(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】足場板
(51)【国際特許分類】
E04G 5/08 20060101AFI20220120BHJP
E04G 7/34 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
E04G5/08 B
E04G7/34 303B
(21)【出願番号】P 2018025618
(22)【出願日】2018-02-16
【審査請求日】2020-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000136170
【氏名又は名称】株式会社ピカコーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 徹
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-004216(JP,A)
【文献】特開平09-041658(JP,A)
【文献】特開2003-138744(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0326771(US,A1)
【文献】特開2002-138660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/08
E04G 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板本体(3)と、この板本体(3)の前後端部に設けられていて横架材(E)に上側から掛合するフック部材(4)と、板本体(3)の前後端部に設けられていて横架材(E)に掛合したフック部材(4)の離脱を規制するロック機構(5)とを有する足場板であって、
前記ロック機構(5)は板本体(3)の前後端部の下部に固定の支持体(7)と、この支持体(7)に支持されていて横架材(E)に下側から係合する係合位置(W)と横架材(E)から離れる退避位置(T)とに移動可能なロック部材(9)と、このロック部材(9)を板本体(3)の上方から移動操作可能な操作具(10)とを有
しており、
前記ロック機構(5)の操作具(10)は、ロック部材(9)から立設されていて支持体(7)に縦軸廻り回動可能に支持された縦連結部材(8)と、この縦連結部材(8)の上部に設けられていて板本体(3)に形成した開口(3a)から上方へ露出した操作部材(11)とを有することを特徴とする足場板。
【請求項2】
前記ロック機構(5)のロック部材(9)は丸棒又はピンで形成されており、
前記支持体(7)には、係合位置(W)のときにロック部材(9)が弾力的に係合する位置設定部(7b)と、ロック部材(9)が縦軸廻り回動で係合位置(W)と退避位置(T)との間を移動するときに乗り越える移動規制部(7c)とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の足場板。
【請求項3】
前記フック部材(4)は板本体(3)の端部にフック部材(4)の略1個分のフック間隔空間(α)をおいて複数個設けられており、
前記ロック機構(5)は、板本体(3)の対角線近傍の前後2位置にフック間隔空間(α)に対応して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記
載の足場板。
【請求項4】
板本体(3)と、この板本体(3)の前後端部に設けられていて横架材(E)に上側から掛合するフック部材(4)と、板本体(3)の前後端部に設けられていて横架材(E)に掛合したフック部材(4)の離脱を規制するロック機構(5)とを有する足場板であって、
前記ロック機構(5)は板本体(3)の前後端部の下部に固定の支持体(7)と、この支持体(7)に支持されていて横架材(E)に下側から係合する係合位置(W)と横架材(E)から離れる退避位置(T)とに移動可能なロック部材(9)と、このロック部材(9)を板本体(3)の上方から移動操作可能な操作具(10)とを有しており、
前記板本体(3)は板材(13)の前後端に端部材(14)が設けられ、この端部材(14)の外面側に前記フック部材(4)が固定され、端部材(14)の内面側に前記支持体(7)が固定され、かつ端部材(14)に前記ロック部材(9)を内面側から外面側へ突出させる挿通穴(14a)が形成されていることを特徴と
する足場板。
【請求項5】
板本体(3)と、この板本体(3)の前後端部に設けられていて横架材(E)に上側から掛合するフック部材(4)と、板本体(3)の前後端部に設けられていて横架材(E)に掛合したフック部材(4)の離脱を規制するロック機構(5)とを有する足場板であって、
前記ロック機構(5)は板本体(3)の前後端部の下部に固定の支持体(7)と、この支持体(7)に支持されていて横架材(E)に下側から係合する係合位置(W)と横架材(E)から離れる退避位置(T)とに移動可能なロック部材(9)と、このロック部材(9)を板本体(3)の上方から移動操作可能な操作具(10)とを有しており、
