバクテリアは、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)IN937a及び枯草菌(B.subtilis)菌株GB03である。殺菌・殺カビ特性を示すバクテリアとしては、これらに限定されないが、B.プミルス(B.pumilus)菌株GB34が挙げられ得る。殺線虫特性を示す真菌性種としては、これらに限定されないが、ミロテシウムベルカリア(Myrothecium verrucaria)、パエシロマイセスリラシヌス(Paecilomyces lilacinus)及びプルプレオチリウムリラシヌム(Purpureocillium lilacinum)が挙げられ得る。
【0237】
種子処理は又、エルウィニアアミロボラ(Erwinia amylovora)等の一定のバクテリア性植物病原体から単離される、ハルピンと呼ばれるエリシタータンパク質等の天然の殺線虫性剤を1種又はそれ以上含んでいても良い。一例は、N-Hibit(商標)Gold CSTとして入手可能なHarpin-N-Tek種子処理技術である。
【0238】
種子処理は又、マイクロ共生窒素固定バクテリアであるダイズ根粒菌(Bradyrhizobium japonicum)等のマメ科植物-根粒形成菌種の1種又はそれ以上を含んでいても良い。これらの接種株は、場合により、マメ科植物の根における根粒形成の開始時に根粒菌によって生成される根粒形成(Nod)要因である1種又はそれ以上のリポキトオリゴ糖(LCO)を含んでいても良い。例えば、Optimize(登録商標)という銘柄の種子処理技術では、接種株と組合わせてLCO Promoter Technology(商標)が取り入れられる。
【0239】
種子処理は又、菌根菌による根コロニー形成レベルを高めることが可能である1種又はそれ以上のイソフラボンを含んでいても良い。菌根菌は、水、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩及び金属等の栄養分の根吸収を高めることにより植物の成長を向上させる。イソフラボンの例としては、これらに限定されないが、ゲニステイン、ビオカニンA、ホルモノネチン、ダイゼイン、グリシテイン、ヘスペレチン、ナリンゲニン及びプラテンセインが挙げられる。ホルモノネチンは、PHC Colonize(登録商標)AG等の菌根接種株製品における有効成分として入手可能である。
【0240】
種子処理は又、病原体との接触後に植物における全身獲得抵抗性を誘起させる1種又はそれ以上の植物活性化剤を含んでいても良い。このような保護メカニズムを誘起させる植物活性化剤の一例は、アシベンゾラル-S-メチルである。
【0241】
処理された種子は、典型的には、本発明の化合物を種子100kg当たり約0.1g~1kg/(即ち、処理前の種子の約0.0001~1重量%)の量で含む。種子処理用に配合された流動性懸濁液は、典型的には、活性処方成分約0.5~約70%、塗膜形成性接着剤約0.5~約30%、分散剤約0.5~約20%、増粘剤0~約5%の、顔料及び/又は染料0~約5%、消泡剤0~約2%、防腐剤0~約1%、並びに、揮発性液体希釈剤0~約75%を含む。
【0242】
本発明の化合物は、無脊椎有害生物により摂取されるか、又は、トラップ装置、餌場等において用いられる誘引組成物に組み入れても良い。このような誘引組成物は、(a)有効成分、即ち、生物学的に有効な量の式1の化合物、そのN-オキシド又は塩、(b)1種又はそれ以上の食材、場合により(c)誘引剤、及び、場合により、(d)1種又はそれ以上の湿潤剤を含む顆粒の形態でも良い。注目すべきは、顆粒又は誘引組成物が有効成分約0.001~5%、食材及び/又は誘引剤約40~99%、及び、場合により、湿潤剤約0.05~10%を含み、極めて低い施用量で、特に直接的な接触による致死量ではなく、むしろ摂食により致死量となる、有効成分の投与量で有害無脊椎土壌生物の防除に効果的であることである。数種の食材は、食物源及び誘引剤の両方として機能することが可能である。食材としては、炭水化物、タンパク質及び脂質が挙げられる。