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特許7011660創傷手入れを含む、微気候管理された皮膚手入れ
<図1>
  • 特許-創傷手入れを含む、微気候管理された皮膚手入れ 図1
  • 特許-創傷手入れを含む、微気候管理された皮膚手入れ 図1A
  • 特許-創傷手入れを含む、微気候管理された皮膚手入れ 図1B
  • 特許-創傷手入れを含む、微気候管理された皮膚手入れ 図2
  • 特許-創傷手入れを含む、微気候管理された皮膚手入れ 図3
  • 特許-創傷手入れを含む、微気候管理された皮膚手入れ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】創傷手入れを含む、微気候管理された皮膚手入れ
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20220119BHJP
   A61F 13/00 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A61M1/00 140
A61F13/00 305
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019532981
(86)(22)【出願日】2017-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 US2017066306
(87)【国際公開番号】W WO2018118619
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2019-08-14
(31)【優先権主張番号】15/384,196
(32)【優先日】2016-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニュートン カミール ローズ
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-542408(JP,A)
【文献】特表2009-509695(JP,A)
【文献】特表2003-532504(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0245527(US,A1)
【文献】特表2014-527418(JP,A)
【文献】特表平09-503923(JP,A)
【文献】特表2011-530344(JP,A)
【文献】特表2003-510106(JP,A)
【文献】特開2009-220829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61F 13/00
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の皮膚の特定領域のマイクロクライメットを管理することによって前記皮膚の特定領域を手入れするための装置であって、前記装置は、
出口ポートを含み、前記出口ポートから、レセプタクルの不透過性部分によって画定され前記出口ポートを通して挿入されたチューブの1つの端部を受け取るように配設されているサンプまで延在するチャンバを画定するレセプタクルを備え、前記チャンバは、前記レセプタクルの透過性部分を通して前記チャンバ中に引き込まれた流体を受け取るように形成され、流体は、前記サンプに適用された減圧によって前記チャンバ中に引き込まれ、
前記レセプタクルの透過性部分のさらに外側を覆うように設けられたウィッキング材料を備え、
前記皮膚の特定領域の少なくとも一部分を覆って前記ウィッキング材料の少なくとも一部を設置するように構成及び寸法設定され、それにより、前記ウィッキング材料の位置において、減圧が前記サンプに適用された場合、前記皮膚の特定領域の前記少なくとも一部分は、前記特定領域が湿っているときに蒸発冷却によって冷却される、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ウィッキング材料は、前記レセプタクルによって受け取られる、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記皮膚の特定領域の前記少なくとも一部分に前記ウィッキング材料が接触しないように構成されている前記装置の少なくとも一部分を覆う不透過性層を更に備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記不透過性層又は前記レセプタクルのうちの1つ又は複数の一部分内に配設された少なくとも1つの通気孔を更に備え、