前記板本体(3)は板材(13)の前後端に端部材(14)が設けられ、この端部材(14)の外面側に係止レール(16)が左右方向に長く形成され、上部に外方突出状の取付部(17)が形成されており、
前記フック部材(4)は板本体(3)側の端部に前記係止レール(16)と係合して離隔が規制される係合部(4a)が形成され、前記端部の上部に前記取付部(17)に固定される固定部(4b)が形成されていることを特徴と
する足場板。
【請求項6】
前記板本体(3)の前後端部には、左右一方端からフック部材(4)とフック部材(4)の略1個分のフック間隔空間(α)とが交互に複数個設けられており、左右他端側には、縦架材(F)を配置可能にする架材挿通空間(β)が形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の足場板。
【請求項7】
前記板本体(3)は上面が平坦な2枚の細板(P)を併設した板材(13)と、板材(13)の2枚の細板(P)の一端と同時に連結される第1端部材(14A)と、板材(13)の2枚の細板の他端と同時に連結される第2端部材(14B)とで形成されており、
前記第1端部材(14A)には、一方端からフック間隔空間(α)とフック部材(4)とが交互に複数個設けられており、他端側には架材挿通空間(β)が形成されており、
前記第2端部材(14B)には、一方端からフック部材(4)とフック間隔空間(α)とが交互に複数個設けられており、他端側にはフック間隔空間(α)に続いて架材挿通空間(β)が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の足場板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設スタンド等の足場に適用される足場板に関する。
【背景技術】
【0002】
仮設スタンドは複数本の縦架材に横架材を連結し、前後横架材に足場板の前後端を係合して載置して、人が載り上がり、往来可能な足場を構成する。
この足場板の従来技術として、特許文献1に開示されている枠組み足場用足場板があり、この足場板は、水平な板本体と、板本体の前後両端に設けた複数のフックと、板本体の左右両端に起立して着脱自在に設けた巾木と、各フックの下方に出入自在に設けたストッパー機構とを備え、前記ストッパー機構は中空なガイドと、ガイド内にスライド自在に挿入したストッパーと、ガイドとストッパーとの間に介在してストッパーをフック方向に付勢する弾性部材と、ガイドの上部又は側部に設けられ且つ上記弾性部材に抗してストッパーを所定の位置に保持する位置決め部材とからなっている(請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、ストッパーでフックの離脱を防止できるが、ストッパーを操作する把手部はストッパーの後端下面側に形成されており、足場板の下方から、足場板の着脱操作をしなければならなく、足場組立作業がやり難いものになっている。
また、従来技術は、ストッパー機構をフックに対応して設けているので、1枚の足場板の四隅にストッパー機構を必要とし、コスト高になっている。
【0005】
さらに、従来技術は巾木を有するので、上下階に渡る長さの建て枠材とも連結することが可能であるが、仮設スタンドでは縦架材の上端が足場板の上面と略等高になるので、巾木が使用できず、足場板を縦架材に係合させることが困難になる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした足場板を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、ロック機構に板本体の上方から移動操作可能な操作具を設けることにより、ロック部材を板本体の上方からロック・ロック解除ができる足場板を提供することを目的とする。
また、本発明は、ロック機構をフック間隔空間に対応して配置することにより、前後各1組のロック機構で装着できる足場板を提供することを目的とする。
【0007】
さらに、本発明は、板本体の前後端部に縦架材を配置可能にする架材挿通空間を形成することにより、板本体を縦架材に対して係合できるようにした足場板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、板本体3と、この板本体3の前後端部に設けられていて横架材Eに上側から掛合するフック部材4と、板本体3の前後端部に設けられていて横架材Eに掛合したフック部材4の離脱を規制するロック機構5とを有する足場板であって、
前記ロック機構5は板本体3の前後端部の下部に固定の支持体7と、この支持体7に支持されていて横架材Eに下側から係合する係合位置Wと横架材Eから離れる退避位置Tとに移動可能なロック部材9と、このロック部材9を板本体3の上方から移動操作可能な操作具10とを有することを特徴とする。
【0009】
