(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置
(51)【国際特許分類】
B65F 1/16 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
B65F1/16
(21)【出願番号】P 2020512861
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2017117137
(87)【国際公開番号】W WO2019041659
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-03-03
(31)【優先権主張番号】201710785342.2
(32)【優先日】2017-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518265155
【氏名又は名称】福建納仕達電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】陳 江群
(72)【発明者】
【氏名】林 洲
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107032021(CN,A)
【文献】特開平08-251982(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0061944(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00~ 1/16
H02P 3/00~ 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋開信号トリガー回路と、モータ正逆回転駆動回路と、マイコン制御ユニットと、を備え、蓋開信号トリガー回路が前記マイコン制御ユニットを通じて前記モータ正逆回転駆動回路の制御端に接続される電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置であって、
電子ゴミ箱の蓋が前記モータ正逆回転駆動回路によって電池により駆動され、電池の残容量が変化するときに蓋の開閉時間が変わっても所定位置でモータへの電力供給を停止して省電力制御を行うものであり、
ストール電流設定レジスタと、
0.1Ω~1Ωの範囲のサンプリング抵抗と、
RCフィルタと、順に接続されているA/Dコンバータと、アナログ-デジタル変換結果レジスタと、比較ユニットと、をさらに含み、前記比較ユニットの基準端が前記ストール電流設定レジスタに接続され、前記比較ユニットの出力端が前記マイコン制御ユニットに接続され;
前記サンプリング抵抗の一端は、前記モータ正逆回転駆動回路に接続され、他端がDC電源に接続され、前記サンプリング抵抗と前記モータ正逆回転駆動回路との接続点がモータ駆動動作のリアルタイム電流アナログ値を出力するサンプリング出力端であり、
前記サンプリング出力端が
前記RCフィルタを通して前記A/Dコンバータに接続され、前記A/Dコンバータにより前記リアルタイム電流アナログ値をデジタルリアルタイム電流値に変換した後、
前記アナログ-デジタル変換結果レジスタに保存し;
前記ストール電流設定レジスタには
基準電流値を保存し、前記基準電流値が実際のモータストール電流値より小さく、
前記比較ユニットが前記アナログ-デジタル変換結果レジスタ内の前記リアルタイム電流値と前記ストール電流設定レジスタ内に保存されている前記基準電流値を比較し、
前記リアルタイム電流値が前記基準電流値より大きい場合、前記比較ユニットはトリガー命令を前記マイコン制御ユニットに出力し、前記マイコン制御ユニットが前記モータ正逆回転駆動回路を制御することによってモータへの電力供給を停止する
ことを特徴とする、電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置。
【請求項2】
前記A/Dコンバータ、前記アナログ-デジタル変換結果レジスタ、前記ストール電流設定レジスタ、前記比較ユニット及び前記マイコン制御ユニットは、同じチップに統合されることを特徴とする、請求項1に記載の電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置。
【請求項3】
前記モータ正逆回転駆動回路の動作中、前記マイコン制御ユニットは、前記比較ユニットを制御して