食材の例としては、野菜粉、糖質、デンプン、動物脂肪、植物油、イースト菌抽出物及び乳固形分である。誘引剤の例は、果実若しくは植物抽出物、芳香剤、或いは、他の動物若しくは植物成分、フェロモン、又は、標的とする無脊椎有害生物を誘引することが知られている他の薬剤等の匂い物質及び香料である。湿潤剤、即ち保湿剤の例は、グリコール及び他のポリオール、グリセリン及びソルビトールである。注目すべきは、アリ、シロアリ及びゴキブリからなる群から選択される少なくとも1種の無脊椎有害生物の防除に用いられる誘引組成物(及び、このような誘引組成物を利用する方法)である。無脊椎有害生物を防除するための装置は、本誘引組成物と、誘引組成物を収容するよう適応された筐体とを備えていることが可能であり、ここで、この筐体は、無脊椎有害生物が筐体の外の位置から誘引組成物に接近することが可能であるよう、無脊椎有害生物が通過することが可能である大きさの開口を少なくとも1つ有し、並びに、筐体は、無脊椎有害生物が活動する可能性がある場所若しくは既知の活動場所、又は、その付近に配置されるよう更に適応されている。
【0243】
本発明の一実施形態は、本発明の有害生物防除組成物(式1の化合物を界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤と配合したもの、又は、式1の化合物と少なくとも1種の他の有害生物防除剤との配合混合物)を水で希釈する工程、及び、場合により、補助剤を添加して希釈組成物を形成する工程、並びに、無脊椎有害生物又はその環境に有効量の前記希釈組成物を接触させる工程を含む無脊椎有害生物を防除する方法に関する。
【0244】
十分な濃度の本有害生物防除組成物を水で希釈して形成する噴霧組成物は無脊椎有害生物の防除に十分な効力をもたらすことが可能であるが、別個に配合された補助剤生成物を噴霧タンク混合物に添加しても良い。これらの追加の補助剤は通例、「噴霧補助剤」又は「タンク混合補助剤」として公知であり、有害生物防除剤の性能を向上させるか、又は、噴霧混合物の物理特性を改変するために噴霧タンクにおいて混合される何れかの物質を含む。補助剤は、界面活性剤、乳化剤、石油系作物油、作物由来の種子油、酸性化剤、緩衝剤、増粘剤又は消泡剤であることが可能である。補助剤は、効力(例えば、生物学的活性、付着性、浸透性、被覆均一性及び保護の耐久性)を高めるため、又は、配合禁忌、発泡、流動性、蒸発、揮発及び分解に関連する噴霧施用に係る問題を最小限とするか若しくは排除するために用いられる。最適な性能を得るために、補助剤は、活性処方成分、配合物及び標的(例えば、作物、昆虫有害生物)の特性に関連して選択される。
【0245】
噴霧補助剤のうち、作物油、作物油濃縮物、植物油濃縮物及びメチル化種子油濃縮物を含む油が、おそらくは噴霧による付着をより一様かつ均等化することにより、最も一般的に有害生物防除剤の効力の向上に用いられている。油又は他の不水和性の液体によって潜在的に引き起こされる殺草性が問題となる状況においては、本発明の組成物から調製される噴霧組成物は、一般に、油系噴霧補助剤を含有しないであろう。然しながら、油系噴霧補助剤によって引き起こされる殺草性が商業的に重要ではない状況においては、本組成物の組成物から調製される噴霧組成物は、油系噴霧補助剤を含有していても良く、これにより、無脊椎有害生物の防除、並びに、耐雨性を潜在的に更に高めても良い。
【0246】
「作物油」と表記される製品は、典型的には、パラフィン又はナフサ油系石油95~98%、及び、乳化剤として機能する1種又はそれ以上の界面活性剤1~2%を含有する。「作物油濃縮物」と表記される製品は、典型的には、乳化性石油系油80~85%及びノニオン性界面活性剤15~20%から構成される。正確には「植物油濃縮物」と表記される製品は、典型的には、植物油(即ち種子又は果実油、最も一般的には、綿、亜麻仁、ダイズ又はヒマワリ由来のもの)80~85%、及びノニオン性界面活性剤15~20%から構成される。補助剤性能は、典型的には植物油由来の脂肪酸のメチルエステルで植物油を置き換えることにより向上させることが可能である。メチル化種子油濃縮物の例としては、MSO(登録商標)Concentrate(UAP-Loveland Products、Inc.)及びPremium MSO Methylated Spray Oil(Helena Chemical Company)が挙げられる。
