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特許7011745デバイス実装装置及びそれを用いたデバイス実装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】デバイス実装装置及びそれを用いたデバイス実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20220203BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20220203BHJP
   G01B 11/00 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
H05K13/04 B
H01L21/60 311T
G01B11/00 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021071190
(22)【出願日】2021-04-20
【審査請求日】2021-06-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】311006881
【氏名又は名称】ナカンテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】特許業務法人森脇特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】粟野 恭彦
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-193147(JP,A)
【文献】特開2018-064113(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0294248(US,A1)
【文献】特表2019-521530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
H01L 21/60
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(J)の周りに回転可能な円筒形のロール(2)と、
水平方向の移動と鉛直方向の軸の周りの回転を可能とするテーブル駆動機構を有するテーブル(4、14)と、
前記ロール(2)の表面を撮像するロール用カメラ(20)と、
前記テーブル(4)の表面を撮像するテーブル用カメラ(21、22)と、
制御装置(80)とを備え、
前記テーブル(4、14)は前記ロール(2)に貼付する粘着シート(1)、デバイス(C)を表面に有する転写元シート(3)、及び前記デバイス(C)の転写先であるマウント部(T)を表面に有する実装基板(13)を載置するものであり、
前記制御装置は、
前記ロール(2)に貼付された前記粘着シート(1)に粘着された状態での、前記ロール用カメラ(20)による前記デバイス(C)の画像を処理することで前記デバイス(C)の位置情報を取得し、
前記テーブル(2)に載置された状態での、前記テーブル用カメラ(21、22)による前記マウント部(T)の画像を処理することで前記マウント部(T)の位置情報を取得し、
前記マウント部(T)の位置情報と前記デバイス(C)の位置情報とに基づき、前記ロール(2)と前記テーブル(4、14)とのアライメントを制御することを特徴とするデバイス実装装置。
【請求項2】
前記テーブル(4、14)上に載置された前記実装基板(13)の前記マウント部(T)の高さを測定する第1の距離測定器(6)と、
前記テーブル(4、14)と前記ロール(2)に貼付された前記粘着シート(1)上の前記デバイス(C)との距離を測定する第2の距離測定器(7a、7b)とを備えることを特徴とする請求項1記載のデバイス実装装置。
【請求項3】
前記ロール(2)は前記粘着シート(1)により部分的に覆われることを特徴とする請求項1又は2記載のデバイス実装装置。
【請求項4】
前記テーブル(4、14)は真空チャックを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のデバイス実装装置。
【請求項5】
前記ロール(2)に前記粘着シート(1)を貼り付けるステップS1と、
前記転写元シート(3)上の前記デバイス(C)を前記粘着シート(1)に一次転写するステップS2と、
前記粘着シート(1)上の前記デバイス(C)の位置を計測するステップS3と、
前記粘着シート(1)上の前記デバイス(C)を前記実装基板(13)に二次転写するステップS4とを含み、
前記ステップS3において、
前記ロール用カメラ(20)で撮影した前記粘着シート(1)上の前記デバイス(C)の画像を処理し前記デバイス(C)の位置情報を取得し、
前記ステップS4において、
前記テーブル用カメラ(21)で撮影した前記実装基板(13)上の前記マウント部(T)の画像を処理して前記マウント部の位置情報を取得し、
前記第1の距離測定器(6)により前記テーブル(4、14)から前記実装基板(13)上の前記マウント部(T)までの高さを取得し、
前記第2の距離測定器(7a、7b)により前記テーブル(4、14)から前記ロール(2)に貼付された前記粘着シート(1)上の前記デバイス(C)までの距離を取得し、
前記デバイス(C)の位置情報と前記マウント部の位置情報とを照合し、前記ロール(2)対して前記テーブル(4、14)に載置された前記実装基板(13)をアライメントし、
前記テーブル(4、14)から前記マウント部(T)までの高さと、前記テーブル(4、14)から前記デバイス(C)までの距離から算出した近接距離に基づき、前記デバイス(C)と前記マウント部(T)とが接触可能となるように、前記ロール(2)を前記テーブル(4、14)に近接させ、
前記ロール(2)を回転させながら前記テーブル(4、14)を相対的に移動させることで、前記デバイス(C)を前記マウント部(T)に転写することを特徴とする請求項2記載のデバイス実装装置のデバイス実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデバイス実装装置及びそれを用いたデバイス実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置等のデバイスを移送する場合、移送元のシートに整列配置されたデバイスを、1個毎にピックアップして移送先の基板(実装用基板)にマウントしていた(特許文献1)。しかし、多数のデバイスを整列配置する製品、例えばディスプレイ装置等に対して、1個毎にデバイスを基板に移送すると、製造工期が長くなるという問題が生じる。そこで、移送に要する時間を低減するため、粘着性を有するキャリアに複数のデバイスを粘着させ、キャリアに粘着したデバイスを移送先の基板に一括して転写する実装方法が提案されている(特許文献2-5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-111289号公報
【文献】特開2018-26540号公報
【文献】特表2019-521530号公報
【文献】特開2007-27693号公報
【文献】特開2013-183163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のデバイスをキャリアを介して、一括して移送元のシートから移送先の基板に移送する場合、移送を媒介するキャリアの位置を制御して微細なデバイスをキャッチし、別の基板上でリリースするという動作が要求される。そのため、実際に装置を稼働するためには、高い位置制御技術が求められる。この傾向は、デバイスの大きさや配列間隔が小さいほど顕著となる。
特許文献1に開示されているようにピックアップ装置を用いて移送する場合、カメラを使用してデバイスを1個毎に位置制御することが可能である。しかし、一括してデバイスを転写する場合、特許文献1のような位置制御を採用することはできない。
また、例えば、マイクロLED(μLED)のように一辺が約数十μm程度の微細な半導体デバイスが数μm間隔で第1の基板上に多数並べられ、これを数十~数百mmサイズのキャリアに貼り付けられた厚み例えば0.3mmの粘着シートに一次転写し、これを同じ大きさの第2の基板上に二次転写する場合、キャリアに貼り付けられた粘着シートの押し込み量として例えば数μm以下が要求されることがある。このような場合、移送元の基板及び移送先の基板に対するキャリアの位置精度は±2μm以下であることが要求される。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、転写元シートから転写先の実装基板へデバイスを精度よく位置制御し、一括して転写することを可能とするデバイス実装装置とこの装置を用いたデバイス実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るデバイス実装装置は、
回転軸(J)の周りに回転可能な円筒形のロール(2)と、
水平方向の移動と鉛直方向の軸の周りの回転を可能とするテーブル駆動機構を有するテーブル(4、14)と、
前記ロール(2)の表面を撮像するロール用カメラ(20)と、
前記テーブル(4)の表面を撮像するテーブル用カメラ(21、22)と、
制御装置(80)とを備え、
前記テーブル(4、14)は前記ロール(2)に貼付する粘着シート(1)、デバイス(C)を表面に有する転写元シート(3)、及び前記デバイス(C)の転写先であるマウント部(T)を表面に有する実装基板(13)を載置するものであり、
前記制御部は、
前記ロール(2)に貼付された前記粘着シート(1)に粘着された状態での、前記ロール用カメラ(20)による前記デバイス(C)の画像を処理することで前記デバイス(C)の位置情報を取得し、
前記テーブル(2)に載置された状態での、前記テーブル用カメラ(21、22)による前記マウント部(T)の画像を処理することで前記マウント部(T)の位置情報を取得し、
前記マウント部(T)の位置情報と前記デバイス(C)の位置情報とに基づき、前記ロール(2)と前記テーブル(4、14)とのアライメントを制御することを特徴とする。
【0007】
このような構成のデバイス実装装置とすることで、中間媒体として粘着シート1が貼付されたロール2を用いて、デバイスCを正確に実装基板13に転写することができる。
また、ロール2の表面に粘着シート1を貼付するため、粘着シート1の張り替えが容易であり、ロール2の表面において適切な粘着力を維持することができる。
【0008】
また、本発明に係るデバイス実装装置は、
前記テーブル(4、14)上に載置された前記実装基板(13)の前記マウント部(T)の高さを測定する第1の距離測定器(6)と、
前記テーブル(4、14)と前記ロール(2)に貼付された前記粘着シート(1)上の前記デバイス(C)との距離を測定する第2の距離測定器(7a、7b)とを備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成とすることで、デバイスCを実装基板13に二次転写する際に、精密な押し込み量の制御が可能となる。
【0010】
また、本発明に係るデバイス実装装置は、
前記ロール(2)は前記粘着シート(1)により部分的に覆われることを特徴とする。
【0011】
このような構成とすることで、ロール用カメラ20の感度校正が容易であり、また第1の距離測定器6、第2の距離測定器7a、7bの距離測定の精度を維持することができる。
【0012】
また、本発明に係るデバイス実装装置は、
前記テーブル(4、14)は真空チャックを有することを特徴とする。
【0013】
このような構成とすることで、粘着シート1のロール2への貼付が容易となる。
【0014】
本発明に係るデバイス実装装置を用いたデバイス実装方法は、
前記ロール(2)に前記粘着シート(1)を貼り付けるステップS1と、
前記転写元シート(3)上の前記デバイス(C)を前記粘着シート(1)に一次転写するステップS2と、
前記粘着シート(1)上の前記デバイス(C)の位置を計測するステップS3と、
