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  • 特許-釣り用ジグヘッド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】釣り用ジグヘッド
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20220120BHJP
   A01K 95/00 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
A01K85/00 B
A01K95/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019010558
(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公開番号】P2020115795
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2020-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】300023235
【氏名又は名称】株式会社ジャッカル
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】加藤 誠司
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-173040(JP,A)
【文献】登録実用新案第3140557(JP,U)
【文献】特開2016-002006(JP,A)
【文献】特開平11-289922(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0205642(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00-85/18
A01K 95/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンカーと、シャンク部及びティップ部を有するフックと、ラインが接続されるライン接続部とを備えた釣り用ジグヘッドであって、
前記シンカーは、前記フックの前記シャンク部の基端部に固定されており、
前記シンカーが水底に着地し且つ前記フックの前記ティップ部が前記シャンク部よりも上側に配置された状態を、ジグヘッドの着地姿勢とするとき、
前記シンカーは、ジグヘッドが着地姿勢のときに前記水底に接地する接地面と、前記接地面よりも前側に形成されるとともに斜め上向きに傾斜乃至湾曲した案内斜面とを備え、
前記案内斜面は、ジグヘッドが着地姿勢のときの前記シンカーが前記ラインにより前方へ引っ張られて前記水底に存在する段差部を乗り越える時に前記シンカーを前記段差部の上側へ案内するものであり、
前記ライン接続部が前記シンカーの前記案内斜面における当該案内斜面の前端よりも後方の部分に設けられている釣り用ジグヘッド。
【請求項2】
前記ラインが挿通されるライン挿通孔を有するリング状ラインアイを前記ライン接続部として備えるとともに、
前記ラインアイの前記ライン挿通孔が上下方向に向いている請求項1記載の釣り用ジグヘッド。
【請求項3】
前記ラインが挿通されるライン挿通孔を有するリング状ラインアイを前記ライン接続部として備えるとともに、
前記ラインアイの前記ライン挿通孔が左右方向に向いている請求項1記載の釣り用ジグヘッド。
【請求項4】
前記ラインアイの少なくとも後部側が前記シンカー中に埋まった状態に前記ラインアイが設けられている請求項2又は3記載の釣り用ジグヘッド。
【請求項5】
前記案内斜面における前記ラインアイが設けられた部分に、前記ライン挿通孔に前記ラインを挿通するためのライン挿通溝が形成されている請求項4記載の釣り用ジグヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は釣り用ジグヘッドに関する。
【0002】
なお本明細書及び特許請求の範囲では、図1において右側、左側、上側及び下側をそれぞれ本発明に係るジグヘッドの前側、後側、上側及び下側と定義する。したがって、同図の紙面に垂直な両側がジグヘッドの左右両側である。
【背景技術】
【0003】
図6に示すように、従来の釣り用ジグヘッド101は、シンカー102、フック110、ラインアイ121などを備えている(例えば特許文献1、2参照)。