【0247】
噴霧混合物に添加される補助剤の量は、一般に、約2.5体積%を超えることはなく、より典型的には、この量は約0.1~約1体積%である。噴霧混合物に添加される補助剤の施用量は、典型的には1ヘクタール当たり約1~5Lである。噴霧補助剤の代表例としては:液体炭化水素中のメチル化ナタネ油47%であるAdigor(登録商標)(Syngenta)、ポリアルキレンオキシド変性ヘプタメチルトリシロキサンであるSilwet(登録商標)(Helena Chemical Company)、及び、パラフィン系鉱油83%中の界面活性剤17%ブレンドであるAssist(登録商標)(BASF)が挙げられる。
【0248】
本発明の化合物は、他の補助剤を伴わずに施用しても良いが、ほとんどの場合、施用は1種又はそれ以上の有効成分を好適な担体、希釈剤及び界面活性剤と共に含む配合物でなされ、おそらくは、企図する最終用途に応じて食品と組み合わされるであろう。1つの施用方法には、本発明の化合物の水分散体又は精製油溶液の噴霧を含む。噴霧油、噴霧油濃縮物、拡展剤、展着剤、補助剤、他の溶剤、及び、ピペロニルブトキシド等の共力剤との組み合わせて、度々、化合物の効力を高めている。非農学的用途に関しては、このような噴霧は、缶、ボトル又は他の容器から、ポンプにより、若しくは、加圧容器、例えば、加圧エアロゾル噴霧缶等、何れかからの放出により施用しても良い。このような噴霧組成物は、例えば、噴霧、ミスト、泡、煙霧又は霧といった種々の形態をとることが可能である。従って、このような噴霧組成物は、場合により、噴射剤、発泡剤等を更に含んでいても良い。注目すべきは、生物学的に有効な量の本発明の化合物又は組成物及び担体を含む噴霧組成物である。このような噴霧組成物の一実施形態は、生物学的に有効な量の本発明の化合物又は組成物と噴射剤とを含む。代表的な噴射剤としては、これらに限定する訳ではないが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ヒドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、及び、前述のものの混合物が挙げられる。注目すべきは、個別に又は組み合わせて、蚊、ブユ、サシバエ、メクラアブ、アブ、ワスプ、スズメバチ(yellow jacket)、スズメバチ(hornet)、マダニ、クモ、アリ、ブユ(gnat)等からなる群から選択される少なくとも1種の無脊椎有害生物の防除に用いられる噴霧組成物(及び、噴霧容器から分取されるこのような噴霧組成物を利用する方法)である。
【0249】
以下の試験は、特定の有害生物に対する本発明の化合物の防除効力を実証するものである。「防除効力」とは、無脊椎有害生物の発育を阻害し(死亡率を含む)摂食を著しく低減することを表す。然しながら、この化合物によって達成される有害生物の防除による保護を、これらの種のみに限定する訳ではない。化合物の説明については索引表A~Gを参照のこと。
【0250】
本発明の生物学的実施例
試験A~Fに係る配合及び噴霧法
アセトン10%、水90%、並びに、アルキルアリールポリオキシエチレン、遊離脂肪酸、グリコール及びイソプロパノールを含むX-77(登録商標)Spreader Lo-Foam Formulaノニオン性界面活性剤(Loveland Industries、Inc.Greeley、Colorado、USA)300ppmを含有する溶液、を用いて試験化合物を調合した。調合した化合物を、1mLの液体中で、各試験ユニットの最上部から1.27cm(0.5インチ)上方に位置した1/8 JJカスタムボディを備えるSUJ2噴霧器ノズル(Spraying Systems Co.Wheaton、Illinois、USA)を通じて施用した。試験化合物を記載している量で噴霧し、各試験を3回反復した。
