(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】広告評価システム、広告評価方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220120BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
(21)【出願番号】P 2021190428
(22)【出願日】2021-11-24
【審査請求日】2021-11-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515239711
【氏名又は名称】BHI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】日昔 靖裕
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/194232(WO,A1)
【文献】特開2002-149948(JP,A)
【文献】国際公開第2018/221733(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ及び場所を対応付けて記憶する場所記憶部と、
広告が掲載された場所に対応する前記ユーザを特定する調査対象特定部と、
前記ユーザを宛先とした電子メールを取得する電子メール取得部と、
前記電子メールを解析して取引データを抽出する取引データ抽出部と、
前記取引データに含まれる商品が前記広告に関連する商品と一致しているか否かに応じて前記広告の効果を評価する広告評価部と、
を備えることを特徴とする広告評価システム。
【請求項2】
請求項1に記載の広告評価システムであって、
前記ユーザのユーザ端末にアプリがインストールされた場所を取得し、取得した前記場所と前記ユーザとを対応付けて前記場所記憶部に登録する場所取得部をさらに備えること、
を特徴とする広告評価システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の広告評価システムであって、
前記ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、
特定の前記場所に含まれる前記位置情報の前記ユーザに対して前記広告を提示する広告提示部と、
をさらに備えることを特徴とする広告評価システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の広告評価システムであって、
前記広告はクーポンであり、
前記広告評価部は、前記取引データに、利用された前記クーポンが含まれているか否かに応じて前記広告の効果を評価すること、
を特徴とする広告評価システム。
【請求項5】
ユーザ及び場所を対応付けて記憶するステップと、
広告が掲載された場所に対応する前記ユーザを特定するステップと、
前記ユーザを宛先とした電子メールを取得するステップと、
前記電子メールを解析して取引データを抽出するステップと、
前記取引データに含まれる商品が前記広告に関連する商品と一致しているか否かに応じて前記広告の効果を評価するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする広告評価方法。
【請求項6】
ユーザ及び場所を対応付けて記憶するステップと、
広告が掲載された場所に対応する前記ユーザを特定するステップと、
前記ユーザを宛先とした電子メールを取得するステップと、
前記電子メールを解析して取引データを抽出するステップと、
前記取引データに含まれる商品が前記広告に関連する商品と一致しているか否かに応じて前記広告の効果を評価するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告評価システム、広告評価方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバージョンレポートを提供することで広告の効果を検証することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンバージョンを測定することは難しい。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、広告の効果を検証することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、広告評価システムであって、ユーザ及び場所を対応付けて記憶する場所記憶部と、広告が掲載された場所に対応する前記ユーザを特定する調査対象特定部と、前記ユーザを宛先とした電子メールを取得する電子メール取得部と、前記電子メールを解析して取引データを抽出する取引データ抽出部と、前記取引データに含まれる商品が前記広告に関連する商品と一致しているか否かに応じて前記広告の効果を評価する広告評価部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広告の効果を検証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る広告評価システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態の広告評価システムの動作を説明する図である。
