(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】プログラム、方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220120BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
(21)【出願番号】P 2020191279
(22)【出願日】2020-11-17
【審査請求日】2020-11-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518268466
【氏名又は名称】カメラブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高坂 勲
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-266023(JP,A)
【文献】特開2001-338192(JP,A)
【文献】特開2002-230256(JP,A)
【文献】特開2016-194740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリと、を備えるコンピュータに実行させるプログラムであって、前記プロセッサに、
販売店の販売チャネルに陳列又は表示された物品について、ユーザからレンタルの申し込みに関する第1情報を受け付ける第1ステップと、
前記第1情報の受け付けに応じて、前記物品のレンタルの主体となるレンタル事業者が、前記販売店から前記物品を購入するための処理を行う第2ステップと、
前記第1情報の受け付けに応じて、前記第1情報に基づいて、前記ユーザが、前記レンタル事業者から前記物品のレンタルを受けるための処理を行う第3ステップと、
前記物品のレンタルを受けた前記ユーザが、前記レンタルに関して設定されたレンタル期限内に当該物品の購入を希望した際に、前記ユーザが、前記レンタル事業者から前記物品を購入するための処理を行う第4ステップと、
前記ユーザが前記物品のレンタルを実際に受けた期間が、予め設定された第1所定期間を超えることなく、前記ユーザが当該物品の購入を希望した場合には、前記レンタル事業者が、前記販売店から前記物品を購入するための処理を停止し、前記ユーザが、前記販売店から前記物品を購入するための処理を行う第5ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記停止の対象となる、前記レンタル事業者が前記販売店から前記物品を購入するための処理は、前記レンタル事業者と前記販売店との間における前記物品の売買契約の締結を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プロセッサに、
前記ユーザのレンタル期間が、前記物品の販売価格と、単位期間あたりのレンタル料金と、に応じて予め設定された第2所定期間を超えた場合に、前記ユーザが、前記レンタル事業者から前記物品を購入するための処理を行う第6ステップを実行させる、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1ステップにおいて、
前記販売店が保有する前記ユーザに関する情報を前記第1情報に含める、請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1ステップにおいて、
前記第1情報に含まれる前記販売店が保有する前記ユーザに関する情報のうち、前記販売店における前記ユーザの購買履歴に関する情報を、前記ユーザのレンタルに関する審査に利用する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記レンタル事業者が、前記販売店から前記物品を購入する際の購入価格は、前記審査の結果に応じて変動する請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2ステップにおいて、
前記ユーザに関する情報のうち、前記販売店における前記ユーザの購買履歴に関する情報を参照し、前記ユーザが、所定の条件を満たす優良顧客であると確認された場合には、前記販売店から前記物品を前記レンタル事業者が購入するための処理において、前記販売店に対して有利な特典を付与する、請求項4から6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プロセッサに、
前記ユーザに関する情報のうち、前記販売店における前記ユーザの購買履歴に関する情報を参照し、前記ユーザが既に保有している物品に関する情報を保有物品として登録する第7ステップを実行させる、請求項4から7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記プロセッサに、
前記ユーザに対して、前記保有物品と関連性の高い物品のレンタルを提案する第8ステップを実行させる請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
プロセッサと、メモリと、を備えるコンピュータに実行させる方法であって、前記プロセッサが、
販売店の販売チャネルに陳列又は表示された物品について、ユーザからレンタルの申し込みに関する第1情報を受け付ける第1ステップと、
前記第1情報の受け付けに応じて、前記物品のレンタルの主体となるレンタル事業者が、前記販売店から前記物品を購入するための処理を行う第2ステップと、
前記第1情報の受け付けに応じて、前記第1情報に基づいて、前記ユーザが、前記レンタル事業者から前記物品のレンタルを受けるための処理を行う第3ステップと、
前記物品のレンタルを受けた前記ユーザが、前記レンタルに関して設定されたレンタル期限内に当該物品の購入を希望した際に、前記ユーザが、前記レンタル事業者から前記物品を購入するための処理を行う第4ステップと、
前記ユーザが前記物品のレンタルを実際に受けた期間が、予め設定された第1所定期間を超えることなく、前記ユーザが当該物品の購入を希望した場合には、前記レンタル事業者が、前記販売店から前記物品を購入するための処理を停止し、前記ユーザが、前記販売店から前記物品を購入するための処理を行う第5ステップと、
を実行する方法。
【請求項11】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、前記記憶部に記憶されるプログラムに基づいて動作することにより
、
販売店の販売チャネルに陳列又は表示された物品について、ユーザからレンタルの申し込みに関する第1情報を受け付ける第1ステップと、
前記第1情報の受け付けに応じて、前記物品のレンタルの主体となるレンタル事業者が、前記販売店から前記物品を購入するための処理を行う第2ステップと、
前記第1情報の受け付けに応じて、前記第1情報に基づいて、前記ユーザが、前記レンタル事業者から前記物品のレンタルを受けるための処理を行う第3ステップと、
前記物品のレンタルを受けた前記ユーザが、前記レンタルに関して設定されたレンタル期限内に当該物品の購入を希望した際に、前記ユーザが、前記レンタル事業者から前記物品を購入するための処理を行う第4ステップと、
前記ユーザが前記物品のレンタルを実際に受けた期間が、予め設定された第1所定期間を超えることなく、前記ユーザが当該物品の購入を希望した場合には、前記レンタル事業者が、前記販売店から前記物品を購入するための処理を停止し、前記ユーザが、前記販売店から前記物品を購入するための処理を行う第5ステップと、
を実行する情報処理装置。
【請求項12】
端末装置と、サーバと、を備えるシステムであって、
販売店の販売チャネルに陳列又は表示された物品について、ユーザからレンタルの申し込みに関する第1情報を受け付ける申し込み受付モジュールと、
前記第1情報の受け付けに応じて、前記物品のレンタルの主体となるレンタル事業者が、前記販売店から前記物品を購入するための処理を行う物品購入モジュールと、
前記第1情報の受け付けに応じて、前記第1情報に基づいて、前記ユーザが、前記レンタル事業者から前記物品のレンタルを受けるための処理を行う物品レンタルモジュールと、
前記申し込み受付モジュールから受け付けた前記ユーザの前記物品の購入に関する情報を用いて、前記レンタル事業者が保有する物品をユーザに対して販売する処理を行う物品販売モジュールと、を備え、
前記物品販売モジュールは、前記物品のレンタルを受けた前記ユーザが、前記レンタルに関して設定されたレンタル期限内に当該物品の購入を希望した際に、前記ユーザが、前記レンタル事業者から前記物品を購入するための処理を行い、
