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特許7011740マンモグラフィー装置{MAMMOGRAPHY DEVICE}
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】マンモグラフィー装置{MAMMOGRAPHY DEVICE}
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20220119BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A61B6/00 330Z
A61B6/04 309B
A61B6/04 309C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021000553
(22)【出願日】2021-01-05
(65)【公開番号】P2021109105
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2021-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0001330
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513303186
【氏名又は名称】ビューワークス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ソンキル
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-093136(JP,A)
【文献】特開2015-116301(JP,A)
【文献】特開2007-082887(JP,A)
【文献】特表2016-500293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象体に放射線を照射する照射部と前記対象体が配置される検出部とを含むCアーム(C-arm)、前記Cアームに結合され、前記対象体を圧迫する圧迫パドル、前記圧迫パドルを上下に移動させる移送部、および前記移送部に動力を伝達する駆動部を含むマンモグラフィー装置であって、
前記Cアームの本体の上部に結合され、前記移送部の動作に連動して駆動されるベルトの一側を支持するベルト支持部、および
前記ベルト支持部の一側に結合され、前記Cアームの回転角度が一定角度以上である場合に前記ベルト支持部の駆動を制限する落下防止部
を含むことを特徴とするマンモグラフィー装置。
【請求項2】
前記落下防止部は、
前記マンモグラフィー装置に供給される電源が遮断されれば、前記ベルト支持部の駆動を停止させる制動ユニット、前記制動ユニットと連動して作動し、前記Cアームの回転角度が一定角度以上である場合に前記ベルト支持部と接触して前記ベルト支持部の駆動を制限するスイングギアユニット、および前記Cアームの回転角度が一定角度以上である場合に前記スイングギアユニットを前記ベルト支持部と接触するように制御する接触コントローラを含み、
前記ベルト支持部は、
前記本体に結合されるベルトプーリ支持部、前記ベルトプーリ支持部の一側に結合されるベルトプーリ、および前記ベルトプーリ支持部の他側に回転軸を介して前記ベルトプーリと軸結合されるベルトギアを含むことを特徴とする、請求項1に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項3】
前記制動ユニットは、
前記本体に結合される制動ユニット支持部、前記制動ユニット支持部の一側に結合されるブレーキ、および前記制動ユニット支持部の他側に制動軸を介して前記ブレーキと軸結合される制動ギアを含むことを特徴とする、請求項2に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項4】
前記スイングギアユニットは、
前記制動ユニット支持部の他側に結合され、前記制動軸を介して前記制動ギアと軸結合されるスイングギアユニット支持部、前記スイングギアユニット支持部内に結合され、前記スイングギアユニット支持部とスイングギア軸を介して軸結合されるスイングギア、および前記スイングギアユニット支持部の一側に形成される第1締結具を含み、
前記Cアームの回転角度が一定角度以上である場合、前記スイングギアは前記制動ギアと噛合して前記制動軸を中心に回転し、前記スイングギアと前記ベルトギアは噛合することを特徴とする、請求項3に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項5】
前記Cアームの回転角度が一定角度未満である時、前記スイングギアは前記ベルトギアから離隔して配置されることを特徴とする、請求項4に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項6】
前記制動ユニット支持部の前側にはスプリング支持部が結合され、
前記スプリング支持部の一側には第2締結具が形成され、
