(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/52 20220101AFI20220119BHJP
H04W 4/029 20180101ALI20220119BHJP
【FI】
H04L67/52
H04W4/029
(21)【出願番号】P 2021028532
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2021-02-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】高山 伸也
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-023851(JP,A)
【文献】特開2020-194278(JP,A)
【文献】特開2015-135589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/12
H04W 4/029
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末それぞれを識別する端末識別情報と、前記ユーザ端末の位置を示す端末位置情報とを関連付けた位置履歴情報を複数取得する取得部と、
複数の施設としての店舗のうち、分析を行う店舗である分析対象場所の指定を受け付ける受付部と、
前記分析対象場所である店舗を運営する事業者が運営する、前記分析対象場所である店舗と異なる複数の他の店舗を、前記分析対象場所である店舗と所定の関係を有する店舗として特定し、前記位置履歴情報に基づいて、所定時間内に、移動元である前記複数の他の店舗のうちのいずれかの店舗から前記分析対象場所に移動し、かつ、前記分析対象場所から移動先である前記複数の他の店舗のうちのいずれかの店舗に移動した一以上の前記ユーザ端末と前記移動元と前記移動先とを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記ユーザ端末と、前記移動元である店舗と、前記分析対象場所と、前記移動先である店舗との情報に基づき、前記ユーザ端末に関する情報と前記分析対象場所を含む複数の店舗の移動順序を示す情報とを関連付けて出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
複数のユーザ端末それぞれを識別する端末識別情報と、前記ユーザ端末の位置を示す端末位置情報とを関連付けた位置履歴情報を複数取得する取得部と、
複数のエリア又は複数の施設のうち、分析を行うエリア又は施設である分析対象場所の指定を受け付けるとともに、前記分析対象場所と所定の関係を有するエリア又は施設の指定を受け付ける受付部と、
前記位置履歴情報に基づいて、所定時間内に、前記所定の関係を有するエリア又は施設である移動元から前記分析対象場所に移動し、かつ、前記分析対象場所から前記所定の関係を有するエリア又は施設である移動先に移動した一以上の前記ユーザ端末と前記移動元と前記移動先とを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記ユーザ端末と、前記移動元と、前記分析対象場所と、前記移動先との情報に基づき、前記ユーザ端末に関する情報と前記複数のエリア又は複数の施設のうち前記分析対象場所を含む複数のエリア又は施設の移動順序を示す情報とを関連付けて出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記端末位置情報に基づいて移動開始場所及び移動終了場所を特定し、前記移動開始場所から前記移動終了場所までに滞在した前記複数のエリア又は施設の移動順序を特定する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記端末位置情報に基づいて、前記ユーザ端末が前記分析対象場所を含む所定範囲のエリアに最初に滞在した場所を
前記移動開始場所と特定するとともに、前記ユーザ端末が前記所定範囲のエリアに最後に滞在した場所を
前記移動終了場所と特定する、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記端末位置情報に基づいて、前記ユーザ端末が所定時間帯において最初に滞在した場所を
前記移動開始場所と特定するとともに、前記ユーザ端末が前記所定時間帯において最後に滞在した場所を
前記移動終了場所と特定する、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記端末識別情報と、前記ユーザ端末を使用するユーザの属性を示す属性情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、
前記特定部は、特定した前記ユーザ端末の前記端末識別情報に関連付けられている前記属性情報を特定し、
前記出力部は、前記ユーザ端末に関する情報として、前記特定部が特定した前記属性情報を出力する、
請求項1
から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記ユーザ端末と前記移動元とに関する情報を
、前記移動順序を示す情報に関連付けて出力する、
請求項1から
6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、前記位置履歴情報に基づいて、前記所定時間内に前記移動元から前記分析対象場所に移動した前記ユーザ端末の数を特定し、
前記出力部は、前記ユーザ端末と前記移動元とに関する情報として、前記特定部が特定した前記移動元から前記分析対象場所に移動した前記ユーザ端末の数を示す情報を出力する、