前記少なくとも1つの通気孔は、前記ウィッキング材料が前記皮膚の特定領域の前記少なくとも前記一部分を覆って設置されている間、前記人の皮膚に接触しないように配設されることにより、前記皮膚の特定領域の少なくとも前記一部分から空気を引き込むことを促進し、前記減圧が適用されている間、前記ウィッキング材料がそのように設置されているところに隣接する前記人の皮膚の一部分において前記減圧が生じることを防止する、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記不透過性層によって提供された少なくとも1つの通気孔を更に備え、
前記少なくとも1つの通気孔は、前記少なくとも1つの通気孔の位置において前記ウィッキング材料を覆っていない、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記レセプタクルの不透過性部分内に配設された少なくとも1つの通気孔を更に備え、
前記少なくとも1つの通気孔は、前記ウィッキング材料が前記皮膚の特定領域の前記少なくとも一部分を覆って設置されている間、前記人の皮膚に接触しないように配設されることにより、前記皮膚の特定領域の少なくとも前記一部分から空気を引き込むことを促進し、前記減圧が適用されている間、前記ウィッキング材料がそのように設置されているところに隣接する前記人の皮膚の一部分において減圧が生じることを防止する、
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記皮膚の特定領域の少なくとも一部分を覆って設置するように配設されている前記ウィッキング材料の一部分に隣接して配設されている指ポケットを更に備え、
前記ポケットは指を覆って嵌合されるように構成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記レセプタクルは、潅注ポートを含み、液体が前記潅注ポート中に、そこから前記ウィッキング材料を通して前記チャンバ中に、そして前記皮膚の特定領域まで挿入される、
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記レセプタクルは、潅注ポートを含み、液体が前記潅注ポート中に、そして前記チャンバ中に挿入される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記レセプタクルの透過性部分は、複数の開口部を有する紡糸プラスチック材料を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年12月19日に出願された米国特許出願第15/384,196号に対する優先権を主張し、この出願の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、皮膚手入れに関連し、具体的には、創傷手入れを含む、皮膚の微気候管理によって人の皮膚を手入れするための装置及び方法を目的とする。
【背景技術】
【0003】
Lachenbruchの特許文献1は、人の皮膚の特定領域の手入れが、空気を皮膚の特定領域にわたって流動させて、蒸発によって皮膚の特定領域を冷却することによる等、皮膚の特定領域の微気候管理によって向上させられることを教示する。気動が、蒸発冷却を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第9,222,685号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書において開示される実施形態は、人の皮膚の特定領域を、皮膚の特定領域の微気候を管理することによって手入れするための装置及び関連する方法を提供する。一実施形態では、方法は、出口ポートを含んで出口ポートからサンプまで延在するチャンバを画定するレセプタクルを含み、サンプは、レセプタクルの不透過性部分によって画定され、出口ポートを通して挿入されたチューブの1つの端部を受け取るように配設され、チャンバは、レセプタクルの透過性部分を通してチャンバ中に引き込まれる流体を受け取るように形成されており、流体は、サンプに適用された減圧によってチャンバ中に引き込まれてもよい。レセプタクルは、ウィッキング材料をレセプタクルの透過性部分の少なくとも一部を覆って受け取るように構成され、また、ウィッキング材料の少なくとも一部を皮膚の特定領域の少なくとも一部分を覆って設置するように構成及び寸法設定され、それにより、ウィッキング材料の上記位置において、減圧がサンプに適用される場合、上記皮膚の特定領域の少なくとも一部分が、特定領域が湿っているときに蒸発冷却によって冷却される。
【0006】