【
図5】第2の実施形態に係る管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
ユーザ及び場所を対応付けて記憶する場所記憶部と、
広告が掲載された場所に対応する前記ユーザを特定する調査対象特定部と、
前記ユーザを宛先とした電子メールを取得する電子メール取得部と、
前記電子メールを解析して取引データを抽出する取引データ抽出部と、
前記取引データに含まれる商品が前記広告に関連する商品と一致しているか否かに応じて前記広告の効果を評価する広告評価部と、
を備えることを特徴とする広告評価システム。
[項目2]
項目1に記載の広告評価システムであって、
前記ユーザのユーザ端末にアプリがインストールされた場所を取得し、取得した前記場所と前記ユーザとを対応付けて前記場所記憶部に登録する場所取得部をさらに備えること、
を特徴とする広告評価システム。
[項目3]
項目1又は2に記載の広告評価システムであって、
前記ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、
特定の前記場所に含まれる前記位置情報の前記ユーザに対して前記広告を提示する広告提示部と、
をさらに備えることを特徴とする広告評価システム。
[項目4]
項目1ないし3のいずれか1項に記載の広告評価システムであって、
前記広告はクーポンであり、
前記広告評価部は、前記取引データに、利用された前記クーポンが含まれているか否かに応じて前記広告の効果を評価すること、
を特徴とする広告評価システム。
[項目5]
ユーザ及び場所を対応付けて記憶するステップと、
広告が掲載された場所に対応する前記ユーザを特定するステップと、
前記ユーザを宛先とした電子メールを取得するステップと、
前記電子メールを解析して取引データを抽出するステップと、
前記取引データに含まれる商品が前記広告に関連する商品と一致しているか否かに応じて前記広告の効果を評価するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする広告評価方法。
[項目6]
ユーザ及び場所を対応付けて記憶するステップと、
広告が掲載された場所に対応する前記ユーザを特定するステップと、
前記ユーザを宛先とした電子メールを取得するステップと、
前記電子メールを解析して取引データを抽出するステップと、
前記取引データに含まれる商品が前記広告に関連する商品と一致しているか否かに応じて前記広告の効果を評価するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る広告評価システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の広告評価システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と電子メールサーバ3と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
<管理サーバ2>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ装置2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0013】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、場所記憶部231と、広告記憶部232と、ユーザ情報記憶部233と、評価情報記憶部234と、取引データ記憶部235と、調査対象特定部211と、電子メール取得部212と、取引データ抽出部213と、広告評価部214と、場所取得部215と、広告提示部216と、を備える。
【0014】
場所記憶部231は、ユーザと場所とを対応づける情報(以下、場所情報という。)を記憶する。場所情報には、例えば、ユーザを特定するユーザIDと場所とを含めることができる。場所は、一定の範囲を特定できるものならよく、例えば、市区町村やジオフェンス(地図上で指定されたエリア)などとしてもよいし、特定の電車の沿線としてもよいし、特定の建物としてもよい。また、場所は、例えば、駅、停留所、空港、公園、テーマパーク等の施設、店舗名、イベント名などにより特定してもよい。
【0015】
