(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/56 20200101AFI20220120BHJP
【FI】
G06F40/56
(21)【出願番号】P 2019055333
(22)【出願日】2019-03-22
【審査請求日】2021-11-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 アプリケーションの配信ウェブサイト(http://emol.jpおよびhttps://itunes.apple.com/us/app/emolai%E6%84%9F%E6%83%85%E6%97%A5%E8%A8%98%E3%82%A8%E3%83%A2%E3%83%AB/id1342105183?)、平成30年3月26日。 アップル社iTunesのウェブサイト(https://itunes.apple.com/us/app/emol-ai%E6%84%9F%E6%83%85%E6%97%A5%E8%A8%98%E3%82%A8%E3%83%A2%E3%83%AB/id1342105183?)、平成30年3月26日。 株式会社PR TIMESのウェブサイト(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000032964.html)、平成30年3月30日。 株式会社Mewcketのウェブサイト(https://mewcket.com/eaze/product/71)、平成30年5月16日。 ツイッター社のウェブサイト(https://twitter.com/emol_app)、平成31年3月8日。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519100974
【氏名又は名称】emol株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100159248
【氏名又は名称】齋藤 修
(74)【代理人】
【識別番号】100174850
【氏名又は名称】大崎 絵美
(72)【発明者】
【氏名】千頭 沙織
(72)【発明者】
【氏名】千頭 大輝
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/044534(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/20-40/58
G10L 13/00-17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから入力文を受け付ける手段を備え、
前記ユーザから感情に関する感情情報を受け付ける手段を備え、
前記入力文又は前記感情情報が入力された日付又は時刻に関する情報、及び、前記入力文又は前記感情情報が入力された位置に関する情報、の少なくとも一方を含む入力環境情報を取得する手段を備え、
入力文に含まれる文節と、当該文節を含む入力文に対する返答候補文と、返答候補文を選択するための条件であって、受け付けた感情情報に基づき前記選択をするための条件と、を関連付けて記憶する手段を備え、
受け付けた入力文に含まれる文節、及び、受け付けた感情情報を用いた前記条件に関連付けられている前記返答候補文を、受け付けた入力文に対する返答文として生成する手段を備え、
前記生成された返答文を提示する手段を備え、
ユーザの入力文と、入力文に対する返答文と、ユーザの感情情報と、当該入力文又は当該感情情報を受け付けた日付又は時刻に関する情報及び位置に関する情報の少なくとも一方を含む入力環境情報と、を含む会話の履歴に関する会話履歴情報を、ユーザを識別するユーザIDと関連付けて記憶する手段を備え、
前記生成する手段は、前記会話履歴情報が記憶されているユーザから入力文を新たに受け付けた場合に、ユーザIDと関連付けられて新たに受け付けた入力文、感情情報及び入力環境情報と、前記ユーザIDに関連付けられた会話履歴情報と、を比較して、前記ユーザIDと関連付けられて新たに受け付けた入力文、感情情報及び入力環境情報との組み合わせに対して最も類似度の高い組み合わせの前記会話履歴情報に関連付けられた返答文を、前記新たに受け付けた入力文に対する返答文として生成する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記会話履歴情報を提示する手段を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ライフログに関する情報であるライフログ情報をキーワードと関連付けて記憶する手段を備え、
前記会話履歴情報に
含まれる前記入力文に前記キーワードが含まれている場合に、当該キーワードと関連付けられている前記ライフログ情報を、前記ユーザの
前記ライフログ情報として取得する手段を備え、
取得した前記ライフログ情報を、当該前記ライフログ情報と関連付けられているキーワードが含まれている前記入力文が入力された日付及び時刻の情報、及び、前記ユーザの感情情報とを関連付けて記憶する手段を備える、
請求項
1~3の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ライフログ情報を提示する手段を備える、
請求項
4の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ライフログ情報を、コメント文と関連付けて記憶する手段を備え、
取得した前記ライフログ情報と関連付けて記憶されている前記コメント文を、前記取得した前記ライフログ情報に対するコメント文
として生成する手段を備え、
前記生成されたコメント文を提示する手段を備える、
請求項
4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザの状態の評価と、前記感情情報を用いた基準と、を関連付けて記憶する手段を備え、
関連付けて記憶されているユーザの状態の評価と前記感情情報を用いた基準を参照し、前記ライフログ情報
と関連付けられている感情情報に基づき、前記ユーザの状態を評価する手段を備え、
前記評価されたユーザの状態に関する情報を提示する手段を備える、
請求項
3~5の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザの状態の評価と、前記感情情報を用いた基準と、を関連付けて記憶する手段は、ユーザの状態の評価に応じたコメント文を、さらに関連付けて記憶する手段であって、
関連付けて記憶されている前記ユーザの状態の評価と前記感情情報を用いた基準とユーザの状態の評価に応じたコメント文を参照して、前記評価されたユーザの状態に対するコメント文を、生成する手段を備え、
前記生成されたコメント文を提示する手段を備える、
請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1~
7の何れかに記載の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレッ端末などにおいて、人との対話を実現した人工知能型の対話システムが知られている。例えば、「Siri(登録商標)」等の対話システムによれば、人から入力された発話音声又は文章に対して形態素解析処理等を実行し、その形態素や文脈構成から意味を推定し、推定した意味に対応する対話シナリオに基づいて、人に音声又は文章で応答する。
【0003】
さらに、単に文脈を分析して応答するだけではなく、発話時の人の感情を推定し、推定された感情を加味して応答する技術も知られている。
例えば、特許文献1には、対話相手となるユーザの感情を良好なまま会話をリードする対話制御装置等が記載されている。
特許文献2には、ユーザの発話から文脈意味を理解する際に、ユーザの感情分類も考慮して、意味理解の信頼度を高めることができる発話意味分析プログラム等が記載されている。
