(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】負荷インピーダンステスターおよび測定方法
(51)【国際特許分類】
G01R 27/02 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
G01R27/02 A
(21)【出願番号】P 2020548853
(86)(22)【出願日】2017-12-04
(86)【国際出願番号】 US2017064452
(87)【国際公開番号】W WO2019112549
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】594203852
【氏名又は名称】エアロジェット ロケットダイン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ヘスターマン,ブライス エル.
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-169527(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0032147(US,A1)
【文献】特開2010-281588(JP,A)
【文献】特開2011-102756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/02
G01R 31/36
H01M 10/42
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号インジェクタであって、電圧入力および電圧出力、制御可能なスイッチ、ならびに前記電圧入力と前記電圧
出力との間で前記制御可能なスイッチと並列に接続された電圧降下デバイスを有し、前記電圧出力が負荷に接続された、信号インジェクタと、
前記負荷に亘る電圧を測定するように構成された電圧センサと、
前記負荷の電流引き込みを測定するように構成された電流センサと、
ある周波数における前記負荷のインピーダンスを測定するように構成されたコンピューティングデバイスと、
を備え、
前記インピーダンスは、測定された電圧と測定された電流に基づいており、前記コンピューティングデバイスは、前記周波数に基づいて前記スイッチを制御
し、
前記電圧降下デバイスが、複数の直列接続されたダイオードを備えた、インピーダンス測定回路。
【請求項2】
前記制御可能なスイッチが閉じている間、前記電圧降下デバイスを短絡させ
ることを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス測定回路。
【請求項3】
前記スイッチの制御入力に接続されたゲートドライバをさらに備えることを特徴とする請求項
2に記載のインピーダンス測定回路。
【請求項4】
前記複数の直列接続されたダイオードが
、同一であることを特徴とする請求項
1に記載のインピーダンス測定回路。
【請求項5】
前記複数の直列接続されたダイオードが、少なくとも2組の実質的に異なるダイオードを含むことを特徴とする請求項
1に記載のインピーダンス測定回路。
【請求項6】
前
記電圧降下デバイスに亘る電圧降下は、電圧出力での予想電圧の最大で3%であることを特徴とする請求項
1に記載のインピーダンス測定回路。
【請求項7】
前
記電圧降下デバイスに亘る電圧降下は、電圧出力での予想電圧の1%~3%の間であることを特徴とする請求項
6に記載のインピーダンス測定回路。
【請求項8】
前記負荷がプラズマスラスタであることを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス測定回路。
【請求項9】
前記電圧入力が、硬電圧源に接続されることを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス測定回路。
【請求項10】
電圧源から負荷に電圧を提供し、
方形波の摂動を前記電圧に注入し、
前記負荷の電流引き込みと前記負荷に亘る電圧とを測定して、その測定値をコンピューティングデバイスに提供し、
前記コンピューティングデバイスを使用して前記負荷に亘る電圧と前記負荷の電流引き込みとを分析し、それにより前記負荷のインピーダンスを決定する、
ことを備え
、
前記方形波の摂動を前記電圧に注入することが、電圧降下デバイスを通して前記電圧を通過させることと、前記電圧降下デバイスをバイパスさせることとを交互に繰り返すことを備え、前記交互に繰り返すことは、設定された周波数で行われ、
前記電圧降下デバイスを通して前記電圧を通過させることが、複数の直列に接続されたダイオードを通して前記電圧を通過させることを備えた、負荷のインピーダンスを決定する方法。
【請求項11】
