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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/22 20060101AFI20220120BHJP
   E03C 1/23 20060101ALI20220120BHJP
   A47K 1/14 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
E03C1/22 C
E03C1/23 Z
A47K1/14 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018043708
(22)【出願日】2018-03-12
(65)【公開番号】P2019157442
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】392028767
【氏名又は名称】株式会社日本アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】太田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】北川 浩平
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-174604(JP,A)
【文献】特開2002-227269(JP,A)
【文献】特開平11-107342(JP,A)
【文献】特開2017-160686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12-1/33
A47K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のケースと、
前記ケースに対し往復移動可能な状態で挿通されるとともに、自身の一端側部位が前記ケースの一端開口から当該ケース外へと出て被操作部を構成する棒状の操作軸と、
自身の一端側部位が前記ケースの他端側部位の内側に位置した状態で固定された筒状のアウターチューブと、
前記アウターチューブ内に往復移動可能な状態で挿通されるとともに、自身の一端側部位が前記アウターチューブの一端開口から当該アウターチューブ外に出て前記ケース内にて前記操作軸の他端側部位と接触可能とされ、かつ、前記操作軸とともに往復移動可能に構成されたインナーワイヤとを備え、
前記操作軸及び前記インナーワイヤの往動により、槽体の排水口を開閉するための栓蓋を上動させて前記排水口を開状態とすること、及び、前記栓蓋を下動させて前記排水口を閉状態とすることのうちの一方が可能である一方、前記操作軸及び前記インナーワイヤの復動により、前記栓蓋を上動させて前記排水口を開状態とすること、及び、前記栓蓋を下動させて前記排水口を閉状態とすることのうちの他方が可能に構成された操作装置であって、
所定の弾性材料により形成されるとともに、前記ケース内に配置されるシール保持部材を具備し、
前記シール保持部材は、前記アウターチューブの一端側部位が配置されるとともに、少なくとも前記排水口が開状態又は前記閉状態であるときに前記操作軸が挿通された状態となるように構成された軸孔を有するものであって、さらには、前記軸孔に挿通された前記操作軸を弾性保持する保持部と、前記軸孔に配置された前記アウターチューブの一端側部位の外周及び前記ケースの他端側部位の内周間に配置されて両者間を水密にシールするシール部とを一体に備えてなるものであることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記アウターチューブの一端開口は、前記軸孔に連通した状態とされており、
前記操作軸は、少なくとも前記排水口が開状態であるときに前記軸孔に挿通されるように構成されており、
前記保持部の内周には、前記軸孔に挿通された前記操作軸の外周に対しその周方向全周に亘って水密に接触する操作軸シール部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記操作軸は、常に前記軸孔に挿通された状態となるように構成されており、
前記操作軸シール部は、常に前記操作軸の外周に対しその周方向全周に亘って水密に接触することを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作軸は、常に前記軸孔に挿通された状態となるように構成されており、
前記保持部は、常に前記操作軸を弾性保持するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、槽体の排水口に設けられる栓蓋を遠隔操作するための操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、槽体(例えば、浴槽や洗面ボウル等)やその近傍には、槽体の底部に形成された排水口の開閉状態を遠隔操作によって切換えるための操作装置が設けられている。
【0003】