特許文献3には、入力文に含まれる述語から感情ないし気分を推定し、推定された感情ないし気分に応じた返答文を生成する対話システム及びプログラム等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-049427号公報
【文献】特開2017-156854号公報
【文献】特開2017-117090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~3の技術は、例えば、入力されたユーザの音声、表情、生体情報、又は文章(テキスト)等から発話時のユーザの感情を推定する。しかしながら、このような場合、必ずしも正しい感情を推定できない場合がある。そのため、発話時のユーザの感情と異なる感情を推定した場合には、適切ではない返答をしてしまう虞がある。
【0006】
本発明の目的は、人との対話システムにおいて、ユーザに対してより適切な返答を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
ユーザから入力文を受け付ける手段を備え、
前記ユーザから感情に関する感情情報を受け付ける手段を備え、
前記入力文又は前記感情情報が入力された日付又は時刻に関する情報、及び、前記入力文又は前記感情情報が入力された位置に関する情報、の少なくとも一方を含む入力環境情報を取得する手段を備え、
前記感情情報及び前記入力環境情報に基づいて、前記入力文に対する返答文を生成する手段を備え、
前記生成された返答文を提示する手段を備える、
情報処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、人との対話システムにおいて、ユーザに対してより適切な返答を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態の情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態のユーザ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図5】本実施形態の返答候補文情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図6】本実施形態の会話履歴情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図7】本実施形態の会話実施処理のシーケンス図である。
【
図8】本実施形態の会話実施処理において表示される画面例を示す図である。
【
図9】本実施形態の会話実施処理のシーケンス図である。
【
図10】本実施形態の会話実施処理において表示される画面例を示す図である。
【
図11】変形例1の会話履歴閲覧処理のシーケンス図である。
【
図12】変形例1の会話履歴閲覧処理において表示される画面例を示す図である。
【
図13】変形例1の会話履歴閲覧処理において表示される画面例を示す図である。
【
図14】変形例2の会話実施処理において表示される画面例を示す図である。
【
図15】変形例3のキーワード情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図16】変形例3のユーザライフログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図17】変形例3の会話実施処理のシーケンス図である。
【
図18】変形例3のライフログ閲覧処理のシーケンス図である。
【
図19】変形例3のライフログ閲覧処理において表示される画面例を示す図である。
【
図20】変形例4の状態評価情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図21】変形例4のユーザ状態閲覧処理のシーケンス図である。
【
図22】変形例4のユーザ状態閲覧処理において表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成を説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2は、本実施形態の情報処理システムの機能ブロック図である。本実施形態の情報処理システムは、人との対話(会話)を実現するシステムである。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、サーバ30とを備える。
クライアント装置10及びサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0013】
クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0014】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えば、ウェブサーバである。
【0015】
(1-1)クライアント装置の構成
クライアント装置10の構成を説明する。
【0016】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、GPSモジュール15と、を備える。
【0017】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0018】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0019】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0020】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
【0021】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、マイク、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ、スピーカー、又は、それらの組合せである。
【0022】
通信インタフェース14は、クライアント装置10とサーバ30との間の通信を制御するように構成される。
【0023】
GPSモジュール15は、GPS(Global Positioning System)衛星と通信を行うことにより、クライアント装置10の位置情報を取得するように構成される。
【0024】
(1-2)サーバの構成
サーバ30の構成を説明する。
【0025】
図2に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0026】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0027】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0028】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0029】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、コンピュータの一例である。
【0030】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、マイク、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ、スピーカー、又は、それらの組合せである。
【0031】
通信インタフェース34は、サーバ30とクライアント装置10との間の通信を制御するように構成される。
【0032】
(2)実施形態の概要
本実施形態の概要について説明する。
図3は、本実施形態の概要の説明図である。
【0033】