前記物品購入モジュールは、前記ユーザが前記物品のレンタルを実際に受けた期間が、予め設定された第1所定期間を超えることなく、前記ユーザが当該物品の購入を希望した場合には、前記レンタル事業者が、前記販売店から前記物品を購入するための処理を停止し、前記ユーザが、前記販売店から前記物品を購入するための処理を行う、
ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家電量販店等の販売店の店頭において、ウェブサービスと連携した販売活動が行われている。
特許文献1には、販売店での物品の販売に際して、店頭で当該物品を購入するウェブサービスの購入画面のアドレスをユーザ端末に送信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばカメラ等の高額な電化製品について、購入することなく一定期間のレンタルを受けたい要望があった。
このような要望をかなえるために、電化製品のレンタルサービスも一般に行われているが、レンタル品として提供されている物品は限られており、販売店の店頭に展示されているような新製品の全てについて、レンタルサービスを受けることは難しいのが現状である。
一方、このようなレンタルサービスを提供するレンタル事業者としては、レンタルする物品の在庫の管理に労力を要し、少しでも在庫を減らしたいという要望もあった。
【0005】
そこで本開示では、物品の購入とレンタルとの選択肢を広げ、ユーザに対する利便性を確保するとともに、レンタル事業者のレンタル品の在庫を抑えることができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のプログラムは、プロセッサと、メモリと、を備えるコンピュータに実行させるプログラムであって、プロセッサに、販売店の販売チャネルに陳列又は表示された物品について、ユーザからレンタルの申し込みに関する第1情報を受け付ける第1ステップと、第1情報の受け付けに応じて、物品のレンタルの主体となるレンタル事業者が、販売店から物品を購入するための処理を行う第2ステップと、第1情報の受け付けに応じて、第1情報に基づいて、ユーザが、レンタル事業者から物品のレンタルを受けるための処理を行う第3ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、物品の購入とレンタルとの選択肢を広げ、ユーザに対する利便性を確保するとともに、レンタル事業者のレンタル品の在庫を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】レンタルサービスシステムの全体の構成を示す図である。
【
図2】レンタルサービスシステムを構成する端末装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】レンタルサービスシステムを構成するサーバの機能的な構成を示す図である。
【
図4】サーバが記憶するユーザデータベース、レンタル物品データベース、物品在庫データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】サーバが記憶する受注情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】レンタルサービスシステムによる、レンタルサービスの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】物品の返却処理の詳細な流れの一例を示す図である。
【
図8】物品の販売処理の詳細な流れの一例を示す図である。
【
図9】物品のレンタルの申し込みを行う際の端末装置の画面例を示す図である。
【
図10】レンタル物品の購入処理又は返却処理における端末装置の画面例を示す図である。
【
図11】レンタル品を提案する際の端末装置の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概要>
以下、レンタルサービスについて説明する。このレンタルサービスは、例えば、家電製品や衣料品、バッグ等の販売店の店頭を含む販売チャネルで販売されている新製品である物品を、一定期間レンタルするためのサービスである。本実施形態ではカメラを物品の例に挙げ、家電量販店を販売店の例に挙げて説明する。なお、販売チャネルとは、店頭およびECサイトのうちの少なくともいずれか一方を含む概念である。
このレンタルサービスでは、家電量販店の店頭に新製品であるカメラの購入のために訪れたユーザが、当該カメラの購入に代えて、当該カメラを一定期間レンタルする。そして、レンタルを受けたお試し期間においてカメラを使用していく中で、当該カメラの購入を決めた場合には、当該カメラを継続して所持しながら、購入を行うシステムである。
なお、このレンタルサービスでは、販売店のインターネット上のECサイトに新製品として表示されたカメラの購入のために、当該ECサイトにアクセスしたユーザに対して、前述のレンタルサービスを行ってもよい。
【0011】
<第1の実施形態>
以下、カメラ、交換レンズ、又は家電製品等の物品をレンタルするレンタルサービスシステム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20又は外部サーバ30へアクセスすることにより、サーバ20又は外部サーバ30が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20又は外部サーバ30から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0012】
<1 レンタルサービスシステム1の全体構成>
図1は、レンタルサービスシステム1の全体の構成を示す図である。レンタルサービスシステム1は、カメラ、交換レンズ、又は家電製品等の物品をレンタルするためのシステムである。
図1に示すように、レンタルサービスシステム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」という)と、サーバ20と、外部サーバ30とを含む。端末装置10とサーバ20と外部サーバ30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線又は無線ネットワークにより構成される。
【0013】
端末装置10は、ユーザ及び販売店の販売員が操作する装置である。端末装置10は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。この他、端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0014】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
【0015】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0016】
サーバ20は、レンタル事業者が使用する装置であり、レンタルサービスシステム1が提供するレンタルサービスの各ユーザの情報、レンタル中の物品の情報、及び、レンタル可能な物品の在庫状況の情報を管理する装置である。サーバ20は、ユーザからのレンタルの申し込みを、外部サーバ30を介して受け付ける。
【0017】
また、サーバ20は、申し込みのあったレンタルの物品について、販売店が管理する外部サーバ30に対して当該物品の購入を申し込む。すなわち、サーバ20は、ユーザからのレンタルの申し込みを受け付け、外部サーバ30から購入した物品について、ユーザに対してレンタルを行うための処理を行う。
【0018】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0019】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
入出力IF23は、レンタル事業者からの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0020】
メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0021】
外部サーバ30は、家電量販店等の販売業者が使用、管理する装置であり、各ユーザの情報、販売可能な物品の情報、及び、販売可能な物品の在庫状況の情報を管理する装置である。外部サーバ30は、サーバ20からの物品の購入の申し込みを受け付ける。外部サーバ30は、サーバ20に対して物品のレンタルの申し込みがあった場合、サーバ20からの販売の申し込みに応じて、当該物品を販売する処理を行う。