請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特定部は、前記位置履歴情報に基づいて、前記移動元から前記分析対象場所に移動した前記ユーザ端末が、前記移動元から前記分析対象場所に移動を開始した時刻である流入開始時刻を特定し、
前記出力部は、前記ユーザ端末と前記移動元とに関する情報として、前記特定部が特定した前記流入開始時刻を示す情報を出力する、
請求項
7又は
8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記端末識別情報と、前記ユーザ端末を使用するユーザの属性を示す属性情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、
前記特定部は、前記所定時間内に前記移動元から前記分析対象場所に移動した前記ユーザ端末の前記端末識別情報に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記属性情報が示す属性を、前記分析対象場所に流入したユーザである流入ユーザの属性として特定し、
前記出力部は、前記ユーザ端末と前記移動元とに関する情報として、前記特定部が特定した前記流入ユーザの属性を示す属性情報を出力する、
請求項
7から
9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記特定部は、前記位置履歴情報に基づいて、前記所定時間内に前記移動元から前記分析対象場所に移動した前記ユーザ端末を使用するユーザの前記移動元から前記分析対象場所への移動手段を特定し、
前記出力部は、前記ユーザ端末と前記移動元とに関する情報として、前記特定部が特定した前記移動元から前記分析対象場所への移動手段を示す情報を出力する、
請求項
7から
10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記出力部は、前記ユーザ端末と前記移動先とに関する情報を
、前記移動順序を示す情報に関連付けて出力する、
請求項1から
11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記特定部は、前記位置履歴情報に基づいて、前記所定時間内に前記分析対象場所から前記移動先に移動した前記ユーザ端末の数を特定し、
前記出力部は、前記ユーザ端末と前記移動先とに関する情報として、前記特定部が特定した前記分析対象場所から前記移動先に移動した前記ユーザ端末の数を示す情報を出力する、
請求項
12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記特定部は、前記端末位置情報に基づいて、前記所定時間内に前記分析対象場所から前記移動先に移動した前記ユーザ端末を使用するユーザの前記分析対象場所から前記移動先への移動手段を特定し、
前記出力部は、前記ユーザ端末と前記移動先とに関する情報として、前記特定部が特定した前記分析対象場所から前記移動先への移動手段を示す情報を出力する、
請求項
12又は
13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータが実行する、
複数のユーザ端末それぞれを識別する端末識別情報と、前記ユーザ端末の位置を示す端末位置情報とを関連付けた位置履歴情報を複数取得するステップと、
複数の施設としての店舗のうち、分析を行う店舗である分析対象場所の指定を受け付けるステップと、
前記分析対象場所である店舗を運営する事業者が運営する、前記分析対象場所である店舗と異なる複数の他の店舗を、前記分析対象場所である店舗と所定の関係を有する店舗として特定するステップと、
前記位置履歴情報に基づいて、所定時間内に、移動元である前記複数の他の店舗のうちのいずれかの店舗から前記分析対象場所に移動し、かつ、前記分析対象場所から移動先である前記複数の他の店舗のうちのいずれかの店舗に移動した一以上の前記ユーザ端末と前記移動元と前記移動先とを特定するステップと、
特定された前記ユーザ端末と、前記移動元である店舗と、前記分析対象場所と、前記移動先である店舗との情報に基づき、前記ユーザ端末に関する情報
と前記分析対象場所を含む複数の店舗の移動順序を示す情報とを関連付けて出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータが実行する、
複数のユーザ端末それぞれを識別する端末識別情報と、前記ユーザ端末の位置を示す端末位置情報とを関連付けた位置履歴情報を複数取得するステップと、
複数のエリア又は複数の施設のうち、分析を行うエリア又は施設である分析対象場所の指定を受け付けるとともに、前記分析対象場所と所定の関係を有するエリア又は施設の指定を受け付けるステップと、
前記位置履歴情報に基づいて、所定時間内に、前記所定の関係を有するエリア又は施設である移動元から前記分析対象場所に移動し、かつ、前記分析対象場所から前記所定の関係を有するエリア又は施設である移動先に移動した一以上の前記ユーザ端末と前記移動元と前記移動先とを特定するステップと、