図3に示すように、サーバ30は、クライアント装置10を介して、ユーザから入力文を受け付ける。
サーバ30は、クライアント装置10を介して、ユーザから感情に関する感情情報を受け付ける。
サーバ30は、クライアント装置10を介して、入力文又は感情情報を受け付けた日付又は時刻に関する情報、及び、入力文又は感情情報を受け付けた位置に関する情報、の少なくとも一方を含む入力環境情報を取得する。
サーバ30は、感情情報及び入力環境情報に基づいて、入力文に対する返答文を生成する。
サーバ30は、クライアント装置10を介して、生成された返答文を提示する。
【0034】
(3)データベース
本実施形態のデータベースを説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0035】
(3-1)ユーザ情報データベース
本実施形態のユーザ情報データベースを説明する。
図4は、本実施形態のユーザ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0036】
図4のユーザ情報データベースには、ユーザに関するユーザ情報が格納されている。
ユーザ情報データベースは、「ユーザID」フィールドと、「ユーザ名」フィールドと、「ユーザ属性」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0037】
「ユーザID」フィールドには、ユーザを識別するユーザIDが格納される。
【0038】
「ユーザ名」フィールドには、ユーザ名に関する情報(例えば、テキスト)が格納される。
【0039】
「ユーザ属性」フィールドには、ユーザの属性に関するユーザ属性情報が格納される。「ユーザ属性」フィールドは、複数のサブフィールド(「性別」フィールド及び「生年月日」フィールド)を含む。
【0040】
「性別」フィールドには、ユーザの性別に関する情報が格納される。
【0041】
「生年月日」フィールドには、ユーザの生年月日に関する情報が格納される。
【0042】
(3-2)返答候補文情報データベース
本実施形態の返答候補文情報データベースを説明する。
図5は、本実施形態の返答候補文情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0043】
図5の返答候補文情報データベースには、入力文に対する返答文の候補に関する返答候補文情報が格納されている。
返答候補文情報データベースは、「文節ID」フィールドと、「文節」フィールドと、「返答候補文」フィールドと、「条件」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0044】
「文節ID」フィールドには、文節を識別する文節IDが格納される。
【0045】
「文節」フィールドには、文節に関する情報(例えば、テキスト)が格納される。
【0046】
「返答候補文」フィールドには、対応するレコードの文節を含む入力文に対する返答文の候補に関する情報(例えば、テキスト)が格納される。
【0047】
「条件」フィールドには、対応するレコードの返答候補文を選択する条件に関する条件情報が格納される。条件は、例えば、感情に関する情報に基づいて決定される。また、条件は、例えば、全ユーザの会話履歴情報に基づいて更新されてもよい。
【0048】
(3-3)会話履歴情報データベース
本実施形態の会話履歴情報データベースを説明する。
図6は、本実施形態の会話履歴情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0049】
図6の会話履歴情報データベースには、ユーザの会話の履歴に関する会話履歴情報が格納されている。
会話履歴情報データベースは、「会話履歴ID」フィールドと、「日付」フィールドと、「入力環境」フィールドと、「感情」フィールドと、「会話内容」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
会話履歴情報データベースは、ユーザIDに関連付けられている。
【0050】
「会話履歴ID」フィールドには、会話履歴を識別する会話履歴IDが格納される。
【0051】
「日付」フィールドには、ユーザが感情情報を入力した年月日に関する日付情報が格納される。
【0052】
「入力環境」フィールドには、会話の入力環境に関する入力環境情報が格納される。「入力環境」フィールドは、複数のサブフィールド(「時刻」フィールド、及び、「位置」フィールド)を含む。
【0053】
「時刻」フィールドには、ユーザが感情情報を入力した時刻に関する時刻情報が格納される。
【0054】
「位置」フィールドには、ユーザが感情情報を入力した位置に関する位置情報が格納される。一例として、地名のテキストデータが格納される。
【0055】
「感情」フィールドには、ユーザが入力した感情に関する感情情報(例えば、感情の名称に関する感情名情報)が格納される。
【0056】
「会話内容」フィールドには、会話の内容に関する会話内容情報が格納される。「会話内容」フィールドは、複数のサブフィールド(「入力文」フィールド、「返答文」フィールド、及び、「評価」フィールド)を含む。
【0057】
「入力文」フィールドには、ユーザが入力した文章(つまり、入力文)に関する入力文情報が格納される。
【0058】
「返答文」フィールドには、ユーザの入力文に対する返答の文章(つまり、返答文)に関する返答文情報が格納される。
【0059】
「評価」フィールドには、返答文に対するユーザの評価に関する評価情報が格納される。返答文に対するユーザの評価は、例えば、返答文が適切であるか否かに関する評価である。
【0060】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理を説明する。
図7は、本実施形態の会話実施処理のシーケンス図である。
図8は、本実施形態の会話実施処理において表示される画面例を示す図である。
図7の会話実施処理は、ユーザが本情報処理システムによる会話の開始を指示した場合に実行される。
図9は、本実施形態の会話実施処理のシーケンス図である。
図10は、本実施形態の会話実施処理において表示される画面例を示す図である。
図9の会話実施処理は、ユーザがさらに会話を続けたい場合に実行される。
【0061】
図7に示すように、クライアント装置10は、感情情報の受付(S100)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P100(
図8)をディスプレイに表示する。
画面P100は、複数の操作オブジェクトB100(B100a~B100f)を含む。
操作オブジェクトB100は、感情を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。複数の操作オブジェクトB100には、それぞれ、感情情報が割り当てられている。
【0062】
ステップS100の後、クライアント装置10は、日時・位置情報の取得(S101)を実行する。
具体的には、ユーザが、複数の操作オブジェクトB100のうちの1つを操作すると、プロセッサ12は、ユーザが操作オブジェクトB100を操作した日時(日付及び時刻)に関する日時情報を取得する。また、プロセッサ12は、ユーザが操作オブジェクトB100を操作した位置に関する位置情報を、GPSモジュール15を介して取得する。
【0063】
ステップS101の後、クライアント装置10は、入力文の受付(S102)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P101(
図8)をディスプレイに表示する。
画面P101は、フィールドオブジェクトF101と、操作オブジェクトB101と、を含む。
フィールドオブジェクトF101は、入力文を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