広告記憶部232は、広告に関する情報(以下、広告情報という)を記憶する。広告情報には、広告を特定する広告IDに対応付けて、当隊広告に関連する商品又はサービスを含めることができる。また、広告情報には、さらに広告の掲載場所を含めるようにしてもよい。また、広告情報には、広告の掲載期間を含めることができる。
【0016】
ユーザ情報記憶部233は、ユーザに関する情報(以下、ユーザ情報という。)を記憶する。ユーザ情報には、例えば、ユーザを特定するユーザIDと、ユーザの属性とを含めることができる。ユーザの属性には、住所や性別、年齢、趣味、好きな商品、好きな商品のジャンルなど任意の属性を含めることができる。ジャンルは、例えば、商品のカテゴリとしてもよいし、ターゲティング広告に用いられる興味対象としてもよい。
【0017】
評価情報記憶部234は、広告の評価に関する情報(以下、評価情報という。)を記憶する。評価情報には、広告を特定する広告IDと、当該広告に関する商品を購入したユーザの数と、商品の購入金額とを含めることができる。
【0018】
取引データ記憶部235は、商取引に関する情報(以下、取引データという。)を記憶する。取引データには、取引を行ったユーザを示すユーザID、取引日(日時であってもよい。)、取引が行われた店舗の店舗名、商品又はサービスに対する支払金額、決済手段、商品の送料、利用されたクーポン、利用されたポイント、取引に係る取引金額、商品又はサービスの名称(商品名)などが含まれうる。取引金額は、支払金額に送料を加算し、ポイントや手数料その他に応じた加算減算を行った後の最終金額であり、決済の対象となる決済金額となる。決済手段は、クレジットカードやポイント、プリペイドカード、QRコード(登録商標)決済など、各種の決済手段のうちどの決済手段により決済されたかを示す。
【0019】
調査対象特定部211は、調査対象のユーザを特定する。調査対象特定部211は、特定の場所に対応するユーザを調査対象として特定する。調査対象特定部211は、広告が掲載された場所に対応する前記ユーザを特定する。調査対象特定部211は、例えば、調査者(広告主や広告代理店等の広告効果を検証しようとする者)から場所の指定を受け付けてもよい。また、調査対象特定部211は、調査者から調査対象の広告の指定を受け付け、指定された広告が掲載された場所を広告記憶部232から特定し、特定した場所に対応するユーザを調査対象のユーザとして特定することもできる。
【0020】
電子メール取得部212は、ユーザ宛ての電子メールデータを取得する。電子メール取得部212は、電子メールサーバ3にアクセスして、POP(Post Office Protocol)、IMAP(Internet Message Access Protocol)などのプロトコルに従って、ユーザのメールボックスから電子メールデータを取得することができる。管理サーバ2は、アクセスするメールサーバをユーザIDに対応付けて管理するメールサーバ記憶部を備えるようにし、電子メール取得部212は、メールサーバ記憶部に登録されている全てのメールサーバにアクセスして、電子メールデータを収集するようにすることもできる。
【0021】
取引データ抽出部213は、電子メールデータを解析して取引データを抽出する。電子メールデータのうち、商取引に関連するものには、取引に関連する情報(取引データ)が含まれている。取引データ抽出部213は、事前に設定されたルールに従って電子メールデータから取引データを抽出することができる。本実施形態では、商取引は商品の購入を想定するが、商品の予約、サービスを受けること、ホテルの予約などのサービスの予約などであってもよい。管理サーバ2は、例えば、送信元(店舗等)の電子メールアドレスのパターンに対応付けてルールを記憶するルール記憶部を備えるようにすることもできる。取引データ抽出部213は、電子メールデータに含まれている送信元のアドレスがマッチするアドレスパターンに対応するルールをこのルール記憶部から読み出して、読み出したルールに基づいて電子メールデータから取引データを抽出することもできる。また、取引データ抽出部213は、ルール記憶部に記憶されている全てのルールを適用して、取引データの抽出に成功したものを使用するようにしてもよく、この場合には、成功したルールに対応する店舗等を特定することができる。
【0022】
広告評価部214は、広告効果を評価する。広告評価部214は、例えば、広告記憶部232に記憶されている広告情報のそれぞれについて評価を行うことができる。広告評価部214は、例えば、取引情報が取引データ記憶部235に登録されたことなどを契機として広告情報について評価を行うようにすることができる。広告評価部214は、例えば、定期的に広告情報の評価を行うようにすることもできる。また、広告評価部214は、調査者から評価対象の広告の指定を受け付け、指定された広告に対応する広告情報について評価を行うようにすることができる。