操作装置としては、ケース、操作軸、アウターチューブ及びインナーワイヤを備えたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。ケースは、槽体やその近傍の構造物に取付けられるとともに、操作軸が往復移動可能な状態で挿通されており、操作軸の往復移動をガイドするものである。操作軸は、その一端側部位がケースの一端からケース外に突出して被操作部として使用される棒状の部品である。アウターチューブは、筒状をなすとともにインナーワイヤが往復移動可能な状態で挿通されており、自身の一端側部位がケースの他端側開口部に対応した位置に固定される一方、自身の他端側部位が栓蓋側に設けられた所定部品に取付けられることで、インナーワイヤを操作軸側から栓蓋側へと案内するものである。インナーワイヤは、アウターチューブの一端から突出した自身の一端側部位が操作軸の他端側部位と接続されており、操作軸が押し引き操作された際に操作軸とともに往復移動することで、操作軸の変位による駆動力を栓蓋側へと伝達するためのものである。このような操作装置において、排水口を閉状態から開状態へと切換える際には、操作軸を押し操作することで操作軸とともにインナーワイヤを往動させる。そして、インナーワイヤの往動に伴い栓蓋が押し上げられることで、排水口が閉状態から開状態へと切換えられる。一方、排水口を開状態から閉状態へと切換える際には、操作軸を引き操作することで操作軸とともにインナーワイヤを復動させる。そして、インナーワイヤの復動に伴い栓蓋が自重等により下降することで、排水口が開状態から閉状態へと切換えられる。尚、操作軸を引き操作しインナーワイヤを復動させることで、栓蓋を上動させて排水口を開状態へと切換える一方、操作軸を押し操作しインナーワイヤを往動させることで、栓蓋を下降させて排水口を閉状態に切換えるような構成もある。
【0004】
また、ケースの内部に、操作軸の外周部分を係合可能な筒状の係合部を設けるとともに、排水口が開状態であるときに係合部へと操作軸が係合されて操作軸を保持する技術が提案されている(例えば、特許文献2等参照)。当該技術によれば、排水口が開状態であるときにおいて栓蓋へと下向きの力が加わったときに、インナーワイヤ及び操作軸が意図せずに復動してしまうことを抑制でき、ひいては排水口を開状態でより確実に維持することが可能となる。
【0005】
ところで、衛生性などを考慮すると、ケース内からケース外への水の漏れ出しを防止することが好ましい。そこで、上述した特許文献2に記載の技術では、ケースの一端側の内周と操作軸の外周との間にシール部材を設けることで、ケース内への水の浸入防止を図り、ひいてはケース内からケース外へと水が漏れ出すことを抑えるように構成されている。シール部材をケースの一端側に対応して設けるのは、被操作部として使用される操作軸の一端側部位やその周辺物は通常水が付着しやすい環境に置かれるから、ケース内への水の浸入経路として、ケースの一端開口(操作軸が突出する側の開口)を通る経路が特に想定されることによる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平7-224452号公報
【文献】特開2010-174604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ケース内への水の浸入経路としては、ケースの一端開口を通る経路のみならず、ケースの他端開口を通る経路も考えられる。すなわち、アウターチューブのうち栓蓋側に配置される部位(他端側部位)は、通常、排水の流路側に設置されるため、アウターチューブ内に水(排水)が入り込んでしまい、ひいては入り込んだ水がアウターチューブ内を伝わってケースの他端開口を通りケース内へと浸入してしまうおそれがある。そこで、アウターチューブの外周とケースの他端側の内周との間に別のシール部材を設けることで、両者間を水密にシールし、ひいてはアウターチューブ内を通ってケース内へと仮に水が浸入したとしても、その水がケース他端側開口から外へと漏れないように構成することが考えられる。
【0008】
ところが、上述した係合部などの操作軸を保持する部材を備えた構成においてさらに別のシール部材を設けることになると、部品点数が増大するとともに内部構造が複雑化してしまい、生産性の低下(例えば、装置の組立に係る容易性の低下)を招いてしまったり、製造コストの増大を生じさせてしまったりするおそれがある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性向上や製造コストの増大抑制を図りつつ、ケース内からの水の漏出防止をより効果的に図ることができる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0011】
手段1.筒状のケースと、
前記ケースに対し往復移動可能な状態で挿通されるとともに、自身の一端側部位が前記ケースの一端開口から当該ケース外へと出て被操作部を構成する棒状の操作軸と、
自身の一端側部位が前記ケースの他端側部位の内側に位置した状態で固定された筒状のアウターチューブと、
前記アウターチューブ内に往復移動可能な状態で挿通されるとともに、自身の一端側部位が前記アウターチューブの一端開口から当該アウターチューブ外に出て前記ケース内にて前記操作軸の他端側部位と接触可能とされ、かつ、前記操作軸とともに往復移動可能に構成されたインナーワイヤとを備え、