特定された前記ユーザ端末と、前記移動元と、前記分析対象場所と、前記移動先との情報に基づき、前記ユーザ端末に関する情報と前記複数のエリア又は複数の施設のうち前記分析対象場所を含む複数のエリア又は施設の移動順序を示す情報とを関連付けて出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末に関する情報を出力する情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エリア内に滞在する複数のユーザの端末の位置情報に基づいて、エリア内に滞在するユーザの分析を行うことが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、エリア又は施設における流入と流出の観点からユーザの行動を評価することができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、流入と流出の観点からユーザの行動を評価できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、複数のユーザ端末それぞれを識別する端末識別情報と、前記ユーザ端末の位置を示す端末位置情報とを関連付けた位置履歴情報を複数取得する取得部と、複数のエリア又は複数の施設のうち、分析を行うエリア又は施設である分析対象場所の指定を受け付ける受付部と、前記位置履歴情報に基づいて、所定時間内に、前記複数のエリア又は複数の施設のうち前記分析対象場所以外の移動元から前記分析対象場所に移動し、かつ、前記分析対象場所から前記複数のエリア又は複数の施設のうち前記分析対象場所以外の移動先に移動した一以上の前記ユーザ端末と前記移動元と前記移動先とを特定する特定部と、前記特定部が特定した前記ユーザ端末と、前記移動元と、前記分析対象場所と、前記移動先との情報に基づき、前記ユーザ端末に関する情報と前記複数のエリア又は複数の施設のうち前記分析対象場所を含む複数のエリア又は施設の移動順序を示す情報とを関連付けて出力する出力部と、を有する。
【0007】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、複数のユーザ端末それぞれを識別する端末識別情報と、前記ユーザ端末の位置を示す端末位置情報とを関連付けた位置履歴情報を複数取得するステップと、複数のエリア又は複数の施設のうち、分析を行うエリア又は施設である分析対象場所の指定を受け付けるステップと、前記位置履歴情報に基づいて、所定時間内に、前記複数のエリア又は複数の施設のうち前記分析対象場所以外の移動元から前記分析対象場所に移動し、かつ、前記分析対象場所から前記複数のエリア又は複数の施設のうち前記分析対象場所以外の移動先に移動した一以上の前記ユーザ端末と前記移動元と前記移動先とを特定するステップと、特定された前記ユーザ端末と、前記移動元と、前記分析対象場所と、前記移動先との情報に基づき、前記ユーザ端末に関する情報と前記複数のエリア又は複数の施設のうち前記分析対象場所を含む複数のエリア又は施設の移動順序を示す情報とを関連付けて出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、流入と流出の観点からユーザの行動を評価することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理装置の概要を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る位置履歴情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る受付画面の一例を示す図である。
【
図6】分析対象場所から移動先に移動したユーザ端末の数の集計例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る分析結果画面の一例を示す図である。
【
図8】分析対象施設の移動順位を示す情報を含む分析結果画面の他の一例である。
【
図9】本実施形態に係る情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[情報処理装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の概要を示す図である。情報処理装置1は、ユーザ端末2の位置情報を用いてエリアから移動するユーザの行動分析を行うコンピュータである。本実施形態において、ユーザ端末2は、スマートフォン等の携帯端末であるものとする。
【0011】
情報処理装置1は、複数のユーザのそれぞれが所持するユーザ端末2から、ユーザ端末2を識別するための端末識別情報としての端末IDと、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報とを取得し(
図1の(1))、取得した端末IDと、端末位置情報とを関連付けて位置履歴情報として記憶する。情報処理装置1は、エリアを分析する分析者が使用する分析者端末3から、複数のエリア又は施設のうち、分析を行うエリア又は施設である分析対象場所の指定を受け付ける(
図1の(2))。
【0012】
情報処理装置1は、位置履歴情報に基づいて、所定時間内に、複数のエリア又は複数の施設のうち分析対象場所以外の移動元から分析対象場所に移動し、かつ、分析対象場所から複数のエリア又は複数の施設のうち分析対象場所以外の移動先に移動したユーザ端末2を一以上特定する。所定期間は、例えばエリアの分析を行う対象となる分析対象期間である。
【0013】
情報処理装置1は、特定した一以上のユーザ端末2が分析対象場所に移動する前の所在した場所である移動元と、特定した一以上のユーザ端末2が分析対象場所から移動した場所である移動先とを特定する。情報処理装置1は、特定したユーザ端末2と、移動元と、分析対象場所と、移動先との情報に基づき、ユーザ端末2に関する情報と、複数のエリア又は複数の施設のうち分析対象場所への移動順序とを関連付けた分析情報を分析者端末3に出力する(
図1の(3))。このようにすることで、分析者は、分析対象場所に対する流入と流出の観点からユーザの行動を評価することができる。
【0014】