【0251】
試験A
コナガ(Plutella xylostella(L.))の防除を評価するために、試験ユニットは小さく開口した容器からなり、内部に12~14日齢のマスタード植物を具備している。これは、接種器を使用して、試験ユニットに分配した約50匹の新生した幼虫を、トウモロコシの穂軸を介して前もって寄生させてある。幼虫は試験ユニットに分配した後に試験植物上に移動した。
【0252】
試験化合物を調合し、250ppmで噴霧した。調合した試験化合物を噴霧した後、各試験ユニットを1時間乾燥させ、次に次いで上部は黒色の遮蔽栓を被せた。試験ユニットを25℃、相対湿度70%の成育室内で6日間保持した。それから、植物の摂食障害を消費された葉に基づいて視覚的に評価し、及び、幼虫は死亡率について評価した。
250ppmで試験した式1の化合物のうち、以下の11及び111が非常に良好ないし卓越したレベルの防除効力(40%以下の摂食障害及び/又は100%の死亡率)を示した。
【0253】
試験B
接触及び/又は全身的手段による緑色モモアカアブラムシ(Myzus persicae(Sulzer))の防除を評価するために、試験ユニットは、小さく開口した容器から成り、内部に12~15日齢の大根植物を具備している。これは、培養植物から切除した葉片に(カットリーフ法)30-40匹のアブラムシを置くことによって試験植物の葉に前もって寄生させてある。アブラムシは乾燥した葉片として試験植物上に移動させた。前もって寄生させた後、試験ユニットの土を砂の層で覆った。
【0254】
試験化合物を調合し、250ppm及び/又は50ppmで噴霧した。調合した試験化合物を噴霧した後、各試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで上部は黒色の遮蔽栓を被せた。その試験ユニットを、19~21℃で相対湿度50~70%の成育室内で6日間保持した。次いで、各試験ユニットを昆虫死亡率について目視で評価した。
【0255】
250ppmで試験した式1の化合物のうち、以下の10、11、12、19、20、22、24、25、26、29、31、35、36、39、43、45、46、60、61、62、64、65、66、71、72、73、74、75、78及び79が少なくとも80%の死亡率をもたらした。
【0256】
50ppmで試験した式1の化合物のうち、以下の10、11、12、20、24、25、26、29、30、31、35、45、46、47、56、58、59、60、61、62、64、65、66、68、69、70、71、72、73、74、75、78、79、80、84、85、86、87、96、102、103、104、106、107、122、123、125、135、137、139、145、146、151、153、154、155、156、158、160、161、162及び163が、少なくとも80%の死亡率をもたらした。
【0257】
試験C
接触及び/又は全身的手段によるコットンメロンアブラムシ(Aphis gossypii(Glover))の防除を評価するため、試験ユニットは、小さく開口した容器から成り、内部に6~7日齢の綿花植物を具備している。これは、カットリーフ法に従って葉片上に30-40匹の昆虫を、前もって寄生させ、かつ、試験ユニットの土を砂の層で覆ったものである。
【0258】
試験化合物を調合し、250ppm及び/又は50ppmで噴霧した。噴霧した後、試験ユニットを、成育室内で19℃で、相対湿度70%に6日間維持した。それから、各試験ユニットを昆虫死亡率について目視で評価した。
【0259】
250ppmで試験した式1の化合物のうち、以下の10、11、12、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、31、33、34、35、37、38、45、46、62、64、65、66、71、72、76及び77が少なくとも80%の死亡率をもたらした。
【0260】