前記操作軸及び前記インナーワイヤの往動により、槽体の排水口を開閉するための栓蓋を上動させて前記排水口を開状態とすること、及び、前記栓蓋を下動させて前記排水口を閉状態とすることのうちの一方が可能である一方、前記操作軸及び前記インナーワイヤの復動により、前記栓蓋を上動させて前記排水口を開状態とすること、及び、前記栓蓋を下動させて前記排水口を閉状態とすることのうちの他方が可能に構成された操作装置であって、
所定の弾性材料により形成されるとともに、前記ケース内に配置されるシール保持部材を具備し、
前記シール保持部材は、前記アウターチューブの一端側部位が配置されるとともに、少なくとも前記排水口が開状態又は前記閉状態であるときに前記操作軸が挿通された状態となるように構成された軸孔を有するものであって、さらには、前記軸孔に挿通された前記操作軸を弾性保持する保持部と、前記軸孔に配置された前記アウターチューブの一端側部位の外周及び前記ケースの他端側部位の内周間に配置されて両者間を水密にシールするシール部とを一体に備えてなるものであることを特徴とする操作装置。
【0012】
上記手段1によれば、少なくとも排水口が開状態又は閉状態であるときに軸孔に挿通された操作軸を弾性保持する保持部によって、操作軸が容易に移動しない状態とすることができる。これにより、排水口を開状態又は閉状態でより確実に維持することができる。例えば、排水口が開状態であるときに保持部によって操作軸を保持する場合には、栓蓋へと下向きの力が加わったときに、インナーワイヤ及び操作軸が意図せずに移動してしまうことを抑制でき、ひいては排水口を開状態でより確実に維持することができる。
【0013】
また、軸孔に配置されたアウターチューブの一端側部位の外周及びケースの他端側部位の内周間に配置され、アウターチューブ及びケース間を水密にシールするシール部によって、仮にアウターチューブ内を通ってケース内へと水が浸入したとしても、その水がケースの他端側から漏れ出してしまうことを効果的に防止できる。
【0014】
さらに、上記手段1によれば、シール保持部材が、上記のような機能を有するシール部及び保持部を一体に備えている。従って、シール部及び保持部を別々の部品で構成する場合と比較して、部品点数を低減することができるとともに内部構造の簡素化を図ることができる。その結果、生産性(例えば、装置の組立に係る容易性)の向上や、製造コストの増大抑制を図ることができる。
【0015】
加えて、上記手段1によれば、シール保持部材は弾性材料により形成されており、この材料の弾性を利用することで、保持部において操作軸をより確実に保持しつつ、シール部において水密性を確保することができるようになっている。すなわち、シール保持部材を弾性材料により形成することで、一材料からシール保持部材を構成しつつ、シール部及び保持部において上述した各種機能を良好に発揮させることが可能となっている。従って、上記各種機能を実現するために複数の材料を用いてシール保持部材を構成する場合と比べ、シール保持部材の製造に係るコストを効果的に低減させることができる。その結果、製造コストの増大抑制を一層効果的に図ることができる。
【0016】
尚、「所定の弾性材料」としては、弾性ゴムや弾性樹脂などを挙げることができる。
【0017】
手段2.前記アウターチューブの一端開口は、前記軸孔に連通した状態とされており、
前記操作軸は、少なくとも前記排水口が開状態であるときに前記軸孔に挿通されるように構成されており、
前記保持部の内周には、前記軸孔に挿通された前記操作軸の外周に対しその周方向全周に亘って水密に接触する操作軸シール部が設けられていることを特徴とする手段1に記載の操作装置。
【0018】
上記手段2によれば、アウターチューブの一端開口は軸孔と連通した状態とされており、仮に水がアウターチューブ内に入ってその一端開口側(操作軸側)へと流れた場合には、その水が軸孔へと案内されるようになっている。その上で、少なくとも排水口が開状態であるときには、保持部の内周に設けられた操作軸シール部が、軸孔に挿通された操作軸の外周に対し周方向全周に亘って(環状に)水密に接触するようになっている。すなわち、排水口が開状態であって特にアウターチューブ内に排水が入りやすいときに操作軸の外周及び保持部の内周間を水密にシールするように構成されている。従って、アウターチューブ内に水が入りやすい状況において、仮にアウターチューブ内を通ってケース内へと水が流れたとしても、その水を軸孔により確実に留めておくことができ、その水がシール保持部材の外へと漏出することをより確実に防止できる。これにより、ケース外への水の漏出防止効果を一層向上させることができる。
【0019】
手段3.前記操作軸は、常に前記軸孔に挿通された状態となるように構成されており、
前記操作軸シール部は、常に前記操作軸の外周に対しその周方向全周に亘って水密に接触することを特徴とする手段2に記載の操作装置。
【0020】