[情報処理装置1の構成]
続いて、情報処理装置1の構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。制御部13は、取得部131と、受付部132と、特定部133と、出力部134とを有する。
【0015】
通信部11は、情報処理装置1がユーザ端末2、及び分析者端末3等の外部装置との間でデータを送受信するネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えばLANコントローラを含んで構成されている。
【0016】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部12は、制御部13を、取得部131、受付部132、特定部133及び出力部134として機能させる分析プログラムを記憶している。
【0017】
また、記憶部12は、通信事業者が提供する通信サービスを利用するユーザの情報であるユーザ情報を記憶する。
図3は、本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報は、例えば、通信事業者が管理する、当該サービスを利用するユーザとの契約情報に基づいて生成された情報である。
【0018】
図3に示すように、ユーザ情報は、ユーザを識別するユーザ識別情報としてのユーザIDと、当該ユーザが所持するユーザ端末2の端末IDと、ユーザ名と、複数の属性の種類のそれぞれに対応するユーザの属性を示す属性情報とを関連付けた情報である。なお、
図3に示す例では、属性の種類として、年代、性別を示しているが、これに限らず、趣味、趣向情報、年収、家族構成、預貯金額等の他の属性の種類が含まれていてもよい。また、記憶部12は、ユーザ情報を記憶することとしたが、これに限らず、通信事業者が管理する契約情報を記憶することとしてもよい。
【0019】
また、記憶部12は、ユーザが所持するユーザ端末2の端末IDと、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報とを関連付けた位置履歴情報を記憶する。
図4は、本実施形態に係る位置履歴情報の一例を示す図である。
図4に示すように、位置履歴情報は、端末IDと、時刻と、端末位置情報とを関連付けた情報である。端末位置情報は、例えばユーザ端末2においてGPSを用いた位置測位機能により測定されることにより生成される情報である。時刻は、端末位置情報が示す位置にユーザ端末2が存在した時刻である。
【0020】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶された分析プログラムを実行することにより、取得部131、受付部132、特定部133及び出力部134として機能する。
【0021】
取得部131は、複数のユーザ端末2それぞれを識別する端末IDと、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報とを関連付けた位置履歴情報を複数取得する。具体的には、取得部131は、通信部11を介して、複数のユーザ端末2のそれぞれから、所定時間おきに、端末IDと、端末位置情報とを取得する。取得部131は、端末IDと、端末位置情報とを取得すると、端末位置情報を取得した日時(時刻及び日にち)を、当該端末位置情報が示す位置にユーザ端末2が存在した日時として特定する。取得部131は、特定した日時と、取得した端末ID及び端末位置情報とを関連付けて位置履歴情報として記憶部12に記憶させる。
【0022】
なお、取得部131は、ユーザ端末2から、所定時間おきに端末IDと端末位置情報とを取得することとしたが、所定時間は一定であってもよいし可変であってもよい。また、取得部131は、ユーザ端末2から、端末IDと端末位置情報とを取得し、位置履歴情報として記憶部12に記憶させたが、これに限らない。取得部131は、端末位置情報を管理する外部装置(不図示)から端末IDと端末位置情報と時刻とを関連付けた位置履歴情報を取得し、記憶部12に記憶させてもよい。
【0023】
受付部132は、複数のエリア又は複数の施設のうち、分析を行うエリア又は施設である分析対象場所の指定を受け付ける。例えば、受付部132は、分析者端末3からユーザの行動に係る分析要求を取得すると、分析者端末3に分析対象場所の指定を受け付ける受付画面を表示させ、受付画面において分析対象場所の指定を受け付ける。
【0024】
図5は、本実施形態に係る受付画面の一例を示す図である。
図5に示すように受付部132は、受付画面に地図を表示させ、分析者端末3から、地図上の地点又は地域を受け付ける。地図は、経度方向及び緯度方向に分割された正方形の領域であるメッシュ領域に分割されている。受付部132は、地図上の地点を受け付けると、当該地点に対応する施設を分析対象場所として受け付ける。また、受付部132は、地図上の地域を受け付けると、受け付けた地域を含むメッシュ領域を分析対象場所とすることにより、分析対象場所の指定を受け付ける。
【0025】
なお、受付部132は、分析者端末3から受け付けた地点又は地域を受け付けることにより分析対象場所の指定を受け付けたが、これに限らない。受付部132は、市区町村等の自治体の指定を受け付けたり、住所を受け付けたりすることにより、分析対象場所の指定を受け付けてもよい。この場合、受付部132は、指定された自治体に対応する一以上のメッシュ領域を分析対象場所としてもよいし、指定された住所に対応する施設を分析対象場所としてもよい。
【0026】
また、受付部132は、所定期間としての分析対象期間の指定を受け付けてもよい。