前記粘着シート(1)上の前記デバイス(C)を前記実装用基板(13)に二次転写するステップS4とを含み、
前記ステップS3において、
前記ロール用カメラ(20)で撮影した前記粘着シート(1)上の前記デバイス(C)の画像を処理し前記デバイス(C)の位置情報を取得し、
前記ステップS4において、
前記テーブル用カメラ(21)で撮影した前記実装用基板(13)上の前記マウント部(T)の画像を処理して前記マウント部の位置情報を取得し、
前記第1の距離測定器(6)により前記テーブル(4、14)から前記実装用基板(13)上の前記マウント部(T)までの高さを取得し、
前記第2の距離測定器(7a、7b)により前記テーブル(4、14)から前記ロール(2)に貼付された前記粘着シート(1)上の前記デバイス(C)までの距離を取得し、
前記デバイス(C)の位置情報と前記マウント部の位置情報とを照合し、前記ロール(2)対して前記テーブル(4、14)に載置された前記実装用基板(13)をアライメントし、
前記テーブル(4、14)から前記マウント部(T)までの高さと、前記テーブル(4、14)から前記デバイス(C)までの距離から算出した近接距離に基づき、前記デバイス(C)と前記マウント部(T)とが接触可能となるように、前記ロール(2)を前記テーブル(4、14)に近接させ、
前記ロール(2)を回転させながら前記テーブル(4、14)を相対的に移動させることで、前記デバイス(C)を前記マウント部(T)に転写することを特徴とする。
【0015】
このような構成とすることで、ロール2に貼付された粘着シート1を介して、転写元シート3から実装基板13に、正確に一括して転写することができるとともに、粘着シート1の張り替えが容易であり、適切な条件でデバイスCの実装基板13への転写を実行することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、転写元シートから転写先の実装基板へデバイスを精度よく位置制御し、一括して転写することを可能とするデバイス実装装置とこの装置を用いたデバイス実装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1(A)はデバイス実装装置100の主要な構成を示す斜視図であり、図1(B)は、デバイス実装装置100の主要な構成要素及びそれらを制御する制御装置80の構成図である。
図2図2(A)は、転写前のデバイスCを配列した転写元シート3を示す平面図である。図2(B)は、転写先のチップ(マウント部)Tが形成された実装基板(転写先基板)13を示す平面図である。
図3図3(A)は、一次転写の各工程における第1のテーブル4とロール2との相対的な位置関係を説明する模式図であり、図3(B)は、二次転写の各工程における第2のテーブル14とロール2との相対的な位置関係を説明する模式図である。
図4図4(A)は、粘着シート1をロール2に貼り付ける前の様子を示す斜視図であり、図4(B)は第1のテーブル4に吸着固定された粘着シート1を示す拡大断面図であり、図4(C)は粘着シート1をロール2に貼り付けた後の様子を示す斜視図であり、図4(D)は複数の粘着シート1を貼付したロール2と第1のテーブル4とを示す断面図である。
図5図5(A)は、粘着シート1が貼付されたロール2を回転させながら第1のテーブル4を相対的に移動させる一次転写の直前の様子を示す模式図であり、図5(B)、(C)は、一次転写によって粘着シート1にデバイスCが転写される様子を模式的に説明する部分拡大断面図である。
図6図6(A)は、ロール2を回転させながら第2のテーブルを相対的に移動させる二次転写の直前の様子を示す模式図であり、図6(B)、(C)は、実装基板13上のチップTの上にデバイスCが二次転写される様子を模式的に説明する拡大断面図である。
図7図7(A)、(B)、(C)は、実装基板13上のチップTに3種類のデバイスCが順に転写された例を示す平面図である。
図8図8(A)は、第1のテーブル4の上方に第2のカメラ21が設置された様子を示す模式図であり、図8(B)は、転写元シート3に対する第2のカメラ21の視野FL21を示す模式図であり、図8(C)は第2のカメラ21の視野を模式的示す拡大図である。
図9図9(A)は、2台の第2のカメラ21により、第1のテーブル4上に傾いて配列されたデバイスCを観察した画像の例を模式的に示す平面図であり、図9(B)は第2のカメラ21と第1のテーブル4との関係を示す模式図であり、図9(C)は、転写元シート3上の第2のカメラ21の視野を模式的に示す平面図である。
図10図10(A)は、一次転写によりロール2の粘着シート1にデバイスCが転写された後の様子を示す模式図であり、図10(B)は、粘着シート1上のデバイスCを、第2のテーブル14上の実装基板13に二次転写する準備段階の様子を示す模式図である。
図11図11はデバイス実装方法の全体フローを示すフロー図である。
図12図12は、ステップS1(粘着シート貼付)をより詳細なステップに分解して説明するフロー図である。
図13図13は、転写元シート3からロール2に貼付された粘着シート1にデバイスCを一次転写するステップS2を説明するフロー図である。
図14図14は、ロール2に貼付された粘着シート1上のデバイスCの位置を計測するステップS3と、粘着シート1から実装基板13のチップT上に二次転写するステップS4を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付して、説明を省略することがある。
【0019】
(第1の実施形態)-デバイス実装装置-
図1(A)はデバイス実装装置100の主要な構成を示す斜視図であり、図1(B)は、デバイス実装装置100の主要な構成要素及びそれらを制御する制御装置80の構成図である。
デバイス実装装置100は、ロール2と、転写対象であるデバイスCを有する転写元シート1を載置して水平に移動可能な第1のテーブル(定盤)4と、デバイスCの転写先である実装基板13を載置して水平に移動可能な第2のテーブル(定盤)14と、第1のカメラ20、第2のカメラ21及び第3のカメラ22、並びにこれらを制御する制御装置80を備える。
【0020】
第2のカメラ21(第1のテーブル用カメラ)及び第3のカメラ22(第2のテーブル用カメラ)は、第1のテーブル4及び第2のテーブル14の表面の撮像に用いるテーブル用カメラであり、第1のカメラ20はロール2の表面の撮像に用いるロール用カメラである。
第1のカメラ20の視野は主にロール2上にあり、第2のカメラ21の視野は主に第1のテーブル4上にあり、第3のカメラ22の視野は主に第2のテーブル14上にある。第1のカメラ20は主にロール2の表面又はその貼付物を撮像し、第2のカメラ21は主に第1のテーブル4の表面又はその積載物を撮像し、第3のカメラ22は主に第2のテーブル14の表面及びその積載物を撮像することができる。いずれのカメラも第1のテーブル4及び第2のテーブル14の表面より上方に設置されており、第1のテーブル4及び第2のテーブル14の各テーブル駆動機構と干渉することがない。
【0021】
ロール2は断面が円形の円筒形状であり、その中心(回転軸J)の周りに回転可能なように、両端のシャフト2Sが不図示の軸受けにより支持されている。ロール2は不図示の昇降機構及び回転機構を有するロール駆動機構により昇降及び回転が可能である。具体的には、シャフト2Sには回転機構により回転運動が伝達され、ロール2のシャフト2Sを支持する軸受けは、昇降機構により、鉛直方向(図中Z軸方向)に移動が可能である。従って、昇降機構は、回転軸Jを水平に維持しながらロール2を鉛直方向に移動させることが可能である。
ロール駆動機構は制御装置80により制御される。昇降機構によるロール2のZ軸方向(鉛直方向)の位置は、制御装置80が所有する共通の座標系(又は絶対座標)により制御することができる。
また、ロール2の回転を可能にする回転機構も制御装置80により制御することができ、回転角は制御装置80が所有する共通の座標系により制御することができる。
【0022】
第1のテーブル4及び第2のテーブル14は、回転軸Jの方向(図中X軸方向)及び回転軸Jに垂直な方向(図中Y軸方向)に平行移動可能である。
例えば、図中Y軸方向にガイドレールを配置し、ガイドレールに沿って第1のテーブル4及び第2のテーブル14を移動させることで、正確にY軸方向へ第1のテーブル4及び第2のテーブル14を移動させることができる。Y軸方向のガイドが確定すると、Y軸方向に移動可能なステージを設け、このステージ上にX軸方向への移動機構を設けることにより、第1のテーブル4及び第2のテーブル14を水平にX軸方向及びY軸方向に移動させることができる。
【0023】
さらに、第1のテーブル4及び第2のテーブル14は、Z軸方向(鉛直方向)に平行な回転軸の周りに回転可能に構成されている。例えばY軸方向に移動可能なステージにZ軸周りの回転機構を設けることにより、Z軸の周りに回転可能に構成することができる。
【0024】
このように、第1のテーブル4及び第2のテーブル14は、それぞれ個別に、角度調整のためZ軸周りに回転させる回転機構と、Y方向に平行移動させる並進移動機構(Y方向移動機構)と、X方向に移動させる横断移動機構(X方向移動機構)とを備える。
水平に直交する2つの軸方向(X軸方向及びY軸方向)の移動と鉛直方向(Z軸)の周りの回転との3つの運動は、それぞれ独立して制御される。
【0025】
これらの駆動機構は、制御装置80からの指令により、駆動させることができる。
回転機構、並進移動機構、横断移動機構の駆動装置として、例えばサーボモータ等を使用し、回転角、並進移動量、横断移動量を正確に制御できる。
制御装置80は、デバイス実装装置100の共通の座標系により、全ての回転機構、並進移動機構、横断移動機構を制御することができる。
【0026】
第1のテーブル4及び第2のテーブル14は、並進移動機構により、ロール2からY軸に平行な方向に離隔した位置と、ロール2の下方の位置とを往復することができる。
Y軸に平行な方向に沿った第1のテーブル4及び第2のテーブル14の移動経路の上方には、距離測定器(変位計)6が設けられている。
距離測定器6は、好適にはロール2のX軸方向中央に近接し、ロール2と干渉しない位置に配置される。距離測定器6の計測エリアは鉛直方向下向きに設定されている。
距離測定器6は、距離測定器6と第1のテーブル4及び第2のテーブル14の表面までの距離を測定することができ、例えばレーザ光を用いたセンサ等の公知の変位計を用いることができる。また、距離測定器6は、さらに、第1のテーブル4又は第2のテーブル14に載置された積載物の表面までの距離も測定可能であり、第1のテーブル4又は第2のテーブル14上の積載物の高さも測定可能である。例えば、距離測定器6は第1のテーブルに載置された粘着シート1の膜厚、転写元シート3の膜厚、第1のテーブルの表面から転写元シート3の表面(又はデバイスCの表面)までの高さ、第2のテーブル14の表面から載置された実装基板13のチップTの表面までの高さの測定が可能である。
【0027】
なお、距離測定器6は、単独のセンサから構成されても良いが、さらに精度の向上等のためセンサが直線上に整列した一次元アレイセンサであってもよい。
距離測定器6として2次元平面にセンサが整列した二次元アレイセンサの採用を排除するものではないが、第1のテーブル4及び第2のテーブル14が移動機構を備えているため、直線上に整列したアレイセンサにより、2次元平面の位置検出が可能である。
【0028】
また、第1のテーブル4は後述するように、第1のテーブル4とロール2との距離を測定する距離測定器7a、7bを備えている。また、第2のテーブル14も第2のテーブル14とロール2との距離を測定する距離測定器7a、7bを備えることができる。
距離測定器7a、7bの計測エリアは鉛直方向上向きに設定されている。
距離測定器7a、7bは、例えばレーザ光を用いたセンサ等の公知の変位計を用いることができる。
【0029】
図1(B)に示すように、制御装置80は、演算処理を行う演算部と、制御プログラムやデータを保存する記憶装置と、制御装置80が制御するデバイス実装装置100の構成要素と信号の入出力を行うIO部を備える。