上記手段3によれば、操作軸は常に軸孔に挿通された状態とされており、操作軸シール部は、常に(すなわち、排水口が開状態であるときであっても、排水口が閉状態であるときであっても)、軸孔に挿通された操作軸の外周に対しその周方向全域に亘って水密に接触するように構成されている。従って、アウターチューブ内を通ってケース内へと水が流れるといった事態がいつ生じようとも、その水を軸孔に一層確実に留めておくことができ、その水がシール保持部材の外へと漏出してしまうことを一層確実に防止できる。これにより、ケース外への水の漏出防止効果をより一層高めることができる。
【0021】
手段4.前記操作軸は、常に前記軸孔に挿通された状態となるように構成されており、
前記保持部は、常に前記操作軸を弾性保持するように構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の操作装置。
【0022】
上記手段4によれば、操作軸は常に軸孔に挿通された状態とされており、保持部は、常に(すなわち、排水口が開状態であるときであっても、排水口が閉状態であるときであっても)、軸孔に挿通された操作軸を保持するように構成されている。従って、排水口における開状態及び閉状態をより確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】水栓に取付けられた状態の操作装置を示す断面図である。
図2】取付対象壁に取付けられた状態の操作装置を示す断面図である。
図3】操作軸を復動させて排水口を閉状態としたときの操作装置の断面図である。
図4】操作軸を往動させて排水口を開状態としたときの操作装置の断面図である。
図5】操作軸を復動させて排水口を閉状態としたときの操作装置の一部拡大断面図である。
図6】操作軸を往動させて排水口を開状態としたときの操作装置の一部拡大断面図である。
図7】常に軸孔へと操作軸が挿通される構成とした別の実施形態において、操作軸を復動させて排水口を閉状態としたときの操作装置の断面図である。
図8】常に軸孔へと操作軸が挿通される構成とした別の実施形態において、操作軸を往動させて排水口を開状態としたときの操作装置の断面図である。
図9】常に軸孔へと操作軸が挿通される構成とした別の実施形態において、操作軸を復動させて排水口を閉状態としたときの操作装置の一部拡大断面図である。
図10】常に軸孔へと操作軸が挿通される構成とした別の実施形態において、操作軸を往動させて排水口を開状態としたときの操作装置の一部拡大断面図である。
図11】メイン筒部を複数の部材により構成した別の実施形態において、操作軸を復動させて排水口を閉状態としたときの操作装置の断面図である。
図12】メイン筒部を複数の部材により構成した別の実施形態において、操作軸を往動させて排水口を開状態としたときの操作装置の断面図である。
図13】別の実施形態において、操作軸に係止部を設けた場合における操作装置の一部拡大断面図である。
図14】別の実施形態において、操作軸及びインナーワイヤを非接続状態とした場合における操作装置の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。操作装置1は、図示しない槽体(例えば、洗面器や浴槽、流し台など)に設けられた排水口の開閉用の栓蓋(図示せず)を遠隔操作し、前記栓蓋を上下動させることで前記排水口の開閉状態を切換えるためのものである。本実施形態において、操作装置1は、図1に示すように、槽体に対応して設けられた水栓100に取付けられており、より具体的には、水栓100に設けられた雌ねじ101に対し後述するケース2の雄ねじ21Cを螺合することで水栓100に取付けられている。尚、図1では、水栓100を簡略化して示している。また、前記槽体には、排水口を通過した排水の流路となる配管(図示せず)が取付けられている。
【0025】
尚、操作装置1を、図2に示すように、前記槽体の一部を構成する、又は、前記槽体の近傍に設けられた構造物(例えば、洗面化粧台のカウンタなど)を構成する水平板状の取付対象壁200(例えば、洗面器のフランジ部など)に取付けることとしてもよい。この場合、取付対象壁200の裏側から、取付対象壁200に形成された雌ねじ201へと後述する雄ねじ21Cを螺合することで取付対象壁200に操作装置1を取付けてもよい。また、操作装置1を上下方向に延びる取付対象壁に取付けてもよい。さらに、例えば内周に雌ねじの形成された筒状部材を予め取付対象壁に取付けた上で、当該筒状部材の雌ねじへと後述する雄ねじ21Cを螺合することで、操作装置1を取付対象壁へと取付けることとしてもよい。
【0026】
操作装置1は、図3~6(図3,4等では水栓100を不図示)に示すように、ケース2、操作軸3、アウターチューブ4、インナーワイヤ5及びシール保持部材6を備えている。
【0027】
ケース2は、操作軸3やアウターチューブ4等を保持しつつ、前記取付対象壁への被取付部として機能するものである。ケース2は、メイン筒部21及び固定保持部22を備えており、全体として筒状をなしている。
【0028】