操作オブジェクトB101は、返答リクエスト(S103)を実行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0064】
ステップS100の後、クライアント装置10は、返答リクエスト(S103)を実行する。
具体的には、ユーザが、フィールドオブジェクトF101に文章を入力し、かつ、操作オブジェクトB101を操作すると、プロセッサ12は、返答リクエストデータをサーバ30に送信する。
返答リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ユーザID
・ユーザが操作した操作オブジェクトB100に割り当てられている感情情報
・ステップS101で取得された日時情報(つまり、日付情報及び時刻情報)
・ステップS101で取得された位置情報
・フィールドオブジェクトF101に指定された入力文
【0065】
ステップS103の後、サーバ30は、返答文の生成(S300)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、返答リクエストデータに含まれる入力文を自然言語処理により、文節に分解する。一例として、「今日は疲れた」という入力文を、「今日は」と「疲れた」とに分解する。プロセッサ32は、返答候補文情報データベース(
図5)を参照して、分解された文節のうち、「文節」フィールドに格納されている文節に関して、条件を満たす返答候補文を特定する。例えば、ユーザが「楽しい」を選択した場合には、「疲れた」に対して「お疲れ様」が特定される。
プロセッサ32は、会話履歴情報データベース(
図6)を参照して、感情情報と時刻情報と位置情報と入力文との組み合わせが、返答リクエストデータに含まれる感情情報と時刻情報と位置情報と入力文との組み合わせに対して最も類似度が高い会話履歴IDを特定する。一例において、「感情」及び「位置情報」が一致し、上記「文節」フィールドに格納されている文節を「入力文」中に含み、かつ、「時刻」が最も近いものが、最も類似度が高い会話履歴IDとして特定される。例えば、ユーザが17時46分に渋谷で「楽しい」を選択した場合には、プロセッサ32は、最も類似度が高い会話履歴IDとして、例えば会話履歴ID=H001を特定する。
プロセッサ32は、会話履歴情報データベース(
図6)を参照して、特定された会話履歴IDに関連付けられた会話内容(つまり、「入力文」フィールド、「返答文」フィールド、及び「評価」フィールドの情報)に基づき、現在のユーザの状況を推定する。例えば、会話履歴ID=H001が特定された場合、プロセッサ32は、現在のユーザの状況として「遊んでいた」という状況を推定する。
プロセッサ32は、特定された返答候補文、及び、推定されたユーザの状況に基づき、返答文を生成する。推定されたユーザの状況に関する部分については、例えば、状況と返答文とが関連付けられてデータベースに記憶されており、当該データベースを参照して生成される。例えば、「遊んでいた」に対しては、例えば「遊んでいたの?」という文章を生成する。したがって、例えば、プロセッサ32は、特定された「お疲れ様」、及び、推定された「遊んでいた」という状況に基づき、「お疲れ様。遊んでいたの?」という返答文を生成する。
【0066】
プロセッサ32は、会話履歴情報データベース(
図6)に新規レコードを追加する。新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「会話履歴ID」フィールドには、新規の会話履歴IDが格納される。
・「日付」フィールドには、返答リクエストデータに含まれる日付情報が格納される。
・「時刻」フィールドには、返答リクエストデータに含まれる時刻情報が格納される。
・「位置」フィールドには、返答リクエストデータに含まれる位置情報が格納される。
・「感情」フィールドには、返答リクエストデータに含まれる感情情報が格納される。
・「入力文」フィールドには、返答リクエストデータに含まれる入力文が格納される。
・「返答文」フィールドには、ステップS300で生成された返答文が格納される。
・「評価」フィールドには、何も格納されない。
【0067】
ステップS300の後、サーバ30は、返答レスポンス(S301)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、返答レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。
返答レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS300で生成された返答文
・新規レコードの会話履歴ID
【0068】
ステップS301の後、クライアント装置10は、返答文の提示(S104)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、返答レスポンスデータに基づいて、画面P102(
図8)をディスプレイに表示する。
【0069】
画面P102は、表示オブジェクトA102a~A102bと、フィールドオブジェクトF102と、操作オブジェクトB102と、を含む。
表示オブジェクトA102aは、ユーザがフィールドオブジェクトF101に入力した入力文を含む。
表示オブジェクトA102bは、ステップS300で生成された返答文を含む。
フィールドオブジェクトF102は、入力文を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
操作オブジェクトB102は、再返答リクエスト(S105)を実行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB102には、返答レスポンスデータに含まれる新規レコードの会話履歴IDが割り当てられている。
【0070】
ステップS104の後、ユーザがさらに会話を続けたい場合には、ユーザは、フィールドオブジェクトF102に文章を入力し、かつ、操作オブジェクトB102を操作する(
図10の画面P102)。
これにより、
図9に示すように、クライアント装置10は、再返答リクエスト(S105)を実行する。
具体的には、ユーザが、フィールドオブジェクトF102に文章を入力し、かつ、操作オブジェクトB102を操作すると、プロセッサ12は、再返答リクエストデータをサーバ30に送信する。
再返答リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ユーザID
・返答レスポンスデータに含まれる新規レコードの会話履歴ID
・フィールドオブジェクトF102に指定された入力文
【0071】
ステップS105の後、サーバ30は、返答文の生成(S302)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、再返答リクエストデータに含まれる入力文を自然言語処理により、文節に分解する。プロセッサ32は、返答候補文情報データベース(
図5)を参照して、分解された文節のうち、「文節」フィールドに格納されている文節に関して、条件を満たす返答候補文を特定する。例えば、「遊んでた」に対して「いいですね」が特定される。
プロセッサ32は、会話履歴情報データベース(
図6)を参照して、感情情報と時刻情報と位置情報と入力文との組み合わせが、ステップS103の返答リクエストデータに含まれる感情情報と時刻情報と位置情報とステップS105の再返答リクエストデータに含まれる入力文との組み合わせに対して最も類似度が高い会話履歴IDを特定する。例えば、プロセッサ32は、「感情」及び「位置情報」が一致し、「友達と遊んでいた」旨の会話内容を含み、かつ、「時刻」が最も近いものが、最も類似度が高い会話履歴IDとして特定される。
