(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】水位調整装置および衣類スチーマー
(51)【国際特許分類】
D06F 75/14 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
D06F75/14 Z
(21)【出願番号】P 2020552800
(86)(22)【出願日】2018-06-06
(86)【国際出願番号】 CN2018090108
(87)【国際公開番号】W WO2019196187
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-09-29
(31)【優先権主張番号】201810323151.9
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810321904.2
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516285032
【氏名又は名称】広東美的環境電器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA ENVIRONMENT APPLIANCES MFG CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.28 East District Hesui Industrial Park,Dongfu Road,Dongfeng Zhongshan,Guangdong 528425,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】羅偉標
(72)【発明者】
【氏名】劉道躍
(72)【発明者】
【氏名】丁彬凡
(72)【発明者】
【氏名】黄一躍
(72)【発明者】
【氏名】鐘院華
(72)【発明者】
【氏名】雷紅艷
(72)【発明者】
【氏名】李林蓬
(72)【発明者】
【氏名】謝波
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105780438(CN,A)
【文献】登録実用新案第3069117(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 73/00-75/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水タンク本体キャビティおよび水位調整キャビティを備える水タンクであって、前記水タンク本体キャビティと前記水位調整キャビティとの間には、連通されている連通口が設けられ
、前記連通口は前記水タンク本体キャビティから下向きに突出するよう形成されている、水タンクと、
加熱水キャビティを備える蒸気発生器であって、前記加熱水キャビティと前記水位調整キャビティとの間には、前記加熱水キャビティと前記水位調整キャビティに接続された給水通路および気圧通路が設けられ、前記気圧通路と前記加熱水キャビティとの接続位置は、前記給水通路と前記加熱水キャビティとの接続位置より高い、蒸気発生器と、を備
え、
前記気圧通路の気圧平衡作用により、前記水位調整キャビティ内の水位が、前記連通口が配置された位置より低い場合、前記水位調整キャビティと前記水タンク本体キャビティとは前記連通口を介して連通され、前記水位調整キャビティ内の水位が、前記連通口が配置された位置に達した場合、前記水位調整キャビティと前記水タンク本体キャビティとは互いに隔離される、
水位調整装置。
【請求項2】
前記水タンク本体キャビティにはさらに注水口が設けられ、前記水位調整装置はさらに、前記連通口内に設けられたシール部品と、前記注水口を開閉するための水タンク栓とを備え、前記シール部品は前記水タンク栓に接続され、前記シール部品は前記水タンク栓が開かれると前記連通口を閉じ、前記水タンク栓が閉じられると前記連通口を開く、
請求項1に記載の水位調整装置。
【請求項3】
前記シール部品は、シールロッドおよびシール蓋を含み、前記シールロッドの一端は前記水タンク栓に接続され、前記シールロッドの他端には、前記シール蓋が配置され、前記シール蓋は、前記連通口を閉鎖するために使用される、
請求項
2に記載の水位調整装置。
【請求項4】
前記シールロッドの他端には、凹部と、前記凹部に近いストッパ部と、前記凹部と前記ストッパ部との間に配置された弾性部材とが設けられ、前記シール蓋は前記凹部の位置に嵌めつけられ、前記水タンク本体キャビティは前
記連通口内に位置決め部が設けられ、前記シールロッドの他端は前記位置決め部を貫通して設けられ、且つ前記シール蓋は前記位置決め部の下に配置され、前記弾性部材の両端は、前記位置決め部と前記ストッパ部との間にそれぞれ当接する、