図5に示す例では、分析対象期間の開始月及び終了月の入力欄が表示されており、分析者は、当該入力欄に自身が希望する分析対象期間の開始月及び終了月を入力することにより、分析対象期間を指定することができる。ここで、分析対象期間は、記憶部12に記憶されている端末位置情報が対応している分析対象可能期間に含まれる期間であるものとする。
【0027】
また、受付部132は、分析対象の属性の種類の指定を受け付けてもよい。受付部132は、例えば、
図3に示すユーザ情報に含まれる属性情報が示す複数の属性の種類の中から、少なくともいずれかの属性の種類を受け付けてもよい。
図5に示す例では、分析対象の属性の種類として、ユーザ端末2のユーザの性別が指定されていることが確認できる。
【0028】
また、受付部132は、分析対象の属性の種類とともに、当該属性の種類に対応する属性の指定を受け付けてもよい。受付部132は、例えば、属性の種類としてユーザの性別を受け付けた後に、性別に対応する属性「男性及び女性」、「男性」、「女性」のいずれかの指定を受け付けてもよい。
図5に示す例では、性別に対応する属性として男性及び女性が指定されていることが確認できる。また、受付部132は、複数の属性の種類のそれぞれに対応する複数の属性の指定を受け付けてもよい。
【0029】
特定部133は、位置履歴情報に基づいて、分析対象期間内に、複数のエリア又は複数の施設のうち分析対象場所以外の移動元から分析対象場所に移動し、かつ、分析対象場所から複数のエリア又は複数の施設のうち分析対象場所以外の移動先に移動した一以上のユーザ端末2と、当該移動元と、当該移動先とを特定する。
【0030】
具体的には、特定部133は、取得部131が取得し、記憶部12に記憶されている位置履歴情報を参照し、分析対象期間内に分析対象場所に滞在したユーザ端末2を特定する。例えば、特定部133は、分析対象期間内に予め定められた一定時間にわたって分析対象場所に位置したユーザ端末2を、分析対象期間内に分析対象場所に滞在したユーザ端末2として特定する。ここで、一定時間は、受付画面等を介して分析者が指定可能であってもよい。
【0031】
続いて、特定部133は、分析対象場所に滞在したユーザ端末2に対応する位置履歴情報に基づいて、当該ユーザ端末2が分析対象場所に位置する前に滞在したエリア又は施設を移動元として特定し、当該ユーザ端末2が分析対象場所に位置した後に滞在したエリア又は施設を移動先として特定する。特定部133は、ユーザ端末2が分析対象場所に位置する前に滞在した移動元を複数特定する。例えば、特定部133は、ユーザ端末2が分析対象場所に位置する直前に滞在した第1の移動元を特定し、第1の移動元に位置する直前に滞在した第2の移動元を特定する。
【0032】
ここで、特定部133は、位置履歴情報に基づいて移動開始場所を特定してもよい。例えば、特定部133は、一日においてユーザ端末2が最初に滞在した場所を、移動開始場所と特定する。また、特定部133は、ユーザ端末2の位置履歴情報及びユーザ端末2に対応する属性情報に基づいて、ユーザ端末2のユーザの居住地や宿泊地を判定し、当該居住地や宿泊地を移動開始場所と特定してもよい。また、特定部133は、分析対象場所の所定範囲内の駅を移動開始場所と特定してもよいし、分析対象場所が含まれる所定エリアにおいて最初に滞在した場所を移動開始場所としてもよい。また、特定部133は、所定の時間帯において、ユーザ端末2が最初に滞在した場所を移動開始場所としてもよい。
【0033】
同様に、特定部133は、ユーザ端末2が分析対象場所に位置した後に滞在した移動先を複数特定する。ここで、特定部133は、位置履歴情報に基づいて移動終了場所を特定してもよい。例えば、特定部133は、一日においてユーザ端末2が最後に滞在した場所を、移動終了場所と特定する。また、特定部133は、移動先としてユーザ端末2のユーザの居住地や宿泊地を特定すると、当該移動先を移動終了場所と特定してもよい。また、特定部133は、分析対象場所に移動した後に、移動先として特定した当該分析対象場所から所定範囲内の駅を最後の移動場所と特定してもよいし、分析対象場所が含まれる所定エリアにおいて、ユーザ端末2が最後に滞在した場所を移動終了場所と特定してもよい。また、特定部133は、所定の時間帯において、ユーザ端末2が最後に滞在した場所を移動終了場所としてもよい。
【0034】
ここで、移動先及び移動元は、分析対象場所と所定の関係を有するエリア又は施設に限定してもよい。分析対象場所としてエリアが指定されている場合、所定の関係は、当該エリアと隣接関係にあること、又は当該エリアから所定距離以内に位置することである。また、分析対象場所として施設が指定されている場合、所定の関係は、例えば当該施設と競合関係又は提携関係にあることである。
【0035】
所定の関係を示す情報は、複数のエリア又は施設を識別する場所識別情報と、当該複数のエリア又は施設と所定の関係を有する他のエリア又は施設の場所識別情報とを関連付けたものであり、予め記憶部12に記憶されていてもよい。そして、特定部133は、記憶部12に記憶されている所定の関係を示す情報を参照し、分析対象場所と所定の関係を有するエリア又は施設を特定するようにしてもよい。また、分析対象場所が店舗である場合、特定部133は、当該店舗を運営する事業者が公開する店舗情報を参照し、当該事業者が運営する他の店舗を所定の関係を有する施設として特定してもよい。また、受付部132が、分析者から、分析対象場所に隣接するエリア、分析対象場所と競合する施設等の指定を受け付け、指定されたエリア又は施設を、分析対象場所と所定の関係を有するエリア又は施設としてもよい。
【0036】
