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特許7011665ウェハ接合のための犠牲アライメントリング及び自己はんだ付けビア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】ウェハ接合のための犠牲アライメントリング及び自己はんだ付けビア
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20220119BHJP
   H01L 25/065 20060101ALI20220119BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20220119BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
H01L21/60 311Q
H01L21/60 301N
H01L25/08 B
H01L21/60 301P
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019553248
(86)(22)【出願日】2018-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 US2018022720
(87)【国際公開番号】W WO2018182990
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-03-09
(31)【優先権主張番号】15/921,563
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/477,963
(32)【優先日】2017-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サトー、ジャスティン ヒロキ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ボミー
(72)【発明者】
【氏名】ルンディ、ウォルター
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-511137(JP,A)
【文献】特開2004-265888(JP,A)
【文献】特開2006-270075(JP,A)
【文献】独国特許発明第000010308871(DE,B3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60-607
H01L 25/00-18
H05K 3/02-26
H05K 3/32-34
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板を第2の基板に接合する方法であって、前記第1の基板は、前記第1の基板の上面上に第1の電気接点を含むとともに、前記第1の基板の上面上に第3の電気接点を含み、前記第3の電気接点は前記第1の電気接点から横方向に離間しており、前記第2の基板は、前記第2の基板の底面上に第2の電気接点を含み、前記方法は、
前記第1の基板の前記上面にポリイミドのブロックを形成するステップであって、前記ポリイミドのブロックは、丸みを帯びた上角部を有するステップと、
前記第1の電気接点が前記第2の電気接点に当接するまで、前記第1の基板の前記上面及び前記第2の基板の前記底面を互いに向かって垂直に移動させるステップであって、前記移動中、前記第2の基板は、前記ポリイミドの前記丸みを帯びた上角部と接触して、前記第1及び第2の基板を互いに対して横方向に移動させるステップと、
前記第3の電気接点上にアルミニウムパッドを形成するステップであって、前記ポリイミドのブロックの一部は直接前記アルミニウムパッドの上にある、ステップと、
ワイヤを前記アルミパッドに接続するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ポリイミドのブロックは、前記第1の電気接点を取り囲むリング形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリイミドのブロックと前記第1の基板との間に配設された無機材料の層を形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無機材料は、酸化物及び窒化物のうちの1つである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の電気接点のそれぞれは、Sn-Cu材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記Sn-Cu材料は、全体組成の割合として0.5%~5%のCuを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の電気接点のそれぞれは、前記Sn-Cu材料と接触する金属ブロックを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の電気接点のそれぞれと前記第2の電気接点のうちの1つとの間にはんだ接続が形成されるように、前記第1及び第2の電気接点に熱を加えるステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記移動させるステップの後に前記ポリイミドのブロックを除去するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリイミドのブロックを形成するステップは、