50ms以下の設定時間ごとに前記リアルタイム電流値と前記基準電流値を比較することを特徴とする、請求項1に記載の電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気生活ゴミ容器の制御技術に関し、特に、電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子ゴミ箱は、基本的に2種類の開蓋トリガー回路方式があり、1つが誘導トリガー(誘導ゴミ箱)であり;もう1つはスイッチによるトリガー(タッチ開閉式電気ゴミ箱)である。大多数の電子ゴミ箱は、電池により電力供給されているため、消費電力の問題が電子ゴミ箱にとって特に重要である。電子ゴミ箱の消費電力は、2つの部分で構成され、1つ目が待機時消費電力量(蓋が動いていないとき)であり;2つ目は、動作時消費電力量(蓋が動いているとき)である。電子ゴミ箱の動作とは、モータの正転又は逆転によって蓋を開閉させる全過程をいう。蓋が所定の位置に開閉された後、規制されている状態にあるとき、モータがまだ通電している場合、モータがストール状態になる。現在電子ゴミ箱の蓋は、動作開始からモータへの電力供給停止まで制御プログラムによりモータに一定の回転時間を与え、これは一般的に1秒間に設計されている。
【0003】
しかしながら、電子ゴミ箱の蓋動作を駆動するためのモータは、DCモータであり、DCモータの特徴は電圧が高くなるほど、回転数も高くなり、ほぼ二乗関係になることである。実際、電子ゴミ箱の使用中では、電池容量が徐々に低下し、電池の電圧も徐々に低下し、使い捨て電池の場合、満容量の1.5Vから1.0Vに下がると、容量は使い果たされたことになる。したがって、電池容量が十分な場合、電圧が高く、モータの回転速度が速く、蓋開閉に必要な動作時間は0.5秒程度しかかからず;電池容量が不十分で、電圧が低い場合、モータの回転速度が遅くなり、蓋開閉の動作時間が1秒程度かかる。設計時に電池容量がほとんど使い果たされた場合でも、電池容量が不十分な場合(電圧が比較的低い場合)に蓋を所定位置まで開閉できることを確保するため、モータの一定回転時間は、低電圧、モータ低回転数に必要な1秒になるように設計されている。
【0004】
ただし、電池容量が十分で、電圧が比較的高い場合、実際の蓋開閉の動作時間は、0.5秒程度しかかからず、残りの0.5秒程度でモータがストール状態になる。従来の12リットルの誘導ゴミ箱テストを例にすると、電池容量が十分な場合(電池電圧が1.5V)、蓋が動作している時のモータ電流は70mAで、蓋が所定位置まで開く時間は、0.5秒で、蓋が所定の開位置にあるため、残りの0.5秒時間はモータがストール状態にあり、モータのストール電流が230mAで、開蓋に必要な実際の電力=70mA×0.5秒÷3600=0.0097mAhであり、ストール状態での無駄な電力=230mA×0.5秒÷3600=0.0319mAhである。言い換えれば、電池容量が十分な場合、蓋の動作によって無駄になる電力は、実際に必要の電力の3倍程度である。現在、蓋が所定位置まで開閉されたことを判断するため、光電センサ又はホールセンサを使用する方法もあるが、回路が複雑で、コストも比較的高く、幅広く活用されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、構造が単純で、コストが低く、電池利用率をアップすることができる電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
蓋開信号トリガー回路と、モータ正逆回転駆動回路と、マイコン制御ユニットと、を備え、蓋開信号トリガー回路がマイコン制御ユニットを通じてモータ正逆回転駆動回路の制御端に接続される電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置であって、ストール電流設定レジスタと、サンプリング抵抗と、順に接続されているA/Dコンバータと、アナログ-デジタル変換結果レジスタと、比較ユニットと、をさらに含み、比較ユニットの基準端がストール電流設定レジスタに接続され、比較ユニットの出力端がマイコン制御ユニットに接続され;
サンプリング抵抗の一端は、モータ正逆回転駆動回路に接続され、他端がDC電源に接続され、サンプリング抵抗とモータ正逆回転駆動回路との接続点がモータ駆動動作のリアルタイム電流アナログ値を出力するサンプリング出力端であり、サンプリング出力端がA/Dコンバータに接続され、A/Dコンバータによりリアルタイム電流アナログ値をデジタルリアルタイム電流値に変換した後、アナログ-デジタル変換結果レジスタに保存し;ストール電流設定レジスタには設定基準電流値を保存し、前記基準電流値が実際のモータストール電流値より小さく、比較ユニットがアナログ-デジタル変換結果レジスタ内のリアルタイム電流値とストール電流設定レジスタ内に保存されている基準電流値を比較し、リアルタイム電流値が基準電流値より大きい場合、比較ユニットはトリガー命令をマイコン制御ユニットに出力し、マイコン制御ユニットがモータ正逆回転駆動回路を制御することによってモータへの電力供給を停止することを特徴とする。