請求項3に記載の水位調整装置。
【請求項5】
前記シール蓋の材質はシリコーンである、
請求項3に記載の水位調整装置。
【請求項6】
前記水タンク栓は、前記注水口の内面にフィットする側壁と、前記注水口を閉鎖するための底壁とを備え、前記側壁と前記注水口の内面との間にはシールリングが設けられる、
請求項2に記載の水位調整装置。
【請求項7】
前記水位調整キャビティは、前記水タンク本体キャビティの下に配置された第1部分と、前記水タンク本体キャビティの側面に配置された第2部分とを備え、前記連通口は、前記水位調整キャビティの第1部分と前記水タンク本体キャビティとの間に配置され、前記気圧通路の一端は、前記水位調整キャビティの第2部分の前記水タンクの頂部に近い位置に接続され、前記気圧通路の他端は前記蒸気発生器の最高水位線より高い位置に接続される、
請求項1に記載の水位調整装置。
【請求項8】
前記気圧通路は、前記水
位調整キャビティおよび前記蒸気発生器にそれぞれ接続される第1水平セクションおよび第2水平セクションと、前記第1水平セクションと前記第2水平セクションとの間を接続する斜めセクションと、を備える、
請求項1に記載の水位調整装置。
【請求項9】
前記水位調整装置はさらに、前記蒸気発生器の蒸気出口に接続されるヘッドを備え、前記ヘッドには複数の噴気孔が設けられ、前記噴気孔の断面積の和は、前記蒸気発生器の蒸気出口の断面積の5分の1から3分の1である、
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の水位調整装置。
【請求項10】
前記水位調整装置はさらにケーシングを含み、前記水タンクおよび前記蒸気発生器は前記ケーシング内に配置される、
請求項1に記載の水位調整装置。
【請求項11】
前記水タンク本体キャビティは、前記ケーシングに接続される第1側面および前記第1側面に対向する第2側面を備え、前記水タンク本体キャビティの外面と前記第2側面との間は離間しており、前記気圧通路は、前記第2側面と前記蒸気発生器との間に接続され、前記水タンクの底部の前記第2側面に近い部位と前記ケーシングとの間に支持部材が設けられている、
請求項
10に記載の水位調整装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか一項に記載の水位調整装置を含む、衣類スチーマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年04月11日に中国特許局に提出された、出願番号がCN201810321904.2である中国特許出願、および2018年04月11日に中国特許局に提出された、出願番号がCN201810323151.9である中国特許出願に基づいて提出されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参考として本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、家電機器の分野に関し、特に、水位調整装置および当該水位調整装置を有するハンガーアイロンに関する。
【背景技術】
【0003】
ハンガースチームアイロンは、通常、織物の折り目を伸ばすために使用され、織物および玩具の消毒や脱臭などの処理にも使用されることができる。
【0004】
現在、ハンガーアイロンは、主に、本体、独立した水タンク、操作ハンドルおよび付属品で構成され、ここで、本体内には蒸気発生器が設けられ、水タンクと蒸気発生器の間には電磁ポンプが設けられ、電磁ポンプの入口は水タンクの出口に接続され、電磁ポンプの出口は蒸気発生器に接続される。使用する時には、水タンクに水を満たした後、本体の水タンク固定スロットに装着し、電源を入れ、電磁ポンプおよび蒸気発生器を作動させると、電磁ポンプを介して水タンク内の水を蒸気発生器に送り、蒸気発生器に蒸気を継続的に発生させ、蒸気が特定の温度に達すると、衣類にアイロンをかけることができる。
【0005】
しかしながら、当該衣類スチーマーは、水タンク内の水を電磁ポンプを介して蒸気発生器内に送る必要があり、電磁ポンプを採用すること、および水タンクが水を適時に蒸気発生器に補充するよう電磁ポンプの制御をいかに最適化するかは、両方ともコストを増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施例は、水位調整装置および当該水位調整装置を有する衣類スチーマーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を実現するために、本発明の実施例の一態様によれば、水位調整装置を提供し、前記装置は、水タンク本体キャビティおよび水位調整キャビティを備える水タンクであって、前記水タンク本体キャビティと前記水位調整キャビティとの間には