【0022】
外部サーバ30は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。外部サーバ30は、通信IF32と、入出力IF33と、メモリ35と、ストレージ36と、プロセッサ39とを備える。
【0023】
通信IF32は、外部サーバ30が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF33は、販売店の販売員からの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ35は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0024】
ストレージ36は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ39は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。ストレージ36には、販売店におけるユーザの会員情報(ユーザに関する情報)が記憶されている。会員情報には、ユーザの氏名、性別、年齢、住所等のユーザの属性情報の他、ユーザの過去の購入履歴等の購買情報が含まれる。
【0025】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施形態1のレンタルサービスシステム1を構成する端末装置10のブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチ・センシティブ・デバイス131及びディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、記憶部170と、制御部180とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0026】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0027】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0028】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部180へ与える。
【0029】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス131と、ディスプレイ132とを含む。
【0030】
タッチ・センシティブ・デバイス131は、端末装置10への販売員の入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部180へ出力する。
【0031】
ディスプレイ132は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0032】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部180へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0033】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個又は4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。
【0034】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0035】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部170は、ユーザ情報171を記憶する。
【0036】
ユーザ情報171は、ユーザの顧客情報である。ユーザ情報171としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの氏名、ユーザの性別、年齢、住所等の属性情報、ユーザの過去の購入履歴に関する情報、ユーザのクレジットカード番号等の決済手段に関する情報が含まれる。ユーザ情報171のうちの一部は、外部サーバ30から取得されてもよい。
【0037】
制御部180は、記憶部170に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部180は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部180は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部181と、送受信部182と、データ処理部183と、通知制御部184としての機能を発揮する。
【0038】
入力操作受付部181は、タッチ・センシティブ・デバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部181は、タッチ・センシティブ・デバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0039】
送受信部182は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0040】
データ処理部183は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
データ処理部183は、レンタルサービスシステム1が提供する、販売店で販売されている物品のレンタルについての申し込みに関する第1情報を生成する処理を制御する。具体的には、データ処理部183は、レンタルサービスに申し込むための画面から入力された情報、及び外部サーバ30が保有する販売店におけるユーザの会員情報を用いて第1情報を生成する。第1情報には、ユーザに関する情報の他、物品を識別可能な情報、販売価格情報、レンタル期間に関する情報、レンタル料金に関する情報が含まれる。
【0041】
データ処理部183は、販売店が保有するユーザに関する情報を、第1情報に含める処理を行う。具体的には、データ処理部183は、販売店が管理する外部サーバ30に対してユーザの照会を行い、外部サーバ30が保有する販売店における会員情報(ユーザに関する情報)を取得する。そして、データ処理部183は、取得したユーザに関する情報を用いて、第1情報を生成する。
【0042】
また、データ処理部183は、第1情報に運転免許証や健康保険証といった本人確認書類に関する情報を含める。具体的には、データ処理部183は、端末装置10のカメラ160により撮影された本人確認書類の画像データを用いて、第1情報を生成する。
【0043】
また、データ処理部183は、第1情報にユーザの生体情報に基づく個人情報を含める。ユーザの生体情報には、ユーザの顔、ユーザの指紋、声紋、網膜、掌形、虹彩等が含まれる。これらの生体情報は、端末装置10におけるカメラ160、マイク141、又はタッチ・センシティブ・デバイス131を用いて取得することができる。
【0044】
通知制御部184は、ユーザ及び販売員に対し情報を提示する処理を行う。通知制御部184は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ160に発生させる処理等を行う。
【0045】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施形態1のレンタルサービスシステム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0046】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0047】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザデータベース281と、レンタル物品データベース282と、物品在庫データベース283と、受注情報データベース284等を記憶する。
【0048】
ユーザデータベース281は、レンタルサービスシステム1における各ユーザの情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0049】
レンタル物品データベース282は、レンタルサービスシステム1が提供するレンタルサービスにおいて、現時点でユーザに対してレンタル中の物品に関する情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0050】