前記負荷に亘る電圧と前記負荷の電流引き込みとを分析することが、前記電圧の基本成分を前記電流引き込みの基本成分で割った比を求めることを備えた、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記コンピューティングデバイスは、フーリエ変換を使用して、前記分析された電圧から前記電圧の基本成分を抽出することを特徴とする請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記コンピューティングデバイスは、フーリエ変換を使用して、前記分析された電流引き込みから前記電流の基本成分を抽出することを特徴とする請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記電圧降下デバイスを通して前記電圧を通過させることと、前記電圧降下デバイスをバイパスさせることとを交互に繰り返すことが、スイッチを開状態と閉状態との間で交互に切り替えることを備え、前記スイッチは、前記閉状態の間に前記電圧降下デバイスの周りに短絡経路を完成させることを特徴とする請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してインピーダンス試験に関し、より具体的には、負荷のインピーダンスを測定するための回路に関する。
(連邦政府による資金提供を受けた研究または開発に関する声明)
本発明は、NASAから付与の契約番号NNC16CA21Cの下で政府の支援を受けて行われた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
プラズマスラスタなどの特定の電気的負荷は、負荷の測定されたインピーダンスに少なくとも部分的に基づいて較正および制御される。プラズマスラスタの例では、既存のシステムは、電力増幅器から電気負荷に電流を注入し、負荷特性の変化を測定することにより、インピーダンスを決定しようとしてきた。プラズマスラスタ、および同様の特性を示すその他の負荷は、大きな電流変動を含む電流引き込みを生成しうる。大きな電流変動は呼吸モード電流(breathing mode currents)と呼ばれ、通常数kHzから数十kHzの割合で発生する。
【0003】
直列注入変圧器(series injection transformer)を使用して電流注入を実行する場合、対応する電力増幅器は、その大きさが電力増幅器を過負荷にする可能性がある呼吸モード電流を処理する必要がある。また、いくつかの例では、注入変圧器自体の漏れインダクタンスにより、プラズマが安定した方法で動作するにはインピーダンスが大きすぎて、プラズマスラスタのインピーダンスの読み取りが不十分になる場合がある。
【0004】
別の例では、並列注入変圧器を使用してインピーダンスを決定しようとし、電流摂動がコンデンサを通じて注入される。このような構成では、呼吸モードの電流は減少するが、対応する電源のインピーダンスが低いと、増幅器からの注入電流が吸収され、プラズマスラスタのインピーダンスを正確に測定できなくなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの例示的な実施形態では、インピーダンス測定回路は、信号インジェクタであって、電圧入力および電圧出力、制御可能なスイッチ、ならびに電圧入力と電圧入力との間で制御可能なスイッチと並列に接続された電圧降下デバイスを有し、かつ電圧出力が負荷に接続された、信号インジェクタと、負荷に亘る電圧を測定するように構成された電圧センサと、負荷の電流引き込みを測定するように構成された電流センサと、ある周波数における負荷のインピーダンスを測定するように構成されたコンピューティングデバイスと、を含んでおり、そのインピーダンスは、測定された電圧と測定された電流に基づいており、コンピューティングデバイスはその周波数に基づいてスイッチを制御する。
【0006】
上記のインピーダンス測定回路の別の例では、電圧降下デバイスはダイオードを含む。
【0007】
上記のインピーダンス測定回路のいずれかの別の例では、信号インジェクタはさらに、電圧入力を電圧出力に接続する少なくとも1つの電圧降下デバイスと、少なくとも1つの電圧降下デバイスに並列に接続されたスイッチであって、そのスイッチが閉じている間、電圧降下デバイスが短絡されるスイッチと、をさらに含む。
【0008】
上記のインピーダンス測定回路のいずれかの別の例では、スイッチの制御入力に接続されたゲートドライバをさらに含む。
【0009】
上記のインピーダンス測定回路のいずれかの別の例では、少なくとも1つの電圧降下デバイスは、複数の電圧降下デバイスである。
【0010】
上記のインピーダンス測定回路のいずれかの別の例では、複数の電圧降下デバイスは、複数の直列接続されたダイオードを備える。
【0011】
上記のインピーダンス測定回路のいずれかの別の例では、複数の直列接続されたダイオードはほぼ同一である。