【0007】
モータ通電状態において、モータに流れる電流は同時にサンプリング抵抗にも流れるため、サンプリング抵抗の両端の電圧はモータの現在の電流値を反映し、前記電圧をアナログ-デジタル変換によってデジタル数値に変換してリアルタイム数値とすることで、その電流の大きさの判断を容易にする。アナログ-デジタル変換結果レジスタの値がストール電流設定レジスタの値より小さい場合、蓋動作を駆動するモータが本来の通電状態を維持し、アナログ-デジタル変換結果レジスタの値がストール電流設定レジスタの値より大きい場合、モータへの電力供給を停止する。モータがストールすると、発生するピークインパルス電流は、瞬間に実際のストール電流値に達するため、設定電流値を容易に超え、したがってストールが発生すると、モータへの電力供給を速やかに停止するため、電子ゴミ箱動作時の消費電力を大幅に削減し、電池の寿命を延ばし;また本発明は、ストロークセンサを必要とせずに蓋が所定位置まで開閉された状態の間接的なフィードバックを実現する単純なサンプリング、比較制御方法を用い、構造が単純で、コストも低く、信頼性が高い。
【0008】
本発明の更なる具体的な手段として、
前記A/Dコンバータ、アナログ-デジタル変換結果レジスタ、ストール電流設定レジスタ、比較ユニット及びマイコン制御ユニットは、同じチップに統合される。
【0009】
又は、マイコン制御ユニットに接続される外付けアナログ-デジタル変換チップを設け、アナログ-デジタル変換結果レジスタ、ストール電流設定レジスタ及び比較ユニットの機能がマイコン制御ユニットによって実現される。
【0010】
RCフィルタをさらに含み、前記サンプリング出力端は前記RCフィルタを通じてA/Dコンバータに接続される。
【0011】
サンプリング抵抗の抵抗値が0.1Ω~1Ωの範囲であるため、サンプリング抵抗の取り得る抵抗値の要求が比較的小さく、モータ電流がサンプリング抵抗に流れることで生じる電圧降下が比較的小さく、モータ回路の効率への影響も比較的小さくなる。より安定したサンプリング値を得るため、サンプリング抵抗の両端の電圧がRCフィルタによってフィルタリングした後でその目的を達成できる。
【0012】
モータ正逆回転駆動回路の動作中、マイコン制御ユニットは、比較ユニットを制御して設定時間ごとにリアルタイム電流値と基準電流値を比較する。
【0013】
蓋開の最短時間は、前記設定時間の整数倍であり、例えば電池の満容量になった場合のストールなしの蓋開時間が500msであり、設定時間は50ms或いは25msであってもよく、このようにしてモータストールが発生した場合でも、ストール時間も上記の設定時間を超えないため、モータストール時間をさらも大幅に短縮し、電子ゴミ箱動作時の消費電力を節約する。
【0014】
上記をまとめると、本発明により提案される電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置は、単純なサンプリング、比較制御方法を用いて蓋が所定位置まで開閉された状態の間接的なフィードバックを実現し、ストールが発生すると、モータへの電力供給を速やかに停止できることで、電子ゴミ箱動作時の消費電力を大幅に削減し、電池の寿命を延ばし;ストロークセンサを必要とせず、構造が単純で、コストも低く、信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置の回路構造を示す模式図である。
【
図2】本発明に係る電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置のワークフローを示す模式図である。
【
図3】本発明に係る電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置のワークフロー中のストールテストサブルーチンのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態を参照しつつ、本発明をさらに説明する。
【0017】