物品在庫データベース283は、レンタルサービスシステム1が提供するレンタルサービスにおいて、レンタル事業者が保有する物品(レンタル中の物品、およびレンタルされて返却された物品を含む)の在庫に関する情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0051】
受注情報データベース284は、レンタルサービスシステム1を利用する旨の申し込み(受注)に関する情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0052】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0053】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0054】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0055】
申し込み受付モジュール2033は、ユーザからの各種の申し込みを受け付ける。各種の申し込みとは、物品のレンタルに関する申し込み、及び物品の購入に関する申し込みを含む。
申し込み受付モジュール2033は、物品のレンタルについての申し込みに関する第1情報を端末装置10から受け付けると、第1情報に基づいてユーザによる当該物品のレンタルに関する審査を行うための情報を出力する。この審査では、ユーザDB281を確認し、ユーザの過去の利用時におけるトラブルの有無や、支払いの遅延の有無等から、レンタルサービスを提供できるかどうかを判断する。この審査に用いる情報として、ユーザの第1情報に含まれる情報のうち、過去の購入履歴や購入頻度等の支払い能力を類推できる情報を抽出して出力する。審査は、レンタル事業者の担当者が行う。
【0056】
申し込み受付モジュール2033は、第1情報に含まれるユーザに関する情報のうち、販売店におけるユーザの購買履歴に関する情報を、ユーザのレンタルに関する審査に利用する。
【0057】
申し込み受付モジュール2033は、審査においてレンタル不可と判断した場合には、端末装置10に対してレンタル不可の旨の通知を送信する。
【0058】
申し込み受付モジュール2033は、審査においてレンタル可能と判断した場合には、物品購入モジュール2034に対して、販売店からの当該物品の購入に関する指示を出す。
また、申し込み受付モジュール2033は、審査においてレンタル可能と判断された場合には、物品レンタルモジュール2036に対して、ユーザに対する当該物品のレンタルに関する指示を出す。
また、申し込み受付モジュール2033は、物品の購入に関する申し込みをユーザから受け付けると、物品販売モジュール2038に、当該物品の販売に関する指示を出す。
【0059】
なお、レンタル事業者が販売店から物品を購入する際の購入価格は、審査の結果に応じて変動させることができる。例えば、ユーザが優良顧客である場合には、購入価格を安く設定することができる。ユーザが優良顧客に該当するかどうかは、ユーザの購買履歴から一律に判断することができる。例えば過去1年間の購買金額が所定の閾値を超える場合に、当該ユーザは優良顧客であると判断することができる。
【0060】
また、審査において、ユーザが優良顧客であると確認された場合には、物品購入モジュール2034は、販売店から物品をレンタル事業者が購入するための処理において、販売店に対して有利な特典を付与することもできる。具体的には、物品購入モジュール2034が、レンタル料金に対して一定の割合に相当する費用を、レンタル事業者が販売店から当該物品を購入する際の購入価格に上乗せした金額で購入する処理を行うことで、販売店に対する有利な特典として還元することができる。
【0061】
物品購入モジュール2034は、申し込み受付モジュール2033から受け付けた第1情報を用いて、販売店の外部サーバ30に対して当該物品の購入に関する処理を行う。この際、物品購入モジュール2034は、購入品管理モジュール2035に対して、新たに購入した物品に関する情報を送信する。
【0062】
購入品管理モジュール2035は、物品購入モジュール2034から情報を受信した販売店から購入された物品を、レンタル事業者が保有する在庫品として管理する処理を制御する。購入品管理モジュール2035は、購入された物品の管理情報を、物品在庫DB283に対して追加して新たなレコードとして記憶させる。
【0063】
物品レンタルモジュール2036は、申し込み受付モジュール2033から受け付けた第1情報を用いて、ユーザに対して当該物品のレンタルに関する処理を行う。この際、物品レンタルモジュール2036は、レンタル品管理モジュール2037に対して、レンタルの対象となる物品に関する情報を送信する。
また、物品レンタルモジュール2036は、ユーザに対して、ユーザが保有する保有物品と関連性の高い物品のレンタルを提案する。例えば、カメラとレンズを保有しているユーザに対しては、ユーザの保有するカメラに装着可能で、ユーザが保有していないレンズを提案する。
【0064】
レンタル品管理モジュール2037は、物品レンタルモジュール2036から情報を受信したユーザに対してレンタルする物品を、レンタル中の物品として管理する処理を制御する。レンタル品管理モジュール2037は、レンタル品の管理情報を、レンタル物品DBに対して追加して新たなレコードとして記憶させる。
【0065】
物品販売モジュール2038は、申し込み受付モジュール2033から受け付けたユーザの物品の購入に関する情報を用いて、レンタル事業者が保有する物品をユーザに対して販売する処理を制御する。物品販売モジュール2038は、販売した物品の管理情報を、レンタル物品DB282及び物品在庫データベース283から除外する新たなレコードとして記憶させる。
【0066】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶するユーザデータベース281、レンタル物品データベース282、物品在庫データベース283のデータ構造の一例を示す図である。
【0067】
図4に示すように、ユーザデータベース281のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名」と、項目「ユーザ住所」と、項目「レンタルサービス利用履歴」等を含む。
【0068】
項目「ユーザID」は、レンタルサービスシステム1に会員登録しているユーザそれぞれを識別する情報である。
【0069】
項目「ユーザ名」は、ユーザが設定した名称であり、通常はユーザの氏名である。
【0070】
項目「ユーザ住所」は、ユーザが設定した住所であり、通常はユーザが居住する住所であるが、ユーザが生活において一定の頻度で訪れる勤務先等の居所であってもよい。
【0071】
項目「レンタルサービス利用履歴」は、各ユーザが物品のレンタルサービスを利用した履歴に関する情報であり、具体的には、項目「物品ID」と、項目「貸出日」と、項目「レンタル期限」と、項目「ステータス」と、項目「返却日」と、項目「購入日」等を含む。なお、履歴に関する情報は、レンタルサービスを利用中(貸出中)の情報と、利用済(返却済、又は購入済み)の情報と、を含む。
【0072】
項目「物品ID」は、レンタルサービスシステム1における、レンタルの対象となる物品を識別する情報である。物品IDとしては、製造時に付与される物品それぞれに固有の製造番号(シリアル番号)を用いてもよい。
【0073】
項目「貸出日」は、物品のレンタルサービスにおいてユーザに対して貸出を行った日を示す情報である。貸出を行った日とは、当該ユーザからレンタルサービスの申し込みがされた日でもよく、当該ユーザへの物品の発送が行われた日でもよく、当該ユーザが物品を受け取った日でもよい。
【0074】
項目「レンタル期限」は、レンタル契約において設定された物品を返却する期限を示す情報である。「レンタル期限」は、ユーザからの申し込みにより延長することができる。
【0075】
項目「ステータス」は、該当する物品IDにより識別される物品の状態を示す情報である。具体的には、当該物品が、ユーザに対して「レンタル中」なのか、ユーザにより「購入済み」なのか、ユーザから既に「返却済み」なのか、が記載されている。
項目「ステータス」を確認することで、ユーザが保有している物品(保有物品)を把握することができる。
【0076】
項目「返却日」は、物品がユーザから返却されている場合における返却日を示す情報である。返却予定日は、ユーザから返却の申し込みを受け付けた日付でもよく、実際に物品が返却された日付でもよい。
【0077】