【0012】
上記のインピーダンス測定回路のいずれかの別の例では、複数の直列接続されたダイオードは、少なくとも2組の実質的に異なるダイオードを含む。
【0013】
上記のインピーダンス測定回路のいずれかの別の例では、少なくとも1つの電圧降下デバイスに亘る電圧降下は、電圧出力での予想電圧の最大で3%である。
【0014】
上記のインピーダンス測定回路のいずれかの別の例では、少なくとも1つの電圧降下デバイスに亘る電圧降下は、電圧出力での予想電圧の1%~3%の間である。
【0015】
上記のインピーダンス測定回路のいずれかの別の例では、負荷はプラズマスラスタである。
【0016】
上記のインピーダンス測定回路のいずれかの別の例では、電圧入力は硬電圧源(stiff voltage source)に接続される。
【0017】
負荷のインピーダンスを決定するための例示的な方法は、電圧源から負荷に電圧を提供し、ほぼ方形波の摂動を電圧に注入し、負荷の電流引き込み(current draw)と負荷に亘る電圧を測定して、その測定値をコンピューティングデバイスに提供し、コンピューティングデバイスを使用して負荷に亘る電圧と負荷の電流引き込みを分析しそれにより負荷のインピーダンスを決定する、ことを含む。
【0018】
負荷のインピーダンスを決定するための上記の例示的な方法のいずれかの別の例では、負荷に亘る電圧と負荷の電流引き込みを分析することが、電圧の基本成分を電流引き込みの基本成分で割った比を求めることを備える。
【0019】
負荷のインピーダンスを決定するための上記の例示的な方法のいずれかの別の例では、コンピューティングデバイスは、フーリエ変換を使用して、分析された電圧から電圧の基本成分を抽出する。
【0020】
負荷のインピーダンスを決定するための上記の例示的な方法のいずれかの別の例では、コンピューティングデバイスは、フーリエ変換を使用して、分析された電流から電流の基本成分を抽出する。
【0021】
負荷のインピーダンスを決定するための上記の例示的な方法のいずれかの別の例では、ほぼ方形波の摂動を電圧に注入することが、電圧降下デバイスを通して電圧を通過させることと、電圧降下デバイスをバイパスすることとを交互に繰り返すことを備え、交互に繰り返すこと(alternation)は、設定された周波数で行われる。
【0022】
負荷のインピーダンスを決定するための上記の例示的な方法のいずれかの別の例では、電圧降下デバイスを通して電圧を通過させることが、複数の直列に接続されたダイオードを介して電圧を通過させることを備える。
【0023】
負荷のインピーダンスを決定するための上記の例示的な方法のいずれかの別の例では、電圧降下デバイスを通して電圧を通過させることと、電圧降下デバイスをバイパスすることとを交互に繰り返すことが、スイッチを開状態と閉状態との間で交互に切り替えることを含み、スイッチは、閉状態の間に電圧降下デバイスの周りに短絡経路を完成させる。
【0024】
本発明のこれらおよびその他の特徴は、以下の明細書および図面から最もよく理解することができ、以下はその簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】負荷および負荷インピーダンステスターを含む例示的な回路を示す図である。
【
図2】
図1の例で利用するための例示的な信号インジェクタを概略的に示す図である。
【
図3】
図2の信号インジェクタとして使用され得るような詳細な例の信号インジェクタを概略的に示す図である。
【
図4】例示的なインピーダンス分析器を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、負荷110と、負荷110のインピーダンスを決定するための負荷インピーダンステスター120と、を含む回路100を概略的に示す。インピーダンステスター120内には、電圧源130が含まれる。電圧源130は、動作電圧を負荷110に提供する。プラズマスラスタのような特定のタイプの負荷110に必要なように、電圧源130は硬電圧源(stiff voltage source)である。本明細書で使用するように、硬電圧源とは、その電圧源から引き出される電流に実質的な変動が存在するにもかかわらず、出力電圧が最小の電圧変動を有する電圧源を指す。
【0027】
電圧源130と負荷110との間に接続されているのは、信号インジェクタ122である。信号インジェクタ122は、方形波に近い信号で、電圧源130によって提供される電圧を第1の電圧レベルから第2の電圧レベルに周期的に切り替える。本明細書で使用される場合、ほぼ方形波とは、方形波に実質的な類似性を示す任意の信号を指す。いくつかの例では、そのような信号は、代替(alternative)の標準波形よりも方形波に非常によく似た周期信号である。電圧センサ124は、負荷110の両端に配置され、負荷110に亘る電圧を決定する。電流センサ126は、負荷110への入力における負荷110の電流引き込みを測定するように構成される。電流センサ126および電圧センサ124は両方とも、任意の従来の電流センサ構成および電圧センサ構成である。