図1を参照すると、電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置で、蓋開信号トリガー回路1と、モータ正逆回転駆動回路3(モータ5を含む)と、サンプリング抵抗4と、A/Dコンバータ21と、アナログ-デジタル変換結果レジスタ22と、ストール電流設定レジスタ24と、比較ユニット23と、RCフィルタ8と、を含む。蓋開信号トリガー回路1は、蓋を開くとP6ポートで蓋開信号を生成してマイコン制御ユニット2に伝送し、モータ正逆回転駆動回路3がモータ5、トランジスタQ1~Q4及び抵抗R1~R4で構成され、モータ5に通電した後、モータ5が減速機6を駆動して回転させ、減速機6が蓋7を駆動して動作させ;サンプリング抵抗4は、抵抗R5で構成され;RCフィルタ8は、抵抗器R6とコンデンサC1で構成される。
【0018】
前記サンプリング抵抗4は、モータ正逆回転駆動回路3と直列に接続した後、DC電源の正極・負極両端に接続されている。具体的にはサンプリング抵抗4の一端は、電源の負極に接続され、他端がモータ正逆回転駆動回路3に接続され、モータ正逆回転駆動回路3と接続する点がサンプリング出力端であり、RCフィルタ8を通じてA/Dコンバータの入力端P5ポートと接続する。モータ正逆回転駆動回路3がモータ5に通電制御する際に、モータ5に流れる電流は同時にサンプリング抵抗4にも流れるため、サンプリング抵抗4の両端の電圧がモータ5の現在の電流値を反映し、前記電圧をアナログ-デジタル変換によってデジタル数値に変換してリアルタイム数値とすることで、その電流の大きさの判断を容易にする。
【0019】
A/Dコンバータ21は、P5ポートの電圧をアナログ-デジタル変換し、変換後のデータをアナログ-デジタル変換結果レジスタ22に格納され、比較ユニット23が前記サンプリング値とストール電流設定レジスタ24内の設定値を比較し、アナログ-デジタル変換結果レジスタ22の値がストール電流設定レジスタ24の値より小さい場合、蓋7動作を駆動するモータ5が通電状態のままにされ;アナログ-デジタル変換結果レジスタ22の値がストール電流設定レジスタ24の値より大きい場合、マイコン制御ユニット2は、モータ正逆回転駆動回路3を制御してモータ5への電力供給を停止する。
【0020】
ストール電流設定レジスタ24の値は、実際の回路のストール電流より小さく、蓋が動作している時のモータ電流より大きくなるように設計する必要がある。例えば12リットルの誘導ゴミ箱回路の実測のモータストール電流は230mAであり、蓋が動作している時のモータ電流が70mAである場合、ストール電流設定レジスタ24の値を200mAに設定できる。アナログ-デジタル変換を行わないマイコン制御ユニットには、外付けアナログ-デジタル変換チップを単独で接続できる。本実施形態は、A/Dコンバータ21、アナログ-デジタル変換結果レジスタ22、ストール電流設定レジスタ24、比較ユニット23及びマイコン制御ユニット2をマイコン制御チップに統合することで、回路がより簡潔で信頼性がある。
【0021】
これにより、サンプリング抵抗4は、マイコン制御ユニット2のアナログ入力ポートP5に直接接続されることができる。本実施形態は、RCフィルタ8を通じてマイコン制御チップのアナログ-デジタル変換入力端P5に接続され、サンプリング抵抗4の両端の電圧がRCフィルタによってフィルタリングした後、より安定し、モータ正逆回転駆動回路3の他端が電源の正極に接続され、サンプリング抵抗4の取り得る抵抗値が0.5Ωであり、モータ5の回転電流が70mAの場合、サンプリング抵抗4の両端の電圧降下=0.07A×0.5Ω=0.035Vとなり;モータ5のストール電流が230mAの場合、サンプリング抵抗4の両端の電圧降下=0.23A×0.5Ω=0.115Vとなり、DC電源が3Vの場合、サンプリング抵抗4はモータ回路の効率にほとんど影響しない。
【0022】
以下、本発明の前記電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置のジョブフローは、
図2及び
図3を参照しつつ、具体的に説明する。
【0023】
ステップS01:マイコン制御チップの入力ポートP6が開蓋トリガー信号を受信したかどうかを判断し、信号を受信していない場合、ステップS01を実行し続け;信号を受信した場合、ステップS02を実行する。
【0024】
ステップS02:マイコン制御チップの出力ポートをP1=P4=0(低電力レベル)、P2=P3=1(高電力レベル)に設定し、トランジスタQ1とQ3をオンにし;Q2とQ4をオフにし、モータに順方向の電流を通して起動し、蓋を開けて、ステップS03を実行する。
【0025】
ステップS03:レジスタR20=40に設定し、ステップS04を実行する。
【0026】
ステップS04:25ms遅延後、ステップS05を実行する。
【0027】