【0030】
制御装置80は、第1のカメラ20、第2のカメラ21及び第3のカメラ22からの出力信号である画像信号を入力し、画像処理を行い、処理結果等を記憶装置に保存する。また、距離測定器6、距離測定器7a、7bからの出力信号を入力し、各種の距離等を算出し、算出結果等を記憶装置に保存する。
さらに、制御装置80は、第1のテーブル4のX軸方向駆動機構(横断移動機構)、Y軸方向駆動機構(並進移動機構)及び回転駆動機構、並びに第2のテーブル14のX軸方向駆動機構、Y軸方向駆動機構及び回転駆動機構を制御し、駆動することができる。また、制御装置80は、ローラ2の回転駆動機構、昇降機構を制御し、駆動することができる。
記憶装置には、デバイスCを転写基シート1から実装基板13に転写するフローシーケンス(制御プログラム)が保存されており、制御装置80はフローシーケンスに従い第1のテーブル4、第2のテーブル14及びローラ2を制御することができる。
【0031】
なお、第1のカメラ20、第2のカメラ21及び第3のカメラ22は、ロール2の回転軸Jに平行な方向(X軸方向)に移動可能に構成してもよい。その場合、制御装置80は第1のカメラ20、第2のカメラ21及び第3のカメラ22の移動装置を制御する。
【0032】
図2(A)は、転写前のデバイスCを配列した転写元シート3を示す平面図である。図2(B)は、デバイスCの転写先のチップ(マウント部)Tが形成された実装基板(転写先基板)13を示す平面図である。実装基板13の周囲には位置合わせのためのアライメントマーク5が設けられている。チップTとして、配線、コネクタ、スイッチング素子、半導体素子等が例示される。
【0033】
複数のデバイスCは直交するX軸方向及びY軸方向に所定の間隔で整列して配置されている。すなわち、複数のデバイスCは格子点上に配置されており、X軸方向に一定のピッチCxで配置され、かつY軸方向に一定のピッチCyで配置されている。
同様に複数のチップTは直交するX軸方向及びY軸方向に所定の間隔で整列して配置されている。複数のデバイスTは格子点上に配置されており、X軸方向に一定のピッチTxで配置され、かつY軸方向に一定のピッチTyで配置されている。
デバイスCを一括して転写元シート3から実装基板13に転写するため、Cx=nTxでありCy=mTyである。ただし、n、mは自然数である。
【0034】
第1のテーブル4及び第2のテーブル14は、チャッキング機構、例えば真空チャックを備えている。第1のテーブル4及び第2のテーブル14は、チャッキング機構により、それぞれ転写元シート3及び実装基板13を載置し固定可能である。
【0035】
以下、図を参照して、デバイス実装装置100の基本的な動作について説明する。
【0036】
図3は、デバイスCを転写元シート3からロール2上の粘着シート1に転写(移送)する一次転写と、デバイスCをロール2上の粘着シート1から実装基板13に転写(移送)する二次転写の概要を示す説明図である。
図3(A)は、一次転写の各工程における第1のテーブル4とロール2との相対的な位置関係を説明する図であり、図3(B)は、二次転写の各工程における第2のテーブル14とロール2との相対的な位置関係を説明する図である。
以下、一次転写及び二次転写の概要について説明する。
【0037】
<一次転写>
以下、図3(A)を参照し一次転写の概要を工程順に説明する。一次転写の主要工程は以下のとおり。
(1)第1のテーブル4をロール2に向かって前進させ、転写開始位置に移動し、ロール2と第1のテーブル4とのアライメントを実行する。
(2)ロール2に貼付した粘着シート1が転写元シート3上のデバイスCに接触可能な位置までロール2を下降させる。
(3)ロール2を回転し、ロール2の回転と同期して第1のテーブル4を平行移動させ、転写元シート3上のデバイスCのロール2に貼付した粘着シート1への転写(移転)を開始する。
(4)転写元シート3上のデバイスCを、1列ずつロール2に貼付した粘着シート1上に転写(移転)する。転写元シート3上の全てのデバイスCの粘着シート1への転写が完了した後に、ロール2の回転と第1のテーブル4の移動とを停止する。
(5)ロール2を上昇する。
(6)ロール2を回転し、第1のテーブル4を移動して、それぞれ原点復帰する(ホームポジションに戻す)。
なお、相対的な位置関係示すものであり、例えばロール2を第1のテーブル4に対して前進後退してもよく、また第1のテーブル4をロール2に対して上昇下降させてもよい。
ロール2と第1のテーブル4とを水平方向又は鉛直方向に近接又は遠隔せしめればよい。
なお、第2のテーブル14とロール2との関係についても同様である。
【0038】
<二次転写>
以下、図3(B)を参照し二次転写の概要を工程順に説明する。二次転写の主要工程は以下のとおり。
(1)第2のテーブル14をロール2に向かって前進させ、転写開始位置に移動し、ロール2と第2のテーブル14とのアライメントを実行する。
(2)下降して粘着シート1に粘着されたデバイスCが実装基板13上のチップTに接触可能な位置までロール2を下降させる。
(3)ロール2を回転し、ロール2の回転と同期して第2のテーブル14を平行移動させ、粘着シート1に粘着されたデバイスCを実装基板13上のチップTへの転写(移転)を開始する。
(4)粘着シート1上のデバイスCを1列ずつ実装基板13上のチップT上に転写(移転)する。粘着シート1上の全てのデバイスCのチップTへの転写が完了した後に、ロール2の回転と第2のテーブル14の移動とを停止する。
(5)ロール2を上昇する。
(6)ロール2を回転し、第2のテーブル14を移動して、それぞれ原点復帰する(ホームポジションに戻す)。
以下、主要な工程について詳細に説明する。
【0039】
<粘着シートの貼付>
デバイス実装装置100は、転写元シート3上のデバイスCを移送し、実装基板13のチップT上に実装するため、中間媒体としてロール2を使用する。
ロール2は、一旦その表面にデバイスCを粘着し、デバイスCを粘着した状態でロール2の下方に実装基板13が移動し、その後、ロール2表面からデバイスCを剥離し、実装基板13のチップT上に実装する。
【0040】
ロール2の表面に粘着性を備えさせるためは、ロール2の表面を粘着性を有する材料により構成することが考えられる。
しかし、ロール2の粘着表面において、デバイスCの粘着と剥離とを繰り返すと、ロール2の粘着面は汚染等により粘着性が低下することになる。粘着面が汚染された場合には、粘着面を洗浄することにより、ある程度の粘着性の回復は期待されるものの、所望の粘着性を維持し続けることは困難となる。所望の粘着性が確保できない場合、ロール2の交換又はロール2の表面の再加工が必要となる。
【0041】
そのため、本デバイス実装装置100においては、ロール2の表面自体に粘着性を持たせるのではなく、ロール2の表面を例えばステンレス等の金属で構成し、ロール2に粘着シート1を貼付する。
粘着シート1の粘着性が低下した場合には、ロール2の粘着シート1を剥離し、その後ロール2の表面を洗浄することで、新しい粘着シート1を貼付することができ、所望の粘着力を維持することが可能となる。
以下、図4を参照し、粘着シート1のロール2の表面への貼付け工程を説明する。
【0042】
図4は、粘着シート1を円筒形状のロール2に取り付ける工程を示す模式図である。図4(A)は、粘着シート1をロール2に貼り付ける前の様子を示す斜視図であり、図4(B)は第1のテーブル4に吸着固定された粘着シート1を示す拡大断面図であり、図4(C)は粘着シート1をロール2に貼り付けた後の様子を示す斜視図であり、図4(D)は複数の粘着シート1を貼付したロール2と第1のテーブル4とを示す断面図である。
【0043】
図4(A)に示すように、第1のテーブル4には粘着シート1が載置される。第1のテーブル4に粘着シート1が載置された後、粘着シート1の位置ずれを防止するため、第1のテーブル4のチャッキング機構により粘着シート1が固定される。
【0044】
ロール2は、図中X軸に平行な回転軸Jの周りに回転することができる。また、ロール2は、鉛直方向(図中Z軸方向)に上下に移動が可能であり、鉛直方向の昇降機構により、ロール2の下降量を制御し、ロール2の表面を第1のテーブル4の粘着シート1に接触させることができる。
なお、ロール2の下降量(ロール2と第1のテーブル4との近接距離)は、距離測定器7a、7bにより測定されたロール2の表面と第1のテーブルとの距離、距離測定器6により測定された粘着シート1の膜厚に基づいて、制御装置80によって決定してもよい。
【0045】
一方、第1のテーブル4は、図中Y軸方向にロール2に向かって水平に移動することができる。
ロール2の表面を第1のテーブル4の粘着シート1に接触可能な位置に下降した状態で、ロール2を回転させながら第1のテーブル4Y軸方向に移動させることで、粘着シート1を端部の辺E1側からロール2の表面に接触させ、粘着させることができる。
【0046】
図4(B)は、第1のテーブル4に好適に採用できるチャッキング機構の例を説明するための断面図である。チャッキング機構による粘着シート1の不均一な伸縮を防止するため、第1のテーブル4には、表面が平坦な多孔質のセラミック製のプレート41が設けられ、多孔質プレートの下部から排気通路42を介して真空排気を行うことにより、粘着シート1を多孔質プレートに真空吸着する。
粘着シート1は、粘着層1ALと保護層1PLを有する積層構造とすることができる。第1のテーブル4と保護層1PLとが接するように、粘着シート1が第1のテーブル4にチャッキングされている。保護層1PLがチャッキングされ、粘着層1ALと保護層1PLとの間で剥離し、粘着層1ALがロール2の表面に粘着する。
なお、チャキング機構は上記に限定されるものではない。
【0047】
粘着シート1は、保護層1PLと第1のテーブル4との間に、さらにクッション材からなる層を備えてもよい。粘着シート1をロール2の表面に貼付する際、粘着シート1の変形を低減し、粘着シート1をさらに均一にロール2の表面に貼付することができる。
【0048】
第1のテーブル4には、距離測定器(変位計)7a、7b、例えばレーザ光による位置センサが設けられており、ロール2と第1のテーブル4との間の距離を測定可能である。
図4(A)において、距離測定器7aは、第1のテーブル4のX軸方向の両端の側壁面に設置されており、距離測定器7bは、第1のテーブル4のY軸方向の一端の側壁面に設置されている例を示すが、距離測定器7a、7bの数及び設置位置は、適宜設定可能である。
【0049】
ロール2を第1のテーブル4に接近させる際に、距離測定器7aにより、ロール2と第1のテーブルとの距離を測定してもよい。距離測定器7aは、粘着シート1の粘着開始位置である辺E1の延長線上で、第1のテーブル4のY軸方向の両側の側壁に設置されているため、ロール2を下降させながら第1のテーブル4とロール2の表面との距離を測定することも可能である。
予め粘着シート1の膜厚を取得しておけば、測定された距離に基づいて、ロール2の表面が粘着シート1の粘着層1ALに接触可能な位置までロール2を第1のテーブル4へと下降させることが可能となる。
第1のテーブル4に載置された粘着シート1の膜厚は、距離測定器6により測定することが可能である。距離測定器6により、距離測定器6と第1のテーブル4の表面との距離及び距離測定器6と第1のテーブル4に載置された粘着シート1の表面との距離を測定し、それらの距離の差分から粘着シート1の膜厚測定が可能である。
【0050】
なお、後述するようにロール2に貼付された粘着シート1の膜厚は、距離測定器7b又は距離測定器7aを利用して測定可能である。
このように距離測定器7a、7bは、ロール2に貼付された積載物の高さを測定可能であり、例えば、ロール2の表面からロール2に貼付された粘着シート1上のデバイスCまでの高さも測定可能である。
【0051】
その後、ロール2を回転させながら第1のテーブル4を平行移動させ、粘着シート1、特に粘着層1ALをロール2の表面に粘着させる。