プロセッサ32は、会話履歴情報データベース(
図6)を参照して、特定された会話履歴IDに関連付けられた会話内容に基づき、現在のユーザの状況を推定する。例えば、特定された会話履歴IDに「カラオケで遊んでいた」旨の会話内容が含まれている場合に、現在のユーザの状況として「カラオケで遊んでいた」という状況を推定する。
プロセッサ32は、特定された返答候補文、及び、推定されたユーザの状況に基づき、返答文を生成する。例えば、プロセッサ32は、特定された「いいですね」、及び、推定された「カラオケで遊んでいた」という状況に基づき、「いいですね。またカラオケですか?」という返答文を生成する。
【0072】
プロセッサ32は、会話履歴情報データベース(
図6)において、再返答リクエストデータに含まれる会話履歴IDに関連付けられたレコード中に新規レコードを追加する。新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「入力文」フィールドには、ステップS105の再返答リクエストデータに含まれる入力文が格納される。
・「返答文」フィールドには、ステップS302で生成された返答文が格納される。
・「評価」フィールドには、何も格納されない。
・ステップS300で追加されたレコードの「評価」フィールドには、ステップS300で生成された返答文に対するユーザの評価(例えば、返答文が適切であるか否かに関する評価)に関する評価情報が格納される。ユーザが返答文を適切であるかと評価したか適切でないと評価したかは、例えば、ステップS105の再返答リクエストデータに含まれる入力文を言語解析する(例えば、文節又は単語に分解して、それぞれが肯定的であるか否定的であるかに区分して、評価値を算出し、文章全体として肯定的か否定的かを判断する)ことによって決定される。
【0073】
ステップS302の後、サーバ30は、再返答レスポンス(S303)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、再返答レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。
再返答レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS302で生成された返答文
・再返答リクエストデータに含まれる会話履歴ID
【0074】
ステップS303の後、クライアント装置10は、返答文の提示(S106)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、再返答レスポンスデータに基づいて、画面P103(
図10)をディスプレイに表示する。
【0075】
画面P103は、表示オブジェクトA103a~A103dと、フィールドオブジェクトF103と、操作オブジェクトB103と、を含む。
表示オブジェクトA103aは、ユーザがフィールドオブジェクトF101に入力した入力文を含む。
表示オブジェクトA103bは、ステップS300で生成された返答文を含む。
表示オブジェクトA103cは、ユーザがフィールドオブジェクトF102に入力した入力文を含む。
表示オブジェクトA103dは、ステップS302で生成された返答文を含む。
フィールドオブジェクトF103は、入力文を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
操作オブジェクトB103は、再度、再返答リクエスト(S105)を実行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB103には、再返答レスポンスデータに含まれる会話履歴IDが割り当てられている。
【0076】
ステップS106の後、ユーザがさらに会話を続けたい場合には、ユーザは、フィールドオブジェクトF103に文章を入力し、かつ、操作オブジェクトB103を操作する。
これにより、クライアント装置10は、再度、再返答リクエスト(S105)を実行する。
ステップS105の後、サーバ30は、同様に、ステップS302~S303を実行する。
ステップS303の後、クライアント装置10は、同様に、ステップS106を実行する。
【0077】
このようにステップS105、S302、S303、及びS106を繰り返し行うことによって、会話を続けることができる。この場合、画面P102及び画面P103において、表示フィールドA102及びA103の数は、ステップを繰り返す度に増加する。
【0078】
本実施形態によれば、ユーザから受け付けた感情情報及び入力環境情報に基づいて、ユーザの入力文に対する返答文が生成される。そのため、ユーザの感情や入力環境に沿った返答文が生成される。したがって、ユーザに対してより適切な返答を行うことができる。
また、本実施形態によれば、入力文、感情情報及び入力環境情報がユーザの会話履歴情報(入力文、返答文、感情情報及び入力環境情報を含む)と比較されて、当該入力文に対する返答文が生成される。そのため、ユーザの現在の状況に合った返答文が生成される。したがって、ユーザに対してさらに適切な返答を行うことができる。
また、本実施形態によれば、提示された返答文に対する入力文に基づいて、当該返答文に対するユーザの評価情報を取得する。そのため、次回以降の会話における返答文の精度を上げることができる。
【0079】
(5)変形例
本実施形態の変形例を説明する。
【0080】
(5-1)変形例1
変形例1を説明する。変形例1は、ユーザが会話の履歴を閲覧する例である。
【0081】
(5-1-1)会話履歴閲覧処理
変形例1の会話履歴閲覧処理について説明する。
図11は、変形例1の会話履歴閲覧処理のシーケンス図である。
図12は、変形例1の会話履歴閲覧処理において表示される画面例を示す図である。
図13は、変形例1の会話履歴閲覧処理において表示される画面例を示す図である。
【0082】
図11に示すように、クライアント装置10は、閲覧指示の受付(S110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P110(
図12)をディスプレイに表示する。
【0083】
画面P110は、操作オブジェクトB110を含む。
操作オブジェクトB110は、会話の履歴を閲覧するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0084】
ステップS110の後、クライアント装置10は、閲覧リクエスト(S111)を実行する。
具体的には、ユーザが、操作オブジェクトB110を操作すると、プロセッサ12は、閲覧リクエストデータをサーバ30に送信する。
閲覧リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ユーザID
【0085】
ステップS111の後、サーバ30は、会話履歴情報の特定(S310)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、会話履歴情報データベース(
図6)を参照して、閲覧リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられた会話履歴情報を特定する。
【0086】
ステップS310の後、サーバ30は、閲覧レスポンス(S311)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、閲覧レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。閲覧レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS310で特定された会話履歴情報
【0087】
ステップS311の後、クライアント装置10は、会話履歴情報の提示(S112)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、閲覧レスポンスデータに基づいて、画面P111(