【0023】
広告評価部214は、取引データに含まれる商品が広告に関連する商品(広告情報の商品)と一致しているか否かに応じて広告の効果を評価することができる。
【0024】
例えば、広告情報のそれぞれについて、調査対象特定部211が、広告情報の掲載場所に対応するユーザ(調査対象ユーザ)を場所記憶部231から特定し、広告評価部214は、取引データ記憶部235から、特定した調査対象ユーザを示すユーザIDに対応し、取引日が広告情報の掲載期間内であり、かつ、広告情報の商品を示す商品名が含まれている取引データについて、取引データの数をカウントし、また、支払金額(取引金額であってもよい。)を合計し、カウントした数、すなわち、広告掲載場所に関連づけられていて広告商品を購入したユーザの人数又は購入回数(購入ユーザ数)と、支払金額(及び/又は取引金額)の合計(購入金額)を、広告を示す広告IDに対応づけて評価情報記憶部234に書き込むことができる。ここで、評価評価部214は、例えば、取引データの数ではなく、掲載期間内の取引日及び広告対象の商品に対応する取引データのうち、調査対象ユーザを示すユーザIDを重複なくカウントした数を購入ユーザ数として登録してもよい。
【0025】
また、広告評価部214は、例えば、取引データ抽出部213が取引データを抽出したときに、取引データの取引日が広告情報の掲載期間内又は掲載期間終了後所定期間内であり、かつ、取引データに含まれる商品(の少なくともいずれか)が広告情報の商品に一致するものが広告記憶部232に存在した場合に、広告に応じて商品を購入したユーザの数をインクリメントし、購入金額に支払金額(及び/又は取引金額)を加算することができる。ここで、広告評価部214は、例えば、場所記憶部231から、広告情報の掲載場所に一致する場所に対応するユーザを特定し、特定したユーザについてのみ、購入ユーザ数をインクリメントし、購入金額に加算するようにしてもよい。
【0026】
広告評価部214は、購入ユーザ数及び購入金額の少なくともいずれかに応じて広告を評価することができる。
【0027】
広告の評価は、例えば、購入ユーザ数が多い程高くなるように評価してもよいし、購入金額が高い程高くなるように評価してもよい。また、購入金額を購入ユーザ数で割った金額(客単価)が高いほど高くなるように評価してもよい。また、特定の属性のユーザが購入した場合に重みをつけて評価をしてもよい。また、広告の評価は、単位期間(例えば1日あたり等)に対応する購入者数や購入金額に応じて行ってもよい。また、広告の種類に応じて、掲示した広告の数を考慮して、特定枚数(例えば1枚)の広告あたりの購入者数や支払金額に応じて広告を評価してもよい。また、広告評価部214は、同じ商品又はサービスに係る複数種類の広告が提示された場合に、広告の種類ごとの評価を行うようにしてもよい。
【0028】
また、広告評価部214は、例えば、調査対象の場所に対応するユーザの数を場所記憶部231からカウントし、そのうち、広告対象の商品を購入した数(上述した重複なくカウントした購入ユーザ数)の割合を、広告効果として評価することもできる。
【0029】
なお、例えば、特定の場所ではなく、様々な場所で広告が掲載されていた場合には、広告評価部214は、全てのユーザを対象とした、広告対象の商品の購入回数(又はユーザ数)、金額及び/又は割合と、特定の場所に対応するユーザを対象とした、広告対象の商品の購入回数(又はユーザ数)、金額及び/又は割合と、を算出し、これらを比較することで、特定の場所について広告効果の優位性を評価することもできる。すなわち、広告評価部214は、取引データ記憶部235から、取引日が広告情報の掲載期間内であり、かつ、広告情報の商品を示す商品名が含まれている取引データについて、取引データの数(取引データ中の重複ないユーザIDの数であってよい。)をカウントした全購入ユーザ数と、支払金額(及び/又は取引金額)を合計した全ユーザ購入金額とを算出し、評価情報記憶部234に登録した購入ユーザ数及び購入金額と、全購入ユーザ数及び全ユーザ購入金額とに基づいて広告の評価を行うことができる。広告評価部214は、例えば、全購入ユーザ数に対する購入ユーザ数の比率を計算し、あるいは、全ユーザ購入金額に対する購入金額の比率を計算して、比率を評価とすることができる。
【0030】
また、広告評価部214は、クーポンの効果を測定することもできる。広告評価部214は、クーポン、期間及び場所を取得する。広告評価部214は、例えば、調査者からクーポン、クーポンの有効期間及びクーポンを配布した場所の入力を受け付けることができる。広告評価部214は、調査対象のユーザに対応する取引データのうち、利用されたクーポンとして指定されたクーポンが含まれているものを検索し、検索した取引データの個数(すなわち、クーポンの利用回数)及び/又は、検索した取引データに対応する重複のないユーザの人数(すなわち、クーポンを利用したユーザの数)ならびに支払金額(及び/又は取引金額)の合計(購入金額)を算出し、クーポンの利用回数及び/又はクーポンの利用人数に応じてクーポンの評価を行うことができる。広告評価部214は、上述した広告情報と同様の評価を行うことができる。例えば、クーポンの利用回数及び/又は利用人数が多いほど高く評価することができ、購入金額が高いほど高く評価することができる。