特定部133は、ユーザ端末2が、分析対象場所と所定の関係を有するエリア又は施設から、分析対象場所と所定の関係を有していないエリア又は施設に移動し、その後、分析対象場所に移動した場合、当該所定の関係を有していない施設を除外し、分析対象場所と所定の関係を有するエリア又は施設を移動元として特定してもよい。同様に、特定部133は、ユーザ端末2が、分析対象場所から、分析対象場所と所定の関係を有していないエリア又は施設に移動し、その後、分析対象場所と所定の関係を有するエリア又は施設に移動した場合、当該所定の関係を有していない施設を除外し、分析対象場所と所定の関係を有するエリア又は施設を移動先として特定してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、分析対象場所と所定の関係を有しているエリア又は施設に限定して分析を行うことができる。
【0037】
特定部133は、ユーザ端末2に対して、分析対象場所と、一以上の移動元及び移動先を特定すると、端末IDと、特定した移動元、分析対象場所、移動先の移動順序を示す情報を移動順序情報として記憶部12に記憶させる。特定部133は、移動開始場所から移動終了場所までに滞在した複数のエリア又は施設の移動順序を特定する。
【0038】
図6は、移動順序情報の一例を示す図である。
図6に示すように、移動順序情報は、端末IDと、移動順序と、移動場所とを関連付けた情報である。例えば、端末ID「123・・・」のユーザ端末2は、1番目に移動場所Aに移動し、その後、X、C、Bの順に移動していることが確認できる。
【0039】
また、特定部133は、分析対象場所に滞在したことを特定したユーザ端末2の端末IDに関連付けられている属性情報を特定する。例えば、特定部133が、受付部132が属性の種別を受け付けている場合、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、当該属性の種別に対応する属性情報を特定する。なお、特定部133は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、分析対象場所に滞在したことを特定したユーザ端末2の端末IDに関連付けられている全ての属性情報を特定してもよい。
【0040】
また、特定部133は、分析対象場所に滞在したことを特定した一以上のユーザ端末2に対して移動元及び移動先を特定し、移動順序情報を記憶部12に記憶させると、当該移動順序情報を参照して、移動元から分析対象場所に移動したユーザ端末2の数を、移動元ごとに特定する。例えば、特定部133は、移動順序情報と位置履歴情報とに基づいて、所定時間内に移動元から分析対象場所に移動したユーザ端末2の数を流入数として特定する。すなわち、特定部133は、移動順序情報と位置履歴情報とを参照し、移動元からの移動を開始してから所定時間内に分析対象場所に到着したユーザ端末2に限定して流入数を特定する。
【0041】
また、特定部133は、移動順序情報を参照し、分析対象場所への移動順序がN番目(N=1、2、3・・・)であるユーザ端末2の数を特定する。ここで、特定部133は、ユーザ端末2に対応するユーザの属性別に、移動順序がN番目であるユーザ端末2の数を特定してもよい。また、特定部133は、同一の属性を有する複数のユーザ端末2に対し、移動順序がN番目であるユーザ端末2の割合を算出してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、分析対象場所を含むエリア又は施設におけるユーザの回遊傾向を特定することができる。
【0042】
また、特定部133は、移動順序情報と位置履歴情報とに基づいて、移動元から分析対象場所に移動した一以上のユーザ端末2が、移動元から分析対象場所に移動を開始した時刻である流入開始時刻を特定する。特定部133は、移動元からの移動を開始してから所定時間内に分析対象場所に到着したユーザ端末2の流入開始時刻を特定する。特定部133は、一以上のユーザ端末2のそれぞれに対して特定した流入開始時刻に基づいて、移動元から分析対象場所に移動を開始するユーザ端末2の数が相対的に多い時間帯を流入開始時間帯として特定してもよい。また、特定部133は、複数の移動元のそれぞれに対して流入開始時間帯を特定してもよい。ここで、流入開始時刻および流出開始時刻は、年、月、または日、時刻を単位として特定することもできる。
【0043】
また、特定部133は、所定時間内に移動元から分析対象場所に移動したユーザ端末2の端末IDに関連付けられて記憶部12に記憶されている属性情報が示す属性を、分析対象場所に流入したユーザである流入ユーザの属性として特定する。また、特定部133は、位置履歴情報に基づいて、流入ユーザの属性として、移動元から分析対象場所への流入ユーザの移動手段を特定する。
【0044】
特定部133は、一以上のユーザ端末2のそれぞれに対して特定した流入ユーザの属性に基づいて、属性ごとにユーザ端末2の数を集計し、最もユーザ端末2の数が多い属性を流入ユーザの属性として特定する。例えば、特定部133は、複数の流入ユーザの移動手段を特定した結果、分析対象場所に対する移動手段として電車が最も多い場合、流入ユーザの移動手段を電車と特定する。特定部133は、複数の移動元のそれぞれに対して流入ユーザの属性を特定してもよい。
【0045】
また、特定部133は、分析対象場所に滞在したことを特定した一以上のユーザ端末2に対して移動元及び移動先を特定し、移動順序情報を記憶部12に記憶させると、当該移動順序情報を参照して、分析対象場所から移動先に移動したユーザ端末2の数を、移動先ごとに特定する。例えば、特定部133は、移動順序情報と位置履歴情報とに基づいて、所定時間内に分析対象場所から移動先に移動したユーザ端末2の数を流出数として特定する。すなわち、特定部133は、移動順序情報と位置履歴情報とを参照し、分析対象場所からの移動を開始してから所定時間内に移動先に到着したユーザ端末2に限定して流出数を特定する。