ロール2の回転速度及び第1のテーブル4の移動速度を調整することにより、粘着シート1に接触するロール2の表面のY軸方向の移動速度(接線速度)と、第1のテーブル4のY軸方向の移動速度を等しくすることができる。
【0052】
ロール2の表面が粘着シート1に接触し、粘着シート1を押圧した状態で、ロール2が回転するとともに、第1のテーブル4がY軸方向に移動し、粘着シート1がロール2の表面に粘着される。ロール2の表面が粘着シート1を押圧する圧力は、ロール2の表面が粘着シート1を押し込む量により調節することができる。
ロール2をZ軸に平行な方向に下降させ、ロール2の表面が粘着シート1にちょうど接する位置から、ロール2を更に所定量(押し込み量)、例えば5μm下降させ、粘着シート1を押し込むことができる。
このように、距離測定器7a、7bを用いた距離測定技術を用いることにより、高精度な押し込み量の制御、すなわち押圧力の制御が可能となる。
【0053】
なお、ロール2を下降させる代わりに、相対的に第1のテーブル4をZ軸方向に上昇させてもよく、又、ロール2及び第1のテーブル4の両方をZ軸方向に移動させてもよい。
第1のテーブル4に昇降機構を設け、制御装置80により制御すればよい。
なお、同様に第2のテーブル14に昇降機構を設け、制御装置80により制御するよう構成してもよい。
【0054】
粘着シート1をロール2の表面に粘着させた後、図4(C)に示すように、ロール2を上昇し、第1のテーブル4から離隔する。
第1のテーブル4を図4(A)の工程と逆方向に移動し、また、ロール2を図4(A)の工程と逆方向に回転させ、ホーム位置に戻す(原点復帰)ことも可能である。
【0055】
図4(C)に示すように、ロール2の表面は部分的に粘着シート1に覆われ、一部のロール2の表面が露出している。距離測定器7bは、第1のテーブル4のY軸方向の一端の側壁面に設置されているため、ロール2を回転させながら距離測定器7bにより距離測定を行うことにより、粘着シート1の表面までの距離と、露出したロール2の表面までの距離を測定することができる。
その結果、粘着シート1とロール2との段差、すなわち粘着シート1の厚さを測定することができる。
さらに、粘着シート1の厚さを監視することで、粘着シート1の経時変化を観察することができる。粘着シート1の交換時期を知ることができる。また、粘着シートの表面の凹凸を距離測定器7bにより計測することも可能である。
【0056】
図4(A)、(C)に示す距離測定器7a、7bは、適宜目的に合わせて配置箇所や数を設定し、第1のテーブル4に設置することができる。同様に第2のテーブル14に設置することができる。
【0057】
また、ロール2の表面を撮影できる第1のカメラ20(図1参照)により、粘着シート1の表面状態を観察することができる。粘着シート1の汚れ、曇り(Haze)等を第1のカメラ20により監視し、粘着シート1の経時変化を知ることで、交換時期を知ることも可能である。この場合、露出したロール2の表面(金属表面)を照度の基準にして第1のカメラ20の感度校正が可能であり、粘着シート1の表面の変化を正確に知ることができる。
また、粘着シート1に異常が観察された場合、転写を行わないように警告を発することにより、不良品の発生を防止することもできる。
【0058】
図4(C)においては、ロール2に1枚の粘着シート1を貼付する例を示している。
予めロール2に複数枚の粘着シート1を貼付してもよい。
例えば図4(D)に示すように、転写元シート3の図中Y軸方向(ロール2の回転軸に垂直な方向)の長さが200mmの場合、直径250mmのロール2を使用し、ロール2の表面に3枚の粘着シート1a、1b、1cを約60mmの間隔を空けて貼付することができる。
3枚の粘着シート1を使用することで、粘着シート1の張り替え周期を3倍に延ばすことが可能である。
また、それぞれのシートに異なるデバイスを粘着してもよい。例えば、3原色(RGB)のLEDを、3枚の粘着シート1a、1b、1cにそれぞれ粘着させることができ、表示デバイスに、3種類(RGB)のLEDをマウントすることも可能である。
【0059】
なお、この場合も、ロール2の一部の表面は露出しており、粘着シート1の膜厚測定や、表面状態の監視が可能である。
【0060】
上記のように、ロール2の下方から距離測定器7bにより、距離測定器7b(又は第1のテーブル4の表面)からロール2の表面までの距離を測定できる。さらに、ロール2を中心軸Cの周りに回転することで、ロール2に貼付された粘着シート1との距離が測定可能である。
例えば図4(D)に示す例においても、複数の粘着シート1a、1b、1cの表面から距離測定器7bまでの距離と、複数の粘着シート1a、1b、1cが貼付されていないロール2の表面から距離測定器7bまでの距離が測定できる。そのため、複数の粘着シート1a、1b、1cのそれぞれの膜厚を測定することができる。
【0061】
また、距離測定器7aを用いて、距離測定器7a(又は第1のテーブル4の表面)からロール2まで及び距離測定器7a(又は第1のテーブル4の表面)から粘着シート1までの距離を測定可能に構成してもよい。ただし、距離測定器7aから粘着シート1までの距離を測定するためには、距離測定器7aが粘着シート1の下方に位置するまで、第1のテーブル4のX軸方向への移動を可能とする必要がある。
【0062】
なお、図4(D)に示すように、距離測定器7a、7bの検出面と、第1のテーブル4の表面とを同一平面に設定することで、距離測定器7a、7bからの距離と第1のテーブル4の表面からの距離は等しくなることはいうまでもない。
【0063】
<一次転写>
図5(A)は、粘着シート1が貼付されたロール2を回転させながら第1のテーブル4を相対的に移動させる一次転写の直前の様子を示す模式図である。
第1のテーブル4には、デバイスCが整列された転写元シート3が載置されている。
図5(B)、(C)は、一次転写によって粘着シート1にデバイスCが転写される様子を模式的に説明する部分拡大断面図である。
【0064】
図5(A)に示すように、デバイスCが整列された転写元シート3を第1のテーブルに載置する。転写元シート3の載置は、好適には搬送ロボットを使用するが、作業者によりマニュアル作業によって載置してもよい。
【0065】
その後、転写元シート3とロール2との位置合わせを第1のテーブル4の各駆動機構により行うことができる。
図2(A)に示すように転写元シート3上に複数のデバイスCが整列して配置され、複数のデバイスCは、格子点上に規則的に配置されている。転写元シート3上のデバイスCをロール2に貼付された粘着シート1に一次転写するために、図2(A)に示す転写元シート3のX軸方向と、ロール2の回転軸Jの方向(図5(A)のX軸方向)とが平行になるように、第1のテーブル4のアライメント(位置合わせ)を行う。
【0066】
第1のテーブル4は、角度調整のためZ軸周りに第1のテーブル4を回転させる回転機構と、X方向に平行移動させるX方向移動機構(移送方向移動機構)と、Y方向に移動させるY方向移動機構(横断方向移動機構)とを備える。
ロール2と第1のテーブル4上の転写元シート3のアライメントのため、回転機構により第1のテーブル4の傾きを補正することができる。アライメントは、制御装置80により、第1のテーブル4の駆動機構を制御することで実行される。
【0067】
以下、具体的にデバイスCを粘着シート1に一次転写するフローについて説明する。
図5(A)に示すように、第1のテーブル4上の転写元シート3の一端側の辺E3をロール2側に配置する。
図5(B)に示すように、ロール2を回転させ粘着シート1の辺E1を下方に配置する。 そして、転写元シート3の辺E3に最も近いデバイスCの列が粘着シート1の下方に位置するように、第1のテーブル4を図5(A)中矢印A方向(Y軸方向)に移動する。
その後、粘着シート1が転写元シート3上のデバイスCと接触可能となるように、ロール2が下降する。例えば、粘着シート1の表面と転写元シート3上のデバイスCの表面の水平レベルを一致させる。さらにロール2を所定距離、例えば5μm下降させロール2の表面を粘着シート1に押し込むように、粘着シート1の表面と転写元シート3上のデバイスCの表面の水平レベルを設定してもよい。
【0068】
次に図5(C)に示すように、ロール2を図中矢印B方向に回転させるとともに、第1のテーブル4を図中矢印C方向(Y軸方向)に移動させる。粘着シート1の表面とデバイスCとの接触部においては、粘着シート1の接線方向(Y軸方向)の接線速度と転写元シート3上のデバイスCのY軸方向の移動速度が等しくなるように、ロール2の回転速度と第1のテーブル4の並進速度とを調整する。
ロール2の回転と第1のテーブル4の移動により、転写元シート3上のデバイスCは、回転軸Jに平行な1列ずつ粘着シート1に粘着され、転写される。
【0069】
<二次転写>
図6(A)は、ロール2を回転させながら第2のテーブルを相対的に移動させる二次転写の直前の様子を示す模式図である。第2のテーブル14には、チップTが形成された実装基板13が載置されている。
図6(B)、(C)は、実装基板13上のチップTの上にデバイスCが二次転写される様子を模式的に説明する拡大断面図である。
【0070】
図2(B)に示すように実装基板13上に複数のチップTが整列して配置され、複数のチップTは、格子点上に規則的に配置されている。図2(B)に示す実装基板13のX軸方向と、ロール2の回転軸Jの方向(図6(A)のX軸方向)とが平行になるように、第2のテーブル14の位置補正を行う。
【0071】
第2のテーブル14は、角度調整のためZ軸周りに第2のテーブル14を回転させる回転機構と、X方向に平行移動させるX方向移動機構(移送方向移動機構)と、Y方向に移動させるY方向移動機構(横断方向移動機構)とを備える。
ロール2と第2のテーブル14上の実装基板13のアライメントのため、回転機構により第2のテーブル14の傾きを補正することができる。さらに、ロール2に貼付された粘着シート1上に整列して粘着されたデバイスCと、実装基板13上に整列して配置されたチップTとのアライメント(位置合わせ)のため、第2のテーブル14のX方向移動機構とY方向移動機構とを用い、実装基板13の位置を補正する。
なお、第2のテーブル14のアライメントは、第1のテーブル4と同様に、制御装置80により、第2のテーブル14の駆動機構を制御することで実行される。
【0072】
以下、具体的にデバイスCを粘着シート1から実装基板13上に二次転写するフローについて説明する。
図6(A)に示すように、 第2のテーブル14上の実装基板13の一端側の辺E13をロール2側に配置する。
【0073】
図6(B)に示すように、ロール2を回転させ粘着シート1の辺E1を下方に配置する。そして、転写先の実装基板13のチップTの列が、粘着シート1の辺E1に最も近いデバイスCの下方に位置するように、第2のテーブル14を図中矢印A方向(Y軸方向)に移動する。そして、デバイスCの表面が実装基板13のチップTと接触可能となるように、ロール2が下降する。
なお、ロール2の下降量(ロール2と第2のテーブル14との近接距離)は、ロール2と第2のテーブル14に載置されたチップTとの距離、及びロール2の表面からデバイスCの表面までの距離から算出できる。
ロール2と第2のテーブル14に載置されたチップTとの距離は、距離測定器6により計測可能であり、ロール2の表面からデバイスCの表面までの距離は、距離測定器7b又は距離測定器7aにより測定可能である。
また、ロール2の下降量に押し込み量を考慮してもよい。
【0074】
次に図6(C)に示すように、ロール2を図中矢印B方向に回転させるとともに、第2のテーブル14を図中矢印C方向(Y軸方向)に移動させる。デバイスCとチップTとの接触部においては、デバイスCの接線方向(Y軸方向)の接線速度と実装基板13上のチップTのY軸方向の移動速度が等しくなるように、ロール2の回転速度と第2のテーブル14の水平方向の移動速度(並進速度)とを調整する。
【0075】
ロール2の回転と第2のテーブル14の移動により、粘着シート1に粘着されたデバイスCは、回転軸Jに平行な1列ずつチップTの表面と接触する。