【0031】
広告評価部214は、調査者に対して評価結果を提示することができる。広告評価部214は、例えば、調査者のコンピュータに対して評価結果を送信することができる。また、広告評価部214は、例えば、調査者のコンピュータからのアクセスに応じた評価結果を出力することができる。
【0032】
場所取得部215は、ユーザに関連する場所を取得する。例えば、ユーザ端末1においてユーザに関連する場所の入力を受け付け、場所取得部215は、ユーザ端末1からユーザに関連する場所を受信するようにしてもよい。また、ある特定の場所に、ユーザ端末1にインストールするソフトウェア(アプリ)の誘引(広告)を表示する。当該広告の表示は、例えば、看板や車内広告などとしてもよいし、ユーザ端末1で出力される位置連動広告としてもよい。当該広告には、例えば、アプリのストアへのリンクをコード化したQRコード(登録商標)やストアへのURLを含めることができる。当該広告には、例えば、ユーザに付与する報奨を提示してもよい。場所取得部215は、ユーザがユーザ端末1にアプリをインストールしたことを検知し(例えば、アプリのストアからの電子メールを解析してもよいし、アプリのストアが提供するAPIを用いてインストールしたユーザを特定してもよい。)、広告の出稿場所と、ユーザとを対応付けて場所記憶部231に登録することができる。
【0033】
広告提示部216は、ユーザに広告を提示する。広告提示部216は、例えば、ユーザ端末1に対してクーポン情報を送信するようにすることができる。広告提示部216は、例えば、広告主から特定の場所と広告の入力を受け付けて、指定された場所に関連するユーザIDを場所記憶部231から特定し、特定したユーザに対して広告を提示するようにすることができる。また、広告提示部216は、ユーザの属性に対する条件を受け付けるようにし、上記特定したユーザのうち、属性が、指定された条件を満たすユーザに対して広告を提示するようにしてもよい。
【0034】
<動作>
図4は、本実施形態の広告評価システムの動作を説明する図である。
【0035】
まず、特定の場所に、ユーザにアプリをダウンロードさせるための広告を出す(S301)。当該広告は、現場に設置する広告であってよい。管理サーバ2は、アプリをダウンロードしたユーザと、広告を出した場所とを対応付けた場所記憶部231に登録する(S302)。
【0036】
次に、特定の場所(S301と同じ場所でもよいし、違う場所でもよい。)に広告を出す(S303)。当該広告は、現場に設置する広告であってよい。管理サーバ2は、ユーザ宛の電子メールを電子メールサーバ3から取得して、電子メールを解析し、取引データを抽出する(S304)。ここで管理サーバ2は、広告の掲載場所に対応するユーザについてのみ取引データを抽出するようにしてもよい。管理サーバ2は、取引データに含まれる商品に一致する商品を含む広告情報を広告記憶部232から検索し、商品の一致する広告情報が見つかれば(S305:YES)、広告情報の広告IDに対応する評価情報記憶部234の購入ユーザをインクリメントし、購入金額に支払金額を加算する(S306)。
【0037】
管理サーバ2は、購買ユーザ数及び購入金額の少なくともいずれかに応じて広告の効果を評価することができる(S307)。
【0038】
<第2の実施形態>
上述した第1の実施形態では、ユーザと、当該ユーザが存在した場所とを対応づけて記憶し、広告が掲示された場所に関係するユーザが広告対象商品を購入したか否かに応じて、広告効果を評価した。第2の実施形態では、広告を出したメディアと、当該メディアを視聴したユーザとを対応づけて記憶しておき、広告が出されたメディアに関連するユーザが広告対象商品を購入したか否かに応じて、広告評価を評価する。メディアとは、例えば、放送波により放送されるテレビ番組に含まれる広告枠であってもよいし、動画配信サービスにより提供される動画に含まれる広告枠であってもよいし、Webサーバにより提供さるWebページであってもよい。
【0039】
図5は、第2の実施形態に係る管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【0040】
管理サーバ2は、場所記憶部231に代えて(又は加えて)、メディア記憶部2311を備えることができる。メディア記憶部2311は、ユーザとユーザが視聴したメディアとを対応づける情報(以下、メディア情報という。)を記憶する。メディア情報には、ユーザを特定するユーザIDと、メディアを示す情報とを含めることができる。