【0046】
また、特定部133は、移動順序情報と位置履歴情報とに基づいて、分析対象場所から移動先に移動した一以上のユーザ端末2が、分析対象場所から移動先に移動を開始した時刻である流出開始時刻を特定する。特定部133は、分析対象場所からの移動を開始してから所定時間内に移動先に到着したユーザ端末2の流出開始時刻を特定する。特定部133は、一以上のユーザ端末2のそれぞれに対して特定した流出開始時刻に基づいて、分析対象場所から移動先に移動を開始するユーザ端末2の数が相対的に多い時間帯を流出開始時間帯として特定してもよい。また、特定部133は、複数の移動先のそれぞれに対して流出開始時間帯を特定してもよい。
【0047】
また、特定部133は、所定時間内に分析対象場所から移動先に移動したユーザ端末2の端末IDに関連付けられて記憶部12に記憶されている属性情報が示す属性を、分析対象場所から流出したユーザである流出ユーザの属性として特定する。また、特定部133は、移動順序情報と位置履歴情報とに基づいて、流出ユーザの属性として、流出ユーザの分析対象場所から移動先への移動手段を特定する。
【0048】
特定部133は、一以上のユーザ端末2のそれぞれに対して特定した流入ユーザの属性に基づいて、属性ごとにユーザ端末2の数を集計し、最もユーザ端末2の数が多い属性を流入ユーザの属性として特定する。特定部133は、複数の移動先のそれぞれに対して流出ユーザの属性を特定してもよい。
【0049】
なお、特定部133は、移動元から分析対象場所に移動したユーザ端末2の数と、分析対象場所から移動先に移動したユーザ端末2の数をそれぞれ独立して特定したが、これに限らず、移動元から分析対象場所に移動し、かつ、分析対象場所から移動先に移動したユーザ端末2の数を、移動元から移動先への移動順序ごとに特定してもよい。例えば、特定部133は、第1の移動元から分析対象場所に移動し、かつ、分析対象場所から第1の移動先に移動したユーザ端末2の数と、第1の移動元から分析対象場所に移動し、かつ、分析対象場所から第2の移動先に移動したユーザ端末2の数とをそれぞれ特定してもよい。
【0050】
また、特定部133は、分析対象期間中の異なる日時に、同一のユーザ端末2が、分析対象場所に複数回滞在した場合、分析対象期間中の異なる日時のそれぞれに対応して、当該ユーザ端末2を複数回カウントすることによりユーザ端末2の数を特定してもよいし、当該ユーザ端末2のカウント回数を1回とすることによりユーザ端末2の数を特定してもよい。
【0051】
また、特定部133は、分析対象場所、移動元、移動先に位置したユーザ端末2の数を特定したが、これに限らない。特定部133は、端末IDに関連付けられているユーザIDに基づいて、分析対象場所、移動元、移動先に位置したユーザの数を特定してもよい。なお、本実施形態では、説明を簡単にするため、ユーザが1つのユーザ端末2を所持しているものとし、ユーザ端末2の数が、ユーザの数を示すものとして説明を進める。
【0052】
出力部134は、特定部133が特定したユーザ端末2と、移動元と、分析対象場所と、移動先との情報に基づき、ユーザ端末2に関する情報と、複数のエリア又は複数の施設のうち分析対象場所を含む複数のエリア又は施設の移動順序を示す情報とを関連付けて出力する。出力部134は、ユーザ端末2と移動元とに関する情報と、移動順序を示す情報とを関連付けて出力する。また、出力部134は、ユーザ端末2と移動先とに関する情報と、移動順序を示す情報とを関連付けて出力する。また、出力部134は、ユーザ端末2に関する情報として、受付部132が受け付けた属性の種別に対して特定部133が特定した属性情報を出力する。
【0053】
例えば、出力部134は、移動順序を示す情報と、ユーザ端末2と移動先とに関する情報と、ユーザ端末2と移動元とに関する情報とを含む分析結果画面を出力する。
図7は、本実施形態に係る分析結果画面の一例を示す図である。
図7に示す分析結果画面では、地図上に、施設Xを含む複数の施設が表示されているとともに、分析対象場所である施設Xを含む複数の施設における移動順序のそれぞれに対して特定部133が特定したユーザの数が表示されていることが確認できる。
【0054】
また、出力部134は、分析対象場所を含む複数のエリア又は施設の移動順序を示す情報として、分析対象施設と、所定の関係を有するエリア又は施設とにおける、分析対象施設の移動順位を示す情報を出力してもよい。
図8は、分析対象施設の移動順位を示す情報を含む分析結果画面の他の一例である。
図8に示す例では、性別及び年代別に、分析対象施設と、所定の関係を有するエリア又は施設とにおける、分析対象施設に対応する移動順位の人数と割合とが表示されていることが確認できる。例えば、20代男性は、分析対象施設に3番目に移動するユーザの数が2000人、分析対象施設を訪れた20代男性に対する割合が50%であることが確認できる。これにより、20代男性が分析対象施設に3番目に移動する確率が高いことが確認できる。
【0055】
また、出力部134は、分析結果画面に含まれるグラフを選択することにより、さらに細かい分析結果が表示されてもよい。例えば、
図8に示す例において、20代男性に対応するグラフの「3番目」に対応する領域を選択することで、20代男性のうち、3番目に分析対象施設に訪れるユーザの他の施設の移動順位を示す情報が表示されるようにしてもよい。
【0056】
なお、出力部134は、
図7及び