項目「購入日」は、物品がユーザにより購入されている場合において購入日を示す情報である。購入日は、ユーザから購入の申し込みを受け付けた日付でもよく、実際に物品のユーザに対する販売処理を行った日でもよい。
【0078】
サーバ20は、各ユーザから端末装置10を介してレンタルの申し込みを受け付け、端末装置10から送信される第1情報を用いて、ユーザデータベース281を更新する。
そして、サーバ20は、ユーザに関する情報のうち、販売店におけるユーザの購買履歴に関する情報を参照し、ユーザが既に保有している保有物品に関する情報についてもユーザDB281に登録する。
【0079】
レンタル物品データベース282のレコードのそれぞれは、項目「物品ID」と、項目「物品名」と、項目「型番」と、項目「商品リンク先」と、項目「レンタルリンク先」と、項目「レンタル期限」と、項目「料金」等を含む。
【0080】
項目「物品ID」は、レンタルサービスシステム1における、レンタルの対象となる物品を識別する情報であり、ユーザデータベース281の項目「物品ID」に対応している。
【0081】
項目「物品名」は、レンタルサービスシステム1における、レンタルの対象となる物品の名称を示す情報である。物品の名称は、当該物品の一般名称でもよく、機種名やブランド名等を含んでもよい。
【0082】
項目「型番」は、レンタルサービスシステム1における、レンタルの対象となる物品の型番を示す情報である。項目「物品名」の名称だけでは物品を識別できず、型番で識別する必要がある場合に使用される。
【0083】
項目「商品リンク先」は、当該物品が掲載されたWebページのリンク(URL)である。具体的には、販売店で販売される製品のメーカーのWebページへのリンクである。このリンクは、当該物品が他の物品とともに一覧として表示されているWebページでもよく、当該物品のみが表示されているWebページでもよい。
【0084】
項目「レンタルリンク先」は、レンタル事業者のレンタルサービスのうち、当該物品に関する内容が掲載されたWebページのリンク(URL)である。具体的には、当該物品をレンタルする際のレンタル料金やレンタル期限などのサービス内容が記載されたWebページへのリンクである。
【0085】
項目「レンタル期限」は、レンタル契約において設定された物品を返却する期限を示す情報である。「レンタル期限」は、ユーザからの申し込みにより延長することができる。
【0086】
項目「料金」は、当該物品をレンタルする場合の料金を示す情報である。
【0087】
サーバ20は、端末装置10から受け付けた第1情報、及び外部サーバ30から受け付けたレンタルの対象となる物品の情報を用いて、レンタル物品データベース282を更新する。
【0088】
物品在庫データベース283のレコードのそれぞれは、項目「物品ID」と、項目「物品名」と、項目「型番」と、項目「商品リンク先」と、項目「価格情報」と、項目「ステータス」と、項目「保管場所」等を含む。
【0089】
項目「物品ID」は、レンタルサービスシステム1における、レンタルの対象となる物品を識別する情報であり、ユーザデータベース281及びレンタル物品データベース282の項目「物品ID」に対応している。
【0090】
項目「物品名」は、レンタルサービスシステム1における、レンタルの対象となる物品の名称を示す情報である。物品の名称は、当該物品の一般名称でもよく、機種名やブランド名等を含んでもよい。
【0091】
項目「型番」は、レンタルサービスシステム1における、レンタルの対象となる物品の型番を示す情報である。項目「物品名」の名称だけでは物品を識別できず、型番で識別する必要がある場合に使用される。
【0092】
項目「商品リンク先」は、当該物品が掲載されたWebページのリンク(URL)である。具体的には、販売店で販売される製品のメーカーのWebページへのリンクである。このリンクは、当該物品が他の物品とともに一覧として表示されているWebページでもよく、当該物品のみが表示されているWebページでもよい。
【0093】
項目「価格情報」は、物品の販売価格に関する情報である。物品の販売価格は、物品の定価であってもよいし、物品を販売店から購入したレンタル料金であってもよいし、物品をユーザに対して販売する際の販売価格であってもよい。また、これら複数の価格に関する情報が価格情報に含まれていてもよい。
【0094】
項目「ステータス」は、該当する物品の状態を示す情報である。具体的には、当該物品が、ユーザに対して「レンタル中」なのか、レンタル品の在庫として「保管中」なのか、が記載されている。
【0095】
項目「保管場所」は、該当する物品が保管されている場所を示す情報である。具体的には、「保管場所」には、レンタル事業者が管理する倉庫等の場所が記載されている。
【0096】
サーバ20は、ユーザからレンタルの申し込みがあったのちに、ユーザが購入することなく返却した際に、端末装置10を介してユーザから入力された返却の申し込みを受け付けることに伴って、該当する物品を在庫物品として物品在庫データベース283を更新する。
【0097】
図5は、サーバ20が記憶する受注情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【0098】
図5に示すように、受注情報データベース284のレコードのそれぞれは、項目「受注日」と、項目「ユーザID」と、項目「受注店舗ID」と、項目「受注担当者ID」と、項目「物品名」と、項目「物品ID」と、項目「価格情報」と、項目「レンタル期限」等を含む。
【0099】
項目「受注日」は、レンタル契約の申し込みがあった日付けを示す情報である。
【0100】
項目「ユーザID」は、レンタル契約の申し込みを行ったユーザを識別する情報である。
【0101】
項目「受注店舗ID」は、レンタル契約の申し込みを受けた販売店を識別する情報である。
【0102】
項目「受注担当者ID」は、レンタル契約の申し込みを受けた販売店のスタッフを識別する情報である。
【0103】
項目「物品名」は、レンタル契約の対象となる物品の名称を示す情報である。
【0104】
項目「物品ID」は、レンタル契約の対象となる物品を識別する情報である。
【0105】
項目「価格情報」は、物品のレンタル料金を含む販売価格に関する情報である。
【0106】
項目「レンタル期限」は、レンタル契約において設定された物品を返却する期限を示す情報である。
【0107】
サーバ20は、端末装置10から受け付けた第1情報、及び外部サーバ30から受け付けたレンタルの対象となる物品の情報を用いて、受注情報DB284を更新する。
【0108】
<3 動作>
以下、
図6から
図8を参照しながら、本実施形態におけるレンタルサービスシステム1による物品のレンタルに関する処理について説明する。
【0109】
図6は、レンタルサービスシステム1により、販売店で販売されている製品をユーザに対してレンタルする際の処理の一例を示すフローチャートである。
【0110】
このフローでは、販売店である家電量販店に、ユーザが新製品のカメラの購入を検討するために訪れた状態を例に挙げて説明する。ユーザは店頭に陳列された新製品のカメラの購入を検討しているが、その利便性を購入する前に確認したいと考え、販売店の販売員にレンタルの希望を申し込む。
【0111】
販売員は、端末装置10を操作して、ユーザからの申し込みに関する情報の入力を行う。なお、ユーザが所有する端末装置10を操作して、申し込みを行ってもよい。この場合には、販売員は、ユーザに対して販売店における物品の販売に関する情報が含まれた二次元コードを提示する。この二次元コードにユーザが自身の端末装置10を用いてアクセスすることで、第1情報の受け付けを行ってもよい。二次元コードには、物品の販売店及び販売員のうちの少なくともいずれか一方を識別可能な情報が含まれている。
そして端末装置10のデータ処理部183は、入力された情報に基づいて、レンタルの申し込みに関する第1情報を生成する(ステップS110)。ステップS101で生成された第1情報は、送受信部182によりサーバ20に送信される。
【0112】
ステップS110の後に、サーバ20の受信制御モジュール2031は、端末装置10から送信された第1情報を受信すると、第1情報を申し込み受付モジュール2033に入力する。申し込み受付モジュール2033は、第1情報を受け付ける(ステップS120)。
ステップS120の後に、申し込み受付モジュール2033は、ユーザに対してレンタルを行うことについての審査を行うための情報を出力する。この情報に基づいて、レンタル事業者の担当者がユーザの審査を行い、その結果を、端末装置10を操作して、サーバ20に入力する。