50ppmで試験した式1の化合物のうち、以下の10、11、12、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、33、34、35、45、46、47、52、54、56、59、62、64、65、66、67、69、70、71、72、76、77、78、80、84、85、86、87、96、101、102、103、104、105、106、107、112、114、119、122、123、125、128、129、131、135、137、139、145、146、151、154、155、156、158、160、161、162、163、164及び169が、少なくとも80%の死亡率をもたらした。
【0261】
テストD
接触及び/又は全身的手段によるジャガイモバッタ(Empoasca fabae(Harris))の防除を評価するため、試験ユニットは小さく開口した容器から成り、内部に5~6日齢のソレイユ豆(Soleil bean)植物(初生葉が出現している)を具備している。試験ユニットの土の上は白い砂を追加し、かつ、初生葉の1枚は試験化合物を施用する前に切除した。
【0262】
試験化合物を調合し、250及び/又は50ppmで噴霧した。調合した試験化合物を噴霧した後、試験ユニットはそれらに5匹のジャガイモバッタ(18~21日齢の成虫)を事後寄生させる前に1時間乾燥させた。黒色の遮蔽栓を試験ユニットの上部に被せ、次いで、試験ユニットは20℃、相対湿度70%で6日間、成育室内に保持した。それから、各試験ユニットの昆虫の死亡率について視覚的に評価した。
【0263】
250ppmで試験した式1の化合物のうち、以下の80、81、83及び163が少なくとも80%の死亡率をもたらした。
【0264】
試験E
接触及び/又は全身的手段によるスイートポテトヒラメ(Bemisia tabaci(Gennadius))の防除を評価するため、試験ユニットは、小さく開口した容器から成り、12~14日齢の綿花植物を内部に具備している。噴霧による施用の前に、子葉は両方とも植物から除去し、試験用に本葉1枚を残した。成虫のコナジラミが植物上に卵を産み付けるのを許容し、次いで試験ユニットからとり除いた。少なくとも15個の卵に寄生された綿花植物を噴霧試験に供した。
【0265】
試験化合物を調合し、250ppm及び/又は50ppmで噴霧した。噴霧した後、試験ユニットを、1時間乾燥させた。次いで、シリンダーを取り除き、ユニットを成育室内に移し、28℃、相対湿度50~70%で13日間保持した。それから、各試験ユニットの昆虫死亡率を目視で評価した。
【0266】
250ppmで試験した式1の化合物のうち、以下の2、12、25、29、47、48、55、56、57、58、59、62、64、84、102、104及び106が少なくとも50%の死亡率をもたらした。
【0267】
50ppmで試験した式1の化合物のうち、以下の24、25、47、62、65、66、102及び104が少なくとも50%の死亡率をもたらした。
【0268】
試験F
接触及び/又は全身的手段による西洋フラワーアザミウマ(Frankliniellla occidentalis(Pergande))の防除を評価するため、試験ユニットは、小さく開口した容器から成り、内部に5~7日齢のソレイユ豆植物を具備している。
【0269】
試験化合物を調合し、250ppm及び/又は50ppmで噴霧した。噴霧した後、試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで、22~27匹の成虫を各ユニットに加えた。上部に黒色の遮蔽栓を被せ、次いで、試験ユニットを、25℃、相対湿度45~55%で6日間保持した。
【0270】
250ppmで試験した式1の化合物のうち、以下の18、29、31、79及び90が非常に良好乃至卓越した水準(30%以下の植物障害、及び/又は100%の死亡率)の防除効果をもたらした。
【0271】
50ppmで試験した式1の化合物のうち、以下の18が非常に良好乃至卓越した水準(30%以下の植物障害、及び/又は100%の死亡率)の防除効果をもたらした。