チップT上には粘着層が設けられており、チップT上の粘着層の粘着力は、粘着シート1の粘着層1ALの粘着力より大きいため、デバイスCはチップT上に移動し、二次転写される。
【0076】
なお、チップT上にデバイスCを転写するための粘着層は、チップT上に粘着剤や導電性の接着剤を塗布法により形成してもよい。
【0077】
また、図4(D)に示す例により、実装基板13上のチップTに複数種類のデバイスCを転写することも可能である。
図7(A)、(B)、(C)は、実装基板13上のチップTに3種類のデバイスCが順に転写された例を示す平面図である。
図7(A)に示すように、ロール2に貼付された粘着シート1aを介した一次転写及び二次転写により、転写元シート3上のデバイスC、例えば赤色LEDを実装基板13のチップT上に転写する。
その後、図7(B)に示すように、ロール2に貼付された粘着シート1bを介した一次転写及び二次転写により、異なる転写元シート3’上のデバイスC’、例えば緑色LEDを実装基板13のチップT上に転写する。
このとき、デバイスC’は、デバイスCを転写したチップTと異なるチップTであり、例えばデバイスCを転写したチップTから-X方向に1ピッチずらしたチップTに転写する。
その後、図7(C)に示すように、ロール2に貼付された粘着シート1cを介した一次転写及び二次転写により、さらに異なる転写元シート3’’上のデバイスC’’、例えば青色LEDを実装基板13のチップT上に転写する。
このとき、デバイスC’’は、デバイスC及びデバイスC’を転写したチップTと異なるチップTであり、例えばデバイスC’を転写したチップTから-X方向に1ピッチずらしたチップTに転写する。
【0078】
デバイスC、C’、C’’は、X方向にピッチCx及びY方向にピッチCyで規則的に整列しているため、基準となるデバイスC、C’、C’’を転写するチップTを1つ決定すると、全てのデバイスC、C’、C’’を転写するチップTが決定される。
上記製造プロセスにより、実装基板13にチップTには、異なる3種類のデバイスC、C’、C’’を転写することができる。
【0079】
なお、上記のように、ロール2上に3枚の粘着シート1a、1b、1cを粘着させ、それぞれにデバイスC、C’、C’’を粘着させておき、実装基板13にチップTに異なる3種類のデバイスC、C’、C’’を転写してもよいが、同一の粘着シート1を用いて、複数回数一次転写と二次転写を繰り返して、順次実装基板13の異なるデバイスCを実装してもよい。
【0080】
<アライメント>
以下、図8図10を参照して、デバイスCの正確な位置合わせ(アライメント)を行う手順について詳細に説明する。
【0081】
図8(A)は、第1のテーブル4の上方に第2のカメラ21が設置された様子を示す模式図である。チャック機構により第1のテーブル4上には転写元シート3が固定されており、第2のカメラ21は、転写元シート3の表面上のデバイスCを撮影することができる。
図8(B)は、転写元シート3に対する第2のカメラ21の視野FL21を示す模式図であり、図8(C)は第2のカメラ21の視野を模式的に示す拡大図である。例えば、図8(A)に示す状態から、転写元シート3上のデバイスCが第2のカメラ21の視野FL21に入るように、第1のテーブル4をY方向に移動させ、位置を調整することで、所望の位置でデバイスCを観察することができる。
【0082】
第1のテーブル4のY方向及びX方向の位置は、並進移動機構(Y方向移動機構)及び横断移動機構(X方向移動機構)に対して指定できる。並進移動機構及び横断移動機構により、第1のテーブル4をY方向及びX方向に移動させ、転写元シート3のデバイスCの最外周の列及びその両端(又は一端)、すなわち角部のデバイスCを、第2のカメラ21から出力される画像に対して画像処理技術を用いて特定し、その位置座標を、例えば第1のテーブル4の位置制御座標により特定できるよう構成することも可能である。角部のデバイスCの位置座標(位置情報)を基準として、全てのデバイスCの位置座標(位置情報)を特定することができる。
なお、第1のテーブル4をX方向に移動させる代わりに、第2のカメラ21をX方向に移動させ角部のデバイスCの位置座標を特定するよう構成してもよい。
【0083】
図1(A)に示す例では、デバイス実装装置100は2台の第2のカメラ21を備えている。図8(B)において2つの円で囲まれた領域は、2台の第2のカメラ21の視野FL21の例を示す。
第2のカメラ21の視野FL21中には複数のデバイスCが観察される。一括してデバイスCを転写する場合、個々のデバイスCの形状を認識する方法では、全体的な傾きを補正することはできない。
第2のカメラ21の視野FL21中の複数のデバイスCの配置から傾きを検出し、第1のテーブル4の回転機構により、傾き補正を行うことができる。
【0084】
なお、デバイスCの配列の傾きが補正された後に、第2のカメラ21により転写元シート3の表面を観察しながら、第1のテーブル4のY方向及びX方向に移動させ、デバイスCの配列の最外縁の列の端部、すなわち角部の位置座標を、例えば移動機構の位置制御座標により特定するよう構成してもよい。
また、デバイスCの配列のY軸方向の両端の列の位置を確認することも可能である。これにより、第2のカメラ21により最初に一次転写するデバイスCの列の位置と、最後に一次転写するデバイスCの列の位置を確認し、Y軸方向の最遠の間隔を計測できる。
【0085】
以下、デバイスCの配列を有する転写元シート3が、第1のテーブル4上で傾いて載置された場合の傾き角を検出する3種類の傾き角検出方法について説明する。
なお、第2のカメラ21等の出力画像の取得及び画像処理(画像の解析)は、制御装置80により実行される。
【0086】
(第1の角度検出方法)
第1の角度検出方法は、第2のカメラ21の視野内におけるデバイスCの配置から画像処理により傾き角を検出する方法である。1台の第2のカメラ21により傾き角の検出が可能な方法である。以下、1台の第2のカメラ21を用いた角度検出の例について説明する。
【0087】
図8(C)は、第2のカメラ21により、傾いて配列されていたデバイスCを観察した画像の例を示す。
第2のカメラ21から出力された画像信号を、制御装置80が取得し、公知の画像認識法により、デバイスCの特定部、例えばデバイスCのエッジ又は外形を検出する。その後、特定部を繋ぐ直線(図中点線α)とX軸方向又はY軸方向とのなす角度θを算出し、デバイスCの傾き角θを検出する。
2台の第2のカメラ21において、それぞれ傾き角θを算出し、平均値を求めてもよい。
【0088】
(第2の角度検出方法)
第2の角度検出方法は、X軸方向に離隔して設置された2台の第2のカメラ21のデバイスCの画像を処理し、画像データを連携させて傾き角を検出する方法である。2台の第2のカメラ21により、X軸方向に一直線上に配置されたデバイスCの列を特定し、その列のY軸方向の変位を計測することにより傾きを測定することが可能である。
すなわち、デバイスCの配列のX軸に対する傾き角を検出することができる。
以下、2台の第2のカメラ21を用いた角度検出の例について説明する。
【0089】
図9(A)は、2台の第2のカメラ21により、第1のテーブル4上に傾いて配列されていたデバイスCを観察した画像の例を模式的に示す平面図である。図9(A)において、2つの円は2台の第2のカメラ21の視野FL21を示す。
同一直線上に並んだデバイスCの配列を特定するために、例えば最初に粘着シート1に粘着されるデバイスCの列、すなわち転写元シート3の端部の辺E3に最も近いデバイスCの列を特定する。図9(A)に示すように、転写元シート3の端部の辺E3に最も近いデバイスCの列が2台の第2のカメラ21の視野に入るように第1のテーブル4の位置を調整する。
【0090】
例えば、図8(A)に示すように、転写元シート3上のデバイスCが2台の第2のカメラ21の視野外に位置する状態から、第1のテーブル4をY方向に移動させる。デバイスCが2台の第2のカメラ21の視野FL21に最初に観察されるデバイスCの列を転写元シート3の端部の辺E3に最も近いデバイスCの列であると特定することができる。
【0091】
辺E3に最も近いデバイスCの列の傾きを2台の第2のカメラ21からの出力を画像処理することで算出する。
具体的には、2台の第2のカメラ21の位置は固定されているため、2台の第2のカメラ21の視野FL21の間隔、例えば視野FL21の中心の間隔は既知である。
2台の第2のカメラ21から出力される画像のそれぞれに対して画像認識によりエッジ検出等を行い、複数のデバイスCの特定部を繋ぐ直線α(図中点線α)を求めることができる。2台の第2のカメラ21の視野FL21の間隔をLとし、距離L離れた箇所におけるデバイスCの配置のズレ(変位h)を、直線αとX軸との関係から検出することができる。
デバイスCの配置の傾き角(X軸方向に対する傾き角)θはhとL等を用いて算出することができる。
第2の角度検出方法は、第1の角度検出方法と比較して、傾き角の検出精度が向上する。
【0092】
なお、特定するデバイスCの列は、辺E3に最も近いデバイスCの列に限定するものではない。
【0093】
(第3の角度検出方法)
第3の角度検出方法は、第2のカメラ21と第1のテーブル4の移動機構とを連携させ、第2のカメラ21の画像を処理して傾き角を検出する方法である。1台の第2のカメラ21により、Y軸方向に一直線上に配置されたデバイスCの列を特定し、その列のX軸方向の変位を計測することにより傾きを測定することが可能である。すなわち、デバイスCのY軸に対する傾き角を検出することができる。
上記の第2の角度検出方法は、2台の第2のカメラ21を必要とするが、第3の角度検出方法では、1台の第2のカメラ21を用いても、検出精度を向上することが可能となる。
以下、1台の第2のカメラ21と第1のテーブル4の移動機構とを用いた角度検出の例について説明する。
【0094】
図9(B)は第2のカメラ21と第1のテーブル4との関係を示す模式図であり、図9(C)は、転写元シート3上の第2のカメラ21の視野を模式的に示す平面図である。
まず、図9(B)に示すように、転写元シート3を載置した第1のテーブル4をY軸方向に移動させる。
第2のカメラ21の位置は固定されているため、図9(C)に示すように、第2のカメラ21の視野FL21は、相対的に、転写元シート3上を反対方向(-Y方向)に走査されることになる。
例えば、第2のカメラ21の視野FL21は、図9(C)中の視野FL21-1から視野FL21-2に移動する。視野FL21-1から視野FL21-2の移動距離をD1とする。
【0095】
第2のカメラ21からの出力画像を処理し、例えばエッジ検出等により、Y方向の列に整列配置されたデバイスCを特定し、そのデバイスCを繋ぐ直線α1(図中点線で示す)を求めることができる。
【0096】
デバイスCのY方向の列がY軸に対して傾斜している場合、第2のカメラ21をY軸方向に移動すると、特定したY方向の列のデバイスCは、視野FL21から外れるようにX軸に平行な方向に移動する。
特定したY方向の列が視野FL21-2の範囲内に収まる場合、直線α1上のデバイスCの変位h1を視野FL21-2の画像から取得することができる。
デバイスCの配置の傾き角θはh1とD1とを用いて算出することができる。
【0097】
なお、この操作を繰り返すことも可能である。視野FL21-2から視野FL21-3までの距離をD2とし、視野FL21-2と視野FL21-3の画像から特定されたY方向の列に整列配置されたデバイスCを繋ぐ直線をα2(図中点線で示す)とし、視野FL21-3の画像から直線α2上のデバイスCの変位h2取得することができる
デバイスCの配置の傾き角θは、(h1+h2)及び(D1+D2)とを用いて算出することができる。
【0098】
このように、第1のテーブル4を、ロール2の回転軸Jに垂直な方向に移動させ、第1のテーブル4の上方に固定して配置された第2のカメラ21の視野FL21を転写元シート3で走査し、第2のカメラ21から出力された画像から転写元シート3に配列されたデバイスCの傾き角(Y軸方向に対する傾き角)を検出することができる。