図8に示す分析結果画面において、移動順序のそれぞれに対して特定部133が特定したユーザの数やユーザの移動順位を示す情報を出力したが、これに限らない。出力部134は、ユーザ端末2と移動元とに関する情報である、特定部133が特定した移動元から分析対象場所に移動したユーザ端末2の数を示す情報と、ユーザ端末2と移動先とに関する情報である、特定部133が特定した分析対象場所から移動先に移動したユーザ端末2の数を示す情報とを個別に出力してもよい。
【0057】
また、出力部134は、ユーザ端末2と移動元とに関する情報として、特定部133が特定した流入開始時刻を示す情報、特定部133が特定した流入ユーザの移動手段を含む流入ユーザの属性を示す属性情報を出力する。例えば、分析結果画面には、「流入分析」と表示されたタブが含まれており、当該タブが選択されると、分析結果画面に、複数の移動元のそれぞれに対して特定部133が特定した流入開始時刻、流入ユーザの移動手段を含む流入ユーザの属性が表示される。
【0058】
また、出力部134は、ユーザ端末2と移動先とに関する情報として、特定部133が特定した流出開始時刻を示す情報、特定部133が特定した流出ユーザの移動手段を含む流出ユーザの属性を示す属性情報を出力する。例えば、分析結果画面には、「流出分析」と表示されたタブが含まれており、当該タブが選択されると、分析結果画面に、複数の移動先のそれぞれに対して特定部133が特定した流出開始時刻、流出ユーザの移動手段を含む流出ユーザの属性が表示される。
【0059】
[情報処理装置1の処理の流れ]
続いて、情報処理装置1における処理の流れについて説明する。
図8は、本実施形態に係る情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに対応する処理は、受付部132が、分析条件を受け付ける受付画面において分析指示を受け付けると開始される。なお、記憶部12には、ユーザ情報、位置履歴情報が予め記憶されているものとする。
【0060】
まず、特定部133は、記憶部12に記憶されている位置履歴情報を参照し、分析対象期間において分析対象場所に位置したユーザ端末2を特定する(S1)。
続いて、特定部133は、位置履歴情報を参照し、分析対象場所に位置したユーザ端末2の移動元及び移動先を特定する(S2)。
【0061】
特定部133は、分析画面において属性の指定を受け付けたか否かを判定する(S3)。特定部133は、S3において属性の指定を受け付けたと判定すると、S2において特定したユーザの属性を特定し(S4)、属性、移動元、移動先ごとに、分析対象場所への流入数、分析対象場所からの流出数を特定する(S5)。
特定部133は、S3において属性の指定を受け付けていないと判定すると、移動元、移動先ごとに、分析対象場所への流入数、分析対象場所からの流出数を特定する(S6)。
【0062】
出力部134は、特定部133により特定した分析対象場所への流入数及び分析対象場所からの流出数の少なくともいずれかと、分析対象場所を含む複数のエリア又は施設の移動順序を示す情報とを含む分析結果画面を出力する(S7)。
【0063】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、分析を行うエリア又は施設である分析対象場所の指定を受け付け、位置履歴情報に基づいて、所定時間内に、分析対象場所以外の移動元から分析対象場所に移動し、かつ、分析対象場所から分析対象場所以外の移動先に移動した一以上のユーザ端末2と移動元と移動先とを特定する。そして、情報処理装置1は、特定したユーザ端末2と、移動元と、分析対象場所と、移動先との情報に基づき、ユーザ端末2に関する情報と、分析対象場所を含む複数のエリア又は施設の移動順序を示す情報とを関連付けて出力する。このようにすることで、分析者は、分析対象場所に対する流入と流出の観点からユーザの行動を評価することができる。
【0064】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、出力部134は、複数の前記滞在ユーザそれぞれの居住地と、滞在ユーザに関する情報とを関連付けた分析結果情報を含む分析結果画面を分析者端末3に出力することとしたが、これに限らない。例えば、出力部134は、分析結果情報を含むファイルを記憶部12に出力してもよい。
【0066】
また、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0067】
1・・・情報処理装置、11・・・通信部、12・・・記憶部、13・・・制御部、131・・・取得部、132・・・受付部、133・・・特定部、134・・・出力部、2・・・ユーザ端末、3・・・分析者端末
【要約】 (修正有)
【課題】エリアから移動するユーザの行動分析を可能にする情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、複数のユーザ端末それぞれを識別する端末IDと、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報とを関連付けた位置履歴情報を複数取得する取得部131と、分析を行うエリア又は施設である分析対象場所の指定を受け付ける受付部132と、位置履歴情報に基づいて、所定時間内に、分析対象場所以外の移動元から分析対象場所に移動し、かつ、分析対象場所から分析対象場所以外の移動先に移動した一以上のユーザ端末と移動元と移動先とを特定する特定部133と、特定されたユーザ端末と、移動元と、分析対象場所と、移動先との情報に基づき、ユーザ端末に関する情報と分析対象場所を含む複数のエリア又は施設の移動順序を示す情報とを関連付けて出力する出力部134とを有する。
【選択図】
図2