【0028】
センサ124,126のそれぞれは、感知した値を、ネットワークアナライザなどのコンピューティングデバイス128に提供する。図示の例では、コンピューティングデバイス128は、信号インジェクタ122に接続された制御出力132を含む。制御出力132は、信号インジェクタ122の高/低電圧状態を制御し、それにより、ほぼ方形波の信号インジェクションを生成する。代替例では、代替電圧源140を信号インジェクタ122に接続して、同じ機能を提供することができる。
【0029】
複数の負荷タイプのインピーダンスは、電圧源130などの電圧源の出力電圧に周期的摂動を注入し、結果として生じる電流摂動を測定することによって測定することができる。既存のシステムは、通常、上記のように、電圧源130と負荷110との間に接続された二次巻線を備えた注入変圧器を利用する。プラズマスラスタなどの特定の種類の負荷では、注入変圧器を利用した摂動システムの信頼性が低下する。
【0030】
動作中に、プラズマスラスタまたは同様の負荷110と併せて摂動を確実に生成するために、インピーダンステスター120は電圧源130から硬電圧(stiff voltage)を出力し、信号インジェクタ122は高電圧から低電圧に周期的に交番(alternate)し、それにより、負荷110を駆動する電圧信号にほぼ方形波の摂動を与える。一例では、ほぼ方形波の摂動は、電圧源130から出力される駆動電圧よりも少なくとも2桁小さいスケールを有する。例として、電圧源130から出力される駆動電圧が500Vである場合、例示的な摂動の大きさは約5Vである。次いで、摂動電圧が負荷110に提供される。
【0031】
コンピューティングデバイス128は、センサ124,126を使用して、負荷110の両端に亘る電圧および負荷110の電流引き込みを分析し、その感知した値に基づいて負荷110のインピーダンスを決定する。特定の動作周波数でのインピーダンスは、電圧の基本成分を電流の基本成分で割った比に等しい。この値は、通常、オーム(Ω)で、振幅と位相角として、または実数部と虚数部を含む複素量として表される。コンピューティングデバイス128は、フーリエ変換を使用して、センサ124,126によって検出された電圧信号および電流信号の波形を数学的に分析して、基本成分を抽出する。次に、基本的なコンポーネントを分割して、前述の比率を決定する。
【0032】
信号インジェクタ122が実質的に方形の波形を有する摂動電圧を生成するため、感知された電圧および電流信号は、摂動周波数の整数倍である高調波周波数での高調波成分を含む。別の例では、コンピューティングデバイスは、高調波周波数での電圧成分と電流成分を除算することにより、基本周波数以外の周波数の測定電圧と電流のフーリエ変換成分を使用して、高調波周波数での負荷インピーダンスを決定し、その高調波周波数でのインピーダンスを得る。
【0033】
いくつかのさらなる例では、センサ124,126からの電圧信号および電流信号は、結果の精度を高めるために分析される前に、特性が一致する2チャネルローパスフィルタを使用してフィルタリングすることができる。そのようなフィルタリングは、センサ124,126によって生成された電圧および電流波形がかなりの量の電子ノイズを含み、かつコンピューティングデバイス128の入力フィルタを介して達成できる場合に、特に望ましい。
【0034】
引き続き
図1に関連して、
図2は、第1の例による例示的な信号インジェクタ122を概略的に示す。信号インジェクタ122は、硬電圧源130に接続されるように構成された入力ノード210を含む。出力ノード220は、負荷110に接続されるように構成される。入力ノード210と出力ノード220との間に直列に接続されているのは、電圧降下デバイス230である。電圧降下デバイス230は、硬電圧源130の出力電圧と比較して、比較的小さな電圧降下を生成する任意の電気デバイスである。例として、比較的小さい電圧降下は、いくつかの例では、出力電圧の最大で3%である。他の例では、比較的小さな電圧降下は、出力電圧の1%~3%の間である。いくつかの例では、電圧降下デバイス230は、その電圧降下デバイス230を通過する電流とは無関係に、比較的一定の電圧低下を提供するデバイスである。
【0035】
電圧降下デバイス230と並列に電気スイッチ240がある。電気スイッチ240は、少なくとも開状態および閉状態で動作するように構成される。開状態の間、電気スイッチ240を含む並列回路経路242が遮断され、電圧源130からの電圧が電圧降下デバイス230を通過し、その結果、出力ノード220における電圧が低下する。電気スイッチ240が閉状態にあるとき、並列回路経路242は電気を伝導し、電圧降下デバイス230は短絡される。
【0036】
電気スイッチ240は、コンピューティングデバイス128に接続された制御入力244を含み、制御入力244における電圧は、電気スイッチ240の開閉状態を決定する。既知の周波数で開状態と閉状態の間で電気スイッチ240を循環させることにより、出力ノード220での電圧は、電圧源130からの駆動電圧に加えられたほぼ方形波の摂動で生成される。ほぼ方形波の周波数はコンピューティングデバイス128の出力信号によって直接制御されるので、コンピューティングデバイス128は、その周波数での接続された負荷110のインピーダンスを、感知した電圧および電流に基づいて決定する。
【0037】
さらに
図2に関連して、1つの特定の例示的な信号インジェクタ122が、
図3の例に示されている。特定の例では、電圧降下デバイス230は、直列に接続された一連のダイオード232である。各ダイオード232は、負荷電流が流れると、ダイオード232の両端に亘って比較的一定の電圧降下を生成する。ダイオード232を直列に配置することにより、小さな制御された電圧降下が電圧降下デバイス230に亘って導入される。さらに、各ダイオード232に亘る電圧降下は、その両端の電圧がそこを流れる電流に比例する抵抗器と比較して、ダイオード232を通過する電流から比較的独立している。このため、いくつかの実施形態では、ダイオード232および類似の電子機器が、電圧降下デバイス230に特に適している。
【0038】
別の例では、抵抗器を使用して、電圧降下デバイス230を実装することができる。そのような例では、負荷電流のさまざまなレベルに対応するために抵抗を調整する必要があり、負荷の安定性を確保するために抵抗の値を適切に小さく保つ必要がある。
【0039】
図3に示された実施形態では、各ダイオード232はほぼ同一である。本明細書で使用されるように、ほぼ同一とは、同じ仕様を有するダイオード232を指し、製造のばらつきに起因するいくつかの小さな差異を許容することができる。代替例では、ダイオード232は、電圧降下デバイス230に亘って特定の所望の電圧降下を生成するように変化させることができる。MOSFET246は、制御入力244に接続され、コンピューティングデバイス128によって制御され、スイッチ240として動作する。
【0040】
図1~3に引き続き関連して、
図4は、
図1に示されるコンピューティングデバイス128などの例示的なコンピューティングデバイス300を概略的に示す。例示的なコンピューティングデバイス300は、感知された電圧および電流をそれぞれ電圧センサ124および電流センサ126から受け取るように構成された入力302を含む。入力302のそれぞれは、フィルタ310に接続される。一例では、フィルタ310は、特性が一致する一対の2チャネルローパスフィルタを含む。フィルタリングされたセンサ信号は、プロセッサ320およびメモリ322に提供される。メモリ322は、任意の既知の信号分析技術に従ってプロセッサ320にセンサ信号を分析させ、それにより、入力302からの信号に基づいて接続された負荷のインピーダンスを決定させるための命令を格納する。
【0041】
また、コンピューティングデバイス300に接続されているのは、ゲートドライバ回路330である。図示の例では、ゲートドライバ回路330は、コンピューティングデバイス300の外部にあり、コンピューティングデバイス300と電圧降下デバイス122との間に電圧分離を提供する。ゲートドライバ回路330は、プロセッサ320に接続され、ゲート制御信号332を出力する。ゲート制御信号332の値は、プロセッサ320によって制御され、
図2および3に示されるスイッチ240のオン/オフ状態を制御する。
図3の例では、ゲート制御信号322はコンピューティングデバイス300によって生成されるので、プロセッサ320は、本質的に方形波注入の周波数を知っている。方形波注入が代替電圧源140などの別の源から発生する代替例では、追加の入力をプロセッサ320に提供することができ、それにより分析が容易となる。
【0042】
プラズマスラスタのインピーダンスを決定する文脈内で上記のように説明および図示したが、上記の方法および装置は、任意のタイプの負荷のインピーダンスを検出するために利用することができ、プラズマスラスタ負荷、またはプラズマスラスタを含む負荷に限定されないことを理解されたい。
【0043】
さらに、当然ながら上記の概念のいずれかを単独で、または上記のその他の概念のいずれかまたは全てと組み合わせて使用することができる。本発明の実施形態を開示したが、当業者は、特定の変更が本発明の範囲内にあることを認識するであろう。そのため、本発明の真の範囲および内容を決定するために、以下の特許請求の範囲を検討する必要がある。