メイン筒部21は、中心に貫通孔を有する筒状をなしており、メイン筒部21内には、操作軸3が往復移動可能な状態で挿通されている。そして、メイン筒部21の内周面によって操作軸3の往復移動がガイドされるようになっている。また、本実施形態では、メイン筒部21の内側面のうち操作軸3の後述する被取付部32Aの配置される箇所と、被取付部32Aの外側面とがそれぞれ軸直交断面六角形状をなしており、その結果、ケース2に対する操作軸3(特に後述するワイヤ対応部32)の相対回転が防止されている。さらに、メイン筒部21の一端部には、水栓100等の取付対象へと取付けるための雄ねじ21Cなどが形成されている。尚、操作装置1を水栓100などに取付けるにあたっては、ケース2(メイン筒部21)の一端部と水栓100等との間に水密性を確保するためのシール部材7を設けてもよい(図1,2参照)。
【0029】
一方、メイン筒部21の他端部には、メイン筒部21へと固定保持部22を取付けるための係合部21Aが設けられており、当該係合部21Aはメイン筒部21の径方向に沿って弾性変形可能となっている。さらに、メイン筒部21の内周には、ケース2からの操作軸3の抜け等を防止するための段差部21Bが形成されている。
【0030】
固定保持部22は、アウターチューブ4の一端側部位やシール保持部材6を保持する役割などを有している。固定保持部22は、中心にアウターチューブ4等の挿通される貫通孔を有するとともに、外周に凹部の形成された円筒状部材である。固定保持部22は、メイン筒部21の他端部に挿通され、自身の外周に設けられた前記凹部へと前記係合部21Aが嵌入されることで、メイン筒部21の他端部に取付けられている。本実施形態では、係合部21Aの弾性を利用することにより、メイン筒部21の他端開口へと固定保持部22を押し込むことで、メイン筒部21に固定保持部22を容易に取付けることが可能となっている。
【0031】
操作軸3は、前記排水口の開閉状態を切換える際に、使用者による押し引き操作の対象となる棒状部品である。本実施形態において、操作軸3は、本体軸部31及びワイヤ対応部32が直列的に接続されて構成されている。尚、必ずしも複数の部材を接続して操作軸3を構成する必要はなく、1の部材によって操作軸3を構成してもよい。
【0032】
本体軸部31は、円柱状の基部31Aと、当該基部31Aよりも大径の円柱状をなすつまみ部31Bとが直列的に並んだ構成とされている。基部31Aは、その外周面の広範囲がケース2(メイン筒部21)の内周面に近接した状態とされており、これにより、操作軸3が往復移動する際に、ケース2及び操作軸3をほぼ同軸状態で維持することが可能となっている。また、基部31Aにおけるつまみ部31Bとは反対側に位置する端部(他端部)外周には、所定の雄ねじが設けられている。
【0033】
つまみ部31Bは、本体軸部31の一端側部位を構成しており、ケース2の一端開口からケース2外へと出ている。つまみ部31Bは、特に使用者による被操作部として機能する。
【0034】
ワイヤ対応部32は、インナーワイヤ5との間で力の伝達を行う部位であり、本実施形態では、操作軸3の変位による駆動力をインナーワイヤ5へと伝達する役割を有する。ワイヤ対応部32は、有底筒状をなすとともに、外側面が軸直交断面六角形状とされた比較的太い被取付部32Aと、当該被取付部32Aの底部分中心から突出する比較的細い円柱状のワイヤ接続筒部32Bとを具備している。
【0035】
被取付部32Aは、主として本体軸部31に対するワイヤ対応部32の取付を担う部位である。被取付部32Aは、本体軸部31よりも太いものとされており、その内周に雌ねじを備えている。被取付部32Aの内周に設けられた前記雌ねじに対し、基部31Aの他端部外周に設けられた前記雄ねじを螺合することで、本体軸部31及びワイヤ対応部32が直列的に接続された状態となっている。尚、上述の通り、ケース2の内側面や被取付部32Aの外側面が軸直交断面六角形状とされており、ケース2に対するワイヤ対応部32の相対回転が防止されるようになっているため、本体軸部31を回転させることによって、ケース2内に配置されたワイヤ対応部32と本体軸部31とを容易に接続(螺着)することが可能となっている。
【0036】
また、被取付部32Aの最外周部は、本体軸部31(基部31A)の外周面よりも外側に出っ張った状態とされており、前記段差部21Bと接触可能となっている。これにより、ケース2の一端開口から操作軸3の抜けや操作軸3の過度の復動を防止できるようになっている。
【0037】
ワイヤ接続筒部32Bは、被取付部32Aよりも小径の円筒状をなしており、その内周にインナーワイヤ5の一端部が挿通された状態で固定されている。例えば、本実施形態において、インナーワイヤ5の一端部は、ワイヤ接続筒部32Bに対し加締め固定されている。また、ワイヤ接続筒部32Bは、加締め固定により若干の凹凸が存在するものの、基本的にはほぼ凹凸のない平滑な外周面を有しており、その先端部を除いてほぼ一定の外径を有するものとされている。
【0038】
アウターチューブ4は、前記栓蓋側に対しインナーワイヤ5を案内するための長尺筒状部材である。アウターチューブ4は、その一端部がケース2の他端側部位の内側に配置された状態でケース2へと固定されている。より詳しくは、アウターチューブ4の一端には鍔状のフレア部41が設けられており、当該フレア部41がシール保持部材6及び固定保持部22により挟み込まれることで、アウターチューブ4の一端部がケース2に対し間接的に固定された状態となっている。
【0039】
また、アウターチューブ4の一端開口は、シール保持部材6の後述する軸孔63内に連通した状態とされている。つまり、アウターチューブ4の一端は、軸孔63内にて開口した状態とされている。一方、アウターチューブ4の他端開口(図示せず)は、前記配管内に配置されている。つまり、排水がアウターチューブ4の他端開口からアウターチューブ4内に入り込みやすい状況となっている。そのため、アウターチューブ4の他端開口からアウターチューブ4内に入った水が、アウターチューブ4の一端開口側(操作軸3側)へと流れて軸孔63へと至るといった事態がやや生じやすいものとなっている。
【0040】
インナーワイヤ5は、操作軸3の往復移動時に操作軸3とともに移動し、操作軸3の変位による駆動力を前記栓蓋側へと伝達するものである。インナーワイヤ5は、例えばコアコイル(密着コイルバネ)によって構成されており、アウターチューブ4内に往復移動可能な状態で挿通されている。また、インナーワイヤ5の一端部は、アウターチューブ4の一端開口から当該アウターチューブ4外へと出てケース2内にて操作軸3の他端側部位(ワイヤ対応部32)と接続されている。
【0041】
尚、本実施形態においては、前記排水口の開閉状態を次のようにして切換えることができる。すなわち、操作軸3に対する押し操作によって、操作軸3とともにインナーワイヤ5を往動した状態(図4及び図6に示す状態)とすることで、前記栓蓋を上動させて前記排水口を閉状態から開状態へと切換えることができる。一方、操作軸3に対する引き操作によって、操作軸3とともにインナーワイヤ5を復動した状態(図3及び図5に示す状態)とすることで、前記栓蓋を下動させて前記排水口を開状態から閉状態へと切換えることができる。
【0042】
シール保持部材6は、ケース2における水密性向上や操作軸3の保持などの各種機能を担う部材である。シール保持部材6は、所定の一種類の弾性材料(例えば、EPDMゴム等の弾性ゴムや、エラストマ(熱可塑性エラストマ)等の弾性樹脂など)により形成されており、本実施形態では、弾性ゴムにより形成されている。
【0043】
また、シール保持部材6は、比較的大きな外径の大径部61と比較的小さな外径の小径部62とを備えており(図5及び図6参照)、外観上、外径の大小異なる2つの円筒が同軸状に積み重なったような形状をなしている。本実施形態では、大径部61が、メイン筒部21及び固定保持部22により挟み込まれた状態とされることで、シール保持部材6は、ケース2(メイン筒部21)の他端側内部に配置・固定された状態となっている。尚、シール保持部材6は、ケース2内に配置されたときに圧縮変形した状態となるが、図3及び図5では、圧縮変形前のシール保持部材6を示しており、図4及び図6では、後述する操作軸シール部66のみが圧縮変形したシール保持部材6を示している。
【0044】
また、シール保持部材6は、自身の中心を貫通し、操作軸3の往復移動方向に延びる軸孔63を有しており、当該軸孔63の他端側部位にアウターチューブ4の一端側部位(フレア部41)が配置されている。さらに、本実施形態では、操作軸3及びインナーワイヤ5が往動した状態であるとき、つまり、排水口が開状態であるときに、軸孔63へと操作軸3(ワイヤ接続筒部32B)が挿通されるようになっている(図6参照)。
【0045】
加えて、シール保持部材6は、軸孔63に挿通された操作軸3(ワイヤ接続筒部32B)を弾性保持する筒状の保持部64と、軸孔63に配置されたアウターチューブ4の一端側部位(フレア部41)の外周及びケース2(メイン筒部21)の他端側部位の内周間に配置された両者間を水密にシールする筒状のシール部65とを一体に備えている。
【0046】
保持部64は、操作軸3の外周面に押圧された状態でこれと接触することにより、操作軸3の往復移動を抑えるものである。本実施形態において、保持部64は、自身の内周に、自身の周方向に延びる突出環状の操作軸シール部66を備えており、当該操作軸シール部66が操作軸3と接触することで操作軸3を保持するように構成されている。また、操作軸シール部66は、軸孔63へと操作軸3(ワイヤ接続筒部32B)が挿通されたときに、当該操作軸3(ワイヤ接続筒部32B)の外周に対しその周方向全周に亘って水密に接触するようになっている。
【0047】
シール部65は、前記大径部61により構成されており、アウターチューブ4の一端側部位(フレア部41)の外周、及び、ケース2(メイン筒部21)の他端側部位の内周によって挟み込まれている。そして、シール部65は、アウターチューブ4の一端側部位(フレア部41)の外周、及び、ケース2(メイン筒部21)の他端側部位の内周に水密に接触することで、両者間を水密にシールしている。
【0048】
加えて、本実施形態では、排水口を閉状態から開状態へと切換えるべく操作軸3を往動させたときに、操作軸3におけるワイヤ接続筒部32Bの周囲に位置する面が、軸孔63の周囲に位置するシール保持部材6の一端面と接触することで、操作軸3のそれ以上の往動が規制されるようになっている。
【0049】
以上詳述したように、本実施形態によれば、軸孔63に挿通された操作軸3を弾性保持する保持部64によって、操作軸3が容易に移動しない状態とすることができる。これにより、排水口が開状態であるときに前記栓蓋へと下向きの力が加わった場合に、インナーワイヤ5及び操作軸3が意図せずに復動してしまうことを抑制でき、ひいては排水口を開状態でより確実に維持することができる。
【0050】
また、シール部65によって、軸孔63に配置されたアウターチューブ4の一端側部位の外周及びケース2の他端側部位の内周間が水密にシールされるため、仮にアウターチューブ4内を通ってケース2内へと水が浸入したとしても、その水がケース2の他端側から漏れ出してしまうことを効果的に防止できる。
【0051】
さらに、シール保持部材6は、上記のような機能を有するシール部65及び保持部64を一体に備えている。従って、シール部65及び保持部64を別々の部品で構成する場合と比較して、部品点数を低減することができるとともに内部構造の簡素化を図ることができる。その結果、生産性(例えば、装置の組立に係る容易性)の向上や、製造コストの増大抑制を図ることができる。
【0052】
加えて、シール保持部材6は所定の弾性材料により形成されており、この材料の弾性を利用することで、保持部64において操作軸3をより確実に保持しつつ、シール部65において水密性を確保することができる。すなわち、シール保持部材6を弾性材料により形成することで、一材料からシール保持部材6を構成しつつ、シール部65及び保持部64において上述した各種機能を良好に発揮させることが可能となっている。従って、上記各種機能を実現するために複数の材料を用いてシール保持部材6を構成する場合と比べ、シール保持部材6の製造に係るコストを効果的に低減させることができる。その結果、製造コストの増大抑制を一層効果的に図ることができる。
【0053】
また、前記排水口が開状態であるときには、保持部64の内周に設けられた操作軸シール部66が、軸孔63に挿通された操作軸3の外周に対し周方向全周に亘って(環状に)水密に接触する。すなわち、排水口が開状態であって特にアウターチューブ4内に排水が入りやすいときに操作軸3の外周及び保持部64の内周間が水密にシールされ、軸孔63の一端開口側が閉塞された状態となる。従って、アウターチューブ4内に水が入りやすい状況において、仮にアウターチューブ4内を通ってケース2内へと水が流れたとしても、その水を軸孔63により確実に留めておくことができ、その水がシール保持部材6の外へと漏出することをより確実に防止できる。これにより、ケース2外への水の漏出防止効果を一層向上させることができる。
【0054】
加えて、前記排水口の開閉状態を切換えるべく操作軸3を往動させたときには、弾性材料からなるシール保持部材6の一端面に操作軸3が接触する。そのため、操作時に、操作軸3を介して使用者に対し加わる衝撃を少なくすることができ、操作感を良好なものとすることができる。
【0055】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0056】
(a)上記実施形態では、操作軸3が往動し排水口が開状態であるときにのみ、軸孔63へと操作軸3(ワイヤ接続筒部32B)が挿通されるように構成されている。これに対し、図7~10に示すように、操作軸3の往復移動方向に沿ってシール保持部材6をより長尺とするとともに、操作軸3のうち軸孔63に挿通される部位(ワイヤ接続筒部32B)をより長尺とすることで、操作軸3が常に(つまり、排水口が開状態であっても閉状態であっても)軸孔63へと挿通されるようにし、保持部64によって常に操作軸3が弾性保持されるように構成してもよい。このように構成することで、排水口における開状態及び閉状態をより確実に維持することができる。
【0057】
また、操作軸シール部66が、常に(つまり、排水口が開状態であっても閉状態であっても)操作軸3(ワイヤ接続筒部32B)の外周に対しその周方向全周に亘って接触するように構成してもよい。この場合には、アウターチューブ4内を通ってケース2内へと水が流れるといった事態がいつ生じようとも、その水を軸孔63に一層確実に留めておくことができ、その水がシール保持部材6の外へと漏出してしまうことを一層確実に防止できる。これにより、ケース2外への水の漏出防止効果をより一層高めることができる。
【0058】
(b)上記実施形態において、メイン筒部21は一部材により構成されているが、メイン筒部21を複数の部材によって構成してもよい。例えば、図11及び図12に示すように、直列的に接続されたそれぞれ筒状の第一構成部211及び第二構成部212によってメイン筒部21を構成してもよい。勿論、3つ以上の筒状部材を直列的に接続することでメイン筒部21を構成してもよい。尚、各部材間からの漏水防止を図るべく、接続される各部材間にシール部材(例えば、図11,12における環状のシール部材23)を設けることが好ましい。
【0059】
(c)図13に示すように、操作軸3の外周に、シール保持部材6の内周部に係止される係止部33を設けることで、操作軸3の往動又は復動を規制し、ひいては排水口を開状態又は閉状態でより確実に維持されるように構成してもよい。尚、図13に示す例では、係止部33がシール保持部材6の内周部(操作軸シール部66)に係止されることで、操作軸3の復動が規制され、排水口を開状態でより確実に維持することが可能となる。また、係止部33は、必ずしも突起状である必要はなく、凹み形状であってもよい。この場合、凹み形状の係止部33へとシール保持部材6の内周部が入り込むことで、係止部33がシール保持部材6へと係止される。勿論、係止部33や、シール保持部材6の内周部のうち前記係止部33が係止される部位の位置や数を適宜設定することで、操作軸3の往動及び復動の双方を規制できるように構成してもよい。
【0060】
(d)上記実施形態では、操作軸3(ワイヤ対応部32)とインナーワイヤ5とが接続された状態となっているが、インナーワイヤ5に対し復動方向の力を付与する戻り力付与部(図示せず)を設ける場合には、図14に示すように、操作軸3の他端側部位とインナーワイヤ5とが操作軸3の往復移動方向に沿って単に接触可能となるように構成してもよい。この場合、排水口が閉状態であるときに操作軸3を押し操作することで、操作軸3に押されるようにしてインナーワイヤ5が往動し、排水口が開状態へと切換えられる。このとき、シール保持部材6による操作軸3の保持によって操作軸3の移動が規制されることで、前記戻り力付与部から付与される力や水圧等に抗してインナーワイヤ5を停止状態で維持することができる。一方、排水口が開状態であるときに操作軸3を引き操作することで、操作軸3が復動するとともに、インナーワイヤ5は停止状態が解除されて前記戻り力付与部から加わる力によって復動し、その結果、排水口が閉状態へと切換えられる。尚、前記戻り力付与部は、例えば、インナーワイヤ5へと力を付勢する弾性部材(例えば、ばね等)であってもよいし、前記栓蓋自体であってもよい。前記戻り力付与部が前記栓蓋により構成される場合には、排水口の開閉状態を切換える際に、前記栓蓋の自重により生じる力がインナーワイヤ5へと加わることになる。
【0061】
(e)上記実施形態では、操作軸3の押し引き操作によりインナーワイヤ5を往復移動させることによって、排水口の開閉状態を切換えるように構成されているが、操作軸3を押し操作する度に排水口の開閉状態が交互に切替わるように構成してもよい。この構成は、例えば、インナーワイヤ5に対し復動方向の力を付与する前記戻り力付与部(図示せず)と、栓蓋を上動した状態でロック可能であるとともにロック状態にてインナーワイヤ5へと往動方向の力が加わったときにロック状態を解除可能なロック機構(図示せず)とを設けることで実現可能である。この場合、排水口が閉状態であるときに操作軸3を押し操作することで、前記戻り力付与部からの力に抗してインナーワイヤ5を往動させつつ、前記栓蓋が上動した状態で当該栓蓋を前記ロック機構によりロックさせ、その結果、排水口を開状態へと切換えることができる。一方、排水口が開状態であるときに操作軸3を押し操作することで、インナーワイヤ5を往動させて前記ロック機構による前記栓蓋のロック状態を解除させるとともに、前記戻り力付与部からの力によりインナーワイヤ5を復動させつつ、前記栓蓋を前記戻り力付与部から付与される力や自重などにより下降させることによって、前記排水口を閉状態へと切換えることができる。
【0062】
(f)上記実施形態では、操作軸3及びインナーワイヤ5を往動させることで排水口が閉状態から開状態へと切換えられ、一方、操作軸3及びインナーワイヤ5を復動させることで排水口が開状態から閉状態へと切換えられるように構成されている。これに対し、操作軸3及びインナーワイヤ5を往動させることで排水口が開状態から閉状態へと切換えられ、一方、操作軸3及びインナーワイヤ5を復動させることで排水口が閉状態から開状態へと切換えられるように構成してもよい。この場合、排水口が閉状態であるときに、操作軸3(ワイヤ接続筒部32B)が軸孔63へと挿通され、保持部64によって保持されるように構成してもよい。
【0063】
(g)上記実施形態において、保持部64は、操作軸3を保持する際に、自身の内周面(操作軸シール部66)が操作軸3の外周に対しその周方向全周に亘って接触しているが、必ずしも操作軸3の外周全周に接触しなくてもよい。例えば、保持部64の内周に、複数の突起を保持部64の周方向に沿って間隔をあけて環状に配し、各突起が操作軸3の外周と接触することで、操作軸3を保持するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…操作装置、2…ケース、3…操作軸、4…アウターチューブ、5…インナーワイヤ、6…シール保持部材、63…軸孔、64…保持部、65…シール部、66…操作軸シール部。
図1
図2
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図4
図5
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図10
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図14