前記第1の基板の前記上面上にポリイミド層を形成するステップと、
前記ポリイミド層の部分を光に露出させるステップと、
光に露出された前記ポリイミド層の前記部分を除去するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1の基板を第2の基板に接合する方法であって、前記第1の基板は、前記第1の基板の上面上に第1の電気接点を含むとともに、前記第1の基板の上面上に第3の電気接点を含み、前記第3の電気接点は前記第1の電気接点から横方向に離間しており、前記第2の基板は、前記第2の基板の底面上に第2の電気接点を含み、前記方法は、
前記第1の基板の前記上面上及び前記第1の電気接点上に第1の材料を形成するステップと、
前記第1の材料を通って延在し、前記第1の電気接点を露出させるビアを形成するステップと、
前記ビア内にSn-Cu材料を形成するステップと、
前記第1の基板の前記上面上にポリイミドの層を形成するステップと、
前記ポリイミドの層の1つ以上の部分を選択的に除去し、前記第1の基板の前記上面上に前記ポリイミドのブロックを残すステップであって、前記ポリイミドのブロックは、丸みを帯びた上角部を有する、ステップと、
前記Sn-Cu材料が前記第2の電気接点に当接するまで、前記第1の基板の前記上面及び前記第2の基板の前記底面を互いに向かって垂直に移動させるステップであって、前記移動中、前記第2の基板は、前記ポリイミドの前記丸みを帯びた上角部と接触して、前記第1及び第2の基板を互いに対して横方向に移動させる、ステップと、
前記第3の電気接点上にアルミニウムパッドを形成するステップであって、前記ポリイミドのブロックの一部は直接前記アルミニウムパッドの上にある、ステップと、
ワイヤを前記アルミパッドに接続するステップと、を含む、方法。
【請求項12】
前記ポリイミドのブロックは、前記第1の電気接点を取り囲むリング形状を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリイミドのブロックと前記第1の基板との間に無機材料の層を形成するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記無機材料は、酸化物及び窒化物のうちの1つである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記Sn-Cu材料は、全体組成の割合として0.5%~5%のCuを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記Sn-Cu材料と前記第2の電気接点との間にはんだ接続が形成されるように、前記Sn-Cu材料に熱を加えるステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記Sn-Cu材料を形成するステップは、
Sn材料及びCu材料の別個の交互層を形成するステップと、
前記Sn材料層が前記Cu材料層と合金化するように、前記交互層を焼きなましするステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記Sn-Cu材料を形成するステップは、
前記第1の材料上及び前記ビア内に、Sn-Cu合金の層を形成するステップと、
前記ビア内の前記Sn-Cu合金を残しながら、前記第1の材料上の前記Sn-Cu合金の層を除去するステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記移動させるステップの後に前記ポリイミドのブロックを除去するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2017年3月28日に出願された米国特許仮出願第62/477,963号の利益を主張する。上記仮出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、半導体製造プロセスに関し、具体的には半導体ダイを半導体ウェハに接合することに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来のダイ積層プロセスでは、いくつかの用途に所望される精度でダイをウェハにうまく接合することが不可能である。例えば、1つの種類の回路(例えば、デジタル処理回路)を含むダイを、別の種類の回路(例えば、アナログ回路及びメモリ)を含むウェハに接合することを必要とする用途がある。ダイは、ウェハ上の相互コネクタと接触及び接続する電気コネクタ(例えば、露出導体又はパッド)を含む。接合を成功させるため、ダイがウェハに接合されたときに信頼性の高い電気的接続が形成されるように、コネクタは、接合前に互いにアライメントされる必要がある。しかしながら、デバイスの形状は小さくなる一方であるため、接合前にダイをウェハ(より具体的にはそれぞれのコネクタ)にアライメントすることはより困難になり、その結果、この2つの間の電気的接続は点接合で行われる。所望のアライメントを得ることは、非常に高価で複雑なアライメント装置を必要とする場合がある。また、コネクタを押し合わせることで、常に、即時の及び/又は長続きする電気的接続が生成されるわけではない。