また、前記ロック機構5の操作具10は、ロック部材9から立設されていて支持体7に縦軸廻り回動可能に支持された縦連結部材8と、この縦連結部材8の上部に設けられていて板本体3に形成した開口3aから上方へ露出した操作部材11とを有することを特徴とする。
第2に、前記ロック機構5のロック部材9は丸棒又はピンで形成されており、
前記支持体7には、係合位置Wのときにロック部材9が弾力的に係合する位置設定部7bと、ロック部材9が縦軸廻り回動で係合位置Wと退避位置Tとの間を移動するときに乗り越える移動規制部7cとが形成されていることを特徴とする。
第3に、前記フック部材4は板本体3の端部にフック部材4の略1個分のフック間隔空間αをおいて複数個設けられており、
前記ロック機構5は、板本体3の対角線近傍の前後2位置にフック間隔空間αに対応して配置されていることを特徴とする。
【0010】
第4に、前記板本体3は板材13の前後端に端部材14が設けられ、この端部材14の外面側に前記フック部材4が固定され、端部材14の内面側に前記支持体7が固定され、かつ端部材14に前記ロック部材9を内面側から外面側へ突出させる挿通穴14aが形成されていることを特徴とする。
第5に、前記板本体3は板材13の前後端に端部材14が設けられ、この端部材14の外面側に係止レール16が左右方向に長く形成され、上部に外方突出状の取付部17が形成されており、
前記フック部材4は板本体3側の端部に前記係止レール16と係合して離隔が規制される係合部4aが形成され、前記端部の上部に前記取付部17に固定される固定部4bが形成されていることを特徴とする。
【0011】
第6に、前記板本体3の前後端部には、左右一方端からフック部材4とフック部材4の略1個分のフック間隔空間αとが交互に複数個設けられており、左右他端側には、縦架材Fを配置可能にする架材挿通空間βが形成されていることを特徴とする。
第7に、前記板本体3は上面が平坦な2枚の細板Pを併設した板材13と、板材13の2枚の細板Pの一端と同時に連結される第1端部材14Aと、板材13の2枚の細板の他端と同時に連結される第2端部材14Bとで形成されており、
前記第1端部材14Aには、一方端からフック間隔空間αとフック部材4とが交互に複数個設けられており、他端側には架材挿通空間βが形成されており、
前記第2端部材14Bには、一方端からフック部材4とフック間隔空間αとが交互に複数個設けられており、他端側にはフック間隔空間αに続いて架材挿通空間βが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ロック機構に板本体の上方から移動操作可能な操作具を設けることにより、ロック部材を板本体の上方からロック・ロック解除ができる。
即ち、請求項1に係る発明は、ロック機構5はロック部材9を板本体3の上方から移動操作可能な操作具10を有するので、板本体3の上方からロック・ロック解除ができ、足場組立作業がやり易くなる。
【0013】
請求項2に係る発明は、ロック機構5の操作具10は板本体3に形成した開口3aから上方へ露出した操作部材11を有するので、板本体3の上方から操作部材11を回動するだけで、ロック機構5のロック・ロック解除ができる。
請求項3に係る発明は、ロック機構5は板本体3の対角線近傍の前後2位置にフック間隔空間αに対応して配置されているので、前後各1組で足場板の装着ができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、板材13の前後端に設けた端部材14に、フック部材4もロック機構5も固定でき、かつ端部材14に形成した挿通穴14aでロック部材9に掛かる荷重を支持できる。
請求項5に係る発明は、端部材14の外面側に係止レール16を形成しているので、端部材14の強度が向上され、その係止レール16にフック部材4を係合しかつ取付部17で固定しているので、フック部材4の耐荷重を大きくとることができる。
【0015】
請求項6に係る発明は、2枚の足場板1を前後にしてフック部材4を組み合わせて配置することができ、そのように配置しても架材挿通空間βを形成でき、2枚の足場板1を縦架材Fと係合させることができる。
請求項7に係る発明は、2枚の細板Pを併設して第1端部材14A及び第2端部材14Bで連結することにより板本体3が形成でき、第1端部材14Aに一方端からフック間隔空間αとフック部材4とを交互に複数個設け、かつ他端側に架材挿通空間βを形成するとともに、第2端部材14Bに一方端からフック部材4とフック間隔空間αとを交互に複数個設け、かつ他端側にはフック間隔空間αに続いて架材挿通空間βを形成しているので、
足場板1を縦架材Fに係合させる構成を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の足場板を組み立てた実施形態を示しており、(1A)は平面図であり、(1B)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、9において、仮設スタンド30は上下2段のスタンドを備えており、各スタンドはコーナ支柱となる複数本の縦架材Fを、前後方向(長方形の足場板1の長手方向)及び左右方向に間隔をおいた複数本の横架材Eで連結し、前後横架材E間に2枚の足場板1を左右並列させて架設し、1本の中間横架材Eに前後の足場板1を共通架設している。縦架材F及び横架材Eはパイプ材で形成されている。