本明細書において開示される実施形態は、また、皮膚の特定領域の微気候を管理することによって、人の皮膚の特定領域を手入れする方法を提供する。方法は、装置を皮膚の特定領域の少なくとも一部分に適用することを含み、装置は、出口ポートを含んで出口ポートからサンプまで延在するチャンバを画定するレセプタクルを備え、サンプは、レセプタクルの不透過性部分によって画定され、出口ポートを通して挿入されたチューブの1つの端部を受け取るように配設され、チャンバは、レセプタクルの透過性部分を通してチャンバ中に引き込まれる流体を受け取るように形成されており、流体は、サンプに適用された減圧によってチャンバ中に引き込まれてもよく、ウィッキング材料は、レセプタクルの透過性部分の少なくとも一部を覆って受け取られ、レセプタクルは、皮膚の特定領域の少なくとも一部分を覆ってウィッキング材料の少なくとも一部を設置するように構成及び寸法設定され、それにより、ウィッキング材料の上記位置において、減圧がサンプに適用される場合、皮膚の特定領域の少なくとも一部分が蒸発によって冷却され、不透過性層は、皮膚の特定領域の上記少なくとも一部分を覆ってウィッキング材料を設置するように構成されていない装置の少なくとも一部分を覆う。方法は、減圧をサンプに適用して、空気を皮膚の特定領域の少なくとも一部分から引き込まされることにより、特定領域が湿っているときに蒸発冷却によって特定領域の上記少なくとも一部分を冷却する。
【0007】
1つ又は複数の実施形態に従う装置は、皮膚の特定領域内の創傷を処置するために用いられてもよい。
【0008】
本明細書において開示された実施形態は、皮膚の特定領域の微気候を管理することによって、人の皮膚の特定領域内の創傷を手入れする方法を提供する。方法は、装置を皮膚の特定領域内の創傷に適用することを含み、装置は、出口ポートを含んで出口ポートからサンプまで延在するチャンバを画定するレセプタクルを備え、サンプは、レセプタクルの不透過性部分によって画定され、出口ポートを通して挿入されたチューブの1つの端部を受け取るように配設され、チャンバは、レセプタクルの透過性部分を通してチャンバ中に引き込まれた流体を受け取るように形成されており、流体は、サンプに適用される減圧によってチャンバに引き込まれてもよく、ウィッキング材料は、レセプタクルの透過性部分の少なくとも一部を覆って受け取られ、レセプタクルは、皮膚の特定領域内の創傷を覆ってウィッキング材料の少なくとも一部を設置するように構成及び寸法設定され、それにより、ウィッキング材料の上記位置において、減圧がサンプに適用される場合、皮膚の特定領域の創傷が、特定領域が湿っているときに蒸発冷却によって冷却され、不透過性層は、皮膚の特定領域の上記少なくとも一部分を覆ってウィッキング材料を設置するように構成されていない装置の少なくとも一部分を覆う。方法は、皮膚の特定領域内の創傷を処置することを含む。創傷を処置することは、液体をレセプタクルの潅注ポートを通して、それからウィッキング材料を通して、チャンバ中に、そして皮膚の特定領域内の創傷まで挿入することによって創傷を潅注することを含む。創傷を処置することは、減圧をサンプに適用して、創傷が湿っているときに創傷を蒸発冷却によって冷却させ、創傷を鮮創させることを含む。
【0009】
蒸発冷却によって皮膚の特定領域の少なくとも一部分を冷却することに加えて、本明細書において開示された装置及び方法は、装置を皮膚の特定領域の少なくとも一部分に適用している間に皮膚の特定領域の少なくとも上記一部分に適用することによって、減圧が適用されている間、ウィッキング材料がそのように設置されているところに隣接する人の皮膚の一部分に減圧が生じることを防止し、装置は、出口ポートを含んで出口ポートからサンプまで延在するチャンバを画定するレセプタクルを備え、サンプは、レセプタクルの不透過性部分によって画定され、そして出口ポートを通して挿入されたチューブの1つの端部を受け取るように配設され、チャンバは、レセプタクルの透過性部分を通してチャンバ中に引き込まれた流体を受け取るように形成されており、流体は、サンプに適用された減圧によってチャンバ中に引き込まれてもよく、ウィッキング材料は、レセプタクルの透過性部分の少なくとも一部を覆って受け取られ、レセプタクルは、皮膚の特定領域の少なくとも一部分を覆ってウィッキング材料の少なくとも一部を設置するように構成及び寸法設定され、それにより、ウィッキング材料の上記位置において、減圧がサンプに適用される場合、皮膚の特定領域の少なくとも一部分は、特定領域が湿っているときに蒸発冷却によって冷却され、不透過性層は、皮膚の特定領域の少なくとも一部分を覆ってウィッキング材料を設置するように構成されていない装置の少なくとも一部分を覆い、装置において、少なくとも1つの通気孔が、不透過性層又はレセプタクルのうちの1つ又は複数の一部分内に配設され、不透過性層又はレセプタクルのうちの1つ又は複数は、ウィッキング材料が皮膚の特定領域の少なくとも一部分を覆って設置されている間、人の皮膚と接触しないように配設される。