【0004】
接合中に位置のずれたダイを適切なアライメントに誘導するために、アライメント構造を接合部位に隣接して形成するという、1つのソリューションが提案されてきた。ダイがウェハまで下げられると、いずれかの位置ずれが存在する場合、ダイは、アライメント構造に物理的にぶつかり、その物理的接触によって横方向に移動し、それによって、ダイがウェハに到達するまでに、それら2つは、互いに適切にアライメントされる。このアライメント技術を使用する従来の試みは、アライメント構造のためにAl、二酸化ケイ素、又は窒化ケイ素などの材料を使用してきた。しかしながら、これらの材料は、物理的接触時にダイを横方向に効果的に誘導するのに十分な弾性を欠き(アライメント構造及びダイの両方に過度の損傷がある)、このような材料を使用して十分なアライメント構造を作製することは困難であった。このような強固なアライメント構造を有するダイの衝突は、ダイを適切な位置に効果的に誘導しない。アライメント構造にポリマーを使用する中国特許公開第CN102403308号が提案されたが、このソリューションを実施するためのいずれの特定のポリマーも特定されなかった。多くの種類のポリマーは、Al、酸化物、又は窒化物よりも高い弾性を有するが、接合時に必要な高温(例えば、100C超)では柔らかすぎてアライメント構造としての役割を果たせず、典型的にはそのような温度で燃焼する。
【0005】
高価で複雑なアライメント装置を使用することなく、ダイをウェハに確実にアライメントさせ、なお、ダイとウェハとが接合されるときに、それらの間を電気的に接続させることを効果的に可能にする、アライメント構造及び技術が必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
上述の問題及び必要性は、第1の基板を第2の基板に接合する方法によって対処され、第1の基板は、第1の基板の上面上に第1の電気接点を含み、第2の基板は、第2の基板の底面上に第2の電気接点を含む。この方法は、第1の基板の上面上にポリイミドのブロックを形成するステップであって、ポリイミドのブロックは、丸みを帯びた上角部を有するステップと、第1の電気接点が第2の電気接点に当接するまで、第1の基板の上面及び第2の基板の底面を互いに向かって垂直に移動させるステップであって、移動中、第2の基板は、ポリイミドの丸みを帯びた上角部と接触して、第1及び第2の基板を互いに対して横方向に移動させるステップと、を含む。
【0007】
第1の基板を第2の基板に接合する方法であって、第1の基板は、第1の基板の上面上に第1の電気接点を含み、第2の基板は、第2の基板の底面上に第2の電気接点を含む、方法。この方法は、第1の材料を第1の基板の上面上及び第1の電気接点上に形成するステップと、第1の電気接点を露出させるために、第1の材料を通って延在するビアを形成するステップと、ビア内にSn-Cu材料を形成するステップと、第1の基板の上面上にポリイミドの層を形成するステップと、ポリイミドの層の1つ以上の部分を選択的に除去するステップと、ポリイミドのブロックを第1の基板の上面上に残すステップであって、ポリイミドのブロックは、丸みを帯びた上角部を有する、ステップと、Sn-Cu材料が第2の電気接点に当接するまで、第1の基板の上面及び第2の基板の底面を互いに向かって垂直に移動させるステップであって、移動中、第2の基板は、ポリイミドの丸みを帯びた上角部と接触して、第1及び第2の基板を互いに対して横方向に移動させる、ステップと、を含む。
【0008】
上面及び上面上の第1の電気接点を有する第1の基板と、底面及び底面上の第2の電気接点を有する第2の基板と、それぞれが第1の電気接点のうちの1つと第2の電気接点のうちの1つとの間に配設され、それらと電気的に接触する、Sn-Cu材料の複数のブロックと、を含む、接合アセンブリ。
【0009】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、請求項、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【0010】
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ポリイミドアライメント構造を形成する工程を示す断面側面図である。
図2】ポリイミドアライメント構造を形成する工程を示す断面側面図である。
図3】ポリイミドアライメント構造を形成する工程を示す断面側面図である。
図4】ポリイミドアライメント構造を形成する工程を示す断面側面図である。
図5】ポリイミドアライメント構造を形成する工程を示す断面側面図である。
図6】ポリイミドアライメント構造を形成する工程を示す断面側面図である。
図7】ポリイミドアライメント構造を形成する工程を示す断面側面図である。