図12)をディスプレイに表示する。
【0088】
画面P111は、操作オブジェクトB111を含む。
操作オブジェクトB111は、日付を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0089】
ユーザが、日付を選択して操作オブジェクトB111を操作すると、プロセッサ12は、画面P112(
図12)をディスプレイに表示する。
【0090】
画面P111は、複数の操作オブジェクトB112(B112a,B112b,・・・)を含む。操作オブジェクトB112は、ユーザが選択した日付が会話履歴情報データベース(
図6)の「日付」フィールドに格納されている会話履歴IDと同数含む。
操作オブジェクトB112は、会話内容に関する情報を閲覧するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。複数の操作オブジェクトB100には、それぞれ、会話履歴IDが割り当てられている。
【0091】
ユーザが、複数の操作オブジェクトB112のうちの1つを操作すると、プロセッサ12は、画面P113(
図13)をディスプレイに表示する。
【0092】
画面P113は、表示オブジェクトA113を含む。
表示オブジェクトA113は、操作された操作オブジェクトB112に割り当てられた会話履歴IDに関連付けられた入力文及び返答文を含む。
【0093】
変形例1によれば、ユーザは、会話の履歴を閲覧することができる。また、ユーザは、その時の感情を知ることができる。そのため、ユーザは、例えば、客観的にその時の感情及び出来事を振り返って、冷静に分析することができる。
【0094】
(5-2)変形例2
変形例2を説明する。変形例2は、ユーザから、提示された返答文に対する評価情報を受け付ける例である。
【0095】
(5-2-1)会話実施処理
変形例2の会話実施処理について説明する。
図14は、変形例2の会話実施処理において表示される画面例を示す図である。
【0096】
変形例2では、
図7のステップS104において、プロセッサ12は、画面P122(
図14)をディスプレイに表示する。
【0097】
画面P122は、表示オブジェクトA122a~A122bと、フィールドオブジェクトF122a~122cと、操作オブジェクトB122と、を含む。
表示オブジェクトA122aは、ユーザがフィールドオブジェクトF101に入力した入力文を含む。
表示オブジェクトA122bは、ステップS300で生成された返答文を含む。
フィールドオブジェクトF122aは、ステップS300で生成された返答文が適切である旨を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
フィールドオブジェクトF122bは、ステップS300で生成された返答文が適切でない旨を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
フィールドオブジェクトF122cは、入力文を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
操作オブジェクトB122は、再返答リクエスト(S105)を実行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB122には、返答レスポンスデータに含まれる新規レコードの会話履歴IDが割り当てられている。
【0098】
ステップS104の後、ユーザがさらに会話を続けたい場合には、ユーザは、フィールドオブジェクトF122a及びF122bの何れか一方を選択し、フィールドオブジェクトF122cに文章を入力し、かつ、操作オブジェクトB122を操作する。
これにより、クライアント装置10は、再返答リクエスト(S105)を実行する。
具体的には、ユーザが、フィールドオブジェクトF122a及びF122bの何れか一方を選択し、フィールドオブジェクトF122cに文章を入力し、かつ、操作オブジェクトB122を操作すると、プロセッサ12は、再返答リクエストデータをサーバ30に送信する。
再返答リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ユーザID
・返答レスポンスデータに含まれる新規レコードの会話履歴ID
・ステップS300で生成された返答文が適切である旨、又は、適切でない旨の情報
・フィールドオブジェクトF122cに指定された入力文
【0099】
変形例2では、ステップS302において、ステップS300で追加されたレコードの「評価」フィールドには、再返答リクエストデータに含まれる「ステップS300で生成された返答文が適切である旨、又は、適切でない旨の情報」に基づいて、評価情報が格納される。
【0100】
変形例2によれば、ユーザから、提示された返答文に対する評価を受け付ける。そのため、次回以降の会話における返答文の精度を上げることができる。
【0101】
(5-3)変形例3
変形例3を説明する。変形例3は、会話履歴情報に基づいてユーザのライフログ情報を取得する例である。変形例3では、さらに、ライフログ情報をユーザに提示する例も説明する。
【0102】
(5-3-1)キーワード情報データベース
変形例3のキーワード情報データベースを説明する。
図15は、変形例3のキーワード情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0103】
図15のキーワード情報データベースには、入力文からライフログを特定するためキーワードに関する情報が格納されている。
キーワード情報データベースは、「ライフログID」フィールドと、「ライフログ」フィールドと、「キーワード」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0104】
「ライフログID」フィールドには、ライフログを識別するライフログIDが格納される。
【0105】
「ライフログ」フィールドには、ライフログに関するライフログ情報が格納される。ライフログ情報は、例えば、メンタルヘルスケアに関する情報である。ライフログ情報としては、例えば、生活習慣、体調、悩み、又は人間関係等に関する情報が挙げられる。なお、変形例3では、生活習慣の場合を例にして説明する。
【0106】
「キーワード」フィールドには、入力文からライフログを特定するためキーワードに関するキーワード情報が格納されている。
【0107】
(5-3-2)ユーザライフログ情報データベース
変形例3のユーザライフログ情報データベースを説明する。
図16は、変形例3のユーザライフログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
ユーザライフログ情報データベースは、「日付」フィールドと、「時刻」フィールドと、「ライフログ」フィールドと、「感情」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
ユーザライフログ情報データベースは、ユーザIDに関連付けられている。
【0108】
「日付」フィールドには、ユーザが感情情報を入力した年月日に関する日付情報が格納される。
【0109】
「時刻」フィールドには、ユーザが感情情報を入力した時刻に関する時刻情報が格納される。
【0110】
「ライフログ」フィールドには、ユーザの特定されたライフログに関するユーザライフログ情報が格納される。
【0111】
「感情」フィールドには、ユーザが入力した感情に関する感情情報(例えば、感情の名称に関する感情名情報)が格納される。
【0112】
(5-3-3)会話実施処理
変形例3の会話実施処理について説明する。
図17は、変形例3の会話実施処理のシーケンス図である。
【0113】