申し込み受付モジュール2033は、審査においてレンタル不可という情報が入力された場合(ステップS121のNo)には、その旨を端末装置10に送信する。端末装置10は、レンタルの申し込みを行ったユーザに対して、レンタルができない旨を通知する。これにより、レンタルサービスシステム1の処理が終了する。
【0113】
申し込み受付モジュール2033は、審査においてレンタル可能という情報が入力された場合(ステップS121のYes)には、端末装置10に対して申し込み内容の確認を行う(ステップS112)。ステップS122において、ユーザから申し込み内容の確認が得られると、申し込み受付モジュール2033は、物品購入モジュール2034に対して、レンタルの対象となる物品の購入を指示する。レンタルの対象となる物品は、販売店が所有する新製品であるため、物品購入モジュール2034は、販売店の外部サーバ30に対して、物品を購入するための処理を行う(ステップS122)。
物品を購入するための処理は、具体的には、該当する物品の物品IDを用いて、外部サーバ30に対して購入する旨の情報を入力する。
【0114】
ステップS122の後に、外部サーバ30は、物品の購入を受け付ける(ステップS130)。ステップS130の後に、外部サーバ30は、当該物品を販売するための処理を行う(ステップS131)。物品を販売するための処理とは、具体的には売買契約の締結、及び販売価格の請求にまつわる処理である。これにより、当該物品の所有権は販売店からレンタル事業者に移転する。
【0115】
ステップS131の後に、サーバ20の物品レンタルモジュール2036は、第1情報に基づいて、ユーザが、レンタル事業者から当該物品のレンタルを受けるための処理を行う(ステップS123)。レンタルを受けるための処理とは、具体的にはレンタル期限やレンタル料金についての合意に基づいたレンタル契約の締結、及びレンタル料金の請求にまつわる処理である。これにより、当該物品をユーザに対してレンタルするための準備が整い、ユーザは店頭でレンタルを申し込んだ物品を、そのまま持ち帰ることができる。また、物品の保証書等の購入に際して提供される便益に関する書類もユーザが物品とともに持ち帰る。
【0116】
次に、ユーザがレンタルを受けた物品を一定期間使用した後の物品の返却処理(ステップS124)について説明する。
図7は、返却処理の流れを説明する図である。
図7に示すように、物品の返却処理では、まず、ユーザに対して返却の意思表示、及び経過時間を確認する(ステップS1241)。経過時間とはレンタルを開始してから経過した時間を指す。ユーザからの返却の意思表示の確認とは、ユーザが、返却の意思を表示するための操作の入力(例えば、操作画面上での返却ボタンの押下)を受け付けることである。
【0117】
ここで、レンタル品管理モジュール2037は、ユーザから返却の意思を表示するための操作の入力を受け付けた場合(ステップS1241のYes)には、物品の返却を受け付ける(ステップS1245)。具体的には、レンタル品管理モジュール2037は、レンタル物品DB282から該当する物品を除外するようにレコードを更新する。また、レンタル品管理モジュール2037は、物品在庫DB283における該当物品のステータスをレンタル中から保管中に更新するように、レコードを更新する。
【0118】
一方、レンタル品管理モジュール2037が、ユーザから返却の意思を表示するための操作の入力を受け付けない場合(ステップS1241のNO)には、物品販売モジュール2038が、購入の意思表示があるかどうかを確認する。購入の意思表示の確認とは、ユーザから購入の意思を表示するための操作の入力(例えば、操作画面上での購入ボタンの押下)を受け付けることである。物品販売モジュール2038は、購入の意思を表示するための操作の入力を受け付けた場合(ステップS1243のYes)には、物品販売モジュール2038が物品の販売処理を行う(ステップS125)。物品の販売処理については後述する。
物品販売モジュール2038は、購入の意思を表示するための操作の入力を受け付けない場合には、物品の販売処理を行わない。
【0119】
物品販売モジュール2038は、第2所定期間を経過した状態において、未だユーザから返却の意思を表示するための操作、及び購入の意思を表示するための操作の入力を受け付けない場合(ステップS1244のYes)には、ユーザに対して物品の販売処理を行う(ステップS125)。
ここで、第2所定期間とは、単位期間あたりのレンタル料金と、経過期間と、に応じて設定される期間である。具体例として、第2所定期間は、単位期間あたりのレンタル料金と、経過期間と、を積算し、物品の販売価格を超える期間としてもよい。例えば、販売価格が50000円であり、ひと月当たりのレンタル料金が5000円である場合には、第2所定期間は10か月と設定することができる。このように、本発明のレンタルサービスシステム1では、ユーザのレンタル期間が、物品の販売価格と、単位期間あたりのレンタル料金と、に応じて予め設定された第2所定期間を超えた場合には、ユーザが、レンタル事業者から物品を購入するための処理を行う。
すなわち、第2所定期間を経過した場合には、レンタル料金の累積が物品の販売価格よりも多くなるので、自動的にユーザに対して物品を販売することとしている。
第2所定期間は、
図6のステップS123におけるサーバ20の物品レンタルモジュール2036が、第1情報に基づいて、ユーザが、レンタル事業者から当該物品のレンタルを受けるための処理の際に設定される。
経過期間が、第2所定期間を経過していない場合(ステップS1244のYes)には、返却の意思表示があるかどうかを確認する(ステップS1242)。
【0120】
次に、サーバ20の物品販売モジュール2038による物品の販売処理について
図8を参照して説明する。
図8は、物品の販売処理の流れを説明する図である。
図8に示すように、物品販売モジュール2038は、ユーザの物品のレンタルを受けた経過時間を確認する(ステップS1251)。
ユーザの物品のレンタルを受けた経過時間が、第1所定期間を超過している場合(ステップS1252のYes)には、物品販売モジュール2038は、ユーザに対して物品を販売する(ステップS1253)。
【0121】
ここで、第1所定期間とは、販売店からレンタル事業者への物品の販売に関する各種の処理に要する期間に応じて予め設定された期間である。物品の販売に関する各種の処理とは、レンタル事業者と販売店との間における物品の売買契約の締結、購入金額の請求、及び支払いの完了までの一連の処理を指す。すなわち、例えばレンタル開始の翌日などにユーザが購入を希望した場合には、レンタル事業者と販売店との間の物品の売買に関する処理が未だ完了していないため、レンタル事業者が販売店から物品を購入する処理を停止し、ユーザが販売店から直接購入する処理とすることで、販売店及びレンタル事業者の物品の購入に関する手続きを簡素化することを目的としている。
【0122】
すなわち、ユーザが物品のレンタルを受けた経過時間が、第1所定期間を超過していない場合(ステップS1252のNo)には、物品販売モジュール2038は、販売店の外部サーバ30に対して物品の購入手続きの取り消しを申し込む(ステップS1254)。
【0123】
ステップS1254の後に、物品販売モジュール2038は、外部サーバ30に対して物品のユーザへの販売を申し込む(ステップS1255)。これにより、販売店の外部サーバ30は、ユーザに対して物品を販売するための処理を行う。
なお、ユーザが、レンタル事業者又は販売店のうちいずれか一方から物品を購入する際の購入価格は、レンタル事業者が、販売店から物品を購入する際の購入価格とは異ならせてもよい。即ち、ユーザの購入価格を定価とし、レンタル事業者の購入価格を定価から割引した価格とすることができる。
以上によりレンタルサービスシステム1による処理が全て終了する。
【0124】
<4 画面例>
以下、
図9から
図11を参照しながら、レンタルサービスシステム1によるレンタル対象物品のレンタル受付処理の画面例について説明する。
【0125】
図9は、物品のレンタルの申し込みを行う際における申し込み内容の確認画面である。この画面では、ユーザ情報1031a、物品写真1031b、物品ID、物品名、型番、販売価格等の情報を表示する物品情報表示部1031c、チェックボックス1031d、および物品のレンタルの申し込みを確定する申し込み確定ボタン1031eが表示されている。