図8】ポリイミドアライメント構造を形成する工程を示す断面側面図である。
図9】ポリイミドアライメント構造を形成する工程を示す断面側面図である。
図10】ダイをウェハにアライメントし、接合する工程を示す垂直断面側面図である。
図11】ダイをウェハにアライメントし、接合する工程を示す垂直断面側面図である。
図12】ダイをウェハにアライメントし、接合する工程を示す垂直断面側面図である。
図13】ダイをウェハにアライメントし、接合する工程を示す垂直断面側面図である。
図14】ダイをウェハにアライメントし、接合する工程を示す垂直断面側面図である。
図15】ダイをウェハにアライメントし、接合する工程を示す垂直断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、ダイの底面をウェハの上面に接合するためのアライメント及び電気接続技術並びにアライメント構造である。ウェハは、回路及び他の導電性要素が形成され、図1に示す(その上に形成される回路は図示せず)基板10を含み得、その基板の上面に垂直に延在する金属接点12を含む。図2に示すように、金属接点12とダイとの間の接合及び電気的接続を容易にするために、絶縁材料14の層(例えば、層間誘電体IMD)が、構造上に形成され、平坦化される。図3に示すように、ビア16は、絶縁体14内に形成され、それぞれのビア16は、金属接点12のうちの1つまで延在してそれを露出させる。ビア16は、フォトリソグラフィープロセスを使用して形成され得、フォトレジストは絶縁体14上に形成され、マスクを使用して選択的に露出され、現像される。次いで、フォトレジストの選択的部分が除去され、それぞれの金属接点の上の絶縁体14が露出される。次いで、絶縁材14の露出部分上でエッチングが実行されて、内部にビア16が作製される。
【0013】
Sn-Cu合金の層が構造上に堆積され、ビア16が充填される。次いで、Sn-Cu合金は、化学的機械的研磨(CMP)を使用して乾式エッチング又は研磨され、その結果、図4に示すように、Sn-Cu合金は絶縁体14の上面から除去されるが、ビアはSn-Cu接点18が充填されたままとなる。保護層20(酸化物又は窒化物などの無機材料からなる)は、構造上に形成される。図5に示すように、アルミニウムパッド22は、保護層がエッチングされている場合を除き、保護層20を介して選択的にエッチングし、構造をアルミニウムで被覆し、アルミニウムエッチングを実行してアルミニウムを除去することによって、Sn-Cu接点18のうちのいくつかの上に形成され得る。
【0014】
図6に示すように、第2の保護層24が構造上に形成される。この第2の保護層は、ポリイミドで形成される。図7に示すように、ポリイミド24の選択的部分24aは、フォトリソグラフィープロセスにおいて光子に露出される。あるいは、このパターニングを行うために、ウェハ全体の接触マスクが使用され得る。図8に示すように、ポリイミド24の露出部分24aは除去され、ダイに接合されるSn-Cu接点18を取り囲むポリイミドのリング24bは残される。ポリイミド24bのリングは硬化し、その縁部は丸められ、その結果、その上角部24cはテーパ形状になる。図9に示すように、リング内部の保護層20は、エッチングによって除去され、Sn-Cu接点18を露出させる。結果として生成される、Sn-Cu接点を取り囲むアライメント構造26は、保護材料20のリング上にポリイミド24bのリングを含み、これらは共に、SN-Cu接点18に対する全高Hを有する。非限定的な例では、アライメント構造の全高Hは、15~20μmであり得る。
【0015】
機械的ロボット支援のラフアライメントを使用して、ダイ30(例えば、好ましくは銅で作製された底面電気接点32を有する300mmのダイ)は、接合用のウェハ上に置かれ、可能な限り最良にアライメントされる。図10に示すように、最初にある程度の横方向のずれが存在し得る。図11図13に示すように、ダイ30は、位置ずれした状態で下げられると、アライメント構造26のポリイミド24bのテーパ形状角部24cと接触し、ポリイミドは衝撃を吸収し(図11)、ポリイミドのテーパ形状角部24Cの傾斜したプロファイルは、ダイを横方向に偏向させ(図12)、ウェハに到達するにつれ、その適切なアライメントに向かって誘導する(図13)。最終的な配置後、ウェハのSn-Cu接点18は、ダイ30上の対応する接点32と電気的に接触する。好ましくは特定の量の力が適用されて、ダイ30をウェハに押し付け、ウェハのSn-Cu接点18が、ダイ30の銅接点32に(すなわち、図14に示すように接点18と32との間にはんだ接合部34を生成することによって)自動的にはんだ付けされるまで加熱される。冷却後、接合は完了し、はんだ接合部34がウェハ接点18及びダイ接点32を一緒に接続させる。図15に示すように、ダイ30が定位置に接合された後に、ワイヤ36をアルミニウム接点22に接続することができる。
【0016】