図17に示すように、クライアント装置10は、本実施形態と同様にステップS100~S103を実行する。
【0114】
ステップS103の後、サーバ30は、本実施形態と同様にステップS300を実行する。
【0115】
ステップS300の後、サーバ30は、ライフログ情報の取得(S321)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、返答リクエストデータに含まれる入力文と、キーワード情報データベース(
図15)の「キーワード」フィールドに格納されているキーワード情報とを比較する。
入力文にキーワードが含まれている場合には、プロセッサ32は、キーワード情報に関連付けられたライフログ情報を特定する。プロセッサ32は、ユーザライフログ情報データベース(
図16)に新規レコードを追加する。新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「日付」フィールドには、返答リクエストデータに含まれる日付情報が格納される。
・「時刻」フィールドには、返答リクエストデータに含まれる時刻情報が格納される。
・「ライフログ」フィールドには、特定されたライフログ情報が格納される。
・「感情」フィールドには、返答リクエストデータに含まれる感情情報が格納される。
入力文にキーワードが含まれていない場合には、プロセッサ32は、何も行わない。
【0116】
ステップS300の後、サーバ30は、本実施形態と同様にステップS301を実行する。
【0117】
ステップS301の後、クライアント装置10は、本実施形態と同様にステップS104を実行する。
【0118】
(5-3-4)ライフログ閲覧処理
変形例3のライフログ閲覧処理について説明する。
図18は、変形例3のライフログ閲覧処理のシーケンス図である。
図19は、変形例3のライフログ閲覧処理において表示される画面例を示す図である。
【0119】
図18に示すように、クライアント装置10は、閲覧指示の受付(S130)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P130(
図19)をディスプレイに表示する。
【0120】
画面P130は、操作オブジェクトB130を含む。
操作オブジェクトB130は、ライフログに関する情報を閲覧するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0121】
ステップS130の後、クライアント装置10は、閲覧リクエスト(S131)を実行する。
具体的には、ユーザが、操作オブジェクトB130を操作すると、プロセッサ12は、閲覧リクエストデータをサーバ30に送信する。
閲覧リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ユーザID
【0122】
ステップS131の後、サーバ30は、ライフログ情報の特定(S330)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ユーザライフログ情報データベース(
図16)を参照して、閲覧リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられたユーザライフログ情報を特定する。プロセッサ32は、特定されたユーザライフログ情報に基づき、各種の解析を行う。例えば、睡眠時間の推移、平均睡眠時間、食事の回数、運動量等が挙げられる。
また、プロセッサ32は、ユーザライフログ情報データベース(
図16)を参照して、閲覧リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられた感情情報を特定する。プロセッサ32は、特定された感情情報に基づき、例えば、感情の傾向等を解析する。
【0123】
ステップS330の後、サーバ30は、閲覧レスポンス(S331)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、閲覧レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。閲覧レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS330で解析された結果に関する情報
【0124】
ステップS311の後、クライアント装置10は、ライフログ情報の提示(S132)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、閲覧レスポンスデータに基づいて、画面P131(
図19)をディスプレイに表示する。
【0125】
画面P131は、表示オブジェクトA131を含む。
表示オブジェクトA131は、ステップS330で解析された結果に関する情報を含む。
なお、画面P131は一例であり、睡眠時間の推移以外の結果が提示されてもよい。また、結果を文章(例えば、「平均睡眠時間は5時間です。」等)として提示してもよい。
【0126】
変形例3によれば、会話履歴に基づいてユーザのライフログが記録される。そのため、ユーザは、自身のライフログに関する情報(例えば、メンタルヘルスケアに関する情報)を知ることができる。
【0127】
(5-4)変形例4
変形例4を説明する。変形例4は、ライフログ情報及び感情情報に基づき、ユーザの状態を評価する例である。変形例4では、さらに、評価されたユーザの状態に対するコメント文を生成する例も説明する。
【0128】
(5-4-1)状態評価情報データベース
変形例4の状態評価情報データベースを説明する。
図20は、変形例4の状態評価情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0129】
図20の状態評価情報データベースには、ユーザの状態の評価に関する情報が格納されている。
状態評価情報データベースは、「項目」フィールドと、「状態評価」フィールドと、「基準」フィールドと、「コメント文」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0130】
「項目」フィールドには、ユーザの状態の項目に関する項目情報が格納される。
【0131】
「状態評価」フィールドには、対応するレコードの項目における評価に関する状態評価情報が格納される。
【0132】
「基準」フィールドには、対応するレコードの評価を選択する基準に関する基準情報が格納される。
【0133】
「コメント文」フィールドには、対応するレコードの評価に対するコメント文が格納されている。コメント文は、例えば、以下のうちの少なくとも1つを含む。
・ユーザの状態に関する情報
・ユーザの状態を維持又は改善するためのアドバイス情報
【0134】
(5-4-2)ユーザ状態閲覧処理
変形例4のユーザ状態閲覧処理について説明する。
図21は、変形例4のユーザ状態閲覧処理のシーケンス図である。
図22は、変形例4のユーザ状態閲覧処理において表示される画面例を示す図である。
【0135】
図21に示すように、クライアント装置10は、閲覧指示の受付(S140)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P140(
図22)をディスプレイに表示する。
【0136】
画面P140は、操作オブジェクトB140を含む。
操作オブジェクトB140は、ユーザの状態に関する情報を閲覧するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0137】
ステップS140の後、クライアント装置10は、閲覧リクエスト(S141)を実行する。
具体的には、ユーザが、操作オブジェクトB140を操作すると、プロセッサ12は、閲覧リクエストデータをサーバ30に送信する。