ここで、チェックボックス1031dは、販売店の販売員により、ユーザの情報や申し込み内容に不正がないことを確認するためのチェック機能である。サーバ20が、端末装置10に当該チェックボックスを表示させて、販売員が直接、チェックボックスに入力することで、レンタルを申し込むものによる、別のユーザへのなりすまし行為を防ぐことができる。
【0126】
図10は、レンタル対象物品のレンタル受付処理における端末装置10の画面例を示す図である。
図10の画面例は、ユーザの端末装置10に、実際にレンタルを受けている物品の一覧の情報が表示された状態の画面例である。
図10に示すように、この画面には、
図4のレンタル物品データベース282に格納されている、項目「物品ID」が「#123」の「カメラ本体」、及び「#345」の「交換レンズ」が表示された場合の例を示す。
【0127】
端末装置10のディスプレイ132には、物品の外観を示す物品写真1032a,1032eと、物品ID、物品名、型番、販売価格等の情報を表示する物品情報表示部1032b,1032fと、当該物品を購入するための画面に遷移する購入手続き移行ボタン1032c,1032gと、当該物品を返却するための画面に遷移するレンタル手続き移行ボタン1032d,1032hとが表示されている。
【0128】
図10に示す画面例では、物品情報表示部1032b,1032fに、当該物品を購入する場合の販売価格と、当該物品のレンタル料金とが並列に表示されている。なお、購入する場合の販売価格としては、予めユーザ向けに設定された販売価格から、レンタル料金とし支払う金額を差し引いた金額が表示される。
また、ユーザは、当該物品を購入する場合には購入手続き移行ボタン1032c,1032gを押下し、当該物品を返却する場合にはレンタル手続き移行ボタン1032d,1032hを押下することで、それぞれの手続きに移行することが可能である。
【0129】
図11は、レンタル対象物品を提案する処理における端末装置10の画面例を示す図である。
図11の画面例は、物品レンタルモジュール2036が、ユーザに対して、ユーザの保有物品と関連性の高い物品のレンタルを提案している画面である。
図11に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、物品の外観を示す物品写真1033aと、物品の詳細な情報を表示する物品情報表示部1033bと、当該物品のレンタル指示を行うレンタル申込ボタン1033cとが表示されている。
【0130】
図11に示す画面例において、ユーザがレンタル申込ボタン1033cを押下することで、レンタル事業者の販売店に対する物品の購入の申し込み、及びユーザへの当該物品のレンタルに関する処理が行われる。
すなわち、物品レンタルモジュール2036は、レンタル事業者のレンタル品の在庫についてユーザに対してレンタルを提案することもできるし、販売店が販売する新製品について、ユーザに対してレンタルを提案することもできる。
【0131】
以上説明したように、本発明のレンタルサービスシステム1では、ユーザがレンタルサービスを利用して、販売店の店頭で販売されている物品のレンタルを希望すると、レンタル事業者が販売店から当該物品を購入するための処理を行う。また、レンタルサービスシステム1は、レンタル事業者が当該物品をユーザに対してレンタルするための処理を行う。このため、物品の購入とレンタルとの選択肢を広げ、ユーザに対する利便性を確保することができる。また、レンタル事業者は、実際にレンタルを希望された物品を購入することとなり、レンタル品の在庫を抑えることができる。
【0132】
また、レンタル事業者としては、販売店の顧客を自身のレンタル事業の顧客としてレンタルサービスを提供することができ、効果的な顧客の導線を確保することができる。
また、販売店は、購入に至らないまでもレンタルを受けたいというユーザの要望に応じて、レンタル事業者に対して当該物品を販売することができ、販路を確保することができる。
【0133】
また、物品のレンタルを受けたユーザが、レンタルに関して設定されたレンタル期限内に当該物品の購入を希望した際に、ユーザが、レンタル事業者から物品を購入するための処理を行う。このため、お試し期間において購入を決意したユーザに対してそのまま物品を販売することができ、物品の返却手続き、及び購入品の発送手続きを省略することができる。
【0134】
また、ユーザが物品のレンタルを実際に受けた期間が、予め設定された第1所定期間を超えることなく、ユーザが当該物品の購入を希望した場合には、レンタル事業者が、販売店から物品を購入するための処理を停止し、ユーザが、販売店から物品を購入するための処理を行う。このため、レンタル開始後の短い期間にユーザが購入の意思表示をした場合には、販売店とレンタル事業者との間の当該物品の売買に関する各種の手続きを停止し、販売店から直接ユーザに当該物品を販売させることで、販売に関する手続きが煩雑になるのを防ぐことができる。
【0135】
また、ユーザが、レンタル事業者又は販売店のうちいずれか一方から物品を購入する際の購入価格が、レンタル事業者が、販売店から物品を購入する際の購入価格よりも安くなっている。このため、レンタル事業者が物品を販売するときの利益を確保することができる。
【0136】
また、ユーザのレンタル期間が、物品の販売価格と、単位期間あたりのレンタル料金と、に応じて予め設定された第2所定期間を超えた場合に、ユーザが、レンタル事業者から物品を購入するための処理を行う。これにより、レンタル料金の累計が、購入価格を上回ったときに、自動的にユーザに対して販売することで、ユーザがレンタル料金を払いすぎるのを防ぐことができる。
【0137】
また、販売店が保有するユーザに関する情報を、ユーザからのレンタルの申し込みに用いる第1情報に含める。このため、販売店が保有する顧客情報をレンタル事業者が速やかに取得することができ、ユーザの個人情報の入力を省けるとともに、レンタル事業者にとっては、顧客の導線を効率的に確立することができる。
【0138】
また、ユーザに関する情報と併せて、ユーザの本人確認書類、及びユーザの生体情報に基づく個人情報のうちの少なくともいずれか一方を、第1情報に含める。これにより、虚偽情報の登録を妨げ、信頼性の高いユーザに関する情報を取得することができる。
【0139】
また、第1情報に基づいて、ユーザのレンタルに関する審査を行う。これにより、レンタルサービスの取引の安全性を確保することができる。
【0140】
また、第1情報に含まれるユーザに関する情報のうち、販売店におけるユーザの購買履歴に関する情報を、ユーザのレンタルに関する審査に利用する。これにより、ユーザの過去の購買履歴を参照して、支払い能力を推定することができる。具体的には、ユーザの過去1年間の支払い実績と、レンタル料金と、を比較して、レンタル料金をユーザが遅滞なく支払うことができるかどうかを推定する。また、購買履歴にユーザのクレジットカード等の決済手段に関する情報が含まれる場合には、決済手段に関する情報から、支払い能力を推定してもよい。
【0141】
また、レンタル事業者が、販売店から物品を購入する際の購入価格は、審査の結果に応じて変動する。これにより、審査結果において優良と判断されたユーザがレンタルする物品の購入価格を安くして、当該ユーザの利用を促すことができる。
【0142】
また、ユーザに関する情報のうち、販売店におけるユーザの購買履歴に関する情報を参照し、ユーザが、所定の条件を満たす優良顧客であると確認された場合には、販売店から物品をレンタル事業者が購入するための処理において、販売店に対して有利な特典を付与する。これにより、優良顧客がレンタルサービスを利用する際には、販売店に対しての報酬として購入価格を割高にするなど、販売価格の設定に自由度を与えることができる。
【0143】
また、ユーザに関する情報のうち、販売店におけるユーザの購買履歴に関する情報を参照し、ユーザが既に保有している物品に関する情報を保有物品として登録する。これにより、ユーザの嗜好を把握することができる。
【0144】
また、ユーザに対して、保有物品と関連性の高い物品のレンタルを提案する。これにより、ユーザの嗜好に合わせた提案を行うことで、レンタルサービスの使用をユーザに対して効果的に促すことができる。具体的には、ユーザの保有物品の属性より、ユーザの嗜好を推定し、同じ嗜好を満たす属性である類似物品を特定する。例えば、高倍率のズームレンズがユーザの保有物品に含まれる場合には、更に高倍率のズームレンズを、保有物品と関連性の高い物品として、レンタルの提案を行ってもよい。
【0145】
また、店頭での申し込みの際に、ユーザに対して販売店における物品の販売に関する情報が含まれた二次元コードを提示し、ユーザが、二次元コードにアクセスを行うことで、第1情報を受け付ける。これにより、迅速にレンタルサービスの申し込みを受け付けることができる。