、連通されている連通口が設けられ、前記水位調整キャビティ内の水位が、前記連通口が配置された位置に達した場合、前記水位調整キャビティと前記水タンク本体キャビティとの間は互いに隔離され、前記水位調整キャビティ内の水位が、前記連通口が配置された位置より低い場合、前記水位調整キャビティと前記水タンク本体キャビティとの間は前記連通口を介して連通される水タンクと、加熱水キャビティを備える蒸気発生器であって、前記加熱水キャビティと前記水位調整キャビティとの間には、前記加熱水キャビティと前記水位調整キャビティに接続された給水通路および気圧通路が設けられ、前記気圧通路と前記加熱水キャビティとの接続位置は、前記給水通路と前記加熱水キャビティとの接続位置より高い、蒸気発生器と、を備える。
【0008】
本発明の実施例で提供される水位調整装置は、水タンクの水タンク本体キャビティと水位調整キャビティとの間には連通口が配置され、水位調整キャビティと蒸気発生器との間には気圧通路が配置され、水位調整キャビティ内の水位が、連通口が配置された位置に達した場合、連通口は閉じられ、水位調整キャビティと水タンク本体キャビティとの間は互いに隔離され、水位調整キャビティ内の水位が、連通口が配置された位置より低い場合、連通口は開かれ、水位調整キャビティと加熱水キャビティは気圧通路を介して連通し、水位調整キャビティと水タンク本体キャビティとの間は連通口を介して連通され、水位が連通口より低い場合、気圧平衡により、水タンク本体キャビティから水位調整キャビティに対して補水するように自動的に制御し、水位が、連通口の位置に達した場合、平衡状態を維持するので、当該水位調整装置は、電磁ポンプおよび電磁ポンプに対する制御の最適化が必要なく、気圧通路の設計により水位に対する調整を実現し、制御モジュールのコストを簡素化し、システムの安定性も高くなる。
【0009】
一実施形態では、前記水タンク本体キャビティにはさらに注水口が設けられ、前記水位調整装置はさらに、前記連通口内に設けられたシール部品と、前記注水口を開閉するための水タンク栓とを備え、前記シール部品は前記水タンク栓に接続され、前記シール部品は前記水タンク栓が開かれると前記連通口を閉じ、前記水タンク栓が閉じられると前記連通口を開く。
【0010】
一実施形態では、前記シール部品は、シールロッドおよびシール蓋を含み、前記シールロッドの一端は前記水タンク栓に接続され、前記シールロッドの他端には、前記シール蓋が配置され、前記シール蓋は、前記連通口を閉鎖するために使用される。
【0011】
一実施形態では、前記シールロッドの他端には凹部と、前記凹部に近いストッパ部と、前記凹部と前記ストッパ部との間に配置された弾性部材とが設けられ、前記シール蓋は前記凹部の位置に嵌めつけられ、前記水タンク本体キャビティは前記連通口内に位置決め部が設けられ、前記シールロッドの他端は前記位置決め部を貫通して設けられ、且つ前記シール蓋は前記位置決め部の下に配置され、前記弾性部材の両端は、前記位置決め部と前記ストッパ部との間にそれぞれ当接する。
【0012】
一実施形態では、前記シール蓋の材質はシリコーンである。
【0013】
一実施形態では、前記水タンク栓は、前記注水口の内面にフィットする側壁と、前記注水口を閉鎖するための底壁とを備え、前記側壁と前記注水口の内面との間にはシールリングが設けられる。
【0014】
一実施形態では、前記水位調整キャビティは、前記水タンク本体キャビティの下に配置された第1部分と、前記水タンク本体キャビティの側面に配置された第2部分とを備え、前記連通口は、前記水位調整キャビティの第1部分と前記水タンク本体キャビティとの間に配置され、前記気圧通路の一端は、前記水位調整キャビティの第2部分の前記水タンクの頂部に近い位置に接続され、前記気圧通路の他端は前記蒸気発生器の最高水位線より高い位置に接続される。
【0015】
一実施形態では、前記気圧通路は、前記水位調整キャビティおよび前記蒸気発生器にそれぞれ接続される第1水平セクションおよび第2水平セクションと、前記第1水平セクションと前記第2水平セクションとの間を接続する斜めセクションとを備える。
【0016】
一実施形態では、前記水位調整装置はさらに前記蒸気発生器の蒸気出口に接続されるヘッドを備え、前記ヘッドには複数の噴気孔が設けられ、前記噴気孔の断面積の和は、前記蒸気発生器の蒸気出口の断面積の5分の1から3分の1である。
【0017】
一実施形態では、前記水位調整装置はさらにケーシングを含み、前記水タンクおよび前記蒸気発生器は前記ケーシング内に配置される。
【0018】
一実施形態では、前記水タンク本体キャビティは、ケーシングに接続される第1側面および前記第1側面に対向する第2側面を備え、前記水タンク本体キャビティの外面と前記第2側面との間は離間しており、前記気圧通路は、前記第2側面と前記蒸気発生器との間に接続され、前記水タンクの底部の前記第2側面に近い部位と前記ケーシングとの間に支持部材が設けられている。
【0019】
本発明の実施例の別の態様によれば、衣類スチーマーをさらに提供し、前記衣類スチーマーは、上記のいずれか1つに記載の水位調整装置を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施例は、水位調整装置を含む衣類スチーマーを提供し、ここで、水位調整装置における水タンクの水タンク本体キャビティと水位調整キャビティとの間には連通口が設けられ、水位調整キャビティと蒸気発生器との間には気圧通路が配置され、水位調整キャビティ内の水位が、連通口が配置された位置に達した場合、連通口は閉じられ、水位調整キャビティと水タンク本体キャビティとの間は互いに隔離され、水位調整キャビティ内の水位が、連通口が配置された位置より低い場合、連通口は開かれ、水位調整キャビティと加熱水キャビティは気圧通路を介して連通され、水位調整キャビティと水タンク本体キャビティとの間は連通口を介して連通され、水位が連通口より低い場合、気圧平衡により、水タンク本体キャビティから水位調整キャビティに対して補水するように自動的に制御し、水位が、連通口が配置された位置に達した場合平衡状態を維持するので、当該水位調整装置は、電磁ポンプおよび電磁ポンプに対する制御の最適化が必要なく、気圧通路の設計により水位に対する調整を実現し、制御モジュールのコストを簡素化し、システムの安定性も高くなるため、当該水位調整装置を採用した衣類スチーマーのコストは低くなり、且つ安定性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施例における水位調整装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して、以下にさらに説明する。
特に定義されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、本発明の技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書では、本発明の説明で使用される用語は、特定の実施例を説明することを目的とし、本発明を限定することを意図しない。本明細書で使用される「および/または」という用語は、1つまたは複数の列挙されたアイテムのいずれかおよびすべての組み合わせを含む。
【0023】
本発明の実施例の説明において、「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が指示する方向または位置関係は、図面に示す方向または位置関係に基づいており、本発明の実施例の説明を容易におよび簡潔にするためだけであり、言及された装置またはコンポーネントが特定の方向を有し、または特定の方向で構築および操作しなければならないことを示すまたは暗示するものではない。したかって、本発明を限定するものとして理解することはできない。本発明の実施例の説明において、特に限定されない限り、「複数」は2つまたは2つ以上を意味する。
【0024】
本発明の実施例の説明において、明確的に規定および限定されない限り、「実装」、「互に接続」、「接続」という用語は、例えば、固定式接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、または一体型接続であってもよく、直接に互いに接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に互いに接続されてもよく、2つのコンポ―ネットの内部の連通であってもよいなど、広い意味で理解されるべきであることに留意されたい。当業者は、具体的な状況に従って本発明における上述の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0025】
図1を参照すると、本願の一実施例で提供される水位調整装置の例示的な構造図である。当該水位調整装置は、水タンク10および蒸気発生器30を備える。当該水タンク10は、水タンク本体キャビティ11および水位調整キャビティ13を備え、水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13との間には、連通されている連通口14が設けられる。水位調整キャビティ13内の水位が、連通口14が配置された位置に達した場合、水位調整キャビティ13と水タンク本体キャビティ11との間はお互に隔離され、当該水位調整キャビティ13内の水位が、連通口14が配置された位置より低い場合、水位調整キャビティ13と水タンク本体キャビティ11との間は、連通口14を介して連通される。蒸気発生器30は、加熱水キャビティ31を備え、加熱水キャビティ31と水位調整キャビティ13との間には、給水通路55および気圧通路50が接続されて設けられ、気圧通路50と加熱水キャビティ31との接続位置は、給水通路55と加熱水キャビティ31との接続位置より高い。
【0026】
上記の実施例では、水タンク本体キャビティ11は、連通口14を介して水位調整キャビティ13に連通され、蒸気発生器30は、気圧通路50を介して水位調整キャビティ13に接続される。水位を当該連通口14が配置された位置まで上昇させることにより、当該連通口14が閉じ、水位が当該連通口14が配置された位置より下がることにより、当該連通口14が開く。連通口14の開閉により、水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13との間における、補水作動状態と注水待機作動状態との切り替えを制御する。
【0027】
連通口14が開かれると、当該水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13との間は連通状態となり、この場合、水タンク10は補水作動状態であり、水位調整キャビティ13および加熱水キャビティ31は、連通口14を介して水タンク本体キャビティ11と連通状態となり、水タンク本体キャビティ11内の水は、圧力作用で水位調整キャビティ13内に流入し、水位調整キャビティ13内の水は、圧力作用で給水通路55を介して加熱水キャビティ31に流れて補水するため、水位調整キャビティ13および加熱水キャビティ31内の水位を両方とも上昇させる。水位調整キャビティ13内の水位が、連通口14が配置された位置まで上昇した場合、連通口14は、水に包囲されて連通口14が閉じられ、水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13との間は隔離状態となり、この場合、水タンク10は注水待機作動状態である。本実施例では、連通口14が配置された位置は、即ち、水位調整キャビティ13および加熱水キャビティ31内の水位が自動平衡状態に達する時の所定水位線Aの位置である。当該水位調整装置の動作プロセスでは、蒸気発生器30内に蒸気が発生されるため、水位は徐々に下がって、水位が所定水位線Aより低くなると、連通口14は水に包囲されなくなり、それにより、当該連通口14が再び開放されて、水タンク10を補水作動状態に切り替えて再び補水し、水位調整キャビティ13および加熱水キャビティ31内の水位が所定水位線Aまで再び上昇すると連通口14を閉じる。このような往復を繰り返し、それにより、水位を自動的に調整する目的を達成する。
【0028】
一具体的な実施例において、水タンク本体キャビティ11にはさらに注水口12が設けられ、当該水位調整装置はさらに、連通口14内に設けられたシール部品20と、注水口12を開閉するための水タンク栓16を備え、シール部品20は水タンク栓16に接続され、シール部品20は、水タンク栓16が開かれると連通口14を閉じ、水タンク栓16が閉じられると連通口14を開く。
【0029】
ここで、シール部品20の少なくとも一部が連通口14に位置するように配置し、シール部品20と水タンク栓16とを連動させ、水タンク栓16が開かれると連通口14を閉じ、水タンク栓16が閉じられると連通口14を開き、それにより、水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13との間が、水タンク栓16が開かれると互に隔離され、水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13との間が、水タンク栓16が閉じられると連通するように制御することができる。水タンク栓16が開かれた場合、連通口14の開閉は、水位調整キャビティ13内の水位の高さに影響されることなく、シール部品20が連通口14を閉鎖したかどうかにより実現される。具体的に、注水口12に対して水タンク栓16を外側に引き抜いて注水口12を開放すると同時に、シール部品20は、水タンク栓16の引き抜きに伴い上方に移動して連通口14をシーリングし、この場合、注水口12を介して水タンク本体キャビティ11に注水することが可能である。シール部品20のシール作用により、水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13が隔離状態となり、これにより、水タンク本体キャビティ11内に水を追加すると同時に、水タンク本体キャビティ11内の水が水位調整キャビティ13内に大量に直接流入することによる、水位調整キャビティ13と加熱水キャビティ31との間の水位の自動平衡調整の失効を回避することができる。水タンク栓16を注水口12に装着して注水口12を閉じると、シール部品20は、水タンク栓16の装着に伴って初期位置まで戻るよう移動して連通口14を開き、この場合、水タンク本体キャビティ11内の水を、連通口14を介して水位調整キャビティ13に補充することができ、水位調整キャビティ13内の水位が所定水位線Aに達したかどうかの変化により、水タンク10を補水作動状態と注水待機作動状態との間で切り替えることができるようにする。
【0030】
したがって、水タンク栓16が開かれた後に、注水口12を介して水タンク10内に水を追加する操作の間、水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13との間は、シール部品20のシール作用により互いに隔離された状態を維持する。水タンク栓16が閉じられた状態が維持されると、再び、水位調整キャビティ13内の水位が所定水位線Aに達したかどうかの変化により、水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13との間の連通状態と隔離状態との切り替えを制御し、それにより、水タンク10の補水作動状態と注水待機作動状態との切り替えを制御する。シール部品20と水タンク栓16との間は連動関係を形成し、水タンク10内に水を追加する時、水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13とを隔離して、水位調整キャビティ13内の水位が、注水動作による破壊を受けないことを確保し、水位調整キャビティ13と加熱水キャビティ31との間で、気圧通路50を介して水位平衡状態を維持することにより、水位の自動調整を実現することを確保する。
【0031】
一具体的な実施例において、水タンク10全体は、ほぼ長方形であり、水タンクは、底板、底板から垂直上方に延びる側板及び底板に対向する頂板を備える。前記底板、前記側板および前記頂板によって囲まれた閉鎖した空間が形成される。水タンク10内の空間は、複数の区画パネルによって仕切られて、水タンク本体キャビティ11および水位調整キャビティ13を形成する。区画パネルは、垂直区画パネルおよび水平区画パネルを含む。ここで、垂直区画パネルは、頂板から底板が配置された方向へ延伸し、且つ側板との間に一定の距離の間隔がある。水平区画パネルは頂板に対向し、水平区画パネルは、垂直区画パネルと側板との間に接続され、且つ底板との間に一定の距離の間隔がある。前記垂直区画パネル、水平区画パネル、水タンクの頂板および側板に囲まれて水タンク本体キャビティ11が形成される。垂直区画パネル、水平区画パネル、水タンクの底板および側板に囲まれて水位調整キャビティ13が形成される。
【0032】
ここで、当該水位調整装置はさらにケーシング40を備え、水タンク10および蒸気発生器30は、両方とも当該ケーシング40内に収容される。水タンク10はケーシング40に内蔵され、且つケーシング40を介して蒸気発生器30と一体となるよう設計されている。それにより、水タンク10とケーシング40との間に水タンク固定スロットを形成することにより水タンク10を固定しなければならないことを回避し、注水動作中に水タンク10を取り外す必要もない。
【0033】
注水口12は、水タンク10の頂板に配置され、当該頂板とケーシング40との間には一定の間隔が形成される。注水口12は、水タンク10の頂板からケーシング40が配置された位置へ延伸して当該ケーシング40の表面から突出する注水管121を備える。水タンク栓16の形は注水口の形とマッチングし、当該水タンク栓16は、注水口12の内面にフィットする側壁、およびケーシング40の表面に当接する、注水口12を閉鎖するための底壁を備え、側壁と注水口12の内面との間にはシールリング162が設けられる。本実施例では、当該注水口12の内面とは、具体的に、注水管121の内面を指す。水タンク栓16の側壁の外面には環状溝が設けられ、シールリング162は、水タンク栓16の側壁の対応する環状溝内に設けられ、水タンク栓16が注水口12内に装着されると、より優れたシーリング効果を達成する。
【0034】
連通口14は水平区画パネルに配置され、当該水位調整キャビティ13の第1部分131を形成するために、当該水平区画パネルとケーシング40との間には所定のサイズの間隔がある。連通口14は、水平区画パネルからケーシングが位置する方向へ延伸する連通管141を備え、当該連通管141は、当該水位調整キャビティ13の第1部分131内に突出して伸びる。
図1および
図2を参照すると、シール部品20は、シールロッド21およびシール蓋25を備え、シールロッド21の一端は水タンク栓16に接続され、シール蓋25は、当該シールロッド21の他端に設けられ、且つ連通口14に配置される。選択的に、シールロッド21は直線状であり、連通口14と注水口12は、水タンク10の垂直方向に沿って整列され、それにより、シールロッド21の一端が水タンク栓16に接続されることができるようにし、シールロッド21の他端が連通口14に配置されるようにする。シール蓋25は、シールロッド21の他端に設けられることにより、当該連通口14に設けられる。シール蓋25のサイズは、当該連通口14のサイズと等しいか、少し大きく、シール部品20が水タンク栓16の開放または装着に伴って連動して移動する場合、それぞれ、シール蓋25全体が連通口14内に収容されて連通口14を閉じるか、シール蓋25が連通口14に対して外へ突出して連通口14を開くようにする。具体的な一実施例において、シール蓋25の材料はシリコーンであり、シリコーン製のシール蓋25全体が連通口14に収容されることにより、連通口を閉鎖する效果をよりよく達成することができる。
【0035】
シールロッド21の他端には、凹部23、凹部23に近いストッパ部22、および凹部23とストッパ部22との間に配置される弾性部材24が設けられる。シール蓋25は凹部23の位置に嵌めつけられ、水タンク本体キャビティ11には、連通口14内に1つの位置決め部143を設けられ、シールロッド21の他端は位置決め部143を貫通して設けられ、シール蓋25は位置決め部143の下に配置され、弾性部材24の両端は、位置決め部143とストッパ部22との間にそれぞれ当接する。ここで、凹部23は、シールロッド21の外面からシールロッド21の中心方向に凹むことにより形成され、シール蓋25の位置の固定を実現するために、シール蓋25は凹部23の位置に設けられる。ストッパ部22は、シールロッド21の外面からシールロッド21の中心から離れる方向に延伸して形成され、弾性部材24は、シール蓋25とストッパ部22との間に配置される。位置決め部143は連通口14内に配置され、位置決め部143は連通管141の内面に接続されており、当該連通口14は半閉鎖構造に形成される。当該位置決め部143にはシールロッド21の他端が貫通可能な貫通孔が設けられる。シール部品20が水タンク10内に装着された場合、当該シールロッド21の他端は当該位置決め部143の貫通孔を貫通して設けられ、且つシール蓋25は位置決め部143の下に配置され、この場合、弾性部材24の両端は、位置決め部143とストッパ部22との間にそれぞれ当接する。
【0036】
水タンク栓16を注水口12に装着する場合、シール部品20の弾性部材24の両端は、位置決め部143とストッパ部22との間にそれぞれ当接し、この場合、シール部品20は、水タンク栓16の制限を受け、弾性部材24は、圧縮されている変形状態であり、且つシール蓋25は連通口14の外部に突出し延伸し、それにより、シール蓋25と連通口14との間には隙間が形成されて、連通口14が開放状態になる。水タンク栓16を注水口12から引き抜くと、シール部品20は、水タンク栓16の制限に拘束されなくなり、弾性部材24は、圧縮している変形状態から自然状態に戻ろうとする動きにより、シールロッド21を上に移動させ、弾性部材24が自然状態に戻ると、シール蓋25はシールロッド21の上方への移動に伴って、連通口14に収容され、それにより連通口14を閉鎖する。シール部品20を水タンク栓16と連動させ、弾性部材24を配置することにより、シール部品20は、水タンク栓16を引き抜いて水タンク10に水を追加する間、シール部品20が、連通口14を自動的に閉鎖してシール状態を維持することができるようにし、水タンク10に水を追加する操作中に、水タンク本体キャビティ11と水位調整キャビティ13との間の有効的な隔離を確保することができる。
【0037】
垂直区画パネルとケーシング40との間に、当該水位調整キャビティの第2部分133を形成するために、垂直区画パネルとケーシング40との間は互いに離間している。即ち、当該水位調整キャビティ13は、水タンク本体キャビティ11の下に配置された第1部分131および水タンク本体キャビティ11の側面に配置された第2部分133を含み、当該連通口14は、水位調整キャビティ13の第1部分131と水タンク本体キャビティ11との間に配置され、気圧通路50の一端は、水位調整キャビティ13の第2部分133の、水タンク10の頂部に近い位置に接続され、気圧通路50の他端は、蒸気発生器30の最高水位線Hより高い位置に接続される。通常、蒸気発生器30内の最高水位線Hは、加熱水キャビティ31および水位調整キャビティ13内の水位が自動的に平衡する時の所定水位線Aより高いか等しい。本実施例では、蒸気発生器30の加熱水キャビティ31の最高水位線Hは、水位調整キャビティ13内の所定水位線Aと同じであり、即ち、同じ水平面に位置し、即ち、当該最高水位線Hは、具体的には、当該シール部品20が連通口14とフィットする位置である。気圧通路50が蒸気発生器30に接続される位置を最高水位線Hの位置より高く設定することにより、気圧通路50を介して水位調整キャビティ13および加熱水キャビティ31内の気圧の平衡を実現して水位を調整する時に、水が気圧通路50に入って気圧平衡を破壊することによる、自動調整の失效を回避することができる。