【0010】
開示された実施形態のうちの任意のものからの特徴は、制限無く互いに組合せて用いられてもよい。加えて、本開示の別の特徴及び長所は、以下の詳細な説明及び添付図面についての考察によって当業者に明らかになるであろう。実施形態の追加の特徴は、詳細な説明に関して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に従う皮膚手入れ装置の例示的実施形態についての概略図であり、内部チャンバが破線によって示されている。
図1A図1の線1a-1aに沿ってとられた図1に示すレセプタクルの概略端面断面図であり、出口ポートを通して内部チャンバ内に受け取られたチューブ、及びレセプタクルの一部分を覆うウィッキング材料を更に示している。
図1B図1の線1b-1bに沿ってとられた図1に示すレセプタクルの側断面図であり、出口ポートを通して内部チャンバ内に受け取られたチューブ、及びレセプタクルの一部分を覆うウィッキング材料を更に示している。
図2】皮膚が皮膚上に重なる領域を手入れするための実施形態に従う装置のウィッキング材料の例示的使用を示す。
図3】潅注ポートを更に含む、実施形態に従う装置の別の例示的実施形態の概略部分端面断面図であり、皮膚の特定領域を潅注するための潅注ポートと組合せて用いられてもよいシリンジを示す。
図4】指ポケットを更に含む、実施形態に従う装置の更に別の例示的実施形態の概略部分側断面図である。
【0012】
これらの図は、正確な縮尺率ではなく、又は例示的実施形態の様々な構成要素の形状を示すように描かれておらず、単に様々な構成要素の相対的配置を示す目的のためだけに描かれている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1、1A及び1Bを参照すると、実施形態に従う皮膚手入れ装置10の一例示的実施形態は、レセプタクル11を含む。レセプタクルは、出口ポート14を含み、出口ポート14からサンプ15まで延在するチャンバ13を画定する。サンプ15は、レセプタクル11の不透過性部分12aによって画定され、出口ポート14を通して挿入されたチューブ19の1つの端部を受け取るように配設されている。好ましくは、チューブ19がチャンバ13内に受け取られることにより、チューブ19の開放端が、サンプ15中に延在して、ストローを吸うときに提供される吸引作用のような、サンプ15内での吸引作用を可能にする。
【0014】
チャンバ13は、レセプタクル11の透過性部分12bを通してチャンバ13中に引き込まれた流体を受け取るように形成されている。流体は、チューブ19がサンプ15に適用する減圧によって、チャンバ13中に引き込まれてもよい。チャンバ13は、任意の形状であってもよく、典型的には円形よりも平坦である。
【0015】
レセプタクル11は、レセプタクル11の透過性部分12bの少なくとも一部を覆ってウィッキング材料18を受け取るように構成され、また、皮膚の特定領域の少なくとも一部分を覆ってウィッキング材料18の少なくとも一部を設置するように構成及び寸法設定されることにより、ウィッキング材料18のそのような位置において、減圧がサンプ15に適用される場合、皮膚の特定領域は、特定領域が湿っているときに蒸発冷却によって冷却される。
【0016】
ウィッキング材料18は、ファブリックのような例示的材料、及び微気候管理を阻害することなく、空気及び液体が通過することができる非常に多くの経路を画定する不織布材料(ガーゼ等)から選択される。
【0017】
皮膚手入れ装置10についてのこの例示的実施形態では、レセプタクル11の透過性部分12bは、複数(例えば、100超等の非常に多数)の小さい開口部(例えば、1μm以上の開口部)を有する紡糸プラスチック材料の網を含む。いくつかの実施形態では、紡糸プラスチック材料の透過性網は、シートを覆って屈曲する及び折り重なることによってチャンバ13の断面を画定することにより、シートの反対側側面が(16に示すように)一緒に近接して保持されるか、又は接触するように構成されているシートである。透過性網の反対側側面は、接着性バンドによって若しくは接着剤等の別の手段によって、又はウィッキング材料18(図1B)等のなんらかの物品がシートの周りに巻かれている場合に生成される圧縮力によって、一緒に保持されてもよい。いくつかの別の実施形態では、透過性網の反対側縁部が接触しない。
【0018】