【0004】
シンカー102は、フック110のシャンク部111の基端部111aに当該基端部111aをシンカー102中に埋設した状態に固定されている。シンカー102には例えばブラシガード(図示せず)が取り付けられ、またシンカー102のテール部106にはジグヘッド101を餌に似せるため又は集魚のための部材として例えばスカート(図示せず)が取り付けられる。
【0005】
ラインアイ121はライン140が接続されるリング状の部材であり、ライン140が挿通されるライン挿通孔122を有している。このラインアイ121はシンカー102の上面の前端部に設けられており、そのライン挿通孔122は左右方向(同図の紙面に垂直な方向)に向いている。ライン140はこのライン挿通孔122に挿通された状態でラインアイ121に結着(接続)される。
【0006】
同図に示すように、水中へキャストされたジグヘッド101のシンカー102が水底150に着地し且つフック110のティップ部113がシャンク部111よりも上側に配置された状態(姿勢)を説明の便宜上、ジグヘッド101の着地姿勢と定義する。ジグヘッド101が着地姿勢のとき、フック110のティップ部113がシャンク部111よりも上側に配置されているので、フック110のティップ部113が魚にフッキングし易い。そのため、ジグヘッド1Aは通常この着地姿勢で使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平11-289922号公報
【文献】特許第4778454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ジグヘッド101が着地姿勢のときに釣り人がライン140を巻き取ると、シンカー102はライン140により前方へ引っ張られる。すると、ジグヘッド101が着地姿勢のままでシンカー102が水底150上を引きずられるように前方へ移動する。このとき、同図に示すように、水底150におけるジグヘッド101(シンカー102)の前方に障害物(例:岩)152などからなる段差部151が存在している場合、水底150上を移動しているシンカー102は段差部151を乗り越えようとする。
【0009】
しかしながら、ラインアイ121がシンカー102の上面の前端部に設けられているので、シンカー102が段差部151を乗り越える時にジグヘッド101の姿勢が不安定になり、その結果、フック110のティップ部113がシャンク部111よりも下側になるようにジグヘッド101が左側又は右側に転倒することが多かった。このようにジグヘッド101が転倒すると、フック110のティップ部113が段差部151に引っ掛かり、そのため、段差部151からフック110を外すのに手間を要したりライン140が切れてジグヘッド101が失われたりする。
【0010】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、水底に存在する段差部を乗り越える際に転倒を抑制しうる釣り用ジグヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は以下の手段を提供する。
【0012】
1) シンカーと、シャンク部及びティップ部を有するフックと、ラインが接続されるライン接続部とを備えた釣り用ジグヘッドであって、
前記シンカーは、前記フックの前記シャンク部の基端部に固定されており、
前記シンカーが水底に着地し且つ前記フックの前記ティップ部が前記シャンク部よりも上側に配置された状態を、ジグヘッドの着地姿勢とするとき、
前記シンカーは、ジグヘッドが着地姿勢のときに前記水底に接地する接地面と、前記接地面よりも前側に形成されるとともに斜め上向きに傾斜乃至湾曲した案内斜面とを備え、
前記案内斜面は、ジグヘッドが着地姿勢のときの前記シンカーが前記ラインにより前方へ引っ張られて前記水底に存在する段差部を乗り越える時に前記シンカーを前記段差部の上側へ案内するものであり、
前記ライン接続部が前記シンカーの前記案内斜面の内側領域に設けられている釣り用ジグヘッド。
【0013】
2) 前記ラインが挿通されるライン挿通孔を有するリング状ラインアイを前記ライン接続部として備えるとともに、
前記ラインアイの前記ライン挿通孔が上下方向に向いている前項1記載の釣り用ジグヘッド。
【0014】
3) 前記ラインが挿通されるライン挿通孔を有するリング状ラインアイを前記ライン接続部として備えるとともに、