なお、2台の第2のカメラ21のそれぞれに対して、第3の角度検出方法によりデバイスCの傾き角を検出し、検出された2つの傾き角の平均値をデバイスCの傾き角としてもよい。
【0099】
本第3の角度検出方法は、転写元シート3に配列されたデバイスCが、X軸に平行な方向と比較してY軸に平行な方向に長く配置されている場合、特に効果的である。
また、第2の角度検出方法及び第3の角度検出方法は、共に第2のカメラ21の異なる位置での視野の画像を用いて傾き角を検出する。第2の角度検出方法は、異なる位置の視野の間隔が固定されているのに対して、第3の角度検出方法は、異なる位置の視野の間隔を自由に設定できる。
【0100】
転写元シート3上のデバイスCの配列等に合わせて、第1の角度検出方法、第2の角度検出方法、第3の角度検出方法を適宜選択できる。
【0101】
なお、上記3種の角度検出方法を適宜組合わせてもよい。
例えば、デバイスCの傾き角が大きい場合、第1の角度検出方法により、デバイスCの傾き角を検出し、第1のテーブル4をZ軸周りに回転させる回転機構により回転させることで傾きを補正する。その後、第2の角度検出方法又は第3の角度検出方法により、更に精度よく傾き角を検出し、第1のテーブル4を回転機構により回転させることで傾きを補正することができる。
【0102】
また、第3の角度検出方法は、実質的に、第2のカメラ21の視野FL21の範囲を自由に拡大できるため、第3の角度検出方法によりデバイスCの列の傾き角を検出し、第1のテーブル4の回転機構により傾きを補正するという操作を繰り返すことで、所望の精度でデバイスCの列の傾き角を補正してもよい。
【0103】
第1のテーブル4の回転機構により傾き角を補正した後に、第2のカメラ21を用いた上記の位置計測方法を実行して、デバイスCの位置座標を特定するよう構成することができる。特定された転写元シート3上のデバイスCの位置座標を一次転写前のデバイスCの位置情報(転写元シート3上のデバイスCの位置情報)として、制御装置80の記憶装置に保存するよう構成することができる。
【0104】
なお、傾き角補正後の再度の位置測定を行わず、回転行列等の座標変換により、傾き角補正後のデバイスCの座標を算出し、一次転写前のデバイスCの位置情報(転写元シート3上のデバイスCの位置情報)として、制御装置80の記憶装置に保存してもよい。
【0105】
図10(A)は、一次転写によりロール2の粘着シート1にデバイスCが転写された後の様子を示す模式図である。ロール2の上方には第1のカメラ20が設置されている。
第1のカメラ20は、粘着シート1上のデバイスCを撮像することで、デバイスC間のX軸方向及び円周方向の距離(又はデバイスCの配列ピッチ)、最遠デバイス間の距離、傾きなどを確認することも可能である。
【0106】
デバイスC間のX軸方向の距離(又はデバイスCのX軸方向のピッチ)は、第1のカメラ20の視野の画像を画像処理技術により測定可能であり、デバイスC間の円周方向の距離(又はデバイスCの円周方向のピッチ)は、ロール2の半径を考慮しながら第1のカメラ20の視野の画像を画像処理技術により測定するか、ロール2を回転させながら円周方向の移動距離をモニタしながら第1のカメラ20の取得した画像を画像処理技術により測定することが可能である。
【0107】
ロール2の円周方向の移動距離を測定するため、ロール2に所定の間隔で形成された計測用マーク、例えばロール2の表面から突出する矩形状の突起部又は凹部を設けてもよい。
距離測定器7aにより、突起部をカウントすることで円周方向の移動距離の計測を可能に構成してもよい。
なお、別途リニアエンコーダやロータリーエンコーダーを設置して円周方向の移動距離を計測してもよい。
【0108】
円周方向の最遠デバイス間の距離は、ロール2を回転させながら円周方向の移動距離をモニタしながら第1のカメラ20の取得した画像を画像処理技術により測定することが可能であり、回転軸Jに平行なX軸方向の最遠デバイス間の距離は、第1のカメラ20をX軸方向に移動可能に構成することにより第1のカメラ20の取得した画像を画像処理技術により測定することが可能である。又は測定されたデバイスC間のX軸方向の距離及びピッチと、X軸方向のデバイスCの数から算出することも可能である。
【0109】
ロール2上でのデバイスCの傾きは、上記第1、第2、第3の角度検出方法により測定可能である。この場合、第3の角度検出方法においては、第1のテーブル4をY方向に移動させる代わりに、ロール2を回転軸Jの周りに回転させればよい。
なお、有限の角度の傾きが確認された場合、転写先の実装基板13に二次転写する際に実装基板13をY軸方向又はX軸方向に対して傾斜させてもよい。
【0110】
また、ロール2上のデバイスCの位置とロール2の回転角の関係を取得することができる。以下、デバイスCの位置と回転角についての基本的関係を説明する。
ロール2の回転軸Jから粘着シート1上のデバイスCまでの距離をrとし、回転角度をωとする。転写元シート3上のデバイスCの配列のピッチがCyのとき、ロール2の粘着シート1上の円周方向のデバイスCの配列のピッチもCyとなる。回転角度Δω変化すると円周方向にrΔω移動する。ロール2を回転角度Δω回転させて、粘着シート1上でデバイスCの1ピッチ分移動させるためには、Δω=Cy/rとすればよい。
rに比べCyが小さい場合、nピッチ、例えば50ピッチ分、ロール2の粘着シート1上において移動させるには、Δω=nCy/rとすればよい。
また、逆にロール2の粘着シート1上において円周方向にnピッチ分移動したときの回転角度の関係を取得することが可能である。
ただし、回転角度Δωとピッチとの上記関係式は、適宜に微調整を行ってもよい。
【0111】
第1のカメラ20から出力される画像を画像処理し、移動したデバイスCの数をカウントし、移動したデバイスCの数n、又はピッチCyのn倍と、ロール2の回転角度との相関を取得することができる。又は、第1のカメラ20により、最初に検出されたデバイスCから最後に検出されたデバイスCまでの距離、すなわち最遠デバイスC間の距離と回転角度との関係を取得することができる。
逆に、円周方向のデバイスCの移動距離nCyと回転角度の変化量から、回転軸JからデバイスCまでの距離を算出することも可能である。
回転角度と円周方向のデバイスCの移動距離との相関データは、制御装置80の記憶装置に保存することができ、デバイスCの実装基板13への転写の際に活用することができる。
【0112】
また、ロール2の表面に予め基準(図10(A)中黒矢印)を定めることで、粘着シート1上のデバイスCの列の位置を角度(ω)により特定することができ、デバイスCの列の位置と角度との関係を記憶することができる。又は基準からの円周に沿った距離によりデバイスCの列の位置を特定し、それらの関係を記憶してもよい。
【0113】
粘着シート1上のデバイスCの回転軸J方向(X方向)の位置については、第1のステージ4上で測定したデバイスCのX方向の位置を用いることができる。
なお、第1のカメラ20を使用してデバイスCのX方向の位置を実測するように構成してもよい。例えば、X方向にガイドレールを設け、駆動装置により第1のカメラ20をガイドレールに沿ってX方向に移動させるよう構成してもよい。第1のカメラ20をX方向に移動可能とすることで、第1のカメラ20のデバイスCの撮像データを画像認識し、デバイスCのX方向の位置を測定することができる。この場合、例えば端部の辺E1に最も近いデバイスC列の両端(又は一端)、すなわち角部のデバイスCの位置を測定すればよい。
なお、カメラの位置は鉛直上方に限定されず適宜設定可能である。
【0114】
ロール2に貼付された粘着シート1上での全てのデバイスCの位置座標(位置情報)は、測定された角部のデバイスCを基準座標として、傾き、デバイスC間の距離及びピッチ等から算出することができる。算出されたデバイスCの位置座標は、制御装置80の記憶装置にロール2の粘着シート1上のデバイスCに位置座標として保存することができる。
【0115】
取得された粘着シート1上のデバイスCのピッチ数又は段差形状とロール2の回転角度との相関は、制御装置80の記憶装置に保存される。従って、制御装置80は、粘着シート1の端部の辺E1に最も近いデバイスCのX軸方向の列におけるロール2の回転角度の値、その他デバイスCの各X軸方向の列におけるロール2の回転角度の値を知ることができる。
【0116】
図10(B)は、粘着シート1上のデバイスCを、第2のテーブル14上の実装基板13に二次転写する準備段階の様子を示す模式図である。
第2のテーブル14の上方には第3のカメラ22が設置されている。第3のカメラ22から出力される画像を画像処理することにより、実装基板13のチップTの位置情報を取得することができる。
例えば、まず、上記第1、第2、第3の角度検出方法により、チップTの配列の傾き角を検出し、第2のテーブル14の回転機構によって傾きを補正する。その後に、第3のカメラ22により実装基板13の表面を観察しながら、第2のテーブル14のY方向及びX方向の移動機構を利用して、チップTの配列の最外周の列及びその端部、すなわち角部の位置座標(位置情報)を特定することができる。角部のチップTの位置座標から、全てのチップTの位置座標(位置情報)を特定することができる。
第2のテーブル14に載置された実装基板13上の全てのチップTの位置座標を、制御装置80の記憶装置に保存することができる。
【0117】
図2(B)に示すように、十字等のアライメントマーク5が形成されている場合、第3のカメラ22によりアライメントマーク5を撮像し、第1の角度検出方法により傾き角度を検出できる。
また、実装基板13の両側の縁部に形成されているアライメントマーク5を2台の第3のカメラ22によりアライメントマーク5を撮像し、第2の角度検出方法により、傾きを検出することも可能である。アライメントマーク5のY軸方向のずれ(変位h)を画像処理技術により算出し、2つのアライメントマーク5間の距離Wと変位hを用いて、傾き角度θが算出可能である。
ただし、この場合、2台の第3のカメラ22の間隔を、実装基板13の両側に形成されたアライメントマーク5の間隔とが等しくなるように設定する必要がある。
【0118】
また、2台の第3のカメラ22の間隔とアライメントマーク5の間隔とが等しくない場合、まず、両側に形成されたアライメントマーク5の一方を、1台の第3のカメラ22により撮像する。その後、第2のテーブル13の横断移動機構(X方向移動機構)により第2のテーブル13を移動させ、他方の第3のカメラ22により、もう一方の対向するアライメントマーク5を撮像し、アライメントマーク5のY軸方向のずれ(変位h)を画像処理技術により算出する。
2つのアライメントマーク5間の距離Wが既知の場合、距離Wと変位hを用いて傾き角度θが算出可能である。
距離Wが不明な場合には、2台の第3のカメラ22の間隔と第2のテーブル13のX軸方向の移動距離とから、2つのアライメントマーク5間の距離Wは容易に算出することができる。
第2のテーブル13の移動機構の制御座標を基にアライメントマーク5の位置座標を特定することができる。
【0119】
実装基板13の表面に複雑な回路パターン等が形成され、画像処理が困難又は高度なパターン認識技術が必要になる場合、アライメントマーク5を使用して、チップTの配列の傾き角を検出することが可能である。
【0120】
アライメントマーク5を測定した位置座標を基準座標として、チップTのピッチTx、Ty、及びチップTの配列情報(X軸方向のチップ数及びY軸方向のチップ数)から全てのチップTの位置座標を算出することができる。このようにして取得された第2のテーブル14に載置された実装基板13上の全てのチップTの位置座標を、制御装置80の記憶装置に保存することができる。
【0121】
なお、転写元シート3にアライメントマークが存在する場合には、上記のようにアライメントマークを基準にデバイスCの位置座標を取得してもよい。
ただし、ロール2に貼付された粘着シート1にはアライメントマークが存在しないため、デバイスCにより位置座標を取得する必要がある。
【0122】
なお、第3のカメラ22を設けず、第3のカメラ22の代わりに第2のカメラ21を用いてもよい。