図1A及び3において、チャンバ13は、長方形断面を有するように示されているけれども、レセプタクル11の透過性部分12bは、好ましくは、可撓性の紡糸プラスチック材料の折り重なったシートの2つの対向レセプタクルの間のチャンバ等の、チューブ19を受け取るのに十分な任意の断面形状等のなんらかの別の断面形状を有するチャンバ13を画定するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、ウィッキング材料18がレセプタクル11の透過性部分12bの少なくとも一部を覆うように受け取られ、皮膚手入れ装置10は、また不透過性層20を含む。不透過性層20は、皮膚の特定露出領域の少なくとも一部分に当接して設置するように配設されるウィッキング材料18の側面には配設されていない。不透過性層20は、皮膚の特定領域の一部分を覆ってウィッキング材料18を設置するように構成されていない装置10の少なくとも一部分を覆う。不透過性層20は、減圧の低下を減少させて、液体が皮膚手入れ装置10から外に漏れること並びに患者及び/又はユーザの衣服を濡らすことを防止することを助け、同時に、それでも空気がウィッキング材料18の覆われていない部分を通って流れることを可能にする。
【0020】
図1Aは、ウィッキング材料18が、レセプタクル11の透過性部分12bの断面周辺部の周り全体でレセプタクル11の透過性部分12bによって受け取られているのを示す。レセプタクル11が、ウィッキング材料18をレセプタクル11の透過性部分12bの断面周辺部の周り全体で受け取るように構成されていないいくつかの実施形態では、レセプタクル11の透過性部分12bは、また、チャンバ13の断面周辺部の周りに必ずしも配設されるわけではない。
【0021】
いくつかの実施形態では、レセプタクル11の不透過性部分12aは、不透過性層20と結合し、そして、レセプタクル11の透過性部分12bは、(図1Bに示すもの等と異なり)必ずしも不透過性層20下方に配設されるわけではなく、それによって、不透過性層20は、チャンバ13の長手方向延在部の一部分を画定する。
【0022】
不透過性層20は、皮膚ひだ内部、人の乳房下、人の腹部パンヌス下、人の葉腋内部、又は人の鼠径部領域の一部分内等の、皮膚が皮膚上に重なるような皮膚の領域を手入れするときには必要ではなく、その理由は、これらの領域内の皮膚の身体ひだが減圧の低下を防止し、それによって、減圧が適用されたときにウィッキング材料が蒸発冷却を十分に提供するからである。
【0023】
少なくとも1つの通気孔が、人の皮膚に接触しないように配設されている不透過性層20の一部分及び/又はレセプタクル11の一部分内に配設され、同時に、ウィッキング材料18が皮膚の特定領域の少なくとも一部分を覆って設置されていることにより、皮膚の特定領域の少なくともそのような部分から空気を引き込むことを促進し、そして減圧が適用される間、ウィッキング材料18がそのように設置されたところの皮膚の一部分において減圧が生じることを防止する。
【0024】
図1、1A及び1Bに関して本明細書に記載された例示的実施形態では、少なくとも1つの通気孔が、不透過性層20内の孔22によって提供される。
【0025】
いくつかの実施形態では、ウィッキング材料18は自然に排気させられるので、少なくとも1つの通気孔が、出口ポート14を含むレセプタクル11の端部等の通気孔の位置に、ウィッキング材料18を覆っていない不透過性層20によって提供されてもよい。通気孔は、サンプ15の近くに設置されてはならない。そうではなく、通気孔の位置は、サンプ15から遠位の不透過性層20又はレセプタクル11のいずれかの部分にあってもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの通気孔は、皮膚手入れ装置10が皮膚を手入れするために使用されている間、ウィッキング材料18を受け取るように、又は皮膚と接触するようには構成されていないレセプタクル11の不透過性部分内に配設されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、それぞれの通気孔は、約2ミリメートルの直径を有する孔22によって提供される。孔22のサイズ及び形状は、別の実施形態では異なってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの通気孔が、スリット等、円形以外のものであってもよい。少なくとも1つの通気孔は、空気がウィッキング材料18を通って流れている間に、ウィッキング材料18が設置されているところに隣接する人又は動物の皮膚の一部分において減圧が生じることを防止するような形状及びサイズのものである必要がある。
【0028】