【0146】
また、物品の販売に関する情報に、物品の販売店及び販売員のうちの少なくともいずれか一方を識別可能な情報が含まれている。このため、レンタルサービスの提供に貢献した販売店又は販売員を正確に把握することができる。
これにより、レンタルの申し込みの実績を販売員の成果として評価して、当該販売員に対してインセンティブを付与するといった個別評価に資することができる。
【0147】
<変形例>
以下、本発明の変形例について説明する。
本実施形態では、レンタルサービスに供する物品として、カメラを例に挙げて説明したが、この限りではない。レンタルサービスの供する物品としては、パソコン、タブレット端末、スマートフォン等の通信機器を含む各種の電化製品の他、キャンプ用品、釣り具等のアウトドア用品等であってもよい。レンタルサービスに供する物品としては、嗜好性が高く、使用により損耗しにくいものが好ましい。
【0148】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0149】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0150】
(付記1)
プロセッサと、メモリと、を備えるコンピュータに実行させるプログラムであって、
プロセッサに、
販売店の販売チャネルに陳列された物品について、ユーザからレンタルの申し込みに関する第1情報を受け付ける第1ステップ(ステップS120)と、
第1情報の受け付けに応じて、物品のレンタルの主体となるレンタル事業者が、販売店から物品を購入するための処理を行う第2ステップ(ステップS122)と、
第1情報の受け付けに応じて、第1情報に基づいて、ユーザが、レンタル事業者から物品のレンタルを受けるための処理を行う第3ステップ(ステップS123)と、を実行させるプログラム。
【0151】
(付記2)
プロセッサに、
物品のレンタルを受けたユーザが、レンタルに関して設定されたレンタル期限内に当該物品の購入を希望した際に、ユーザが、レンタル事業者から物品を購入するための処理を行う第4ステップ(ステップS125)を実行させる(付記1)に記載のプログラム。
【0152】
(付記3)
ユーザが物品のレンタルを実際に受けた期間が、予め設定された第1所定期間を超えることなく、ユーザが当該物品の購入を希望した場合には、レンタル事業者が、販売店から物品を購入するための処理を停止し、ユーザが、販売店から物品を購入するための処理を行う第5ステップ(ステップS1254)を実行させる(付記1)又は(付記2)に記載のプログラム。
【0153】
(付記4)
ユーザが、レンタル事業者又は販売店のうちいずれか一方から物品を購入する際の購入価格は、レンタル事業者が、販売店から物品を購入する際の購入価格とは異なっている(付記3)に記載のプログラム。
【0154】
(付記5)
プロセッサに、
ユーザのレンタル期間が、物品の販売価格と、単位期間あたりのレンタル料金と、に応じて予め設定された第2所定期間を超えた場合に、ユーザが、レンタル事業者から物品を購入するための処理(ステップS125)を行う第6ステップを実行させる(付記1)から(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
【0155】
(付記6)
第1ステップにおいて、
販売店が保有するユーザに関する情報を、第1情報に含める(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
【0156】
(付記7)
第1ステップにおいて、
ユーザに関する情報と併せて、ユーザの本人確認書類、及びユーザの生体情報に基づく個人情報のうちの少なくともいずれか一方を、第1情報に含める(付記6)に記載のプログラム。
【0157】
(付記8)
第1ステップにおいて、
第1情報に基づいて、ユーザのレンタルに関する審査を行う、(付記6)又は(付記7)に記載のプログラム。
【0158】
(付記9)
第1ステップにおいて、
第1情報に含まれるユーザに関する情報のうち、販売店におけるユーザの購買履歴に関する情報を、ユーザのレンタルに関する審査に利用する(付記8)に記載のプログラム。
【0159】
(付記10)
レンタル事業者が、販売店から物品を購入する際の購入価格は、審査の結果に応じて変動する(付記8)又は(付記9)に記載のプログラム。
【0160】
(付記11)
第2ステップにおいて、
ユーザに関する情報のうち、販売店におけるユーザの購買履歴に関する情報を参照し、ユーザが、所定の条件を満たす優良顧客であると確認された場合には、販売店から物品をレンタル事業者が購入するための処理において、販売店に対して有利な特典を付与する、(付記6)から(付記10)のいずれかに記載のプログラム。
【0161】
(付記12)
プロセッサに、
ユーザに関する情報のうち、販売店におけるユーザの購買履歴に関する情報を参照し、ユーザが既に保有している物品に関する情報を保有物品として登録する第7ステップを実行させる(付記6)から(付記11)のいずれかに記載のプログラム。
【0162】
(付記13)
プロセッサに、
ユーザに対して、保有物品と関連性の高い物品のレンタルを提案する第8ステップを実行させる(付記12)に記載のプログラム。
【0163】
(付記14)
第1ステップにおいて、
ユーザに対して販売店における物品の販売に関する情報が含まれた二次元コードを提示し、
ユーザが、二次元コードにアクセスを行うことで、第1情報を受け付ける(付記1)から(付記13)のいずれかに記載のプログラム。
【0164】
(付記15)
物品の販売に関する情報には、物品の販売店及び販売員のうちの少なくともいずれか一方を識別可能な情報を含む(付記14)に記載のプログラム。
【0165】
(付記16)
第1情報には、物品を識別可能な情報を含む(付記1)から(付記15)のいずれかに記載のプログラム。
【0166】
(付記17)
プロセッサと、メモリと、を備えるコンピュータに実行させる方法であって、
プロセッサが、
販売店の店頭に陳列又は表示された物品について、ユーザからレンタルの申し込みに関する第1情報を受け付ける第1ステップ(ステップS120)と、
第1情報の受け付けに応じて、物品のレンタルの主体となるレンタル事業者が、販売店から物品を購入するための処理を行う第2ステップ(ステップS122)と、
第1情報の受け付けに応じて、第1情報に基づいて、ユーザが、レンタル事業者から物品のレンタルを受けるための処理を行う第3ステップ(ステップS123)と、を実行する方法。
【0167】
(付記18)
制御部と、記憶部と、を備えたシステムであって、
制御部は、
販売店の店頭に陳列又は表示された物品について、ユーザからレンタルの申し込みに関する第1情報を受け付ける第1モジュール(2033)と、
第1情報の受け付けに応じて、物品のレンタルの主体となるレンタル事業者が、販売店から物品を購入するための処理を行う第2モジュール(2034)と、
第1情報の受け付けに応じて、第1情報に基づいて、ユーザが、レンタル事業者から物品のレンタルを受けるための処理を行う第3モジュール(2036)と、を備えるシステム。
【符号の説明】
【0168】
10 端末装置、20 サーバ、30 外部サーバ、80 ネットワーク、130 操作受付部(タッチスクリーン)、171 ユーザ情報、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、281 ユーザデータベース、282 レンタル物品データベース、283 物品在庫データベース、203 制御部
【要約】
【課題】物品の新規購入を検討しているユーザにとって、物品の購入とレンタルとの選択肢を広げ、ユーザに対する利便性を確保するとともに、レンタル事業者のレンタル品の在庫を抑えることができるシステムを提供する。
【解決手段】本開示のプログラムは、プロセッサと、メモリと、を備えるコンピュータに実行させるプログラムであって、前記プロセッサに、販売店の販売チャネルに陳列又は表示された物品について、ユーザからレンタルの申し込みに関する第1情報を受け付ける第1ステップと、前記第1情報の受け付けに応じて、前記物品のレンタルの主体となるレンタル事業者が、前記販売店から前記物品を購入するための処理を行う第2ステップと、前記第1情報の受け付けに応じて、前記第1情報に基づいて、前記ユーザが、前記レンタル事業者から前記物品のレンタルを受けるための処理を行う第3ステップと、を実行させる。
【選択図】
図3