前記ラインアイの前記ライン挿通孔が左右方向に向いている前項1記載の釣り用ジグヘッド。
【0015】
4) 前記ラインアイの少なくとも後部側が前記シンカー中に埋まった状態に前記ラインアイが前記案内斜面の内側領域に設けられている前項2又は3記載の釣り用ジグヘッド。
【0016】
5) 前記案内斜面の内側領域における前記ラインアイが設けられた部分に、前記ライン挿通孔に前記ラインを挿通するためのライン挿通溝が形成されている前項4記載の釣り用ジグヘッド。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以下の効果を奏する。
【0018】
前項1では、ジグヘッドのライン接続部がシンカーの案内斜面における当該案内斜面の前端よりも後方の部分に設けられていることにより、シンカーが段差部を乗り越える際に段差部の上角縁部にシンカーの案内斜面の内側領域におけるライン接続部の左右両側の部分が当接する。これにより、ジグヘッドの姿勢が安定し、ジグヘッドの転倒が抑制される。そのため、ジグヘッドのフックのティップ部が段差部に引っ掛かりにくくすることができる。
【0019】
前項2~4では、シンカーが段差部を乗り越える際にジグヘッドの転倒が確実に抑制される。
【0020】
前項5では、ラインをラインアイに結着(接続)する際にラインをライン挿通溝に沿ってライン挿通孔に挿通することができる。そのため、ラインの結着作業(接続作業)を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る釣り用ジグヘッドを着地姿勢の状態で示す側面図である。
図2図2は、同ジグヘッドを斜め上側から見た斜視図である。
図3図3は、同ジグヘッドを斜め下側から見た斜視図である。
図4A図4Aは、同ジグヘッドが水底に存在する段差部を乗り越える直前の状態を示す側面図である。
図4B図4Bは、同ジグヘッドが段差部を乗り越える途中の状態を示す側面図である。
図4C図4Cは、同ジグヘッドが段差部を乗り越えた後の状態を示す側面図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態に係る釣り用ジグヘッドを斜め下側から見た斜視図である。
図6図6は、従来の釣り用ジグヘッドが水底に存在する段差部を乗り越える前の状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0023】
図1~3に示すように、本発明の第1実施形態に係る釣り用ジグヘッド1Aは、釣り対象物として例えば魚を釣るために用いられるものであり、フック10、シンカー2などを備えている。符号40は釣り用ラインである。
【0024】
フック10は金属製であり、シャンク部11、ベンド部12、ティップ部13などを有する略J字状のものである。
【0025】
シンカー2は鉛、タングステン、真鍮等の金属製である。シンカー2の形状は概ね偏平な球状であってシンカー2の前部がやや反り上がっている。
【0026】
さらに、シンカー2はフック10のシャンク部11の基端部11aにインサート成形されたものであり、シャンク部11の基端部11aをシンカー2中に埋設した状態にシンカー2がシャンク部11の基端部11aに固定されている。シンカー2の後端部にはテール部6がシャンク部11に沿って突出状に一体に形成されている。
【0027】
なお本発明では、シンカー2は金属製であることに限定されるものではなく、その他に例えば樹脂製であってもよい。特に、シンカー2の材料はフック10のシャンク部11の基端部11aにシンカー2をインサート成形可能な金属又は樹脂であることが望ましい。また、シンカー2の材料は、射出により又は金型内への流し込みによりシンカー2を成形可能な金属又は樹脂であってもよい。
【0028】
図1に示すように、シンカー2のテール部6にはジグヘッド1Aを餌に似せるため又は集魚のための部材が取外し可能に取り付けられる。本第1実施形態では、この部材として柔軟な材料(例:シリコーン)製のスカート31が用いられている。なお本発明では、この部材はスカート31であることに限定されるものではないし、シンカー2に取り付けられていなくてもよい。
【0029】