第2のカメラ21と第3のカメラ22とを個別に備えることにより、デバイスCの傾きの補正及びデバイスCの座標の特定と、チップTの傾きの補正及びチップTの座標の特定とを同時に進行することができ、転写に要する時間を低減することができる。デバイス実装装置100の処理能力(スループット)の向上に寄与する。
【0123】
制御装置80の記憶装置には、転写元シート3上のデバイスCの位置座標、ロール2の粘着シート1に粘着されたデバイスCの位置座標、実装基板13上のチップTの位置座標が記憶されている。
従って、制御装置80は、粘着シート1に粘着されたデバイスCを、実際に転写する実装基板13上のチップT(以下、転写先チップTと称す。)の位置を指定することができる。
具体的には、粘着シート1に粘着されたデバイスCの辺E1に最も近い角部のデバイスC(以下、基準デバイスCと称す。)について、実装基板13上の転写すべきチップTの位置座標を指定する。
【0124】
デバイスCは所定のピッチで整列して配置されており、チップTも所定のピッチで整列して配置されている。そのため、基準デバイスCと転写先の転写先チップTとを指定することにより、粘着シート1上の全てのデバイスCを、転写先の実装基板13上のチップT上に転写することができる。
【0125】
制御装置80は、ローラ2の表面上において、基準デバイスCの位置を特定する角度を入手し、基準デバイスCが下方に位置するようにローラ2の回転駆動機構を制御する。
制御装置80は、基準デバイスCのX軸方向の位置座標、及び転写先チップTのX軸方向及びY軸方向の位置座標を入手する。
制御装置80は、基準デバイスCが転写先チップTに接触可能となるようローラ2の昇降機構を制御してローラ2を下降させる。さらに所定の押し込み量に相当する距離分を追加的にロール2を降下させる。
【0126】
制御装置80は、ローラ2が停止した状態から、所定の一定の接線速度に到達するまでに要する回転角(又は回転時間)を、データとして記憶している。さらに、制御装置80は、第2のテーブル14が、停止した状態から、上記接線速度と同じ移動速度に到達するまでに要する距離(又は移動時間)を、データとして記憶している。
なお、これらのデータは予め実験等により取得可能である。
制御装置80は、ローラ2の接線速度及び第2のテーブル14のY方向の移動速度が一致した状態で、基準デバイスCが転写先チップTと接触するように、ロール2の回転角及び第2のテーブル14の位置を設定する。
【0127】
その後、制御装置80は、粘着シート1のデバイスCのY軸方向の速度と、実装基板13上のチップTのY軸方向の速度が等しくなるように、ローラ2の回転駆動機構及び第2のテーブル14のY軸方向駆動機構を制御する。ローラ2の回転とともに粘着シート1のデバイスCは1列ずつ実装基板13上のチップT上に転写される。
【0128】
なお、制御装置80は、粘着シート1に粘着されたデバイスCの傾き角及び実装基板13上の転写すべきチップの傾き角を入手し、必要に応じて、第2のテーブル14の回転駆動機構を制御して、Z軸方向の周りに回転させ、傾き角の補正を行ってもよい。
【0129】
(第2の実施形態)-デバイス実装方法-
以下、デバイス実装装置100を用いたデバイス実装方法について説明する。
図11~14は、デバイス実装装置100を用いた、デバイス実装方法の各ステップを説明するフロー図である。
なお、各ステップにおいて実行する内容の詳細、例えば位置計測等は、上記のとおりである。
【0130】
図11はデバイス実装方法の全体フローを示すフロー図である。以下、フロー順に各ステップについて説明する。
ステップS1は、粘着シート1をロール2に貼り付ける工程である。
ステップS2は、デバイスCを粘着シート1に一次転写する工程である。
ステップS3は、粘着シート1上のデバイスC及び実装基板13上のチップTの位置計測(位置座標の取得)を行う工程である。位置計測については上記のとおりである。
ステップS4は、デバイスCを実装用基板13上のチップTに二次転写する工程である。
【0131】
図11に示すように、ロール2に粘着シート1を貼付(ステップS1)後、粘着シート1の粘着性が劣化する等の理由により粘着シート1を張り替えるまで、デバイスCのチップTへの転写(ステップS2、ステップS3、ステップS4)を繰り返すことができる。
なお、繰り返し回数は3回に限定するものではない。
また、同一の実装基板13上に異なる複数種のデバイスCを転写することもできる。
例えば、図7に示す例では、3種類のデバイスC、C’、C’’を同一の実装基板13に転写している。同一の実装基板13に対して、ステップS2、ステップS3、ステップS4を複数回繰り返すことも可能である。
【0132】
図12は、ステップS1(粘着シート貼付)をより詳細なステップに分解して説明するフロー図である。
以下、図12を参照し、フロー順に各ステップを説明する。
ステップS1-1:粘着シート1を第1のテーブル4のチャッキング機構上にセット(載置)する。より具体的には、第1のテーブル4のチャッキング機構(例えば、真空チャック用のプレート41)上に粘着シート1をセットする。この作業は、作業者により手動で実行してもよいが、搬送装置により自動で実行してもよい。
ステップS1-2:粘着シート1をチャッキング(吸着)する。
ステップS1-3:スタートスイッチをオンにする。デバイス実装装置100の制御装置80による転写シーケンスの制御が開始される。上記のように、各主要構成要素は制御装置80による制御が可能となる。また、ロール2、第1のテーブル4、第2のテーブル14等は、可動範囲の校正を行い、その後原点(ホームポジション)に復帰するよう構成してもよい。
なお、スタートスイッチをオンにするステップは、他のフローについても同様である。
ステップS1-4:ロール2の表面が粘着シート1に接触可能なように、ロール2が粘着シート1の貼付可能位置まで降下する。ロール2を下降させることにより、ロール2の表面と粘着シート1の表面の水平レベルを整合させる。例えば、両表面の水平レベルを一致させてもよいが、押し込み量を考慮して両表面の水平レベルを設定してもよい。以下のロール2の下降のステップにおいても同様である。
なお、このステップにおいては、ロール2の表面は粘着シート1に接触していない。
ステップS1-5:第1のテーブル4がロール2の下方へと水平移動する。このステップにおいて、ロール2の粘着シート1の取付開始箇所が第1のテーブル4側になるようロール2が回転する。例えば、ロール2上に粘着シート1の端部を粘着させる箇所に基準マークや目盛を設けておき取付開始箇所としてもよい。基準マークは、ロール2の表面において円周位置を決定する基準として機能させることもできる。
また、図4(D)に示すように、複数の粘着シート1をロール2上に貼付する場合、粘着シート1が取り付けられていないロール2表面を第1のテーブル4側に向ける。
ステップS1-6:ロール2上へ粘着シート1の貼付(粘着)を開始する。制御装置80は、ロール2及び第1のテーブル4の粘着動作の制御を開始し、ロール2を回転させると共に、第1のテーブル4を水平移動させる。ロール2及び第1のテーブル4が停止した状態から加速し、第1のテーブル4の水平方向の速度と、ロール2の接線速度とを一致させる。その後、第1のテーブル4の水平方向の移動速度及びロール2の回転速度は、それぞれ一定を維持する。
ステップS1-7:ロール2の回転と同期して第1のテーブル4が水平移動し、第1のテーブル4上の粘着シート1が、端部の辺から順にロール2の表面に接触し、貼付される。
なお、ロール2と粘着シート1とをそれぞれ停止した状態で接触させ、その後にロール2の回転と粘着シート1の水平移動を行うように設定してもよい。しかし、第1のテーブル4の水平方向の速度とロール2の接線速度とを一致させた後にロール2と粘着シート1とを接触し、貼付しているため、粘着シート1の全長に亘って、同一テンションで貼付が可能となる。
ステップS1-8:第1のテーブル4上の全ての粘着シート1がロール2の表面へ貼付される。粘着シート1のロール2への粘着動作が終了する。ロール2の回転と第1のテーブル4の移動が停止する。
ステップS1-9:ロール2が、第1のテーブル4の移動と干渉しない位置に上昇する。
ステップS1-10:第1のテーブル4とロール2が原点(ホームポジション)に移動(原点復帰)する。
【0133】
図13は、転写元シート3からロール2に貼付された粘着シート1にデバイスCを一次転写するステップS2を説明するフロー図である。
以下、図13を参照し、フロー順に各ステップを説明する。
ステップS2-1:転写元シート3を第1のテーブル4のチャッキング機構上にセット(載置)する。セット(載置)する。
この作業は、作業者により手動で実行してもよいが、搬送装置により自動で実行してもよい。
転写元シート3上のデバイスCの配列が第1のテーブル4のX軸、Y軸方向に揃うようにセットする。ただし、デバイスCの配列に傾きが生じた場合、後のステップで修正する。
ステップS2-2:転写元シート3をチャッキング(吸着)する。チャッキングにより、以降のステップにおいて、転写元シート3が不要に動くことがない。
ステップS2-3:スタートスイッチをオンにする。
ステップS2-4:第1のテーブル4及びロール2に対して距離計測位置に移動する。
距離測定は、第1のテーブル4に設けられた距離測定器7aにより可能である。距離測定器7aが、ロール2の回転軸Jの鉛直方向の下方に配置されるように、第1のテーブル4が移動する。
ステップS2-5:第1のテーブル4とロール2との間の距離を計測する。
また、このステップにおいて、転写元シート3上のデバイスCの位置(デバイスCの配列の傾きを含む)を計測する。上記のとおり、距離の計測は距離測定器7a、7bを使用し、デバイスCの位置の計測は第2のカメラ21を使用することができる。計測結果は制御装置80の記憶装置に保存される。第2のカメラ21で撮像しながら第1のテーブル4をY軸方向に移動させ、Y軸方向のデバイスCの一次転写開始位置及び一次転写終了位置を取得することができる。
ステップS2-6:第1のテーブル4を水平に移動すると共に、ロール2を回転し、粘着シート1がデバイスCを粘着して一次転写が可能となる位置に、粘着シート1を配置する(図3(A)(1)参照)。
このステップでは、ロール2と第1のテーブル4のアライメントを行う位置まで移動する。第1のテーブル4を高速移動させることで、スループット向上に寄与する。
ステップS2-7:ロール2に貼付された粘着シート1と転写元シート3上のデバイスCとのアライメントを実行する。アライメントは、デバイスCの位置を基に実行し、ロール2の回転軸Jに対する傾きを補正することが可能である。また、好適には、粘着シート1のX軸方向の中央と転写元シート3のX軸方向の中央とを合わせる。
アライメント後の状況は第2のカメラ21で確認可能である。
転写元シート3のデバイスCの配列に傾きがある場合、アライメントにより、転写元シート3のデバイスCのX軸方向の列が、ロール2の回転軸Jと平行になるように第1のテーブル4の回転機構を用いて補正される。
ステップS2-8:粘着シート1が転写元シート3上のデバイスCと接触可能となるように、ロール2が下降する。このステップで、粘着シート1の表面と転写元シート3上のデバイスCの表面の水平レベルを整合させる。(図3(A)(2)参照)。
なお、このステップでは、粘着シート1とデバイスCとは接触していない。
ステップS2-9:一次転写のため、第1のテーブル4とロール2とが静止した状態から、第1のテーブル4の水平移動とロール2の回転を開始する。第1のテーブル4の水平方向の移動速度とロール2の接線速度とを一致させる。速度が一致した段階で第1のテーブル4の水平方向の移動速度及びロール2の回転速度は、それぞれ一定を維持する(それぞれ等速度になる)。
ステップS2-10:ロール2を回転させると共に、ロール2の回転に同期して第1のテーブル4を水平移動させることで、転写元シート3上のデバイスCから粘着シート1への貼り付けを開始する(図3(A)(3)参照)。