ダイを定位置に誘導するためのポリイミドの使用(適切な機械的アライメントを伴う)は、多くの利点を有する。これにより、より小さいデバイス形状であっても、適切に形成された電気的接続でダイをウェハに確実に接合することが可能になる。ポリイミドは、リングなどの丈長で非脆性のアライメント構造において感光性光現像が可能である。感光性ポリイミドは、離れたところへ現像され、余分なエッチングなしに使用され得る。ポリイミドは、Sn-Cu接点を露出させるように保護層をエッチングするためのマスク層として更に機能する。アライメント構造26は、無機ベース(すなわち、保護層20)と、有機上部(すなわち、ダイと接触し、最初の接触の衝撃の一部を吸収し、アライメント補正横力を提供するための弾性材料としてのポリイミド頂部24b)との両方を含む。ポリイミド24bのテーパ形状側壁24cは、いずれかの構造への損傷を最小限に抑えながら、ダイ30を効果的に誘導する。ビア対ビア接続のアライメント許容差は、開口部及びアライメントリングの限界寸法限界値の変動よりも大きい。場合によっては、リング及びエッジビアにはいくらかの損傷があってもよく、これは、ポリイミド24bが、好ましくは接合後にその全体が除去されるという意味で、犠牲的であることが好ましいためである。更に、いくつかの用途では、ポリイミドリングに隣接する電気接点のうちの1つ以上がダミー接点であり、電気信号に実際には使用されない(すなわち、電気的接続がない)ことが望ましい場合がある。
【0017】
自動はんだ付けのためのSn-Cu合金接点の使用は、同様に多くの利点を有する。これは、高密度接合(例えば、ダイ1つ当たり数千の接合部)のための電気的接続形成を確実に提供し、ポリイミドアライメント構造に適合する。Sn-Cu接点は、熱(及び任意選択的にいくらかの圧縮力)を加えるだけで、ダイの対応する銅接点へのはんだ接続を形成する。Sn-Cu材料は、ウェハ又はダイを損傷し得るより高い温度を必要とせずに、ウェハとダイとの間の自己はんだ付けを可能にするのに十分低い融点を有する。Sn対Cuの相対的割合は、変化し得る。割合としてSnが大きすぎると、CMPが困難になり、割合としてCuが大きすぎると、エッチングが困難になる。全体組成範囲の割合として0.5~5%のCu及び95~99.5%のSnは、十分に低い十分な温度で、CMP処理とエッチング処理と有効な自己はんだ形成との間の全体組成の割合の理想的なバランスをとっていると判定された。均質に堆積されたSn-Cu合金材料を使用して接点18を形成することが好ましいが、Sn及びCuの別個の層を交互に繰り返し堆積させることにより、接点18を形成することも可能である。その後、SnがCuと合金化されるように焼きなましを行う。
【0018】
本発明は、本明細書に図示した上記実施形態に限定されるものではなく、任意の特許請求の範囲にあるあらゆる全ての変形例も包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、いかなる特許請求の範囲又は特許請求の範囲の用語も限定することを意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上述の材料、プロセス、及び数値例は、単なる例示であり、請求項を限定するものと見なされるべきではない。更に、ポリイミドアライメント構造は、ダイが配置される場所の周りの連続リングであってもよいが、リング形状である必要はなく(例えば、ダイの形状と一致する又は適合する四角や他の形状であってもよい)、また、連続的である必要はない(例えば、部分的なリング形状を有する、接点の両側にポリイミドの複数のブロックを有する、など、ポリイミドアライメント構造の1つ以上の個別のブロックであってもよい)。Sn-Cuを使用する自己はんだ付けソリューションは、ポリイミドアライメント構造を実装せずに実装することができ、その逆もまた同様であるが、それらを合わせることは、ダイ/ウェハ接合の従来技術よりも有意な利点をもたらす。ダイをウェハまで下げることは、ダイ底面をウェハ上面に向かって垂直に移動させることを含む。しかしながら、これらの表面を接触させることは、2つの表面を互いに向かって垂直に移動させることによって広く達成することができ、これは、ダイを静止したウェハに向かって移動させること、ウェハを静止したダイに向かって移動させること、又はダイとウェハの両方を互いに向かって同時に移動させることによって達成することができる。最後に、基礎をなす保護層22なしにポリイミドアライメント構造を実装することもできる。
【0019】
本明細書で使用される、用語「~上に(over)」及び「~の上に(on)」は共に、「直接的に~の上に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「間接的に~の上に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「取り付けられた」は、「直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結している)を含む。例えば、「基板上に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接的に基板の上にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板の上にその要素を形成することも含む可能性がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15