【0038】
ここで、気圧通路50は、水位調整キャビティ13および蒸気発生器30にそれぞれ接続する第1水平セクション51および第2水平セクション53、並びに第1水平セクション51と第2水平セクション53の間に接続される斜めセクション52を備える。水位調整装置の動作プロセス中に、加熱水キャビティ31内では蒸気が生成されるため、水位が下がって、且つ気圧が上昇するが、気圧通路50を介して水位調整キャビティ13および加熱水キャビティ31内の気圧をより迅速に平衡に到達させるために、斜めセクション52を備えるように気圧通路50を配置して、気圧通路50内の全体の容積を相対的に増加させ、両側の空気交換の効率を向上させ、それにより、平衡をより迅速に達成する効果を取得することができる。同様に、気圧通路50の容積を増大させ、それにより、気圧平衡の效率を可能な限り向上させるために、他の構成要素に干渉しないことを前提として、気圧通路50の横断面サイズを可能な限り大きくすることもできる。
【0039】
具体的な一実施形態において、水タンク10は、ケーシング40に接続される第1側面および当該第1側面に対向する第2側面を備え、水タンク本体キャビティ11の外面と当該ケーシング40の第2側面との間は離間しており、当該気圧通路50は、当該水タンク10の第2側面と蒸気発生器30との間に接続され、水タンク10の底部には、第2側面に近い部位とケーシング40との間に支持部材15が設けられている。本実施例では、当該第1側面は、具体的には、水タンク10の1つの側壁であり、当該第2側面は、水タンク10の対向する別の側壁である。当該別の側壁は、蒸気発生器30が配置された位置に近く、気圧通路50は、当該別の側壁と蒸気発生器30との間に接続される。第2側壁に近い水タンク10の底部の位置には支持部材15が配置され、第1側面および当該支持部材15により、水タンク10がケーシング40内に水平に取り付けられるように支持する。異なるサイズの水タンク10を固定し易くするように、支持部材15とケーシング40とは、取り外し可能に接続され、それにより、支持部材15の位置、高さなどを調整するのに便利である。ここで、取り外し可能な接続は、スナップ接続、ねじ接続または他の既知の取り外し可能な接続方式であり得る。
【0040】
選択的に、水位調整装置は、蒸気発生器30の蒸気出口35に接続されるヘッド32をさらに備え、前記ヘッド32には複数の噴気孔34が設けられ、前記噴気孔34の断面積の和は、蒸気発生器30の蒸気出口35の断面積の5分の1から3分の1である。ヘッド32は、ダクト33を介して蒸気発生器30の蒸気出口35に接続される。ヘッド32の噴気孔34の断面積の和が蒸気発生器の蒸気出口35の断面積の5分の1から3分の1であるように設定し、噴気孔34の断面積と蒸気出口35の断面積の比率を制御することにより、蒸気発生器内の圧力の大きさを調整して、蒸気の噴出強度を高めることができる。
【0041】
本発明の実施例の別の態様によれば、衣類スチーマーを提供し、当該衣類スチーマーは、上記のいずれか1つの実施例で提供される水位調整装置を備える。ここで、当該衣類スチーマーは、当該水位調整装置によって、水タンクと蒸気発生器との間に配置された気圧通路を通じて、衣類スチーマーの動作中に、気圧平衡を利用して水位の自動調整を実現する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の実施例は、水位調整装置および当該水位調整装置を有する衣類スチーマーを提供し、当該水位調整装置では、水タンクの水タンク本体キャビティと水位調整キャビティとの間には連通口が配置され、水位調整キャビティと蒸気発生器との間には気圧通路が配置され、水位調整キャビティ内の水位が、連通口が配置された位置に達した場合、連通口は閉じられ、水位調整キャビティと水タンク本体キャビティとの間は互いに隔離され、水位調整キャビティ内の水位が、連通口が配置された位置より低くなった場合、連通口は開かれ、水位調整キャビティと加熱水キャビティは気圧通路を介して連通し、水位調整キャビティと水タンク本体キャビティの間は連通口を介して連通され、水位が連通口より低い場合、気圧平衡により、水タンク本体キャビティを自動的に制御して水位調整キャビティに対して補水するようにし、水位が、連通口が配置された位置に達した場合、平衡状態が維持される。このため、当該水位調整装置は、電磁ポンプおよび電磁ポンプに対する制御の最適化が必要なく、気圧通路の設計により水位に対する調整を実現し、制御モジュールのコストを簡素化し、システムの安定性も高くなるため、当該水位調整装置を採用する衣類スチーマーのコストはより低くなり、且つ安定性は高い。