ステップS2-11:第1のテーブル4に載置された転写元シート3上のデバイスCがロール2の粘着シート1に順次1列ずつ又は連続した複数列ずつ接触し、粘着される。
なお、ロール2上の粘着シート1と転写元シート3上のデバイスCとをそれぞれ停止した状態で接触させ、その後にロール2の回転と第1のテーブル4の水平移動を行うように設定してもよい。しかし、第1のテーブル4の水平方向の速度とロール2の接線速度とを一致させた後に粘着シート1とデバイスCとを接触し、粘着しているため、粘着シート1の全長に亘って均等にデバイスCが粘着される。その結果、高い位置精度で粘着シート1にデバイスCを粘着することが可能となる。
ステップS2-12:デバイスCの転写元シート3から粘着シート1への転写が終了し、ロール2の回転と第1のテーブル4の移動が停止する(図3(A)(4)参照)。
制御装置80は、最初に一次転写されるデバイスCの列の位置(一次転写開始列のY座標)と、最後に一次転写されるデバイスCの列の位置(一次転写終了列のY座標)から、ロール2の回転角度を算出し、記憶装置に保存している。そのため、全てのデバイスCの一次転写が終了する第1のテーブル4の停止位置とロール2の回転停止位置(停止角度)を把握している制御装置80により、第1のテーブル4の水平移動とロール2の回転の開始と停止を制御することができる。
ステップS2-13:後ロール2が上昇する(図3(A)(5)参照)。
ステップS2-14:第1のテーブル4とロール2が原点(ホームポジション)に移動(原点復帰)する(図3(A)(6)参照)。
【0134】
図14は、ロール2に貼付された粘着シート1上のデバイスCの位置を計測するステップS3と、粘着シート1から実装基板13のチップT上に二次転写するステップS4を説明するフロー図である。
以下、図14を参照し、ステップS3とステップS4について、それぞれフロー順に各ステップを説明する。
なお、ステップS3の結果をステップS4に活用するため、ステップS3の後にステップS4を実行するが、ステップS3とステップS4とを同時に進行させてもよい。
【0135】
<デバイス位置計測>
ステップS3-1:スタートスイッチをオンにする。
ステップS3-2:ロール3に貼付された粘着シート1上のデバイスCが第1のカメラ20により撮像可能なようにロール2が上昇する。
ステップS3-3:第1のカメラ20により粘着シート1上のデバイスCの位置計測可能な位置でロール2が停止する。
ステップS3-4:第1のカメラ20により粘着シート1上のデバイスCの位置計測を開始する。
ステップS3-5:デバイスCの位置を計測する。
ロール2を回転させながら第1のカメラ20によりデバイスCを撮像することで、粘着シート1上の円周方向に、デバイスCの位置を順次計測することができる。回転軸Jに対するデバイスCの列の傾きの有無の確認、及び傾きが確認された場合には傾き角度の計測も可能である。
制御装置80は、デバイスCの位置をロール2の回転角度、または円周方向の距離と対応させて記憶装置に保存する。
また、回転軸Jに対するデバイスCの列の傾きが確認された場合、傾き角度も記憶装置に保存される。
ステップS3-6:デバイスCの位置計測が終了する。
【0136】
<二次転写>
ステップS4-1:実装基板13を第2のテーブル14のチャッキング機構上にセット(載置)する。この作業は、作業者により手動で実行してもよいが、搬送装置により自動で実行してもよい。
実装基板13上のチップTの配列が第2のテーブル14のX軸、Y軸方向に揃うようにセットする。ただし、チップTの配列に傾きが生じた場合、後のステップで修正する。
なお、デバイス実装装置100が、第2のテーブル14を備えず、第1のテーブル4のみを備える場合には、第2のテーブル14の代わりに第1のテーブル4を使用する。この場合、以下の各ステップにおいて、第2のテーブル14は第1のテーブル4、第3のカメラ22は第2のカメラ21を意味する。
ステップS4-2:実装基板13をチャッキング(吸着)する。
チャッキングにより、以降のステップにおいて、実装基板13が不要に動くことがない。
ステップS4-3:スタートスイッチをオンにする。
ステップS4-4:第2のテーブル14上の実装基板13の厚さを計測するため、距離測定器6の下方に第2のテーブル14が水平移動する。
ステップS4-5:実装基板13の厚さを計測する。具体的には、上方に設置された距離測定器6は、距離測定器6と第2のテーブル14との距離、及び距離測定器6と実装基板13に設けられたチップTの表面との距離を計測する。これらの距離の差分から第2のテーブル4の表面から実装基板13のチップTの表面までの距離、すなわち実装基板13の厚さを計測する。
また、このステップにおいて、実装基板13上のチップTの位置(チップTの配列の傾きを含む)を計測する。上記のとおり、チップTの位置の計測は第3のカメラ22を使用することができ、計測結果は制御装置80の記憶装置に保存される。第3のカメラ22で撮像しながら第2のテーブル14を水平に移動し、チップTの二次転写位置取得することができる。
また、ロール2に貼付された粘着シート1と第2のテーブル14との距離を距離測定器7b(又は、距離測定器7a)により計測する。
計測された各計測値は、制御装置80の記憶装置に保存される。
ステップS4-6:第2のテーブル14とロール2との距離を計測するため、ロール2の下方に第2のテーブル14が水平移動する。具体的には第2のテーブル14に設けられた距離測定器7aがロール2の回転軸Jの下方に位置するよう、第2のテーブル14が移動する。
ステップS4-7:第2のテーブル14とロール2との距離を計測する。
距離測定器7aの出力は制御装置80に入力され、制御装置80の記憶装置に保存される。
ステップS4-8:第2のテーブル14を水平に移動すると共に、ロール2を回転し、粘着シート1に粘着されたデバイスCが、実装基板13上のチップTに粘着され、二次転写が可能となる位置に粘着シート1を配置する(図3(B)(1)参照)。第2のテーブル14はロール2とアライメント可能な位置に移動される。
粘着シート1の基準デバイスCが実装基板13の転写先チップTに転写可能なように、ロール2の回転軸J周りの回転角を調整する。
なお、例えば、図7に示すように複数種のデバイスCをチップT上に二次転写する場合、基準デバイスC(基準となるデバイスC)を転写するチップT(転写先チップT)デバイスCにより異なるため転写チップTを特定し、実装基板13上において基準デバイスCと転写先チップTの座標が一致するよう、ロール2及び第2のテーブル14の回転角度、位置が調整される。
ステップS4-9:ロール2に貼付された粘着シート1上のデバイスCが、正確に実装基板13のチップT上に粘着されるように、実装基板13をアライメントする。具体的には、ステップS3-5により取得したデバイスCの位置座標と、ステップステップS4-5で取得したチップTの位置座標とを照合し、デバイスCのX軸方向の列とチップTのX軸方向の列が平行となり、デバイスCとチップTとが重なるよう、第2のテーブル14の駆動機構により傾き角及びX軸方向、Y軸方向の位置を補正する。このようにして、ロール2と実装基板13との相対的位置関係を確定し、調整することができる。
ステップS4-10:粘着シート1上のデバイスCがチップTの表面と接触可能となるように、ロール2を下降する(図3(B)(2)参照)。
ロール2の下降距離は、ロール2と第2のテーブル14との距離、実装基板13の厚さ(第2のテーブル14の表面からチップT表面までの高さ)、ロール2の表面からデバイスCの表面までの高さにより算出される。制御装置80は算出されたロール2の下降量に基づき、ロール2の昇降機構を制御し、ロール2を下降させる。
なお、下降量には、さらに押し込みを考慮して、押し込み量、例えば5μmを加えてもよい。
ステップS4-11:二次転写のため、第2のテーブル14とロール2とが静止した状態から、第2のテーブル14の水平移動とロール2の回転を開始する。第2のテーブル14の水平方向の移動速度とロール2の接線速度とを一致させる。速度が一致した段階で第2のテーブル14の水平方向の移動速度及びロール2の回転速度は、それぞれ一定を維持する(それぞれ等速度になる)。
ステップS4-12:ロール2を回転させると共に、ロール2の回転に同期して第2のテーブル14を水平移動させることで、粘着シート1からへ実装基板13のデバイスCの貼り付けを開始する(図3(B)(3)参照)。チップT上に設けられた粘着層の粘着力が、粘着シート1の粘着層1ALの粘着力より大きいため、チップT上の粘着層に接触したデバイスCは粘着シート1からチップT上に転写される。
本ステップにおいてデバイスCが粘着シート1から実装基板13のチップT上に順次1列ずつ接触し、粘着され、転写される。
ステップS4-13:ロール2の粘着シート1上のデバイスCが第2のテーブル14上の実装基板13への転写が終了し、ロール2の回転と第2のテーブル14の移動が停止する(図3(B)(4)参照)。
制御装置80は、最初に二次転写されるロール2上のデバイスCの列の位置(回転角)と実装基板13上のチップTの列の位置(Y軸座標)と、最後に二次次転写されるロール2上のデバイスCの列の位置(回転角)と実装基板13上のチップTの列の位置(Y軸座標)を認識しているため、第2のテーブル14の水平移動とロール2の回転の開始と停止を制御することができる。
ステップS4-14:ロール2が上昇する(図3(B)(5)参照)。
ステップS4-15:第2のテーブル4とロール2が原点(ホームポジション)に移動(原点復帰)する(図3(B)(6)参照)。
【0137】
このように、図11に示す全体フローに従って、デバイスCを転写元シート3からロール2の粘着シート1に一次転写し、その後、粘着シート1から実装基板13に二次転写される。
上記のように、カメラによる画像及び距離測定器による距離測定の結果を有機的に組み合わせデバイスCとチップTとをアライメントするため、位置精度よくデバイスCを実装基板13の所定のチップT上に実装することができ、さらに転写時の押し込み量も正確に制御可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明にかかるデバイス実装装置によれば、ロールに貼付した粘着シートを介して精度よくデバイスを実装基板に転写することができる。さらに、粘着シートの粘着力の経時劣化に対しても、容易に対処することも可能となり、産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0139】
100 デバイス実装装置
1、1a、1b、1c 粘着シート
1AL 粘着層
1PL 保護層
2 ロール
2S シャフト
3、3'、3'' 転写元シート
4 第1のテーブル(定盤)
5 アライメントマーク
6 距離測定器(変位計)
7a、7b 距離測定器(変位計)
13 実装基板(転写先基板)
14 第2のテーブル(定盤)
20 第1のカメラ
21 第2のカメラ
22 第3のカメラ
41 プレート
42 排気通路
80 制御装置
J 回転軸
E1、E3、E13 辺
FL21、FL21-1、FL21-2、FL21-3 視野
C、C'、C'' デバイス
Cx、Cy ピッチ
T チップ(マウント部)
Tx、Ty ピッチ
【要約】
【課題】転写元シートから転写先の実装基板へデバイスを精度よく、一括して転写することができるデバイス実装装置及びデバイス実装方法を提供する。
【解決手段】
デバイス実装装置は、ロールと、水平方向の移動と鉛直方向の軸の周りの回転が可能なテーブルと、ロール表面を撮像するロール用カメラと、テーブル表面を撮像するテーブル用カメラと、制御装置とを備え、テーブルは粘着シート、転写元シート、及び転写先であるマウント部を有する実装基板を載置するものであり、制御部は、ロール用カメラによるデバイスの画像から、その位置情報を取得し、テーブル用カメラによるマウント部の画像から、その位置情報を取得し、マウント部とデバイスの位置情報に基づき、ロールとテーブルとのアライメントを制御する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14