【0041】
また、管理サーバ2が備える広告記憶部2321では、掲載場所に代えて(又は加えて)、掲載メディアを記憶することができる。
【0042】
また、第2の実施形態では、管理サーバ2は、場所取得部215に代えて(又は加えて)、メディア取得部2151を備えることができる。
【0043】
メディア取得部2151は、ユーザが視聴したメディアを取得する。例えば、メディア取得部2151は、ユーザ端末1においてユーザが視聴したメディアの入力を受け付け、ユーザ端末1からユーザが視聴したメディアを受信するようにしてもよい。また、ある特定のメディアに、ユーザ端末1にインストールするソフトウェア(アプリ)の広告を出すようにし、当該広告には、例えば、アプリのストアへのリンクをコード化したQRコード(登録商標)やストアへのURLを含めることができる。当該広告には、例えば、ユーザに付与する報奨を提示してもよい。メディア取得部2151は、ユーザがユーザ端末1にアプリをインストールしたことを検知し(例えば、アプリのストアからの電子メールを解析してもよいし、アプリのストアが提供するAPIを用いてインストールしたユーザを特定してもよい。)、広告の出稿された当該特定のメディアと、ユーザとを対応付けてメディア記憶部2311に登録することができる。
【0044】
第2実施形態では、広告の評価は、例えば、調査対象特定部211が、広告情報の掲載メディアに対応するユーザ(調査対象ユーザ)をメディア記憶部2311から特定し、広告評価部214は、取引データ記憶部235から、特定した調査対象ユーザを示すユーザIDに対応し、取引日が広告情報の掲載期間内であり、かつ、広告情報の商品を示す商品名が含まれている取引データについて、取引データの数をカウントし(ユーザIDが重複しないようにカウントしてもよい。)、また、支払金額(及び/又は取引金額)を合計し、カウントした購入ユーザ数と、合計した購入金額とを、広告を示す広告IDに対応づけて評価情報記憶部234に書き込み、この評価情報に応じて行うことができる。
【0045】
なお、広告評価部214は、その他第1の実施形態と同様の評価を行うことができる。例えば、様々なメディアに広告が表示されていた場合に、広告評価部214は、全てのユーザを対象とした広告対象の商品の購入回数(又はユーザ数)、金額及び/又は割合と、特定のメディアに対応するユーザを対象とした、広告対象の商品の購入回数(又はユーザ数)、金額及び/又は割合と、を算出し、これらを比較することで、特定のメディアについて広告効果の優位性を評価することもできる。すなわち、広告評価部214は、取引データ記憶部235から、取引日が広告情報の掲載期間内であり、かつ、広告情報の商品を示す商品名が含まれている取引データについて、全購入ユーザ数と全ユーザ購入金額とを算出し、評価情報記憶部234に登録した購入ユーザ数及び購入金額と、全購入ユーザ数及び全ユーザ購入金額とに基づいて広告の評価を行うことができる。広告評価部214は、例えば、全購入ユーザ数に対する購入ユーザ数の比率を計算し、あるいは、全ユーザ購入金額に対する購入金額の比率を計算して、特定のメディアにおける購入比率を評価とすることができる。
【0046】
以上のように、第2の実施形態に係る広告評価システムによれば、特定のメディアに掲載した広告の効果を、当該メディアを視聴したユーザが広告商品を購入したか否かにより評価することができる。
【0047】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0048】
例えば、本実施形態では、電子メールを解析して取引データを抽出するものとしたが、これに限らず、チャットやメッセージングサービスなどのメッセージを解析するようにしてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、管理サーバ2が広告提示部216を備えるものとしたが、これに限らず、広告の提示は、例えば、Webサーバや広告配信サーバなどの別のサーバから行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
3 電子メールサーバ
【要約】
【課題】広告の効果を検証することができるようにする。
【解決手段】広告評価システムであって、ユーザ及び場所を対応付けて記憶する場所記憶部と、広告が掲載された場所に対応するユーザを特定する調査対象特定部と、ユーザを宛先とした電子メールを取得する電子メール取得部と、電子メールを解析して取引データを抽出する取引データ抽出部と、取引データに含まれる商品が広告に関連する商品と一致しているか否かに応じて広告の効果を評価する広告評価部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1