通気孔は、上記のように不透過性層が不必要であるところの皮膚が皮膚上に重なるところの皮膚のそれらの領域を手入れするために装置10を使用するときには、空気に露出されてもよい。例えば、図2に示すように、ウィッキング材料18が乳房21下に配設されているとき、通気孔は、乳房21の少なくとも1つの側でのウィッキング材料18の露出によって提供される。
【0029】
図3を参照すると、別の例示的実施形態では、皮膚手入れ装置10’は、また、潅注ポート26を含む。いくつかの実施形態では、潅注ポート26は、ウィッキング材料18と不透過性層20との間に配設されてもよい。
【0030】
シリンジ28から延在するチューブ27が、潅注ポート26中に挿入され、そして皮膚の特定領域内の創傷が、シリンジを使用することによって潅注されて、液体を潅注ポート26を通して、それからウィッキング材料18を通してチャンバ13中に、そして皮膚の特定領域まで挿入する。皮膚の特定領域が創傷を含むとき、創傷は、サンプに減圧を適用することによって機械的に鮮創されて、死組織及び流体がウィッキング材料18’によって創傷から逃され、レセプタクルの透過性部分12bを通してサンプ中に引き抜かれ、サンプから、受け取られたチューブ19を通して運ばれるようにされる。
【0031】
そのような潅注は、ウィッキング材料18が適用されている皮膚の特定領域内の創傷を浄化してもよい。そのような潅注は、また、そのような特定領域に薬物及び有益な酵素を提供し、また、蒸発冷却を可能にし、及び皮膚に潤いを与えるための液体を提供する。
【0032】
図4を参照すると、実施形態に従う、皮膚手入れ装置30の別の例示的実施形態は、レセプタクルを含む。装置30は、透過性部分32と、不透過性部分33と、透過性部分32の一部分を覆うウィッキング材料34と、皮膚の特定領域の少なくとも一部分を覆う位置に対して配設されているウィッキング材料34の一部分に隣接して配設された指ポケット35と、を含む。指ポケット35は、指36を覆って嵌合されるように構成されている。装置30は、また、出口ポート37を含み、出口ポート37からサンプ39まで延在するチャンバ38を画定する。サンプ39は、レセプタクルの不透過性部分33の部分によって画定され、出口ポート37を通して挿入されたチューブ41の1つの端部を受け取るように配設される。好ましくは、チューブ41は、チャンバ38内に受け取られることにより、チューブ41の開放端がサンプ39中に延在し、サンプ39内での吸引作用を可能にする。
【0033】
減圧が、指ポケット35が使用されている間、サンプに適用される。
【0034】
また、皮膚の特定領域は、指ポケット35が使用されている間、(図3の26で示されるもの等の)潅注ポート中に挿入されたシリンジ(図示せず)の使用によって潅注されてもよい。
【0035】
外科医又は看護師が、指36を指ポケット35中に挿入し、シリンジによって皮膚の特定領域を潅注している間に、挿入された指36を用いて装置30を位置決めし、それによって手術中又は創傷を潅注している間に、皮膚の特定領域の清浄を維持し、それで皮膚の特定領域のより良好な視界を可能にする。
【0036】
指36が、手術中に指ポケット35内に挿入されているとき、操作チーム人員は、指ポケット35を使用して、穿孔された組織の孔を覆うようにウィッキング材料32を位置決めすることにより、穿孔された組織の孔から血液及び別の流体を除去してもよい。
【0037】
装置30を使用して、減圧をサンプ39に適用することによる特定領域が湿っているときの蒸発冷却によって、ウィッキング材料34が適用されている皮膚の特定領域の部分を冷却する。
【0038】
装置30は、また、上記のように、皮膚が皮膚上に重なるところの皮膚のそれらの領域を手入れするために使用されてもよい。
【0039】
様々な実施形態の使用例は、外傷又は疾患によって損なわれた皮膚を手入れすること、及び皮膚のひだ同士間又は乳房下等の皮膚の創傷又は別の特定領域から望ましくない湿気を除去することを含む。そのような湿気除去使用に対して、皮膚手入れ装置は、好ましくは、チャンバを通る湿気の流れを抑制するであろう不透過性障壁を含まない。
【0040】
本明細書で具体的に述べた利点は、すべての考え得る実施形態に必ずしも当てはまるわけではない。更に、そのような述べた利点は、単なる例であり、そして、本明細書で開示された実施形態の唯一の利点として解釈されてはならない。
【0041】
上記の説明は多くの特性を含むけれども、これらの特性は、この開示の範囲についての限定として解釈されてはならず、むしろ、本明細書に記載された好ましい実施形態の例として解釈されなければならない。別の変形が可能であり、そして、本発明の範囲は、本明細書に記載された実施形態によって決定されてはならず、むしろ請求項及びそれらの法的均等物によって決定されなければならない。
図1
図1A
図1B
図2
図3
図4