シンカー2の上面にはガード30が上斜め後方に突出状に設けられる。このガード30は、水中の障害物や浮遊物にフック10が引っかかりにくくしたりフック10にフッキングした魚がフック10から外れにくくしたりすることを目的とするものである。本第1実施形態では、ガード30は、複数の樹脂製フィラメントが一つに束ねられて形成されたいわゆるブラシガードと呼ばれるものであり、シンカー2の上面に設けられた凹部7にガード30の下端部が挿入された状態で接着剤などによりシンカー2に固定状態に取り付けられる。なお本発明では、ガード30はシンカー2に取り付けられていなくてもよい。
【0030】
図2及び3に示したジグヘッド1Aのシンカー2にはスカート31及びガード30は取り付けられていない。
【0031】
さらに、シンカー2の下部は、図1に示すように水底50に着地したときに水底50に接地する接地面3と、接地面3よりも前側に形成されるとともに斜め上向きに傾斜乃至湾曲した案内斜面4とを備えている。図3において、シンカー2の接地面3は一点鎖線で囲まれた部分であり、案内斜面4は二点鎖線で囲まれた部分である。
【0032】
本第1実施形態では、図1に示すようにシンカー2(ジグヘッド1A)の側面視において、シンカー2の接地面3は緩やかに湾曲しており、シンカー2の案内斜面4は斜め上向きに湾曲している。さらに、接地面3と案内斜面4は互いに滑らかに連接している。したがって、接地面3と案内斜面4との境界部に角部は形成されていない。
【0033】
なお本発明では、シンカー2の案内斜面4は斜め上向きに湾曲しているものに限定されるものではなく、その他に斜め上向きに傾斜しているものであってもよい。
【0034】
ここで、図1に示すように、水中にキャストされたジグヘッド1Aのシンカー2が水底50に着地し且つフック10のティップ部13がシャンク部11よりも上側に配置された状態(姿勢)を説明の便宜上、ジグヘッド1Aの着地姿勢と定義する。ジグヘッド1Aが着地姿勢のとき、フック10のティップ部13がシャンク部11よりも上側に配置されているので、フック10のティップ部13が魚にフッキングし易い。そのため、ジグヘッド1Aは通常この着地姿勢で使用される。
【0035】
シンカー2の案内斜面4の内側領域(すなわち図3において二線鎖線で囲まれた領域)にはライン40が接続されるライン接続部20としてのラインアイ21がシンカー2に固定された状態に設けられている。案内斜面4の内側領域におけるラインアイ21が設けられた部分は、詳述すると、シンカー2の案内斜面4の内側領域における案内斜面4の前端よりも中央寄りの部分である。
【0036】
ラインアイ21の形状は円リング状であり、ラインアイ21はライン40が挿通されるライン挿通孔22(図1参照)を有している。
【0037】
ラインアイ21は、フック10のシャンク部11の基端部11aにシンカー2がインサート成形される前にフック10のシャンク部11の基端に一体に形成されていたものであってもよいし、あるいはフック10とは別体のものであってシンカー2のインサート成形時にシンカー2に固定された状態に設けられたものであってもよい。
【0038】
さらに、ラインアイ21は、ラインアイ21の少なくとも後部側(詳述するとラインアイ21の少なくとも後半部)、本第1実施形態ではラインアイ21の前端部よりも後側の部分がシンカー2中に埋まった状態にシンカー2の案内斜面4の内側領域に設けられている。そのため、案内斜面4にはラインアイ21の前端部だけが案内斜面4に対して前方に僅かにはみ出た状態に露出している。ラインアイ21のライン挿通孔22は上下方向に向いている。
【0039】
さらに、シンカー2の案内斜面4の内側領域におけるラインアイ21が設けられた部分には、ライン挿通孔22にライン40を挿通するためのライン挿通溝5が形成されている(図1及び3参照)。ライン挿通溝5はライン挿通孔22を通過した状態に上下方向に延びており、ライン挿通溝5の両端は案内斜面4の内側領域に開口している。
【0040】
ライン40は、ラインアイ21のライン挿通孔22にライン挿通溝5に沿って挿通された状態でラインアイ21に結着(接続)されている。
【0041】
次に、本第1実施形態のジグヘッド1Aが水底50に存在する段差部51を乗り越える場合におけるジグヘッド1Aの動作について、図4A~4Cを参照して以下に説明する。
【0042】
これらの図において、段差部51は例えば水底50上に存在する岩などの障害物52からなる。また、これらの図に示したジグヘッド1Aのシンカー2にはスカート31及びガード30(図1参照)は取り付けられていない。
【0043】
水中へキャストされたジグヘッド1Aが沈降して水底50に対して着地姿勢であるとき、図4A中に仮想線(二点鎖線)で示すように、ジグヘッド1Aのシンカー2の接地面3が水底50に接地し且つフック10のティップ部13がシャンク部11よりも上側に配置されている。水底50におけるジグヘッド1Aの前方には段差部51が存在している。
【0044】
ジグヘッド1Aが着地姿勢のときに釣り人がライン40を巻き取ると、ジグヘッド1Aのシンカー2がライン40により前方へ引っ張られる。図4A中の矢印Pはライン40によるシンカー2の引張方向を示している。
【0045】
すると、ジグヘッド1Aが着地姿勢のままでシンカー2が水底50上を引きずられるように前方へ移動し、そしてシンカー2が段差部51を乗り越えようとする。このとき、シンカー2の案内斜面4の内側領域にラインアイ21が設けられていることから、図4A中に実線で示すように、段差部51の上角縁部51aにジグヘッド1Aのシンカー2の案内斜面4の内側領域におけるラインアイ21の左右両側の部分4a、4a(図3参照)が当接する。
【0046】
そして、図4Bに示すように、シンカー2がこの当接状態のままで、その案内斜面4が段差部51の上角縁部51a上を摺動しながら案内斜面4によって段差部51の上側へ案内されて移動する。
【0047】
そして、図4Cに示すように、シンカー2が段差部51を乗り越えたとき、シンカー2の接地面3が段差部51の上面51bに接地する。このとき、ジグヘッド1Aは着地姿勢である。
【0048】
このように、ジグヘッド1Aのシンカー2が段差部51を乗り越える際には段差部51の上角縁部51aにシンカー2の案内斜面4の内側領域におけるラインアイ21の左右両側の部分4a、4aが当接するので、ジグヘッド1Aの姿勢が安定し、ジグヘッド1Aの転倒が抑制される。そのため、ジグヘッド1Aのフック10のティップ部13が段差部51に引っ掛かりにくくすることができる。
【0049】
さらに、ラインアイ21の少なくとも後部側、本第1実施形態ではラインアイ21の前端部よりも後側の部分がシンカー2中に埋まった状態にラインアイ21が案内斜面4の内側領域に設けられているので、シンカー2が段差部51を乗り越える際にジグヘッド1Aの転倒を更に確実に抑制できる。
【0050】
しかも、案内斜面4の内側領域におけるラインアイ21が設けられた部分にライン挿通溝5が形成されているので、ライン40をラインアイ21に結着(接続)する際にライン40をライン挿通溝5に沿ってライン挿通孔22に挿通することができる。そのため、ライン40の結着作業(接続作業)を容易に行うことができる。
【0051】
図5は、本発明の第2実施形態に係る釣り用ジグヘッド1Bを説明する図である。同図において、上記第1実施形態のジグヘッド1Aと同じ作用を奏する要素には同じ符号が付されている。以下では、本第2実施形態のジグヘッド1Bについて上記第1実施形態のジグヘッド1Aとの相異点を中心に説明する。
【0052】
本第2実施形態のジグヘッド1Bでは、ラインアイ21はそのライン挿通孔(図1参照、符号22)が左右方向に向いた状態にシンカー2の案内斜面4の内側領域に設けられている。
【0053】
さらに、ライン挿通溝5はライン挿通孔を通過した状態に左右方向に延びており、ライン挿通溝5の両端は案内斜面4の内側領域に開口している。
【0054】
本第2実施形態のジグヘッド1Bのその他の構成は上記第1実施形態のジグヘッド1Aと同じである。
【0055】
以上で本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能である。
【0056】
例えば、本発明に係るジグヘッドのシンカーの形状は、図に示した形状であることに限定されるものではなく、その他に米俵形、紡錘形などであってもよいし、魚の頭部を模した形状であってもよいし、更に、平面視で円形、矢尻形、菱形などであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は釣り用ジグヘッドに利用可能である。
【符号の説明】
【0058】
1A、1B:ジグヘッド
2:シンカー
3:接地面
4:案内斜面
5:ライン挿通溝
10:フック
11:シャンク部
13:ティップ部
20:ライン接続部
21:ラインアイ
22:ライン挿通孔
40:ライン
50:水底
51:段差部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6