【0018】
図1~8において、足場板1は、長方形の板本体3と、この板本体3の長手方向の前後端部に設けられていて横架材Eに上側から掛合するフック部材4と、板本体3の前後端部に設けられていて横架材Eに掛合したフック部材4の離脱を規制するロック機構5とを有する。
前記板本体3は、上面が平坦な2枚の細板Pを左右併設した板材13と、板材13の2枚の細板Pの前後一端と同時に連結される第1端部材14Aと、板材13の2枚の細板の前後他端と同時に連結される第2端部材14Bとで形成されている。
【0019】
前記板材13は1枚の幅広の板だけで形成してもよく、平坦な上面を形成する天板部13Uの下面に角筒状のリブ部13Lを前後方向(長手方向)に沿って一体成形しており、リブ部13Lの下面に横断するように2本の下連結部材13Dが連結されている。
前記板材13はアルミ押し出し成形品であり、端部はズン切り状態であり、この端部を隠すように端部材14が嵌合されている。この端部材14は第1端部材14Aと第2端部材14Bとでフック部材4の配置は異なるが、第1端部材14Aは1枚の板材13の前部に配置されかつ併設の板材13の後部に配置され、第2端部材14Bは1枚の板材13の後部に配置されかつ併設の板材13の前部に配置されている。
【0020】
図2、4、5において、各端部材14は、板材13の端部に上下から嵌合する板材嵌合部14Kと、この板材嵌合部14Kと背中合わせのフック装着部14Mと、このフック装着部14Mから下方に延設されたロック装着部14Rとが一体成形されている。
前記フック装着部14Mは、端部材14の外面側に上下方向で対向する一対の係止レール16が左右方向に長く形成され、上部に外方突出状の取付部17が一体形成されている。
【0021】
前記フック部材4は下面側に横架材Eに上側から掛合するフック凹部4Sが形成され、板本体3側の端部に端部材14の係止レール16と係合して離隔が規制される上下一対の係合部4aが形成され、前記端部の上部に端部材14の取付部17にリベット等を介して固定される固定部4bが形成されている。フック部材4のフック凹部4Sと上面との間は空洞になっている。
【0022】
前記端部材14及びフック部材4はアルミ押し出し成形品であり、上下係止レール16は端部材14の全長に亘り形成され、フック部材4は端部材14の端部から上下係合部4aが係止レール16に係合され、摺動して取付部17に対応する位置まで移動される。
端部材14の取付部17は間隔をおいて複数形成され、その取付部17に装着されるフック部材4は、フック部材4の略1個分のフック間隔空間αをおいて複数個設けられる。
【0023】
1枚の板本体3の前後端部に配置されるフック部材4は前後対称ではなく、左右一方端からフック部材4とフック部材4の略1個分のフック間隔空間αとが交互に複数組(実施形態では3組)設けられており、左右他端側には、縦架材Fを配置可能にする架材挿通空間βが形成されている。
そして、
図1の(1A)の左下の板本体3を例にとると、前部の第1端部材14Aには、一方端からフック間隔空間αとフック部材4とが交互に形成され、かつ他端側には架材挿通空間βが形成されており、後部の第2端部材14Bには、一方端からフック部材4とフック間隔空間αとが交互に複数個設けられており、かつ他端側にはフック間隔空間αに続いて架材挿通空間βが形成されている。
【0024】
また、1枚の板本体3とそれに前後連設される板本体3との関係は、第1の板本体3の第2端部材14Bのフック間隔空間αに第2の板本体3の第1端部材14Aに固定のフック部材4が入り込み、両者のフック部材4が噛み合って隙間のない連続面を形成する。但し、この連続面の端部には架材挿通空間βが残る。
この架材挿通空間βは縦架材Fのパイプ直径の略半分であり、前記第2の板本体3の端部のフック部材4が係合当接することにより、横架材Eに対する第1、第2の板本体3の位置ズレが規制される。
【0025】
図1の(1A)に示した左右2枚併設の足場板1にさらに1組追加併設する場合は、2組の足場板1の架材挿通空間βは互いに対向し、1本の縦架材Fを共有して係合することになる。
図1~8において、前記ロック機構5は、四角形状の板本体3の対角線上近傍の前後2位置にフック間隔空間αに対応して配置されている。即ち、板本体3の左前部と右後部又は右前部と左後部の2個所にロック機構5は配置されている。
【0026】
このロック機構5は板本体3の前後端部の下部に固定の支持体7と、この支持体7に支持されていて横架材Eに下側から係合する係合位置Wと横架材Eから離れる退避位置Tとに移動可能なロック部材9と、このロック部材9を板本体3の上方から移動操作可能な操作具10とを有する。