閲覧リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ユーザID
【0138】
ステップS141の後、サーバ30は、ユーザ状態の評価(S340)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ユーザライフログ情報データベース(
図16)を参照して、閲覧リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられたユーザライフログ情報を特定する。プロセッサ32は、特定されたユーザライフログ情報に基づき、各種の解析を行う。例えば、直近1週間における、睡眠時間の推移、平均睡眠時間、1日の食事の回数、又は運動量等が挙げられる。
また、プロセッサ32は、ユーザライフログ情報データベース(
図16)を参照して、閲覧リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられた感情情報を特定する。プロセッサ32は、特定された感情情報に基づき、例えば、感情の傾向等を解析する。
プロセッサ32は、上記の解析結果を、状態評価情報データベース(
図20)の「基準」フィールドにおける基準と比較して、各「項目」における「状態評価」を特定する。
【0139】
ステップS340の後、サーバ30は、コメント文の生成(S341)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、状態評価情報データベース(
図20)を参照して、各項目について、特定された状態評価に関連付けられたコメント文を特定する。
【0140】
ステップS341の後、サーバ30は、閲覧レスポンス(S342)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、閲覧レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。閲覧レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS340で特定された状態評価に関する情報
・ステップS341で特定されたコメント文
【0141】
ステップS342の後、クライアント装置10は、ユーザ状態情報の提示(S142)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、閲覧レスポンスデータに基づいて、画面P141(
図22)をディスプレイに表示する。
【0142】
画面P141は、表示オブジェクトA141a~141bを含む。
表示オブジェクトA141aは、ステップS340で特定された状態評価に関する情報を含む。
表示オブジェクトA141bは、ステップS341で特定されたコメント文を含む。
【0143】
変形例4によれば、ライフログ情報に基づきユーザの状態を評価する。また、感情情報に基づきユーザの状態を評価する。そのため、ユーザは、客観的に評価された自身の状態を知ることができる。
また、変形例4では、評価されたユーザの状態に対するコメント文が生成される。そのため、ユーザは、客観的に評価された自身の状態を知るとともに、例えば、ユーザの状態を維持又は改善するためのアドバイス情報を知ることができる。
【0144】
(6)その他の変形例
その他の変形例を説明する。
【0145】
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。
【0146】
上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10及びサーバ30の何れでも実行可能である。
例えば、クライアント装置10が上記の情報処理の全てのステップを実行可能である場合、クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信することなく、スタンドアロンで動作する情報処理装置として機能する。
【0147】
本実施形態では、返答候補文情報データベース(
図5)と会話履歴情報データベース(
図6)を参照する例を示したが、本実施形態はこれに限られない。本実施形態では、会話履歴情報データベース(
図6)のみを参照してもよい。
【0148】
本実施形態では、日時情報として、感情情報が入力された日付又は時刻に関する情報を取得する例を示したが、本実施形態はこれに限られない。例えば、日時情報として、入力文が入力された日付又は時刻に関する情報を取得してもよい。
【0149】
本実施形態では、日時情報のうち時刻情報のみを入力環境情報として利用する例を示したが、本実施形態はこれに限られない。例えば、日付情報を入力環境情報として利用してもよく、例えば、曜日又は月等に関する情報を利用してもよい。
【0150】
本実施形態では、一連の会話において日時情報がステップS101で1回のみ取得される例を示したが、本実施形態はこれに限られない。例えば、日時情報は返答文に対する入力文が入力される度に取得されてもよい。
【0151】
本実施形態では、ステップS300で、プロセッサ32は、会話履歴情報データベース(
図6)を参照して、特定された会話履歴IDに関連付けられた会話内容に基づき、現在のユーザの状況を推定する例を示したが、これに限られない。例えば、会話の最中又は会話の終了後に、ユーザの状況(例えば、「遊んでいた」)に関する情報が会話履歴情報データベース(
図6)に格納され、ステップS300では、当該格納されたユーザの状況に関する情報に基づいて現在のユーザの状況を推定してもよい。
【0152】
本実施形態では、位置情報として地名が記憶される例を示したが、これに限られない。例えば、位置情報は、小数表又は度分秒表記で記憶されていてもよい。また、この場合、例えばステップS302において、最も類似度が高い会話履歴IDを特定する際に、「感情」が一致し、「友達と遊んでいた」旨の会話内容を含み、かつ、「時刻」と「位置情報」との組み合わせにおける類似度(例えば、コサイン類似度)が最も高いものが、最も類似度が高い会話履歴IDとして特定されてもよい。
【0153】
本実施形態では、ユーザから会話を開始する例を示したが、これに限られない。例えば、ステップS101より後かつステップS102の前に、クライアント装置10が感情情報等をサーバ30に送信して、当該情報に基づいて、サーバ30が開始文をクライアント装置10に送信してもよい。開始文は、例えば、感情情報に応じた定型の文章である。また、この場合、感情情報等がサーバ30に送信された際に会話履歴情報データベース(
図6)に新しいレコードが追加されてもよい。
【0154】
本実施形態において、入力文及び返答文における文章は、例えば、単語のみ、絵文字のみ、感嘆符のみ、疑問符のみ等、であってもよい。
【0155】
変形例3では、返答文の生成(S300)の後にライフログ情報の取得(S321)を行う例を示したが、これに限られない。例えば、返答文の生成(S300)の前にライフログ情報の取得(S321)を行ってもよい。
【0156】
変形例4では、評価されたユーザの状態に対するコメント文を生成する例を示したが、これに限られない。例えば、ライフログ情報に対するコメント文を生成してもよい。この場合、例えば、平均睡眠時間を所定の範囲に区分し、区分毎にコメント文を用意していてもよい。ユーザは、自身のライフログに関する情報を知るとともに、例えば、ユーザの生活習慣等を維持又は改善するためのアドバイス情報を知ることができる。
【0157】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0158】
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
15 :GPSモジュール
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース