(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】緩み止めボルト及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
F16B 39/34 20060101AFI20220120BHJP
F16B 35/00 20060101ALI20220120BHJP
B21H 3/06 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
F16B39/34 Z
F16B35/00 Q
B21H3/06 Z
(21)【出願番号】P 2020055756
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2021-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】391006636
【氏名又は名称】ハードロック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100107593
【氏名又は名称】村上 太郎
(72)【発明者】
【氏名】若林 克彦
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-130164(JP,U)
【文献】英国特許出願公告第00566254(GB,A)
【文献】米国特許第03414034(US,A)
【文献】米国特許第03478800(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00-43/02
B21H 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄ねじ(2a)が外周に形成されたボルト軸部(2)と、前記ボルト軸部(2)の軸方向中途部に形成された溝部(2b)と、前記溝部(2b)に装着された緩み止めリング(4)と、を有し、前記緩み止めリング(4)の外周に、前記ボルト軸部(2)の雄ねじ(2a)に連続する雄ねじ(4a)が形成されており、前記緩み止めリング(4)の雄ねじ(4a)は、前記ボルト軸部(2)の雄ねじ(2a)よりも大きなねじ径を有し、前記緩み止めリング(4)の雄ねじ(4a)は、前記ボルト軸部(2)が螺着される雌ねじ(5a)に対して、遊び側フランク及び荷重側フランクのいずれにおいても密着するよう弾性変形可能に構成されている緩み止めボルト(1)の製造方法であって、
前記ボルト軸部(2)及び前記緩み止めリング(4)の両方の前記雄ねじ(2a,4a)を転造によって同時に形成するステップと、
前記緩み止めリング(4)の雄ねじ(4a)のねじ径が、前記緩み止めリング(4)自体の弾性復元力によって、転造時よりも転造後の方が大きくなるステップと
を有することを特徴とする、
緩み止めボルトの製造方法。
【請求項2】
前記雄ねじ(2a)を形成する前に前記ボルト軸部(2A)の先端部を先細りするテーパー形状に形成するステップと、
前記ボルト軸部(2)及び前記緩み止めリング(4)に前記雄ねじ(2a,4a)を形成する前に、前記ボルト軸部(2A)を前記テーパー形状の先端部から前記緩み止めリング(4A)内に挿入していくことによって前記緩み止めリング(4A)を前記溝部(2b)に装着するステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の緩み止めボルトの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩み止め構造を有する緩み止めボルト、並びに、その製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、座金等を用いずに緩み止めを行い得る緩み止めリング付きボルトが開示されている。この従来のボルトは、ねじ軸のおねじ部外周に所定幅の無端環状溝が設けられ、この溝に、おねじ外径とほぼ同じ外径の合成樹脂製緩み止めリングが嵌着されている。このように、ボルトと緩み止めリングとを一体化することによって、締め付けにかかる手間並びに紛失のリスクを抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実願昭60-195860号(実開昭62―100324号公報)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された従来技術では、緩み止めリングの外径がねじ軸のおねじ外径とほぼ同じであり、且つ、ボルトの締め付け時に緩み止めリングの外周がめねじによってその螺旋方向に沿って削り取られることにより緩み止めリング外周にねじ溝が形成される。このため、緩み止めリングの外周に形成されるおねじの外径は、ねじ軸のおねじの外径とほぼ同じになる。
【0005】
特許文献1の第4頁第1行目~第13行目には、「このリング6による緩み止め効果は、高分子物質を主原料とするプラスチック特有の力学的性質、即ち外力による塑性変形と適宜な弾性変形とを備えているためである。このため外力を加えねじ穴に螺着した後、時間経過と共にもとの形に復元する弾性変形が生じ強力にめねじに密着するようになる。」、「この考案の緩み止めリング付きボルトは、これを使用する場合、所定のねじ穴に強い力で無理にねじ込むとリング6の外周面にねじ穴のめねじによって螺旋溝ができると共にこのリング6を介してめねじに隙間なく密着するようになり、機械の振動や衝撃によって緩むようなことがない。」との開示がある。
【0006】
しかし、緩み止めリングのおねじの外径が、ねじ軸のおねじの外径とほぼ同じであるため、おねじ及びめねじの遊び側フランク同士は密着しないか、仮に密着してもその密着力は小さくなるはずである。上記特許文献1の記載は、おねじ及びめねじの荷重側フランク同士の密着力について言及しているものと解される。
【0007】
また、上記従来技術によれば、ねじ穴への装着前は緩み止めリングの外周におねじが形成されておらず、ねじ穴に無理にボルトをねじ込むことによって緩み止めリングの外周にめねじを形成する。したがって、ボルトをねじ穴にねじ込む際に緩み止めリングの削り屑が大量に発生し、その削り屑がおねじとめねじの間に介在することとなる。このような削り屑の存在は、締結状態の安定性を阻害するとともに、長期間の時間経過に伴って削り屑が劣化して締結トルクが低下し、ボルトの緩みの原因となるおそれもある。
【0008】
本開示は、一層優れた緩み止め効果を安定的に発揮し得る緩み止めリング付きボルト、並びに、その製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る緩み止めボルトは、雄ねじが外周に形成されたボルト軸部と、前記ボルト軸部の軸方向中途部に形成された溝部と、前記溝部に装着された緩み止めリングと、を有する。
【0010】
前記緩み止めリングの外周には、前記ボルト軸部の雄ねじに連続する雄ねじが形成されていてよい。
【0011】
前記緩み止めリングの雄ねじは、前記ボルト軸部の雄ねじよりも大きなねじ径を有していてよい。
【0012】
前記緩み止めリングの雄ねじは、前記ボルト軸部が螺着される雌ねじに対して、遊び側フランク及び荷重側フランクのいずれにおいても密着するよう弾性変形可能に構成されていてよい。
【0013】
また、本開示に係る緩み止めボルトの製造方法は、
前記ボルト軸部及び前記緩み止めリングの両方の前記雄ねじを転造によって同時に形成するステップと、
前記緩み止めリングの雄ねじのねじ径が、前記緩み止めリング自体の弾性復元力によって、転造時よりも転造後の方が大きくなるステップと
を有する。
【0014】
さらに、本開示に係る緩み止めボルトの製造方法は、
前記雄ねじを形成する前に前記ボルト軸部の先端部を先細りするテーパー形状に形成するステップと、
前記ボルト軸部及び前記緩み止めリングに前記雄ねじを形成する前に、前記ボルト軸部を前記テーパー形状の先端部から前記緩み止めリング内に挿入していくことによって前記緩み止めリングを前記溝部に装着するステップと、
をさらに有していてよい。
【0015】
好ましくは、前記緩み止めリングは、前記ボルト軸部よりも高い弾性を有する。
【発明の効果】
【0016】
本開示に係る緩み止めボルトによれば、雌ねじと、緩み止めリングの雄ねじとが、荷重側フランク同士のみならず遊び側フランク同士においても密着して、大きな緩み止め作用を安定的に発揮できる。
【0017】
また、本開示に係る緩み止めボルトの製造方法によれば、前記緩み止めリングを有するボルトを効率的に製造できる。さらに、ボルト軸部に雄ねじを形成する前に緩み止めリングをボルト軸部に装着すれば、その装着の際に、緩み止めリングがボルト軸部外周の雄ねじに引っかかることなく、装着作業を円滑化できる。また、ボルト軸部の先端部をテーパー形状に加工することで、緩み止めリング内へのボルト軸部の挿入作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る緩み止めボルトの半断面側面図である。。
【
図2】
図2は、緩み止めボルトをねじ穴に装着した状態を示す断面図である。
【
図3】
図3は、雄ねじ形成前に緩み止めリングをボルト軸部に装着する工程を示す側面図である
【
図4】
図4は、緩み止めリングをボルト軸部に装着した状態(但し、雄ねじの形成前)を示す側面図である。
【
図5】
図5は、リング取付治具を用いる実施例を示す側面図である。
【
図6】
図6は、雄ねじを転造により形成する時の緩み止めボルトの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図5は、発明の一実施形態に係る緩み止めボルト1を示す。緩み止めボルト1は、ボルト軸部2と、軸部2の基端部に一体的に設けられたボルト頭3と、軸部2の軸方向中途部に装着された緩み止めリング4とを備えている。
【0020】
軸部2の外周には、先端部から軸方向所定範囲にわたって雄ねじ2aが形成されているとともに、雄ねじ2a形成範囲の軸方向中途部に環状の溝部2bが形成されている。
【0021】
緩み止めリング4は溝部2b内に嵌着されており、緩み止めリング4の外周には、軸部2の雄ねじ2aの螺旋形状に連続する螺旋形状を有する雄ねじ4aが形成されている。溝部2b及び溝部2b内に装着されているリング4の軸長は、雄ねじ2a,4aの1ピッチよりも大きく2ピッチよりも小さいことが好ましい。なお、雄ねじ2a,4aは多条ねじであってもよいが、比較的小さな軸長のリング4外周に少なくとも1ピッチ分の雄ねじ4aを形成するには1条ねじが好適である。
【0022】
ボルト軸部2の成形材料は、鉄鋼若しくはステンレス鋼が好ましいが、その他チタン合金等の適宜の合金や合成樹脂材を用いることもでき、また、炭素繊維強化複合材料を用いることもできる。
【0023】
ボルト頭3は、六角柱や円柱その他適宜の形状であってよい。また、ボルト頭3の天面には、すりわり、十字穴、六角穴、四角穴などの工具係合溝が形成されていてよい。ボルト頭3を設けない場合には、軸部2の基端面に、同様の工具係合溝を形成することができる。
【0024】
緩み止めリング4の雄ねじ4aは、軸部2の雄ねじ2aよりも大きなねじ径を有するとともに、緩み止めリング4は、径方向及び軸方向の圧縮に対する復元弾性を有し、その特性により緩み止め機能を発揮するように構成される。
【0025】
緩み止めリング6の成形材料は適宜のものであってよいが、例えば、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー、66ナイロン、6ナイロン又はポリアミド66などであってよく、また、これらの混合材料であってもよい。また、本発明の目的達成のために必要な復元弾性を有するものであれば、エラストマー以外の適宜の合成樹脂材料、例えばポリカーボネート樹脂材、ポリプロピレン樹脂材、フェノール樹脂材、エポキシ樹脂材、ポリウレタン樹脂材などを用いることもできる。
【0026】
熱硬化性エラストマーとしては、天然ゴム若しくは合成ゴム(本明細書において樹脂系エラストマーを含む。)を用いることができる。合成ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム又はシリコーンゴムなどを用いることができる。
【0027】
熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン系エラストマー、オレフィン/アルケン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー又はポリアミド系エラストマーなどを用いることができる。
【0028】
本実施形態に係る緩み止めボルト1においては、緩み止めリング4の雄ねじ4aのねじ径が、軸部2の雄ねじ2aのねじ径よりも僅かに大きい。より詳細には、雄ねじ4aのねじ山頂部のおねじ外径が、雄ねじ2aのねじ山頂部のおねじ外径よりも僅かに大きく、且つ、雄ねじ4aのねじ谷底のおねじ谷径が、雄ねじ2aのねじ谷底のおねじ谷径よりも僅かに大きい。好ましくは、軸部2の雄ねじ2aのねじ径は、軸部2が螺着されるねじ穴5のねじ径よりも小さく、且つ、緩み止めリング4の雄ねじ4aのねじ径は、ねじ穴5のねじ径よりも大きい。
【0029】
図2は、緩み止めボルト1をねじ穴5に締結した状態を示している。軸部2の雄ねじ2aとねじ穴5の雌ねじ5aとは、荷重側フランク同士が接触するが、遊び側フランク同士は僅かに離間している。一方、緩み止めリング4の雄ねじ4aとねじ穴5の雌ねじ5aとは、荷重側フランク同士が接触するとともに、遊び側フランク同士もまた接触している。緩み止めリング4は、ねじ穴5に螺合していく際に、雌ねじ5aによって外周側から圧縮されて弾性的に僅かに縮径変形し、リング4自体の弾性復元力によって雄ねじ4aの荷重側及び遊び側のフランクがいずれも雌ねじ5aの対応するフランクに密着する。これにより、大きな緩み止め作用が発揮される。
【0030】
以下、緩み止めリング1の好適な製造方法を説明する。まず、
図3に示すように、雄ねじが形成されていないが溝部2bが形成されたボルト軸部2Aとボルト頭3とを有するボルト中間製造物と、雄ねじが形成されていない中間製造物としての緩み止めリング4Aとを製作する。図に示すように、ボルト軸部2Aの先端部は、先端側に至るにしたがって徐々に縮径する先細りのテーパー形状に形成しておくことが好ましい。
【0031】
次に、
図4に示すように、ボルト軸部2Aをテーパー形状の先端部から緩み止めリング4A内に挿入していくことによってリング4Aを溝部2bに装着する。このとき、リング4Aの外周部が、ボルト軸部2Aの外周面よりも径方向外方に突出することが好ましい。
【0032】
リング4Aのボルト軸部2Aへの装着作業は全て人手によって行ってもよいが、
図5に示すように、リング取付治具7を用いて行うこともできる。リング取付治具7は、ボルト軸部2Aを挿通可能な挿通穴7aと、挿通穴7aの開口端部に同心円状に設けられ且つ挿通穴7aよりも大径のリング設置凹部7bとを有する。図に示されるように、リング設置凹部7b内にリング4Aを設置して、ボルト軸部2Aを先端部からリング4Aに挿入していくことで、容易且つ迅速にリング4Aの装着作業を行うことができる。
【0033】
なお、リング4Aの軸方向幅は、溝部2bより大きいほうがより好ましい。これにより、リング4Aが溝部2b内に装着された状態で、リング4Aが溝部2bの軸方向両側部に密着して、後述する転造工程における雄ねじ4aの形成が安定化するとともに、雄ねじ4aの形成後に緩み止めリング4が溝部2b内で軸方向に移動することを防止できる。
【0034】
次に、
図6に示すように、転造ダイス8,9を用いて、軸部2A及びリング4Aの外周面に雄ねじ2a,4aを同時に形成することによって、雄ねじ2a,4aを有する軸部2及びリング4を得る。なお、転造ダイス8,9は、二つの平面ダイスの間にボルト軸部を挟み込んで雄ねじを形成する往復式、二つの丸形ダイスの間にボルト軸部を挟み込んで雄ねじを形成する回転2ロール式または、丸形ダイスとその円周外側に配置されるアーチ型のセグメントダイスとの間にボルト軸部を挟み込んで雄ねじを形成するセグメント式であってよく、その他適宜の転造方式を採用できる。
【0035】
転造時には、軸部2A及びリング4Aの外周面がいずれも転造ダイス8,9によって外周側から押さえ付けられ、軸部2Aの外周には塑性変形によって雄ねじ2aが形成される。一方、リング4Aは弾性的に縮径変形するとともに、リング4Aの外周には塑性変形若しくはダイス8,9によって切削されることによって雄ねじ4aが形成される。
【0036】
弾性材料からなるリング4Aの外周部の塑性変形による雄ねじ2aの形成を行うには、リング4Aの成形材料にもよるが、加熱によって可塑性が大きくなる材料の場合には、転造工程前に予めリング4Aを加熱し、これによりリング4Aの可塑性を大きくしておくことが好ましい。
【0037】
図6に示されるように、転造工程におけるリング4の雄ねじ4aのねじ径は、軸部2の雄ねじ2aのねじ径と等しい。しかし、転造後、転造ダイス8,9からボルト1を取り出すと、リング4を縮径させる外力が解放されるため、リング4自体の弾性復元力によって
図1に示すようにリング4が僅かに拡径して、リング4の雄ねじ4aのねじ径がボルト軸部2の雄ねじ2aのねじ径よりも大きくなる。
【0038】
本実施形態によれば、緩み止めリング4の外周に転造により予め雄ねじ4aを形成しているので、ねじ穴5にボルト1を締結する際に削り屑が大量に発生することがなく、締結トルクが安定化するとともに、雄ねじと雌ねじとの間に介在する削り屑が時間経過とともに劣化することによる影響が小さいので、長期間の経過後も緩み止め効果を維持することができる。
【0039】
また、転造によって軸部2A及び緩み止めリング4Aの外周に同時に雄ねじ2a,4aを形成するため、雄ねじ2a,4aの形成のための工程数を減らすことができ、生産性が向上する。
【0040】
また、軸部2Aの先端部をテーパー形状に加工しておくことで、緩み止めリング4Aの装着を容易かつ迅速に行うことができる。
【0041】
また、雄ねじ2aが形成されていない軸部2Aに対してリング4Aを装着するので、軸部2Aにリング4Aを装着する際の引っかかりの原因となる雄ねじが軸部2Aに存在せず、容易に装着することができる。
【0042】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。。例えば、ボルト頭3は設けられていなくともよい。また、緩み止めリング4及び溝部2bの断面形状は、半円状や三角形状等の適宜の形状であってよく、また、緩み止めリング4の断面形状と溝部2bの断面形状とが異なっていてもよい。また、上記実施形態に係る製造方法では雄ねじ2a,4aを形成する前に軸部2にリング4を装着したが、軸部2及びリング4に予め雄ねじ2a,4aを形成した後、雄ねじ4aを有するリング4を軸部2に装着してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 緩み止めボルト
2 ボルト軸部
2A 雄ねじ形成前の中間製造物としてのボルト軸部
2a 雄ねじ
2b 溝部
4 緩み止めリング
4A 雄ねじ形成前の中間製造物としての緩み止めリング
4a 雄ねじ