前記第1締結具にはスプリングの下部が締結され、前記第2締結具には前記スプリングの上部が締結されることを特徴とする、請求項4に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項7】
前記接触コントローラは前記制動ユニット支持部に軸結合されることを特徴とする、請求項3に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項8】
前記接触コントローラは、前記Cアームの回転角度が一定角度以上である時、前記制動ユニット支持部と連結された軸を中心に回転して前記スイングギアユニット支持部との接触が解除され、それにより、前記スイングギアが前記ベルトギアと接触するように制御することを特徴とする、請求項4に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項9】
前記スプリングは、前記Cアームの回転角度が一定角度以上である時、前記スイングギアが前記ベルトギアと接触するように弾性力を付与することを特徴とする、請求項6に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項10】
前記スイングギアと前記ベルトギアが噛合する時、前記スイングギアと前記ベルトギアの回転方向は逆であることを特徴とする、請求項4に記載のマンモグラフィー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンモグラフィー装置に関し、より詳しくは、非常停止または停電時にパドル(Paddle)の落下を防止することができるマンモグラフィー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、マンモグラフィーは、放射線、具体的にはX線(X-ray)画像技術の様々な長所と共に、画像の拡大、撮影数の減少、解像度の上昇、明るさおよびコントラスト比の調節による被爆の極小化という固有の特徴を通じて急速に普及されている。
【0003】
マンモグラフィー装置は、底部に垂直な柱形状の本体部、中間部分が本体部に沿って昇降および回転が可能に連結された状態で両端部が互いに対向する弧状に折り曲げられ、全体的にC形状またはそれと類似した形状を示すCアーム(C-arm)、Cアームの一端部に取り付けられ、対向する他端部に向かってX線を照射するX線照射部、X線照射部と対面する検出器(detector)、およびCアームの内面に沿ってX線照射部と検出器との間を直線往復運動する圧迫パドル(compression paddle)を含む。
【0004】
圧迫パドルは駆動部により昇降移動し、電気信号に応じて設定された荷重をもって測定対象体、具体的には乳房に直接的な圧力を加えるようになる。
【0005】
韓国公開特許公報第10-2019-0056893号には、電源供給が遮断されるなどの非常時に圧迫パドルが対象体に移動または落下するのを遮断する一方、対象体を加圧していた圧迫パドルを容易に解除可能なマンモグラフィー装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許公報第10-2019-0056893号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術においては、Cアームが正位置にある状態(上部にX線照射部が位置し、下部に検出器が位置する状態)で、非常時に圧迫パドルの落下を防止する構造が開示されている。ところが、Cアームが逆位置にある状態(上部に検出器が位置し、下部にX線照射部が位置するようにCアームを回転させた状態)で、電源供給が遮断されるなどの非常時に圧迫パドルが自由落下することについては全く考慮されていない。
【0008】
そこで、本発明は、Cアームの回転角度が一定角度以上の範囲を超過した状態であっても圧迫パドルの落下を防止して、突然の落下によるマンモグラフィー装置の構造物の破損などを防止するマンモグラフィー装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によるマンモグラフィー装置は、対象体に放射線を照射する照射部と前記対象体が配置される検出部とを含むCアーム(C-arm)、前記Cアームに結合され、前記対象体を圧迫する圧迫パドル、前記圧迫パドルを上下に移動させる移送部、および前記移送部に動力を伝達する駆動部を含み、前記Cアームの本体の上部に結合され、前記移送部の動作に連動して駆動されるベルトの一側を支持するベルト支持部、および前記ベルト支持部の一側に結合され、前記Cアームの回転角度が一定角度以上である場合に前記ベルト支持部の駆動を制限する落下防止部を含むことを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記落下防止部は、前記マンモグラフィー装置に供給される電源が遮断されれば、前記ベルト支持部の駆動を停止させる制動ユニット、前記制動ユニットと連動して作動し、前記Cアームの回転角度が一定角度以上である場合に前記ベルト支持部と接触して前記ベルト支持部の駆動を制限するスイングギアユニット、および前記Cアームの回転角度が一定角度以上である場合に前記スイングギアユニットを前記ベルト支持部と接触するように制御する接触コントローラを含むことを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記ベルト支持部は、前記本体に結合されるベルトプーリ支持部、前記ベルトプーリ支持部の一側に結合されるベルトプーリ、および前記ベルトプーリ支持部の他側に回転軸を介して前記ベルトプーリと軸結合されるベルトギアを含むことを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記制動ユニットは、前記本体に結合される制動ユニット支持部、前記制動ユニット支持部の一側に結合されるブレーキ、および前記制動ユニット支持部の他側に制動軸を介して前記ブレーキと軸結合される制動ギアを含むことを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記スイングギアユニットは、前記制動ユニット支持部の他側に結合され、前記制動軸を介して前記制動ギアと軸結合されるスイングギアユニット支持部、前記スイングギアユニット支持部内に結合され、前記スイングギアユニット支持部とスイングギア軸を介して軸結合されるスイングギア、および前記スイングギアユニット支持部の一側に形成される第1締結具を含み、前記Cアームの回転角度が一定角度以上である場合、前記スイングギアは前記制動ギアと噛合して前記制動軸を中心に回転し、前記スイングギアと前記ベルトギアは噛合することを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記Cアームの回転角度が一定角度未満である時、前記スイングギアは前記ベルトギアから離隔して配置されることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記制動ユニット支持部の前側にはスプリング支持部が結合され、前記スプリング支持部の一側には第2締結具が形成され、前記第1締結具にはスプリングの下部が締結され、前記第2締結具には前記スプリングの上部が締結されることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記接触コントローラは前記制動ユニット支持部に軸結合されることを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記接触コントローラは、前記Cアームの回転角度が一定角度以上である時、前記制動ユニット支持部と連結された軸を中心に回転して前記スイングギアユニット支持部との接触が解除され、それにより、前記スイングギアが前記ベルトギアと接触するように制御することを特徴とする。
【0018】
好ましくは、前記スプリングは、前記Cアームの回転角度が一定角度以上である時、前記スイングギアが前記ベルトギアと接触するように弾性力を付与することを特徴とする。
【0019】
好ましくは、前記スイングギアと前記ベルトギアが噛合する時、前記スイングギアと前記ベルトギアの回転方向は逆であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態によれば、Cアームの回転角度が一定角度以上の範囲を超過した状態であっても圧迫パドルの落下を防止して、突然の落下による構造物の破損を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1a】本発明の一実施形態によるマンモグラフィー装置を例示的に示す図である。
図1b】本発明の一実施形態によるマンモグラフィー装置を例示的に示す図である。
図2図1に示されたマンモグラフィー装置の一部の構成を示す図である。
図3図2に示されたマンモグラフィー装置の特定部分を正面から見た図である。
図4図2のA部分を拡大して上部および下部から見た図である(本発明の一実施形態による落下防止部を示す図)。
図5図2のA部分を拡大して正面から見た図である(本発明の一実施形態による落下防止部を示す図)。
図6a】本発明の一実施形態による落下防止部の作動状態を示す図である。
図6b】本発明の一実施形態による落下防止部の作動状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。先ず、各図面の構成要素に参照符号を付する際、同一の構成要素に対しては、他の図面上に示すときにも可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにおいて、関連の公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。また、以下では本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定または制限されるものではなく、当業者により変形されて多様に実施できることは勿論である。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態によるマンモグラフィー装置100を例示的に示す図である。
【0024】
図1を参照すれば、マンモグラフィー装置100を側面から見た形状が示されている。
【0025】
図1に示すように、マンモグラフィー装置100は、照射部1と昇降部40および検出部2を含み、Cアーム支持部4の一側に結合されるC形状のCアーム(C-arm)を含むことができる。
【0026】
前記CアームにはCアームの本体10の一側に結合された昇降部40と対象体3を圧迫する圧迫パドル50が結合され、CアームはCアーム支持部4により支持された状態で回転することができる。
【0027】
前記マンモグラフィー装置100は、図1(a)に示すように、照射部1から検出部2上に配置された対象体3に向かって放射線Rを照射することができる。
【0028】
この時、照射部1はX線を照射するX線照射部であってもよく、対象体3はヒトの乳房であってもよい。放射線RとしてはX線が使用できるが、これに限定されるものではなく、医療用途として使用できる範囲内でγ線などの様々な変形実施が可能である。
【0029】
また、本体10の一側に結合された昇降部40が下側に移動することにより、昇降部40に結合された圧迫パドル50が対象体3を加圧することができる。
【0030】
一方、前記Cアームは、図1(a)の状態のように正位置にある状態で、上部に照射部1が位置し、下部に検出部2が位置することができる。また、前記Cアームは、図1(b)の状態のように逆位置にある状態で、上部に検出部2が位置し、下部に照射部1が位置するように前記Cアーム支持部4と連結された軸(図示せず)を中心に回転することができる。
【0031】
以下、本発明の実施形態においては、図1(b)の状態で電源供給の遮断などの状況の発生時に圧迫パドル50の自由落下を防止できる構成について詳しく説明する。
【0032】
図2は、図1に示されたマンモグラフィー装置100の一部の構成を示す図であり、図3は、本発明の一実施形態によるマンモグラフィー装置100の特定部分を正面から見た図であり、図4は、図2のA部分を拡大して上部および下部から見た図(本発明の一実施形態による落下防止部60を示す図)であり、図5は、図2のA部分を拡大した図(本発明の一実施形態による落下防止部60を示す図)であり、図6は、本発明の一実施形態による落下防止部60の作動状態を示す図である。この時、図5では後述する落下防止部60の一部の構成、図6では後述するベルト支持部70の構成中の一部の図示は省略する。
【0033】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態によるマンモグラフィー装置100は、対象体3を圧迫する圧迫パドル50、圧迫パドル50を上下に移動させる移送部30、および移送部30に動力を伝達する駆動部20を含むことができる。
【0034】
この時、図2において、前述した照射部1、検出部2、対象体3およびCアーム支持部4の図示は省略する。
【0035】
また、本発明の実施形態において詳細に図示されてはいないが、駆動部20は、外部電源と連結される駆動モータ、および駆動モータの動力伝達により回転する駆動シャフトなどを含むことができる。また、駆動部20から移送部30に伝達される動力の形態は回転動力であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0036】
駆動部20から移送部30に動力が伝達されることにより、移送部30は正回転または逆回転し、移送部30に結合される昇降部40が移送部30の正回転または逆回転により本体10の上下方向(例えば、移送部30の正回転時に昇降部40は上側方向に移動)に移動することができる。それにより、昇降部40の一側に結合された圧迫パドル50も本体10の上下方向に移動し、それにより、圧迫パドル50が対象体3を圧迫したり対象体3から離隔したりすることができる。
【0037】
一方、本体10の上部には、移送部30の動作に連動して駆動されるベルト74の一側を支持するベルト支持部70が形成されることができる。
【0038】
詳しくは、前記ベルト支持部70は、図4および図5に示すように、本体10に結合されるベルトプーリ支持部71、ベルトプーリ支持部71の一側に結合されるベルトプーリ72、およびベルトプーリ支持部71の他側に回転軸75を介して前記ベルトプーリ72と軸結合されるベルトギア73を含むことができる。
【0039】
この時、移送部30が正回転または逆回転することにより、ベルトプーリ72も正方向または逆方向に回転することができる。ベルトプーリ72が回転すれば、図2図4および図5に示すように、移送部30の移送プーリ(図示せず)およびベルトプーリ72に配置されたベルト74が移送プーリおよびベルトプーリ72を各々回転折返し点にして回転することができる。それにより、圧迫パドル50を上下に移動させることができる。
【0040】
一方、図1(b)に示すように、マンモグラフィー装置100のCアームが回転した状態(例示的にCアームの回転角度が図1の正常配置状態を基準に180°)で、非常停止または停電が発生してマンモグラフィー装置100に伝達される電源が遮断されれば、圧迫パドル50に連結された構成の重さにより圧迫パドル50が自由落下して照射部1などの構成が破損しうるし、圧迫パドル50そのものも破損する危険がある。
それに対し、本発明の一実施形態においては、図2図3図5に示すように、ベルト支持部70の一側に結合され、前記Cアームの回転角度が一定角度以上である場合にベルト支持部70の駆動を制限する落下防止部60をさらに含むことができる。
【0041】
この時、ベルト支持部70の駆動を制限するように落下防止部60を作動させるCアームの回転角度の範囲は、図1(a)の正常配置状態(0°)を基準に160°以上180°未満であってもよい。
【0042】
しかし、それに限定されず、圧迫パドル50に連結された構成の重さにより圧迫パドル50が自由落下するCアームの回転角度の範囲であれば落下防止部60が作動するように設定することができる。
【0043】
落下防止部60は、マンモグラフィー装置100に供給される電源が遮断されれば、前記ベルト支持部70の駆動を停止させる制動ユニット61を含むことができる。
【0044】
この時、図4および図5に示すように、制動ユニット61は、本体10に結合される制動ユニット支持部611、制動ユニット支持部611の一側に結合されるブレーキ612、および制動ユニット支持部611の他側に制動軸614を介してブレーキ612と軸結合される制動ギア613を含むことができる。
【0045】
ブレーキ612は、電子式ブレーキの一種であってもよく、好ましくは、停電などの緊急状況の発生時に電源が遮断されれば、内蔵されたスプリングの圧力により制動力を発生させる無励磁ブレーキ(demagnetized brake)であってもよい。
【0046】
この時、ブレーキ612は、ブレーキ612の制動力以上の物理力を加えれば、スリップが発生しうる。また、制動ギア613は、ブレーキ612により制動力が発生すれば、制動軸614と共に制動が発生しうる。
【0047】
また、落下防止部60は、前記制動ユニット61と連動して作動し、Cアームの回転角度が一定角度以上である場合にベルト支持部70と接触してベルト支持部70の駆動を制限するスイングギアユニット62、およびCアームの回転角度が一定角度以上である場合にスイングギアユニット62をベルト支持部70と接触するように制御する接触コントローラ65をさらに含むことができる。
【0048】
また、図4図6に示すように、スイングギアユニット62は、前記制動ユニット支持部611の他側に結合され、制動軸614を介して制動ギア613と軸結合されるスイングギアユニット支持部621、前記スイングギアユニット支持部621内に結合され、前記スイングギアユニット支持部621とスイングギア軸623を介して軸結合されるスイングギア622、および前記スイングギアユニット支持部621の一側に形成される第1締結具624を含むことができる。
【0049】
この時、図4および図5に示すように、制動ギア613とスイングギア622は、スイングギアユニット支持部621内に結合されて支持される。
【0050】
また、前記第1締結具624には、後述するスプリング63の下部が締結される。そして、制動ユニット支持部611の前側にはスプリング支持部64が結合され、スプリング支持部64の一側には前述したスプリング63の上部が締結される第2締結具641が形成される。
【0051】
一方、Cアームの回転角度が一定角度未満であり、マンモグラフィー装置100に電源が正常に印加される場合、図6(a)に示すように、スイングギア622は、前記ベルト支持部70のベルトギア73から所定間隔離れて配置される。
【0052】
その反面、非常停止または停電が発生してマンモグラフィー装置100に印加される電源が遮断されれば、ブレーキ612により制動力が発生して、制動ギア613が制動軸614を中心に回転し、図6(b)に示すように、スイングギア622は、制動ギア613と噛合して、制動ギア613と連結された制動軸614を中心に回転することができる。この時、制動ギア613とスイングギア622の回転方向は互いに逆である。
【0053】
一方、前述したように、接触コントローラ65は、Cアームの回転角度が一定角度以上である場合、スイングギアユニット62をベルト支持部70と接触するように制御することができる。この時、接触コントローラ65は、図4および図5に示すように、制動ユニット支持部611の前側と後側との間に軸結合され、電子ソレノイドであってもよい。
【0054】
また、接触コントローラ65は、図4および図6(a)に示すように、Cアームの回転角度が一定角度未満である場合、スイングギアユニット支持部621、詳しくはスイングギアユニット支持部621の末端部と接触することができる。
【0055】
接触コントローラ65は、図6(a)に示すように、マンモグラフィー装置100の正常作動状態では回転しない。しかし、図6(b)に示すように、Cアームが一定回転角度以上に回転すれば、接触コントローラ65は、スイングギア622がベルト支持部70の構成中のベルトギア73と接触するように制御することができる。この時、接触コントローラ65は、重力方向基準に重心が常に地面に向かう。
【0056】
詳しくは、非常停止または停電が発生してマンモグラフィー装置100に伝達される電源が遮断され、Cアームが一定回転角度以上に回転するようになる場合、制動ユニット61のブレーキ612により制動力が発生して制動ギア613に制動が発生することができる。そして、スイングギア622は、制動ギア613と噛合して、制動ギア613と連結された制動軸614を中心に回転することができる。
【0057】
この時、図6(b)に示すように、接触コントローラ65が制動ユニット支持部611と連結された軸を中心に回転することができる。この時、接触コントローラ65が回転して、接触コントローラ65とスイングギアユニット支持部621の末端部との接触が解除され、それにより、スイングギアユニット支持部621の拘束が解除され、スイングギアユニット支持部621がベルトギア73方向に傾くことができる。
【0058】
それにより、スイングギア622がベルトギア73に接近するようになり、第1締結具624および第2締結具641に上下に締結されたスプリング63が圧縮されて、スイングギア622がベルトギア73に接触できるように弾性力を付与することができる。
【0059】
詳しくは、前記スプリング63は、スイングギア622より重さの軽い引張スプリングであってもよく、Cアームの回転角度が一定角度以上である場合(例えば、160°以上180°未満)に引張力が作用してスイングギア622とベルトギア73の間の接触性を向上させることができる。この時、スイングギア622の荷重が加えられてスイングギア622とベルトギア73の間の接触性がさらに向上できる。
【0060】
スイングギア622がベルトギア73に接触すれば、スイングギア622とベルトギア73は噛合し、この時、スイングギア622とベルトギア73の回転方向は逆であり、前述したように、制動ギア613とスイングギア622の回転方向は互いに逆である。
【0061】
したがって、非常停止または停電が発生してマンモグラフィー装置100に伝達される電源が遮断され、Cアームが一定回転角度以上に回転するようになる場合、制動ユニット61のブレーキ612により制動力が発生して制動ギア613に制動力が発生し、この時、ベルトギア73とスイングギア622が図6(b)に示すように接触して噛合し、それにより、ベルトギア73の回転が停止できる。
【0062】
それにより、ベルトギア73と回転軸75を介して軸結合されたベルトプーリ72の回転も停止して圧迫パドル50の移動が停止するため、非常停止または停電が発生してマンモグラフィー装置100に伝達される電源が遮断され、図1(b)に示された状態のようにCアームが一定回転角度以上に回転するようになる場合にも、圧迫パドル50の非常落下を防止することができる。
【0063】
この時、ユーザが手動操作により圧迫パドル50にブレーキ612の制動力以上の物理力を加えれば(図1(b)基準に照射部1の方向に力を加えれば)、ブレーキ612でスリップが発生して、対象体3を圧迫パドル50から解除することができる。この時、Cアームの回転角度が一定角度以上である場合(例えば、160°以上180°未満)には、圧迫パドル50そのものの重さが加えられるため、圧迫パドル50の解除がさらに容易になる。
【0064】
一方、図1(b)の状態でCアームの回転角度が一定角度未満(例えば、160°未満)になる場合、接触コントローラ65は、図6(b)での回転方向の逆方向に回転することができる。
【0065】
この時、スプリング63には、Cアームの回転角度が一定角度以上である場合とは異なり、スイングギア622の荷重が少なく作用するため、スイングギア622の荷重より小さい引張力が作用してスプリング63が伸ばされる。それにより、第1締結具624および第2締結具641に上下に締結されたスプリング63は初期状態に復元して、スイングギア622がベルトギア73から離隔するように弾性力を付与することができる。
【0066】
また、スプリング63が初期状態に復元して、スイングギアユニット支持部621が図6(a)に示すようにベルトギア73から遠くなる方向に本来の位置に戻るため、接触コントローラ65とスイングギアユニット支持部621の末端部が再び接触することができる。
【0067】
この時、図6(a)に示すように、ベルトギア73とスイングギア622が互いに離隔するため、ベルトギア73と回転軸75を介して軸結合されたベルトプーリ72の回転が可能となって、正常に圧迫パドル50の上下移動がなされる。
【0068】
本発明の実施形態によれば、Cアームの回転角度が一定角度以上の範囲を超過した状態であっても圧迫パドルの落下を防止して、突然の落下による構造物の破損を防止できるという効果がある。
【0069】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正、変更および置換が可能である。よって、本発明に開示された実施形態および添付された図面は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態および添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は下記の請求範囲によって解釈しなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0070】
100 ・・・マンモグラフィー装置
10 ・・・本体
20 ・・・駆動部
30 ・・・移送部
40 ・・・昇降部
50 ・・・圧迫パドル
60 ・・・落下防止部
70 ・・・ベルト支持部
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b