前記ロック機構5の操作具10は、ロック部材9の長手方向中途部から立設されていて支持体7に縦軸廻り回動可能に支持された縦連結部材(回動軸)8と、この縦連結部材8の上部に設けられていて板本体3に形成した開口3aから上方へ露出した操作部材11とを有する。
【0027】
前記支持体7は、板材をコ字形状に折曲したものであり、中間部分が端部材14の略垂直な固定板部であり、ロック装着部14Rにリベット等により固着されており、上下の板部に縦軸貫通穴7aが形成され、下板部の自由端側は下向きに屈曲され、かつ自由端に平面視略V字切欠状の位置設定部7bとその側方の凸形状の移動規制部7cとが形成されている。
【0028】
前記ロック部材9は丸棒又はピンで形成されて縦連結部材8の下端に固着されており、先端が斜め上向きの傾斜面9aが形成され、この傾斜面9aが横架材Eに下側から当接係合可能であり、ロック部材9の後部は前記移動規制部7cを乗り越えて略V字切欠状の位置設定部7bと弾力的に係脱自在であり、位置設定部7bに係合すると移動規制部7cによって縦連結部材8廻りの回動が規制される。
【0029】
縦連結部材8は支持体7に貫通してナット等により上下位置が設定されており、その上端に操作部材11が嵌合してピン止めされている。
操作部材11は平面視略円形の胴部11aの上部に、胴部11aより小径の上部11bが形成され、この上部11bに回動工具が係合可能な縦割り溝11cが形成されている。
ロック機構5は板本体3に対しては、リブ部13Lの間で天板部13Uの下方に配置されており、操作部材11は胴部11aが天板部13Uにより下方に位置し、上部11bが天板部13Uに形成した開口3a内に位置し、縦割り溝11cが上方から視認できるように露出している。
【0030】
従って、操作部材11は足場板1の上方から縦割り溝11cにドライバ等の回動工具を係合することにより回動操作することができ、操作部材11の回動により縦連結部材8及
びロック部材9が縦軸廻りに回動して、ロック部材9の先端が横架材Eから外れた退避位置T(
図6、8に仮想線で示す。)から、傾斜面9aが横架材Eに下側から当接係合する係合位置W(
図6~8に実線で示す。)まで移動させることができる。
【0031】
ロック部材9は係合位置Wのとき支持体7の平面視略V字切欠状の位置設定部7bと係合してその位置が確保され、ロック部材9が位置設定部7bの側方の移動規制部7cを乗り越える抵抗により、係合位置Wから退避位置Tへの安易な移動が規制され、ロック部材9は横架材Eに掛合したフック部材4の離脱を阻止するロック状態に保持される。
移動規制部7cの抵抗に抗してロック部材9を係合位置Wから退避位置Tへ移動すると、ロック部材9は横架材Eに掛合したフック部材4の離脱を許容するロック解除状態になる。
【0032】
前記ロック部材9は係合位置Wのときも退避位置Tのときも端部材14のロック装着部14Rよりもフック部材4側に突出しており、そのためにロック装着部14Rにはロック部材9を内面側から外面側へ突出させる挿通穴14aが形成されている。この挿通穴14aは水平方向に長い長孔であり、この挿通穴14aの壁面にロック部材9が当接することにより、ロック部材9が横架材Eから受ける負荷を支持する。
【0033】
前記仮設スタンド30の足場板1は、前後横架材Eの上に載置して、前後のフック部材4を掛合し、板本体3の上方から操作具10を回動操作して、ロック部材9を退避位置Tから係合位置Wへ移動して前後のロック機構5をロックする。1枚の足場板1を基準にして、同じ前後横架材Eの上に併設する足場板1を配置する。また、1枚の基準足場板1の前又は後に連設する足場板1を配置し、基準足場板1のフック部材4間のフック間隔空間αに連設足場板1のフック部材4を配置する。複数枚の足場板1の併設、連設を行って、所要面積のスタンドを構築する。
【0034】
仮設スタンド30を解体する場合は、足場板1の上に乗って、隣の足場板1の操作具10を上方から回動操作して、2つのロック機構5をロック解除すれば、足場板1を前後横架材Eから離脱することができる。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、
図1~9に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
【0035】
例えば、ロック機構5は、支持体7に縦連結部材8を前後移動可能にする前後長孔を形成し、天板部13Uの開口3aも前後長孔に形成し、操作部材11を縦割り溝11cにドライバ等の工具を掛合して前後に移動できるように構成してもよい。
ロック機構5の支持体7は、板材13の前後端に固定してもよい。
足場板1は作業員の足場のための枠組み足場用足場板としても利用できる。
【符号の説明】
【0036】
1 足場板
3 板本体
3a 開口
4 フック部材
4a 係合部
4b 固定部
5 ロック機構
7 支持体
8 縦連結部材
9 ロック部材
10 操作具
11 操作部材
13 板材
14 端部材
14A 第1端部材
14B 第2端部材
14a 挿通穴
16 係止レール
17 取付部
30 仮設スタンド
α フック間隔空間
β 架材挿通空間
E 横架材
F 縦架材