ステップS05:ストール電流テストサブルーチンを呼び出し、戻った後ステップS06を実行する。
【0028】
ステップS06:レジスタR21が0であるかどうかを判断し、R21=0(蓋7が所定位置まで開けず、モータ5にストール現象が起きないことを示す)の場合、ステップS07を実行し;R21≠0(蓋7が所定位置まで開け、モータ5にストール現象が起きたことを示す)の場合、ステップS08を実行する。
【0029】
ステップS07:レジスタR20が1減った場合は0か、0でなければ(開蓋動作時間が1Sを超えないことを示す)、プログラムはステップS04に戻り;0であれば(開蓋動作時間が1Sを超えることを示す)、プログラムはステップS08を実行する。
【0030】
ステップS08:マイコン制御チップの出力ポートP1=P2=1を(高電力レベル)、P3=P4=0を(低電力レベル)に設定し、トランジスタQ1、Q3、Q2及びQ4をオフにし、モータの電源が落ちて回転を停止し、蓋が開状態にあり、プログラムはステップS09を実行する。
【0031】
ステップS09:プログラムは、3秒遅延(3秒間蓋は開けたままされ、ゴミを投げる時間)され、次いでステップS10を実行する。
【0032】
ステップS10:マイコン制御チップの出力ポートP1=P4=1を(高電力レベル)、P2=P3=0を(低電力レベル)に設定し、トランジスタQ1とQ3をオフにし、Q2とQ4をオンにし、モータに逆方向の電流を通して起動し、蓋が閉じた後、ステップS11を実行する。
【0033】
ステップS11:レジスタR20=40に設定した後、ステップS12を実行する。
【0034】
ステップS12:25ms遅延後、ステップS13を実行する。
【0035】
ステップS13:ストール電流テストサブルーチンを呼び出し、戻った後ステップS14を実行する。
【0036】
ステップS14:レジスタR21が0であるかどうかを判断し、R21=0(蓋7が所定位置まで閉めず、モータ5にストール現象が起きないことを示す)の場合、ステップS15を実行し;R21≠0(蓋7が所定位置まで閉め、モータ5にストール現象が起きたことを示す)の場合、ステップS16を実行する。
【0037】
ステップS15:レジスタR20が1減った場合は0か、0でなければ(閉蓋動作時間が1Sを超えないことを示す)、プログラムはステップS12に戻り;0であれば(閉蓋動作時間が1Sを超えることを示す)、プログラムはステップS16を実行する。
【0038】
ステップS16:マイコン制御チップの出力ポートP1=P2=1を(高電力レベル)、P3=P4=0を(低電力レベル)に設定し、トランジスタQ1、Q3、Q2及びQ4をオフにし、モータの回転を停止し、蓋が閉状態にあり、プログラムはS01ステップに戻り、次にゴミを投げるときの準備をする。
【0039】
ストール電流テストサブルーチンは、ステップS17から実行され、サブルーチン実行の各ステップの内容は次のとおりである。
【0040】
ステップS17:マイコン制御ユニット2は、A/Dコンバータ21にイネーブル信号を与え、A/Dコンバータ21がナログポートP5の現在の電圧をアナログ-デジタル変換し、変換完了後、ステップS18を実行する。
【0041】
ステップS18:アナログ-デジタル変換結果のデータをアナログ-デジタル変換結果レジスタ22に格納し、プログラムはステップS19を実行する。
【0042】
ステップS19:比較プログラム23において、アナログ-デジタル変換結果レジスタ22の値とストール電流設定レジスタ24の値の大きさを比較し:アナログ-デジタル変換結果レジスタ22の値がストール電流設定レジスタ24の値より小さい場合、ステップS20を実行し;アナログ-デジタル変換結果レジスタ22の値がストール電流設定レジスタ24の値より大きい場合、ステップS21を実行する。
【0043】
ステップS20:レジスタR21=0に設定した後、ステップS22を実行する。
【0044】
ステップS21:レジスタR21=1に設定した後、ステップS22を実行する。
【0045】
ステップS22:メインプログラムに戻る。
【0046】
マイコン制御ユニット2にはストール電流テストサブルーチンが設けられており、電子ゴミ箱が蓋開閉動作プログラムを実行する時、25msごとにストール電流テストサブルーチンが呼び出される。蓋が所定位置まで開閉されていても、モータ5のストール時間も25ms程度を超えないため、モータ5のストール時間は大幅に短縮される(本願の技術を使用しない場合、モータ5のストール時間は500msである)。したがって本発明に係る電子ゴミ箱は、電池容量が十分な場合、動作時の消費電力が従来技術より3.5倍程度小さい。
【0047】
本発明の実施形態に係る前記電子ゴミ箱動作時の省電力制御装置の動作原理を次に説明する。
マイコン制御チップの入力ポートP6が開蓋トリガー信号を受信した後、プログラムはステップS02を実行し、ステップS02において、マイコン制御チップは出力ポートP1、P4を低電力レベル、P2、P3を高電力レベルに設定し、モータ正逆回転駆動回路3内のトランジスタQ1とQ3をオンにし、Q2とQ4をオフにし、モータ5に順方向電圧を印加した後に正転し始める。プログラムは、ステップS03を実行し、マイコン制御ユニット2内のデータレジスタR20=40を設定し、プログラムがステップS04の25ms遅延、ステップS05のストール電流テストサブルーチンの呼び出しを実行する。ストール電流テストサブルーチンでは、アナログ-デジタル変換結果レジスタ22の値とストール電流設定レジスタ24の値の大きさを比較プログラム23内で比較し;アナログ-デジタル変換結果レジスタ22の値がストール電流設定レジスタ24の値より小さい場合、マイコン制御ユニット2内のデータレジスタR21=0に設定し;アナログ-デジタル変換結果レジスタ22の値がストール電流設定レジスタ24の値より大きい場合、R21=1に設定する。次にメインプログラムに戻り、ステップS06を実行して、R21が0であるかどうかを判断し、0でない場合、モータにストール現象が起きたこと(蓋が所定位置まで開けた)を示し、プログラムがステップS08にジャンプしてモータへの電力供給を停止し;0である場合、モータにストール現象が起きないこと(蓋が所定位置まで開かない)を示し、プログラムはステップS07を実行して、レジスタR20を1減らし、更にレジスタR20が0であるかどうかを判断し、0でない場合、設定した1秒の動作時間にまだ達していないことを示し、プログラムがステップS04に戻り;0である場合、設定した1秒の動作時間が達成したことを示し、プログラムがステップS08を実行し,マイコン制御チップの出力ポートP1、P2を高電力レベル、P3、P4を低電力レベルに設定し、トランジスタQ1、Q3、Q2及びQ4をオフにし、モータの電源が落ちて回転を停止する、ステップS09を実行し3秒間蓋は開けたままされる。上記S02~ステップS08からモータ5にストール現象が起きた時、25ms程でモータへの電力供給を停止し;モータ5にストール現象が起きない場合、1秒後にモータへの電力供給も停止することが分かる。
【0048】
本発明の描写されていない部分は、従来技術と同じである。
【符号の説明】
【0049】
1................................................ 蓋開信号トリガー回路
2................................................ マイコン制御ユニット
21............................................. A/Dコンバータ
22............................................. アナログ-デジタル変換結果レジスタ
23............................................. 比較ユニット
24............................................. ストール電流設定レジスタ
3................................................ モータ正逆回転駆動回路
4................................................ サンプリング抵抗
5................................................ モータ
6................................................ 減速機
7................................................ 蓋
8................................................ RCフィルタ
C1............................................. コンデンサ
P1~P6.................................... マイコン制御ユニットポート
Q1~Q4................................... トランジスタ
R1~R6................................... 抵抗